2019年12月01日

職場の“いじめ”エスカレートさせるのは「同調圧力」

【高論卓説】
職場の“いじめ”エスカレートさせるのは「同調圧力」
2019/11/30  産経新聞
舟木彩乃 ストレス・マネージメント研究者

 “いじめ”といえば、以前は子供の学校でみられた問題であったが、近年は分別のある大人の世界でも起こる問題である。
職場のいじめに関する相談も増えているが、自分が被害者だけでなく加害者にもならないためには、いじめの起こるメカニズムについて知る必要がある。

人がいじめをする心理的背景について、Aさんの事例をもとに考えてみたい。

 ヒトを含めてほとんどの動物には、自分の利益を侵害しようとする他者を攻撃して排除する機能が先天的に備わっている。自分の地位を脅かす者を排除するための攻撃、パーソナルスペースなど自分の領域を守るための攻撃などが、これに該当する。

 私のところにカウンセリングにきたAさん(男性・30代後半)は、某企業の企画営業部長に引き抜かれたが、転職して3カ月ほどで出はなをくじかれた人である。
同部は長らく役員が兼任で部長を務めていたため、B課長(男性・40代前半)が実質的なトップで権力も握っていた。
そのため、いきなり部長で来たAさんは歓迎されず、同部の管理のための情報もなかなかB課長から得られない状態が続いた。
困ったAさんは正式に引き継ぎを申し入れたのだが、それをきっかけにB課長の態度が攻撃的になってしまったそうだ。

 会議でAさんが発言すると露骨に嫌な態度をしたり、「A部長を信用していいのか、でも優秀らしいし、給与も高いからね」などといじったりすることも始まった。
部の他のメンバーも最初は迷っていたが、やがてB課長に同調するようになり、指示しても堂々と無視したり、部員同士で目配せしたりするようにもなった。

Aさんは精神的に追い詰められていったが、いじめで悩んでいることを誰にも相談できなかったそうだ。
このような部員たちの心理には「服従の心理」や「同調圧力」といったメカニズムが背景にある。

 「服従の心理」は、常軌を逸した残虐行動を引き起こすことがあり、心理学者のミルグラムが「アイヒマン実験」(ユダヤ人虐殺実行責任者の名前を借りた実験)でそれを実証している。
実験に募集された市民が、学習者が課題を間違えると電気ショックを与え、かつ間違えるごとに電圧を上げるよう命令された。
すると、ほとんどの市民が、弱っていく学習者に対して「危険・強烈なショック」と書かれたレベルまで電圧を上げ続けたのである。
実はその学習者は弱っていく演技をしていただけだが、服従によって残虐になっていくことを示した実験として有名である。

 「同調圧力」は、「アッシュの線分組み合わせ課題」と呼ばれる実験が有名である。
人間は自分が間違った選択をしていると気付いていても、周りがみなその選択をしていると、自分の答えに自信が持てなくなり、周りに合わせてしまうというものだ。
つまり、「集団への同調」は自分の判断や捉え方にも影響するのである。

 Aさんに対するいじめは、リーダーが言うことは守らざるを得ない、服従しているだけだから責任をとる必要はないという「服従の心理」に、周りに合わせていたほうが安全だという「同調圧力」が加わってエスカレートしたのかもしれない。

いじめが起こっている職場では、誰しも知らないうちに加害者となって人を苦しめていることがある。
いじめに対して自分が傍観者になっていたら、既に加害者になっている可能性があると自覚すべきだろう。  

 ◇  
ふなき・あやの 
ストレス・マネジメント研究者。
メンタルシンクタンク副社長。
筑波大大学院ヒューマン・ケア科学専攻(博士課程)に在籍中。
著書に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館)がある。
千葉県出身。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ターミネーター最新作」が世界中でコケた理由

「ターミネーター最新作」が世界中でコケた理由
過去の名作に頼るハリウッドの悲喜こもごも
2019/11/30 東洋経済オンライン
猿渡 由紀 : L.A.在住映画ジャーナリスト

おそらく、彼はもう戻ってこない。
『ターミネーター/ニュー・フェイト』は、作り手の期待からはほど遠い、新たな運命を決定づけてしまった。

今作は、生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作とストーリーを担い、リンダ・ハミルトンが25年ぶりにサラ・コナー役で戻ってくるということで大きな期待が寄せられたシリーズ6作目。
公開初週こそ日米ともに1位を獲得したものの、その数字は予想をはるかに下回るもの。
下落率も激しく、北米では3週目にして早くもトップ10圏外に落ちてしまった。

現在までの世界興収は2億4900万ドル。
製作費はおよそ1億9000万ドルと高額なうえ、世界規模のマーケティング費用がかかっており、収支トントンになるには最低4億8000万ドルの売り上げが必要と見られているが、もはやその数字を達成するのは不可能だ。
これは、評価ではずっと劣るシリーズ5作目『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(世界興収4億4000万ドル)の半分強にしかならない成績。

人気を取り戻すためのテコ入れと思われていたのにこの結果とあり、ターミネーターシリーズはもはやこれで打ち切りだろうとささやかれている。

「ターミネーターの敗因」とは?
『ニュー・フェイト』は、表面上は4年ぶりの新作だが、シリーズ3、4、5作をなかったものとし、キャメロンが関わった最後の作品である『ターミネーター2』の直接の続編という位置づけにある。

『ターミネーター2』が公開されたのは、1991年。
どうやらそのタイムラグが、今作の敗因の1つと見てよさそうだ。

まず、28年前に今の若い観客は、まだ誰も生まれていなかった。
つまり、彼らは、今の40代後半以上の人たちのように、劇場で『ターミネーター2』を見て、あの驚くべきテクノロジーやハミルトンの肉体美に感激するということを、体験していないのである。
後にブルーレイなどで観たとしても、当時、映画館で観るのとでは、インパクトが違う。

例えば28年前は、携帯電話すら一般化していなかったのだ。

もはや「新鮮味がない」
ターミネーター そして今では、当時斬新な設定といわれていた「AIの脅威」さえ現実になりつつある。
タイムトラベルのコンセプトも、この28年の間に、さんざんいろんな形で見せられてきて、もはや新鮮味はない(つい最近も『アベンジャーズ』で同じコンセプトが扱われていた)。

さらに、28年前は、中国をはじめとする新興の映画市場が存在しなかった。
新興国の観客は『ターミネーター』を最近の作品、すなわち、あまりよくない作品で知るようになっている。
新3部作の第1部のつもりがコケたせいで次回作の計画が頓挫した『新起動/ジェニシス』を見せられた後に、また新たなターミネーターが来ると聞いて、興奮しろというほうが無理な話だ。

実際、『新起動/ジェニシス』を最悪の事態から救ってくれた中国の観客さえ、『ニュー・フェイト』には見向きもしなかった。

連発される「続編」&「リブート」
同じように、今月は、『シャイニング』(1980年)の続編『ドクター・スリープ』と、16年ぶりにリブートされた『チャーリーズ・エンジェル』が興行成績において撃沈している。
『ドクター・スリープ』が今作られたのは、スティーブン・キングが同名の原作小説を出版したのが2013年だという事情がある。

しかし、『チャーリーズ・エンジェル』を、今わざわざ、しかも10代の女の子たちに向けてリブートしたという判断には首をかしげざるをえない。
そもそも、『チャーリーズ・エンジェル』の元ネタは1970年代のテレビドラマで、思い入れがあるのはその時代を生きた世代だ。
2000年と2003年にはキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー主演の映画が公開されたが、それも今の10代の子たちにとってはママ世代の映画で、ブランドバリューはまるでない。

また、女性が主役のアクション映画がとても少なかった当時と違い、最近では『ワンダー・ウーマン』や『キャプテン・マーベル』などが人気を博しているため、もはや新鮮味は薄いだろう。
それでも女性のエンパワメントは奨励されるべきだし、このリブート版を、女性監督(エリザベス・バンクス)と、異なる人種の女優3人(クリステン・スチュワート、エラ・バリンズカ、ナオミ・スコット)で作った姿勢は大いに評価したいのだが、ターゲット層がそこまで踏まえて、映画を選ぶとも思えない。

『チャーリーズ・エンジェル』に関しては、持ち出す必要のない昔のヒット作を、欲しいと言ってもいない人たちのために持ち出してきた結果の失敗といえる。

エディ・マーフィ代表作がついに復活
そんな中、パラマウントは、長年、やる、やると言いつつ机の上で転がしてきた『ビバリーヒルズ・コップ4』を、ついにNetflixに任せる決断をした。
『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズは、1984年、1987年、1994年に公開。
主演のエディ・マーフィやプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが、劇場公開されないことをどう感じているかはわからないが、やるという約束を破ることなく、自分たちがリスクを負わなくてよくしたのは、パラマウントにとって賢い選択かもしれない。

一方で、もう始動してしまい、自由に身動きが取れない作品もある。
来年1月公開の『バッドボーイズ フォー・ライフ』や、2021年から2027年にかけて2年おきに公開される『アバター』の続編がそれだ。

前者は、17年ぶりに作られるシリーズ3作目。
後者は12年ぶりとなるが、2作目から5作目までの4本をいっぺんに撮影するという、大胆なことをしている。
来年はまた、34年ぶりに『トップガン』続編の公開も控える。

「コケる」「コケない」は神のみぞ知る とはいっても、これらがコケると決まったわけではない。
実際、間が大きくあいても大ヒットした例はある。
その代表は、『スター・ウォーズ』だ。
20億ドルという驚異的な世界興収を達成したエピソード7『フォースの覚醒』は、そのひとつ前のエピソード3の10年後に公開されている。
また、昨年は、『Mr. インクレディブル』の14年後に作られた『インクレディブル・ファミリー』が、前作の倍の世界興収を上げた。
その前の年には、やはりピクサーの『ファインディング・ドリー』が、15年前の前作『ファインディング・ニモ』を上回る成績を打ち立てている。

つまり、絶対的ルールはないということ。
この後、久々の続編が立て続けに当たるようなことだって、十分に起こりえるだろう。
だが、たとえそうなったとしても、慌てて古いタイトルを引っ張りだそうとはしないほうがいい。
せっかく長年愛されてきた映画は、よほどちゃんとした理由がないかぎり、そのままにしておいたほうがいいのではないか。少なくとも、ファンはそう望んでいる。
posted by 小だぬき at 13:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月02日

「桜を見る会」問題で「検察が動かない」理由〜

「桜を見る会」問題で「検察が動かない」理由〜
「詰んでいる」のは安倍首相の「説明」
11/30(土) (Yahooニュース)
郷原信郎
郷原総合コンプライアンス法律事務所代表弁護士

 今週水曜日(11月27日)に投稿した【「桜を見る会」前夜祭、安倍首相説明の「詰み」を盤面解説】で「桜を見る会」問題に関する安倍首相の「説明」の問題点を全体的に解説したのに対して、大きな反響があった。
将棋の「盤面」を用いて、解説したことで、公職選挙法、政治資金規正法上の問題点はかなり理解されたように思える。

 その翌日の28日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」の「玉川徹のそもそも総研」でも、「『桜を見る会』前夜祭、安倍総理 法的問題はないのか」が取り上げられ、インタビュー録画で出演した私が「詰んでいる」という表現で、この問題について安倍首相が「説明不能」の状況に陥っていることを指摘した。

 そして、11月29日朝、野党の「『桜を見る会』追及本部法務班」のヒアリングに出席し「盤面解説」を用いて、公選法、政治資金規正法との関係で、安倍首相の説明が「詰んでいること」を説明した(ビデオニュース【追及本部が郷原弁護士を招き公開ヒアリング】)

 しかし、一つだけ、私の指摘の趣旨が正しく理解されていない点がある。
「この問題は検察が動くことはないと思う。
完全に政権に飼いならされてきた検察に、問題の違法・犯罪の疑いを取り上げる意思があるとは到底考えられない。」との発言の趣旨だ。

その後、ツイッター等で、「安倍首相の違法が明白なのに、なぜ検察は動かないのか。」という声が寄せられているが、私が、「詰んでいる」と指摘するのは、安倍首相の「説明」の問題であり、事実としての法違反が明白になっているという趣旨ではない
「検察は動かない」と言っている趣旨も正確に理解されているとは思えない。

 私の「将棋の盤面」を用いた解説の前提とその趣旨を改めて整理しておこうと思う。

 第1に、私が「詰んでいる」と言っているのは、一連の「ぶら下がり会見」などでの「安倍首相の説明」のことだ。
苦しい言い逃れを重ねた末に、自ら窮地に陥り、「違法ではない」という説明ができない状況に追い込まれているということを言っているのである。
 だからこそ、「公選法違反」、「政治資金法違反」、「世論の批判」という敵の駒の動きに対して、「安倍王将」が「駒」としてどのような「動き」をしてきたのかを解説しているのである。

 安倍首相にとっての「桜を見る会」前夜祭をめぐる「違法行為」として、現実的に考えられるのは、
(1)安倍後援会が、地元有権者への寄附を行った公選法199条の2第1項違反と、
(2)前夜祭の主催者としての後援会が、政治団体としての政治資金収支報告書を正しく記載していなかった問題である。

 前者の法定刑は、「50万円以下の罰金」、後者は、政治資金収支報告書を訂正すれば足りるレベルの問題である。
 しかし、「罰金50万円以下」であっても、後援会関係者が公選法199条の2違反を犯したということになると、現内閣で、菅原一秀氏が同じ罰則の違反の問題で辞任に追い込まれていることもあり、総理大臣の進退問題につながりかねない。

 そこで、安倍首相は、自分自身も、安倍後援会も「一切違法な行為を行っていない」という説明を維持するために、「安倍後援会」側ではなく、ホテルニューオータニという、日本を代表するホテルを経営する企業の側に「説明」を押し付けようとし、その挙句、(安倍首相の説明どおりだとすれば)、内閣府からの受注業者であるホテルニューオータニからの利益供与、つまり寄附を受けることの政治資金規正法上の違法性(企業団体献金の禁止)や「贈収賄」の疑いすら生じさせた上、「説明不能」の「詰み」の状態に陥っているのである

 安倍首相に、検察が本格的に捜査の対象にすべき「事実」が明らかになったと言っているのではない。
安倍首相が、「自分も、後援会も、違法行為を行っていない」という「説明」をしようとして、かえって重大な違法行為があるかのような疑いを生じさせ、自ら墓穴を掘っているだけなのである

 第2に、安倍政権になってからの政権側の政治家に対する検察の姿勢からすると、仮に、安倍首相自身、或いはその秘書や後援会などに「重大な犯罪の嫌疑」があったとしても、検察が動くとは考えられないという「安倍政権と検察の関係」の問題がある。

甘利明氏、小渕優子氏ら有力政治家の刑事事件に対する特捜部の捜査の姿勢(【特捜検察にとって”屈辱的敗北”に終わった甘利事件】)や森友学園の事件での籠池夫妻に対する捜査の姿勢(【検察はなぜ”常識外れの籠池夫妻逮捕”に至ったのか】)と財務省側に対する捜査との比較などから考えても、検察が安倍政権に飼い慣らされているように思える。

 検察の現状を考えれば、いかに重大な犯罪の嫌疑があっても、積極的に捜査をするとは思えない。
公職選挙法違反、政治資金規正法違反事件、贈収賄事件などには、必ず何らかの証拠上、法律適用上の問題がある。
検察の現場で積極的に捜査を行う方針であっても、上司・上級庁・法務省側から問題を指摘し、捜査の動きを止めることは可能だ。

 そういう意味では、「政治家に対する捜査」を、それなりの理由をつけて潰すことは、どのような事件でも可能なのである。
ただ、それは、あくまで、安倍政権と検察との「一般的な関係」について言っているに過ぎない。

今回の「桜を見る会」の問題については、検察が「重大な犯罪」の疑いを見逃そうとしていると言っているのではない。

 第3に、「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。」(憲法75条)として、国務大臣の訴追を拒む権限が総理大臣に与えられていることとの関係である。

 そもそも、総理大臣に重大な犯罪の嫌疑があり、検察に積極的な捜査で、その嫌疑を明らかにしようとしたとしても、最終的には、総理大臣の同意がなければ、総理大臣を起訴することはできない。
総理大臣が自分を起訴することに同意するはずはないので、事実上、総理大臣は、在任中は、起訴されることはない。
そういう意味で、検察の起訴によって、総理大臣がその職から引きずり降ろされるということは、あり得ないのである。

 しかし、この憲法75条の規定で、総理大臣が、自らの犯罪の嫌疑について、在任中、訴追を拒否することができるというのは、一方で、総理大臣自身に犯罪の嫌疑が生じた時には、重大な説明責任が生じるということになる。
犯罪の嫌疑について合理的な説明が十分に行われることがなければ、訴追は免れても、「政治的責任」を免れることはできないのである。

 そういう意味では、第1で述べた、「桜を見る会」前夜祭についての安倍首相の「説明」が、「詰んでいる」、すなわち、「違法性は全くない」ということについて安倍首相自らが説明した内容を前提にすると、「違法ではないという説明ができない状況に追い込まれている」という現状は、憲法75条との関係からも、内閣総理大臣にとって「致命的」と言えるのである。

 以上のような、私が「安倍首相の説明」が「詰んでいる」と言っている趣旨は、上記の【ビデオニュース】に収録されたヒアリングでの私の解説全体を見て頂ければ、十分に理解してもらえるはずだ。
 「桜を見る会」をめぐる問題については、安倍首相の「説明」が「詰んでいる」のに、「検察が動かない」という話ではない。
検察が動くかどうかとは関係なく、安倍首相自身の「説明」が「詰んで」いて「説明不能」であることそれ自体が、総理大臣にとって重大な問題なのである
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消費動向で衝撃のデータ 増税の影響軽微は大ウソだった

消費動向で衝撃のデータ 増税の影響軽微は大ウソだった
2019/11/30 日刊ゲンダイ

 この国はもう二度と立ち直れないのではないのか。
 経産省は29日、10月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)を公表。
速報値は98・9で、前月を4・2%下回った。
指数が100を割り込むのは16年7月以来、3年3カ月ぶり。
下げ幅は18年1月以来、1年9カ月ぶりの大きさだ。

 同指数は企業の生産活動を示す。
悪化ということは企業活動が停滞基調にあることを意味しているワケだが、確かに10月の経済指標は、どの業界も総じてメタメタだ。
 原因はもちろん決まっている。

国民世論の強い反対を押し切り、安倍政権が強引に引き上げた10月からの「消費税10%」だろう。
 経産省の商業動態統計速報(10月)によると、小売販売額は前年同月比7・1%減の11兆900億円。
15年3月以来、実に4年7カ月ぶりの大幅な落ち込みとなり、前回の消費税率が5%から8%に引き上げられた14年4月(4・3%減)よりも下落幅が大きくなった。
業種別では全9業種のうち8業種で販売額が減少。
17・0%減となった自動車の国内販売台数は、大手7社すべてで前年同月割れ。

台風19号の影響で群馬県内の工場の操業停止を余儀なくされた「SUBARU(スバル)」(48・5%)をはじめ、「ホンダ」(39・5%減)、「三菱自動車」(30・0%減)、「日産自動車」(29・9%減)、「トヨタ自動車」(22・6%減)、「マツダ」(14・4%減)、「スズキ」(8・8%減)と軒並み酷かった。

■国民の厳しい家計状況を見ようとしない政府
 自動車に次いで、落ち込みが大きかったのが「百貨店」と「家電量販店」だ。
日本百貨店協会が発表した全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比17・5%減となり、3カ月ぶりのマイナス。
やはり、前回の増税時(12・0%減)よりも減少幅が拡大した。

 14・2%減となった「家電量販店」を個別に見ると、「ケーズホールディングス(HD)」は冷蔵庫の販売額が前年同月比で約3割も減少。
「ビックカメラ」は全店の売上高が2割ダウンだ。

 他の分野も目を覆いたくなるような惨状で、「市販薬」の販売額は前年同月比で88・6%と過去、例を見ないほど落ち込んだ。
 誰がどう見ても景気は悪化の一途。
地獄の扉が開き始めたのも同然なのに、例によって悪辣政権は〈緩やかに回復している〉(月例経済報告)などと、鉛筆ナメナメの作文でごまかそうとしているから許し難い。

 経済財政諮問会議(議長・安倍首相)も、2020年度予算編成の基本方針で、消費増税の下振れリスクに備える必要性を明記したが、小手先の対策では、もはや何をやっても焼け石に水だろう。

埼玉学園大の相澤幸悦教授(金融論)がこう言う。
「米中貿易戦争や鈍化が指摘されている欧州経済など、すでに世界的に見て景気は悪化傾向にあるにもかかわらず、日本政府は消費増税を強行したのですから、経済が落ち込むのは当たり前。
賃金は増えず、年金などの将来不安が強い消費者が財布の紐を締めるのは当然でしょう。
問題は、そういう国民の厳しい家計状況を政府が見ていない、理解していないことです」

安倍政権は消費増税しながら財政を破綻させようとしている
 赤坂のふぐ料理店「い津み」(28日)、新宿のフランス料理店「オテル・ドゥ・ミクニ」(21日)、平河町の中国料理店「上海大飯店」(20日)、「紀尾井倶楽部」(19日)、有楽町の日本料理店「春秋ツギハギ日比谷」(18日)……。なるほど、連夜のように都内の高級飲食店を渡り歩き、豪華料理に舌鼓を打っている安倍にとっては、生活苦にあえぎ、1円、2円の食費を切り詰めながら懸命に生きている庶民の実情など分かるはずもない。

 国民生活にこれっぽっちも関心がないのだから、打ち出される施策も現実を知らない場当たり的なものばかり。
増税対策と称して鳴り物入りで導入された「プレミアム付き商品券」や「キャッシュレス決済のポイント還元制度」だって、経済指標を見る限り、消費の下支えにはほとんど役に立っていないと言っていい。
 とりわけ、ポイント還元に至っては愚の極みだろう。
政府は多額の予算を投じて加盟店を増やせ! と大号令をかけていたのに、いざ加盟店が増えたら、今度は還元する財源が千数百億円も足りなくなり、慌てて補正予算を組むというデタラメぶり。
税収を増やすために増税しながら、その対策費が膨らんでカネが足りなくなったなんて、全くメチャクチャだ。

 そうしたら、今度はマイナンバーカードを持つ人向けのポイント還元に2000億円を投じるとか言いだしているからマトモじゃない。
一体何のために増税したのか。
社会保障に充てるという本来の目的はどこに消えたのか。

「10月消費税10%ストップ!ネットワーク」の呼び掛け人を務めた東大名誉教授の醍醐聰氏がこう言う。
「2%増税分の見込み税収5・7兆円のうち、ポイント還元や軽減税率適用によって粗税は1・9兆円ほど。
つまり、大部分は増税対策に消えるわけで、ハナから社会保障に充てる気などないのでしょう。
マイナンバーカードのポイント還元という話が出てくる状況から見ても明らかです。
今の政権は増税しながら財政を破滅させようとしているとしか思えません」

■増税前に必死に生活防衛に動いていた高齢者
「引き上げ幅が前回に比べて小さく、軽減税率や幼児教育の無償化などの措置が実施されているので、影響の大きさは前回増税時よりも小幅とみている」
 11月19日の参院財政金融委。増税の影響について問われた日銀の黒田東彦総裁はこう言って増税の影響は軽微だと強調。
月例経済報告も、個人消費は「持ち直している」に据え置いたが、本気で言っているとしたら錯乱しているとしか思えない。

 経済評論家の斎藤満氏は「8%から10%の2%増は決して軽微ではない。
経済指標を見ても国内経済がおかしくなっているのは間違いなく、日銀や政府の見方は机上の空論」と切り捨て、こう続ける。
「家計調査の結果を見ると、無職世帯(年金世帯)の消費支出は8月に3・8%増、9月は11・9%増でした。
つまり、収入が限られ、年金も先細りになる高齢者らが増税前に必死に生活防衛に動いていたことが分かります。
本来は、こうした世帯に対する施策を充実させるべきなのに、キャッシュレスなど全く的外れのことをやっているのが今の政権です。

消費税は1年限りで終わりはなく、未来永劫、(このままだと)10%が続くのです。
一部の富裕層であれば何とかなるかもしれないが、年金世帯ではとてもカバーしきれないでしょう。
このままだと、生活できない世帯も増えるのではないか。今後の影響は計り知れません」

 結局、アベ政治とは、金持ちとお友達を優遇するだけ。
アベノミクスにしても一部の株主が儲けただけだ。
 狂乱政治のツケが、いよいよ国民を襲う日が迫っているのだ。
posted by 小だぬき at 01:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本の劣化が止まらない、「所得格差」が人の心と社会を破壊する

日本の劣化が止まらない、
「所得格差」が人の心と社会を破壊する
2019.12.2 ダイヤモンドオンライン(永田公彦)

昨今日本でも、非人道的な暴力事件が目立つこともあり、人の心や社会の状態が悪くなっていると感じる人が多いといいます。
確かにこうした劣化を示すデータは多くあります。
その背景にあるのが格差の拡大です。
格差は、人と社会の健康を蝕みます。
そして今世界各地で見られているように社会の分断、暴動、革命、戦争に発展します。

既に劣化の段階に入っている日本…このファクトを認識し、格差是正に向けた国民的議論が期待されます。
(Nagata Global Partners代表パートナー、パリ第9大学非常勤講師 永田公彦

所得格差の大きさと社会問題の発生は正比例する
「所得格差」と「人と社会の健康状態」の相関関係を示した調査研究は多くあります。
その中で本稿では、体系的かつ国際的なものとして、英国の経済学者で公衆衛生学者でもあるリチャード・ウィルキンソンの研究を示します。
 すでにご存じの方もいると思いますが、図1は、2009年に彼のチームが発表したデータです。

横軸は、所得格差で、右に行くほど格差が大きい国です。
縦軸は人と社会の健康状態で、上に行くほど悪く、社会問題が深刻な国です(枠線内のさまざまな指標を用い総合的に算出)。

 これを見ると、「所得格差」と「社会問題」が見事に正比例していることがわかります。
調査対象国中、最も格差が少なく人の健康も社会の状態も良いのが日本、その正反対にあるのがアメリカです。

日本は10年たらずで格差が広がり高格差国に仲間入り
小格差国から中格差国へ、そして超格差国の仲間入り?

 図2は、図1の所得格差(横軸)を対象国別にならべたものです
上位20%の富裕層の平均所得を下位20%の貧困層の平均所得で割った所得倍率です。
情報源は、国連開発計画・人間開発報告書で示された2003〜06年のデータです(ウィルキンソン氏に確認済み)。

 そこで、筆者が同じ情報源にある最新データ(2010〜17年)を用いて、所得格差を国際比較したのが図3です
日本は3.4倍から5.6倍と、10年たらずで格差が広がり、右側の高格差国に仲間入りしていることがわかります。

格差拡大で日本の劣化が進んでいる
 ウィルキンソン氏の研究結果に従うと、日本では格差が拡大した分、人の健康も社会問題も悪化しているはずです。
これを同氏が当時使った統計データの最新版で確かめたいところです。
しかし残念ながら継続的にとられていないデータも多く、変化を正しく捉えられないため、別のデータに目を向けてみることにしましょう。

 すると、確かに昨今の日本の劣化を示すものは多くあります。
例えば、
精神疾患による患者数は、2002年の約258万人から2017年には419万人に(厚生労働省・患者調査)、
肥満率も、1997年の男性23.3%・女性20.9%から2017年には男性30.7%・女性21.9%と増えています(厚生労働省・国民健康栄養調査)。

 ここ20年間(1996年〜2016年)の刑法犯の認知件数を見ると、戦後最多を記録した2002年以降は全般的に減少傾向にあるものの、犯罪別では悪化しているものが多くあります。

傷害は約1万8000件から約2万4000件に、
暴行は約6500件から約3万2000件に、
脅迫は約1000件から約4000件に、
強制わいせつが約4000件から約6000件に、
公務執行妨害が約1400件から約2500件に、
住居侵入が約1万2000件から約1万6000件に、
器物損壊が約4万件から約10万件に、それぞれ増加しています。

 また2013年あたりから振り込め詐欺の増加に伴い、詐欺事件が約3万8000件から約4万3000件に増えています(法務省・犯罪白書)。
こうした犯罪の増加も影響してか、他人を信用する割合も、2000年の40%から2010年には36%に低下しています(World Values Survey)。

さらに、日本人の国語力や数学力の低下を指摘する調査や文献も多くでてきています。

格差が社会の分断、暴動、革命に発展
 格差の拡大は、人々の倫理観の低下を招き、犯罪、暴力やハラスメント事件を増やし、ストレスと心の病を持つ人を増やします。
それに伴い、社会全体が他人を信用しない、冷たくギスギスしたものになることは前述したとおりです。
また、格差が人の幸福感を低くするという研究もあります(Alesina et al 2004, Tachibanaki & Sakoda 2016等) 。

 さらに格差が、社会の分断、暴動や革命を引き起こすことを示す歴史上の事実は多くあります。
例えばフランス革命です。国民のわずか2%の権力者(王室家系、高僧、貴族)が国の富と権力を握り続けたあげくに起きた、社会のあり方を大きく転換させた歴史的な出来事です。
 また所得格差が異なる宗教、民族、地域アイデンティティ、政治的イデオロギーと重なるとさらに厄介です。
紛争が起きる可能性、そのパワーや社会へのインパクトが、一気に高まるからです(オスロ国際平和研究所調査2017)。  

例えば、今の香港はその典型例です。
一昨年には過去45年間で格差が最大に広がっています(所得格差を表す指標の1つジニ係数が、アメリカの0.411を超え0.539まで拡大)。
これに、地域アイデンティティ(香港人と中国人)、政治的イデオロギー(自由民主主義と一党独裁社会主義)という2つの要素が重なるため、問題が根深いのです。

 この点では、日本も他人事ではいられません。
個人間の格差は前述の通り短期間で拡がっています。
また、「大都市圏と地方」、「正規と非正規雇用者」などグループ間格差も顕著になっています。
もしこれが日本以外の国ならば、暴動や革命が起きてもおかしくない状態です。

今こそ、こうした格差と社会の劣化を客観的かつ真剣に捉え、国民的議論を起こすべきではないでしょうか。
なぜならば、民主主義社会における変革は、国民的議論と意思表示が出発点になるからです。
posted by 小だぬき at 15:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月03日

“逃げ恥”内閣を続けさせる無意味 末路は嘘の上塗り総辞職

“逃げ恥”内閣を続けさせる無意味
末路は嘘の上塗り総辞職
2019/12/02 日刊ゲンダイ

 TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」がヒットしたのは、もう3年前。
タイトルはハンガリーのことわざで「自分の戦う場所を選べ」ということを意味し、今いる環境にしがみつかず逃げることも選択肢に入れて、自分の長所が発揮できる場所で戦えということらしい。

 だが、安倍政権にそんな含蓄のある言葉は似つかわしくない。
ひたすら逃げ続け、恥ずかしいだけの“逃げ恥”内閣。
ゴマカシ、偽り、隠し続ければ、そのうち国民は忘れてしまう。
この7年間はその繰り返しだ。

「桜を見る会」を巡る疑惑も、決して「長期政権による驕り」ではない。
息を吐くように平気で嘘をつく人物が首相を務めているからこその当然の帰結で、イカれた首相は本日も反省の色なし。

 今回も嘘を重ねれば逃げおおせる。
その嘘のために官僚たちが情報を隠蔽、廃棄し、ツジツマ合わせに四苦八苦しようが、平気の平左。
当初は「招待者の取りまとめには関与していない」と答弁したが、次から次に矛盾が見つかり、「虚偽答弁だ」と追及されると、「最終的な取りまとめには関与していない」と詭弁を弄する。
集中審議からも逃げまくる。
とことん、ロクでもない“逃げ恥”首相ではないか。

 大嘘つきも筋金入りだ。
政治評論家の野上忠興氏によると、安倍首相の養育係だったウメさんは「宿題を『やったよ』と言うからノートを見ると真っ白だった」と証言。
幼い頃から、その場しのぎのいい加減な嘘を繰り返してきたのだ。

■詭弁を弄し首相をかばえば出世する異常な国
 大体、森友問題で安倍が「私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員も辞める」とその場逃れで虚勢を張るから、閣僚も官僚も答弁との整合性を取ろうとし、追い込まれていった。
ついには禁断の公文書改ざんに手を染め、近畿財務局職員は自ら命を絶ったのだ。

 心ある政治家なら、それこそ自らの責任を恥じ入り、進んで総辞職を選びそうなものだが、根っからの大嘘つきにマトモな神経を求めるだけ無駄だ。
安倍は5年前に政治評論家の森田実氏と官邸で昼食を共にした際、「一番やりたいことは何ですか」と聞かれ、開口一番「長くやりたい」と答えたという。
今や「長くやりたいだけ」が自己目的化。
ひたすら権力にしがみつくことしか考えていないのである。

高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「人事権を内閣に握られて以降、官僚の忖度が横行。
森友疑惑で『パソコン上の行政文書のデータも自動的に消去される』とのトンデモ答弁で、首相をかばった佐川宣寿元国税庁長官が象徴的で、首相答弁の嘘に嘘を重ねる官僚が出世してしまう。
その前例があるから、内閣府幹部もシュレッダーを巡るキテレツ答弁で、官邸に顔を売るわけです。

 これだけ嘘や隠蔽、廃棄を重ねれば、政権交代が起きたら『自分たちはエライ目に遭う』と恐れ、ますます政権の“下僕”と化す。
ついには『野党議員の質問通告で忙殺されている』と野党を悪者扱いするありさまです。

官僚機構が嘘に嘘を重ね、一国のトップに降りかかった疑惑を払いのける国は世界中に見当たりません。
あのトランプ政権下の米国でも、トランプ大統領から任命された駐EU大使が、ウクライナ疑惑の解明に率先して協力しています。
日本の内部通報制度がいくらオソマツとはいえ、情けない限りです」

不平等協定にも重なるゴマカシ政権の総決算
 この7年間、安倍政権は内政も外交も何ひとつ成果なし。
そんな政権が、ひたすら首相在任記録の更新のためだけに存続するなんて、無意味だ。
国民の損失と弊害は計り知れないものがある。

 アベノミクスのイカサマで、株価だけは絶好調だが、この7年の日本経済は企業の内部留保がぶくぶくと膨れ上がるのみ。消費は伸びず、1人当たりの実質賃金は5%減少した。
トドメが10月からの消費増税で、経済指標はメタメタだ。

 経産省が発表した10月の鉱工業生産指数の速報値は98・9で、前月を4・2%下回った。
指数が100を割り込むのは3年3カ月ぶり。
下げ幅は1年9カ月ぶりの大きさだ。
経産省発表の10月の商業動態統計速報も、小売販売額は前年同月比7・1%減と、実に4年7カ月ぶりの大幅ダウン。
前回14年の消費増税時よりも下げ幅は大きい。

 記録的な景気の低迷で庶民のクビをジワジワと絞め付ける一方、外交もボロボロだ。
日朝間は「内閣の最重要課題」と繰り返す拉致問題が1ミリも進展せず、日ロ交渉もプーチン大統領に手玉に取られ、3000億円の経済協力を約束させられただけ。
北方領土問題で「2島返還」にカジを切っても無駄な譲歩に終わり、プーチンには忖度する安倍はとうとう「北方4島は日本固有の領土」と国会で答弁できなくなる始末である。

 韓国とは徴用工訴訟にクビをツッコみ、無用なケンカを仕掛け、過去最悪の関係が続く。
一方、米国とはトランプに尻尾をフリフリ。
ついには日本側にとって著しく不平等な内容となるWTO違反の日米貿易協定に合意してしまった。
「それでも『ウィンウィン』と言い張る安倍首相の強弁に合わせ、官僚たちは都合の良い恣意的なデータや試算だけを公表し、協定の詳細は伏せ、隠蔽を図ろうとする。
まさに桜を見る会と同じ構図です。

『もっと国会で議論すべき大事なことがある』
『5000万円程度の事業で野党は大騒ぎするな』と、政権寄りのメディアや首相シンパの言論人は問題の矮小化に必死ですが、魂は細部にこそ宿る。

まず公金の私物化はもとより、公職選挙法違反や政治資金規正法違反、財政法違反と数々の法に抵触している疑いがある。
何より、嘘と隠蔽、改ざん、廃棄と澱のように積み上がった7年分の腐敗がギュッと濃縮されています。
桜を見る会の問題を糾弾すれば、安倍政権の本質が解明されるのです」(五野井郁夫氏=前出)
 桜を見る会こそ、7年もの長期に及ぶゴマカシ政権の総決算なのだ。

■失われつつある道義と正義を取り戻す好機
 狂い咲きの「桜」の陰に隠れているが、9月の内閣改造からわずか1カ月半、しかもたった1週間のうちに、菅原一秀経産相、河井克行法相と主要閣僚2人が、揃って公選法違反の疑いで辞任したことも忘れてはいけない。
 第2次安倍政権の発足以降、疑惑や失言を理由に辞任した閣僚は2人の辞任で10人目。
さらにドミノ辞任候補が後に控えている。

「身の丈発言」の萩生田光一文科相を筆頭に、雁首揃えてヤクザ絡みの疑惑を抱える武田良太国家公安委員長、竹本直一IT担当相、田中和徳復興相の「3T」、ポンコツ答弁の北村誠吾地方創生相と、数え上げればキリがない。
ホンの一押しでバタバタと辞任ラッシュが発生しても、おかしくないのだ。

 前出の森田実氏はこう言った。
「古今東西のあらゆる宗教で共通する教えは『人をだましてはいけない』です。
国のトップが嘘をついて権力を維持しようとすれば、国や社会が壊れるのが歴史の教訓でもある。
嘘をつかないことは、それだけ人間社会の成り立ちの根本なのです。
『資料は全部廃棄した』なんて犯罪者の言い分で、安倍首相も表向きは『国会から求められれば説明するのは当然』とカッコつけても、裏では自民の国対委員長に手を回し、逃げ続ける。
まさに組織ぐるみの犯罪です。

桜を見る会の問題は、この国から失われつつある道義と正義を取り戻す好機。
野党もメディアも国民運動を起こし、安倍首相を史上初めて嘘の上塗りで総辞職させなければいけません」

 恐らく末路は「嘘の上塗り総辞職」――。
そうならないと、この国はいよいよ、オシマイだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0歳の頃の記憶をもつ兄 乳児が泣く理由をことごとく説明

0歳の頃の記憶をもつ兄 
乳児が泣く理由をことごとく説明
2019年12月02日 おたくま経済新聞

 言語化できていない乳児に対し、何が正解なのか分からなくてオロオロしてしまう新米ママは多くいますが、0歳児の頃の記憶を持つ人が語った「乳児が泣く理由」に、ネット上では驚きの声とともに、乳幼児期の記憶を持つ人からも続々とコメントがよせられています。

■ 0歳の時の記憶
 この話は、漫画家の箱ミネコさんがツイッターに投稿したもの。
 「兄は大変記憶力が良く、0歳児の頃の記憶を持ってる。
そして兄は大変『育てにくい赤子』でした。

そんな兄に息子っちーが赤子の頃『夜泣きが酷い離乳食を食べない』の相談すると『俺が覚えてる限りでは…』とその時の『嫌な理由』と『こうして欲しかった』を話すので実践するとどれも正解で助かった!www」と紹介しました。
 お兄さんの記憶では、夜泣きの原因は「頭が痒い」から、離乳食イヤは「味が混じるのが嫌!」、さらに「芝生に足をつけるのを全力で拒否る」のは濡れた感じが嫌だったから。
「着換えで暴れる」のは事前にどの部位を動かすか驚くから教えて欲しかった。
「子守歌の途中で急にむずがる」は、お気に入りの歌をヘビロテ希望だった……などなど。

 お兄さんの話を聞いた箱さんは、さっそく緩めに絞った濡れタオルで息子さんの頭を拭いて、さらに乾いたタオルで優しく拭いてみました。
すると、夜泣きで寝なかった息子さんがウトウトと寝落ちを……。
アトピー家系で眠くなって体温が上がると、頭に汗をかいて痒くなっていたのが原因だったのだそう。
 そして離乳食も、単品の素材を軟らかく煮た物であれば確かによく食べてくれました。
お兄さんの嫌だった時の記憶と原因が完全に一致……。

 この一連のツイートを見た人たちの大半は、乳幼児期の記憶があるのはすごい、子育ての具体的なアドバイスになりそう、といった声が。
 一方で、「0歳児の記憶で確実に覚えている一番古い記憶は生後2週間で、1歳上のいとこが顔を覗き込んでいるところ」といった具体的な光景を覚えている人や、「離乳食が嫌だったのは、口元を拭かれるタオルの匂いがくさいときがあった」という記憶を持つ人からの話も。

■ 0歳児でもちゃんと言葉は理解しているし嫌な理由もはっきりしている
 リプライには、まだまだ乳児期の記憶がある人からのエピソードが集まっていますが、共通しているのが、「0歳でも嫌だったり不快なこと」は原因と理由も含めて覚えている人が多いということ。
 乳児期で最初に覚える感覚は「快・不快」と言われていますが、その中でも特に「不快」と感じたことは記憶に残りやすいというのが、これまでのお兄さんの記憶やリプライでよせられた他の人からの話でも分かります。

 新生児からお世話をしていると、「お腹がすいた」と「オムツを替えてほしい」くらいは何となく察することができるようになってきますが、子がだんだんと成長していくにつれて、不快と感じることも増えていきます。
しかし、まだ言語を習得できていない0歳児にとっては、泣くという手段でしか表現できません。
 多くの親は、言葉の獲得がまだの状態の子どもに対し、具体的に何が泣く理由となっているのかが分からないために暗中模索な状態で子育てを続けています。

特に、感覚が繊細で不快に感じることが多い子どもは、「育てにくい」と言われてしまい、親にとっても育児ノイローゼの原因ともなりえます。

■ お兄さんが「育てにくい子」だった理由
 箱さんに、お兄さんのことについていろいろとお話を聞いてみました。
ご両親曰く、「とにかく神経質で育てにくかった」そう。
 幼年期の見た目は女の子のようで天使のようにかわいらしく、物知りで成績優秀。
神童とも呼ばれていたそうですが、その反面、幼稚園時代は「頑なな通園拒否」。
小学校時代は「登校拒否」だったのだそう。
その理由が、「子供扱いされるのが度し難かった」というもの……。

 幼少期から絵を描くことや物を作ることが好きだったというお兄さんの絵は写実的で、記憶力の良さも関係していそう、と箱さん。
現在は2004年カンヌ映画祭で「若い視点賞」を受賞した経歴を持つ映像作家さんです。
 神経質で子ども扱いを嫌がるお兄さんは、ご両親からしてみたら確かに「育てにくい」と感じることも多かったと思います。
どうしたらいいのかが分からないことも多かったかもしれません。
 しかし、成長するにつれ、何が得意で何が苦手かがはっきりするようになってからは、得意なことは小学生時代からこなし、どうしても苦手なことは妹である箱さんに頭を下げてまで代わってもらう、という子ども時代だったようです。

■ 得意を伸ばし、苦手と上手に付き合えるようになってからは……
 今でも、とても神経質で潔癖症気味なお兄さんですが、人付き合いは苦にならず、社交的な性格だそう。
個性的なお兄さんは、自分の得意と苦手を内面的に分析し、得意なことを伸ばすことによって映像作家という今の位置に立つことができたのでしょう。

 神経質な人は他人に対しても、良い部分よりも悪い部分に目が行きやすく、結果的に人付き合いが苦手となってしまうことも多いのですが、お兄さんの場合は、その神経質なところに上手く折り合いをつけ、人付き合いを楽しむ方向に考え方をシフトできた結果、多くの友人に恵まれるという今の状態を作り出すことができたのかもしれません。
 そして神経質な部分は生活リズムにも影響しているようで、「睡眠不足に弱く夜は早く寝て早く起きキッチリした性格なので食事の時間とか日常ルーチンはぴっちり同じですw」との話。

■「特殊扱い」しなかったご両親と個性の強いお兄さん
 箱さんによると、「独特のこだわりが強く特に教育熱心ではない両親のもとで何故か成績優秀で、家系的には両親とも職人の家系なので兄のような神経質な子供は多かったため特に『特殊扱い』されず伸び伸び育てられたと思います」と、生育環境を振り返っていました。

 お兄さんにとって、自分と他の子を比べられることなく、ありのままの状態で受け入れてくれるご両親は、ご自身の才能を認めて伸ばしてくれる存在であり、育てにくくても否定せずに受け入れてくれるご両親に安心感を覚えていたのではないでしょうか。

 箱さんも、そんな個性的なお兄さんを「私は全く『凡庸な子供』でしたので規格外で個性的な兄のことを子供の頃から『面白い人だなぁ』と観察して楽しんでました」と語るほど。
創作好きという共通項目以外、ぶつかる部分もないため、兄妹喧嘩もなかったのだそう。

■非凡な人にはワケがある
 0歳児の記憶を持つ、非凡な記憶力の持ち主のお兄さん。
その非凡さの裏にある極度とも言えそうな神経質さと潔癖症は、平坦で平均的な凡人にはない、大きな凹凸を感じます。
その凹凸のへこんでいる部分(お兄さんにとっての神経質で潔癖な部分)と折り合いをつけながら、とがっている部分(記憶力が良く創作に向いている)を伸ばせる環境があったから、今のお兄さんが「神経質で社交的」な人に成長したのでしょうね。
 そんなお兄さんのエピソードも、箱さんのブログや単行本に時々出現していますよ。

<記事化協力> 箱 ミネコさん(@hakomine)
               (梓川みいな)
posted by 小だぬき at 06:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月04日

「香港デモ」で明らかになった「どちらの側につくのかを決める」時代

「香港デモ」で明らかになった
「どちらの側につくのかを決める」時代
2019年12月3日 Wedge Infinity
立花 聡 (エリス・コンサルティング代表・法学博士)

「日本共産党からの香港民主運動への支援に感謝する」。
11月28日夜、香港の中心部・中環で行われた、米「香港人権・民主主義法」の成立に感謝する大規模市民集会で発表された感謝リスト。
日本関係者のなかでも、特に「日本共産党」の名が挙げられた。
一瞬、耳を疑った……。

 米国では、議会上下両院がほぼ全会一致で「香港人権・民主主義法」を可決し、ついにトランプ大統領は11月27日法案に署名し、同法が成立した(参照:『「香港人権法案」という宣戦布告、米中は「臨戦状態」へ突入』)

 米国と正反対の姿勢を示したのは日本。
米国同様の立法どころか、安倍自民党政権は香港問題に向き合うことすら避けてきた。
それだけでなく、野党も与党攻撃の好機を放棄したかのように目をそらしてきた。
日本国内では、香港の人々との連帯を呼び掛ける声が一部あるものの、政権は習近平氏の国賓来訪に熱心であっても、香港問題に積極的に反応していない。
むしろ、習氏の来訪があるから、香港問題を避けているといってもいいだろう。

 そうしたなかで、異色の存在として際立ったのは日本共産党。
11月14日 日本共産党は「香港での弾圧の即時中止を求める」声明を発表した。

声明の中では、香港警察による弾圧を「言語道断の野蛮な暴挙」「絶対に容認できない」としたうえで、「弾圧強化が中国の最高指導部の承認と指導のもとに行われていることである」と断言し、「今日の香港における弾圧の根本的責任は、中国政府とその政権党にあることは、明らかである。
その対応と行動は、民主主義と人権を何よりも尊重すべき社会主義とは全く無縁のものといわなければならない」と、中国共産党を痛烈に批判した。

 声明だけでは足りない。
11月18日。
日本共産党の田川実書記局員・国際委員会事務局長は、都内の中国大使館を訪れ、同大使館の倪健公使参事官に、第28回党大会への綱領一部改定提案報告を手渡し、
(1)香港での弾圧の中止、
(2)ウイグルにおける人権抑圧の中止、
(3)尖閣諸島の日本の領海における、中国公船の侵入など、他国が実効支配している地域に対し力で現状変更を迫る試みの中止を求める立場を、中国政府と中国共産党の指導部に伝えるよう要請した。

 本来なら、政府自民党がやるべきことだった。
それが野党のしかも、共産党に役を奪われてしまったのである。
ついに感謝祭の日に、世界が注視するなか、米国国歌が合唱される香港の市民大集会上で、日本共産党は名を挙げられ、香港市民から感謝された。
滑稽どころか、常識を超えているようにも思えた。

利益を得ながらも中国を裏切った反乱者たち
 一方では、イデオロギーの対極に立つ米国の政治家たちは、「香港人権法案」を上下両院ほぼ全会一致で可決した。
これもなかなか珍しい。
 米国議会といえば、様々な政見や主張、そして様々な利害関係が錯綜している「政治のるつぼ」。
どんな法案にも賛否両論がつき、論争を繰り広げるのが常態である。

中国に関していえば、経済的利益が常に絡んでいる。
財界、特に中国の勢力が浸透しているウォール街となると、利害関係がさらに複雑になる。
「香港人権法」のような法案には、反対が半数まで届かなくとも、全員がおとなしく黙っているはずがない。

 トランプ政権で首席戦略官を務めたバノン氏は2019年4月25日に開かれた会議で、「米国の実業界は中国共産党のロビー機関であり、ウォール街は投資家向け広報部門だ」とまで痛烈に批判した(2019年4月26日付、ブルームバーグ)

しかしこれを背景にしながらも、議会では上下両院のほぼ全議員が法案に賛成票を投じた。
異様な光景としか言いようがない。
日本共産党の一件と同じような不思議な出来事だ。
 少なくとも議員たちは、親中派と思われたくない、親中派と思われたらまずいと感じたのだろう。
そういう事情があった。
かりに直接であれ間接であれ、中国から何らかの利益を得ていたとしても、ここで法案に反対して親中派のレッテルを張られた場合の不利益や有害性がむしろ、中国絡みの利益をはるかに上回り、あるいは致命的であったりする。
そうした事情があったのではないかと思われる。

 打算的なところは、イデオロギーに関係なく、米国の議員も日本共産党の政治家も共通しているわけだ。
利害関係を天秤にかけて選択をするのは一種の本能である。
中国共産党も然り。
そもそも理念の共有も利益の共有も、永続的ではない。
いざというときになれば、裏切られたりするものだ。

 香港の当事者たちを見てみよう。
 11月18日、香港の高等法院(高裁)は、民主派の抗議デモ参加者に覆面を禁じる「覆面禁止法」条例について、違憲の判断を示した。
 「一国二制度」下の香港。
司法の独立といえども、北京政府の意思に反しての司法判断は誰でも容易に下せるものではない。

裁判官たちは少しでも自身の利益やキャリアを考えれば、将来の不利益を容易に予見できるものであろう。
それでも、上意忖度することなく、「反乱」を起こした彼たちは、正義と良心によってのみ支えられたのだろうか。
あるいは、正義が必勝であることを見通したのだろうか。

 そして11月24日の香港区議会選挙。
民主派が87%の議席を獲得し圧勝した一方、北京を支持してきたいわゆる建制派(親中派)は惨敗した。
親中派で落選した候補者には、何君堯氏や田北辰氏、陳家珮氏、張国鈞氏、周浩鼎氏などの大物も含まれていた。
これにより、区議会レベルとはいえ、いわゆる親中派の基盤が崩壊までいかなくとも、大きく脆弱化した。

親中であるがゆえに得られたはずの利益を失った人々、その落胆ぶりは想像に余りあるほどのものだったのであろう。
これからよほどの「政治的救済」(議員年俸の補てん支給?)がなければ、彼たちは単なる信念の1つで親中派にとどまるのだろうか。

 さらに、民主化運動弾圧の急先鋒として先頭を走ってきた高官や関係者たちにとって、これから米「香港人権法」の発動により、制裁対象となるリスクが生じる。
家族が米国に移住し、米国に多くの資産を有している有力者たちは、同法の発動により、米国行きを断念せざるを得なくなるだけでなく、家族も米国を出国すれば、二度と入国できなくなる可能性があるため、一家離散の境地に追い込まれるかもしれない。
さらに、米国内の資産も凍結されるとなれば、人生は真っ暗になる。
この人たちは今後、立ち位置を慎重に考えざるを得なくなるだろう。

日本も危ない、亡命スパイは泥を吐く
 11月23日、香港や台湾、オーストラリアで活動した中国のスパイとされ、王立強と名乗る男性が豪州当局にその諜報工作の内容や資金源、関係者など詳細情報を提供し、亡命を申請したことが報じられた。
当局は情報を精査中としながらも、早速、その供述に基づき、関係者とされる「大物」夫婦が台湾を出国しようとしたところで当局に身柄を拘束され、現在検察に移送され、台湾当局の取り調べを受けているという(11月26日付、ボイス・オブ・アメリカ(VOA))

 調査が進むにつれて状況が明らかになってくるだろうが、一般論としていえば、スパイが亡命し、敵側に寝返った場合は、泥を吐く。
そこで、同系列の「スパイ同僚」たちだけでなく、工作で買収された各国の政財界の大物も続々と芋ずる式であぶり出される。
どちらかというと、後者のほうがもっと衝撃的だ。

 現に台湾では、暴露情報で大騒ぎになった。
昨年の統一地方選で、与党民主進歩党の候補を妨害するため、中国の情報機関が「サイバー部隊」を設立するのに協力し、ネット上の議論を誘導し、メディアへの影響力行使や野党中国国民党への「草の根」の資金提供を支援したと王氏が証言した。

 台湾の総統府は11月23日、情報機関が関連の調査を開始しているとの声明を発表。
名指しされた国民党の総統候補、韓国瑜高雄市長は「中国共産党の金銭を1台湾元でも受け取っていたら、出馬を取りやめる」と述べ、慌てて疑惑を否定している(11月23日付、産経新聞オンライン)
 事実ならば、もはや出馬をやめるだけで済むことではない。
必死で否定するのも頷ける。

いまになって、「中国共産党政府と無関係だ」と関係を断ち切るのは何よりも、いちばんの保身になる。
「親中派」のレッテルを張られただけで、おいおい、変な金を受け取っていないかと疑われたらオチだ。
 「清算キャンペーン」たる嵐がそのうち、日本の政財界にやってこない保証はどこにもない。
親中やら友好やら、昔なら美辞麗句だったが、いまは状況が変わった。
この手の話でトラブルに巻き込まれると、厄介である。
日本人は時代の流れを見誤ってはいけない。  

「Pick a side」(どちらの側につくのかを決める)の時代である。
中立や中庸はない。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月05日

2020年、日本人は「大転職時代」を迎えることになる

2020年、日本人は「大転職時代」を迎えることになる
12/4(水) 現代ビジネス(中原 圭介)
----------
「終身雇用を守っていくのは難しい」――。
今夏、トヨタ自動車の豊田章男社長が突然語ったこの発言は産業界に衝撃を走らせた。
長年日本的雇用の象徴とされてきた終身雇用が「終わる」と言われて現実味がない人も少なくないだろうが、「この日本で終身雇用崩壊はもはや避けられない」と指摘するのは『定年消滅時代をどう生きるか』著者で経営アドバイザーの中原圭介氏である。
しかも、2020年からはこれまでとはまったく違う形へと「雇用」が大激変していくというのだ。
いったいこれから何が起きるのか――。
中原氏が雇用の現場の知られざる最前線を徹底レポートする! 
----------
2020年、雇用の「大変革」が始まる!
 2020年は日本の雇用が大変革を遂げる年になります。
 その象徴的な動きがすでに始まっていることを皆さんはご存知でしょうか。
 トヨタは2019年度に総合職の採用に占める中途採用の割合を2018年度の1割から3割に、中長期的には5割に引き上げるという決定をしました。
トヨタが変われば日本の企業全体も変わるといわれているだけに、そのインパクトは計り知れません。

 トヨタが中途採用を5割にする方針というのは、岩盤とされる日本型雇用の「大きな山」が動いたと捉えることができます。

 遅かれ早かれ、日本における新卒一括採用の重要性は次第に薄れていき、大手企業を中心に中途採用の割合が5割を超えてくるのが一般的な情勢になってくるでしょう。
若手を育てる時間とコストをかけるよりも、即戦力の人材を中途で採用しようとする考え方が、多くの企業で主流になってくるはずです。
 トヨタに限らず、すでに多くの企業では、終身雇用や年功序列の終わりが近いと感じさせる動きが起きています。

 少子化で絶対数が少ない優秀な若者を採用するため、若手の給与を大幅に引き上げる代わりに、中高年全体の給与を引き下げるというケースが増加しているのです。
 それに加えて、今のところ業績が好調であるにもかかわらず、中高年の早期退職を募集する大手企業が相次いでいます。

一方で専門性が高いデジタル人材の採用では、海外のグローバル企業との人材獲得競争が激しく、従来の給与体系を改めて初任給を1000万円に設定する企業が出始めています。
 非常に興味深いのは、大手企業の早期退職を募集する人数が企業の想定を上回って集まっているということ。
自らの新しいキャリアを形成するために、前向きに転職を考える人々が増えているからです。
それは、高度なデジタル人材の採用も含めて雇用市場が流動化し、新卒採用と中途採用の間にある高い壁が崩れ去るということを意味しています。

「企業が短命、ひとが長寿」になる意味
 AI(人工知能)などのデジタル技術の普及に伴って、若手にとっても、中堅にとっても、ベテランにとっても、高齢者にとっても、無縁ではいられない雇用の流動化が起ころうとしています。
 これは、私たちにとって大きな危機であり、大きなチャンスでもあります。

 1つの仕事や会社に落ち着いて一生を安泰に過ごせる人々は確実に減っていきます。
私たちは自らの視野を広げて、持続可能な働き方を模索していかねばならないのですが、それができる人、できない人では経済水準は二極化していくのが必然となっていくでしょう。

 経済のグローバル化やデジタル化によって、ビジネスの経営環境が短期間で変わっていく昨今、企業が成長を続けることができる期間も短くなっていく潮流にあります。
 株主資本主義のアメリカを中心に企業間の競争は激しくなり、世界的に企業の寿命が短命化する傾向が明らかになっています。
企業の寿命が長いといわれる日本でもその影響は免れず、国内企業の平均寿命は2018年の時点で24年にまで縮まってきているのです。
 これから20 年のうちに、企業の平均寿命が 20 年を割り込むのは避けられないでしょう。

その一方で、私たちの寿命は確実に延び続けていきます。
2018年の日本人男性の平均寿命は 81.25歳、女性は87.32歳と過去最高を更新し続けています。
 日本人の三大疾患であるがん、心疾患、脳血管疾患の死亡率の低下傾向が、平均寿命を押し上げているとみられています。

これからは遺伝子レベルの研究や、AIを取り入れた医療や戧薬が効果を上げる時期に入ってくるので、平均寿命が男性で 85 歳、女性で90 歳を超えるのは、今後 20 年以内の既定路線にあるといってもいいでしょう。

定年消滅時代に起こること
 この2つの流れが意味しているのは、私たちの生きる時間が伸び続けていることで、 70歳を超えても働くのが当たり前の時代になっていくということです。
 これからの日本では、大学を卒業後に就職して70〜75歳まで働くことになるので、個人の会社員生活は50年前後と、今の定年より10〜15 年程度も長くなります。
将来的に企業の平均寿命が20年を切るようになったら、会社員生活は企業寿命の2・5倍を超える長さになってしまうというわけです。

 平均的な働き方をする日本人であれば、計算の上では人生で3つの仕事や会社を経験しなければなりません。
そこで充実感のある人生を歩み続けるためには、1つの仕事や会社に従事する期間を15〜20年に区切って自らのキャリアを見直し、必要に応じたスキルアップをはかっていくことが肝要です。
 たとえば、30 代後半を第一の定年、50代後半を第二の定年としてキャリアを3つに区分したうえで、リカレント教育(学び直し)に勤しみながら、新しいスキルを習得するという生き方が広まっていくでしょう。

 世界で企業寿命とビジネスモデルの短期化が進んでいく時代には、たとえ著名な大手企業であったとしても、新卒社員を定期的な研修によって分け隔てなく育成するのは、極めて難しくなります。
 企業が行う新卒一括採用が通年採用に少しずつ移行していく過程では、雇用契約が職務や勤務地が限定されない「メンバーシップ 型」から、限定される「ジョブ型」へと大きく変わっていくからです。

「ジョブ型」での給与は年齢ではなく職務に対して支払われるので、日本型の「終身雇用」や「年功序列」の制度が崩れていくのは不可避な情勢なのです。

3年で1つのプロを目指す
 よってこれからは会社が社員のキャリアをつくるのではなく、ひとりひとりの社員が自らの責任においてキャリア形成を考えなくてはならなくなります。
 そして新しいスキルを身に付けようとする訓練は、若者だけではなく、中高年や高齢者にも求められるようになっていきます。
 そんな生涯現役時代において日本人が納得できる職業人生を送るには、今の若者の仕事に対する価値観が大きなヒントになると思っています。

若者にとって仕事というのは、自らがスキルを磨いて成長できる機会であるのに加えて、やりがいや楽しさを感じることができる対象でもあるからです。
 中高年と高齢者も若者と同じような考え方に変えていくことが、人生をいっそう楽しく豊かなものにするポイントになるはずです。
 数年後、私たちは今よりも個人の趣向に合わせて多彩な分野のスキルを学ぶ機会に恵まれているはずです。
だから自分の価値をいっそう高めたいのであれば、現時点で有するスキルとは別に、その周辺の新しいスキルを会得することが効果的です。

 たとえば、1つのスキルで専門家(プロ)の領域に3年で到達しようとすれば、トータル9年で3つの分野の専門家になることができます。
 その結果として、私たちは元々持っているスキルを中心に、関連が深い専門性を高めることができるばかりか、かつてより多角的な視点を持った専門家になることができるでしょう。
無論、これまでのキャリアやスキルを捨て去って、心機一転、まったく別の分野の専門家になるのも一手です。

「掛け算」でスキルを磨く時代へ
 その場合にはできる限り、自分が好きなことや関心がある分野を選ぶようにするのが良いでしょう。
 人はどのような分野であっても、好きなことや関心があることについては熱意を持ち、労力を惜しまずに努力するため、上達が早くなる傾向が強いからです。
好きなことを仕事にする幸運に恵まれれば、それだけでも人生は十分に楽しいものとなるのではないでしょうか。

 多くの人々が誤解しているようですが、個人の価値を大いに高める方法というのは、1つの専門性やスキルを「達人」と呼ばれるほど極めるだけではありません。
 達人といわれるレベルにまで達していなくとも、1000人に1人(=上位0.1%)、あるいは1万人に1人(=上位0.01%)の価値を有することは、みなさんが考えているほど難しいことではないのです。

私たちが専門性やスキルを3つ持っていたとしたら、相乗効果が発揮されて、私たちの価値を格段に高めることができるはずです。
 なぜなら私たちの価値というのは、専門性やスキルの習得数の「足し算」ではなく、「掛け算」で決まっていくからです。専門性やスキルの数が増えるほど、掛け算の回数も増えていくので、ネズミ算式に人材としての価値が高まっていく。
その恩恵として、私たちの働き方や生き方の選択肢の幅が想像を超えて広がっていきます。

 私たちが社外でも通用するスキル戦略を実行することができれば、何者にも縛られない立場で自由な働き方や生き方ができるようになるというわけです。

大転職時代の思考法
 今の若い世代を見ていると、興味の範囲は狭いといわれるものの、中高年の世代と比べると仕事を楽しむ能力を獲得する適性を持っているように見受けられます。
仕事で成長したいと考える人の割合はとりわけ 20 代で高く、転職することも意欲的に考えているようなのです。

 逆に中高年の世代を中心に、転職する、あるいは仕事を変えることに抵抗を感じる人は未だ多いのが現実です。
 しかし、人生のなかで異なる仕事を何回も経験できる機会が増えていくわけですから、その変化を楽しもうとする未来志向で臨んでほしいところです。

企業が求める専門性やスキルを持っている人は、いくつになっても年齢に関係なく、雇いたいというオファーがひっきりなしに来ます。
これからの社会では、考えようによっては、とても豊かで楽しい社会になるはずです。

 「定年消滅時代」には、自らの興味や好奇心の幅を広げて学び直すことが、満足できる人生を送る秘訣になってくるのです。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月06日

反安倍を叩きまくる安倍首相「宣伝工作部隊」の素性

反安倍を叩きまくる
安倍首相「宣伝工作部隊」の素性
12/5(木) NEWSポストセブン

 11月20日、ついに憲政史上最長の在任日数となった安倍政権。
森友問題や加計問題など、これまでも数々の騒動があったにもかかわらず、「安倍一強」を保てたのはなぜなのか。
それは、官邸でも自民党でもなくただ安倍晋三首相だけに尽くす“私兵”たちの支えによるものだった。

 桜を見る会の私物化問題で安倍首相への批判が強まると、ネットでは、国会で追及に立つ野党議員や、首相に批判的なテレビ番組を攻撃する書き込みが拡散している。

 そうした安倍擁護のネット論調を主導するための組織が、「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC)だ。
自民党が野党時代の2010年に設立したボランティア組織で、「ネトサポ」と呼ばれる。
会員は約1万9000人。
HPによると活動内容は、「インターネット等を活用した各種広報活動・情報収集活動・会員相互の交流活動」となっている。  安倍首相は設立総会から参加し、ネトサポには安倍応援団が多い。
安倍氏が2012年の自民党総裁選で総裁に返り咲いた日、自民党本部前に日の丸の小旗を持った200人ほどの集団が現われ、「安倍! 安倍!」とコールを送る出来事があった。
「あれはネトサポが会員に『国旗を持って集まろう』と呼びかけたのがきっかけ。
それから、テレビ番組が安倍批判をすると局に抗議電話が殺到したり、番組スポンサーにまで抗議がいくようになり、安倍応援団の力を見せつけた」(党本部職員)

 ネットの政治情報に詳しいジャーナリスト・梶田陽介氏が語る。
「J-NSCはネットで自民党に有利な書き込みをする組織ですが、野党や批判勢力に対するネガティブキャンペーンの中心にはその会員がいるとみられている。
 そのやり方は、たとえば、会員が専用サイトに『立憲民主党の〇〇議員がこんなことを言っている』と書き込む。
それを読んだ会員たちがネットでその議員に匿名の批判を浴びせ、ネガキャンを展開する。
メディアに対する批判も多い」

 J-NSCが宣伝工作の実働隊とすれば、司令塔ともいえる組織が自民党のネット監視チーム「T2(Truth team)」である。
〈ネット上に誤解に基づく情報があるならば、正確な情報を発信し修正する〉(自民党のリリース)という役割だ。
 自民党は2013年のネット選挙解禁に合わせてこのチームを組織し、大手IT企業などと技術提携してソーシャルメディア投稿監視サービスなどを導入した。
T2は自民党ネットメディア局の議員、党職員やネット監視の専門業者のスタッフなどをメンバーとして24時間ネットを監視し、自民党に不利な書き込みを見つけるとただちにプロバイダーに削除を要求する活動を行なっている。

「こうした党のネット対策チームが収集した自民党批判の情報が、J-NSCのボランティア会員に伝えられ、会員はあくまで自発的にネットを通じて相手を攻撃するという、いわばあうんの呼吸でネット世論をつくっているとみられています」(同前)

 自民党がJ-NSCのボランティア会員をどのように指導しているかを物語る映像がある。
前回の総選挙前(2017年10月6日)、自民党は党本部でJ-NSCの緊急集会を開き、ニコニコ生中継で中継された。
 その年に行なわれた東京都議選で自民党は安倍首相の「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」発言もあって大敗し、総選挙でも苦戦が予想されていた。

首相は街頭演説に「お前が国難だ!」と書かれたプラカードを持って押し寄せる反対派を怖れ、直前まで場所を公表しない異例のステルス戦術を行なっていた。
 そんな自民党にとってJ-NSCはネット選挙の重要な集票組織でもあり、緊急集会は会員に「選挙活動でやってはいけないこと」を解説する目的で開かれた。
 その時のやりとりだ。会員の1人は、自分が画像入りで「従軍慰安婦像の辻元清美」「手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫」などの投稿をしていると明かし、「やっぱり誹謗中傷になるでしょうか」と質問した。
 すると当時の自民党ネットメディア局長の平将明・代議士は笑いながらこう語ったのだ。
「あの、個人のご判断だと思います、はい」
 これでは、野党への誹謗中傷を煽っていると言われても仕方ないだろう。

その日の緊急集会にはサプライズがあった。
 街頭演説を切り上げ安倍首相が登場したのである。
首相は「ウォー」という歓声の中で、「ネットサポーターズの皆様には、日頃、自民党をしっかりと支援をして頂いていますこと、厚く御礼を申し上げたいと思います」と挨拶すると、参加者全員と一緒に「ガンバロー」と掛け声をあげて記念撮影し、ハイタッチしながら会場を後にした。

    ※週刊ポスト2019年12月13日号
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年から始まる医療現場崩壊…輸血用血液は86万人分不足

2025年から始まる医療現場崩壊…
輸血用血液は86万人分不足
2019年12月06日 女性自身

「団塊の世代すべてが75歳以上になる2025年ごろは、医療機関や介護施設で大きな混乱が予想されます。
しかし、それは日本の社会保障制度が崩壊する序章でしかないのです」
そう語るのは、ベストセラー『未来の年表』(講談社現代新書)の著者で人口減少対策総合研究所理事長の河合雅司さんだ。

人口減少社会で、日本の社会保障サービスの根幹をなす医療はどうなるのだろうか。
《’25年12月。
人口8万人の△×市にある実家に帰省していたA子さん(50)は、78歳になる母親が腹部の激痛を訴え、救急車を呼んだ。
ところが、救急車の到着は「119番」から30分後。
しかも、運び込まれたのは隣の市にある総合病院で、救急車で50分近く走ることに。
母親は治療を受けて入院。
そこで、トイレ介助を頼もうと、A子さんはナースコールを押した。
しかし、すぐに看護師からの返事はなく、やってきたのは30分もたってからだった……》

満足な医療サービスを受けられないA子さんの母親。
しかし、このシミュレーションは5年後、現実に起こりうるかもしれない。
厚生労働省は、’25年には内科医が1万4,000人、看護師をはじめとする看護職員が最大27万3,000人、不足すると試算しているのだ。

河合さんが解説する。
「都市部ではベッド不足が深刻化する一方で、地方では人口減少により、医師や看護師だけでなく、患者数も不足し、病院が経営難に陥ることも想定されます。
閉院する民間病院も出てくることでしょう。
結果として地方でもベッド不足が広がります。
また、’24年に、日本は全国民の3人に1人が65歳以上、6人に1人が75歳以上という超高齢者社会に。
75歳以上になると大病を患う人は増え、1人あたりの医療費が74歳以下の5倍近くかかるというデータもあります。
高齢者の増加で救急搬送が増えると、救急隊員の不足で、救急車がすぐに来ないという事態も起こりかねません」

’16年は通報から病院に搬送されるまでの平均時間は39分。
これが1時間を超えることも覚悟しなければならなくなるようだ。

シミュレーションは終わらない。
《’27年5月。
A子さんはステージ3の肺がんと診断され、すぐに開胸手術の必要があると言われた。
しかし、執刀医が不足しているうえ、A子さんの前にも手術待ちの患者が大勢控え、輸血用の血液の確保にも時間がかかるため、手術は2カ月後になるという……》

河合さんが語る。
「高齢者が増えることで、手術やがん治療などに使用される輸血用血液の需要も高まります。
一方、献血者は年々減少。
’27年には約86万人分の輸血用血液が不足するという試算もあります」

また、厚生労働省によると、’25年は手術患者数が1.3倍に増えるという。
「手術室が2〜3室ほどしかない地方の病院では、絶えず手術室が埋まっている状況も考えられます」
現状でも数週間かかる手術の待期期間が、数か月待ちになってもおかしくない。
なすすべはないのだろうか?

「たとえ出生数が増えても、その子どもたちが働くまでに約20年はかかり、問題は解決しません。
しかも、’25年ごろに団塊の世代が一斉に大病となるわけではありません。
状況は年々、悪化します」
posted by 小だぬき at 15:04| 神奈川 ☁| Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月07日

安倍政権の逃げ切りを許せば、日本の民主主義の未来はない

安倍政権の逃げ切りを許せば、日本の民主主義の未来はない
2019/12/06 日刊ゲンダイ
孫崎享外交評論家

 森友問題では、安倍首相が籠池理事長と昵懇であるという前提で、国有財産がほぼ実質ゼロ円で森友学園に売却された。
安倍首相夫人の関与は明白なのに、安倍首相は逃げ切った。

 加計問題では、安倍首相の意向ということで、獣医学部の新設が認められた疑惑が浮上。
しかし、安倍首相はこれも逃げ切った。
 そして今回の「桜を見る会」問題である。

次々に新たな疑惑が出ているにもかかわらず、「また逃げ切りか」との臆測が流れ始めた。
彼らの論理は次の通りだ。

@政府・与党は12月9日までの今国会の会期を延長しない、
A国会での審議が行われなければ、マスコミはほとんど報道しない、
B来年になれば「桜を見る会」問題は過去の問題となる、
C安倍政権の支持率低下は数%で収まり、結局、逃げ切る――である。

 考えてみると「桜を見る会」における安倍首相の犯罪性、政治的責任は森友問題や加計問題よりはるかに深刻だ。

 国会は、国権の最高機関である。
ここが腐敗したら、国全体が腐敗する。
その腐敗を起こさないため、議員の選出に関する法律とその運用はこれまで厳しかった。
公職選挙法第199条の2第1項は「公職の候補者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない」と規定している。

 最近では、菅原一秀経産大臣が地元有権者にカニやメロンを配ったり、香典を渡したりしていた証拠を突きつけられ辞任に追い込まれた。

 安倍首相は1回当たり、800人以上の地元の選挙民を「桜を見る会」に招待した。
飲食費は1人当たり千数百円に相当するとされているので、100万円以上の「供応」を税金で行ったことになる。
「桜を見る会」の前夜祭は、ホテルニューオータニの最高のレセプションホール「鶴の間」で開かれていた。

安倍首相は「安倍事務所が1人当たり5000円を受け取り、そのままホテルに渡した」と説明している。
しかし、ホテルニューオータニのパーティープランは「料金(1人):立食プラン1万1000円〜」とある。
従って、少なくとも、何らかのかたちでこの補填がなされているとみるのが当然だ。
これも公選法違反や政治資金規正法違反の疑いが出てくる。

 複数の違法性が指摘されているにもかかわらず、このまま国民が見逃すようであれば、この国の民主主義に未来はない。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「まさか、そんなことまでは…」を平然とやる安倍政権

「まさか、そんなことまでは…」を平然とやる安倍政権
2019/12/07 日刊ゲンダイ
三枝成彰 作曲家

「桜を見る会」の存在が世間の耳目を集め始めたタイミングで沢尻エリカ容疑者が逮捕されたことについて、「不祥事隠しではないか」という声を耳にすることが多い。
タレントのラサール石井さんもツイッターで〈政府が問題を起こし、マスコミがネタにし始めると芸能人が逮捕される〉とつぶやいていた。
〈次期逮捕予定者リストがあって、誰かがゴーサイン出してるでしょ〉とも指摘している。

 これに対して、「目の前に犯罪を起こしている容疑者がいれば、捜査当局も見過ごすはずがない」とか「何の証拠もない陰謀説」といった批判もあるようだ。
確かに証拠はないが、陰謀とはそんなものだ。
何らかの痕跡を残すほど杜撰な工作を一体だれがやるというのか。

 もちろん常識で考えれば、犯罪者のストックなどあり得ないし、あってはならないことだ。
だが、安倍さんたちは、常識では考えられないことを次々とやってきた。

 モリカケ問題の時は、あちこちから状況証拠となる資料が出た。
それでも関係者は「記憶にない」の一点張り。
昭恵夫人付だった女性官僚も海外に異動させる念の入れようだった。

加計学園の加計理事長は安倍さんが「腹心の友」と呼ぶほどの仲なのに、獣医学部新設については「聞いたことがない」と逃げている。
「桜を見る会」についても、野党が資料請求した直後に出席者リストをシュレッダーにかけて処分し、データも削除した可能性が高い。
事実なら明確な証拠隠しだ。
その上、その時点でサーバーに残っていたバックアップデータは「行政文書ではない」(菅官房長官)と言い張り、不開示を正当化している。

 ちょっと振り返ってみても、おかしなことばかり。
彼らの説明が腹に落ちる人は、一体どれだけいるのか。
ほとんどいないだろう。

安倍政権は、我々が「まさか、そんなことまではやらないだろう」ということを次々と実行してきた疑いが濃厚だ。
目くらましのための有名人逮捕という「まさか」も、決して「まさか」とは言えない。

 これまでも沖縄県民投票で辺野古移設反対派が圧勝した後にピエール瀧さんが逮捕され、甘利さんの口利き疑惑が噴出すると清原和博さんが捕まった。
ここまでタイミングが合うのは、偶然にしては出来過ぎだ。
やはり工作を指揮する参謀がいるということだろう。

 安倍さんの在任日数は憲政史上最長になったという。
だがそれは実績を上げてきたからではない。
自分たちにとって不都合な真実をウソやごまかしで塗り隠してきた結果である。
posted by 小だぬき at 13:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月08日

マルチの有名人ジャパンライフ元会長と政治家たちのズブズブな40余年

マルチの有名人ジャパンライフ元会長と政治家たちのズブズブな40余年
2019年12月7日 文春オンライン

 12月9日に国会会期末を控え、野党側は会期の大幅な延長を求めている。
もちろん目的は大炎上している「桜を見る会」をめぐる問題の追及だ。
政府がひた隠す招待者名簿問題のなかでも、注目すべき論点のひとつがマルチ商法で有名な「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長(77)に「安倍晋三首相枠」で招待状が送られていたという疑惑だ。

 山口元会長のもとに「桜を見る会」の招待状が届いたのは2015年春。
山口元会長は「安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に『桜を見る会』のご招待状が届きました」と書いた宣伝チラシに、招待状のコピーを張り付けて宣伝に利用した。
野党は内閣府の内部資料をもとに、“安倍枠”による招待だったと主張しているが、安倍首相は否定している。

 だが、このジャパンライフについての”悪評”はいまに始まったことではない。
若い読者は知らないかもしれないが、山口元会長は40年以上前にも国会招致されており、80〜90年代もジャパンライフのマルチ商法は国会審議で取り上げられている。

そこで、「いまさら聞けない『ジャパンライフ』ってどんな会社?」というアプローチで解説してみたい。

山口敏夫元大臣はジャパンライフのヘリコプターで選挙区入り
 そもそも山口元会長の“業歴”は古く、ジャパンライフの創業は1975年。
以後、羽毛布団や磁気治療器など商材を変えながら、高配当を謳って高額商品を会員に売りつけるマルチ商法を展開し、繰り返し問題になってきた。
 ジャパンライフのマルチ商法は大きな社会問題となり、ついに1985年5月には国会で集中審議されることとなった。
ここではじめて、山口元会長が、傘下の販売店から会費を集め、政治家への献金窓口となる「健康産業政治連盟」を設立し、年間1〜2億円をあらゆる政治家にばら撒いていたことが明らかになったのである。

 まず槍玉に上がったのは、山口元会長が最も親しかったと言われる「新自由クラブ」(1986年8月に自民党に合流)の山口敏夫労働大臣(当時、山口元会長以外の肩書きは以下同)だ。
山口氏はジャパンライフが所有するヘリコプターに乗って選挙区入りしたことが指摘された上、1983年にはジャパンライフから山口氏の5つの政治団体に計500万円の献金が行われていた。

 また、ジャパンライフが発行していた「経営者月報」には、見開きページに李香蘭の名で活躍した女優出身の山口淑子参議員が登場していたことが判明。
そのほかにも、ジャパンライフが武道館で開いた「記念大会」に、山口敏夫氏をはじめ、増岡博之労相、村上正邦参議員、塩川正十郎元運輸相らが来賓として出席していた。
山口敏夫氏、増岡博之氏、塩川正十郎氏の3名は、1967年に初当選した自民党の同期でもある。

中曽根康弘元首相は「善意の政治資金として」と発言  
最大の大物は、先日101歳で亡くなった中曽根康弘元首相だろう。
首相在任中、中曽根氏の5つの政治団体に、ジャパンライフから計1000万円の献金が行われていたことを、共産党の藤田スミ衆議員が追及している。
中曽根氏は「善意の政治資金として受け付けたということでございまして……」と答弁している。

 しかし、1985年11月の国会で、社会党の横江金夫衆議員が中曽根氏をさらに追い詰めた。
内部告発状をもとに「(ジャパンライフは)この商売を守っていくために中曽根総理に対して、パラオ島にあるこの会社が持っている20万坪の土地を贈呈をしたということが書いてあるのです」と指摘したのだ。

 翌12月の国会でも、藤田スミ氏がジャパンライフと国会議員らの癒着について糾弾している。
ジャパンライフ傘下の「ヘルスカウンセラー協会」創立3周年の集会において、自民党副総裁の二階堂進衆議員と山口労相が山口元会長に“感謝状”を送り、中曽根首相は祝電を打っていたことに言及したのだ。

 藤田氏は続いて1985年に開かれたジャパンライフ創業10周年記念集会にも批判の矢を向けた。
「増岡厚生大臣をはじめとして、何と15人に及ぶ大臣クラスの錚々たる政治家が競い合うように参加をいたしまして、ジャパンライフの商法やあるいは山口会長を絶賛しているわけであります」と追及している。

安倍晋三の父も山口元会長とNYを表敬訪問
 翌1986年2月の国会では、安倍首相の父、安倍晋太郎外相まで登場。
社会党の松浦利尚衆議員は、ジャパンライフの事業報告書の中で、山口元会長と共に安倍外相と山口前労相がニューヨークを表敬訪問したと記載されていると指摘した。
 それに対して安倍元外相は、「山口代議士がたくさんの人と一緒に、ちょうど私が国連に行っておったときに紹介といいますか表敬に連れてきたことは、確かにその中に今の山口隆祥氏ですか、おられたことは事実です」とその事実を認めた。

 ジャパンライフが取り込んでいったのは政治家だけではない。
1985年12月の国会では、ジャパンライフが警察官僚を多数招聘していることも白日の下に晒された。
関東管区警察学校・教務部長を務めた神田修道氏がジャパンライフの組織部取締役部長に、山形県警副本部長を務めた佐藤恒夫氏は代理店指導部長に就いていたのだ。

 実は国会審議が始まる前の1983年、ジャパンライフは法人税法違反で告発され、山口元会長は当時取締役に降格していた。
そこで後任として会長職に就いたのが、京都府警本部長などを歴任した警察官僚の相川孝氏だ。
相川氏は悪徳商法を取り締まる警察庁保安課長を経験している。

 山口元会長はなぜここまでして政治家や官僚との繋がりを求めたのか。
その理由は、1985年5月の国会で取り上げられている。

「いろんな協力者が陰に日なたになっている」
 山口元会長は、新高輪プリンスホテルで開いた講演会において、過去にマルチ商法の別会社を立ち上げて倒産し、ジャパンライフを創業した経験に触れ、「そういう失敗をしましたよ。だから『健康産業政治連盟』じゃないですか」と話したのだという。
くわえて「産業を将来大きく伸ばすために協力してくれる代議士の先生方に政治献金している。
おかげでいろんな協力者が陰に日なたになってくれている」とも語っており、政治家らをビジネスに利用してきたことが明らかにされた。

 山口元会長は社会的に糾弾されると政治家に献金攻勢をかけて広告塔として利用し、元官僚を抱き込むことで追及を逃れてきたのだ。
現在「桜を見る会」を巡って起きていることも、当時と同じ構造が裏にある。
 80年代に大きく取り沙汰されてから、一時は鳴りを潜めていたジャパンライフだが、2010年以降に消費者からの苦情が増えていった。
そして2014年夏、消費者庁がジャパンライフに立ち入り調査を計画した。

 ジャパンライフへの監視の目が強まっていることを察知した山口元会長は、2014年12月に下村博文文科相が支部長を務める自民党東京都第11選挙区支部に10万円を献金。
「日本消費経済新聞」によれば、柿沢未途衆議員が支部長を務めるみんなの党東京都第15区支部にも、2010年から2013年までに1940万円を献金している。
柿沢氏の父親は外相などを務めた元代議士の故柿澤弘治氏。
柿沢氏は同紙に、「亡き父の信頼を引き継ぎ、お付き合いをさせていただき、ご支援をいただいた」と回答した。
 この裏工作が功を奏したのか、2014年の立ち入り調査は見送られている。
しかし2015年9月には消費者庁がジャパンライフへ立ち入り調査に入り、ついに2016年12月に業務停止命令が下されたのだ。

 消費者庁が業務停止命令を発した直後の2017年1月13日、山口元会長は安倍政権の重要閣僚、加藤勝信一億総活躍担当相(当時)と会食をしている。
その後に配布されたジャパンライフの宣伝チラシには早速、加藤氏に「ジャパンライフの取り組みを非常に高く評価して頂きました!」と記載した。
 加藤氏との会食の2週間後の1月27日、今度は山口元会長主催で二階俊博・自民党幹事長を囲む懇談会も開かれた。
会には多くのマスコミ関係者も招待されていた。
その後、またしても宣伝チラシで「トップ政治家やマスコミトップの方々が参加しました! このメンバーで毎月、帝国ホテルにて情報交換会を行っています」と、自身と有名政治家との親密な関係をアピール。
チラシには参加メンバーとして、NHK、日経新聞、毎日新聞などの論説委員クラスの顔と名前も並んでいた。

 ある出版社幹部はこう話す。
「山口さんには向島の料亭で、2世議員などの政治家を何人か紹介して貰ったことがあります。
山口さん主催の食事会に行くと、新聞の論説委員とか、役人上がりの人が必ず来ていました。
私は会っていませんが、山口さんの口から、引退した自民党の大物政治家の名前が何回か出たこともある。
権威を笠に着ることで、商売に利用していたのでしょう」

 2016年12月に業務停止命令が下ってからも、懲りずに広報活動をしていたジャパンライフだったが、2017年3月には2回目の業務停止命令が下っている。
 2015年の消費者庁による立ち入り調査以降、山口元会長は80年代と同様に、元官僚たちを自社の主要ポストに就任させていった。
 2015年7月、まずは消費者庁の水庫孝夫課長補佐がジャパンライフ顧問に就いた。
水庫氏は在職中、ジャパンライフに「定年退職」「最後の仕事」と繰り返し告げ、私用のメールアドレスと電話番号を伝えていたという(内閣府の再就職等監視委員会の調査より)。
そして翌16年3月、再就職等監視委員会は、水庫氏のこれらの言動が、「(国家公務員法に)違反する行為であることが認められました」と発表した。

 ジャパンライフが隠れ蓑にしようとした元官僚は水庫氏だけではない。
2017年4月の国会で、共産党の大門実紀史参議員は、ジャパンライフのパンフレットを入手し、こう指摘した。
「もっと大物がいるんです。
海外担当の松尾さん(篤・元経済企画庁長官秘書官)も元経産、キャリア組ですね。
水庫さんはノンキャリアですけれども、キャリア組の松尾さんと、右の上の永谷さん(安賢・元内閣府官房長)ですね」
 さらに最新のパンフレットには、中嶋誠・元特許庁長官が入っていることも明かした。

そして大門参議員はジャパンライフの“お中元リスト”も入手。
「いろんな方の名前がずらっと並んでおります。
(中略)あいうえお順ですから、最初に出てくるのは麻生太郎さん、2番目が安倍さん、安倍晋三総理ですね……」と指摘した。
 この指摘を受けて、後日、麻生太郎財務相は山口元会長について言及。
「この人は結構有名人。(中略)この人はその時代から結構有名な方で、マルチという言葉が始まった最初の頃からもう出ていた方だった」と答えている。

 社会部記者が話す。
「消費者庁は2015年に立ち入り調査に入ったにも関わらず、業務停止命令を出すまで1年以上かかっています。
ジャパンライフのように明らかな違法性が認められる企業であれば、立ち入り調査後に業務停止命令が出てもおかしくなかった。
この“特例”には、こうした政治家との繋がりや、役人の招聘が影響していると見られます。
そしてこの間に、『桜を見る会』の招待状がジャパンライフの宣伝に使われたのです」

 こうして安倍首相主催の「桜を見る会」は、ジャパンライフの“永田町戦略”にまんまと利用されたのだ。

(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月09日

水道民営化の仕掛け人は竹中平蔵氏か…国民が知らない水道資産120兆円のゆくえ

水道民営化の仕掛け人は竹中平蔵氏か…
国民が知らない水道資産120兆円のゆくえ
2019.12.08 Business Journal
文=藤野光太郎/ジャーナリスト

水メジャーを太らせたのは「水事業の民営化」を煽る国際金融機関
 世界には、水メジャーの支配で高騰した水道料金を払えず、あろうことか「天から降ってきた雨水」の取水まで禁じられた人々がいる
日本が平成に改元してしばらくした頃に、南米・ボリビアの主要都市コチャバンバ市の公営水道民営化で起きた悲劇だ。
同市の水道民営化では、灌漑施設も井戸も雨水も、すべての貯水を水企業アグアス・デル・ツナリ社の管理下に置く契約が交わされていた。
あまりにも理不尽だったため、多くの人々に知れわたった実話である。
ツナリ社は、多国籍巨大建設企業ベクテル社の傘下企業だ。

 実は、これまで「水事業の民営化」を煽ってきたのは、世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関である
ハイパーインフレで瀕死のボリビア政府に対して、多国間債務600万ドルの免除を条件に、この理不尽な契約を促したのも世銀だった。
彼らは、経済の自由化や公的機関の民営化を途上国政府への融資条件として課してきたのである
この30年間は「小規模農家への支援」や「教育・医療」の予算削減まで強要し、結果、多国籍巨大企業の市場はさらに拡大し、世界の貧困と格差が悪化した

 国際金融機関のこうした“前科”が日本の一般常識として広く認知されていないのは、官製情報に依存し巨大資本に抗えない国内マスメディアが国民の知る権利にこたえていないからである。
事実として重要な情報がオーソライズされないまま、今日本人の「水道の水」も巧妙な仕組みで「市場」化されようとしている
黙認して放置すれば、冗談抜きで、いずれ「清浄な空気」も商品として市場化されるかもしれない

「市場」は商品・サービスとカネの取引で成り立っている。
カネがなければ取引はできず、人は何も得られない。

公共/公益の概念は、そこに生まれる悲劇の類いを回避するための知恵でもある。
従って、生存の最低条件である「水道の水」まで弱肉強食の市場で扱おうとする発想は、非常識を通り過ぎて、もはや「民営化原理主義」とでも名付けてもいい「文明の退化」だ
今、日本も世界もその見識を問われている。

安倍内閣・水メジャー・金融/証券と組んで法改定を仕掛けた面々
「水メジャーによる接待疑惑」で官邸を追われた福田隆之氏が、36歳の若さで内閣官房長官の「公共サービス改革」担当補佐官に抜擢されたのは2016年1月。
もとは野村総合研究所主任研究員や新日本有限責任監査法人のインフラ・PPP支援室室長・エグゼクティブディレクターなどを務めた証券のプロである。
表舞台から姿を消した同氏は現在、「行政官」という官職を持つコンサルタントを務めながら、都内の大学にも籍を置いている。
 その大学は東洋大学。
そこでの肩書きは「国際学部客員教授/グローバル・イノベーション学研究センター客員研究員」(2019年10月22日現在。以下同)。

2名在籍する客員研究員のもう1人は、前述の「水道民営化を煽ってきた世界銀行」で上級インフラファイナンス専門官を務める人物だ。
 このグローバル・イノベーション学研究センターを統括するセンター長は、「東洋大学国際学部教授」の竹中平蔵氏である。
 著名な人物は「毀誉褒貶あり」と評されることがよくある。
しかし、政府の「官民連携」施策が、実は一般庶民の生活経済を追い込むものであることを直感する人々の多くは、そこから「誉・褒」の2文字を抜いた「毀・貶」で、あの「竹中平蔵」氏を連想しがちだ。
立身出世を絵に描いたような竹中氏の華やかな肩書きは、あまりに多すぎてここには書き切れない。

 小泉純一郎内閣で要職を歴任し、郵政担当大臣として「郵政民営化」の道を開いた竹中氏は、日本国民の富をどこかに移動する仕組みづくりに自信を持ったかのようにもみえる
麻生太郎副総理は表通りで「水道の公設民営」を外資の面々に“報告”したが、竹中氏は裏通りで地道にそれを準備し、実行してきたといえる。

小泉内閣以降も「行政を束ねて采配するノウハウ」に磨きをかけ、派遣大手のパソナ役員を兼務しながら労働法制に手を入れ、ヴェオリアもたじろぐほどの「利益相反」を問われながら、今もマスメディアを黙らせ続けている。
 学者としては、大学で学生たちに「金持ちを貧乏人にしても、貧乏人が金持ちになるわけではない」などと“その道の粋”を教えてきた。
規制緩和/撤廃で世界に名を轟かせた英国初の女性首相マーガレット・サッチャーの言葉だ。
教え込まれた学生が政官界に進めば、「自己責任論」で弱肉強食を正当化する新自由主義の施策になんの迷いも抱かず加担し、政治と行政が担うべき本来の役目を蔑ろにするかもしれない。

 安倍内閣は規制緩和を御旗として掲げ、水道法改定など数多の法改定と施策を強行してきた。
その権勢を上手に利用して「昇進や第二の人生にまっしぐらの幹部官僚ら」を動かし、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ:民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)の導入を見事に完遂したのが、竹中・福田の両氏である。
両者の「阿吽の呼吸」の痕跡は、政府による数多の議事録を見れば腐るほど目にできる。

官民連携インフラファンド→民間インフラファンドへの流し込み
 2009年に設立された「産業革新機構」は2018年9月、竹中氏も議員として名を連ねる「未来投資会議」によって官民出資の投資ファンド「産業革新投資機構(JIC)」に改組された。
その子会社として新設された「INCJ」には、金融機関からの資金調達で政府保証1兆8000億円がつき、最大2兆円規模の投資能力がある。
 同ファンドの出資金は95%が財政投融資の拠出だ。
つまり、「ハイリスク、ハイリターン」というヘッジファンド同様の資産運用を行うリスクマネーの拠出を、国民のカネを預かる政府が担っているということである

 従って、換言すればこういうことだ。
官民連携インフラファンドに巨額の政府保証をつけさせて莫大な資金調達を可能とし、PFI 法で認められている官民連携インフラファンドから民間インフラファンドへの投資で国民のカネを民間企業に流し込む仕組みづくり」の礎を、すでにここで仕立て終えていた、と。
 その仕掛けは、2014年5月19日に官邸4階で開かれた「経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議」でもうかがい知ることができる。

竹中氏は「コンセッション制度の利活用を通じた成長戦略の加速」という書類を配布し、幹部官僚の尻を叩いて「官民連携インフラファンド」についても強く打ち出しているからだ。
同会議録から、「コンセッション推進」と「インフラファンド推奨」にかかわる要所を抜粋する。

<……これに応えるために以下の施策を実施する必要がある>
<平成26年4月から向こう3年間」「に実施する案件について」「少なくとも、(筆者注:コンセッション成約を)国土交通省(空港)6件、国土交通省(下水道)6件、国土交通省(有料道路)1件、厚生労働省(水道)6 件とし、これら4分野の目標のうち地方公共団体分に相当する15件」「については、地方制度を所管する総務省もその目標の達成に協力する」

「内閣府の数値目標として、上記案件で行われる投資金額の合計」「2〜3兆円」「を目標とする>
<株式会社民間資金等活用事業推進機構(官民連携インフラファンド)」「の有するノウハウや地域金融機関との協力関係の活用を図りつつ」「PFI 法上」「官民連携インフラファンドに認められている民間インフラファンドへの投資について、支援基準を踏まえ、取り組みを開始する

 この産業競争力会議は、2年後の2016年9月9日に新設された「未来投資会議」と入れ替わる形で廃止された。
安倍晋三議長・麻生太郎議長代理で開かれた未来投資会議でも、「公的資産と公的サービスの民間開放」が幾度もテーマとされてきた。
「インフラファンドとリンクしたインフレーションに最適の投資資産が公共料金」
 福田氏が補佐官在任中の2017年2月17日、「未来投資会議・構造改革徹底推進会合〜第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」(PPP/PFI)の第4回は、竹中会長が中心となって議事が進められていた。
 当日のメインゲストは、マッコーリーキャピタル幹部としてアジアのインフラ投資を動かすジョン・ウォーカー氏と、日本におけるマッコーリーキャピタル証券代表の大橋純氏。

既述のように、マッコーリー・グループは3大水メジャーから消えた英テムズ・ウォーターを買収した豪州メガバンクで、非銀行部門に証券業務がある。
従って、マッコーリーキャピタル証券は銀行系証券会社ということになる。

 実は、2011年2月に国土交通省航空局が開いた「第3回・空港運営のあり方に関する検討会」でも、マッコーリーキャピタル証券の舟橋信夫副会長(当時)が招かれていた。
菅官房長官の下で竹中氏のパートナーとして動いていた福田氏は、同じ証券マンの先輩である舟橋氏にコンセッション等の指南を受け、事情を知る証券関係者の間では「昵懇の仲」だと見られてきた。

 これらの経緯をたどれば、舟橋・福田・竹中の3氏が「PPP/PFIによる国内コンセッション」を起案し、同調する安倍内閣が政府としてこれを実現した構図が透けて見える
水道コンセッションにインフラファンド市場ができれば、あとはそこに公的資金を流し込むだけだ。
「新PFI法」が施行された2018年10月の下旬、宮城県では県が主催する「上工下水一体官民連携運営事業シンポジウム『水道の未来を考える』」が開かれた。
そこに講演者として招かれたなかに、水メジャーのツートップであるヴェオリア・ジャパンとスエズ・アジアの幹部数名がいた。
 このなかから「スエズ・アジア アドバイザー」の肩書きで登場したのは、マッコーリーキャピタル証券副会長を辞めた後も福田氏と昵懇だった舟橋氏である。

 インフラファンドが生まれたのは、マッコーリー社の母国・オーストラリアだ。
2011年に国交省が開いた前述の会合で、舟橋氏はマッコーリーキャピタル証券副会長として、こんな話をしている。
「マッコーリー・グループがひとつだけ世界一の分野がある。インフラファンドの残高だ」
「なぜインフラか? インフラのような投資資金にとって一番重要なのは、使う期間が随分と先になるため、購買力を喪失するのが一番怖いという点。
逆に、インフレーションに一番いい投資資産が公共料金である。
公共料金はほとんどがインフレにリンクしている」
「グループのインフラ投資で最大の案件はテムズ・ウォーター。
当時、企業価値は1兆8000億円という投資だった」(以上、要約抜粋)

 東日本大震災が勃発する約1カ月前の話だ。
「インフラファンドはインフレとリンクしており、インフレに最適の投資資産が公共料金」
「水道会社への投資額は1兆8000億円」――日本で、その原資はどこから調達されるか。
改定水道法の行方を透視するためには、日銀・メガバンク等の動向を横目に官民インフラファンドと水道インフラファンドの動きを注視する必要がある。

金融・証券のプロが政府の施策に影響を及ぼせば、巨額の公的資金が裏で流れ始めるからである。

水道のインフラファンド経由で公的資金が民間企業へと流し込まれる
 閑話休題。
既述の通り、2017年10月下旬に「新PFI法の施行」「2大水メジャーのシンポ参加」「福田氏の接待疑惑文書」の3つの動きが重なっている。
水道法改定に対して国民が不安を抱いているにもかかわらず、水面下では巨額「水道マネー」をめぐる利害関係者の暗闘がすでに始まっていたようだ。
民間企業の事業目的は「果てしない営利」である
平成の世に日本にも上陸したPPP/PFIによる官民連携「水道コンセッション」と「インフラファンド」は、間違いなく莫大な「水道利権」を生み散らかす

 平成に準備されて令和に本格始動する改定水道法には、「自治体がこれまで及び腰だった料金値上げを、法制度間の整合性で容易にする仕掛けがあったこと」、そして「巨額水道マネーを担保に、インフラファンド経由で公的資金を民間企業へと流し込む仕掛け」があること、などを本連載で検証した。

 既存のマスメディアに期待できないからには、今後、住民/国民自らが「PPP/PFIに踊り狂う自治体と政官財のカネの動き」を厳しく監視するしかない。
多くの若者が手にしたネットは、そのためにも有効だ。
黙認したり監視を怠ったりすれば、国民の水道資産120兆円は、そのうち利権まみれで真っ黒に濁ってしまうだろう
(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2019/12/post_130797.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

9条という「世界遺産」

週のはじめに考える
9条という「世界遺産」
2019年12月8日 東京新聞「社説」

 安倍晋三首相が改憲に向けた動きを強める中、「憲法九条は世界遺産」と訴え、九条改憲に異を唱える人がいます。
自民党元幹事長の古賀誠さんです。

 きょう十二月八日は、七十八年前に太平洋戦争が始まった令和最初の「開戦の日」です
 戦争の犠牲者は、この四年前に始まった日中戦争以降に戦死した軍人・軍属約二百三十万人と、米軍による空襲や広島・長崎への原爆投下、沖縄戦で亡くなった民間人約八十万人とを合わせて約三百十万人に上ります。
 これは日本人だけの数です。
日本が侵略した近隣諸国や交戦国の犠牲者を加えれば、その数はさらに膨れ上がります。

◆父の戦死告げる紙片
 古賀さんの父も犠牲を強いられた一人です。
福岡県旧瀬高町(現みやま市)で乾物店を営んでいましたが、三十三歳のとき、二度目の赤紙召集で出征しました。
一九四〇(昭和十五)年生まれの古賀さんが二歳のときです。
 終戦後、しばらくして白木の箱が届きます。
遺骨の代わりに「昭和十九年十月三十日、フィリピン・レイテ島に没す」と記した紙が父の最期を告げていました。
 生まれてまもなく父を失った古賀さんには、父の顔も、そのぬくもりも、記憶がありません。
仏壇の遺影を見ても、何一つ思い出すことはなかったといいます。
 物心がついたときの最初の記憶は、古賀さんと姉、二人の子どもを育てるため、行商に出て懸命に働く母の姿でした。

 子どものころ、あの戦争は何だったのか、戦争が憎い、とまでは思いが至らなかったそうです。
ただ母の姿を見て、同じような境遇の人を二度と生まないために何かしなければいけない、との思いを強くしていきます。
そして、志したのが政治家でした。

◆母の姿に不戦を誓う
 国会議員の書生や秘書を経て、衆院議員に初当選したのは八〇年の衆参同日選挙でした。
古賀さん三十九歳のときです。
その後、自民党内で頭角を現し、九六年十一月、第二次橋本内閣の運輸相として初入閣。
党では国対委員長や幹事長などの要職を歴任します。
 政界実力者として地歩を固めた古賀さんですが、戦争を繰り返してはならない、九条は守る、という政治家としての初心を忘れることはなかったといいます。  

「戦争で父を亡くした遺児である私の政治目標は、日本と世界の平和の実現です。
再び日本が戦争の渦に巻き込まれないようにしたい」
「悲惨な歴史を繰り返さないためにも憲法の平和主義、主権在民、基本的人権の尊重という崇高な精神は常に忘れてはならない」

 古賀さんは党幹事長当時の二〇〇一年二月、森喜朗首相の施政方針演説に対する代表質問で、こう強調します。
その後、米中枢同時テロに報復攻撃する米軍などを自衛隊が支援するテロ対策特別措置法案やイラクに自衛隊を派遣するイラク復興支援特措法案の衆院採決では、直前に退席しました。
 いずれも自衛隊を海外に派遣する法案です。
賛成の自民党方針には反しますが、自衛隊の海外派遣を認めれば、歯止めがきかなくなる、と信念を貫いたのです。

 古賀さんが政界引退した一二年に政権復帰した安倍晋三首相は、歴代内閣が違憲としてきた「集団的自衛権の行使」を一転認め、さらに自衛隊を明記する九条改憲を目指す考えを公言しています。
 政界引退後の今も、古賀さんが憲法九条を守ろうと積極的に発言しているのは、そうした「安倍一強」への警鐘にも聞こえます。
 改憲論議は大いにすべきだが、九条は頑として守らなければならない、自衛隊を明記する九条改憲も、今は必要ない、というのが古賀さんの立場です。

 九条に込められた決意と覚悟を持てば、日本はほかの国と同じ道を歩む必要はない、だから世界遺産なのだ、これを日本の宝として後世の人たちへの贈り物として守り抜いていきたい、と。

◆若い世代に理想継ぐ
 こうした思いを語り、一冊の本にまとめたのが「憲法九条は世界遺産」(かもがわ出版)です。
古賀さんは、若い人にこそこの本を読んでほしいと考えています。
学生ら若い世代からの講演依頼にも積極的に応じたいとも話します。
 古賀さんの現職議員当時、国会には戦争体験世代も多く、九条を守る特別な努力は不要でしたが、戦争を知らない世代が国会だけでなく有権者にも増え、九条の理想を語り継ぐ必要があるからです。

 古賀さんは日本遺族会会長当時の〇三年、政治の師と仰ぐ野中広務元自民党幹事長とともに、父が戦死したレイテ島を訪ねました。
補給を断たれ、多くの日本兵が病・餓死した異郷のジャングルで、父の存在を初めて感じたといいます。
戦争の本当の怖さとともに。
posted by 小だぬき at 08:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月10日

モンスター化する「お客様」が使う理不尽な手口

モンスター化する「お客様」が使う理不尽な手口
12/9(月) プレジデントオンライン

企業に悪質なクレームや理不尽な要求を突きつける「カスタマーハラスメント」(カスハラ)の存在が問題になっている。
弁護士の島田直行氏は「カスハラの当事者はさまざまな罠を用意し、担当者を会社内で孤立させることで、物理的にも精神的にも攻撃してくる。
個人ではなく会社として対応することが重要だ」という――。
  ※本稿は、島田直行『社長、クレーマーから「誠意を見せろ」と電話がきています』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■クレーマーが仕掛ける見えない罠
 クレーマーは、単に大きな声を出すだけではない。
声が大きいだけなら無視すればいいので対処も簡単だ。
実際には、いろんな罠を用意してくる。
 クレーマーが仕掛けてくる罠は、「それが罠だ」とはなかなかわからない。
少なくとも対応している担当者は緊張もしているので、自分が静かに蟻地獄にはまっていることに気がつかない。
弁護士に相談して我に返ってはじめて、「自分は相手のペースにはめられていた」とわかる。

 そこで典型的なクレーマーの罠についていくつかご紹介しよう。
もしもクレーマー対応に苦しんでいたら、自分が彼らの罠に陥っていないか考えていただきたい。
 クレーマーは、相手にミスがあるとわかると、徹底的に糾弾してくる
ミスの程度にはいろんなレベルがある。
軽微なミスもあれば、重大なミスもある。
本来であれば、負うべき責任の範囲も、ミスの有無及び軽重に応じて検討するべきものだ。

■ミスの有無、軽重は関係ない
 クレーマーは、そういった緻密な判断には一切興味を持たない。
「自分は納得できない」となれば、苦情を言い放つのに十分な理由になる。
そのため、相手にわずかなミスでもあれば、鬼の首を取ったように追及してくる。
 言われた側は「たいしたミスではないでしょ」と思っていても、「ミスがある」と言われると否定できない。
ましてや相手がすごい剣幕で詰め寄ってきたら、なかなか反論できるものではない。
なまじ反論すれば、「ミスをしたうえに反省もしないのか」とかえって火に油を注ぐことになる。

 こちらにミスがない場合ですら、クレーマーから言いがかりをつけられることもある。
クレーマーにとっては、「不満があるのでクレームを言い立てる」ことが目的であって実際にミスがあるかどうかはさしたる問題ではない
こちらにミスがなければ、あるように声を上げればいいと考えている。  
「ミスはない」といくら説明をしても、「嘘を言っている」あるいは「それが問題ではない」と反論されて議論はいつまでたっても終わらない。
ただひたすら我慢せざるを得ない。
我慢できなくなると、「では、どうしたらいいのですか」ということになり、クレーマーに要求されるがままに従うことになる。

■誠心誠意尽くしても収まらない感情
 以下の例は、あるリフォーム会社の案件である。
どこにでもあるような親子経営の小さなリフォーム会社であった。
リフォーム会社は、クレームを受けやすい業種のひとつである。
もともと経年劣化などで傷んでいる物件も多く、何か問題があっても、業者のミスなのか、あるいは建物の劣化が原因であるのか、はっきりしないところもある。

 この親子は、そういった事情をよく理解しており、事前に丹念に説明をしていた。
ある独り暮らしの女性から依頼を受けてリフォーム工事を始めた。
工事期間中から女性は、いろいろ指摘するようになった。
 「塗装の色が事前の説明と違う」「職人からの挨拶がなかった」「工事が遅い」など挙げだしたらきりがない。
しかも「今すぐ謝罪に来い」の繰り返しである。
いずれも問題がある内容ではなかったが、社長は女性の機嫌を損ねないように謝罪し、最大の配慮をしながら工事を終えた。

 しかし、女性からは「こんな工事では代金は支払えない。
むしろ慰謝料を要求する」ということであった。
親子は、誠心誠意尽くしたものの、一向に相手の感情が収まらないので私に相談してきた。
 そこで弁護士名で「根拠のない主張をされるのであれば、訴訟をする」と通告したら一気に終息した。
親子は「あれはいったい何だったのだろうか」と不思議な思いであった。

■自省的な態度は利用されやすい
 我々は、いつも心のどこかで「自分にも間違いがあるのではないか」と自分を疑うところがある。
しかし、こういった自省的な態度はクレーマーに利用されやすい
ミスがなくても「ミスがある」と言われ続けると自分が怪しくなってくる。
 こういった場合は、クレーマーの主張する問題点を紙に書いてみるといい。
頭で考えるだけでは次第に自分を追い込んでしまう。
紙に書くことで冷静になれる。
そのうえで「問題点とされるものが現実にあるのか」「問題点が発生した原因は何か」を箇条書きにするといい。

 紙に書くことで「これは自分のミスではない」と自信を持つことができる。
自分で自分を疑いだしたら、何もかも自分の責任になってしまう。
紙に書きだし、事実をとらえなおすことで、弱った自信を回復してほしい

■“対会社”から“対担当者”に構図をすり替える
 交渉において相手を分断させることは、定石のひとつだ
孤立させることで物理的にも精神的にも相手を衰退させることができる
こういった戦術は、クレーマーも多分に利用してくる。

 「クレーマー対会社」という構造であるべきなのに、いつのまにか「クレーマー対担当者」という構造にすり替えられてしまう。
こうなってしまうと、クレーマーの手から逃げだすのは難しい。

 ある家具店の営業担当者から「助けてほしい」という相談の電話があった。
会社名を聞いたものの、はっきりと回答しない。
「変わった相談者だな」と感じつつも、相談日時を設定した。
やってきた担当者は青白く、明らかにやつれていた。
 話としては、家具を設置したときに「床に傷をつけた」としてクレーマーの餌食になっているとのことであった。
 本人としては、傷をつけないように養生もしっかりしていて、傷などつけていないという話であった。
話の迫真性からして嘘を言っているようにも思えない。

でも相談を聞いていて何かが引っかかる。
 はたと気がついたら、彼の話からは社長や上司という言葉がまったく出てこなかった。
そこで彼に「ところで会社としては、今回のクレーマーについてどのように対応されているのでしょうか」と質問した。
彼はうつむいたまま、「会社にはまだ言っていません」と答えた。

■担当者の心理につけ込むクレーマー
 こういうケースでは、だいたいの結末は予想がつく。
「自分でいくらかお金を渡したの」と聞いた。
しばらくしてうなずいた。
自分のしてしまったことで自責の念に駆られていたのであろう。
それからはありのままを話すようになった。

 クレーマーは、営業担当者が柔和な人だと見抜いたらしく、「お前も家族を持っている男だろ。自分のミスは自分で責任を取れ。会社に迷惑をかけるな」と語ったそうだ。
彼としては、「自分のミスで会社に迷惑をかけたくない」との一心だった。
 そのため、クレーマーからの揺さぶりとはわからずに、話を鵜呑みにしてしまった。
クレーマーは、彼に「会社や家族に迷惑をかけないよう話すな」と諭すように伝えていたようだ。
まじめな彼は言われるがままに賠償の名目で金銭を支払うことになった。

 こういったとき、クレーマーはいきなり多額の請求をしてくることはない。
個人で支払えるくらいの数万円を執拗に求めてくる。
「少しずつ、ずっと」というのがこの手のクレーマーが求めるものだ。
担当者の彼としてはあとになって怖くなった。
 いつまでも支払えるわけがない。
いつかは家族にばれてしまう。
そこで「何とかしてほしい」と藁にもすがる思いで相談にやってきたというわけだ。

■個人ではなく、会社として対応する
 私は「このままではお受けできません」ときっぱり答えた。
助けを求めていた彼にとっては絶望的な響きだったかもしれない。
彼が最初にするべきことは、自分の口で事情を社長に説明することだった。
彼にしても、「クレーマーからの要求を隠蔽していた」という問題点があるからだ。
 これは彼自身が自分で説明しなければならない。

弁護士が代わりに社長に説明すれば話は早いだろうが、そんなことをしても彼のためにならない。
同じことを繰り返すことにもなりかねない。
彼をかわいそうな社員としてとらえることは簡単だが、かわいそうというだけでは問題の解決にはならない。
 安易な同情は、ときに問題を見誤らせる
彼は意を決して、自分のしたことをありのまま社長に説明した。
社長は青天の霹靂で、すぐに彼とともに相談に来た。
「会社として正式に依頼したい」とのことであった。

 そうなれば、あとの行動はシンプルだ。
すぐに内容証明郵便でクレーマーに「社員には二度と連絡をとってはならない。何かあれば弁護士が対応する」と通知した。クレーマーからは、二度と連絡はなかった。

■担当者を孤独にさせてはいけない
 クレーマーの担当者は、第三者が感じているよりも孤独な立場にある。
クレーマーからの執拗な電話を受けつつ、日頃の業務もこなさなければならない。
周囲の同僚は「大変だね」と声をかけてくれるが、具体的なサポートをしてくれるわけではない。
 しかも、まじめな人ほど周囲に助けを求めることを躊躇して、「自分で何とかしなければならない」という気持ちになる。クレーマーは、そういった孤独な立場をかぎ取って活用することに長けている。

いったんクレーマーの要求に応じてしまうと、「やってはいけないことに手を出した」という歪な連帯感がクレーマーとの間にできてしまう。
 結果としてさらなる不当な要求にも応じてしまうために会社の金銭に手をつけてしまうことすらある。
「会社のために」と頑張っている人が違法なことに手を染めるようなことがあってはならない。
どんなことがあっても担当者を孤独にさせてはいけない
そのためにも担当者との綿密な情報共有が必要である

■周囲を使って担当者を間接的に追い込む
 誰かを攻めるとき、相手を直接的に攻撃するよりも、周囲の者を通じて間接的に攻撃し たほうが効果的なケースがある。
これはクレーマーもよく利用する方法だ。
 クレーマーは、断固とした姿勢を貫く手堅い会社をいかにして崩していくかについて思 案している。
繰り返し攻めたところで芸がない。
そこで会社が信頼している者、あるいは頭の上がらない者をあえてターゲットにして、プレッシャーをかけてくる。
 そうなると「あなたのところの苦情がうちにやってきて困っている。早く解決して」と第三者から言われてしまうことになる。
こうなってくると、せっかくクレーマーに対して毅然とした対応をとっているのに後ろから矢が飛んでくるようなものだ。

■フランチャイズ本部経由で間接攻撃をかける
 あるフランチャイズの飲食店を展開する会社では、中年男性から「買い物袋を店舗に忘れたが、見つからないから責任を取れ」という趣旨のクレームが入った。
会社として調べる限り忘れ物はなかったので、その旨を店長が説明した。
それから男性からの執拗な電話や面談要求が始まった。
 会社としては、クレーマーに対して「いかなる賠償にも応じない」という姿勢を貫いて いた。
根拠のない要求に賠償として応じていたら終わりがない。
飲食店はもともとクレームを受けやすい業種である。

 クレーマーは、自分の想定通りに物事が展開しないことにかなりいら立っていたようだ。
そこで作戦を変更して、間接攻撃に切り替えた。
フランチャイズ本部に対し、「○○店の対応は明らかにおかしい。本部としていかなる責任を考えているのか」という苦情を申し入れた。
 フランチャイズの本部に、個々の加盟店の事情などわかるはずがない。
「顧客」と名乗る者から苦情が入れば、「承知しました。確認したうえで早急に店舗から連絡させていただきます」といった形式的な扱いをすることが多々ある。

 本部からは「早急に鎮静化せよ」という曖昧な指示のみが繰り返された。
加盟店としては、今後の契約もあるため、本部に対して「そのような対応はおかしい」と声をあげることもできない。
結果として本部とクレーマーの板挟みになってしまう。
この事案では弁護士名で通知を出して解決した。

■第三者への対応でますます疲弊する現場
 こういった間接的な追い込みは他にもある。
あるサービス業の会社では、加盟する上部団体の協会の窓口に苦情を持ち込まれた。
管轄する行政庁に苦情を言われたケースもある。
 いずれにしても担当者は、クレーマーのみならず第三者への対応も余儀なくされるために疲労困憊する。
「なぜ自分だけ、こんなことをしないといけないのか」という虚無感に襲われることになる。
しかも第三者に対しては、事細かな報告書の提出を求められることもある。
ただでさえ忙しい担当者は、このような報告書の作成にさらに時間を取られてしまう。  

あなたがクレーマーの担当者であったならば、まずどこを攻撃されたら辛いかを考えてみてほしい。
「ここから指導が入ったら大変だな」と感じるところである。
そこがあなたにとっての弱点であるし、クレーマーに狙われやすいところでもある。
それは本部かもしれないし、取引先かもしれない。

■状況を開示して、周囲を味方につける
 間接的な攻撃は、企業が大きくなればなるほど敏感になってくる。
最近相談が増えてきたSNSなどを使った攻撃も、広い意味では間接的な追い込みのひとつである。
すでに間接的な追い込みに悩んでいるのであれば、弁護士に相談したほうがいい。

 「すでに弁護士に相談しています。
ご迷惑をおかけしますが、クレーマーからの不当な要求には応じませんのでご協力ください」と説明するだけで納得してくれる関係者も少なくない。
しかも一般の方なら、「弁護士に依頼している」というだけで「この人も大変だな」と同情してくれる。

 こういった状況に陥らないためには、クレーマーとのやりとりが始まった早い段階で周 囲にも状況を事前に伝えておくことだ
「こういったクレーマーを相手にすることになりました。
もしかしたら、ご迷惑をおかけするかもしれません」と一報を入れておくだけで相手の対応は同情的なものになる。
 いきなり苦情が来るから相手としても驚くわけであって、事前にわかっていれば心構えもできて、背後からこちらに矢が飛んでくることを回避できる。

----------
島田 直行(しまだ・なおゆき)
島田法律事務所代表弁護士
山口県下関市生まれ、京都大学法学部卒、山口県弁護士会所属。
著書に『社長、辞めた社員から内容証明が届いています』(プレジデント社)がある。
----------
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月11日

上手に節約できて我慢や無理をしなくて済む「極意」とは

上手に節約できて我慢や無理をしなくて済む「極意」とは
2019.12.10 ダイヤモンドオンライン
大江英樹:経済コラムニスト

こまめな消灯で 本当にお金は貯まるのか?
 世の中が不景気になってくると「節約」が話題になることが増えてくる。
書店には節約のノウハウを記した“節約本”が出回るようになるし、ファイナンシャルプランナーの中にも「節約」指南が得意な人たちもたくさんいる。

 実際に節約本などを見ると、“電気はこまめに消す”だの、“風呂の残り湯の利用法”だのといった、実に細かいことがたくさん書かれている。
筆者はサラリーマンだったので、こういう節約ノウハウを見ると、業績悪化時における企業の予算削減と非常によく似ていることがよくわかる。

 業績が悪くなってくると真っ先に削られるのが3Kと言われる「交通費」「交際費」「広告宣伝費」だ
その理由はわかりやすいからで、「タクシーは使うな!」「飲み会は禁止!」「広告はなし!」等々、いずれも目に見えて、とてもわかりやすいものばかりである。
 しかしながら、企業が本格的にコストを下げるための構造改革をしようと思うなら、その方法はたった2つしかない。
1つは製造業の場合、「製造原価を下げること」、そしてもう1つは「業務プロセスの効率化」だ。
 人員削減なども、こうした施策を検討した結果として出てくる方法論の1つにすぎない。

ところが、この2つを実行するためには時間もかかるし、自社のみならず取引先との交渉なども必要になってくるため、すぐに実行することは困難だ。
そこでわかりやすい3Kが登場してくるのである。  

さらにもっとバカバカしいのは、「コピーで裏紙を使え」とか、揚げ句は「トイレットペーパーを二重から一重にしろ」といった類いの指示だ。
社員の気持ちを引き締めたり、危機感を植え付けたりするという意味においては一定の効果は見込めるかもしれないが、こんなことでまとまった経費削減の効果が上がるとはとても思えない。

 家計においてもこれは同じで、前述した電気の消灯とか風呂の湯の再利用などは、実行することで「自分はこんなに頑張ってるんだ」という意識を高める心理的効果はあるだろうが、実際に経済的な面で判断するとそれほど効果は高くない。
 節約するということ自体、別に悪いことではないが、節約するだけでは決してお金を貯めたり増やしたりすることはできない。
お金を増やすためには具体的に目に見える形でキャッシュフローが生まれ、それを別の方法で貯蓄なり投資なりをしていくことが必要だ
つまり具体的な金額目標を設定して、節約したものを金銭に換算していかなければ、何もならない

本当に節約すべき項目を多くの人は見ていない
 ところが節約は、往々にしてそれをすること自体が目的化してしまっていることが多い。
さらに節約するというのは“必要なものでも買わない” “欲しいものでも我慢する”というニュアンスがある。
すなわち結構、心の苦しみや不満を伴うのである。
ストイックに節約するのは、一時的に効果があったとしても決して長続きはしないだろう。

 家計において節約とか無駄をなくすということを実行する場合、多くの人は明らかに間違ったやり方をしている。
というのは支出には「管理可能なもの」と「管理不能な支出」があり、多くの人は前者を削ろうとしているのだ。
 ではこの両者の違いは一体どこにあるのだろう。

そもそも管理可能な支出とは一体どのようなものか、それは外食や趣味・娯楽費、あるいは交際費などもそれに含まれる。
これらはいずれも自分で金額を調節できる。
回数を減らしたり、内容を少しレベルダウンしたりすることで金額を減らすことは可能である。
ところが、これらの項目は、言わばいずれも「楽しむための支出」である。
それらを減らすのだから楽しいはずがない。
気分もどこか暗くなるだろう。
それでも背に腹は代えられないと、多くの人が我慢してこうした「管理可能な支出」を削っているのである。

 一方、「管理不能な支出」とはどういうものかと言えば、各種会費や保険料、固定料金のサービスなどがこれにあたる。
いずれも金額が決まっているので交渉で減らすことは困難だ。
そこでこういう支出には手をつけず、前者の自分で削れる経費を削ろうとするのだ。

 しかしながら、ここで発想を変えてみてはどうだろうか。
管理不能な支出を減らすのではなく、なくしてしまうのだ
具体的に考えてみよう。例えば会費で言えば、スポーツジムなどが代表だろう。
毎週熱心に通っているのであれば問題はないが、会員にはなっているもののほとんど利用していないということはないだろうか?
あるいは、以前に契約したままで全く見直しのされていない保険もそうだ。
 こうした支出はあまりチェックすることなく、払い続けているケースも多い。
本当に利用しているのか、あるいは本当に必要なのかどうかを、よく検討してみる必要がある
その上で必要なら続ければいいが、多くの場合、こうした管理不能な支出の中に多くの無駄が潜んでいる。

「我慢」しなくても 節約はできる!
 さらに言えば、前者の管理可能な支出の多くは、人生を楽しむためのものだから削るとなると寂しい思いをするのは、前述した通りだ。
これでは、一体何のために働いているのかわからなくなってしまうだろう。

ところが、後者の支出はなくしても生活感にはほとんど変化がない。
つまり、節約をしているという感覚を持たなくても支出が減るというメリットがあるのだ。
 実際に子どもが独立して夫婦2人の生活になっているにもかかわらず、多額の保険に入り続けていたり、定年になって時間はたっぷりあるから、ネットで調べたり、図書館に行けばいいのに、現役時代の習慣で、新聞や雑誌を取り続けていたりするのも見直すべきだろう。
そう、管理不能な支出こそなくすべきなのだ

 このように、ひとくちに節約と言っても、そのやり方やどれを対象とするかによって気分は大きく変わってくる。
 どうも節約というのは、欲しいものでも我慢するというイメージがつきまとう。
でも本当に大事なのは節約ではなく「無駄をなくす」ということである

冒頭で紹介した企業の経費節減の例においても、本質を考えるのではなく、目についたもの、わかりやすいものを節減することにいきがちだ。
 なんでもかんでも節約という感覚にとらわれるのではなく、本当に必要なものとそうでないものを峻別し、実効性の高いものから取り組んでいくことが大切なことではないだろうか
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月12日

153カ国1万1000人の科学者が「気候変動のヤバさ」を連名警告

153カ国1万1000人の科学者が「気候変動のヤバさ」を連名警告
2019.12.10 TOCANA  文=仲田しんじ

 残された時間は刻々と減るばかりで――。
153カ国1万1000人以上の科学者が名を連ねて「深刻化する気候変動への取り組みを今すぐ始めなければならない」と宣言している。
そこには、喫緊に着手しなければならない6つの対策があるという。

■待ったなしの気候変動への取り組み
 気候変動の影響について世の中に警告を発することは、今や科学界の「道徳的義務」であることが、先ごろ「BioScience」で発表された研究論文で力説されている。
環境問題への取り組みには、もはや一刻の猶予も許されないのだ

 研究論文の共著者で米オレゴン州立大学の名誉教授であるウィリアム・リップル氏は、「気候変動はかなり深刻で、科学者の予想よりも速く加速するため、私たちは共同で気候緊急事態を宣言しました」と米オンラインメディア「Vice」に話している。
「それは自然の生態系と人類の運命を脅かしています。
私たちの多くは、対策を講じるための時間すらなくなっていると感じています」(リップル氏)

 世界科学者同盟(Alliance of World Scientists)の科学者1万1333名が賛同の署名をした同研究では、太陽光や風力など再生可能エネルギー源の普及をはじめとする環境問題へのいくつかの長期的な取り組みが、必ずやポジティブな改善につながることを指摘している
気候変動への対策はまだ間に合うというのだ。

 しかし、現在のままでは進捗は遅すぎて「語られていない問題」を防げる確率は低いという。
たとえば、アマゾン熱帯雨林での森林面積の縮小には歯止めがかかっていない。
 この緊急事態に適切に取り組むために研究チームは、再生可能エネルギーの使用、短寿命気候汚染物質の削減、自然保護、植物由来の食事の促進、搾取的な経済システムの否定、 持続可能な世界人口の維持と以上6つのソリューションを掲げている
「断片的な解決策ではなく、社会が健全に機能し、自然と相互作用する方法に本質的な変化をもたらすことができる6つの解決策を提案します。
これらはそれぞれが相互に関係し合うものでもあります。
社会、環境、および気候の問題は体系的であり、互いに依存しているので、全体的な解決策が必要なのです」(リップル氏)

■同時に進められる6つのソリューション  
では必要とされているこの6つの取り組みとは具体的にどのようなものなのか。

●再生可能エネルギーの使用
 化石燃料の排出が気候変動の主因であることを考えると、温室効果ガスを排出するエネルギー源から低炭素エネルギー技術へと迅速に切り替える必要があると研究チームは言及している。

●短寿命気候汚染物質の削減
 長いもので数十年間は大気中にとどまる化合物である「短寿命気候汚染物質(short-lived climate pollutants)」の放出を止める集中的な努力も、気候変動の改善に大きな影響を及ぼす可能性がある。
たとえば、メタン、ブラックカーボン、およびハイドロフルオロカーボンの放出を今後数十年で半分に削減することで、短期的な温暖化の進行に歯止めをかけられる可能性があるという。

●自然保護
 健全な野生の生態系は気候の安定化に役立つため、自然環境と豊かな生物多様性を維持することは今後必要不可欠である。海洋および陸生の生息地の両方で栄養素を循環させ、大気中の炭素を封印し、絶滅の危機にある生態系の回復に取り組みながら、同時に既存の生息地を維持するためにすべき2つの努力を研究チームは提案している。

●植物由来の食事の促進
 食肉産業は温室効果ガス排出の最大の原因の1つであるため、研究チームはより多くの人々が植物由来メインの食生活に切り替えるとともに、食品廃棄物を削減する努力を行わなければならないと力説している。

●搾取的な経済システムの否定
 生態系および環境へのダメージを考慮して経済システムを再構築するという目標は、ほかのすべてのソリューションのバックボーンになっている。
「我々は、人間の健康と環境の保全に対する開発と資源抽出の実際の影響を説明する新たな経済学を必要としています」とリップル氏は語る。

●持続可能な世界人口の維持
 最後のソリューションは、人間の幸福のために世界的な人口増加を安定させることである。
研究チームは世界人口の安定のためには女性の生殖の自由を保証した上で、女性へのジェンダー教育の拡大を達成すべきとしている。

■大量生産&大量消費社会の抜本的見直し
 これらのソリューションはすべて、これまでの消費社会を前提にした我々のライフスタイルの大きな変更を必要としている。
エネルギーを浪費し、モノを作り続け、絶えず移動と流通を必要とするこれまでの我々の生き方の全面的な見直しが求められているのだ

「幸いなことに、このような変革的な変化は、すべての人々に社会的および経済的正義をもたらし、通常のビジネスよりもはるかに大きな人間の幸福を約束するものになります。
意思決定者とすべての人類がこの緊急事態の警告と宣言に迅速に対応し、私たちの唯一の故郷である地球で生命を維持するために行動すれば、改善の見込みは最大になると信じています」(研究論文より)

 大量生産、大量消費で回っている今日の我々の社会とライフスタイル、生き方に“待ったなし”の変更が求められているようだ。
参考:「Vice」、ほか
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月13日

「反社の定義は困難」…もはや安倍政権は「末期症状」というしかない

「反社の定義は困難」…
もはや安倍政権は「末期症状」というしかない
12/12(木) 現代ビジネス(伊藤 博敏)

「定義は困難」というご都合主義
 政府は、10日、「桜を見る会」で改めて問題となった反社会的勢力(反社)に関し、「その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであり、限定的かつ統一的に定義することは困難」とする答弁書を閣議決定した。
立憲民主党の初鹿明博代議士の質問主意書に答えたものだ。

 入れ墨の入浴写真をSNSにアップしている人物が、「桜を見る会」で菅義偉官房長官とツーショット写真を撮っていることが判明。
 以降、安倍晋三首相や菅氏が、国会や記者会見で反社との関係、反社と「桜を見る会」に関して問われることが多くなり、耐えかねたように「定義は困難」としてしまった。
 とんでもない「逃げ」であり、「ご都合主義」である。

反社の定義とは?
 政府は、07年6月、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を公開した。
その際、示された反社の定義は、以下のような属性を持つものとされた。  

・暴力団
・暴力団関係企業
・総会屋
・政治運動標ぼうゴロ
・社会活動標ぼうゴロ
・特殊知能暴力集団  

このうち明確に認識できるのは、暴力団と総会屋だった。
いずれも組織に属していることを隠さない。
その「看板」が、シノギ(収入)に直結するからで、取り締まる警察サイドも容易に構成員を把握できた。
 だが、それも「昭和」の時代までで、「平成」に入ると、総会屋は商法改正で追い詰められ、暴力団は暴力団対策法によって食えなくなっていった。

 既に両者は絶滅危惧種。
かつて1万人はいた総会屋は数十人と激減。
8万人を超えていた暴力団の構成員は、1万5600人(18年末)となった。
 いずれも正体をさらしていたから放逐されたのであり、逆に見分けがつかない暴力団関係企業、政治と社会の活動ゴロ、特殊知能暴力集団は、その実態も含めて見極めが難しく、減ってはいない。

 しかし、企業は「指針」が公開されて以降、コンプライアンス(法令遵守)を強化、社内管理体制を整え、取引先のチェックを入念に行い、暴力団排除条項を設けるなどして、関係遮断に努めてきた。

 官公庁も入札などから暴力団関係企業の排除に努め、個人であってもプロスポーツ選手、歌手、芸能人など社会的影響力がある人物は、交際を断たねばならなくなった。

島田紳助氏の事例が示すこと
 だが、現実に選別は難しい。
暴力団系企業が、資本や役員から暴力団の色を消せば判断は難しく、運動標ぼうゴロといっても正当な活動との見極めは容易でない。

 振り込め詐欺や違法金利の闇金、株価操縦の仕手筋などを特殊知能暴力集団というのだが、そういう連中に限り、表向きは立派なオフィスと経歴の立派な役員を用意、取引相手や投資家を欺いている。
 それでも、行政、企業、個人は、それぞれに反社との関係を遮断、関りを持たないように注意を払ってきた。
 特に、11年に暴力団排除条例が全国施行されてからは、反社との密接交際者(社)は、反社の側に認定されることになり、反社同様、表社会から“抹殺”されることになった。

 その端的な例が島田紳助氏で、ほかにも富士通元社長の野副州旦氏が反社との関係で辞任に追い込まれるなど、企業も個人も本気の取り組みを余儀なくされた。

コンプラ強化が暴力団系企業を増やす
 だが、一方で、反社の側にも取材対象者の多い私は、それがどれだけ困難な取り組みかを痛切に感じていた。
 暴力団と認定されては食えないために、暴力団構成員は続々と引退、不動産、金融、飲食、芸能などそれぞれの分野でカタギの生活を始めている。
 通常は、引退後、5年で暴力団登録を外すということになっているが、現実には「元暴力団」の肩書は、一生ついて回り、表社会から排除されないためには、自身は裏に回らざるを得ない。
つまり、コンプラ強化の時代は、暴力団系企業を逆に増やす。

 また、かつては暴力団に収斂されていた世代が、暴力団では食えないために、半グレとなり、企業を立ち上げ、暴力団と同じ力を背景にのし上がっている。
これも反社だが、認定は容易ではない。

 国家が、厳しく反社との決別と対決を国民に要求、それにコンプラ強化という形で応えてきたのが、指針公開後の12年だった。

宮迫博之の闇営業を笑えない理由
 だが、反社認定の難しさという矛盾が生んだのが、吉本興業の闇営業である(闇社会を長年取材をしてきた私が「吉本興業騒動」を笑えない理由)。
 私が、宮迫博之の闇営業を笑えないのは、その認定の難しさであり、文中の結語にも書いたように、<何をもって反社とし、どこまでの関係が許されるのか。
その統一した考えを持つべき時に来ている>のである。

 つまり、強化すべきは、「反社の定義」の再考であり、厳格化である。
 ところが政府は「定義は困難」という現実に逃げた。
これでは、反社排除というルールのなか、右代表のような形で、排除されていった島田、野副、宮迫などの各氏は立つ瀬がない。
 また、行政や企業がコンプラ強化のための整備にかけた費用や時間が、意味のないものになりかねない。

 「花見を見る会」の反社も同席した“緩さ”は、人気商売の政治家が抱える宿命のようなもので、反社にも人権と1票はある。
「安倍1強」の批判者である私も「桜を見る会」に「安倍枠」で出席。
その“緩さ”は、先週、お伝えした(「桜を見る会」に「首相枠」で出席した私が抱く大きな違和感)。

 だが、その活動を認めないという「国家の指針」が、反社を招いて批判されたからといって、「定義は困難」と、揺らいではいけない。
ご都合主義もここに極まる。
政権の末期症状というしかない。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月14日

第8回ブラック企業大賞2019 ノミネート企業発表!

第8回ブラック企業大賞2019 ノミネート企業発表!
2019.12.13 ブログ「ブラック企業大賞 」より

2019年12月13日、ブラック企業大賞実行委員会は、2019年のブラック企業大賞のノミネート企業9社を発表いたしました(以下、50音順)。
ウェブ投票も開始しましたので(〜12月22日20:00締切)、ぜひご参加ください。

1.KDDI株式会社
KDDI株式会社は契約数で国内2位の携帯電話ブランド「au」を展開する通信事業者である。
同社では2015年9月に入社2年目の20代社員が、過労死ライン以上となる月90時間を超える残業をした末に自死する事件が発生した。
労働基準監督署からは労働時間のほか仕事量や勤務内容の変更、さらに指導を行った上司とのトラブルが強い心理的な負担になったと判断され、2018年5月に労災と認定された。

また、同年6月には労基署からサービス残業についての是正勧告とメンタルヘルス対策の改善などについての行政指導も受けた。
さらに同社は上記社員が亡くなった後の2017年9月、労基署から長時間労働やサービス残業についての是正勧告を受けたことから全社員を対象に未払い賃金の有無に関する調査を実施。
この結果、従業員4613人に対し計約6億7千万円(15年と16年の2年分)の残業代が未払いとなっていた事実が判明し、2017年11月に清算した。

こうした一連の事実について同社はこれまで公表してこなかったが、上記過労自死遺族との話し合いを経て、今年3月29日にようやく公表に踏み切ったことを明かしている。
20代社員の自死という事態の重大さ、同社によって残業代を搾取された従業員の数や金額の大きさもさることながら、日本を代表する企業が、自らの不祥事を長年にわたり隠蔽してきた行為の重さも考慮してノミネートした。

2.株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
セブン‐イレブン・ジャパンは総店舗数2万店超、チェーン全店で4兆8000億円以上を売り上げる日本最大のコンビニチェーン「セブン‐イレブン」の運営企業である。
2019年12月、同社は全国のフランチャイズ加盟店から「代行」して支払っていたアルバイト・パートらの残業代の一部が少なくとも1978年から未払いだったと発表した。
対象となるのは本部にデータが残る2012年3月以降だけで8129店の計3万405人、未払い額は遅延損害金を含めて4億9000万円に上るとされる。

 同社では加盟店従業員の残業代が70年代から未払いであった事実を、2001年に加盟店が労基署から指摘を受けたことで把握。
だがこの際に導入した時間外手当の計算式に誤りがあり、この後も労基法が定める5分の1の残業代しか払ってこなかった。その間、未払い賃金の精算は行わず、労基署が加盟店に是正勧告した今年9月まで違法な状態が続いていた事実も公表してこなかった。

なお同社に対して本実行委員会は2015年、主に加盟店に対する不公正な扱いを理由に大賞を授けているが、2019年には同社の加盟店オーナーが契約内容に関する告発を立て続けにメディアを通じて行い、9月には公正取引委員会がコンビニ業界の実態調査を行う方針を明らかにしたほか、11月には本部社員が加盟店に無断で商品発注していたことも発覚した。
ただでさえ低賃金にあえぐ非正規労働者の賃金を永年にわたり搾取し、その事実を隠蔽したことの重大性に加え、対加盟店の関係でも依然多くの問題を抱える同社の状況を憂慮し、再びノミネートした。

3.株式会社電通
株式会社電通は広告代理店として日本において最大手企業である。
報道によると、2019年9月、同社は、2018年の社員の違法残業や、残業時間の上限を定める労使協定(36協定)の違法な延長などを指摘され、労働基準法と労働安全衛生法に違反したとして三田労働基準監督署から是正勧告を受けたという。
周知のとおり、同社は、2017年10月に労基法違反の有罪判決が確定している。
それにもかかわらず、その後の状態について是正勧告が出されたことになる。

既に、同社は、2010年から15年にかけて、全国各地の労基署から是正勧告を受けている。
さらに、2015年12月には、新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が自死し、2016年9月に労災認定されている。
電通では、「殺されても放すな、目的完遂までは……」などの『鬼十則』に象徴される経営側の精神訓の下、16年前には入社2年目の男性社員の自死が過労死と認定され、6年前にも30歳の男性社員の病死が過労死と認定されている。
こうしたことから「ブラック企業大賞2016」の大賞を受賞した経歴もある。
このように、同社は多数の過労死の被害者を出し、労基法違反の有罪判決を受け、社会的にも大きな批判にさらされているにもかかわらず、再び複数の違法行為で労基署から是正勧告を受けたという悪質性に鑑みノミネートした。

4.株式会社ロピア
株式会社ロピアは神奈川県藤沢市に本社を置き、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県に47店舗(2019年11月現在)を出店するスーパーマーケットチェーンである。
同社では2018年6月、ロピア店舗の食肉部門に勤務する男性が、3000円相当の精肉商品をレジで精算することなく持ち帰ったところ、会社が警察に通報して懲戒解雇処分とした。
さらにこの男性の自宅付近の店も含む全店舗において、男性を名指しの上で「窃盗を理由に懲戒解雇した」という掲示を行った。
男性は会計せずに持ち帰ったのは単なる過失であったと主張し、解雇の撤回などを求め横浜地裁に提訴。
2019年10月10日には裁判所がその訴えを認め、解雇の無効と解雇日から判決までの給料支払い、さらに掲示による名誉毀損の慰謝料として77万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

さらにこの裁判を通じては、男性が経営に関する権限がない一般従業員であったにもかかわらず残業代が支払われない「名ばかり管理職」であったことが確認され、横浜地裁は未払い残業代約100万円の支払いも命じている。
わずか1つの事件のうちに、ブラック企業でありがちな事象がいくつも見られる事例であることからノミネートした。

5.長崎市
長崎市は、地方自治法1条の3に基づく普通地方公共団体である。
同市では、2007年7月、原爆祈念式典に向けての取材にあたる女性記者に同市の原爆被曝対策部長(当時)が性暴力をふるうという事件が発生した。
同年10月頃、長崎市は関係者に対して内部調査を開始した。
ところが、その直後、当該部長は自殺してしまい、結局、調査は加害者の主張のみを聴取するにとどまったまま終了してしまった。
田上富久市長は記者会見を開き、当該市幹部が自死したことと記者へのわいせつ行為についての報道などで混乱を招いたことを詫びた。
しかし、被害者への謝罪はなかった。

2014年、日本弁護士連合会(日弁連)において「職務上の優越的地位」を濫用して市幹部が女性記者に対して性暴力をふるい、女性への人権侵害があったこと、さらに別の市幹部も被害者を貶める虚偽の情報を広めて二次被害を引き起こしたこと、そして同市がこれを放置したことを認定し、同市に対し、女性の名誉回復に向けた謝罪文とさらなる性暴力の防止策を徹底するよう勧告した。
しかし、同市は、日弁連の調査は不十分であるとして勧告を受け入れなかった。
その後も同市の態度は変わることがなかったため、2019年4月、女性は損害賠償を求めて同市を提訴した。

圧倒的な力関係の中で情報を引き合いにして報道記者の人権と自由を奪うことは、報道の自由だけでなく市民の知る権利をも侵害する。
世界的に#MeToo運動が広がる一方で、同じく世界に知られる平和都市・長崎が被害者への謝罪も救済もしていない。
そればかりか、今でも市議会においてこの問題が出ると「被害者はどっちだ」などとヤジが飛び、二次被害ともいえるような状況がつづいている。
このような状況となっている点からノミネートした。

6.トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社は、自動車の生産・販売を主な事業とする世界的企業である。
報道によると、2015年4月に入社した男性社員は、2016年3月に本社配属された翌月から、日常的に上司から「バカ、アホ」と言われ、「こんな説明できないなら死んだ方がいい」とも言われたという。
また、個室に呼び出されて「俺の発言を録音していないだろうな。携帯電話を出せ」などと詰め寄られたこともあった。
その後、同社員は3カ月間休職。復帰したものの「死にたい」などと同僚に漏らすようになり、2016年10月に社員寮の自室で自死した。
死亡時28歳だった。
男性の死後、遺族は豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)に労災申請した。
2019年9月、豊田労基署は、男性はパワハラが原因で適応障害を発症し、職場復帰後も治癒していなかったとして、男性の自死を労働災害として認定した。
また、同社では、2002年にも過労死事件が発生している。
パワハラが社会的に大きな問題になる中で、日本を代表する大企業が新入社員を短期間に自死まで追い込んだ事案であり重大であることからノミネートした。

7.三菱電機株式会社
(メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社)
三菱電機株式会社は、家電から発電機まで様々な電気製品を製造するメーカー企業であり、我が国の代表的な大企業である。また、メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社(以下「MSEC社」)は、三菱電機パワーデバイス製作所(福岡市)内に本社を置く三菱電機の子会社であり、MSEC社の役員の過半数は、三菱電機の社員であるという。

報道によると、2017年末、MSEC社では、当時40代の技術者が自死し、2019年10月に但馬労働基準監督署(兵庫県豊岡市)によって長時間労働による労災であると認定された、とのことである。
三菱電機グループでは、2014年以降に、社員が自死したり精神障害を発症したりしたケースが判明したのは、これで3人目となる。
また、三菱電機では、2014年〜17年にシステム開発の技術者や研究職の男性社員5人が長時間労働が原因で労災認定され、うち2人が過労自死だったことも報道されているところである。
こうしたことから、三菱電機は、「ブラック企業大賞2018」の大賞を受賞した経歴もある。

複数の過労自死を出した大企業の子会社において、新たな過労自死が発生していることは重大であることから、三菱電機及びその子会社であるMSEC社をノミネートした。
なお、三菱電機では、20代の男性新入社員が2019年8月に自死し、教育主任だった30代の男性社員が自殺教唆の疑いで兵庫県警三田署によって神戸地検に書類送検され、自死の現場には、教育主任から「死ね」などと言われたことなどを書いたメモが残されていたとの報道もなされおり、衆目を集めたところでもある。

8.吉本興業株式会社
吉本興業株式会社は1912年(明治45年)に創業され、お笑い芸人を中心に総勢6000人以上のタレントが所属する日本最大級の芸能プロダクションである。
今年4月の新聞各紙報道によると、同社および同社の子会社は従業員に過労死ラインを超える月100時間を超える残業をさせていたことから2012年3月に新宿労基署から是正勧告を受けた。
また2018年8〜9月には、就業規則を変更したのに労基署に届け出ていなかったり、休日勤務の割増賃金を十分に払っていなかったことなどから再度是正勧告を受けた。
さらに今年6月以降、同社に所属する複数のタレントが振り込め詐欺グループの宴会に金銭を受け取って参加していた所謂「闇営業」問題が発覚したが、この騒動が報じられる過程では同社と、同社にマネジメントを委託する所属タレント間でのギャランティ配分が不公平であること、またタレントとの間で正式な所属契約書をかわしていないことなどが指摘され問題になった。
さらに、同社社長の所属タレントに対する言動がパワハラであるという指摘がなされ、議論を呼んだ。

近年、芸能界において多くのタレントが所属事務所との間で不公平な契約を甘受させられ、契約解除したタレントに対しては事務所が放送局などに圧力をかけ出演できなくすることもあるとされるなど、「芸能界における労働問題」がクローズアップされている。
また、タレントの労働者性についても様々な議論がある。
そうした問題の、ひとつの象徴事例として同社をノミネートした。

9.楽天株式会社
楽天株式会社は、ネット通販「楽天市場」を展開するなどインターネット関連の幅広い事業をおこなっている企業である。
報道によると、2016年6月、当時、社員だった男性は、会議で激高した上司から首付近をつかまれ、壁際に押しつけられたという。
その際、頸髄を損傷して手足にまひが残り、うつ病を発症して現在も療養している。
男性によれば、社内のパワハラ相談部署に掛け合ったが調査されず、配置転換の希望も受け入れられなかったため、暴行の1か月後に退職せざるを得なかった、とのことである。

男性は、渋谷労働基準監督署に労災申請をおこない、2017年8月、渋谷労基署は労災認定した。
男性は、楽天株式会社に対して、「会社として責任を認めてほしい」と求めている。
会社内での暴行事件は、零細企業において発生した前例は相当数存在するが、プロ野球球団を運営するような大手企業において、しかも会議中に暴行事件が発生するなどという事案は極めて稀である。
大企業における企業内暴行事案として看過できないためノミネートした。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

血液クレンジングは「即刻禁止にすべき」

血液クレンジングは「即刻禁止にすべき」
透析専門医が警鐘、有名人を利用し国民に拡散
2019.12.12 Business Journal
文=ヘルスプレス編集部

「血液クレンジング」という医療行為の是非をめぐって、さまざまな見解が飛び交った。
 ブロガーのはあちゅう、歌舞伎役者の市川海老蔵、教育評論家の尾木直樹氏、タレントの高橋みなみなどが、自身のインスタグラムやブログなどで血液クレンジングを受けてきたと報告し、一時期関心が高まった。
その後しばらく沈静化していたが、10月から再び医療関係者らから「トンデモ医療である」といった批判の声が沸き起こり、話題になった。

 10月21日にBuzzFeedが「『トンデモ医療であると、断言します』血液クレンジング、医学的に徹底検証してみた」と題する記事を出した。
この記事ではNIH(米国国立衛生研究所)で免疫学やウイルス学を専門とする峰宗太郎医師が、関係する論文を科学的に検証したところ「オゾンの医療利用は、医学的にははっきりとした有用性は極めて限定的であり、かつ弱いエビデンス(証拠)しかなく、ほぼ無効であろうと言えます」と結論づけている。

この記事の掲載以後、医療者や研究者の発言も増えている。

あまりにも適用範囲が広い、夢のような治療法
 血液クレンジングは、患者の血液を採血して「医療用オゾン」を混ぜ、再び自分の体に戻すという治療法で、実施しているクリニックのHPでは、次のような疾患を適応として挙げている。

「がん、悪性リンパ腫、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、アトピー性皮膚炎、エリテマトーデス)、線維筋痛症、ウイルス性疾患(B型・C型肝炎、HIV、パピローマウイルス、帯状疱疹)、慢性腎不全、慢性疲労症候群、脳神経退行性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、痴呆)、呼吸器疾患(肺気腫、COPD)、真菌感染症、眼科疾患(白内障、緑内障、加齢性黄斑変性症)、動脈閉塞性疾患(心筋梗塞、脳梗塞)、下肢静脈瘤、糖尿病(糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性壊疽)」

 適応範囲が広すぎ、“万病に効きます”と謳っているようにさえみえる。

透析専門医は「この治療法は即刻禁止にすべき」
 自らの血液を体内から抜き、手を加えて再び体内に戻すというこの治療法に対してそれほど抵抗が生じない理由のひとつは、非常に類似し、しかも保険診療として確立された治療があることだ。
 もっともよく知られているのは、慢性腎不全患者に対する血液透析療法だろう。
一般的に血液から不要、あるいは有毒な物質を除去する治療方法は「血液浄化療法」といわれ、血液透析以外にも血漿交換 、血漿吸着など、さまざまな方法がある。

 手法だけ聞くと、血液クレンジングもさほど異様な治療法だとは感じられないかもしれない。
しかし、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医の横山隆医師は、次のように語る。

「血液クレンジングに関しては、『まやかし療法』『野放図療法』『私たちを欺く治療』だと断言できます」
 その根拠として、以下の5つを指摘する。
(1)本療法に関する「有効性」を証明できる、エビデンスがない。
日本国内はもとより、欧米でも証明されていない。
医学雑誌でも、特にオゾンを使用した患者と偽薬(食塩水など)を投与した患者で、有意差をもってクレンジング療法の効果が認められたとの報告がない。
(2)HIV、インフルエンザウイルスの除去効果は、いかなる方法で証明するのか、また証明したのか、まったく不明。
(3)悪性腫瘍、白血病の免疫力を高めることによる治療効果についても証拠がない。
(4)心筋梗塞、狭心症についても、冠血流を改善する証拠がない。
(5)老化抑制に関しても、まったく証拠がない。

「血液クレンジング療法を我が国で、『自由診療』として行っているのは、公的病院ではなく、怪しいクリニックが<金儲け>を目的として、野放図に治療行為をしているのです。
許せないのは、医学的知識のない有名人に協力してもらい、この治療を国民に拡散させていることです」(同)

 さらに、透析専門医の立場から「血液クレンジングによって腎不全が改善でき、透析を不要とすることができれば、ノーベル賞級の治療法なのですが、残念ながらそれは現在のところ不可能でしょう。
この治療法は即刻禁止すべきです。規制は必要です」と主張する。

関係学会との連携で問題は解決するのか
 11月6日の衆議院厚生労働委員会で、血液クレンジングが取り上げられた。
厚生労働省は、その効果やリスクについて現時点では確認できていないとした上で、「関係学会と連携しながら情報収集を進めたい」との考えを示した。
 関係学会が、どの学会のことを示すかは不明だが、主にこの治療法を推奨する日本酸化療法医学会では、血液クレンジング療法について非常に詳しくその機序や論文等を掲載し、そのエビデンスがあると主張している。
この学会の説明だけを読んで、一般人がこの療法の是非を判断することは不可能だろう。
しかも、血液クレンジングを実施する医療機関の検索ページまであり、全国165施設(12月2日現在)あると紹介されている。
つまり、少数の特殊で実験的なクリニックのみで実施されている治療方法ではないのだ。

 医師には裁量権というものがあり、提供できる医療行為の制限はない。
だが、これだけの批判がある治療方法に関しては、そのエビデンスが妥当なものなのかきっちりとした説明責任を果たすべきだろう
そして医療界の多くが認め、可能であれば保険診療として提供できるように努力されるべきだろう。
ましてや、血液クレンジングのように多くの医療機関で実施されている治療法であれば、なおさらのこと学会などの責任は大きい。

患者のために客観的な評価指針やガイドラインの整備が必要  
あらゆる代替医療の有効性を徹底的に検証した大書『代替医療のトリック』(サイモン・シン&エツァート・エルンスト)でも、酸素療法に言及している。
「代替医療の酸素療法はどんなタイプのものも、信頼できる科学的根拠はないと言ってよい。
したがって、潜在的な危険性のほうが、主張されている効果よりも大きいことは明らかだろう。
結論は明白だ。
酸素は、通常医療ではさまざまに利用されているが、代替医療における役割は、生物学的には考えにくい説にもとづいている。
代替医療の酸素療法は有効性が示されていないばかりか、有害にもなりうる。
この療法は受けないようにしよう」

 代替療法、民間療法、自由診療には同様にエビデンスのないもの、曖昧なものが多い。
したがって、当然のことながら積極的に推奨はされるべきではない。
しかし、標準医療で効果がない患者や、エビデンスのない、あるいは低い治療方法でも「この治療方法はいいと思う」「受けてみたい」「自分には効果があるかもしれない」「できる治療はなんでも試してみたい」などと考えることまでは否定できない
ケースによっては、追い詰められている切実な場合も少なくないはずだ。

 すべての保険外診療が否定されるべきではないだろうし、そのなかにも将来の標準治療になり得るものがあるかもしれない。
そうであれば、なんらかの客観的な評価情報や基準が求められるべきではないのか
そろそろこの分野にもEBM(根拠に基づく医療)の網がけを本格的に始動させる時期に来ているのではないか。

ニュースサイトで読む:
https://biz-journal.jp/2019/12/post_131593.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
posted by 小だぬき at 06:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月15日

辺野古土砂投入から1年、Coccoが新曲に込めた思い、村本の漫才との共通性

辺野古土砂投入から1年、Coccoが新曲に込めた思い、村本の漫才との共通性
2019.12.14 LITERA(水井多賀子)

 県民が国に叩きつけた意思に対し、黙れと言わんばかりに辺野古の海に土砂を投入する──。
安倍政権がその強権性を隠そうともせず全開にする辺野古新基地建設にともなう土砂投入を開始して、きょう14日で1年を迎えた。
 この1年も、安倍政権は沖縄に暴政のかぎりを尽くした
土砂を投入したのは、「辺野古新基地建設反対」を掲げた玉城デニー氏が与党候補に約8万票もの差をつけ沖縄県知事となって、わずか約2カ月半後のこと。
その後、安倍首相はNHKの番組で「土砂投入にあたって、あそこのサンゴは移している」などとフェイク発言をおこない、さらに安倍官邸は投入土砂に赤土混入の疑いがあることを追及する東京新聞の望月衣塑子記者を官房長官会見から排除しようと“恫喝”文書を官邸記者クラブに提示するにいたった。

 しかし、それでも沖縄県民はその大きな力に抗った。
今年2月24日におこなわれた辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票の実施を実現させ、7割超が「反対」という民意を示したのだ
だが、その圧倒的な結果が出た県民投票の翌日も安倍政権は海に土砂を投入しつづけ、「直接示された民意は何より重く、尊重されなければならない」と建設中止を訴える玉城知事に対し、安倍首相は「結果を真摯に受け止める」としながら「もはや先送りできない」と一顧だにせず。当時の岩屋毅防衛相は「沖縄には沖縄の民主主義があり、国には国の民主主義がある」とまで言い放った。

 声を上げつづけても、その声を国が無視をする
この非道、絶望感を、沖縄出身のアーティスト・Coccoが歌にしている。
10月に発売したアルバム『スターシャンク』に収録された、「2.24」という曲だ。
言うまでもなく、「2.24」とは県民投票がおこなわれた日を指している。

〈命(ぬち)あらばいいの? まだましだって言うの?/声を上げて 何も変わらずに〉
〈誰か聞いて 誰もいないの?/みんな聞いて 誰もいないんだって〉

 この曲に込めた思いをインタビューで訊かれたCoccoは、「県民投票が行われる直前に、できる限りの自己防衛というか、自分を防御する盾を作ろうとして生まれたんだと思う」と言い、こうつづけている。

「(辺野古の新基地建設に)ノーと言っても結局、国のイエスの答えは覆せない
(私も)40歳を過ぎてあきらめることがいっぱいある。
それでもノーと言うんだけど、そのたびにすごい敗北感を味わって、傷ついて、泣いた
でも、自分の子どもと同じくらいの選挙権を得たばかりの子たちは『ノーになるかもしれない』と本気で信じている。
それを見たときに、この子たちがまたショックを受けて泣くことになると思った。
この子たちが泣くことになる現実を受け止められない」(琉球新報11月8日付)

 一方、安倍首相がやっていることの卑劣さを、ウーマンラッシュアワーの村本大輔も8日放送『THE MANZAI 2019』(フジテレビ)で披露した漫才のなかで訴えた。

「沖縄県民の70%以上が新しい基地に反対したんですね。
それに対して安倍政権は『結果を真摯に受け止めます』ってそのまま工事を続けたんです。
『真摯に結果を受け止める』ということは一旦まじめに話を考えるということ。
『真摯に結果を受け止める』って言ってそのまま工事を続けるということは、僕は真摯に受け止めてないと思う。
あの日、雨が降ってました。
雨が降ってるなか、おじいちゃんもおばあちゃんも自分たちの孫の、沖縄のために一生懸命投票に行ったのに。
その結果に対して『真摯に受け止める』って言ってそのまま工事を続けたことが僕は許せなかった」

 このあと、村本はその沖縄への思いをTwitterに投稿して炎上し、ついには吉本の社員から“Twitterでケンカはやめろ”と言われた話につなげ、「『真摯に受け止めます』って言って、そのまま続けました!!」と見事にオチをつけたが、村本が漫才のネタ全体で訴えたのは「いつでも“みんな”のなかにいない人がいて、“みんな”のなかにいない人が透明人間にされて、透明人間の言葉は誰も聞かれないようになる」ということだった。

これはCoccoが歌う〈誰か聞いて 誰もいないの?/みんな聞いて 誰もいないんだって〉という歌詞と通底するものだろう。

沖縄の民意を無視し、地盤沈下確実な場所に基地を作る凶行を既成事実化する安倍政権と本土マスコミ
「新基地はいらない」という声が安倍政権の圧倒的な力によってかき消され、ないものにされる
その象徴的な出来事のひとつが、安倍政権が辺野古の海に土砂投入した昨年のきょう、普段は辺野古の問題を深堀りしない「本土」のテレビ局もその様子を生中継して放送したことだ。
メディアが手を貸し、安倍政権は土砂投入という既成事実をつくることで「もう諦めろ」と迫ったのである

 しかし、これは騙しの手口でしかない。
土砂投入から1年が経ってしまったが、工事は止められるし、なにより工事はほとんど進んでいないからだ。
 実際、沖縄県の試算によると、予定されている埋め立て海域は約2062万立方メートルにおよぶが、現在の土砂投入量は約20万5000立方メートル。
つまり、まだ約1%しか投入されていないというのだ。
この結果を踏まえ、昨日おこなわれた会見で玉城知事は「事業全体の進捗率は1%程度に過ぎない」「今の状況をもって県民があきらめ感を持つなどということは絶対にない」と述べている。

 無論、工事の妥当性にも疑問が出ている。
そもそも大浦湾側の埋め立て予定地にマヨネーズ状の軟弱地盤があり、その深さは最深90メートルにもおよぶ
この深さの地盤改良をした実績は世界になく、国内の作業船で地盤改良できるのは海底70メートルまで。
完成させても地盤沈下が起こることは目に見えているのだ。

この問題を取り上げた12日放送『news23』(TBS)でも、地盤工学が専門である鎌尾彰司・日本大学准教授が「沈下量も25〜50年くらいの長期にわたりますと、1メートルを超えるような沈下になってしまう。
1メートルも段差になりましたら、多分(基地の)機能としては果たせないと思う」と指摘している。
“マンション偽装”ならぬ“基地偽装”。
ようするに安倍政権は、地盤沈下しようがなんだろうが「とにかくつくってしまえばいい」としか考えていないのだ
だが、完成しても基地が機能しないばかりか、補修に次ぐ補修でさらに費用がかさむ
それでなくても辺野古新基地建設工事には最大2兆5500億円もの巨額の費用がかかると沖縄県は試算しているが、その予算の出処はわたしたちの税金だ。

 工事はまだ止められる。
しかし、県民の意思を無視しつづける安倍政権に工事をやめさせるには、国民全体でNOを叩きつけるほかない
村本が言うように、安倍首相だけではなく本土に住むわたしたちも沖縄の人びとを透明人間にしてその声を無視していないか。
県民の民意を殺しつづける強権政治に加担していていいのか
きょうという日に、あらためて問い直すことが必要だ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

膝関節・頸椎・腰痛の手術で痛み除去は2割未満

膝関節・頸椎・腰痛の手術で痛み除去は2割未満
2019年12月15日 PRESIDENT Online

■頼れる整形外科はどうやって探すか
「整形外科に通って電気治療を続けているけれど、なかなか治らない」――そんな不満を耳にすることがあります。
私からすれば、それはある意味、当たり前。
他の医科と違って、整形外科は通えば必ずしも治るものではないのです

たとえば消化器だったら痛みの原因を特定して、それを除去すれば大体は治ります。
しかし整形外科は、画像診断で飛び出した椎間板(ヘルニア)が痛みの原因ではないかと特定して、手術で切除しても、「まだ痛い」「しびれが残る」と患者が感じることはしょっちゅう
再発することも少なくない。

股関節の手術だけは比較的成功しますが、膝関節、頸椎、腰痛の手術になるとあまりうまくいきません。
総合的に見て、整形外科の手術で痛みがなくなるのは2割にも満たないのではないでしょうか

なぜそうなるかというと、整形外科が扱う症状は膝関節炎など、加齢による痛みが多いからです
そうした痛みを全部なくすことは難しい。
医師もそのことはわかっていますが、「年をとって痛いのは当然」と言っていたら、商売として成り立たない。
診察したりリハビリをしたりして、患者をつなぎとめておくのです。

では、いい整形外科をどう見つけるのか。
他の医師の選び方が整形外科にはそのまま通用しないのが、難しいところです。
私には「外科医は肩書よりも手術実績を参考にすべき」「空いている病院には行かないほうがいい」という持論があります。

外科医は経験豊かで手先が器用な医師が名医であって、手術数の多さと腕のよさは関連しやすい。
しかし、整形外科医は数多く手術をこなしていても、その成功率はなかなか見えてこない。
病院が繁盛しているからといって、腕がいいとはかぎらないのです。

アドバイスとしては、「慎重な整形外科医を選んだほうがいい」ということ
整形外科の手術はリスクが高い。
特に年をとったら、全身麻酔で体にかかる負担も大きい。
車椅子になるリスクだってあります。
靴をはくときに痛みを感じる程度なら、加齢の痛みと折り合いをつけて、だましだましやっていくのもひとつの手段です。

■医師に「私だったらやりません」と言われて回避
私自身、ヘルニアや脊柱管狭窄症に悩まされました。
後者は30人ぐらいに相談して、手術寸前までいったけれど、ある医師に「私だったらやりません」と言われて回避しました。今も痛みますが、後悔していません。
すぐに手術をしようとしない医師は、ひとつの目安になるでしょう

もしあなたが腰痛や関節痛に悩んでいるなら、必ずしも整形外科を選ぶ必要はないと思います。
整形外科は医療行為だから信用できるというのは勝手な考え。
指圧や整骨で治ることもあるし、民間療法も試す価値は大いにあります。
視野を広げて、選択肢の範囲を広げたほうが賢明です。
----------
富家 孝(ふけ・たかし)
医師、ジャーナリスト
東京慈恵会医科大学卒業。
開業医、病院経営、早稲田大学講師、日本女子体育大学助教授などを経て、医療コンサルタントに。
慈恵医大相撲部総監督。
著書は『不要なクスリ 無用な手術』など、65冊以上。
----------
posted by 小だぬき at 14:11| 神奈川 | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月16日

セブン-イレブン「残業代未払い」の呆れた顛末

セブン-イレブン「残業代未払い」の呆れた顛末
ガバナンスの利いていない経営体制が露呈
2019/12/15 東洋経済オンライン
遠山 綾乃 : 東洋経済 記者

24時間営業をめぐる加盟店への対応やセブンペイの不正利用など、問題が相次いだ2019年のセブン-イレブン・ジャパン。
年の瀬が近づく12月の初旬になっても、セブンの経営陣は、また会見で深々と頭を下げた。
「従業員、オーナーならびに関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」。
12月10日、都内で行われた会見で、セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長は謝罪した。

残業代の支払い不足は4.9億円 セブンはこの日、全国各地の加盟店で働くアルバイトやパート従業員に対して、セブンが創業した1970年代から長きにわたり残業代の一部が支払われていなかったと発表した。
記録が残っている2012年3月以降だけで、対象は8129店の計3万0405人、未払い額は遅延損害金の1.1億円を含めて4.9億円に上る。
1人当たりの不足額は最大で280万円に達し、平均は約1万6000円だった。
今後の進展次第では、対象人数や金額が膨らむ可能性もある。

セブンでは、本部とフランチャイズ契約を結ぶ加盟店がアルバイトなどを雇い、人件費を負担する。
給与の計算や支払いは、本部が代行している。
この給与計算の過程において、本部が計算式を誤っていた。
一部の加盟店では従業員に対し、休まずに出勤した場合などに支払われる「精勤手当」や、シフトリーダーなどの職務の責任に対しての「職責手当」が支給されている。

勤務時間が1日8時間、週40時間の法定残業時間を超えて残業手当が支給される際、この精勤手当や職責手当に対しても残業手当を支払わなければならないが、この部分が一部支払われていなかった。

1974年に東京都江東区に第1号店を出店したセブンだが、1970年代から1980年代に始めた精勤手当や職責手当に対する残業手当は、長らく支払っていなかった。
2001年6月に労働基準監督署から支払うように是正勧告を受け、セブンは給与の計算式を変更。
だが、精勤手当や職責手当に対する残業手当の計算式は本来、割増率を1.25倍としなければならないが、0.25倍として誤って適用していた。
この原因について、会見に出席したセブンの石丸和美フランチャイズ会計本部長は「法令に関する理解が不足していた。それだけでなく、社内でミスに気づけるチェック体制が整備されていなかった」とうなだれる。

2001年に計算式を変えた際、式に基づいて計算が正しく行われるかという確認はしていた。
しかし、人事や労務管理のプロである社会保険労務士によって計算式そのものが正しいか確認された記録はなく、今までミスが放置されていた。

当時、セブン-イレブン・ジャパンの会長だった鈴木敏文・現セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問も、この件を知らなかったという。
都内のある加盟店オーナーは、「加盟店では細かく調べたりせず、本部が計算した金額をそのまま支払う。
しかも、アルバイトに残業代を支払うのは、よほど人手が足りず苦しい加盟店に限られる。
そういう店舗のオーナーは細かいところに気づかないし、気づこうともしない。
多くのアルバイトは、給与をもらったら給与明細を捨てるのが現実だ」と話す。

給与明細には手当ごとの残業代が記載されず、総額としてまとめられていることも、問題が発覚しにくい要因となった。
事実を公表してこなかったセブン セブンの姿勢として深刻なのは、今回発覚した計算間違いそのものよりも、こういった事実を公表してこなかったことだ
2001年に労働基準監督署から是正勧告を受けた当時は、事実を公表せず、しかも2001年以前に未払いだった一部残業手当も支払われないまま今日に至った。
さらに2019年9月に、ある加盟店に対し労基署が残業代の一部未払いについて是正勧告を行ったと、セブン本部に連絡が入ったものの、「(対象が)非常に多くの店舗、人数となるので、どのような形で支払うのがいいのかといった詰めを今までやっていた」(永松社長)ため、発表が12月まで遅れたという。

複数の加盟店オーナーは、こういった本部の一連の対応を問題視する。
問題は、2001年に是正勧告を受けてからも公表しようとしなかった本部の根深い隠蔽体質にある
セブンが今後どこに向かっていくのか心配だ」と、西日本の加盟店オーナーは憂慮する。

2001年当時に公表しなかった理由について、永松社長は「(2019年9月に労基署から是正勧告を受けて以降)議事録などの確認や社員への聞き取り調査を実施した。
だが、この件に関する記録が残っておらず、当時と今の(本件に関わる)担当者が違うこともあり、詳細がわからなかった。この時点でなぜ公表しなかったのか、現時点ではわからない」と話す。

永松社長のこの発言に対して、前出の都内加盟店オーナーは「『議事録など過去の記録はない』『担当者は退社して不在』、こういった答弁で逃げ切ろうとしている。
みっともない記者会見だった」と、憤りをあらわにする。

再発防止策も打ち出すが…
今回発覚した未払い残業代については、本来加盟店が支払う必要のある人件費だが、セブン本部に落ち度があったため、すべて本部が負担する。
社内外のチェック体制の強化や社内研修等の強化など、再発防止策も打ち出す。
また、永松社長は自身の月額報酬3カ月分について10%を自主返上する。

だが、加盟店の本部への信頼を取り戻せるかどうかは疑問だ。
「創業から45年が経ち大きく環境が変わる中で、われわれ自身が変わってこられなかったのが1番の問題。
役員、社員全員でもう一度、本部としてのあり方や加盟店オーナーにどういうサービスを提供していくのかを考える。
今までのやり方を払拭していく」。

永松社長はこのように強調するが、信頼回復への道のりは険しい。
問題続出のセブン。
経営トップの強いリーダーシップによる、透明性のある経営体制への変革が求められる。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あまりに大量すぎる医薬品情報に翻弄される医療従事者と患者さん

あまりに大量すぎる医薬品情報に翻弄される医療従事者と患者さん
2019.10.03 ヘルスプレス

 今回は、医薬品情報が多様化且つ複雑化する昨今、その「情報」に翻弄される医療従事者と患者さんについて考えてみたいと思います。
健康フェアにはたくさんの思いを抱え込む患者さんが

●事例1
 多職種が集う仙台市民向け健康フェアに、薬剤師として参加した時のことです。
僕は薬剤師会のブースで、健康相談員として、希望する市民に対してお薬のことを中心に何でも話を聞く担当となりました。  初めに先輩薬剤師に言われたのは、「こういう健康イベントに、統合失調症の方とかがよくいらっしゃいます。
こういったブースで何十分もお話をされていきますので、そうなると順番が全て狂います」でした。
 初め、相談にいらっしゃったのは高齢者ばかりでした、世間話に始まり、お薬のことや健康上の不安のことなど色々お話をされていきました。
 すると、20〜30代くらいの男性が僕の隣の薬剤師の前に座りました。
その後、10分以上は話していたでしょうか。
断片的に聞こえてきたのは、「私は、○○の添加物は一切取らないようにしているんです」、「睡眠薬というのは、???」、「私、OTC薬は信用できないんです」といった内容を延々と話されています。
対応した薬剤師は笑顔を崩さず、辛抱強く耳を傾けていました。
男性は最後に、「お薬とは関係ない話をしてたくさんの時間を取ってしまってすみませんでした。
ありがとうございました。」と言って帰って行かれました。

 対応した薬剤師は、「こういう場でしか色々話せないんだろうね。ひたすら耳を傾けるしかないです。」と話していました。
「先輩薬剤師の言ったことは本当だったんだ!」と驚いたと同時に、たくさんの思いを自分の中に抱え込むしかない精神疾患の患者さんに思いを馳せた経験でした。

説明不足で患者さんが抗がん剤の服薬拒否
●事例2
 高齢女性、胃がんでS-1の内服が外来で開始になった患者さんです。
調剤薬局から疑義照会がありました。
「患者さん、本当は3日前からS-1開始予定だったのですが、具合が悪くて今日まで薬局に来られませんでした。
どのように対応しますか?」でした。
S-1というお薬は服用期間と休薬期間が決まっております。
次回の外来日は休薬期間明けの日に決まっていましたので、「飲み終わりは当初の予定通りにしますので、3日分飲み残す方針でお願いします」と回答しました。

 その後、患者さん自身から電話が来ました。
他の薬剤師が対応しました。
内容は、「S-1内服前から皮疹があった。皮疹が治っていないのに飲んでいいのか?」でした。
薬剤師は電子カルテの診療録を確認した上で「主治医は皮疹の事は把握していますので、内服して構いません。
ただ、もしひどくなるようでしたらご連絡下さい」と返答しました。
すると患者さん「不安なので、次の外来までS-1は飲みません」と言って電話を切りました。

 主治医に報告したところ、この電話の前日に直接電話がきたみたいでした。
主治医としても説明に難渋していた様子でして、「飲まないって本人が言うなら、仕方がない。次の外来でまた考えます」という話で終わりました。
 結果的に、患者さんの不安が解消されず、服薬拒否に至ってしまった事例でした。

我々薬剤師の「ひどくなったら連絡するように」では、患者さんの不安をあおるばかりで、全然相談になっていなかったな、と非常に反省しました。

情報不足で医療従事者もどう説明すればいいか分からない
●事例3
 これは、2019年2月に第二回薬理ゲノミクスセミナー(主催:日本臨床薬理学会、浜松)に参加した時の経験です。
 セミナー参加の動機は、2018年12月にペムブロリズマブ(キイトルーダ)が「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌」の適応を取得した事です。

製薬企業主催の勉強会に参加し、その時に「我々のような一般病院はどのように対応すればよいか」と質問したところ、企業側は「うちらとしても情報を集めているところでして???」などと要領を得ない返答に終始し、結局分からずじまいでした。僕は、「この適応を取得したことで、我々のような一般病院でも遺伝子に関する倫理的配慮の体制が必要になってくるのでは」と思いましたが、情報があまりにもないことに焦りを感じました。

 セミナーには医師や看護師、薬剤師が主に参加していました。
セミナーで学んだ事はもちろん参考になったのですが、それ以上に、会場を包む雰囲気とフロアーからの質問が大変印象的でした。
参加者は「情報がない!」と切実な思いでセミナーに参加されている印象でした。
最後の質疑応答で、とある一般病院に勤務する呼吸器内科医から「NCCオンコパネルと言ったって、たくさんの遺伝情報を提示されても、どれをどう患者さんに説明すればいいのか分からない。
一般病院に勤める我々はどう対応すればよいのか?」という、悲鳴にも似た質問が出ました。
全くその通りだと思いました。

 がんゲノム医療中核拠点病院に指定されている病院(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html、 閲覧日:2019年9月21日)には、認定遺伝カウンセラーがおり、有料ですが相談が受けられます。
がんゲノム医療連携病院は、拠点病院と連携を取るよう決められていますので、ある程度の相談体制の質は担保できると思います。
では、拠点病院でも連携病院でもない病院に勤務する我々はどうすればいいのでしょうか?
きっと、患者さんはニュースなどで情報を得て相談に来るでしょう、現在、状況はほとんど進展していません。
「暗たんたる思い」が偽らざる心境です。

全ての病院・医療機関に専門のカウンセラーを
 三つの事例をまとめます。薬物治療を取り巻く情報は複雑多様化し、我々医療従事者はしばしば翻弄されます。
さらに、患者さんはインターネットや書籍で必死になって情報を探します。
重要なのは、病気の治療は「患者さんの生活」そのものであるということです
疾患は慢性化し、病気の治療には、医療従事者だけでなく家族や友人などの近しい人達も併走します。
仕事や趣味もこれまで通り続けたいでしょう。
そうなると、「納得して薬物治療を受ける」という思いに至るまでには複雑な経過をたどります。

 しかしながら、言い訳がましいかもしれませんが、色んな業務を実施しながらの中途半端な説明では患者さんに納得してもらうには不十分です。
また、忙しさから配慮を欠いた発言をし、知らないうちに不安を助長させてしまうこともあろうかと思います。
 ただ、医師にとって、病状説明の時間が膨大な時間外業務の一因となっている現状があります。
薬剤師も、薬局で待つ患者さんのプレッシャーを常に受けていますので(「早くしろ!」と怒り出す方もいます)、十分な説明の時間を取れません。
だから、事例1のように精神疾患の患者さんは健康フェアといった気楽な場でしっかりお話ししたいんだろうなと思いました。

理想は、全ての病院・医療機関に専門のカウンセラーを配置することです
専門的なカウンセリング技術で患者さんとその近しい人により添って欲しいと切に願っています
そうすることで、医師は治療に、薬剤師は処方鑑査と薬物治療のフォローに専念でき、患者さんもその恩恵を享受できます

最後に、今の日本は、「がんゲノム医療」や、「先駆け審査指定制度(医療ニーズが高い医薬品を優先的に審査する制度)」、「公知申請(日本では適応外だが海外では頻用されている適応について、書類審査のみで承認する制度)」、「医薬品副作用被害救済制度」などと制度ばかりが先行している印象です

実際、各制度の存在すら知らない医療従事者はたくさんいます。
こうした状況を放置し続けていれば、そのツケを最終的に払うのは患者さんである、ということを我々は忘れてはいけません。
どうすれば良いか、みんなで一緒に考えてみませんか。
(文=橋本貴尚、医療センター仙台オープン病院、薬剤師)

医療バナンス学会発行「MRIC」2019年10月1日より転載(http://medg.jp/mt/
posted by 小だぬき at 11:50| 神奈川 | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月17日

「人は見た目」の真実、残念な印象は服装や振る舞いで克服できる

「人は見た目」の真実、残念な印象は服装や振る舞いで克服できる
『印象はしゃべらなくても操作できる』木暮桂子著
2019.12.16 ダイヤモンドオンライン

レビュー
 ビジネスシーンにおいて、多くの人はコミュニケーション能力を重要視している。
自分の伝えたいことが正しく伝わるようにと、話し方やプレゼンのレッスンを受ける人も多い。
だが実は、話す前から、人は見た目の印象で判断されているのだと著者はいう。

 コミュニケーションの中には、言葉を使った言語的なコミュニケーションの他にもうひとつ、しぐさや姿勢、表情、装いなど、主に見た目の印象のことを指す「非言語コミュニケーション」が存在する。

「人を見た目で判断してはならない」と考える人は多いが、その人を信頼できるか、ビジネスパーソンとして仕事ができそうかどうかを、誰もが見た目の第一印象で判断しているという。
そしてその印象を覆すには、多大な労力が必要になる。

 せっかく言語的なコミュニケーションを磨いても、話をする前からマイナスの印象を相手に与えてしまっては、チャンスを手放すことになってしまう。
本書『印象はしゃべらなくても操作できる』は、日本ではまだあまり注目されていない「非言語コミュニケーション」に焦点を当て、しぐさや装い、表情、声など、項目ごとに具体的な改善策とトレーニング方法を紹介している。

著者は、ビジネスアピアランスコンサルタントとして数万人の「外見」を激変させてきたというから、信頼性は抜群だ。
 本書の内容を実践すれば、たちまち周囲に与える印象が変わるはずだ。そして、信頼されるビジネスパーソンとして、成果を出すことができるだろう。(池田明季哉)

本書の要点
(1)第一印象が及ぼす影響は大きい。その印象の大半は、見た目やしぐさ、振る舞いなどといった非言語コミュニケーションがもたらしている。
(2)表情は、相手がどのような人であり、どんな状況にあるのか、どう思っているのかを判断する材料になる。
表情をコントロールし、相手に誤解を与えないようにしたい。
(3)非言語コミュニケーションは、究極的には相手への気遣いだといえる。
そしてそれは、仕事にもしっかり気を配れる人だというメッセージにもなりえる。

要約本文
◆あなたの印象は、驚くほど見た目に左右されている

◇印象は非言語コミュニケーションで決まる
 誰もが、人を見た目で判断している。
特に第一印象が及ぼす影響は大きい。
最初の印象が悪いと、それを覆すのには多大な労力を要することになる。

 人の印象は、言語的なコミュニケーションと、見た目やしぐさ、振る舞いなどといった非言語的なコミュニケーションによってつくられる。
その割合は、言語的なコミュニケーションが35%、非言語的なコミュニケーションが65%だ。
つまり、非言語コミュニケーションの方が圧倒的に重要なのだ。

◇外見よりも中身が大切?
 よれたスーツや変色している靴、背中を丸めた自信のなさそうな姿勢、機嫌が悪そうな眉間のシワなど、ビジネスパーソンの中には、見た目で損をしている人が多くいる。
彼らは、「仕事で必要なのは外見ではなく中身」と考えているようだ。
 だが、よれたスーツを着ている人と、パリッとスーツを着こなしている人であれば、後者の方が圧倒的に優秀そうに見えるだろう。
どんなに中身が優れていても、第一印象がネガティブなものだと、その実績を見てもらう機会さえ得られないかもしれない。

「見た目」といっても、気を配るべきは装いだけではない。
振る舞いやしぐさ、表情、声、場所や時間の設定など、さまざまな要素が影響し合って人の印象を形成している。
それらすべてを引っくるめて「非言語コミュニケーション」と呼ぶのだ。

◆知らない間につくっている「残念な印象」

◇ネガティブな印象を与える立ち方・歩き方
 知らず知らずのうちに、自分が思ってもいないような印象を与えてしまうことがある。
例えば、立ち方だ
自分ではまっすぐ立っているつもりでも、首が前に出てしまっていることがある。
そうした立ち姿は、貧相で自信がなさそうな、不健康そうな印象を与えてしまう。
 歩き方も重要だ。
歩く速度が遅い、歩幅が狭い、目線を下に向けているなど、適切でない歩き方は、自信がなさそう、不機嫌そう、消極的などといった印象を与える。
 歩き方を意識すべきは、プレゼンなどの特別なシチュエーションに限らない。
ダラダラとした歩き方は、知らず知らずのうちに周囲の人に悪い印象を刷り込んでしまうからだ。

◇面接のときに見られている意外なポイント
 印象がものを言う場として、企業の採用面接が挙げられる。
面接で特に重要なのは、「椅子に座るまでの10秒間」だ。
この10秒間で採否が決まるといってもいい。

つい自己アピールに一生懸命になりがちだが、本当に見られているのは、身なりや姿勢、歩き方、表情、振る舞いなどといった非言語コミュニケーションである。
 場合によっては、人事などの面接のプロではなく、現場の担当者が面接官を務めることもある。
彼らは、より「印象」を重要視するだろう。
つまり、自分の部下として迎え入れたい人に見えるかどうかだ。

 また、面接の場だけでなく、企業の受付での態度も重要だ。
受付担当に失礼な態度を取る人がいたら、そちらが本性だと認識されるのは当然のことではないだろうか。

◇外見の変化がチャンスをくれる
 心の持ちようは顔に表れるといわれるが、逆に表情が気持ちを左右することもある。
嫌なことがあったとき、無理矢理にでも笑ってみると、気持ちが晴れるかもしれない。
 それと同様に、すぐに幸せになったり自信を持ったりするのは難しくても、まずは行動や見た目を変えてみるといい。
行動や見た目は人から見えやすい部分であるため、変化が一目で伝わる。
周りからの見る目が変わったことを実感できると、その実感が自分を変え、自信がつくだろう。

 内面とは違い、外見の変化は周りに伝わりやすい。
外見が変わると、自分を正しく理解してもらえたり、あらゆる方面から声がかかったりといったチャンスにも恵まれるだろう。

必読ポイント!
◆「ふるまい」で印象を操作する

◇常に表情を意識する
 表情は、相手がどのような人であり、どんな状況にあるのか、どう思っているのかを判断する材料になる。
裏を返せば、表情をコントロールしなければ、本意でない印象を与えてしまい、誤解されてしまうかもしれないということだ。
 とはいえ、日常的にどんな表情をしているのか、どんなクセがあるのかを自分で知るのは難しい。

著者が勧めるのは、仕事場のデスクに小さな鏡を置いておくことだ。
そうすれば、意識的に鏡を見たときとは違う、自分の無意識の表情を知れる。
その上で表情を修正していけばいい。
親しい人に、自分の表情やクセでおかしなところはないか、思いきって尋ねてみるのも効果的だ。

◇声のトーンとスピードを使い分ける  
 非言語コミュニケーションにおいては、姿勢やしぐさ、表情と並んで、「声」も重要な要素である。
声の印象を決定する要素としては、「トーン(高さ)」「スピード」「滑舌」「声量」の4つがある。
これらを場面によって適切に使い分けることで、声が与える印象を変えることができる。

 声の雰囲気は、「トーン」を縦軸に、「スピード」を横軸にして、4つの型に分けられる。
ハイトーンでゆっくり話す「理解優先型」、
ハイトーンで速めに話す「情熱型」、
ロートーンでゆっくり話す「誠実型」、
そしてロートーンで速めに話す「スキル型」である。

 まず重要なのは、自分の普段のしゃべり方はどの型にあたるのかを理解しておくことだ。
そのうえで、場面に応じてトーンとスピードを調整して、印象を変えていけばいい。

「しつらえ」で印象を操作する

◇パーソナルスペースを尊重する
 著者が本書でいう「しつらえ」とは、「場」と「時」の要素だ。
「場」は距離感、座る位置、会議の場や会食の店の選び方のこと。
「時」は、訪問やメール、電話などのタイミング、時間の使い方などを指す。

「場」で印象を操作する方法の一つとして、心理的負担をかけない「距離感」がある。
人間には「パーソナルスペース」があり、それを越えて近づいてくる人がいると、不安感を抱いたり、落ち着かない気分になったりする。
パーソナルスペースは人や状況によって異なるが、日本のビジネスシーンでは、腕を伸ばして相手に触れることのできる距離は近すぎると考えていいだろう。
 距離感は目に見えないものだが、意外なほどに大きな影響力を持つ。
距離感の取り方は、コミュニケーションにおいて重要なポイントだ。

◇行動は早め、早めを意識する
 メールを返信するスピード一つとっても、その人の時間の使い方がわかる。
すぐに詳細な内容が返せないのであれば、ひとまず受け取った旨だけでも返信するように心がけよう。
 アポイントも同じだ。
10時からのアポイントがあるとしよう。
夏のアポイントなら、ぎりぎりに受付に着いた場合、10時になってもまだ汗が止まらないかもしれない。
そんな場合、落ち着いてコミュニケーションを取るのは難しいだろう。
相手に「どうぞ、ごゆっくりしてから」などと言わせてしまいかねないし、清潔感に欠け、とても好印象を与えることはできない。
 こんなことにならないためにも、アポイントの前、せめて15分前には近くに到着していたいものだ。
そうすれば、落ち着いて準備する時間もできる。

◆「よそおい」で印象を操作する

◇清潔感を保つ
「装い」では、清潔感が何よりも大事だ。
ネクタイにあるシミ一つでも「清潔感のない人」というレッテルを貼られてしまう可能性がある。
それを肝に銘じ、チェックを欠かさず、必要に応じて洗濯やクリーニングをすることが大切だ。

 シミや汚れのほかに、「八元」は清潔感を大きく左右するといわれる。
これは、「目元」「口元」「耳元」「襟元」「胸元」「手元」「膝元」「足元」の8つの「元」のことだ
これらのうち一つでも欠けていたら、清潔感は一気にダウンしてしまう。
その結果、信頼を損なうかもしれない。
八元は常に意識し、清潔に保つことが大切だ。

◇においに気を配る
 五感の中で脳の最も原始的な部分に訴えかけるのは「嗅覚」だといわれている。
また、記憶に最も長く残るのもにおいである。
つまり、においで相手から悪い印象を持たれてしまったら、致命的だ。
きちんと気を配っておかないと、無意識のうちに最悪の印象をもたらしてしまうことになりかねない。

 ただ、自分のにおいは自分では気付きにくいものである。
だからこそ親しい間柄の人にきちんと確認するべきだ。
清潔感を常に意識し、シャツは毎日替えること。
タバコのにおいにも気を付けたい。

◆「人への気遣い」はすべての基本

◇爽やかに挨拶する
 自分の印象は見た目を整えることで操作できるが、その基本には相手への気遣いがある。
見た目を整えて自分の印象を操作することは、実は相手への礼儀であり、気遣いなのだ。
そして、見た目に気を遣えるということは、仕事にもしっかり気を配れる人だというメッセージにもなりえる。
 人への気遣いの基本といえば、「挨拶」である。
挨拶一つで印象が大きく変わるのは、多くの人が実感しているところだろう。
だからこそ、爽やかにきちんと、素敵な笑顔で挨拶をしよう。
立場がどうあれ、自分から挨拶すれば、確実に好印象を与えることができる。

 また、挨拶をするときは、相手の名前を呼ぶように心がけたい。
肩書きだけでなく、できるだけ早く名前を覚え、名前で呼びかける。
一度目の名刺交換でしっかり名前を頭に入れ、次に会うときには名前で呼ぶようにしよう。
これも相手への気遣いである。

一読のすすめ
 本書では、図やイラスト、シンガポール航空のCAとして活躍した著者の経験談などを用いながら、相手に好印象を与える非言語コミュニケーションのコツがわかりやすく提示される。
本書を一読し、実践に移すことによって、ビジネスシーンにおける印象をより良いものにすることができるだろう。
評点(5点満点) 総合3.5点(革新性3.0点、明瞭性3.5点、応用性4.0点)

著者情報
木暮桂子(きぐれ けいこ)
ビジネスアピアランスコンサルタント/株式会社ディグニータ代表取締役
 大学卒業後、シンガポール航空に入社し、キャビン・アテンダントとしてシンガポールに駐在。
在職中にhigh achiever of compliments(年間を通じてお客様からの感謝状が多かったクルーに対して授与)のトップ10として表彰される。
 その後帰国し、株式会社グロービスの創業期から現在のグロービス・マネジメント・スクール、グロービス経営大学院の立ち上げに関わり、東京校のスチューデント・オフィスの責任者として戦略立案、マーケティング、営業全般に広く携わる。
また法人向け研修としてビジネスアピアランス・スキルトレーニングプログラムを開発、自ら講師を務める。
 現在はディグニータにて多くの経営者、政治家、コンサルタント等をクライアントに持ち、パーソナルプランディングやスピーチトレーニング、非言語コミュニケーションのコンサルティングを行う。
 これまでにのべ数万人以上の「ビジネスアピアランス強化」を実施。
「見た目」を整えることで「印象が大きく変わった」「評価されることが増えた」という声が多数寄せられている。
 著書に『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』(ダイヤモンド社)がある。

(1冊10分で読める要約サービス flier)
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月18日

「75歳以上医療費2割負担」は、ニセモノの格差是正ではないか

「75歳以上医療費2割負担」は、ニセモノの格差是正ではないか
12/17(火) 現代ビジネス(赤木 智弘)

「世代間格差の是正」と言うが…
 政府が75歳以上の後期高齢者の外来診療の窓口負担を、現行の1割から、2割に引き上げるよう、調整に入っているという。
 現状では、現役世代の窓口負担が3割。
70〜74歳が原則2割、75歳以上はが原則1割となっている。

これを75歳以上の枠を無くして70歳以上はすべて原則2割にしようという話である。
「原則」というのは、現役並に稼いでいる人は年齢が70歳以上でも、現役世代と同じ3割負担になるということを指す。
 どうして高齢者の窓口負担を引き上げなければならないのか。
それは「世代間格差の是正」のためなのだと政府は主張しているようだ。

 少子化により現役世代一人あたりが支える高齢者の数が増えてしまい、現役世代にとっては大きな負担となっていると言われる。
これが「世代間格差」だ。
 世代間格差をわかりやすく表すための図が、わり算ような図式の分母側に現役世代を、分子側に高齢者をのせて「高齢者1人あたりを支える現役世代の人数が、将来どんどん減って、大変になっていきますよー」と見せるあの図だ。

 産まれる子供が減る一方で、かつての人口ボリューム層がどんどん老齢化していき、高齢化のリスク層と捉えられるようになっている
 内閣府の資料によれば、1970年頃には高齢者1人を現役世代10人ほどで支えられていたが、2017年時点では高齢者1人を現役世代2.2人で支えなければならなくなってしまっている。
もちろん今後は更に支える側の現役世代の負担は増え、2065年には高齢者1人を1.3人で支えることになると推定されている。

そもそも少子化が起きた原因とは
 この先、人口が減っていくことは確実視されており、先の見えない少子高齢化の流れの中で、「生涯現役」を推進して高齢者を働き手として現役世代扱いすると同時に、高齢者の保険料や負担の引き上げや、社会保障の引き下げなどをしなければ、現役世代がとても耐えられない。
だからこそ世代間格差の是正が必要であるとアナウンスされているのである。

 しかし、僕はこの説明はとてもおかしな話だと考えている。
 そもそも少子化が起きた原因は何か。
高学歴化で育児や教育のコストが増大したとか、女性の社会進出によって晩婚化が進んでいるとか、まぁ理由は多岐にわたる。
しかし、少なくとも確実に1つ、政府の失策が導いた少子化の原因がある

それは「団塊ジュニア世代に対する経済支援の致命的な遅れ」である。
 戦後、経済成長を当然としていた日本経済が直面したのは、これまでに経験のない不景気であった。
戦後直後は毎年おおむね9%程度の経済成長、1974年のオイルショック後には毎年おおむね4%程度の経済成長を当然としてきた日本は、1990年以降のバブル崩壊によって1%程度しか経済成長しない国になってしまったのである。
 経済成長の著しい鈍化の影響をもろにかぶったのが、この頃に社会に出た団塊ジュニア世代だ。

団塊ジュニア世代は景気の先行きが不透明な中で、企業の新規雇用の抑制に見舞われた。
 更に不幸だったのが、この団塊ジュニア世代が団塊世代の子供の世代という、人口ボリューム層だったことだ。
企業が新卒採用を絞る中、前の世代よりも多くの新卒学生が安定した職を求めたのである。

 かくして就職市場は圧倒的な買い手市場になり、多くの若者が苦渋を舐め、低い待遇に甘んじたり、フリーターになるなどするしかなかったのである。
 当然、経済的に弱い立場にあれば、結婚したり子供を産んだりすることに躊躇するのは当たり前であり、放置すれば人口ボリューム層の再生産ができなくなることを意味する

企業に所属できない若者たちは…
 こうしたときにこそ、迅速に行政が介入し、若者たちに対する支援を行うことが期待されたが、行政の労働者支援と言えば、公共事業を発注してハコモノを作らせるようなことばかり。
こうした支援は企業自身や、運良く企業に滑り込むことのできた若者にとっては助けになったのかもしれないが、苦汁をなめた側であるはずの企業に所属できない若者たちにとっては、何の助けにもならなかった。

 また、個人に対する金銭的な支援にしても、自動車関連減税や住宅ローン減税という、高額のローンを組んで人生設計できる正社員に対する支援ばかりで、企業に所属できない若者には富を循環させる事ができなかった
 結局そのまま、30年近い時間が経ち、団塊ジュニア世代の子供たちが形成するはずだった次の人口ボリューム層は発生せずに、現代に至ってしまったのである。

 以上のように、少子高齢化はいまさら避けられない現実である。
だからこそ、現役世代に重い負担がかかっているのは事実なのだから、高齢者に対して適切な負担を求めていくのは当たり前ではないかという考え方もある。

団塊ジュニア世代の20年後
 だが、この考え方こそが、ますます問題を混迷に導いていると僕は考える。
 確かに現在の高齢者というのは、経済成長を前提とした社会で現役世代を過ごした人たちであり、当たり前のように家族を得て家を建て、十分な収入を得て生活してきた人たちだ。
それに対して現役世代のうち50歳以下の人たちは、人生のほとんどを低成長社会であがいてきた人たちである。
故に、裕福である今の高齢者に対する負担を強め、現役世代を守るという考え方は正しい。

 しかし、これから20年後、30年後はどうだろうか?
 20年後には団塊ジュニア世代が65歳に、30年後には75歳になる。
 本当に世代間格差そのものを問題にするのであれば、当然「じゃあ、団塊ジュニア世代はずっと景気が悪くて苦労してきた世代だから、高齢者世代の負担を軽くしよう」と考えなければならない。
 しかし、絶対にそんな考え方にはならないと言い切れる。

たとえ団塊ジュニア世代が高齢者になったとしても、これまでと同じ「高齢者世代が現役世代に負担をかけている」という文脈で、高齢者世代負担は重くなり続けるだろう。
 先に述べたとおり、少子高齢化は今後も続く。
内閣府の推計によれば、団塊ジュニア世代が60代後半になる2040年には高齢者1人を現役世代1.5人で、後期高齢者となる2050年には1.4人で支えることになると見られている。

 つまり「数少ない現役世代で高齢者を支えなければならない事態」というのは、今後も変わりようがないのである
これまでと同じ考え方で「高齢者1人を現役世代何人で支えるか」を根拠に世代間格差の是正をしなければならないと考えることは、格差を是正するどころか、現役時代に稼げず、資産も持てなかった貧しい高齢者を地獄に叩き落すことになるのである

富む人も貧しい人も
 そもそも「世代間格差」という考え方自体が極めて粗雑な考え方である。
 確かに経済成長でぬくぬくと正社員を謳歌した高齢者は多いだろう。
しかし、そのような時代にだってドヤ街はあったのである。
逆に、就職氷河期世代であっても、ぬくぬくと正社員を謳歌している人も普通にいる。

 富む人も貧しい人も、全部ごちゃまぜにして「同じ世代」としてひとくくりにすることは、その世代の文化や考え方の一致などを研究する社会学的な見方としては妥当だとしても、税制や再分配を考える上での指標としては不適切だ。
ましてや、その世代の人数が多いことが、その世代が他の世代よりも豊かであるという根拠にはならないのである。

 では、どのように考えるべきか。
 世代ではなく、各自の収入や資産を負担率の指標と考えるべきなのだ。
単純に税制の論理で、多く稼いだ人から多く取り、稼げない人に再分配すればいいのである。
そもそも、現在の医療費負担だって、年齢で3割だ1割だと決めるのではなく、年収で負担額を決めればいいのである。

ニセモノの格差是正
 持つものが払い、持たざるものが受け取ることが真っ当な社会保障だ。
世代における人口ボリュームが現役世代と比較して多いからといって、それがその世代の人達の裕福度を決めることはない。高齢者と現役世代の比率を根拠に、高齢者の社会保障を削るのは間違いである。

 僕は世代間格差の是正とは、一見人道的に見えても、その実は格差を助長するための「ニセ格差問題」であると考えている。
 現在の高齢者が裕福なのは経済成長の時代に稼ぐことができたからであり、決して高齢者だから裕福なのではない
これから団塊ジュニア世代が高齢者になれば、高齢者は裕福という前提は失われる

 しかし、ニセモノの格差是正を格差是正になると信じ続ける限り、低成長時代に苦労した人たちは年老いても十分な社会保障を得られず、貧困にあえぐことになる。

本来、是正しなければならないのは「世代間格差」ではなく「格差」そのものである。
 「格差」とは持つものと持たざるものの間にこそ発生しているのであり、高齢者と現役世代の間に発生しているのでは無い
この勘違いが団塊ジュニア世代にもたらす影響は、極めて過酷なものとなるだろう。 
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月19日

熱狂の演説 「れいわ」は本物か

熱狂の演説 「れいわ」は本物か
12/18(水) 産経新聞(千田恒弥)

 今年も低迷が続いた野党で、異彩を放ったのがれいわ新選組を率いる山本太郎代表だ。
7月の参院選では消費税廃止などの大胆な政策で2議席を獲得。
今も街頭演説は熱気に包まれる。

次期衆院選に100人を擁立する構えで、今月10日時点で約320人が公募に応じた。
支持層の一部がかぶる立憲民主党は主導権を奪われかねないと警戒する。

 師走の喧噪(けんそう)に包まれた18日夕のJR新宿駅南口は、山本氏が街頭演説を始める前から黒山のひとだかりができた。  
野党が固まりになって選挙に勝てるなら、とっくの昔に勝っている
民主党の再結集にどれぐらいの人が期待するのか」

 街頭演説は、9月18日に北海道・利尻島から始めた「全国ツアー」の年内最終日。
山本氏はこの3カ月間で38都道府県を回った。
 新宿では英国のヘビーメタルバンド、ジューダス・プリーストの「ペインキラー」を流して登場。
みなさんの痛みや不安定な生活を大胆な財政出動で消すぞ」と訴えると、会場は喚声に包まれた。

 自由党を離党した山本氏が、れいわを立ち上げたのは4月のことだ。
7月の参院選では地元の東京選挙区から再出馬せずに比例代表を選んだ。
しかも、優先的に当選できる「特定枠」に重い障害がある舩後靖彦、木村英子両氏を指名し、自身の当選資格は2人の後という大胆な手法を取った。
 最初は「向こう見ずなパフォーマンス」(国民民主党幹部)と冷めた見方があったが、街頭演説は日増しに過熱。
7月19日、東京・新橋駅前には約3千人が集まり、あふれた聴衆が展示されているSLの上に乗るほどの熱気に包まれた。

 「街頭演説の様子を聞き、うちの支持層を奪われると背筋が凍った」
 立民幹部はこう振り返る。
実際、れいわは比例で約228万票を獲得し、特定枠の2人が当選した。
対する立民は約792万票を得たが、平成29年衆院選の約1108万票から約316万票も激減。
一定の支持がれいわに流れ込んだ。

 政策は、国債を大規模に発行しての財政出動など、独特な主張が目立つ
自民党幹部は「財源を無視した荒唐無稽な案」と切り捨てるが、山本氏は「消費税こそ個人消費を減退させた元凶」と意に介さない

 特に際立つのが、就職氷河期世代やシングルマザーらを対象にした政策だ
バブル崩壊後の就職難に遭遇し、不安定な働き方を強いられている人が多い。
45歳の山本氏と世代も重なる。
 ターゲットの30〜40代は投票率も低く、主要野党もてこ入れしてこなかった。
山本氏は「この世代が高齢化したとき、国は手を差し伸べるのか。
この人たちが蓄財でき、安心して生活を送れるようにすることが政治の仕事だ」と訴える。

 山本氏は参院選後も、野党共闘に加わる条件として「消費税率5%への引き下げ」を掲げ、尻込みする主要野党の足元を見透かす。
 主要野党は、先の国会で安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の追及を強める中、山本氏は一線を画し、全国行脚に重点を置いた。

立民の枝野幸男代表は周囲に「れいわは政局になると無力だ」と語るが、山本氏は「選挙中より、選挙後の方が街頭の熱が増してきた」と独自路線を貫く。
 立民には、消費税廃止などに共感する議員もおり、党執行部は「れいわ予備軍」と警戒する。
立民が国民などと政党合流を急ぐ一因として、次期衆院選での躍進を封じるためとの指摘もある。

実際、寄付を中心とした選挙資金も積み上がっているとみられ、選挙を戦う態勢はできつつある。
 山本氏はかつて、園遊会で上皇さまに直接手紙を手渡すなど、物議をかもしたが、今や野党第一党を振り回すまでに存在感が高まった。

共闘条件に沈黙を貫く立民には、こう語る。
 「消費税率5%が飲めないなら、古い政治と新しい政治との衝突だ
新体制を目指す政治勢力の拡大に向け、勝手にやる」
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(3) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月20日

寒さが厳しい時期に免疫力を上げる小さな習慣

寒さが厳しい時期に免疫力を上げる小さな習慣
2019年12月19日 PRESIDENT Online

いよいよ年末。
もっとも寒い時期といわれる「冬至」は、外出も億劫になり、運動不足になりがち。
この時期の効果的な乗り切り方を知り、ココロとカラダを養生しましょう。

■冬の折り返し点である、冬至。
ここから春に向けて鋭気を養おうそして、骨には 12月22日から1月4日は冬至で、昼がもっとも短く、夜が長いのが特徴です。
夜が長いということは陰が強く、陽が不足している状態です。
陽は太陽の光に代表される暖かいエネルギーなので、冬至は、一年でもっともカラダが冷える時期かもしれません。

一方、冬至は冬の折り返し点であるため、少しずつ春の準備をしなければなりません。
この季節にちょうど新年を迎えるため、春に向けて鋭気を養っていきましょう。

寒さのピークを迎える冬至。
カラダを温めることで今の季節を乗り越え、春に向けた準備も行いましょう。
季節のはじまりの初候は、ゆず湯に入ってカラダを温め、風邪の予防に努めましょう。

この時期にはちょうどマグロが旬を迎えます。
季節が進む次候では、新年を迎えるための最終段階。
12月29日は「苦」を連想させるため、28日までには準備を終わらせ、心身を整えることが大切です。
ちょうどこの頃、カボチャや魚のコイが旬を迎えます。
季節の終わりである末候には、正月を迎えます。
おせち料理には、健康長寿を願うさまざまな願いが込められていますので、思いをかみしめながら味わいましょう。

■運動不足が、免疫力を低下させる理由とは
この時期は、寒さもピークになり、外に出るのが億劫になります。
そのため、運動時間が減ることで足腰が弱くなり疲れやすくなることで、病弱になりがちです。
運動は免疫力を高めるため、運動時間の低下は免疫力の低下につながり、感染症などのさまざまな病気に発展していきます

特に、重力のない宇宙に行くと骨がもろくなることが知られていますが、寝てばかりの生活や運動不足は骨に圧力がかからないので同様に骨がもろくなるとと考えられます。
骨には免疫細胞を産生するなど役割があり、骨が弱ると免疫細胞を産生できなくなり、さまざまな感染症にかかりやすくなります
そのため、この時期は免疫力を上げるような対策が必要です。

冬至の時期には新年もはじまることから、心機一転、何事にも頑張りたいとき。
しかしながら、体調が悪いと足腰に力が入らずに動き出すことがしんどくなったり、パワーが出ないこともあります。
カラダの衰えは気力の衰えにつながるので、周りの変化に比べて自分だけが頑張れていないと感じるかもしれません。
この時期のココロの落ち込みは体力の衰えによるものかもしれませんので、あまり気にせずに、ココロだけでなく、カラダに目を向けたケアを行うようにしましょう

■骨の免疫細胞産生力をアップさせる、負荷運動をしよう
「カラダとココロの養生法」骨に負荷をかける運動には、レジスタンストレーニングが効果的です。

レジスタンストレーニングは、筋肉に負荷(自重・重りなど)をかけながら行う運動で、骨だけでなく筋肉の発達にも効果的です。
一番簡単な方法は自重トレーニングです。
例えば、背部のトレーニング(プランク)は仰向けになり、ヒザを直角に曲げた姿勢から、息を吐きながら腰を持ち上げます(図表1)
このとき呼吸は自然に続けます。
腰を上げすぎず低すぎず、首からヒザまでが一直線の状態を維持します。腰を下げるときは、首のほうからゆっくりと床に下ろします。
また、前腕のトレーニング(バックブリッジ)では、手を床に肩幅より広めにつき、ヒザ(または、つま先)を床につけます(図表2)
頭から床についたヒザ(またはつま先)が一直線の状態を保ったまま、ヒジを曲げて上体を下ろします。
このとき、腰が反るまたは曲がってしまわないように意識します。
ヒジを曲げて下ろせるところまで上体を下ろしてから、ヒジを伸ばして元の姿勢に戻ります。

■旬のカボチャと、足ツボマッサージで免疫力をアップ
「食養生」この季節の旬はカボチャです。
カボチャはカラダを温める作用があり、ビタミン・ミネラルが豊富な食べ物です。
収穫の時期は夏なのでカラダを冷やすように思われがちですが、ビタミンやミネラルが豊富であるため、免疫力を高め、風邪の予防にも効果的です。
また、黒豆も旬を迎えます。

黒豆はおせち料理にも含まれますが、精をつけるとともに造血作用もあります。
大豆イソフラボンは、ホルモンの源となり、心身のバランスを整えてくれる成分です。
「お勧めのツボ」冬至を乗りきるためのおすすめのツボは湧泉(ゆうせん)です(図表3)

湧泉は土踏まずの前方の中央にあり、足の指を曲げたときにもっとも凹むところです。
このツボは、カラダの元気が湧き出る泉であり、ここを刺激することで足腰を強くしてくれます。
イタ気持ちいい程度に10秒程圧迫し、5秒空けて5回程度刺激するようにしましょう。

■マッサージとレジスタンストレーニングで、腎臓を鍛えよう
【タイプ別・腎臓を鍛える方法】
東洋医学では冬は「腎(じん)」と関連が深いと考えらえています。
「腎=腎臓」ではありませんが、共通点も多いようです。
例えば、腎臓の働きが低下すると、老廃物や不要物のろ過・排泄が十分にできなくなってしまい、さまざまな症状を引き起こします。
また、カラダの中に老廃物が蓄積した状態では、免疫機能が低下し、カラダを守る防御力の低下が起こります。
そのため、健康な人と比べて風邪などの感染症のリスクが高まるのです。そのため、腎臓を鍛えて健康を維持することが大切となります。

一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、寒さやストレスで交感神経が亢進しています。
交感神経の亢進は、血圧を上げ、腎臓を傷つけることになるため、副交感神経の活動を高めることが大切です。
そのためには、腎臓とその上にある副腎を刺激するようにしましょう。
副交感神経の活動を高めるためには、お腹と背中を刺激してみましょう(図表4)
まず、両手の指の第1・第2関節だけを曲げ、おヘソのすぐ横に押し当て、両手をグリグリ上下に動かしながらもみほぐします。
同様に指2本分外側をもみほぐす。
さらに手を外側に移動させ、脇腹の中央をもみます。
そして、両手握りこぶしを脇腹中央から背中へと移動させ、第3関節で腰の筋肉を左右にもみほぐします。

生活リズムの乱れが原因の生活習慣タイプの人は、減塩が必要です。
腎臓は食事として摂取した塩分を尿として排泄する働きがあり、塩分を摂り過ぎると過剰排泄となり、腎臓に大きな負担がかかります。
また、腎臓は食事として摂取したタンパク質を代謝し、尿素やクレアチニンなどの老廃物を尿として排泄。
タンパク質を多く摂り過ぎると、腎臓からしか排泄することができない尿素やクレアチニンなどが体内で増加し、腎臓への大きな負担になります。
そのため、食事の調節が大切です。

日本人の塩分摂取量は1日11〜12gといわれていますが、厚生労働省は生活習慣病の発症予防として、男性は8g以下、女性は7g以下と定めていることから、塩分の多い食べ物には注意しましょう。
また、タンパク質に関しても極力量を減らすことが望まれますが、タンパク質は必須アミノ酸に含まれているため、主食であるご飯や麺類を減らし、おかずからタンパク質を取るようにするといいでしょう。

年齢による加齢タイプの人は、お腹や腰周りの筋肉が低下しています。
腹筋や背筋のレジスタンストレーニングを行うことで、筋力強化を。
プランクやバックブリッジ、さらにはサイドブリッジ(図表5)を行いましょう。
サイドブリッジはヒジから下の腕と、足の外側で姿勢をキープします。
ヒジは肩の真下にし、目線は前に置くのがポイントです。

いずれの筋トレもそのままの状態を5〜10秒キープする運動を1回とし、1日10回程行いましょう。
なお、自分のカラダのタイプに関しては、カラダの状態を入れるだけで簡単にわかる無料アプリYOMOGIを利用すると便利です。
月に1回(毎月10日まで)入力すると、あなたに合ったその月の養生法が送られてきます。

冬至は冬の折り返し点
寒さのあまり外に出たり、運動することが極端に減ることで、足腰が弱くなり、腰が曲がったり、骨がもろくなったりします。
そのため、室内で自重トレーニングを行うようにし、骨や筋肉を鍛えながら、新年を迎える準備をしましょう。

「冬至の特徴」
●心身の症状
カラダ:筋力が低下する、疲れがたまる
ココロ:やる気や気力がない
●季節に多い症状 免疫力の低下(風邪・感染症)
●心身の養生法 腎臓を鍛える(レジスタンストレーニング・腎マッサージ)
●食養生に効く食材 カボチャ・黒豆
●ツボ 湧泉(ゆうせん)

----------
伊藤 和憲(いとう・かずのり)
明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授 鍼灸学医学博士・全日本鍼灸学会理事。
同大学附属鍼灸センター長。
トリガーポイント鍼治療の第一人者であり、慢性痛の緩和治療に精通。
現代女性のための、東洋医学に基づく心身のセルフケアも指導している。
----------
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月21日

既得権と独占を壊せ!自由な社会の作り方

既得権と独占を壊せ!自由な社会の作り方
若き天才経済学者が「ラディカル」に提言
2019/12/20 東洋経済オンライン
安田 洋祐 : 経済学者

21世紀を生きる私たちには3つの課題がある。
富裕層による富の独占、
膠着した民主主義、
巨大企業によるデータ搾取だ。

この難問に独自の解決策を見いだそうとする野心的な理論書が刊行された。
気鋭の経済学者として名を馳せるグレン・ワイル氏を共著者とする『ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀』だ。
プリンストン大学留学時にワイル氏とも接点があり、今回、本書の監訳を担当した大阪大学大学院経済学研究科准教授の安田洋祐氏による「日本語版解説」を、一部加筆・編集してお届けする。

学部生ながら大学院生に教えた「天才経済学者」
本書の執筆者の一人であるグレン・ワイル氏は、筆者のプリンストン大学留学時代のオフィスメートである。
と言っても、当時の私は大学院生で彼はまだ学部生。
ワイル氏は学部生でありながら大学院の難解な講義を楽々と突破し、さらには大学院生たちを(ティーチング・アシスタントとして)教える、スーパーな学部生だった。

すでに大学院生用の研究スペースまでもらい、ハイレベルな学術論文を何本も完成させていた彼は、プリンストン大学を首席で卒業したあと、そのまま同大学の大学院に進学。
平均で5、6年はかかる経済学の博士号(Ph.D.)を、驚くべきことにたった1年でゲットしてしまう。
この規格外の短期取得は経済学界でも大きな話題となり、「若き天才経済学者登場」「将来のノーベル賞候補」、といった噂が駆け巡った。

そんな若き俊英が、はじめて世に送り出した著作が本書『ラディカル・マーケット』である。
今回、記念すべきこの本を監訳することができて、イチ友人として、またイチ経済学者として、とても光栄に思う。

「ラディカル」(Radical)という単語は、「過激な・急進的な」という意味と「根本的な・徹底的な」という意味の、2通りで用いられる。
本書『ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀』は、まさに両方のラディカルさを体現した「過激かつ根本的な市場改革の書」である。
E・グレン・ワイル/マイクロソフト首席研究員で、イェール大学における経済学と法学の客員上級研究員。
ボストン在住。

市場が他の制度――たとえば中央集権的な計画経済――と比べて特に優れているのは、境遇が異なる多様な人々の好みや思惑が交錯するこの複雑な社会において、うまく競争を促すことができる点である。
市場はその存在自体がただちに善というわけではなく、あくまで良質な競争をもたらすという機能を果たしてこそ評価されるべきだ。
もしもその機能が果たされていないのであれば、市場のルールを作り替える必要がある。
今までのルールを前提に市場を礼賛する(=市場原理主義)のではなく、損なわれた市場の機能を回復するために、過激で根本的なルール改革を目指さなければならない(=市場急進主義)。
本書の立場は、このように整理できるだろう。

現代世界が直面する問題とその解決策
では、著者たちが提案する過激な改革とは、いったいどのようなものなのか? 
本論にあたる第1章から第5章までの各章で、私有財産、投票制度、移民管理、企業統治、データ所有について、現状および現行制度の問題点がそれぞれ整理され、著者たちの独創的な代替案が提示されている。

どの章もそれだけで1冊の専門書になってもおかしくないくらい内容が濃く、驚かれた読者も多いに違いない。
第3章から第5章では、世界が現在進行形で抱える深刻な社会・経済問題に対する処方箋が示されており、移民、ガバナンス、データ独占などの現代的な問題に関心のある方は必読だ。
本書の中心となる第1章と第2章は、資本主義および民主主義の大前提を揺るがし、思考の大転換を迫るようなラディカルな提案を読者へと突きつける。

たとえば、第2章「ラディカル・デモクラシー」では、民主主義の大原則である1人1票というルールに改革のメスが入る。
具体的には、ボイスクレジットという(仮想的な)予算を各有権者に与えたうえで、それを使って票を買うことを許すという提案だ。
これによって、有権者は自分にとってより重要な問題により多くの票を投票することができるようになる。
その際に、1票なら1クレジット、2票なら4クレジット、3票なら9クレジット……という具合に、票数の2乗分のボイスクレジットを支払う仕組みを著者たちは提唱し、「二次の投票」(QV)と名付けている。

ここで登場する「2乗する」というルールは、単なる著者たちの思い付き、というわけではもちろんない。
現在までに購入した票数と追加的に1票を買い足すために必要なボイスクレジットが比例的な関係になる、という二次関数の性質がカギを握っているのだ。

そのうえで著者たちは、一定の条件の下で、QVによって公共財の最適供給が実現できることを示している。
独創的なアイデアをきちんと先端研究によって補完する、という組み合わせは他の章にも通底する本書の大きな魅力である。

さて、ここからは第1章「財産は独占である」の中身と、その評価について述べたい。
本書の中でも最もラディカルなこの章で著者たちが改革の矛先を向けるのは、財産の私的所有に関するルールである。
私有財産は本質的に独占的であるため廃止されるべきだ、と彼らは主張する。

言うまでもなく、財産権や所有権は資本主義を根本から支える制度のひとつだ。
財産を排他的に使用する権利が所有者に認められているからこそ、売買や交換を通じた幅広い取引が可能になる。
所有者が変わることによって、財産はより低い評価額の持ち主からより高い評価額の買い手へと渡っていくだろう(配分効率性)。

さらに、財産を使って得られる利益が所有者のものになるからこそ、財産を有効活用するインセンティブも生まれる(投資効率性)。

私有財産制度がもたらす問題
著者たちは、現状の私有財産制度は、投資効率性においては優れているものの配分効率性を大きく損なう仕組みであると警告している。
私的所有を認められた所有者は、その財産を「使用する権利」だけでなく、他者による所有を「排除する権利」まで持つため、独占者のように振る舞ってしまうからだ。
この「独占問題」によって、経済的な価値を高めるような所有権の移転が阻まれてしまう危険性があるという。

一部の地主が土地を手放さない、あるいは売却価格をつり上げようとすることによって、区画整理が必要な新たな事業計画が一向に進まない、といった事態を想定するとわかりやすいだろう。

代案として著者たちが提案するのは、「共同所有自己申告税」(COST)という独創的な課税制度だ。
COSTは、
1.資産評価額の自己申告、
2.自己申告額に基づく資産課税、
3.財産の共同所有、という3つの要素からなる。

具体的には、次のような仕組みとなっている。
1. 現在保有している財産の価格を自ら決める。
2. その価格に対して一定の税率分を課税する。
3. より高い価格の買い手が現れた場合には、
3─i. 1の金額が現在の所有者に対して支払われ、
3─A. その買い手へと所有権が自動的に移転する。

仮に税率が10%だった場合に、COSTがどう機能するのかを想像してみよう。
あなたが現在所有している土地の価格を1000万円と申告すると、毎年政府に支払う税金はその10%の100万円となる。
申告額は自分で決めることができるので、たとえば価格を800万円に引き下げれば、税金は2割も安い80万円で済む。
こう考えて、土地の評価額を過小申告したくなるかもしれない。
しかし、もし800万円よりも高い価格を付ける買い手が現れた場合には、土地を手放さなければならない点に注意が必要だ。 しかもその際に受け取ることができるのは、自分自身が設定した金額、つまり800万円にすぎない。

あなたの本当の土地評価額が1000万円だったとすると、差し引き200万円も損をしてしまうのである。
このように、COSTにおいて自己申告額を下げると納税額を減らすことができる一方で、望まない売却を強いられるリスクが増える。
このトレードオフによって、財産の所有者に正しい評価額を自己申告するようなインセンティブが芽生える、というのがCOSTの肝である。

現代によみがえるジョージ主義やハーバーガー税
実は、COSTのような仕組みの発想自体は、著者たちのオリジナルというわけではない。
シカゴ大学の経済学者アーノルド・ハーバーガーが、固定資産税の新たな徴税法として同様の税制を1960年代に提唱しており、彼の名前をとって「ハーバーガー税」とも呼ばれている。
またその源流は、19世紀のアメリカの政治経済学者ヘンリー・ジョージの土地税にまで遡ることができる。

ただし、適切に設計されCOSTを通じて、所有者にきちんと正直申告のインセンティブを与えることができることや、配分効率性の改善がそれによって損なわれる投資効率性と比べて十分に大きいことなどを示している点は、著者たち(特にグレン・ワイル氏と、別論文での彼の共同研究者)の大きな貢献だ。

整理すると、大胆な構想と洗練された最先端の学術研究によって、本書はジョージ主義やハーバーガー税を現代によみがえらせ、土地をはじめとするさまざまな財産に共同所有への道筋を切り拓いた、といえる。

財産の私的所有は、確かに著者たちが主張するように「独占問題」を引き起こし、現在の所有者よりも高い金額でこの財産を評価する潜在的な買い手に所有権が移転しにくくなる、という配分の非効率性を引き起こす。

ただし、この非効率性は悪い面ばかりとは限らないのではないだろうか。

非効率性の正の側面として、3つの可能性に思い至ったので書き留めておきたい。
1つ目は、予算制約である。
ある所有者にとって非常に価値がある財産であっても、租税に必要な現金が足りず、高い金額を申告することができないような状況が当てはまる。
私有財産が認められていれば、手元に現金がなくても大切な財産を守ることができるが、COSTはこの「守る権利」を所有者から奪ってしまう。
経済格差の解消が大幅に進まない限り、この種の「不幸な売却」をなくすことは難しいのではないだろうか

2つ目は、生産財市場の独占化だ。
いま、2つの企業が同じビジネスを行っており、事業継続のためにはお互いが所有している財産――たとえば事業免許――が欠かせないとしよう。
ここで、ライバルの免許を獲得すれば自社による一社独占が実現できるため、高い金額で相手の免許を買い占めるインセンティブが生じる。
免許の所有権がCOSTを通じて円滑に移転することによって財産市場の独占問題は解消されるものの、その財産を必要とする生産財市場において独占化が進んでしまう危険性があるのだ。

3つ目は単純で思考コストが挙げられる。
COSTにおいて申告額をいくらに設定すれば最適なのかは、税率だけでなく、自分の財産に対する他人の購買意欲に左右される。
需要が大きければ価格を上げ、小さければ下げるのが所有者にとっては望ましい。
つまり、市場の動向をつぶさに観察して、戦略的・合理的な計算をする必要があるのだ。
こうした調査や分析は、市井の人々に大きな負担を強いるかもしれない。

「スタグネクオリティ」を解決する卓越したアイデア 最後に、COSTや本書全体に対する監訳者の評価を述べておきたい。
現在の資本主義が抱える問題として特に深刻なのは、経済成長の鈍化と格差の拡大が同時並行で起きていることだろう。
著者たちが「スタグネクオリティ」と呼ぶ問題である。

こうした中で、一部の富裕層に過剰なまでに富が集中する経済格差の問題を見過ごせない、と考える経済学者も増えてきた。 ただし、著者たちのように、私有財産という資本主義のルールそのものに疑いの目を向ける主流派経済学者はまだほとんどいない。

ポピュリズムや反知性主義が世界中で台頭する中で、専門家として経済の仕組みを根本から考え抜き、しかも過激な具体案を提示した著者たちの知性と勇気を何よりも称えたい。
COSTを幅広い財産に適用していくのは、少なくとも短期的には難しいかもしれない。
しかし、補完的なルールをうまく組み合わせて、前述したような問題点にうまく対処していけば、実現可能な領域は十分に見つかると期待している。
ポズナー氏とワイル氏の卓越したアイデアをさらに現実的なものとするためにも、本書が多くの読者に恵まれることを願っている。
さぁ、ラディカルにいこう!
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

もしも、あなたが急に倒れたら...? 放置死の悲劇を防ぐ「家にペットがいます」カードに反響

もしも、あなたが急に倒れたら...? 放置死の悲劇を防ぐ「家にペットがいます」カードに反響
2019年12月21日 Jタウンネット

もし自分が倒れたら、誰がペットの面倒を見てくれるのだろう―― 1人暮らしでペットを飼っている人なら、一度は考えたことがあるだろう。
外出先で意識を失い、入院しようものなら、家にペットがいることすら気づいてもらえない可能性が高い。
そんな飼い主に、ぜひとも持ち歩いてほしいカードが作られたとツイッターで話題になっている。

家にペットがいます――そう書かれたカードを作ったのは、イラストレーターのハセガワ・アヤ(@marojuice)さん。
カードには飼い主の名前、連絡先、ペットのかかりつけの病院、いつも食べているもの、ペットの写真や特徴などを、記入する欄が設けられている。
もしもの時のために必要なことが書き込めるだけでなく、イヌやネコのイラスト入りでかわいらしいデザインだ。

ハセガワさんは作ったカードを自身のツイッターで公開。
印刷して使って欲しいと呼び掛けている。
この試みに他のユーザーからは、 「外出先で自分たちに何かあったら...と、ずっと気がかりでした。
素晴らしいものをありがとうございます。頂きます!」
「情報カード持ってるんですが、これ可愛すぎです」
「ウチは病気のワンコが居るので病気の子バージョンを使わせて頂きます」 といった声が寄せられ、話題になっている。

ほかの飼い主の体験を聞いて... Jタウンネットは12月19日、カードを作ったハセガワさんに詳しい話を聞いた。
たまゆらんさんのツイート読んでから私に出来ることはないかと作ってみました。
足りないことがあるとは思いますがもしよろしければ使ってください。
3種類お好きなのをどうぞ。
まず横半分に折って縦半分に折ってもらうと保険証を挟めるようになります。
全てのペット達が幸せに暮らせますように pic.twitter.com/uGmcwHSyRG - ハセガワ・アヤ (@marojuice) December 9, 2019

ハセガワさんがカードを作ろうと思ったきっかけは、京都のカフェ「たまゆらん」公式ツイッターの投稿。
そのカフェからネコをもらったという飼い主が脳梗塞で倒れ、長い間飼い猫の世話をすることできなかったというものだ。
飼い主が話をできるまで回復したのは、2か月以上が経った後だった。
そのときになって、自宅にネコが放置されていることが判明したが、3匹中2匹が息を引き取っていたという。
ハセガワさんは、投稿を読んだ時の心境を、 「災害に対しての対策はある程度想定してましたが、自分に何かあった時の対策は何もしてなかった!とハッとなりました」 としている。

この投稿を見て自分にも何かできないかと考えたハセガワさんは、カードを作成。
財布の中に入れることで、自身が倒れた時にペットの存在を第三者に知らせることが期待できる。
カードを作るにあたってこだわった点を聞いてみると、 「イラストレーターという仕事なのでイラストを入れました。
猫、犬だけでなくエキゾチックアニマルや小鳥も入れよう、みんな大切な家族なんだから!と思って、簡単ではありますが色々描いてみました。

サイズは折り畳むと保険証と同じサイズに、お財布のカード入れに入れた時に見つけやすいように上に赤いラインを入れました。
私が持病のある猫を飼っていたので、持病のある子用のカードも作りました」 とのこと。
このような情報カードは、災害時に備えて持つことを警視庁も推奨している。
災害時にペットとはぐれたときを考えて、ペットのプロフィールを記載したカードを作りました。
ペットの写真やかかりつけの病院などの情報を載せておくことで、ペットを探すときや自分が怪我などでペットを保護できず誰かに預けるときに役立ちます。
飼い主の皆さん、カードの作成をお勧めします。 pic.twitter.com/snPt3m5YoN - 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) March 5,
2019 自分は持病もないし、家族と一緒に住んでいるから――そう思っていても、突然の病や事故、災害に巻き込まれる可能性はゼロではない。
ペットを飼っている人はこれを機にカードを作ってみてはどうか。
posted by 小だぬき at 15:01| 神奈川 ☁| Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月22日

ちょっと「非常識な人」事例集、商品を棚に戻さない・割り込み乗車…

ちょっと「非常識な人」事例集
商品を棚に戻さない・割り込み乗車…
2019.12.21 ダイヤモンドオンライン
鎌田和歌:フリーライター

「普通」とはいっても、全員にとっての「普通」は存在しない。
同じように暮らしていても人によって常識は少しずつ異なっていたりする。
そしてふとしたきっかけで、それが露呈することがある。
 (取材・文/フリーライター 鎌田和歌)

誰かにとっての「普通」は
誰かにとっての「普通じゃない」
 グローバル化という言葉を見かけぬ日はないほど、毎日のように国際化が叫ばれる昨今。
価値観は昔と比べ物にならないほど多様化している。
 誰かにとっての「普通」は、誰かにとっての「普通じゃない」。
だからこそ、ちょっと嫌なことがあったとしても、「価値観の違い」と呪文のように唱えてスルーするスキルも必要になってきた。

 20年ほど前、当時10代で大ブレイクした女性歌手が、歌番組で年長の男性司会者に対して敬語ではなくタメ口で話したことがあった。
「敬語を使わないなんて」という顰蹙(ひんしゅく)の声もあったが、一方で「彼女はアメリカナイズされているから年上にも敬語を使わないのだ」なんて声もあった。
 最近でもまったく同様に、年長の司会者に対して敬語を使わない若手アーティストがいたが、彼らには帰国子女といった経験はなかった。
もちろん批判的な声もあったが、「そういう価値観の若者なのだろう」と受け入れた人も多かったようだ。

 そもそも礼儀やマナーといったものは、時代や地域によって、あるいはコミュニティによっても変わってくるものだ。
最初言ったことに戻るが、あるコミュニティでは「ちょっと非常識」でも、別の場所では「アリ」なことはある。
 あなたも「これが非常識なのか否か」の線引きで迷ったことはないだろうか。
いくつかのケースを挙げて考えてみたい。

ケース1 カフェにあるコンセントを使うが、その席には座らない
「よく使うカフェは窓際がコンセントを使える席になっているんです。
自分はパソコンで仕事をするとき、その席によく座っています。
あるとき、隣の席のコンセントで女性が携帯電話の充電を始めたんです。
 普通は当然、その席に座りますよね?
 でもその女性は、窓際席には座らず、奥のソファ席に座ったんです。
1人で席を2人分使うことになるわけだし、携帯電話という個人情報がつまった貴重品を離れた場所に置く神経にも驚いてしまって。
 ただ、そのときカフェはそれほど混んでいなくて、店内の席が6割程度埋まっているぐらいの状態でした。
店員も特に注意していなかったので、そういうものなのかなあ……と。
怒るほど非常識と思ったわけではないですが、驚きましたね」(Aさん/30代男性)

 なにか事情があったのだろうか……と考えてみたが、「どうしても充電しなければいけない状況」と「体の都合でソファ席に座りたかった」がかち合ったのでは……というぐらいしか考えつけなかった。
ソファ席が好きだけど充電もしたいという欲張りさんだった可能性が高いようにも思う。
 店の迷惑にならないなら非常識とまでは言えないだろうが、Aさんの言うように、携帯電話を盗まれたらどうしようという恐れはないのだろうか。

ケース2 駅で必ずエレベーターを使う
「友人と話していたとき、彼女と話がどうしても合わなかったのが『駅では必ずエレベーターを使う』という話。
私からすると、エレベーターは優先席のようなもので、お年寄りやベビーカー、妊婦さん、体の不自由な方のためのものと思っています。
 彼女はどれにも当てはまらないけれど、かなり遠回りにならない限りは利用するそう。
エスカレーターもあるのだからエレベーターにこだわらなくてもいいと思うので、それがどうしても不思議です。
 エレベーターを待つ時間がもったいないし、自分が乗ることで本来の利用者が乗れなくなったらとも思うし」(Bさん/20代女性)

 健康のために階段しか使わない人はたまに存在するが、必ずエレベーターを使うとはどういった意味でのこだわりなのだろう。
箱型の乗り物が大好きな人なのかもしれない。
ベビーカーなどには譲るというのであれば迷惑とは言えないが、若干気になる習性ではある。

ケース3 病名をしつこく聞く
「以前、1泊2日で入院したことがありました。
入院前日にたまたま会った友だちにそれを話したところ、『なんの病気?』と聞かれ。
仲のいい友だちとはいえ、そういうプライベートは聞かれたくない。
体のことなんて一番プライベートじゃないですか。
『言いたくない』と言っていたら、『もしかして深刻なヤツ?』『えっ、もしかして恥ずかしい病気なの?』とどんどん詮索(せんさく)されて。
もしそう疑っても聞かないでほしいですよね。
これで縁を切るとかはないけれど、非常識だなあとは思いました」(Cさん/30代男性)

 親しき仲にも言いたくないことあり。
誰にでも言える人もいるかも知れないが、言いたくない人もいる。
たとえ自分が言える人であっても、言いたくない人に無理強いをしないでほしいものだ。
 このケースの場合、相手も相手で「病名ぐらい明かしたっていいのに、そんなに嫌がるなんておかしなヤツだ」と思っているかもしれない。

ケース4 さりげない割り込み乗車
「通勤ラッシュ時の整列乗車で、次の電車の列からふらっと割り込んでくる人。
さりげないから注意しづらく、注意されないのをいいことに割り込んでくる。
あとは逆に、空いているホームでも、他の人がパーソナルスペースを取って並んでいるのをいいことに、堂々と割り込んでくる人がいる。
 あれはもしかしたら本人たちは、『ちゃんと並んでないほうが悪い』と思ってるのかもしれませんね。
一度は『割り込まないでください』と言ってみたいけれど、大人気ないかな……という気持ちも邪魔して言えたことがない。

 一番悲しい気持ちになるのが、高齢の方が必死に割り込んでくるとき。
『割り込まなくても自分なら席を譲るのに』とか『割り込まなくても座れるぐらいの混み具合なのに』とか『過去によっぽど嫌な目にあったのだろうか』とか『自分は年をとってもこうはならないぞ』とか、いろんな思いが錯綜します」(Dさん/20代男性)

 割り込みもそうだが、降りる人を押しのけるようにして電車に乗り込む人もなかなか品が良くない。
我先にと電車に乗り込む人を見ると、なんだか虚しい気持ちになってしまう人も多いのではないだろうか。

ケース5 店で商品を適当に棚に戻す
「昔付き合っていた恋人と100円ショップで待ち合わせをしたことがあるんです。
私が店についたら彼はもういて、私を見てうれしそうに笑って……と、ここまでは良かったのですが、手に持っていた商品を棚に雑に戻したんですよね。
ん?と思って見てみたら、ビニール袋をホッチキスの棚に……みたいに、元の棚とはぜんぜん違う場所に商品を戻していたんです。
『なんでそこに置くの?』って聞いたら、まったく悪びれずに『買おうと思ったけどやっぱりいらないと思って』と。
普通、ちゃんと本来の棚に戻しますよね?
 ドン引きしてしまいました。

 それまで半年ぐらい付き合っていて、嫌いなところも全くなく仲良しだったんですが、どうしてもこの価値観の相違は無理だと思ってお別れしました」(Eさん/30代女性)

 たまにスーパーなどで、誰かが「やっぱいらない」と思ったものをもとに戻さず目の前にあった棚に置き去ったのであろうと思われる商品を見かけることがある。
悪いマナーの主はそこにおらず、遺物だけが残っている状況。
 筆者は、その商品を正しい棚に戻すほどの善人ではないが、Eさんはもしかしたら見つけ次第戻すタイプかもしれない。

ケース6 初デートで居酒屋?
「これは私が非常識だったのかもしれない、という話です。
社会人になったばかりのころ、合コンで出会った男性と意気投合して、デートすることになったんです。
映画を見てから夕飯を一緒に食べるというよくあるパターン。
 どこで食べようかという話になったとき、近くにおいしそうな焼き鳥屋があったので『ここは?』って聞いたんです。
そしたら彼が笑顔で『え? そこは居酒屋だよね?』と……。
 私の感覚だと、居酒屋最高! 焼き鳥最高!
 初デートでフレンチとか、お高いものを食べるのって敷居が高すぎませんか……?

 よく考えてみると、私は二流大学出身だったけど、彼はいわゆるエリート。
住む世界が違うってこういうことなのかなって思ってしまいました。
 彼は気を使ってくれたのか、その後なんでもないように小洒落たイタリアンに入ったのですが、私はもう居酒屋ショックが抜けず……。
結局、その後はどちらからともなく連絡を取らなくなりました。

 最近だと、『初デートでファミレスを嫌がる女性は多い』とか、女性が初デートにそれなりのものを求めて男性がうんざりするってタイプの価値観の違いエピソードをよく聞きますが、逆パターンのほうが惨めな気持ちになるのは間違いないです」(Fさん/30代女性)

 育ってきた環境が違うから〜とはいえ、初デートで打ちのめされたら回復は難しそうだ。
これは非常識というよりも、感覚の違いによるところが大きい話だろう。
しかし切ない。

 自分は常識人だと思っていても、誰かには非常識と思われていることがあるのではないか。
細かいことは気にしすぎずいきたいものだが、身近な人の非常識or常識ラインを改めて聞いてみるのも面白いかもしれない。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今すぐやめたい「お金に嫌われる節約術」3つ

今すぐやめたい「お金に嫌われる節約術」3つ
2019年12月22日 PRESIDENT Online

節約に一生懸命になるあまり、返ってお金に嫌われてしまうという皮肉なことが起きることも。
ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんが、いますぐやめたいお金の習慣を紹介します。
※本稿はALL Aboutモヤフォー研究所『すててもやめてもうまくいく』(WAVE出版)の一部を再編集したものです。

■お金に嫌われる習慣にさよなら
節約は何のためにしていますか?
「自分の好きなものを買うため」「家族で年に一回は旅行をするため」「子どもにやりたいことをさせてあげるため」など、節約って本来は、楽しい・嬉しいを得るために始めたはずですよね
それなのに、いつの間にか「とにかく節約しなきゃ」と、節約すること自体が目的となっていないでしょうか?
実はこうした「節約、節約」と、安さばかりを追い求める行動は、お金に嫌われてしまう行動です。

例えば
1.常に底値をチェックして買い物
2.クーポンがないところでは買わない
3.衝動買いはしないと自分に課している1円でも安くなるように、使わないようにと損得勘定ばかり考える人はお金に嫌われてしまいます。

誰だってお金に好かれたいですよね。
そのために、今当てはまる行動をしていたならば迷わず捨てて、お金に好かれる行動を身につけていきましょう。

■節約対象は2パターンにしぼる
お金に好かれるには、先ほどの行動を全て逆にし、こういう行動をしてみてください。

1.最安値を比較して買うことをやめる
最安値を比較しだすと、物を選ぶ際には「安いかどうか」が重要視され、自分が本当に欲しいものを見失うことになりますつまり、自分の価値観が失われる危険性があるのです

店舗での買い物でもそうですが、ネットでの買い物でも、「送料込みでどちらが安いだろう」と10円20円の差を比較しつづけたりして、時間が過ぎ去るのはなんとももったいない。
育児もがんばっているワーママにとって、10分20分の時間も貴重ですよね。
ただし、比較を全くしない、というわけではないのです。

「あれもこれも比較」はやめて、「比較して節約するものはあらかじめ決めておく」という方法をおすすめします。
その判断基準は「買う頻度の高い物」「金額が大きな物」の2点。

例えば、毎日牛乳を1本飲む家庭であれば、同じ銘柄の牛乳が158円と198円で売っている場合、安いほうを選ぶと、1年で差額40円×365日=1万4600円という大きな金額の節約になります。
ところが買う頻度が月1回の柔軟剤は、100円安く買えるものを選んだとしても100円×12回=1200円の節約にしかなりません。
それなら、安い店をはしごする時間や体力を他にまわそう、と考えることもできます。
まずは自分の家庭の購入頻度が高い物を節約対象にしましょう。

■大きな買い物に潜む落とし穴
次に、年に一回の買い物だとしても、大きな金額の買い物の場合は節約を考えてみることをおすすめします。
大きい額の買い物をする際に陥るのが、「10万円も12万円も変わらないというような感覚になってしまうこと」。
感覚が麻痺してしまうので、店員さんのアドバイスに乗せられて高いほうを買ってしまうことになりがち……。

でも10万円と12万円では、当然ですが2万円の差で、それを日々の節約で埋めていくのは結構大変です。
よく考えて判断しましょう。

■欲しいものに出合ったら迷わずに買う
2.クーポンに振り回された買い物をしない

最近は紙のクーポンだけでなく、スマホ画面を見せると割引になるなど、何かしらクーポンサービスをしている店も増えてきました。
ただし、「クーポンがあるからここで買うか」ではなく、「たまたま行きたかったお店、買いたかったものにクーポンがあって嬉しい」くらいの気持ちでいることが大切です。
クーポンありきの買い物になると、結果的には満足のいく買い物にならずにストレスが溜まるからです。
クーポンはあくまで「あればラッキー」という存在に。ポジティブな発想はお金に好かれる人を作ります。

3.「衝動買いはダメ」をやめる
「え? 本当に?」と思われた方。
本当です。
節約するには「衝動買いをやめる」は必須だと言われます。
確かに欲しいものを手あたり次第に衝動買いしてしまっては、お金はなくなってしまいます。
そのような衝動買いはおすすめしません。

ここでいう衝動買いとは、「欲しいものに出合った際には迷わずに買う」という満足度の非常に高い買い物方法です。
いい判断をするためには、欲しいものをリストアップしておくことが必要。
欲しいものリストが出来ると、お金を使う優先順位がおのずと決まっていくんです。
大事なものから買うようになるため、同じお金を使うとしても満足感が高まりストレスが軽減します。
結果的に余計な買い物を防ぐことにもなって節約になる好循環が生まれるわけです。

衝動買いで自己嫌悪に陥るとしたら、本当は欲しくないのについ買ってしまった時。
たとえ「衝動買いをしてしまった」と思っても、それが自分の本当に欲しいものだとわかっていれば「欲しかったんだから、まあいいか」と嬉しい気持ちになるもの。

自分の価値観がはっきりしていると、お金をプラス方向に動かしていくことができますよ
欲しい物リスト作りは、節約にも満足度の高い買い物にも、大いに役に立ってくれるでしょう。
リストを見るとその人の価値観がわかるので、夫婦で見せ合うと、お互いをより理解していく機会となります。
このリストが夫婦間のお金の話題をポジティブなものにするきっかになれば嬉しいです。

お金に好かれる人の行動の根底にあるのは「自分の価値観に沿った選択をして楽しく過ごす」というマインドです
「安いから」「サービスがあるから」に惑わされず、自分が何に価値を見出しているのかを大切にしましょう
自分の価値観に沿って楽しく生きていける人が、お金に好かれる人なのです

----------
西山 美紀(にしやま・みき)
貯蓄ガイド うるおいのある毎日のためのお金の使い方・貯め方を伝授。
出版社で編集・マーケティングに携わった後、独立。
FPの資格を取る。
マネー誌『あるじゃん』の編集・執筆に携わり、現在は女性誌のマネーコラム連載の他、Web等で取材・執筆・記事監修、講演等を行う。
男女2児の母。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)がある。
----------
posted by 小だぬき at 14:57| 神奈川 ☁| Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月23日

どんな言い訳も通用する国と怒らない国民

[連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史>
どんな言い訳も通用する国と怒らない国民
2019年12月21日 SPA!
こたぬきダンス.gif
◆どんな言い訳も通用する国と怒らない国民
 東京オリンピックの予算が、当初の7000億円から3兆円超になる見込みだそうです。
 日本の国家予算が101兆円ですから、なんと、3%をオリンピックに使うわけです。
 正気の沙汰とは思えませんね。
 で、「誰が7000億円でできると計算したんだ?」とか「そもそも、温暖な気候って言った奴は誰だ?」「真夏の東京でやろうと旗振った責任者は誰だ?」と突っ込みたくなるのですが、すぐに、「そういう詳しいことを書いた書類はシュレッダーにかけました」と言われそうです。

 はい、「桜を見る会」で政府は子供の言い訳レベルでねじ伏せられると味をしめましたからね。
 ハードディスクにも残ってないし、残っていても公文書じゃないし、シュレッダーは障害者雇用の人がやったから遅かったし、反社会的勢力という定義はないし、適正に処理したなんて言うし、もう、どんな言い訳も通用する国になってしまいました。
 仮にオリンピックで3兆円使っても、なにがしかがちゃんと残るのなら、まだ、費用対効果としてぎりぎり成立すると思うのです。
 昔の東京オリンピックみたいに、高速道路が作られたとか、ですね。

 でも、何十億は、日傘だの冷水だの製氷機だの、暑さ対策に使われるわけで、何も残りゃせんわけです。
 札幌でマラソンと競歩をする費用も70億円から80億円かかる見込みなんですと。
 札幌に住んでる人が「マラソン、来るな! 夏の大通公園のビアガーデンを守れ!」とツイートしてました。
まあ、準備と警備で何日も前から、ビアガーデンなんてやれなくなるんでしょうなあ。

 税金である国家予算の3%をオリンピックに使っても、日本国民はあんまり怒らないんですよね。
3兆円あったら、待機児童の解消とか小中学校の少人数クラスなんて簡単に実現できると思うんですが。
 お祭りのオリンピックより、日本の未来を担う子供達にお金を使う方が何万倍も重要だと思うんですけどねえ。

◆自浄作用のない自民党の恐ろしさ
 やっぱり、源泉徴収が原因ですかね。
給与や報酬から支払い前に所得税を控除する源泉徴収は、日本では1940(昭和15)年、戦費調達のために始まりました。  先に控除すると、悔しいですけど「税金を払っている」「がっぽり取られた」という実感が薄くなります。
 アメリカみたいに自営業者だけではなく、源泉徴収のサラリーマンも、全員が確定申告をしなければいけないと、「ああ、こんだけ取られてるんだ」と実感できるわけです。

でも、日本だとサラリーマンは年末調整で、数字上の操作ですみますからね。
 数字を見て終わるか、自分で実際に現金を振り込むか。
この違い、サラリーマンを辞めて、自分で確定申告をした人なら、ようく分かると思います。

 自分で振り込むようになると、「税金、ちゃんと使えよ。ムダな使い方したら怒るからな!」と思う傾向が間違いなく強くなるのです。

 しかしまあ、「桜を見る会」です。
 いつまでやっているんだと思っている人もいるでしょうが、招待名簿さえ出てきたら、それで事態は明確になるわけです。  それをあれやこれやと逃げ続けるから、野党も引っ張るわけですね。
よっぽど、出てきたらまずいことがあるんだろうなあと思います。
 でも、もっと言えば、野党は批判勢力なんですから、問題にして追及するのは当たり前です。

「桜を見る会」の一番の問題点は、自民党の内部から、まったく批判が起こってないことです
 かつての自民党なら、子供の言い訳みたいな答弁に対して、長老や若手や対抗派閥が敏感に反応したと思います。
 それが、まったく聞こえてこない。
 この自浄作用のなさが、本当に怖いと思います。

 かつては、派閥争いが激しくて、首相が一年足らずで辞めていくということが続きました。
国民はいい加減にしろと怒りましたし、自民党も反省したのでしょう。
 安定した長期政権を目指そうとして、結果として、憲政史上最長の宰相になるんですから、極端から極端しかないのか! と頭を抱えてしまいます。

これは国民が成熟してないという証拠なんでしょうなあ
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月24日

細川貂々『ツレうつ』から10年

細川貂々『ツレうつ』から10年
夫が無職のまま、子どもも生まれ…
「ツレが楽しいならそれでいい」
2019年12月23日 婦人公論.jp

貂々さん。当時はどんな苦しみや葛藤があったのでしょうか。
つらかった日々を乗り越え、10年以上が経った夫婦の今は──(構成=社納葉子)

自宅療養を始めると、どんどん悪い状態に
バリバリ仕事をしていたツレ(夫)がうつ病になったのは、2004年のことでした。
結婚8年目、彼が39歳で私が34歳。
自信満々だった彼が、ある朝突然「死にたい」と言ってきた時は驚きました。
すぐに病院へ行かせると、うつ病だと診断されたのです。

それでも無理して会社に通ったけれど、ミスがどんどん増えていく。
見るに見かねて、辞表を書いてとお願いし、会社を辞めてもらいました。
それから彼の言動は、以前とは180度変わってしまいました。

いつも前向きだったのに、何をしても何を見ても「自分はもうダメだ」「あの人たちに比べて自分は」と落ち込むばかり。
ショックというより、「人間って病気になることでこんなにも変わっちゃうんだ」という驚きのほうが大きかったですね。
それでもツレが図書館で本を借りてきて、「どうも3ヵ月ぐらいで治るらしいぞ」と教えてくれたので、「あ、その程度か」と。

退職金も失業手当も出るし、半年ぐらいはやっていける。
病院に行って薬も飲んでいるし、家で療養していればよくなって、また働けるだろうと楽観的に考えていました。
ところが、ストレスの原因だったはずの会社を辞めて自宅療養を始めると、逆にどんどん症状が悪化して……。
「これは思ったより大変かも」と感じました。

もともと真面目な人なので、「いろんなことができなくなった」「社会や人の役に立てない」「だからこんな自分はもうダメだ」という思考にすぐとらわれてしまう。
布団にもぐって出てこないツレを見ていて、これはしんどいな、と思いました。
母に様子を伝えたところ、「励ますのが一番よくないらしいよ」とアドバイスされたこともあり、励ますことには最初から慎重でした。

後になって、ツレから「てんさんが僕の病気を隠すことなく、やたら励ますこともなくいてくれたから助かった」と感謝されたんですよ。
それはもともと、私のほうがネガティブ思考だったからだと思います。

たいていの人は、うつ病になった人のネガティブさが理解できなくて、「そんなことを言わないで」「そんなふうに考えるのはよくないよ」と否定するんですよね。
でも私は「わかるわかる。
ネガティブなことを考えると、負の連鎖でどんどん落ち込んでいくよね」と共感できた。
もしかしたら、それがよかったのかもしれません。

「余計なお世話」をしてくる人が……
とはいえ、家族のなかに病気の人がいるというのは大変です。
実際、夫婦どちらかがうつ病になり、結果的に離婚される方も大勢いるみたいですし……。
私の場合はずっと仲よくしている友だちがいて、毎日メールをしていました。
しんどい気持ちをストレートに話せる人がいたのは本当によかったです。
逆にそういう人がいなかったら、困っていたかも。

また、私にとってのストレスはツレのうつ病だけではありませんでした。
余計なお世話をしてくる人がけっこういるんです。
うちの場合、一番「余計なお世話」だったのはツレの両親でした。
「電気療法を受けなさい」とか「気分転換になるから旅行をしなさい」とか。
「引っ越しなさい」とも言われました。

病気になったことが周りに知れ渡っているから、と。
うつ病になったのは恥ずかしいこと、だから隠れなさいという意味ですね。
ご批判もあるかもしれませんが、私はツレの両親に「もう会わないでください」と手紙を書きました。
「余計なお世話」はツレが直接言われることが多かったのですが、その後落ち込むことがすごく多くて。
私の手紙を読んだお義母さんは「話をしましょう」と私に会いに来られましたよ。
「キター!」と思ったんですが(笑)、言われれば言われるほど夫が落ち込み、状態が悪くなることを率直に話しました。「じゃあ、会えると言われるまで会いません」と納得してくれたので、よかったです。

あの時はどうやったらツレを守れるかをすごく考えていましたね。
大変さはありましたが、今振り返ると、つらかった時のことは覚えていないんです。
脳が忘れさせるようにしているのかもしれませんが、どちらかといえば「いい経験をした」という気持ちのほうが大きい。

ただ、そう思えるようになったのは寛解(症状は出ておらず治っている状態)してから3、4年経ち、「もう大丈夫」と思えるようになってからでした。

「なんで働いて助けてくれないのかな」
寛解したのは2007年です。
ただ、その後も台風が来れば寝込むし、低気圧がくると「ダメだー!」となるし。
「また再発したらどうしよう」と、しょっちゅう心配はしていました。
そんななか、なんと私の妊娠が判明。
結婚して10年以上子どもができなかったので驚きました。
それに正直言うと、私がツレのうつ病のことを書いた著書『ツレがうつになりまして。』はよく売れて、「やっと仕事がうまくいき始めたのに、どうしよう」と、困った気持ちのほうが強かった。

でもツレは「自分が育児をする」とすぐに決めたみたいです。
驚いたし、「そうは言っても、やっぱりお母さんが赤ちゃんを育てないとダメなんじゃないの?」という思いもありましたね。
そういう意味では、私のほうが“役割”にとらわれていたのかもしれません。

「「これでいいのかな?」と、つい最近まで思っていました」(細川さん)
出産して退院すると、そのまま自宅に戻り、親子3人の生活が始まりました。
私、母乳があまり出なかったので、すぐにミルクに切り替えたんです。
それでツレは「俺の出番だ」みたいな感じになり(笑)、それからずっと育児は彼がやっています。
実は、「これでいいのかな?」と、つい最近まで思っていました。

ツレは仕事が大好きで、「男は仕事をするものだ」というタイプだったから。
勤めていた会社はその後、倒産してなくなりましたが、いずれはしたいことが見つかって、また仕事を始めるんじゃないかと。

『ツレうつ。』が映画化された後、私の仕事がない時期もあったんです。
財政的にもちょっとしんどくて、「なんで働いて助けてくれないのかな」と思ったりもしました。
その気持ちを伝えると、やっぱりケンカになったりして。

「お金を稼ぐだけが仕事じゃない。どうしてそれをわかってくれないんだ」と言ってましたね。
彼が勤め人に戻らないという選択をしたことで、私の焦りは大きくなるばかりでした。
私が「仕事ください、仕事ください」とあちこちの出版社に頼んでも、逆に減る一方。

でもある時、「焦ってるからダメなのかも」と気づいたんです。
それで「流れに乗ってみよう」と発想を変えました。
声をかけてもらった仕事は、とにかく何でもやってみようと。
そうしたら体にいい食事やセクシュアリティ、宝塚歌劇団など本当にいろいろなテーマのお仕事をいただくようになり、どんどん世界が広がっていったんです。

あの時の直感は正しかった。
行き詰まった時は、流れに乗って身を任せるのが一番なのだな、というのが今の実感です。

人の役に立つことが生きがいに
うつ病に完治はないといわれています。
つまり寛解状態がずっと続くということ。
再発率も高いそうです。
だから今も疲れをためないよう、気をつけていますね。

この1年でガラッと変わった出来事というと、ツレが運動を始めたことです。
きっかけは自転車でした。
彼が乗りたいという自転車があって、店で「これに乗りたいんです」と言ったら、「あなたでは無理です。体重が重過ぎます」と言われたんですよ。
「今、80キロなんですけど、どれぐらい減らしたらいいですか」と訊くと、「ほんとは70キロぐらいがいいんですけど、まあ、せめて5キロは減らしてください」と。

それから一所懸命ジムに通い始めて、半年ぐらいで5キロ痩せました
そして最近、ようやく手に入れたんです。
でも、自転車ってお金がかかるんですね。
もう、「何それ」という付属品がいっぱいあります。(笑)
あとは山登り。
といっても坂道のウォーキングみたいなゆるさで、2時間ぐらいで帰ってこられるコースです。
山って、一人で行っても必ず誰かに会うんですよ。
それで「こんにちは」と挨拶したりするのも楽しいみたい。
とにかくよく運動していて、そのことでだいぶ安定してきました。

気圧の変化にもあまり左右されなくなってきて。
運動って心の健康にもいいのかなと思います。
安定してきた今だから聞けるというか、話してくれることもいろいろあります。

実は、働かないという選択については、本人もだいぶ葛藤したようで。
最近になって、そのことで悩んでいたと話してくれました。
それはそうだよな、と思います。
だって、あんなに仕事が好きで、いきいきと輝いていたのですから。
仕事をしないでいられるはずがない。

でも同時にツレはこう言ったんです。
「お金は稼いでないけど、家族のために働いている今の生き方が好きなんだ。
一応、人の役に立つことをしているということに生きがいを感じている」と。
それを聞いて、「ああ、ツレは心の底からそう思ってるんだ」とようやく納得できました。
本当はちょっと前から同じことを言っていたと思うんですが、たぶん私が「そうは言ってもいずれ働くでしょう」と聞き流していたんですよね。

私自身が素直に受け止められるようになり、今は「ツレが楽しいならそれでいいんじゃないか」という気持ちになっています。
実際、とても助かっているのは事実です。
私が仕事で行き詰まっているのを見計らってお茶を淹れてくれたり、そういうのを絶妙なタイミングでやってくれる、「よくできた妻」みたいな。(笑)

今、苦しい時期の真っ只中にいる人へ
一方で、私自身も変わったと実感しているんですよ。
ツレにも最近、すごくよく言われます。
「あんなにブツブツ文句ばっかり言って暮らしてたのに、本当に変わったよね」と。
最初にお話ししたように、私は自己肯定感が低くて、ネガティブ思考ががっちり身に付いてました。
だけどツレがうつ病になり、一緒になってネガティブでいたら自分も追い詰められる。
「あっちは病気だけど私は元気なんだから、私が自分のネガティブを何とかしなきゃ」と気がついたんですよ。

ネガティブな人って、全部が後ろ向き。だから行動と言葉をまず変えようと思いました。
考え方から変えようとすると難しいですからね。
しかも、その変化は自分にも周りにも見えにくい。

だからまずは言動──たとえば、みんなに挨拶するとか、笑顔でいるとか。
あと、何より自分を認めるのが大事なので、自分で自分を褒めたりもしました。
そうしていると、周りの人が「なんだか最近、変わったね」と言ってくれるようになったのです。
それがまた自信につながって、自分がどんどん変わっていきました。
子どもの存在も大きいです。

2人きりだと行き詰まっていたのが、もう1人いることで中和されるというのを、すごく感じています。
でもそう言えるのは、子育ての大半をツレがやってくれているからかもしれませんね。
ツレのほうは、子育てに行き詰まって、だいぶ悶々としておりました(笑)。

でも彼には開拓していく能力があるので、ママ友とつきあってみたり、パパ友をつくってみたり。
もともとコミュニケーション能力が高い人なのです。
ツレの両親との仲も、今はとっても良好です。

寛解して薬をやめ、出歩けるようになった頃に、ツレから連絡をとるようになりました。
子どもが生まれてからはもうバッチリです。
今、苦しい時期の真っ只中にいる人には、私たちの話が遠い世界の出来事のように思えるかもしれません。
うつ病って、先が見えないし、いつよくなるかもわからないですし。

かつての私たちも、1日1日、その時その時をどうしたら楽に過ごせるかだけを考えて生きていました。
ひとつ言えるとしたら、周りの人がストレスをためないで、充実して生きることが大事かな。
たぶんそれはご本人に伝わり、いい影響を及ぼすと思います。

「自分のせいで家族がつらい思いをしている」という罪悪感を減らせるので。
ツレがうつ病になったおかげで、私たちの人生は思ってもみなかった方向へと進んでいきました。

「流れに乗って身を任せる」というのは、うつ病とのつきあい方にも通じるような気がします。
今は、できることをしながら、生きることを楽しもうと思っています。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(10) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月25日

レイプ被害を訴える女性は品行方正であれという虚妄

[鈴木涼美の連載コラム「8cmヒールで踏みつけたい」]
レイプ被害を訴える女性は品行方正であれという虚妄
2019年12月24日 SPA

 ジャーナリストの伊藤詩織氏が、元TBS記者の山口敬之氏から望まない性行為を強要されたとして損害賠償を求めて起こした民事訴訟で、東京地裁は山口氏に対して330万円の支払いを命じた――

◆彼らの頭が悪いから/鈴木涼美
 ガリレオ・ガリレイがコペルニクスの地動説を支持したことで、宗教裁判で有罪となったのは人間の愚かさを示す事例としてあまりに有名だけど、ネット言論における、不都合な真実を受け入れずに弾圧しようとする態度は、地動説を異端としたカトリック教会のようだと時々思う。

 ジャーナリスト志望だった女性が、米国のピアノバーで知り合った元キー局社員の性暴力を訴えた民事訴訟の第一審判決は、原告の女性側が勝訴した。
裁判で問題にされたのは性行為における合意の有無であり、近年の傾向から考えても、記憶がないほど酩酊した、恋人でもない、しかも就職の世話を頼んできている立場の弱い女性と性行為に及んだことを思えば至極真っ当な判決のように思える。  

本件が注目されたのは、被告男性が、首相や現政権内部の政治家と親しい関係で、不可解な「逮捕の中止」を経て刑事事件としては不起訴となっていたからだ。
「首相の御用ジャーナリスト」の逮捕が何らかの理由で中止され、検察審査会でも不起訴相当の議決がなされたとなれば当然、政権と警察庁や検察の関係に疑惑が向けられる。

こうした事情から、女性が顔を出して被害を訴えて約2年、両者の言い分を擁護する論者たちは、政権代理戦争とも呼べる熱っぽい論争を繰り広げてきた。

 女性を擁護してきたのは積極的に政権批判をしてきた面々に加え、女性の性被害に敏感な論者たちで、
男性を擁護していたのは当然、普段から極右やネトウヨ、安倍応援団と認識されている人・メディアとほぼ綺麗に一致する。

そして両者は時にこれを政権問題に、時に女性の人権問題にすり替えて互いに批判を繰り返してきた。
男性擁護派は女性側の落ち度を指摘するために、ホステスとして男性と出会った点や、性行為後に就職の頼みごとをしている点などを列挙し、男性から仕事を得られなかった腹いせに告訴したというストーリーを語る。

 対する女性を応援する立場の論者らは、「アベ御用記者」の性暴力ともみ消しを強調するが、その際、彼女にしばしば真面目で自立した新時代の女性という印象を押し付け、ピアノバーはキャバ嬢と違う、といったトンデモ論まで飛び出る。
ピアノバーは米国における日本人キャバクラの隠語だが、そんな擁護をされた女性はどんな気分だろうか。

仮に彼女が、女を使って不相応な仕事やお金を得ようとしていたビッチなホステスであっても、性暴力裁判においては関係がないはずだが、女性の人権のために立ち上がるヒロインとしては都合が悪いのだろうか。

 政権と検察に不健全な関係があるなら徹底的に追及してほしいが、政権とその支持者の性暴力は関係がない。
素晴らしい政権だって関係者が性暴力事件を起こす場合はあるし、クソみたいな政治家でも性に関しては品行方正という場合もある。
政権擁護のために都合の悪い性暴力は無視して女性のプライバシー暴露をする態度が人を傷つけるだけなのは言うまでもないが、政権批判のために彼女のイノセントさを強調する声もまた、彼女や彼女に共感する性暴力被害者を追い詰めている気がするのだ。
※週刊SPA!12月24日発売号より

鈴木涼美】 ’83年、東京都生まれ。
慶應義塾大学環境情報学部卒。
東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。
専攻は社会学。
キャバクラ勤務、AV出演、日本経済新聞社記者などを経て文筆業へ。
恋愛やセックスにまつわるエッセイから時事批評まで幅広く執筆。
著書に『「AV女優」の社会学』(青土社)、『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)、『おじさんメモリアル』(扶桑社)など。最新刊『女がそんなことで喜ぶと思うなよ』(集英社)が発売中

*小だぬき
この事件は、酔っ払い 意識朦朧とした女性を 自分の部屋に連れ込んだ時点で「強姦」の意図ありでアウトではないかと思います。なぜ女性のための部屋を取らなかったのか??   家まで送り届けなかったのか??
また意識朦朧とするまで 酔わせたのかも 男性のモラルを疑うのです。
「検察審査会」は国民の常識で議論するところ。私の思いは もはや「常識」ではないのでしょうね。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月26日

支持率に上がり目なし 視野に入ってきた2020年安倍退陣

支持率に上がり目なし 視野に入ってきた2020年安倍退陣
2019/12/25 日刊ゲンダイ

 下落がどうにも止まらない。
報道各社の世論調査で内閣支持率が軒並み下がっているが、ついに40%を割り込み始めた。
 朝日新聞が21、22日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は38%。前回の11月調査から6ポイントの下落だ。不支持率は42%(前回36%)と、1年ぶりに支持率と逆転した。

 安倍首相主催の「桜を見る会」については、招待者の名簿は廃棄して復元できないと説明する政府の対応に76%が「納得できない」と答え、「納得できる」の13%を大きく上回った。
自民支持層でも「納得できない」は66%に上った。

「支持率下落の最大の要因が『桜を見る会』の問題にあることは明らかです。
伝統ある行事を私物化し、公費で支援者を接待して選挙対策に利用していた破廉恥ぶりには呆れるしかない。
その上、反社会的勢力や被害者が多発したマルチ商法の親玉まで招待していたわけで、その説明責任も果たさずに逃げ回る姿を見て、まだ3割もの人が支持していることの方が驚きです。
自分のスキャンダル隠しのために国民の財産である公文書を隠蔽し、官僚に嘘をつかせ、自分も口から出まかせばかり言って有権者をダマそうとする。
そんな人物に国政を任せられないと気づいた人は少なくないはずです。
外交でも、裏でとんでもない約束をして国民に隠しているかもしれない。
桜を見る会の問題では、安倍首相の人間性が問われているのです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 世論調査の「次の首相」で安倍に批判的な姿勢を貫いてきた石破元幹事長が首位を総ナメにしているのも、安倍不信の表れだろう。

■支持率回復の楽観論はナメすぎ
 それでも、安倍の周辺からは「国民はすぐ忘れる」と楽観視する声が聞こえてくる。
これまでも、安保法制やモリカケ問題などで支持率が下落したことがあったが、一過性に終わり、時間が経てば盛り返してきた経験則からだ。
臨時国会は逃げまくって閉幕にこぎつけたから、もう大丈夫とタカをくくっている。

年末年始はテレビ番組もバラエティー特番ばかりだから、政治ニュースで「桜」が扱われる機会もなくなる。
年が明ければ気分も一新、桜なんて過去の話になっているというわけだ。

「今回ばかりは、そんな思惑通りにはいかないでしょう。
国民をバカにするのもいい加減にすべきです。
ここへきて、“首相ベッタリ記者”こと元TBSワシントン支局長の山口敬之氏のレイプ事件もみ消し疑惑が再燃していることも、政権にとっては大誤算だと思う。
 この事件はこれまでテレビで大々的に報じられることはなかったが、民事訴訟でレイプを認定する判決が出たことによって報道され、多くの人が知るところになりました。
首相のオトモダチだから逮捕されず、不起訴になったのではないか。
オトモダチ優遇と政治の私物化によって、警察行政も司法も歪められたのではないか。
そういう疑念は、どうしても『桜を見る会』と関連づけて考えられてしまう。
首相周辺は来年1月に召集する通常国会の冒頭で、大型補正予算を成立させたら衆院を解散するというプランも検討したようですが、とても解散を打てるような状況ではありません」(本澤二郎氏=前出)

 17年にも、モリカケで追い込まれた安倍は北朝鮮ミサイルを理由に「国難突破」とか言って局面打開の解散に打って出た。
同じ手法で桜を蹴散らそうと考えたわけだ。

五輪開催の首相は年内に退陣のジンクスもある
 秋の臨時国会では受験生そっちのけの利権で動いていた大学入試改革のデタラメが露呈し、24日は、美人官僚との不倫デート報道もあった和泉首相補佐官が電源開発に便宜供与をチラつかせて沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設への協力をねじ込んでいた件も発覚。
長期独裁政権の弊害が次々と明らかになり、安倍の人間性に対して不信感が渦巻いている現状では、解散で大幅に議席を失う可能性が高い。
1月解散は、かなり“あり得る”シナリオだったが、選挙に勝って4選をうかがう安倍にとって、それは最悪の選択肢になってしまった。

「現衆院議員の任期は21年10月21日まで。
安倍首相の総裁任期は同年9月末までです。
その間に解散を打てるタイミングは、実はそう多くはない。
1月の通常国会冒頭が無理だと、次は東京五輪後というのが大方の見立てですが、目下の支持率低下を見ると、五輪まで政権が持つかも微妙な情勢になっている。
桜を見る会の問題で、自民党支持層が怒っているからです。

 年明けからは消費税10%の悪影響がどんどん経済指標にも表れてくるし、外交での無定見も隠せなくなってきた。
今後の上がり目はなく、年末年始の地元回りで突き上げられた自民党議員から『もう安倍さんではダメだ』という声が大きくなれば、解散を打てないまま退陣に追い込まれることは十分に考えられる。
五輪までは何とか持たせて、それを花道に退陣という話も党内で囁かれています」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 政府・与党は通常国会を1月20日に召集する方針を確認。
この日程では、冒頭解散はないとみられる。
会期は150日だから6月17日までで、翌18日からは東京都知事選が始まるため、会期延長も難しい。
都知事選が終われば、すぐ東京五輪だ。
そこまで安倍が続けたところで、残り任期1年を切る安倍のレームダック化は避けられない。

■岩盤支持層も離反し始めた
 安倍に近い議員の中には「五輪直後の解散なら、イベントの高揚感と“オールジャパン”的なムードで安倍政権に支持が集まり有利な総選挙になる。
そこで勝利すれば総裁4選だ」などと戯言を口にする手合いもいるが、逆だろう。

 安倍政権が続いていれば、東京五輪直後の8月24日に連続在職日数でも大叔父の佐藤栄作を抜き歴代単独1位になる。
もう十分に長くやったし、マリオに扮して笑いものになってまで楽しみにしていた五輪のホスト役も務め、思い残すこともないでしょう。
ひと区切りついたし、長期政権で何ひとつレガシーを残せず、増税を押し付けて国の借金を増やしただけの無能首相には、ここらでお引き取り願いたい――そんな空気が蔓延している可能性の方が高いのだ。

「憲法改正で支持層を引っ張ることも難しくなっている。
桜疑惑から逃げるために臨時国会をさっさと閉め、改憲の一里塚である国民投票法の改正にこぎ着けられなかった。
これで総裁任期中の改憲は絶望的です。
保身のために改憲を捨てたことで本気度が疑われ、“改憲やるやる詐欺”だったことが支持層にバレつつある。

 支持基盤の右派は来年4月に中国の習近平国家主席を国賓で迎える計画に反発。
米国のトランプ大統領が秋の大統領選で劣勢となれば、第1次政権と同じように自ら投げ出す可能性もあります。
4選はもはや夢物語でしかなく、五輪後に禅譲してキングメーカーになるシナリオも現実味が薄れている。
日本で五輪が開催された年には、首相が必ず退陣するというジンクスもあります」(山田厚俊氏=前出)

 1964年の東京五輪では池田勇人首相が閉会式翌日に病気療養での退陣を表明。
72年2月の札幌冬季五輪は佐藤栄作の8年近くに及ぶ長期政権の末期で、同年5月の沖縄の本土復帰を花道に7月に総辞職。
98年2月の長野冬季五輪当時の首相だった橋本龍太郎は、5カ月後の参院選で大敗して総辞職した。
前年4月の消費増税も影響した。

 あらゆるシナリオが狂って袋小路の安倍も同じ道をたどりそうだが、それも自業自得というものだ。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月27日

年始に立てた「今年こそ…」という目標がすぐ挫折する心理的理由

年始に立てた「今年こそ…」という目標がすぐ挫折する心理的理由
2019.12.26 ダイヤモンドオンライン
片桐あい
カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、
産業カウンセラー

毎年、年始に「今年はこれをやる!」と目標を掲げ、仕事始めには見事にそれが習慣化されずに、「チャレンジが終わってしまった…」という方は少なくないでしょう。
でも、うまくいかないのには、うまくいかないなりの理由があったのです。
「今年こそは!」と思っている方に、ぜひお勧めしたいことをお伝えします。

「失敗は成功への道のりの 一部でしかない!」と考える
 今年の年末年始休暇は9連休の方もいるかと思います。
毎年、年始には「今年こそは!」と、気合を入れて1年の目標を立て、そして、休み明けにはチャレンジが終わってしまうという、新年早々ガッカリした気持ちから仕事が始まる人も多いのではないでしょうか?

 目標を達成するためには、ある程度の苦痛が伴うと思う方もいるでしょうが、結局はこの「苦痛が伴うことは継続が難しい」のです。
 例えばダイエットをしようと思ったとき。「炭水化物を抜く」と決めて我慢をしても、結局はどこかで反動が出て牛丼をお腹いっぱい食べてしまい、自己嫌悪と後悔を感じたとします。
 そうなると、「あー、今回もうまくいかなかった。ダメな人間だ。やっぱり今回も続かない」と、チャレンジが終わってしまう人も多いことでしょう。

 このときが一番大切なのですが、うまくいかない人はこのときに「『またダメだった』という負の感情でチャレンジが終わってしまうという失敗を体験」したことになります。
そして、失敗したことが、その人にとってのすべてになってしまいます。

 ところが、その経験は失敗ではなく、「成功への道のりの一部でしかない!」と思うだけで、新たな勇気が湧いてくるのです。
 ダイエットの最中に牛丼を食べたら、その経験に「失敗」というレッテルを貼って「できないシナリオの自分を演じる」のか、もしくは「成功の材料」というレッテルを貼って、この失敗も成功へのストーリーの一部だと思い、「うまくいくシナリオの自分を演じる」のか、どちらか一つに決めるだけです。

 考え方の違いですが、後者は、「失敗した!」と思った後にも、すぐさま前向きな行動が取れるのです。
 失敗は終わりではなく、成功への一部。むしろ、成功までのストーリーを面白くするためのエピソードだと思えば、罪悪感もなければ落ち込むこともなく、次のアクションに気持ちよく移れます。
 感覚的にはRPGのゲームのように、やられてもライフが回復して、また続けてチャレンジができるようなイメージです。

「できなくても、途中続かなくても、気持ちをリセットして前に進める人」が、結果的には目標達成まで走り続けることができるのです。

目標達成のためのアクションを 仕事納めの前から始める
 年始に立てた目標が瞬時に崩れるのは、年明けの「通常モード」の生活に戻った時が多いのではないでしょうか?
「休み中は頑張ったんだけどね。会社が始まると同時にチャレンジしていたことも忘れてしまった」という方もいらっしゃいます。

なぜ、年始にセットした目標が、仕事始めで崩れるのでしょうか?
 それは、目標が「長期休みの間に立てた」ものであるため、休み明けの「忙しい状態」で継続することが難しいからなのです。
 仕事始めは、職場や顧客への年始のごあいさつや、たまっていた仕事に追いつくだけで大変です。
そんな中、まだ定着していない新しい習慣である「今年の目標達成に向かうためのアクション」が入る余地があるでしょうか?
 休みの日にはできていたことも、仕事モードに入った瞬間、気が付くと忘れ去られていることが多いわけです。

 では、どうしたらよいのでしょうか?
 それは、「年始の目標達成のためのアクションを、仕事納めの前から始める」ことです。
そして、目標達成するための「最初の一歩」は、なるべく小さくしておくとよいでしょう。

 人の機能として備わっている「ホメオスタシス」(恒常性維持機能)というものは、急な変化に対して揺り戻しをしようと働きます。
ダイエットが進むにつれて停滞期に入るのも、このホメオスタシスが関係しているといわれています。
 そのために、ホメオスタシスに気付かれないように、少しずつ変えていくようなイメージで、目標を達成するための一歩を踏んでいけるように計画を立てられれば、必ずうまくいきます。

 これもRPGゲームでいうと、ボスキャラを倒すためには、ちょっとずつ進みながら弱い敵を倒していきますよね。
そんなイメージで楽しみながら進めていくことがコツです。

よりよい目標を立てるための 「SMARTの法則」
 一般的によりよい目標を立てるためは「SMRATの法則」というものがあります。
これは、多くのビジネスパーソンはご存じかと思いますが、
なかでも一番大切なのは “Attractive”(魅力的なものであること)です。

では、誰にとって魅力的であることが大切なのでしょうか?
まず、「自分」です。
目標を達成して達成感を感じるのも、その過程で経験するさまざまなことも自身の資産です。
 しかし、目標達成でうまくいかないときに支えてくれるのが周囲の人です。
ですから、その「目標達成に協力してくれる人にとっても魅力的であることが非常に大切」なのです。

 自分の目標達成をするうえで、支えてくれる周囲の人は誰でしょうか?
 例えば家族や職場の人、仕事仲間やお客様かもしれません。
その人にとって、「目標達成ができれば、どんな魅力的な世界が待っているのか」を一緒にイメージしてもらいます。
 そこに共通のゴールが見つかれば、その人はあなたの目標達成のための応援団になり、コーチになり、ペースメーカーになってくれます。
そして、運命共同体として一緒に頑張ってくれる可能性があります。

 この目標達成をするうえで協力者にとっても魅力的な目標であれば、あなた一人の都合や意思で目標達成を諦めることはできなくなります。
そして、目標達成ができたあかつきには、達成を分かち合い、信頼関係はより強固なものになることでしょう。
 まずは「何を達成したいのか」という目標を決めて、それを達成するために協力してくれる人を探すことを今日から始めてください。

 きっと、年始には何か一つ進んでいて、さらに仕事始めには「小さな成果」が手に入っているかもしれません。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月28日

消費増税10%の悪影響がヤバすぎる。新春から本格的に景気後退か

消費増税10%の悪影響がヤバすぎる。
新春から本格的に景気後退か
2019年12月27日 SPA!

令和もいよいよ2年目へ。
おそらく、新春ムードに浮かれている人も多いことだろう。
だが、少々残念なお知らせが……。
’20年の景気は一層冷え込む可能性が高いのだ。
なぜか大きく報道されていないのだが、10月に実施された消費増税の影響がデカすぎた。

◆軽減税率・キャッシュレス還元効果むなしく消費大増減!
「12月6日に発表された総務省の家計調査によると、10月の消費支出は物価変動を除いた実質ベースで前年同月比5.1%減と大きく下落しました。
大型台風の影響があったとはいえ、’14年の5%から8%への引き上げ時よりも大きな下落率。

軽減税率の導入やキャッシュレス決済時のポイント還元制度を導入することで、駆け込み需要からの反動減を抑制しておきながら、この水準です。
 さらに内閣府が発表した景気動向指数では、景気の現状を示す一致指数が前月比5.6ポイントも下落と、8年7か月ぶりの大きさを記録している。

消費増税の悪影響が想像以上のものだったと言わざるをえません」
 こう話すのは国内外の経済動向をウォッチし続ける闇株新聞氏。
足元では日経平均株価が2万4000円の大台に乗せて年初来高値を更新したが、「株価の好調に反して景気はここ数年で最悪」という。

元大蔵官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏も次のように話す。
「経産省が11月末に発表した10月の商業動態統計では小売・卸売業が悲惨な状況にあることも明らかになっています。
10月の小売業販売額は前年同月比7.1%減で、’14年増税時(4.3%減)のマイナス幅を大きく上回ったのです。
 財務省が毎月発表している貿易統計でも、10月の輸出が前年同月比9.2%減、輸入が同14.8%減と大きく低下。
11月の速報値でも輸出が7.9%減で輸入が15.7%減と大幅なマイナスです。

特に、2か月連続で2桁減を記録している輸入額からは国内需要が大きく低下していることがうかがえる。
 経産省が発表した10月の鉱工業生産指数も前月比4.2%減で、3年5か月ぶりの低水準。
10月の台風被害で操業停止に追い込まれた工場があった影響もあるでしょうが、日本も含めて世界的に需要が落ち込んでいることを如実に示しています。
前回増税は3%分で今回は2%分のため、単純計算で景気の落ち込みは前回の3分2程度にとどまるだろうと予想する人もいましたが、実際には前回増税時を上回る落ち込みをみせているのです」

◆問題はロクな対策を講じていない点  
もちろん、前回と単純比較はできない。
’14年4月の増税は、アベノミクスが始まった直後のこと。
これに対して、今回は米中貿易戦争などで世界的に先行き不透明感が強まった。
「いまだ日本は景気の基調判断を『緩やかに回復している』として、’12年12月から始まった戦後最長の景気回復は継続中であるとの判断を維持していますが、多くの景気指標を見ると’18年10月にピークをつけていたことがわかります。

実際、この12月に内閣府から発表された’18年度GDP確報値は、速報値の0.7%から0.3%に大幅に下方修正されている。
さらに、多くの人が見落としているのがGNI(国民総所得)。
こちらは速報値の0.2%から一転してマイナス0.2%に下方修正されているのです。
 GNIは文字どおり、国民が1年間に得た所得の合計を示す数値。
つまり、’18年度には早くも日本の所得水準は低下に転じて、そこに世界的な景気減速が重なるという最悪のタイミングで増税が実施されてしまったのです

’20年度の新卒求人倍率は8年ぶりに低下しており、安倍政権がアピールし続けた雇用環境の改善も頭打ちの状況。
もはや、『緩やかに回復している』と言える材料は尽きているといっていいでしょう」(第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏)

 問題なのは、そんな経済環境にありながらロクな対策を講じていない点にあるという。
「12月13日に’19年度補正予算案を臨時閣議決定しましたが、『安心と成長の未来を拓く総合経済対策』と名づけながら、経済の下振れリスクに対処するための重点支援策への投入資金は9000億円どまり。
10 月の消費増税では軽減税率や教育無償化に伴う財源を差し引いて、恒久的に2.5兆円の家計負担増になると試算できるのに、まったくその穴埋めができていません」(同)

 高橋氏は「そもそも補正を打つのが遅すぎる」と指摘する。
「増税に伴う景気減速が目に見えていたにもかかわらず、10〜12月の臨時国会での補正予算成立を目指さず、政府は1月20日に召集される通常国会での早期成立を目指す姿勢です。

仮に1月中に補正予算が成立しても、実際に予算が執行されるのは年度末の3月になってしまうでしょう。
つまり、増税から半年も追加対策を打てぬまま時間が過ぎてしまうわけです。
おそらく、来年度(’20年度)の補正もすぐさま打たないと景気の下支えは難しい。
政府の対策が後手に回っているのは明らかです」

 ’20年はオリンピックイヤー。
東京五輪直前にテレビをはじめ、家電の駆け込み需要が発生する可能性もあるが、「6月にはキャッシュレス決済のポイント還元制度が終了して消費の落ち込みが一層激しくなり、五輪後にはインバウンド需要が急速に萎む」(永濱氏)という。

 そして、本格的な景気後退局面入りへ……。
果たして、いつまで安倍政権は「緩やかに回復している」と言い続けるのか?
令和2年の日本経済がヤバイことになることを覚悟しておきたい。

<取材・文/週刊SPA!編集部 >
※週刊SPA!12月24日発売号「今週の顔」より
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月29日

「年末食べまくり」も腹は凹む!運動・食事6秘訣

「年末食べまくり」も腹は凹む!運動・食事6秘訣
2019/12/28  東洋経済オンライン
池谷 敏郎 : 医学博士/池谷医院院長

内科、循環器科の専門医として、数多くの患者と日々接している医学博士の池谷敏郎氏。
血管、心臓などの循環器系のエキスパートとして『モーニングショー』(テレビ朝日)、『深層NEWS』(BS日テレ)などテレビにも多数出演しているが、過去15キロ以上の減量に成功し、57歳でも体脂肪率10.6%を誇ることはあまり知られていない。
その減量メソッドを全公開した著書『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド』が13万部のベストセラーになっており、日テレ系列『世界一受けたい授業』(12月7日放映)にも出演した池谷氏が、「飲み会などたくさん食べる機会が多い年末でも『お腹が凹む食べ方過ごし方』」について解説する。

忘年会続き…ダイエットは諦めなければいけない!?
12月に入ると、「忘年会」「飲み会」「家族での食事」などでたくさん食べる機会が多くなりますよね。
この時期はダイエットを続けている人でも、「1年の締めくくりだから」「1年間、お世話になったみなさんへのお礼もかねて」というような理由をつくったりして気持ちも緩みがちです。

しかし、どんどん飲み会が続いてしまうと「このままではダイエットは再開できないんじゃないか」「こんなに食べ続けてしまったから、もう無理かも……」と、ダイエットに対して「諦めモード」になってしまう人も少なくないと思います。

私の医院に通う患者さんの中でも「平均週3回前後の接待があって、自分が食べないわけにはいかない」という方もいらっしゃいます。
確かに、仕事関係の飲み会などは、「ダイエット」を理由に参加を断るのは、なかなか厳しいことが多いかもしれませんね。

しかし、飲み会があった「翌日の過ごし方」を工夫すれば、たとえ飲み会が続いたとしても、諦めることなくダイエットを続けることができます。
そして、その工夫はとても簡単にできるものばかりです。

ここでは、私がおすすめする「たくさん食べることの多い年末の時期でも『内臓脂肪』をためない6つのコツ」を紹介します。

まず、1つ目のコツが、食べすぎた翌日でも「朝食は抜かない」ということです。
電車の「ひと駅分」を効果的に利用する

【1】朝食は抜かず、ヨーグルトや野菜ジュースをとる
「医師が警告!『糖質制限したい人』、ここに注意」でも解説しましたが、朝食抜きはNGです。
「昨夜食べすぎたから……」という理由で、朝食を抜いてしまう人も多いかもしれませんが、午前中の集中力が低下してしまうだけでなく、ランチにドカ食いしてしまう可能性も出てきます。
これではますます悪循環に陥ってしまいます。

ここでおすすめなのが、野菜や果物が入ったジュースやコーヒー、ヨーグルトなどです。
「手づくりジュース」「蒸し大豆や蒸し黒豆をトッピングしたヨーグルト」「コーヒー」は私の朝食の定番でもあります。

ただし、ここで注意してほしいのは、コーヒーとヨーグルトは「無糖」にすることです。
どれか一品でもいいので、とるようにしましょう。

【2】電車や家事の合間に「かかとの上げ下げ運動」
飲んだ翌朝の電車や家事は、とくにつらく感じると思いますが、「かかとの上げ下げ運動」をしてみましょう。
家事の合間に、あるいは電車の中の吊り革につかまって「ギュッとかかとを上げて、止めて、下ろす」という簡単な運動です。
ふくらはぎの血管は、重力に逆らって血液を心臓に送り返すために、ポンプのような働きをしています。
この運動をすることで、ふくらはぎの「血管のポンプ機能」が促進され、「血液循環の滞り」を解消するとともに、「脂肪燃焼」を促す効果も期待できます。
だるい体もスッキリしてくるかもしれません。

この運動は1回1〜5分、1日に3セットほど行うのが理想的ですが、電車に乗っているときなら、例えば「ひと駅分やってみる」などでもいいと思います。
ちょっとの隙間時間でできるので、電車のなかだけでなく、仕事中でも気がついたときにでも少しずつやってみてもいいと思います。
ちょっとした運動では、「かかとの上げ下げ運動」のほかに「ドローイン」も効果的です。
ランチは意識して「たんぱく質」を多くとる

【3】「ドローイン」で下腹を凹ませる
「なぜ痩せない?「『お腹太りの人』が陥る5大盲点」でも紹介しましたが、お腹と背中がくっつくようなイメージで、下腹を凹ませる「ドローイン」も効果的です。
お腹を引っ込めたままで、呼吸は普段と変わりなく行います。
たったこれだけのことですが、「体幹(インナーマッスル)」を鍛えてくれる強力なエクササイズです。

立っていても座っていても、歩きながらでもOKです。
いつでもどこでもできるので、「かかとの上げ下げ運動」よりやりやすいかもしれません。
「ドローイン」をしようとすると、つい呼吸を止めたり、浅くなったりすることがありますので、普段の呼吸になるように気をつけましょう。

【4】コンビニを活用した「最強の調整ランチ」
ランチはできるだけたんぱく質がとれるメニューが理想なのですが、外食だと、どうしても糖質が多くなりがちになってしまいます。
そこで、コンビニをフル活用した「最強の調整ランチ」をおすすめします。
「コンビニ食は健康によくない」というイメージがあるかもしれませんが、選び方次第で「最強の調整ランチ」が可能です。

ここで、いくつかメニューを紹介しましょう。

【スープカレー+もち麦】
スープカレーは一般的なカレーより低糖質。
もち麦はかなり低糖質です。

【蒸し大豆入り春雨スープ+サラダチキン】
春雨スープに蒸し大豆を入れ、サラダにサラダチキンをのせます。栄養バランスも◎。

【コンビニサラダ+豚肉の生姜焼き(パック)】
ドレッシングなしでも野菜をおいしく食べられます。
ゆで卵を追加してもOK。

私自身も、ランチはコンビニをよく活用していますので、ぜひ試してみてください。

5つめのコツは、入浴タイムを効率的に使った「自転車こぎ体操」です。

【5】お風呂で「自転車こぎ体操」をする
「シャワー派もOK!「お腹が凹む入浴法」3大秘訣」でも紹介していますが、湯船の中で「自転車こぎ体操」を行ってみましょう。
入浴がちょっとしたトレーニングタイムに変わり、ダイエット効果も期待できます。
お風呂の中では、浮力とともに適度な水圧がかかるので、膝関節に過度の負担をかけずに、エネルギー消費量をアップさせることができます。

下半身には全身の6〜7割の筋肉が集中していますから、下肢を動かすことは「効率のいい運動」なのです。
コツは、思い切りよく、バシャバシャやること。
ただし、自分のペースにあわせて無理のない範囲で行ってください。
のぼせやすい人、高血圧の人は負担が大きいので行わないでください。

【6】お風呂上がりに「1杯の氷水」
お風呂上がりは汗をかいて水分が失われていますので、入浴後の水分補給をしましょう。
ポイントは「氷水での補給」にすることです。
人間には体温があるため、冷たい水を飲むとその分だけ「体温を上げよう」としてエネルギーを使います。
このエネルギーは体内の糖分や脂肪を燃やしてつくるので、それだけ代謝がアップします。

ただし、大量に一気飲みはしないようにしましょう。
氷水を一気に飲むと、血圧が上昇したり胃腸に負担がかかったりすることがあります。
飲むときは、ゆっくり少量ずつ飲むようにしましょう。

2020年は「スリムな見た目」を手に入れよう
食べすぎが続いてしまったりすると、「せっかくダイエットを頑張ったのに、これでもう台なし……」と、諦めてしまいがちですが、食べすぎが続いてしまっても、そこでアウトではありません。
そこで挫折しないで、そのときからまたスタートすればいいのです。

また、今回紹介したものでも、全部やろうとしなくても、その日にできるものをチョイスするだけでも大丈夫です。
「ちょっとしたコツと工夫」で、40代以降も、「内臓脂肪」を落とし、お腹を凹ますことは十分可能です。

みなさんにとって2020年が、ダイエットを成功させ、「スリムな見た目」を手に入れることで「心も体も若返った健康な1年」になるよう、私もまもなく58歳を迎える医師として、応援しています。
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月30日

吉永小百合さん 辺野古埋め立て「本当に悲しい」 沖縄戦、基地問題…思い語る

吉永小百合さん 辺野古埋め立て「本当に悲しい」
 沖縄戦、基地問題…思い語る
12/29(日) 琉球新報  

「知らんぷりしていい問題ではない。
どうしても基地が必要と言うなら、沖縄の痛みを他の県(本土)も引き受けないといけない。
それが嫌だったら、沖縄にもつらい思いをさせてはいけない」―。

辺野古新基地に象徴される安全保障の負担が押し付けられる沖縄の不条理を巡り、きっぱりと語るのは、「国民的スター」と称される女優・吉永小百合さん(74)だ。
来年1月5日に、音楽家の坂本龍一さんと共演するチャリティーコンサートを前に、沖縄への思いを熱く語った。

 1968年、映画「あゝひめゆりの塔」に出演して以来、沖縄戦の継承、米軍基地の過重な負担にあえぐ基地の島への思いを深め、自らの言葉で発信してきた。  
「ひめゆりの塔」の「泣いてばかりいた」演技への反省と、本土の盾となった沖縄戦で多数の県民が犠牲になったことを学び、「沖縄には遊びには行けない」と思い込んでいた、という。

 プライベートの沖縄の旅がようやく実現したのは2018年6月。
沖縄中が鎮魂に包まれる初夏、南部戦跡や米軍基地、新基地建設海域などを巡り、あらためて沖縄の現実に息をのんだ。  

「驚くほどきれいな辺野古の海が無残な形にされていくこと」に胸を痛め、「(埋め立ては)本当に悲しい」と、沖縄の民意を無視して進む新基地工事に強い疑念を示す。
 「忘れない、風化させない、なかったことにしないために」原爆詩や福島原発事故被害者の詩の朗読をライフワークとし、反戦平和、反核、反原発を明確に打ち出す発言をためらわない。

「自分にできることは表現者として声に出して伝えること」
「どう思われようと、自分の思ったことを伝えることが大事だ」。
かれんな笑顔から繰り出される眼光が鋭さを増した。

 首里城の焼失に衝撃を受け、県民が切望する再建に向けて「できる限りのサポートをしたい」と支援を誓った。
坂本さんも県民へメッセージを寄せ「辺野古の基地建設工事の状況について、直接お話を伺いたい」と述べた。 (松元剛)
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年海外メディアは日本をどう報じたか 、 メガネ禁止、伊藤詩織さん、小泉環境相…

メガネ禁止、伊藤詩織さん、小泉環境相…
2019年海外メディアは日本をどう報じたか
2019/12/29  MSNニュース(渡邊裕子 )

昔、こんなジョークを聞いた。
ある教授が、「象についてのレポートを書きなさい」という宿題を出した。

ドイツ人は「象の存在についての哲学的考察」、
アメリカ人は「象を使ってできるビジネス」、
中国人は「象の料理の仕方」、
フランス人は「象の性生活について」というレポートを書いてきた。

日本人は?というと、「日本人は象をどう見ているか。象は日本人をどう見ているか」だ……というオチだった。

人種差別的でステレオタイプ的なジョークだが、ある程度の真実も含んでいるだろう。
「日本人は他からどう見られているかを非常に気にする民族だ」と揶揄(やゆ)しているわけだが、実際日本人はそういう部分が比較的強い気がする

普段はNYに住んでいる私が、この数年日本に行くたびに感じるのは、「日本すげえ」「外国人が感動した日本の〜〜」「観光客が一番行ってみたい国・日本」「世界が注目する日本の食文化」という論調の本やテレビ番組が明らかに増えたということだ。
外国人にどう見られているかを知りたければ、海外での報道を読むのが手っ取り早いはずだが、大多数の日本人は、日常的には日本語の新聞やテレビしか見ていないのではないかと思う。

最近の海外の報道が描く日本の姿は、日本国内における「日本すげえ」のトーンとはギャップがある。
英語圏だけとっても、日本社会についての記事には、辛口・苦言的なものが増えている気がする。

ここではこの1年を振り返って、特にアメリカ(及び多少イギリス)のメディアで日本がどのように取り上げられてきたか、いくつかのテーマに分けて整理してみる。

怒り出した日本女性たち
10月、Business Insider Japanの「職場でメガネ禁止される女性たち」という記事が話題になった。
百貨店の受付、ショールーム、宴会場スタッフ、美容クリニックの看護師など、上司などから「メガネ禁止」を命じられている女性たちの声を紹介したものだ。

メガネは視力を矯正するための「医療機器」だ。
コンタクトレンズが合わない人もいる。
それを会社や上司が一方的に「かけるな」と指示するのはおかしいのではないか?
しかも、そのような制約があるのは女性だけで、男性にはない。
そのことを、この記事は詳細にレポートしている。

この記事が出ると、ネット上で「#メガネ禁止」というハッシュタグと共に、数多くの女性たちが自分自身の同様の体験を語り、それが瞬く間に拡散し、「女性にのみメガネを禁止することは性差別であり、会社がそれを強制した場合にはハラスメントに当たるのではないか」という声が上がった。

この一連の流れは欧米メディアの強い関心を集め、数多くのメディアが取り上げることとなった。
いくつか例を挙げよう。

ワシントン・ポスト:
日本女性たちは、職場でメガネをかけるなと言われてきた。それに対する彼女たちの怒りのレスポンス(Women in Japan were told not to wear glasses to work. Their response has been fiery)

インディペンデント:
日本企業は女性がメガネをかけることを禁じている(Japanese companies ‘ban women wearing glasses’)

フォーチュン:
職場でメガネをかける権利のために戦う日本の女性たち(Japanese Women Are Fighting for the Right to Wear Glasses to the Office)

BBC:
日本の女性に対する「職場でのメガネ禁止」が引き起こした反動(Japan 'glasses ban' for women at work sparks backlash)

ニューヨーク・ポスト:
職場でのメガネ禁止と闘う日本の女性たち(Japanese women fight ban against wearing glasses at work)

報道を受けて、シンディ・ローパーは日本の女性と連帯するようなツイートを

私がショックに感じたのはしょっちゅう日本企業を訪れてきた自分が、「日本にはメガネをかけている受付嬢がいない」ことの不自然さに一度も気が付かなかったということだ。
そのぐらい私自身、その風景を当たり前のものとして受け入れてきたわけだ。

アメリカではそもそも受付は女性とも限らないし、容姿もいろいろな人がいるし、もちろんメガネの人もいる。
もし「かけるな」と言ったら、人事に苦情が入り、そのような発言は不適切だとして注意されるだろう。
メガネの着用は仕事のパフォーマンスには一切関係がないからだ。

私自身は仕事の時メガネをかけている。
Business Insider Japanの上記の記事中には、「(メガネは)捉えようによっては冷たく感じる人も多く、『知的な印象』」を与える」とあるが、「知的な印象」というのは本来マイナスではないはずだ。
特に仕事の場面では。「知的」な印象が女性にとって「マイナス」に働くとすれば、それこそ「女は知的でないほうが得だ」、つまり「バカな方がいい」という差別的な意識が根底にあるとしか思えない。

「必要かつ妥当」とする閣僚への皮肉
このメガネ問題の記事が海外でこれほど注目を浴びたのは、それに先んじて、「#KuToo運動」があったからだろう。

#KuTooは2019年1月、フリーライターで元モデルの石川優美さんの一言がきっかけで始まった。
石川さんは、「同じ職場・仕事内容なのに、性別によって許される服装が違うのはおかしい」「効率の悪い・あるいは健康に害があるにも関わらず、それよりもマナーを優先させるのはおかしい」という2点を強調。

この指摘が#KuToo(靴、苦痛、#MeTooとの語呂合わせ)というハッシュタグと共に拡散され、多くの共感を呼び、「企業によるハイヒールの強制をやめさせよう」という運動に発展した。

この#KuTooについても、海外メディアは注目した。

ニューヨーク・タイムズ:
日本女性たちは、職場におけるヒールの強制を禁じる法律を求めている(Japanese Women Want a Law Against Mandatory Heels at Work) Quartz.com:日本の#KuToo運動は、女性の服装に関する時代遅れな決まりごとと闘っている(Japan’s #KuToo movement is fighting back against regressive dress codes for women)

ロイター:
日本の #KuToo 運動のリーダーは、Lookism (見かけ第一主義)に疑問を投げかけている(Japan's #KuToo campaigner turns spotlight on 'lookism')

駐日ベルギー大使館はこんなツイートも。
「ベルギー大使館では、すべての職員が自由に好きな靴を履けます。
ハイヒールでなくてはいけないなどということはありません!
私たちは、平等、多様性、選択の自由を尊重します!(At the Belgian Embassy all employees are free to choose their footwear − no high heels expected! We stand for #equality, #diversity and #free choice! )

石川さんらは2019年6月、1万8000人以上の署名を集め、厚生労働省に企業によるヒールの強制をやめさせるよう要望書を提出した。
だが、6月5日の衆院厚労委員会で根本匠厚生労働相(当時)は、ハイヒールやパンプスの着用を義務付ける職場に関して、「社会通念に照らして業務上必要かつ妥当な範囲」と述べた。

これがさらに多くの海外大手メディアに皮肉をもって報じられることとなった。

CNBC:
#KuToo 運動を無視し、女性のハイヒール着用強制は、「必要かつ妥当である」と述べる日本の閣僚(Japanese official calls high-heel mandates for women at work "necessary and appropriate," dismissing "KuToo" movement)

CNN:
日本の大臣:職場での女性のハイヒール着用は、「業務上必要かつ妥当である」(Japanese minister: High heels for women at work are 'occupationally necessary and appropriate’)
CNNの「何千人もの日本女性たちが職場でのハイヒール強制反対キャンペーンに参加(Thousands of Japanese women join campaign to ban workplace high heel requirements)」という記事には、こんな日本の官僚の“本音”が掲載されている。

「日本の厚労省で雇用の機会平等を扱う部門に所属するある官僚は、『省庁側では、企業が従業員に対して一定の服装や靴の着用を強制できるかどうかについて、既存の規則を変える予定はない』という。
現在日本には、従業員の服装に関して企業が制限することを取り締まる法律は全くない。
同じ官僚は、こうも言った。
男性だっていろいろな規制を受けていると。
つまり男性はネクタイをし、革靴を履くことが求められているという話だ。
そして、『社会における常識、マナーに対する考え方が変われば、ルールも変わるかもしれません』と言った」 c GettyImages/Jetta Productions/Walter Hodges

「ハイヒール是非論争」は日本だけの話ではないが、国や地域によってはハイヒール強要を禁止する法律もできている。
「ハイヒール是非論争」自体は新しいものではないし、日本独自の話でもない。
ニューヨーク・タイムズは6月4日の記事の中で、自社の記事からハイヒール論争の歴史を振り返っている。
同紙で一番古い記事は19世紀に書かれたものだった。

2013年、当時NY市長だったマイケル・ブルームバーグ氏がインタビューで、「私が女性だったら、ハイヒールを履くだろうと思う」と述べたことをきっかけに、ニューヨーク・タイムズのウェブサイト上でハイヒールの是非について議論が繰り広げられたこともある。

最近では2017年に、フィリピンやカナダのブリティッシュ・コロンビア州が、「企業は女性に職場でのハイヒール着用を強制してはならない」とする法律を可決している。

同じ年にロンドンでも15万もの署名が集められ、議会でも議論されたが、法律の制定までには至らなかった。

メガネとハイヒールをめぐる論争は、日本の職場で女性たちが長い間押し付けられてきた慣習を明るみに出した。

「両性の平等では最下位」という評価
メガネとハイヒールをめぐる論争は何を意味しているのだろうか。
日本の職場で女性たちが長い間押し付けられてきた性差別に基づく決まり(それらは必ずしも明文化されていない暗黙の了解、無言のプレッシャーの場合もあるだろう)を明るみに出した。
この2つの話が続けて出たことから、海外メディアに「日本におけるこの手の問題の根は深いようだ」と思われたのではないか。

さらにここまで海外メディアが注目したのは、組織のルールに従順だと思われている日本人、しかもおとなしくて自分の意見を言わないと思われている日本人女性がSNSを通じて団結し、「こんなのはもういやだ」と怒りを露わにしたことが新鮮だったからではないかと思う。
これらの件に関する海外報道を見ていると、必ずといっていいほど、下記のようなネガティブな言葉が付け足されているのが目につく。

CNN:
職場でのハイヒール着用義務を廃止するための運動に日本人女性数千人が参加(Thousands of Japanese women join campaign to ban workplace high heel requirements)
「安倍首相は、『ウーマノミクス』と称する政策を通じて働く女性にパワーを与えると約束してきたわけだが、にもかかわらず、日本は両性の平等という面ではG7諸国の中で最下位にランクされている(The country ranks bottom among the G7 countries for gender equality, despite Prime Minister Shinzo Abe's pledge to empower working women through a policy called "womenomics.")

インディペンデント:
日本企業は『女性の眼鏡着用を禁止している』(Japanese companies ‘ban women wearing glasses’)
日本は両性の平等という意味では、G7諸国の中で最も遅れており、この国においてセクハラは、世の中に広く存在する問題であり続けている
最近行われた働く女性1000人を対象にした調査によれば、彼女たちの43%がセクハラを経験したことがあり、60%以上がそのことを報告していないという。(The issue of sexual harassment continues to be prevalent in the country that has the poorest gender equality among the G7 nations. A recent survey of 1,000 working women found that 43 per cent had experienced sexual harassment, and more than 60 per cent of them did not report it.)

このように欧米メディアがジェンダー問題で日本を描写するとき、二言目には「両性の平等という点ではG7諸国で最下位」という言葉が出てくるわけだが、それは事実なので仕方ない。c REUTERS/Yves Herman

フィンランドのサンナ・マリン首相は、史上最年少の女性首相。
12月8日、フィンランドで史上最年少の女性首相が誕生し、世界をあっと言わせた。

c ニューヨーク・タイムズより
ニューヨーク・タイムズが報じた「日本の最高峰の大学 女子学生は5人に1人だけ(At Japan's Most Elite University, Just 1 in 5 Students Is a Woman)」という記事。
奇しくも同じ日のニューヨーク・タイムズに、「日本の最高峰の大学 女子学生は5人に1人だけ(At Japan's Most Elite University, Just 1 in 5 Students Is a Woman)」と題された、日本の名門大学にいかに女性が少ないかを語った記事が出ていた。

日本の今後の道のりの長さを見せつけられるように感じ、気持ちが暗くなった。
この約10日後、12月17日に世界経済フォーラムが2019年のジェンダーギャップ指数を発表。
日本は前年の110位からさらに後退して過去最低の121位になった

指数の設定方法の「おかしさ」を指摘する声もあれば、「日本の今の状態じゃその順位でも無理もない」という意見もある。でも、ジェンダーを取り巻く日本の今日の状態を見て「これで良い」と言い切れる人はなかなかいないのではないか。

伊藤詩織さんに対する関心の高さ c GettyImages/Takashi Aoyama
ジャーナリストの伊藤詩織さんの勝訴も海外では大きく報じられた。
ジェンダーギャップ指数のニュースが流れた翌日の12月18日、ジャーナリストの伊藤詩織さんの勝訴が報じられた。
元TBS記者の山口敬之氏に性暴力を受けたとして、損害賠償を求めていた東京地裁における民事訴訟で、伊藤さんの訴えが認められ、山口氏には慰謝料330万円の支払いが命じられたのだ。

伊藤さんの事件がこれだけ有名になる前、よくアメリカ人に「日本での#MeTooはどうなってるの?」と聞かれた。
しかし、2018年に放映されたBBCの番組「日本の秘められた恥(Japan’s Secret Shame - Shiori Ito)」、そして2017年12月に掲載されたニューヨーク・タイムズの大きな記事「彼女は日本のレイプに対する沈黙を破った(She Broke Japan’s Silence on Rape)」がきっかけとなり、この事件は、「日本の#MeTooのシンボル」として知られることになった。

もちろん伊藤さん自身が英語で各国メディアのインタビューに積極的に答えたり、国連などの場で発信をしてきたことも大きい。
伊藤さんの勝訴を受け、多くの国のメディアがこの事件の顛末とその背景にある日本社会について報じている。
アメリカ、カナダ、欧州諸国だけでなく、ざっと調べたところ中国、韓国、インド、バングラディッシュ、ネパール、シンガポール、タイ、トルコ、メキシコ、ベネズエラ、イラン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、レバノン、ガーナ、南アフリカまで、幅広く報じられている(米時間12月17日の段階でヒューマンライツ・ナウがまとめたリストはこちら)。

その中で主なものを紹介しよう。

ワシントン・ポスト:
日本人ジャーナリストの伊藤詩織さん、象徴的なレイプ裁判において損害賠償を認められる(Japanese journalist Shiori Ito is awarded damages in landmark rape case)
「2017年、伊藤は自ら顔と実名を出して記者会見を行い、自分に起きたことについて述べた。
日本では極めて異例なことだ。
しかし、男性中心で、権力者贔屓の日本のメディアは、彼女の訴えを支持することに消極的であった。
それどころか、彼女は、ソーシャルメディア、メール、電話による脅迫と侮辱、そして保守的な雑誌の記事によって攻撃を受けることになった(In 2017, Ito broke with convention by going public with her claims at a news conference, but Japan’s male-dominated and pro-establishment media was reluctant to champion her cause, citing the lack of a criminal indictment. Instead, she faced threats and insults over social media, by email and telephone, as well as articles attacking her in a conservative magazine.)
「日本の時代遅れな強姦罪や、男性が支配する保守的な社会で、性的不正行為について女性が申し立てるうえでの障害が浮き彫りになった事件(a case that highlighted Japan's outdated rape laws and the obstacles women face in alleging sexual misconduct in a nation run by a conservative, male-dominated establishment.)

CNN:
日本の#MeTooのシンボル的人物、著名ジャーナリストに強姦されたとして訴訟してから2年後に民事裁判で勝訴(Japanese #MeToo symbol wins civil court case two years after she accused a prominent journalist of raping her) 「統計的に日本は性暴力の通報件数が比較的低い。2017年の内閣府の調査によれば、およそ13人に1人(7.8%)の女性がレイプされたことがあると答えたという。
国立性暴力リソースセンターによると、アメリカでは5人に1人の女性が生涯のうちにレイプ被害に遭うという。
ただし、日本人女性の場合、当局に話さない可能性が高い。
同じ2017年の調査によると、性暴力被害者の約3.7%しか警察に通報しないという(Statistically, Japan has a relatively low rate of reported sexual assault. In a 2017 survey conducted by the cabinet office of Japan's central government, almost one in 13 (7.8%) women said they had been raped. In the United States, one in five women will be raped at some point in their lives, according to the National Sexual Violence Resource Center. However, if Japanese women are raped, they are unlikely to tell the authorities. That same 2017 survey found that only about 3.7% of sexual assault victims in Japan report their rape to police.)
「性暴力には汚名がつきまとい、女性はしばしば、被害に遭ったことを恥と感じる。
日本には伝統的に沈黙の文化があり、周囲と足並みを揃えることが求められる(Sexual assault continues to carry a heavy stigma, and women often feel shame following an attack. Japan traditionally has a culture of silence, and people are encouraged to toe the line.)c Shutterstock/TK Kurikawa
伊藤さんの裁判に関する海外の記事では、日本の法制度や捜査のあり方にも問題があるのではないか、という指摘が見られた。
海外の報道を見て、それらに共通する特徴がいくつかあると思った。
「山口氏が安倍氏と近かったことから、特別扱いをされたのではないか?」という疑問に、日本の新聞に比べてストレートに突っ込んでいる。
これは、先日の外国人特派員クラブの質疑応答でも感じられたことだ。

日本の法制度や警察機関に問題があるのでは、という指摘。
特に、「警察で、等身大の人形を使って、レイプされた様子を再現させられた」という話に対する驚き。
ニューヨークの国連のサイドイベントのパネルで伊藤さんがこの話をした時にも、アメリカ人の警察・法律関係者たちが愕然(がくぜん)としていたのを覚えている。

「暴行・脅迫」要件 のせいで、強姦が有罪とされるためのハードルが高くなっているという、日本の刑法に対する関心

被害に遭った女性を黙らせようとする、日本の「沈黙の文化」、男性中心社会に対する批判
私は、BBCの番組は本来ならば日本のメディアが作るべきものだったと思っている(英語の方が世界への影響力という意味では効果的だが)。
ちなみにこのBBCの番組では、自民党の杉田水脈議員にインタビューしている。
彼女は、伊藤詩織さんについて「女として落ち度がある」と述べているが、この番組のおかげで、杉田議員はイギリスでは一躍有名になったことだろう。
この事件が海外で広く報道されたことに対して、「日本の恥をさらすな」というようなコメントもSNS上で目にした。
だが、本当に恥だと思うのであれば、こういうことが起きない社会にするしかない。

上記の伊藤詩織さんに関するワシントン・ポストの記事に対するコメント欄で、日本に長年住んでいたことがあるという人のこんな言葉があった。
「日本社会にはいいところもあるが、非常に病んでおり、虐待的で、内側から腐っている。
虐待(いじめ)は文化の一部であり、誰も文句は言えない。
出る杭は打たれるのだ(The Japanese society, while has wonderful attributes, is very sick, abusive, and rotten from inside. Abuse is part of the culture and no one can complain. The nail that sticks out is hammered back in.)

汚染大国と見なされる日本 c REUTERS/Nacho Doce
COP25の議長を務めたチリのカロリナ・シュミット環境相と小泉進次郎環境相(2019年12月15日撮影)。
ジェンダーの問題と並んで、2019年、海外の日本報道で目についたのが、環境に対する日本の取り組みへの辛口報道だ。
日本はいまや「気候変動対応の面で十分に行動していない国」と見られている。

9月に開かれた国連の「気候行動サミット」でも、12月にマドリッドで開かれた気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)でも、日本は批判の的になった一国だ。

現在、環境問題は欧州、そして若い世代を中心に、最も人々が広く強く団結している政策課題と言っていいだろう。
他のことで一切政治的に意見の合わない人同士でも、「環境は喫緊の問題だ」という点では同意できる(「気候変動は起こっていない」と主張する人々を除く)。

特にドイツでは現在、緑の党が若者を中心に支持を集めている。
国連の「気候行動サミット」に合わせ、9月20日には世界2500カ所以上でデモやイベントが行われ、世界中で400万人もが気候変動対策を訴えるデモに参加した。

マンハッタンでは全米や世界から集まった約31万人(当初の予想は10万人と言われていた)がデモに参加。
地球環境の保護を訴えるデモとしては、アメリカでは過去最大の規模だ。 c GettyImages/Carsten Koall

9月20日、ニューヨーク以外でもベルリンでは27万人、アムステルダム、オーストラリアやカナダの都市などでも大規模なデモが行われた。
日本でも、東京や大阪など26都市で約5000人が参加したと言われる。

デモの習慣がない日本で5000人は大健闘に入るだろうが、欧米の他都市と比べると、桁が1つ少ない。
日頃から、ヨーロッパ人の友人たちに、よく「日本は台風もあるし、温暖化の影響を受ける国なのに、どうして日本の若い人たちは環境問題にあまり関心がないの?」
「日本はどうしてプラスチックの容器を減らそうとしないのか。
どうしてあんなに過剰な包装をするのか」と聞かれ、いつも答えに困る。

その国連「気候行動サミット」に参加するためにニューヨークを訪れた小泉進次郎環境相の「気候変動対策は、かっこよくて楽しくてセクシーじゃなきゃ」という発言が大きく取り上げられたが、デモの盛り上がりや国連でのグレタ・トゥーンベリのパワフルな演説などがあった中でのこの一言は軽薄に聞こえた。

ロイター:
気候変動に関する小泉の『セクシー』発言は、日本のある種の人々には空虚に聞こえる(Koizumi's 'sexy' words on climate change ring hollow for some in Japan)

CNBC:
日本の環境大臣は、失言を乗り越え、自国を石炭依存から脱却させることができるか?(Can Japan's environment chief get past gaffes to ease country's ironic dependence on coal?)

インディペンデント:
日本の新環境相:気候変動との闘いは「セクシー」で「楽しく」あるべき(Climate change fight should be 'sexy' and 'fun', Japan's new environment minister says) c Getty Images /

Spencer Platt タイムでも「今年の人」に選ばれたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん。
ニューヨークの国連本部でのスピーチは多くの人の心を動かした。

この「セクシー」発言云々より、小泉環境相について私がもっと深刻だと思うことが2つあった。

まず1つ目。
「(気候変動に対して)今後半年から1年でどんな対策を打つか」という記者の質問に対し、小泉環境相は、「(石炭火力発電を)減らす」と答えた。
問題は、そのあとのやりとりだ:
記者「どうやって?」
小泉「(長い沈黙)……。私は大臣に就任したばかりなので、同僚たちと話し合っているところだ」
この答えは、「何も準備しないで、ただニューヨークに来ました。
何も具体的な考えはありません」と言ったも同然だった。

このやりとりについては、英語の記事を探したが、見つけられなかった。
あまりに内容がないので、記事にできなかったのではないか。

2つ目。
小泉氏はニューヨーク到着早々ステーキハウスに嬉々として出かけ、ステーキを「毎日でも食べたい」と言った。
このことが「環境問題の会議に来ているのに、あまりにも無神経」と批判されたわけだが、それに対し、「ステーキと気候変動、この質問って今までなかったと思いません?それだけで日本の中での環境問題っていうのを考えるいいきっかけになると思いますね」と言った。
これまた、畜産業が環境に与える影響を知らないと思われても仕方のない不用意な発言だった。

国連演説を断られた安倍首相 c REUTERS/Air Photo Service
東日本大震災によって大事故を起こした福島第一原発。
原発政策の見直しで、日本は石炭を使った火力発電の依存度が増している。

11月になって報道されたことだが、9月の「気候行動サミット」で、日本政府が安倍晋三首相の演説を要望したが国連側から断られていたことが伝えられた。
これは、日本の温暖化対策が、世界から問題視されていることの現れだろう。

東日本大震災を機に、日本の原発の多くはストップしており、温暖化ガスを排出する石炭、液化天然ガス、石油を使った火力発電に頼る状態が続いている。
日本は国内の化石燃料依存の高さに加え、海外の石炭火力発電プロジェクトを支援していることでも批判されている。

インディペンデント:
日本の新環境相:気候変動との闘いは「セクシー」で「楽しく」あるべき(Climate change fight should be 'sexy' and 'fun', Japan's new environment minister says)日本は、気候変動に対し、これまでほとんど行動を起こしていない。
その石炭依存、そして他国における石炭火力発電のプロモーションは、広く批判されている
グテーレス国連事務総長は、2020年以降、石炭火力発電所を新設しないよう各国政府を説得してきた。
日本は、石炭火力発電のキャパシティを増やそうとしている唯一のG7国であり、事務総長の考え方とは相容れない。
日本の政府および金融機関も、アジアのその他の国における石炭発電所の新設を支える資金面で重要な役割を果たしている。 (Japan has taken little action on climate change, and its continued use of coal and promotion of coal use in other nations has been widely condemned. Guterres has also urged governments not to build any new coal power plants after 2020 - setting him at odds with Japan, which is the only G7 country to be adding coal-fired power generation capacity. Japan's government and banks also play an important role in financing new coal plants elsewhere in Asia.)

c No Coal Japanウェブサイトより
No Coal Japanが、COP25に合わせてFinancial Times(アジア版)に打った広告。
ランニングシャツを着た安倍晋三首相が「コール(石炭)メダル」首にかけている。
第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)に合わせてNo Coal Japanという団体は、Financial Times(アジア版)に広告を打ち、「私たちは破滅的な気候変動に対して時間と戦っている」と訴え、安倍首相に石炭火力発電への支援を止めるよう要求している。

このCOP25で小泉環境相は、日本の石炭依存に対する世界的な批判については自覚しており、脱石炭に前向きに取り組むと述べたが、具体的な方策はまたしても提示できなかった。
結果、この会議で日本には、世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」から、温暖化対策に後ろ向きな国として「化石賞」が贈られた。

ロイター:
気候変動会議で、石炭を巡る批判に向き合う日本の小泉(At climate talks, Japan's Koizumi confronts critics over coal)

WWF:
日本は、気候変動危機への対策を(またしても)打ち出せず(Japan fails to respond to urgent call to address climate crisis - again )

「今日、小泉環境相は、COP25での演説の中で、いくつかのイニシアチブについて語りました。
彼は、日本の石炭政策が世界から厳しく批判されていることを自覚していると述べはしましたが、それをどう変えるかについては明らかにしませんでした。
『もし日本が脱石炭のために何ら行動を取れないのであれば、彼の話すイニシアチブは無意味です(WWFの気候エネルギー専門チームリーダー)
(Today, Environment Minister Shinjiro Koizumi’s speech at COP25 in Madrid outlined several initiatives. Although he mentioned that he was aware that there is a stark international criticism towards Japan’s coal policy, he failed to announce any change to it. “If Japan cannot take any action to phase out coal, all other initiatives he mentioned are meaningless,” says , WWF’s global climate and energy practice leader.)

c REUTERS/POOL New
2019年、日本はラグビーワールドカップでの日本代表選手らの活躍に沸いた。
安倍首相は「2019年は、日本が世界の真ん中で輝いた年になった」と述べたが……。
これまで述べてきたように、外から日本を見る目は、なかなか厳しいものがある。

今年はこれら以外にも、「桜を見る会」への参加者名簿が廃棄された問題が英語圏でも広く皮肉をもって報じられたり(MSN:「日本の首相、公的文書、そして非常に大きなシュレッダーをめぐる奇妙な物語」)、HSBCが外国人駐在員を対象に行った調査「住みたい、働きたい国ランキング」で、日本が33カ国中32位になった(「収入」「ワークライフバランス」と、子どもの「友だちづくり」「教育」はいずれもほぼ最下位)などという話もあった。

12月21日、安倍首相の「2019年は、日本が世界の真ん中で輝いた年になった」という言葉が報じられた。
おそらくはラグビー・ワールドカップを成功させたことを指しての発言だろうと推測する。
ただ、毎日のように日本のテレビで流れている番組のように、「日本は世界から注目され、めちゃくちゃ愛されている」「日本すげえ」という、ぬるいナルシシズムに陥ったままでいいのだろうか。

和食は世界中で愛されているし、安くてキレイな日本は観光客に人気かもしれない。
アニメファンも、日本の芸術文化を素晴らしいと言ってくれる人たちも、確かに世界中にいる。

でも、日本の政治や社会を見る世界の目は、おそらく日本人が自覚している以上にシビアだ

渡邊裕子:ニューヨーク在住。
ハーバード大学ケネディ・スクール大学院修了。
ニューヨークのジャパン・ソサエティーで各種シンポジウム、人物交流などを企画運営。
地政学リスク分析の米コンサルティング会社ユーラシア・グループで日本担当ディレクターを務める。
2017年7月退社、11月までアドバイザー。
約1年間の自主休業(サバティカル)を経て、2019年、中東北アフリカ諸国の政治情勢がビジネスに与える影響の分析を専門とするコンサルティング会社、HSWジャパン を設立。
複数の企業の日本戦略アドバイザー、執筆活動も行う。
Twitterは YukoWatanebe@ywny
posted by 小だぬき at 17:04| 神奈川 ☔| Comment(4) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月31日

ゆく年 来る年

2019年 
ご訪問ありがとうございました
tanuki06.gif
4月の「股関節人工骨置換」手術
・肺機能の低下で 全身麻酔が危惧されましたが、無事成功。

歩く大変さを痛切に感じました。
 *術後3日から4日は、ベットでの寝返りや身体起こしも痛い
 *同時に身体のリハビリ開始。
   *車椅子1日→徐々に 歩行器の難易度を上げ 杖歩行2日。

・一番患者の仲のいい病室と看護師さん達から評価
 *不思議と病室の仲間意識で 普段考えていることや思いを率直に交流。

・看護師さん達の支え
 *1週間ほど、トイレにも看護師同伴。
  私的なことなどを含め、交流。
 *歩行器での歩きを観察してくれていて、主治医に自分のことのように嬉しそうに話してくれました。
 *なにか「孫娘」達との会話をしてしているように甘えられました。
糖尿病予備群としての食事指導
 *栄養教室や栄養士さんの話に率直に質問
・尻膿嚢胞が酷くなり 出血。

若い看護師さんやリハビリ、同室の仲間達の支えで2週間で退院。

尻膿嚢胞からの出血で 
     外科→痔専門病院→大学病院へ
・股関節手術退院後、歩行リハビリと並行して 尻からの出血治療。
 *痔を゛疑い 痔専門病院を紹介され通院
 *専門病院での手術不可で紹介され 大学病院消化器外科通院・手術

痔ではなく膿皮症で 
   尻の肉(脂肪)を大きく抉る手術
・9月に手術、直前まで「痔」想定が 直前MRIで「膿皮症」と診断。
・手術終了後も 大量の出血、
手術後3日め 配膳を下げようと 廊下にでると 看護師の悲鳴。
 *本人がオロオロしていると 鏡に案内され 患者着の後ろが血まみれ。
 「ムリしなくていいのよ」と丁寧にガーゼ取り換えと部屋着の交換をしてもらいました。
 それ以後、3日は 取り替えてもらえると 懲りずに配膳を下げるも 出血少量。
かわいい顔をして「自分で取り替える」訓練を とキリっと看護師宣言
  *シャワー許可と同時に 看護師立ち合いのガーゼ取り換え訓練。
  不器用なのか、テープで上手くガーゼに止められない。
・家では 自分でやるしかないのだからと工夫の助言

来年3月、傷口が塞がる見込みで 抗生剤と皮膚薬を塗る日々
月1度の 傷口観察のための通院
・ここで肺気腫との新たな病名、これはしばらく無視。


今年は 昨年7月の「脊椎狭窄」手術に続き、2度の外科手術。
病気・手術・リハビリ・通院の年でした。
精神的ダメージが大きかったのは 8月に50年近く「姉貴」として頼りにしていた従姉の突然死でした。

通院科目も 〇精神科 〇脳外科 〇整形外科 〇糖尿内科 〇皮膚科 〇歯科 〇消化器外科 と増えました。

この1年を無事終えることができるのは、多くのブログ友達との「コメント交流」でした。
感謝しかありません。
今後ともよろしくお願いいたします。

皆さんの ご多幸な新年であることを
こだぬき01.gif
弱者が泣くことのない世の中へ前進する年に
posted by 小だぬき at 16:00| 神奈川 ☁| Comment(6) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする