2020年09月09日

脳のネットワークを構築し直す方法

脳のネットワークを構築し直す方法
2020.9.8  ダイヤモンドオンライン
ホルスト・ルッツ 繁田香織:翻訳家

身体の動きを自在に操る
 身体能力についてお話しします。子どもは、座る、立つ、走る、知覚する、表情や身振りを表わすことなど、非常に複雑な行動過程をごく短期間のうちに身につけることができ、子どもの学習能力は計り知れません。
 ただ、その能力は年々低下し、とくに思春期からは大幅に下がっていきます。
「習うなら若いうち」ともいいますからね。
でも大丈夫。
誰でも、生涯にわたって学習することができます。

 学習する時間は人によって長くなったり、短くなったり、増えたりします。
 60歳でスキーや車の運転、新しい楽器の演奏を覚えることに苦労している人もいれば、同じ60歳でも、あっという間にできてしまう人もいるのです。
 しかし、ある特定の動きを練習して覚えれば、身体を自在にコントロールできるようになるというわけではありません。
一生涯のうちでまったく同じ状況が何度も起こることなどないため、特定の動きを覚えるだけではあらゆる状況に備えておくことは不可能です。

 身体を自在にコントロールするというのは、そのときどきの状況に合わせて身体を柔軟に反応させるということなのです。  もちろん、若いときにスポーツを行なっており運動経験が豊富な人であれば、そうした能力はほかの人よりも優れているでしょう。
ただ、運動経験さえあれば十分、とはいえません。

 もし、すでに習得した動きで対応できるはずの課題ができないようであれば、脳のネットワークを構築し直すための学習も必要となってきます。
 スポーツ選手の中には、ある特定の動きを長い年月をかけて誤って習得してしまった選手もいるでしょう。
そのようなスポーツ選手は皆、動きを直すことがどれほど難しく時間のかかることであるのかわかっています。
しかし脳は、未知の状況を経験すればするほど、このような新たな状況に対応するための措置をよりうまく講じることができるようになります。

 ここで、簡単なテストをしてみませんか?
全30パターンの指の組み合わせ、20秒以内にできる?

 机か何かの天板の前に座り、両方の手の平を下へ向け、天板の上を軽く指で触れてください。
その後、両手を天板から約10センチメートル上まで上げ、そこから図の「まっすぐ伸びた指」で天板を軽く叩いていきます。
「天板に置いた指」が図と合っていれば、そのまま両手を上方へ上げ、次の図の指を下ろしていき天板に置きます。
これらは、親指以外の指で行ないます。

 まずは、左手はこぶしにして、右手の人差し指を天板に置きます。
次に、両手を上方へ上げ、今度は両手の人差し指を置きます。
また両手を上方へ上げ、右手の人差し指と中指、左手は人差し指のみを置きます。
その後で、左手の中指も合わせ、両手の人差し指と中指を置きます。

このように続けていき、天板に8本の指を置いたら、今度は逆の順番で指を置いていきます。
 そのまま2周目を続けます。
2周目は、左手の人差し指から始めて、右手は左手の指を追うようにして置いていきます。
天板に8本の指を置いたら、今度は右手の指を先に引っ込めていきます。
そして、この全30パターンを行なっている間の時間を計ります。

 以上の手順をよく理解するために、一度だけ非常にゆっくりと行なってみてください。
その後すぐにテストを開始します。
図の順番通りに進めて、その時間を計ってください。  

あなたがこの全30パターンを行なうのに20秒以上かかったとしたら、あなたの能力を改善できる余地がまだいくらかあるということです!
指の動き30パターン.jpg
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする