2021年02月19日

通学中の電車で突然「若者は外に出るな」マスク警察の恐怖

通学中の電車で突然「若者は外に出るな」マスク警察の恐怖
2021年02月18日 SPA!

緊急事態宣言の延長に伴い「マスク警察」や「自粛警察」などの存在が、ますます注目を集めている。
 これまでに経験したことのない「コロナ」というストレスに限界を感じている人が多いのだろうか。
他人に八つ当たりしたところで、ウイルスがいなくなるわけではないのだが……。

今回は「マスク警察」や「自粛警察」から受けた理不尽な思いや、恐怖を感じたというエピソードを紹介する。

◆子ども相手にも容赦ない「マスク警察」
 自身の恐怖体験を話してくれたのは杉本祐さん(仮名・30代)。
田舎に住んでいるため、食材を揃えられるスーパーは一軒しかないという。
「小さくても田舎特有の人間味溢れるスーパーなのですが、その日は、都心からの帰省客も多く、見慣れない人たちに圧倒されていました」
 杉本さんは「自粛しないんかい!」「田舎に帰省かい!」と内心ツッコミを入れていたという。

「私には4歳の息子がいるのですが、買い物をしていると『お父さん、少し疲れちゃった』と言うのです」
 スーパーに入るまでの待ち時間が長かったにも関わらず、文句も言わずに頑張った息子に「少し外で休もう」と顔馴染みの店員に断って休憩することにした。
息苦しそうにしていたマスクを外し、2人で愛用の仮面ライダーの水筒でお茶を飲みながら談笑していた……そのとき、事件は起きた。

◆恐怖の3分間、怯える息子
「普段、田舎では見ないような派手なおばさんが、私に向って『おい!』と言うのです。
振り向くと『なんでマスクしていないんだ! しかも小さな子どもまでマスクさせないなんて頭がおかしい! とにかくおかしい! 子どもを連れてさっさと帰れ!』と大声で叫び出したのです。
さらに、その娘だと思われる小学校高学年くらいの女のコまで『マスクしろ! 手には手袋しろ!』と追い討ちをかけてきました。
息子は完全に怯えてしまって、私も突然の出来事に頭の整理ができませんでした」

 約2〜3分間の出来事だったという杉本さん。
そこに夫と思われる男性が現れ、頭を下げながら車へ連れて行ったという。
まわりからは「変な人に絡まれたね」と声をかけてもらえたようだ。
「まだ買い物は残っていたのですが、その場には居づらくなり、帰ることにしました。
息子が『幼稚園でもああいう人がいるけど、かわいそうだね』と悟ったように言っていました」

◆若者というだけで…
 現在大学生の上川もかさん(仮名・20代)は、通学途中に「自粛警察」から怒鳴られたことがある。
昨年春から緊急事態宣言の影響でオンライン講義だったが、秋からは対面授業も始まったという。
「私は電車の中で座っていました。 講義が3限目からだったので、通勤ラッシュにもかぶらず、ゆっくり座ることができたんです」
 その時間帯は人が少なかったという。しかし、大学の最寄駅の数駅前で機嫌が悪そうな中年男性が乗車してきた。
「私の姿を見るなり、『若者は外に出るな!』と叫ばれました。びっくりしたのと同時に、無性に腹が立ってきて。つい反論してしまいました」
 川上さんは、その男性が自分を棚に上げながら他人はダメ、といった態度に腹が立ったと話す。
「私は大学に通うために電車に乗っているだけで、不要不急じゃありませんと言いました。
すると、相手の感情を逆撫でしてしまったようで、さらに捲し立ててきたんです。
『そんなことは知らない』と何度も言われたような気がします」

◆何を言っても「お前が悪い」「外に出るな」「若者のくせに」
 まわりの乗客は見て見ぬフリだった。
憤りを感じていたが、男性はますますエスカレートしていく。
「おじさんは、私が何を言っても『お前が悪い』『外に出るな』『若者のくせに』と繰り返すので、その勢いに押されて泣きそうになりました。
もう我慢できず、授業に遅れることは分かっていましたが、電車を降りてしまいました。
若者というだけで迫害されたのは初めてのことで驚きました」
 川上さんが悔しそうに続ける。

「怖さから泣いていたことで、その日は学校に行くことができませんでした。
お互いにマスクをしていましたが、大声で話しているおじさんを見ていると、飛沫が飛んでいるように感じて気持ち悪かったです」
 感染予防に気を付けることは当然だが、だからといって、他人に度を超えた恐怖を与えることはどうかと思う。
                                <取材・文/chimi86> 

【chimi86】
ライター歴5年目。
趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
Instagram:@chimi86.insta
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする