食品値上げに路線バス危機…コロナの副作用が暮らしを直撃
2020/06/03 日刊ゲンダイ
コロナ禍が暮らしに副作用をもたらしている。
懐が痛いのが身近な食材の価格高騰だ。
東京都中央卸売市場によると、5月22〜28日の野菜価格(大田市場)は、ハクサイやダイコンなど大幅に高くなっている。
当然、スーパーなどの小売価格にも反映される。
「供給面は例年と変わらないのですが、外出を控え、家で料理する消費者の需要が旺盛で野菜価格を押し上げています」(大田市場の農産品担当者)
豚肉価格も高い。
東京食肉市場の卸値(並)は、3月が1キロ398円(加重平均)だったが、4月は548円に急騰した。
「外食用が中心の牛肉価格は下落傾向なのですが、豚肉は、値段が安く、さまざまな料理に使えるため家食向けで人気を集め、価格も上昇しています」(業界関係者)
さらに、営業を再開する飲食店の「3密回避」が値上げにつながる可能性がある。
「席をひとつ空けたり、入場制限をしていますが、回転率は大幅に悪化します。
再開後の回転率で経営が成り立たない場合、廃業するか、価格に転嫁するしかありません」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
■路線バスに倒産ラッシュの恐れ
公共の足である路線バスも火の車だ。
先月、丸建自動車(埼玉県上尾市)が、路線バス初のコロナ倒産に追い込まれた。
赤字続きに外出自粛の乗客激減が直撃した。
今後も路線バスは倒産ラッシュの恐れがある。
国交省によると、路線バスの年間輸送人員は1970年の100億人から現在は40億人と激減。
「自家用車の普及が大きい」(国交省・自動車局旅客課)という。
2018年度はなんと事業者の7割が赤字。
さらに、コロナの影響で、4月の輸送人員は前年同月比54・7%減、5月は同58・2%減と追い打ちを食らっている。
日本モビリティ・マネジメント会議(代表理事・藤井聡京大教授)の調査によると、鉄道、バス、タクシーなど全国の交通事業者の約半数が8月中旬ごろまでに事業継続が困難になると回答している。
「人口密度の高い日本で路線バスは儲かる事業でしたが、今は黒字を出すのが難しい。
一方、車の運転をやめた高齢者が増えるなど公共の足として重要性は高まっている。
国や自治体は路線バスの維持に全力を尽くすべき。
路線バスの倒産が相次げば、陸の孤島がいくつもできてしまいます」(井上学氏)
このままでは、テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」で、先に進めないシーンが頻発してしまう。