岡田晴恵教授が警告する年始年末の注意点「マスク会食はマスト」
2020年12月18日 女性自身
第3波の不安が広がるなか、いつもと違う年末年始がやってくる。
白鴎大学教授の岡田晴恵先生に、あらためて年末年始ならではのシチュエーションでの注意点、そして感染してしまった場合の対処法を聞いた。
【Q】帰省、会食、買い出し。年末年始ならではの場面の注意点は?
「まず帰省について。私は、なるべく控えたほうがいい、という意見です。
みなさん、ご存じとは思いますが、人が移動するからウイルスも移動する。
健康だと思っていても無症状なだけで感染はしているという方もいます。
安全なほうを選択しては、と思っています。
会食はするのであれば、最近推奨されている“マスク会食”がマスト。
マスク代わりに扇子を口に当てるという人もいますが、小さな飛沫は扇子では防げません。
また、12月末はお正月のための買い出しで小売店が混み合いますよね。
“人ごみができない時期にずらして早めに行く”“家族を連れず一人で行く”などの対策を。
そして、特にお伝えしたいのが、今後起こりうる自宅待機や自宅療養のための備蓄品を買い物リストに入れていただきたいということ。
誰もが感染しうる現状ですから、自分や家族が感染した場合を想定しておく必要があると思います。
現在、政府の方針で、感染者で入院をするのは、重症の場合や、高齢者や基礎疾患があるなど重症化のリスクが高い人にしぼられています。
重症度をはかる基準の一つは“酸素飽和度(血液のなかにどれだけ酸素が含まれているか)”ですので、発熱だけでは重症とみなされず、都道府県が用意した施設での宿泊療養、もしくは自宅療養になる場合があります。
もし自宅待機や自宅療養になっても、年末年始だと休業する小売店もあって、必要なときに必要なものを手に入れられない心配がありますよね。
ですから備蓄はすべき。
リストをつくりましたので、参考になさってください」
【Q】もし自分や家族の感染が疑われた場合、どうしたら?
「まず、感染が疑われる場合には、かかりつけ医に連絡・相談、または居住地の保健センターに連絡して指示を仰ぎましょう。
感染者が出た時点で、感染者が触れた可能性があるものは、すべて消毒や洗濯を行いましょう」
【Q】自分や家族が自宅療養をすることになった場合の注意点は?
「感染者は、同居家族と生活空間を分けましょう。
同居家族も感染している可能性があるため、できる限り外出は控えてください。
感染者の入浴は家族の最後にして、シャワーですませましょう。
洗面所やトイレは感染者が使った後はすみやかに家庭用洗剤で清掃して消毒します。
感染者が使ったパジャマなどの洗濯は、ほかの家族のものと一緒でも大丈夫です。
ただし便などが付着しているときは消毒しましょう。
自宅療養中に急に症状が悪化して即座に医療機関の受診が必要になる場合もあります。
そういうときは慌ててしまいがちですから、もしものときのために事前に医療費のためのお金、保険証、かかりつけ医の診察券、おくすり手帳を準備しておくとよいでしょう」
【Q】看病する側はどうしたら?
「感染拡大防止のため、看病する人は一人に決めます。
看病者は感染リスクが高い妊婦や高齢者、基礎疾患がある人は避けてください。
看病するときの服装ですが、まず接触感染を防ぐために使い捨てのビニール手袋を。
また、ビニールのカッパのような全身を覆うものを着ます。
カッパがなければ、大きなビニール袋を切ってかぶるのでもいいと思います。
目の結膜からも感染するので、ゴーグルやメガネをつけてください。
もちろんマスクもマストです。
看病後は、手袋やマスク、ビニール袋はきちんと処理し、ゴーグルやカッパは消毒してください。手も必ず洗いましょう」
【Q】最後に岡田教授から不安に思う読者へ一言お願いします!
「いつもと違う過ごし方で戸惑う方も多いと思います。
ただ、家のなかでも娯楽はありますし、楽しみを見つけていい年末年始を過ごしていただければと思います」
「女性自身」2020年12月29日号 掲載