2021年06月01日

「道徳の教科化」が若者たちに無力感をもたらす 『教育は何を評価してきたのか』 が示す危機感

「道徳の教科化」が若者たちに無力感をもたらす 
『教育は何を評価してきたのか』 が示す危機感
2021年05月30 日  キャリコネ

小学校では2018年から、中学校では2019年から「特別の教科」となり、「子どもに偏った価値観を植え付ける」などの懸念で物議を醸した「道徳」。
現在も、ツイッター上では教科書の内容や評価の付け方に、しばしば疑問の声が上がっている。

今年4月、あるツイッターユーザーが小学校の道徳教科書を示し「おかあさんはりょうりじょうず」といった言葉でジェンダーバイアスを植え付けることに疑問を呈していた。
これを教育社会学者の本田由紀氏が引用リツイートし、 「これに関連して、拙著『教育は何を評価してきたのか』では、「道徳の授業が好き」な中学生ほど性別役割分業意識が強いという分析結果を示しています。
因果でなく相関ですが」 というコメントを寄せていた。

道徳が好きな中学生ほど「父は外で働き、母は家庭で家事をする」といった価値観が強いのはなぜだろう。
道徳教育が子どもに与えた影響に興味を持ち、『教育は何を評価してきたのか』 (本田由紀/岩波新書/2020年3月19日発行)を手に取った。(文:篠原みつき)

「垂直的序列化」と「水平的画一化」が日本人を生きづらくする 人々の一般的なスキルは国際比較において高い水準にあるにも関わらず、賃金がそれに伴っていない日本。
若者の自己肯定感も他国に比べて低いという。
本書は、こうした日本の低迷や閉塞感の原因は、「垂直的序列化」と、「水平的画一化」が強い教育の構造にあるとして、戦前から現在に至るまでの教育システムの変遷を、膨大な資料をもとに分析。人を評価する際に当たり前に使われてきた「能力」「資質」「態度」という言葉に疑問を突きつけ、日本の教育が抱える問題点をあぶり出している。

なお、「垂直的序列化」とは相対的で一元的な「能力」に基づく選抜・選別・格付のことだ(著者はこれを「日本型メリトクラシー」と呼ぶ)。
しかも近年では、「生きる力」や「人間力」といった、学力面以外の評価基準(「ハイパー・メリトクラシー」)も重要視され、新たな序列化が生じているという。
「水平的画一化」とは、ある団体に対して特定のふるまい方や考え方を求めることで、戦前の「教育勅語」が皇民を作り上げようとしたケースが典型例だ。
近年では教育についての法律や公的な目標において「能力」「態度」「資質」という言葉を重要視し、人々の精神に影響を与えようとしているという。
本書ではこれを「ハイパー教化」と呼び、「道徳」の教科化や、「ブラック校則」「二分の一成人式」なども、形を変えた水平的画一化だと警鐘を鳴らす。

道徳の教科化で男女不平等に?
「道徳」について書かれているのは、第6章と最終章だ。
道徳が「特別の教科」になったことで、学ぶべき項目が「正直、誠実」「節度、節制」など、指導の観点とともに細かく定められ、個々の児童生徒の評価がなされるようになった。
著者はこれに、次のような危機感を示している。

「学習指導要領では「道徳」の授業では「考え」「議論する」ことを求めているが、実際には「指導の観点」に適合するような「態度」を示すことが、授業及び評価というルートを通じて明示的・暗示的に強く求められているのである。
これは、児童生徒の心のあり方を一様に規定する水平的画一化の最たるものと言える。(p188〜189)」

つまり、子どもが良い評価を得るために、教師の求める考えに(集団で)合わせてしまう、合わせない子は評価されないという、かねてより危惧されていることが起こるのだ。
現場の教師の力量次第といった面が大きいが、多様性が叫ばれる中、そもそも「望ましい考え方・態度」が基準として明示されていることに違和感を覚える。

本書は、すでに子どもたちが道徳教育の影響を受けつつあると示唆していた。
都内のある区の公立中学校10校の生徒約1800人を対象とした調査で、次の4つの意識が、どんな生徒に強いか検証されている。
「国を愛することは大切だと思う(愛国心)」
「ルールを守らない人は厳しく罰した方が良いと思う(ルール順守)」
「自分の考えよりも先生や先輩の指示に従うべきだと思う(上位者への服従)」
「"女性は家庭で家事や育児を行い、男性は働いて家計を支えるのが普通だ"と思う(性的役割分業意識)」

結果として、「校内成績」が高い生徒は「ルール順守」意識が強く、「クラス内影響力」が高い生徒と「道徳の授業内容が好き」という生徒は、「愛国心」「ルール順守」「性別役割分業意識」のすべての意識が強いと分かった。
つまり、どちらかといえば、教師から高く評価される子どもに、その傾向が強いと言えそうだ。
背景として政権による右傾化が指摘されており、これら4つの意識は言わずもがな、過度なナショナリズムや盲目的な前例踏襲、男女不平等や女性の社会進出の停滞など、さまざまな弊害をもたらすと著者は指摘する。

前述の、ツイッターでジェンダーバイアスを懸念した人も、同様の危機感を持っていただろう。
何よりも問題なのは、これらの意識が、若者たちに閉塞感や無力感をもたらしている恐れがあることだ。
著者はこうした弊害を打破するために、「水平的多様化」が優勢となる解決策を具体的に示している。
少しでも実現することを望むばかりだ。

模範的な子どもを育てようとすれば、どこかに歪みが生じる
本書を通じて、教育は時代や政権・経済に左右されると分かることも興味深い。
子どもたちにどういう教育を施すかという方針には、良かれ悪しかれ、その国の社会が「どんな人間を求めているか」が表れる。
しかし誰かにとって都合の良い、模範的な子どもや有能な人材を画一的に育てようとすれば、どこかに歪みが生じるものだろう。
親に限らず、他人を教育・評価する立場にある人は、本書が訴える諸問題を一度は認識しておくべきだと感じた。
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2021年06月02日

ワクチン輸出国だった日本が、「輸入ワクチン頼み」に落ちぶれた根本原因

ワクチン輸出国だった日本が、「輸入ワクチン頼み」に落ちぶれた根本原因
2021年06月01日   PRESIDENT Online

■ようやく「国産ワクチン」の開発に踏み切るが…
一向に収束する気配が見えない新型コロナウイルス。
ようやく日本が「国産ワクチン」の開発に踏み切る。
6月2日の「COVAX(コバックス)ワクチンサミット」で菅義偉首相は、国産ワクチンの研究開発拠点の整備構想を表明、官民あげてのワクチン開発が動き出す。

コバックス・サミットは日本政府と国際機関の共催だ。
ワクチンの接種が遅れる日本は米国から「渡航中止勧告」を出されるなど、世界から孤立しつつある。
このため、米国や欧州の主要国など30の国・地域の参加を要請。各国を巻き込んで「ワクチン後進国」の汚名返上をアピールしたい考えだ。
日本は米国のファイザーやモデルナなど3社のワクチンが薬事承認され、供給体制が整いつつある。
東京や大阪など大都市を中心に65歳以上の接種が始まった。
しかし、海外産のワクチンに頼る状況には変わりない。
変異株がまたぞろ出てくれば、それに対応したワクチンの開発が必要になり、日本への供給は後回しになる。
「コロナ優等生」と言われた台湾でも変異株が蔓延。
ワクチンの接種が遅れる蔡英文総統は一転して苦しい立場に置かれている。

■日本は1980年代までは「ワクチン先進国」だった
日本と同様、台湾や韓国は国産ワクチンの開発に後れを取った。
ワクチン接種の遅れが「経済回復の遅れ」を招く中で、日韓台の焦りの色は日に日に濃くなるばかりだ。
起死回生を目指す日本はコバックスサミットで、資金や体制面での支援のほか、実用化までの国の制度の再構築を掲げる。
世界トップレベルの研究開発拠点を設けて、治験や新薬の承認などの面で規制を緩和し、大学や製薬会社が共同研究に取り組む体制を構築する。
製薬会社の資金面での懸念を払しょくするために開発したワクチンを政府が買い上げる仕組みや基金設立に向けても検討する。

今や、他国のワクチンに頼る日本だが、1980年代までは「ワクチン先進国」だった。
水痘、日本脳炎、百日ぜきなどのワクチンを世界に先駆けて開発、米国などに技術供与していたほどだ。
では、なぜ、ワクチンの開発が途絶するまで衰退したのか。
その大きな要因の一つが訴訟だ。

■副作用を恐れる保護者の判断などで接種率は一気に低下
70年ごろから、天然痘ワクチンやはしかや風疹、おたふくかぜなど予防接種や子宮頸がんワクチンでの健康被害が社会問題化し、国は相次いで起訴された。
その様子をみた企業も需要が安定した予防接種用の既存ワクチンの製造だけを担う「護送船団方式」で細々と続け、新規開発に及び腰になった。
決定的だったのが92年の東京高裁での国の全面敗訴だ。
世論に押される形で国は上告を断念した。

94年には予防接種法が改正されて接種は「努力義務」となり、副作用を恐れる保護者の判断などで接種率は一気に下がり、それと同時に日本の製薬会社はワクチン開発から身を引き始めた。
そして薬害エイズ事件がとどめを刺した。
エイズ患者に投与する血液製剤はワクチンと同じ生物製剤だ。
この事件で当時の厚生省の担当課長が業務上過失致死罪で有罪判決を受けた。
ワクチン接種を許可する行政も一気に腰が引けた。

■米国はワクチン開発と供給に約2兆円を投資
一方、海外は事情が異なる。
2000年ごろから重症急性呼吸器症候群(SARS)やエボラ出血熱、中東呼吸器症候群(MERS)など、致死率の高いウイルス感染症が次々と流行。
それへの対応策として、ワクチン開発が急速に進んだ。
新型コロナワクチンとして注目を集めるmRNAワクチンはもともとがんの治療手段として研究されていたが、新型コロナに応用された。

米国は01年の炭疽(たんそ)菌事件を契機に、感染症に対する制度や体制を抜本的に見直した。
有事には保健福祉省(HHS)が司令塔になって、製薬会社や研究機関などと連携。
ワクチン開発資金の支援や臨床試験(治験)、緊急使用許可といった取り組みが一気通貫で進む。
中国の隣国である台湾で、新型コロナウイルスの感染初期に感染者の爆発を防げたのはSARSでの手痛い経験があったからだ。
米国はトランプ政権時にワクチン開発と供給の計画を立ち上げ、およそ2兆円を投資した。
バイデン政権は国防生産法に基づいてワクチン製造支援に企業を注力させる方針を打ち出した。
中国も政府主導でワクチンを開発し、海外で供給する「ワクチン外交」に乗り出している。

■画期的技術をもっていたUMNファーマは債務超過に
現在、日本では主に5社が開発に取り組み、うち4社が臨床試験中だが、年内に供給できる見通しは立っていない。
寒々とした状況だが、一回消えかけたワクチン開発が盛り上がる機運はあった。
09年から10年にかけて蔓延した新型インフルエンザの世界的流行だ。
日本でも推定で2000万人が感染、200人を超える死者を出した。
この際、政府は約1000億円の補助金を出して国内3社に新型インフルエンザワクチンの製造工場を整備させた。
しかし、インフルエンザの収束であえなく計画は立ち消えとなる。

有事にしか使わないワクチンの製造設備を民間企業が維持するのは過大な負担となるからだ。
さらに14年には、鶏卵で培養する従来方法ではなく、遺伝子組み換え技術を用いて開発した同ワクチンを厚労省所管の「医薬品医療機器総合機構」に新規メーカーのUMNファーマが承認申請した。
鶏卵培養だとワクチン製造に約半年かかるところ、この方法なら1〜2カ月に短縮できる画期的技術だ。

当時、UMNファーマは最大8000万人分のワクチン生産能力を有する工場をもち、同社の季節性インフルエンザワクチンの原液はその後、仏サノフィの米子会社にも提供された。
米国では承認されていたためだ。
しかし、同機構は明確な理由を示さないまま、UMNファーマの申請を3年間放置し、同社は2017年に取り下げを余儀なくされた。
その後、UMNファーマは債務超過になり、今は塩野義製薬の傘下に入っている。

■日本の「mRNAワクチン開発」は予算カットで18年に凍結済み
2010年には政府の有識者会議もワクチン製造会社の支援や開発の推進などの提言をしていたが、結局、この提言が日の目を見ることはなかった。
新型コロナワクチンの開発に道を開いたとされるmRNAワクチンでも国立研究開発法人である医薬基盤・健康・栄養研究所が開発を進めていたが、臨床試験の予算がカットされ、18年には計画が凍結された。
米バイオのモデルナが13年に47億円、16年に135億円の支援を国防省や保健社会福祉省からそれぞれ受けていたのとは対照的だ。
平時での備えがあったからこそ、新型コロナの世界的感染から1年余りで同社が新型ワクチンの開発ができたのだ。

■責任をすべて行政に押し付けるのは得策ではない
米国や中国のワクチン開発は安全保障との絡みで語られることが多い。
しかし、日本がいつまでもワクチンの輸入に頼るようなことにとどまれば、変異を繰り返すコロナの猛威が起きるたびに、新たなワクチンの供与を要請する事態が繰り返されることになる。
財政支出で「買い占める」ことをすれば、諸外国から集中非難を受けることにもなりかねない。

ワクチン開発には巨額な資金がかかる一方で、実際に感染が起こらなければワクチンが使われることもない。
研究施設や製造設備の維持にかかる負担を企業だけに課すことは難しい。
英国では製薬会社に毎年一定額を支払い、必要な時に必要な量を優先的に受け取れる「サブスクリプション(定額制)」方式の新薬の調達契約を導入している。
同方式であれば、製薬会社も資金回収への懸念を抱えることなく設備を維持できる。

新型コロナ以外の感染症は今後も続く可能性はある。
副作用が起こるかもしれない新型ワクチンの認可に厚労省の役人が慎重になる心情は理解できる。
責任をすべて行政に押し付けるのは得策ではない。
これまでの失敗を生かし、ワクチンを含めた新たな薬や治療法の開発を進められる仕組みを作らなければ、日本の感染症対策はいつまでたっても世界に劣後することになる。
(プレジデントオンライン編集部)
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2021年06月03日

自民がコロナ失政でも野党の支持率が上がらない根本理由

自民がコロナ失政でも野党の支持率が上がらない根本理由
2021年06月02日 PRESIDENT Online

コロナ失政で自民党の支持率は低下傾向だが、野党のそれが上がらないのはなぜか。
コミュニケーション・ストラテジストで『世界最高の話し方』(東洋経済新報社)が12万部超のベストセラーになっている岡本純子さんは「コミュニケーションスタイルに問題があります。
与党の揚げ足をとって怒りの感情をシャウトし攻撃するのみ。
否定・批判偏重の手法は非アカデミックで古臭くて未熟であり、建設的な議論にもならないため人の心も動かせない」と指摘する――。

■「コロナ失政の自民党を野放し」野党の支持率が上がらないワケ
政府のコロナ対策は迷走を続け、菅義偉首相の支持率も低下傾向にある。
ところが、これだけの失政でも野党の支持率が上がる気配はない。
与党もどうしようもないが、かといって野党も信用できない。
しかたないから、布団かぶって我慢するしかないと国民はあきらめムードだ。

これまで、筆者は、菅首相や安倍晋三前首相など政権与党のリーダーのコミュニケーションについていろいろ提言してきたが、今回は、視点を変えて、なぜこの状況で野党の支持が伸びないのか、そして、これからも彼らが万年野党であり続けるだろう理由をコミュニケーションの観点から考察していきたい。

先日、家人の知人からコロナに感染したとの連絡を受けた。
家人と濃厚接触の疑いもあるということで、慌てて、PCR検査を受けさせようと、調べてみると、私費で受ける場合は簡易的な検査であれば数千円で済むケースもあるが、通常は2〜3万円かかるという。
海外の多くの国では、無症状でも、いつでも公費ですぐに受けられる体制が整備されているのに、この国では、それも「自己責任でどうぞ」ということらしい

一部の医療機関はCMまで出して、この検査を商売の道具にしているが、まったくもって解せない話だ。
コロナ患者を受け入れる医療体制の拡充も一向に進まず、水際対策もゆるゆる。ワクチン接種は遅れに遅れ、リーダーはしっかりと自分の言葉で国民に納得するメッセージを伝えられない。
この体たらくに国民の心は不満と不安と不信感で爆発寸前だが、じっと耐え忍んでいる。
国民が与党を見限り、政権交代が起こってもおかしくない状況なのに、なぜか世論はあまり、そちらの方向に動いているようには見えない。

■野党議員の話し方を一文字で表現すると「怒」
なぜなのか。その大きな要因が、現野党のコミュニケーションスタイルだ。
彼らはやり方が決定的に間違っていることに気づいていない。
いや、気づいていても変えることができない。
彼らがこのやり方を続ける限りは、政権交代などありえない。

詳しく述べていこう。
例えば、野党の立憲民主党や共産党の議員の話し方を一文字で表現してください、と言われたら、皆さんは何と答えるだろう。「怒」。これが多くの人の回答ではないだろうか。
彼らは国会でもメディアの会見でも、男女を問わず、目を三角にしていつも怒っている。

■労働組合の「アジる」が原型でやたらと叫び攻撃的
そもそも、そのスタイルが、労働組合の「アジる」を原型にしているからか、やたらと叫び、攻撃的だ。
実際、ある野党議員経験者は筆者にこう認めた。
「何かにコメントする時も、与党や政権をこき下ろしてけなすことに終始し、国会でもただ、ひたすらに攻撃する。
そのやり方が染みついており、ほかのやり方を知らないんです」
「まさに労使交渉の労働組合の手法そのもので、例えば、選挙の出陣式も、自民党のやり方とは全く違うシュプレヒコール型です。
労働者側が雇用者に向かって詰め寄る、気勢を上げる、賃上げを要求するというように、原点が抗議であり、プロテストでしかない」
結局は自らが建設的かつ能動的に動くというよりは、与党の行動を否定し、攻撃する。
「受け身で揚げ足を取ることしかできない」というわけだ。
ある霞が関官僚もため息交じりに言う。
「野党議員の多くが『そんな考えだからダメなんだ。だから変えようと言っているのだ』と否定から入り、対決姿勢で物言いをするんですよね。
感情的なトーンでは、建設的な議論ができない」

■若者が野党の「コミュ障」的なふるまいを毛嫌いする
野口雅弘成蹊大学教授は、「『コミュ力重視』の若者世代はこうして『野党ぎらい』になっていく」という論考の中で、
「コミュ力を重視する若者世代はスムーズな空気に疑問を呈したり、ひっくり返したりする振る舞いを『コミュ障』的なふるまいとし、毛嫌いする」と分析している。
これは、強い物言いをすることに対して「○○ハラ」といった批判が集まったり、お笑い芸人の中で人を傷つけずに笑いをとろうとする動きが出てきたりして、誰かを強く批判、攻撃することに嫌悪感を覚える人が増えていることにも呼応する。

そもそも野党とは、「抵抗勢力」であるとの考え方もあり、与党の方針に異議を唱えることには問題はない。
しかし、今の野党のその「抵抗」の手法はあまりに古臭く、未熟だ。

■「自分は正しい。お前は間違っている」は実りのある議論にならない
欧米には、古代ギリシャの時代に民主主義のツールとして生まれた弁論学・修辞学を源流とする説得術を学んだ政治家が数多くいる。
コミュニケーションをサイエンスととらえ、心理学・脳科学・人類学などアカデミックの観点から「いかにして人の心を動かすか」が科学され、解が示されている。
一方、日本では、コミュニケーションは伝承や職人芸の範疇にあり、教科書も教わる場もないままに、誰もがやみくもに正解のないまま自己流でごまかしている。
政治家のコミュニケーションもご多聞に漏れず、時代遅れで、自己満足。グローバルのスタンダードとはかけ離れた常識に縛られ、アップデートできていない。

例えば、「説得」の技法。
まず、大前提として、相手の行動を変え、何らかの成果を生み出そうとするのであれば、怒りに任せて攻撃する道は決して選んではいけない。
そもそも、コミュニケーション学において、「自分は正しい。お前は間違っている」という主張は全くもって実りのある議論には結びつかない。
「相手の間違いを指摘し、自分の正当性を証明できれば、相手はその非を認め、自分の言うことを聞いてくれるはずだ」。上司と部下、親子のコミュニケーションなどにおいても、こうした幻想を持つ人は非常に多い。

一方的に相手を批判することでかえって相手の気持ちを逆なでし、頑なにするだけであることがほとんどだ。
にもかかわらず、人は「論破したい」という気持ちに駆り立てられ、相手の非をあげつらうことに血道を上げてしまいがちだ。

■感情に任せた「シャウト型」「自己主張型」は効力が薄い
しかし、人の心を動かそうとするのであれば、感情に任せた「シャウト型」「自己主張型」は効力が薄い。
筆者は、堂々と自分の意見を言えない自分を変えたい、と通ったハーバードロースクールの「ネゴシエーションプログラム」で、このことをさんざん教えられた。

例えば、「人質解放」を例にとろう。
日本であれば、警察が籠城する家を取り囲み、犯人に向かって「お前は包囲されている。出てきなさい」とシャウトするシーンが思い出されるが、科学的にはこれはリスクが高い。
犯人が激高したり、絶望し人質を道連れにしたりする可能性があるからだ。

■野党はFBIの科学的な会話手法を学んだほういい
一方で、アメリカ連邦捜査局FBIによって開発された「行動変容階段モデル」による、人質解放に向けたステップは以下のとおりだ。

@アクティブ・リスニング
相手の話を聞き、しっかりと聞いているということを相手に理解してもらう。
A共感
相手の素性や気持ちを理解する。
B相互信頼
相手から信頼を得る。
C影響
自分が相手に望む行動を薦める。
D行動変容
相手が行動を変える。

多くの国民が、与党に絶望しても、野党も信頼できないと考えるのは、野党が自分たちの話にしっかりと耳を傾け、共感してくれているようには全く感じないからだ。
結果、信頼も影響も生まない。
彼らの話法は、「俺サマはえらい」と自説の正当性だけを主張し、相手を上から目線で否定する毒親か大メディアの論説のようであり、自分に酔い、悦に入っているとしか見えない。

■野党議員は国会議員報酬年約2200万円に見合う仕事をしているか
国会議員の報酬は月約129万円の歳費と期末手当で年約2200万円。
それに見合った働きを望むのは筆者だけではないはずだ。
本当に、政権を担う気概を持つのであれば、まずは、国民と対話をし、その気持ちを汲み取り、寄り添うことから始めるべきだろう。
これはもちろん与党の政治家も同じ。
ただやみくもに否定、批判に走るのではなく、建設的な議論の手法を含め、コミュニケーションのイロハを全員、一から叩き込んでいただきたいものである。

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岡本 純子(おかもと・じゅんこ)
コミュニケーション・ストラテジスト グローコム代表。
企業やビジネスプロフェッショナルの「コミュ力」強化支援のスペシャリスト。
リーダーシップ人材の育成・研修などを手がけるかたわら、オジサン観察も続ける。
著書に『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)などがある。
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2021年06月04日

実名報道も解禁!「少年法」厳罰化に抱く重大懸念

実名報道も解禁!「少年法」厳罰化に抱く重大懸念
成人と同じ刑事手続きで処罰される根拠が希薄
2021/06/03 東洋経済オンライン
戸舘 圭之 : 弁護士

18歳、19歳の少年の犯罪について厳罰化する内容の改正少年法が、2021年5月21日、参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立した。
2022年4月1日に施行される。
今回の改正は、少年法が適用される20歳未満の者(「少年」)のうち18歳、19歳の少年を「特定少年」と別のカテゴリーに組み入れたうえで、「特定少年」については、少年法の適用を制限する方向で改正された。

具体的には、家庭裁判所から検察官に送致(「逆送」)される対象犯罪が拡大され、18歳、19歳の場合は、これまで以上に成人と同様の刑事手続きで処罰される少年が増えることになる。
さらには、少年が刑事裁判にかけられる際に適用されていた特例が適用されなくなる。

例えば、起訴された場合、少年の実名など身元が明らかになるような情報の報道も可能になる。
18歳、19歳の少年(特定少年)に関しては、少年法が適用される余地が大幅に少なくなる改正内容だ。

民法の成年年齢引き下げに合わせた改正だが・・・
今回の改正の理由について、政府は以下のように説明している。
「成年年齢の引下げ等の社会情勢の変化及び少年による犯罪の実情に鑑み、年齢満十八歳以上二十歳未満の特定少年に係る保護事件について、ぐ犯をその対象から除外し、原則として検察官に送致しなければならない事件についての特則等の規定を整備するとともに、刑事処分相当を理由とする検察官送致決定がされた後は、少年に適用される刑事事件の特例に関する規定は、特定少年には原則として適用しないこととする等の措置を講ずる必要がある。
これが、この法律案を提出する理由である。」

要約すると、成年年齢の引き下げなどの社会情勢の変化、少年による犯罪の実情に鑑みて、18歳、19歳の少年を「特定少年」とし、原則、少年法による保護手続きの対象から外すということ。
つまり民法上の成年年齢が18歳に引き下げられ、選挙権なども18歳から行使できるようになったことから、少年法も、18歳、19歳の少年については、なるべく成人と同様の取り扱いをしようとの考えでなされた改正だ。
これだけを見れば、問題ないように思える。だが、本当にそうなのか。

今回の改正にあたっては、日本弁護士連合会をはじめ、これまで非行少年の処遇に関わってきた家庭裁判所の関係者や研究者などからも反対、懸念の声が上がっており、国会審議においても野党は、「立法事実がない」などと反対の声を上げていた。 実際、少年犯罪が増加しているとか凶悪化しているというデータはなく、18歳、19歳の少年に限定はしているが少年犯罪について「厳罰化」を必要とする社会的事実(立法事実)は、ないのではないかといわれている。

そうだとすれば、民法上の成年年齢の引き下げを理由に少年法の適用を考える必然性は必ずしもないのではないかとも思えるし、18歳、19歳の少年を少年法の保護の対象から外してしまうことによる弊害のほうが大きいのではないかという懸念がある。
弁護士として、非行を犯した、あるいは、非行を犯したとされる少年の弁護を担当してきた筆者も、今回の改正は、少年法がこれまで果たしてきた役割を大幅に後退させて、結果的に、少年の再犯などが増加しかねない危険がある改正ではないかと危惧している。

少年法の大原則は刑罰ではなく「保護処分」
そもそも少年法とはどのような法律だろうか。
第1条では、 「この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。」 と、その目的を定めている。
少年の場合、「少年の健全な育成」をはかるために、刑罰ではなく「保護処分」がなされるのが大原則となっている。
これは、少年がいまだ成長発達段階にある存在であり、保護的な教育によって変わりうる存在であることから刑罰という形で制裁を与えるよりも、保護処分を行うほうが少年にとっても社会にとっても望ましいという思想(保護主義理念などともいう)に基づく。

このような少年法の基本的な考え方を受け、少年法は、警察などが把握したすべての非行少年について、家庭裁判所がすべての事件を受け入れて(全件送致主義)、家庭裁判所の主導の下、人間行動科学領域の専門的な知見を踏まえた保護処分が行われることになっている。
保護処分には、保護観察所の保護観察処分という社会内で少年の今後の更生を見守っていく処分と、少年院、児童自立支援施設、児童養護施設などの施設に収容して教育を行う処分がある。
特徴的なのは、家庭裁判所調査官という専門職による調査が行われる点にある。
家庭裁判所調査官は、人間行動科学の専門家であり、少年鑑別所における鑑別の結果をふまえて、少年、保護者または関係人の行状、素質、環境等について、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識を活用して調査を行うこととされている(少年法9条)。

家庭裁判所調査官は、専門的な観点から、少年や保護者からじっくり話を聞いて、非行事実をきっかけとしながらも、少年の家庭環境やこれまでの成育歴に問題がなかったか、あるとすれば、どのように改善していくことができるかを働きかけながら調査する。
また、審理を行う少年審判も、非公開で行われ、 「審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない。」(少年法22条) と、審判を受ける子どもの心情に配慮した人間味あふれる温かい手続きとすることを少年法は求めている。

実際、家庭裁判所では、裁判官は、刑事裁判の法廷で着るような黒い服(法服)を着ることなく、通常のスーツ姿で現れ、少年に対しても「〇〇君」「〇〇さん」など親しみを込めた呼び方をするなど、なるべく少年が委縮しないような配慮をしている。

非行に走らないよう成長することを促す機能がある
このように家庭裁判所では、非行を犯した少年に対して、単に、「少年院に送致する」などといった処分を決めるだけでなく、むしろ、家庭裁判所調査官による調査や少年審判などの手続き全般にわたって少年に対する働きかけや環境改善を模索し、関係者の協力を得ながら、少年が再び非行に走らないように成長していくことを促す機能(「ケースワーク機能」「福祉機能」「教育機能」などと呼ばれている)を持っている。

これは一見すると少年を「甘やかし」ているように見えるかもしれないが、実際は、「甘やかす」というよりも、少年に対する、手厚い「おせっかい」を大人たちが行うことで、少年が今後成長して成人になっていくための手助けをしているのが少年法なのである。
そして、このような「おせっかい」は、少年にとっては、成人と同様の刑事手続きで処理されるよりも負担が重くなることもある。
例えば、軽微な刑事事件の場合、成人は不起訴処分になったり、起訴されても執行猶予や罰金刑で処理されたりすることも多い。
ところが、少年の場合は、軽微な刑事事件であったとしても、家庭環境や成育歴、その少年が抱えている問題などが大きいときには、保護をする必要性(要保護性)が高いとして、少年院送致などの「重い」保護処分が選択されることもありうる。
少年法が少年にとって「甘い」面ばかりでないことは、もっと強調されてもよいと考えている。
そして、このような少年法の機能によって、少年非行対策はかなりの程度機能し、再犯などを防止していることも一般に承認されている事実である。

少年法は、なにより罪を犯してしまった少年の「立ち直り」を真剣に考え、科学的なアプローチにより、それを実践することを目指している。
これは犯罪対策としては、かなり先進的な取り組みであり、見方を変えれば成人の犯罪対策よりも手厚い扱いをしているということでもある。

実名報道が禁止されている理由
そして、過去に犯罪をするなどして「失敗」をしてしまった少年が、再び社会に帰ってきて、まっとうな成人として生活をしていくための制度的な仕掛けも少年法は用意をしている。
その1つが、少年法61条が定める「本人推知報道禁止」規定である。
少年法61条は、 「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」 と定めている。

実名が報道されて身元が明らかになることにより、社会に戻ってくることが困難になると考えられる。
犯罪報道にあたって少年の個人情報を明らかにする必然性は必ずしもないことから、少年法は、本人推知報道を禁止している(罰則はないが、これに反した場合、不法行為による損害賠償請求責任を報道機関が負う可能性がある)。
ほかにも、懲役刑の場合の不定期刑、仮釈放の時期の早期化など、少年の立ち直りを重視した規定を少年法は設けている。

今回の少年法改正は、少年法上の「少年」年齢は従前どおり「20歳未満」のままとしながらも、18歳、19歳の少年については「特定少年」として、上記のような少年法の取り扱いを原則適用しないこととしている。
しかし、18歳、19歳の少年もいまだ成長発達段階にあることは、脳科学や発達心理学の知見からも指摘されているところであり、少年法の理念に基づく、ケースワーク的な働きかけが必要な存在であることに関しては、17歳以下の少年と何ら異なるところはないはずである。
最先端の犯罪対策を備えた法システム 少年法に関しては、「少年に甘い法律」であるなどといった実態を必ずしも踏まえていない誤解がまだまだ多く、少年による犯罪事件が報道されるたびに「少年法を廃止すべき」といった論調をみることも多い。

だが、少年法が制定から70年以上、18歳、19歳の少年についても多くの「効果」を上げていた実績については、もっともっと強調されるべきであるし、現実にも少年法は決して「少年に甘い法律」ではなく、最先端の犯罪対策を備えた法システムであることをあらためて指摘しておきたい。

少年法は改正されはしたが、これまで述べた少年法の基本的な考え方は、いまだ変更されておらずそのままであり、18歳、19歳の「特定少年」についても特例は設けられてはいるものの少年法の対象であること自体には変更はない。
筆者も少年事件にも付添人として関与することのある弁護士の1人として、今後の運用が少年法の理念から逸脱したものとならないよう注視していかなければならないと考えている。
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2021年06月05日

コロナワクチン副反応の出やすさに『3つの特徴』…1回目より2回目・男性より女性か・高齢者より若い人

コロナワクチン副反応の出やすさに『3つの特徴』…
1回目より2回目・男性より女性か・高齢者より若い人
6/4(金) 東海テレビ

 三重県は5月24日、新型コロナウイルスのワクチン接種後に、女性3人にアナフィラキシーの症状が出たと発表しました。
ワクチン接種の副反応について、特徴をまとめました。
 40代の女性は2回目のワクチン接種後に気分が悪くなり、咳や嘔吐、血圧上昇などの症状が出ましたが、医療機関の処置で2時間後に回復しました。
 別の40代の女性も、2回目の接種後に咳の症状が出ましたが回復しました。
 20代の女性も、2回目の接種後に血圧や脈拍が低下するなどの症状が出ましたが、アドレナリン注射をして回復しました。  3人とも基礎疾患はありませんでした。

 副反応については
「1回目より2回目の接種の方が出やすい」
「男性より女性の方が出やすい可能性がある」、
そして「高齢者より若い人の方が出やすい」という特徴があります。

 厚生労働省の「2回目の接種後に起きた発熱や倦怠感の発生率」のデータを見ると、60代・70代と比べて20代・30代の発生率が高いのがわかります。
 この理由について、愛知県がんセンター病院の伊東先生は「若い人ほど免疫力が強いため、異物であるワクチンにも強く反応して、副反応が強く出ると考えられる」と話しています。
 東海テレビ放送
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新型コロナワクチン 接種直後に急死した日本人85人詳細データが公表

新型コロナワクチン 接種直後に急死した日本人85人詳細データが公表
2021年06月04日 NEWSポストセブン

 菅義偉首相の「7月末までに高齢者ワクチン接種完了」の方針により、大規模ワクチン接種が進んでいる。
その陰に隠れる形で悲劇も起こっていた。
5月下旬、政府はひっそりとワクチン接種後に急死した日本人の詳細データを公表していた。

 予約が殺到し、各地で混乱が続く新型コロナウイルスワクチンの大規模接種。
打った人からは「ホッとした」「打ててよかった」と、安堵の声が聞こえてくる。
一方で、新聞やテレビはほとんど報じていない、ある事実がある。
接種開始から約3か月強の5月21日までで85人が接種後に亡くなっていたのだ。

 5月26日、厚生労働省は接種から死亡するまでを詳細に記録したデータを公表した。
その《新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要》(以下、報告書)には、ワクチン接種後に亡くなった85人について、それぞれの年齢、性別、既往歴、死因などが記されている。
 亡くなったのは25〜102才で、男女別では女性が47人、男性38人。
死因は心筋梗塞、急性心不全、くも膜下出血などさまざまだが、《ワクチン接種との因果関係》については、85件中59件が「評価不能」、6件が「不明」。
約3分の2のケースで因果関係が明らかになっていない。

「遺族が解剖を望まないケースが多く、詳細な検査がされないことが、原因の特定を難しくしています。
というのも、亡くなった人は、接種から24時間以内が10件以上、3日以内が約半数もいて、急死といっていいでしょう。
突然の別れに死を受け止めきれず、解剖までしてほしくないというのは自然な遺族の思いです」(全国紙社会部記者)
 だが、なかには因果関係を認めたケースもある。

91才の女性、Aさんの急死がそうだ。
4月27日、Aさんは朝食を残すことなく食べ、元気にワクチン接種会場に向かった。
予診を受け、注射を打ってもらったのは午前9時45分頃。
接種後、会場での40分間の観察時間にも体調の変化はなかったという。
 しかし、約2時間後の12時頃、Aさんの体を異変が襲う。
急に無呼吸になり、心肺停止となったのだ。
すぐに蘇生措置がとられ、心臓マッサージと電気ショックを与える除細動器で一時的に心拍は回復したものの、自発呼吸はできないままだった。
そして午後1時55分、家族の承諾を得て人工呼吸操作を止めると、その15分後には心拍も停止し、Aさんの死亡が確認された。
ワクチン接種からわずか4時間あまり。あまりにも突然の最期だった。
 Aさんにはアルツハイマー型認知症と慢性心不全などの既往歴があったが、報告書は、《アナフィラキシーの皮膚症状・粘膜症状は認められていないが、心肺機能が突然停止する原因が他に見当たらない。
関与があると考える》と記し、ワクチン接種による急死の疑いを認めた。
 Aさんのように90代以上の超高齢者は26人亡くなっているが、20代3人、30代1人、40代6人、50代4人と、現役世代も多く含まれている。

特に若い20代のケースでは、「原因はワクチン以外あり得ない」と遺族は考えているようだ。
 26才女性のBさんは看護師で、3月19日に医療従事者としてワクチンを接種した。
だが、その4日後の23日、自宅リビングで食事をしているときに、体調が急変。
テーブルで嘔吐したBさんは座った状態のまま仰向けに倒れこんだ。
救急隊員と警察官が到着したとき、Bさんの体はすでに冷たくなっていたという。
検死の結果、Bさんの死因は小脳からの脳出血と、くも膜下出血と判明。既往歴や基礎疾患はなかった。

 同様に既往歴のない25才男性Cさんは、ワクチン接種後に異常行動を起こして亡くなった。
Cさんは医療従事者で、4月23日にワクチンを接種。
2日後、友人と一緒にいたところ、立ちくらみや手足の震えなどの異変をおぼえ、友人に送られて帰宅。
37.1℃の微熱があり、家で休養していたが、27日、熱が下がったため出勤したという。
 しかし、病院内の薬品庫内で無断で薬をあさるなど逸脱した様子を見せた上、居合わせた職員に質問されても受け答えがままならなかったという。
そのときのCさんの様子は、資料にこうある。
《(Cさんは)言いたくない、ダメだ、ダメだ。何、やべぇ、最悪、最高です。楽しい、違う、、。
わからない。返答は答えにならず、ブツブツという。誰かの声が聞こえるかと問うと、「ハイ」と。》
 異常行動が見られたため、病院には両親も駆けつけた。Cさんは両親と一緒に車で自宅へ向かったが、帰途の高速道路で、突然車から飛び降りて後続車に轢かれて死亡した。
Cさんの死について報告書には、死因が《精神異常、自殺》とあり、《ワクチン接種が誘因となった可能性あり》と書かれている。

女性特有の薬が思わぬリスクに  85人のうち、「因果関係あり」と報告されているのは4人で、ほとんどは「評価不能」とされている。
しかし、太融寺町谷口医院院長の谷口恭さんはこう話す。
「厚労省は死因とワクチン接種について多くのケースは『因果関係ははっきりしない』という見解ですが、個人的には疑っています。
 血管内の血液が固まる血栓症という副反応が起きると問題視されているのはアストラゼネカ製のワクチンですが、日本人に打たれているファイザー製にもリスクはある。
今回、報告されている死因の多くは脳卒中や心不全など血管系の疾患で、ワクチンによる血栓が原因である可能性は捨てきれません。
出血も“血栓がたくさんできることで、止血機能が不充分になる”から起きるのです」

 では、どういった人がワクチン接種によるリスクを抱えやすいのか。
厚労省のホームページには副反応についてこう書かれている。
《まれな頻度でアナフィラキシーが発生します》
 アナフィラキシーとは、アレルギー反応のことで、複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れ、重症になると死に至る可能性もある。
そのリスクは病歴や常用薬などからもわかるという。
「アナフィラキシーが起きたとき、アドレナリンを投与して状態を改善しますが、その際、注意すべき病気や常用薬があります。
高血圧や心不全、不整脈の患者さんが服用しているβブロッカーという薬です。
 これは、アドレナリンの作用を遮断し、効きにくくしてしまう。
さらに、ステロイド、一部の抗精神病薬、低用量ピルを含めて、副反応としての血栓が起こり得る薬剤は、ワクチンを接種することで、血栓のリスクをより高めてしまいかねません」(前出・谷口さん)

 副反応は女性の方が多いが、その原因を次のように考える医師がいる。
「5月2日までにアナフィラキシーを起こした107人のうち、女性が99人と圧倒的に多い。
理由ははっきりしませんが、ワクチンの原料の1つであるPEG(ポリエチレングリコール)が原因ではないかといわれています。
PEGは化粧品などにも含まれていて、繰り返し使用することでアナフィラキシーを起こすことがあるからです」(コロナ病棟に勤務する医師)
 この医師は、これらのリスクを踏まえさらにこう続けた。
「通常、ワクチンの開発は3年から5年はかかるものを、この新型コロナワクチンは、わずか1か月以内に初期のワクチンが作られています
リスク管理は不充分だと言わざるを得ない。
私はワクチンを接種するつもりはありません」

 もちろん、ワクチンの効果で感染拡大が防げるというデータがあり、一方の副反応はごく一部だ。
だが、死亡者が出ているのも事実。
どんな薬にもリスクがあることは知っておくべきだろう。

   ※女性セブン2021年6月17日号
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2021年06月07日

藤井聡教授 コロナ禍に警鐘「政府はアホやけど、アホにアホと言わない日本人もおかしい!」

藤井聡教授 コロナ禍に警鐘「政府はアホやけど、アホにアホと言わない日本人もおかしい!」
6/6(日)  東スポ

 関西弁全開でユーモアたっぷりにしゃべっていたかと思えば、全身で怒りを表現しながら鋭く問題点を切り裂く――。
そんな姿とトレードマークのちょび髭がすっかりおなじみの京都大学大学院の藤井聡教授(52)がコロナ禍に苦しみ続ける日本の現状を解説。
今後進むべき道を提示した。

【藤井聡教授インタビュー(1)】
 ――緊急事態宣言が延長された

藤井 理不尽極まりない。
日本は欧米に比べると感染被害はほとんどなく、こんな経済被害を受けるような状態じゃないのに、昨年はEU全体の2倍の落ち込みをした。
なぜかというと、自粛しているから。自粛したから死者数が減ったかというと、ほぼ関係ないんです。
この時点で相当アホです。

 ――何でこんなことに
藤井 政府がやるべきコロナ対策をしなかったから、状況は抑えられてるのに「医療崩壊がー」ってなるんです。
重症者がいても耐えられるものを作ってこなかったんだから、国民は批判すればいいんですよ。
「蛙の面に水」なんて言葉がありますけど、無礼なことや筋の通らんことをされたら人間って怒るはず。
でも、今の日本人は怒らない。
蛙と同じ。
政府はアホやけど、アホにアホと言わないのもおかしい。そのせいで日本人が亡くなってる。こんな理不尽な話はない。

 ――日本人はおとなしい
藤井 専門家が脅してだますからです。
尾身(茂・新型コロナ対策分科会会長)さんとか西浦(博教授)さんとか感染症の専門家が「自粛しないと感染を広げて人を殺す」という。
医療崩壊する患者は、ほぼすべて高齢者なので、高齢者の感染対策をすれば医療崩壊リスクは下がるんです。
だから若年層が高齢者にうつす行為を徹底して避ける。
この一つだけなんですけど「家族と住んでいる」とか「非現実的だ」と嫌がる。
「8割活動を自粛」と掲げる方がよっぽど非現実的ですよ。

 ――言うと批判される
藤井 「素人のお前が言うな」と僕が叩かれるんですね(苦笑)。
僕は都市社会工学が仕事で感染症対策も入っている。
学会もシンポジウムも開催してるし、感染症の専門家と学術論文も書いている。玄人なんです。

 ――議論がない  
藤井 こういう議論自体が不謹慎と言われますね。
思考自粛を要請されてる。
感染を許容するという要素が1ミリでも入ると不謹慎となる。
作用と副作用すべてを踏まえた最も適切な感染症対策、つまりコロナで亡くなる方、経済で亡くなる方、うつ病になる方、後遺症に苦しむ方、みんなを見すえた上で一番被害が小さくなるようなベストウェイを探りましょうと言っていますが、当然ベストウェイというのは一部感染を許容するものなので、嫌なんですね。
僕は社会心理学が専門ですが単なる集団ヒステリー。これが1年以上続いていて、テレビと一部の専門家が不安心理をあおっている。

 ――ゼロリスク主義  
藤井 コロナへのゼロリスクを求めるあまり、ベストウェイが見過ごされコロナ以外のリスクがすべて無視されている。
その結果うつ病が増え、小中高生の自殺は過去最多を記録、若者の教育機会は奪われ、失業・倒産が増加し、所得は下がっています。
ゼロリスクを求めるのは、死を意味する。日本全体が滅びることになる。
決して諸外国はそんなこと、していない。
民主主義国家だから国民の意思に基づいて政治を行いますが、今、日本人に民主主義ができるか問われていると思いますよ。  

☆ふじい・さとし 1968年10月15日生まれ。
奈良県生駒市出身。京都大学工学部卒。
同大学院工学研究科(都市社会工学専攻)教授、および同大レジリエンス実践ユニット長。
都市社会工学、社会心理学、行動経済学などさまざまな分野に精通し、第2次〜第4次安倍内閣では内閣官房参与を務めた。表現者クライテリオン編集長としても意見を発信している。
趣味はプロレス、釣り、音楽など。
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2021年06月09日

教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」

教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」
2021.6.8 Diamondオンライン
ダイヤモンド編集部 松野友美:記者

『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集は、「教師大全 出世・カネ・絶望」です。
絶望を深める過酷な現場とともに、出世や人事、給与の面で教師の実態に迫り、彼らが抱える問題を多方面からえぐり出しました。

若い教師は「日教組に入るな」 と親から言われている 
――教師の労働組合(公立では教職員団体)には、長い歴史を持つ日教組、そこから分裂した全日本教職員組合(全教)、最近では私学教員ユニオンなど、いろいろな組合があります。
しかし加入率はどんどん下がり、今や非加入が7割(公立学校教職員の加入状況)で「組合離れ」が起きています。
A先生のエリアは組合がパワーを持っているんですか。

九州の公立学校教師A 組織率はとても低くなっていますけどね。

――どちらの組合?

教師A 日教組です。私はイデオロギーが入っていて選挙活動もバリバリやる。
市、県、国などに議員を出すことを目指します。
 でも、職場ではそういう話はできません。
田舎で保守的な土地柄なので。若い教師からは「日教組に入るなと親から言われています」とか「組合って政治活動ばっかりしているんですよね」とか言われます。
実際にパワハラに遭った人とかは加入してくれるんですが。
 私自身も組合に助けてもらった経験があります。
組合員は職場の小さな声を拾って組合上層部に上げていく活動を続けているし、歴史が長い分、培った知識は生きてはいます。
 世の中に出回っている組合のネガティブな話を耳にした若い人たちが「組合って駄目なんだな」と思い込んで参加してくれないままだと、衰退していくよねと思ったりします。

――A先生自身や周囲は職場の労働環境改善にも取り組んでいるにしても、日教組に限らず年配の組合幹部にはイデオロギーの活動ばかりの人がいませんか。

首都圏の私立学校教師C 現場の中で感じるのは、失礼ながら先輩幹部たちの実務的な能力が弱いこと。
労働協約(使用者と労働組合の間の取り決め)なんて結ばなくたって口約束で大丈夫だと言ってきたり、就業規則や法律系の知識がない。恐ろしいぐらいに。
 介護のために短時間勤務できるはずなのに、組合員に対して、「いや〜、就業規則にないから駄目ですね」と言って退職させちゃうなんてことが起きているんですよ。
 平和だとか憲法だとかは大事でしょうが、実務の力がこれでは「何だよ、職場の労働問題も解決できないのに」と見られてしまう。
同僚たちから信頼を得られない。

学校の労働問題に詳しい労働組合(労組)関係者D 
それはまっとうなお話なんじゃないですか。
私は組合の人に言ったことがあるんです。
平和だとか憲法問題で国家権力と闘っているけど、もっとわがままに自分や身近な仲間を守る闘いをすればいいじゃないかって。嫌みでなく、本心から。
 あのときは私、誤解していました。大きい敵だから彼らは気楽に物が言えたんですよね。
身近な敵と闘ったら、攻撃を食らってしまう。

首都圏の公立中学校教師B Dさんの言う通りなんですよ。
私はアウトロータイプでつるむのが好きではなくて組合に入っていないんですが、私がパワハラに遭っているとき、組合の人は見て見ぬふりでした。
日教組も頼りにならなくて、校長や管理職とつながって私に嫌がらせをする人もいました。

教師C 若い子たちは組合ってなんか怖いなと思っている一方で、頼れるものが欲しいとも思っています。
「教職員組合はアカだ!」みたいに悪く宣伝する勢力もあるけど、そんなものを乗り越えられるぐらいに、職場で教師が生きるために必要な存在であると認識してもらえるか。そこが勝負どころだと私は思います。

非正規はへつらわないと 正規になれない圧力
学校の労働問題に詳しい労組関係者E 若者の視線で言えば、非正規雇用の教員が増えており、組合がその受け皿にどれだけなっているのかというのも大事ではないですか。
今の私立学校では、卒業後にストレートで専任(正規職員)になれる道は細くて、4割が非正規雇用。
正規雇用というニンジンをぶら下げられながら働き、合理的な理由もなく雇い止めされて学校を転々としています。

教師C うちの組合は、ハラスメントがあってもすぐに辞めないように相談を受けたり、職能を身に付けて正規の登用試験に受かるようにサポートしたりしている。
そうした経験を経た教師は、非正規の人たちに対する良いまなざしを持っていますから、一緒に非正規の問題に取り組んでくれる。そういう戦略でやっています。

教師B 若い非正規教師は、常にへつらっていないと正規になれないなっていう圧力を感じていると思います。
校長の推薦があれば正規になりやすいですから。

教師C 教師のブラック問題の構造って、この座談会で出てきた昇給の査定だとか、非正規から正規になれるか否かとか、そういうところでしっぽ振り競争をするような構造が出来上がっている。
特に非正規教師はしっぽを振らないとご飯を食えないから、いやが応でもなびいて、無理して働かざるを得ません。  
労働組合はそれに対して力を発揮できているかというと、うまくできていない感じがします。

労組関係者E 正規だと年功処遇で安定しているけれど、非正規は同じ仕事をしているのに年収で200万円ぐらいしかもらえなかったりする。
若い世代が切実なのはそういうところにあります。
ここの受け皿になるのが労働組合を再生するきっかけにもなるんじゃないでしょうか。

――労働問題を抱えながらも、お三方はなぜ教師を続けるのですか。

教師A 私はもともと子どもが好きで、子どもたちと一緒に楽しくやっていきたかったので。
教師って業務の範囲が広いから、忙しいけれど楽しめる面もある。

教師B 私が就職した当時、教師は裁量労働制が一番進んだ労働形態でした。
部活指導やデスクワークの残業も多くて、時には深夜まで働くこともあった。
それでもテスト期間の午後とか夏休みとか、裁量労働で休めました。
ところが今は、「勤務時間を守りましょう」となった。
残業代も出ないのに。もっと給料が良くて首にならない仕事があるならそっちをやりますよ。

教師C 教師は社会的に意味のある仕事という認識があるのと、仕事としてやっぱり面白い。
教え方を工夫すると子どもの反応が良いものも悪いものもいろいろ出てくることにすごく面白みを感じるんです。
先輩たちがいろんなものを積み重ねて、実践や手法を編み出したのを学ぶのも楽しかった。
 今、大変な中でも続けているのは、子どもたちは教師の鏡みたいなところがあると感じるから。大変でも自分で手を動かしてやっていくということを、教師がしっかりやらなくちゃいけないと考えています。
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2021年06月10日

「50代で貯金0円」全世帯の約37%に。老後破綻しないためのお金の使い方とは

「50代で貯金0円」全世帯の約37%に。老後破綻しないためのお金の使い方とは
2021年06月09日 SPA!

厚生労働省の調べによれば50歳で「貯金0円世帯」は約37%に上る。
このままでは老後破綻が必至な情勢だが、意外にも生き方一つで明るい老後を迎えられることが判明。
50歳貯金0円男でも、幸せに老後を生き抜く方法を真剣に考えてみた!

◆全世帯の4割が該当。「50代貯金0円世帯」
 住宅ローンや子供の学費などを抱え、自分の老後の資金づくりに手が回らない50代は少なくない。
 このような「50代貯金0円世帯」は’19年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると3割に上っている。
こうした夫婦はすでに老後破綻の危機に直面している。
 だが、50歳からの生き方一つで老後破綻を免られるという。
ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が世帯年収510万円と仮定して、解説してくれた。

◆ローン&学費で貯金ゼロ……世帯年収510万円の場合
 50歳のサラリーマン、素波太郎一家(世帯年収510万円・妻50歳・娘18歳)をモデルケースに、50歳からのお金の使い方をシミュレーションしてもらった。
夫:素波太郎(50歳) 年収410万円/都内の中小企業に新卒で入社(勤続28年目の課長職) 妻:素波花子(50歳) 現在パート勤務/年収100万円(30歳まで正社員、その後専業主婦やパート) 娘:素波佳子(18歳) 大学1年生(今春4年制私立文系学部入学)
 夫の給与と妻のパート代を合わせた世帯年収は、510万円。
15年前に東京郊外に2500万円でマンションを買い、35年ローンで毎月7.5万円を返済している。
今春、子供が私立大学に進学し、入学金・授業料などを払ったことで、夫も妻も貯金はゼロになった。

◆54歳から毎月5万円を貯金できるかがカギになる
「素波家のような場合、夫婦が65歳からもらえる年金額は月22万3000円(現時点)。
社会保険料などを引くと、約21万円で老後の生活をすることになります。
これでは、安心した生活を送ることはなかなか難しい。

しかし、50歳貯金0円でも、ここから貯金すればまだ間に合います」(長尾氏)
 素波家の手取り月収は約35万円。住宅ローンと子供の学費を考えると、53歳まで貯金するのは難しい。
それどころか、大学の学費を考えると、家計支出は収入を上回り、42万円ほどの借金を抱えてしまうことになる。
「それでも、子供が大学を卒業してしまえば、家計はグッと楽になります。同年収で最も平均的な住宅ローンは7万5000円とし、他の生活費を見直せば、月5万円は頑張れば貯金に回せるはずです」

◆葬儀代や医療費を考え月3万円を取り崩す
 月5万円貯金できれば、982万円の資産形成が可能だ。
つみたてNISAやiDeCoを使えば、さらに資産を増やすこともできるだろう。
 しかし、貯金0円から900万円超の資産ができたからといって安心してはいけない。
ここから葬儀代(全国平均で約195万円)や医療費を考えると、平均寿命付近の85歳時点で約350万円は死守したいところ。毎月貯金から使える金額は3万円が限界だ。

 ちなみに、一旦要介護になると総額約800万円がかかるという試算も。
貯金0円男は健康第一であることを肝に銘じておきたい。
「それでも、年金+貯金で月22万円の生活費を確保することができます。
決して贅沢な暮らしはできませんが、老後破綻は免れることはできるはず。
 老後も、常に固定費の見直しと節約は重要。

貯金を取り崩して生きることは、凄まじいプレッシャーと恐怖を人間に与えます。
できるだけ年金支給額に支出を近づけることが明るい老後生活のキモとなります」

【ファイナンシャルプランナー 長尾義弘氏】
出版社勤務を経て独立。’04年にFP2級を取得し、お金や保険についての情報を発信。
『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)など著書多数

<取材・文/沼澤典史(清談社)>
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2021年06月11日

“五輪開催”党首討論かみ合わず…尾身氏改めて警鐘

“五輪開催”党首討論かみ合わず…尾身氏改めて警鐘
6/10(木) 配信 テレビ朝日

 9日、国会で2年ぶりに党首討論が開かれましたが、新型コロナ対策や東京オリンピックの開催を巡って、議論がかみ合わない場面が目立ちました。

■菅総理“57年前の思い出話”語り…
 立憲民主党・枝野幸男代表:
「3月に(宣言)解除が早すぎたのではないかと、私は思わざるを得ません。
私たちのような厳しい基準(一日の新規感染者50人程度)を明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか」

 菅義偉総理大臣:
「まさにワクチン接種こそ切り札だというふうに思っております。きのうは100万回を超えてきました。
今年の10月から11月にかけては、必要な国民・希望する方すべてを終える。そういうことも実現したいというふうに思います」

 宣言解除の基準は答えず、ワクチン接種をアピールしました。
そのうえで、今年の10月から11月には、希望する国民全員に接種を終えられるよう取り組む考えを明らかにしました。
 最大の焦点となったのは、東京オリンピック・パラリンピック開催についてです。

 枝野代表:
「『国民の命と健康を守る』とおっしゃるのは、開催を契機として国内で感染が広がる、それが国民の命と健康を脅かさない。こういうことも含むという意味でよろしいですね」

 これに対し、菅総理は「来日する関係者を縮小する」などの対策を述べたうえで…。
 菅総理:
「実は私自身、57年前の東京オリンピック大会。高校生でしたけれども、いまだに鮮明に記憶しています。
例えば、『東洋の魔女』と言われたバレーの選手。
回転レシーブというのがありました。
マラソンのアベベ選手も非常に影響に残っています。
そして何よりも、私の記憶に残っていますのは、オランダのヘーシンク選手です。
敗者である神永選手に対して敬意を払った。あの瞬間というのは私は忘れることができなかった。
こうしたすばらしい大会をぜひ、今の子どもや若者が見て希望や勇気を与えて、伝えたい。
そして、こうして様子をテレビで40億の人が見るということも言われています」

 ヤジも飛ぶなか、自身の“57年前の思い出話”をとうとうと語りました。

これには、枝野代表も…。
 枝野代表:
「命と暮らしを守れるのかどうか(国民から)注目されています。
総理の後段の話は、ここにはふさわしくない話だったのでは」

■五輪開催の“意義”も明言避ける
 共産党の志位和夫委員長は、開催の“意義”をただしました。
 共産党・志位和夫委員長:
「国民に長期間の我慢を強いながら、オリンピックを開催することで、新たに亡くなる方が増えるなんてことはあってはならない。
そうまでしてオリンピックを開催しなければならない理由をどう説明しますか」

 菅総理:
「当然、尾身先生のご意見も参考にして、感染対策の詰めは行っていく」

 志位委員長:
「私が聞いたのは、今、命をリスクにさらしてまで、オリンピックを開催しなければならない理由ですよ!」

 菅総理:
「国民の命と安全を守るのが私の責務ですから。守れなくなったらやらないのは、これ当然だと思いますよ」
 開催の意義については、明言を避けました。

■尾身会長「一般市民の理解が得られない」
 一方、政府分科会の尾身茂会長は、改めて感染対策の徹底を求めました。

 政府分科会・尾身茂会長:
「コロナの患者さんで手いっぱいなのに、オリンピックをやるのは、なかなか一般市民の理解が得られないので。
やるならば、そういうこと(医療逼迫(ひっぱく))が起こらないようなやり方をするのが、オリンピック委員会および日本政府の務めではないか」
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2021年06月12日

薬は月600錠に…処方された「痛み止め」に依存した50代男性の地獄

薬は月600錠に…処方された「痛み止め」に依存した50代男性の地獄
2021.6.11 Diamondオンライン
木原洋美:医療ジャーナリスト

起床時の手指のこわばり 「疲れが溜まっている」と思った
(あれ、おかしいぞ)  起床時、スマホに手を伸ばしたマサオミさん(仮名・当時55歳)はある異変に気付いた。
手がおかしい。
右手の小指と薬指がこわばって動かしにくく、うまく持てないのだ。
鈍く痛んでいるような気もする。きつい手袋をしているような感覚だろうか。
 スマホを離し、改めて手を握ったり開いたりしてみると、他の指も動かしにくい。
特に薬指が曲がらない。こんなことは初めてだったが、PC作業で根を詰めたときに似たような感じになったことがあるため、(指の使い過ぎかもしれない。様子を見てみよう)と考え、いつも通り出勤した。
 ただ、異変は手指だけではなかった。
なんとなく手首や肩などの関節もギシギシとさびついたように動かしにくかったし、何より熱っぽく、身体が鉛のように重くだるい。微熱があるようだ。

(まいったな、疲れがたまっているのかな。こりゃあ、倒れてしまうかもしれない)  不安に駆られながら帰宅し、夜は早々に就寝。翌朝を迎えた。
(手指の具合はどうだろう)確かめるように動かすと、症状はさらに悪化していた。
左手の指も右手同様にこわばり、曲げにくくなっていた。
 もはや様子を見ている場合ではない。急いで近所の整形外科を受診すると問診・触診、血液検査、X線検査をしてもらい、「結果は1週間後」。
再診すると医師は検査データを見ながら言った。 「関節リウマチの可能性が高いです」
 結果が出るまでの1週間、マサオミさんは自分の症状をネットで調べまくり、(関節リウマチかもしれない)とは予想していた。というのもその後、体の不具合が怒涛(どとう)の勢いで進行したからだ。
 当初右手だけだった手指のこわばりは、すぐに両手の全部の指に広がった。
さらに腕がずっしりと重たく感じ、両肩に激痛が走る。ただ事ではないと思った。

「関節リウマチとは、関節に炎症が起きて、痛みや変形が生じる病気です。女性、高齢者の病気というイメージがありますが、患者の約20%は男性ですし、近年は増加傾向にあります。特に30〜60代の働き盛りの男性で発症する方が多いんですよ。
 原因は明らかにはなっていませんが、男性の場合、喫煙や感染症が主な原因になります。
喫煙はいけませんよ。関節リウマチの発症リスクは2〜14倍に増加しますし、関節リウマチの治療効果も20〜60%減弱しますからね」

 淡々とした医師の説明は、マサオミさんをいら立たせた。
「喫煙はしません。人生で一度も吸ったことはないです。お酒だって、付き合い程度しか飲まないし、食事にも気を付けて、運動も週2回プールに通って泳ぐことを習慣にしてきました。それなのにどうして…」
「そうですね。こればかりはどうにも。ただ以前は、関節リウマチに対する有効な薬はありませんでしたが、現在では炎症や炎症の原因となる免疫の異常を起こりにくくする薬が次々と登場しています。
早期に治療を始めることで、骨の変形を防ぎ、寛解(かんかい。病気が落ち着いて安定している状態)を保つことができるようになっています。
 残念ながら現在の医学では完全に治すことはできませんが、治療しながら普通の生活を送ることは可能です」

耐え難い苦痛の日々 医療用麻薬を勧められた
「普通の生活を送ることは可能」という医師の言葉を信じ、マサオミさんは前向きに病気と向き合った。
処方された薬をきちんと飲み、適度な運動を心がけ、「リウマチに効く」とされる温泉に通い、健康食品も試してみた。
 だが治療効果は上がらず、病状は悪化した。
膝が曲がりにくくなり、足裏にも痛みが出るようになったため歩行がつらく、布団から起き上がれなくなり仕事を休んだ。
いっそ手足を切り落としてしまいたいと思うほどの痛みが四六時中治まらず、(もうすぐ薬が効いてくれるはずだ)と自分に言い聞かせながら一日一日をなんとかやり過ごす。

強い痛み止めも併用していたが効いている気がしない。
痛みと闘いながら眠るために、毎夜睡眠薬を使うようになった。
(あと5年で定年なのに、このままでは勤め上げられそうもない。退職したら、夫婦で旅行したり、趣味の民族楽器で演奏会をしたりするつもりだったのに、何もかもおしまいなのかな。
こんなに痛いんじゃ、もう死んだほうがましだ。  いや、待てよ。ここで弱気になっちゃダメだ。世の中にはもっとつらい病気と闘っている人がいる。
俺はとりあえず、生命に関わる病状ではないんだから、我慢しないと。だけどつらい。死にたいよ。ダメだな俺は。なんて弱い人間なんだ。生きている価値がない)

 そうして1カ月が過ぎた頃、治療効果が見えないことにいら立ったマサオミさんは主治医に食ってかかった。
「先生、せめて痛みだけでもなんとかしてください。気が狂いそうです」
「今お出ししている薬は効果が見えるまでもう1〜2カ月は様子を見たほうがいいんですよ。でも痛みはつらいですよね。モルヒネを使ってみますか」  そう医者は提案した。
「え、モルヒネですか。どんな薬ですか」
「医療用麻薬とかオピオイドとか呼ばれている鎮痛薬です。がん患者さんの痛み止めにも使われている薬で、とてもよく効きますよ」
「でも、麻薬なんですよね。依存症になったりしませんか」
「大丈夫ですよ、法律で医療用に使用が許可されている麻薬ですから。
痛みの治療を目的に適切に使用すればいいんです。
楽になりますよ。リウマチの薬の効果が見えるまで、モルヒネで痛みを抑えながら頑張りましょう。

主な副作用は、便秘と吐き気ですが、それを軽減させる薬も一緒に出しますからね」

「依存性はない」はずが 薬は月600錠に激増
 モルヒネは劇的に効いた。痛みが消えるだけでなく、気持ちが明るくなり、マサオミさんは病気になる前よりも陽気になった。
あまりにも気分がいいので、当初は飲み過ぎないよう痛みをギリギリまで我慢してから飲むように心がけていたが、やがてブレーキが利かなくなった。
処方された量では、次回の予約日まで全然持たない。
「先生、モルヒネはとてもよく効く、素晴らしい痛み止めですね。ただこの頃、効果がすぐ切れるようになってきたのでもっとたくさんもらえませんか」
 せっせと通院し、機嫌よく依頼すると、主治医は気軽に応じてくれた。
結局、最初のリウマチ薬は効果が出ず、さらに効きそうな薬を試しているうちにモルヒネの量はどんどん増え、1カ月分で600錠にもなった。

「えっ、あなた。こんなにたくさん薬を飲んでいるの。飲み過ぎなんじゃないの」  ポリ袋に入れた大量の薬を見た妻が一度、驚いた顔で聞いてきたことがあった。
「大丈夫だよ。医者も痛みのコントロールが目的で飲む分には問題ないって言ってたよ。ちょっと便秘がつらいんだけどさ。リウマチの痛みが強すぎて、これがないともう寝たきりになりそうなんだ。
大丈夫、リウマチの薬が効いて、寛解って状況になったら、すぐやめるから。今だけ、この薬が必要なんだ」

 慌てて言い返したが、実は本人も心配で、モルヒネを飲むのを何度か我慢してみたことがあった。
するとたちまち、いたたまれないような不安感、激しい動悸(どうき)、鳥肌、大量の発汗、筋肉のけいれんなどに襲われ、とてもじゃないが耐えられない。
休日、家に1人でいる時だったので、誰にも見とがめられることはなかったが、もし誰かに見られたら(絶対に、薬物依存だと思われるだろう。
公務員の自分がそんなことになったら、大問題だ。
絶対に薬を切らすわけにはいかない)と考え、以降は万が一早めに薬の効果が薄れたときに備え、レスキュー薬と呼ばれる速放性(すぐ効果の出る痛み止め)の薬も処方してもらって飲むようになった。
 それから2年間、淡々とした日々が過ぎた。
リウマチのほうは効果がある薬が見つかり、進行を食い止められるようになっていたが、モルヒネを減らすことはできなかった。
尋常でない量を飲み続ける不安も、いつの間にか忘れた。
 だが、そんな毎日に突然終わりが来た。
主治医が隠居し、大学病院の勤務医だった息子が新院長になったのである。
マサオミさんがいつものように薬をもらいに行くと、カルテを見た新院長は絶句した。
「驚いた、すごい量を飲まれていますね。これ、全部飲んでいるんですか。それとも家に保管しているだけですか」
「なくなると大変なので、多めに出してもらってはいますが、それくらいの量は絶対に必要です」
 うろたえながらも、懸命に訴えた。
モルヒネを減らされるかもしれないと想像しただけで、冷たい汗が流れた。

非がん性慢性痛患者の 大量使用は増加傾向にある
「麻薬をこんなに飲むなんて、本当に大変な痛みだったんですね。つらかったでしょう」
 ここは某大学病院の「痛みセンター」。
難治性の慢性痛患者の治療と研究を専門に行うことを目的に設置された医療機関だ。
新院長からの紹介でやってきたマサオミさんが持参した薬の束を見た医師は、優しくいたわるように話し出した。
 薬物中毒患者として、軽蔑されたりあきれられたりすることを想像していたマサオミさんは、凍り付いていた心が解け出したように、涙を流した。

 違法ではない医療用麻薬を処方され、依存症になってしまったマサオミさんにはまったく罪はない。
では悪いのは誰なのか。こんなことは通常では起こりえないことなのか――。
医療用麻薬の不適切(大量)使用問題に詳しい獨協医科大学の山口重樹教授は次のように語る。
「医療用麻薬(オピオイド鎮痛薬)は適切に使用されている限りは非常に良い鎮痛薬です。
しかし、次第に依存症の問題が深刻化し、オピオイドクライシス(アメリカ社会のオピオイドによる危機的状況)が叫ばれるようになりました。
2017年にはトランプ大統領が公衆衛生上の法に基づく非常事態宣言を行い、アメリカでは年間7万2000人(2019年)、カナダでは4571人(2018年)が関連死しています。

 日本では専ら、がん患者用の痛み止めとして使用されていますが、アメリカやカナダでは『痛みの緩和は人権=必要最低限の医療』という考え方に基づいて、積極的な処方が推奨された時期があったのです。
 当初は痛みの緩和目的で適切に使用されている限り依存性はないと考えられていましたが、間違いでした。
実は短期間でも精神的依存になりやすい、量がどんどん増えてしまうといった特性があり、依存症患者が急激に増加してしまいました。
 もともと医療用麻薬はがん患者を中心に投与されていたもので、かつてはがん患者の生命予後も限られていましたので、処方の終了は患者の死でした。

しかし、非がん性の慢性痛は、いつ薬をやめたらいいのか分かりません。
何カ月までなら問題ないのかは、誰も分かっていない。
 どうも使用が長期化するほど、やめにくくなることが明らかとなり、必要最少期間にとどめるべきとの意見が一致し、世界中のガイドラインでは、投与期間について3カ月とか6カ月とかしっかり区切るようになってきました。
マサオミさんの場合も、モルヒネの処方を始める際、期限を約束して、厳格に守るべきでしたが、医師はこのことを理解していなかったんですね。
そういう意味では、医療行為が病気を引き起こした医原病です。

リウマチ、慢性疼痛、薬物依存と3つの病気をマサオミさんは背負うことになってしまったわけです。
少しずつですが、私のところでもマサオミさんのような患者さんは増えています。氷山の一角かもしれません」

 マサオミさんは、現在、適切なオピオイド治療に修正してもらい、適切に痛みを緩和しながら、モルヒネによる便秘も改善し、安定した日々を送っている。
リウマチの再燃も見られない。
「適切なオピオイド治療とは、必要かつ適切な患者に、オピオイドによる有益が不利益を上回る必要最小限の量で、必要最少期間投与することです」と最後に山口教授は強調した。
※本稿は実際の事例・症例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため患者や家族などの個人名は伏せており、人物像や状況の変更などを施しています。

(医療ジャーナリスト 木原洋美、
監修/獨協医科大学医学部麻酔科学講座教授 山口重樹)
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2021年06月13日

コロナ禍で増える“誇大表示”に怒りの声

「まつげ美容液」にも措置命令! コロナ禍で増える“誇大表示”に怒りの声
2021年06月11日 アサ芸能

 消費者庁は6月3日、大阪市にある化粧品・健康食品販売会社が、“塗るだけでまつ毛に伸びる”効果があるように表示してまつ毛美容液を販売していたことが景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、措置命令を出した。
同社は「真摯に受け止め、表示の改善を進めている」と謝罪している。

「問題となっているまつげ美容液は、同社の公式サイトで『2週間で2mm伸びる!』などと、塗るだけでまつ毛が伸びる効果があるように表示していましたが、消費者庁によれば『裏付けを示す資料の提出を求めたが、合理的な根拠は認められなかった』といいます。
まつ毛美容液に同庁の指導が入るのは、今回が初のことです」(社会部記者)

 ネット上では《こういうのって詐欺でしかない。返金にも対応させるべきでは?》と批判の声が噴出。
さらに《他にもあるよね。こういう大丈夫かなっていう商品》
《芸能人がインスタでステマしてる商品も怪しいものが多い》
《消費者庁には頑張ってほしい。他にも酷い例はいっぱいある》など、景品表示法違反にあたる商品は他にも多くあるとの指摘も相次いでいる。

「昨年から新型コロナウイルスが感染拡大したこともあって、“空間除菌をする除菌スプレー”や“首から下げるだけで除菌できるカード”“
摂取するだけでコロナへの感染予防になるサプリメント”など、数々の商品に消費者庁の指導が入りました。
まつげ美容液はコロナ禍でマスクの着用が当たり前となった今、目元を美しく見せるために売上も伸びていたといいますが、コロナ便乗の商品には十分注意しなければなりません」(ITジャーナリスト)

 購入者側の見分ける力も必要だろう。 (小林洋三)
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2021年06月14日

日給3万「ワクチン仕事」に看護師が苦悶する理由

日給3万「ワクチン仕事」に看護師が苦悶する理由
フリー看護師が見た「コロナ待遇格差」の実態
2021/06/12 東洋経済オンライン
浜田 敬子 : ジャーナリスト

長引くコロナ感染拡大を現場で支える医療従事者たち。
彼らを今、驚くべき「給与格差」が戸惑わせ、混乱を引き起こしている。

フリーランスの看護師として働くAさん(40代)。
昨年8月から全国の病院のコロナ病棟やクラスターが発生した高齢者施設、軽症者療養用のホテルなどで働いてきた。
目の前で何人もの患者が命を落としていく厳しい現場も体験した。
そこで見たのは、命に直結するような過酷な現場ほど、看護師が足りないという現実だった。

一方、ワクチン接種の現場や軽症者療養ホテルなど、重症病棟に比べれば「それほどキツくない」(Aさん)現場は、人を集めるために高給を提示され、一種の「コロナバブル」が起きているという。
いったい今、何が起きているのか。

クラスターが発生した高齢者施設で見た「現実」
5月下旬。Aさんは中国地方のクラスターが発生した高齢者施設に、NGOからの要請で応援に入った。
それまで十数人いたスタッフは1人を残して他の部署に異動していて、圧倒的に人が足りない状態だった。
利用者の中には3週間入浴できておらず、シーツが交換されていない人もいたという。
人手不足から、利用者が転倒して亡くなるという事故も起きていた。

応援に入ったAさんは数日間、毎日朝7時半から夜20時30分まで働いた。
他のスタッフも8日連続勤務、5日連続夜勤という過酷な勤務状況だった。

引き金は、あるスタッフからクラスターが起きたことだった。
利用者に感染が拡大し、その本人はもちろん、濃厚接触したスタッフも休まねばならなくなった。
こうして極端な人手不足に陥り、残ったスタッフの勤務状況は過酷になるという悪循環に陥った。
「スタッフは自分から感染させてしまったと激しい自責の念にかられ、利用者の家族からも感染させたことを責められます。高齢者施設のスタッフはもともと待遇がよくないのに、自身も感染リスクにさらされながら働き、疲弊しています。
こうした状況に、自身の家族から反対されて、退職を選ぶ人もいます」(Aさん)

幸い、Aさんら応援スタッフが入り、施設を感染リスクの有無でゾーン分けしたり、防護服の着脱を指導したりするうちに状況は落ち着いてきた。
しかし、その中でAさんはこの1年弱感じてきた“矛盾”を再認識した。
Aさんは派遣元であるNGOから1日2万円という報酬を受け取っていた。
1日12時間働いていたが、宿泊費など実費も別途、支給された。
もともとその施設で働いていた職員の給料に比べると、フリーのAさんのほうがはるかに条件がよかったのだ。

フリーで働くことになったのは、昨夏、沖縄県知事が「看護師が足りない」と訴える姿をテレビで見て、募集に応じたことだった。
それまでコロナについて医療従事者のグループで学んできたAさんは、そのことを活かしたい、という気持ちだったという。

過酷なコロナ病棟は、軽症者施設の「時給半分」
最初に派遣されたのは、沖縄県内の軽症者療養ホテル。
基本は1日2度、療養者に電話をかけて体調の確認をする、重症化した患者を病院に送る、療養者が退所したら部屋を掃除する、などが仕事だった。
時給は2700円、宿泊費・食費は別途支給された。

その後に移ったのが、沖縄県内の県立病院だ。
コロナ専用病棟が立ち上げられた直後から約3カ月働いた。
ここはAさんがこの1年弱で入った職場で、もっとも厳しい労働環境だった。
昼ご飯を食べる時間もなく、朝から夜中1時まで勤務しているスタッフもいた。
いったん感染が少し落ち着くと、コロナ病棟のベッドは空く。しかし、ベッドを空けたままにしておくと、病院側の収益が悪化してしまう。
そこで、病院側は他の救急患者を受け入れるため、感染リスクのある患者を受け入れるレッドゾーンを減らし、リスクのないグリーンゾーンに戻す。
部屋の隅々から医療機材すべてをアルコールで拭きあげる作業も、看護師らが担っていた。
そこでの給与水準は、県立病院の規定報酬に沿っていた。
沖縄の県立病院の2021年5月現在の募集要項を見ると、フルタイムの看護師で月額15万7700円〜20万400円。
パートタイムの場合、時給1009円〜1282円だ。

つまりその前に働いていた軽症者用ホテルより、はるかに過酷な仕事にもかかわらず、時給換算だと半額で働いていたことになる。
Aさんはこの病院に応援に入るときには、「もともとその病院で働いていた職員より高い給料は払えない」と言われたという。後から応援に入った人のほうが高いと、もといた職員が辞めてしまうから、という理由だった。

「この病院ではコロナ治療の最前線で働けて、いろいろ学ばせてもらったので、私自身は報酬が低いことに不満はなかったのですが、コロナ病棟の仕事は誰でもできるわけでもありません。
それなりのスキルや経験も必要なのに、軽症者用ホテルよりも報酬が低いのです。
感染のリスクもある中では“危険手当”のような仕組みも必要だと思うのですが……」(Aさん)

Aさんはその後、派遣会社を通じて関西の民間企業が運営を委託された軽症者療養ホテルや、重症者専門病院でも働いた。
軽症者用ホテルではリーダー格だったこともあり、月給は45万円ほどになった。
他の県の軽症者療養ホテルで働く看護師を募集する人材会社のサイトを見ると、時給2000円台が多いが、中には九州で時給5000円台、日給4万円台というものもある。
軽症者用ホテルの仕事はどこも、1日数回の電話による体調確認などが主な仕事だ。

仕事内容の割に報酬もいいため、派遣会社を通じて募集に応じた看護師が全国から集まっていて、「いろいろな立場や考えの人がいて、人間関係には苦労した」(Aさん)というが、逆に人間関係のしがらみも少ないので、辞めたければすぐ辞められるともいう。
もともといる看護師のほうが待遇が低くなる 一方で、「病院でもともと働いていた看護師は辞めたくても辞められず、私が応援で入った病院では、辞める順番待ちをしていました」とAさんは明かす。

今春、ちょうど第3波が落ち着きを見せる頃には、あるコロナ専門病院で働いていた。
求人情報を見ると時給は4200円〜5000円台。
仮に時給5000円として、1日8時間、月20日働くと月80万円もの収入になる。
この自治体の公立病院の看護師の給与を見ると、4大卒の基本給が月約22万円。もちろんボーナスや各手当はあるとしても、そのボーナスなどがコロナ患者を受け入れたことによって経営が悪化し、カットされている医療機関は少なくない。

昨年、病院が示した夏のボーナスゼロに看護師400人が一斉に退職の意向を示したという東京女子医大のケースは記憶に新しい。
国からはコロナの重症・中等症患者を診る病床に対して1日4万1000円の補助のほか、医療従事者に対する特別給付金も支給されているが、その額は決して十分とは言えず、給付の遅れが経営悪化に拍車をかけている(新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査)。
同調査によると、調査に応じた約4400病院のうち、2020年冬季ボーナスを満額支給できた病院は約6割にとどまっている。 そこに今、さらに医療従事者たちを戸惑わせる事態が起きている。
それが、ワクチン接種に従事する看護師の大量募集だ。
求人情報を検索すると、東京23区の場合、日給1万5000円〜3万円。
東京・大手町の大規模接種会場の日給(9時〜17時)は3万円だ。
「7月末までに高齢者すべてにワクチンを」の政府の掛け声に自治体も翻弄されているが、課題はワクチンの「打ち手不足」問題。
その解消のためにもワクチン接種に従事する看護師の報酬が高止まりしているのだ。
日給3万円の「ワクチン仕事」に看護師が流れる 6月に入り、Aさんも1日、ワクチン接種の看護師を募集する派遣会社を通じて、接種業務を経験した。
1日約400人を5ブースに分けて接種をする会場で、会場には接種を担当する看護師が5人、ワクチンを希釈する看護師が3人、接種後に体調不良が起きないか観察する看護師が2人という構成で、役割は午前と午後で交代したという。
この会場の日給は2万円。この条件の派遣会社のサイトを確認すると、10月末ごろまでの応募がすでに「募集終了」となっていた。
Aさんが接種を体験した会場にはコロナ病棟をやめてきていた看護師もいたという。

Aさんはこう話す。
「もちろんワクチン接種は大事で、多くの看護師が必要なことはわかります。
でも一方で、1年以上コロナ病棟で働く人たちの待遇はまったく改善されておらず、休みさえ十分に取れていない。
まだまだ重症病棟や高齢者施設では日々亡くなっていく人もいる厳しい状況で、ここで働く人たちの待遇改善は急務です。
もちろんコロナ禍で、失業したりしている人のことを考えれば、仕事があるだけでもありがたいです。
でも一部の職種だけがバブルのようになるのではなく、看護師全体の待遇の底上げをしてほしい」
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2021年06月15日

”最後のWindows”のサポート終了が発表 ユーザーからは驚きの声

”最後のWindows”のサポート終了が発表
 ユーザーからは驚きの声
2021年06月14日  しらべぇ

Microsoftは「Windows10」のサポートを2025年に終了すると発表。
ネット上では、ユーザーからの驚きの声が相次いでいる。

■Windows10のサポート終了へ
Microsoftは、同社のホームページ内に掲載されている「Microsoft ライフサイクル ポリシー」にて、「Windows 10 Home」および「Windows 10 Pro」のサポートを2025年10月14日に終了すると発表した。
同社では、「次世代のWindows」に関する情報を日本時間の25日0時に発表する予定となっている。

■「最後のWindows」といった発言も
Microsoftは、2015年に開催されたイベントの中で、Microsoft の開発部門の責任者が「今後、Windows11はもう登場しない。
Windows10が最後のWindowsだ」といった旨の発言をしていた。
この発言から、一部のユーザーの間では「Windows10以降のOSは発売されず、今後はアップデートで更新されていく」と理解されており、混乱するユーザーも少なくなかったようだ。

■ユーザーからは疑問の声が
今回の発表を受けて、ツイッター上では「最後のWindowsなのに10のサポート終了するのか…」「え、最後のWindowsなんじゃないの?」「普通にびっくりなんだけど」といった驚きの声が相次いでいる。
また「次のOSはどんな感じなんだろう」「次世代な感じだと嬉しいよね」など、Windowsの新OSの発売を楽しみにしている様子のユーザーも多数確認できた。
   (文/しらべぇ編集部・北田力也)
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2021年06月16日

1回目接種の施設で集団感染

1回目接種の施設で集団感染
2021年06月15日  TBS

 静岡市は、1回目のワクチン接種を済ませた高齢者が入居するグループホームでクラスターが発生したと発表しました。

 「1回目の接種直後は抗体が増えるのではなく免疫力が下がるらしい、その間に感染リスクは高まる」(静岡市 保健予防課 杉山智彦課長)

 静岡市は、市内の高齢者グループホームできょうまでに入居者3人と職員2人のあわせて5人の感染が確認されたため、クラスター発生と認定しました。

このグループホームでは、今月2日に入居者と職員あわせて33人全員が1回目のワクチン接種を受けていましたが、9日に職員が発症したのを最初に、感染者が増えていきました。

 市はワクチン接種からある程度の時間が経過しないと抗体が十分に作られないとして、ワクチンを打ったとしても、しばらくはマスクなどの感染対策を続ける必要があると注意を呼びかけています。
        (15日17:10)
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2021年06月17日

梅雨時の頭痛・メンタル不調はなぜ?「6月病」を防ぐ4つのポイント

梅雨時の頭痛・メンタル不調はなぜ?「6月病」を防ぐ4つのポイント
2021.6.16  Diamondオンライン
池井佑丞:医師

関東甲信地方でついに梅雨入りが発表された。
じめじめとした天気が続くと、「何だか体の調子が悪く感じる」「気分が憂うつ」という人も多いのではないだろうか。
今回は、梅雨時に起こりやすい体調不良の要因と、予防する上でのポイントを解説する。(医師 池井佑丞)

梅雨時に感じる 体調の悪さ…原因は?
 6月に入り、気温と共に湿度の上昇を感じるようになってきました。
西日本は歴史的な早さで梅雨入りした一方、東日本では梅雨入りが例年より遅れていた今年。
6月14日、関東甲信地方でついに梅雨入りが発表されました。

 日本気象協会が行った調査によると、男女300人のうち75%の人が、梅雨を「嫌い」と回答したそうです。
 その理由の中には、  
・憂うつになる、ストレスがたまる  
・体調が悪くなりやすい  といった心身の不調に関するものも見られます。

 読者の方にも、はっきりとした体調不良はなくても「梅雨時はなんとなく具合が良くないな」と感じている方は多いかと思います。
 まだ医学的に解明はされていませんが、「気象病」という概念に注目が集まり始めています。
「気象の変化によって症状が起きる、または悪化する」といった状態を総称した言葉です。

 実際、大学生を対象としたある調査では、天気が悪い日に「頭痛」や「体のだるさ」といった気象病の症状があると答えた人が全体の44.2%であったという結果が出ています。
また、そのうちの79.2%の人は、天気が回復すると症状も回復すると回答しています。

 そこで今回は、梅雨時によく見られる疾患や体調不良に焦点を当てていきたいと思います。

自律神経の乱れが影響した頭痛も 梅雨時でも熱中症に要注意!
「気象病」の症状としては、「頭痛」を訴える方が最も多いことが分かっています。
気象と頭痛の関係性はまだ全て明らかになってはいませんが、気圧の変化などによって自律神経が乱れ、その結果頭痛が引き起こされると考えられています。
 現在、気圧の変化は「内耳」で感じ取っているということが分かってきており、研究が進められています。
また梅雨時は雨の日には涼しく、合間に晴れるときには蒸し暑いといった「寒暖差」が大きいことも、同じく自律神経に影響する要素となります。

 自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、
交感神経が優位になると脳血管が収縮、逆に副交感神経が優位になると脳血管が拡張するのですが、梅雨時には気圧や気温の変動によるストレスで交感神経が活発になり、脳血管が収縮したり筋肉が硬くなったりすることで頭痛が起きやすくなると考えられます。
 さらに交感神経が活発な状態が続けば、エネルギーの消費や筋肉のこわばりから、疲労やだるさを起こすこともあります。

 また、梅雨時にも注意しておきたいのが、熱中症です。
 昨年の6月から9月の間で、全国で約6.7万人もの方が熱中症により救急搬送されました。
その大部分は8月に集中していますが、6月だけで見ても全体の1割近くに当たる6336人が搬送されており、熱中症対策はこの時期から大変重要であることが分かります。
 梅雨時に起こる熱中症には、次に挙げる要因が深く関わっていると考えられます。
 気温は、春から真夏に向けて徐々に上昇していきます。
この変化に人の体は無意識に対応し、少しずつ高い気温に順応していくようになっています。
しかし、梅雨の時期は寒暖差が大きく、急に気温が上がってしまうことがあります。
そうすると、体はすぐに順応することができず、熱中症を起こしてしまうリスクが高くなるのです。

 今年の梅雨は全国的に平年並みかそれ以上の気温になると予測されていますから、天候による温度差には特に注意が必要です。
 また、コロナ禍によって外出の機会が減っている今、空調の効いた室内で多くの時間を過ごしている方も多いと思います。そういう方は、気温の変化を感じることが少ないでしょうから、梅雨時を過ぎてからもなおのこと注意が必要です。

 熱中症を引き起こす環境要因は「気温の高さ」だけではありません。
 環境省が「熱中症予防情報サイト」で発表している「熱中症警戒アラート」は、気温に加え、湿度や周辺の熱環境を取り入れた「暑さ指数(WBGT)」を採用しています。
「湿度の高さ」も熱中症を引き起こす重要な要素となっているのです。
 気温が上昇して体温が上がると、体は熱を逃がすために汗をかきます。
汗が蒸発する際の気化熱を利用して体温調整を行うわけですが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなってしまうので身体に熱がこもり、熱中症のリスクが高まってしまうのです。
体温が下がらないと、体はさらに汗をかいて体温を下げようとするため、脱水のリスクも高くなります。

環境変化+気象変化による 「6月病」に要注意
 天候の悪い日が続くと、気が滅入りますよね。
冒頭にご紹介した調査で梅雨時に「憂鬱になる、ストレスがたまる」と回答した方は全体の3分の1ほどに上りました。
誰でも感じる当たり前のこととも言えますが、梅雨時のストレスはメンタル不調に発展しやすいと考えられます。

「5月病」は皆さんご存じでしょう。
新年度で進学や就職、異動や転勤など、環境の変化を迎えた方が、そのストレスによりメンタル不調を起こしがちなのが、5月頃だと言われています。
 そして、最近は「6月病」という言葉を聞くことも多くなってきました。
上記の環境変化に6月の天候不良が重なった結果、不調が長引いたり、悪化したりしてしまうことがあるのです。

前述の通り、気圧の変化や湿度の上昇が引き起こす自律神経の乱れによるストレスや体調不良も、メンタルリスクを高める要因となっています。
 そして5月病や6月病は慢性化したり、さらに悪化したりしてしまうと適応障害やうつ病へと進行してしまう可能性があります。

梅雨時の不調を防ぐ すぐに実践できる四つのポイント
 これらの体調不良を予防するためには、気候の変化にうまく順応していくことが重要です。
そのために簡単に実行できる方法をいくつかご紹介します。

(1)ゆっくり湯船につかる
 気圧変動や湿度による自律神経の乱れを予防するには、湯船にゆっくりと浸かることがおすすめです。
このとき、熱いお湯だと交感神経が刺激されてしまうので注意してください。
 就寝30分〜1時間ほど前に入浴し、上昇した体温が下がるタイミングで眠りにつくと良く眠れます。
入浴〜就寝のリズムを作ることで、自律神経の切り替えがなめらかに行えるようにしましょう。

(2)汗をかく
 涼しい日が続いた直後に気温が上がった場合、体がうまく汗をかくことができず、熱が体にこもってしまうことがあります。
日ごろから汗をかく習慣を身に付けておくと良いでしょう。
普段スポーツやトレーニングで汗をかいているという方は、そのままの生活を続けましょう。
 普段運動をしない方は、「入浴時に汗をかく」というのが取り組みやすいでしょう。
この場合には熱いお湯がおすすめです。
そのため、就寝直前の入浴は避けてください。
毎日ではなく週に1〜2度取り組むだけでも効果があります。
 ただし脱水状態になる危険もあるため、合わせて水分補給を行うことも重要です。
汗が蒸発しにくく体温が下がらない場合、さらに汗をかいてしまうので、のどの渇きを感じなくてもこまめに水分を摂りましょう。

(3)日光をあびる
 梅雨の時期、外出を嫌って引きこもりがちになってしまう方も多いかと思いますが、メンタルバランスを整えるには午前中5〜15分程度の時間、日光を浴び、セロトニンの分泌を促すことが必要です。
曇りや雨の日でも、外出をすれば屋内の倍以上の照度の光を浴びることができます。
 また、セロトニンは目から光を取り込むことで生成が促されると言われていますので、外に出られない時には窓の外をよく眺めるなど工夫をすると良いでしょう。

(4)通常の活動量・活動リズムを保つ
 睡眠時間の変化や活動量の低下、外出頻度の減少などはメンタル不調の原因となります。
 例えば、1日当たりの歩数が4000歩を下回るとメンタル不調のリスクが高まることが分かっています。
睡眠時間が6時間を下回ったり、9時間を超えたりするとメンタルに悪影響を及ぼすという調査結果もあり、毎日決まって7〜8時間の睡眠を取り続けることが望まれます。
 これはコロナ禍の自粛生活にも同じく言えることですが、外出のできない日にも、規則正しく活動的な生活を送るよう心掛けることが何より大事なことです。

これら四つのポイントを心の片隅に置き、梅雨を乗り切っていただければ幸いです。
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2021年06月19日

うつの人が「小さいやる気」なのに大きく見せる技

うつの人が「小さいやる気」なのに大きく見せる技
できるだけ自動化し、すごい人のイメージを作る
2021/06/18 東洋経済オンライン
林 直人 : 「毎日学習会」代表

新型コロナウイルス感染症が流行する中、経済的に不安定な状況に追い込まれ、心身のバランスを崩す人も少なくない。
そのような人はどのように生きていけばよいのだろうか。
長年うつを患いながらも会社を経営してきた起業家の林直人氏は「起業もひとつの選択肢である」と説く。
著者『うつでも起業で生きていく』より一部抜粋してお届けします。

「小さいやる気」「波があるやる気」で生きていく
前回の記事「うつの人が苦しまずに仕事で力を発揮できる心得」(6月11日配信)では、「うつ病の人が実際に起業するにあたって、どのようなビジネスを選ぶべきか?」という話をしました。
今回は、うつの人はどのようにしてモチベーションを保てばいいのか?について、お話ししていきます。
私はそもそもモチベーションという言葉が嫌いです。
モチベーションがあるなしにかかわらず、危機感をベースとして、元気があるときはなにも考えずにどんどん仕事をするべきだと思います。

一方で、うつの人は体力に乏しく、なかなか膨大な量の仕事をすることが難しい側面もあります。
そこで、どのようにすれば、うつの人の「小さいやる気」「波があるやる気」でも仕事を成功させることができるかについて、ここでは考えていきたいと思います。

まず、うつの人が「小さいやる気」をどのようにして大きく見せるかという話をしたいと思います。
「小さいやる気」を大きく見せるために大切なのは、「限界費用ゼロ」という概念と、「錯覚資産」という概念です。
それぞれ重要なキーワードですので、順を追って解説したいと思います。

まず、「限界費用ゼロ」という概念ですが、そもそも「限界費用」とはなんのことでしょうか?
 「限界費用」とは「うつ病で限界」とかそういう意味の「限界」についての費用ではありません。
「限界」というのは経済学の概念で、「AとBのあいだ」ぐらいの概念です。
ここでの「限界費用」というのは「1単位増やすごとにかかるコスト」のことです。
もう少し具体的な例に落とし込んで説明していくと、たとえば、個別指導塾を経営している場合は、指導コマを1コマ1時間分増やしたら、1人の人間が1時間分余計に働かなければならなくなります。
ところが、YouTubeで授業を撮影しておいて「これを見ておいてね」という形で1時間分増やすとします。
YouTubeなんて、1人しか見なくても100人見ていたとしても、配信にかかるコストは変わりませんから、「限界費用」はゼロになります。
同じようにアプリを作っておいて、「これをやっといてね」という形で増やすのであれば、1人しか使わなくても100人が使っていても、かかるコストは変わりませんから、「限界費用」はゼロになります。

このように、うつの人は長く働くことはできないわけですから、なるべく「限界費用ゼロ」の世界で戦い、自分の「小さいやる気」を大きく見せることが非常に大事になってきます。

すごそうな雰囲気を見せることも大事
2つ目は、「錯覚資産」という概念が大切になります。
これは、人気ブロガーのふろむださんの言葉を一部借りますが、「錯覚資産」とはうまく自分に対する期待値をコントロールしたうえで、本を出したり、YouTubeに出たり、テレビに出たりしながら「すごい人」のイメージを作っていき、それによって仕事をやりやすくするという方法です。

うつの人でも手っ取り早くできる方法としては、名前をすごそうにするという方法があります。
私の塾は「毎日学習会」という名前です。
別に私が毎日長時間働いているわけではないのですが(体調が悪ければ10分だけシフト送信して、あとはスタッフに任せて寝ていることもあります)、なんだか毎日熱心に教えてくれる感じがする名前ですよね。
実際のところ、その日は元気なスタッフが誰かしら、代わる代わる熱心に指導することで、状態としては「毎日熱心に勉強を教えてくれる塾」になっているので看板に偽りはありません。
また、こういう状態を作ったうえで、本を大量に出したり、YouTubeに大量に投稿したり、サイトの記事を大量に出したりしていますし、今回はまたこうして本を書いて、この本がベストセラーになったらテレビにも出たいと思っていますので、そういう形でどんどん「錯覚資産」を増やしていくのです。
これも「小さいやる気」を大きく見せるうえで非常に大事な要素になります。

では、その次です。
まずそもそも本を出すにしてもYouTubeに動画をアップするにしても、それなりに働く必要があります。
では、うつの人はどのようにしてこれほど大量の仕事をこなせばいいのでしょうか。
その部分から考えていきましょう。

まず大前提として、元気がないときは仕事しないことだと私は思っています。
コロナウイルス対策と同じで、十分に収束していないときに、慌てて動くと余計ひどいことになります。
まずはそれなりに体調をよくすることが最優先です。
そのうえで、仕事をするわけですが、仕事をするときに考えてはならないことがあります。
それは「やる気」「モチベーション」です。

「今日はやる気があるのか?」「今日はモチベーションがあるのか?」を仕事する前に考えると「今日はやる気がないから明日からやろう」「今日はモチベーションがないから明日からやろう」という結論になります。
やれるならなにも考えずにどんどん仕事をこなす これが非常によくない。
大切なことは、やる気のことなど考えないことです。
それなりに元気で、少なくとも仕事ができないほど体調が悪くなければ、まずはやる。
1つ終わったら、なにも考えずに2つ3つ4つと連続でやっていくことが大事です。
休憩を挟むと、どうしても休憩がメインになってしまいますからね。
まずは連続して、なにも考えずにどんどん仕事をこなしていくことが大事です。

この「なにも考えずにどんどん仕事をこなしていく」という感覚はぜひ大事にしていただければと思います。
「メランコリー親和型」のうつの人であれば、仕事ができないほど体調が悪くなければ、できるはずです。
とにかくなにも考えずに、意識を飛ばして体力の限界まで仕事し続けるのです。
その結果として、また1日2日寝込むかもしれませんが、それでいいのです。
1日人一倍以上働いたら、次の日は寝込んでいても、トータルで見たら健常者とトントンか、健常者以上に仕事をしたことになります。
とにかく過剰労働と寝込むことを繰り返し、健常者に仕事の量と質で勝つことが大事です。

また、この量についても「限界費用ゼロ」と「錯覚資産」で盛り盛りに水増しすることが、極めて重要になります。
「うつの人の起業では、寝込みたいときはいくらでも寝込んでいい」という話をします。
いくらでも寝込んでいいのです。
寝込んでいるときは、元気になったら寝込んでいた分の仕事も取り戻そうとか、そういう真面目くんみたいなことは考えなくてもいいです。ただ寝ているだけでいい。
それがその人の仕事だと私は考えます。
事前に自動化さえできていればいい 多少元気が出てきたら、モチベーションとか難しいことは考えず、とにかく意識を飛ばして、仕事をどんどんノンストップにこなすことが大事となります。
そして疲れてきたら、また寝込めばいい。
そのときにまた、起きたら寝込んでいた分を取り戻そうとか、そういうことを考える必要はないです。
とにかく寝込んで寝込んで寝込んで、いつか元気になる日を待てばいいのです。
「こんなに寝込んでいて問題ないのか」と言う方もいるでしょう。
たしかに、AIとかARとかVRとか今流行りのビジネスだったり、トレンドブログのような芸能界のあれこれにすぐ反応しなければいけないブログを運営していたら、そんなに寝込んでいると潰れるでしょう。
ただ、世の中のたいていの商売、特にネットビジネスの場合は、事前に自動化さえできていれば、寝込みたいときは寝込んでいてもなんの問題もありません。

大事なのは「変化対応」していくことです。
ちょっとでも元気なときに勇気を出して行動することも「変化対応」です。
ただ、体調が悪いときにはちゃんと休むことも「変化対応」です。
寝込むことも、「うつ起業」することも「変化対応」として等しく価値があることです。
状況が悪いときはダンマリを決め込み、状況がいいときは徹底的に積極的に行動する、これはうつ病患者に限らず、起業全般に大切な起業の真理です。
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2021年06月20日

「社会への不満は何ですか?」中年男性たちの怒りは、コロナ行政や上級国民へ

「社会への不満は何ですか?」中年男性たちの怒りは、コロナ行政や上級国民へ
2021年06月19日 SPA!

コロナ禍で揺れる日本。
今、そのど真ん中で生きる中年男性たちは何を考えているのだろうか?
 そこでSPA!は、40〜55歳の男性会社員3300人(既婚2500人、独身800人)の大調査を敢行。
今回は社会篇。「社会に対して抱える不満は何ですか?」に寄せらてた回答からみえた中年男性たちの実像とは……。

◆社会に対して抱える不満は何ですか?
 現在の社会状況を考えれば当然の結果とも言えるが、中年の怒りの矛先は今、「コロナ禍での行政の在り方」にもっとも向けられている(3300人中48.6%が不満、複数回答可)。
 一方で、労働環境に不満を覚えている人は少なく、「『上級国民』のエゴ 27.5%」や「利権構造や責任逃れ 20.8%」といった、より政治的な問題に目が行く。

 実際、「オリンピックの人材募集の予算に象徴されるように、政治家と繋がっている人たちが甘い蜜を吸える。真面目に働くのが馬鹿らしい」(45歳・小売り)といった“上級”への憤りが寄せられた。

◆仕事の不満は解消しにくい
 こうした背景について、中年の抱える社会問題に詳しいフリーライターの赤木智弘氏はこう読み解く。
「40・50代になれば、社会的な評価や職場での地位が定まってくるため、自身の生活に密着した労働環境などの不満は解消しにくく、そこに不満を持てば逆にストレスになるだけ。
代わりに、やり場のない怒りを、仕事とは直接関係のない社会的な“強者”にぶつけることで発散しがちになります」

 また、「ネット上の言葉の暴力 19.3%」に嫌悪感を露わにした中年も少なくない。
「ネットでは、一部のクラスターの意見に便乗してストレスをまき散らしているだけの主張も少なくない。
彼らの怒りを鵜呑みにするとイタい中年になってしまうので、多くの人は賢明に対処していると思います」

◆年収の違いで結果に差
 さらに、年収の違いによって、結果に差が見られたのが「不満がない 13.4%」だ。
内訳を詳しく見ると、年収1000万円以上で約10%に対し、年収300万円台では約16%と、なぜか低年収になるほど不満が減っていく現象が見られた。
「年収100万円、200万円台に比べ、『自分はまだマシ』と下駄を履かせているのかも。
ただ、アンケートを通じて、身近な問題ではなくマクロな政治や国際情勢へ怒りを向ける傾向が強いのは気になります。

 僕らロスジェネ世代は、当事者が声を上げなければ誰も救ってくれない。
だから、日本の未来より自分たちの将来を優先したほうがいい。
『若い世代に同じ苦労をさせたくない』と言っているうちに、10年後に自分たちが見捨てられていたら本末転倒です」
 身近な暮らしを好転させるには、まず声を上げることが大切だろう。

◆「ニッポンの中年」社会の3か条

・自分の抱える不満から目を逸らさない
・ネット上の主張を鵜呑みにしてはいけない
・「社会のため」よりまず「自分のため」でいい

【フリーライター 赤木智弘氏】
貧困問題を中心に、社会に蔓延する既得権益層に都合のいい考え方を批判。
著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(朝日新聞出版)
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2021年06月21日

ワクチン接種直後196人死亡で考える「打つべき人」と「打たないほうがいい人」

ワクチン接種直後196人死亡で考える「打つべき人」と「打たないほうがいい人」
6/20(日)  NEWSポストセブン

 7万2000人に1人──その数を多いと感じるか、少なく感じるかは人それぞれだが、これが新型コロナウイルスワクチン接種後に亡くなった人の割合である。
ワクチン接種が前倒しスケジュールで進む中、いま一度、「メリット」と「リスク」を考えるべきときだ。

 新型コロナウイルスのワクチン接種が加速し、「1回目」を終えた65才以上の高齢者は3割に達した。
東京と大阪の大規模接種会場では予約の空きが目立つようになり、6月17日から18〜64才への接種が始まる。
また、これから先、各市区町村でも各自の裁量で64才以下の接種が始まっていく。
 たとえば若年層の感染者が多い東京・新宿区は20〜30代の予約を優先する。
沖縄や奈良など観光が盛んな地方では、宿泊業や飲食店の従業員を優先する動きがある。

小池百合子東京都知事は「暮らしに直結するエッセンシャルワーカーにいち早く接種させていただく」との方針を打ち出した。
 だが、国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんは、「年齢」や「職業」による優先順位の割り振りに異を唱える。
「重要なのは、年齢や職業をひとまとめにして優先順位を決めるのではなく、個々の持病や副反応を考慮して、接種を判断することです。
 ワクチン接種は個人の状況に応じた『メリット』と『リスク』があります。
仮にワクチンを打たずコロナに感染するとして、自分は重症化したり死んでしまう可能性が高いと判断するなら、多少の副反応のリスクがあっても、接種して感染をできるだけ避けるというメリットを選ぶことが賢明です。

 一方で、ワクチンを打つことで命にかかわる副反応が生じるリスクがあると予測できれば、接種しないという選択肢が出てくる。
そうした可能性を突き詰めて、“長所が短所を上回るかどうか”をしっかり見極める必要があります」(一石さん)

 ワクチンを打つべきか、打たざるべきか──その境目はどこにあるのか。
厚生労働省が優先接種の対象として指定するのが「基礎疾患」を持つ人だ。
 厚労省のリストでは、「慢性の呼吸器の病気」「慢性の心臓病・腎臓病・肝臓病」「血液の病気」「睡眠時無呼吸症候群」など15項目の基礎疾患が指定されている。
血液内科医の中村幸嗣さんが指摘する。
「たとえばヘビースモーカーで咳が頻繁に出る人は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という慢性の呼吸器の病気が疑われます。肝機能を示すγ-GTPの数値が悪ければ、アルコール性肝炎や慢性肝炎に該当する可能性があります。
いびきがひどい人が受診すれば、睡眠時無呼吸症候群と診断されて、地域によっては優先接種の対象になるかもしれません」

 医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが「優先接種すべき」と指摘するのは次のような人たちだ。
「ワクチンを早めに打つべきなのは、コロナに感染すると重症化しやすいと考えられる人です。
たとえば免疫不全の人がコロナにかかると免疫が働かずに重症化しやすいし、糖尿病や肥満なども血管がもろくなっていて、ひとたび感染したときの危険性が高くなる。
コロナは一律に重症化したり、死亡したりする病気ではないので、重症化するリスクが高い人ほど早めに接種した方がいい」

 意外な研究結果もある。
慶應大学らの共同研究グループによれば65才未満で血液型がAB型の人は重症化リスクが高く、リスクが最も低いO型に比べて1.6倍高かった。
 欧州20か国を対象とし、精神医学誌「ランセット・サイカイアトリー」に掲載された調査では、統合失調症や双極性障害など精神疾患を抱えている人は、コロナ感染による死亡率が1.5〜2倍になった。
研究者はその結果から、「精神疾患の患者はワクチン接種を優先すべき」と訴える。

気をつけるべき人は小柄な女性
 逆に副反応リスクが高いのはどういう人だろうか。
 日本では、2月17日から6月4日までにワクチンを接種した約1412万人のうち、196人が死亡。
割合にすると、7万2000人に1人がワクチン後に亡くなったことになる。
厚労省が分析を行った139例の死因トップは出血性脳卒中(31件)で、以下、心肺停止(19件)、心不全(17件)が続いた。
 死亡者のタイプでは、心房細動や腎不全、脳梗塞などを有する人が目立つ。
「厚労省は接種に際し、『心臓、腎臓、肝臓、血液疾患などの基礎疾患がある人は注意が必要』と指摘しています。
実際に心臓や腎臓、肝臓などの主要臓器に重篤な疾患を長期間患っている人は、外からはわからないが血管などの状態が悪化していることがあり、突然死のリスクが高く、ワクチン接種に伴うストレスが引き金になる可能性もあります」(中村さん)

 5月28日には、兵庫県神戸市の73才女性がワクチンを打った後に容体が急変。
呼吸が荒くなり緊急搬送されたが、病院に着いたときにはすでに心肺停止状態だったという。
接種から3時間半あまりで死亡した。
女性には、15年前から糖尿病の持病があった。

 この女性のように、糖尿病や高血圧、高脂血症や肥満などの生活習慣病を持つ人が死亡するケースも数多い。
「生活習慣病があると、動脈硬化が進んで血管にダメージが蓄積します。するとワクチン接種による免疫反応性の炎症によって出血や血栓が生じやすくなり、副反応のリスクが高まると考えられます」(中村さん)
 不整脈や血栓症などに処方されるワーファリンをはじめとする「抗凝固薬」、いわゆる「血液をサラサラにする薬」を服用している人も要注意。
「それらの薬を服用している人は、血管からの出血が止まりにくくなります。
たとえばワクチンによる免疫反応によって毛細血管から出血するようなことがあれば、止まらないと脳出血などのリスクが高まります」(中村さん)

 4月2日には、前日に2回目のワクチン接種を受けた62才男性が自宅の浴槽で意識を失って死亡した。
 男性は肥満体形で糖尿病を患っており、血液をサラサラにする抗血栓薬を服用していた。
死因は入浴中の「溺死」だったが、接種により血管性の疾患が生じた疑いがある。
 持病や薬の服用のほかに、上さんが注目するのは「ワクチンの量」だ。
「日本人は欧米人より体が小さいのに同じ量のワクチンを打ちます。
日本人女性の平均体重は45kgで、アメリカ人男性の平均体重90kgとは2倍の差がありますが、接種するワクチンの量は同じです。
日本は欧米に比べて高齢者の死亡例が多い印象ですが、ひょっとするとワクチンの量が関係しているかもしれません。
特に小柄な女性は注意した方がいい」(上さん)

 亡くなった196人のうち103人が40才以上の女性で、同男性の約1.2倍だった。
 死までにはいたらない副反応も女性に多い傾向がある。
国内では5月2日までにアレルギー反応を示すアナフィラキシーが起きた107人のうち、実に99人が女性だった。
 海外も同様で、アメリカのCDC(疾病対策予防センター)が約1380万回分の接種データを分析したところ、接種後に副反応を訴えた人のうち78.7%が女性で、スイスでも副反応が出た597例のうち68.7%が女性だった。

「20〜30代の女性の50%は、2回目の接種後に37・5℃以上の発熱があるとのデータもあります。
接種時の状態によって過呼吸などの症状が出やすくなることも報告されています。
 原因としてまず考えられるのは、エストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの影響です。
女性はホルモンバランスが一定でなく浮き沈みがあるため、どうしても精神的にやや不安定になるためでしょう。
 また、化粧品に含まれるポリエチレングリコール(PEG)はファイザー製とモデルナ製のワクチンに含まれます。
過去に化粧品を通じて長くPEGと接触していると接種時にアレルギー反応が生じてアナフィラキシーが発症する可能性があります。
あくまで仮説ですが、化粧品にかぶれやすい人は気をつけた方がいいかもしれません」(中村さん)

一石さんは「やせ型の若い女性」のリスクを指摘する。
「注射時の緊張や恐怖により、心臓や血管の働きを調節する副交感神経が過剰に働いて心臓の動きが弱くなり、脳への血流が減少する『血管迷走神経反射』が生じる可能性があります。
若くやせ型の女性で起きやすいとされ、立ち眩みのように倒れてけがをする危険性があります」

 子供へのワクチン接種も、国論を二分している。
 いままでの日本においてのコロナ感染による死亡者は、60代以上の1万人超に対し、10代の死者はゼロだ。
 12〜15才への集団接種を始めた京都府伊根町に「人殺しに加担している」と批判が殺到。
岡山県総社市も小・中学生への集団接種を予定していたが批判が集まったため取りやめ、個別接種に切り替えた。

 上さんは「10代の接種の意義はある」と指摘する。
「この先は国内の流行が変異株であるインド株に急激に置き換わると考えられます。
インド株は若年層でも多く感染して重篤化する可能性がある。
若年層から上の世代に感染を広げていくリスクもあるため、10代からワクチンを接種して感染拡大を食い止めることは合理的です」(上さん)
 小・中学生の接種は保護者の同意が前提となるので、「メリット」と「リスク」をしっかり考えたい。

 ワクチンを接種すべきかどうかは個々の状況で異なる。
特に持病がある人は、判断に迷うかもしれない。
その場合は、専門家に相談するのがベストだ。
「接種の際に不安な点があれば、まずはかかりつけ医に相談すべきです。
かかりつけ医がいない人は、これまでの病歴がわかる資料やお薬手帳などを持参して、ワクチン接種会場の問診医に尋ねてみてください」(一石さん)

 メリットとリスクを天秤にかけて最適の選択をしたい。

   ※女性セブン2021年7月1・8日号
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2021年06月22日

有吉弘行 辛坊治郎氏のヨット横断を“祝福”も「だから?」「お好きで仕事休んで、お好きにやってる」

有吉弘行 辛坊治郎氏のヨット横断を“祝福”も
「だから?」「お好きで仕事休んで、お好きにやってる」
6/20(日) 東スポ

 お笑いタレントの有吉弘行(47)が20日、JFN系ラジオ「SUNDAY NIGHT DREAMER」に出演。
ヨットでの太平洋無寄港単独横断に成功したフリーキャスターの辛坊治郎氏(65)を“祝福”した。

「辛坊治郎さんがヨットで太平洋横断2か月で達成、木曜日にアメリカ・サンディエゴに到達…」と突然、ニュース原稿を読み始めた有吉は「だから?」とにやり。
 さらに「お好きでやって、お好きでお仕事休んで、お好きにやってらっしゃるわけですから。はい、ありがとうございます。お疲れさまでしたっていうことですけども」と続けた。

 険のある物言いに、アシスタントの「タイムマシーン3号」山本浩司が「すごいですね、でいいじゃないですか」と諭すと、有吉はまたも「お好きにやってすごいですねっていうね」と皮肉っぽくコメント。

 だが、その上で「ヨットがすごいというのもあるけど、そんだけの趣味持てるというのはいいなあと思うね。
仕事やめてもいい、それぐらいの覚悟で趣味に没頭できるかというと、ないじゃん?」と指摘し「俺は何かなあ? マジで銀行強盗ぐらいしかない。
『オーシャンズ11』みたいな、あんな犯罪にでも関わらない限りないと思うね」と笑いを誘った。
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2021年06月23日

日経平均株価950円急落でパニック状態 市場が恐れる「9月暴落説」

日経平均株価950円急落でパニック状態
市場が恐れる「9月暴落説」
6/22(火) 日刊ゲンダイ

 株価急落に市場はパニック状態だ。
21日の日経平均株価は、前週末から953円15銭も下落し、2万8010円93銭で取引を終えた。
下げ幅は今年2番目。
これで4営業日続落である。
景気敏感株など幅広い銘柄が売られ、93%の銘柄が値下がりした。

 株価下落のきっかけは、アメリカの“利上げ”観測だ。NY市場も18日、ダウが500ドル以上も値下がりし、東京市場もこの流れを受けて下落した。
大手証券マンがこう言う。
「マーケットの潮流が、大きく変わったのだと思う。
この1年、世界中の株価が上昇したのは、世界各国が思い切った“金融政策”と“財政政策”を実施し、市場にカネを流したのが原因です。
異常なカネ余りによって株、債券、不動産が値上がりし、木材や穀物まで高騰した。
しかし、とうとうアメリカにインフレ懸念が起こり、アメリカ当局が引き締めに動きはじめてしまった。
市場からカネが引き揚げられれば、株価が下落するのは当然です」

■東京五輪がとどめ
 この先、日本の株価はどうなるのか。
9月暴落説も囁かれている。
「年末1万3000円もあり得ます」と、経済評論家の森永卓郎氏はこう言う。
「株価の指標の1つに、シラーPERがあります。
シラーPERが25倍に近づいたら株価の天井が近いとされています。
2000年のITバブルは、79カ月間、25倍が続き結局、崩壊してしまった。

足元の株バブルは、85カ月も続いている。
もともと、いつバブルが崩壊してもおかしくない状態なのです。
この夏、東京五輪が開催されることも懸念材料です。
昭和39年の東京五輪の翌年には証券不況が起き、北京五輪の後にも株価が暴落している。
大規模なインフラ工事が行われるので、五輪開催までは好景気が続くが、五輪が終わると不況に陥りやすい。

とくに、この夏のオリンピックは、日本のメダルラッシュが予想され、お祭り騒ぎとなり、結果的に新型コロナウイルスの感染爆発が起こる恐れがある。
オリンピックとパラリンピックが終わった9月、再び“緊急事態宣言”が発令されかねない。
そうなったら、また景気が悪化し、株価も下落する可能性があります」

 東京五輪が株価にとどめを刺すことになるのか。
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2021年06月24日

幸せを感じられなくなったときの心の処方箋

幸せを感じられなくなったときの心の処方箋
私たちの幸せは“自由”にある
2021.6.23 Diamondオンライン
クルベウ 藤田麗子

季節の変わり目。急な気温の変化に、心身に疲れが出やすくなる人も多い。
寝ても疲れが取れない、ちょっとしたことですぐ不安になる、自分だけが取り残されているように感じる……という人にぜひ読んでほしいのが、2021年4月14日に発売後、ネット書店、リアル書店で売り切れが続出、発売1ヵ月半で5刷重版が決定した『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著 藤田麗子訳)だ。

原著は韓国で2020年7月に発売。発売後5ヵ月で6万部を突破し、韓国の大手書店でもベストセラーランキング入りしている。
日本の読者からは「このタイトルは私そのもの」「すべての文章が刺さった」「大切な人にプレゼントしたい」と共感・絶賛の声が相次いでいる。
著者のクルベウ氏は事業に失敗し、自分を励ますためにSNSに投稿していた癒しの言葉が多くの共感を集め、2015年に作家デビュー。
処女作『心配しないで』はBTSのファン感謝イベントでJ-HOPEから「メンバーのJINにおすすめしたい本」として紹介され、ファンの間で「BTSおすすめの作家」として話題に。
クルベウ氏は韓国では著書累計55万部を突破するなど、「韓国のSNS作家として一番人気」との呼び声も高い。
「自分らしく、豊かに生きるためのメソッド」が詰まった本書。
今回は、日本版の「私たちの幸せは“自由”にある」から、一部抜粋・編集して紹介する。

「幸せ」を感じる瞬間とは?
「私は氷水が好き」という人でも、とても寒い冬がやってきて身体が冷えれば、氷水を飲まなくなる。
「歩くのが嫌い」という人も、自分の胸を弾ませる恋人と美しい道を歩くときは歩くことが苦痛ではなく、幸せになる。

私たちは“何をしたから”幸せになるのではなく、状況に合わせて、自分の望みが叶えられたときに幸せを感じる。
それを一言で表現するとしたら、「自由」だ。
私たちは自由なときに幸せを感じる。
逆に、自由でいられないときは、不幸だとたびたび考えるようになる。

話したくない相手とやむを得ず会話を続けなければならないときに、「話さない」という自由が選べなければ、不幸だと感じる。
働きたくないのに、働き続けなければならないとき、食べたいものがあるのに食べられないときも、自由が奪われたように思えて、不幸だと感じる。

しかし、自分の求める“自由”があれば、他人の目には大変そうに見えたとしても、本人は幸せだ。
極寒の中でずっと登りたいと思っていた高山に登る人、自分の意志でとても遠くにいる恋人に会いに行く人。
幸いなことに、自由な人生とは誰かに授けられるものではなく、生きていく中で自分が選択できるものである。
誰でも自由に生きる権利を持っているのだ。

今こそ「自由」を選択しよう
しかし、自由に生きることを阻む思考がある。
「私はみんなと同じじゃないといけない。 他の人々に後れを取ったり、ちがうことをしてはいけない。 そうしないと、間違った人生になってしまう」 こんなふうに考えていては、自分らしく自由に生きることはできない。
「過去の誰かのせいで、あるいは、過去の出来事のせいで私は不幸だ」 こんな考えもまた、あなたの“現在”から自由を奪う。

過去にとらわれていると、現在を自由に生きることができず、何1つまともにできなくなってしまう。
「私は何をやってもダメ。もう遅い。私にできるわけがない」と、自分で自分の限界を決めてしまう思考のクセもあなたの自由を阻む。
それは、広大な土地にとても小さな円を描き、そこから出てはいけないと自分に言い聞かせて、その中だけで生きていくようなものだ。

あなたの自由は誰かに授けられるものではなく、誰かの許可によって発生するわけでもない。
「今の選択」によって決まる。
何もかも自分の望みどおりにはならないとしても、ずっと自由がなくて不幸だという気がしているのなら、今までもどかしさに苦しんできたのだとしたら、今こそ、これまで選べなかった自由を選択すればいい。
どう進めばいいのか、人生の方向性がわからなくなったら、「自由」に向かって進んでみよう。

(本原稿は、クルベウ著 藤田麗子訳『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』から一部抜粋・改変したものです)
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2021年06月25日

ヤマトに食われる日本郵便「小型荷物」減少の深刻

ヤマトに食われる日本郵便「小型荷物」減少の深刻
メルカリ向けを巡り、両社で明暗がわかれる
2021/06/24 東洋経済オンライン
佃 陸生 : 東洋経済記者

「日本の物流イノベーションに挑戦したい」――。
日本郵便の衣川和秀社長が未来を語るウラでは、小型荷物が競合へと流出していた。
2021年4月の宅配便の取扱個数を大手宅配3社で比較すると、今年に入ってからの日本郵便の独り負けがわかる。

競合のヤマト運輸は前年同月比で10.4%増の1億7219万個、佐川急便は同5.4%増の1億2000万個と堅調だった一方で、日本郵便は同13.9%減の8067万個と、前年水準を1割ほど下回った。
5月14日に開催された2021年3月期の通期決算説明会の場で、日本郵便の上尾崎幸治執行役員は「2021年1〜3月期の荷物数の伸び幅は、直前の2020年10〜12月期の伸び幅と比べて弱い。
同業他社が攻勢をかけており状況は厳しい」と語っていた。

メルカリの小型荷物がヤマトに流出
とくに深刻なのが、日本郵便の宅配便の取扱個数のうち45.5%(2021年3月期)を占める「ゆうパケット」だ。
「ゆうパケット」は、厚さ3センチメートル以内の小型荷物に特化したサービスで、EC(ネット通販)の荷物やフリマアプリ「メルカリ」で売買された商品の受け渡しで利用されることが多い。

2020年前半は巣ごもり需要でメルカリの利用頻度が高まったことが後押しし、ゆうパケットの取扱個数は順調に増加していた。
ところが2020年10月以降、ゆうパケットの取扱個数は停滞し、2021年4月には前年同月比で21.3%減の3697万個と大きく落ち込んだ。

ゆうパケット不振の背景にあるのが、競合サービス「ネコポス」を手がけるヤマトの攻勢だ。
2020年10月、日本郵便はメルカリ向け配送サービスで、ゆうパケットの配送料の値上げに踏み切った。
メルカリからの荷物が足元で好調に増えていたため、多少値上げしても影響は限定的だと踏んでいたのだ。
同年4月に発令された緊急事態宣言下では、メルカリの利用者が急増し、荷物を発送するために郵便局の窓口に行列をなすこともあった。
ところが、日本郵便の読みは甘かった。

競合のヤマトはメルカリからの荷物を確保すべく、むしろネコポスの配送料の値下げに転じた。
これに伴い小型荷物の利用者が日本郵便からヤマトに流出し、ゆうパケットは大打撃を受けた。
その一方で、ネコポスは大幅に取扱個数を伸ばしている。
直近の2021年4月の取扱個数は3126万個で、前年同月比で50.9%も増加した。

日本郵便の衣川和秀社長は「足元では宅配便も苦戦しているが、差し出しやすさ・受け取りやすさ、という利便性を向上させることで荷物を取り戻したい」と語る。
実際、2020年11月に日本郵便はメルカリと連携し、小型郵便を郵便局の窓口やコンビニで出荷する必要がなく、直接郵便ポストから発送できるサービス「ゆうパケットポスト」を始めた。
それでも、ネコポスの価格攻勢に押され、ゆうパケットの減少は免れなかった。

小型荷物の競争が激化するなかで、日本郵便にとって頼みの綱となるのが楽天だ。
2021年7月に両社は合弁で「JP楽天ロジスティクス」(出資比率は、日本郵便 50.1%、楽天 49.9%)を設立し、物流拠点の共同運営をするなど連携を強化している。
さらに、日本郵便は2025年度の宅配便の取扱個数を13.6億個と見込んでいるが、そのうち約22〜36.7%を占めるおよそ3〜5億個が、楽天から配送受託する荷物になる想定をしている。

日本郵政の増田寛也社長は「楽天からの配送受託は安定しており、大きく荷物を拾っていく」と期待を寄せる。
日本郵便は業績不振が続く見通し だが、そうした荷物が業績に貢献するのにはまだ時間がかかりそうだ。
日本郵便の足元の業績も厳しく、2021年3月期の通期決算は減収減益となった。

2022年3月期も柱である郵便・物流事業の減少をカバーできず、営業利益は前期比50%減の650億円で、大幅な減益となる見通しだ。
郵便物減少による事業縮小は中長期的にも避けられない。
2021年5月に公表された日本郵政グループの中期経営計画によれば、最終的には業績が上向く想定の金融2社とは異なり、日本郵便だけは業績不振が続く見通しだ。
郵便・物流事業は、2025年度に営業利益330億円を見込んでいるが、これは2020年度比で7割超の減益となる。
宅配便の荷物確保が進まない日本郵便は、業務効率化による収益改善を先行して進める構えだ。

2025年度までの5年間で、日本郵便は約3万人相当分の業務を削減することで人件費を1600億円減らす計画を掲げている。その際、郵便・物流事業のオペレーション改革にはおよそ1000億円が投じられる。
これまでも日本郵便は、先端技術の実用化によるオペレーション改革を積極的に進めてきた。
2020年6月から物流ベンチャー2社と協業し、配送業務の支援システムを試験導入。スマホ画面上で配送状況に応じた最適なルートを提案するなど、ドライバーの業務負荷低減と新人ドライバーの即戦力化を急いでいる。

同システムは、2022年3月末までに最大500の郵便局での導入を目指す。 また、ロボットやドローンを活用したラストワンマイル配送も着々と進める。
2020年10月には日本初となる配送ロボットの公道走行の実証実験を行い、2021年6月15日にはドローン専業メーカーの自律制御システム研究所(ACSL)と資本業務提携を発表した。
日本郵政キャピタルはACSLに約30億円を出資し、2023年度をメドにドローン配送の実用化に向けて連携する構えだ。
日本郵便の衣川社長は「ドローン配送はコスト削減にも一定の効果があると思っている。ローコスト化を進めて収益向上につなげたい」と期待を寄せる。

ドローンで配送時間が半減
日本郵便とACSLは2017年から実証実験を重ねており、2019年には無人地帯で、ドローン操縦者が直接視認不可で、補助者なしの「レベル3飛行」による宅配便の配送を実現している。
東京都奥多摩町で行った実証実験では、配送にかかる時間を従来の半分に減らすなど、一定の効果を得られたという。
日本郵便とACSLは郵便物や小型荷物の配送でドローン活用を目指す(写真:記者撮影) 日本郵便の五味儀裕オペレーション改革部長は「とくに人口の少ない地域では物流の担い手を確保するのが難しくなっている。
配送効率の悪いエリアでドローンを活用するなどの業務改革が、郵便・物流サービスを維持するうえで不可欠だ」と語る。

とはいえ、ドローン配送などのインフラを整えても運ぶ荷物がなければ意味がない。
楽天以外の顧客からも十分な荷物を確保できなければ、日本郵便の収益改善は遠のいてしまう。
楽天と連携強化しつつも、それ以外の顧客を囲い込めるか。
オペレーション改革以外にも日本郵便の物流事業には課題が山積している。
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2022年、高齢者医療費負担が2割に上昇!慌てる前に確かめるべき「実態」

2022年、高齢者医療費負担が2割に上昇!
慌てる前に確かめるべき「実態」
2021.6.25 Diamondオンライン
早川幸子:フリーライター

医療制度改革関連法の成立により2022年から、現在医療費の窓口負担が1割だった後期高齢者の一部の負担が、2割に引き上げられることになった。
是非を巡りさまざまな議論がなされているが、その引き上げの“実態”はどうなるのか。
連載「知らないと損する! 医療費の裏ワザと落とし穴」の第224回では議論に紛れて見落とされがちな「高齢者医療費の値上げの実態」について取り上げる。(フリーライター 早川幸子)

75歳以上の高齢者、医療費の窓口負担が2割になるのはどんな人?
 6月16日、第204回通常国会が閉幕した。
今回は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「改正新型インフルエンザ特措法」、憲法改正の国民投票を行うための「改正国民投票法」などの61本の法案が成立した。
医療分野では「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(医療制度改革関連法)」が、6月4日の参議院本会議で可決、成立した。

この法改正で、耳目を集めていたのが、75歳以上の高齢者の医療費の自己負担割合をめぐる問題だ。
いわゆる「医療費2割負担法」である。
 決着までには、診療側と支払い側、双方の論戦が繰り広げられたが、引き上げ対象の範囲で政治的な駆け引きが行われた末に、関連法は成立した。

 2022年は、いわゆる「団塊の世代」の先頭集団が75歳となり、後期高齢者の仲間入りをする年である。
そのため、現役世代の健康保険料から負担する後期高齢者支援金の増加が見込まれている。
そこで、22年10月から、75歳以上でも一定以上の所得がある人の医療費の自己負担割合を、これまでの1割から2割に引き上げることになったのだ。
 実際には、どのような人が引き上げ対象となったのだろうか。
次ページから詳しく見ていこう。

*22年から自己負担が2割に増えるのは、本人年収200万円以上の後期高齢者
*激変緩和措置の導入によって25年までの3年間は負担増が最大月額3000円に
*高額療養費制度により外来での自己負担は月1万8000円が上限
*負担増対象者は約370万人で1人当たりの平均自己負担額は年間2万6000円の増加に

現役世代への負担軽減目指し全世代負担型に移行 でも対象は「一定以上の所得がある人」のみに限定
 近年の医療制度改革は、13年8月に出された「社会保障制度改革国民会議」の報告書で描かれた青写真に沿って行われている。
この報告書では、「給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心」という負担と給付の関係を見直して、「全世代型の社会保障に転換する」という方向性が示されている。
 高齢者に対する福祉は高度経済成長期に公的な年金保険や健康保険が整備されることによって充実してきた。
その一方で、90年代以降、雇用環境の悪化によって若い世代にも貧困が見られるなど、負担と給付のあり方が問題になっているからだ。

 そこで、ここ数年の改革では、従来のように一律に年齢で区切るのではなく、高齢者でも一定以上の所得がある人には、相応の負担を求めるような見直しが行われている。
 ただし、前出の報告書では、同時に「低所得層への配慮」という言葉も繰り返し使われている。
また、75歳以上の人の医療費の窓口負担について言及した、19年12月の「全世代型社会保障検討会議」の中間報告書では、次のように、具体的な方向性が示されている。

後期高齢者の自己負担割合の在り方 (中略)

・後期高齢者(75歳以上。現役並み所得者は除く)であっても一定所得以上の方については、その医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方については1割とする。
・その際、高齢者の疾病、生活状況等の実態を踏まえて、具体的な施行時期、2割負担の具体的な所得基準とともに、長期にわたり頻繁に受診が必要な患者の高齢者の生活等に与える影響を見極め適切な配慮について、検討を行う。

 このように、医療改革を進めるための国の文書では、低所得層に配慮することが示されている。今回の見直しも、75歳以上の全ての人の窓口負担を引き上げるのではなく、一定以上の所得がある人のみに限定された。

適用範囲は利害関係者の攻防の末 年収200万円以上で政治決着した
 現在、75歳以上の後期高齢者の医療費の自己負担割合は、原則的に1割だ。
ただし、年収383万円以上(単身者、課税所得145万円以上)の現役並み所得者は、すでに3割を負担している。
 今回、自己負担割合の引き上げ対象になったのは、これまで1割負担だった人の中で、所得が上位に位置する人だ。
 引き上げ議論の争点となったのは、対象にする人の年収ラインで、厚生労働省が20年11月19日の社会保障審議会(医療保険部会)で示したのが、次の五つの選択肢だ。

1は、本人の年収240万円以上で、介護保険の2割負担の対象者の割合と同じで、約200万人が対象。
2は、70〜74歳の平均収入額を上回る水準の人で、約285万人が対象になる。  
3は、平均的な収入で算出した年金額を上回る水準で、約370万人が対象。  
4は、本人に所得税の課税対象となる所得がある水準で、約520万人が対象。  
5は、本人に住民税の課税水準を超える所得がある人で、約605万人が対象。  

この案が示された後も、利害が対立する人々の間で意見が割れた。医療団体などの診療側は、患者が受診を抑制することを懸念して、できるだけ引き上げ適用の範囲を狭めるように求めていた。
一方、後期高齢者制度への支援金を抑えたい健保組合などの支払い側は、原則2割負担を提案した。
また、この秋に衆議院議員選挙を控えていることもあり、政府与党内からも有権者に配慮して適用範囲を広げない声が聞かれた。
だが、最終的には、与党内での話し合いで、3の平均的な年金水準である本人年収200万円以上のラインが採用されて政治決着した。

 では、75歳以上で窓口負担が2割となる所得水準と、具体的な負担増のイメージを確認してみよう。
激変緩和措置の導入によって 3年間は負担増が最大月額3000円に  75歳以上の人が、2割負担になるかどうかの線引きは、「所得」と「収入」の二つで判断される。  まず、所得は、年金や勤務先からの給与などの合計から、必要経費や各種控除を差し引いた課税所得が28万円以上あるかどうかを確認する。
課税所得が28万円未満なら、1割負担のままだ。
 課税所得が28万円以上でも、全ての人が2割負担になるわけではない。
 課税所得のほかに、収入にも判断基準があり、単身者は年収200万円以上が引き上げライン。夫婦2人など、75歳以上の人が2人以上の世帯は、収入の合計が320万円以上になると2割負担になる。
 ただし、激変緩和措置として、22年10月から3年間は、外来(通院)での窓口負担の増加額が最大でも月額3000円までに抑えられることになっている。
 例えば、1カ月当たりの医療費が5万円の場合、1割負担だと窓口で支払う自己負担額は5000円。2割負担になると、自己負担額は1万円となり、これまでより5000円負担が増えることになる。だが、25年10月までは経過措置によって、負担が増えた5000円のうち、患者が支払うのは3000円までになる。実質的に負担するのは8000円なので、当面は、通院の医療費が単純に2倍になるわけではない。

 さらに、今回の引き上げ対象となる所得層には、高額療養費に通院のみの上限額(外来上 高額療養費は、1カ月に患者が支払う自己負担額に上限を設けることで、医療費が家計に過度な負担とならないように配慮した制度だ。手術や化学治療などを受けて医療費そのものが高額になっても、自己負担するのは一定額までで、通常の負担割合より少ない額になる。
 75歳以上の人の高額療養費の限度額は、所得に応じて6段階に分かれているが、今回の引き上げ対象となった年収200万〜383万円(単身者の場合)の人には、入院(世帯単位)の限度額とは別に、外来のみの限度額が設けられている。

 この所得層の人の外来上限特例は、月1万8000円(年間上限14万4000円)が限度額となっており、どんなに医療費が高額になっても、外来で自己負担するのは月1万8000円までだ。  例えば、1カ月にかかった外来の医療費が15万円だった場合、単純に計算すると、1割だと自己負担額は1万5000円。2割になると3万円になると思うかもしれない。だが、このケースでは、外来上限特例が適用されるので、自己負担するのは1万8000円まででよい。

 厚生労働省の試算では、今回の見直しで2割負担となるのは約370万人で、全体の23%。
1人当たりの平均自己負担額は、年間2万6000円の増加となっている。
 病気やケガをするのはつらいことだし、そのための医療費が増加するのも喜ばしいことではないだろう。
だが、経過措置や高額療養費があるので、自己負担割合が1割から2割に引き上げられても、単純に医療費が2倍になるわけではない。

 負担増に対する備えは必要だが、対象となるのは一定の年金収入が見込まれる人なので、年間2万6000円程度の増額なら、家計を見直せば、なんとか捻出できる金額ではないだろうか。  高齢者の自己負担割合の引き上げについて、不安をあおるような報道も見かけるが、見直しの内容を正しく理解したうえで、自分はどのように医療費に備えるかを考えたい。
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2021年06月27日

東京五輪"応援する気になれない"という声「学校の部活だってできていない」「利権まみれだ」

東京五輪"応援する気になれない"という声
「学校の部活だってできていない」「利権まみれだ」
2021年06月26日 キャリコネ

東京五輪開催まであと1か月を切った。
政府は開催する方向で舵を切っているが、今なお反対の声は根強い。
キャリコネニュース読者からは、「コロナ感染のリスクも高く、お祭り気分になれない」(東京都/50代女性/福祉・介護)というように、このコロナ禍で純粋に応援する気持ちになれないという声が多数寄せられている。
いつもの五輪とは明らかに違う東京五輪。素直に応援できない気持ちはわからなくはない。(文:林加奈)

「今はコロナの感染を抑えるのが優先。五輪なんてやっている場合ではない!」
事務・管理の50代男性も「今の時期、コロナ感染を抑えるのが第一優先されるべきで、オリンピックなんてやっている場合ではない!オリンピックは利権まみれで正直応援する気になれない」(神奈川県)と反対姿勢を見せる。
別の50代男性は、複雑な胸中をこう語る。
「五輪選手には気の毒だが、何年も甲子園や多くの出場大会を目指してきた選手たちには感染防止のため強制的に諦めさせ、自粛を求められてきた。五輪だからといって素直に応援できない」(神奈川県/専門職)
確かに、コロナ禍で中止を余儀なくされている競技大会も多い。
そのような中で五輪だけが開催される状況は矛盾しているようにも思える。

男性は続けて「五輪を『安心安全』といい、感染対策をしている飲食店には時短営業や休業などルールを強制している」と、政府施策の矛盾点も指摘している。
「大学生はオンラインで2年生に、延期の修学旅行はついになくなった」
一方、岐阜県の40代女性は五輪を「開催すべき」と回答。
ただ、「正直心から応援できない」と、中止すべき人と気持ちは同じだ。
開催するかわりとして 「学校行事や飲食店への規制を五輪と同じ程度に緩めていただきたい。大学生はほぼオンラインで2年生になり、高3生の延期延期の修学旅行はついになくなり、中3生も部活引退前に十分練習できずにいます。
本当に納得できない」(専門職) と、複雑な胸中を語る。

この女性の言うように、日常生活においても五輪並みに自粛が緩和され、イベントも自由に開催できていたならここまで反対意見も出なかったのではないか。
そもそもコロナが収束していないので無理は話ではあるが……。
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2021年06月28日

五輪成功後に国政復帰狙う小池百合子都知事 菅首相と「悪魔の同盟」へ

五輪成功後に国政復帰狙う小池百合子都知事
 菅首相と「悪魔の同盟」へ
6/28(月) NEWSポストセブン

 小池百合子・東京都知事が過労で緊急入院したことに、政界では揣摩憶測が飛び交っている。
折しも、入院した6月22日は東京都議選(定数127。7月4日投開票)の告示日直前、東京五輪開会式の1か月前と政治的に重要なタイミング。
しかも、都議選では小池氏の率いる都民ファーストの会が大苦戦している。
 本誌・週刊ポストが入手した自民党東京都連の情勢調査では、前回都議選で大勝(55議席)した都民ファは13議席へと「42議席減」の大惨敗、逆に、前回大敗した自民党は23議席から51議席に躍進し、公明党(16議席予測)と合わせて自公で過半数を超えると予測している。

 小池氏にとって自公に過半数を握られれば都議会運営が困難になり、4年間苦汁をなめてきた都議会自民党が五輪後に小池叩きの動きを強めるのは間違いない。
 自民党二階派幹部は、知事公務復帰後の小池氏の動きをこう見る。
「小池が悪あがきしても都議選の劣勢は簡単に覆せそうにないし、都民ファの候補を応援すればするほど都議会自民党の恨みを買う。
 転んでもただでは起きない小池は、この際、体調がすぐれないことを理由に都議選から距離を置き、都民ファ惨敗のダメージを最小限にするつもりではないか。
五輪が終われば小池は都知事の地位に未練はない。

都政で苦労するより、五輪成功の実績を手に国政復帰を窺っている」
 驚くのは、小池氏の国政復帰の橋渡しをするのが、“犬猿の間柄”とされてきた菅義偉・首相その人だと見られていることだ。
 菅首相は第2次安倍政権の官房長官時代、野心家の小池氏を警戒して重要ポストから干し上げ、2人の関係は極度に悪化した。
 だが、小池氏はその菅氏が首相に就任した直後の昨年9月に官邸に出向いて“手打ち”の会談を行ない、その後も昨年12月と今年5月に官邸で会談、小池氏が入院する直前の6月19日には初めてプライベートな空間である「首相公邸」で約1時間にわたって五輪の運営について話し合った。

「総理の小池に対する評価が変わったのは最近です。
パフォーマンス好きの小池が国民の五輪批判に便乗して“五輪中止をぶち上げるんじゃないか”という心配があったが、小池は軽挙妄動せずに総理の開催方針についてきた。
いまや2人は五輪では運命共同体。
警戒心の強い総理は小池を決して信用はしていないが、利用できるカードと考えている」(菅側近)

 菅―小池の関係が「政敵」から「運命共同体」に変質したという指摘だ。
 国政転出を窺う小池氏に都合がいいことに、次の総選挙では東京に自民党の空白区ができた。
公選法違反で議員辞職した菅側近の菅原一秀・元経産相の東京9区だ。
小池氏の衆院議員時代の選挙区(東京10区)の隣で、地盤も重なる。
 菅原氏は「3年間の公民権停止」処分が確定して次の総選挙に出馬できないため、公認権を持つ菅総裁と、小池氏と関係が良い二階俊博・幹事長のOKさえあれば自民党公認で出馬できる状況だ。

五輪より小池頼み
 では、一方の菅首相にとって小池氏を利用する目的は何か。
 かつて自民党幹事長だった野中広務氏は、小渕政権の危機に臨んで「悪魔にひれ伏してでも」と政敵だった当時の小沢一郎・自由党党首との連立に踏み込み、自自連立で政権を安定させた。
 菅首相にも、政敵の小池氏と同盟を組まざるを得ない事情がある。
首相の生存戦略は、五輪をなんとしても成功させ、9月の自民党総裁選を実施せずに「無投票再選」に持ち込むことだ。

 自民党では目下、総裁選をにらんで安倍晋三・前首相、麻生太郎・副総理、甘利明・党税調会長の3Aトリオと二階幹事長が、それぞれ次々に議員連盟を立ちあげて議員を囲い込み、勢力拡張に火花を散らしている。
「昨年の総裁選では二階氏の支援で総理の座についた菅首相は、今回は数の力に勝る3Aに接近することで無投票再選に持ち込みたい。
だが、3Aの狙いは政権運営の主導権を二階氏から奪うことにあり、菅政権を支えるつもりはない。
 陣営に有力な総理・総裁候補がいないからやむを得ず菅首相を傀儡にして一時的に“無投票再選させてやる”と菅首相に甘くささやいているだけだ」(麻生派議員)

 一方の菅首相もそれを重々承知している。
政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。
「3Aはコロナの感染がさらに拡大したり、総選挙に負ければ容赦なく菅首相に全責任を押し付けて退陣させるでしょう。  菅首相は3Aに依存することの危険性をわかっているから、良くも悪くも知名度の高い小池氏を陣営に取り込みたい。
“オレを引きずり下ろすなら、子分の河野太郎・行革相、小泉進次郎・環境相を小池と組ませて対抗するぞ”と小池カードで3Aを牽制して政権の延命を図ることを考えている」

 小池都知事は菅首相が望む「五輪強行開催」と引きかえに都民ファーストを切り捨てて国政復帰し、菅首相はその小池氏を利用して政権延命を図る。

国民の安全安心を犠牲にして互いの「政治生命」を保つワクチンを打ち合う―まさに“悪魔の同盟”のシナリオではないか。  退院後の小池氏の動きに要注意である。

   ※週刊ポスト2021年7月9日号
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2021年06月29日

麻生太郎氏“自分で撒いた種”発言に「人として最低」と猛批判

麻生太郎氏“自分で撒いた種”発言に「人として最低」と猛批判
6/28(月) 女性自身

「自分で撒いた種でしょうが」
6月25日、過労で休養している東京都の小池百合子知事(68)に対してこう述べたのは麻生太郎財務相(80)。

同日告示された東京都議会議員選挙で、青梅市選挙区の自民党新人候補の応援演説をした際の発言だ。
各メディアによると小池氏が特別顧問を務める「都民ファーストの会」(以下、都ファ)について、「代表の国会議員がいないから(国に)話が通じない」「従って知事が自分でやる。
過労で倒れた。同情してる人もいるかもしれないが、(小池氏が)そういう組織にしたんだから」と酷評したという麻生氏。

また都議会について、「自民党とつながってる人がいなきゃ話がつながらない。一番上が国会であるならば」とも述べたという。
同日配信の日本経済新聞によると、22日に都内の病院で受診した小池氏は「絶対安静」と医師から告げられ入院。
週内の公務を取りやめた小池氏だが、復帰の目処は立っておらず、27日に数日間入院を延長することが報じられている。

麻生氏の発言を受け、都ファの荒木千陽代表(39)は26日に行った演説で「寝る間を惜しんで都のために行動してきた相手につばを吐くような発言。断固抗議する」と怒りを滲ませたという。
今年5月27日にも自身の派閥の会合で、「自分ファースト、都民ラースト」などと小池氏を揶揄していた麻生氏。
議席を争う相手とはいえ、小池氏が体調を崩しても変わらないその“放言ぶり”にネット上では批判が殺到している。

《麻生は一体何様のつもりだろうか?
 小池都知事は、去年からコロナへの対応やオリンピックなど毎日毎日多忙な日々だったはずです。
過労になるくらい働いた小池都知事に対して「自分でまいた種」とは非常に失礼な発言だ。
もし次の選挙で落選したり、自民党が負けたりしたら、それは「麻生がまいた種」になるだろうね》
《小池さんを支持してるわけではないけど、これは酷い。長年財務大臣だが、レッドカード退場やろ》
《人として最低だ。引退を勧める》

昨年8月28日、安倍晋三元首相(66)が持病の潰瘍性大腸炎が悪化したため任期途中で辞任を表明した。
だがその直前まで、「少し休養したってなんてことはない」「通院しながら職務を続ければいい」と安倍氏を引き留めていたという麻生氏。
最近では安倍氏、甘利明党税制調査会長(71)と共に半導体戦略推進議連や日豪国会議員連盟の要職に就くなど、「3A」での活動を活発化させている。

“身内には甘く、他人には厳しい”態度は、この先も改善されることはないのだろうか。
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2021年06月30日

ワクチンは人体実験、皆殺し作戦…永田町「反ワクチン集会」彼らの主張とは

ワクチンは人体実験、皆殺し作戦…
永田町「反ワクチン集会」彼らの主張とは
2021年06月29日 SPA!

◆拍手に包まれた永田町「反ワクチン集会」詳報
「新型コロナワクチンに警鐘を鳴らす医師と議員の会」による記者会見が6月24日、東京都千代田区の参議院議員会館で行われた。
会見前には医師390人、地方議員60人の計450人による「接種中止を求める嘆願書」が厚生労働省に提出された。
質疑応答も含めておよそ2時間弱。
ワクチンの危険性を訴える“過激派”が集まった記者会見をリモートで視聴した。

 議員として筆頭に名を連ねたのは日野市議会議員の池田利恵氏。
全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会で活動、ワクチン忌避の急先鋒として有名な人物だ。
会見は終始、池田氏の軽妙な司会で進んだ。

 発起人は「クリニック徳」(名古屋市)の高橋徳医師。
ウィスコンシン医科大学名誉教授の肩書きで、ネット上の反ワクチン論者からよく名前が挙がる。
同医師のクリニックは「波動医学」「(オーラを浄化し強くする)スピリチュアルヒーリング」などを推奨している。
 高橋医師は会見の冒頭で、今回のワクチンとインフルエンザワクチンの接種後の死者数の比較などを紹介。「ワクチン接種後」と「ワクチンが原因」は意味が違うのを医師なら知っているはずだが、そうした説明はあえて飛ばしたのか。
会見を通じ、高橋医師の「接種後に356人死んだ」「ワクチンは有害無益である」との主張がメインとなり、登壇者から投げかけられた。

 高橋医師と並んで会の中心となっているのは中村篤史医師。独自栄養学による代替医療「オーソモレキュラー」で診察をするナカムラクリニック(神戸市)の院長だ。
SNSでワクチン忌避を煽る寄稿を続け、その界隈の支持を集める存在である。

◆「ワクチンは人体実験だ」と述べる市議会議員
 中村医師はスライドを使い、mRNAワクチンの仕組みを解説。
「リスクが少ないと言われるが、これだけ亡くなっている」と高橋医師に同調し、「(死亡例には)ちゃんと理由があってメカニズムも分かっている」と分析に自信を示した。
問題ないと報告されている妊婦の接種についても、米国疾病予防センターの有害事象報告(VAERS)を引用し、その中からワクチン接種後に流産したという個人の訴えを一つひとつ紹介。
さらに、接種者の母乳を飲んだ赤ん坊が「頭からつま先までぶつぶつだらけになって治療後に死んだ」などと伝えた。

 中村医師はこれら全てをワクチンが原因だと疑っているようだ。
健康な妊婦でも流産は一定の割合で起こり、乳幼児の発疹や突然死症候群などもよくあるようだが、そういった説明はなかった。

 メンバーのど真ん中に座り、ひときわ発言力があったのは谷本誠一呉市議会議員だった。
ハキハキと通る高い声で、「(厚労省が)コロナ死の水増しを公文書で支持した」「(厚労省はPCR陽性とコロナ死の関係については)答えようがない。
はっきり答えたら矛盾が暴露され、政権が吹っ飛んでしまうからだ」などと持論を展開。

 多くのファクト・チェックによって否定されている「治験が終わっていない」という説や、陰謀論混じりの「作られたパンデミック」も堂々と述べた上で、「国民は人体実験の対象」として「即刻、このコロナワクチン接種事業を中止ではなく、廃止すべきと考えている」と声を上ずらせ、拍手を浴びて演説を締めくくった。
根拠が曖昧なものについては政治家らしく「と、言われても仕方がない」「と、言えるのではないか」などの言い回しが印象的だった。

◆「ワクチンは人類皆殺し作戦である」
 集会は上記の医師と議員が中心だったが、その後ろの席にも医師、歯科医、ジャーナリストらが並んだ。
 中でも異彩を放ったのが、ジャーナリストの船瀬俊介氏。
 司会の池田市議から「この会の統一の見解ではないが、こういう意見もある」と振られて発言を許された船瀬氏は「一言でいえばワクチンは人類皆殺し作戦」「闇の連中が9割人口を減らすと言っている」「奴らは皆殺しを始めた」などと発言。
さすがに途中で池田市議に「ハイ、ありがとうございましたー。あくまでも個人的な見解です」と止められ、会場からは笑いが起こった。
 そして、終盤の質疑応答。

 同日に河野太郎ワクチン担当大臣が「ワクチンデマについて」とのブログを更新し「医師免許を持っていてもデマを流す人が」と指摘したことを問われ、高橋医師は「厚労省が出したデータに基づいてワクチンは有害無益だと言った。 デマでもなんでもない。出所は厚労省のホームページです」と不機嫌そうに返答していた。
 これに対し池田市議が「デマを流している医者というのはテレビでご活躍されている方々では」と発すると、会場から大喝采が沸き起こった。
池田市議はその流れで、前年度よりも全国の死者数が減ったことを厚労省の資料から紹介し「誠実な数字を誠実に伝えていくことがこの会の趣旨」と語った。

◆「子供と親が率先してノーマスク宣言を」という提言も……
 他の質問では子ども達へのマスク着用の懸念に話が及び、谷本議員が「強制はできないからお子様と保護者がノーマスク宣言をして増やしていけばいい。
ボトムアップで既成事実を作ってひっくり返すしかない」と話してまた歓声を浴びていた。
ワクチン同様にマスクにも懐疑的な集まりだったようで、会見中に着用している人はわずかだった。

 テレビや新聞の記者の出席はなかったのだろうか。
質問者がこの会への感謝の言葉を述べたり、中には「ぜひWHOに代わる組織を」との要望まで飛び出したりしていた。
名乗らずとも多くの人が司会進行に名前を知られていたことも気になった。
ほぼ全員がこの会の主張に初めから賛同しているような空間であり、まるで内輪の集まりのようだった。
 参議院議員会館内でこうした思想的な集会が認可されたことは物議を醸すだろう。

高橋医師は、ワクチン接種中止に関する署名を一般にも広める意向で「何十万と集めて大きな流れにしていきたい」そうだ。  接種を進めたい政府の思惑とは裏腹に、扇動的な「反ワクチン運動」が、奇しくも永田町から始まってしまった様相だ。

<文・黒猫ドラネコ>

【黒猫ドラネコ】
大分県出身。Webライター。
主に怪しいスピリチュアル界隈や信者ビジネスなどを観察し潜入取材も敢行。
赤坂のイベントBar「三代目」に出没します。
Twitter:@kurodoraneko15
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