2020年09月15日

「他人から受ける批判」に疲弊していませんか

「他人から受ける批判」に疲弊していませんか
「外食の誘い」を断り続けるのがストレスに
2020/09/14 東洋経済オンライン
大野 萌子 : 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。
自粛生活も長引き、先行きも不透明な中、人との関係性に苦慮しているケースが多く見受けられます。
とくに価値観の違いが浮き彫りになり、正しいことが何かさえも判断が分かれる中、必要以上に自分を追い込んでしまう人が増えています。

在宅勤務に対する感覚に大きなギャップ
最近もこんな相談がありました。
テレワーク中に上司から急ぎの案件で電話が入った。
タイミング悪くトイレに立っていて、戻ってきたら2回着信が入っているのに気づき、急いでかけ直したところ、いきなり怒鳴られたというのです。
この間、数分間だったにもかかわらず「すぐに電話に出られないとは何事だ! 反省してもらわないと」と言われたとのこと。
その後、トイレにまで携帯を持ち込むようになって、つねに気が休まらないとのことでした。

出社して何もしていない人に対しては甘いのに、在宅勤務=ラクしている(さぼっている)というような感覚を持っている人は本当に多く、このギャップは顕著です。
同じ部署のメンバーや上司に、このタイプがいると、まず気持ちがやられてしまいます。
こちらの意向を伝えようにも、それこそ、オンライン上でうまく伝えられずに疲弊してしまい、うつ状態になるケースもあります。

オンラインだから伝えられないのではなく、オンラインなんかで話してくるなという相手の受け入れる姿勢がすでにないからです。
本社機能を都心から地方へ移すことや、事務所自体をなくす企業も増えて、働く場所を選ばないことが今後進んでいく中でも大きな足かせになると感じます。

人は基本的に、変わりたくないという意識を持ち、変化へ抵抗を示す傾向があります。
そんな中で、今までとは違う行動をとる人に対して嫌悪感を抱いたり、批判や非難をする、また自分の考えを押し付けてくるケースも増えています。

ケース1 
「そろそろいいんじゃない?」誘いを断るたびに自己嫌悪
同じ小学生の子どもを持つ学生時代からの友人。学生の頃からお互いの家を行き来したり、一緒に出掛けたりという付き合いをしてきた。
コロナの影響を受けてから、直接会うことはなくなっていたが、緊急事態宣言解除後あたりから、食事などの誘いが来るようになった。
最初のうちは「まだ控えたい」ということで収まっていたが、最近「いつになったら終わるかわからないのに、ずっと家にいるつもり?」
「○○ちゃん(子ども)もかわいそうね……」と言われ、自分が気にしすぎているのかと自己嫌悪になる。

ケース2 
上司からの誘いを断りづらい
この半年、飲み会もほとんどなくなってはいたが、そろそろ……といった誘いも増えつつある。
もとより上司と2人きりは避けたいが、今までのように「みんなが参加するなら」と言いにくくなり、少人数なら安心だからと言われると、逆に断りづらくなっている。
「最近は話す機会も減ったし、今後のことも含めて話をしたい」
「テレワークになってしまっているので、たまには直接会わないと」と言われてしまうと非常に困る。

ケース3 
在宅ワークに後ろめたさ
在宅か出社かを選べる環境にいる。
在宅ワークを選択しているが、最近、出社組からの圧を感じる。
言葉の端々に嫌みを含んでいることも増えてきた。
業務連絡のちょっとした行き違いがあった日に「出てこないから情報共有ができないんだ」とあたかも来ないやつが悪いという言い方をされ、この先が不安になった。

柔軟性を高め、意見の違いを認め合う コロナ前も、もちろん個々人の価値観はさまざまだったと思いますが、それが顕著に感じられるようになったことも確かです。
今までは、付き合いやすいと思っていた相手でも、感覚や価値観が違ったと多くの人が実感しています。

だからこそ、自分がどう考えてどうしたいのかを伝え、相手がどう思っているのかを認識することが、これまでよりもっと重要になってきます。
是非を求めずに感覚を大切にしてほしいと思います。

そして、相手と自分の意見が違うからといって、否定するのはNGです。
「私はこうしたいけれど、どう?」と、あくまでもお互いの意見を認め合うスタンスを意識しましょう。
とくに同じ職場で長年やり取りのあった人や親しい間柄ほど、「感覚が同じ」と思い込みがちです。
考え方の違いがあって当然、ということを忘れないように心掛けられたらと思います。

仕事だとなかなか難しい部分もありますが、自分軸をしっかりと持って、相手に振り回されないようにすることが大切です。 また、高齢の両親や妊婦の妻がいるというだけでテレワークを許可されるのは納得いかない、独身の自分だって混雑した電車に乗って出勤するのは怖いといった声や、正社員は在宅OKだが、派遣はNGなどと暗黙の了解があるなどの不平等さや不公平さを訴えるケースも増えてきています。

子どもがいるからOKなどのルール作りをしてしまうと、どうしても不平等感が生まれてしまいます。
職場やコミュニティにおいて、平等感はとても大切で、誰かが自分よりも優遇されている、ひいきされているといった日々の感情は、不満感を持ってしまうだけでなく、対象者への攻撃やモチベーションの低下につながります。
より一層、個々への対応が必須です。

直接会わないからコミュニケーションが取れないわけではなく、見えているから安心なのでもなく、今まで見ないようにしていた部分を今一度問い直す時期に来ているのではないでしょうか。
「○○すべき」という固定観念に固執せずに柔軟性を高めていくことで、自分自身にも、そして他者に対しても優しくなれるのでは、と思います。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする