生活費の値上がりが家計直撃!ポークカレーで検証すると…
2021/04/28 日刊ゲンダイ
総務省は先週23日、2020年度の全国消費者物価指数(2015年=100)を公表した。
前年度と比べると0・4%の下落で、マイナスは4年ぶりだ。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う原油安によるガソリンなどのエネルギー価格の大幅下落の影響が大きいという。
■消費者物価は10年ぶりの下げ幅でも…
低下幅は10年度(0・8%下落)以来、10年ぶりの大きさだった。
物価が下がれば生活は楽になるはず。
でも、そんな実感を持つサラリーマンは多くない。
緊急事態宣言が発令され、外出は自粛。居酒屋で飲む回数は減り、自宅時間が長くなった。
家での食事は増加し、その分、料理の食材やインスタント食品を購入する頻度は増えている。
「確かにガソリンや灯油など下落している品目はあります。
ただ、生活に必要な食品や日用品に目を向けると上昇しているものがたくさんあるんです。
生鮮野菜は5・9%上昇し、生鮮果物も5・3%上がっています。
庶民感覚では生活費はかなりアップしていると思います」(市場関係者)
夕食にポークカレーを作ると…
夕食にポークカレーを作るとどうなるか。
じゃがいも(23・7%アップ)とにんじん(18・1%アップ)は昨年より高くなった。
たまねぎ(マイナス0・5%)やカレールー(マイナス1・3%)は安くなったが、豚肉(3・3%アップ=国産ロース)は値上がりしている。
ビール(マイナス2・1%)は値下がりしたとはいえ、350ミリ缶で200円を超す。
一方、100円ちょっとで購入できる第3のビール(5・3%アップ)は高くなった。
ビール類は酒税改定の影響が大きいとはいえ、家飲みが増えた分、家計への負担は増している。
つまみにピッタリのえだまめ(3・6%アップ)も値上がりだ。
鮮魚も高騰
鮮魚の上昇も激しい。庶民の味方、さんま(24・5%アップ)やししゃも(10・4%アップ)、あじ(2・5%アップ)も高騰した。
「物価の上昇はティッシュペーパーやトイレットペーパーなど在宅時間が長くなったことで消費量が増えた日用品にも及んでいます。
電子レンジや炊飯器なども値上がりです。
コロナ禍で需要が拡大した空気清浄機も上昇でした」(前出の市場関係者)
東京や大阪など4都府県では5月半ばまで緊急事態宣言が続く。物価上昇の少ない食材や食品でしのぐしかない。