都医師会長が政権に三行半「国に頼るのは諦める」の衝撃
2020/08/26 日刊ゲンダイ
新型コロナウイルスの「第2波」に国民不安が高まる中、医療界の重鎮が安倍政権に三行半を突きつけた。
東京都医師会の尾崎治夫会長が「国に頼るのは諦める」と宣言。
公然と反旗を翻す異常事態だ。
批判の的となった安倍首相は歴代最長政権を手にしたものの、体調不安説の拡散も重なって求心力が急低下。
28日に予定される会見であれやこれやの懸念払拭を狙うようだが、もはや絶体絶命なんじゃないか。
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都医師会の上部組織である日本医師会は、自民党とベッタリの強力な支援団体。
にもかかわらず、尾崎会長は政府のコロナ対応をたびたび批判してきた。
先月末の会見では「国の無策の中、感染者が増えるのは我慢できない」
「コロナに夏休みはありません。一刻も早く国会を開いて国ができることを示して国民を安心させて下さい」と発言。
拡充しない検査体制に業を煮やし、都内のPCRセンター設置も主導した。
その尾崎会長の24日のフェイスブックへの書き込みは、とにかく強烈だ。
〈国は動く気配がありません。
安倍首相の健康問題を取り上げ国会を開くことには、さらに消極的になったような気がします〉と書き出し、〈コロナ危機を考えると首相代行を立ててでも厚労大臣やコロナ担当大臣が協力すれば、法改正の議論はできるはずなので、是非、国会を開いてほしい〉とアベ抜きの臨時国会召集を要望。
一方、インフルエンザ流行期に備えて〈現行法の中でできる対策を考え、都民のために頑張ることに重点をおこうと思います。
国に頼ることは、もう諦めようと思います〉と、都医師会は独自路線を歩むとした。
安倍首相は会見で「重病」「退陣」払拭狙い
尾崎会長の指摘の通りで、安倍首相の健康不安が国政を一層停滞させているのは疑いようがない。
慶大病院に2週連続で通い、「時短勤務」を続行中だ。
時事通信の「首相動静」によると、25日は14日ぶりに午前中に官邸入りしたが、執務は計154分。
閣議出席後は「空白の4時間」を過ごしていた。
持病の潰瘍性大腸炎の悪化で顆粒球吸着除去療法(GCAP)を受けてフラフラだとか、亡父と同じ膵臓がんに罹患した、大腸がんを患っているとの情報も飛び交う。
麻生財務相に臨時代理を託し、休養に入るシナリオも既定路線化しつつあるが、28日に会見を開いてコロナ対策を打ち出し、退陣説を打ち消すつもりだという。
「24日に報道陣から検査結果を問われた総理は、〈またお話しさせていただきたい〉と言ったきり。
野党からも国会説明を求められている。
会見で多少でも話せば、世論の不安を払拭し、野党の要求もかわせるとの算段で会見セットに動いているようです」(与党関係者)
歴代最長、最悪政権の悪あがきにはほとほとウンザリだ。