2019年12月06日

2025年から始まる医療現場崩壊…輸血用血液は86万人分不足

2025年から始まる医療現場崩壊…
輸血用血液は86万人分不足
2019年12月06日 女性自身

「団塊の世代すべてが75歳以上になる2025年ごろは、医療機関や介護施設で大きな混乱が予想されます。
しかし、それは日本の社会保障制度が崩壊する序章でしかないのです」
そう語るのは、ベストセラー『未来の年表』(講談社現代新書)の著者で人口減少対策総合研究所理事長の河合雅司さんだ。

人口減少社会で、日本の社会保障サービスの根幹をなす医療はどうなるのだろうか。
《’25年12月。
人口8万人の△×市にある実家に帰省していたA子さん(50)は、78歳になる母親が腹部の激痛を訴え、救急車を呼んだ。
ところが、救急車の到着は「119番」から30分後。
しかも、運び込まれたのは隣の市にある総合病院で、救急車で50分近く走ることに。
母親は治療を受けて入院。
そこで、トイレ介助を頼もうと、A子さんはナースコールを押した。
しかし、すぐに看護師からの返事はなく、やってきたのは30分もたってからだった……》

満足な医療サービスを受けられないA子さんの母親。
しかし、このシミュレーションは5年後、現実に起こりうるかもしれない。
厚生労働省は、’25年には内科医が1万4,000人、看護師をはじめとする看護職員が最大27万3,000人、不足すると試算しているのだ。

河合さんが解説する。
「都市部ではベッド不足が深刻化する一方で、地方では人口減少により、医師や看護師だけでなく、患者数も不足し、病院が経営難に陥ることも想定されます。
閉院する民間病院も出てくることでしょう。
結果として地方でもベッド不足が広がります。
また、’24年に、日本は全国民の3人に1人が65歳以上、6人に1人が75歳以上という超高齢者社会に。
75歳以上になると大病を患う人は増え、1人あたりの医療費が74歳以下の5倍近くかかるというデータもあります。
高齢者の増加で救急搬送が増えると、救急隊員の不足で、救急車がすぐに来ないという事態も起こりかねません」

’16年は通報から病院に搬送されるまでの平均時間は39分。
これが1時間を超えることも覚悟しなければならなくなるようだ。

シミュレーションは終わらない。
《’27年5月。
A子さんはステージ3の肺がんと診断され、すぐに開胸手術の必要があると言われた。
しかし、執刀医が不足しているうえ、A子さんの前にも手術待ちの患者が大勢控え、輸血用の血液の確保にも時間がかかるため、手術は2カ月後になるという……》

河合さんが語る。
「高齢者が増えることで、手術やがん治療などに使用される輸血用血液の需要も高まります。
一方、献血者は年々減少。
’27年には約86万人分の輸血用血液が不足するという試算もあります」

また、厚生労働省によると、’25年は手術患者数が1.3倍に増えるという。
「手術室が2〜3室ほどしかない地方の病院では、絶えず手術室が埋まっている状況も考えられます」
現状でも数週間かかる手術の待期期間が、数か月待ちになってもおかしくない。
なすすべはないのだろうか?

「たとえ出生数が増えても、その子どもたちが働くまでに約20年はかかり、問題は解決しません。
しかも、’25年ごろに団塊の世代が一斉に大病となるわけではありません。
状況は年々、悪化します」
posted by 小だぬき at 15:04 | 神奈川 ☁ | Comment(4) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

反安倍を叩きまくる安倍首相「宣伝工作部隊」の素性

反安倍を叩きまくる
安倍首相「宣伝工作部隊」の素性
12/5(木) NEWSポストセブン

 11月20日、ついに憲政史上最長の在任日数となった安倍政権。
森友問題や加計問題など、これまでも数々の騒動があったにもかかわらず、「安倍一強」を保てたのはなぜなのか。
それは、官邸でも自民党でもなくただ安倍晋三首相だけに尽くす“私兵”たちの支えによるものだった。

 桜を見る会の私物化問題で安倍首相への批判が強まると、ネットでは、国会で追及に立つ野党議員や、首相に批判的なテレビ番組を攻撃する書き込みが拡散している。

 そうした安倍擁護のネット論調を主導するための組織が、「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC)だ。
自民党が野党時代の2010年に設立したボランティア組織で、「ネトサポ」と呼ばれる。
会員は約1万9000人。
HPによると活動内容は、「インターネット等を活用した各種広報活動・情報収集活動・会員相互の交流活動」となっている。  安倍首相は設立総会から参加し、ネトサポには安倍応援団が多い。
安倍氏が2012年の自民党総裁選で総裁に返り咲いた日、自民党本部前に日の丸の小旗を持った200人ほどの集団が現われ、「安倍! 安倍!」とコールを送る出来事があった。
「あれはネトサポが会員に『国旗を持って集まろう』と呼びかけたのがきっかけ。
それから、テレビ番組が安倍批判をすると局に抗議電話が殺到したり、番組スポンサーにまで抗議がいくようになり、安倍応援団の力を見せつけた」(党本部職員)

 ネットの政治情報に詳しいジャーナリスト・梶田陽介氏が語る。
「J-NSCはネットで自民党に有利な書き込みをする組織ですが、野党や批判勢力に対するネガティブキャンペーンの中心にはその会員がいるとみられている。
 そのやり方は、たとえば、会員が専用サイトに『立憲民主党の〇〇議員がこんなことを言っている』と書き込む。
それを読んだ会員たちがネットでその議員に匿名の批判を浴びせ、ネガキャンを展開する。
メディアに対する批判も多い」

 J-NSCが宣伝工作の実働隊とすれば、司令塔ともいえる組織が自民党のネット監視チーム「T2(Truth team)」である。
〈ネット上に誤解に基づく情報があるならば、正確な情報を発信し修正する〉(自民党のリリース)という役割だ。
 自民党は2013年のネット選挙解禁に合わせてこのチームを組織し、大手IT企業などと技術提携してソーシャルメディア投稿監視サービスなどを導入した。
T2は自民党ネットメディア局の議員、党職員やネット監視の専門業者のスタッフなどをメンバーとして24時間ネットを監視し、自民党に不利な書き込みを見つけるとただちにプロバイダーに削除を要求する活動を行なっている。

「こうした党のネット対策チームが収集した自民党批判の情報が、J-NSCのボランティア会員に伝えられ、会員はあくまで自発的にネットを通じて相手を攻撃するという、いわばあうんの呼吸でネット世論をつくっているとみられています」(同前)

 自民党がJ-NSCのボランティア会員をどのように指導しているかを物語る映像がある。
前回の総選挙前(2017年10月6日)、自民党は党本部でJ-NSCの緊急集会を開き、ニコニコ生中継で中継された。
 その年に行なわれた東京都議選で自民党は安倍首相の「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」発言もあって大敗し、総選挙でも苦戦が予想されていた。

首相は街頭演説に「お前が国難だ!」と書かれたプラカードを持って押し寄せる反対派を怖れ、直前まで場所を公表しない異例のステルス戦術を行なっていた。
 そんな自民党にとってJ-NSCはネット選挙の重要な集票組織でもあり、緊急集会は会員に「選挙活動でやってはいけないこと」を解説する目的で開かれた。
 その時のやりとりだ。会員の1人は、自分が画像入りで「従軍慰安婦像の辻元清美」「手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫」などの投稿をしていると明かし、「やっぱり誹謗中傷になるでしょうか」と質問した。
 すると当時の自民党ネットメディア局長の平将明・代議士は笑いながらこう語ったのだ。
「あの、個人のご判断だと思います、はい」
 これでは、野党への誹謗中傷を煽っていると言われても仕方ないだろう。

その日の緊急集会にはサプライズがあった。
 街頭演説を切り上げ安倍首相が登場したのである。
首相は「ウォー」という歓声の中で、「ネットサポーターズの皆様には、日頃、自民党をしっかりと支援をして頂いていますこと、厚く御礼を申し上げたいと思います」と挨拶すると、参加者全員と一緒に「ガンバロー」と掛け声をあげて記念撮影し、ハイタッチしながら会場を後にした。

    ※週刊ポスト2019年12月13日号
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする