2020年01月02日

正月三が日にやってはいけない6つのタブー

正月三が日にやってはいけない6つのタブー
2019/12/31 All About
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正月三が日……
縁起をかついで、やってはいけないこと
日本人の暮らしに息づくタブーはたくさんありますが、「正月、三が日にやってはいけないこと」が意外と多いのはご存知ですか?
掃除、煮炊き、ケンカ……縁起をかついで、やらない方がいいとされている風習があるのです。

そもそも三が日とはいつのことか、松の内との違いはなにか?などの基礎知識を解説しつつ、 代表的な「三が日のタブー」をご紹介します。

そもそも正月の「三が日」とは?
「実用日本表現辞典」で「三が日」の意味を調べると、次のように記されています。
“正月の元日から三日まで。
新年を祝賀する期間で、事実上の祝日となっている”
つまり、三が日とは、1月1日、2日、3日の3日間のことをいいます。
慌ただしい大晦日から一夜明けるとお正月に。不思議なくらい新鮮な気持ちになります。

1日(元旦)は家族そろってお屠蘇やお雑煮、おせち料理でお祝いをします。
最近は少しずつ変わってきてはいますが、三が日の間に、初詣や書初め、お年玉を贈るなど、お正月ならではの特別な行事が執り行われます。

「正月」「三が日」「松の内」の意味の違い 正月の「正」には「初め・改まる」という意味があります。
すなわち「年が改まった最初の月=1月」となります。
現代では三が日を正月というのが一般的。
しかし古文書などを調べると、かつては1月すべてを正月といっていたそうです。

また「松の内」とは、年神様がいる期間。
住む地域によって変わりますが、一般的に1月7日まで(地方によっては10日、15日の場合も)、お正月飾りである松飾り(門松)を飾っておきます。
諸説ありますが、ここでは代表的な6つをご紹介したいと思います。

タブー1:掃除をしてはいけない
お正月には、歳神(としがみ)様という神様が、福を持って家を訪ねてきてくれます。
それなのに掃除をして追い払うなんて、もってのほか! 福を払いのけてはいけませんね。

同じ意味で、キッチン、バス、トイレの掃除、そして洗濯も神様を水で洗い流すことになるので、縁起が悪いのです。
水仕事全般がタブーにあたります。
掃除のような根拠はありませんが、「元旦にお布団を干してはいけない」、昔ながらの風習も残っています。
年の初めには歳神様がこられるので、忙しく家事などせず、ゆっくり休んでお出迎えしなさい……ということなのでしょう。

タブー2:刃物を使ってはいけない
この理由にも、いくつか説があります。
「三が日に刃物など使わなければ、この1年を無事に健康で過ごせる(もし切ったりして怪我をしては大変!)」、「包丁で切ることは、縁を切ることにつながってしまう」、「三が日の間は包丁も使わないで休ませてあげる」など……。

三が日は、お雑煮、おせち料理と前もって作り置きしたものをいただき、台所仕事をせずにゆっくり休むようにとも考えられますね。
住む地域によっては、自分の身体の一部である爪を切ってしまっては、家族との縁も切れてしまう……というジンクスもあるそうです。

タブー3:火を使う煮焚きをしてはいけない
煮焚きすると必ず灰汁(あく)が出ます。
この「灰汁(あく)を出す」が「悪く(あく)を出す」の意味につながっています。
かまどなど、火を使うところには、火の神としてまつられる「荒神様(家の中心にあって家人を守護する)」がおられます。正月早々に火を使うと、その「荒神様」は怒ってしまいます。
せめて三が日ぐらいは、火を使わずに、「荒神様」を休ませてあげるための風習だといわれています。

タブー4:四足(よつあし)歩行の動物の肉を食べてはいけない
四足とは、漢字の通り、4本の足を持って歩く動物。
「豚」「牛」「馬」が代表的ですね。
仏教の教えからきている(殺生禁止)、天武天皇が僧侶の肉食禁止令を出した、など、理由はいろいろ考えられます。
一昔前のおせち料理では、当然肉を入れるのは避けられていました。

地域によっては、「豚」「牛」を食べない風習が残っているようですが、現在は気にせずに食べている場合が多いです。
神経質になりすぎるのもよくありませんが、二本足の「鶏」は例外ですから、気にされる方は鶏肉を食べてください。

タブー5:ケンカをしてはならない
皆が新しい年を良い年にしたいと願うのが年の初めです。
実際ケンカをしたところでその年が最悪の年になるとは限りませんが、1年の運勢が決まる大事な時に争いなどして、悪い運気を植え付けたくないという考えから生まれた、縁起かつぎともいえます。

タブー6:お金を使ってはいけない
これは住む地域に残る風習などによって、変わってきます。
「年の初めにお金を使いすぎると、その1年はお金が貯まらない」のだそうです。
ですが、神様に手向ける初詣でのお賽銭は大丈夫だといわれています。
大事なのは、この1年浪費せず、お金の使い方を考え、先を見据えてしっかり計画するようにと自らを戒めること。
2日からは早速初売りセールが始まるご時世ですが、少なくとも元旦は初詣のお賽銭までに留めておくのが無難でしょう。
posted by 小だぬき at 09:36 | 神奈川 ☀ | Comment(3) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

民主政治の再構築 あきらめない心が必要だ

民主政治の再構築 あきらめない心が必要だ
毎日新聞「社説」2020年1月1日
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 2020年が始まった。
 先の大戦から75年、冷戦終結から30年が過ぎた今、民主政治のほころびが目立っている。
 我々に安心感を与えてきた人権保障、権力分立、法の支配などの基本原理が危うさを増している。

 深刻なのは、民主政治の起源でもある欧米の多くの国々で、ポピュリズムが大手を振っていることだ。
 共通しているのは、敵か、それとも味方かの二分法で分断を深める政治手法だ。

選挙で多数を得た力は、本来、異論との間で接点を探るために使われるべきである。
しかし、実際は多数派の論理で異論を排除する光景が日常化している。

 トランプ米大統領に対する弾劾訴追劇は世界を暗たんとさせた。
 トランプ氏の支持者と共和党は、米国史上3度目の弾劾訴追という事態を重く受け止めようとしない。
先達が腐心した権力のチェック・アンド・バランス(抑制と均衡)は機能せず、民主国家としての信頼を大きく損ねた。

ポピュリズムのうねり
 冷戦が終わり、社会主義国が次々と消えた。
市場経済が広がり、自由と平和、民主主義が息づく世界の将来像が共有された。
 民主政治の下で市場経済は発展し、増える中産階級が政治的な発言を求め、民主政治は揺るぎないものとなる。
好循環の中で、二つはセットで発展する。
 定説とさえ思われたこうした「セット」論はもはや怪しくなった。

 きっかけは08年のリーマン・ショックだ。
国際的に低成長になる中、グローバル化の進展で先進諸国の中産階級が没落すると、民主政治が脅かされる状況が目の前に表れた。
 没落する先進国の中産階級の不満をあおることで、ポピュリスト政治家は上昇気流をつかむ。
社会の変化が大きいほど支持を集めやすい。
 一方で、問題は誰かのせいにされがちだ。
真犯人を国外に求めたがる。
トランプ現象も英国の欧州連合(EU)離脱もそうした表れだ。

 その中で、温暖化や海洋汚染などの地球の生態系に関する問題や、核軍拡競争の懸念が深刻の度合いを増している
 国家単位で答えを出すことが困難な問題がうねりを増す中で、ポピュリスト政治家は国際秩序に大きな価値を認めない。
地球の持続可能性レベルの危機さえ招来している。

 日本が果たすべき役割を、改めて考えるときだろう。
 12年に自民党総裁に返り咲いた安倍晋三首相は国政選挙で6連勝中だが、野党の異論に耳を傾けないどころか、敵視する姿勢さえ際立つ
それで強固な支持基盤を獲得する手法は、ポピュリズムの潮流に沿う。
 ただ、選挙の勝利は強固な支持層より「代わりがいない」という消極的選択に支えられている側面が強い。

日本の民主政治は欧米に比較すれば、まだ安定しているようにも映るが、政策を実行に移す段になると、多方面に配慮せざるを得ないというのが実相だろう。
このため、目立った成果はあげられていない。

「20世紀初頭に近い」
 昨年暮れに来日した、フランスの経済学者ジャック・アタリ氏は今の世界の状況を「20世紀初頭に近い」と形容した。
民主政治の不安定化を受けた指摘だ。

 民主主義は、政策決定に時間がかかり、最終的に合意されたものもあいまいさが常に残る。
それよりは、中国のように、基本的人権は抑圧されても、権威主義的な政治体制の方が市場経済との相性がよく効率性が高いとの考えも強まる。

 しかし、日本は民主政治のモデルを教科書のように目指すべき方向として追い求めてきた。
その歴史は、曲折はあったものの、明治維新以降150年を超える。
 今ここで、大事にしてきた価値観を否定する必要はない。
 たとえ、市場経済との二人三脚が崩れたとしても、民主政治の旗を掲げることは重要だ

日本は大国ではないが、世界の中で重要なアクター(行為者)ではある。
民主政治の旗を掲げ続けることによってこそ、米国に世界秩序への関与を働きかけることができる。
 東京大の宇野重規(しげき)教授(政治哲学)は「民主主義というものは忍耐心がいるものなのに、決定能力の低さに世界が疲れ、価値観が揺らぎ始めている。
民主主義は非常に危機的になっている」と話す。

 あきらめる心にあらがいたい。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする