2019年08月01日

巻き上げた消費税どこへ 30年間ウソばかりついてきた政府

巻き上げた消費税どこへ
30年間ウソばかりついてきた政府
2019/07/31 日刊ゲンダイ
斎藤貴男ジャーナリスト

 日本銀行の試算によれば、現役を退いた高齢夫婦の生活費は年金だけでは賄えず、ざっと1500万円の貯蓄が必要になるらしい――。
 これは1988年に、あるワンルームマンション会社が監修して出版された本「パートナーシップ」の一節だ。
ネタ元だった同社の幹部にいただいて、思うところがあり、大切に保管してきた。
 どこまでも宣伝のための本なので、年金制度を充実させなければ、とは続かない。
だから皆さん、当社のマンションに投資して、安心な老後に備えましょう、とくるわけだ。

 どこかで聞いたふうな話ではないか。
そう、例の“2000万円問題”とまったく同じのような。
 消費税は本の出版の翌年、89年に導入されている。

“高齢化社会への対応”が喧伝され、その後も社会保障の充実やら安定化やらが掲げられては、3から5、8%と増税が重ねられ、ついには10%の税率大台に乗ることにされた経緯は周知の通り。

 なんだ、これ?
 高齢化社会に備えるためとの掛け声で新税が課せられ、も30年間で3倍も引き上げられたのに、状況は何も変わっていない。
単純計算しただけでも、老後の不足金額が1500万円から2000万円に増えてしまったというのは、どういうこと?

 いや、カマトトぶりっ子はもうよそう。
要は政府がウソばかりついてきたってだけの話。
私たちが巻き上げられた消費税は、社会保障のためなどではまったくなく、土建屋政治や大企業の減税や、近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費されてきただけの話なのである。

 私は2010年に「消費税のカラクリ」という本を発表した。
以来、そのことも、消費税とは富裕層や巨大資本が社会的弱者からなけなしの金を収奪するためのシステム以外の何物でもない実態も、嫌というほど語ってきたのだが、大手のマスコミにも、それを主な情報源とする世間一般にも、ことごとく無視された。

 しかし、わかる人にはわかっていた。
先の参院選で消費税廃止を公約し、それゆえに黙殺されていた山本太郎氏の「れいわ新選組」が台風の目になった事実は重い。  
10%への増税を、この国の社会は、それでも認めるというのだろうか。
まだ時間は残されている。

前記の拙著に150枚の新章を加筆した「決定版 消費税のカラクリ」(ちくま文庫)を、ぜひ読んでみていただきたい。
消費税の恐ろしさ、薄汚さを、今度こそ理解してもらえるはずだから。
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2019年08月02日

消費増税で進む安倍政権のレイムダック化

消費増税で進む安倍政権のレイムダック化
2019年08月01日 PRESIDENT Online(星蘭 三歩 )

■新聞が語らない地獄がスタートする
2019年の10月の消費税引き上げが既定路線となった。
政府は2008年の「リーマンショック級」の経済危機が起きた場合に再延期する可能性はあるとしているが、現状では消費税が10%に引き上げられることはほぼ確実だ。

消費税は、日常生活には欠かせない衣・食・住の商品やサービスの多くに課税されるので、家計が受ける影響が大きくなる。さらに所得の高い低いは関係なく、すべての消費者が等しく負担する税制度である。
一見平等に感じられるが、消費税は「逆進性」があると指摘されることが多い。

逆進性とは、可処分所得に占める消費支出の割合が高所得者層ほど低く、低所得者層ほど高いため、税負担率が低所得者層のほうが大きくなることだ。

消費増税は消費意欲そのものも減退させることが懸念される。
14年の消費増税のときは、高額品である住宅や車、耐久消費財が落ち込み、景気が悪くなっていった。
14年の8%への増税後、総務省が発表している「実質家計消費」は現在に至っても増税前の水準に回復していない。
政府の想定以上に、増税前の駆け込み需要の反動減と物価上昇に伴う家計の実質所得の減少が見られたのだ。

そんななか政府は、2%の引き上げで約5兆6000億円の税収増を見込み、増えた税収分を幼稚園や保育園の無償化の財源にするほか、国の借金の返済に充てる考えだ。
また、消費者の痛税感を和らげる目的で、食料品などの税率は8%に据え置く軽減税率の導入などを行うことを明らかにしている。
ただこの軽減税率は、酒類・外食を除く飲食料品が適用対象となっており、外食は10%だがテークアウト(持ち帰り)は8%のまま。
飲食店の場合、イートインとテークアウトで支払う額が異なるため、その確認をこれまで以上に念入りに行う必要が発生する。
外食業界も導入は反対の姿勢を示している。

元経済財政政策担当大臣で経済学者の竹中平蔵氏は以前、プレジデント誌の取材にこう答えている。
「国会では、どこまでが食品、どこまでが外食かというような、神学論争みたいなことをやっていましたが、本当に軽減税率を議論するなら、住宅や車など高額商品にこそ適用すべきです」。

軽減税率の対象となるのは、酒類・外食を除く飲食料品以外にもう1つある。
新聞だ。
財務省のホームページには対象は「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」となっている。
新聞協会は「ニュースや知識を得るための負担を減らすことは、活字文化の維持、普及にとって不可欠」とホームページに記載している。
雑誌やNHKの受信料は軽減税率の対象外なのを考えると論拠が弱い。

■真正面から論じている新聞社がどれくらいあるのか
この措置の必要性を真正面から論じている新聞社がどれくらいあるのか。
自らの業界は増税の痛みを免れている環境で、消費税の増税についての賛否を論じることができるのだろうか。
いよいよ増税となったとき、新聞社自らが軽減税率の適用の必要性を訴えかけることを待ちたい。

が、業績悪化などから権力への迎合が強まっている日本の大手メディアはジャーナリズム精神を失いつつあり、そんなことを国民が期待するのは無駄なのかもしれない。
今回は前回よりも引き上げ幅が小さい2%とはいえ、米中貿易摩擦に端を発する世界経済の不透明感もある。
実際に中国の4〜6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は前年同期比6.2%増で、1〜3(第1四半期)の6.4%増を下回り、四半期データを開始した1992年以降で最も低い成長率となった。

また、韓国への輸出規制や、それに反発する韓国内での日本製品の不買運動も見過ごせない。

自民党関係者は「外交政策のすべてが行き詰まるなか、憲法改正もできず、いわゆる“アベトモ”の反対を押し切って消費増税を進めた安倍晋三総理。
経済が停滞すれば、総裁任期満了を見据えた政権のレイムダック化が進むのは間違いない。
そのせいか、安倍政権の負の遺産を整理しなくてはいけない“ポスト安倍”への意欲が、菅義偉・岸田文雄両陣営とも減退し、本当に困ったら石破茂でいいと言う声まで出る始末」と話す。
                (文中敬称略)
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山本太郎「政権を仕留める」選挙後初の街道演説に聴衆殺到

山本太郎「政権を仕留める」
選挙後初の街道演説に聴衆殺到
2019/08/02 日刊ゲンダイ

「選挙が終わってからの街頭演説で、こんなに人が集まるのは見たことない」――。
70代男性はそう言った。
 参院選で当選したれいわ新選組の木村英子、舩後靖彦両議員が初登院した1日の夜、山本太郎代表が東京・新宿駅西口で「街頭記者会見」を開いた。
開始1時間以上前から舞台の前に人が集まり、始まるころにはギッシリの状態。
駅前の歩道からあふれた人たちが、舞台の後ろのバスターミナル側の歩道や、ペデストリアンデッキの上で演説を聞いた。
老若男女入り乱れ、1000人近い大盛況だった。

 山本氏は冒頭、「山本太郎までは大丈夫だろうと思っていたが、自分は落ちた。
でも、ネットと草の根の力で2人当選し、政党要件も獲得できた」と感謝を述べた。

選挙中“れいわ旋風”をほとんど報じなかったテレビが、選挙が終わると手のひらを返したようにワイドショーなどで連日取り上げている。
50代の女性は「ワイドショーに出ている山本さんの話を聞いて、実際に見たくなった。
これのために、新宿までわざわざ出てきましたよ」と語った。

 聴衆の質問に答える形式で、テーマは消費税、格差、日韓外交、辺野古基地建設、タトゥー、精神障害、生活保護、吉本興業問題など多岐にわたった。
ぎゅうぎゅう詰めの満員電車のような中、汗だくになりながらも一度足を止めた聴衆は帰らない。
「お金のあるところから取るというが、企業がタックスヘイブンに逃げないか」と男性に問われると、山本氏はモニターで経産省のデータを示し、「企業が海外に行くのは、その国に需要があるからなんです。『税金が安い』という理由は下位。
出典を示すと説得力があるでしょ」と言うと笑い声が広がった。

■ヤジにも落ち着いた対応  
若い女性が「韓国死ね!」とヤジを浴びせながら通り過ぎて行った。
山本氏は、俳優時代の韓国での仕事などに触れた上で、「さっきのヤジの方も、ここ1カ月で焼き肉やキムチを食べてるかもしれません。冷静になりましょう」と落ち着いた対応だった。

「2014年から山本さんはこの形式で街頭に立っています。
今回の選挙をきっかけに、こんなに人が集まるようになって感無量です。
山本さんはノリだけでなく、政策の中身もしっかりしていることを分かってほしい」(長年、山本氏支持の40代女性)

 山本氏は次の衆院選で本気で政権を取る覚悟を示した。
「私たちだけの力でひっくり返すのは難しい。
野党で横に手をつないで、(政権)を仕留めにいきましょう」

 山本氏は今後、全国を回る予定だ。政権交代は見えてくるのか。
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2019年08月03日

生産性で価値決める政権の体質

安倍政権が京アニにだけ政府支援の一方で、やまゆり園や貧困者施設の火災は無視!
生産性で価値決める政権の体質
2019.08.01 LITERA編集部  

発生から今日で2週間を迎えた、京都アニメーション放火殺人事件。
『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』、『Free!』などといった数々の人気作を世に発表してきたアニメーションスタジオが突如襲われ、35人もの命が奪われるというあまりに残忍なこの事件には、京アニ作品のファンをはじめ国内外の人びとが胸を痛め、寄せられた支援金は11億円を超えた。

 そんななか、7月29日に菅義偉官房長官は定例記者会見で、今回の京アニ放火殺人事件にこう言及した。
「死傷した従業員らへの補償や、経営再建について、よく事情を伺った上でしっかり関係省庁に対処させたい」
 この菅官房長官の発言は、7月26日に超党派の「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」の自民党・古屋圭司会長が菅官房長官に支援を要望しており、それを受けたもの。

菅官房長官との面談で古屋会長は寄付金の課税優遇措置を提案し、記者団にも「有能な技術者、アニメーターが多く犠牲になり、一企業の問題を超越して漫画業界全体の危機だ。
官邸主導で早急に支援策を詰めてほしい」と説明。

今回、菅官房長官も「国内外から寄せられている義援金の受け入れに課題があると聞いており、経済産業省などを通じ、しっかりサポートしたい」と述べており、こうした面で支援策がとられるものとみられる。

 多大な犠牲が出た事件に対し、政府として支援策が講じられることは歓迎すべき動きであることは間違いない。
しかし、違和感を持たざるを得ないのは、過去の事例とあまりに違いがあることだ。

 たとえば、2016年7月に起きた神奈川県相模原市の障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」での入所者19人が殺害された事件だ。
京アニの放火殺人事件で、安倍首相は火災当日の夕方にお見舞いツイートを投稿したが、このやまゆり事件ではそうしたツイートを一切しなかった。
そして、施設への支援についても運営主体である神奈川県に任せきりで、国を挙げた施策も打たず。
厚労省は、有識者検討チームが再発防止策を提言する報告書をまとめたが、事件直後に安倍首相が措置入院のあり方の見直しを指示したことから再発防止策は精神科医療にかんするものが中心の不十分なもので、この事件がヘイトクライムであるという観点から求められていた差別を許さない社会づくりを強く推し進めることさえせず、最悪なことに、事件を肯定するかのような障がい者排除の言説さえネット上では広がってしまった。

さらに、言及しておかなくてはいけないのは、2015年に死者11人、負傷者17人を出した神奈川県川崎市の民間の簡易宿泊所で起こった火災だ。
 この簡易宿泊所ではベニヤの扉などといった燃えやすい素材が使用されていたことにくわえ、建築基準法に違反する建築物だったことも問題視されたが、注目を集めたのは、この簡易宿泊所の宿泊者の9割が生活保護を受けており、おもに低所得者の高齢者が利用していたこと。

経済的にアパートなどを借りることができない高齢者が、防火対策も万全ではない簡易宿泊所を住まいとし、わずか3畳ほどで生活を余儀なくされていたのだ。
しかも、〈受け入れのハードルが低い簡宿の存在は行政にとっても好都合で、生活困窮者の受け皿として積極的に活用〉していたという(神奈川新聞2019年4月17日付)。

 この火災事件によってあきらかになった、低所得者や高齢者の住まい問題。
もちろん、この問題は国会でも取り上げられ、「地方自治体に任せるのではなく、国が責任をもって公的な住宅を増やしていく方向に転換をするべきだ」という意見が野党から出たが、しかし、政府が抜本的な対策を打ち出すことはなかった。

高齢者の簡易宿泊所火災では安倍政権が抜本的対策せず、さらなる犠牲者が
 そして、恐れていたことが起こってしまう。
2017年5月に福岡県北九州市で事実上、簡易宿泊所の代わりとして運営されていたとみられるアパートが全焼し、日雇い労働者らが6人死亡。
同年8月には秋田県横手市のアパートで火災が発生し、生活保護受給者らが5人死亡した。
さらに、昨年にも、北海道札幌市にある生活困窮者の自立支援施設で火災があり11人が亡くなった。
こちらも、おもに犠牲となったのは生活保護を受けている70〜80歳代の高齢者だったという。

 憲法25条には、《すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する》とある。
最近では、山本太郎が党首をつとめる「れいわ新選組」が空き家や団地を活用した「初期費用なし・安い家賃」の公的住宅の拡充を、共産党も公営住宅の増設や家賃補助制度の創設を参院選公約に掲げたが、本来なら、2015年に11人が犠牲となった川崎市の火災を受けて、こうした政策を実行するべきだったし、その後も数々の死亡者を出す火災が相次いでいるというのに、安倍政権には根本的な対策に乗り出そうという素振りさえ見られない。

 いや、それどころか安倍政権は、2018年10月から生活保護受給額のうち食費や光熱費などを3年かけて国費ベースで年160億円もカットするなど、さらに困窮者の生活を追い込む政策を打ち出しているのが現状だ。

 京アニの放火殺人事件も、川崎をはじめ全国で多数の貧困者が犠牲となっている火災事故も、ともに比べることなどできない痛ましいものだ。
にもかかわらず、かたや迅速な支援策が打ち出され、かたや対応もとらないまま犠牲者を出しつづけている──。
これはいったいなぜなのか。
ひとつは、安倍政権が票になるかならないか、で支援を判断しているという可能性だ。

秋葉原での街頭演説会やニコニコ動画との蜜月ぶり、党広告に人気キャラクターデザイナー・天野喜孝氏を起用したことなどからもわかるように、自民党はいま、若者やゲーム・アニメファンなどの取り込みを図っている。
京アニへの迅速な支援表明は、安倍政権、自民党の支持拡大につなげようという意図があることは間違いない。

杉田水脈が口にした「生産性で人の価値を判断する」思想は安倍政権全体に
しかし、この背景にはもうひとつ、安倍政権のグロテスクな思想がある。
昨年、安倍首相が寵愛する杉田水脈議員が性的マイノリティーを排除する「生産性」発言を口にして非難を浴びたが、これは決して、杉田議員だけの問題ではない。
「生産性で価値を決める」という思想は安倍首相と政権全体を貫いているものだ。

 実際、安倍政権は大企業やベンチャービジネスに湯水のように補助金をつぎ込む一方で、障がい者や老人に対しては、冷酷としか言いようのない対応を取りつづけてきた。
安倍政権が生産性があると判断したもの(プラス安倍首相のお友だち)を優先して保護し、支援する一方で、政権が生産性がないと判断したものには、保護や支援策は打たれない。
つまり、安倍政権が早々に京アニ支援策に乗り出したのも、この思想がベースにあると考えるべきだろう。

アニメはビジネスとして金を生み、「クールジャパン」の代名詞として海外展開まで担う「生産性が高い」分野だから、支援を打ち出した。
そして、障がい者が多数殺傷されたやまゆり園事件で、不安に怯える障がい者やその家族、支援者が数多くいるなかで、彼らを気遣ったり障がい者差別を批判するようなツイートも声明も出さなかったり、犠牲者が相次ぐ生活困窮者の住宅問題を放置しているのは、安倍政権がその犠牲者たちのことを「生産性がない」と判断しているからだろう。

 折しも、山本太郎率いるれいわ新選組が難病と重度の障がいを持つ議員を国会に送り込み、「生産性で価値を判断する」安倍政権の政策を変えようと奮闘中だが、この問題は彼らにだけ任せるべきものではない。
被害者の「生産性」によって、政府の対応が変わる──そんなことは絶対にあってはならないのだ。

京都アニメーションへの支援を支持した上で、障がい者や生活困窮者などの弱者に対してこそ、国がきちんとサポートする体制づくりを強く求めていく必要があるだろう。
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2019年08月04日

消費税10%に過半数が反対なのに…自民党が勝った理由は?

消費税10%に過半数が反対なのに…自民党が勝った理由は?
2019年08月03日 SPA!
― 連載「ニュースディープスロート」<文/江崎道朗> ―

◆増税を「信任」したと誤解するなかれ!
「政治というのは、必ずしもよりよい選択をすることではない。
時には、最悪(worst)を避けるため、より悪い(worse)を選ぶこともある」。

永田町で仕事をしていると名言(迷言?)を聞くことがあるが、これはなるほどと思ったものだ。
 関連して、今は亡き、あるベテラン政治家と話をしていたとき、こうした話を聞いたことがある。

「例えば、規制緩和をすれば、新しいビジネスが生まれるが、規制によって既得権益を守られている人たちにとってはダメージになる。
政治の決断は、ある人には利益をもたらすが、別の人には不利益をもたらす。
その両面を見ながら、国益と多数派の国民たちにとって、最善の選択は何かという観点とともに、最悪を避けるためにどうするか、を考えるものなのだ」

 自らに言い聞かせるように話してきたので問い返したことがある。

「しかし、結果的に“最悪”の選択をしたということはなかったのですか?」

「そうだねえ。そのときは有権者からノーを突きつけられることになる。
それは選挙で落選するか、投票率の低下というかたちで民意が示されるだろうから」
 なんでこんな話をするかといえば、今回の参議院選挙のことだ。
残念ながら、盛り上がりに欠けた国政選挙だった。

◆過半数が増税に反対。自民党が勝った理由
 何しろ今回の選挙は、「デフレから脱却もしていないにもかかわらず、消費税を上げて景気を悪くする自民党と公明党」と、「増税しないと言いながら、政権を獲得したら消費増税を決定し、平気で公約を破った民主党の残党」との戦いだった。

「アメリカのように減税に踏み切り、景気回復、デフレ脱却を最優先にする」という選択肢は示されなかった。
 NHKの出口調査によれば、消費税率が10月に引き上げられることについて「賛成」と答えた人は43%であったのに対して、「反対」は57%にのぼった。
過半数が増税に反対なのに、増税を掲げた自民党がなぜ勝利したのか。

 出口調査によれば、増税「反対」と答えた有権者のうち、自民党に投票したと答えた人は29%、立憲民主党に投票した人が21%などとなっている。
 一方、「棄権」を選んだ有権者は過半数を超えた。

総務省が7月22日に発表した参院選の投票率(選挙区)は48.8%だった。
過去最低だった1995年参院選の44.52%に次ぐ低水準で、24年ぶりに50%を割り込んだのだ。

「より悪い」と「最悪」の選択になれば、「より悪い」を選ばざるを得ないが、景気を悪化させる消費増税には反対だ。

ところが、今回の選挙で示された、こうした「民意」を理解しない政治家もいる。
 例えば、麻生太郎財務相は23日の記者会見で「消費税率の引き上げは最初から申し上げてきた。
その意味では信任をいただいたと思う」と述べた。

 いや、「増税」を信任したわけではないのだ。
しかし、こうした「誤解」がまかり通ると、日本の景気はさらに悪化していくことになるだろう。

江崎道朗
’62年生まれ。九州大学文学部哲学科を卒業後、月刊誌編集長、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、外交・安全保障の政策提案に取り組む。
著書に『日本は誰と戦ったのか』(ベストセラーズ)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP新書)など
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安倍政権に飼いならされ貧困が当たり前に

「最低賃金901円」を評価し「月給23万円への不満」を攻撃する世論の異常!
安倍政権に飼いならされ貧困が当たり前に
2019.08.02 LITERA編集部

「最低賃金、東京・神奈川1000円超え」……7月31日、中央最低賃金審議会の小委員会は2019年度の全国最低賃金の目安を27円引き上げ、時給901円にする方針を決定した。
 この結果について「2002年以降、最大の引き上げ」「最高額更新」などと評するメディアもあるが、自民党が参院選の公約で掲げた「年率3%をめどに引き上げ」はクリアしたものの、「全国平均1000円」にはほど遠い。

だいたい、最低賃金がもっとも低い鹿児島県では26円引き上げの787円となったが、この時給は1日8時間・22日働いても月収13万8512円、年収にして166万2144円にしかならないものだ。
これで生活しろというのはどうかしていると言うほかないだろう。

 これは全国平均の901円にしても同様で、1日8時間・22日働いた場合で月収15万8576円、年収190万2912円でしかない。
つまり、全国平均でもいわゆるワーキングプアの水準なのだ。

 10月からは消費税が10%に引き上げられ、生活はさらに苦しくなるというのに、この最低賃金で国は「老後のために自助で2000万円貯蓄しろ」とまで言う……。
「国民を殺す気か」と政治に怒りをぶつけたくなるが、しかし、ネット上では逆の現象が起こった。

 というのも、この最低賃金の問題を31日放送の『news zero』(日本テレビ)が取り上げ、以前から長時間労働などの問題が取り沙汰されている飲料自販機中堅企業・大蔵屋商事に務める男性の例が紹介されたのだが、生活が困窮していることを訴えるこの男性が、時給換算すると東京都の最低賃金水準である「手取り23万円」であることや、1カ月の収支で「食費4万円」「通信費2万円」などになっていることに対し、SNS上ではこんな意見が噴出したのだ。

〈手取り23万貰って文句言ってんじゃねえよ〉
〈手取り23万でやっていけないだと??喧嘩売ってるのかこのニュースは…〉
〈えっ、手取り23万で通信費2万?????どういうこと?????〉
〈手取り23万貰えてたら普通に自炊して暮らせるだろうに 交際費3万とか携帯代に2万使ってるあたりおかしい〉
〈資格取るなり、仕事頑張って賃金上げてもらえる努力しろ、あと一人暮らしで食費40000円は使いすぎや自炊せえ〉

 挙げ出せばキリがないほど、このように「手取り23万円で文句を言うな」「給料に見合った生活をしろ」という意見が溢れかえり、ついには「手取り23万」「食費4万」などの言葉がトレンド入りしたのだった。

「こんな最低賃金で生活できるか!」
「最低賃金は上げないと結婚もできないよ」という声があがるかと思いきや、逆に自助努力が叫ばれる──。
言っておくが、この男性は長時間労働に晒され、しかも残業代は未払いで、昨年のある月の給料は時給に換算すると最低賃金以下だったという違法な働かせ方を強いられている人だ。
だが、そういう問題よりも、「食費4万円は使いすぎ」と責められてしまうのである。

 これは、母子家庭の女子高生が経済的な理由で進学を諦めた例をNHKが紹介したところ、
「貧困だと言うならアニメのグッズを買うな」
「生活が苦しいのに1000円のランチなんか食べるな」などと批判が巻き起こった「貧困女子高生バッシング」によく似た現象とも言えるが、今回、あらためて浮き彫りになったのは、いかに多くの人が“最低賃金以下の生活”を送っているか、ということだろう。

米ブルームバーグは「貧困が自己責任でないことを日本が証明している」
 事実、安倍首相はアベノミクスの成果として「就業者が384万人増加」と誇るが、安倍政権下での非正規雇用の増加数は304万人にものぼる。
しかも、総務省の「就業構造基本調査」(2017年)によると、非正規の70%が年収200万円未満だった。
アベノミクスによって、多くの人がワーキングプアの状態に陥っているのである。

 普通ならば、こうした政策に対する不満が高まるはずだが、この国ではそうならず「自己責任」となり、不満を述べると「わがまま」「努力不足」と叩かれてしまう……。

これは安倍政権が大企業・富裕層優遇の一方で弱者切り捨て政策を推進し、そのために繰り返してきた「自己責任論」が浸透し、それに国民が慣らされてしまった結果なのだろう。

 実際、7月30日付の米・ブルームバーグ紙の社説では、いかに日本が自己責任論に犯されているかが逆説的に紹介されている。
 この社説では、アメリカと日本を比較し、犯罪率、違法薬物の使用件数、労働年齢の就業率などにおいて日本は〈素行が良い〉国だと紹介するのだが、にもかかわらず、日本では先進国のなかでも貧しい人が多いと指摘する。

つまり、日本は暴力事件も起こさず、違法薬物にも溺れず、一生懸命働くなど真面目で勤勉なのに日本の貧困率はアメリカより少しマシな程度でドイツ、カナダ、オーストラリアなどほかの先進国に比べかなり高いということは、アメリカの保守派が考えるように「貧困は自己責任」で解決できない、と述べているのだ。

 貧困に陥るのは自己責任ではない、それは日本という国が証明している──。
日頃「日本スゴイ!」で悦に浸るテレビ番組やネトウヨにこそ紹介していただきたい社説だが、同時に、国民も「自己責任論」から脱却し、安倍首相が一向に向き合わない貧困・格差の問題に怒りをぶつけるべきなのではないか。

 そして、そうした流れは生まれつつある。
山本太郎率いる「れいわ新選組」と共産党は「最低賃金1500円」を掲げており、れいわは「年収200万円以下世帯をゼロ」とも訴えている。

一方、安倍首相は「無理やり最低賃金を上げることによって失業が増えていく」などと述べているが、これはノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマンをはじめ、経済学の専門家からもすでに否定されているものでしかない。

れいわや共産党が主張するように、中小企業の支援とセットで最低賃金を上げることは十分可能なものだ。
 ブルームバーグの社説にあるように、貧困は自己責任ではない
生活が苦しいと声をあげた人を叩くだけで、国民の生活の苦しさを直視しない政治を温存させていれば、現状はどんどん悪くなってゆくだけだ。
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2019年08月05日

既成政党への絶望感が「れいわ」と「N国」を生み出した

既成政党への絶望感が「れいわ」と「N国」を生み出した
2019/08/04 日刊ゲンダイ(伊藤惇夫政治アナリスト)  

今回の参議院選挙で法に基づく政党要件を満たした2つの新しい政党が誕生した。

 1つは山本太郎が立ち上げた「れいわ新選組」であり、もう1つが「NHKから国民を守る党」である。
選挙戦の途中から注目を浴び始めた「れいわ」は山本太郎への個人票99万票余りを含む約228万票を獲得し2議席を。
当初、だれもが半分冗談だと思っていたはずの「N国」もなんと比例で100万票弱を獲得し、1議席を得てしまった。

 参議院選挙は政権選択の総選挙と違うため、有権者は「遊ぶ」、つまり面白がって投票する傾向が強いといわれている。
それにしても、「れいわ」はともかく、どう見ても“真面目”とは思えない「N国」までが議席を獲得したのはなぜか。
そこには有権者の既成政党の劣化に対する絶望感が見て取れる。

前回は野党の劣化を指摘したが、実は劣化しているのは野党だけではなく、一見、盤石にも見える与党も劣化が進行中だといえるだろう。
 及第点といえる議席を確保した自民党だが、それを支えたのは既得権益を失いたくない固定的支持層以外は「他にないから」「安定第一」といった消極的な支持が多くを占めていたはずだ。

公明党も議席数こそ増やしたが、比例で100万票以上減らしたことから見て、支持母体である創価学会の集票力低下や学会以外の支持が剥がれ落ちている実態が浮かび上がる。

 一方の野党を見ると、国民民主は比例でたった350万票弱しか獲得できず、躍進が予想されていた立憲民主も比例は800万票弱、全体で17議席しか獲得できなかった。
与党への消極的支持と野党に対する期待感の低下、それを全体としてみれば、既成政党全体に対する有権者の失望感、絶望感という言葉に置き換えてもいいのではないか。

有権者はすでに与党に対しても、野党に対しても何の期待感も抱いておらず、むしろ見放し始めているのかもしれない。
だからこその「れいわ」であり「N国」であって、この結果は有権者の既成政党に対する意識的な“反乱”行為だったと見ることもできる。

「れいわ」に関しては徹底したSNSの駆使と左派ポピュリズムともいえるような社会的弱者や貧困層をターゲットにした戦略が、本来は既成の野党が掘り起こすべき層にアピールした結果だろう。

 一方の「N国」は、「既成政党のどれにも投票したくない」という有権者が、たまたま「面白そう」という意識で投票したことによる部分が大きいと思われる。
その結果が、議員辞職して当然の丸山某まで入党させるという暴走行為を引き起こしているわけだが、責められるべきはむしろ、そんな政党を誕生させてしまった既成政党のほうかもしれない。
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2019年08月06日

戦後生まれが当たり前になった沖縄の苦悩

集団自決の遺構を荒らしたのは少年だった。戦後生まれが当たり前になった沖縄の苦悩
2019/08/05 週刊女性PRIME [シュージョプライム]

 沖縄戦で住民85人が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた読谷村(よみたんそん)のチビチリガマが、2017年、沖縄の少年たちに荒らされた。
 彼らは「肝試し」でガマ(洞窟)に入り、動画撮影もしていた。
なかには住民が死を選ばされた凄惨な戦跡であることを知らない者もいた。

 激しい地上戦で県民の4人に1人が犠牲になった沖縄。
生活圏に戦争の遺構が存在し、その体験が語り継がれてきた土地で起きたガマ荒らしは、衝撃をもって受け止められた。

 戦後74年。
戦争体験者の高齢化が進み、戦後生まれが人口の8割を占めるなかで、悲惨な記憶をどう伝えていくべきなのか。
「落ち着け」と自分に言い聞かせた

「チビチリガマの様子がおかしい」
 読谷村の彫刻家、金城実さん(80)は'17年9月12日、ガマを訪れていた平和運動家の知花昌一さんから一報を受けた。  駆けつけると、看板が壊され、千羽鶴が引きちぎられ、ガマ内部の遺品や遺骨までもが荒らされていた。
金城さんは湧き上がる怒りの感情を抑え、「落ち着け」と自分に言い聞かせながら、遺族がどんなに悲しむだろうか、と考えていた。
 チビチリガマに設置された「平和の像」は、金城さんと遺族たちが1987年に共同で制作し設置したものだ。
しかし、その半年後に襲撃・破壊されたという過去を持つ。
「また右翼だろうか」と、金城さんは思ったという。
だが数日後、犯人が少年であることがわかる。

 事件から1か月が過ぎたころ、金城さんのもとに那覇地方裁判所から依頼書が届く。
それは、少年たちの保護司になることだった。
保護司とは、罪を犯した少年が円滑に社会復帰できるよう保護観察官と連携しながら指導やアドバイスを行う立場にある。  

「なんでよ?」というのが、金城さんの最初の感想だった。
 自分はチビチリガマに関わってきた人間として被害者だ。
なぜ加害者に協力しなくてはならないのか。
金城さんは悩み、チビチリガマ遺族会の会長に相談に行った。
すると「自分のところにも(依頼書が)きている」と会長は言った。

 迷いながらも引き受けることにし、保護司のマニュアルが届くと、金城さんは再び疑問を抱く。
数回の面会と社会奉仕で更生させるとある。
公園の掃除、老人ホームの奉仕……「気に食わん」。
金城さんは独断でやり方を変える。

 初めての面会日は、遺族、地域の長老もチビチリガマの前に集まった。
少年たちとその親、保護観察官もやって来た。
少年の中には金城さんの孫と同年齢の子どももいた。
 ある人が「読谷村の子どもではなくてよかった」と言った。
金城さんはその言葉が引っかかった。
もしかしたら自分の孫だったかもしれない。

「身内ではなくてよかった」ですむのだろうか。
これは、体裁を繕う話ではなく、人間の生き方の問題だ。
そして、悪いことをするには理由がある、と金城さんは思った。
「少年らと付き合って自分も勉強した。背景を知ることにしたんだ。彼らは何者や、と」

わからない世界を生きとる  
金城さんは誰かが亡くなると、葬式では必ずその人の歴史を語る。
どう生まれ育ち、どう戦後を生きたか。
金城さんは少年たちと1年以上かけて野仏を作った。
 その作業を通し、人間の生き死にに関心を持ち、チビチリガマで死ななければならなかった命にも思いを馳せてほしかった。

 金城さんは、ある1人の少年が気になっていた。
親に育児放棄されて育っていた。
1年後、全員に反省文を書かせたところ、よいレポートを書く少年たちのなかで件の少年のレポートは誠意を感じられなかった。
 少年たちを知れば知るほど、「わからない世界を生きとる」と金城さんは感じた。

 例えば、無職の少年。
若くして結婚し、離婚の末、自分がされたように育児放棄をしてしまう少年。
 その一方、世間には裕福な子どももいる。
同じ世代でも、環境の差によってまったく違う多様な歴史をたどっている。
 金城さんは、沖縄の少年犯罪について保護観察官に聞いた。
事件のあった'17年は約1万5000件の少年犯罪があったと知る。
沖縄県の人口の約1%に当たる。
金城さんは驚いた。

 もうすぐ、事件から2年がたつ。
少年たちの複雑な背景を金城さんは間近で見続けた。
「彼らを見ていると悲しい。
これでいいのかなと、俺が深みにはまってしまった。
保護観察官から連絡はないが、保護司をやめたつもりはない。
これは、宿題だ」  そう金城さんは言った。

思ったことを言っていいんだよ 「“戦争はいけないと思いました。亡くなった人がかわいそうです”。これが正解、という言葉しか出てこない。
それに何の意味があるだろう、と落ち込んでしまって」  そう話すのは、那覇市の親川志奈子さん(38)。

『島くとぅば』(島言葉)や『うちなーぐち』(沖縄語)復興の研究をし、今年から自分の住む地域の学童指導員も務める。  沖縄戦のことを子どもたちに伝えても「自分ごと」につながらない印象がある。
「これまでは、伝える側のやり方に課題がおかれていました。
でもいま、80〜90代の、これまで伝え続けてくれた戦争体験者にテクニックを磨いて、という話ではないと思う」

 言語復興の研究をするなかで親川さんは気がついた。
言語は、生まれながらにその言語を話す“ネイティブスピーカー”が教えなくてはならないという思い込みがあるが、海外では弟子や学生の役割が大きい。
 かつて沖縄の言葉を禁止され、日本語を話さないと殺す、とまで言われた時代があった。
その世代の人に「いかにうまく、うちなーぐちを伝承するか」を背負わせるのは酷な話だ、と考える。

沖縄戦の継承も同じ。むしろ聞く側の聞く力、自分とつながっている問題だという意識を作ることが私たち世代の役割だと思う」  と親川さん。
さらにこう続ける。
「若い人は、貧困やDVなど、いまの社会の厳しさを抱えています。
その中で、学びの環境を整えることは難しい課題。
チビチリガマの事件も、学ぶ環境に立たせてあげられない沖縄社会、私たちの問題でもあると思っています」

 学童指導員をしていると、沖縄で生まれ育った子どもだけではなく、沖縄県外からの移住者も、アメリカ人とうちなーんちゅ(沖縄人)を親に持つ子どももいる。
 多様なルーツを持つ子どもたちがいて、それがリアルな沖縄だとわかる。
そうした実態を踏まえ、例えば沖縄戦について、自決を強要した日本軍が悪い、侵攻したアメリカ軍が悪いといった二項対立の話にとどまらず、丁寧に伝えていかねばならない。

 だが、そう考えていても、子どもたちは「戦争はだめ、かわいそう」と判で押した感想を言い、「平和学習を乗り切った」ように思っていると感じる場面さえある。
「でも、そうさせられている彼らも気の毒に思います。
沖縄戦について、思ったことを言っていいんだよ、と言ってあげたい」(親川さん)

 沖縄戦体験者の次世代にあたる自分たちで、戦争の記憶をつなぐ環境整備を試行錯誤していきたいと話す。
全てを分かることはできない、だからこそ  沖縄戦の継承は、沖縄だけの問題だろうか。 

 西尾慧吾さん(20)は大阪府出身の大学生。
4年前の高校生のときに、修学旅行先の沖縄で「戦後70年(当時)たっても、遺品や遺骨がガマから出てくる」という現実を知った。

 沖縄戦、米軍基地問題など、何も知らないまま、それを問題にも思わなかった自分にショックを受けた。
 その後、遺骨や遺品を集め続けている国吉勇さんに会いに何度か生徒会で沖縄に通い、沖縄戦体験者の話も聞きながら沖縄戦についての学習を続けた。
翌年、高校の文化祭で沖縄戦の遺品の展示会を開催した。
 西尾さんは現在も、「沖縄戦遺骨収容国吉勇応援会」の学生共同代表として全国各地で沖縄戦遺品展を開いている。
 また、修学旅行で沖縄に行く中高生にも授業を行っている。

授業では、例えばこんな話をする。
 タンスの飾りが見つかった糸満市の壕は、日本軍の陣地壕跡。
最初は戦火を逃れるために住民が壕に住んでいたが、陣地壕にするために日本軍が住民を追い出した経緯が遺品から想像できる。
アメリカの攻撃による悲劇だけではない、日本軍から犠牲を強いられた沖縄戦の事実。
 そのため沖縄では、国吉さんの活動に賛否があると西尾さんは言う。

「日本軍に追い出された住民は、逃げ惑う中で殺され、壕の中で死ぬことすらできなかった。
少なくとも3000のご遺体がいまだに発見されていません。
壕の遺骨や遺品は日本軍のものも多いんです」
 その矛盾に向き合うべきなのは私たち「本土」の人間だと西尾さんは言う。

沖縄戦から基地問題へとつながる、沖縄を犠牲にする構造の中に自分もいる。
展示活動をしたからといって加害性からは逃れられない。
差別は、差別する側が変わらないといけない。
これ以上加害者になりたくないという痛みがないと、差別はなくならないと思うんです
「本土で伝えてほしい」という思いとともに、遺品を託してくれた沖縄の人の思いをつなげたいと考えている。

西尾さんが言う。
「継承は本当に難しい。
その人のすべてをわかることなんてできないんです。
でも、その世代の方の経験のコアを受け取り、現代に意味づけして自分はこうする、と考えられる伝え方ができればと思っています。
その過去から見える現在があると思うんです」
                   (取材・文/吉田千亜)

吉田千亜 
◎フリーライター、編集者。東日本大震災後、福島第一原発事故の被害者・避難者への取材を精力的に続けている。
『その後の福島:原発事故後を生きる人々』(人文書院)ほか著書多数
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広島平和宣言全文

広島平和宣言全文
2019年8月6日 東京新聞

 松井一実市長の平和宣言の全文は次の通り。

 今世界では自国第一主義が台頭し、国家間の排他的、対立的な動きが緊張関係を高め、核兵器廃絶への動きも停滞しています。
このような世界情勢を、皆さんはどう受け止めますか。

二度の世界大戦を経験した私たちの先輩が、決して戦争を起こさない理想の世界を目指し、国際的な協調体制の構築を誓ったことを、私たちはいま一度思い出し、人類の存続に向け、理想の世界を目指す必要があるのではないでしょうか。
 特に、次代を担う戦争を知らない若い人にこのことを訴えたい。
そして、そのためにも一九四五年八月六日を体験した被爆者の声を聴いてほしいのです。

 当時五歳だった女性は、こんな歌を詠んでいます。
 「おかっぱの頭(づ)から流るる血しぶきに 妹抱(いだ)きて母は阿修羅(あしゅら)に」

 また、「男女の区別さえできない人々が、衣類は焼けただれて裸同然。
髪の毛も無く、目玉は飛び出て、唇も耳も引きちぎられたような人、顔面の皮膚も垂れ下がり、全身、血まみれの人、人」という惨状を十八歳で体験した男性は、「絶対にあのようなことを後世の人たちに体験させてはならない。
私たちのこの苦痛は、もう私たちだけでよい」と訴えています。

 生き延びたものの心身に深刻な傷を負い続ける被爆者のこうした訴えが皆さんに届いていますか。

 「一人の人間の力は小さく弱くても、一人一人が平和を望むことで、戦争を起こそうとする力を食い止めることができると信じています」という当時十五歳だった女性の信条を単なる願いに終わらせてよいのでしょうか。
 世界に目を向けると、一人の力は小さくても、多くの人の力が結集すれば願いが実現するという事例がたくさんあります。

インドの独立は、その事例の一つであり、独立に貢献したガンジーはつらく厳しい体験を経て、こんな言葉を残しています。  「不寛容はそれ自体が暴力の一形態であり、真の民主的精神の成長を妨げるものです」

 現状に背を向けることなく、平和で持続可能な世界を実現していくためには、私たち一人一人が立場や主張の違いを互いに乗り越え、理想を目指し共に努力するという「寛容」の心を持たなければなりません。
そのためには、未来を担う若い人たちが、原爆や戦争を単なる過去の出来事と捉えず、また、被爆者や平和な世界を目指す人たちの声や努力を自らのものとして、たゆむことなく前進していくことが重要となります。

 そして、世界中の為政者は、市民社会が目指す理想に向けて、共に前進しなければなりません。
そのためにも被爆地を訪れ、被爆者の声を聴き、平和記念資料館、追悼平和祈念館で犠牲者や遺族一人一人の人生に向き合っていただきたい。
 また、かつて核競争が激化し緊張状態が高まった際に、米ソの両核大国の間で「理性」の発露と対話によって、核軍縮にかじを切った勇気ある先輩がいたということを思い起こしていただきたい。

 今、広島市は、約七千八百の平和首長会議の加盟都市と一緒に、広く市民社会に「ヒロシマの心」を共有してもらうことにより、核廃絶に向かう為政者の行動を後押しする環境づくりに力を入れています。
世界中の為政者には、核拡散防止条約第六条に定められている核軍縮の誠実交渉義務を果たすとともに、核兵器のない世界への一里塚となる核兵器禁止条約の発効を求める市民社会の思いに応えていただきたい。

 こうした中、日本政府には唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めていただきたい。
その上で、日本国憲法の平和主義を体現するためにも、核兵器のない世界の実現にさらに一歩踏み込んでリーダーシップを発揮していただきたい。
また、平均年齢が八十二歳を超えた被爆者をはじめ、心身に悪影響を及ぼす放射線により生活面でさまざまな苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、その支援策を充実するとともに、「黒い雨降雨地域」を拡大するよう強く求めます。

 本日、被爆七十四周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者のみ霊に心から哀悼の誠をささげるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。  

令和元年(二〇一九年)八月六日  
           広島市長 松井一実
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2019年08月07日

「表現の不自由展」中止 許されない暴力的脅しだ

「表現の不自由展」中止 許されない暴力的脅しだ
毎日新聞「社説」2019年8月6日

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」が、開幕直後に中止に追い込まれる異例の事態となった。
 慰安婦を象徴する韓国人作家の「平和の少女像」や、昭和天皇をモチーフにした作品に対し、脅迫めいた内容を含む多数の抗議電話やメールがあった。
中止は来場者や関係者の安全を考慮した措置と説明する。

 企画展に展示されているのは、全国の美術館などで過去に撤去や公開中止になった16組の作品だ。
 芸術監督をつとめるジャーナリストの津田大介さんは、「表現の自由」について自由に議論する場にしたかったと話した。  作品を鑑賞して共感したり、反感を抱いたりするのは当然だ。
それこそがこの展示の意図でもあろう。  

しかし、2日朝には「ガソリン携行缶を持って行く」といったファクスが届いたという。
京都アニメーションの放火殺人事件を思い起こさせるもので悪質だ。
 過熱する抗議の電話は、芸術祭の実行委員会だけでなく、愛知県庁や協賛企業にまで広がった。
事務局の電話は鳴りやまなかったという。

 自分たちと意見を異にする言論や表現を、テロまがいの暴力で排除しようというのは許されない行為だ。こういった風潮が社会にはびこっていることに強い危機感を覚える。
 政治家の対応にも問題がある。

少女像を視察した河村たかし・名古屋市長は「日本国民の心を踏みにじる行為」などとして、展示の中止を求めた。
 また、菅義偉官房長官は、文化庁の補助金交付の是非について検討する考えを示した。
 暴力によって中止に追い込もうとした側が、政治家の発言を受けて勢いづいた可能性がある。

 作品の経緯からして、反発の声が上がることは十分予測できた。
悪化する日韓関係も原因の一つと考えられる。
 津田さんは「想定が甘かったという批判は甘んじて受ける」と語る。
万が一のリスクを回避しなければならないという考え方は理解できる。  

一方で、脅せば気に入らない催しをやめさせることができるという前例になったとすれば、残した禍根は小さくない。
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2019年08月08日

「少年A」を産んだ母親の悲しすぎる末路

「少年A」を産んだ母親の悲しすぎる末路
2019年08月07日 PRESIDENT Online

少年Aが実の息子だと知った両親は何を思ったか。
逮捕後、面会に行くなり浴びせられたのは「帰れ、ブタ野郎」の言葉。
それから両親は手記『「少年A」この子を生んで……』の出版を決める。
本のタイトルをつけたのは母親だった――。

※本稿は、松井清人『異端者たちが時代をつくる』(プレジデント社)の第6章「『少年A』の両親との20年」の一部を再編集したものです。

■少年A逮捕の日
少年Aの両親の手記『「少年A」この子を生んで……』が完成するまで、2年もの長い月日が必要だった。
1999(平成11)年、『週刊文春』の3月25日号と翌週号に内容の一部が先行して掲載され、単行本『「少年A」この子を生んで……』は4月2日に発売となる。

森下香苗記者(当時、現・週刊朝日編集長)、渾身のスクープだった。
母の手記と育児日誌、そして父の日記で構成された本の内容は、相当に衝撃的だ。
父の日記は、Aの逮捕当日から始まっている。

〈1997年6月28日(土曜日)――逮捕の日 朝7時15分ごろ、今日は子供達の学校も私の会社も休みで、家族全員その時はまだ眠っていました。
突然、インターホンが鳴り、私が寝間から起きて玄関のドアを開けると、警察の方が二人中に入ってきて、スッと警察手帳を見せられました。
名前までは覚えていません。
「外では人目に付くので」と言った後、一人が玄関のドアを開め、「息子さんに話を聞きたいのですが……」と言われました。
「はあ、ウチ、息子は三人おりますが……」 「ご長男A君です」〉(『「少年A」この子を生んで……』)

■フラフラ状態で顔は土気色の母親
こうして、Aは連行された。
次いで母親が警察に呼ばれ、ようやく午後6時ごろに帰宅。

6時10分ごろ、父親は警察官から「子供達をどこかに預けることはできますか?」と聞かれる。
わけを尋ねても「理由は聞かんといてください」の一点張りだった。
言われるまま、Aの弟二人を近所の親戚に預け、帰宅した6時35分ごろ。
警察官から「ちょっと淳君の事件で重大なお話があります」と、家宅捜索令状を見せられた。

〈まさか淳君の事件にAが関わっているとは、正直言って想像もできませんでした。
「A君を容疑者として今、取り調べをしています」(中略) あまりのことに、記憶も途切れ途切れにしか残っていません。
妻も同じで、「お父さん、これ、どうなってるの。
もう一回言うて」と混乱するばかり。

「Aが何したんですか? えー、何したんですか?」
私も繰り返し繰り返し、尋ねていたように思います。
妻は、次の月曜に当たっていた町の掃除当番ができなくなることを思い出し、隣の家に伝えに出ましたが、もうフラフラ状態で顔は土気色でした。 〉

■「淳君事件の犯人逮捕。友が丘の少年」
〈そんな動転の中、家宅捜索が始まりました。
私達夫婦は、「えー、えー」としか言葉が発せられず、何が何だか分からないまま、警察官がAの部屋から次々と押収していく品物に対し、「これを指で指して」と言われるままに、ただロボットのように従って、写真をバシャバシャ撮られていました。
8時半ごろ、付けっ放しになっていた居間のテレビの画面に、「淳君事件の犯人逮捕。友が丘の少年」という短いテロップが出ました。
「えっ、こ、これですか? これはAのことですか?」
捜索している警官に妻が尋ねると、「そうです」という短い返事が返ってきました。〉(同書)

両親はAとの面会を求め続けるが、なかなか叶わない。
「上司と相談したところ、警察の周囲にマスコミが多いので、面会は当分無理です」というのが、須磨署留置場係の説明だ。 結局、Aが須磨署から少年鑑別所に移されるまで、一度も面会は許されなかった。

■「帰れ、ブタ野郎」
本の第二章「息子が『酒鬼薔薇聖斗』だと知ったとき」と題する母の手記は、念願の面会がようやく実現した場面から始まる。
〈「帰れ、ブタ野郎」 1997年9月18日、私たち夫婦が6月28日の逮捕以来、初めて神戸少年鑑別所に収容された長男Aに面会に行ったとき、まず息子から浴びせられたのがこの言葉でした。
「誰が何と言おうと、Aはお父さんとお母さんの子供やから、家族五人で頑張って行こうな」と、夫が声をかけたそのとき、私たち二人はこう怒鳴られたのです。
鉄格子の付いた重い鉄の扉の奥の、青のペンキが?げかかって緑に変色したような壁に囲まれた、狭い正方形の面談室。並べてあったパイプ椅子に座り、テーブルを挟んでAと向かい合いました。
あの子は最初、身じろぎもせずこちらに顔を向けたまま、ジーッと黙って椅子に腰掛けていました。
しかし、私たちが声をかけたとたん、 「帰れーっ」 「会わないと言ったのに、何で来やがったんや」 火が付いたように怒鳴り出しました。
そして、これまで一度として見せたこともない、すごい形相で私たちを睨みつけました。
《あの子のあの目――》 涙をいっぱいに溜め、グーッと上目使いで、心底から私たちを憎んでいるという目――。

あまりのショックと驚きで、私は一瞬、金縛りに遭ったように体が強張ってしまいました。
(中略) 15分ほど私たちは顔を向き合わせていたのですが、最後まで「帰れっ」とAに怒鳴られ、睨まれ続けていました。 この子は私のせいで、こんなことになってしまったのではないか?
Aは目で私にそう抗議している。
《私のせいなんや……》(中略)

私たち親は正直言って、この時点まで、息子があの恐ろしい事件を起こした犯人とは、とても考えられませんでした。
どうしても納得することができませんでした。
あの子の口から真実を聞くまでは、信じられない。
きっと何かの間違いに違いない。
いや、間違いであってほしい。
たとえその確率が、0.1パーセント、いえ0.01パーセントでもいい。
その可能性を信じたいという、藁にも縋る思いで、その日鑑別所の面談室を訪ねたのです。〉(同書)

■息子のためであれば、死ねます
家へ遊びに来ることもあった土師淳君が行方不明になると、父親も母親も捜索に参加している。
息子が手にかけたとは思いもせず、遺体の頭部がAの部屋の屋根裏に隠されているとは知る由もなく、地域一帯を探し回っていたのだ。
我が子の犯行と確信したあと、母親が耐え難い胸の内をさらけ出した一節がある。

〈あの子の行為で淳君、彩花さんはどんなに苦しみ、辛く痛い思いをなさったのでしょうか?
 ご本人たち、ご家族がAの行為により、どんなに悲しみ、苦しまれたのか?
Aは自分の正当性ばかりを主張し、やってしまった行為の責任を負うことなど、とうていできるはずもない、ということになぜ気付かないのでしょうか?

息子には、生きる資格などとうていありません。
もし、逆に私の子供たちがあのような行為で傷つけられ、命を奪われたら、私はその犯人を殺してやりたい。
償われるより、死んでくれた方がマシ、と思うはずです。

ささやかで不甲斐ないお詫びをされるよりかは、いっそAや私たちが死んだ方が、せいせいされることでしょう。
きっと被害者のご家族は、私たちが存在していること自体、嫌悪されているのではないでしょうか。
いつの日かAを連れて、お詫びに行くなどとんでもなく、虫のいい話かもしれません。
被害者のお宅にAが姿を見せたとすると、ご家族の方々に「死んで償え」と罵倒され、たとえその場で殺されたとしても、当然の報いで仕方がないことだと思います。
でも、その時は私に死なせてください。(中略)
私は夫のためには死ねませんが、息子のためであれば、死ねます。
Aのやったことはあの子を生み、育てた私の責任です。〉(同書)

■「できれば、この題名にしていただきたい」
ここに母親の悔いと、Aへの愛情が凝縮されている。
『「少年A」この子を生んで……』という本のタイトルは、実は母親がつけたものだ。
ある日、森下記者が戸惑ったような表情で、一枚の紙片を持ってきた。
「お母さんが、『本の題名はこれでどうでしょうか』と言ってきたんですけど……」
「えっ、これでいいと言ってるの?」
「ずっと考えてたそうです。『できれば、この題名にしていただきたい』と……」

編集者には付けられない、思い切ったタイトルだ。
両親の手記なのに、母親が一人で全責任を背負おうとしている。
そんなぎりぎりの思いが伝わってくる気がして、一字一句も直さず、そのまま採用すると決めた。

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松井 清人(まつい・きよんど) 文藝春秋 前社長
1950年、東京都生まれ。
東京教育大学(現・筑波大学)卒業後、74年文藝春秋入社。『諸君!』『週刊文春』、月刊誌『文藝春秋』の編集長、第一編集局長などを経て、2013年に専務。
14年社長に就任し、18年に退任した。
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2019年08月09日

病気や怪我で、障害年金はどのくらい出るのか

病気や怪我で、障害年金はどのくらい出るのか
2019年08月08日 PRESIDENT Online

年金というと、老後に受け取るもの、と思いがちですが、老後を支える「老齢年金」以外にも年金はあります。
加入者が障害によって生活や仕事に支障をきたした場合、また加入者が死亡した場合の年金です。
万が一のときにその後の人生を支える「障害年金」についいて知っておきましょう。

■がんや精神疾患でも対象になることがある
「障害年金」とは、病気やケガなどで一定以上の障害がある人に支給される年金である。
障害というと、寝たきり、目が見えない、耳が聞こえないなど、肢体不自由の状態を思い浮かべがちだが、がんや糖尿病、高血圧、呼吸器疾患、うつ病、認知障害といった精神の障害なども対象となり、仕事や日々の生活に支障があれば障害年金が支給されることがある。

状態によって1等級から3等級(またはそれ未満)に認定され、等級に応じた年金が支給される。
他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害では1級、
日常生活が困難で仕事が困難な状態が2級、
日常生活に支障はなくても仕事には制限がある状態が3級、というのが目安となる。

働けない障害状態の人は、がん治療中の人より多いともいわれており、多くの人がイメージするより対象範囲が広い。
医師によっては「これは障害認定に受けられる」といったことに詳しくないケースもあるので、自身や身近な人に重い疾患があるなど、より詳細に知りたい場合は、日本年金機構のホームページにある「国民年金・厚生年金 障害認定基準参考」をチェックしてみよう。

■支給額は年金の種類や家族構成によって異なる
支給される障害年金の種類と金額は、加入している年金の種類、障害等級、子どもの有無などによって異なる。

フリーランスや自営業(国民年金・1号)の場合、障害等級が1級、2級の人には「障害基礎年金」が支給される(額は等級により異なる)。
18歳までの子がいれば、ここに「子の加算」が上乗せされる。

会社員ではさらに「障害厚生年金」が加わる。
障害厚生年金の額は、障害等級や、それまで受けていた給与の額、厚生年金の加入期間によって計算される。
加入期間が25年未満の場合は、25年加入したものとして計算されるため、就職して間もない人でも、ある程度の額が支給されるのが特徴だ。
また妻が働き、夫が専業主夫で、妻が障害認定を受けた場合など、養っている配偶者がいる場合は、「配偶者の加給年金」もプラスされる。

1級障害の人に支給される障害年金の額を具体的に見ていこう。
フリーランスでシングルのAさん 障害基礎年金97万5125円
フリーランスで子どもが1人いるBさん 障害基礎年金97万5125円+子の加算22万4500円=119万9625円
会社員でシングルのAさん(月収30万円・加入期間25年) 障害基礎年金97万5125円+障害厚生年金80万1600円=177万6725円
会社員で配偶者、子どもが1人いるBさん(月収30万円・加入期間25年) 障害基礎年金97万5125円+障害厚生年金80万1600円+子の加算22万4500円+配偶者加給年金22万4500円=222万5725円

国民年金加入者より厚生年金加入者、また扶養している家族が多いほど、額が多くなる仕組みだ。

■会社員なら2級未満の人にも支給がある
障害等級3級の人には障害基礎年金は支給されない。
したがって、国民年金加入者では、障害年金の支給はなし、となる。
しかし会社員(厚生年金加入)で障害等級3級の人には、給与や年金の加入期間に応じた「障害厚生年金」が支給される。
金額は月収×1000分の7.125×300月(月収の約2.1倍)で、58万5100円が最低保障額となっている。

さらに一定の障害があるものの、3級より軽い障害と認定された厚生年金加入者には、もらっていた給与や年金の加入期間に応じた年金額の2倍の額(最低保障額117万200円)が「障害手当金」として支給される(年金ではなく、一時金)。

■初診日から1年半後に認定を受ける
障害年金の受け方についても知っておこう。
障害年金の支給を受けるためには、障害認定日に、障害認定(障害等級何級か)を受ける必要がある。
障害認定日とは、障害の原因である病気やケガについてはじめて診察を受けた日(初診日)から1年6カ月経った日のこと。
つまり、大きな病気やケガをして1年半経過後、一定の障害状態があれば、障害年金が受けられる、ということである。

ただし、人工肛門造設や咽頭全摘出など、症状が固定したケースでは1年6カ月を待たずに障害認定を受けることができ、給付が開始される。
一定の手続きが必要なので、まずは病院にいるソーシャルワーカーなどに相談するといい。

大きなポイントは、「どの年金が受けられるかは、初診日時点で加入していた年金の種類で決まる」ということである。
例えば会社員だったときに病気やケガをして在職中にはじめて診察を受け、その後しばらくして退職し、障害認定日には無職だった(国民年金加入)、という場合、初診日には会社員であったため、厚生年金加入者として障害厚生年金を受けることができる。

■保険料未払いでは所定の給付が受けられない
障害年金を受給するには、保険料を滞納していないことが大原則となる。
会社員は給与天引きなので心配ないが、自営業者で滞納している人はとても危険だ。
具体的には、初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと、または初診日の前々月までの加入期間のうち、3分の2以上の期間、保険料を納付または免除されていることが条件となっている。

未払いなどで条件を満たさないなどで障害年金が受けられない人は、福祉的措置として「特別障害給付金制度」が適用されるが、支給額は障害年金より少なくなる。
老後のためだけではなく、万が一のときのためにも、年金保険料はしっかり納付する必要がある。

納付が難しい場合は保険料免除の制度もあるので、すぐに年金事務所に相談したい。

■20歳未満で障害を負った場合も支給される
障害年金の対象となるのは、原則20歳以上65歳未満の国内居住者だが、生まれた時から障害がある人、20歳前に障害を負った人、20歳前の傷病が原因で20歳以降に障害を負った人は、すべて「20歳前障害」として障害基礎年金が支給される。
支給は20歳からで、1級なら97万5125円、2級なら78万100円となっている(3級、3級未満はなし)。

ただし所得制限が設けられており、扶養家族がいない人の例では、1年間の所得が360万4000円を超えると年金額が半分に、462万1000円を超えると全額が支給停止になる。
障害があって収入が減ると、障害年金が支給されても生活費が不足することがある。

死亡や病気に備えて生命保険や医療保険に入っていても、働けなくなった場合のことは考えていないことが多いので、そうしたリスクにも目を向けておきたい。

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井戸 美枝(いど・みえ)
社会保険労務士 ファイナンシャルプランナー、経済エッセイスト。
神戸市生まれ。関西大学社会学部卒。
厚労省社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員も務める。
『大図解 届け出だけでもらえるお金』など著書多数。
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2019年08月10日

小泉進次郎と滝川クリステル「官邸に結婚報告」の裏!

小泉進次郎と滝川クリステル「官邸に結婚報告」の裏!
安倍に寝返り、田崎史郎司会で進次郎・菅官房長官の蜜月対談も
2019.08.08 LITERA(田部祥太)

 なんだこの生臭さは……。
小泉進次郎と滝川クリステルの結婚発表にそんな感想を抱いたのは、おそらく本サイトだけではないだろう。
 いや、結婚そのもののことではない。
首相官邸をツーショットで訪れ、安倍首相に結婚を報告。
そのまま官邸で2人揃って取材に応じ“結婚会見”までしたことだ。

 きわめてプライベートな出来事である結婚について、わざわざ首相官邸に赴いて国の行政のトップである首相と官房長官に報告し、首相官邸でツーショット会見までおこなうとは……。
前代未聞の公私混同ではないか。

 しかも、これ、進次郎議員と安倍官邸の出来レースとしか思えない。
安倍首相は「まったく知らなかったので大変驚いた」、菅義偉官房長官は「俺も勘が悪いな。滝川クリステルさんとどうして一緒なんだろう。
犬の(保護)活動やっているから、それかなとも思ったよね」などととぼけ、
進次郎議員も「今日の今日、官房長官に電話して」「官房長官と総理に会えたのは運が良かったとしか言いようがない」などと説明していた。

 しかし、いくら与党随一の人気議員とはいえ、この国の首相と官房長官に用件も伝えずに会ったり、いきなり会見を開くなんてできるはずがないだろう。
「今回の結婚報告は、菅官房長官が進次郎とあらかじめ相談して、安倍政権のPRのために仕掛けたものだ。
官邸サイドはもちろん結婚相手もとっくに知っていた」(全国紙・官邸担当記者)

 実際、安倍政権の御用評論家で、進次郎の対談本を手がけるなど、ここのところ進次郎議員とも接近している田崎史郎氏がきょうの『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)で、進次郎の結婚情報について「先週はじめに官邸の方から、どうも進次郎さん結婚するらしいねと。40歳前後の女性で、相手はすでに身ごもっているっていう話はあったとコメントしていた。  

これは、田崎氏の「後出しジャンケン」ではない。
田崎氏は加えて「官邸で結婚発表をやるっていうのは、おそらくはじめてのこと。
まずこれ菅さんのところに行ったのがミソなんですよ。
菅さんのところに行ったら「総理がいるから会ってみないか」ということで、総理にお会いになっているけれども、それは付け足しなんです。
菅さんに報告したいということ」と解説した上、こんな事実を明かしたのだ。

「菅さんを進次郎さんはいちばん信頼してるんです。
菅さんもずっと進次郎さんのポストを「何やりたいの?」って相談相手になってきた」
「2人は…僕は今週土曜日発売の『文藝春秋』で(菅と進次郎に)対談してもらってるんですけど、2人は政治家としてものすごくウマが合うなと思いました。
信頼し合っているんだなというのがよくわかりました」

 田崎氏が司会で菅・進次郎が対談?
 調べてみると、これは事実だった。
明後日発売の「文藝春秋」9月号には、「初対談 菅義偉×小泉進次郎」というタイトルの対談記事が掲載されていた。
司会は田崎、しかもタイトルは「令和の日本政治を語ろう 憲法改正、社会保障、日韓関係。ポスト安倍」、リードには、「2人が明かすポスト安倍の条件」などの文字が踊っていた。

 これはどう見ても、進次郎が安倍官邸、菅官房長官と急接近しているということだろう。
そして、菅官房長官の作戦に乗って、安倍政権のPRのために首相官邸で結婚報告をおこなったということではないか。
結婚報告のタイミングも、進次郎議員は「原爆追悼の日を避けた」というようなことを言っていたが、実際は、この対談掲載の「文藝春秋」発売日に合わせたものとしか思えない。

 実は、少し前から、永田町では進次郎をめぐってこんな噂が流れていた。
「進次郎が9月に予定されている内閣改造で、入閣することが決まったらしい」
 周知のように、進次郎はこれまで安倍首相のライバルである石破茂を支持。
安倍政権をしばしば批判し、官邸から入閣を打診されても、頑なに固辞し続けてきた。

 ところが、その進次郎が参院選の直後、安倍首相に乗り換え、入閣打診を受け入れたという情報が流れていたのだ。
進次郎の女性関係をマークしていた菅官房長官が切り崩し 「農水相か厚労相という具体的なポストも浮上していた。
石破氏の影響力が低下する一方の党内情勢を見て、進次郎議員も石破氏を見限り、安倍首相から後継指名を取り付ける方針に転換。

一方、参院選で改憲勢力が3分の2を割り込んでしまった安倍首相の側も、権力を維持し、悲願の改憲を実現するためには、進次郎議員のような人気政治家を取り込んで爆発的な国民世論の支持を得る必要が出てきた。
両者の利害が一致しての入閣ということでしょう」(全国紙政治部デスク)
 それ以外にも、進次郎が寝返って入閣に応じた理由がもう一つ囁かれている。
それは他でもない、田崎史郎氏が口にしていた菅官房長官の存在だ。
 田崎氏は昔から進次郎が菅官房長官に信頼を寄せていたというようなことを話していたが、これは事実ではないだろう。
むしろ、菅官房長官が今回の結婚問題を機に、進次郎議員に急接近した形跡がある。

「情報通の菅官房長官は進次郎の私生活をかなり前からマークしていた。
進次郎は2015年に元復興庁職員の女性とのホテル密会を『週刊文春』にすっぱ抜かれているんだが、この情報も、菅官房長官がリークしたといわれている。
今回の滝川クリステルとの関係も、菅官房長官がいち早くキャッチして、情報を進次郎にチラつかせて、切り崩したんじゃないか、というのが、もっぱらの見方だ」(政治評論家)

 いずれにしても、進次郎議員と安倍首相、菅官房長官の間では、ポスト安倍のシナリオについても話がついているとの情報まで飛び交っていた。
「菅官房長官をショートリリーフに、その後に、進次郎を後継指名するということまで話し合われているんじゃないかといわれてるね。
改憲路線の継続や菅官房長官の留任などの条件を進次郎に提示し、進次郎もそれを飲んだというような話まで流れていた」(前出・政治評論家)

 ポスト安倍のシナリオについてはともかく、今回の安倍首相、菅官房長官への結婚報告、首相官邸での会見によって、進次郎議員と安倍官邸の接近、入閣の情報はほぼ証明されたといえるだろう。
 安倍官邸と進次郎議員の入閣をめぐる交渉のなかで、この結婚発表の計画が話し合われ、進次郎議員も入閣を前提に、官邸での結婚報告というかたちで、安倍政権のPRに協力した可能性が高い。

内閣改造で小泉進次郎が入閣、安倍改憲のスポークスマンに
 とにかく、取材すればするほど、胡散臭さが強くなってくる進次郎議員の結婚だが、しかし、安倍首相と絶大な人気を誇る政治家の合体がもたらす恐ろしい未来は、こんなものではすまない。
 進次郎議員が入閣すれば、安倍政権の内閣支持率は急上昇するのは確実。
そうなると、いま、揺れている国民民主党などからも一気に安倍自民党にくっつく議員も出てくるだろう。
 菅義偉と進次郎議員の「文藝春秋」対談のサブタイトルには前述したように、「憲法改正」も入っていたが、もともと9条改憲に積極的な進次郎議員が安倍改憲のスポークスマンとして前面に出てくれば、国民世論も一気に改憲に傾く。

 安倍政権の極右思想や戦前回帰志向への警戒感が薄れ、進次郎議員によって“改憲=新時代”というイメージにロンダリングされてしまうからだ。

 そして、安倍首相のバックアップのもと、進次郎首相誕生となれば、さらに酷いことになるだろう。
現在の日本の格差拡大・貧困化を生み出した元凶は、小泉純一郎政権の新自由主義政策にあったことは周知の事実だが、進次郎議員の政策はその父親の路線を完全に引き継いでいる。
 進次郎議員は絶大な人気を誇るだけに、安倍政権より国民に負担を強いる政策はやりやすくなり、新自由主義路線や親米タカ派路線はどんどんエスカレートしていくはずだ。
しかも、バックには安倍首相がついているため、戦前回帰、極右志向はそのまま温存される。

 まさに恐怖しかない安倍首相と進次郎議員の合体。
そう考えると、これからメディアで始まる進次郎・クリステルの結婚フィーバーは、日本の暗黒時代の本格的な幕開けを伝える号砲と言ってもいいかもしれない。
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全ての分野で核兵器廃絶の態度を 被爆者代表、首相に要請 「平和への誓い」全文

全ての分野で核兵器廃絶の態度を 
被爆者代表、首相に要請 
「平和への誓い」全文
毎日新聞2019年8月9日  

長崎は9日、米国による原爆の投下から74年となる「原爆の日」を迎えた。
長崎市の平和公園であった平和祈念式典で、被爆者代表の山脇佳朗(よしろう)さん(85)が「平和への誓い」を読み上げた。

「平和への誓い」全文

 1945年8月、アメリカが広島・長崎に原爆を投下し二十数万人の命が奪われました。
私は当時11歳、爆心地から約2キロの自宅で被爆しました。
 母と4人の弟・妹は佐賀へ疎開していて難を免れましたが、父は爆心地から500メートルの工場で爆死していました。
私たちは兄弟3人で焼け残りの木片を集めて焼け落ちた工場のそばで父の遺体を荼毘(だび)に付しました。
しかし焼けていく遺体を見るに耐えきれず燃え上がる炎を見ながらその場を離れました。

 翌日、遺骨を拾いに行きました。
でも遺体は半焼けで完全に焼けていたのは手足の一部だけでした。
「せめて頭の骨だけでも拾って帰ろう」と兄が言い、火箸で頭の部分に触れたら頭蓋骨(ずがいこつ)は石こう細工を崩すように割れ白濁した半焼けの脳が流れ出したのです。
兄は悲鳴を上げ火箸を捨てて逃げ出しました。
 私もその後を追って逃げ出したのです。
私たちはこんな状態で父の遺体を見捨ててしまいました。

原爆で火葬場も破壊されたため、家族や身内を亡くした人々は私たちと同じように無残な体験をしなければならなかったのです。
 それだけではありません。辛うじて生き残った人々は熱線による傷や放射能による後遺症に悩まされながら生きていかねばなりませんでした。

 私は原爆の被害を受けて二十数年後、急性肝炎、腎炎を発症し今なお治療を続けています。
更に六十数年後には胃がんに侵され2008年、2010年にがんを摘出する手術を受けました。
あの時、私と一緒に行動した兄と弟もがんに侵され治療を続けています。
 あれから74年、被爆者の私たちは多くの方々と「核兵器廃絶」を訴え続けてきました。
また、60歳を過ぎて英語を独学で学び、2015年11月長崎で開催されたパグウォッシュ会議では世界の科学者に英語で「核兵器廃絶」に力を貸してくださいと訴えました。

しかし、ロシア、アメリカなどの国々に今なお1万3880発もの核兵器が保有されていると言われています。
 更にアメリカはロシアとの間に締結している中距離核戦力全廃条約からの離脱を宣言し、失効しました。
2月にはトランプ政権になってから2回目の「臨界前核実験」を行ったと報じられています。
これは「核兵器の廃絶」を願う人々の期待を裏切る行為です。

 被爆者は日を追うごとに亡くなっています。
私はこの場で安倍総理にお願いしたい。
 被爆者が生きているうちに世界で唯一の被爆国として、あらゆる核保有国に「核兵器を無くそう」と働き掛けてください。この問題だけはアメリカに追従することなく核兵器に関する全ての分野で「核兵器廃絶」の毅然(きぜん)とした態度を示してください。
もちろん、私も死ぬまで「核兵器廃絶」を訴え続けます。

 それが74年前、広島・長崎の原爆で失われた二十数万人の命、後遺症に苦しみながら生き残っている被爆者に報いる道だと思います。

 私は第二次世界大戦によって310万人の命を犠牲にした日本が、戦後に確立した「平和憲法」を守り続け、戦争や核兵器もない世界を実現する指導的な役割を果たせる国になってほしいと念願し「平和への誓い」と致します。

 Please lend us your strength to eliminate nuclear weapons from the face of the earth and make sure that Nagasaki is the last place on Earth to suffer an atomic bombing.Thank you.
この世界から核兵器を廃絶し、長崎を最後の被爆地とするために皆さんの力を貸してください)

 2019年8月9日
          被爆者代表 山脇佳朗
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2019年08月11日

「自分にふさわしい終わり方を」――増える“直葬”変わる弔いの形

「自分にふさわしい終わり方を」
――増える“直葬”変わる弔いの形
最終更新日時:2019年7月8日 Yahoo!ニュース

親類や知人が通夜に集まって故人をしのび、翌日には葬式・告別式で送り出す。
そんな葬儀の「定型」が変わりつつある。
通夜や告別式を行わずに遺体を火葬場に送り、それを最期とする「直葬」が増えているのだ。

直葬を選ぶ人の事情とは――。
(ノンフィクションライター・熊谷祐司/Yahoo!ニュース 特集編集部)

年齢とともにお葬式の必要がなくなる
今年80歳を迎える東京都の山下幸三さん(仮名)は、自分がやがて人生の終わりを迎えるときは「直葬」と決めている。
山下さんは10年ほど前から都内の介護付き有料老人ホームで暮らしている。
未婚で妻や子どもはいない。
今は毎日、1時間半ほどの散歩を欠かさず、元気に生活している。
2人の兄も健在で、いずれも都内で暮らしている。

山下さんは、60歳で大手企業を退職。
もともとは、多くの参列者が集まる普通の葬儀で送り出してほしいと望んでいた。
だが、年齢を重ねるなかで心境が変化した。
「定年退職から5年、10年と過ぎるうちに、だんだんと会社時代の仲間とも疎遠になっていきます。
年賀状も年々減っていき、先方から〈80歳になるので来年からは年賀状を失礼させていただきます〉と最後の年賀状が届くようにもなりました。
付き合いがあった親戚も少なくなり、葬式を開いても来てくれる人は数えるほどでしょう。
直葬のほうが、今の私にふさわしい終わり方だと思うようになってきたのです」

生前の親から「お金をかけなくていいよ」
直葬は、通夜や告別式などの儀式を行わない、火葬のみの葬儀形式だ。
法律で死後24時間以内の火葬、埋葬は禁じられているため、それまで遺体は自宅や病院などに安置する必要がある。
その間、近親者が故人の顔を見ながらお別れすることも、納棺に立ち会って送り出すこともできる。
身内だけで通夜や告別式を営む家族葬よりさらにシンプルな形だといえる。

2017年に公正取引委員会が発表した「葬儀の取引に関する実態調査報告書」によれば、葬儀の種類別での年間取扱件数で「増加傾向」にある葬儀の種類を葬儀業者に尋ねたところ、直葬は26.2%と家族葬(51.1%)に次いで高い数値となった。

また、葬祭の業界団体が設立した冠婚葬祭総合研究所のアンケート調査で、世代別の消費者に直葬の意向を尋ねたところ、800人ほどの団塊世代(65〜69歳、2016年)では「自分の葬儀は直葬でいい」と答えた人は、「そう思う」「ややそう思う」が53%と半数以上を占めた。
直葬は広がりつつあることが見てとれる。

千葉県松戸市で葬儀社の「メモリアール」を30年近く経営する富田次男さんは「年々、直葬が増えている実感がある」と話す。
メモリアールは年間60件ほどの葬儀を行い、近年はそのうちの3割ほどが直葬だという。
「理由の一つは、親が生前に、子の老後の蓄えや孫の教育費を気にかけて『自分の葬式にはお金をかけなくていいよ』と子に話していることです。
見送る側としても、香典返しや参列者に食事を提供する通夜振る舞いなどに大きな負担感があります。
直葬ならその費用や手間が省け、故人も許してくれるだろうとお考えになるわけです」

直葬は通常の告別式や葬儀と比べて費用も安い。
日本消費者協会の2016年の調査によると、葬儀一式や通夜での飲食接待費、寺院への布施などを総合した費用は、平均195.7万円だという。
メモリアールでは、納棺の儀式と棺への花入れをプラスした「見送る火葬式」など4種類の標準メニューを用意している。
このうち最もシンプルなのが「火葬のみの直葬」(12万8000円)だ。
直葬の費用には、棺代のほかに、搬送車(50キロまで)の利用料、安置所(2泊3日)の利用料、火葬場への搬送料、火葬料、骨壺代が含まれている。
僧侶の読経や戒名も、別料金のオプションでつけられる。

「4〜5年前は家族葬が主流でしたが、最近は直葬か通夜を省略する『一日葬』を選ぶ人のほうが多くなりました」
神奈川県川崎市の男性(55)は、2年前に父親の葬儀で直葬を選択した。
理由について「つながりがなくなっていることが大きい」と話す。
「父は亡くなる5年ほど前から認知症になり、特別養護老人ホームで暮らしていました。
その時点で長く住んできた地域から離れたのに加え、父の記憶が曖昧になったことで交友関係も分かりにくくなった。
また、父の実家である新潟県の寺との関係も切れていました。
ですので、特養で息を引き取ると、すぐにスマホで調べて出てきた業者に依頼しました。
1日安置して翌日火葬するコースで10万円もしませんでした。
価格が安かったのも魅力です」

神奈川県相模原市の女性(49)は、既存の葬儀社のプランに不信感があり、利用したくなかったと語った。
4年前に父親が亡くなったとき、何も調べないまま地元で知られる葬儀社に連絡、葬儀を手配した。
小規模の生花祭壇が設けられ、希望する宗派の僧侶の葬儀込みで約150万円。
提示された額にやや高いという印象があったが、それが「標準」と説明を受け、決めた。
葬儀は滞りなく進行した。
「ところが、すべてが終わり、料金も支払ったあとで、その葬儀社のウェブサイトを見たら、うちが選んだプランと全く同じ内容の葬儀が約80万円と出ていた。
つまり、何も調べずに来た客には70万円近く上乗せしていたのです。
葬儀社にクレームを言い、交渉しましたが、差額は返金してもらえませんでした。
私も父の死で混乱していたとはいえ、信頼を裏切られたような感覚でした。
そこで考えたのは、家族でやる葬儀はシンプルな火葬だけで十分だったのではと。
そこで1年前に母親が亡くなった時には、ネットで探した別の葬儀社による直葬で見送ることにしました。
費用は十数万円でした」

川崎市の男性も相模原市の女性も、直葬でまったく問題はなかったと振り返る。
女性は自分も将来この程度で十分だと考えているという。
「なくなった本人の意思もあると思いますが、残された家族が納得できるのであれば、直葬で問題ないのだろうと思います」

これから本格的な直葬時代が訪れる
直葬が増える背景について、現代のお葬式事情に詳しいシニア生活文化研究所所長の小谷みどりさんは「死亡年齢の上昇が与えたインパクトは大きい」と分析する。
「これまでのお葬式は、見栄と世間体で成り立っていました。
だから、子どもが59歳のときに親が亡くなると、葬儀は最も盛大になります。
もし大手企業の役員や部長の地位に就いていたらなおさらです。
ところが現在は、子どもが現役を退いたあとで親が亡くなるケースが増えています」

厚生労働省の「人口動態統計」によると、2000年には80歳を超えて死亡する人の割合は44%だった。
それが2017年には64%に上昇し、さらに90歳以上で亡くなる人の割合も27%に達している。
子が定年退職を迎えたあとに親が亡くなれば、もはや仕事関係の人たちが葬儀に多く集まることもない。
盛大に葬儀を営んで見栄を張る必要もないわけだ。
地域社会の希薄化や核家族化の進展も直葬が受け入れられる背景だ、と小谷さんは語る。

「近所付き合い自体が減っているので、隣近所から『あそこの子どもは親不孝だ』と非難されることも少ないでしょう。
同居していない親は、子どもに迷惑をかけたくないという思いが強くなります。
お年寄りに尋ねると、大半の人が『家族葬でいい』『お葬式はしなくてもいい』と答えます。
自分が知り合いのお葬式に出たときに『遺族が大変だ』と思うからでしょうね」

孤立する高齢者が増え、未婚率の上昇で関係の深い親族が少なくなる。
数人残った遺族だけが参列するばかりなら、家族だけで故人を囲んで一晩を過ごし、派手な葬儀を省いて火葬だけでいいと感じる人も増えるはずだと小谷さんは言う。

「孤立した人たちが亡くなっても、悲しんでくれる人は少ないでしょう。
これからが本格的な直葬時代です。
今後、合理的な直葬を選択する人はますます増えるでしょうね」

生前契約で「自分色」にも 直葬を望んでいる冒頭の山下さん。
遺志を確実に実現するために、「生前契約」という手法を使った。
山下さんに妻子はなく、近親者といえば山下さんより高齢の兄たちだ。
頼るわけにはいかない。
そこで、山下さんは直葬の執行を東京都豊島区のNPO法人「りすシステム」に託している。

死後の手続きや葬儀について本人の希望に沿って受託する法人で、1993年10月に発足した生前契約のパイオニアだ。
代表理事の杉山歩さんが言う。
「葬儀は残された人たちのイベントという側面があり、必ずしも本人が希望したとおりになるとは限りません。
私たちは公正証書によって会員の意思を生前にお預かりし、お亡くなりになったらそのとおりに執行します」

現在、りすシステムと生前契約している会員は全国におよそ3700人。
その8割は関東の1都3県に集中している。
「りすシステムの設立後、しばらくは、お通夜とお葬式を希望する人が多かったのですが、現在はおよそ半分の方が直葬をお選びになります」

一般的な直葬では葬儀社に安置所の手配を頼むことになるが、りすシステムには自前の安置所を備えた会館がある。
近親者が故人に一晩付き添える夜伽(よとぎ)部屋や葬儀用ホールを備えた3階建ての「りすセンター・新木場」である。
遺体は処置室で化粧などを施して納棺される。
生前契約の明細書に希望の死に装束が指定してあれば、服飾を専門とするスタッフがあらかじめ紙で作っておいた“ドレス”や“スーツ”に着替えさせる。
「処置室は、病院で感染症患者の治療に使われる空気感染隔離室と同じ陰圧室になっていて、滅菌装置も備えています」と同センター長の花田和広さんが説明する。

安置室は処置室の隣にある。8センチほどの分厚いステンレス扉で密閉され、最大37体の安置が可能だ。
常時5℃に保たれ、足を踏み入れるとひんやりとする。
処置室の前には、控えめに焼香の道具が置いてある。

「直葬とはいえ、故人のお知り合いがお顔を見たいというケースがあります。
そのとき安置室からご遺体を面会室に移動して、お別れができるようにしています」

費用は直葬だけなら40万円程度だと杉山さんは言う。
「遺品整理や部屋の片づけ、自治体や警察などへの各種届け出、公共料金の解約・精算手続きなどを含めても、だいたい100万円以内で収まります」
葬儀や散骨は別料金のオプションメニューとなり、棺や祭壇、供花の種類や数、僧侶による読経や戒名によっても費用は異なる。
骨壺も一般的な白の陶器ではなく、高級な青磁のものを希望する会員もいるという。
「直葬といっても安っぽいわけではなく、細かい点にこだわれば豪華な直葬になります」

りすシステムの初期費用は直葬や部屋の片付けなどにかかる死後事務費用と生前事務費用の預託金が必要となる。
預託金は、りすシステムとは別のNPO法人日本生前契約等決済機構が管理し、必要に応じて使われる。
生前契約の利用者は、独り身の人ばかりではない。

「お子さんが40代、50代なら、仕事が忙しいとか海外在住とか、すぐ駆けつけられない事情があります。
私たちは契約によって生前、死後ともにお子さんたちに代わってその役割を果たすわけですから、いわば『契約家族』です」

山下さんの場合、棺は最もグレードが高い素材のものを用意してもらい、火葬場に運ばれるときの霊柩車にはアメリカの高級車「リンカーン」を指定している。
そして荼毘(だび)に付された後は、ニュージーランドの海に散骨してもらう。
それが希望だ。
「今までリンカーンに乗ったことはありませんけど、一度ぐらいはいいかなとね」
亡くなってからの乗り心地はどんなものですかねと問うと、山下さんも笑う。 山下さんは、3年前に100歳近かった母を直葬で見送り、ニュージーランド沖に散骨した。
「母は長生きしたので友人知人は、みな先に亡くなり、葬式に呼ぶ人がほとんどいない状況でした。
私も亡くなったら母が眠る南半球の海の底に行きたいと思っています」
母を送ったときと同じように、自分も直葬で送られたい──。
山下さんはそう語った。

直葬は葬儀から見栄や外聞をそぎ落として最期を迎える一つの形でもある。


熊谷祐司(くまがい・ゆうじ)
1966年、東京都生まれ。
ビジネス誌の編集者を経てノンフィクションライターとなる。
総合誌やWEBメディアで社会、経済、教育など幅広い分野の取材・執筆を担当。
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元2等海佐が語る自衛隊の上位下達バカぶり

元2等海佐が語る自衛隊の上位下達バカぶり
2019年08月10日 PRESIDENT Online

■「少年マガジン」が防弾チョッキの代わりだった
1999年3月24日6時7分、海上自衛隊の護衛艦「みょうこう」の航海長だった著者は、複雑な思いで「面舵一杯」を下令した。
日本人が拉致されているかもしれない北朝鮮工作船を警告射撃で停止させ、隊員が立入検査に乗り込もうとした矢先、その船は再びフルスピードで逃走。
「みょうこう」も急加速して追走したが、そこで日本政府から作戦中止命令が出たからだ。
あっという間に日本海の波間に消えていく船影は今も目に焼きついているという。

「能登半島沖不審船事案」と呼ばれるこの出来事が、防衛庁(現防衛省)初の特殊部隊「特別警備隊」を海上自衛隊内に創設するきっかけとなった。
あの日、立入検査ができたとしても成功する可能性は極めて低かった。
そもそも法令を遵守しているかどうかをチェックする“立入検査”で日本人を奪還できるわけもなく、防弾チョッキさえ装備されていなかった。

出撃を控えた彼らの胴体には「少年マガジン」がガムテープでぐるぐる巻きにされていたそうだ。
著者は、この体験後、特殊部隊を志願し、創隊準備から8年間、特殊戦の現場責任者を務めた。
「私は、防衛省や自衛隊は日本人のよくない国民性が出やすい組織だと思っています。
あの事件でもそれがあぶり出された。
命令による統制が愚直なまでに徹底される日本の組織の特徴が如実に表れています。
大して発令の理由を説明されないまま、生きて帰ってこられるかわからない命令を受けた隊員らは、短時間のうちに出撃を覚悟しました。

日本人が想像する以上に、この国では恐ろしいほど上意下達の文化がある。
そういう一面があることを政治家はもちろん、多くの日本人に知っておいてほしい」

■「防衛省や自衛隊は日本の縮図だと思う」
一般的に、海軍ではすべての判断が艦長に委ねられるため、事実を寸分たがわず報告することを隊員に徹底させる文化がある。
いわば、戦艦の1つの部品になることが求められるわけだ。
一方、「不審船に乗り込んで拉致されている日本人を奪還するために創設された特殊部隊では、現場で判断して自己責任で行動することも必要。
これがネイビーとアーミーの文化の大きな違いです。

ですから、最初は特殊部隊に入ってきた隊員の意識改革に苦労しました」。
自分を押し殺し、上位者の指示に黙々と従おうとする傾向が強いのは自衛官に限らないだろう。
「防衛省や自衛隊は日本の縮図だと思います。
この本を読んで、こんなことが起きてしまう組織なんだって思いつつ、似たような経験があるという人も多いのではないでしょうか」。

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伊藤祐靖 1964年生まれ。
日本体育大学から海上自衛隊へ入隊。
海上自衛隊「特別警備隊」創設に携わる。
2007年、2等海佐の42歳のときに退官。
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2019年08月12日

自分の預金が下ろせない?じわり広がる“高齢者制限”

自分の預金が下ろせない?じわり広がる“高齢者制限”
8/11(日) 毎日新聞

 金融機関が高齢者の取引を見直す動きが急速に進んでいる。
特殊詐欺の防止などから、一定年齢になると、預金の引き出しを制限したり、使途の詳しい説明を求めたりするケースが増えている。
早ければ60代から「自分のお金が自由に使えない」状況も生まれている。
【毎日新聞経済プレミア・渡辺精一】  

◇「70歳以上」個人として認めない?
 「契約には代理人も同伴ください」。
「ひとりの生き方」をテーマとするノンフィクション作家の松原惇子さん(72)は、銀行で貸金庫利用を申し込んだところ、行員からこう対応された経験を5月、ネットメディアでつづった。
「銀行は70歳以上は個人として認めないのか」と問題提起した。

 金融機関では、一定年齢以上の顧客を対象に一律の対応ルールを設けるところが増えている。
目安は「70歳以上」。
ほとんどの場合、ルールは公表していないが、ある大手銀行は「支店にもよるが、70歳以上の契約には代理人同伴が原則」という。  
「何度説明しても理解してもらえない」
「通帳をなくしたと何度も来店する」。

金融機関の支店では現在、認知症で判断能力が低下したと思われる客への対応が大きな負担となっている。
高齢客や家族とのトラブルも増えており、ルールはその予防策だ。
 ただし、自立的に財産管理したいという元気なシニアや「子に頼りたくない」という人にとっては「高齢者を差別している」とも映りやすい。

◇現金にこだわれば警察通報  
特殊詐欺の被害を防ぐため、多くの金融機関は数年前から、現金自動受払機(ATM)でカードを利用する振り込みについて、高齢者を対象に1日当たりの上限を低く設定している。
2017年ごろから、これに加え、ATM出金額を制限する動きも進んでいる。

 りそな銀行と埼玉りそな銀行は19年1月、18年10月末時点で70歳以上の人について1日あたりの出金・振り込みを10万円に制限。
京都中央信金など信金では出金ができないところもある。

 こうした制限はATMを過去一定期間(主に1〜3年以上)利用していない人に限ることがほとんどで、手続きすれば上限額を変えることはできる。
だが「普段の生活費はA銀行、大口預金はB銀行」など分散管理する人は多い。
家族の緊急入院などの事情でまとまった現金を引き出そうと、普段は利用していないB銀行に行ったが「カードで下ろせなかった」というケースもある。
 窓口での取引も制限されてきた。

先駆けは、静岡県警と金融機関が連携して13年12月に始めた防犯策。
75歳以上の人が300万円以上の引き出しを求めた場合、振り込みや預金小切手(預手=よて)の利用を勧め、それでも客が現金にこだわった場合は警察に通報し、駆けつけた警官が目的を聞く。
預手とは金融機関が振り出し、本支店で本人確認のうえ換金する支払い手段だ。
 この防犯策は詐欺被害を水際で防ぐ効果が高いと注目され「預手プラン」という名で全国に広がった。

適用条件は地域性から独自に決めており「65歳以上・200万円以上」(福島県)など厳しくしたところもある。
 地域の警察署が地元金融機関と独自に提携する例もある。
千葉県警浦安署は60歳以上の人が、大阪府警富田林署は65歳以上の人が、それぞれ100万円以上引き出す場合は警察への通報を求める。  

◇「銀行ハラスメント」国会でも指摘  
普通預金は本来、預金者の求めがあれば直ちに払い戻さなくてはいけないが、犯罪防止のため、一定の制限を課すことは、法律で認められている。
だが「自分のお金なのに自由に引き出せない」
「個人の金融行為になぜ警察が介入するのか」という反発から、トラブルになることもある。  
「銀行のハラスメントだ」。

立憲民主党の末松義規・衆院議員は18年12月の衆院財務金融委員会で、金融機関の高齢者対応を問題視した。
知人や家族が自分の預金を下ろそうとしたところ、警察に通報され、警官に取り囲まれたなどの事例を複数挙げ「真面目で健全な一般預金者の保護を」とただした。

金融庁は「過度に画一的な対応をとり、迷惑をかけたり不愉快な思いをさせたりすることはあってはならない」とし、麻生太郎金融担当相は検討を示唆した。
 金融庁の金融審議会市場ワーキンググループが6月に公表した報告書は、「2000万円不足」ばかりに注目が集まってしまったが、その柱の一つは大認知症時代への対応にあった。

報告書は、金融機関の高齢者対応について「個々人に応じたきめ細やかな対応が望ましい」とする。
だが逆に「一定年齢以上の人は一律対応」がじわじわ浸透している。

 特殊詐欺被害は深刻化しており、認知症の人への対応も大きな課題だ。
今後も金融機関の高齢者対応は厳格化が進む可能性は高い。
老後の資産管理を考えるうえでは、こうした点も念頭に置く必要がある。
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日航機墜落、同型機で大阪から羽田

この墜落事故に強烈なショックを受けました。
大阪で「学校体育同志会」サークルの全国大会があり 新幹線か飛行機で帰宅を考え、大阪伊丹空港からの羽田便に乗りました。
川崎の実家に帰るには 羽田から京浜急行利用が便利なこと、 価格的にも新幹線と違わない、時間的にも1時間、そしてジャンボに乗ってみたいなどがあり搭乗しました。

そのジャンボが 羽田から折り返し 大阪行き123便になって事故機になったことを知り、とっても複雑な気持ちになったことを記憶しています。

隔壁損傷が事故原因なら 大阪発 羽田便で 起こっても不思議ではなかったという思いに取りつかれ ニュースを他人事ではなく「搭乗名簿に載ったかもしれない 一人」として視聴して 「運命の残酷さ」と「生と死の境」、亡くなった方に対する負い目のような感情にとらわれました。

全国大会の分科会報告の原稿を〆切すぎても 一字も書けない位 虚脱状態に陥った「夏」でした。
亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに ご遺族の方々の心の平安を節に願います。
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2019年08月13日

熱中症対策7つ。猛暑のなかで注意すべき症状は?

熱中症対策7つ。猛暑のなかで注意すべき症状は?
MYLOHAS編集部 2019/08/07
──ライフハッカー[日本版]より転載

自然には恐ろしい危険がたくさんありますが、おそらく中でも一番怖いのが“サイレント・キラー”とも言われる「暑さ」です。

CDCによると、アメリカでは高温で亡くなる人が、ハリケーン、雷、竜巻、地震、洪水で亡くなる人を合わせた数よりも多いのです。
今回は、猛暑の屋外で1日中過ごさなければならない時の対策をお教えしましょう。

猛暑は命を奪う
猛暑の中で生き伸びる方法を学ぶには、猛暑がどのように人体に有害かを知らなければなりません。
厳しい暑さは、ゆっくりとですが確実に生命システムを停止させます。
そして、その症状は、子どもや老人の場合は特に、驚くほど気づきにくいです。

太陽が強烈な日差しでゆっくりと人間を調理していくよりも酷い状況です。
人体は次のように変化していきます。

<ステップ1>
高気圧の気象配置になると、上層の大気から地上に向かって空気が引き下げられ、その空気の圧縮で気温が上昇します。
高気圧では、雲で覆われず、風が吹かず、すでに高温の暑さがさらに悪化します。
このような酷暑の中、屋外で過ごさなければならない場合、中核温(内臓などの環境温度に影響されない深部体温)が上昇し、体の冷却システムである汗をかきはじめます。

<ステップ2>
発汗によって(体内の)熱を発散させ、汗が肌の上で蒸発し、体が冷えます。
しかし、強烈な暑さでは、汗をかきすぎて蒸発する時間がない、もしくは湿度が高すぎて水分が蒸発しにくくなります。
すると、汗をかけばかくほど体が冷えるシステムが過剰運転となり、脱水症状になります。

<ステップ3>
この時点で、体は発汗によって失った水分を必死で補給しようとするので、とても喉が乾き始めます。
また、電解質の値が低くなり始めると、筋けいれん、極度の体力消耗、失神のような症状が起こります。

<ステップ4>
体内の熱が発散されていない場合は、熱中症になる危険があります。
熱が体を冷やす能力を完全に制圧し、まったく汗をかかなくなります。
ここまでくると、熱が脳に過剰な負担をかけ、めまい、衰弱、もうろう状態、吐き気、意識不明などになります。

<ステップ5>
最終的に、血液が濃くなり(ドロドロになり)、水分不足のために酸素が少なくなり、血液を送り出し、血管をきれいにするために、心臓や腎臓にさらに負担がかかります。
それに応じて、心臓はより速く血液を送り出そうとし、体温がさらに上昇します。

<ステップ6>
心臓が必死に血液を送り出そうとすると、肌が冷たくなり冷や汗をかき始めます。
すると、あっという間に、脳は酸欠を処理できず、永久に停止します。

しかし、このような恐ろしいことが起こらないよう、防ぐ方法はたくさんあります。

1. 体を締め付けない、軽量で、明るい色の、綿素材の服を着る
猛暑の時に着る服は、快適さと安全性のどちらにとっても一番重要です。
肌と洋服の間に空気が流れるだけの十分な余裕があれば、汗を蒸発させることができます。
前述のように、汗が蒸発しないと体が冷やせません。
また、服は軽量のほうがいいです。
軽量であれば体への負担も軽く(服が重いと動くのによりエネルギーが必要で、より熱が生成されます)、生地が薄ければ通気性もあります。
白やベージュのような明るい、薄い色の服は、太陽光を反射するので、熱も反射します。

さらに大事なのは、綿素材の服を選びましょう。
綿は体の余分な水分を吸収し、汗が蒸発するのを助けるので、体を冷やすことができます。
汗をのがす特殊な素材は、気温が安定しているスポーツジムや日中の涼しい時間帯にはいいかもしれませんが、猛暑には最適ではありません。

2. 衣服、帽子、タオルを濡らす
綿は、水分を吸収し保つのにいい素材なので、衣服を濡らして、体を冷やすことができます。
シャツを脱ぎ、川の水に浸したり、ペットボトルの水を全体にかけたりしましょう。
絞って、また身につければ、すぐに体を冷やしてくれます。
帽子は服以上に役に立ちます。
顔や目を太陽光から守るだけでなく、帽子を濡らして頭にかぶれば、涼しくて気持ちいいです。
自分の肌や体以外の水分を蒸発させて体を冷やせば、汗をたくさんかかずに済みます。
最後に大事なことを言い忘れていましたが、猛暑で屋外に出なければならない時は、タオルやラグを持ち歩くのもいいです。 濡らして絞って、首の周りに巻き付けましょう。
綿以上に水分保持に優れ、体を長時間冷やす、特殊な素材のタオルもあります。

3. 日陰を探し、定期的にそこで休む
太陽が照りつける暑い日には、日陰がすべてです。
屋外で何をしていても、とにかく日陰を探して、できるだけそこで休憩をしてください。
熱中症になっていそうな人を看護する時は、医療関係者の間では「冷やすの第一、移送はその次」と言われており、屋外で長時間過ごす時には、このルールに倣ったほうがいいでしょう。

自分の体温が上がっていると感じたら、動く前に日陰を探して涼んでください。
目的地が近づいているからと言って、猛暑の中でラストスパートをかけようとしないでください。
焦らず、涼をとりましょう。

4. 無理をしすぎない
当然だと思うかもしれませんが、動けば動くほど体は熱くなり、動かなければ体は冷えます。
運動をしている時に燃やしているエネルギーの約80%は熱に変換されます。
屋外ですでに灼けるような暑さの中にいるのに、それ以上体を熱くする必要はありません。
日陰で休憩をして、無理をしすぎないでください。
トレーニング中のアスリートや兵士の死因のトップ3のうちの1つは、運動性の熱中症もしくは日射病です。

5. 水を飲み、電解質を補給する
水を飲みましょう!
人体は涼しい状態を保つようかなりきちんと機能しますが、その働きをするために必要な燃料を補給しなければなりません。 つまり、飲み過ぎではないかと思うくらい大量の水を飲むべきだということです。
また、できれば塩分も摂取して電解質を補いましょう。

アルコール、カフェイン、炭酸などは飲まないようにしてください。
この手の水分は、保水プロセスが遅いので、脱水症状になることがあります。
長旅や水分が限られているとわかっている場合は、当然ですが水を無駄にしたくないでしょう。
しかし、屋外にいる時は、必要だと思う量以上の十分な飲み水を持ち歩きましょう。

6. 小型の持ち歩き扇風機は使わない
よさそうだと思うかもしれませんが、FEMA(米連邦緊急事態管理局)は屋外で気温が35度以上の場合は、扇風機を使うのを推奨していません。
扇風機は風を送り、人体に間違った快適さを感じさせますが、実際に体温は下がらないと説明しています。
さらに、汗の蒸発が起こらないので、肌が乾燥します。
この間違った快適さと体が冷えないことによって、突然日射病になることもあります。

7. ミストボトルを持ち歩く
扇風機の代わりにミストボトルを持ち歩きましょう。
猛暑の中で快適になる方法としては一番のおすすめです。
ミストボトルで水を体に吹きかけると、細かい水滴がすぐに蒸発し、体を冷やしてくれます。
体温を少し下げてくれるだけでなく、気持ちよくもなります。

気をつけてほしいのは、霧吹きではなくミストボトルです。
ミストボトルは、肌により均一に水分を補給することができます。

屋外の気温が32度以上の場合は、用心して、十分に準備が整っている時だけ外出してください。
気温が37度を超えたら、できるだけ外出は控えましょう。
気温が40度以上の場合は、外出しないでください。

そんな危険を冒すほどの価値はありません。
熱中症から身を守って!

[ライフハッカー[日本版]]
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2019年08月14日

戦後74年で逆戻りか 真綿で絞められるような息苦しさ

戦後74年で逆戻りか 真綿で絞められるような息苦しさ
2019/08/13 日刊ゲンダイDIGITAL

〈白が黒と言われ、黒が白と言われ、上のものが下に置かれ、下のものが上に置かれはじめた時、その国は「乱れ」、民は幸福と安寧を失い、貧困と混沌を生きねばならなくなります。
そしてまさに今の日本は、国は「乱れ」、貧困と混沌を生きることを余儀なくされています

〈こうした「乱れ」を正していく、最も強い力を持っているのはもちろん「政府」です。
しかし、その政府自身が「乱れ」はじめては、もはやその国で、政治の力で民の幸福と安寧を取り戻すことなど、期待できなくなります〉

 内閣官房参与を昨年末退任した藤井聡京大大学院教授は〈壊れかけた日本〉と題し、こう書いていたが、今のこの国の姿はもはや「壊れかけ」どころか、「すでにあちこちが粉々にぶっ壊れている」といった表現の方が正しいのではないか。

2012年の第2次安倍政権発足以降、戦前の軍国主義時代を彷彿とさせるような「乱れ」が当たり前になりつつあるからだ。
 最近の出来事で真っ先に思い浮かぶのが、学校法人森友学園の国有地売却をめぐる財務省の文書改ざん・廃棄事件だろう。大阪地検特捜部の不起訴を受け、大阪第1検察審査会は佐川宣寿元財務省理財局長ら10人を「不起訴不当」と議決。
特捜部の再捜査が行われたものの、結局、結論は変わることなく終結してしまった。

■権力犯罪を許す特捜部は即刻、解体すべきだ
「再度の不起訴処分は極めて遺憾。非常に怒りを持っている」
 佐川元局長らを告発した阪口徳雄弁護士が会見で怒りをあらわにしたのも当然だ。

財務省はなぜ森友に国有地をタダ同然で売却する契約を結んだのか。
コトの経緯を記した決裁文書や報告書はなぜ改ざん、廃棄されたのか。
誰がいつ、どういう理由で改ざんや廃棄を指示したのか。
何一つ、明らかになっていないのだ。

 国有財産が毀損し、自殺者まで出るなど、戦後史に残る重大事件と言ってもいいのに、政治家も官僚も誰ひとりとして責任を取らない。
これが犯罪に問われないのであれば、この先も政府や役所はやりたい放題。
都合が悪いことが起きたら、関連文書をすぐに改ざん、廃棄し、後は組織を挙げて知らぬ存ぜぬを貫き通せば許されてしまうからだ。

佐川元局長らを告発していた上脇博之神戸学院大教授はこう言う。
「今回の結論に沿えば、公文書変造・同行使や、公用文書毀棄といった罪は成り立たなくなる。
森友問題を反省し、二度と起きないよう行政文書をきちんと残すべきというのではなく、むしろ積極的に隠す方向に向かいかねない。
とても民主主義国家とは言えません」

 その通りだ。
それなのに特捜部は「必要かつ十分な捜査をした」とオウムのように繰り返すだけ。
どんな追加捜査をしたのかもサッパリ分からない。
かつては「巨悪を眠らせない」と息巻いていた特捜部だが、今や権力犯罪の真相に迫るという本来の役割を放棄し、グウグウと高いびきをかいて眠る巨悪をやさしく見守る組織に成り下がった。

権力者の顔色をうかがい、言いなりで動く組織であれば、即刻、解体するべきだろう。

「アベ政治」の暴走を許せば行き着く先は戦争国家だ
 特高警察ソックリになってきた特捜部と同様、戦前の嫌な空気を感じさせるのが、開幕から3日で中止に追い込まれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の一件だ。
「ガソリン携行缶を持って美術館に行く」と脅迫文を送った愛知県内の男が威力業務妨害容疑で逮捕されたのは当然として、それ以上に深刻なのは、河村たかし名古屋市長が「日本人の心を踏みにじる」と言って展示中止を要求したり、菅官房長官らが芸術祭への補助金交付の見直しを示唆したりしたことだ。

 欧米では半ば常識となっている通り、現代芸術の作品は権力者を批判したり、賛否が分かれる社会問題をあえて取り上げたりするのが一般的だ。
それぞれの立場や異なる視点で物事を考えさせるのが目的の一つでもあるからで、政府や権力者の意向に沿った作品の展示しか認めないのであれば、公権力による権力の乱用、表現の自由の侵害は言うまでもないし、独裁国家のプロパガンダ芸術と変わらなくなる。

「表現の不自由展・その後」の中止にネトウヨは拍手喝采だが、「表現の不自由」が積み重なるほど、74年前の「いつか来た道」の時代に時計の針は逆戻り。
いつの間にかジワジワと社会全体が真綿で絞められるような息苦しさを覚えることになるのだ。

政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「安倍政権は、この6年半、特定秘密保護法や共謀罪を成立させ、集団的自衛権の行使も容認するなど戦争するための国づくり、つまり、戦前の軍国主義化の準備を着々と進めてきました。
表現の不自由展をめぐる今の異様な空気、排外主義とも言うべき主張は、一連の『アベ政治』の流れから生まれてきたものであり、今の日本の政治状況が極めて危うい状況になりつつある表れとも言えます

■対抗措置や非難の応酬で得られる成果はない
 泥沼化する日韓対立でナショナリズムをあおるような今の日本政府の強硬姿勢もまた、植民地戦争、支配を肯定させた大日本帝国の「大国主義イデオロギー」を思い起こさせる。
侵略戦争による植民地拡大、膨張政策が始まった当時の日本では、「文明国である日本」と「野蛮な国であるアジア」の戦いという図式が公教育とメディアを通じて広められたが、今回の日韓対立でも〈日韓基本条約で解決済みの徴用工問題を取り上げる野蛮な韓国を日本が「ホワイト国(優遇対象国)」から除外するのは当たり前〉といった論評が目立つ。

 安倍首相も「日韓請求権協定に違反する行為を韓国が一方的に行い、国交正常化の基盤となった国際条約を破っている」などと“隣国憎し”の発言を繰り返しているが、対抗措置や非難の応酬で何か得られるのか。
相手国に対して拳を振り上げるばかりでは問題が解決しないのは北朝鮮問題でも分かったはずだ。

安倍が「対話のための対話はしない」と言って「圧力一辺倒」の姿勢を取り続けた結果、米国や中国、ロシアなどが次々と金正恩朝鮮労働党委員長と首脳会談を行う中で、日本だけが蚊帳の外に置かれた。
今回だって日韓の対立が長引くほど、核やミサイル開発を進める北を利するだけということがなぜ、分からないのか。

 政府の「乱れ」を正すのは本来、メディアの役目だ。
「冷静になれ」と言うべき論陣を張ってもいいのに静観している。
それどころか、政権と一緒に日韓対立をあおっているかのような報道もあるから何をかいわんやだ。

元東大教授の桂敬一氏(ジャーナリズム論)はこう言う。
今のメディアは問題の深掘りも検証もしない。
やれ新元号『令和』だ、やれ進次郎が結婚した、と話題に飛びついて大騒ぎしてオシマイ。
内政、外交でさまざまな問題が表面化してきた長期政権の安倍政治に対しても、大所高所から論点を整理して報じるべきなのに何もしない。
全くどうかしています。
メディアが権力の監視をやめて萎縮し、礼賛報道の大本営発表となれば、権力の私物化は際限なくなるでしょう」

 このまま「アベ政治」による「乱れ」を傍観していたら、間違いなく行き着く先は戦争国家だ。
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2019年08月15日

専守防衛とは「本土決戦」、敗戦記念日に思うこと


戦後74年たっても、政府の「国民保護」の姿勢がないのは「軍事音痴」のためだと思います。
陸上自衛隊が「主戦場」として想定するのは、日本国内です。
今の国民保護政策、インフラの整備は 国民の生命財産を守る発想が抜け落ちています。

専守防衛を貫徹する基盤は、戦場と想定される地域からの住民避難が不可欠です。
陸上自衛隊が戦闘する場所は 演習地ではないからです。
多くは市街地です。
国民を人質に取られた中で 侵略軍・ゲリラに反撃できるのか・・・。

安倍首相は憲法9条に「自衛隊を明記」すれば 国防態勢が整うという詭弁を弄しています。
軍隊を国内において運用する場合、今の国内政策では無理が生じます。
多くの課題を「見ないふり」をしているのです。

<国民>
・侵略に対して 闘うのか 無抵抗で受け入れるのか。
・避難するとすれば どこに

<自衛隊>
・部隊移動が迅速に行われる道路・空港・港が整備されているか。
・火器を国民が盾にとられた上で使用できるのか。
・犠牲の許容範囲は。
・自衛隊の抗戦はどこまで可能で 終結の判断はいつ誰がするか。

細かく疑問点をあげれば 多くの不備が浮き上がるでしょう。

74年前の竹やり「一億玉砕、本土決戦思想」の無謀さと五十歩百歩の現状でしょう。

スイスなどの武装中立を国是とする国は、国民の保護政策の確立を国防の柱としています。
軍隊が侵略者と闘う上で 国民・自然・政治体制など 守る対象を明確にしないと戦いの戦術も戦略も成り立ちません。

自衛隊創隊時から政治家が「国防」の概念を曖昧にしたまま、武装のみを強化してきた歪さを 冷静に見るべき時期だと思います。

軍隊での「専守防衛」は 成立するのか。
大陸と陸続きなら 今の自衛隊の装備でも対処しうるでしょう。
でも日本は 島国です。

自民党・公明党の連立与党や 自衛隊容認論者は、自衛隊に過大な「国民保護」を押し付け 真剣に武装自衛が可能かという命題から逃避しているとしか思えない。

太平洋戦争を「戦闘局面」のみで語る愚かさから脱却して、太平洋戦争の教訓を現在に生かす努力は必要だと思います。
戦死された方々や犠牲になった民間人、日本の侵攻によって犠牲になった方々のためにも 真の平和を作る義務があると信じます。
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2019年08月16日

戦争による膨大な死の記憶とどう向き合ったらいいか、8月15日に考える

戦争による膨大な死の記憶とどう向き合ったらいいか、8月15日に考える
2019年08月15日 ニューズウィーク日本版

<日本国内では戦争の犠牲をめぐる対立があるが、それが極端に強まれば将来の不安要素になりかねない>

8月15日には、どうしても重苦しい思いがしてしまいます。
何よりも、膨大な死の記憶が蘇る日だからです。
この8月15日をもって「終戦記念日」とするのは、実は世界的に見ると一般的ではありません。
国際社会としては9月2日に東京湾内船上で終戦協定に署名がされた日が法的な終戦であり、「VJ(日本への勝利)デー」とされます。

ですが、日本ではどうしても8月15日という日付が重いのですが、そこには二重の理由があると思います。

一つには、この日をもって日本の陸海軍は戦闘を停止したと同時に、連合国も日本への攻撃を停止した、つまり大規模な殺戮が物理的に停止した、というのは当時を生きた人々には大変な重みがあったからです。
なぜならば、この時点で日本の大都市のほとんどは空襲で破壊し尽くされ、加えて広島と長崎への核攻撃があり、日本列島が戦場と化していました。
その状況下でも、軍部は本土決戦を叫び、またソ連も参戦して北海道の半分を奪う構えだったわけです。
そんな戦場の中に生きていた当時の日本人には、法的な終戦よりも物理的な戦闘の停止という事実の方が切羽詰った問題だったと理解ができます。

もう一つは偶然にも8月15日「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の日が敗戦の日となった、このことが動かしがたい事実となったということです。
昔から死者へと思いを寄せる日に、戦争の膨大な死者への思いが重なっていくことになったのです。

確かにドイツは5月7日に降伏していますし、それ以前に日本は西太平洋の制海権も、本土の制空権も喪失していましたから、それ以降の死というのは戦死というよりも政治的な犠牲であるとも考えられます。
ですが、歴史が語るように対連合国の終戦工作が難航したのと同時に、日本国内におけるポツダム宣言受諾のプロセスも、困難を極めたのは事実です。
そのような中で、最終的には「8月15日」つまり「旧盆」がその日と決められた、その決定はすでに膨大な死を抱えた歴史を生きることへのスタートであったのだと思います。

その8月15日について、考えてみたいことがあります。
それはその追悼のあり方において、対立を緩和できないかという点です。

例えば靖国の問題がそうです。
民間人を含む戦没者遺族の感情の中には、「靖国に象徴される戦前の日本の体制が起こした戦争で自分の先祖や親族は殺された」という直感的な感情を抱いている人がいます。
その一方で、「亡くなった先祖や親族の魂は靖国に存在する」と考える人もいます。
ここには明らかに対立があります。

この対立は、多くの場合に次のような対立を含んでいます。
「靖国が象徴する体制に殺された」という考え方の延長には「戦没者は戦争の被害者だった」という認識を伴っています。
一方で、「戦没者の魂が靖国にいる」という考え方は「戦没者が国を守った」という理解を伴うことが多いようです。

この種の対立は、日本だけに存在するのではありません。
敗戦に終わった戦争の場合は、一般的にこうした対立が起きがちです。
例えば、ベトナム戦争の評価に関するアメリカ国内の対立がいい例です。
ただし、日本の場合は対立が極端になっているのが心配です。

戦争の被害を強調する人は、無意識のうちに平和国家である日本は戦争を放棄していない世界の主要国より倫理的に優越していると考えています。
テロや海賊の抑止、核拡散の抑止のために、有志連合や国連の努力が行われているわけですが、そのような活動に対して極端に冷淡な態度は国際的孤立を招きかねません。

一方で、日本における戦没者の英雄視は、場合によっては、枢軸国日本の戦争政策を肯定しているという印象を与え、「国際連合=連合国」を中心とした国際秩序に敵対しているという誤解を生む危険があります。
こちらも、国際的孤立の原因となる危険性を秘めています。

そう考えると、両者の対立がより極端になっていくようでは、将来が心配です。
安倍首相の場合は、2013年12月の自身による靖国参拝が、国内対立を激化させつつ、国際的な孤立を招く危険性を生じたわけですが、その後の安倍政権は、靖国参拝を自制しつつ、オバマ前米大統領との広島と真珠湾における相互献花・共同追悼の外交を成功させました。

この点で気になるのは、ポスト安倍の政権がこの問題にどう取り組むのかという点です。
日本の孤立化を狙う諸外国の勢力が、より活発化している時代でもあり、深い洞察と果敢な行動力が求められます。
何よりも国内の対立を沈静化しつつ、米国との共同献花外交は、長崎はもちろん、沖縄や硫黄島などの激戦地でも順に実現できれば良いと思います。

また、いきなり中国や韓国は無理でも、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどとの首脳同士による共同献花外交を進めることも考えられます。
政治色を薄めつつ新時代の皇室外交のテーマにすることも検討してはどうでしょうか。
戦争による膨大な死の記憶とどう向き合ったらいいのか、8月15日を契機として、またポスト安倍の時代を見据えながら考えなければならないと思います。
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2019年08月17日

北飛翔体、煮え切らない政府に自民から不満

北飛翔体、煮え切らない政府に自民から不満
2019年8月16日 産経新聞

 3週間余りで6回を数えた北朝鮮による飛翔(ひしょう)体の発射はミサイル技術の進展に直結し、日本の安全保障上の脅威が増すことを意味する。
 短距離弾道ミサイルであれば国連安全保障理事会決議違反は明白だが、政府は16日も北朝鮮を非難せず。
自民党内では、政府の煮え切らない態度に不満が高まっている。

 「わが国の安全保障に影響を与えるようなものではないことは確認されている。
引き続き十分な警戒態勢の下、米国などとも連携しながら国民の安全を守るため万全を期していく」
 安倍晋三首相は16日午前、首相官邸に到着すると北朝鮮の飛翔体発射について記者団にこう述べた。

 岩屋毅防衛相は防衛省で記者団に「北朝鮮がミサイル関連技術の高度化を図っているのは、わが国や国際社会にとって極めて深刻な課題だ」と懸念を示した。
 しかし、岩屋氏が防衛省に姿を見せたのは飛翔体発射から約2時間半が経過した午前10時半ごろ。
首相官邸での台風10号対策の関係閣僚会議に出席した事情もあるが、情報収集や分析を進める防衛省の幹部会議は岩屋氏の登庁まで開かれなかった。
首相も午後には静養先の山梨県鳴沢村の別荘に移動した。

 一方、自民党は16日午前に党本部で北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部(本部長・二階俊博幹事長)の会合を開いた。

二階氏は「政府や米国は表面上は静観の体(てい)だが、(北朝鮮が)着々と(ミサイルの)性能実験を進め、完成度を高めていると判断せざるを得ない。
このことは看過できない」と述べ、緊張感のない政府の対応を疑問視した。

 政府が北朝鮮批判を抑えているのは、日本人拉致問題の早期解決に向け、首相が金正恩朝鮮労働党委員長との対話を模索していることや、拉致問題解決に全面的な協力姿勢を示すトランプ米大統領が金氏との対話継続を重視していることへの配慮からだ。
 ただ、会合では「トランプ氏に気を使う部分もあるかもしれないが、政府として毅然(きぜん)とした態度を取るべきだ」との意見が相次ぎ、「政府が発射を容認していると国民に見られてしまう」との声も出たという。

 ある幹部は、「発射されるたびに日本側は会議を開くだけでいいのか、と言ってやる」と政府を突き上げる考えを示した。  対米関係、国連安保理決議、自民党、世論−。
政府は、さまざまな要素のはざまで対応に苦慮しているのが実情だ。
                      (原川貴郎、石鍋圭)
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2019年08月18日

「森友問題」捜査終結、「最強の捜査機関」特捜部は今や影も形もなし

「森友問題」捜査終結、「最強の捜査機関」特捜部は今や影も形もなし
2019/08/17 ダイヤモンドオンライン(戸田一法 )

学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、有印公文書変造・同行使などの疑いで大阪第1検察審査会が「不起訴不当」と議決した佐川宣寿元理財局長(61)ら10人を再捜査していた大阪地検特捜部は結局、再び不起訴処分とした。

3月の議決は文書改ざんを「言語道断」と指弾し、背任容疑についても法廷で事実関係を解明するよう求めていた。
問題の発覚から約2年半。大阪特捜は不起訴の理由を「立証・立件は困難」と説明するが、今回、国民が求めていたのは「有罪・無罪」という判決の結果ではなく、何があったのか「真実」を知りたいということだった。
しかし、大阪特捜は組織の論理を優先し、国民の負託に応えることなく捜査を終結した。
           (事件ジャーナリスト 戸田一法)
国民をけむに巻く大阪特捜
 本稿では政局についての背景は一切排除し、あくまで大阪特捜と今回の問題(事件にならなかったので「問題」と表記)について絞って考察していきたい。
 一般的に刑事裁判(公判)での有罪率が99.9%といわれるのは、検察が確実に有罪にできると判断した事件でなければ起訴しない(不起訴、もしくは起訴猶予)という背景があるのは周知の事実だ。

 背任罪は「他人のために事務を処理する者が自己もしくは第三者の利益をはかり、または本人に損害を加える目的で任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を与える」行為を指すが、背任容疑の対象となった近畿財務局の元統括国有財産管理官ら4人に「国に損害を与える」目的を持っていたかの立証が極めて困難だったことは理解できる。

 一方、文書改ざんは既成事実化しているにもかかわらず、佐川氏ら理財局幹部6人についても有印公文書変造・同行使の罪だけで起訴することをためらったのは、一般的に形式犯であり、公判請求(起訴)するような事件でないという理由が考えられる。
 立件しても、略式起訴・略式命令(罰金刑)で済まされる可能性が高い。
公判にならず、5000万円もの退職金をもらった佐川氏らが罰金数十万円の幕引きで、世論が納得するかどうか…。

 大阪特捜は、1992年に発覚した自民党元副総裁の故・金丸信氏を巡る5億円のヤミ献金事件(東京佐川急便事件)を想起したのかもしれない。
 東京地検特捜部は事情聴取のため出頭を求めたが、金丸氏は拒否し、政治資金規正法違反について認める上申書を提出。
東京地検特捜部は結局、聴取も逮捕もせずに略式起訴し、金丸氏は罰金20万円の略式命令を受けた。
 5億円もの“賄賂”疑惑に対する捜査の行方が注目されたのに、罰金20万円という決着に国民からは猛烈な批判が湧き起こり、「検察庁」の表札に黄色のペンキがぶちまけられる事件も起きた。

 大阪特捜は昨年5月、刑事告発された38人をいずれも不起訴としたが、検審は10人を不起訴不当と議決した。
しかし、強制起訴につながる「起訴相当」の議決とは違い、再捜査で不起訴となった場合、検審は再度の審査はできない。  だから9日の大阪特捜の決定は、ある意味で予想通りだったとはいえる。

「立証・立件が困難」という伝家の宝刀を繰り出し、再度の不起訴を決定。
法的な知識のない国民をけむに巻くという決着は、多少の法律的な知識のある方なら分かりきった結末だったかもしれない。  そう、冒頭にも書いた通り、大阪特捜は国民が知りたいと求めた真実より、自らのメンツと慣例を守るために今回の判断をしたと言っても過言ではないのだ。

国民の負託に応えない検察
 大阪特捜が集めた資料、関係者から聴取した供述、認定した事実、認定できなかった事実…。
有罪・無罪を問わず、積み重ねた証拠を公判で示し、何が事実で、何が事実ではないのか、裁判官の審理を仰ぐという判断はできたはずだ。
 国民の税金である捜査費を使い、国民が「知りたい」と求めた事実(捜査内容)を、メンツと慣例のために一切を公開することなく、闇に葬ってしまったのだ。
 これは「国民の負託に応える」どころか、背信行為であろう。

では、大阪特捜とは誰のために存在する組織なのか。
言うまでもない、自分たちが出世するための組織であり、国民のことなど考えていないのだ。
 その最たるものが「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」であり、読者の方々もご記憶と思う。
自らの出世のため、無実の方を犯罪人に仕立てようとした事件だ。
 少なからず検察官と付き合いのあった筆者には、背筋の凍るような思いをした事件だった。

「秋霜烈日」(秋霜は秋の冷たい霜。烈日は夏の激しい日差し。そんな環境でも、国民のために頑張るという検察官のシンボルとされ、バッジに型取られる)はどこに行った、と嘆いた。
 筆者の後輩である全国紙社会部デスクによると、大阪特捜の小橋常和部長は「起訴に足りる証拠を収集できなかった」と説明したという。
 これは、詭弁(きべん)である。
はなから収集しようとしていたのかさえも疑わしいが「確実に有罪にできる証拠を収集できなかった」が事実であろう。

 ここで、問題は一体どこにあったのか、簡単におさらいしておこう。
 2017年2月、森友学園が取得した大阪府豊中市の国有地が、約8億円値引きされていたことが発覚。
そして、学園が建設を計画していた小学校の名誉校長に、安倍晋三首相の妻・昭恵夫人が就任していたことも明らかになった。
 これまで提出されていた告発状によると、2017年2月〜4月、佐川氏らは権限がないにもかかわらず、14件の決裁文書で明恵夫人の名前や「特例的な内容」などとする記述をすべて削除。
「夫人の関与が明らかになれば安倍首相の辞任に発展しかねないと考え、事実を隠蔽しようとした」とされる。

 検審の議決も佐川氏に関し「『指示していない』との本人供述に信用性はない」と一蹴。
さらに「文書を改ざんする行為は一般市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されない」と厳しく指摘した。
 問題が発覚してから約2年半。政権支持の方であったとしても、一連の事実が明るみに出るにつれて「忖度(そんたく)があったのでは?」と疑問を持たれたのではないだろうか。

特捜にもはや存在意義なし
 一連の問題を提起したのは1人の市議だった。
 問題の現場となった国有地は、豊中市が国から借り受け、公園として整備する計画だったが、買い取りを求められて断念していた。
 その後、同市の木村真市議が現地を視察。
「瑞穂の國記念小學院」と旧字体で記された幕、教育勅語を掲載したポスターを目にした。
 何か不審な雰囲気を感じ取った木村市議は、近畿財務局に貸付金額を問い合わせたが「言えない」に終始。
その後、売却されたと知り、価格を情報公開請求したが、内容は黒く塗りつぶされていた。

 17年2月には約8億円の値引きが発覚、問題は国会で取り上げられるように。
次々に明るみに出る近畿財務局の対応。
そのさなか、文書改ざんが行われたとされる。

 今回の不起訴処分を受け、詐欺罪などで起訴された森友学園元理事長・籠池泰典被告(66)は記者団に「役人はおとがめなしで、私たち夫婦は口封じで約300日も拘留された。
官に甘く民に厳しい国のやり方が露骨に出た」とコメントしていた。
 捜査の結果として「詐欺師」と認定(起訴)した人物から好き放題に言われ続け、さらに官側を不起訴としたのであれば、世間から「やはり、身内である官僚をかばったのではないか」と疑われても仕方あるまい。

 検察官は元々、転勤が多く、地方では仕事も公判維持や書類の決裁が中心だ。
捜査といっても、実態は警察から送られてきた資料(証拠)に法的な瑕疵(かし)がないか確認するぐらいだ。
 特捜の捜査手法も、警察官のように現場に足を運んで聞き込みをしたりする地道なものではなく、空調の効いた部屋で「ブツ読み」(資料の解読)や関係者を聴取するというのが主なものだ。
 プライドは高いが、永田町や霞が関の人間関係など裏の裏まで知る情報収集・捜査能力は、限られた検察官しか持ち合わせていない。

 付き合いのあった複数の検察官が自ら、そう話していた。
 ある検察幹部は「昔の警察官は地元の中堅どころの高校出身が多かったが、近年は地元国立大出身もノンキャリアでたくさん採用されている。
地元のネットワークと捜査能力があるのだから、(地方では)我々は指揮する側ではなく、教えを乞う側だ」と話していた。  

昨今、特捜は「巨悪」を挙げていない。
「最強の捜査機関」と恐れられた特捜は、今や影も形もない。
能力もない。
国民の負託にも応えていない。
「特捜なぞ、もはや存在意義はない」と批判されても、反論できないのではないだろうか…。
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2019年08月19日

五輪批判がどんどんタブーに

酷暑の東京五輪に選手たちからもブーイング続出!
新聞・テレビは五輪利権でPR一色、
五輪批判がどんどんタブーに
2019.08.14 LITERA  

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催まで1年を切ったが、本当にこのまま大会を開いてしまって大丈夫なのか? という懸念が各所で噴出している。
 いちばんは「酷暑」の問題だ。

東京オリンピックは来年の7月24日に始まるが、その時期に開かれるのであれば当然なされているべき暑さ対策がまるでできていないのだ。
 その懸念は当のアスリートからも出ている。

先日、世界記録保持者で東京オリンピックでの活躍が期待されている競歩の鈴木雄介選手がオリンピック本番でのコース変更を求めたと報じられた。
「サンスポ」(8月8日付)によれば、鈴木選手は7月末の早朝に本番で予定されているコースを試走。
「日陰がない。
脱水になる可能性も大いにある。
可能なら再考してほしい」
「選手はもちろん、観客にも酷なこと」と語ったという。

 連日の酷暑で熱中症は「人命」に関わる緊急性の高い問題となっている。
今年7月29日から8月4日までの1週間に熱中症で救急搬送された人は1万8347人にもおよび、このうちの57人が死亡した(総務省発表)。
 先週末には、国内最大規模の同人誌即売会・コミックマーケット(東京ビッグサイトにて開催)において、熱中症が原因と思われる体調不良を訴える人が続出し、救急搬送された人まで出たのは大きな話題となった。
コミケが開かれた東京ビッグサイトは東京オリンピック時に国際放送センターとメインプレスセンターが置かれる予定だが、8月8日にはその建設現場で男性作業員が倒れ、病院に搬送後に死亡が確認された事故も起きた。
報道では熱中症が原因で倒れた可能性もあると報じられている。

 こうした熱中症の影響はスポーツイベントにもおよんでいる。
7月26日に東京・品川区の潮風公園で行われたビーチバレーのワールドツアー東京大会では、女子日本代表の溝江明香選手が熱中症になり、試合を一時中断する一幕があった。
ネットニュース「Sponichi Annex」(7月26日付)によれば、溝江選手は「かなり過酷な環境で、世界で1番暑いと思う」とコメントし、この季節の東京でのプレーの過酷さを語ったという。

 この酷暑のなかオリンピックを開催するということは、激しい運動をするアスリートはもちろん、大会を運営するスタッフやボランティア、観戦するオーディエンス、会場にいるすべての人が熱中症のリスクを負うことを意味する。
 単なる「暑さの問題」と楽観視することは許されない。
「人命」に関わる極めて深刻な事態である。
 しかし、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会や東京都がその問題の大きさを認識しているかには疑問符をつけざるを得ない。
 大会組織委員会や東京都も「暑さ対策」と称した施策を色々と行っているのだが、そのどれもが大きな効果を得られているとは言いがたいからだ。

 そのひとつが「打ち水」。
道や庭先に水を撒いて涼を得る、昔ながらのやり方だ。
昨年7月には小池百合子東京都知事が東京ミッドタウン日比谷で行われた打ち水イベントに参加し、「江戸時代の知恵、江戸のおもてなしだ」などと語っていたが、この程度で抜本的な解決になるわけもなく、そもそも、アスファルト舗装された道の上に水を撒くのは逆効果との専門家の指摘もある。
 その無策ぶりは1年経っても変わっていない。
今年5月には、セキュリティー検査による入場列を仕切るためにアサガオの花が飾られる予定だと報じられた。
組織委員会の担当者はその狙いについて「涼しげになってリラックスしてもらう」とコメントしている。

東京五輪招致委員会は「温暖で理想的な気候」と大嘘をプレゼンしていた
 アサガオはともかく、暑さ対策の切り札として東京都が進めている施策にも「逆効果」との指摘が出ている。
 東京都は暑さ対策として、蓄熱を防ぐために赤外線を反射する遮熱剤を道路に塗布する「遮熱性舗装」を進めている。
これによって温度上昇を10度ほど防ぐことができると喧伝されているが、「日刊ゲンダイDIGITAL」(8月11日付)の取材に応えている東京農業大学の樫村修生教授によれば、遮熱性舗装によって路面の温度は確かに下がるが、反射した熱の影響により、人が立つ高さでは逆に気温が上昇する調査結果が出たというのだ。
 ようするに、自然に抗う「酷暑対策」などというものは、人間の力では根本的に無理なのである。
 そんなことはとっくの昔にわかっていたことだ。

 そもそも1964年に行われた前回の東京オリンピックは10月10日から24日という日程で行われている。
このときも夏開催か秋開催かの2つの案があったが、夏の開催は厳しいとの判断で前述のスケジュールとなった過去がある。  

しかし、今回の東京オリンピックでは、50年以上前に「不可能」とされた日程での開催となっている。
 この日程となっているのは海外から強制されたわけではない。
日本側が自発的にこの時期での開催を提案したものだ。

 日本は招致の段階でこんな嘘をついている。
東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会が発表した「立候補ファイル」のなかに記載のある「2020年東京大会の理想的な日程」の項目には〈この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である〉と書かれているのだ。
 この文書にある〈温暖〉〈アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である〉が嘘なのは誰の目にも明らかだ。
 しかし、競合都市に負けないため、日本の招致委員会は嘘をついた。

国際オリンピック委員会(IOC)には、テレビ放映権料として莫大なお金を払っているアメリカの意向が強く影響しているが、彼らはコンテンツが少なくなる真夏の時期にオリンピックの放送を入れたがっている。
そのことは招致委員会も熟知しており、招致を有利にするために前述のような嘘っぱちの資料をつくったのである。

水泳会場のテスト大会では「トイレのように臭い」と選手が悲鳴!
 その結果として起きているのが、現在のような体たらくである。
 組織委員会の運営のお粗末さは、酷暑以外にも次々と指摘されている。
現在、競技運営をチェックするためのテストイベントが各競技で行われているのだが、そこで深刻な問題が次々と明るみになっているのだ。
 まずは、水泳だ。
8月11日にお台場海浜公園で水泳(オープン・ウォーター・スイミング)のテスト大会が行われたのだが、そこで複数の選手から「トイレのような臭いがする」との指摘が出たという。
コース周辺の水域を水中スクリーンで囲っていたが、汚れた水の問題は解決できていなかった。

 他にもある。
前述したビーチバレーのワールドツアー東京大会も東京オリンピックのテストイベントとして位置づけられているのだが、検証の結果、「暑くなりにくい」と組織委員会が結論づけていたビーチの砂に対し、選手から「熱い。特にサーブゾーンは、掘らないと踏めないくらい」(前掲「Sponichi Annex」)と指摘が入ったのだ。
問題なのは砂だけではなく、「選手テントしか日陰がない」という声も出ており、改善点は山積している。

 テストイベントはまだまだたくさん残っている。
今後も問題点は次々と出てくるだろう。
 そして問題なのは、こういったオリンピックに関する諸問題が大手メディア、特に、テレビでほとんど触れられないことだ。
 オリンピックの問題で最も重要な「酷暑」の話題には、特に話がおよばない。
ご存知の通り、ニュース、情報番組、ワイドショーでは毎日のように熱中症の話題を取り上げ、水分補給などの対策を視聴者に呼びかけているが、その話とオリンピックを結びつけるような取り扱いをする番組は皆無。
なぜか。
それは、メディアが軒並み東京オリンピックのスポンサーに入っており、五輪利権共同体の一員だからだ。

五輪ビジネスに組み込まれた新聞・テレビでは五輪批判がタブー化  
とくに大手新聞社は軒並みスポンサーに名を連ねている。
東京2020オリンピックオフィシャルパートナーには、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞の名があり、
東京2020オリンピックオフィシャルサポーターには、産経新聞、北海道新聞も入っている。

 さらにテレビ局にいたっては、高額をつぎ込んで放映権を獲得しており、五輪ビジネスと完全に一体化。
問題点を追及するどころか、報道番組ですらチケット販売の告知などPR放送をする始末だ。
まともなオリンピック批判などほとんど放送されていない。
 こうして大手メディアによる検証や追及がなされなかった結果、オリンピックまではすでに1年を切っているのにも関わらず、なんら根本的な対策がなされないまま放置されている。

 酷暑問題だけではない。五輪の影響で妨げられる被災地復興、膨れ上がる費用、誘致に関わる汚職疑惑、会場建設における過重労働、ボランティアという名の無償ブラック労働……。
この間、発覚した東京五輪をめぐる数々の問題は、まったく解決していないままである。

 しかし、これだけの問題だらけの東京五輪を大手メディアはまともな批判・検証をしないまま五輪礼賛報道を繰り広げ、
国民の間に「五輪を批判してはいけない」「日本国民なら五輪に協力して当然」「五輪に文句を言うのは非国民」という空気が浸透。
開催が近づくにつれ、「ここまで来たらもう文句を言っても仕方ない」とこの同調圧力はますます強くなっている。

 東京オリンピック・パラリンピックの開会式および閉会式のプランニングチームの一員である椎名林檎が以前「国民全員が組織委員会」なる全体主義丸出しの発言をしたことがあったが、ここのところの五輪の問題点をないことにして突き進む様子を見ていると、まさに戦中の「一億総火の玉」を彷彿とさせられる。

 この酷暑のなかオリンピック開催を強行することはどう考えても問題がある。
もはや対策はない。
酷暑下でのオリンピック開催強行による被害を被るのは、日本に住む人々だけでなく、海外からやってきたアスリートや観客も同様だ。
むしろ、海外から来た人たちは、高温多湿な厳しい東京の暑さに免疫がない分、熱中症対策に関する知識や経験にも乏しく、危険性は高い。

 何よりこんな当たり前の批判すらできない国で、オリンピックなどやるべきではない。
今からでも遅くはない、返上するべきだ。
                                 (編集部)       
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2019年08月20日

日本人の6割が感じる「生きづらさ」向き合うための3つのコツ

日本人の6割が感じる「生きづらさ」向き合うための3つのコツ
2019年08月19日 SPA!

―[[生きづらい病]の正体]―

 仕事や家庭などさまざまな場面で感じる「生きづらさ」が日本人に蔓延している。
30〜55歳までの男女2000人を対象にしたアンケート調査でも64.5%の人が生きづらいと感じている現代社会。
もはや国民病とも言える、その病理に迫る!

◆「生きづらさ」とどう向き合うべきか?

「生きづらい病」を抱えた人は、どう折り合いをつけるべきか?
「まずは生きづらい理由を整理し、理解すること。
そのうえで自身が悩まされている気質や障害、疾患について詳しく知ることです。
そこから特性を生かせる働き方や生き方を模索できたり、治療するための対策を考えていけたりと第一歩を踏み出すことができます」(HSP専門カウンセラー・みさきじゅり氏)

※HSPとは?…
「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略。
感覚から得た情報を処理する神経が敏感で、刺激や他人の感情に過敏に反応してしまう特性を持つ
 HSP当事者である川村博行さん(仮名・40歳)も、カウンセリングを受けながら自身のHSPの特性と折り合いをつけている最中だ。
「社会人時代はいっぱいいっぱいで気づきませんでしたが、今は相手の感情や細かい表情の変化に気づけるHSPの特性は1対1のビジネスに役立つスキルだと感じています。

特性がデメリットだけじゃないと思えるようになって心が軽くなりました」
 HSPに限らず「他者との比較をやめ、環境やペース、適性など自分にとって働きやすい環境を自分で選んだという仕事に対する肯定感が重要」(みさき氏)だという。

 また、多くの日本人が生きづらさの理由として直面する“対人関係でのつまずき”。
精神科医の西脇俊二氏は、「専門医にかかるまでもなく、対人関係を良化させるコツは3つしかない」と断言する。

「1つ目は『他人に期待しないこと』。
対人関係でつまずく理由の多くは、他人が思ったとおりに行動してくれなかったり評価してくれないことがストレスになり生まれるもの。
自分自身は変えられても他人の感情や思考を変えることはできません。
他人にはとことん期待せずにいたほうが、心穏やかに生きられます。

 そして2つ目は『自分にも期待しないこと』。
自分には“できること”と“できないこと”があることを理解し、『うまくいかないことがあっても当然』と考えて落ち込まないようにする。
もちろんすべてを諦めるのではなく、“できること”のスキルを伸ばす努力は不可欠です」
 他人にも自分にも期待をするからこそ、うまくいかなくなったときに生きづらさを感じてしまう。

◆意識的に他者の承認欲求を満たすことを考える
 これら2つを踏まえたうえでもっとも重要なのが3つ目だ。
最後は『他人の承認欲求を満たしてあげること』。
承認欲求は誰しもが持ち、飢えているものですが、それを意識的に『他人に与えよう』と考えている人は非常に少ない。
これが生きづらさが蔓延するひとつの理由とも言えます。
自分の承認欲求を満たすことばかり考えるのではなく、意識的に他者を褒めたり認めることで周囲の人の承認欲求を満たすことを考える。
そうすることでおのずと人から求められるようになり、自分の承認欲求も満たされることに繋がります」(西脇氏)

 言わばこの3点は対人関係の核だが、こうした意識改革はすぐに実践できるものではない。
「まずは2週間から1か月。
メモに書いて貼ったり、スマホの待ち受け画面に書き込むなど、ことあるごとに思い出し心がければ、徐々に思考法が身につきストレスが軽減する」(同)という。

 つかみどころのない“生きづらさ”に悩まされ続けるのではなく、その理由を知ったうえで対策を実践することが、一番の近道なのかもしれない。

◆タイプ別「生きづらさ」の対処法
=====
<HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)>
HSPの特性をみずからの個性として受け入れることが折り合いをつけるための第一歩。
外出時はイヤホンで雑音を遮断する、会社から近いエリアに住み電車通勤の負担を減らす、「コピー機の横だと気が散るので」と上司に伝えて社内での席を配慮してもらうなど、積極的に個人で対策を取ることも忘れずに

<発達障害>
近年はソーシャルスキルトレーニング(SST)と呼ばれる発達障害者の社会的自立、生活の不自由をなくすための療育プログラムも充実。
ADHDなら投薬治療で症状を抑えることも可能。
グレーゾーンであれ、希望すればこうした治療を受けられる。
当事者会に参加し悩みを共有するのもひとつの手段だ

<複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)>
個人で無理に過去のトラウマと向き合おうとするのは精神的負担が大きいためオススメできない。
医師の診断、カウンセリングを受けながら指示を仰ぐのがベター。
抗うつ剤による投薬治療という選択肢もあるが、対症療法にすぎず根本となるトラウマを解消するものではないので坂本医師は推奨していない
=====

◆「生きづらい病」の人たちとの接し方

 では、生きづらさを抱える人に周囲はどう接するべきか?
「何事も深く考え込む特性をもつHSPですが、『考えすぎだ』『気にしすぎだ』といったワードは当事者の個性を否定することになるのでNG。
HSPは感情や神経が乱高下しやすい面がありますが、そういうときには非難するのではなく『大丈夫だよ』と安心させる声をかけてほしいです」(前出・みさき氏)

 ミスへの対策を、ともに話し合うのもひとつの手段だ。
「ケアレスミスが多いなら『次はこうしてみたらどうだろう?』などとアイデアを一緒に出していくようにしましょう。
高圧的に指導して治そうとしたり、自分たちの仕事のやり方を無理強いしたりはしないほうがよいと思います」(前出・西脇氏)

 周囲が理解を示す姿勢を見せてこそ、「生きづらさ」は解消されるものなのだ。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
―[[生きづらい病]の正体]―
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2019年08月21日

"消費税10%"でハリボテ景気は完全崩壊する

"消費税10%"でハリボテ景気は完全崩壊する
2019年08月20日 PRESIDENT Online
(経営コンサルタント 小宮 一慶)

10月1日に消費税が現行の8%から10%へと引き上げられる。
経営コンサルタントの小宮一慶氏は「2014年の5%から8%への増税時は、家計消費の落ち込みを訪日客のインバウンド消費や企業の業績拡大が軽減してくれた。
しかし今回は救い主は見当たらない。日本経済は厳しくなる」という――。

■景気は表面上の数字では「良い」ことになっているが
4〜6月のGDPが発表され、インフレを調整した後の実質値で年率1.8%の成長となりました。
1〜3月も2.2%の成長でしたから、表面的には景気は拡大していると言えます。
それほど多くの方には実感はないかもしれませんが、戦後最長の景気拡大だと考えられています。

しかし、私の会社が経営コンサルティングをしている顧客の企業には、「いざというときのために、お金を少し多めに借りておいたほうがいい」とアドバイスしています。
景気の足腰はそれほど強くなく、今後の落ち込みが懸念されるからです。

もう少し詳しく経済の数字を見てみると、その足腰はかなり弱いことがわかります。
景気を現場で敏感にとらえている人の景況感を表すのが、内閣府の「景気ウォッチャー調査」です。
別名「街角景気」とも呼ばれています。

小売店の店頭で販売をしている人、ホテルのフロントマン、タクシードライバー、中小企業の経営者たちなどを対象に、毎月、各地域で調査を行っているものです。
この指標は「50」が良いか悪いかの境目ですが、昨年初あたりから「50」をずっと切っており、最近は特にその落ち込みが大きくなっています。

■5%→8%の消費税増税では、家計消費が大きく落ち込んだ
前回2014年、5%から8%へ消費税を増税した時にはその影響で人々はぱたりとモノを消費しなくなりました。
GDPの半分強を支えるのが、「家計の支出」。
これがガクンと大きく落ち込んだのです。
それも4年連続です。

表は、その家計の支出を端的に表す「消費支出2人以上世帯」の前年比の数字ですが、消費税を3%増税した2014年度が、−5.1%(実質値)、その後の3年間もマイナスが続いているのがわかります。
この事態を見て、政府は8%から10%へ増税するのをこれまでに2度も延期せざるを得なくなり、最終的に、今年の10月1日に実行すると腹を決めたわけです。
政府は、前回の増税時の大きな落ち込みなどを踏まえ、キャッシュレス決済による「ポイント還元」や「プレミアム付き商品券」といった施策で消費を喚起しようとしていますが、その効果は未知数です。

■インバウンド消費と企業業績の拡大があったから助かった
前回の増税時には、「救い」がありました。
ひとつは、インバウンド消費です。
表の「消費支出」の右側に「小売業販売額」が載せてあります。
家計の消費支出に比べて、小売業販売額の数字のほうが比較的伸びが高いのがわかります。

なぜ、家計の消費支出と小売業販売との伸びが違うのかには、2つの理由があります。
ひとつは、GDPに密接な関係のある「家計の支出」に小売以外の消費も含まれるから、ということです。
小売以外の消費とは、例えば、通信費や医療費、学費といった費目です。
二つ目の理由は「インバウンド消費」です。
訪日外国人は家計の消費支出の対象ではないのですが、小売業販売額の対象となるのです。
このインバウンド消費が伸びたのです。

前回の消費税の増税があった頃から、中国人客を中心とする「爆買い」が顕著となり、それが、東京や大阪、京都、福岡などのドラッグストアや百貨店を大いに潤しました。
表2の2015年度の「小売業販売額」や「全国百貨店売上高」(前年比)の数字を見ると、家計の支出が激しく落ち込む中、小売業、特に百貨店は前年比で販売額を伸ばしています。
2015年が爆買いのピークだったのです。

小売業販売が好調のもうひとつ理由は、グローバル展開する製造業の業績の拡大でした。
家計の消費が落ち込んでいた時期に、企業業績が景気を支えたのです。

インバウンド消費の他に景気が拡大したもうひとつ理由は、グローバル展開する企業の業績の拡大でした。
家計の消費が落ち込んでいた時期に、企業業績が景気を支えたのです。

■「爆買い」は終わり、米中摩擦で企業業績も低下の危機
今年10月1日の消費税率上げは8%→10%と2%分のアップであり、前回の3%アップよりは規模が小さいです。
国はポイント還元などの対策も打っているため、そのインパクトは小さい可能性もありますが、前述したような「爆買い」はすでになく、米中摩擦などの影響により、グローバル企業を中心に企業業績は明らかに低下気味です。

訪日客の「爆買い」はなぜ大幅に減退してしまったのか。
これは中国が高額品への関税を強化したことや、今年1月からネットによる転売への課税を強化したことが原因です。
以前は、大きなスーツケースやキャリーケースを引っ張る中国人観光客の姿を東京や大阪の街角でよく見かけました。
今でも、中国人観光客の姿は多く見かけますが、はち切れんばかりの荷物を持っている人を街角で見かける回数は減りました。
実際、一部の大手化粧品メーカーや健康食品販売会社のインバウンドの売り上げは、昨年暮れあたりから勢いを失っています。

企業業績の低迷についても簡単に触れておきましょう。
米中摩擦の影響で、中国経済が減速し、国内の企業業績にも影響が出始めているのです。
複数の経済指標をウオッチしていると、残念ながら今後もその傾向は続きそうです。

■ラグビーW杯や2020東京五輪による景気浮揚効果は……
こうした流れを考えると、10月1日に消費税率が上がる頃は、前回の増税時と違って、インバウンド消費や企業業績の追い風もなく、むしろ、景気は厳しい状況にある中での増税となる可能性が高いのです。

9月20日から始まるラグビーのワールドカップや、来夏のオリンピックに景気浮揚を期待することもできます。
しかしオリンピック関連の「建設」は、新国立競技場を含めもうかなりの部分は出来上がっているように見えます。
ワールドカップやオリンピックによる訪日客増は、もちろん景気にプラスに働きますが、一時的なものにとどまる公算が大きく、GDPで550兆円規模の日本経済に与えるインパクトはそれほどないのではないかと考えられます。

■追加の金融政策を行う余地はほとんどない日銀
「消費税10%」による日本経済・景気への悪影響は避けられません。
これまで、その背景を述べましたが、もうひとつ「決定打」があります。

前回、2014年の増税時には、日銀の「異次元緩和」が有効に働いていたのです。
2013年度から始まった異次元緩和ですが、その効果がたしかに表れていました。
しかし、現状は……。
日銀が追加の金融政策を行う余地はほとんどなく、その効果も以前ほど期待できません。

表は、日銀がコントロールできる資金の「マネタリーベース」や短期金利、長期金利の数字ですが、マネタリーベースは異次元緩和開始当初は年率40%を超える伸びでしたが、昨年度は1ケタ台です。

金利も、長期金利・短期金利も、ゼロかマイナスに沈んでいます。
はっきり言って、今回の増税時に、日銀に打つ手がほとんどありません。
せいぜいETF(上場取引型金融商品)を通じた日本株の買い増しくらいではないでしょうか。
この日本株の買い増しも、批判が大きいことから、実際にやれるかどうかもわかりません。

なぜ所得税や法人税ではなく、消費税引き上げをするのか。その理由を財務省はウェブサイトで次のように述べています。
今後、少子高齢化により、現役世代が急なスピードで減っていく一方で、高齢者は増えていきます。
社会保険料など、現役世代の負担が既に年々高まりつつある中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを行えば、一層現役世代に負担が集中することとなります。
特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が、高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えられます〉

現状の財政状況や高齢化での社会保障の伸びを考えると増税は避けられないでしょう。
しかし、景気減速懸念が強い中での消費税増税後の日本経済はかなり厳しい。それが私の結論です。

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小宮 一慶(こみや・かずよし)
経営コンサルタント
1996年に小宮コンサルタンツを設立し、代表取締役会長CEOに。
経営、会計、経済、仕事術から人生論まで著書は130冊を数え、累計発行部数は360万部を超える。
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2019年08月22日

参院選の低投票率 メディアの責任重大 中島岳志

【論壇時評】
参院選の低投票率 メディアの責任重大 中島岳志
2019年7月31日 東京新聞

今回の参議院選挙のポイントは、投票率の低さにある。
選挙区の投票率は48・80%で、国政選挙での投票率が五割を切ったのは戦後二回目である。
 政治学者の中北浩爾は『自民党−「一強」の実像』(中公新書)の中で、安倍政権の選挙の強さの源泉を「低投票率」に求めている。
創価学会を支持母体とする公明党と連携し、友好団体・地方組織・個人後援会を固める自民党は、野党よりも固定票を多く持つ。
投票率が下がれば下がるほど、相対的に優位な条件が整う。

 安倍内閣は投票率を下げて勝とうとする。
だから、争点を明示しない。
選挙を盛り上げようとしない。
多くの浮動票層に関心を持たせず、固定票で勝ちきるというのが戦略だからだ。

 投票率を下げるためには、メディアが積極的に報道しないほうがよい。
安倍内閣になってからテレビメディアの自主規制や萎縮が、繰り返し話題になっているが、テレビ番組を調査・分析するエム・データ社(東京都港区)によると、民放報道は前回選挙から四割も減少しているという。

有権者は、必要な情報を手にする機会を確実に失っている。
 今回、特に問題になったのは、「れいわ新選組」の山本太郎をめぐる社会現象を、テレビメディアが投票日前に十分に取り上げることができなかった点である。

れいわ新選組が七月十九日に東京・新橋で開催した「れいわ祭2」では、登壇した映像作家の森達也が、目の前に並ぶテレビカメラに対して「いつ放送するんですか? 選挙終わってから?」と語りかけた。
そして、「これニュースバリューないんですか? ニュースバリューあるから今日来てるんじゃないの? じゃあなんで報道しないんですか?」と迫った。

 映画監督の想田和弘は「れいわ新選組の人気と立ちはだかる『テレビの壁』」(マガジン9、7月10日)の中で、山本太郎現象をテレビが報道しようとしない点を批判した。
もし政党要件を満たしていないことや特定の政治団体を取り上げることの不公正が理由であれば、今後、「いくら画期的で新しい政治現象が出てきても、テレビは一切無視するしかなくなる」。
そんなことでテレビはメディアとしての役割を果たしていると言えるのか。

結局のところ、「政治に対して最も影響力があるテレビというメディアは、『公平性』を装いながら、実は既成の勢力に味方し、真に新しい勢力の参入を阻んでいる」。

 脳科学者の茂木健一郎は、開票作業が続く中、自らのツイッター(7月21日)で「参議院選の投票率が、ここまで低い事象を引き起こしている責任のかなりの部分を負っているのは、『電波』という『公共財』を独占して使わせてもらいながら、『選挙期間中』にまともな政策論争、比較、分析の番組をつくらない日本のテレビ」と指摘し、「投票率低いですねなどと、他人事みたいに報じないで欲しい」と論じた。

 このような状況は、メディアの中に自己反省の契機をもたらしつつある。
朝日新聞記者の牧内昇平は、投票日前日(7月20日)に公開された論考「参院選で記者は反省した 『生きづらさ』のうねり、ここまでとは……」(withnews)の中で、「れいわ新選組」の動きと支持者の声を紹介した。
さまざまな生きづらさを抱える人たちが、山本太郎の「生きててくれよ!」という訴えに共鳴し、「れいわ新選組」に寄付する様子に触れ、自分自身が「悔いのない人生を送るために社会と闘っているかを自問し」たと述べている。

 テレビメディアの自主規制の中、WEBメディアは新しい可能性を示しつつある。
朝日新聞のWEBサイト「論座」には、公示前に有力な野党政治家が次々に投稿し、読者に対して多角的な争点を提示した。テレビや新聞よりも分量の制約が厳しくなく、しかも速報性があるWEBメディアは、選挙前の政治家たちが、文章によって議論を交わす重要な場になる可能性がある。

 次の衆議院選挙が迫る中、今回の反省を踏まえたうえで、選挙報道のあり方を再考する必要があるだろう。
低投票率の責任を、メディアは痛感すべきである。  
  (なかじま・たけし=東京工業大教授)
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岩崎恭子 14歳で金メダル、今も失われた2年間の記憶

岩崎恭子 14歳で金メダル、今も失われた2年間の記憶
8/21(水) 日経ARIA

オリンピックというひのき舞台で輝いたスポーツ界のヒロインたちの「その後」は、意外に知られていません。
競技者人生がカセットテープのA面だとすれば、引退後の人生はB面。
私たちの記憶に残るオリンピアンたちの栄光と挫折に、ジャーナリストの吉井妙子さんが迫ります。

●「目標は決勝進出」だった14歳が手にした金メダル
―― 1992年のバルセロナ五輪で発した「今まで生きてきた中で一番幸せです」のフレーズは、27年たった今も多くの人の心にあります。

岩崎恭子さん(以下、敬称略)
 あのとき14歳になったばかりで、まさか私が金メダルを獲得するなんて夢にも考えていませんでしたし、そもそも私は決勝直前まで誰からも注目されず、期待もされていなかったと思います。
実際バルセロナ五輪直前までは日本記録さえ破れていなかったし、世界のトップとは6秒近い差があり、平泳ぎ200mで6秒の差は決定的。私の目標は決勝進出でした。
 ですから予選で2位になり決勝進出を決めた時は「やったー!」ってガッツポーズ。
日本代表の仲間たちも「恭子ちゃん、すごい」って喜んでくれたので、もう達成感がいっぱい。
 でもコーチから「もう1回泳ぐからね」と言われ「そっか」って。
五輪の決勝戦がどんなにプレッシャーの掛かるものかあまり理解していなくて、試合直前におにぎりを5個も食べているんです。
喉を通らないという友達の分も(笑)。
 状況をあまりのみ込めていないのがよかったのか、決勝当日は50mプールがなぜか小さく見えた。
そして、ゴールしたらなんと私が1位。
会場がすごく盛り上がっていて、体から湧き上がる喜びを表現しようと思い、とっさに出た言葉があのフレーズでした。
バブルが弾けた後の日本の希望の光になった

―― 五輪のたびに名言が生まれますが、いつしか記憶の底に沈んでしまいます。
でも、岩崎さんの言葉は今もなお、私たちの中に生き続けている。
ご自身ではなぜだと思われますか。

岩崎 
14歳の少女が人生を総括するような言葉を発したので、そのギャップに皆さん驚かれたんだと思います。現在41歳の私が、もし突然、中学生に「私の人生の中で……」と言われたら「は?」って思いますもん。
ただ、まだ多くの人に覚えて頂いているのは、時代背景や環境などいろんな要素があると思います。
 バルセロナ五輪で金メダルをとったのは私と柔道の吉田秀彦さん、古賀稔彦さんの3人だけだったので注目度が高かった。
最近でも、渡部香生子ちゃんや池江璃花子ちゃんなど若くして活躍する選手が台頭するたびに「岩崎2世」と称され、そしてあのフレーズがクローズアップされる。
 またオリンピック、元号が変わるなどアーカイブ的な特集のときは必ずと言っていいほどあの発言を取り上げて頂けるので、皆さんの記憶に刻まれることが多いんだと思います。

 平成から令和になるときも多くの取材を受け、ある記者の方に言われたことが印象的でした。
それは、バブルが弾け、この先、日本はどうなるのかと目に見えない不安が漂っていたときに、未来ある中学生が金メダルをとり希望の光を与えてくれからこそ、あの言葉が今でも私たちの心に残っていると。
うれしかったですねえ。

―― しかしその言葉はそれ以降、解離性健忘(非常に強いストレスにより過去を思い出せなくなる障害)になるほど、岩崎さんを苦しめました。
金メダリストになった途端に環境が激変

岩崎
そう、中3から高校1年までの記憶がほとんどないんです。
 金メダリストになった途端、環境が180度変わってしまいました。
まず驚いたのが帰国時の空港。
カメラマンが何十人もいて、私が歩くたびに追いかけてくる。
バルセロナでは日本競泳陣の中でメダルをとったのは私だけだったから、取材陣が私一人に集中するのもすごく嫌だった。
でもそれはまだ序の口。
 家から一歩出ると多くの人の視線にさらされ、学校の行き帰りには、見知らぬ人に何度も後を付けられました。
家の電話は鳴りっぱなしになるし、かみそりの刃を送られてきたこともあります。
それで学校の行き帰りは母が車で送り迎えをしてくれることになりました。

●心に刺さった「14年しか生きていないのに何が分かる」の声

岩崎
 知らない人に「14年しか生きていないのに何が分かる」とか「私なんて何年生きていてもいいことないよ」とか声を掛けられ、今だったら「幸せと感じるのは、何歳でもいいでしょ」と思うんですけど、まだ思春期になったばかりですから、ズサズサ心を切られましたね。
また、高校は私の入学時から男女共学になったんですけど「岩崎が共学じゃないと行かないと駄々をこね、共学にさせた」とか、信じられない噂話がたびたび耳に届きました。

金メダルをとるんじゃなかったと思った日々

岩崎
 多分、今ならネットでバッシングされるようなことが、その当時はインターネット環境も発達していなかったので、ダイレクトに届けられたんです。
他人の容赦ない視線がガラスの破片のように私の体に突き刺さり、噂話が私の心をむしばんだ。
「あんな言葉を言わなきゃよかった」と毎日思ったし、しまいには金メダルなんてとるんじゃなかったって。

―― 自分を守るため本能的に記憶を消したんですね。
消さなければ生きていけなかった。

岩崎 
後で考えても、何に悩んでいたのかよく覚えていないんです。
忘れるくらい何もかも苦しい時期だった……。
大学で心理学を専攻し、卒論を書くときに、その頃の自分を分析しようと試みたのですが、教授に止められました。
「まだ早い。大学生の君は、当時の記憶に耐えられるほどまだ心ができていない」って。
しばらくたって中学や高校時代の友人に「あの頃こうだった、ああだった」と言われ、かすかに記憶が戻るくらいですね。  ただ、記憶がない時期は家族だけが私の支えでした。
3姉妹の次女なんですけど、私が家で普通に過ごせたのは、父や母がどれだけ頑張って私を守ってくれたか、私が母になった今、よく分かります。
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2019年08月23日

「日本を守っていない」在日米軍の駐留経費負担5倍増額は不可能だ

「日本を守っていない」在日米軍の駐留経費負担5倍増額は不可能だ
2019/08/22 ダイヤモンドオンライン(田岡俊次 )  

7月31日の朝日新聞夕刊は、同21日に来日した米大統領補佐官(安全保障担当)ジョン・ボルトン氏が米軍の駐留経費について「現在の5倍の支払いを求める可能性があると述べた」と報じた。
 米政府の中にそのようなことを言った人がいたのだろうが、あまりに法外な話だ。

「3倍」「5倍」説を流して日本側を驚かせ、イラン包囲網の「有志連合」に参加させたり、2021年3月に期限切れとなる在日米軍経費負担に関する特別協定の再交渉が来年に始まる前にベラボウに高い「言い値」を出し、交渉で値引きすることで増額を狙うトランプ式の駆け引きか、とも思われる。

協定改定や貿易交渉にらみ 「安保終了」などで駆け引き  
この報道について、菅義偉官房長官は31日の記者会見で「ボルトン氏がそのようなことを言った事実はない」と述べた。  

だが、トランプ大統領は2016年の大統領選挙中から「日本に駐留する米軍経費は100%日本に支払わせる。
条件によっては米軍を撤退させる」と叫んでいた。
 最近でも、今年6月26日のFOXビジネスネットワークのインタビューで、「日本が攻撃されれば米国は我々の命と財産をかけて日本人を助けるために戦闘に参加する。
だが、もし米国が攻撃されても日本は我々を助ける必要が全くない。
米国への攻撃をソニーのテレビで見ておれる」などと日米安保体制の不公平を強調した。

 トランプ政権では理性的な閣僚、大統領補佐官など高官が次々に更迭されるか辞任し、ボルトン氏やマイク・ポンぺオ国務長官ら極度の強硬派が牛耳る状態だ。
 今後、日本との米軍経費の特別協定や貿易を巡る交渉では理不尽な要求を突き付け、「日米安保条約終了」を切り札に増額受け入れを迫る可能性は高い。

 実際、“前例”はある。韓国では昨年の米軍駐留経費負担が9602億ウォンだったのを、今年は1兆389億ウォン(約910億円)と8%余、増額させられた。
これは1年限りの仮協定で来年はさらなる増額交渉が行われる予定だ。
 在韓米軍は17年7月、主力の第2歩兵師団をソウル北方約30キロの議政府(ウィジョンブ)から、ソウル南方約40キロの平沢(ピョンテク)に移した。
さらに昨年6月には、在韓米軍司令部もソウルから平沢に移転した。
 北朝鮮軍のロケット砲、長距離砲による損害を避けるとともに、平沢の港や近くの烏山(オサン)空軍基地から世界の他の地域への出動が容易だからだ。

 米軍の韓国防衛への関与を減らしているにもかかわらず、駐留経費負担増額を要求するのは強欲だが、米国は「韓国からの全面撤退」をちらつかせ、増額をのませたのだ。

日本は74.5%を負担 日本防衛には関与せずの米空軍  
米国防総省の04年の報告書では、日本は米軍駐留経費の74.5%を負担している。
韓国の40%、ドイツの32.6%をはるかに上回っている。  
それを3倍、5倍にするのはほぼ不可能だ。
実現するには米軍人の給与や、艦艇、航空機などの調達、維持、運用経費を出すしかない。
「そうすれば米軍は日本の傭兵になりますな」と防衛省幹部たちも苦笑する。

 日本では「駐留米軍が日本を守っている」との観念が刷り込まれているから、米国側の無理な要求に屈しやすい。
だが、実は日本防衛に当たっている在日米軍部隊は無きに等しいのだ。
 最も顕著なのは空軍(日本に1万2000人余り)だ。
 1959年9月2日に航空総隊司令官松前未曾雄空将と、米第5空軍司令官アール・バーンズ中将が結んだ「松前・バーンズ協定」によって、航空自衛隊がレーダーサイトや防空指揮所など管制組織の移管を受け、日本の防空を行うことが決まった。  

米空軍は航空自衛隊の指揮下に入らないから、日本の防空には一切関与しないのだ。
 以来すでに60年、日本の防空には現在330機の日本の戦闘機と対空ミサイルが当たっている。

中東などに出動 「本国に置くより節約に」
 米空軍は沖縄県の嘉手納基地にF15戦闘機27機、青森県の三沢基地にF16戦闘攻撃機22機を常駐させ、ステルス戦闘機F22なども訓練のため嘉手納に飛来している。
 72年の沖縄返還後は、沖縄の防空も航空自衛隊(現在那覇にF15約40機)が担い、嘉手納の米軍戦闘機は約半数が交代で烏山に展開し、韓国の防空に当たっていた。
 当時、第5空軍は日本と韓国を担当していたから、家族や後方支援部隊は安全な沖縄に置いたのだ。
 だが86年に韓国を担当する第7空軍が編成されたため、嘉手納の戦闘機が韓国に行くことはなくなり、91年の湾岸戦争など、中東に出動することが多くなった。

 三沢のF16は対空レーダー、対空ミサイルの破壊が専門で、これもしばしば中東で活動してきた。
 日本の米空軍基地は米本国の母基地に近い性格となったから、米議会では「日本にいる空軍機は本国に戻し、そこから中東などに派遣する方が合理的ではないか」との質問が何度も出た。
 そのたびに米国防当局者は「日本が基地の維持費を出しているから、本国に置くより経費の節約になる」と答弁している。

在日陸軍や海兵隊は 情報収集や後方支援が中心  
在日米陸軍も、ほとんどが補給、情報部隊だ。
 陸上自衛隊は13万8000人余り、戦車670両、ヘリコプター370機を持つのに対し、在日米陸軍の人員は約2600人で、地上戦闘部隊は沖縄のトリイ通信所にいる特殊部隊1個大隊(約400人)だけだ。
 これはフィリピンのイスラム反徒の討伐支援などで海外に派遣されていることが多い。

 在日米海兵隊約1万9300人の主力は沖縄に駐留する「第3海兵師団」だが、「師団」とは名ばかりで歩兵は第4海兵連隊だけ。
それに属する3個大隊(各約900人)は常駐ではなく、6ヵ月交代で本国から派遣される。
 実際には1個か2個大隊しか沖縄にいないことが多い。
戦車はゼロだ。

 沖縄の海兵隊も司令部や補給部隊、病院などの後方支援部隊が多い。
地上戦闘部隊は歩兵1個大隊を中心に、オスプレイとヘリコプター計約25機、装甲車約30両などを付けた「第31海兵遠征隊」(約2200人)だ。
 この部隊は佐世保を母港としている揚陸艦4隻(常時出動可能3隻)に乗り、第7艦隊の陸戦隊として西太平洋、インド洋を巡航する。

 歩兵約900人では本格的戦争ができる規模ではない。
海外で戦乱や暴動が起きた際、一時的に飛行場や港を確保し、在留米国人の避難を助けるのが精一杯だ。
沖縄の防衛は陸上自衛隊第15旅団(約2600人)の任務だ。

第7艦隊はインド・太平洋 「シーレーン確保」は海上自衛隊
 米海軍は横須賀に第7艦隊旗艦である揚陸戦指揮艦「ブルーリッジ」、原子力空母「ロナルド・レーガン」、ミサイル巡航艦3隻、ミサイル駆逐艦7隻を配備している。
 佐世保には空母型の強襲揚陸艦「ワスプ」とドック型揚陸艦3隻、掃海艦4隻を配備してきたが、「ワスプ」はすでに本国に戻り、より大型の「アメリカ」が交代に来る。
ドック型揚陸艦も1隻増強の予定だ。

 第7艦隊は東経160度以西の太平洋から、東経68度(インドとパキスタンの国境線)以東のインド洋まで、広大な海洋を担当している。
横須賀、佐世保を母港とする米軍艦がもっぱら日本の防衛に当たっているわけではもちろんない。
 食料の自給率が37%の日本(同じ島国の英国でも70%余り)にとっては、海上の通商路「シーレーン」の確保が海上防衛の最大の課題だ。
 だが米国は食料も石油も自給自足が可能だから、商船の防護に対する関心は低い。

 米海軍は巡洋艦、駆逐艦、フリゲートを計101隻(うち太平洋・インド洋に46隻)持っているが、これは米海軍の11隻の空母と海兵遠征隊を運ぶ揚陸艦7個群を護衛するのがやっとの数だ。
 日本のシーレーンを守るのは、海上自衛隊の護衛艦47隻に頼るしかないのが現状だ。

日本への武力攻撃に対する 「一義的責任」は日本に
 2015年に合意された「日米防衛協力の指針」(ガイドラインズ )では、日本に対する武力攻撃が発生した場合の作戦構想として、防空、日本周辺での艦船の防護、陸上攻撃の阻止撃退などの作戦には自衛隊が「プライマリー・リスポンシビリティー(一義的責任)を負う」と定めている。

 これでは「何のために米軍に基地を貸し、巨額の補助金を出しているのか」との疑問が出るから、邦文では自衛隊が「主体的に実施する」とごまかした訳にしている。
 自衛隊が日本防衛に一義的責任を負うのは当然だが、当然のことを何度も繰り返して指針に書き込んだのは、いかにも訴訟社会の米国人らしい方策で、なにもしなくても責任を問われないようにしている。
 この指針は、すでに自衛隊が日本防衛に主たる責任を負っている実態を追認した形だ。

 米国防総省は、在日米海軍の人員を18年9月末で「2万268人」と発表している。
2010年には3497人、それ以前も常に3000人台だったが、11年には6833人に急増し、今日では2万人を超えるにいたった。
これは日本を母港としている軍艦の乗員を計算に入れたためだ。
第7艦隊は在日米軍司令部の指揮下にないから在日米軍ではない。
かつては日本で陸上勤務をしている海軍将兵の人数だけを計算に入れていたが、日本と駐留米軍経費の交渉をする際には在日米軍人の数が多い方が好都合だから、船乗りも計算に入れ約1万7000人の水増しをしたのだろう。

 他の諸国、例えばイタリアのナポリ湾には米第6艦隊がいるが、イタリアでは米海軍の人員は4000人と米国防総省は公表しており、艦隊の乗員は計算に入れていないようだ。

「安保破棄」で困るのは米国 横須賀など使えず制海権困難に
 もしトランプ大統領が安保条約を破棄すれば、米海軍は横須賀、佐世保を使えなくなる。
軍艦は年に3ヵ月ほどドックに入り点検、修理をするが、グアムのアプラ港にはドックが無い。
 ハワイのパールハーバーにはドックがあるが、背後に工業が無いから潜水艦などの簡単な整備程度しかできないようだ。  横須賀、佐世保には巨大なドックがあり、熟練した技師、工員がそろい、部品の調達も容易だから早く安く整備ができる。
第7艦隊がそこを使えなくなれば米本土西岸サンディエゴまで後退せざるをえず、西太平洋、インド洋での米国の制海権保持は困難となるだろう。

 米国防総省の発表では在日米軍の総人員は5万4200人余りで、最大の受け入れ国だ。
第2位のドイツが3万7900人、3位の韓国が2万8500人、4位のイタリアが1万2700人だ。

 米国の同盟国は50以上あるが、1万人以上がいるのは4ヵ国だけ。
「駐留無き同盟」か、米軍がいてもごく少数、の同盟国が一般的だ。
 歴史的には、平時に対等な同盟国に兵力を常駐させた例はまずない。
「駐兵権」は清朝末期の中国など半植民地国に列強が認めさせたものだ。

 冷戦時代には西ドイツの米軍はソ連軍の侵攻経路の1つとされたフルダ渓谷に展開し、フランクフルトを守っていた。
韓国ではソウル北方の議政府付近に布陣し、北朝鮮軍の南侵を迎撃する構えだった。
 ところが日本では米軍はソ連に近い北海道ではなく、日本列島の南端で最も安全な沖縄に米軍基地の70%が集中、人員の過半がそこで待機し海外への出動に備えてきた。

「在日米軍削減」を提案し 理不尽な要求に対抗する手も
 日本は今年度予算で、「思いやり予算」といわれる米軍基地労働者2万3178人の給与1539億円や光熱水費219億円など駐留経費3888億円のほか、グアム島への海兵隊の一部の移転や辺野古の飛行場建設など米軍再編関係費に1679億円、民有地の地代や周辺対策に1914億円などを防衛省が出す。
 このほか、米軍基地のある自治体に総務省が381億円を支払うなど、日本政府は計6204億円を支出する。

 米軍に無償で貸している国有地の推定地代は、自治体に貸す場合の安い地代で計算しても1640億円に達し、これも米軍経費負担に入れれば7844億円になる。
 日本を直接守っているわけではない米軍に対し、他国と比較にならないほど巨額の補助金を出していること自体が日本政府の弱腰の表れだ。
 トランプ政権がさらに執拗に理不尽な増額を迫り、「米軍撤退」や「安保条約終了」で脅しにかかるなら、日本は、トランプ大統領が、「人種差別」を批判した自国の女性議員について言ったように「嫌なら国に帰れ」の姿勢で応じてはどうか。

「在日米軍を削減して貴国の財政赤字縮小の一助とされてはいかが」と、攻守を一転させる論を持ち出すのも対抗手段になるだろう。
      (軍事ジャーナリスト 田岡俊次)
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2019年08月24日

玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判!

玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判!
「視聴率取れるからって国民を煽ってはいけない」
2019.08.23 LITERA

 衝撃を与えた韓国政府による軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄。
米国政府もポンペオ国務長官が「失望」を示すなど国際情勢への波及は必至で、日本政府も「安全保障環境を完全に見誤っていると言わざるを得ない」
「断固として抗議する」(河野太郎外務相)などと大慌てで批判している。

ネトウヨたちは「よくやった韓国ww」「これで国交断絶に近づいたwwww」などと高笑い。
この国を一色に染める“嫌韓ファシズム”はとどまるところを知らない。
 そんななか、きょう放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)で、番組コメンテーターの玉川徹氏が、GSOMIA問題をめぐる報道について実に冷静な批評をしていた。

 番組では、朝日新聞の「韓国、「歓迎」「最悪」二分」という記事を紹介。
記事は、韓国与党の「共に民主党」の報道官が「協定を終了しても、実質的には韓半島の安全保障環境を害することはない。日本に対する断固たる態度は不可欠だ」と歓迎する一方、保守系の最大野党「自由韓国党」は「文政権は、国際情勢に目をつむり、安保のアマチュアであることを世界に宣言した」と批判、
さらにSNSでも「韓国より進んだ情報分析能力を持った国から情報支援を受ける手段を台無しにすることが、何の国益か」「我々だけが損をするのでは」という声が出ていることをあげて、GSOMIA破棄に対する世論の反応がまっぷたつに分かれていると伝えるもの。

 『モーニングショー』のスタジオでは、韓国世論は二分しているという報道について、まず、金曜レギュラーのノンフィクション作家・吉永みち子氏がこのようにコメントした。
「二分しているということは、とてもある意味健全だと思います。
やはり、全部一色になったときが一番怖いわけですよね。
むしろなんか日本のほうが一色になりつつあるというような心配もあるんですけども。
やはり、いろんな意見がこうやって出てくるということは、逆に冷静になりやすいんですよ。
いろんな考えがあるんだなということで、抑えられますけども。
韓国よりもいま日本の報道・言論の自由度は低いというような国際的な評価になっているようですから。
やはりこう言い辛いなというような雰囲気があると、なかなか世論がこういうふうに二分、三分の健全なかたちになっていかないことが怖いです」

 このコメントを受けて、MCの羽鳥アナが「損するじゃないと言っているのが韓国の国民で、いやいやいっちゃえいっちゃえというのが与党っていう。ここですよね」と玉川氏にふるのだが、すると玉川氏はこのように冷静に分析した。

「韓国の国民もそれはその歓迎する人も相当いるわけだから。
まさに韓国の世論の二分なんですけども。
僕はさっき吉永さんが日本の話をされましたけどね、こうなってくると、日本のほうがもしかすると感情的にはエスカレートしてるふうに僕には見えるんですね。
そうなったときに、今度はそれをメディアが煽る可能性がある。
つまり、いわゆる世論の大勢にメディアがつこうとする場合がある。
とくにテレビなんかがそうだから。
テレビは、視聴率だから、韓国に対して「けしからん」と言ったほうが視聴率が取れるんだったら、そっち側の流れ、低きに流れる可能性があるんですよね。
そうなると、やっぱりまた、それが国民の感情を煽っていく」

 玉川氏の言うように、感情的にエスカレートしているのはむしろ日本のほうだろう。
とりわけテレビのワイドショーなどでは連日「韓国けしからん」の大合唱。
安倍応援団コメンテーターたちが安倍政権の正当性を主張し、韓国に対しては文大統領にも韓国国民に対してもやれ「反日だ」「幼稚だ」などと喚き立てている。

現在の嫌韓報道を戦中のメディア状況に重ね合わせ警鐘を鳴らした玉川徹
 玉川氏は、そうしたマスコミが大衆の劣情を増幅する方向へ動き、冷静に諌めることをしなくなってしまっている現状を、戦中のメディア状況と重ね合わせて、このように警鐘を鳴らした。

「それを、やっちゃだめだっていうようなことは戦前、われわれは学んでるはずなんですよ。
ようするに不当に国民の感情を刺激してはいけない、冷静になることを呼びかけることが本来のメディアの役割だと僕は思っているので。
だから、そういうふうにある種、志の低いほうに流れていく(ことはよくない)。
本当にそう考えてやってるんだったらいいですよ。
そうじゃないけど、そっちのほうが視聴率取れるからっていうかたちで流れていくようなメディアがあったら、僕は残念です」

 まっとうな意見としか言いようがない。
本サイトでも伝えたように、実は玉川氏と同じようなことを、先日、久米宏氏もラジオで語っていた。
17日放送の『久米宏 ラジオなんですけど』で久米氏は、ワイドショーの日韓関係問題の取り上げ方について、反韓国的な意見を持つコメンテーターや識者ばかりが出演しているとして、「テレビが反韓国キャンペーンをやっているような匂いが、僕、少しだけするんです」。

そのうえで、このように苦言を呈していた。
「世論をね、なだめるような仕事をするのがマスコミの仕事じゃないかと思うんですけど、どうもね、最近ね、必要以上に韓国を非難している」
「もしかするとね、いま韓国を叩くとね、数字が上がるんじゃないかってね。
(中略)そうじゃなきゃ、連日やってるワイドショーもあるんですよ。
毎日、韓国叩きやってるんですよ」
「これ、たぶんね、数字がいいんじゃないかなって。
民放ってやりかねませんからね。
数字が良ければなんでも」

 マスコミの中心に身を置く玉川氏や久米氏が言うように、視聴率第一主義のワイドショーは「韓国叩きは稼げる」からこそ、毎日のように“嫌韓キャンペーン”を行っている。
その結果、国民の劣情はブレーキペダルをなくし、感情的な応酬が「GSOMIA破棄」という最悪のケースの一歩目を踏み込んでしまった。

玉川氏は番組のコーナーの終わりにこう語っていた。
「こういう結果として、何が得があるかっていったら、せいぜい嫌韓感情が満たされるぐらいのことしかない、いわゆる感情がスッとするぐらいのことしかないんですよ。
それ以外のは全部、損ですから。
得はないですから。
そうするとね、損得ばっかり言ってんのかって言われるんだけど、損得大事でしょ。
当たり前ですよそんなもん、経済大事に決まってんだから」

“嫌韓暴走列車”と化したマスコミを止めるには、まずは視聴者が冷静にならなければならない。
                        (編集部)
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2019年08月25日

ネットのデマ拡散の恐ろしさ

ネットのデマ拡散の恐ろしさ、あおり殴打事件では別人を犯人扱い
2019年08月24日 SPA!

常磐道煽り運転事件は、恐るべき別現象をも生み出した。
それはネット上でのデマ拡散である。
 全国指名手配ののちに逮捕された宮崎文夫容疑者。
その車に同乗していた女は喜本奈津子容疑者であるが、逮捕前はその氏名が公開されていなかった。

 逮捕前日の8月17日、Twitterを始めとしたSNSでは、「同乗の女の本名はこれだ!」という情報が拡散されてしまった。もちろん、それは全くの偽情報であり、同乗の女とされた女性は宮崎容疑者とは一切関わりのない人物である。

◆「同乗の女」にされてしまった女性  
あらぬ疑いをかけられたこの女性、ここでは仮にAさんとする。
発端はAさんのInstagramでのアカウントを、宮崎容疑者がフォローしていたことにある。
それを伝って、ネット上のいわゆる「特定班」と呼ばれる人々がAさんの容姿をチェックし、「同乗の女に似ている!」と結論付けてしまったのだ。

 常磐道での暴行の際に喜本容疑者が身に着けていた帽子とサングラスが、Aさんのそれと似ているというのがその根拠である。
たったそれだけで、AさんのInstagramは大炎上してしまった。
本人への誹謗中傷も相次いだ。
その後、Aさんは自身が経営する会社の公式サイトの中で声明を発表。
被疑者がAさんであることを発信する者に対して法的措置を取るとした。
これはTwitterの投稿をリツイートした者も含まれる。

「ネット上のデマ」が社会問題として認知され、それに対する民事訴訟での判決事例も数年前より明確なものとなっている。にもかかわらず、未だこのような事態が起こってしまうのだ。

◆「金村竜一」は架空の人物
 なお、この常磐道あおり運転事件はもうひとつのデマがまとわりついていた。
あおり運転の男の名は「金村竜一」だ、という内容である。
 現時点の我々は、この男は宮崎文夫容疑者であることを知っている。
しかし宮崎容疑者が指名手配される前、特にTwitterでは「犯人は金村竜一」というデマが広まったのだ。

 この「金村竜一」は、先述のAさんとは違い架空の人物である。
が、冷静に考えれば「金村竜一」などという名は決して珍しいものではない。
全国のどこかにいる、同姓同名の金村竜一さんが濡れ衣を着せられてしまう可能性は大いにあった。
 なお、Aさんに関するデマが拡散したのは、宮崎容疑者の氏名が公表されて「金村竜一」が偽情報だということが判明した直後である。
ネットの恐ろしさを全く学習せず、デマからデマへ飛びついた者が一定数存在するということだ。

◆「苗字が一緒」というだけで…  
2017年に発生した東名高速道路あおり死亡事故。
この際もネットでのデマ拡散が問題視された。
この事故で逮捕された容疑者と苗字が同じというだけで、とある企業に誹謗中傷が殺到したのだ。
「容疑者はこの会社の社長の息子」という偽情報が広がったためである。
 もちろん、容疑者とこの会社は一切のつながりを持っていない。

発端はインターネット掲示板5ちゃんねるでの投稿だ。
「容疑者は実父の経営する会社に勤務している」とされ、Twitterにもそのデマが波及した。
 この会社は、デマを拡散した8人に対して計880万円の損害賠償を請求する裁判を今年3月に起こしている。
単純に考えればひとり当たり110万円だ。
最終的な賠償金額についての言及はここでは控えるが、この裁判がひとつの基準になっていくことは間違いないだろう。「ネットでデマを拡散したら、どれだけの損害賠償を請求されるのか」という基準である。

◆実在しない大学に「謝罪しろ」
 次に、上記の事案とは少し色合いの異なるデマ騒動をご紹介しよう。
2018年に飲食店を名乗るアカウントの、こんな投稿が拡散された。
「国際信州学院大学の教職員50名が、予約を無断でキャンセルした」という内容だ。
 飲食店で数十人規模の予約をして、結果的に連絡すら入れずキャンセルしてしまう。
確かにこれは悪質な行為だ。
Twitterでは「国際信州学院大学は謝罪しろ!」という論調の非難が殺到した。

 が、実はこの飲食店は現実に存在しない架空のもの。
しかも飲食店だけでなく、国際信州学院大学自体が「フェイク大学」である。
国際信州学院大学のホームページは存在する。
ところが、これは壮大かつ精巧なジョークサイトのようなもの。
 つまり「予約をドタキャンされた」という一連のやり取りは、徹頭徹尾フェイクだったのだ。
それにネットユーザーは躍らされてしまった。
なお、この国際信州学院大学のホームページは現在も更新されている。

◆デマを信じて逮捕される
 ネット上のデマを信じ、身を滅ぼしてしまった具体的な事例がある。
8月21日、埼玉県警は道路交通法違反(速度超過)で34歳の会社員男を逮捕した。
制限時速40kmの県道を78kmで運転していたというが、それだけで逮捕されるのだろうか?
 実は、男は警察署からの出頭要請を拒否し続けたのだ。
その理由が「上申書を書けば違反を逃れることができる」と思い込んでいたためで、これはネットで知った情報だと供述している。
 男は「ネットで見た上申書を送れば捕まらないと思った」と話しているという。
もしも男が素直に署へ出頭していれば、逮捕には至らなかった。
デマの鵜呑みは人生を棒に振るということを、その身をもって実証してしまった例である。

◆インドネシア報道官が語った「デマ回避術」
 が、どのような人でもネット上のデマをつい拡散させてしまう可能性はある。
「自分は絶対にデマに惑わされない!」という自信は、実は根拠のないものだ。
「デマは常に身近にある」ということを心掛けなければならない。

 今年7月に死去した、インドネシア国家防災庁のストポ・プルウォ・ヌグロホ主席報道官は世界的に有名な人物だった。
日本と同じく地震や豪雨災害が相次ぐインドネシアだが、その度にネット上では悪質なデマが拡散されている。
2億5000万人の人口を抱えるインドネシアでは、スマートフォンの2台、3台持ちは珍しくない。
情報が伝わる速度は日本以上であると断言してもいいだろう。

 ストポ報道官は肺癌に侵された身体に鞭打ちながら、自らのTwitterアカウントで災害現場の画像の真贋を検証していたのだ。
 去年10月に首都ジャカルタの近海で発生したライオン航空墜落事故は、まさに「デマの呼び水」と化した。
「墜落直前の機内の様子を撮影した動画」が登場し、日本のニュースサイトもそれを紹介していた。
が、ストポ報道官はその動画は該当の事故と全く関係のないものと公表した。

その際、ストポ報道官はこのようなツイートも行っている。
 「衝撃的な画像や動画は君のところで止めよう」という内容だ。
ショッキングな内容の映像は遺族を傷つける者であると同時に、デマである可能性が極めて高い。
大衆の「知りたい!」という欲望が、非現実的な内容のデマを魔物にさせる。
デマの業火は他人のみならず、いずれ自分自身をも焼き尽くしてしまうのだ。
          <文/澤田真一>

【澤田真一】
ノンフィクション作家、Webライター。
1984年10月11日生。
東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。
ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』
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2019年08月26日

「反戦」を狙うのか?

【私説・論説室から】
「反戦」を狙うのか?
2019年8月21日 東京新聞

公衆トイレに「反戦」と落書きした男性が罪に問われた。
軽犯罪法違反(拘留または科料)ではなくて、五年以下の懲役と定める建造物損壊罪−。
最高裁はそれを認め、初ケースとなった。二〇〇六年のことだ。  

「反戦ビラ」を東京・立川で配布した団体メンバーが逮捕される事件もあった。
一審は無罪。
形式的には住居侵入罪に当たるが、「法秩序全体の見地からして、刑事罰に処するほどの違法性はない」との判断だった。
だが、二審で逆転し、最高裁で罰金刑が確定した。
〇八年のことだ。

 いずれも当時の自衛隊のイラク派遣に反対する市民の意見の表明だった。
そのころは微罪逮捕が相次いだ。
四十年以上も政党ビラを配っていた僧侶が突然、住居侵入罪に問われたり、厚生労働省の職員が政党機関紙を配布したとして、国家公務員法違反で有罪判決を受けた。
 まるで反戦思想、「左翼」と呼ばれる人々を狙い撃ちにしたかのような取り締まりだった。

日弁連は当時、「表現の自由への重大な危機」を、国連も「懸念」を表明した。
たとえ微罪であっても積み重なると、社会ではモノを言うこと自体が萎縮し始める。
 今日では既に、首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代である。こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだであろうか。 
        (桐山桂一)
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2019年08月27日

看護師たちを困らせるモンスター患者

看護師たちを困らせるモンスター患者
「あっちの患者より優しくしろ!」
日刊SPA! 2019/08/26

 かつてない高齢化社会に突入した日本。
もちろんそれは医療の現場でも例外ではない。
総合病院ともなれば、診察開始時間の前から、列をなす年長者の姿を見ることも珍しくない。
 しかし、この年代特有の上から目線が、トラブルをまねくケースも後を絶たないという。

◆横柄な態度が目立つ年配患者たち…
「この前、対応した年配の男性患者は、膝や肘が弱っているので、周りからバイクに乗るのを止められていたのに、言うことを聞かずに乗って転倒。
幸い、骨折で済んだんですが、入院中、共同の風呂場に置いてあったクレンザーで頭を洗って、目が炎症したといって、ナースルームに怒鳴り込んできました」

 そう話すのは、関東近県にある総合病院で看護師をしている佐々木香織さん(仮名・32歳)。
おっとりとした見た目のためか、モンスター患者に遭遇しやすいとか。
「クレンザーをシャンプーと間違ってしまったのは、患者さんのミスなのですが、“そんなところに置いてあるから悪い”と言って、引きませんでした。
さらには『治療費を払え』とエスカレートしていったので、家族に連絡をして事情を聴いてもらいました」

 この男性患者のように、最近では、身体の不調で入院などしても、元気な老人が増えて困っているそう。
「この前は、支払い能力がないのに、個室を希望してきた高齢の男性がいました。
かつてはある企業で役職に就いていたことがあるらしく、『ほかの人と同室だとプライバシーが守れなくていやだ』と暴れていました。
家族もほとんどお見舞いに来ないし、保険証を確認したら、生活保護受給者でした。
この男性は耳が遠いのか、廊下まで響く音量でラジオ聞いていて、ほかの入院患者からクレームが入ってきましたね」

 かつての栄光を忘れられない年配患者が多いのか、受付でも「自分の順番を先にしろ」といった、横柄な物言いが目にあまるという。

◆終電が無くなりタクシー代を要求、軽症で救急車を呼ぶ女子大生…  
さらに、耳を疑いたくなるような要求を患者たちはしてきたらしい。
香織さんは、「クレームを言われるのが日常茶飯事なので、どれがモンスター患者なのかわからなくなった」と語った。
「うちの病院は、2つの駅からアクセスできるのですが、どちらの駅からも遠いんです。
深夜に具合が悪くなって救急車に乗車し、入院するほどの症状ではない場合は、診察が終わったら自力で帰ってもらいます。電車が動いていないような深夜の場合、タクシーに乗ることになるのですが、『こんな時間になったのは病院のせいなのだからタクシー代を出せ』と怒鳴る人は、男性に多かったですね」

 20代の女性に多いトラブルが、高熱や腹痛という緊急の症状ではないのに、周りに頼れる人がいない不安から、救急車を呼んでしまうことのよう。
「この前は、『彼氏も友達もいないから、救急車を呼んでしまった』という女子大生がいました。
病院で診察したら、大病ではないとほっとしたようですぐに元気になっていました。
クレーマー患者よりはマシですが、なんでもすぐ救急車を呼ばれてしまうと、本当に必要な人に迷惑が掛かってしまうので、これも困りものですね」

◆ニーズが高まる個室に、トラブルが続出!
 香織さんは「入院時に個室を希望する人が増えてきているが、退院する時に支払いでトラブルになることが多い」という。  

近年、プライバシーへの配慮や、入院中も仕事がしたい会社員など、個室を希望する人が増えている。
病院によっては、全室個室の病棟もあるが、1泊あたり1万円程度の割増料金を巡って、トラブルも絶えない。
「最初に『読んでください』と言って渡している入院承諾書を読んでいない人がほとんどなんです。
手術が必要なケースや、大部屋が空いていない時など、患者さんによっては個室に数日だけ入院してもらいます。
最初に了承をを得ているはずなのに『ベッドが空いていないのは病院の都合なのだから、個室料金は払わない』といって揉めたり、午前中で退院しても部屋を使っているために1泊分の個室料金が発生することに対して、『入院費は払いたくない。ホテルに泊まるのでホテル代を出せ』という人もいたりします」

 このように、人命を優先されるべき医療現場だが、一部の患者たちの横柄な態度に、看護師たちは頭を悩ませている。
香織さんは「病院をサービス業と勘違いしているのか、『あっちの患者よりも、もっと優しくしろ』と言ってくる患者もいます。
最近は、怒るのに疲れて“面白い患者さんが来たなあ”と思うようにしています」と、あきらめにも似た表情で語った。

 自分がもし、看護師のお世話になるようになったら、裏で「モンスター患者が来た」と言われないよう気を付けたいものだ。
          <取材・文/池守りぜね>
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2019年08月28日

埼玉県知事選 野党連携が示した活路

埼玉県知事選 野党連携が示した活路
2019年8月27日 東京新聞「社説」

 埼玉県知事選で、野党四党が支援した新人候補が事実上の与野党対決を制した。
安倍内閣の支持率は依然堅調だが、野党勢力を結集すれば、有力な選択肢となり得ることを示したのではないか。

 二十五日投開票の埼玉県知事選は立憲民主、国民民主など野党四党が支援した無所属新人の元参院議員大野元裕氏(55)が、自民、公明両党推薦で無所属新人のスポーツライター青島健太氏(61)ら四氏を破った。

地方自治体の首長選挙ではあるが、七月の参院選後初の大型選挙での野党勝利は、国政に与える影響も大きい。
 第一に、地域事情は違うが、野党候補が一本化すれば与党候補と十分に渡り合えることを示した。
 自民党県連と対立する上田清司知事の全面支援を受けた大野氏を立民、国民、社民の各県組織が支持、共産も自主支援となった。
事実上の野党統一候補である。

 対する与党側は、埼玉県が立民の枝野幸男代表の地元であることも意識して、告示前から二階俊博自民党幹事長や菅義偉官房長官が応援に入るなど国政選挙並みの態勢で臨んだが、競り負けた。
 参院選では、三十二ある改選一人区のうち、野党統一候補が十勝するなど善戦した。

参院選の改選一人区や衆院選の小選挙区など当選者が一人の選挙では、野党勢力を結集しなければ「安倍一強」の与党にはとても対抗できまい。
 今回の知事選期間中、立民、国民両党が衆参両院での会派合流に合意した。
衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の合流も検討される。
離散した旧民主党勢力の再結集にすぎないが、それでもバラバラよりはましだ。

 立民、国民両党には会派合流や知事選勝利を弾みに、ほかの野党間との連携も密にして、自民党に代わる選択肢を有権者に示す責任がある。
二〇二一年秋までには衆院選、今年十月には参院補選がある。
残された時間は少ない。
野党連携の協議を加速させるべきだ。

 投票率は5・68ポイント増の32・31%と、〇三年以来十六年ぶりに30%台を回復した。
 事実上の与野党対決で有権者の関心が高まったのだろうが、県選挙管理委員会が埼玉を自虐的に描いたギャグ漫画を活用して啓発に乗り出した影響もなしとは言えまい。

 地方、国政を問わず低投票率は代表民主主義の基盤を崩す。
いまだ30%台とはいえ、投票率がなぜ上昇したのか。
選管や各陣営の努力を多としながらも、要因を分析し、今後に役立てるべきだ。
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2019年08月29日

《暴言音声》従業員が明かす佐野SAストライキ長期化の要因「私たちはパワハラを受け続けてきた」

《暴言音声》
従業員が明かす佐野SAストライキ長期化の要因
「私たちはパワハラを受け続けてきた」
2019年08月28日 文春オンライン

8月14日未明に突入した、東北道・佐野サービスエリア(上り線)のストライキ。
2週間余り経った現在も収束する気配はない。
ある従業員によると、「ストライキが長期化している背景には、以前の過酷な労働環境の影響がある」という。

■パチンコに負けると従業員に怒鳴り散らした
「ストライキに突入した直接の理由は、親会社の経営不振と加藤正樹元総務部長(45)らの不法解雇です。
しかしお客様にご迷惑をかけてまで、2週間にわたってストライキを断行し続けているのには他に理由があります。

 私たちは今まで毎日繰り返されるパワハラに耐えてきたんです。
パワハラが常態化してしまったのは、私たちが声を挙げず、受け入れてしまったことにも原因がありました。
今回のストライキでは間違っていることが正されるまで、主張を曲げるつもりはありません」(同前)

 パワーハラスメントをしていたとされるのは元総支配人のT氏だ。
T氏は40代半ばで体重100キロほどの大柄な男性。
以前は関西の有名旅館の支配人をしていて、2018年8月頃に入社したという。
「Tさんが佐野サービスエリア内にある事務所に顔を出すのは1日3時間ほど。
ドアを開ける音でその日の機嫌がわかるんです。
パチンコで負けたときは特に機嫌が悪く、誰彼かまわず従業員に当たり散らすこともあった。
毎日朝礼があるのですが、そのたびにTさんは『売り上げが落ちるのはオマエらがなってないからだ!』と名指しで叱責していました。
あの地獄のような日々を忘れることはできません」(同前)  

7月12日に加藤氏らがT氏の退任を求める署名をT氏本人に突きつけ、T氏は自主退職の意向を示した。
しかし7月20日の労使交渉の場で、加藤氏らは岸敏夫社長(61)ほか経営陣にもT氏退任を確約してほしいと申し入れている。
「岸社長がT氏の退任を撤回させたがっているという情報があったため、労使交渉の場で念押ししました。
その際に従業員たちが受けてきたパワハラ内容を報告したのですが、岸社長は笑みを浮かべながら『(T氏は)そんなこと言っていたの』と発言した。
経営陣と従業員の温度差を感じました。
特に岸社長は現場の苛酷な労働環境や、パワハラの深刻さを理解していないように見えた」(加藤氏)

■元総支配人パワハラ音声「クビにしようかな……」
 「週刊文春デジタル」は元総支配人T氏のパワハラ音声を入手した。
音声データには事務所のドアを強く叩き、中にいた女性従業員を強く叱責するT氏の声が録音されている。
 ケイセイ・フーズがストライキへの見解を記した文書「事情のご説明」には、T氏によるパワーハラスメントへの同社の対応について「T氏は、上記の申し入れ(加藤氏らによるT氏への退任要求)の直後、弊社を自発的に退職いたしました」と回答している。
       (「週刊文春」編集部/週刊文春)
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2019年08月30日

日本にはびこるブラック校則、その原因と対策を考える

日本にはびこるブラック校則、その原因と対策を考える
2019年08月29日 ニューズウィーク日本版

<理不尽なルールへの従属を強制する「反教育的」制度は、日本経済の停滞傾向が顕著となった今、放置しておくことはできない>
子どもの貧困への支援を行なっているNPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長が発起人となり、評論家の荻上チキ氏、勝間和代氏などが賛同者として名前を連ねている、「ブラック校則をなくそう!」プロジェクトの活動が話題になっています。

この問題、取り組むのが遅すぎるくらいですが、今度こそ多くの世論を動かして実際の成果に結びつけていって欲しいと思います。
そのためにも、あらためてこの「ブラック校則」について「何が問題か?」という評価と、「なぜ廃止できないのか?」という原因についてあらためて確認したいと思います。

まず何が問題か、ということです。
確かに「地毛を黒く染めさせるのは傷害行為」ですし、「水飲み禁止は命に関わる」のは事実ですから、まさに基本的な人権という点からして廃止は待ったなしだと思います。
ですが、問題はそれだけではありません。
理不尽なルールを押し付けられて、これに異議を唱えることができないという環境は、教育ではなく「反教育」、つまり中高生など若者を「大人になるように教えて育てる」という教育の本来の目的には「逆行する」環境だということです。

どういうことかと言うと、近年は18歳選挙権が実現しているわけで高校生を主権者へと教育することが課題になっています。

主権者というのは、間接民主主義の制度に基づいてルールを決定する側に立つということです。
ところが「ブラック校則」の適用というのは、ルールへの従属を強制するわけです。
つまり主権者教育ではなく、被支配者へと子供を教育することになります。
反教育的というのはそういうことです。

そこまで理念的に考えなくても、理不尽なルールを硬直的に適用する環境では、子供たちが自然に育っていくのは難しいと思います。
「確かにそうかもしれないが、決まりだから」という対応を続けることで、結局は上の世代や社会への不信感を抱いて「どうせ、そんな社会だし、変わらないだろう」といった閉塞感の中で若い世代が沈滞するとしたら、これは国家百年の損失と言わなくてはなりません。

思えば、反戦運動が弾圧された60年代、個性化が押しつぶされた校内暴力や管理教育の80年代、そして学級崩壊の発生した90年代と、それぞれの世代が学校において不幸な経験に遭遇し、そして上の世代への不信を抱えたまま成人していきました。そのことは、日本の社会が健全な活力を失ってきた歴史とどうしても重なって見えるのです。

経済衰退の兆候が顕著になってきた現在、これ以上の沈滞を放置する余裕はないと言うべきでしょう。

もう一つ大切なのは、ブラック校則が残っている原因についてです。
ブラック校則というのは、学校や教師が保守的であって、「教育に効果がある」と考えているから続いているのではないと思います。
学校を敵視するのは簡単ですが、本当の「敵」はどこにいるのかを見極めることも必要ではないでしょうか。
その一つは社会の、特に高齢世代の余計な干渉です。
「染髪の強制」の背景には、「オタクの学校には茶髪の生徒がいて許せない」などと電話をかけてくる「地域の声」があるのだと思います。
もしかしたら、学校はそうしたトラブルで疲弊しているのかもしれませんし、そもそもトラブルに対処するような物理的な余裕がないのかもしれません。
そうだとしたら、このプロジェクトなどが主体となって、そうした「余計な干渉」に対して徹底的に批判し、防止することが大切です。
それでも根絶できないのなら個々のケースに対しては、学校ではなく、専門組織にゆだねつつカウンセリングも含めた対応を考えていく必要があるように思います。

もう一つは、保護者のクレームです。
猛暑なのに水筒の持参を禁止している学校が問題になっていますが、その原因としては「勝手に持参した水筒の水を飲んで子どもが健康を害した場合」に、学校が非難されたり、場合によっては訴訟を受けたりする問題があるようです。
そのため「水ならいいが、水以外は禁止」とか「水以外の液体(スポーツドリンクやお茶など)が入っていないか検査せざるを得ない」という対応を取っている学校もあるようです。

自分の子供が健康被害を受けた場合には、手段を選ばずにクレームを言ってくる保護者は根絶が難しいのが現実です。
それならば、こうしたケースについては制度によって学校を守っていくしかないと思います。
具体的には、例えば学校が加入する形での賠償保険制度を思い切って拡張するという対策も考えられます。
クレーマー的な保護者への対応も、疲弊している学校現場や教育委員会ではなく、保険会社がサービスの一環として対応するというのはどうでしょうか。

理不尽な攻撃を受ける可能性があるから、理不尽なまでに防衛的にならざるを得ない、ブラック校則が残っている現実の背景にあるのは、そのようなメカニズムかもしれません。
それならば、少数の理不尽な攻撃については保険でリスクヘッジすることで、学校内に常識を取り戻すことを考えるべきです。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月31日

安倍が後に先送り財政検証の酷い中身

安倍政権が参院選後に先送りした年金「財政検証」の酷い中身!
30年で年金制度破綻、支給開始年齢引き上げ誘導も
2019.08.29 LITERA編集部  

ようやく厚労省が「財政検証」の結果を出してきたが、結果は「やっぱり」というものだった。
 おさらいしておくと、財政検証は少なくとも5年に1度、公的年金の健全性を点検するもの。
前回は2014年6月3日に公表され、今年も同じ6月上旬に公表されると見られてきたが、安倍政権は「検証に時間がかかっている」と公表を参院選後に先送りしてきた。

金融庁の「老後2000万円不足」報告書が明らかになって、国民から「早く年金の検証結果を明らかにしろ」と迫られても、頑として公表を拒んできた。
そのため、「財政検証で悪い結果が出たら7月の参院選で自民党に不利になるから、わざと公表を遅らせている」と言われてきた。
 そして、実際に公表された結果をみると、その見立ては完全に裏付けられたかたちだ。

 参院選の選挙期間中、安倍政権は財政検証の公表が遅れている理由を「オプション試算を検証しているため」などと強弁してきたが、オプション試算は前回もおこなっているもので遅れる理由になっていなかった。
その上、今回の財政検証では、前回は8段階にわたっておこなわれたシミュレーションが6段階に減少しているのだ。
シミュレーションを2段階も省いたのに、前回より約3カ月も時間がかかっているのはどう考えてもおかしいのだ。

 それ以上に重要なのは、その中身だ。
というのも、今回の財政検証の結果は、公的年金制度の破綻がより一層進んでいることをあきらかにする内容だったからだ。  

たとえば、根本匠厚労相は、「経済成長と労働参加が進む」という経済前提のケース1〜3を取り上げ、「所得代替率50%以上を確保できることが確認された。
(年金制度は)おおむね100年、持続可能になる」と断言したが、このケース1〜3というのは、物価上昇率が2.0〜1.2%、実質賃金上昇率が1.6〜1.1%という、現在の状況とはかけ離れた“大甘”な試算によってはじき出されたものだ。
それでも、このケース1〜3でさえ、所得代替率は現在の61.7%から、約30年後には50.8〜51.9%となり、モデル世帯の国民年金給付水準は約3割も減る計算だ。

 しかも、専門家からはケース1〜3は大甘のシミュレーションで、現実的ではないという指摘が相次いでいる。
日本総研の西沢和彦主席研究員は〈過去30年の物価上昇率は平均0.5%で、近年は1%を切ることも多いなどと指摘〉した上で、「過去に照らせば、ケースDEが現実的。@〜Cは、あまりに楽観的だ」と述べている(朝日新聞28日付)。

同様に、ファイナンシャルプランナーの小屋洋一氏も、28日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)で“もっとも可能性が高いのは、経済成長率が0%のケース5”であると解説していた。

現実に近いケース5では39年後には所得代替率は44.5%、ケース6では公的年金制度破綻  
このケース5は経済と労働の成長が「一定程度進む」という前提のものだが、それでも24年後の2043年度には所得代替率が50%に。
39年後の2058年度には所得代替率は44.5%となり、この場合、モデル世帯の“老後の年金不足分”は2000万円どころか3888万円にものぼる(28日放送『モーニングショー』より)。
しかも念のため言っておくが、このモデル世帯というのは平均賃金で厚生年金に40年加入の夫と専業主婦の妻という想定であり、厚生年金に加入していない非正規労働者などの場合はこんなレベルではない、とてつもなく厳しい老後を強いられることになる。

 その上、現在の経済状況は、経済前提がもっとも最悪なケース6とダブる。
たとえばケース6では、実質賃金上昇率が0.4%となっているが、2013〜2017年度の実績は平均マイナス0.6%(毎日新聞28日付)でケース1〜6のなかでもっとも近い。
さらに、ケース6の全要素生産性(TFP)上昇率は0.3%だが、今年1〜3月期四半期別GDP速報でもTFP上昇率は同じ0.3%だ。

 そして、このケース6の場合、2052年には国民年金の積立金は枯渇する。
つまり、いまのような経済状況だと「100年安心」どころか、公的年金制度は約30年程度で破綻するという結果が出ているのだ。  
こんな結果で「安心」などできるはずがなく、やはり安倍首相は参院選でこの結果を争点にしたくないために先送りにしたことは明々白々だろう。

 不都合な事実を隠し、しれっと参院選後に公表するとは、有権者を騙す行為にほかならない。
しかし、安倍政権はこの隠蔽行為に悪びれるでもなく、めでたく参院選後の公表となったのをいいことに、結果を世論誘導に利用しはじめたのである。
 というのも、安倍首相が強調していた「オプション試算」では、会社員らが入る厚生年金の適用対象の拡大や「在職老齢年金制度」の廃止・縮小、受給開始の選択幅を75歳まで拡大したケースなどを提示。
そして、試算結果として〈「保険料の拠出期間の延長」といった制度改正や「受給開始時期の繰下げ選択」が年金の給付水準を確保する上でプラスであることを確認〉と結論づけているのだ。

 75歳まで働き、年金受給開始も75歳まで伸ばすなどすれば、年金給付水準は確保できる──。
端的に「死ぬまで働け」と言わんばかりだが、安倍政権がこうして国民に「年金制度を維持させるためには老体に鞭打ち、受給開始を我慢するのは当然」と浸透させようとしていることはあきらかだ。

安倍政権は反省なく財政検証を「支給開始年齢引き上げ」世論誘導に利用、小泉進次郎も協力
 実は、厚労省はもともと年金支給開始年齢の引き上げを狙っていた。
「老後資金2000万円不足問題」の端緒となった金融審議会「市場ワーキング・グループ」では、4月12日会合において厚労省年金局企業年金・個人年金課の吉田一生課長が
「高齢者の就労促進が重要な課題」
高齢期の就労期間の延伸を年金制度上も反映する」
「より柔軟な受給のあり方について公的年金サイドで検討」などと発言。
年金の支給開始年齢の引き上げを示唆していた。

 安倍首相も「人生百年時代の到来は大きなチャンス」などと宣い、5月には70歳まで働けるようにする「高年齢者雇用安定法改正案」の骨子を発表。
昨年の総裁選討論会ででは「生涯現役であれば、70歳を超えても年金の受給開始年齢を選択可能にしていく仕組みをつくりたい。
3年で断行していきたい」と宣言していた。

 そして、今回の財政検証で、選挙が終わったことをいいことに、悪化した結果を逆手にとって、「支給開始年齢の引き上げ」キャンペーンを開始した。
 今回の財政検証の結果が公表されるやいなや、“内閣改造の目玉”としてメディアが持ち上げている自民党の小泉進次郎・厚労部会長は「将来の給付水準は減るが、年金受給開始年齢の拡大など、増やせる改革の余地は大いにある。
将来の給付水準を少しでも自分たちで上げることが可能になるような制度改革に、汗をかきたい」とアピール。

御用メディアである読売新聞も、さっそく社説で〈年金の受給開始時期で選択の幅を広げることも検討課題だ。
より多くの高齢者が長く働き、制度の支え手に回ることが期待できよう〉(28日付)とぶち上げている。

 今回の財政検証で厚労省は「前回より経済前提は控えめに設定」したと述べているが、これは良心などではなく、結局は安倍政権の方針である“年金「死ぬまで働け」改革”の必要性を強調するためだったのではないのかと勘ぐりたくもなる。

しかも、何にせよ「100年安心」が大嘘であることはこれではっきりしたのだ。
にもかかわらず、ワイドショーはあいかわらず嫌韓報道に熱をあげたままで、この国民全員にかかわる老後年金問題をほとんど取り上げていない。

 このままでは、安倍政権の「年金受給は75歳まで我慢しろ」「死ぬまで働け」「あとは自助努力でなんとかしろ」という恐ろしい政策を、国民が「仕方がないこと」と受け入れるのも時間の問題なのではないだろうか。
            (編集部)
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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