2019年12月14日

血液クレンジングは「即刻禁止にすべき」

血液クレンジングは「即刻禁止にすべき」
透析専門医が警鐘、有名人を利用し国民に拡散
2019.12.12 Business Journal
文=ヘルスプレス編集部

「血液クレンジング」という医療行為の是非をめぐって、さまざまな見解が飛び交った。
 ブロガーのはあちゅう、歌舞伎役者の市川海老蔵、教育評論家の尾木直樹氏、タレントの高橋みなみなどが、自身のインスタグラムやブログなどで血液クレンジングを受けてきたと報告し、一時期関心が高まった。
その後しばらく沈静化していたが、10月から再び医療関係者らから「トンデモ医療である」といった批判の声が沸き起こり、話題になった。

 10月21日にBuzzFeedが「『トンデモ医療であると、断言します』血液クレンジング、医学的に徹底検証してみた」と題する記事を出した。
この記事ではNIH(米国国立衛生研究所)で免疫学やウイルス学を専門とする峰宗太郎医師が、関係する論文を科学的に検証したところ「オゾンの医療利用は、医学的にははっきりとした有用性は極めて限定的であり、かつ弱いエビデンス(証拠)しかなく、ほぼ無効であろうと言えます」と結論づけている。

この記事の掲載以後、医療者や研究者の発言も増えている。

あまりにも適用範囲が広い、夢のような治療法
 血液クレンジングは、患者の血液を採血して「医療用オゾン」を混ぜ、再び自分の体に戻すという治療法で、実施しているクリニックのHPでは、次のような疾患を適応として挙げている。

「がん、悪性リンパ腫、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、アトピー性皮膚炎、エリテマトーデス)、線維筋痛症、ウイルス性疾患(B型・C型肝炎、HIV、パピローマウイルス、帯状疱疹)、慢性腎不全、慢性疲労症候群、脳神経退行性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、痴呆)、呼吸器疾患(肺気腫、COPD)、真菌感染症、眼科疾患(白内障、緑内障、加齢性黄斑変性症)、動脈閉塞性疾患(心筋梗塞、脳梗塞)、下肢静脈瘤、糖尿病(糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性壊疽)」

 適応範囲が広すぎ、“万病に効きます”と謳っているようにさえみえる。

透析専門医は「この治療法は即刻禁止にすべき」
 自らの血液を体内から抜き、手を加えて再び体内に戻すというこの治療法に対してそれほど抵抗が生じない理由のひとつは、非常に類似し、しかも保険診療として確立された治療があることだ。
 もっともよく知られているのは、慢性腎不全患者に対する血液透析療法だろう。
一般的に血液から不要、あるいは有毒な物質を除去する治療方法は「血液浄化療法」といわれ、血液透析以外にも血漿交換 、血漿吸着など、さまざまな方法がある。

 手法だけ聞くと、血液クレンジングもさほど異様な治療法だとは感じられないかもしれない。
しかし、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医の横山隆医師は、次のように語る。

「血液クレンジングに関しては、『まやかし療法』『野放図療法』『私たちを欺く治療』だと断言できます」
 その根拠として、以下の5つを指摘する。
(1)本療法に関する「有効性」を証明できる、エビデンスがない。
日本国内はもとより、欧米でも証明されていない。
医学雑誌でも、特にオゾンを使用した患者と偽薬(食塩水など)を投与した患者で、有意差をもってクレンジング療法の効果が認められたとの報告がない。
(2)HIV、インフルエンザウイルスの除去効果は、いかなる方法で証明するのか、また証明したのか、まったく不明。
(3)悪性腫瘍、白血病の免疫力を高めることによる治療効果についても証拠がない。
(4)心筋梗塞、狭心症についても、冠血流を改善する証拠がない。
(5)老化抑制に関しても、まったく証拠がない。

「血液クレンジング療法を我が国で、『自由診療』として行っているのは、公的病院ではなく、怪しいクリニックが<金儲け>を目的として、野放図に治療行為をしているのです。
許せないのは、医学的知識のない有名人に協力してもらい、この治療を国民に拡散させていることです」(同)

 さらに、透析専門医の立場から「血液クレンジングによって腎不全が改善でき、透析を不要とすることができれば、ノーベル賞級の治療法なのですが、残念ながらそれは現在のところ不可能でしょう。
この治療法は即刻禁止すべきです。規制は必要です」と主張する。

関係学会との連携で問題は解決するのか
 11月6日の衆議院厚生労働委員会で、血液クレンジングが取り上げられた。
厚生労働省は、その効果やリスクについて現時点では確認できていないとした上で、「関係学会と連携しながら情報収集を進めたい」との考えを示した。
 関係学会が、どの学会のことを示すかは不明だが、主にこの治療法を推奨する日本酸化療法医学会では、血液クレンジング療法について非常に詳しくその機序や論文等を掲載し、そのエビデンスがあると主張している。
この学会の説明だけを読んで、一般人がこの療法の是非を判断することは不可能だろう。
しかも、血液クレンジングを実施する医療機関の検索ページまであり、全国165施設(12月2日現在)あると紹介されている。
つまり、少数の特殊で実験的なクリニックのみで実施されている治療方法ではないのだ。

 医師には裁量権というものがあり、提供できる医療行為の制限はない。
だが、これだけの批判がある治療方法に関しては、そのエビデンスが妥当なものなのかきっちりとした説明責任を果たすべきだろう
そして医療界の多くが認め、可能であれば保険診療として提供できるように努力されるべきだろう。
ましてや、血液クレンジングのように多くの医療機関で実施されている治療法であれば、なおさらのこと学会などの責任は大きい。

患者のために客観的な評価指針やガイドラインの整備が必要  
あらゆる代替医療の有効性を徹底的に検証した大書『代替医療のトリック』(サイモン・シン&エツァート・エルンスト)でも、酸素療法に言及している。
「代替医療の酸素療法はどんなタイプのものも、信頼できる科学的根拠はないと言ってよい。
したがって、潜在的な危険性のほうが、主張されている効果よりも大きいことは明らかだろう。
結論は明白だ。
酸素は、通常医療ではさまざまに利用されているが、代替医療における役割は、生物学的には考えにくい説にもとづいている。
代替医療の酸素療法は有効性が示されていないばかりか、有害にもなりうる。
この療法は受けないようにしよう」

 代替療法、民間療法、自由診療には同様にエビデンスのないもの、曖昧なものが多い。
したがって、当然のことながら積極的に推奨はされるべきではない。
しかし、標準医療で効果がない患者や、エビデンスのない、あるいは低い治療方法でも「この治療方法はいいと思う」「受けてみたい」「自分には効果があるかもしれない」「できる治療はなんでも試してみたい」などと考えることまでは否定できない
ケースによっては、追い詰められている切実な場合も少なくないはずだ。

 すべての保険外診療が否定されるべきではないだろうし、そのなかにも将来の標準治療になり得るものがあるかもしれない。
そうであれば、なんらかの客観的な評価情報や基準が求められるべきではないのか
そろそろこの分野にもEBM(根拠に基づく医療)の網がけを本格的に始動させる時期に来ているのではないか。

ニュースサイトで読む:
https://biz-journal.jp/2019/12/post_131593.html Copyright c Business Journal All Rights Reserved.
posted by 小だぬき at 06:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第8回ブラック企業大賞2019 ノミネート企業発表!

第8回ブラック企業大賞2019 ノミネート企業発表!
2019.12.13 ブログ「ブラック企業大賞 」より

2019年12月13日、ブラック企業大賞実行委員会は、2019年のブラック企業大賞のノミネート企業9社を発表いたしました(以下、50音順)。
ウェブ投票も開始しましたので(〜12月22日20:00締切)、ぜひご参加ください。

1.KDDI株式会社
KDDI株式会社は契約数で国内2位の携帯電話ブランド「au」を展開する通信事業者である。
同社では2015年9月に入社2年目の20代社員が、過労死ライン以上となる月90時間を超える残業をした末に自死する事件が発生した。
労働基準監督署からは労働時間のほか仕事量や勤務内容の変更、さらに指導を行った上司とのトラブルが強い心理的な負担になったと判断され、2018年5月に労災と認定された。

また、同年6月には労基署からサービス残業についての是正勧告とメンタルヘルス対策の改善などについての行政指導も受けた。
さらに同社は上記社員が亡くなった後の2017年9月、労基署から長時間労働やサービス残業についての是正勧告を受けたことから全社員を対象に未払い賃金の有無に関する調査を実施。
この結果、従業員4613人に対し計約6億7千万円(15年と16年の2年分)の残業代が未払いとなっていた事実が判明し、2017年11月に清算した。

こうした一連の事実について同社はこれまで公表してこなかったが、上記過労自死遺族との話し合いを経て、今年3月29日にようやく公表に踏み切ったことを明かしている。
20代社員の自死という事態の重大さ、同社によって残業代を搾取された従業員の数や金額の大きさもさることながら、日本を代表する企業が、自らの不祥事を長年にわたり隠蔽してきた行為の重さも考慮してノミネートした。

2.株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
セブン‐イレブン・ジャパンは総店舗数2万店超、チェーン全店で4兆8000億円以上を売り上げる日本最大のコンビニチェーン「セブン‐イレブン」の運営企業である。
2019年12月、同社は全国のフランチャイズ加盟店から「代行」して支払っていたアルバイト・パートらの残業代の一部が少なくとも1978年から未払いだったと発表した。
対象となるのは本部にデータが残る2012年3月以降だけで8129店の計3万405人、未払い額は遅延損害金を含めて4億9000万円に上るとされる。

 同社では加盟店従業員の残業代が70年代から未払いであった事実を、2001年に加盟店が労基署から指摘を受けたことで把握。
だがこの際に導入した時間外手当の計算式に誤りがあり、この後も労基法が定める5分の1の残業代しか払ってこなかった。その間、未払い賃金の精算は行わず、労基署が加盟店に是正勧告した今年9月まで違法な状態が続いていた事実も公表してこなかった。

なお同社に対して本実行委員会は2015年、主に加盟店に対する不公正な扱いを理由に大賞を授けているが、2019年には同社の加盟店オーナーが契約内容に関する告発を立て続けにメディアを通じて行い、9月には公正取引委員会がコンビニ業界の実態調査を行う方針を明らかにしたほか、11月には本部社員が加盟店に無断で商品発注していたことも発覚した。
ただでさえ低賃金にあえぐ非正規労働者の賃金を永年にわたり搾取し、その事実を隠蔽したことの重大性に加え、対加盟店の関係でも依然多くの問題を抱える同社の状況を憂慮し、再びノミネートした。

3.株式会社電通
株式会社電通は広告代理店として日本において最大手企業である。
報道によると、2019年9月、同社は、2018年の社員の違法残業や、残業時間の上限を定める労使協定(36協定)の違法な延長などを指摘され、労働基準法と労働安全衛生法に違反したとして三田労働基準監督署から是正勧告を受けたという。
周知のとおり、同社は、2017年10月に労基法違反の有罪判決が確定している。
それにもかかわらず、その後の状態について是正勧告が出されたことになる。

既に、同社は、2010年から15年にかけて、全国各地の労基署から是正勧告を受けている。
さらに、2015年12月には、新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が自死し、2016年9月に労災認定されている。
電通では、「殺されても放すな、目的完遂までは……」などの『鬼十則』に象徴される経営側の精神訓の下、16年前には入社2年目の男性社員の自死が過労死と認定され、6年前にも30歳の男性社員の病死が過労死と認定されている。
こうしたことから「ブラック企業大賞2016」の大賞を受賞した経歴もある。
このように、同社は多数の過労死の被害者を出し、労基法違反の有罪判決を受け、社会的にも大きな批判にさらされているにもかかわらず、再び複数の違法行為で労基署から是正勧告を受けたという悪質性に鑑みノミネートした。

4.株式会社ロピア
株式会社ロピアは神奈川県藤沢市に本社を置き、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県に47店舗(2019年11月現在)を出店するスーパーマーケットチェーンである。
同社では2018年6月、ロピア店舗の食肉部門に勤務する男性が、3000円相当の精肉商品をレジで精算することなく持ち帰ったところ、会社が警察に通報して懲戒解雇処分とした。
さらにこの男性の自宅付近の店も含む全店舗において、男性を名指しの上で「窃盗を理由に懲戒解雇した」という掲示を行った。
男性は会計せずに持ち帰ったのは単なる過失であったと主張し、解雇の撤回などを求め横浜地裁に提訴。
2019年10月10日には裁判所がその訴えを認め、解雇の無効と解雇日から判決までの給料支払い、さらに掲示による名誉毀損の慰謝料として77万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

さらにこの裁判を通じては、男性が経営に関する権限がない一般従業員であったにもかかわらず残業代が支払われない「名ばかり管理職」であったことが確認され、横浜地裁は未払い残業代約100万円の支払いも命じている。
わずか1つの事件のうちに、ブラック企業でありがちな事象がいくつも見られる事例であることからノミネートした。

5.長崎市
長崎市は、地方自治法1条の3に基づく普通地方公共団体である。
同市では、2007年7月、原爆祈念式典に向けての取材にあたる女性記者に同市の原爆被曝対策部長(当時)が性暴力をふるうという事件が発生した。
同年10月頃、長崎市は関係者に対して内部調査を開始した。
ところが、その直後、当該部長は自殺してしまい、結局、調査は加害者の主張のみを聴取するにとどまったまま終了してしまった。
田上富久市長は記者会見を開き、当該市幹部が自死したことと記者へのわいせつ行為についての報道などで混乱を招いたことを詫びた。
しかし、被害者への謝罪はなかった。

2014年、日本弁護士連合会(日弁連)において「職務上の優越的地位」を濫用して市幹部が女性記者に対して性暴力をふるい、女性への人権侵害があったこと、さらに別の市幹部も被害者を貶める虚偽の情報を広めて二次被害を引き起こしたこと、そして同市がこれを放置したことを認定し、同市に対し、女性の名誉回復に向けた謝罪文とさらなる性暴力の防止策を徹底するよう勧告した。
しかし、同市は、日弁連の調査は不十分であるとして勧告を受け入れなかった。
その後も同市の態度は変わることがなかったため、2019年4月、女性は損害賠償を求めて同市を提訴した。

圧倒的な力関係の中で情報を引き合いにして報道記者の人権と自由を奪うことは、報道の自由だけでなく市民の知る権利をも侵害する。
世界的に#MeToo運動が広がる一方で、同じく世界に知られる平和都市・長崎が被害者への謝罪も救済もしていない。
そればかりか、今でも市議会においてこの問題が出ると「被害者はどっちだ」などとヤジが飛び、二次被害ともいえるような状況がつづいている。
このような状況となっている点からノミネートした。

6.トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社は、自動車の生産・販売を主な事業とする世界的企業である。
報道によると、2015年4月に入社した男性社員は、2016年3月に本社配属された翌月から、日常的に上司から「バカ、アホ」と言われ、「こんな説明できないなら死んだ方がいい」とも言われたという。
また、個室に呼び出されて「俺の発言を録音していないだろうな。携帯電話を出せ」などと詰め寄られたこともあった。
その後、同社員は3カ月間休職。復帰したものの「死にたい」などと同僚に漏らすようになり、2016年10月に社員寮の自室で自死した。
死亡時28歳だった。
男性の死後、遺族は豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)に労災申請した。
2019年9月、豊田労基署は、男性はパワハラが原因で適応障害を発症し、職場復帰後も治癒していなかったとして、男性の自死を労働災害として認定した。
また、同社では、2002年にも過労死事件が発生している。
パワハラが社会的に大きな問題になる中で、日本を代表する大企業が新入社員を短期間に自死まで追い込んだ事案であり重大であることからノミネートした。

7.三菱電機株式会社
(メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社)
三菱電機株式会社は、家電から発電機まで様々な電気製品を製造するメーカー企業であり、我が国の代表的な大企業である。また、メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社(以下「MSEC社」)は、三菱電機パワーデバイス製作所(福岡市)内に本社を置く三菱電機の子会社であり、MSEC社の役員の過半数は、三菱電機の社員であるという。

報道によると、2017年末、MSEC社では、当時40代の技術者が自死し、2019年10月に但馬労働基準監督署(兵庫県豊岡市)によって長時間労働による労災であると認定された、とのことである。
三菱電機グループでは、2014年以降に、社員が自死したり精神障害を発症したりしたケースが判明したのは、これで3人目となる。
また、三菱電機では、2014年〜17年にシステム開発の技術者や研究職の男性社員5人が長時間労働が原因で労災認定され、うち2人が過労自死だったことも報道されているところである。
こうしたことから、三菱電機は、「ブラック企業大賞2018」の大賞を受賞した経歴もある。

複数の過労自死を出した大企業の子会社において、新たな過労自死が発生していることは重大であることから、三菱電機及びその子会社であるMSEC社をノミネートした。
なお、三菱電機では、20代の男性新入社員が2019年8月に自死し、教育主任だった30代の男性社員が自殺教唆の疑いで兵庫県警三田署によって神戸地検に書類送検され、自死の現場には、教育主任から「死ね」などと言われたことなどを書いたメモが残されていたとの報道もなされおり、衆目を集めたところでもある。

8.吉本興業株式会社
吉本興業株式会社は1912年(明治45年)に創業され、お笑い芸人を中心に総勢6000人以上のタレントが所属する日本最大級の芸能プロダクションである。
今年4月の新聞各紙報道によると、同社および同社の子会社は従業員に過労死ラインを超える月100時間を超える残業をさせていたことから2012年3月に新宿労基署から是正勧告を受けた。
また2018年8〜9月には、就業規則を変更したのに労基署に届け出ていなかったり、休日勤務の割増賃金を十分に払っていなかったことなどから再度是正勧告を受けた。
さらに今年6月以降、同社に所属する複数のタレントが振り込め詐欺グループの宴会に金銭を受け取って参加していた所謂「闇営業」問題が発覚したが、この騒動が報じられる過程では同社と、同社にマネジメントを委託する所属タレント間でのギャランティ配分が不公平であること、またタレントとの間で正式な所属契約書をかわしていないことなどが指摘され問題になった。
さらに、同社社長の所属タレントに対する言動がパワハラであるという指摘がなされ、議論を呼んだ。

近年、芸能界において多くのタレントが所属事務所との間で不公平な契約を甘受させられ、契約解除したタレントに対しては事務所が放送局などに圧力をかけ出演できなくすることもあるとされるなど、「芸能界における労働問題」がクローズアップされている。
また、タレントの労働者性についても様々な議論がある。
そうした問題の、ひとつの象徴事例として同社をノミネートした。

9.楽天株式会社
楽天株式会社は、ネット通販「楽天市場」を展開するなどインターネット関連の幅広い事業をおこなっている企業である。
報道によると、2016年6月、当時、社員だった男性は、会議で激高した上司から首付近をつかまれ、壁際に押しつけられたという。
その際、頸髄を損傷して手足にまひが残り、うつ病を発症して現在も療養している。
男性によれば、社内のパワハラ相談部署に掛け合ったが調査されず、配置転換の希望も受け入れられなかったため、暴行の1か月後に退職せざるを得なかった、とのことである。

男性は、渋谷労働基準監督署に労災申請をおこない、2017年8月、渋谷労基署は労災認定した。
男性は、楽天株式会社に対して、「会社として責任を認めてほしい」と求めている。
会社内での暴行事件は、零細企業において発生した前例は相当数存在するが、プロ野球球団を運営するような大手企業において、しかも会議中に暴行事件が発生するなどという事案は極めて稀である。
大企業における企業内暴行事案として看過できないためノミネートした。
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