2019年11月01日

閣僚の舌禍は失言ではない 驕る安倍政権の正体そのもの

閣僚の舌禍は失言ではない
驕る安倍政権の正体そのもの
2019/10/31 日刊ゲンダイ

 教育の経済格差を容認する発言で大炎上している萩生田文科相が、ジリジリと追い詰められている。
 大学入学共通テストに導入される英語民間検定試験を巡る受験機会の不公平問題について、「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と上から目線を隠そうとせず、世論の反発にも野党の批判にもシレーッとしたもの。
「受験生に不安を与えかねない説明だった」と詭弁を弄し、形ばかりの謝罪でコトを収めようとしたが、撤回を余儀なくされた。

 10月30日の衆院文科委員会では「仮に今の状況より混乱が進むようなら考えなくてはならないという気持ちもある」と来年度実施の見送りをにおわせた。
 萩生田発言を受けなくとも、導入延期は当然だ。
全国高等学校長協会は見送りを求め続けているし、文科省のまとめでも活用する大学・短大は6割に過ぎない。
入試で最も大切な公平・公正への懸念が拭えないからだ。

立憲民主党は「経済的な状況や居住地域に左右される」とし、導入を延期する議員立法を衆院に提出。
11月5日の文科委では、全高長などの代表者を招致する参考人質疑も決まった。

■長期政権を支えるスネ傷の面々
 なぜ、この内閣ではあり得ないような暴言、妄言が続くのか。
 外相から横滑りした河野防衛相の「私は雨男。防衛大臣になってから台風が3つ」も無神経の極みだ。

2001年に閣議決定された大臣規範で閣僚の政治資金パーティーは「大規模開催の自粛」が規定されているのに、800人も集めて大宴会。
それだけでも常識を疑うのに、被災者が日常生活を奪われる中で開催し、台風被害で笑いを取っていた。
 野党に追及されて「自衛隊の努力と処遇改善の必要性について申し上げた」と陳謝したが、昼夜を分かたず被災者救援に動く自衛隊にしたって、そんな形で持ち上げられたらいい迷惑だろう。
厚顔無恥にもほどがある。

 萩生田は台風15号直撃を無視して強行された内閣改造で初入閣した安倍首相の最側近だ。
第2次安倍政権発足以降、自民党総裁特別補佐に引き上げられ、官房副長官や党幹事長代行を経て文科相に出世。
 この間、野党の国会対応を「田舎のプロレス」とクサし、「消費税増税延期論」を言い出し、「有力な方を議長に置いて憲法改正シフトを国会が行っていく」と大島衆院議長の交代に言及した舌禍常連だ。

 河野にしても外相時代、日韓関係を「戦後最悪」にこじれさせた当事者のひとり。
韓国最高裁の元徴用工判決を巡って面会した南官杓駐日大使の発言を遮り、「極めて無礼だ」とカメラの前でわざわざ面罵。韓国叩きで支持者の歓心を買う安倍政権に乗っかったのである。

 もっとも、これらは閣僚の失言ではない。
それぞれの口から出たとはいえ、7年に迫る長期政権に驕る安倍内閣の正体そのものなのである。

上級国民を作り出し、負け組を見下す欺瞞政治
 安倍は第2次政権発足当初から「閣僚全員が復興相」と繰り返しているが、真っ赤なウソだ。
今村雅弘元復興相は3・11の自主避難者を自己責任だと切り捨て、「まだ東北で、地方だったからよかった」とホンネを漏らして事実上更迭。
復興担当だった務台俊介内閣府政務官は岩手県の台風被害視察に長靴を持参せず、職員におぶさってぬかるみを移動。
世論の非難もどこ吹く風で、パーティーで悪びれもせずに「長靴業界はだいぶもうかった」とネタにして辞表を提出させられた。

 桜田義孝元五輪相は高橋比奈子衆院議員のパーティーで「復興以上に大事なのが高橋さん」とおちゃらけて辞任。
国民に寄り添う気持ちなんて、これっぽっちも持っちゃいないヤカラばかりだ。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は言う。
「安倍政権の根底にあるのは選民意識と新自由主義です。
政権やその周辺にいる人々は上級国民を自負し、彼らのやり方に反発する人間は競争を勝ち抜けなかった負け組だと見下している。
相次ぐ不祥事に対する批判を弱者のヒガミだとしか受け止めていないのでしょう。
憲法がうたっているように、この国にヒエラルキーはありません。
社会構造上も階層は存在しないのに、安倍政権はあえて上級国民という特権層を作り始めている。
 思い上がった政治家は内閣からも自民党からもパージされたものですが、今ではそういう人物こそ地位を得ています。
台風被害を巡る二階幹事長の〈まずまずに収まった〉もトンデモないですが、萩生田文科相の発言は地方格差と経済格差を一緒くたにしたもので、差別意識ムキ出し。
地方創生も経済再生も安倍政権の金看板ですが、欺瞞だと認めたようなものです」

 事あるごとに強調される「経済最優先」もマヤカシだ。
 景気はダダ下がり。
「個人的な信頼関係」を誇るトランプ米大統領が仕掛けた米中貿易戦争に翻弄され、アジア蔑視丸出しの対韓輸出規制はブーメランのごとく跳ね返ってきている。
経済指標にも失速がアリアリと表れ、アベノミクスはとんと耳にしなくなった。
「女性活躍」だの「1億総活躍」だのと看板を次々に付け替え、その成果とされる「有効求人倍率1倍超え」は少子高齢化による労働人口減少の結果だし、「失業率低下」は非正規雇用の拡大が背景にある。
実質賃金は8カ月連続マイナス。
それがこの国の現実だ。

 選民思想とオレ様政権で浮かれる体質、弱者を愚弄しながら1億総活躍などと欺くペテン。
そして、イカれた首相にひれ伏す者が重用される。
安倍のオトモダチであれば国家私物化で滴る甘い汁が分け与えられ、違法行為も捜査当局の忖度によっておとがめナシ。
憲法も教育基本法も理解していなくても、支持者ウケする法改正に手を付けられつつある。
法治国家の超法規的存在としてやりたい放題なのである。

■野党は問責決議案で外堀埋め、不信任決議案を
 第4次安倍再改造内閣で辞任1号となった菅原前経産相は公選法違反疑惑が次々に明るみに出て、初入閣を後押しした菅官房長官もかばいきれず、事実上更迭された。

同じく菅プッシュで初入閣した河井法相にも公選法違反疑惑が浮上し、31日朝に辞任した。
しかも、疑惑の中身は妻の河井案里参院議員と夫婦ぐるみである。

 案里は7月の参院選で地元の広島県議から鞍替えし、官邸丸抱えで初当選。
その選挙戦で案里陣営がウグイス嬢に法定上限の2倍に当たる日当3万円を払っていた疑いを、発売中の「週刊文春」が報じている。
 ちなみに、菅原が選挙区の有権者へのメロンやカニ贈答で火ダルマになっている最中、地元でジャガイモを配っていたともいうから、ふてえ夫婦だ。
「今だけカネだけ自分だけ」を地で行く薄汚い政権の本性がここまで露呈してもなおゴマカせると思ったら、大間違いである。

政治評論家の森田実氏はこう言う。

「安倍政権の驕り、緩みは度し難い。
国民の生命も将来も平然と軽視する。
そんな精神は政治家としてはあってはなりません。
野党は問題大臣の問責決議案を参院に提出し、世論の怒りを一層喚起して外堀を埋め、衆院で不信任決議案を突き付けるべきです。
そうやって自民党全体に揺さぶりをかけなければ、この国のモラルは回復不能なレベルまで崩壊してしまう。
国民を蔑み、差別を助長する政権を許したら日本は危ない。
驕れる者は久しからず、にしなければなりません」

 辞任第3号は萩生田か、河野か。
それとも、国会質問流出が進退問題に発展している北村地方創生相か。
暴力団関係者との交際疑惑を抱える「魔の3T」の武田国家公安委員長、竹本IT担当相、田中復興相が続くのか。
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なぜ日本人だとバレた? 海外で目立つ日本人ならではの行動

なぜ日本人だとバレた? 
海外で目立つ日本人ならではの行動
2019.10.31 マネーポストWEB

 近年、訪日外国人客の急増がしばしば話題になるが、日本人の出国者数も着実に増えており、2018年は過去最高を記録。2019年はそれをさらに更新しそうな勢いだ。

日本人と韓国人、中国人、モンゴル人などは、日本人でも見分けがつかないことがあるが、海外に行くと、「あれは絶対日本人」と見抜かれるポイントがいくつかあるという。
それは一体どういう点なのだろうか。
 国籍は日本だが、海外生活のほうが遥かに長く、アメリカ、ドイツ、フランスなどに住んだ経験を持つダイジュさん(40代・男性)は、「日本人はとにかく不用心だ」という。

「尻のポケットから財布が飛び出していたり、カバンのファスナーが開いて財布が丸見えだったり、荷物を置いたまま席を離れたりと、見ているこちらがハラハラするような不用心な人は、まず日本人。
外国人の友達から、『あの日本人、危ないからちょっと注意してやれ』と言われたことは何度もあります。

“席をとっている”ことを示すためか、スマホを置いたまま席を離れる人もいますが、海外なら数分で盗まれてもおかしくないでしょうし、警察に行っても『置きっぱなしにした人間が悪い』という反応でしょう。
電車で寝るのも日本人ですね」(ダイジュさん)

 海外に行ったら気をつけろとは口酸っぱく言われるが、染み付いた習慣はなかなか抜けないということか。
日本の治安の良さは誇るべきことだが、海外でも日本にいるような気分でいれば、トラブルに見舞われるのは必至だ。

 一方、実害はないものの、海外で何となく気恥ずかしい気分にさせられるのがエレベーター。
欧米諸国を計10年以上渡り歩いたマサヒコさん(40代・男性)はいう。
「いつまで経っても慣れなかったのがエレベーターです。
私はアメリカ、フランス、ベルギーなどに住みましたが、エレベーターの“閉まる”ボタンは押さない人が圧倒的に多く、そもそも“閉まる”ボタンがないエレベーターも少なくありませんでした。
外国人の同僚とエレベーターに乗って、一生懸命“閉まる”ボタンを押していたら、『5秒で何ができる?』とからかわれたことがあります。
“閉まる”ボタンをバンバン押すのは、日本人ならではですね。

 フランスにいた時、事務所が入っているビルのエレベーターには“閉まる”ボタンがありませんでしたが、階数ボタンを押した後に“閉まる”ボタンを押すクセが染み付いており、階数ボタンの上にある非常ボタンを何度か押して係員に怒られていました(笑い)」(マサヒコさん)

 エレベーター以上に日常的に利用するトイレでも、日本人は特徴があるという。
ヨーロッパの有名観光スポットで働き、常日頃から多くの国の人と触れ合っているチカさん(40代・女性)がいう。
「私の職場では多くの人たちが働いていますが、彼らが口を揃えて言うのが、『日本人はなぜあんなにトイレに行くんだ?』という疑問です。
日本人なら、観光地に着いてバスを降りる度にトイレの場所を確認し、出発前にトイレに行くのは当たり前ですが、外国人の目には頻繁すぎると映るようです。
『日本人は、わざわざ飛行機に乗って、ヨーロッパのトイレを見に来たのか』と言われたこともあります」(チカさん)

 外国語が苦手な人間が多いのも日本人の特徴。
異国の地でトイレパニックに陥りたくない心境もあるのかもしれないが、貴重な滞在時間をトイレに費やしすぎるのは確かにもったいない気もする。

 最後に、“主に女性”という条件付きの特徴が、歩き方だ。
世界中から学生が集まるアメリカの大学に留学したヨウコさん(30代・女性)は、日本ではまったく気付かなかった事実を知り、ショックを受けたという。
「日本では1度もなかったのに、海外では『コンニチハ〜』とか『ニッポンジンですか〜?』など、男性からよく声を掛けられました。
基本的に無視していましたが、ある時、『何で日本人って分かるんだろう?』と思い、友達の男の子に聞くと、
『誰だって分かるよ〜。
日本人は綺麗だけど、歩き方が綺麗じゃないから』と言われました。
他の友達も頷いていたので、皆そのように思っているようです」

 ヨウコさんはそれ以来、歩き方を意識するようになり、その甲斐あって(?)「コンニチハ〜」と声を掛けられる回数は減ったそう。
歩き方に関しては、“これも日本人の個性”と開き直る手もあるが、外国人がそのように見ているという事実は知っておいても良さそうだ。
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2019年11月02日

ひそかに進む消費税「再増税」準備

ひそかに進む消費税
     「再増税」準備
11/1(金) 毎日新聞

 国民民主党の古川元久代表代行は毎日新聞政治プレミアに寄稿した。

10月1日に実施された消費税率10%への引き上げについて税率だけではなくその性格も大きく変わったとして「将来のさらなる消費増税へ向けての環境整備が行われた」と語った。
 旧大蔵省出身の古川氏は「消費税の変質」について2点を指摘する。

 1点目は「1対1対応で価格に転嫁することを放棄した」点だ。
このため「今後、消費税は事業者にとって法人税などと同様、事業にかかるコストの一つであり、そのコスト転嫁の方法は、事業者の自由な価格設定にゆだねられることになる」と指摘。
 「中小零細企業は消費税負担を消費者に転嫁できず、収益が圧迫されることになるのは必至だ」とした。

 2点目は内税となって消費税分も含めた総額表示が強制されるようになると「消費者は徐々に消費税を意識しなくなる」という点だ。
 古川氏は「欧州はすべて内税のため税額の変化は消費者からわかりにくい。
日本のように税率の変化の前後で、大きな駆け込み需要や反動減が起きることもない。
政府は欧州と同じようなものに消費税を変えようとしている」と指摘する。

 「それは取りも直さず将来のさらなる消費増税に対する国民の反発が少なくなることにつながる」と述べ、今回の「消費税の変質」は将来の消費税再増税の布石だと語った。
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2019年11月03日

お金やモノが増えると「心」が貧しくなる理由

お金やモノが増えると「心」が貧しくなる理由
2019年11月02日 PRESIDENT Online

■老後のお金が足りないのではないか
金融庁金融審議会が、「公的年金だけでは、老後の生活資金が2000万円不足する」という試算を出したことは記憶に新しく、老後の生活資金に不安を覚えた人もいるかもしれません。
しかし、会社に定年まで勤めて、厚生年金を受給しているシニア世代の多くは、贅沢をしなければ生活に困窮することはないでしょう。

それに、お金の多寡だけで、豊かさが決まるわけでもありません。
私の母は父を亡くした後、60歳から77歳で亡くなるまでの18年間、月約17万円の遺族年金を受け取り、家庭菜園の世話などをしながら、悠々自適の一人暮らしをしていました。
そして「あなたみたいに朝から晩まであくせく働かなくても、あなたよりもずっと心豊かな生活で幸せよ」と口にしていました。

そこで、老後の生活を考えるときにおすすめしたい本が、20世紀を代表する評論家の1人、中野孝次氏が著した『清貧の思想』です。
日本で古来、脈々と受け継がれてきた「清貧」を尊ぶライフスタイルに注目し、それを再評価したものです。

本書は、バブル経済崩壊直後の1992年に出版され、たちまちベストセラーになりました。
バブルの夢から覚めた日本人は、金銭欲と物欲を追い求める価値観を見失い、虚脱状態に陥っていました。
そこに「精神的な豊かさ」という新たな価値観を示され、心引かれたのでしょう。

■清貧を貫いた本阿弥光悦
そして本書では、清貧で知られた古の文化人たちを、人生の達人として紹介しています。
戦国末期から江戸初期にかけて幅広く活躍した芸術家、本阿弥光悦は、京都屈指の富豪に生まれながら、清貧を貫いた1人ですが、中野氏はその母、妙秀が、光悦の生き方に影響を与えたと指摘しています。
こんなエピソードが、本書に載っています。

光悦は若い頃、茶の湯に凝っていて、あるとき、お気に入りの「瀬戸(せと)肩衝(かたつき)の茶入れ」を買い、懇意にしていた大名、前田利長に見せにいきました。
すると、帰りがけに前田家の重臣たちから、「殿もお気に召したようだから、白銀300枚で譲るように」と懇願されましたが、丁重に断ったのです。
その顛末を帰宅してから妙秀に話したところ、「よくぞ、断った」と大いに喜んだそうです。

お金に左右されず、「純粋に茶の湯を楽しむ」という精神を優先した光悦の姿勢を、妙秀は高く評価したわけです。
清貧は、「貧乏」とは違います。

貧乏の場合、お金がなく、貧しい暮らしをせざるをえない
しかし、清貧の場合、お金があるにもかかわらず、「物質的に豊かな暮らし」をあえて求めないのです
所有するお金やモノが増えると、それらに人生を支配されるようになり、精神的な豊かさが奪われてしまうからです

また本書は、僧・源信が『往生要集』で示した
「足ることを知らば貧といへども富(ふ)と名づくべし、財ありとも欲多ければこれを貧と名づく」という教えを紹介しています。

財産は整理し、少数の気に入ったモノにこぢんまりと囲まれつつ、心豊かに暮らしていく。
そう考えていけば、老後のお金の心配など解消するのではないでしょうか。

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小宮 一慶(こみや・かずよし)
小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO
京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学、東京銀行などを経て独立。
『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』など著書多数。
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2019年11月04日

安倍内閣、説明なき「トップダウン政治」の功罪

安倍内閣、説明なき「トップダウン政治」の功罪
身内で決める政治が覆い隠す政策決定過程
2019/10/28 東洋経済オンライン
薬師寺 克行 : 東洋大学教授

どうも安倍内閣は、重要な政策を何の前触れもなく、突然決めることが好きなようである。
10月18日には国家安全保障会議の4大臣会合で、安倍晋三首相が自衛隊の中東派遣の検討を指示した。
実際に派遣するのかどうかあいまいな話だが、直後の記者会見で菅義偉官房長官がオマーン湾やアラビア海北部の公海などについて具体的に言及していることから、政府内部ではすでに派遣を前提に細かく検討していることがわかる。
つまり「検討指示」であるが、実質的には派遣という結論が先にありきの話のようだ。

自民党は戦後長らくボトムアップ政治だった
それにしてもなぜ、今なのか。
ホルムズ海峡などで散発的にタンカーが何者かに攻撃される事件が起きているが、日本船主協会の関係者は「現地は深刻な状況ではなく、通常の航行をしている」と語っている。
アメリカの強い要求があったのか、それとも何かほかの理由があるのか。

当の防衛省の幹部でさえ「首相官邸が決めれば従うだけです」と当惑している。
突然の政策決定は今回の自衛隊派遣問題だけではない。

7月の韓国に対する輸出規制強化もいきなりの公表だった。
韓国政府の受けた衝撃は大きく、「禁輸措置だ」「日本が貿易戦争を仕掛けてきた」と大騒ぎになり、その余波は今も続いている。

さらにさかのぼれば、2度にわたる消費増税の延期も唐突だった。
権力者の政権運営の手法には、最高権力者とその周りの側近らだけで物事を決めてしまう「トップダウン方式」と、広く与党や国会、官僚組織の議論や検討を踏まえて決めていく「ボトムアップ方式」がある

戦後長く政権を維持してきた自民党の歴代首相の多くは典型的なボトムアップ方式をとっていた。
首相が大きな方針を打ち出し、担当の省庁が具体的な政策案を検討する。
その過程で自民党の部会や政務調査会が開かれ、業界団体などの要求を踏まえた議員の声が反映されていく。
首相の一存だけで物事を決めない、「和」を重視した手法である。

安倍内閣は身内だけで重要な政策を決める
安倍首相のやり方は、こうした伝統的な自民党の政治手法と性格を異にする。
気心の知れた政治家や官僚を首相官邸の主要なポストに就けて、少人数の身内だけで話し合って重要な政策を決めていく
その過程での情報管理も徹底しているため、本来の担当省庁でさえほとんど関与することはない。

今回の自衛隊の中東派遣問題も、防衛省の幹部会で正式に提示されたのは4大臣会合の後であり、多くの幹部が会合後に初めて詳細を知ったという。
一昔前であればこうしたやり方に対して、まず自民党内から「独裁だ」などと強い不満や批判が出ただろう。
しかし、自民党幹部からも部会や政務調査会からも異論や批判はほとんど出なくなった。

かつては野党の役割も大きかったが、小政党に分散してしまった現状では追及に力がない。
政策決定過程や政策の内容について国会の場でいくら問題点を指摘しても、簡単にかわされている。
霞が関は「単なる実施機関」に 霞が関の役割にも変化が起きている。

ボトムアップ方式だと、各省の中堅官僚らが知恵を絞って政策を企画立案し、さまざまなプロセスを経て閣議決定などに持ち込んでいた。
ところが今、政策は上から降りてくる
官僚たちが政策を創るのではなく、単なる実施機関になりつつある
むろん、首相官邸が決めた方針に異論をはさむことなど許されない話である。
こうした構図が「安倍一強」と呼ばれる実態なのだ。

やや性格が異なるが、北方領土問題の交渉方針の大きな転換も少数者による決定であり、それがいつの間にか既成事実化してしまったケースだ。
日本政府の基本方針は「4島返還」だったが、安倍首相は昨年11月のプーチン大統領との会談の場で、「2島返還+α」を提起したとされている。
それは表向き「56年宣言を基礎にして」という言葉に集約されている。
この重要な転換がいつ、だれがどういう理由で決めたのか、そして、その後の交渉がどうなっているのかはまったく不明である。

誰にも文句を言われないで身内だけを相手に相談し、自分の思うように国を動かすことができるトップダウン方式の政策決定は、権力者にとって魅力的であることは言うまでもない。
小泉純一郎首相もトップダウン方式で郵政民営化などを進めた。
ただ、安倍首相の手法とはかなり異なっている。

小泉首相は「自民党を抵抗勢力だ」と批判し、政府内の「経済財政諮問会議」などの公的組織を使って、入念な議論を重ねて政策を形成していった。
何が問題でどういう議論が行われているかという過程は、外部から見ることができた。

これに対し安倍首相の手法は、内閣官房長官、副長官、首相秘書官、首相補佐官、国家安全保障局長ら、極めて限られた人たちだけが関与し、その過程はほとんど明らかにされていない。

安倍政治のプラス面は何か
安倍首相の手法にプラス面があるとすれば、変化の速い内外の情勢に迅速に対応できることだろう。
また異論や批判が表面化しない分、政策遂行力が高まる。
関係省庁や関係団体などの利害調整を最小限にできるため、政策がゆがめられることが少なくなり、合理性が高まるだろう。

これに対し長く続いて生きた自民党的ボトムアップ方式の政策決定は、各省や支持団体などの利害調整に時間がかかり、政策を迅速に決定できなかった。
そして、各方面に配慮した結果、政策がゆがみ、しばしば合理性を欠いた。
何よりも問題なのは、少なからぬ議員が利益誘導に走り、関係者に見返りを要求するなど腐敗の温床になりがちだった点だ。

それでも、安倍首相流のトップダウン方式にはやはり問題点の方が多い
今回の自衛隊派遣指示問題もそうだが、なぜ、いま自衛隊派遣なのか、具体的に何をするのかなど、肝心なことがほとんど説明されないまま、物事が決められていく

政策決定過程の議論がまったく表に出ない
首相官邸の少数の人間だけで政策を決めているため、政策決定過程の議論がまったくと言っていいほど表に出ない
つまり、「密室の決定」になっているのだ
そして公表されるのは都合のいい部分、問題のない部分だけに整理されてしまう。
政策についての詳細な説明もないため、その政策がうまくいったのかどうかの評価もしにくくなっている。
情報を開示すればするほど、さまざまな立場の組織や人たちから異論や批判が出て円滑に政策を決めにくくなる。
ゆえに安倍首相の手法は、政府内の議論はもちろん、与党内の議論も、国会での十分な議論もなされていない。

これは長期政権のなせるわざであり、これまでの日本政治に例のない、どちらかと言えば権威主義的国家に近い形での政策決定となっている。
こうした点はマスコミでしばしば「官邸官僚」「側近政治」などと表現されている。
しかし、こうしたシステムは法律などによって制度化されておらず、非公式な手法によって行われていることが問題であろう。

安倍首相の個人的人間関係が色濃く反映された人事によって、首相官邸に政治家や官僚が集められ、非公式な会議、打ち合わせなどで物事が実質的に決められている

民主主義の基本原則は、多少時間がかかっても多くの人が意見を言い、政治が利害を調整し、合意形成していくことにある。時にそれが不毛な議論であることもある。
しかし、そうした時間と努力を積み重ねて初めて国民が納得する。
そういう観点から見ると、安倍首相の手法は国民の視野に入りにくい、密室的な政治だと言わざるを得ない。
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2019年11月05日

活用されないマイナンバー、無駄の多さにウンザリ

活用されないマイナンバー、無駄の多さにウンザリ
まいどなニュース 2019/11/04
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

昨年父が亡くなり、残された家族が行わなければならない手続きの大変さに直面した。
父の遺産相続、母が独りで住み続けることになった市営住宅の名義変更、遺族年金の請求など…。
手続きに次ぐ手続きの中で、マイナンバーがまったく活用されていない現実に愕然とした。
いささか愚痴っぽい内容かもしれないが、「手続きがもっと簡潔に効率よく進むようになってほしい」との思いを込めて、気になったことをまとめたい。

遺産相続からスタートして市営住宅の名義変更、そして遺族年金の請求と、すべての手続きが終わるまでに3カ月ほどの日数を要した。
一連の手続き書類を作成する際に何が面倒なのかを一言で言い表すと「同じことを何度も書かされること」だ
記入する内容に重複が多すぎる
どんな書類にもほぼ共通している記入事項は氏名・住所・生年月日・電話番号で、提出先によってはほかに死亡年月日・年金番号・続柄・金融機関の口座情報が加わる。
それを書類ごとに、いちいち書かねばならない。

なぜそうなってしまうのか理由は明らかで、書類ごとにフォーマットが異なるからだ。
同じ役所へ提出するのであれば、書類の名目が異なっても記入欄が同じ位置(たとえばA4サイズの左上など)になるようにフォーマットを整理して、カーボンで複写すれば1回の記入で済むはずだ。
   ◇   ◇
相続も遺族年金も、ひととおり手続きが済んで落ち着いた頃、区役所から1通の封書が届いた。
開けてみると「後期高齢者医療保険料還付通知書」という書類で、上半分が「納めた金額」と「返される金額」の内訳。
下半分が「還付請求書兼口座振替申出書」になっていた。

父が亡くなったことで、納め過ぎになっている保険料を返すから請求書に記入して提出しなさいという趣旨の書類である。
同封されていた記入方法の説明によると、被保険人(亡父)と入金先口座の名義人が異なる場合は、戸籍謄本を添えて提出するように書いてあった。

そのような手続きが発生することは仕方ないが、区役所へ提出する書類を区役所へ取りに行くという、まるで冗談のような無駄を強いられることが釈然としない
しかもこの書類は、これ以降、なぜか五月雨式に毎月送られてくるようになった。
何故こんなことになるのか、3回目が送られてきたときに役所へ電話をかけて問い合わせてみた。
「まだ続くのですか?」 「還付が発生している月数分あります」
「いっぺんに計算して、合算できないの?」 「月ごとに計算しますので――」

毎月続くということは、戸籍謄本もその都度取らないといけないのかと尋ねたら、電話の相手は「そうなりますね」という。もっとも請求期限が2年あるから、2回目以降の分は溜めておいて、あとから一度に出せばいい。
幸い、2回目に届いた請求書は提出せず、まだ手元にあった。

そもそもマイナンバーカードを使ってコンビニで戸籍謄本を取れる時代なのに、わざわざ「紙」で提出する必要があるのだろうか
請求書にマイナンバーを記入させて、データベースに照会すれば済む話ではないだろうか
さらに言えば、そうやって毎月のように還付請求書を送ってくるのであれば、口座情報も氏名もその都度書かせる意味があるのか疑問である。
変更があったら、そこだけ修正すれば済むはずなのに、わざわざ無駄に無駄を重ねているようにしか見えない。

後日、役所の保険担当職員と電話で話す機会があったとき、現状の手続き方法に無駄や重複が多いことと、改善に向けた検討をするよう上級機関へ進言してほしいと要望を伝えたことがある。
反応は予想に違わず、要約すると「現状を変えるつもりはない」と受け取れた。

思い返せば、遺族年金の手続きをする際にも、黙っていても年金事務所から「手続きを開始してください」という通知が届くことになっていたそうだが、区役所で死亡届を受理したあと年金事務所から通知を出すまで3カ月かかるといわれた。
あのときも、互いにデータをリンクさせておけば一夜で済む話ではないかと思ったので、窓口でそのように伝えてみたが返答は芳しくなかった。
そもそも遺族年金の請求書1ページ目には、マイナンバーを記入する欄が設けられていた。
あれは何のために書かせたのだろうか。

役所の手続き方法を決める権限のある方々には、利用者の負担を最小限に抑えるべく、手続きの簡素化に向けて努力をしていただきたく、切に願う
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どの口が言うアスリートファースト、IOCは何様だ

どの口が言うアスリートファースト、IOCは何様だ
2019/11/05 Japan Business Press
筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家

 来年(2020年)の東京五輪でのマラソンと競歩がIOCの独断で札幌市に変更されることが決まった。
 私はもともと東京でのオリンピック・パラリンピックには反対だった。
この考えは今も変わりはない。

東京には、あまりにも何もかもが集中し過ぎている。
働く場所も、人口も、交通量もすべてが東京に集まっている。
飽和状態と言っても良い。
観光客も多数が東京に押しかけている。
日本の他の都市でオリンピック・パラリンピックを開催することは結構だが、東京で行う必要などない。

 だが、たとえそうであったとしても、今回のIOCの一方的な開催場所の変更には“ふざけるな”と言いたい。
小池百合子東京都知事があくまでも東京での実施を求めたのは、当然のことだ。
東京都はこれまで暑さ対策として多額の経費と時間、エネルギーをかけ、さまざまな対策を講じてきた。
「地元の人の気持ちをないがしろにできない」と語り、今回の決定を「合意なき決定」と言った小池都知事の思いはよく分かる。

IOCの傲慢と森会長の無責任に呆れる
 解せないのは東京五輪大会組織委員会の森喜朗会長らの態度だ。
IOCの一方的な決定に一切抵抗することなく、すんなりと受け入れているからだ。
しかも東京都には知らせてもいない。
一体、どこの会長なのか。

仮にIOCから話があれば、主催者である東京都の意向は聞いたのか、東京都は納得しているのか、などを問いただすべきだろう。
小池都知事が「どうして私には電話をくださらなかったのか」と怒りをぶつけていたのも当然だ。

 いくらIOCが傲慢だとしても、日本側の誰とも一切話し合わずに札幌への変更を決めたとは思えない。
誰かが相談していたはずだ。
森氏から事前に官邸などへの連絡があったという報道もある。
小池都知事だけが、外されていたのだ。
この一件1つとっても森氏に会長の資格はない。

 IOC、組織委、東京都、政府の4者会議でも森会長は、「暑さは自然相手なので、何が起こるかわからない。
その中でIOCから提案されたことは十分理解できる」などと平気で語っている。
何という無責任さだろうか。
自分も東京への招致活動をしてきた中心人物の1人ではないか。
東京の夏が暑いのを知らなかったとでも言うのか。

 森氏は小池都知事が嫌いなようだが、そんな個人的、政治的思惑を東京五輪に持ち込んでいるとすれば、会長の資格などない。
そもそも森氏は、かつては支持率8%という「超」がつくほどの低支持率しかなかった政権のトップであった。
それが東京五輪会長とは、他に人はいないのか。
情けない。

暑すぎて注意報が出るのが日本の夏
 IOCのバッハ会長やコーツ調整委員長らは、9月に行われたドーハでのマラソンや競歩で多くの棄権者が出たことを札幌への変更の理由にしている。
 五輪招致委員会と東京都が作成した立候補ファイルには、「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリート が最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と書かれていた。
当時の知事であった猪瀬直樹氏はこれについて、「酷暑と書けるわけがない」という趣旨のことをテレビのインタビューで語っていたが、それはその通りであろう。

 しかし、東京の7月、8月が何日も猛暑に襲われ、熱中症で死者まで出ていることは、誰でも知っていることだ。
一生懸命招致活動をした人たちも、IOCのメンバーだってそんなことは百も承知のことだったはずだ。
それでも東京を選んだのだ。  

私が7月、8月の東京五輪に反対する理由の1つがこの猛暑である。
“できるだけ外に出ないように”“家ではクーラーをつけるように”という注意報が出るのが日本の夏なのだ。
 それをわかっていながら今さら「アスリートファースト」などとよく言えたものだ。
IOCにアスリートファーストなどと語る資格ない。

マラソンと競歩を札幌に移したが、他にも心配な協議(競技)はいくらでもある。
暑さに弱い馬の馬術などもそうだろう。

北半球の夏季オリンピック、もう止めるべきだ
 小池都知事が、11月1日の定例会見で、東京五輪のマラソンと競歩が、暑さ問題を理由に札幌に会場が変更となったことに関連して、「7、8月のこの時期の(五輪)開催は難しい。
10月だって台風が来る。
近年の地球温暖化、気候変動という現状を考え、大会のあり方を議論すべきだと思う」と指摘し、「(現状の気候では)北半球のどこをとっても、過酷な状況になるのではないか」と語った。

 この日、IOCなどとの4者協議の場でも「持続可能性ある五輪の将来に向けて、問題点を指摘した」とも述べたそうだ。2023年の次回開催地に予定されているフランスのパリでも、今年気温40度に達したことを引き合いに、小池都知事は「アスリートファーストというなら、この点がいちばん大きいと思う。

議論の前に、リアルな問題でもあり、今後どうするか早く議論するテーマではないか」と述べ、IOCなどに早急な議論開始を求めたそうである。
 もっともな指摘である。
私は、この時期のオリンピックはもう止めるべきだと思う。
IOCの無責任な連中に振り回されてはならない。

それでも酷暑の時期にやる理由とは  1964年の東京オリンピックは10月開催だった。
開会式が行なわれた10月10日は、長い間「体育の日」とされてきた。
温暖化が進んだ今では、10月も決して涼しいわけではない。
何しろ11月に入っても25度を超える夏日があるくらいだ。
 それよりもさらに暑い7月、8月にやるのはそもそも無理がある。
五輪憲章には、「競技実施期間は16日間を超えてはならない」という規定があるが、夏季五輪の開催時期に関する規定はないそうである。
したがって7月、8月でなければならない理由はないのだ。

 なぜこんな無理な時期に行うのか。
それは巨額の放映権料を得るためだ。
 IOCの財政の約6割は放映権料が占めているそうである。
その額は驚くほど巨額だ。

アメリカの放送局NBCは、2014年の冬季ソチ五輪から、まだ開催地も決まっていない2032年の夏季五輪までの10の大会に対して120億ドル(約1兆3000億円)を支払うそうである。
単純に計算すれば、東京五輪でも約1300億円の放映権料がIOCに支払われるということである。
 ちなみに日本のNHKと民間放送局も合同で2018年の平昌(ピョンチャン)五輪から、2024年のパリ五輪までの4大会に約1100億円を支払うことになっている。
平均すると1大会275億円である。
 このアメリカの放送局の意向がオリンピック開催時期に大きく影響するということだ。
ヨーロッパではワールドカップ以上にサッカーファンが熱狂するといわれるヨーロッパチャンピオンズリーグが9月に始まる。アメリカでは10月にメジャーリーグのワールドシリーズが行われ、アメリカンフットボールも始まる。
この放送と重ならないために、7月、8月の猛暑にオリンピックを開催するようになってしまったということだ。

 平昌五輪でも、アメリカの放送局の都合に合わせるために、異常な競技日程が組まれていた。
羽生結弦のフィギュアスケートはお昼に行われ、葛西紀明のスキージャンプは、日付が変わるような真夜中に行われた。
 東京五輪も実は同じことが行なわれる。
陸上のトラック、フィールド種目の一部や、バスケットボール、ビーチバレーの決勝を午前開始のセッションで実施することが、すでに確定しているのだ。
競泳も準決勝、決勝はすべて午前10時30分から12時30分に設定されている。
普通は、この時間こそ予選なのだが、予選と決勝が逆転しているのだ。
すべてアメリカのテレビ放送に配慮したものなのだ。

「アスリートファースト」より、カネが大事、それがIOCなのだ。
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2019年11月06日

三原じゅん子議員は議院内閣制も知らなかった?

三原じゅん子議員は議院内閣制も知らなかった?
「私たちは政権握ってない」
「握っているのは総理大臣だけ」と自信満々に
2019.11.04 LITERA編集部

 自民党の三原じゅん子参院議員が、国会議員とは思えないトンデモ発言をして、失笑を買っている
11月1日、自民党女性局がツイッターで役員人事を紹介したところ、その顔ぶれに非難が殺到。
ところが、そのなかの〈こんなんが政権握ってりゃ世の中、良くなる訳ない〉というコメントに対して、女性局長の三原がこんなリプを飛ばしたのだ。

〈私たちは政権握っていませんよ(笑)〉(11月2日)
〈皆様、コメントが凄いことになってますね〜(笑) では、正確に申し上げましょう。 政権を握っているのは総理大臣だけですよ。〉(11月4日)

 いったい、この人は何を言っているのか。
いまさら説明するまでもないが、
日本の政治は大統領制ではなく議院内閣制。
議院内閣制では、首相は議会(の多数派=与党)から選ばれ、与党が内閣を形成する。
内閣は国会の信任をベースに存立しており、現在で言えば与党自民党(と連立する公明党)が政権を担っている。

それを「私たちは政権を握っていない」「政権を握っているのは総理大臣だけ」って……。
 たしかに三原はこれまでも数々のトンデモ発言を公の場で披露してきた。
たとえば、2015年の参院予算委員会では「ご紹介したいのが、日本が建国以来、大切にしてきた価値観、八紘一宇であります」と戦前のカルト軍国主義思想を開陳。

2016年参院選のテレビ東京の選挙特番では、「神武天皇の建国からの歴史を受け入れた憲法をつくりたい」と発言し、MCの池上彰から神武天皇は実在の人物だったとの認識かを問われ、「そうですね。そういうふうに思ってもいいのではないか」と神武天皇は実在していたという“珍回答”をし、呆れた池上に「学校の教科書でも神武天皇は神話の世界の人物ということになってますが?」とツッコまれたこともある。

「八紘一宇」も「神武天皇は実在」も相当にヤバイが、三原はいま、国会議員なのだ。
それなのに、小学生でも知っているような日本の政治制度を知らないなんて、いくら何でもひどすぎるだろう。

 三原は後になって、「行政府の長は首相と申し上げたもの」などと必死でごまかしていたが、ツイッターを見ればわかるように、「政権を握っているのは総理大臣だけ」と自信満々に(しかも上から目線で)断言している。
明らかに日本の政治制度を大統領制かなにかと間違えていたのだ。
 いや、もしかしたら大統領制どころではないかもしれない。

というのも、三原議員には今年6月、安倍首相に問責決議案が提出されたときの反対演説で、野党に「安倍総理に感謝こそすれ、問責決議案を提出するなど、愚か者の所業」「恥を知りなさい」と時代がかった啖呵を切り、国民を呆れさせた一件があるからだ。
 このとき、ネットでは「カルトに国会が乗っ取られた瞬間」「この口調、まるで、どこかの独裁国家の放送かと思った」「野党にまで首相への感謝を要求するって、この国は独裁国家か」という声が上がっていたが、三原議員は本気で日本を「安倍首相の独裁国家」だと思っているフシもあるのではないか。

三原に、青山繁晴、杉田水脈も…
自民党女性局役員の顔ぶれには「極右議員トーナメント」の声 
 こんな思想の人間が“政権”与党の国会議員を務め、自民党で女性政策に取り組む女性局長だというのは戦慄が走るが、しかし、問題は三原議員だけではない。
 前述したように、三原議員の「私たちは政権を握っていない」「政権を握っているのは総理大臣だけ」発言は、11月1日に自民党女性局のツイッターアカウントが〈お待たせいたしました❣ 私たち #自民党女性局 の役員たちをご紹介いたします まずは組織図から!〉として、女性局の組織図を所属議員の写真入りで紹介。
この顔ぶれについて、ユーザーから非難が殺到したことが発端だった。

 しかし、その組織図を見ると、これがまあ本当にとんでもないのだ。
何しろ、女性局長が三原議員(4回目)、
女性局長代理に“ネトウヨの尊師(グル)”青山繁晴参院議員、
研修部部長兼事務局長兼web会議担当にツイッターで野党叩きのフェイクを拡散している小野田紀美参院議員が並び、さらに「生産性」発言をはじめ数々のヘイト発言で知られる杉田水脈衆院議員や夫の河井克行・前法相とともに公選法違反疑惑渦中の河井あんり参院議員なども名前を連ねている。
 これが女性問題に取り組む女性局……。

 むしろ安倍首相のお気に入り、取り巻きの極右カルト議員を並べただけではないか。
実際、この組織図について、ツイッターではこんなツッコミの声が上がっていた。
〈地獄の「極右議員トーナメント」かと思った。〉
〈鉄砲玉一覧表にしか見えない〉
〈名誉男性一覧表ですね〉
〈安倍晋三の喜び組だらけ〉  

どれもこれも思わず膝を打ちたくなる、言い得て妙なツッコミばかりだが、恐ろしいのは、これ、たまたま女性局にだけ当てはまる話ではないことだ。
 自民党はいま、あらゆる部署で、安倍首相に心酔し、安倍首相が総理大臣という立場上表立っては公言できないその極右ヘイト思想を鉄砲玉として発言する人間が優先的に公認を受け、党内で重宝され出世していく構造になっている

 ようは、自民党全体が「極右議員トーナメント」「安倍首相の鉄砲玉一覧表」状態なのだ。
 その意味で三原議員の言った「政権を握っているのは総理大臣だけ」というのは、小学生の社会のテストなら0点だが、現状認識としてはあながち間違いではない。

 極右思想に凝り固まり、おともだちの利益のことばかり考えている総理大臣と、その総理大臣に心酔しているだけで、日本が民主主義国家で議員内閣制を採っていることすらわかっていないような知識しか持ち合わせていない国会議員だらけの政党に、この国の政治は完全に乗っ取られているのだ

 三原義員の発言はそのことをあらためて国民に教えてくれたと言っていいだろう。
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2019年11月07日

災害救助の救世主、自衛隊ヘリは命懸け

災害救助の救世主、自衛隊ヘリは命懸け
2019/11/05 Japan Business Press(西村 金一 )

 台風19号により、長野県を流れる千曲川の堤防が決壊した。
家族ら3人が避難した2階まで泥流が迫り、家屋を呑み込む危険が迫っていた。
 雲は低く垂れこめていたが、自衛隊のヘリコプター「ブラックホーク」が低空飛行で現れ、その3人をロープで吊り上げて救助した。

 自分の命が危機に陥れば、一刻も早く救助に来てほしい。
誰もがそう思う。
悪天候や夜間でも、派遣されるのは自衛隊のヘリや救難飛行艇だ。

 だが、いつでも、どこにでも、短時間で、派遣されるかと言うとそうではない。
 救助を求める場所がヘリ基地の近傍にあれば、短時間に到着できるが、基地から遠いと、時間がかかる。
 経路上の山に厚い雲がかかっていれば、救助を諦めて、途中で引き返さなければならないこともある。
 台風による災害が広域に発生した場合、特に悪天候であればあるほど、航続距離が長く、高性能の「ブラックホーク」による救助活動が効果的だ。

 私は、空挺部隊の降下長(Jump Master)の資格を持ち、かつヘリ偵察の経験者として、救助するヘリについて紹介したい。
 なぜなら、この救助活動は、淡々と実行されているようだが、実は悪天候などの場合には、このヘリのパイロットも救難員も、誤れば死という境界で行動しているからだ

命懸けの緊急救助活動
 霧・雲・雪の中や、月も星もない夜、突風を受ける気象条件下で、ヘリが救助のために被災者に接近し、被災者をロープで吊り上げて救出する。
 テレビでよく見る光景だ。
見ている人には、普通に淡々と行われていると映っているだろう。
 実は、厳しい訓練を積み重ねて、特殊な技能を持った者だけが、恐怖を克服して、やっとできるものだ
 私は、彼らが「天候気象が悪い危険な現場で、必死に黙々と行動している」ことに、賛辞を送りたい。

 では、雲がかかっているとなぜ飛行が難しいのか。
私の経験から述べる。
 前方がガラス張りの小型のヘリでは、薄い霧のような小さな雲の中を通過するだけで、一瞬、前方が見えなくなる。
 雲の塊に入ると、牛乳の中に入ったような感覚を受ける。
小型ヘリでも時速200キロで飛行する。
 空港の周辺では航空管制の誘導を受けるので安全だが、そこから外れると視認できなければ、高圧線や他の航空機に衝突することもある。
 見えない状態のまま時速200キロで飛行することは、極めて恐ろしい。

 悪天候の中飛行し、山に衝突して、ヘリがバラバラに砕け、搭乗員が死亡する事故が起きている。
厳しい気象条件のもとで、事故なく常に安全に飛行できているわけではないのだ。

 1994年12月、奥尻島の救急患者を空輸するため、航空自衛隊の救難隊のヘリが、雪の降る悪天候にもかかわらず、千歳空港から奥尻島に向けて発進した。
 警察や消防のヘリも飛べなかったところを、千歳救難隊のヘリが任務を受け、飛行中に雪山のユーラップ岳に墜落して、搭乗者全員が死亡した。

 2007年、徳之島の救急患者を空輸するため、夜の11時過ぎ、濃霧の中、陸上自衛隊のヘリが沖縄から徳之島に向かい発進した。
 星明りもない海の上や山々を飛行することは、前方が見えなくて極めて難しい。
このヘリは、目的地である徳之島の山に激突して、搭乗者全員が死亡した。
 機長は、産経新聞社から国民の自衛官賞を受賞したほどの、誠実かつ献身的に任務を遂行してきた人物で、あと数カ月すれば定年を迎えるところだった。

 このほかにも、多くの自衛隊ヘリパイロットが、緊急を要する人命救助などを優先するために、悪天候にもかかわらず飛行して殉職している

 一方、事故にはならなかったが、危険であることを覚悟して飛行し、任務を遂行した例も多い。
 例えば、福島第一原子力発電所の建屋が爆発し、放射線が大量に放出され、原子炉を早急に冷却することが求められた時に、被曝して生命の危険があったにもかかわらず、自衛隊のヘリが原子炉の真上を飛行し放水したことなどである。

自衛隊ヘリ基地には反対の声
 自衛隊のヘリ部隊が配備されている基地では、騒音苦情や建設反対の声が強い。

 2014年に御嶽山が噴火し、今年の台風19号で長野県や栃木県では河川が氾濫し、多く登山者や住民が救助を求めた。
 そこに、駆けつけたのが群馬県と栃木県に配置されている陸上自衛隊第12師団第12ヘリ隊だ。
 この基地のヘリは、首都圏で大災害が発生した場合には、空から短時間で救助に駆けつけ、災害派遣部隊を迅速に空輸することができる。

 ヘリは、固定翼機と異なり航続距離が短いので、ヘリ基地が被災地の近くでなければ、迅速かつ効果的な救助活動はできない
 この意味で、この2つの基地は重要な位置に設置されているということだ。

 だが、榛名山の麓にヘリ基地を置くことに対して、建設前に、周辺地域の住民からに大反対の声が上がった。
 静かだった村に大型ヘリが来れば、騒音で住みにくくなる、丹精込めて作ったぶどう園に砂ぼこりがかかるなどで営業できなくなるといった理由だった。

 反対の意見は理解できる。
私は当時、この地にある師団司令部の幕僚をしていて、自治体や地域住民の理解を得ることが非常に難しかったことを覚えている。
 司令部では、「ここにヘリ基地ができないようであれば、自衛隊はこの地から撤退せざるを得ないかもしれない」という話も出た。
 それでも、説得に説得を重ね、防衛行動や災害派遣の任務の理解を得ることができて、建設することができた。

 もし、地域住民の理解が得られず、この地にヘリ基地が建設されていなかったら、現在発生している災害に、ヘリを使った効果的な救助活動はできなかったであろう。
 将来、もし首都圏で大災害が発生した場合、緊急を要する救助活動に支障をきたすかもしれない。
 自衛隊のヘリ部隊が配置されている基地は、災害救助の際にはなくてはならないものだ
 夜間に訓練する時は、特に苦情が多い。

 災害派遣時の気象条件が悪い時を想定し、夜間でも事故なく飛行し、救助活動を行うために、日々、厳しい訓練を行っている
 だが、騒音問題などで、周辺住民からの苦情が多い。

 災害救助はいいが、訓練の音は困る。命は助けてもらいたいが、ヘリが出す音には我慢できない、別のところでやってくれということだ。
 自衛隊は、住民がなるべく騒音を感じないように、運用方法を考え、飛行規則を作る。
必要最小限の騒音を引き受けることも、受け入れてほしいものだ。

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画を巡っても、地域住民の反対がある。
理由は、前述のとおりだ。
 このオスプレイは、南西諸島防衛に運用されるのだろうが、首都圏で大災害が発生したときには、佐賀から群馬県に移動して、首都圏まで飛行してきて、救助活動に当たり、多くの人々の命を救うであろう。

憲法で認められていない
 自衛官は、危険なことを承知で任務を遂行しなければならない時がある。
 自衛官も、普通の人間だ、恐怖心も持っている。
その任務を遂行できるように、厳しい訓練を積み重ね、危険を乗り越える力を付けている。

 だが、現実に、困難な状況下の災害派遣任務において危険を避けられず、多くの自衛官が殉職している。
 待っている家族が、辛い思いもすることがある。
 殉職者の奥様が、喪服を着て、子供の手を引っ張って、そして、棺の前に立ち、両手を合わせる。
誰でもが、自衛隊を退職するまでに、こんな光景を何度も見る。

 自衛隊がこのような任務を遂行していても、国会では、自衛隊は「合憲だ」「違憲だ」という議論になる。
 国会に招致された憲法学者は、自衛隊は憲法違反だと発言する。
これは、自衛官やその家族は、国民の一部から、お前たちは憲法違反だと言われ続けているようなものだ。
 国土と国民の生命を守る軍隊が、憲法などに違反していると言われるのは、日本だけだと思う

 国会議員は、この国家の問題をいつ解決するつもりなのか。
もう、後回しにする問題ではない。
 国家の問題を解決できないことが日本の弱みであり、中国・韓国・北朝鮮から、歴史問題を悪意で歪められ、誇張して宣伝されるなど、そこにつけ込まれているのではないか。
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2019年11月08日

虐げられた人々が日比谷野音に集結、コンビニオーナー、牛久入管被収容者、処分京大生……

虐げられた人々が日比谷野音に集結、
コンビニオーナー、牛久入管被収容者、処分京大生……
11/6(水) ハーバービジネス

 11月3日、全国労働者総決起集会が日比谷野外音楽堂で開かれた。
国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)や全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関西生コン)の呼びかけで、組合員や学生、市民らおよそ3900人が参加した。

 集会ではあらゆる業種・産業別の労働者から、各々の職場で直面している問題が提起された。
それを現在の社会情勢とどのように結び付けて対処していくべきかを考え、意見を共有することが集会の目的だ。
韓国・台湾・ドイツからも労働組合が参加した。

 集会では数多くの問題が提起されたが、
本記事ではコンビニ関連ユニオン、牛久入管長期被収容者のクルド人男性、関西生コン、無期停学処分を受けた京大生からのアピールを取り上げ、集会の様子をお伝えしていきたい。

コンビニ関連ユニオンが年末年始ストを発表
 コンビニ関連ユニオンは、コンビニオーナーや店舗のアルバイト、配送ドライバーを対象にした労働組合。
今年6月に結成されて以来、公取委への集団申告といった活動を繰り広げてきた。

同ユニオンの委員長を務めるのは、セブン-イレブン本部社員でもある河野正史さんだ。

 「今年の6月9日にコンビニ関連ユニオンを結成しました。
オーナーさん、従業員さん、そしてドライバーさん、アルバイトの皆さん。多くの人に呼びかけて、本日も全国から多くのオーナーさんが結集しています。
 セブン-イレブンは、オーナーさんとの契約を5年ごとに見直すことになっていますが、創業の1975年から一度も見直していないということが明らかになりました。

1975年から最低賃金なり労働人口なり、いろんなことが変わってきたにも関わらず、オーナーさんとの契約内容は1975年と同じまま。こんなところで働いていたら、ほんとうに過労で自殺してしまう、過労で死んでしまう。
そんなことが毎月のように報告されています。
私たちは、これ以上仲間を殺されたくありません」

 河野委員長はこう訴えると、年末と元旦に全国でストライキを行うことを発表した。
 「私たちはここで発表します。
年末・元旦に全国でストライキを行う!正月くらい休ませろ!その声を、セブンイレブンを先頭に多くのコンビニで実現させていく。
元旦ストライキを断固として実現していくために、この11月・12月、徹底的に全国を回って呼びかけていきます。
共に闘いましょう!」

牛久入管から再仮放免中のデニズさんが決死の訴え
 集会には、牛久入管の被収容者も駆け付けた。
トルコ国籍クルド人のデニズ・イェンギンさんは、東日本入国管理センター(牛久入管)から現在2週間の期限付きで再仮放免中だ。
 牛久入管は、国外退去処分になった外国人を、逃亡の恐れがあると判断した場合に、強制送還まで一時的に収容するための施設だ。
しかし収容されている外国人は母国で政治犯として弾圧されているなどの理由で、帰還が困難である場合が多い
その3分の2ほどが本国での迫害を逃れて来日し、難民認定申請をした人たちだ

大橋毅弁護士によると、難民認定申請者は入管法で送還してはならないと定められており、その申請者たちを収容するのは違法だという。
 収容者でも仮放免を申請し許可されれば外に出られるはずだが、行政が収容の長期化を容認してしまっているのが現状だ。昨年2月には、和田雅樹入国管理局長が、全国の収容施設長らに、「原則、送還が可能となるまで収容を継続」するよう求める文書を送っていたという。(朝日新聞2018年12月30日在留資格ない外国人の長期収容、文書で容認 入国管理局)

 入管の生活環境は極めて苛酷であり、苦しみ抜いた末に仮放免を認められるまで無期限のハンストを行うことを選択する収容者が後を絶たない。
今年の夏には牛久入管で100名以上がハンストに突入した。
 デニズさんはハンストの末に仮放免を許可された一人だ。
今年8月上旬に仮放免を認められたが2週間後に再収用され、再びハンストに突入し、今回は再仮放免となった。

デニズさんは集会で次のように訴えた。
 「私の名前はデニズ・イェンギン、トルコのクルド人です。
入管茨城で3年半捕まって、ハンストやって、ご飯食べないことで、1回は出た。
2週間の軽めで出た。
2週間が終わったらもう一回3か月ご飯食べないことで頑張って出てきた。
期限は11月7日だからもう一回捕まることがあるかもしれない。
私は結婚してて奥さんは日本人。

 入管は私たちのことは嫌いみたいで、いつも国から出ていけ、出ていけって言われてる。
治療も受けさせてもらえなくて、中では自殺未遂を考えている人が多い。
何人かは死んで何人かは自殺未遂した。
私も何回も何回も自殺未遂した。

 私の国の問題はトルコ人とクルド人の問題です。
私はそれで難民申請した。
今私の国の大統領はテロリストたちを助けていて、私は帰ったら殺されるかもしれない。
だから国は帰らない。
クルド人はテロリストだと言う人がいるけど、絶対に私はテロリストじゃない。
私は7日にまた入管に戻るかもしれない」

無期停学処分を受けた京大生・北村剛さんの訴え
 今回の集会には労働者だけではなく、学生たちも参加していた。
その中には現在相次ぐ処分が問題になっている京都大学の学生の姿もあった。

 京都大学では、職員に抗議したという理由で3人の学生が9月に無期停学処分にされている。
10月には、今年2月の京大入試で「オルガ像」を設置した学生が処分を検討されていることが判明した。

9月に無期停学の処分を受けた学生の一人である京大工学部4年生・北村剛さんは、マイクを握ると「僕も含めて処分された3人はすべて熊野寮生です」と話し始めた。  
「今回の処分ですが、これまでの処分とは異質なものだということをアピールしたいです。
これまでの処分は学生が職員に対して暴行したとか、学生をまず立ち入り禁止にしてから建造物侵入だと言うとか、つまり、大義名分をでっち上げないと処分を下すことができませんでした。

しかし今回の僕たち3人に対する処分は、大学職員に対して抗議したことをもって『学生の本分を守らない者』という処分の理由にしています。
今の京大は大学の現状に抗議することすら許されない、そういう大学になってしまっているんです
僕達3人への処分は、大学に逆らう学生は許さないという見せしめの処分でもあると思っています。

 京大の自治寮である熊野寮は、この処分に対し熊野寮自治会として撤回を求める声明を出しました。
署名も始まったので、全国で集めていきたいと思っています。
12月には京大の学内で全学集会を行いたいと思っています。

今回の処分は僕たち3人だけではなく、全京大生、全国の学生、全社会、世界中の人達に関係ある問題だと思っています。
ぜひ12月に京大に大結集してください!」

組合活動を口実に80名以上が逮捕されている関西生コン支部
 関西生コンは、生コンクリート関連産業の労働者によって組織された産業別労働組合だ。
大手ゼネコンから生コンクリートを安く買い叩かれることを防ぎ、過度な価格競争で安全性に問題のある粗悪なコンクリートが作られるのを避けるため、協同組合と連携して様々な活動を行っている

 同組合からは、荒川勝彦執行委員が登壇し、不当逮捕などの弾圧に対して抗議した。
 「これまでに再逮捕を含め、延べ87人が逮捕され、50人以上が起訴されています。
汚水の垂れ流しや不法投棄を問題視するビラを配布すると威力業務妨害として逮捕される。
被害者とされる人物が金銭の要求などされていないと訴えているにも関わらず、金銭を脅し取ったなどと事件を捏造され、逮捕される。

あろうことか和歌山の生コン業界のトップが暴力団員を関西生コンの事務所に差し向け、そのことに抗議すると逮捕される。警察と裁判所が一緒になって組合活動の妨害を行ってきています。
 これは憲法28条によって保証されている労働基本権を踏みにじるものであり、民主主義を破壊する前代未聞の異様な大弾圧です。
私たちは戦争法(編集部注:安全保障関連法案)や共謀罪などの悪法を阻止する運動や、沖縄の基地反対運動、脱原発運動などにも関わっており、これは安倍政権との戦いでもあります。

安倍は改憲を声高に訴えておりますが、現行の憲法を無視して数々の悪政をおこなう安倍に、憲法を語る資格があるのでしょうか。
我々はどんな弾圧があろうが、安倍政権のような悪政には立ち向かっていきます。
 正当な大衆運動がこのような弾圧に屈することはありません。
我々関生は『人の痛みは自分の痛み』という精神で闘ってきた歴史があります
だからこのような弾圧には決して負けません。
勝利するまで今後も闘っていきます」

「闘う労働組合」は甦るのか
この記事で取り上げてきた上記の発言は、集会のほんの一部に過ぎない。
他にも多種多様な立場から問題が投げかけられ、その全てをここで取り上げることは到底できそうにない。

 11月全国労働者総決起集会は「闘う労働組合の全国ネット」を目指して呼びかけられている。
集会に参加してみると政治的な主張を掲げる参加者が多い印象を受けた。
自らの力で社会を変えていこうとする「労働者」の集会だったといえる

 労働組合が社会で果たしてそこまでの力を持てるのかと疑問に思う人もいるかもしれないが、
かつては1960年の安保闘争で安保改定反対を掲げた6・4ゼネスト、
不発に終わったものの総評の議長が時の首相・池田勇人と首相官邸で会談し、賃上げ要求を通した1964年の4・17ゼネスト、
基地を残したままの沖縄返還に反対して行われた1971の11・10日沖縄ゼネストなど、労働者の運動は日本の近現代史にその足跡を残してきた。

 集会側が言う「闘う労働組合」の運動とは、その後に続くことを目指すものである。

関西生コン支部執行委員・荒川さんの発言や、コンビニ関連ユニオン委員長・河野さんの発言からはそうした決意が感じられた。
 そしてそのような運動は国際的な連帯を目指すものだということも、今回の集会で強調されていた。
集会には韓国・台湾・ドイツの労働組合が来日して参加し、その他にもパンフレットには香港・中国・アメリカ・トルコの労働組合からメッセージが寄せられていた。

 今回の集会は改憲発議を目指す2019年の臨時国会中に行われたものであり、主要な政治的主張は「改憲阻止・戦争反対」だ。
戦争は常に二つ以上の国家間で起こるものだという基本的な前提に立ち返って考えてみた場合、当然ながら動員されるのはそれらの国家の国民であり、労働者だ。
だから労働者という同じ立場で連帯すれば戦争に向かう道は止められる。
集会側はこのように主張して国際的な連帯を強調している。

デニズさんが参加しアピールしたことは、外国人へのヘイトや差別を許さず連帯しようとする集会の立場を物語っている。

「労働者」はこれから働く若者も含まれている
 さらに集会側の主張として読み取れるのは、「労働者」とはいま実際に社会に出て働いている人のみではなく、将来的に社会で働かなくては生きていけないすべての人を指している概念だということだ
その中には高校生や大学生など、広い意味での学生も含まれている。

 今月初めに大学入試共通テストの英語民間試験実施が延期されるとの報道があった。
世間からの批判によってこの試験が問題だらけであることが暴露された結果だ。

英語民間試験に対して上がった批判の中には実際に試験を受ける現役高校生の声もあり、注目を集めた。
社会に出て働いていない学生とはいえ、高校生なり大学生なりという立場を与えられており、それは社会で決められた条件に左右される。
だがそれは一方的に与えられるものではなく、学生が社会で声を上げていく中で変えられる。
 そしてそのような彼らの存在は広い意味での「労働者」だというのが集会側の主張であろう。

それは京大生の北村さんに発言の機会があり、彼が処分を「全京大生、全国の学生、全社会、世界中の人達に関係ある問題だ」と語ったことに示されているように思う。

 最近は日本に限っても、佐野SAでのストライキ、ウーバーイーツユニオン結成など、労働組合に関連したニュースを見る機会が増えている。
集会が掲げる「闘う労働組合」を甦らせようとする試みは、果たして成功するのだろうか
今後もその行く先を見守っていきたい。
  <取材・文/鈴木翔大>
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2019年11月09日

日米地位協定の真の問題点、「戦闘機を操縦中に読書」よりヤバい

日米地位協定の真の問題点
「戦闘機を操縦中に読書」よりヤバい
2019年11月08日 週刊SPA!編集部

最近、在日米軍が「日米地位協定」をないがしろにする事件が続いている。
 山口県の岩国空軍基地に所属する米軍パイロットが飛行訓練中に「手放し操縦」はおろか「読書」、さらには「自撮り」までしていたという衝撃的な事実が、米海兵隊の調査報告書で発表された(11月2日に報道。調査結果自体は9月に米軍のHPで公表)。

 これらのパイロットの規律違反はもちろん大問題だが、この報告書でさらに波紋を呼んでいることがある。
2016年に沖縄県沖で起きた接触事件が初めて明らかになったのだ。
これは、日米地位協定の第3条(施設及び区域内外の管理)に関連する日米合同委員会合意にある「事件・事故情報」を「できる限り速やかに」通報するという手続きに違反している可能性が高い。

 そして、今年5月には長崎県の佐世保基地で、日本人警備員が拳銃を携帯したまま基地の外の公道に出ていたことが発覚。
これは明確に日米地位協定に違反する行為だ。

 近年、国連職員として東ティモール、シェラレオネ、アフガニスタンで紛争処理を指揮してきた伊勢崎賢治氏が積極的に日米地位協定、さらには日ジブチ地位協定の問題点を発信し続けていることで、日本が結んでいる地位協定が「欠陥だらけ」だということが知られるようになった。
 そして、保守の立場から日米地位協定の改定の必要性を発信しているのが、漫画家の小林よしのり氏だ。
最新刊の『ゴーマニズム宣言 2nd Season 第3巻』では、自民党の石破茂氏との沖縄の米軍基地にまつわる対話のなかで、「本当に日本が主権国家ならば、今すぐにでも地位協定を改定すべき」という論を展開している。

小林氏にその真意を解説してもらおう。
「わしは石破氏のことはとても高く評価しています。
説明能力が高く、非常に論理的で『丁寧に説明すれば分かってくれるはずと国民を信頼しているのが、とてもいい。
ただ、今年の3月に彼と対話したときに、石破氏は『沖縄の基地撤廃を主張する人が、集団的自衛権反対というのは、論理として成り立たない』と言っていたのですが、これは意見が対立しましたね。

石破氏は『集団的自衛権が行使できて初めて、沖縄の基地問題に対して主権を行使できる』という主張なんですが、米軍基地の問題は集団的自衛権とは関係がありません」

 日本と同じ第2次世界大戦の敗戦国であるドイツとイタリアでは、交渉によって地位協定を改定し、米軍基地が自国の主権のもとにあることを確定させ、フィリピンも一時は米軍基地を撤退させた
これらのことから考えても、日本政府は本来やるべき地位協定の改定を行っていないことは明白だ

「それでも、石破氏はかつて『日米地位協定の改定はできないと決めつけるものではない』と発言していました。
ただ、ほとんどの日本の政治家は『米軍に守ってもらわないとならない半独立国家だから、地位協定を言い出せない』と思っているんでしょうね」(小林氏)

 もちろん、日米地位協定の改定について発言している政治家はいないわけではない。
だが、最近の目立つところでは国民民主党の玉木雄一郎代表の「日米地位協定の見直しは不可避」発言(2018年10月9日)や、現職ではない元首相の鳩山由紀夫氏が「共和党」結党準備会(今年10月25日)の際に言及したことなどが報道されてはいるが、とても政界で大きなうねりになっているとは言えない状況だ。

 だが、日米地位協定に関しては政治的立場が保守でもリベラルでも、そのどちらでもなかろうとも、次に紹介する2つの条文を知ればおかしさが理解できるだろう。

日米地位協定 第二条(施設及び区域の許与,決定,返還,特殊使用)
1(a) 合衆国は、相互協力及び安全保障条約第六条の規定に基づき、日本国内の施設及び区域の使用を許される。(後略)

 これは「全土基地方式」と呼ばれるもので、つまりは「アメリカが求めれば日本国内のどこにでも基地などの提供の求める権利がある」ということだ。
これはうがった解釈でもなんでもなく、伊勢崎賢治氏と布施祐介氏の共著『主権なき平和国家』では、外務省の内部向け解説書にその旨が書かれていることが紹介されている。
そして、この「権利」は日米安保条約の第6条の以下の条文に基づいている。

日米安全保障条約 第六条
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。(後略)

 実際、2016年には一時、北方領土の2島先行返還の機運が盛り上がったが、交渉過程でロシア高官が返還した場合に米軍基地が置かれる可能性があるのか、と尋ねたところ、谷内正太郎・国家安全保障局長(当時)は「可能性はある」と答えたと報道され、一気に交渉は冷え込んだ。
だが、これらの条文があるぎり、そう答えざるを得ないのも事実だ。

 これらの状況を踏まえ、小林氏は「日本のアメリカからの脱属国化」を熱く語る。
「わしは、保守派から『反米』と呼ばれるわけですよ。
でも、実際は親米でも反米でもないんです。
ちゃんと日本が独立主権国家となり、対等な安全保障条約を結び直すことが必要

しかし、日本は現状ではアメリカの『属国』ですよ
これはいい加減に自称保守も、リベラル左翼も、認めなければいけません」

 まずは、問題の所在を知ることからすべては始まる。
日米地位協定の諸問題に関しては沖縄県庁の「地位協定ポータルサイト」が詳しい。
外務省の日米地位協定のHPと比較しながら、「何が問題なのか」をぜひ知っていただきたい。
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2019年11月10日

お金をATMから少しずつ下ろす人が貧乏な理由

お金をATMから少しずつ下ろす人が貧乏な理由
2019年11月01日 AIIABOUTマネー
執筆者:午堂 登紀雄
ニューリッチへの道ガイド

ATMでちょくちょくお金を下ろす人が貧乏なのはナゼ?
昨今、銀行のATMはコンビニ内をはじめ、どこにでもあるため、私たちはいつでもどこでも、必要なだけのお金を下ろせる環境にいます。
だからといってお金がなくなるたびに、「しばらく必要そうな金額だけを下ろせばいい」と考えるとしたら、お金が消えやすい人の可能性があります。

お金をちょこちょこ下ろす人には、以下の行動特性があるからです。
・手元にたくさんあると、つい使ってしまう。
・財布を落とす、盗まれるなど、紛失を怖がる。
・日常的に少額のやりとりしかしない。

ATMでお金をすぐおろす人の特性
1.必要性の無いものまで買う傾向がある
まず「手元にたくさんあると、つい使ってしまう」というのは、気が大きくなって、さほど必要性の高くないものまでも買ってしまう傾向があるということ。
手元のお金は使ってもいい。そういう発想があるから、欲しいものがあると「必要かどうか」ではなく、手元にあるお金で「足りるかどうか」で考えてしまいます。
つまり合理性よりも「ほしい」という感情で行動するのです。
こんな購買行動を取る人は、お金を何に使ったのかよく覚えていません。
こうして急速にお金がなくなるわけです。

2.自己投資の発想が弱い
次の「財布の紛失を怖がる」というのは、不安としてはわかりますが、これを突き詰めると、お金やモノに執着する心理が投影されています。
お金を失うのが怖い。
だから、そもそも持たない。
それはつまり先行投資も怖い。
先に与えるということも怖い。
こうした人は、「自己投資」や「人をもてなす」という発想が弱く、結果として自己の能力向上や人的ネットワークの広がりがありません。
「そんなバカな」と思ったら、友人知人に「月に何回くらいお金を下ろしに行くか」を聞いてみましょう。
そして、その人が仕事面でどれだけの能力があり、真に仕事に役立つ人脈をどのくらい持っているかを確認してみると、なんとなくわかるのではないでしょうか。

3.投資チャンスを見過ごしやすい
最後の「日常的に少額しかやりとりしない」というのは、大金のやりとりが不安だからです。
少額ならば、何かあったとしても割り切れるが、大きな金額では怖い。
だから肝心なときにも思い切った投資ができず、チャンスを見過ごすことになるわけです。

そこでひとつの提案。
・給料が入ったら、 貯金したい金額を別口座に移す
・自己投資に充てるべき金額を別口座に移す(尊敬する人を招く会食費なども含む)
・残ったお金は生活費とし、現金は1カ月分の必要額を予測して月に1度まとめて下ろす
・それでも余ったお金は自由に使ってよし

というふうに、計画的にお金を使うトレーニングとしてはいかがでしょうか。
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2019年11月11日

安倍首相主催「桜を見る会」、許されない公金の私物化

安倍首相主催「桜を見る会」で後援会関係者をおもてなし。
許されない公金の私物化
2019/11/10 ハーバー・ビジネス・オンライン

 毎年4月に開催される「桜を見る会」の支出額が年々増加しており、安倍晋三首相や閣僚の後援会関係者が多数招待されている――8日の参議院予算委員会で、共産党の田村智子議員が指摘した。

「桜を見る会」は、各界で功績を上げた人や著名人を招待するもので、飲食費を含めた開催費用は公金、つまり血税から支出されている。

税金で賄われる開催費、今年は5520万円
 田村議員は、まず会の参加者数と支出額が年々増えていると指摘した。
「2014年見ると参加者1万3700人、支出額3005万円、予算の1.7倍です。
ここから伸び続けて今年は参加者1万8200人、支出額5520万円。
予算の3倍を超えました。
驚くのは来年度の要求額ですね。
先の国会で予算とかけ離れていると批判されたからなのか、今年度の支出額を超えて5730万円を要求しているわけなんです」

 公費からの支出も参加者の数もわずか6年で倍近くになっている。
一体、どのような人々を招待しているのか。
 桜を見る会の開催要領によると、招待範囲は、皇族や各国大公使、最高裁判所長官都道府県の知事および議会の議長等の一部となっている。
内閣府によると、これらの人数は、一貫しておよそ2000人だという。
人数が増えているのは「その他各界の代表者等」に該当する参加者が増えたからだ。

閣僚経験者らが後援会関係者を招待
 この「その他各界の代表者等」には、本来は各界で功績を上げた人物や著名人が含まれることになっている
しかし議員の後援会関係者らも多数含まれるのだ

例えば、稲田朋美衆院議員は、「日々の活動報告」(2014年4月12日)の中で「地元福井の後援会の皆様も多数お越し下さり、たいへん思い出深い会となりました」と書いている。

 松本純衆院議員にいたっては、「国会奮戦記」で「役職ごとに案内状が割り当てられます。
今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様にご案内することができず、やむなく我が陣営は不参加」(2013年4月20日)、「選挙のうぐいす嬢の皆様をはじめ、後援会の皆様と参加いたしました」(2015年4月18日)としている。

この記述が事実なら、公費で開催されているにもかかわらず、自民党の議員は、案内状を割り当てられていることになる。2015年にはウグイス嬢の分まで案内状を入手できたのは、松本議員が党内でより高い役職についたからかもしれない。

 また、長尾たかし議員はツイッターで堂々と「地元大阪支援者の皆さまをご招待、お招きしました」と発言。
 これではまるで「自民党の行事」である。
なぜここに税金が5000万円以上使われているのか? 
おかしいにも程がある。

 田村議員の指摘に対し、安倍首相は「桜を見る会は、各界において功績・功労のあった方々をですね、各省庁からの意見を踏まえ、幅広く招待をしております」と釈明していたが、自民党議員の地元支援者や後援会の関係者に「各界の代表者」に匹敵するだけの功績があるのか
あるのであれば、それを証明すべきであろう。

招待された山口県議会議員「安倍首相には長く政権を続けてもらいたい」
 安倍首相が、自身の後援会関係者を招待していたこともわかっている。
山口県の友田有(たもつ)県議会議員は、2014年5月1日付けのブログで、「4月12日に安倍首相が主催する『桜を見る会』に行って参りました」と報告している。
「次の日、まさに春爛漫の快晴の中、新宿御苑において『桜を見る会』が開催されました。
早朝7時30分にホテルを出発し貸切りバスで新宿御苑に向かい、到着するとすぐに安倍首相夫妻との写真撮影会が満開の八重桜の下で行われました。(中略)
 安倍首相には長く政権を続けてもらい、今後もずっと『桜を見る会』に下関の皆さんを招いていただきたいと思い新宿御苑をあとにしました」  

山口県周南市の藤井律子市長も「日々の想い」(2018年5月8日)で「桜を見る会」に出席したことを報告していた。

「選挙法違反になるようなことを税金を利用してやっている」
 この指摘に対して、安倍首相は「例えば、地元において自治会等ですね、あるいはPTA等で役員をされている方々もおられるわけでございますから、そういう方々と後援会に入っている方々が重複することも当然ある」と釈明していた。
 しかし日本共産党の機関紙である赤旗の取材に対し、後援会の男性が、下関市の安倍事務所から会に関する案内が届き、名前や住所を書いて事務所に返送したところ、内閣府から招待状が届いたと話しているという。

 田村議員は、「総理が後援会や支援者、山口県の関係者のご苦労を慰労し、親睦を深める。
そういう行事になっているんじゃないですか」、「会場内でも無料で樽酒、その他のアルコール、オードブルやお菓子、お土産を振舞うんですよ。
これを政治家が自分のお金でやったら明らかに公職選挙法違反
そういうことをあなたは公的行事で税金を利用して行なっているんですよ」と批判して質疑を締めくくった。

 直近でもカニやメロンを地元支持者に供与していた菅原一秀議員は大臣を辞めている。
それも当然、公職選挙法では、政治家が選挙区内の人に寄付をしたり、飲食物を差し入れたりすることを禁じている。
ましてや税金で後援会の人たちに食べ物やアルコールを振舞っているとなれば、公金の私物化であり、許されることではないだろう

 また、「桜を見る会」の招待状が高価な価格で転売もされているという。
 消費税増税で庶民に負担を押し付け、その一方で税金を「私物化」して使いまくる、安倍政権のモラル破壊は、2大臣の辞任どころではないことは明らかだ
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2019年11月12日

ジム・ロジャーズ「日本は東京五輪後に衰退…30年後犯罪大国になるだろう」

ジム・ロジャーズ「日本は東京五輪後に衰退…30年後犯罪大国になるだろう」
11/11(月) 中央日報

ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスとともに世界3大投資家と呼ばれるジム・ロジャーズが、日本は2020年の東京五輪後に衰退するだろうと予想した

日本の経済メディア日刊東洋経済は10日、東京と京都・大阪などで巡回講演を行ったジム・ロジャーズの発言を要約した投資専門家の文を載せた。

ロジャーズはまず五輪に対し否定的な見方を明らかにした。
彼は「歴史を見れば、オリンピックが国家にとってお金儲けになった例がないことがわかる
一部の人に短期的な収入をもたらすことはあっても、国全体を救うことにはならず、むしろ弊害を及ぼす」とし、
「オリンピックのせいで日本の借金はさらに膨らむのだ。
これは一般の人々にとって悪い結果にしかならない。
やがてオリンピックがもたらした弊害が日本をむしばむ」と懸念する。

続けてロジャーズは公務員に憧れリスクを取らない日本の若者の態度を取り上げ、「もし私が日本の若者だったら、こうした現実を前に、強い怒りと不安でいっぱいになることだろう」とした。
その上で「日本で就職活動をする若者を対象にした調査では、就きたい職業の第1位が公務員だったという。
これは世界のほとんどの国では考えられない事態だ」と指摘した。

また、日本の若者たちはお金を全く使わないため国の経済発展にも悪循環が続くという診断も下した。
ロジャーズはまた、日本は30年後に犯罪大国になるだろうと予想した。

彼は「社会不安は、犯罪や暴動、革命といった形で明らかになる。
『日本人は違う』『暴動など起きない』と言いたいかもしれないが、これは歴史上、どの国でも起きてきた社会現象なのだ」とした。

ロジャーズは2017年11月に米国のある投資情報バラエティ番組に出演し、「もし私が今、10歳の日本人ならば、自分自身にAK−47(自動小銃)を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう」と発言し話題になった

ロジャーズは「この発言は放送開始から間もなく大きな話題になったようだが、これは将来の日本社会を見据えてのもの」とし、このままなら日本の子どもたちの生活水準はさらに落ちるだろうともした。

ロジャーズは日本の未来を非常に暗鬱に予想する。
彼は「30年後、日本では今より多くの犯罪が起きているだろう。
50年後には、日本政府に対する反乱が国内で起きている可能性さえある」と予想した。

1942年に米アラバマ州で生まれたロジャーズはイェール大学で歴史学を、オックスフォード大学で哲学・政治学・経済学を専攻した。
1969年にジョージ・ソロスとともにグローバル投資会社であるクォンタムファンドを設立して10年間に4200%という驚異的な収益率を上げウォール街の伝説になった。
80年に37歳で引退を宣言した後、コロンビア大学経営大学院教授として在職し金融論を教えた。
著書には『大投資家ジム・ロジャーズ世界を行く』『人生と投資で成功するために 娘に贈る12の言葉』などがある。
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森田県知事の“なんもしない”政治スタイル。登庁して3分で帰ることも…

森田県知事の“なんもしない”政治スタイル。登庁して3分で帰ることも…
2019年11月12日 SPA!

◆災害対策本部を放り出し自宅周辺を「私的視察」で非難殺到!
「これが私の政治スタイルなんです!」
 伝説の青春ドラマ『おれは男だ!』を知る世代には質実剛健なイメージが強いそうだが……。
男らしさが微塵も感じられない、しどろもどろの“逆ギレ会見”となった。

 11月7日、千葉県の森田健作知事は、台風15号が千葉市に上陸した翌日の9月10日、県庁から約30q離れた芝山町の自宅に立ち寄っていたことを明らかにした。
 会見では、批判のきっかけとなった『週刊文春』の「台風被害の最中に『公用車で別荘』疑惑」という記事について、「あれは自宅です」と反論。

 台風の被害状況を「私的視察」するために一時帰宅したと釈明したが、災害対策本部が設置されたこの日の午後、早々に庁舎を引き揚げるや、被害が大きかった県南部ではなく、県北東部にある自宅まで公用車で移動。
私用車に乗り換えて、周辺の富里市や酒々井町などを30〜40分かけてクルマのなかから視察したという。

 台風15号は千葉県全域に大きな被害をもたらした。
君津市で高圧鉄塔2基が、市原市ではゴルフ練習場の鉄柱が倒壊。
千葉県全域で停電や断水が長期化する事態となったが、台風が上陸した当日に森田知事が登庁しなかったことや初動対応の遅さに批判の声が上がっていた。

「東日本大震災のときに液状化現象による被害をクルマのなかから視察し、役に立ったので、今回も視察しようという思いがあった……」
 森田知事は「私的視察」に向かった理由をこう説明したが、’11年の震災当時、市域の86%が液状化する被害に遭った浦安市の市長を5期務めた松崎秀樹氏は冷ややかな目で見る。
「あの発言に浦安市民のすべてが怒っていますよ。
なぜなら、あのとき森田知事が浦安に視察にきたのは震災から100日以上たってからのことで、知事曰く、『私的視察』の一環でタクシーに乗って回ったとのことでした……。
 当時、浦安市では多くの住宅が傾き、上下水道が寸断されたが、道路も液状化による冠水・陥没した箇所が多く、そんな場所を回ってくれるタクシーがあるのか? と不思議に思ったのを覚えています。

 今回、対応が後手後手に回ったのも知事の怠慢からくるもの。
本来、知事は市町村長から基礎自治体の意見をくみ取り県政に反映させるものだが、千葉の市町村長は森田知事にほとんど会えないのです。
 県庁のある千葉市役所でさえ、知事は2期8年間でたったの1回しか訪れていない。
面会を申し入れても秘書課職員は『忙しい』の一点張り。
年間141日も休んでいるのにです」

◆『ウルトラマン』と陰口も
 松崎氏の話を裏付けるように、ある県庁職員は「登庁して3分でお帰りになられたことがあるので『ウルトラマン』と陰口を言う職員もいます(苦笑)」と話すほどの徹底ぶりだ……。
過去に千葉県議や佐倉市議を務めた大野博美氏が話す。
「政策にまったく通じていない知事が自分の言葉で話すことができないのは、県の議会関係者なら知らない人はいない。
だから、議会答弁でも事務方が用意した原稿をそのまま読むだけ。
 議会の外でも、知事と面会する人には県秘書課の職員が『知事には政治的な質問はしないでください』と釘を刺しているくらいです。

 公私混同も甚だしく、知事に初当選後、所属芸能事務所の社員2人を特別秘書や政策アドバイザーとして働かせています。
報酬は税金で賄われているのに報告義務がないので、情報公開請求を出していたのですが、今に至るまで回答はありません」

◆「東京湾アクアライン」の実績も評価できない
 森田県政はすでに3期目に突入している。
知事としての実績は「東京湾アクアライン」の通行料を3000円から800円に引き下げたことくらい……などと揶揄する声もあるが、この輝かしいキャリアも「諸手を挙げて評価できる実績ではない」と前出の松崎氏はいう。
「確かに、値下げで通行量は2倍ほどに増え、それなりの経済効果をもたらしました。
ただその半面、平日の夕方や週末を中心に渋滞が深刻化しています。
日帰りが可能になったことで宿泊客が減り、特に県南の旅館業がダメージを受けている。

 そもそも値下げによる85億円の減収分は国と千葉県が負担しており『暫定措置』にすぎない。
通行料収入で借金を返済し、全額返し終えると無料になる予定だったが、当初見込んでいた返済期間30年は大幅に延長されることになっている……」
 苦境に立たされた森田知事だが、今後、県議会で糾弾されることになるのか?

 政治評論家の有馬晴海氏が話す。
「今回の森田知事の行動は法に触れるわけではないので、必ずしも辞職する必要はありません。
ただ、しどろもどろの会見で思い起こされるのは、東京都知事選を前に知人と面会したとして、’16年の正月に家族と宿泊していたホテル三日月の宿泊料を政治資金として報告したり、毎週末に神奈川県の湯河原にある『別荘』に公用車で通っていたことが問題になり辞職した舛添要一前都知事のケースです。

 今回、森田知事が自分のクルマで『私的視察』したことにこだわるのは、例え、自宅の様子を見にいったにせよ、公用車は使わず自分のクルマに乗り換えたと言いたいからでしょう。
舛添氏は、偽証すると刑事罰の対象になる百条委員会が設置される雲行きになり、最後は自ら辞職したが、百条委員会の設置には議会の過半数の同意が必要です。
 現在、千葉県議会は定数94のうち、与党の自公で61議席を占めているので、すぐに辞任という流れにはならないのではないか」

◆知事4選のハードル
 一方、地方の首長選挙は多選している「現職」が強いことでも知られるが、今回の失態で「次は難しい」という見方も出ているようだ。
前出の大野氏が話す。
「自民党千葉県連としては、選挙に強く、政策に無知な森田知事は言いなりになってくれるので、使い勝手がいいと考えてきた。
だがここにきて、県連が少子化担当相も経験した猪口邦子参院議員の擁立に動いているという噂や、全国最年少の31歳で政令市市長に当選し、現在3期目を務める熊谷俊人千葉市長待望論も浮上しています。

 県連も森田知事を次回知事選でゴリ押しすれば火の粉をかぶりかねないと警戒しており、自民党重鎮県議からも『知事はいい加減に謝罪せよ』と怒りの声があがっていることから、知事4選のハードルは相当上がったのではないか」
 なんもしないスタイルを貫き、参院1期、衆院2期、知事3期の延べ21年にわたって政治の道を歩んできた森田氏。
果たして、4選が控える’21年3月まで続けられるのか?

▼「自宅に帰ったのか?」と質問されなかった
 千葉県の森田健作知事は、これまで「富里市内を私的に視察した」とだけ説明していた。
7日の定例会見のとき、改めて自宅へ立ち寄った事実を伏せていたことについて問われると、「『自宅に帰ったのか?』という質問は受けていなかった」と抗弁。
秘書課も行動を把握しておらず、県の災害対応の杜撰さが浮き彫りとなった格好だ。

<取材・文/週刊SPA!編集部 >
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2019年11月13日

ボール遊びも大声も禁止…「そして誰もいなくなった」 荒れ行く公園が問い掛けるもの

ボール遊びも大声も禁止…「そして誰もいなくなった」
荒れ行く公園が問い掛けるもの
11/12(火) まいどなニュース(広畑 千春)

日中なのに人気がなく、ひっそりとした公園。
長く訪れる人もいないのか、地面は雑草に覆われ始めていた―。
そんなもの悲しい公園の写真がツイッター上で話題になっています。

「『危ないから』と遊具を撤去し、
『危ないから』とボール遊びを禁じ、
『危ないから』と花火を禁じ、
『危ないから』と外遊びを禁じ(中略)
やがて老人たちもこの世を去り、誰もいなくなった」といったコメントとともにツイートしたのは、冒険ファンタジー系オールドスクール・ファンタジーミニチュアの輸入販売や執筆業を手がける籾山庸爾(@Paint_Hermit)さん。

投稿には「公園が公園でなくなる」「危険な場所で安全に遊ぶのが真の危機管理能力なのに」など、公園制度や自治会問題、世代間対立、子育て論などさまざまな観点からリツイートが寄せられ、3日余りで約1万4千件に上っています。

 籾山さんによると、この公園は仕事場近くにあり、子どもどころか「誰も居なくなっている」とか。
脇にはボール遊びや花火、大声を出すことを禁止するボードが掲げられているといいます。
ツイートについて「この公園については僕は門外漢で、『たとえ話』として使わせて頂いただけなんです。
ただ、僕はいま42歳ですが、さまざまなものが禁止されていくのをリアルタイムで体感してきた世代
子どもにとどまらず、『危ないから』『もめるから』などと、良かれと思って先回りして禁止したり制止したりすること自体の弊害を、問い掛けずにはいられなかった」と打ち明けます

 籾山さんが育ったのは横浜市内の住宅街。
子どもがサッカーや野球、ドッジボールなどに明け暮れていた公園は、ある時から「ボール遊び禁止」になり、ゲートボールの練習場に。
そのお年寄りいわく「ゲートボールは遊びではない」だったといい、花火も保護者同伴なら大丈夫だったのが、新しく建ったマンションの住人の苦情で全面禁止になったそうです。

 それから20年ほど過ぎ、結婚して娘が生まれると再び自宅近くの公園を訪れるようになりましたが、相次ぐ遊具の事故の影響か遊具はほとんどなく、籾山さんは落ち葉や枯れ木を使った家づくりなど「道具がなくても創れる遊び」を考え、娘と遊んでいたそうです。

 実際、国土交通省の公園利用実態調査では、住宅街にある0.25㏊以下の「街区公園」と2㏊以下の「近隣公園」の平均利用者の年齢構成は、少子高齢化の影響もあり65歳以上の高齢者の割合が急増。
利用者数全体もこの40年ほどで半分以下に減っています。
また同省が2015年に行った遊具の安全性に関する調査では、全般的に遊具の老朽化が進み、回転塔など撤去が進む半面、新設は全世代型の健康器具などが目立っています。

 さらに、街区公園などの管理を担う自治会にも心労は尽きません。
籾山さん自身も実家の自治会の手伝いをしているそうですが、新住民から地域で長く続く盆踊りの太鼓の音が「うるさい」と言われたり、「かき氷は子どもがお腹を壊す」と苦情が出たりし、中止や変更を検討せざるを得なくなっているとも。

町や子どもたちのことではなく、自分の住環境にしか興味がない人が増えたような…
自治会にも参加せず文句だけ言う『お客様住人』も少なくないのでは」と籾山さん。
今回ツイートが話題になったことについて「本来の意図は別でしたが、多くの方に考えるきっかけを提供できたとすれば、うれしいです」と話します。

 「遊び」は創造力や体力づくりの原点のはず
大人も子どもも、もっと伸び伸びと気兼ねなく「遊べる」環境が欲しいと思うのは、贅沢なことなのでしょうか
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血液クレンジングだけじゃない……“トンデモ医療”で大金を稼ぐ「自由診療クリニック」はなぜ野放しなのか?

血液クレンジングだけじゃない……
“トンデモ医療”で大金を稼ぐ
「自由診療クリニック」はなぜ野放しなのか?
2019年11月12日 文春オンライン鳥集 徹

 先月、「血液クレンジング」なる治療法をめぐって、ちょっとした炎上騒ぎが起きました。
今もニュースサイトで記事が掲載され、厚生労働省が実態調査に乗り出すなど、関心の高い話題となっています。

 血液クレンジングは患者から100〜200ccの血液を採取し、オゾンガスを混ぜてから体内に戻す治療法だそうです。
グーグルで「血液クレンジング」と検索してトップに出たクリニックの宣伝によると、「抗酸化力の向上・血液の流れの改善・免疫力のアップなどの効果が期待でき、身体がもつ本来の力を高めます」とありました。
がんや心筋梗塞、HIV除去にまで効果があるとうたっているクリニックもあるようです。

■インフルエンサーたちがブログやSNSで発信
 私は20年以上、医療現場を取材して記事を書いていますが、恥ずかしながらこんな治療法があるとは知りませんでした。
この治療法は保険適用ではなく、自由診療として1回数万円の料金で提供しているクリニックが多いようです。
しかし、保険診療を行っている通常の医療機関でこの治療を実施しているところは、私が知る限りないと思います。

 この治療法に対して、医師などから医療効果を疑問視する声が相次ぎました。
この問題を追及しているBuzzFeedの記事によれば、NIH(米国国立衛生研究所)で免疫学やウイルス学を研究する峰宗太郎医師が論文を検索して科学的に検証したところ「オゾンの医療利用は、医学的にははっきりとした有用性は極めて限定的であり、かつ弱いエビデンス(証拠)しかなく、ほぼ無効であろうと言えます」とのことです(BuzzFeedNews 「『トンデモ医療であると、断言します』血液クレンジング、医学的に徹底検証してみた」 2019年10月21日)。 

 にもかかわらず、有名ブロガーの「はあちゅう」こと伊藤春香さんはじめ、歌舞伎役者の市川海老蔵さんや元AKBの高橋みなみさん、女優の仲里依紗さん、タレントの田中律子さん、総合プロデューサーの秋元康さん、幻冬舎社長の見城徹さんなどが、ブログやSNS等で血液クレンジングを受けたと発信していたことが判明。
「インフルエンサー」と呼ばれる影響力の大きな人たちが、このようなトンデモ医療を人びとに広めるような発信をするのはケシカランと、医師などから批判が渦巻いたわけです。

■「がん治療」にも多い怪しげな治療法
 医療行為としての疑問点や有名人が宣伝に加担する問題(ステマ疑惑を含む)についてはさまざまなニュースサイトで取り上げられ、当「文春オンライン」でも個人投資家で有名ブロガー・作家の山本一郎さんがお書きになっています( 「『血液クレンジング』なるニセ医療をめぐる健康情報の修羅を追って」 2019年10月31日)

ですから、すでに触れられていることはそちらに任せて、ここではあえて別の視点をクローズアップしたいと思います。
それは高度な専門職能集団としての「医師の責任」です。
 血液クレンジングに限らず、医療効果が証明されていないのに、自由診療で高額な料金をとって提供されている医療行為は、他にもたくさんあります。
たとえば、「がん治療」に限ってネットで探してみても、こうした治療法が出てきます。
「免疫細胞療法(活性化自己リンパ球療法や樹状細胞療法など)」「がんワクチン療法」「全身温熱療法」「高濃度ビタミンC療法」「サプリメント療法」「p53遺伝子治療」「還元電子治療」「アルテスネイトがん治療」「重水素減少水療法」……。

 こうした治療法の名前を見て、一目で「医学的効果は証明されていない」と見抜ける人がどれだけいるでしょうか。
「活性化自己リンパ球療法」「樹状細胞療法」「がんワクチン療法」「p53遺伝子治療」など、難しそうな医学専門用語が並んだ言葉を見て、がん専門医も認める最先端治療だと誤認してしまう人も多いはずです。

■「最先端のいい治療だ」と錯覚させ、大金を手にする
 さらに問題なのは、これらの治療をすべて「医師」が行っていることです。
「医師がやっているのだから、効果があるだろう」「医師がやっているのだから安全だろう」と、鵜呑みにしてしまう人が多いのではないでしょうか。
費用も高いだけに、「最先端のいい治療だ」と錯覚してしまう人もいることでしょう。

 インフルエンサーたる有名人は、一般の人にトンデモ医療を広めないよう注意し、その言動に責任を持つべきです。
ですが、EBM(科学的根拠に基づく医療)云々、エビデンスレベル云々、ランダム化比較試験云々、標準治療云々と言っても、一般の人に理解してもらうのは簡単なことではありません。
医療の素人である芸能人が、セレブ扱いされて気持ちよくなり、医師の言葉を鵜呑みにしてしまうのは、致し方ない面があります。
それだけ、日本最高の高偏差値エリート集団である医師の権威は一般の人にとって大きいのです。

 そう考えると、高額なお金をとって患者に効果の証明されていない治療を施している医師、そして、それを野放しにしている医学・医療界の責任は大きいと私は思います。

■多くのクリニックが堂々とネット広告を出している
 もちろん、こうした問題のある医療行為の横行を黙ってみている医師ばかりではありません。
今回の血液クレンジング騒動でも「トンデモ医療ハンター」とも呼べるような医師の方々が、血液クレンジングを行っている医師を非難し、専門職能集団たる医師の責任についても言及していました。

しかし、それが医学・医療界全体の責任問題にまで広がっていないことが問題だと私は思うのです。
 たとえば、冒頭にあげた「免疫細胞療法」は、6回程度を1クールとする治療を受けると全額自己負担で300万円前後の治療費がかかります。
活性化自己リンパ球療法や樹状細胞療法、がんワクチン療法などは、大学病院やがんセンターなどでも研究されてきました。しかし、目立った成果を上げることができず、今のところ保険適用とはなっていません。
にもかかわらず、多くのクリニックが堂々とネット広告を出しており、患者集めのセミナーなども開催され、現在もたくさんのがん患者が治療を受けています。

■医師が法的なペナルティを受けることはほとんどない
 科学的に効果が証明された「標準治療」を基準とする治療を行っている、まともながん専門医に取材すると、こうした効果が証明されていない治療を行って、藁にも縋る思いでいる患者や家族から多額のお金を取るのは問題だと眉を顰める人が少なくありません。
実際にがん専門医から構成される 日本臨床腫瘍学会 は、今年5月30日にがん免疫療法に関して、一般市民に注意喚起する文書を公表しています。
 こうした取り組みがされたことは、大いに評価すべきだと思います。
しかし、これくらいの注意喚起では、なかなか一般市民に広まらないでしょう。

なによりがん免疫療法をはじめ非証明治療を行っている自由診療クリニックには、ほとんど影響がなかったはずです。
 なぜ、医療界全体でもっと大きな声にできないのでしょうか。
それは医師に認められている医療行為の裁量権が大きく、いかにエビデンスのないトンデモ医療だと批判されようと、患者に傷害を負わせたり、明らかな詐欺を行ったりしない限り、法的にペナルティを受けることがほとんどないからです。

■有名人を批判するだけで終わってはいけない
  それだけでなく、たとえば大手のがん免疫細胞療法クリニックには、有名大学医学部出身の医師、有名大学病院の元准教授、有名がん専門病院の元部長などが所属しており、そのバックにある細胞培養会社の経営陣には、超有名企業のOBたちが名を連ねています。
そうしたこともあるせいか、現役のがん専門医が批判する際も「ここだけの話」といった感じで、大っぴらに批判する医師は、ほんの一部の気骨ある人に限られています。

 今回の血液クレンジング騒動も、有名人を批判するのはいいのですが、批判しやすいところを叩いているだけのように見えます。
もし医師の方々が本気でトンデモ医療を駆逐すべきだと思っているのならば、こうした問題のある医療に関わっている医師たちをどう処遇すべきか、またこうした問題ある医療行為の被害から患者をどう守るのか、これを機会に医学・医療界全体として徹底的に議論すべきではないでしょうか。

■「我々は間違っていない」と反論してくるなら……
 たとえば、日本医学会、日本外科学会、日本内科学会といった各学会の上に立つ中心的な組織が、「標準治療を基準とする適正な医療を行う」と誓った医師や医療機関に認証マークを発行し、患者が一目でわかるよう医療機関の玄関やホームページに表示させるような対策が考えられます。
 そうすれば、標準治療を基準とした適正な医療を行っている医療機関かどうか一般の人でも見分けられますし、有名人も認証マークがついていない医療機関の宣伝に加担するのはマズいと判断できるようになるでしょう。
さらに、認証マークの規約に違反した医師・医療機関や認証マークのない医師・医療機関があった場合は学会から厚生労働省に調査を依頼し、医療内容、ネット広告等に違法行為やガイドライン違反があれば摘発・指導してもらうといいのではないでしょうか。

 もしトンデモ医療だと名指しされた医師・医療機関側が「我々は間違っていない」と反論してくるなら、学会に呼んで徹底的に議論し、臨床試験を実施させるなど、適正な方向に向かうよう指導することもできるはずです。

 医師は日本有数の高偏差値を誇る超エリート集団です。
優秀な頭脳と良心を持つ医師の方々なら、きっといい知恵を出してくれて、すぐに実行してくれると信じています。
血液クレンジングを叩くことで終わるのではなく、これを機会にぜひ専門職能集団としての自浄作用を発揮していただきたいと願っています。
posted by 小だぬき at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月14日

日本はもはや国の体をなしていないことを実感した1カ月

日本はもはや国の体をなしていないことを実感した1カ月
2019/11/13 日刊ゲンダイ(斎藤貴男)

 この国の社会はもはや、社会としての体をなしていない。
もともと小泉純一郎政権の新自由主義“改革”で危なくなっていたところを、アベシンゾーによって何もかもブチ壊されてしまった。
この1カ月間だけでも――。

 菅原一秀経産相が有権者を、河井克行法相が運動員を、それぞれ“買収”した公職選挙法違反容疑で、就任早々の辞任に追い込まれた。
大学入試への英語民間試験導入について萩生田光一文科相が「身の丈に合わせて頑張って」と吐いたかと思えば、河野太郎防衛相は「私は雨男」だと台風被害をウケ狙いのタネにした。

 アベは「私の任命責任」だと口では言う。
だが何もしない。
ただ威張る。
国民を腹の底からなめきっていなければ、いや、まともな大人ならできっこない言動ばかりを繰り返して、今月20日にはとうとう歴代最長の首相在職日数になるのだとか。

 アベは国会の舞台でも、首相にあるまじき、というより幼児以下のヤジを飛ばしまくる。
この6日には加計学園問題をめぐる文書を取り上げた野党統一会派の議員に、「あなたが作ったんじゃないの」。
8日には立憲民主党の議員に「共産党か!」……。
 悲しくて、情けなくてやりきれない。

なんでこんな手合いが首相なのか。
あり得ないだろう、普通。
 だが現実である。
この間には例年春の公的行事「桜を見る会」がアベとその側近らに私物化されていた実態さえ暴露された。

以上はみんな、この、たったの1カ月の間に起きたり、わかったりしたクソ話だ。
歴代最長の首相とやらに、この国も私たちも、とうの昔に肥だめに突き落とされている。
 幼児性丸出しの支配欲は、そのまま政策にもなっている。

米軍とともにある戦争と、帝国主義へのむき出しの野心はご案内の通り。
低能マスコミが「おトク」かどうかだけを垂れ流し続ける消費税のポイント還元は、イコール超監視社会への起爆剤だし、くだんの英語民間試験は、これも御用マスコミが萩生田発言を遠慮がちに形容する「格差の容認」どころか、あえて積極的に「格差を創造・拡大・固定化する」方便に他ならない事実を、私たちは断じて許してはならない。

 日本はアベに破壊された。どいつもこいつも上しか見ないヒラメになり下がり、人心も荒廃しきった。
もう手遅れだ。
 私は夢想する。日本の国家そのものをいっぺん解散して、ゼロからやり直せないだろうか。
ここまで来てしまったら、それ以外に道は残されていないのではないか、と。
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2019年11月15日

どう考えてもおかしい「香典半返し」という習慣

どう考えてもおかしい「香典半返し」という習慣
2019年11月14日 PRESIDENT Online

葬式で香典をもらったら、香典の額の半分を返す「半返し」がマナーだとされている。
だが、本来の香典返しは、お金が余った場合にのみ行うものだった。
半返しの習慣はなぜ広まったのか。宗教学者の島田裕巳氏が解説する――。
※本稿は、島田裕巳『神社で拍手を打つな!』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

■1970年代の「怪しいアルバイト」
それはかなり昔のことである。
1970年代の半ばだった。
私の知り合いがアルバイトをやっていた。

東京都内でのことで、区役所の出張所に行って、最近亡くなった人を調べ、その住所を書き写してくるという仕事である。
個人情報のことがうるさく言われるようになった今日からすれば、あり得ない仕事である。
その目的は、香典返しを専門に扱っている業者が、最近葬式を出した家にダイレクトメールを送り、香典返しの品を買ってもらうことにあった。
その当時でも、これは、かなり怪しげなアルバイトに思えた。
人の不幸につけこんでいる。そんな印象を受けたからだ。

しかし、葬式にまつわるしきたりについて考える際に、この時代に、そうした仕事があったということは興味深い。
なぜ興味深いかと言えば、業者がこうしたダイレクトメールを出していたということは、この時代にはまだ香典返しというしきたりが十分には確立していなかったことを意味しているからだ。

現在では、葬式で香典を貰(もら)ったら、お返しをする。
そうしたしきたりが確立されている。
たとえ、業者が、その家が葬式を出したという情報をつかんでダイレクトメールを送ったとしても、すでに葬祭業者がその手はずを整えているので、仕事にありつけることはほとんどない。
今は、そんなダイレクトメールを送る業者自体が存在しないはずだ。

■農村では「米」をもちよることもあった
葬式の際に、香典をいただいたら、お返しをする。
そうしたしきたりが、今では定着している。
お返しは、基本的に「半返し」とされ、香典の額の半分を、遺族は品物を選んで届けることになる。
最近は、カタログが送られてきて、そのなかから選ぶというやり方も多くなった。

香典は、「香奠」とも書かれ、仏教用語とされる。
仏教関係の辞典にも、「香奠」の項目があり、「香資(こう し)」「香銭(こう せん)」とも言い、奠には、すすめる、そなえるの意味があるとして、次のような説明がなされている。
「原義は仏前または死者の霊前に香をそなえること、またその香物。

現在では、香を買う資金または香の代品という意味で、親戚や知人がもちよる金品を意味することが多い。
農村では米などをもちよることもあった」

その上で、香典返しについては、次のような説明が加えられている。
「葬儀や法事で施主はまとまった出費がかかるため、まわりの者はその一部にと香奠を提供するので、仏事が終わり余りが出れば、香奠返しをする。
また仏具などを買って菩提寺に寄進する」(『岩波仏教辞典』)

この説明で注目されるのは、香典返しは必ず行われるものではなく、葬式を出して、香典が余った場合に行われるとされていることである。
ということは、余らなければ、しないものであり、する必要がないということにもなる。

■本来は経済的な負担を軽くするためのもの
香典が、葬式を出す遺族の経済的な負担を軽減するために行われるものであるなら、本来、香典で全体の費用がまかなえない場合には、お返しをする必要はない。
ところが、今のしきたりでは、余りが出ようと出まいと、お返しは必ずするものとなってしまった。
塩月弥栄子の『冠婚葬祭入門』は、最初にふれたアルバイトが行われていたよりも前の1970年の刊行なので、香典返しについては、「香典は、他家の不幸に同情し、相互扶助的な意味もあって贈られたのですから、感謝の挨拶状だけでもよいのです」と述べられている。

香典返しは、業者の手を通して行われる。
半返しなら、香典の半分は遺族にわたっても、残りの半分は業者の手に入る仕掛けである。
カタログなど、さほど欲しいものが選べるわけではなく、いつの間にか忘れ、期限が過ぎてしまう。
そうなったとき、果たして残金は遺族に返還されるのだろうか。 これは、どう考えてもおかしなしきたりである。

では、そこに疑問を感じて、遺族が香典返しをしないということはあるのだろうか。
また、できるのだろうか。
そこはなかなか難しい。

もちろん、香典返しがこなかったからといって、香典を出した側が抗議をすることはないだろう。
だが、人は意外にそのことを覚えているものだ。
「あの家は香典返しもしない」 そんな評判を立てられても困る。
そう考える人も少なくないだろう。

■香典返しを広めた人類普遍の法則
香典返しというしきたりが広がった背景には、人類全体に普遍な法則が関係している。
その法則とは、文化人類学の世界で用いられる「互酬性(ご しゅう せい)」である。
互酬性についての古典的な研究に、フランスのマルセル・モースによる『贈与論』がある。
これにはもともと「アルカイックな社会における交換の形態と理由」という副題がついていた。

それというのも、互酬性は、古代の社会、あるいは未開の社会に見られる現象としてとらえられていたからである。
古代や未開の社会においては、モノには魂が宿ると考えられていた。
モノは、たんに物質的なものではなく、魂を持った人格と見なされている。
そうした社会では、権力を持つ人間は、自分の気前のよさを示すために無制限にモノを贈与する。
これは、北米の原住民のあいだで「ポトラッチ」と呼ばれ、このことばが一般にも用いられるが、受けとる側はそれを拒否してはならないとされる。
さらには、お返しの義務が伴うのである。

■「恩や義理」を返そうとする日本人の心性
その互酬性が、近代の日本社会において生き続けていることを示したのが、アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトだった。
彼女は、『菊と刀』という本を書き、当時は敵国だった日本人の心性を研究の対象とした(本の刊行は戦後の1946年)。

『菊と刀』と聞けば、多くの人は、欧米の「罪の文化」と日本の「恥の文化」の対比を思い起こすだろう。
たしかにベネディクトは、『菊と刀』のなかで、罪の文化と恥の文化の対比に言及している。
だが、その部分はわずか2ページである。
しかも、13章あるうちの10章になってようやく出てくるに過ぎない。

『菊と刀』の日本語訳が出たのは、原著刊行の2年後の1948年のことだった。
ところが、日本での評判はかなり悪かった。
日本を占領している国の人間が、日本に来たこともないのに、勝手なことを言っていると考えられたのかもしれない。
たしかに、読んでみると、見方が皮相であったり、誤解している箇所が目につく。
だが、ベネディクトが、日本文化の特徴として、恥よりもむしろ「恩」や「義理」の重要性を指摘したところは、今見ても評価に値する。

日本語訳が出た直後に、珍しくこの本を評価した人間に法学者の川島武宜がいるが、彼は、恩の概念について分析した5章と6章をとくに優れているとした。
ベネディクトは、恩や義理を受けたと感じている日本人は、なんとかそのお返しをしようと試みることを指摘した。
恥もまた、その文脈のなかでとらえられており、恥を知る人間は、恩や義理を受けたことを生涯にわたって忘れず、どこかでそのお返しをしようとするというのである。
日本人にはこうした心性が現代においても生き続けているため、香典を貰ったら、それにお返しをしなければならないと考える。
業者は、そこに目を付け、半返しの習慣が生まれるように誘導していった。
日本人は、なかなかそれに逆らえないのである。

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島田 裕巳(しまだ・ひろみ) 宗教学者
1953年東京都生まれ。
宗教学者、作家。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。
放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。
自身の評論活動から一時「オウムシンパ」との批判を受け、以後、オウム事件の解明に取り組んできた。
2001年に『オウム なぜ宗教はテロリズムを生んだのか』を刊行し話題に。
『戒名』『個室』『創価学会』『神社崩壊』『0葬』など著書多数。
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2019年11月16日

寝ても疲れが取れない「朝疲れ」に要注意、高血圧や糖尿病の可能性も

寝ても疲れが取れない「朝疲れ」に要注意、高血圧や糖尿病の可能性も
2019.11.15 ダイヤモンドオンライン

睡眠は横になるだけで疲れを癒やすことができる最良の疲労回復法だ。
しかし、睡眠時間は十分なはずなのに目が覚めたときに疲労感がある、という人は“朝疲れ”状態に陥っている可能性が高い。高血圧・糖尿病など生活習慣病とも関わりが深い朝疲れについて専門医に聞いた。
            (清談社 真島加代

7時間寝ても疲れが取れない…… 朝疲れの正体
 睡眠は私たちの体や脳に休養をもたらす重要な生命活動のひとつだ。
近年では、慢性的な睡眠不足を「睡眠負債」と呼び、不健康な生活習慣として注目を集めている。
 しかし、睡眠負債の返済は、ただ睡眠時間を増やせばいい、というわけでもないらしい。

「十分な睡眠時間を取ったはずなのに、朝に目覚めたときに疲労を感じている人は要注意。
質の悪い睡眠による“朝疲れ”をしている可能性が高いです」
 そう話すのは、池谷医院(東京・あきる野市)院長の池谷敏郎氏だ。

池谷氏によると、朝疲れの原因は睡眠時間の短さだけでなく「睡眠の質の悪さ」が関係しているという。
「質が悪い睡眠とは、一晩の眠りが浅いこと。
たとえば、寝付きが悪かったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりという悩みがある人は、全体の睡眠時間が長くても疲労が回復しにくい状態です。
また、眠りが浅い日が続くと体内時計が狂い、自律神経の乱れから、さまざまな体調不良を招いてしまいます」

 特に夏場は、日照時間の長さや寝苦しい夜が続く影響で、睡眠のリズムが狂っている人が少なくない。
そのため、近年のような猛暑の夏が終わり、眠りやすい秋になっても睡眠不足に悩むケースが少なくないのだ。

「熟睡の条件は“体の中心の温度を下げる”こと。
通常は手のひらや足の裏の血管を通して体温を外に逃がし、深い睡眠に入ります。
しかし、自律神経の乱れや血管のしなやかさが失われていると、上手に体温を逃がすことができません。
その結果、眠りが浅くなり、自律神経の乱れを引き起こす、負のスパイラルに陥ってしまうのです」

 睡眠不足が引き起こす、さまざまな血管疾患
 気温などの外的要因のほかに、中高年に多い睡眠時無呼吸症候群もまた熟睡を妨げる大きな原因だ。
「寝ても寝足りない、強い朝疲れを感じる人は睡眠時無呼吸症候群の可能性が非常に高い」と池谷氏は指摘する。
「睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中の血圧の変動が大きくなり、高血圧と低血圧を繰り返します。
その結果、心疾患や脳出血、脳梗塞などの脳卒中のリスクが高まると考えられます。

また、睡眠時無呼吸症候群は、日中の血圧にも悪影響を及ぼし、高血圧の原因にもなります。
睡眠時無呼吸症候群の有無にかかわらず、睡眠時間だけをみても、5時間未満しか寝ていない人は、高血圧のリスクが高まることも知られていますね」

 さらに睡眠不足の悪影響は高血圧だけにとどまらないようだ。
「睡眠不足は、血中の糖(血糖)が過剰になる2型糖尿病の発症リスクも高めます。
通常、私たちの体は血糖値が高くなると膵臓から『インスリン』というホルモンを分泌して血糖値を抑えます。
しかし、睡眠不足が続くとインスリンの効果が弱まる傾向があるので、血糖値が慢性的に高くなり糖尿病を発症してしまうのです」

 このように、朝疲れを感じても「ただ眠れていないだけ」と、軽視している人もいるかもしれないが、睡眠不足はさまざまな血管疾患につながる危険があるということを知っておくべきという。

「秋から冬にかけて、気温が低下すると、血圧が上昇しやすくなり、血管事故の発症リスクが高まります。
そこで、快適な睡眠を得られやすい季節とされる秋にこそ、質の良い十分な睡眠を得ることが大切です」
“秋の夜長”とはよくいったものだが、秋の眠りこそが健康のポイントになるようだ。

GABAを上手に活用して快眠をゲット
 池谷氏は「秋のうちに睡眠の質を高めておきましょう」と、アドバイスする。
なかでも食事内容の見直しが大切だという。
「覚醒作用があるカフェインがコーヒーに含まれていることは広く知られていますが、緑茶や紅茶、ウーロン茶にもカフェインは多く含まれています。
夕方以降にカフェインを取ると睡眠の質を下げるので控えましょう」

 寝酒と称してアルコールをたしなむのも考えもの。
酒を飲んで寝ることそのものが、睡眠の質を下げるそう。
「アルコールを飲んだときに発生するアセトアルデヒドは、交感神経を優位にして眠りを浅くします。
お酒を飲んだときの眠気は、ただの“寝落ち”なので疲労回復にはつながらないのです。
また、アルコールには利尿作用があるので、睡眠中に尿意を催して何度も目を覚ます原因にもなります」

 寝酒が日課になっている中高年男性は、慢性的な睡眠不足になりやすい。
快眠を得るためにも寝酒をやめる強い覚悟が必要だろう。
「疲れた体を癒やしたいのであれば、疲労回復に役立つといわれるイミダペプチドを多く含む“鶏むね肉”や“魚肉”がおすすめですよ」

 特におすすめなのは穀物や野菜、果実などに含まれるアミノ酸「GABA」を含む食材。
GABAには睡眠の質向上に役立つ働きがある、と池谷氏。
「GABAは緊張をつかさどる“交感神経”の働きを抑えて、休息・リラックスを促す“副交感神経”を優位にするので、快眠効果が期待できます。
大豆を発芽させた『大豆もやし』は、GABAが豊富で大豆イソフラボン、食物繊維、疲労回復を助けるアスパラギン酸などのさまざまな栄養素が手軽に取れる食材です。
大豆もやしをレンジで温め、レモン汁とごま油であえてナムルを作ると箸が進みますよ」

 朝疲れ解消のコツは“同じ時間に起きる”こと
 食事以外に見直すべきは、睡眠環境。
特に「枕」は首の血管にも影響を与える寝具なのでこだわるのが吉だ。
「枕が合っていないと首の筋肉が緊張して首の血管が圧迫されるので、熟睡ができません。
また、寝返りが打ちにくい枕はイビキや睡眠時無呼吸症候群を悪化させます。
ある程度の硬さがあり、横向きになったときに頭、首、体の中心が一直線になり、無理なく寝返りができる枕が理想ですね」

 パジャマは綿などの吸汗・速乾に優れた素材でゆったりとしたものを着用しよう。
そして何より、平日の朝疲れをリセットするカギは休日の過ごし方にあるという。

「平日の睡眠負債を一気に返済しようと、寝だめをする人もいると思います。
事実、寝だめにも一定の疲労回復効果が期待できるという研究結果もありますが、起きる時間を平日に合わせないと体内時計はさらに狂ってしまい、朝疲れがさらに重くなります。
休日は遅く起きるのではなく早寝をしましょう。
早く寝ていつもの時間に起き、睡眠時間を確保するのがポイントです」

 休みの日の日中は軽いウオーキングやゴルフなど、体を動かすことが良質な睡眠を得ることにつながる。
休日は活発に動いてバランスの良い食事を取り、良質な眠りにつく…これこそが、厄介な“朝疲れ”を解消するコツなのだ。
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2019年11月17日

自分はうつ? と感じたときに試したい、1日3分の“うつぬけ”メソッド

自分はうつ? と感じたときに試したい、
1日3分の“うつぬけ”メソッド
2019年11月16日 SPA!

自分に自信がない、すぐに落ち込んでしまう、このままだとうつ病になってしまうのではないか……
そんな不安に押しつぶされそうになったことはないだろうか? 
 特に30代〜50代の男性は、バリバリの働き盛りでストレスが多く、気がついたら休養が必要なほどのうつ病を患っていた、というケースもある。

 そこで、今話題の“うつぬけ”メソッドが紹介されている『1日3分でうつをやめる。』(10月25日発売)の著者であり、うつ専門のメンタルコーチの川本義巳氏にインタビュー。
なぜ30代〜50代はネガティブ思考になりがちなのか、もしうつ病になりそうになったとき、どうすればいいのかを教えてもらった。

 実は川本氏自身も、うつ病で6年間も苦しんだ過去がある。
大手IT企業への転職を機に、38歳でうつ病を発症し、寝たきり状態になって1年2か月の休職を経験。
その体験をもとに“うつぬけ”メソッドを確立したのだ。

 川本氏曰く、うつになりやすい人には、共通する“思考のクセ”があるという。

◆「ポジティブにならなきゃ」という強迫観念
 共通点のひとつは、ネガティブになってはいけない、ポジティブにならねば、と考えること
「物事に関してネガティブに感じるということ自体は、正常な反応なんです。
だって、嫌なことを言われたら辛くなるのは当然です。
大事なのはネガティブに感じた“後”なんです。
ネガティブ思考が持続してしまい、何事もネガティブに考えるクセがついてしまうことが問題です」(以下、川本氏)

 ネガティブ自体にいいも悪いもない。
ただ、自分が今ネガティブだということを一旦冷静になって、客観的に知ることが大事だという

また、ネガティブ状態から抜け出せない人は、「ポジティブにならなければいけない」と強迫観念的な思いを抱くことも多いとか。
「ネガティブはよくない、という思いからポジティブにならなければいけないという焦りが生まれてしまうんです。
僕も過去に、自己啓発やスピリチュアルに手を出したこともあります(笑)。
だけど一時精神がいい感じの状態になったとしても、それが長続きすることはありませんでした。
 だから、ネガティブな感情に支配されたら、その感情を無理に打ち消そうとは思わず、まずは“今自分はネガティブなんだな”と自分の思考を客観視するクセをつけるのがズルズル落ち込まないコツです

◆パワハラ上司は「ジャイアン」と名付けよう
 こんな例もあったという。 「上司のパワハラに悩んでいるというクライアントさんに、上司を心のなかで(『ドラえもん』の)ジャイアンと名付けて、上司の声を頭の中でジャイアンの声に変換してみては、というトレーニングの提案をしたことがあります。
以前なら近寄ってくるだけで怖くて震えていた上司ですが、姿を見ると頭の中にジャイアンのテーマソングが流れてくるようになり、おかしくて徐々に上司の存在が気にならなくなってきたというのです。

 パワハラ上司を“好きになる必要はない”んです、ただ前ほど嫌じゃなくなれば楽ですよね。
これと同じで、ネガティブをポジティブに無理に変える必要はないんですよ」

◆原因を追究しすぎる人は、うつを呼びやすい
 また辛い目にあったときに「なぜ自分はこうなったのか」と原因を追究してしまう人が男性に多いとか
これも、うつになりやすい人に共通する考え方だ

「例えば会社で嫌なことがあったとき、自分はなぜこの会社に入ってしまったのか……などと考えてしまうんです。
 そうすると、会社に入った理由は大学の推薦だった。
じゃあなぜあの大学を選んだのか、高校時代の頑張りが足りなかった。
中学時代なぜあの高校を受験してしまったのか、親が塾に行かせてくれなかったから……などとどんどんさかのぼることになり、結局“親が悪い”というところに行き着きがちです(笑)。
 だけど、このように原因を究明したところで状況が回復するほど事態は単純ではありません」

 確かに、たとえ辛さの原因がわかったとしても、今の状況は変わらない。
親から「お前の育て方が悪かった」などと今謝られたとしても、現状抱えているトラブルがいい方向に回復する近道にはならないだろう。
「ネガティブを引きずったり、辛さの原因を追求したりと、うつになりやすい人は“うつを呼ぶ考え方”をしているんです。
もし今、鬱々としている状態から抜け出したいと思っている人がいたら、1日3分でうつ状態を“やめる”方法が、自著『1日3分でうつをやめる。』に書いてありますのでぜひ1度試してみてほしいです」

◆身近に辛そうな人がいても、無理して相談に乗らないこと
 また、自分の家族や友人に精神状態が辛そうな人がいたらどうすればいいのだろか?
「専門家のところに行くよう勧めてください。
もちろん相談に乗ってあげるのもいいですが、何度も何度もネガティブな悩みを相談されると、聞く方もだんだんとしんどくなってきて、結果友情関係などが壊れてしまうかも。
なので共感はしつつも、無理な頼みをされたら無理と言うしかありません。
大切な人が苦しんでいるのを見るのはつらいですが、“何かできることある?”といった“May I Help You?”の精神で接するのが一番です」

 川本氏はうつ病で休養中のクライアントに、はやく会社に戻りたいと相談されたときこのような言葉をかけているという。 「会社は生活の保証はしてくれるけど、人生の保証はしてくれないよ

 働き盛りの30代〜50代、もちろん仕事は大切だが、メンタルをないがしろにすると、取り返しがつかない事態に陥るかもしれないのだ。
日頃からマイナス思考だったり、卑屈な考えを持つ人は、今一度自分の心の状態を見つめ直してもいいかもしれない。

川本義巳さんプロフィール】
 うつ専門メンタルコーチ一般社団法人エフェクティブコーチング協会代表理事。
高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。
職場復帰後も6年間うつ病に悩まされ、さまざまな方法を試すが失敗。
2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。
その体験をきっかけにうつ専門のプロコーチになることを決意し、現在のメソッドを開発。
9年間で1万件以上の相談、指導を行う。
                           <文/満知缶子>
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2019年11月18日

誰が見ても違反じゃないか 動かない捜査当局の腐敗堕落

誰が見ても違反じゃないか
動かない捜査当局の腐敗堕落
2019/11/16 日刊ゲンダイ

 公金を使った買収という見方も出ている「桜を見る会」について、説明から逃げ回っている安倍首相が15日夕方、突然、官邸で記者団の質問に応じた。
それだけ焦っているという証左でもある。

来年の開催中止で「臭いものにフタ」を決め込んでみても、国民の疑念は膨らむ一方だからだ。

 税金で催される観桜会に地元関係者を850人も招待して飲み食いさせた接待疑惑
その「前夜祭」と称する夕食会でも後援会関係者に高級ホテルで格安に飲食させ便宜を図った買収疑惑
さらには、この夕食会が政治資金収支報告書に記載されていないことも問題だ。

 安倍は夕食会について、「いわば後援会の皆さんが集まればですね、それは広い意味での後援会活動なんだろう」と認めたが、「会場の入り口の受付にて安倍事務所職員が5000円を集金をし、ホテル名義の領収書をその場で手交し、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされた、ということであります」
「そこで入ったお金をそのままホテルに渡していれば、収支は発生していないわけでありますから、政治資金規正法上の違反にはまったく当たらないということであります」と弁明。

5000円という安すぎる価格の“差額補填疑惑”に関しては、「ホテル側が設定した価格」とホテルに責任を丸投げで、自身に違法性はないと強調した。
 それが事実なら、最初からそう説明すればいいのに8日の参院予算委で疑惑を追及されて以降、観桜会をめぐる政府の説明は二転三転してきた。

■ホテルも巻き込んで隠蔽工作
 政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏がこう言う。
「今回の説明で納得する国民はいないでしょう。
後援会の活動であれば当然、政治資金収支報告書に記載する必要がある
ホテル名義の領収書を用意してもらったのは、報告書に記載しないための偽装工作にも見えます。
領収書に『飲食代』『会場利用費』などのただし書きがないのも不自然です。

それに、食事代が1人5000円だったとしても、数百万円とされる宴会場の貸し切り料金は誰が支払ったのか。
会場費の不記載に問われる可能性があります。
さらに言えば、仮に首相の説明通り、通常は1万円以上する食事代をホテル側から5000円にすると持ちかけたとすれば、半額以上の割引は社会通念上許される範囲を超えており、現物供与の寄付行為にあたるでしょう。

本来は政党への寄付しかできない一企業が首相個人や政治団体に献金したことになり、違法です。
名門ホテルの看板に傷がつきかねません」

天下りや出世のために悪事を見逃す法務・検察
 何があっても「私から働きかけたことはない」と現場の“実動部隊”のせいにするのは安倍の常套手段だが、老舗ホテルの威信まで巻き込んで、どう落とし前をつけるつもりなのか。
「こんなの誰がどう見たって公選法違反ですよ。
夕食会の差額は官房機密費で補填したのか、政党交付金から拠出したのか知りませんが、政府主催の観桜会を私物化し、大掛かりな選挙事前運動に悪用していたのです
同じ公選法違反の疑惑で菅原前経産相や河井前法相が閣僚をクビになったのだから、安倍首相もクビにならなければおかしい。
公金を使った買収なんて前代未聞です。
捜査当局は、こんな明白な違法行為が白昼堂々と行われているのに、見逃す気なのでしょうか」(政治評論家・本澤二郎氏)

 疑惑の花見は「不適切でも違法ではない」
「夕食会のカネは一時的に預かっただけだから収支にあたらない」――。
安倍の発言は、福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた関西電力幹部の言い訳とそっくりだ。

 その関電疑惑でも、捜査当局はまったく動く気配がない。
背景には、関電が検察幹部の天下り先になっているという醜悪な事情がある。
金品受領問題を解明する第三者委員会の委員長に就任したのも、元検事総長の但木敬一弁護士という茶番劇である。

 発売中の「月刊日本」11月号で、元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士が関電と関西検察OBの「深い関係」を解説している。
<関電の社外監査役を長年務めていたのは、「関西検察のドン」と称された土肥孝治元検事総長です。
その後任として社外監査役に就いたのも、元大阪高検検事長の佐々木茂夫弁護士です>
<関電の調査委員会で委員長を務めていた小林敬弁護士も、元大阪地検検事正です>
<こうした事情を踏まえれば、大阪検察の幹部たちが自らの退官後の処遇を考え、関電への捜査を躊躇しているとしても不思議ではありません。
巨額の金の動きを伴う重大事案が表面化しているのに全く動こうとしない検察を見れば、そのような疑いを持たれても仕方ないでしょう>

 その上で、こんなことがまかり通れば関電だけでなく検察への不信感も高まり、モラルの根本が崩壊してしまうと警鐘を鳴らしている。

■数で制圧した国会内は嘘で乗り切れる
「大阪地検の堕落は目に余りますが、観桜会の疑惑に切り込まない東京地検も、また石看板にペンキをかけられる事態になりかねません。
第2次安倍政権で官邸の力が強くなり、法務・検察官僚も官邸を忖度するようになった。
人事を握られ、出世のためには悪事に目をつむるのです。

モリカケ問題でも首相夫妻の疑惑には触れようとせず、悪事を働いた役人も無罪放免にした。
大臣室でワイロを受け取った甘利元経済再生相や加計学園から闇献金を受けていた下村元文科相もおとがめなしで、マトモな立件はひとつもありません。

首相と親しければレイプ疑惑まで見逃されてしまう。
法の下の平等がすっかり歪められています。
国民が大量議席を与えた結果、安倍官邸の権限が増大して、司法も意のままに操れると、やりたい放題がまかり通っている。それがおごりにつながり、悪人天国になってしまいました」(本澤二郎氏=前出 )

 森友学園の籠池前理事長のように、安倍政権に批判的な言動をすると即座に身柄を拘束されるのに、お仲間は何をやっても罪に問われず、忖度官僚が出世する。
善悪ではなく、安倍との関係性で物事が決まっていく。
その延長に花見疑獄もある。

 野党は国会での説明を求めているが、安倍は「国会のことは国会がお決めになる。
その上で、政府としては、国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然のことだろうと思っています」と繰り返すばかり。
官邸のぶら下がりで一方的に言いたいことを言うだけだ。

 モリカケ疑惑でも、証人喚問などは「国会でお決めになること」と言い続けて逃げ切ったが、いま問われているのは「政府」ではなく安倍個人の問題だ
支援者への便宜供与や夕食会の疑惑を払拭したければ、安倍自身が説明するしかない。

 菅原、河井の辞任については、国会で任命責任を追及された時は「政治資金に関わることなどについて、あるいは公選法に関わることについては、これは大臣の職にある者、あるいはそうじゃない者、与党野党にかかわらず、そういった指摘があれば、その指摘に対して説明責任を果たしていかなければならない」とか何とか言って、個人に責任をかぶせていたが、いざ自分に降りかかってくると、政府の責任にスリ替えてしまう。
このご都合主義には呆れるほかない。

 与党が数の力を握る国会では予算委の集中審議にもなかなか応じようとしないし、役人も資料を隠蔽してしまう。
嘘つき首相のはぐらかし答弁で時間切れにされるのがオチで、国会内での真実究明は難しいのが実情だ。

 となれば司直の手に委ねるしかないように思うが、肝心の捜査当局が腐敗しきったこの国では、もはや正義のメスなど望むべくもない
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2019年11月19日

「パニック障害」10人に1人がかかる病の対処法

「パニック障害」10人に1人がかかる病の対処法
2019/11/18 東洋経済オンライン

岩波 明 : 精神科医
10人に1人がかかるといわれている「パニック障害」。
いったい、どんな症状で、どう対処すればいいのか? 
「金スマ」「世界一受けたい授業」にも出演した、精神科医の岩波明氏が解説します。

パニック障害という病名は、最近になって使用されるようになったものです。
それまでは、長らく「不安神経症」と呼ばれていました。
1990年代に「パニック障害」という用語が登場すると、そのキャッチーな響きが一般に広く受け入れられ、短期間のうちに浸透しました。

パニック障害の症状は、身体的な異常がないにもかかわらず、突然の動悸、呼吸困難、発汗、震え、目まいなどのパニック発作を繰り返す、というものです

パニック障害の負担
最も頻度の高い身体的な症状は、動悸と息苦しさです
発作の際には、強い不安や恐怖感を伴います
パニック発作そのものは、数分から数十分で治まります。
病院の診察を受けても身体的な異常は見つかりません。
それでも発作が起こっている最中は「このまま死んでしまうのではないか」「重大な病気にかかっているのではないか」と思うぐらい苦しいものです。

パニック障害の患者は、「また発作が起きるのではないか」という不安が強く、外出などの行動が制限されることもあります。
これを「予期不安」といいます。
パニック発作は多くの場合、特定の場所や状況で誘発されます。
とくに、電車や飛行機などの乗り物、エレベーターなどの閉鎖的な空間が誘因となりやすいのです。

こうした「パニックを起こしやすい状況」に対して不安を感じ、それを避けるために外出を控えるようになります。
うつ病と同様に、パニック障害は、出現する頻度の高い一般的な疾患であり、多くの患者さんが存在しています。
また、改善率、治癒率が良好で、比較的「良性」の疾患といえます。

「10人に1人」が経験する
パニック障害の診断基準においては、前述のパニック発作が繰り返し見られる状態をパニック障害と定めています。
ある時点での患者数は人口の2〜3%程度といわれています(生涯有病率はさらに高くなります)。
パニック発作だけならば、10人に1人の割合で、一生に1度はパニック発作を起こすことが知られています。

なお、発達障害の人がパニック障害を起こす比率は非常に高く、発達障害のない人の倍だといわれています。
また、うつ病とパニック障害を併存している例も非常に多く、パニック障害がうつ病の前駆症状として表れることもあります。
その場合、パニック障害で病院にかかっているうちに、徐々にうつ病の症状が顕在化してくる、ということがしばしばみられています。

なぜパニック障害になるのか?
パニック障害に、先天的な要因がないわけではありません。
遺伝的な素因が関与しているという報告がいくつもあります。
しかし、原因らしいものがないのに発作を起こすこともありますし、ストレスがきっかけになることもあります。

さらに特定の物質や状態が、パニック発作を誘発することもあります。
最も頻度が高い誘発物質は、コーヒーなどの中に含まれるカフェインです
その他、睡眠不足や過労が重なって、パニック発作が誘発されることがあります
アルコールもパニック発作の誘因になるので注意が必要です

直接的な発症のきっかけについては、「悪条件が重なって」発症するというケースが多いようです。
例えば、運悪く満員電車に閉じ込められて苦しくなった。
動悸や息苦しさが強く出現したが、なかなか外に出られなかった。
その後、そのときの経験を機に電車の中などにおいてパニック発作が起こるようになった、というケースです。

改善すべきは「悪い学習」
一度こうしたパニック発作が生じると、誘発物質や環境的な要因によって、繰り返し発作が起こりやすくなるのです。
この現象は、人の心の動きを理解するうえで、貴重な材料となります。

「パブロフの犬」についての研究をご存じの人も多いでしょう。
犬に餌を与えると同時にブザーを鳴らすことを続けると、やがてブザーを鳴らすだけで犬は餌をもらえると思い込み、唾液を垂れ流すようになる、というものです。

ここでは、「ブザーが鳴ると餌がもらえる」という「学習」によって、ブザーという聴覚刺激と唾液腺という本来は関係のないシステムの間に、新しい関連性が生じています。
これは、条件づけの学習と呼ばれています。

実は、パニック障害も同じような現象なのです。
いうなれば「悪い学習」です。
満員電車の中で、たまたま動悸と息苦しさが生じ、不安や恐怖感を覚えたとします。
すると、「満員電車」と「動悸や息苦しさ、不安や恐怖感」という、本来は関係のない現象が結び付いてしまうのです。
その結果、その人は電車に乗るだけで、あるいは駅に近づくだけで、パニック発作を起こすようになるのです。

治すためにはどうすればいい?
パニック障害は、薬物療法などによって完全に治る人もいます。
また、とくに治療をしなくても、自然と症状がみられなくなる場合もあります。
パニック障害の人が、自殺未遂や衝動行為などの問題行動に及ぶことはまれで、比較的治療しやすい疾患です。

ただし、完全に症状が消える症例は、おそらく全体の3分の1から半分程度の割合です。
1〜2割は抗うつ薬、抗不安薬を服用して症状をコントロールしながら暮らしていくことになります。

パニック障害という「悪い学習」を治すには、一時的に困難な状況に立ち向かうことも求められます
例えば、服薬をしながら、苦手な状況である満員電車に乗ってみることが治療の第一歩となることもあるのです。

できれば上司や産業医にも伝えたほうがいい
もっともこの場合には、初めから長時間の乗車は困難であるので、1駅だけなど短時間から練習をしていくことが重要です。 日常、無理を強いられることが少ない自営業や主婦の方は、どうしても無理をする必要がないために治療が進まないことが多いようです。
むしろ、毎日の通勤を余儀なくされる会社員のほうが、治療のモチベーションが高くなります。

一方で、「外出先でパニック発作を起こすのではないか」という恐怖から部屋に引きこもってしまう人もいます。
あるいは、電車に乗らずに出勤できるよう、自転車で通える距離の職場に変えた人もいました。
とはいえ、前述した通り、パニック障害は多くの人にみられるポピュラーな疾患です。
上司や産業医に説明すれば、理解を得やすいケースが多いのではないでしょうか。

症状によっては、通勤ルートを変える、出勤時間を変えるといった対処を相談することが望ましいでしょう。

発作もやがて治まる
幸いにも、発達障害やうつ病とは異なり、パニック障害のみの症状によって業務に支障を来し、休職に至るということはほとんどないと思います。
通勤などのつらさはありますが、パニック障害のために仕事を休むということにはならないということです。
実際には、「車内で具合が悪くなり倒れ、遅刻する」というケースは、まれではなくみられます。

パニック発作の苦しみは「このまま死んでしまうのではないか」と思うほどのものですが、臨時の薬を飲み、駅で休んでいるうちに発作は必ず治まります。
救急車で運ばれ診察を受けることもありますが、救急病院に着いた頃には発作も治まっていて、「体には異常ありません」と医師から告げられるのです。
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2019年11月20日

「桜を見る会」問題は、政治家が国民を信頼していない証拠である理由

「桜を見る会」問題は、
政治家が国民を信頼していない
       証拠である理由
2019.11.19 ダイヤモンドオンライン
上久保誠人:立命館大学政策科学部教授

「桜を見る会」の中止を決定するも
野党はさらに安倍首相を追及する構え
 安倍晋三首相が国家予算を使って毎年開催してきた「桜を見る会」について、政府は来年度の開催を中止すると決定した。

安倍首相や自民党議員の地元支持者が多数招待されて、規模が年々拡大してきた「私物化」が問題となっている。
 首相は、中止を決断することで幕引きを図りたい考えだったが、立憲民主党の安住淳国対委員長は「むしろ非を認めたということなので徹底的にやらせていただきます」と発言し、野党はさらに首相を追及する方針だ。

「桜を見る会」が“無駄遣い”ではない理由

 筆者が、政治を論じる際に気を遣ってきたことは、主観的な思い込みと感情論を避けることだ
例えば、よく「まず政治家が身を切るべきだ」といわれる。
無駄の削減や増税による財政再建など、国民に痛みを強いる政策を実行する場合には、まず政治家自らが痛みを感じるべきだという主張だ。
 しかし、実際には財政再建と国会議員の定数削減には何も関連性がない。

例えば、2012年に野田佳彦政権が消費増税を決めた際に「衆院比例代表の定数を80減らす」という提案をした。
だが、それを実行しても年間30億〜50億円程度の節減に過ぎない。
国家予算の一般会計約100兆円に対して、何のインパクトもないのだ。

「桜を見る会」については、高橋洋一氏が主観、感情論抜きの冷静な計算をしている(高橋洋一の霞が関ウォッチ 「中止決定の『桜を見る会』 会計の重要性原則から見ると」J-CAST NEWS)
「桜を見る会」の予算は5500万円で、今年の参加者は1.8万人なので、1人当たりの予算は3000円程度となる。
そこから、警備や会場費用を引けば、1人当たりの食べ物などのお土産は、せいぜい1000円程度だ。
高橋氏は、これを「社会儀礼の範囲内」だとする。

 また、高橋氏は、国家予算100兆円のわずか0.00005%にすぎない5500万円の予算を野党が一斉に「税金の無駄遣い」と非難するのは、会計の重要性原則からみれば的外れだという。
筆者は、高橋氏に同意する。

 一方、「桜を見る会」に安倍首相や自民党議員の後援者が多数招待されたことが「公私混同」だとも批判されている。
特に問題視されているのが、首相が都内ホテルに自身の後援会関係者850人を招いて「前夜祭」を行ったこと、そして「桜を見る会」当日に、貸し切りバス17台に分乗して会場に向かったことだ。

 安倍首相の後援会関係者は「前夜祭」の会費として5000円を払ったという。
だが、ホテルのグレードや料理の質から、この金額では不可能なパーティだと疑われている。
もし、会費と実際にかかった費用の差額分、当日の貸し切りバスの費用などを税金か首相のポケットマネーで補填していたら、「公職選挙法違反」の可能性がある。

 ただ、本稿は「公職選挙法違反」なのかどうかを直接的に論じるつもりはない。
仮に違反ではないとしても、それで収束とはいかない問題があるからだ。
本稿は、「桜を見る会」が含む、日本政治のより本質的な問題を考えてみたい。

安倍政権は野党だけでなく 支持者すら信じていないのではないか
 憲政史上最長の長期政権を築きつつある安倍政権を見ていて思うのは、国民をまったく信頼していないということだ
それも、反対派や野党を信頼しないだけでなく、支持者すら信じていないと感じる

 よく、「国民が政治を信頼していない」といわれる。
だが、筆者は逆だと考えてきた。
むしろ、「政治家が国民を全く信頼していない」のが、日本政治の特徴である
政治家は本音では、冠婚葬祭や子どもの進学・就職などに至るまで、国民からの便宜供与の要求に応えるのが面倒だと思っている。
カネがかかってしまうし、汚職に走らざるを得なくなるリスクがあるからだ。

 また、規制緩和・自由化、財政改革など「痛み」を伴う重要な政策を、国民が理解しようとしないことに不満を持っている
だから政治家は、利益誘導に必死になる一方で、改革をしても無駄だと思い抵抗する。
腰を落ち着けて、中長期的な観点から政策に取り組もうとしなくなる。
その上、国民は政治家の失言などに過敏に反応するだけで、論理的な判断ができないと思っている。

 安倍首相は、06〜07年の「第1次安倍政権」時の挫折を通じて、国民に対する不信感を強めたと思われる。
第1次政権時、首相は「戦後レジームからの脱却」をスローガンに、歴代自民党政権が成し遂げられなかった「教育基本法改正」「防衛庁の省昇格」「国民投票法」など、首相の考える「理想」の実現に突き進もうとした。

 だが、「消えた年金」問題、閣僚の不祥事・失言など、さまざまな問題の噴出で支持率が急落し、わずか365日で退陣することになった。
この苦い経験から、安倍首相は理想を掲げても国民は理解してくれない、政権を維持するには何よりも高支持率を維持することが大事だと考えるようになったようだ

安倍政権、第1次・第2次の政策運営の違いとは?
 12年、第2次安倍政権が発足すると、首相は憲法改正について「私のライフワークだ。
何のために政治家になったのか。
何としてもやり遂げたい」と述べ、強い意欲を全く隠してこなかった。
そして、その前段階として、「国家安全保障会議(日本版NSC)」の設置、「特定秘密保護法」、「安全保障法制」、「テロ等準備罪法」など、次々と保守色の強い「やりたい政策」を成立させてきた。

 だが、安倍首相は、第1次政権期と違っていた。
安倍政権は、国会では議論を軽視し、数の力で押し切る「強行採決」を続けてきた
ここまでは第1次政権期と同じだ
一方、国民に対して理想を正面から訴えることはしなかった

経済対策を次々に打ち出すことで支持率を維持しようとしたのだ。
 安倍首相の眼には、「失われた20年」と呼ばれた長年のデフレとの戦いに疲弊し切って、「とにかく景気回復」を望んでいる国民の姿が映っていた。
そして、経済さえうまく運営すれば、憲法や安全保障で保守的な政策を打ち出しても、今すぐ戦争が起こるという実感のない「平和ボケ」の国民は、問題視せずに通すだろうと考えたのだ

アベノミクスの成長戦略は 「支持率維持の道具」でしかない
 アベノミクスの「第一の矢(金融緩和)」「第二の矢(公共事業)」は、本来「第三の矢(成長戦略)」が効果を発揮するまでの「時間稼ぎ」に過ぎないものだが、現在でも継続されている
安倍首相は、景気後退局面に入りそうになると、より一層の金融緩和や補正予算を打ち出すなど、「第一の矢「第二の矢」をちゅうちょなく繰り出してきた。

 一方、本格的な経済回復のために必要な「第三の矢(成長戦略)」は、さまざまな業界の既得権を奪うことになる規制緩和や構造改革が中心であり、内閣支持率低下に直結する。
そのため、安倍首相はできるだけ先送りしようとした。
そもそも、安倍政権が「成長戦略」と考えた数々の政策は、多かれ少なかれ、端的にいえば従来型の「日本企業の競争力強化策」であり、基本的に誰も反対しない政策案の羅列でしかなかった。

安倍首相の選挙連勝は 「究極のポピュリズム」の成果
 もっと踏み込んでいえば、安倍首相は成長戦略を「支持率維持の道具」としか考えていないことが問題だ
たとえば、かつて経済産業相を務めた世耕弘成氏は、初入閣で経済政策通とはいえず、むしろ自民党の広報戦略を担ってきたことで知られていた政治家だった。

 また、「一億総活躍担当相」に起用された経験を持つ加藤勝信氏は、「働き方改革担当相」「女性活躍担当相」「再チャレンジ担当相」「拉致問題担当相」「国土強靱化担当相」「内閣府特命担当相(少子化対策男女共同参画)」なども兼務した。まるで一貫性のなさそうなこれらの担当業務には「国民の支持を受けやすい課題」という共通点があった。

つまり、加藤氏は事実上「支持率調整担当相」であり、支持率が下がりそうになったらタイミングよく国民に受ける政治課題を出していくのが真の役割だったといえる。

 安倍政権の「国民不信」がもっと露骨に出たのが、選挙である。
安倍政権は、12年12月衆院総選挙、13年7月参院選挙、14年12月衆院総選挙、16年7月参院選挙、17年10月衆院総選挙、19年7月参院選と国政選挙で連勝を続けた。
 だが、安倍政権の選挙戦の特徴は、「アベノミクス」の成果のみをひたすら強調し、政治が取り組むべきさまざまな重要課題について、ほとんど何も語らないことであった

世論が割れがちな憲法改正や外交・安全保障、原子力発電の政策などにについて、徹底して言及を避けたのである。
安倍首相は、とりあえず景気さえよくなれば重要な争点はどうでもいいじゃないかという「究極のポピュリズム選挙」を続けた
しかし、国民は容認して圧倒的多数を与え続けたのである。

 ところが、安倍政権は選挙に勝利すると、手のひらを返して経済だけではなく、全ての政策について「国民の信任を受けた」と宣言した
そして、「国家安全保障会議(日本版NSC)」設置、「特定秘密保護法」「安全保障法制」などを次々と国会通過させていった。そ
れでも国民はそれを「野党よりまだマシ」と言って、選挙で安倍政権を勝たせ続けたのである。

「桜を見る会」の規模拡大は“支持者不信”の裏返し
 安倍政権は、8%から10%に税率を上げる消費増税を、2度の延期を経た後、2019年10月に実現した。
国民に不人気だが重要な政策を実行したことについては、高く評価したいと思う。
しかし、それから1カ月も経っていない11月に、首相は消費増税後の景気下支えを目的とする経済対策の取りまとめを指示した。
約5兆円規模となる見込みで、19年度補正予算と20年度予算に盛り込まれることになる。
20年度予算は前年度に引き続き総額100兆円を超えることが予想され、財政再建はますます遠ざかりそうだ。

「桜を見る会」の規模拡大は 安倍首相の「支持者不信」を示している?
 このように、安倍政権の経済政策・安全保障政策を振り返ると、安倍首相がいかに国民に対して強い不信感を持ち、国民の機嫌を損ねないように慎重に政権運営を進めてきたかがわかる。
そして重要なのは、その不信感は突き詰めると、野党・反対派に対するものではないということだ。

 なぜなら、安倍首相は、野党・反対派と国会での話し合いに応じない上に、汚い言葉でヤジを飛ばすなど、根っから毛嫌いし排除してきた
一方、アベノミクスによる「利益誘導」は、基本的に支持者に対して行うものだ
つまり、安倍首相が不信感を持って、慎重に扱ってきたのは、むしろ支持者のほうだということだ。

 つまり、第2次安倍政権発足後、「桜を見る会」の規模が大きくなり、特に安倍首相や自民党議員の支持者の参加が年々増えたことは、安倍首相の支持者に対する強い不信感を示しているのではないだろうか。
信頼できない人たちだと思うからこそ、さまざまな機会で歓待し続けなければならないのだろう。

「桜を見る会」を巡っては、ワイドショーで連日、識者が「国民の政治に対する信頼感が下がっている」とコメントしている。
しかし、われわれは一度考えてみるべきではないだろうか。
実は、「政治家が国民を信頼していない」から、さまざまな問題が起きているのではないかと
「国民は、その民度に合った政治家を選ぶ」ものなのだから
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2019年11月21日

「ギャンブラーの誤謬」で悲劇も 宝くじ高額当せん者の末路

「ギャンブラーの誤謬」で悲劇も
宝くじ高額当せん者の末路
11/20(水) NEWSポストセブン

 今年も年末ジャンボ宝くじの発売時期がやってきた(11月20日〜)。
過去、幸運にも高額当せんをした人は、再び“一攫千金”を狙って多額の宝くじを購入する傾向があるというが、そこには行動経済学でも裏付けられる落とし穴があった。
ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が、具体例をもとに紹介する。
 * * *
 人の行動には、その人の性格が反映されやすいものだ
特に、お金の使い方には個性がハッキリと表れる。

・たとえば、好きなものには積極的にお金を使う「消費家」もいれば、
・欲しいものがあってもガマンして、堅実にお金を貯める「倹約家」もいる。
・もちろん、適度に使い、適度に貯める人もいるが、
どのタイプであるにせよ、お金の使い方には、その人の性格・個性が如実に映し出される。

 では、「お金の使い方」と「お金をどう稼いだか」の関係はどうか。
どう稼いだかによって、使い方は変わるだろうか。
そして、そこにも、やはり性格・個性が如実に反映するだろうか。
 こんなことを考えてみる。

いま手元に100万円があったとする。
この100万円を稼いだ方法として、つぎの2つを考えてみる。

・1年間、毎晩遅くまで残業をして、少しずつ稼いだ100万円
・幸運にも、たまたま買った宝くじで当たった100万円

 一方、このお金の使い道として、つぎの3通りの方法が考えられるものとしよう。
(1)海外旅行に出かけて、飲食や買い物などに豪快にお金を使う
(2)古くなった自宅の補修など、生活上必要な経費に回す
(3)将来の蓄えとして、銀行の口座に預金する

 稼いだ方法の違いによって、(1)〜(3)のお金の使い道に差が生じるだろうか。
ここで注意すべきことは、どう稼ごうと、いま手元にあるお金は同じ100万円だということだ。
すなわち、お金に色はない。
そのことは、誰でも頭ではわかっている。

 しかし、実際に1年間苦労して稼いだ100万円を目の前にすると、不思議なことに見方が変わってくる。
(2)や(3)のように将来のための預貯金や、何か後に残るものを買うといった使い方がふさわしい感じがしてくるのだ。

 一方、宝くじのように幸運でつかんだ100万円の場合は、(1)のようにあまりケチケチせずに、豪快にパッと使い切ってしまうのがよい、と考えてしまいがちだ。

◆ハウスマネー効果の落とし穴
 実際に、行動経済学の実験によると、苦労して少しずつ稼いだお金よりも、幸運で得られたお金のほうが、いっぺんに使われやすいという結果が出ている
これは、「ハウスマネー効果」といわれる。
「ハウス」はカジノなどの賭博場の意味で、賭博で儲けたお金は大胆に使われることが多いことから、そう呼ばれている。  

ギャンブルや投機的に資産の運用をする場合、ハウスマネー効果に注意が必要だ
たとえば、あるとき短期の為替取引で50万円を儲けたとする。
この50万円は、たまたま幸運で得られたもののように考えられがちだ。
 すると、「どうせ幸運で手に入ったお金なのだから、たとえ失ったとしても、気にならない」と考えやすくなってしまう。そして、「50万円までは損をしてもいい」と考えて、さらに大胆な短期の為替取引に取り組むこととなる。
よくありがちなケースだ。
 取引で儲けが続けば問題はないが、うまくいかないときも当然ある。
せっかく得られた50万円を、全部失ってしまうこともあり得る。
このときが、問題となる。

◆ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)とは
 いさぎよく売買から手を引くことができればいいのだが、人間の心はなかなかそう簡単には割り切れない。

心の中の悪魔は、きっとこんな風にささやく。
「この前、あっさりと50万円も稼げたじゃないか。
儲かるか損するか、どうせ2つに1つだ。
最近こんなに損が続いたのだから、もうこれ以上、損をするはずはない。
つぎの売買で、きっと儲けられる。
そういえば、生活のために蓄えてきたお金があった。
あれを少し使って、儲けた後で戻しておけばいい。
きっとうまくいく……」

 ずっと損が続いたから、つぎこそ儲けられる、という考え方は、「ギャンブラーの誤謬」といわれる
 為替相場などが、何日間か連続して下落した後には、そろそろ上昇しそうだという気がするかもしれない。
しかし、経済学的にも、数学的にも、それを裏づける合理的な根拠は何もない。

 ハウスマネー効果と、ギャンブラーの誤謬が組み合わさると、投機上の悲劇が起こりやすくなる
こうした悲劇は、古くから発生しており、小説やテレビドラマ、映画等で何度も繰り返して描かれてきた。
 投機を始めるときには、心の中で、苦労して稼いだお金と、幸運で得られたお金の間に、仕切りを入れておいたはずだ。
それなのに、投機で損をしてしまうと、「どうせお金に色はない」として、都合よくその仕切りを取り払ってしまう。
同時に、損は続かないとする根拠のない自信が、さらなる投機を後押しする。

 宝くじの場合も、投機と似た心理が生まれやすい。
 たとえば、過去に100万円の当せんをしたことがあるとしよう。
それ以降、当せんがなくても、ギャンブラーの誤謬により、次回こそ当せんするだろうという気持ちが高まっていく。
ハウスマネー効果により、100万円までの宝くじの購入はさして気にならない。
そして、ついに購入額が100万円を超えて、生活のために蓄えてきたお金に手をつけて……。

 こうしたことは、冒頭で述べたように、人の性格・個性と言えるだろうか。
有史以来、さまざまな時代に、さまざまな国で、似たようなことが繰り返されてきたことを踏まえれば、多かれ少なかれ、人が誰でも持っている心情と見るべきだろう。
「金に目がくらむ」という言い回しがある通り、お金を前にすると、人は誰でも心が乱れがちになる。
性格・個性と言う以前に、本来、人は金銭的な誘惑に弱い存在だ

 宝くじなどに多額のお金を投じるときは、ハウスマネー効果やギャンブラーの誤謬を思い出して、理性を取り戻すことが必要だろう
宝くじをほどよく楽しむには、お金の持つ魔力に振り回されないよう、一歩引いて冷静に決断することが大事だと思われるが、いかがだろうか。
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2019年11月22日

無責任政治が「賃金底抜け」と「年金破綻」を助長する

無責任政治が「賃金底抜け」と「年金破綻」を助長する
2019.11.21 ダイヤモンドオンライン
金子 勝
:立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授

 香典や運動員への過大な報酬など、公職選挙法違反が疑われる“ばらまき”で閣僚2人が相次いで辞任したのに続き、首相側近の萩生田光一文科相の「身の丈」発言で、民間英語試験の導入見直しを余儀なくされるなど、安倍改造政権は発足2ヵ月で早くも“末期症状”だ

 税金でまかなわれる「桜を見る会」の招待に、首相自身の後援会事務所が関与していた“公私混同”が明らかになり、来春の見る会は中止となり、20日には首相自身が招待客の推薦に「関与」したことを認めた。

 政治家の無責任や弛緩は目を覆うばかりだが、深刻なのは、「無責任政治」によって、国民生活の基盤さえも崩れ始めていることだ。

厚労政務官の「口利き疑惑」 が物語る政治の“深刻”さ
 菅原一秀経産相と河井克行法相の辞任で、陰に隠れた形になったが、上野宏史・元厚労政務官の外国人労働者受け入れを巡る「口利き疑惑」と、年金財政検証の公表先送りは、その象徴だろう。

外人労働者受け入れで“手数料”稼ぎ?
上野衆議院議員が厚労政務官を辞任したのは、8月28日。
その後も安倍政権の不祥事が続くなか人々の記憶から遠のき始めているが、辞任の引き金になった週刊誌が報じた疑惑は次のようなものだ。

 上野元政務官は、飲食店やドラッグストアなどに外国人労働者を派遣している人材派遣会社「ネオキャリア」の外国人労働者の在留資格申請について、出入国在留管理局に対して許可を早めるように働きかけることで、1人当たり2万円の「報酬」をネオキャリアから得ようとしたとされる
 秘書との打ち合わせとされる録音テープが報じられ、秘書もテープは「本物」だと認めたようだ。
 その後も、ネオキャリアへの仲介者とされる女性経営者と上野議員のやりとりという新たな録音テープの存在も報じられた。
その中で、上野元政務官は、1件につき「3でも5(万円)でも」「月に100万円に」なれば、とも語っている。

 一連の疑惑報道に対して、上野議員は全面的に否定をしたが、厚労政務官を辞任した。
 仮に報道が事実だとすれば、法律を厳正に運用すべき法務省が、政治の言いなりになり、口利きという斡旋利得罪の疑いの対象になる異常な事態だと言ってよい。

 外国人労働者受け入れ拡大を目指した改正入管難民法は、衆議院の審議時間はわずか17時間。
衆参法務委員会でも審議は合わせてわずか33時間だった。
 審議過程で、低賃金や過酷な労働条件で働かされかねない外国人労働者の人権をどう守るかが問題にされたが、安倍首相は「あらゆる手段を尽くし悪質ブローカーを排除していく」(2018年12月6日)と答弁していた。
 しかし、口利きが行われたとしたら、内閣の担当政務官自身が外国人労働者の受け入れで“手数料”をかせぐ「悪質ブローカー」だったことになる。

現役世代は賃金低下 高齢者は年金不安に
 改正入管難民法がもたらす問題は、外国人労働者にとどまらず、賃金と雇用条件の底割れを作り出す点にある
 90年代には労働者派遣法が改正され、低賃金・不安定の非正規雇用が拡大して、賃金と雇用を破壊した。
 今回の改正で、14の分野(外食、宿泊、介護、ビルクリーニング、農業、漁業、建設、造船・舶用工業など)で、「外国人技能労働」の受け入れが始まったが、非正規労働者に加え、低賃金の外国人労働者が増加することで、働く人全体の「賃下げ」をもたらす可能性が強い。

年金公表延期し「不都合な真実」隠蔽?
 日本は有効求人倍率がバブル期並みの1.8を超える「人手不足」にもかかわらず、実質賃金が持続的に下落、今年に入ってからは名目賃金も低下する「異常」な状況が一段と悪化しかねない。
 さらにこの問題は年金制度にも波及する。

 現役世代の賃金の低下は、高齢者の生活を直撃することにもなる。
実質賃金が持続的に下落する状況が続けば、年金財政が成り立たなくなっていくのだ。
 年金に対する不安が強まっているなかで、安倍政権は、例年なら6月に公表する年金財政検証を8月の参議院選後まで先延ばしした。
「老後の貯蓄不足2000万円」問題が急浮上し、年金問題が参院選の争点になるのを恐れたからだが、年金担当の厚労政務官だった上野議員は、参院選前から、年金財政検証で概ね所得代替率は50%以上を確保できるかのような国会答弁をしてきた。

 選挙への影響を少なくするため、年金の「不都合な真実」を隠蔽したといってもいい。
 参院選でなんとか勝利し改造内閣を発足させた後の10月4日、安倍首相は所信表明演説で、「8割の方が65歳を超えて働きたい」と願っていると言い、「70歳までの就業機会を確保します」と強調した。
 この発言の根拠は、2014年度の「高齢者の日常生活に関する意識調査」とされるが、調査ではそんなことにはなっていない。

 調査によると、就労希望年齢を65歳以上としている人は「8割」ではなく全体の55.3%だ。
一方で、65歳以上で「家計が苦しく、非常に心配である」と答えた人が60.2%を占めている。
 多くの人々が「働きたい」というのは、年金はじめ社会保障の削減が続き、老後に不安があるから働かざるを得なくなってきているということだろう

年金制度は「維持」されても 給付削減で老後不安強まる
 この問題でも政治の責任は大きい。
 年金不安の第1の原因は、人口推計で、少子高齢化の予測を甘くしてきたことがある
 国立社会保障・人口問題研究所の高位、中位、低位の3つの人口推計のうち、政府は常に中位の推計を選んできたが、少子化や高齢化の実際の数字はずっと中位の推計を下回ってきた。
 予想以上に、年金給付をもらう人が増えて、年金保険料を納める人が減っていけば、年金財政が悪化するのは当然だろう。

深刻な母子家庭や非正規社員の老後
 政府は今後、2004年に導入されたマクロ経済スライドをフルで発動しようとしている。
マクロ経済スライドは、保険料を納める被保険者数の減少と平均余命の伸びに応じて年金給付水準を削減する仕掛けだ
 その結果、今回の財政検証では、成長実現のケースでは、マクロ経済スライドが効いて、30年には給付が2割減になり、国民年金(基礎年金だけ)なら約3割も削減になる。

 経済成長が実現できないベースラインケースで見ると、国民年金なら約4割の削減になる。
国民年金は現状で約6万5000円だが、30年にはいまの物価水準で考えると4万円前後になってしまう。
 マクロ経済スライドを適用することで、給付水準を削ることができて、結果として年金財政全体は維持できることになる。

しかし制度が維持されたところで、給付水準が大幅に削減された年金では生活できなくなってしまう。
 とくに問題となるのは、ロストジェネレーション(ロスジェネ)や母子家庭である。
 一方で政府は制度維持の対策として、年金受給の開始年齢を引き上げることやパートや契約・派遣労働者の厚生年金適用を拡大していくことを掲げている。
 だが年金受給年齢を引き上げるといっても、年金をもらえるようになるまでの高齢者の雇用が簡単に確保できるとは思えない。
厚生年金の適用拡大も、労賃コストの割合が高い小規模事業者などは、企業拠出金を負担できない可能性が高く、一定の限界がある。

シミュレーションとは言えない代物
ご都合主義の「中長期試算」

 年金不安の第2の原因は、年金財政検証の基礎になっている「中長期の財政経済に関する試算」(以下「中長期試算」)に無理があり、したがって年金財政検証のシミュレーションも現実にあり得ない無理な数値を前提としていることだ
「中長期試算」は内閣府が半年ごとに改訂しているが、年金財政検証は、まずは最初の10年間は、「中長期試算」の成長実現ケースとベースラインケースのシミュレーションを前提にして、それ以降は6つのケースに分けて年金財政の状況を予測・分析している。
 ケースT〜Vは、「中長期試算」の成長実現ケースで労働参加が進むケースになる。
ケースW〜Yはベースラインケースであり、そのうちWとXは労働参加が進むケースで、Yは労働参加が進まないケースになる。

現実にはあり得ない数値の組み合わせ
 この手の「試算」では、物価上昇率を低めにして名目GDP成長率がそれを上回るようにすれば、実質GDP成長率を上げていくことができる。
 同時に、財政赤字を膨らませないよう(プライマリーバランス=基礎的財政収支を黒字)にするには、名目GDP成長率が名目長期金利を上回っていくことが必要条件になる。

 だが、アベノミクスの効果が落ちているために、こうした条件を満たそうとすると、どんどん現実にはあり得ない数値の組み合わせになってしまう。
とてもシミュレーションとはいえない代物になってしまっているのだ。

「中長期試算」のうち経済成長が最もうまくいくケースを見てみよう。
 第2次安倍政権が発足し日銀が異次元緩和を始めた4ヵ月後の2013年8月の「試算」と直近の2019年7月末の「試算」を比べてみると、行き詰まりがはっきりわかる。

経済成長率試算2019.jpg
 図1は、2013年8月の「中長期試算」の経済再生ケースだ。
2年で2%の物価上昇率が実現するという異次元緩和が成功した場合で、名目GDP成長率が急速に上昇するとともに、消費者物価上昇率も名目長期金利もそれにつれて上がっていくシナリオが描かれている。
 これに対して図2は、2019年7月の「中長期試算」の成長実現ケースだ。

経済成長実現思案 図2.jpg

 これを見ると、2018年に名目GDP成長率が0.5%だったのに、19年1.7%、20年に2.0%、24年までに3.4%まで急上昇していく。
これだけ急速な経済成長があるなら、物価上昇率も長期金利も上昇していくのが自然である。
 ところがそうはなっていない。

実質賃金が不自然に上昇する年金検証
 物価上昇率は3年間0.7%に止まり、20年に0.8%の後、急激に24年に目標の2%まで急上昇する。
 長期金利にいたっては、2017年から22年までずっと0%で、安倍政権の4期目が終わった後の23年から急速に上昇することになっている。
 しかも、それでもプライマリーバランスの達成時期を2025年から27年に先延ばしせざるを得なかった。

 つまり、経済成長がうまくいく一方で、東京オリンピックや安倍首相の自民党総裁任期(21年9月)が終わるまでは、本来なら成長率と連動して上がるはずの物価の上昇率は低く、長期金利も極端に低いゼロのままで推移するというわけだ。
 安倍首相の在任期間中は、そこそこの経済成長で財政赤字も大きくは膨らまないように見せ、首相の任期が終わった後から、物価や金利が急上昇するというのは、あまりにご都合主義すぎる。
これでは「試算」自体を信頼できない。

実質賃金があまりに 不自然に上昇する
 今回の年金財政検証では、この「中長期試算」のうえに、20〜30年間の数値の仮定を設けてシミュレーションをしている。

,年金財政検証2019.jpg
 しかし、表1に示すように、その数値もまた非現実的なのである。
例えば、全てのケースで、実質賃金上昇率が実質GDP成長率を上回っている。
 とりわけ20〜30年間の長きにわたって、実質経済成長率がゼロからマイナス0.5%なのに、それでいて実質賃金がプラスになるとはとても考えにくい。

 この20年近くにわたって実質賃金はマイナス基調で、2019年も含めて安倍政権期に入っても、実質賃金がプラスだったのは2016年と2018年だけだ。
 しかも18年は厚労省による賃金統計改ざんの年で、実際はマイナスである。
こんなあり得ない数値をならべてシミュレーションをしても、検証としてはほとんど意味をなしていない。
いずれ国民生活の底が抜ける日が来る もし、これまでと同じく実質賃金がマイナスの場合はどういったことが起きるだろうか。

 実質賃金が下がった分だけ、保険料水準も年金給付額も目減りしていく。
その一方で、実質賃金がマイナスだと、マクロ経済スライドが効かなくなる。
 年金給付も下がりながら、年金財政も悪化してしまう。
つまり、今回の年金財政検証からは現実に起こり得る「最悪のケース」が外されているのだ。

失敗した成長戦略 国民生活の底が抜ける
 こうした成長率や実質賃金などの無理を前提による「粉飾」が行われてしまうのは、内閣府や厚生労働省のせいというより、安倍政権の成長戦略が失敗しているためなのだが、「安倍一強」の長期政権のもとで、失敗や法律違反に痛痒を感じなくなっている政治や官僚のモラルダウンが影を落としていると言わざるを得ない

 放漫財政と異常な金融緩和によって“景気拡大”を演出し、政権を維持してきたが、日本はイノベーションがなく産業の衰退が著しいがゆえに、金融緩和による円安とともに、雇用制度の改悪による賃下げに頼って、既存の製品の輸出で稼いでいるだけである。
 産業政策の失敗で次世代先端産業を育てきれない中、このままではじわじわと格差と貧困が拡大していく。
現役世代の賃金だけでなく、退職世代の年金給付も削減が続き、国民の生活の底が抜ける日が来る。
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2019年11月23日

元特攻90代兄弟が「最後の証言」 時代に迎合を悔恨「なぜ死ぬ覚悟で戦争に反対しなかったか」

元特攻90代兄弟が「最後の証言」 時代に迎合を悔恨「なぜ死ぬ覚悟で戦争に反対しなかったか」
毎日新聞 2019/11/22

 太平洋戦争中に学徒出陣し、特攻隊員になった兄弟が9日、東京都新宿区の早稲田大で講演した。
岩井忠正さん(99)と忠熊さん(97)。
今はそれぞれ東京、滋賀と離れて暮らすが、どうしても若い世代に「最後の言葉」を伝えたいと顔をそろえた。
これまでそれぞれ講演する機会はあったが、兄弟そろって話すのは最初で最後かもしれない。
2人が伝えたかったメッセージとは――。

 2人は10人兄弟の五男、六男として熊本市で生まれた。
忠正さんは慶応大、忠熊さんは京都帝国大(現京都大)に進み、ともに在学中の1943年12月に旧海軍に入隊した。
戦況が悪化の一途をたどる中、忠正さんは人間魚雷「回天」と人間機雷「伏龍」の隊員となり、忠熊さんは爆薬を積んだモーターボートで敵船に体当たりする「震洋」の艇隊長になった。

 「2人とも生きては帰れないだろう」。
入隊前、兄弟で先祖の墓参りに行ったとき、道中の汽車でそんな会話を交わしたという。
実際に軍隊生活は死と隣り合わせだった。
忠熊さんは海軍徴用船に乗船中に米軍に攻撃され、海に放り出されて約3時間漂流した。
忠正さんも「伏龍」の訓練で海底に潜水する際に酸欠で気を失った。

 辛くも2人は生き残ったが、多くの若者が特攻隊員として命を散らし、遺書が残されている。
「遺書には勇ましい言葉が書いてある。
『私は喜んで死ぬ』と書いてあるのを読んで感激する人もいるはずです。
だけど、私は、待ってくださいと言いたい」。
忠正さんは会場にこう呼びかけた。

 この話をしようと思ったのは娘の直子さん(60)との会話がきっかけだった。
直子さんは特攻隊の記録を展示する記念館で隊員の遺書を読んだ際、「あの方たちは教育を受けてああいう気持ちで死んでいったんだ」と思ったという。
それを聞いて忠正さんは、当時検閲があったことや、家族を悲しませまいと自分を奮い立たせる隊員の心境を話して聞かせたという。
すると、その「実態」を講演で話すべきだと直子さんから促されたという。

 忠正さんは、命を落とした隊員の無念を代弁するように語気を強めて会場に訴えた。
本当は死にたくない
でも(死ぬのが)嫌なのに殺されたと聞いたら家族も悲しむから、喜んで死んだと思ってもらおうと
もう一つは自分を励まさなきゃやれない
決して犬死にじゃないと自分を奮い立たせて慰める気持ちの表れなんです
そういうことを理解してやらないといけない。
つらいんですよ、本人は……」

 忠正さん自身、当時、内心は戦争には批判的だった。
海軍で上官から毎日のように暴力を振るわれ逃げ出したい一心で特攻隊員に志願した。
「もし遺書を書くとすれば自分も同じことを書いていた」と打ち明けた。

 最後に、若者に何を伝えたいかと司会者に聞かれた2人の口から出てきたのは後悔の言葉だった。
忠正さんは「この戦争は間違っているとうすうすながら分かっていたにもかかわらず、沈黙して特攻隊員にまでなった。
死ぬ覚悟をしてるのに、なぜ死ぬ覚悟でこの戦争に反対しなかったのか
時代に迎合してしまった
私のまねをしちゃいけないよ、と今の若い人に伝えたい」。

忠熊さんも「戦争を二度と繰り返さないためにはどうしたらいいのか、特に青年、学生がどうするかによって未来が変わる。そのためには歴史に学んでほしい」と。   
 ◇  ◇  
講演会は戦場体験者らでつくる「不戦兵士・市民の会」が主催した。
約250人が会場を埋め尽くし、立ち見も出た。
講演後、慶応大4年の金澤彰太郎さん(22)は「後輩として心に刻みました」と忠正さんに握手を求めた。
「兵隊に行った人の話を生で聞いたのは初めて。その時の気持ちが聞けて良かった」。

早稲田大1年の山田凪紗(なぎさ)さん(19)は「時代の流れに迎合した、という言葉が心に刺さった。
まだ知識がないから、未熟だからと声を上げるのをためらうことがある。
声を上げて行動する大切さを実感しました」と話した。
                                    【川上珠実】

特攻兵器
爆薬を携えて敵に体当たりする特別攻撃(特攻)のために旧日本軍が開発した兵器。
太平洋戦争末期、戦況悪化とともに使われるようになった。
人間魚雷「回天」には「戦局を逆転する」という願いが込められ、隊員が乗り込んで操縦して敵船に体当たりした。

人間機雷「伏龍」は潜水服を着た兵士が海底で待ち伏せし、竹の棒に取り付けた機雷で敵船を突いて自爆した。
「震洋」は船首に爆薬を積んで敵船に体当たりする1〜2人乗りの木製のモーターボート。
「回天」は出撃などで戦死した搭乗員が87人、訓練時の事故で殉職した搭乗員が15人いた。
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洗濯のプロが教える!「柔軟剤」の正しい使い方

洗濯のプロが教える!「柔軟剤」の正しい使い方
2019/11/21 All About
神崎 健輔(洗濯ガイド)

その柔軟剤の使い方、実はNG?
洗濯の時に柔軟剤を何気なく使ってませんか?
生地をふんわりとさせたい、好きな香りをつけたい。
臭いにおいを誤魔化したいなど使う理由は様々でしょうが、その使い方、本当に「正しい」といえるでしょうか?
ここでは、柔軟剤の正しい知識と使い方を伝授します。

そもそも柔軟剤の役割とは?
柔軟剤は「生地を柔らかくする」ことと「においケア」が代表的な役割として知られますが、主に5つの効果を得ることができます。

・生地を柔らかくする
・香料をつける
・帯電防止効果
・速乾性補助
・防臭(柔軟剤の成分による)

成分は界面活性剤やシリコーン、香料で構成されていて、界面活性剤とシリコーンが柔軟効果や帯電防止、抗菌作用による防臭効果を発揮します。
また生地が柔らかくなると水分の発散効率も高まるため速乾作用が生まれやすく、梅雨時期の乾きにくい時に少しでも早く乾かす材料として頼もしい味方でもあります。

柔軟剤で注意したい、3つのNG
こんな使い方をした経験はありませんか?

・もっとふんわりさせるため、もっと強い匂いをつけるため、柔軟剤の量を2倍、3倍と増やして使う
・他の柔軟剤と混ぜて使う
・面倒なので洗剤と一緒に最初から入れて使う

特に(1)の目的で量を多めにして使う人は多いのではないでしょうか。
これらの使い方は、すべて誤った使い方といえます。

下記のようなトラブルに心当たりはありませんか?

▼タオルが水分を吸収しない例えば、シリコーン等は生地をコーティングしていきますので、その付着量が多くなると必然的に生地が水分を吸収する量が低下します。
入浴後に、拭いても拭いても体から水気が取れないバスタオルが、まさにその状態です。

▼白物の黒ずみ衣類がふんわりする効果には限界があるため、適量から増やしたところで柔軟効果が比例して高まるわけではありません。
むしろ柔軟剤の成分は汚れも吸着しやすいため、せっかく洗ったのになぜか黒ずんでしまうなど、量を増やすことは衣類にとって悪影響も及ぼすのです。

▼洗濯物の汚れが落ちない……面倒だからといって洗剤と一緒に使ってしまうのもおすすめできません。
洗剤の成分と柔軟剤の成分は正反対の性質を持ち合わせているため、洗浄中に中和されてお互いの効果を打ち消してしまいます。
結果、汚れも落ちない上に柔軟効果も得られなくなります。
洗剤もそうですが、効果アップを狙って増量することで逆に効果がダウンすることが多く、メリットはひとつもないので、使用量は必ず守って使いましょう。

また、近年は柔軟剤の香料の効果が強くなり、香りによって他人を不快にさせたり体調に影響を与える「香害」と呼ばれるトラブルも増えてきています。
自分の衣類のみならず、周囲の誰かへのデメリットに繋がる可能性を意識することも大切です。

柔軟剤の素朴な疑問に「洗濯のプロ」が回答
最後に、柔軟剤についてよく聞かれることをQ&A形式でご紹介します。
柔軟剤は、使い方を間違わなければ、着心地の良い衣類を提供してくれる「強い味方」です。

▼Q1. 柔軟剤はすべての衣類に使えますか?
A1. 家で洗える衣類であれば使えますが、衣類の繊維によっては匂いのつき方が異なります。
例えばポリエステルなどの化学繊維は柔軟剤がまとわりつきやすく、匂いが強くなる傾向にあります。気になる場合は、繊維によって洗いわけすると良いです。

▼Q2. 柔軟剤は花粉症防止にいいって本当ですか?
A2. 柔軟剤の成分で繊維をコーティングし、繊維自体が滑りやすくなることで摩擦が低くなり、静電気が起こるのを抑制してくれます。
花粉は静電気で吸着しやすいため、静電気を抑えれば必然的に衣類への花粉の付着が少なくなり、花粉症予防のひとつになります。

▼Q3. 赤ちゃんにも安心して使えますか?
A3. 柔軟剤の成分は界面活性剤ではありますが、衣類に残すため肌に優しい成分で作られています。
ただ、必ずしも100%安心して使って良いというわけではありません。
アトピー体質など肌が弱い赤ちゃんの場合は肌荒れの原因になる可能性もあります。
逆に、柔軟剤成分が肌ずれを起こしにくくしてもくれるので、衣類の摩擦による肌荒れ防止になる場合もあります。
一長一短なので、様子を見ながら使用しましょう。

いかがでしたか? 柔軟剤を正しく使って、衣類にも他人にも優しい洗濯をめざしてみてください。
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2019年11月24日

安倍内閣の支持率はなぜ下がらないのか

安倍内閣の支持率はなぜ下がらないのか
不祥事続発でも「支持率安定」の摩訶不思議
2019/11/23 東洋経済オンライン
薬師寺 克行 : 東洋大学教授

憲政史上、最長の首相在職日数を更新した安倍晋三首相だが、9月に内閣改造をして以降、いい話がまったくない。
新たに閣僚に起用した菅原一秀・経済産業相と河井克行・法相が不祥事を理由に相次いで辞任した。
11月に入ると2020年度の大学入学共通テストから実施予定だった民間英語試験の導入の延期を決定し、受験界に混乱を招いた。
その話題のほとぼりが冷めない中、首相主催の「桜を見る会」が実質的に公費を使った安倍首相の後援会活動の場となっている問題が表面化した。

これだけ悪い話が続けば、新聞やテレビが実施する世論調査で内閣支持率が急落するはずだ。
ところが不思議なことに、11月中旬に各社が実施した世論調査の結果を見ると、内閣支持率は何事もなかったかのように安定しているのだ。

内閣発足以来、支持率は50%前後を維持
朝日新聞の結果は、「安倍内閣を支持する」が44%で、前月に比べると1ポイント下がっただけだった。
NHKの調査結果も47%で、やはり前月に比べて1ポイントの低下。
読売新聞は支持が49%だが、下落は6ポイントにとどまっている。
2012年12月に発足した安倍内閣の支持率は、当初は60%台と高い数字だったが、その後下がったものの、ほぼ一貫して50%前後を維持している。

特定秘密保護法や安全保障関連法など批判の強かった法律を強引に成立させても、あるいは安倍首相自身の関与が追及された「モリカケ」問題で国会が紛糾したときも、支持率が急落することはなかった。
逆に安倍首相の地元の山口県長門市でプーチン大統領との首脳会談や、伊勢志摩サミットでの議長役など派手な外交パフォーマンスをしたからと言って、支持率が急上昇したわけでもない。

どういうわけか、安倍内閣の支持率は不気味なくらい安定しているのである。
その結果、政権は安定し、在職最長記録を更新するに至ったのだ。

内閣支持率「右肩下がり」の法則
過去の政権を振り返ると、内閣支持率には「右肩下がりの法則」があった。
多くの政権は発足当初は期待感もあって高い支持率を記録する。
ところが政権が動き出すと、首相自身、あるいは閣僚や与党幹部の不祥事や失言が露呈する。
新しく打ち出した政策への不満や問題点なども出てきて、野党やマスコミはここぞとばかり批判を始める。
その結果、内閣支持率はほぼ例外なく下がる。
それも段階的に下がるだけではない。
過去には1つの不祥事、1つの失言などが政権にとって致命傷になることもあった。

不祥事や問題発言、支持率急落の歴史
党内基盤が盤石で長期政権になるだろうとみられていた竹下登内閣は、リクルート事件に主要閣僚や自民党幹部らが関与していたことが明らかになったため、1989年12月の世論調査で支持率が41%から29%に急落した。
さらに消費税導入を目前にした1990年3月には15%へ半減してしまい、退陣に追い込まれた。

森喜朗首相の場合、さらに劇的だった。
2001年、ハワイ沖で愛媛県の水産高校の演習船「えひめ丸」がアメリカ軍の原子力潜水艦に衝突・沈没した事件が起きたとき、ゴルフをしていたことが問題になり、直後の世論調査では支持率が9%と1桁になってしまった。

安倍首相自身も第1次内閣では、厚生労働省のずさんな年金記録管理が明らかになった「消えた年金問題」に加え、政治資金の使い道が批判された松岡利勝農水相の自殺をはじめとする閣僚の不祥事や問題発言が相次ぎ、政権発足当初の60%台半ばの支持率がわすか9カ月で30%にまで落ち込んでしまった。

総選挙で自民党を破って政権交代を果たした鳩山由紀夫内閣の支持率の下がり方も激しかった。
発足時は70%を超える数字を記録したが、自らの不祥事に加え、沖縄のアメリカ軍基地移転問題へのお粗末な対応など政権運営が混乱したため、1年足らずで20%台に低下してしまった。
鳩山氏は退陣後、「最高で7割もあった支持率が半分に、そして3分の1に、あっという間に落ちる。
考えられないような話だ」と筆者に語ってくれたことがある。

第2次安倍内閣で支持率の動きは一変
第1次安倍内閣から民主党政権の野田佳彦内閣まで、6つの政権の内閣支持率はとくに激しく動き、1年単位で乱高下を繰り返した。
それに合わせて1年ごとに首相が交代する不安定な状態に陥っていた。
内閣支持率の急落が政権の崩壊に直結する時代だった。

ところが第2次安倍内閣になると一変した。
何が起ころうと支持率に大きな変動がないのである。
なぜ、こうした変化が起きたのだろうか。

硬派メディアの報道が国民に届かない
1つは政権を取り巻く政治的環境の変化を上げることができるだろう。
自民党内に安倍首相に代わる有力な政治家がいない。
自民党にとって代わりうるような野党も存在しない。
民主党政権の混乱と崩壊の記憶が鮮明であり、政治の混乱より安定を歓迎する空気が強い。

第2次安倍内閣では経済も外交も、大きな改革や進展はないものの安定している。
だから、「何となく今のままがいいから、支持する」という空気が広がっているのだろう。
朝日新聞の11月の世論調査結果を見ると、「安倍政権が長い間、続いている理由」についての質問に、82%が「ほかに期待できる人や政党がない」という回答を選択している。

安倍首相以外に選択肢がなければ、現状維持を選ぶしかない。
安倍内閣の支持率は明らかに消極的選択である。
一方で、かつてであれば当然、内閣支持率の低下につながったであろう首相や閣僚の不祥事、政策の問題などが相次いでいる。
にもかかわらず世論調査の数字に反映されない最大の理由は、新聞やテレビなどの伝統的なメディアと国民の間に以前はなかったような乖離が起きているためだろう。
新聞やNHKニュースは、多少の濃淡はあっても、安倍首相が絡む不祥事や閣僚の辞任、政策の大きな失敗などを詳細かつ批判的に報じている。
こうした姿勢に大きな変化はない。

ところがこうした「硬派メディア」のメッセージが、今の時代、国民にどれだけ伝わっているのであろうか。
若者を中心に情報源の中心はスマホを使ったSNSなどに移っている。
電車の中など移動中に、ツイッターなどを使って断片的な情報を片手間に得ている。
仕事を終えてじっくりと新聞を読んだり、テレビのストレートニュースを注視することなどほとんどないだろう。

となると、政治家の倫理観の欠如などの問題を、硬派メディアがいくら力を入れて説いたところで、多くの国民には届きようがない。
そもそも基本的な事実関係さえ十分に伝わっていない可能性がある。
その結果、多くの国民にとって、永田町や霞が関は、何も見えない別世界になっているのではないだろうか。
そういう人たちを対象に行うマスコミの世論調査の結果はいかなる意味を持つのだろうか。
少なくとも内閣支持率に実態が伴っていないことは間違いないだろう

国民が政治について正確で十分な情報を手に入れ、主体的に判断することなくして民主主義は機能しない。
そういう意味では、不祥事を起こした首相や閣僚らがきちんと説明しないことが最大の問題である。
さらに、情報をきちんと伝えるべきマスコミが社会の変化に十分対応できていないことにも問題があるのではないだろうか。

そして、スマホでの断片的情報に満足している国民にも問題がある。
その結果、変動の少ない内閣支持率が安倍内閣に正統性を与え、政権の長期化に寄与しているのだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☔| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月25日

相続で揉めないための、賢い「生前贈与」の方法とは

相続で揉めないための、賢い「生前贈与」の方法とは
2019.11.24 ダイヤモンドオンライン
出口秀樹:税理士

知らないと損をする節税のノウハウを、税理士・出口秀樹氏の新著『知れば知るほど得する税金の本』からの抜粋で徹底解説します。
今回のテーマは「贈与税」。

資産を持つ人にとっては、相続と併せて、生前に子供に財産を贈与できれば安心が増します。
なるべく税負担を少なくする贈与の仕方はあるのでしょうか。

生前にまとまった額の贈与が可能な制度
「贈与税」は、贈与を受けた人に対して課税されます。
その贈与を受けたことに対してかかるので、生活費、または社会慣習上以外のものについてはすべて課税されることになるのです。
 たとえば1年間でトータル100万円もらっても税金はかかりません。
すべての贈与ということに対して税金をかけていたら、税務署も納税する人も大変なことになります。
ですので、贈与税では「基礎控除額」を設けています。
それは年間110万円です。
やや中途半端な金額ですが、税法上そのように定められています。

 ただ、基礎控除額の110万円という金額では、大きな財産を移すことは基本的に不可能だといえます。
ある人が保有している財産を生前に移動させることが、税負担のためにできないというのは社会全体にとって、あまり良いことではありません。
 不動産や現金など、高齢者が保有し続けることで、その利用が停滞してしまい、景気に悪影響が出るとも考えられるからです。  
そこで、ある程度まとまった金額の財産を生前に子供に贈与しやすくするために考えられたのが、「相続時精算課税制度」です。

失敗しない「相続時精算課税制度」の使い方
 贈与税とは相続税を補完するための税金ですが、相続時精算課税制度は高税率の贈与税を課すのではなく、相続税の前払いとして一定の金額を概算で負担させておき、相続が発生した時点でそれを精算するという方法をとっています。
 そのため基礎控除額は2500万円というまとまった金額にし、それを超える場合はその超えた金額の20%を前払いとしての贈与税として支払うことにしているのです。

 相続税の基礎控除額は、平成27年から改正され、3000万円+600万円×法定相続人の数という金額ですので、明らかに相続税のほうが負担は軽くなっています。
 その贈与税に比べて軽い負担の相続税の税率を適用させる上で、相続時精算課税制度は最適なものだといえるのです。
「相続時精算課税制度」を利用するには、いくつかの注意点があります。

◆一度選択すると後戻りできない制度であること
 この相続時精算課税制度を利用すると、従来の基礎控除110万円の一般贈与制度で贈与することはできません。
一度選択すると、その人からの贈与に関しては、その後すべて相続時精算課税制度で計算されることになります。

◆適用する最初の年には必ず届出書を提出すること
 この相続時精算課税制度は、選択制なので所轄税務署長に適用初年度の申告期限までに、“相続時精算課税選択届出書”を一定の添付書類と一緒に提出しなければなりません。
贈与税がゼロであっても、贈与税の申告書も提出しなければなりません。

◆2500万円という金額は“累積”であるということ
 基礎控除額が2500万円というのは、“累積の金額”です。
つまり昨年2000万円贈与を受け、今年500万円の贈与を受けた場合、基礎控除額の余裕はなくなり、次の年の贈与分からは20%の税率で課税されてしまいます。
一般贈与の110万円の基礎控除は、1年ごとの金額なので、取り扱いがまったく異なります。

もめずに生前贈与するための制度
◆必ずしも相続税対策にならない制度であること
 相続税対策として贈与という方法を使うことは一般的ですが、こと「相続時精算課税制度」では必ずしも「税金」対策になるとはいえません。
相続時精算課税制度の場合、贈与した財産は贈与された人のものにはなりますが、相続税の計算をする際には贈与した人の財産として計算をするため、生前贈与をしてもしなくても最終的な結果は同じなのです。
相続時精算課税制度は“争族”対策であって、必ずしも相続“税”対策とはなりません。

将来、相続が起きた時に、争いがないように生前に財産の分配をこの制度を利用して行うということが、この制度を利用する上でもっとも効果が期待できるところなのです。

揉めずに生前贈与するための制度
税金対策としては、使われる機会は少ない相続時精算課税制度ですが、生前にまとまった財産を贈与することができるということを利用して、他にもこんな使い方が考えられます。

◆相続が起きると兄弟間で揉めそうなケース
 財産額が多い少ないに関係なく、遺産争いが起きる可能性はあります。
たとえば財産の大部分が土地の場合、それを各相続人に納得させた上で分けることは、なかなか難しいものです。
そのような場合、効果的なのは生前に分け方をある程度決めてしまい、その分け方に基づいて贈与するという方法です。
そういう時こそ相続時精算課税制度が効果を発揮するのです。

◆子供に早いうちから財産を与えるようなケース
 たとえば、子供がサラリーマンでマイホームを建てた場合には、かなりの借金を背負うことになります。
一方、親がまとまったお金を持っていて、日常生活に何の支障もないようなケースの場合、親からの生前贈与をお金で行い、その贈与されたお金で住宅ローン返済を行ったとすると、子供は無駄な金利を金融機関に支払わなくて良くなります。
親子一体でみれば、金利の節約が可能となります。

◆“収益力の贈与”を行うケース
 たとえば財産に賃貸用不動産を持っているような方が、この方法を使えます。
このケースでは子供に物件を贈与することにより、その後入金される賃貸料を、そっくり子供のものとすることができます。これを“収益力の贈与”といいます。
この場合、相続税対策となりますし、親子で所得を分散することによって、結果として所得税の節税になります。

注意して使えば節税につながる“連年贈与”
◆税金対策になるケース  この制度を利用しても、相続税の対策としてはそれほど期待できませんが、やりようによっては税金対策になるものもあります。
たとえば将来的に価値が上がりそうなものを、現在の低い評価のうちに贈与する場合です
その財産が将来的に値上がりをしたとしても、相続時の評価額は贈与時の価格のままなので、結果として相続税の節税になります。

 相続税の対策として、生前贈与(一般贈与)は有効なものの一つです。
生前に財産のうちの一部でも、先に子供に移動させることによって最終的な相続税の税額を抑えることが期待できます。
具体的なやり方としては、毎年贈与する方法が考えられます。
 最初に自分の財産総額と負債総額、その差額である純資産額の把握から始めます。
純資産額が把握できると、法定相続による相続税の概算金額を計算します。
そうすると純資産額に対する税金がどの程度の率で課されるかがわかるはずです。

 生前贈与は、この試算した相続税の実効税率より低い贈与税率で財産を毎年贈与することで、相続税と贈与税トータルの税金で節税を行うという考え方です。
ただし、生前贈与を行う上で注意しなければならないことがいくつかあります。

◆贈与したことを表す書類の整備
“贈与”は書面にすることで、確実なものになります。
口頭だけの約束、お金の移動だけでは、本当に贈与があったのかもわかりません。
“贈与証書”など書面で贈与の事実があったことを証明できるものを残しておく必要があります。

◆贈与のお金の流れは明確に
 特に現金で贈与する場合は、金融機関の振込などを利用して贈与すると良いでしょう。
振込という方法をとることによって、贈与の跡を残しておく工夫も必要なのです。

◆毎年同じ日、同じ金額を贈与しない
 毎年、同じ日、同じ金額を贈与したとすると、最初から毎年の贈与額×年数分を贈与するつもりだったと疑われかねません。
税務署から余計な疑いを持たれないようにするためにも、この方法での贈与は避けたほうが良いでしょう。

◆贈与された人に贈与の事実をきちんと知らせる  
よくあるケースで、子供に内緒で贈与している場合があります。
これでは、そもそも贈与になりません。
必ず贈与した事実がわかるようにしておいてください。

◆3年以内の贈与について
 相続開始前、3年以内の贈与については、贈与がなかったものとされ、贈与された財産は相続税の対象として計算されることになります。
できれば相続間近で贈与するのではなく、時間的に余裕を持って贈与したほうが良いのです。
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2019年11月26日

ダメなリーダーほど「事なかれ主義」に陥る理由

ダメなリーダーほど「事なかれ主義」に陥る理由
11/25(月) 東洋経済オンライン

臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。
エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

■「事なかれ主義」のリーダーに共通すること  
「組織のリーダーに向いているのはどんな人か」ということは、昔からよく、議論されてきたテーマです。
例えば「決断力こそが、リーダーに求められる資質なのだ」という人もいれば、「部下にきちんと目配りできる人でなければリーダーの資格はない」という人もいます。

 日本においてよく問題になるのは、リーダーの地位に立つ人の「事なかれ主義」でしょう。
失敗を恐れ、前例のない新しいテーマに積極的に取り組もうとしない。
重要な決断ができず、チャンスを逃してしまう……。
日本にはそういうリーダーが多く、そのことが日本の成長をとどめてしまっている大きな要因になっている。
そんな批判をよく耳にします。  

実際の日本のリーダーがそういうメンタリティーを持っているかどうかはともかく、心理学的に見ると、こうした「事なかれ主義」なリーダーに共通する背景は、実は幼稚な「集注欲求」への囚われだったりします。
 この連載でも何度か紹介していますが、集注欲求というのは「他人からの注目を集めたい」欲求のことです。
生まれたての赤ん坊が、空腹や不快感を訴えるために泣くのと同じように、大人になっても、他人からの関心をひこうとする欲求が人間にはある。

 こうした欲求を未成熟な状態で持ち続けている人が、リーダーになるとどうなるか。
普通に考えると、他人の関心をひくために、何か新しいことをやって目立とうとするのではないか……、と思われるかもしれません。
でも、実際の企業では往々にして、集注欲求の強いリーダーほど「事なかれ主義」になりがちなのです。
 なぜなら、集注欲求に囚われている人にとっては、「他人から賞賛されること」よりもむしろ、「他人から批判を受けたり、非難されたりして、地位を追われることを避ける」という欲求のほうが、ずっと強いからです。

 失敗を恐れず、リスクのある新しいことに取り組む決断をする。
本気でそういうリーダーを望むのであれば、子供っぽい集注欲求からはある程度解放されていて、他人からの評価に一喜一憂しない人間的成熟が必要だということになるでしょう。
 ただ、僕自身はそれにもう1つ条件を加えたいと思っています。
それは「自分で自分を説得できる力があるかどうか」ということです。

■まずは自分自身を説得すること
 チームの中で、どのようにリーダーシップを発揮するのか。
上に立つ人間はどのように振る舞うべきなのか。
『アベンジャーズ』や『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』といった、マーベル・シネマティック・ユニバースが作るヒーローものの映画シリーズは、こうしたリーダー論の基本を学ぶための、よい教科書となります。

 こうした映画を組織論として見ていて気づくのは、それぞれの映画のヒーローであり、リーダーである主人公たちは、決して自分から望んで「リーダー」になろうとしたわけではない、ということです。
アイアンマンにしても、キャプテン・アメリカにしても、他人から請われ、その思いに応えることで、結果としてリーダーとして振る舞っている。
 だからこそ、彼らが誰かに指示を出すときには、決して権威的に、一方的に命令を下すことはありません。
必ず、情理を尽くして説明し、相手を説得しようとします。  

「今はこういう状況で、君にしかこれを頼める人はいない。だから他ならぬ君にお願いするんだ!」と。
 映画を見ていると、そうやって情理を尽くして説得する姿勢こそが、当たり前の姿勢に見えます。
でも、多くのリーダーは、相手よりも上の立場に立った途端に、この誠実さを忘れてしまうのです。

 実際、「上司の命令」というのは一方的であることが多く、また、部下も表面的にはいうことを聞いていても、「これこそが、自分のやるべき仕事だ」というレベルまで、その仕事へのコミットメントが高まっていないことが多いのではないでしょうか。
これでは、仕事がうまくいくはずがありません。

 部下が納得してコミットメントできるようになるまで、しっかりと説得するのがリーダーの仕事だとすれば、そのために必要なことは何か? 
 それは、説得するためのデータを集めるためでも、相手の反論を封じるような弁論術を磨くことでもありません。
「(まずは)リーダー自身が、自分で自分を説得する」ということなんです。

■リーダーは自分が納得した具体的なコミットがマスト
 他人を説得するためにいちばん必要なこと
それは、「自分自身を説得する」ということです

 例えば、「●月●日までにこの計画を完成させなければならない」という課題があったとします。
このとき、なぜ「●月●日」という期日があるのか、間に合わなければ何が起きるのか、そもそもこの課題は、なぜ達成しなければいけないのか。
達成できると、どんなプラスの展開があるのか……。

 こうしたさまざまな要素について、リーダー自身が納得いくまで考え、受け入れることができているか。
「なぜ、この仕事が必要なのか」ということについて、自分自身が納得できるまで、理解を深めているか。
 もし「理解」が自分の心の琴線にまで届き、深い「納得」が生じていれば、自分自身の感情や気分も落ち着き、心の迷いがなくなってきます。
そうなって初めて人間は、最高の能力を発揮することができます。
おのずと部下を説得する言葉にも、説得力が生じるのです。

 例えば、当座だけを見てみれば自分の部署が貧乏くじを引いてしまうような決断について、部下を説得しなければいけない。
そのときに、もしもそのことに自分自身が納得していなければ、とても「全体のために、申し訳ないけれど今は我慢してほしい」と口にすることはできないし、部下の心を動かすことにはつながらないでしょう。

■パワハラは、「納得していないリーダー」の下で起きる
 リーダー自身が納得していなければ、部下を説得することはできない。
 このことは裏を返せば、「自分が納得する」というステップを踏んでいない「命令」はすべて、パワハラの温床となるということです。

例えば、部長から無理難題を頼まれた課長が、自分自身がその命令にまったく納得できていないのにもかかわらず、「命令だから」という理由だけで部下に仕事を押し付けたとします。
 命令を受けた部下は、なんとなく命令を下している自分の上司自身が、腹の底から納得していないことを感じ取ります。
そうなると、当然モチベーションを高く保って仕事をすることはできないでしょう。

 一方、そういう仕事の振り方をしてしまった課長にも、「自分自身が納得できていないまま、部下に命令を下してしまった」という後ろめたさが生じます。
これを真正面から受け止められればいいのですが、多くの場合そうはなりません。
 こういった後ろめたさが生じると、人間の脳は、可能な限りそういう事実(自分自身が納得いっていないのに、部下に押し付けたこと)を無意識に否認するようになります。
否認されて鬱滞(うったい)したエネルギーは、例えば虚勢、イライラ、不機嫌、無視、皮肉、八つ当たり、さらにはいじめにまで、時間差を経て、形を変えて表出することが多いのです。

 成果が上がらない現実に対して、上司にも、部下にもフラストレーションがたまっていく。
パワハラ問題の背景には、往々にして、こうした中間管理職独特の、抑圧された感情があると考えられます。

■2つの共感性のベクトル
 さて、先ほど僕は「リーダーとは周囲に請われて初めてリーダーになるのだ」と申し上げましたが、現実には、「リーダーになりたい」という思いがあるなら、どんどんリーダーになって人を引っ張っていく立場に立ってほしいと思ってもいます。

 というのも、日本では別にリーダーになりたくないと思う人が、組織の慣習やバランスや年功によって、なんとなくリーダーに押し上げられてしまっていることが多いからです。
つまりリーダーというものが、その役割の重要性より、「地位」として珍重されている傾向がある。
 そんなことになるぐらいだったら、少なくとも「自分がやりたい」というモチベーションを持っている人がリーダーになったほうが、ずっといい結果が出るのではないか、と僕は思います。

少なくとも、自分から「リーダーになりたい」という思いを、つまらぬ権力志向ではなく、志として持っている人であれば、自分自身が日々はつらつと仕事をこなすことができるでしょう。
そういうときには、人はあまりパワハラをしたり、自分だけが得をしようという行動は取らないものです。

 ただ、そのうえでリーダーとして人を引っ張っていく立場になる人には、ぜひ気をつけてほしいことがあります。
それは、人の共感性には2つの方向性がある、ということです。
 2つの方向性というのは、「自分より上の立場の人への共感性」と「自分より下の立場の人への共感性」です。
これは真逆のベクトルで、なかなか2つを同時に備えている人というのはいません。
必ずどちらかに偏っているのが普通です。

その偏りをできるだけ、自分なりに把握して、真ん中に立てるように調整する。
これが、特に大企業のような大きな組織の中で、中間管理職的なポジションでリーダーを務めている人に求められるスキルであり、姿勢だと僕は考えています。

 実際問題、リーダーというのは、組織全体の中で見ればほとんど全員が「中間管理職」です。
自分の下には部下がいる一方で、自分が指示を仰ぐ上司もいる。
そのどちらに対して、自分は自然と関心が向くのか、ということを知っておく。

・「部長もいろいろ難しい判断をしていて、大変だろうな」と上長の立場をおもんぱかる傾向のある人は、部下の困りごとを見落としがちです。
・逆に、自分の部下やパートなど、弱い立場の人にきめ細かに目配りができる人というのは、上司や企業の経営陣の思いを、なかなか想像することができません。
 この偏りを自覚しておけば、リーダーを取り巻く多くの問題は、解決の糸口が見つかります。

・上の立場に共感しやすい人は、自分がパワハラをしていないか、パワハラで困っている人を見落としていないか、ということに積極的に注意を向けたほうがいいでしょう。
・一方で、自然と弱い立場に立つ人に優しい視線を向けられる人は、上司が困っていることや、経営的な視点を自分の判断の中に取り入れたほうがよいのです。

 アルファポリスビジネス編集部
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2019年11月27日

支持率5割切りに安倍政権が焦りを深めるワケ

支持率5割切りに安倍政権が焦りを深めるワケ
2019年11月25日 PRESIDENT Online

■首相復帰後、「初の危機」に直面している
11月21日に「憲政史上最長」の在任期間に到達した安倍晋三首相。
ところが、これと並行するように政権の大暴落が進んでいる。

一連の「桜を見る会」問題が発覚以降、報道各社が行う内閣支持率が急落しているのだ。
約7年におよぶ長期政権を支えてきた安定的な支持が崩れ始めた今、安倍氏は、2012年暮れに首相復帰後、初の危機に直面している。

■内閣支持率は48.7%は「数値よりも内容が悪い」
共同通信社が23、24日の両日に行った世論調査によると、内閣支持率は48.7%。
10月の前回調査と比べて5.4ポイント下がった。
「桜を見る会」問題に火が付いて以来、各社が行っている世論調査は、おおむね同じ傾向が続く。
内閣支持率は5〜7ポイント程度下落して5割前後になっている。

「5割」という数値は必ずしも低いとはいえない。
共同通信社の調査でも安倍内閣の支持が4割を割り込んだこともある。
その時と比べれば十分高い。
しかし、世論調査ウオッチャーたちによると、今の内閣支持率は「数値よりも内容が悪い」という。

■これまでは2〜3カ月すると持ち直していたが…
かつて安倍内閣の支持が落ちたのは、特定秘密保護法や、集団的自衛権の行使を一部容認した安全保障関連法などを成立させた時だった。
反対が根強い中で強引な国会運営をした影響もあったが、ある程度支持率が下がるのを覚悟して、信念に基づいて政策を押し通した結果だった。

覚悟していたから、措置しやすい。
だから2〜3カ月すると支持は持ち直していた。

10月下旬、菅原一秀経済産業相と河井克行法相を巡る「政治とカネ」の問題が起きた時も、安倍氏はある程度支持が下落することを予測し、2人をあっさりと更迭。
前後して、国民から批判が集まっていた大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入も見送る決断をした。
その後の世論調査では、内閣支持率は下がらず、むしろ評判の悪い英語民間検定の導入を見送ったことで評価を高めたほどだ。

こういった危機管理が長期政権を築いてきた知恵でもあった。
しかし今回の支持低下は安倍氏にとって想定外だった。
安倍氏も、安倍事務所も、首相官邸も「桜を見る会」についての危機感は乏しかった。

この問題は10月13日、「赤旗」日曜版で問題点が指摘されている。
しかし11月8日に参院予算委員会で共産党の田村智子氏が追及するまで十分な対策を練っていなかった。

■不支持理由の圧倒的1位は「首相が信用できない」
共同通信のデータを元にもう少し深く分析してみたい。
安倍内閣を「支持しない」と答えた人にその理由を聞いた設問がある。
その中で圧倒的な1位は「首相が信用できない」で36.0%。
前回は27.8%だから、8.2ポイントも上がったことになる。

さらに「首相にふさわしいと思えない」も前回の11.4%から15.3%に上がっている。
前回は「経済政策に期待が持てない」が1位だった。
要するに安倍政権を評価しない人は、前月までは政策に対する批判が多かったのだが、今は安倍氏自身に拒否反応が主となっている

理由は「桜を見る会」への対応だ。
この問題につい安倍氏の発言を「信頼できる」という回答は21.4%、「信頼できない」は69.2%。
「桜を見る会」を巡って安倍氏に不信が高まったことが内閣支持の低下の主要因になっていたことが、はっきり分かる。

■多くの人が「そんなはずはない」と思う説明ばかり
「桜を見る会」の問題はわかりやすい。
税金を使って来客をもてなす会に安倍氏の後援者を大量に招いていたという話は、安倍氏が政権を私物化しているという印象を誰もが持つ。

「桜を見る会」の前日、都内の高級ホテルで開かれた「前夜祭」について安倍氏は、総額を示す明細書はなかったと説明しているが、多くの人は「そんなはずはない」と思うはずだ。
このことは、すでに「支持者を堂々と『税金』で接待する安倍氏の驕り」(11月13日)や「丁寧に説明するほど疑惑増す『安倍首相の逆説』」(11月18日)で解説している。

この問題は安倍氏個人に向けられている。
「森友学園」の疑惑では安倍氏の妻・昭恵氏の関与が疑われた。
「加計学園」では、安倍氏の友人である加計学園の加計孝太郎理事長の存在が注目された。
また、最近では安倍氏が任命した閣僚が相次いで辞任した。
その都度、安倍氏も批判されたが、安倍氏は脇役だった。

しかし「桜を見る会」は、文句なく安倍氏が主役。
彼自身に批判の目が向けられている。
だから問題は大きく、対応が難しいのだ。

■「安倍政権には岩盤支持層が3割ある」は健在
安倍氏はどこまで追い詰められてしまうのだろうか。
最近、野党からは疑惑がさらに深まる前に安倍氏が衆院解散してしまうのではないか、という観測が出ている。
また永田町内では安倍氏が政権を投げ出し、辞任するのではないかとの見方さえある。
しかし、そこに至る可能性は、現段階では低いとみたほうがいい。

共同通信社のデータにもう一度戻ろう。
「桜を見る会」に安倍氏の支援者が多数招待されたことを問題だと思うかどうか、という設問に対し「問題だと思う」は59.9%、「問題だと思わない」が35.0%だった。

ここで注目するべきなのは「問題だと思わない」が35%もあることだ。
今、テレビ、新聞がこぞって「桜を見る会」を取り上げて批判する中、「問題だと思わない」と答える人は、どんなことが起きても安倍氏を支持しようと考える岩盤支持層だ。

これまで安倍政権が窮地になっても、内閣支持率が30%台で下げ止まることから「安倍政権には岩盤支持層が3割ある」と解説されてきた。
世論調査を見る限り、まだこの「岩盤」は健在であることを示している。
野党側はこの問題で一気に倒閣まで持ち込もうと息巻いてはいるが、「桜一辺倒」では難しいことも世論調査は雄弁に語っている。

裏を返せば、安倍氏の国会などでの説明に明確な矛盾が生じ、「岩盤層」も崩れ始めた時、今度こそ安倍政権は終末を迎えることになるだろう。
  (プレジデントオンライン編集部)
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目に余る最高権力者のウソ強要 イカれた首相を徹底検証

目に余る最高権力者のウソ強要
イカれた首相を徹底検証
2019/11/26 日刊ゲンダイ

 息を吐くように嘘をつく首相に付き合わされる方も正直、たまったものではないだろう。
 日ごとに目に余る公私混同がハッキリしてくる安倍首相主催の「桜を見る会」。
1000人もの首相推薦枠があった招待者選考について、安倍は当初、「とりまとめには関与していない」と明言していた。

しかし20日の参院本会議では、自らの事務所が幅広く参加者を募っていたのを知っていたばかりか、「私自身も相談を受ければ、意見を言うこともあった」と認めたのだ。
 つまり、当初の説明は真っ赤な嘘。
それでも往生際の悪さが安倍の真骨頂だ
当初の説明は、内閣府などが行う招待者の最終的なとりまとめには「関与していない」との趣旨だったと突っぱね、野党が批判する虚偽答弁には当たらないとホザくのである。

 桜を見る会の主催者である安倍の意向に、内閣府などの“木っ端役人”が逆らえっこない。
「関与なし」と断言した後、安倍事務所がこの会を含む観光ツアーの案内を地元有権者に配っていたことが発覚。
そのため、詭弁を弄したに過ぎない。
 追い込まれると、説明内容を微妙に修正し、苦しい言い逃れを始める
この7年間、繰り返された光景とはいえ、つくづく、安倍は不誠実きわまる人物である。

会の「前夜祭」としてホテルニューオータニなどで開かれた夕食会を巡る安倍の説明だって、額面通りに受け取るバカはいない。
 会費5000円は安すぎるとの批判に「参加者の大多数が宿泊者という事情などを総合的に勘案してホテル側が設定した」と言い張ったが、それを裏付ける見積書も明細書も「ない」。
にわかに信じがたい説明だ。

■7年繰り返された「そのうち忘れてくれる」
 その上、2015年に安倍事務所名で参加者に配られた注意文書の記載には、前夜祭の会場とホテルが異なるケースもあり、早くもほころびを見せている。
あとはホテル側が保管しているはずの明細書などを示せば、安倍の大嘘は確定だが、なぜか、会場のニューオータニは詳細な説明を避けている。

 共産党の田村智子参院議員の国会質問で“桜疑惑”がクローズアップされた3日後の11日夜、安倍は経団連の今井敬名誉会長らと会食。
19日にも再び今井氏と会食した。
多忙を極める首相が短期間に2度も同一人物と食事をともにするのはまれだ。
恐らく今井氏の現在の肩書である「ニューオータニ取締役」と無縁ではないだろう。

 さらに先週発売の「週刊文春」によると、安倍事務所は15日、ニューオータニの広報部長ら2人を議員会館の部屋に呼び出し、話し合いの場で「会費5000円」が厳重に確認されたという。
安倍の説明にニューオータニが口裏を合わせ、すでに根回しは済んでいると考えるのは、決して「邪推」とはいえまい。

「集中審議を拒み、政治の私物化の説明責任を避け、ホテル側にゲタを預けてしまう。
ホテル側が説明しない限り、そのうち国民も忘れてくれると、安倍首相は高をくくっているのです
この7年はその繰り返し。

モリカケ疑惑などで周囲の迷惑など顧みず、ごまかし、偽り、隠し、逃げおおせてきた“成功体験”に味を占めているとしか思えません。
ただ、桜疑惑は政治を歪める政権にストップをかける絶好のチャンス。
関係者は真相を語り、ウミを出し切るべきです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏)

公権力の全てを私物化するハンパない全能感
 内閣府の国会答弁もフザケている。
今年の招待者名簿について「会の終了後、遅滞なく速やかに廃棄している」と説明したのに、実際は会開催から1カ月近くも放置。
1枚残らず廃棄したのは、共産党議員から資料要求があった5月9日だったというから驚く。
 ドンピシャ過ぎるタイミングは証拠隠滅としか思えない。
ところが、内閣府の大塚幸寛官房長は、各局の使用が重なっていた大型シュレッダーが空いたのが、たまたま、この日だったというから耳を疑う。

本紙の調べで、大型シュレッダーは1時間に約11万枚のA4用紙を裁断できる高性能機種と判明。
ほかに普通のシュレッダーも部署ごとにあるのに、大型シュレッダーに順番待ちができるとは、日々どれだけの公文書を廃棄しているのか。
いかにも苦しい言い逃れである。

 ひとたび疑惑が表面化すると、焦点の文書は「廃棄した」と強弁。
その忖度こそ「私が最高権力者」と言ってはばからない首相に仕える官僚たちの生き抜く知恵となってしまった。
それでも「天網恢々疎にして漏らさず」。
国会や会見で繰り返し「ない」とされた防衛省のイラク日報や、財務省が改ざんする前の森友学園との交渉記録なども、結局は発見された。

 官僚らが「廃棄した」との嘘をつかざるを得ないのも、安倍のせいだ。
ゴマカシ答弁とのつじつま合わせに、どれだけの人を巻き込めば、安倍は気が済むのか。

 森友疑惑では、安倍が「私や妻が関係していたなら、総理大臣も国会議員も辞める」と国会で強弁して以降、当時の佐川宣寿理財局長は虚偽答弁を連発。
公文書改ざんにも手を染め、罪悪感に耐えられなくなった近畿財務局の担当職員は自ら命を絶った。

 加計疑惑でも官邸で愛媛県、今治市、加計学園職員と面会していた柳瀬唯夫・元首相秘書官は、一貫して「記憶の限り、会っていない」とスットボケ。
やっと面会を認めたのは愛媛県が面会記録を公表した後で、それでも「首相案件との言葉は使わない」「首相に報告したこともない」と強弁し、安倍をかばい続けた。

■開口一番「長くやりたい」
 周囲の人の記憶を都合よく飛ばし、証拠を突きつけられるまで本当のことを語らせない
真相は常に小出しで、いざとなれば部下に全責任をかぶせる――
実に卑劣な首相はそうまでして権力にしがみつき、一体、何をやりたいのか。
イカれた首相のオツムの中身はどうなっているのか。

前出の五十嵐仁氏が言う。
「とにかく、自分の名前を歴史に残したいだけでしょう。
『史上最長政権』だけでは飽き足らず、政治的レガシーを残したい。
そのためにも憲法を変えたくて仕方がなく、そのタイミングを待っているのだと思います。
ただし改憲は、安倍首相が祖父・岸信介氏が成し遂げられなかった遺志を引き継いだ個人的な悲願でしかない。
国や国民生活のことよりも、自分の野心を優先させるとは、恐ろしいほどの権力の私物化です

 政治評論家の森田実氏は14年10月、官邸で安倍と昼食を共にした際、直接、安倍本人に「一番やりたいことは何ですか」と聞いたことがある。
森田氏に当時のやりとりを聞くと、「開口一番『長くやりたい』との答えが返ってきました」とし、こう続けた。
「理由は外交に取り組みたいとのことで『1年くらいでは海外で名前を覚えてもらえない。
だから長くやらないとダメだ』とも語っていました。

現職総理や総理候補と呼ばれる政治家に『やりたいこと』を聞き、『長くやりたい』と答えられた経験はなかった。
今や『長くやりたい』だけが自己目的化している印象です
過去の長期政権は何らかの実績を残してきましたが、安倍政権は、外交はおろか内政もロクな結果を残していない。
やるフリだけで周りの人間に嘘を強要し、責任を押しつけ、身を守ってきた7年間です

マトモな政治家なら責任を感じて心を痛めるものですが、安倍首相は平気の平左。
ひたすら権力を握っていたいだけのモラルなき政治家は恐怖です
慣れっこになってはいけません」

 桜を見る会の公私混同はあくまで氷山の一角。
自称「最高権力者」の全能感はハンパなく、公権力を徹底的に私物化しているのだ。
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2019年11月28日

インフル流行 感染を広げないために

インフル流行 感染を広げないために
2019年11月27日 東京新聞「社説」

 今季のインフルエンザの全国的な流行期に入った。
例年並みだった昨年より一カ月ほど早い。
これから来年春にかけ流行は続く。
感染症への対策の柱は予防である。
社会や個人で備えたい。

 流行は、全国の医療機関から寄せられる患者数で判断される。
十一月上旬に基準を超えた。
 直近の期間に検出されたウイルスは二〇〇九年に新型として流行したA型が多い。
 ただ、複数の型が流行する可能性がある。
一度、感染し発症しても警戒は怠れない。

 今年は九月から沖縄県で患者が増えだした。
新学期が始まって感染が広がったようだ。
夏でも感染する地域があることにも注意を払う必要がある。

 個人でまずできる予防は周囲への気遣いだ
インフルエンザウイルスは感染した人のせきやくしゃみの飛沫(ひまつ)に乗って周囲に広がる。
せきをしている人はマスク使用はもちろん、手でせきを受け止めた際には、その手でドアノブなどを触って感染を広げないようすぐに手洗いをしてほしい。
日々の丁寧な手洗いも大切になる。

 予防接種も有効だ。
感染自体は防げないが、発症をある程度抑えたり重症化を防ぐ効果がある。
接種を受ければ数カ月は効果があるといわれる。

 高齢者や慢性疾患を持つ人は感染すると肺炎など重症化する場合がある。
接種を受けた高齢者は死亡の危険を五分の一に減らせることが期待できるという。
自治体によっては費用の一部を助成している。
積極的に受けたい。

 季節性のインフルエンザとは別に新型はいつどこで発生するか分からない。
ひとたび発生すると、多くの国民が免疫を持っていないため感染が一気に拡大し命や健康を脅かしかねない。
 政府は新型発生を想定した対策をつくっているが、国民への周知を引き続き行うべきだ。

 冬季はインフルエンザの流行だけではない。
手足や食品を介してノロウイルスなどに感染し、激しい下痢や嘔吐(おうと)に苦しむ感染性胃腸炎も発生する。
 どちらも介護施設や学校、保育所などで集団発生することがある。
施設側も正確な知識を基に対策を取ってほしい。

 来年の東京五輪・パラリンピックでは、今年のラグビー・ワールドカップ以上に海外から多くの人が訪れるだろう。
インフルエンザに限らず、はしかや風疹など感染症全般の対策を考えたい。 
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2019年11月29日

安倍最長政権「裏側の醜悪」 権力しがみつきで薄汚い手口

安倍最長政権「裏側の醜悪」
権力しがみつきで薄汚い手口
2019/11/28 日刊ゲンダイ

 安倍首相主催の「桜を見る会」をめぐって新たな問題が次から次へと浮上し、菅官房長官がサンドバッグ状態である。
 反社会的勢力と疑われる人物と自身が会場で写真を撮っていた一件では、菅は26日の記者会見で「結果として入っていた」と反社の出席を認める発言をしていたが、27日に再び問われると、「写真があるなら、結果として会場にいたのだろうと言った。
出席したとは言っていない」と苦しい釈明だった。

 安倍や菅らが推薦した招待者名簿が廃棄された件に関しては、菅は27日の参院本会議で「あらかじめ決められた手続きに沿って廃棄したものであり、組織的な隠蔽との指摘は当たらない」と強弁。
共産党議員が資料要求した同日にシュレッダーにかけておきながら“隠蔽ではない”などとよくぞ言えたものだ。

 安倍後援会の前夜祭についても、「安倍夫妻は飲食をしていないから会費は払っていない」「ゲストのようなものだったんじゃないか」とトボけたが、安倍本人が「会費は会場受付で事務所職員が集金し」と話している。
安倍事務所が受付なのに、安倍夫妻がゲストなわけない。
ホストだろう。

 菅の弁明に破綻が出るのは、安倍が立ち話程度のぶらさがり取材を受けただけで、マトモに説明責任を果たさないからだ。安倍の「関与していない」という答弁とのつじつま合わせを強いられているから、矢面に立たされた菅や内閣府の官僚が口を開けば開くほど矛盾が露呈する。
子供だましのシュレッダー発言でも分かるように、答弁はボロボロ。
安倍官邸の危機管理は地におちた。

■「逃げ恥」状態の自民党
 誰が見ても政権の苦境はクッキリで、自公与党は野党から求められていた首相が出席する参院予算委員会の集中審議を拒否。
これは「委員の3分の1以上から要求があった時は、委員長は委員会を開かなければいけない」という参院規則38条に反しているのだが、与党が違反してでも拒むのは、一問一答で安倍が野党に攻撃されるのを避けるためだ。

「国会で求められれば、説明責任を果たすのは当然だ」と安倍自身が言っているのだから、集中審議でも何でも呼べばいいものを、与党幹部は「分かっているだろうな」という安倍の恫喝が怖いのか。
とにかく逃げの一手で、国会の会期延長も避け、幕引きに必死。
国民の疑念を完全に無視して、上から下までアベ様忖度の異常異様なのである。
「まさにドラマのタイトル『逃げるは恥だが役に立つ』の状態です。

『桜を見る会』は当初、官邸の問題だったが、自民党関係者も6000人を招待していることが明らかになり、疑惑の矛先も安倍後援会の『山口県ルート』や『ニューオータニルート』だけでなく、『反社ルート』まで加わった。
政治部マターから社会部マターに拡大し、東京地検が出るべき事案になってきました。
『問題ない』と言い続けてきた菅官房長官もフニャフニャしてきた。
安倍政権が調子に乗っていたのがバレて、そのおかしさは国民にもよ〜く伝わっています」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

安倍オンリー、安倍ファーストの政治
 安倍は今月20日、通算の首相在職日数で憲政史上最長となった。
それなのに大宰相と呼ばれないのはなぜなのか。

 戦後の長期政権は、賛否があるものの確かに何らかの大きな実績を残している。
 吉田茂はサンフランシスコ講和条約を締結し、米国からの独立を勝ち取った。
佐藤栄作は「沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国の戦後は終わらない」との声明を発し、沖縄返還を成し遂げた。
中曽根康弘は「戦後政治の総決算」を掲げ、国鉄や電電公社の民営化など行政改革を断行した。
小泉純一郎にしても、構造改革はろくでもなかったが、自ら訪朝し、5人の拉致被害者を奪還した。

 ところが、安倍には何もない。
大新聞は二言目には「長期政権のメリットは外交での存在感」などと解説するが、「私の政権で解決」と意気込んだ拉致問題も北方領土問題も1ミリも動いていない。
政権の代名詞だった「アベノミクス」はただ株価を上げただけで、国民生活を豊かにするものではなかった。
むしろ、安倍が長きにわたって政権に居座り続けていることで、この国は劣化し、腐敗の度合いを深めただけではないのか。

嘘とペテン。
その場しのぎの言い訳。
国会軽視。
官僚をコントロールする恐怖支配。
公金の私物化……。

これぞ安倍政権の本質であり、今国会の「桜を見る会」疑獄に凝縮されている悪政の数々でもある。
 そして、浅ましい権力亡者はライバル潰しに躍起だ。
次の首相に最も近いとされてきた幹事長や財務相の重要ポストに、80歳の二階や79歳の麻生というロートルを就け、決して後継者を育てない。
ポスト安倍で1番人気の石破は、派閥からの入閣者をゼロにして徹底的に干し上げる。
最長政権はそうした汚い手口によってつくり上げられたのである。

 聖学院大教授の石川裕一郎氏(憲法)がこう言う。
「長期政権の“成果”と言うのなら、強行採決により成立させた特定秘密保護法や安保法制などになるんじゃないでしょうか。ただ、桜を見る会の問題がモリカケの時と少し違うなと思うのは、安倍首相や菅官房長官の説明があまりに破綻しているからなのか、自民党内からも少しは疑問や異論が出るようになってきていることです。
官僚もこのまま安倍首相についていっていいのか、戸惑っているように見えます」

■善を捨て、腐敗が進む日本
 安倍の権力しがみつきのアノ手コノ手はメディアの懐柔にも及ぶ。
「桜を見る会」が炎上した今回も、頻繁にマスコミ関係者と会食。
取り込まれるメディアもどうしようもないが、内閣記者会のキャップとの懇談会では、安倍の話は自身の正当化と野党批判に費やされたという。

 許し難いのは天皇の政治利用だ。
最近で言えば、即位の礼のパレードは酷かった。
自民党本部前を通るコースに変更させ、まるで自分が天皇になったかのように、車の窓を開けて、沿道の人々に手を振っていた。
 唖然だったのは、来日したローマ教皇に、安倍が「『核兵器のない世界』の実現は、私の揺るぎない信念、日本政府の確固たる方針」と発言したことだ。
日本は2017年に国連で採択された「核兵器禁止条約」に署名していない。
米国による「核の傘」を肯定しているのに、よくもまあイケシャーシャーと教皇に会えたものだ。
驚くべき鉄面皮である。

 政治評論家の森田実氏が言う。

「安倍首相の政治には、国民の幸せや平和を守るといった理想はありません。
ただただ権力を少しでも長く維持したいだけ。
安倍オンリーで安倍ファーストの政治なのです。
アリストテレスは最古の政治学の本で、『政治は最高の善の追求』つまり、国民大衆の幸福を追求すること、と言っています。
権力闘争の中で、理想を捨ててしまう政治家は少なくありませんが、安倍首相の場合は、初めから理想がない。
安倍政権が長続きしている結果、日本は善を捨て、どんどん腐っていっています」

 桜を見る会をめぐる政権の醜態を連日、見せつけられるにつけ、多くの国民がこの国の堕落に気づいたのではないか。
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2019年11月30日

「モンスター高齢者」事例集、席を譲られてキレる・20代介護士にセクハラ…

「モンスター高齢者」事例集
席を譲られてキレる・20代介護士にセクハラ…
2019.11.29  ダイヤモンドオンライン
池田園子:フリー編集者/ライター

おじいちゃん、おばあちゃん=優しい、というイメージはすっかり廃れてしまったのかもしれない。
「シルバーモンスター」とも呼ばれる、モンスター化した高齢者の報道を目にすることは珍しくなくなった。
20〜50代男女が、「関わるとしんどい」「怒りっぽくて怖い」と感じる「モンスター高齢者」の事例を紹介したい。
   (取材・文/フリーライター 池田園子)

高齢化社会が進行する中 「犯罪白書」でも存在感を示すモンスター高齢者
 暴力、暴言……高齢者による事件が目立っている。
内閣府の「高齢社会白書」(平成30年版)によると、総人口(1億2671万人)に占める65歳以上人口(3515万人)の割合(高齢化率)は27.7%。
高齢化により、これからもこの比率は高まっていくことになる。

 視点を「犯罪白書」(平成30年版)に移してみよう。
年齢層別の刑法犯検挙人員および高齢者率は、直近20年間の推移を見ると大きな変化が見られる。
 平成10年以降、高齢者の検挙人員は毎年増加し、ピークを迎えたのは20年(4万8805人)だった。
以降は高止まりの状況が続き、29年に前年比1.5%減の4万6264人となり、10年(1万3739人)と比べると約3.4倍に増加しているのだ。

電車内で「老人扱いしないで!」とキレる
 うち70歳以上の高齢者は23年以降、高齢者の検挙人員の65%以上を占めるようになり、29年には68.4%に相当する3万1636人に。
10年(6840人)と比べて約4.6倍にも増えている。

 筆者は、これまでダイヤモンド・オンラインで、「モンスター○○」を度々取り上げ、実録として紹介してきた。
今回は、「モンスター高齢者」の事例を20〜50代男女に聞いて集めてみた。
検挙されるレベルのモンスターエピソードではないが、皆さんはこんな人々に遭遇したことはないだろうか。

親切心から席を譲ろうとしたら 「老人扱いしないで!」とキレる高齢者
 まずは、モンスター度・初級(「筆者が集めたエピソードの中では比較的軽度であり、初級と分類してみた」と補足しておく)の事例から見ていきたい。

「70代後半くらいの高齢男性が、電車で私の目の前に立っていたので、気づいた瞬間に席を譲りました。
『よろしければどうぞお座りください』と言って立ち上がったら、思いっきりにらまれて『結構です!老人扱いしないでください!』と、なぜかキレられました。
 その男性は杖(つえ)を持っていましたし、こちらは親切心で申し出ただけなのに……。
乱暴な口調ではなく、丁寧語での返答だったのでまだマシかもしれませんが、わりと大声で言われて、周りからの視線も感じてつらかったです」(20代女性)

「公共交通機関における、高齢者への席譲り問題」はなかなか根深いものがある。
上記の例のように席を譲ろうとしたら「自分はまだ席を譲られる年齢ではない!」というニュアンスで逆ギレされたり、「気づくのが遅いわよ」と嫌みを言われたり……譲る側も微妙な思いをしているのは確かだ。

泣く子どもをあやすママに 「静かにさせて」と怒る高齢者
 モンスター度・初級(筆者独自の判断)の事例を続ける。
「新幹線に乗っていたときのことです。
3人並んで座るシートの通路側には私、その隣(中央席と窓側席)には老夫婦、通路を挟んだ席には若いママとパパが座っていました。
しばらくしてママの膝に乗っていた2歳くらいの子どもが泣きわめき始めたんですね。
 すると、私の隣に座っていた高齢男性の方がチッと、あからさまな舌打ち。奥さんと思われる窓際に座っていた高齢女性も『うるさいわね』と一言。
『今頃の子どもはしつけがなってないわよ。
あれくらいの年齢になるまでにちゃんと教えないとダメよ。
親が甘いのよね』と続けました。
 その後で高齢男性が私の方に身を乗り出して、若いママに向かって『静かにさせてもらえますか?』とピシャリ……。
子どもなんだからちょっとくらいは泣くし、そのママやパパも子どもをなだめていたのに、ですよ。
あまりにも短気じゃないですか」(30代女性)

 公共の場で泣きわめく子どもを放置してスマホゲームに熱中している、などとなると、文句を言いたくなる気持ちもわからないではない。
しかし、子どもが泣きわめくのをなんとかして止めようとしているにもかかわらず、冷酷な口調で『静かにさせてもらえますか?』と言うのは、神経質過ぎやしないだろうか。

騒ぎまくりでうるさい団体を注意した店員に 「お客様は神様なんだ!」的な返しをする高齢者
 もう1件、モンスター度・初級(筆者独自の判断)の事例を紹介する。
「家族でファミレスに行ったとき、びっくりする光景を目にしたことがあります。
高齢者の男女7〜8人の集団が、周りから浮くような大声でしゃべっていて、とてもうるさかったんです。
テンションの高い大学生みたいなノリでした。
さすがに他のお客から『うるさすぎる』と不満の声が上がったのか、店員が彼らに声のボリュームを抑えてほしい、と言いに行ったとき、彼らの対応が大変なものでした。

 1人の男性は『俺たちはうるさくなんてしてないよ!』と怒り出し、別の男性は『こんなに注文してんだ!』と謎の逆ギレをし、ひとりの女性は『もともとガヤガヤした店じゃない!』と的外れな返しをしたんです。
店員は『そうおっしゃられても……』と困惑しているようでした。
そりゃそうですよね。
ひどいモンスタークレーマーだと思います」(50代男性)

 客側が「お客様は神様だ!」と威張り、店側に反論するよくある事例。
それにしても、「うるさくなんてしてない」からは客観的視点が欠けていること、「こんなに注文している」からはお金を払っていれば何をしても構わないといった極端な主張をしていること、「もともとガヤガヤした店」からは論点をすり替えていることなど、これが熟年の大人の対応なのか……と信じられない気持ちになるのは筆者だけではないだろう。

覇気のないコンビニ店員に説教 「もっとハキハキ話しなさい!」と怒鳴る高齢者
 ここからはモンスター度・中級(筆者独自の判断)の事例を見ていこう。
「コンビニでレジに並んでいるとき、暴言を吐く高齢者を見たことがあります。
60代後半くらいの男性で、あまり覇気のない若い男性店員に『あいさつもろくにできないのか!もっとハキハキしなさい!』と謎の説教をしていました。
 確かに、その若者の“いらっしゃいませ”や“ありがとうございました”などのあいさつの声が小さめだったのは事実です。
でも、そんなふうに怒鳴るほどでもないじゃないですか。
周りは引いていたと思います」(30代女性)

 全てのコンビニ店員が元気で愛想がいいとは限らないし、店員の態度には好みもある。
満面の笑みで「いらっしゃいませ!」と迎えられなくてもいい人もいるし、海外の店に行ったら珍しくない「塩対応」の方を好む人もいる。
 誰もが皆、自分と同じ感覚だと思い、それに合わせて説教をするのはやめた方がいいだろう。
見知らぬ老人から突然怒鳴られる若者にとっては恐怖でしかないだろうし、ただのお節介でしかない。

介護現場でのセクハラを注意しても…… 「老人には優しくしてよ」と受け付けない高齢者
 もう1件、モンスター度・中級(筆者独自の判断)の事例を紹介する。
「有料老人ホームで働いています。
そこで同僚の20代女性が、(認知症ではない)入居者の70代男性から頻繁にセクハラを受けて『もう嫌だ』と話しています。
何度注意してもお尻を触ったり、脚をなでたりするのだそうです。
『いい加減にしてください!』と怒ると『怖い、怖い』『老人には優しくしてよ。
いたわらないとダメでしょ』などとちゃかすと聞きました。
最低ですよね。
相手を傷つけている意識がゼロなんです」(20代男性)

 UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)が2018年6月に公表した調査「ご利用者・ご家族からのハラスメントに関するアンケート」によると、介護サービスの利用者や家族からセクハラ・パワハラを受けたことがある介護職員の割合が74.2%にのぼることが明らかになった。
 NCCUの組合員を調査対象とし、訪問介護や通所介護、特別養護老人ホームなどで働く2411人が回答している。
うち29.8%がセクハラを受けた経験があると答え、その内容の上位には「不必要な接触」や「性的冗談を繰り返す、しつこく言う」などがきていた。
 他にも70%がパワハラを受けた経験があると答え、「攻撃的な態度で大声を出す」「他者を引き合いにサービスを強要する」「契約上受けていないサービスを要求する」などの回答が多い。
これらの調査からも、サービス提供者がモンスター高齢者に悩まされる現状が伝わってくる。

モンスター高齢者に遭遇したら 私たちはどう対応すればいいのか
 他にも、以下のようなエピソードが寄せられている。
「わざとではないのに、駅のホームを歩いていて軽く肩が当たってしまったとき、高齢男性から『ちゃんと前を見て歩け!』と怒鳴られた」
「100円均一ショップで働いている。
週1くらいの頻度で『不良品だった。交換してほしい』と言いがかりをつけてくる高齢女性がいる」
「某カフェチェーンで勤務している。
注文されたものを運んで行ったのに、『こんなの頼んでない』と半分くらい口をつけてから文句を言ってくる高齢女性に困っている」

 できることなら関わることなく生きていきたい……そう思えるようなモンスター高齢者エピソードが寄せられた。
 しかし、社会の高齢化がより一層進む中で、高齢者との関わりは避けては通れない。
その中にはやはりこのようなモンスター高齢者が交じっている。

 もし、彼らに遭遇してしまったときは、決して深く関わろうとしないことだ。
また、理不尽なことを言われたときに、その言葉を完全に受け取らないことも大事だろう。
 イエスと言い続けると彼らは調子に乗ってしまう。
自分の声が通る、と味をしめてしまう。
毅然(きぜん)とした態度を取り、自分勝手な言いがかりは聞き入れません、と暗に伝えることも必要ではないだろうか。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米国は「130/80以上」が高血圧!あなたは大丈夫?

米国は「130/80以上」が高血圧!あなたは大丈夫?
「末梢血管」を鍛えると、血圧がみるみる下がる!
2019.11.30 ダイヤモンドオンライン
池谷敏郎:医学博士

「末梢血管」とは、手や足など末梢にまで血液を届ける動脈の末端部分のこと。
この末梢血管が血圧を左右する重要なカギとなります。
このたび新著『「末梢血管」を鍛えると、血圧がみるみる下がる!』を出版した人気医師・池谷敏郎先生が、「末梢血管を開いて血圧を下げる」コツを教える本連載。

初回は、そもそも血圧とは何なのか、高血圧になると何が怖いのかについてのレクチャーからです。
生活習慣に問題がある人ほど 血圧は改善の余地がある

みなさん、高血圧でお悩みですか?
 高血圧の方は本当に多いです。
 現在日本では、高血圧者の数は、4300万人と推定されています。
しかし、放置できないレベルの高血圧であっても治療を受けていない人も多く、その数はおよそ1850万人と推定されています(日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』)。

 高血圧は高齢者になるほど増え、現在70代の2人に1人は薬を飲んでいるという調査結果が出ています(厚生労働省「平成 年度国民健康・栄養調査」)。
 みなさんの中にも高血圧で治療をしていて、薬を飲んでいる方も多いことでしょう。

 薬に関して言えば、「血圧の薬は飲み始めると一生飲まなければいけない」と思っている人も多くいますし、私も患者さんからよく聞かれることです。
実際に主治医にそのように言われたという人も少なくないでしょう。
しかし、そんなことは決してありません。

 生活習慣を改善することで、薬を減らしたり、やめたりすることだってできるのです。
 とくに現在、生活習慣に問題がある人、たとえば暴飲暴食によってメタボになっているという人ほど、改善の余地があります。
 健康的な生活習慣に自信のない方は、このタイミングを「チャンス」と思って、ぜひ生活改善に取り組んでいただきたいと思います。

 血圧をいかに下げるかという話の前に、まず「血圧とは何か」簡単に説明しておきましょう。
 血圧とは、心臓が体の隅々にまで血液を送り出すときに「血管の壁にかかる圧力」です。
「血液が血管を押す力」と言ってもいいでしょう。
 ホースに水を流すところをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
水の勢いが強かったり、水の量が多かったり、ホース自体が狭くなっていたりすると、ホースにかかる力(圧力)は高くなりますね。

 心臓は、ポンプのように「収縮」と「拡張」を繰り返 しながら、全身に血液を送り出します。
「収縮」した瞬間に血液が送り出され、「拡張」とともに全身から血液が戻ってきます。

 この心臓が血液を送り出している(収縮している)ときの最高圧を「収縮期血圧」、いわゆる「上の血圧」といいます。
そして拡張しているときの最低圧が、「拡張期血圧」、いわゆる「下の血圧」です。
 血圧は全身のすべての血管にかかっていて、部位によって数値も異なりますが、通常は血圧といえば、上腕で測る血圧のことを指し、これを「上腕血圧」と呼びます。

「140/90」を超えると 急に死亡リスクが高まる
 日本における高血圧の基準値は、「140/mmHg以上(診察室血圧)」とされています。
 この値は時代とともに移り変わってきていて、1987年には「180/100mmHg(以下単位省略)」だったものが、どんどん引き下げられてきた経緯があります。
 また現在、アメリカでは高血圧の基準は「130/80」となっています。
日本も将来的には高血圧の基準値が引き下げられる可能性はあると思います。

 ところが、高血圧の基準値の話になると、よくこのような意見が出ます。
「高血圧患者を増やして製薬会社を儲けさせようとする陰謀ではないか」
「個人差があるのだから血圧の基準値など意味がない」

 高血圧の人からは「そうだ、そうだ!」と歓迎されそうな(?) 意見ですが、ちょっと待ってほしいのです。
 高血圧の基準は決して国の方針や製薬会社の陰謀によって決められているのではなく、ちゃんと医学的根拠によって定められています。
 いままでは血圧をどこまで下げればいいのか、なかなかはっきりしたことがわからなかったのですが、近年では研究が進んで、やはり血圧が高い人ほど脳卒中や心筋梗塞などの「血管事故」で死亡する率が高いことが明らかになってきたのです。  

そしてその数値は「上の血圧が140、下の血圧が90」で、これを超えると急に、死亡リスクが高まるのです。
 このため140/90以上が高血圧の基準値となっているのです。
 さらに、120/80未満の場合がもっとも循環器病のリスクが低いため、「至適血圧」とされています。

血圧が130〜139/80〜89であっても、120/80未満の人に比べると、心血管系死亡リスクは1.5倍以上高いといわれます。
このためアメリカでは130/80を高血圧の基準としているのです。
 もちろん個人差はあります。
しかしこの基準内に血圧が収まっていれば、脳卒中や心筋梗塞などの血管事故を起こさず、健康で長生きできる確率が高いのです。
この範囲に入っていたほうが断然安心なのです。
posted by 小だぬき at 13:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする