2021年09月01日

菅首相に「総裁選不出馬」の仰天情報!

菅首相に「総裁選不出馬」の仰天情報
!外堀埋めて自民重鎮が引導か、安倍氏退陣時との不気味な“共通点”
2021年08月31日 日刊ゲンダイDIGITAL

 政府・与党は30日、野党が求めていた9月上旬の臨時国会召集に応じないことを決めた。
自民党総裁選前に国会が開かれなければ、菅首相にとって9月中の解散を封じられたことを意味する。
まさかの「総裁選不出馬」説まで浮上し、政局は混沌としてきた。
 ◇ ◇ ◇
 臨時国会見送りは、30日午前、森山国会対策委員長が加藤官房長官と国会内で協議して決まった。
その後、森山氏が安倍前首相の事務所を訪ねたことが臆測を呼んでいる。
「森山国対委員長は二階幹事長と一心同体。
召集見送りは幹事長の意向でしょう。
しかし、今は何の役職でもない安倍先生のところへわざわざ説明に行ったのはなぜなのか。
今後の政権運営について話し合ったとしか思えません。
つまり、『一致して菅首相支持』か『菅降ろし』のどちらかです」(自民党国対関係者)

 そんな中、自民党政権御用メディアの読売新聞が28日の紙面で、菅首相が総裁選に出ない可能性にサラッと触れていた。
河野ワクチン担当相の態度を巡り<首相が不出馬という事態が起きれば、出馬の余地は生じる>と書いたのだ。
「菅総理が総裁選で負けることはあっても、出ないという選択肢は想定していなかった。
しかも読売がそんなことを書くのだから、『おや?』と思いますよね。
不出馬があり得るのかと、党内でも話題になりました」(自民党若手議員)

 30日午後、二階幹事長が官邸を訪れると、党内は「すわ、引導か」と色めき立った。
表向きは菅支持を崩していない二階氏だが、同日に時事通信のインタビューで、菅首相再選について<われわれが支持しないと言えば、彼(菅首相)は立候補するかどうかも分からない。
われわれが支持しないとなれば根本が崩れる>と話している。
いつ菅首相に見切りをつけてもおかしくないのだ。

「総裁選では二階氏の処遇も焦点になる。
二階氏を切ってでも続投するという執念が菅首相にあるのか。
菅首相のままで総選挙を戦えば下野する可能性が高ければ、二階氏、安倍氏、麻生氏ら党の重鎮が外堀を埋めて、首相を不出馬に追い込む可能性も考えられます」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

「総理は疲ている」との報道が相次ぎれ…
 体調不良を理由に菅首相が総裁選不出馬を発表、新総裁で内閣支持率がハネ上がるのは、野党が最も嫌がるシナリオだ。
党を救うために退くような殊勝なタマとは思えないが、国民に不人気な上に党内基盤も弱い菅首相は、主要派閥の支援なしには総裁選を戦うことができない。
 菅首相は29日、宿舎で終日過ごしたことがニュースになった。
丸1日の休みを取ったのは3月28日以来、154日ぶりだという。
このところ、広島市の原爆死没者慰霊式・平和記念式で原稿を読み飛ばしたり、長崎市の祈念式典には1分遅刻したりするなどミスが相次いでいたが、その頃から「総理は疲れている」との報道が相次いだ。

さらには、21日にJR東京総合病院を受診して体調不良が心配された。
このパターン、なんだか見覚えがある。
 昨年、安倍氏もコロナ対応で147日間の連続勤務がニュースになったと思ったら、激務による体調不良説が出てきた。
吐血情報も流れた。
その後、8月17日に慶大病院を受診。
同28日に突然、辞任を表明したのだ。

 これで菅首相に吐血報道でも出てきたら、連続勤務も体調不良説も退陣への地ならし報道と見て間違いない。
総裁選不出馬は十分あり得る。
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2021年09月02日

倉持仁院長「みんな必死!困ってる。いい加減に気づいて」

倉持仁院長「みんな必死!困ってる。いい加減に気づいて」
9/1 デイリー

 宇都宮市「インターパーク倉持呼吸器内科」の倉持仁院長が1日までにツイッターに投稿。
自民党総裁選を伝える報道を引用し、コロナ禍のために困窮しているさまざまな業種をあげた上で
「1.5年何もせず、銀座に飲みに行き、選挙の時だけ票が入るなどと思っていたらそれは大間違い」と投稿した。

 倉持院長は自民党総裁を前に菅首相が二階幹事長の交代を検討しているとのテレビ報道を引用し、「今考えるのは自分らの保身ではなく、真っ当なコロナ対策、困っている飲食観光医療福祉保育、共働き若い世代、老々介護の高齢者世帯、子供大学生や生活困窮の若い世代、非正規雇用者。1.5年何もせず、銀座に飲みに行き、選挙の時だけ票が入るなどと思っていたらそれは大間違い」と投稿。

 別のツイートでも「建築も運輸もイベント会社も航空業界も農家も卸もです。
他にもたくさん多くの人が困っています」
「保健所の方や県職員、厚労省の職員の方も、みんな必死!困ってる。

いい加減に気づいてほしい」と政治家に求めた。
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2021年09月04日

菅首相が総裁選不出馬理由「コロナに専念」を「専任」と言い間違え? ネットでツッコミと呆れの声

菅首相が総裁選不出馬理由「コロナに専念」を「専任」と言い間違え?
ネットでツッコミと呆れの声
2021年09月03日 日刊ゲンダイ

<これも原稿を読み間違えているんじゃあ……>
<また理解していないのか!?>
 自民党総裁選(17日告示、29日投開票)の不出馬を表明した菅首相に対し、ネット上で大騒ぎとなったのが、首相官邸で行われた記者団の囲み取材の発言だった。

 総裁選不出馬に至った理由について説明した菅首相は「新型コロナウイルス、この感染拡大を防止するために私は専任をしたい」と言っていたのだが、直後からネット上では<専任?専念だろう><専任って、もう総理辞めるのか?>との指摘が続出したのだ。
 デジタル大辞泉によると「専任」とは、<ある一つの任務だけを担当すること>とある。
「ある一つの任務だけを担当する」のであれば、担当大臣だろうし、それがコロナであれば厚労相やコロナ対策担当相だ。
国政全般を担う首相という立場から考えても、菅首相は「専念」と言いたかった可能性が高い。

 過去にも「(コロナの)感染拡大を最優先」などと言い間違えていた菅首相。
揚げ足を取るつもりは毛頭ないが、よっぽど疲れているに違いない。
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2021年09月05日

たとえ菅が辞めようと、臨時国会を開かない自民党には政権を任せられない

たとえ菅が辞めようと、臨時国会を開かない自民党には政権を任せられない
9/3(金)  News week

<自民党は安倍政権のときから国会のチェックを受けることから逃げ続け、憲法の義務である臨時国会を開くことも拒んだ。今日のコロナ感染爆発を招いた責任も問わせないまま総選挙に突入する勢いだ>

7月16日、野党4党は憲法53条に基づく臨時国会召集要求を提出した。
しかし一ヶ月半たった今も、国会が開かれる気配はない。
政府与党はいろいろな理由をつけて臨時国会を先延ばしにしており、そうこうしているうちに9月3日、菅首相は月末に行われる自民党総裁選への不出馬を決めた。
これによって自民党は後継者選びに忙しくなり、総選挙までに臨時国会を開こうとはしないだろう。
政治空白とともに、事実上の無法政治が行われている。【藤崎剛人(ブロガー、ドイツ思想史)】

<立憲主義に反する政権>
日本国憲法では、次のように規定されている。
「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」。
今回、野党は後者の規定による国会召集を要求し、内閣が召集を決定しない場合は憲法違反となる。
この条文には「いつまでに」という規定がない。
これを悪用して菅内閣は、臨時国会召集の引き伸ばしを正当化した。

2017年には同様の理由で安倍内閣が臨時国会を先延ばしにし、9月末にやっと開かれたが、そこで冒頭解散となった。
しかしながら、「いつまでに」という規定がないのは、常識的に考えればこれが直ちに実行されるはずのものだからであって、内閣・政府与党の恣意によって召集の決定が引き伸ばされるなどということは憲法の制定者は想定していなかっただろう。
ここに、自民党内閣に政権を任せられない理由がある。

政治家は、単に憲法に従うだけでなく、憲法の精神に沿った政治を行わなければならない。
憲法53条の臨時国会を召集させる権利は、行政府に対する立法府の重要な権利だ。
条文に明文化されていないからといって召集を先延ばしにする行為は、憲法の精神に反する。

憲法の精神に基づいた政治を「立憲的」という。
つまり臨時国会を開かない安倍・菅政権は「非立憲的」内閣と呼びうる。
そして国会召集見送りは自民党の総意でもあるのだから、菅首相の後継政権もまた「非立憲的」内閣になるのは確実なのだ。

<野党が要求する臨時国会の意義>
民主主義国家で、権力の集中を防ぐための仕組みが権力の分立だ。
たとえば立法府が法律をつくり、行政府がそれを執行する。しかし社会が複雑化するとともに、三権のうち行政府の役割が増大することになった。
それに伴い立法府の役割として、法律をつくるだけでなく、行政府をチェックする機能が重要になった。
コロナ禍のような行政府の仕事が増える緊急時には特にそうなのだ。

緊急的な対応が増えれば増えるほど、その対応が適切か否かをチェックする仕事も増える。
間違った対応にチェックが機能しなければ、永遠に間違い続けることになる。

「コロナ予備費がまだある」は理由にならない
従って、菅首相が述べたコロナ対応で忙しいから臨時国会は開けないというのは間違いで、コロナだからこそ、権力の暴走や悪用を防ぐために、行政府はより強く監視される必要があるのだ。
菅首相がコロナ対応に専念するための総裁選不出馬ならば、なおさら臨時国会は開かれるべきだった。

ところで、日本は議員内閣制を採用している。
議員内閣制では通常、議会の多数派の中から政府のトップが選ばれ、政府と与党が一体となって政権を担う。
アメリカ大統領制のように、大統領の出身政党と議会の多数派政党が異なったり、一致している場合でも大統領と議会がそれぞれ独立の意志をもって行動したりするようなことはほとんどない。
従って、議員内閣制では行政権と立法権の分離が形骸化してしまう危険性がある。

そこで重要なのが野党だ。
野党が実質的に国会による政府与党のチェック機能を担う。
さらに野党は、国内の少数意見も代表している。
53条が、総議員の4分の1という比較的低いハードルになっているのも、政府と議会多数派が一体となって、立法府のチェック機能を嫌がり国家を開かないようにすることを排除するためだ。
憲法は多数の独裁を許さない。
この点でも、臨時国会を召集しない政権がいかに罪深いかが分かるだろう。

<コロナは行政府と立法府が共同で対応すべき問題>
刻々と変化するコロナ情勢に対して、国家は機動的な対応を迫られている。
その対応については、立法措置や予算措置も含まれる。法律や予算について、唯一の権限を持つのが国会だ。
従って、コロナについては行政府と立法府が協働するかたちでの政治が求められる。

加藤官房長官は、コロナ予備費がまだ残っていることを国会を招集しない理由のひとつに挙げた。
しかし、行政府が膨大な予算の使途を国会の同意なく自由に決定するのは、本来の立憲政治に反する。
予備費を使う場合でも、出来るだけ国会の議論を介在させたほうが手続きとして望ましいのに加え、GoToキャンペーンのような愚策に貴重な予算が使われないための歯止めも必要だ。

さらに、現在の全国的なコロナ感染の拡大を止めるための対策を打ち出す必要がある。
その際、過去2回の緊急事態宣言にみられる、感染者が十分に下がりきっていないのに行動制限を緩めたことにより、急激な感染爆発を招いたという反省が必要だ。
今度こそ感染者数を限りなくゼロに近づけるため、強力なロックダウンを行わなければならないかもしれない。
そうなれば、その補償のための補正予算が必要となる。

国会を開かなければロックダウンをするかどうかすら議論できない。
総選挙でまともな政治を取り戻せるか さらに、国会を開かなければ、与党のみならず野党の持つ様々な少数意見を汲み取ることができず、きめ細かな対策を打ち出すことができない。

もっとも現在の野党は、検査・補償の充実や「野戦病院」の建設など、必ずしも少数とはいえない民意を代表しているのだが。

 <次の政権は、まともに国会で議論する政権に>
以上、臨時国会が召集されなければならない理由を述べた。
憲法を遵守し国会を開くという、政治が行って当然のことを要求しなければならないのはとても残念だ。
コロナの時代だからこそ、当たり前に国会で議論できる政権が必要なのだ。
しかしそのような政権は、いかなる人物が次の総裁になろうと、自民党には最早望むことはできないだろう。

総裁選の候補者たちは、安倍政権や菅政権で党の要職についており、そうした政治を容認してきたのだから。

従って、立憲政治という期待して当然のまともな政治を取り戻せるか否かは、総選挙の選択にかかっているのだ。
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2021年09月06日

生活保護の申請13.3%増 コロナの影響か

生活保護の申請13.3%増 コロナの影響か
2021年09月04日 LIMO

厚生労働省は2021年9月1日、生活保護の被保護者調査の結果を公表しました。
それによると、生活保護の申請件数は約2万件となり、前年同月から13.3%の増加となりました。
長引くコロナ禍の影響で、仕事を失ったり、収入が減ったりした人が増えたと見られています。
そこで今回は、生活保護の申請件数について解説。
またコロナ禍で苦しむ人のための公的支援制度も紹介していきます。

■【生活保護】申請・開始世帯数ともに1割超の増加
厚生労働省の調査によると、生活保護の申請件数は2021年6月で1万9478件、前年同月より13.3%(2288件)増加しています。
また、保護開始は1万7012世帯となり、前年同月より12.3%(1870世帯)増えています。
長期化するコロナ禍の影響もあってか、申請件数と保護開始世帯、ともに10%以上の増加をみせる形となりました。

厚生労働省は、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるもの。ためらわずに自治体までご相談ください」と呼びかけています。
それでは、コロナ禍などで生活に苦しんでいる人向けの制度は、他にどんなものがあるでしょうか。

■コロナの特例貸付 1兆円を突破
コロナ禍の影響で経済的に苦しくなった人向けに資金を貸し付ける制度として、国は「緊急小口資金」と「総合支援基金」の2つを実施しています。
どちらも無利子でお金を借りられる仕組みです。

緊急小口資金等の特例貸付については、これまで複数回、受付期間が延長されています。
厚生労働省によると、緊急小口資金等の特例貸付は2021年8月28日時点で累計支給申請件数275万7388件、累計支給決定額は1兆1591億36億円に上ります。

また、「緊急小口資金」や「生活総合支援資金」の利用ができなかった人向けに「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」という制度もあります。
この制度の問い合わせ窓口として、厚生労働省はコールセンターを設置しています。

●新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金相談コールセンター 電話番号:0120-46-8030 受付時間:9:00〜17:00(平日のみ)
■医療費負担を軽減する「無料低額診療事業」
無料定額診療とは、低所得者が無料、または定額な料金によって診療を受けられる仕組み。厚生労働省によると、対象者は下記の通りです。
低所得者 要保護者 ホームレス DV被害者 など さまざまな事情で生活が苦しい人のためにある制度です。
それでは、具体的にどのような条件であれば無料定額診療は受けられるのでしょうか。
すでに無料定額診療を実施している北海道勤労者医療協会を例に見てみましょう。
協会では、1か月の収入が生活保護基準の約120%以下なら全額、140%以下なら一部の医療費負担を免除としています。

厚生労働省の「無料低額診療事業等に係る実施状況の報告:
調査の結果(2018年度)」によると、診療事業を活用した人は760万8773人、施設数は703にのぼります。

■公的支援制度の活用を
今回は、生活保護の申請数の状況や、コロナ禍などで生活が苦しい人のための制度について、解説してきました。
長期化するコロナ禍は、いつまで続くがまだ不透明です。
今後も生活に苦しむ人は増えていくでしょうし、誰もがそうあなる可能性があります。
そのなかで、こうした公的支援制度はあなたを守ってくれるセーフティネットの役割を果たします。
もし、今回紹介した制度を使う条件に少しでも当てはまりそうなら、ためらわずに相談することをおすすめします。

●参考資料
全日本民主医療機関連合会「無料低額診療事業 制度の説明」( https://www.min-iren.gr.jp/?p=20135 )
厚生労働省「無料低額診療事業・無料低額老健事業の実施状況の概要(平成30年度実績)」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/muryou_sinryoujigyou_r01.pdf )
○厚生労働省「生活困窮者自立支援における新型コロナウイルス感染症の影響と対応について」
○厚生労働省「生活保護制度」
生活保護の被保護者調査(令和3年6月分概数 (https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2021/dl/06-01.pdf )
○厚生労働省「生活保護制度の概要」( https://www.mhlw.go.jp/content/000693930.pdf )
○厚生労働省「くらしや仕事の情報」( https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kurashiyashigoto.html#h2_1 )
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2021年09月07日

“自粛警察”を生み出した安易な「平等」主義。池田清彦氏の見方

“自粛警察”を生み出した安易な「平等」主義。池田清彦氏の見方
2021年09月06日 SPA!

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり大混乱が起きた。
同じ高齢者でも具体的に誰から打つのかに頭を無駄に悩ませ、接種態勢を整えるのに時間を要する自治体が続出したからだ。

また、かつて東日本大震災の被災地支援で毛布を用意したにもかかわらず、避難所のすべての人に届かないからと配布を取りやめたことがあったそうだ。
いずれも平等にこだわるあまり、非合理極まりない事態に陥っていたのである。

 社会を見回すと平等に拘泥するあまり非効率なことが起きる事例が蔓延している。
恣意的に「平等」を使って国民を騙す行政は大問題だが、国民の側にも「平等が何より大事」という思い込みがあるのではないか。
一口に平等と言っても、必ずしも素晴らしい平等ばかりではない??。
 そんな「平等」という言葉がもつ二面性について問いかけるのは、早稲田大学と山梨大学の名誉教授を務める池田清彦氏(74歳)。『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)でもおなじみの生物学者である。 (以下、池田氏の近著『平等バカ 〜原則平等に縛られる日本社会の異常を問う〜』より一部抜粋)

◆自粛警察の根っこにある「嫉妬羨望システム」
 公平は大事だけれど、常に最優先というわけではなく、プライオリティをあえて下げるべきときもある。
 奈良県などは、地域の公平性を保つために高齢者人口の割合に応じてワクチンを均等に割り当てる方針を立てていたようだが、集団免疫の獲得を目的とするなら、あちこちに「公平に」ワクチンを分散させることより、感染者が多く出ている地域から順に「短期間のうちに集中して打つ」ことのほうが大事だったのではないかと私は思う。

 天然痘ワクチンのように終生免疫ができるのなら少人数ずつ接種してもあまり問題はないが、COVID‐19のワクチンの場合は、有効期間が最短だと4か月くらい、長くても1年に満たないのではないかと言われているので、だらだらと接種に時間をかけてしまうと免疫が切れた人が感染し、その人からまた感染が拡大してしまう可能性は十分にある。
 一定の地域において短期間で集中的にワクチン接種を行えば、その地域の感染者は確実に減る。
「一定の地域」から漏れた人たちは「公平でない」と文句を言うかもしれないが、そうやって感染者が多い地域から抑え込んでいくやり方のほうがパンデミックの早期収束は見通しやすい。

◆「不完全な公平」に拒絶反応を示す人も
 ただ問題は「不完全な公平」や「公平のプライオリティを下げること」に拒絶反応を示す人がものすごく多いということだ。
これは、自分と同じようなタイプの人が、自分よりちょっとだけいい思いをするのが許せないという「嫉妬羨望システム」ともいうべきムードが日本の社会全体に根深く染みついているせいだろう。

 緊急事態宣言中にサーフィンに行ったり、パチンコに行ったりする人を袋叩きにするいわゆる「自粛警察」などはまさにその典型で、「自分は家で我慢しているのに、楽しそうなことをするヤツがいるのは許せない」というのが彼らの言い分なのである。
 サーフィンに行ったりパチンコに行くことがどれだけ楽しいことか私にはよくわからないけれど、その程度の差に目くじらを立てるメンタリティのほうがよほど問題だと私は思う。
なぜなら現状への不満に端を発するこういうメンタリティの蔓延こそが、安易な平等主義をはびこらせる要因になっているからだ。

◆「10万円一律給付」が受け入れられた理由
 とりあえず「平等」にしておけば、頭を使わずにすむし、あまり手間もかからない。
ただし必ずしもそれがダメだと言いたいわけではなく、良い面も当然ある。
このコロナ禍でも、「平等」にしたことで功を奏したと感じたケースは確かにあった。
 それは、2020年4月20日にコロナ禍における家計支援策として閣議決定された特別定額給付金事業である。
 通常このような支援金の給付に際しては、実際の困窮者に的を絞ることを目的に所得制限が設けられるのが普通である。
しかし、この特別定額給付金事業では、国民一人あたり10万円が一律に支給された。
 もちろん、コロナ禍にあるからといって、みんなが等しく困窮していたわけではない。
しかし、ここで公平性を重視しようとすれば、どこの誰がどれくらいの支援を必要としているかを支給する側が把握しなければならず、実際の支給までかなりの時間を要することになりかねない。
 緊急事態宣言を全国に発令している以上、迅速な対応が急務だった国は、「全員に平等に支給」という簡素な仕組みによって、それを実現しようとしたのである。
また少なくとも普段通りの生活を送れないという意味では国民は平等に不利益を被っているわけだから、「平等」であることに一応の根拠もあった。

◆シンプルでわかりやすい仕組み
 この給付金がかなり好意的に受け入れられた理由は、単にみんなしてお金をもらえたから、ということだけではなく、(多少の幅はあったようだが)一定の迅速性と、シンプルでわかりやすい仕組みがあったからだと思う。
 それぞれの困窮度を考えれば完全に公平ではなかったとしても、この非常事態下において重要だったのは、困っている人にきちんとお金が行き渡ることである。
 全員を対象にしたせいで金持ちまで得をしたではないかという批判の声もあったようだが、10万円という金額の価値は低所得層ほど大きいはずだ。金持ちも多少は得をしたかもしれないが、貧しい人にとってのメリットはそれよりはるかに大きいのだから、それでいいじゃないか。
 だから私は、この政策は安倍政権が残した数少ない良策だったと感じている。
悪名高き「アベノマスク」に投じた260億円も、本来はこっちに使うべきだったのだ。

◆飲食店の不満が爆発した恣意的な運用
 緊急事態宣言の影響緩和のための支援金には、特別定額給付金以外にもさまざまなものがあったが、そのほとんどは不満の声のほうが大きかったようだ。
 特に飲食店を対象とした時短要請協力金は、当初「一店舗あたり最大一日2万円」だったが、2回目の緊急事態宣言下では「店舗の規模にかかわらず一店舗あたり一日6万円」にまでに引き上げられ、事業規模の小さい店ほど得をする傾向がより顕著になったことで、強い不公平感を生む結果になった。

「一律に支払う」という部分だけを切り取れば一見平等のように見えなくもないし、だったら特別定額給付金と同じようなメリットがあるのではないかと思うかもしれない。
 もしかするとそれを踏まえて「一律」としたのかもしれないが、「なんらかの基準を満たした人だけ」というただし書きがついた時点で、話はまるで違ってくる。
「ある一定の業種だけ」「ある一定の条件をクリアしている場合だけ」となるとそれを証明しなくてはいけないから、必ず面倒な申請が必要となる。
さらにはその申請が虚偽ではないかどうかを審査する段取りも加わってくる。
審査するということは恣意的な運用、つまりこっちの店には支給するけれど、こっちの店には支給しない、といったことが起こりうる。

恣意的な運用は不公平を生みだす元凶にもなりうるし、そのぶん不満の種にもなりやすい。
 申請すればすぐにお金がもらえたとしたら、少しくらいの不満であれば払拭できた可能性はある。
 しかし実際には審査をするぶんかなりの時間がかかり、支給が大幅に遅れるケースが続出したことや、もともと売り上げはあってないようなものだった店でも月にすれば180万円近くが受け取れるという金額の大きさとも相まって、多くの批判を浴びせられることになった。

「考えなくていい」「手間をかけなくていい」という平等のメリットが生かされるかどうかは、そこに至る過程が「シンプルで誰の目にもわかりやすいかどうか」にかかっているのかもしれないね。
      <文/池田清彦>

【池田清彦】
1947年、東京都生まれ。生物学者。
早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。
生物学分野のほか、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する著書がある。
フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。
著書に『世間のカラクリ』(新潮文庫)、『自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋』(宝島社新書)、『したたかでいい加減な生き物たち』(さくら舎)、『騙されない老後 権力に迎合しない不良老人のすすめ』(扶桑社)など多数。Twitter:@IkedaKiyohiko
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2021年09月08日

「糖尿病は血糖値を下げればOK」と勘違いする人を待ち受ける恐ろしい結末

「糖尿病は血糖値を下げればOK」と勘違いする人を待ち受ける恐ろしい結末
2021年09月06日 PRESIDENT Online
(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)

コロナ自粛の中、糖尿病が境界型に突入、あるいは発症にまで至る人が急増している。
新著『医者が教える最強の解毒術』が話題の糖尿病専門医・牧田善二医師は「『糖尿病は血糖値だけ下げればOK』と勘違いしている人が多いのですが、一番の課題は血糖ではなく、合併症対策、とりわけ糖尿病腎症予防が重要です」と警鐘を鳴らす──。

■糖尿病で「知るべきポイント」5つ
コロナ禍(か)のリモートワーク、巣ごもりといった「自粛生活」で、運動不足や偏った食事の問題から高血糖になる人が増えています。
中には糖尿病を発症する人も……。
糖尿病の患者さんは、新型コロナウイルスに感染した際の重症化リスクが3.4倍になるというデータもありますから(JMDC、2021年)、糖尿病の患者さんや、発症リスクが高い、いわゆる「境界型」の人の多くが不安を抱えていると思われます。

私は医師になって40年以上にわたり、糖尿病合併症と闘ってきた糖尿病専門医です。
現場の専門医の立場から、糖尿病に関して「押さえておくべき5つのポイント」について、お話ししたいと思います。
なお、とくに断りなく「糖尿病」と記述しているものは、2型糖尿病のことを指しています。

■@糖質制限に過剰に期待しない
「糖尿病には糖質制限こそ一番いい方法なのだ」という誤解がいまだにあります。
糖質制限がブームになる前から、いち早く、糖質制限が血糖値のコントロールに有効だということや、人間を太らせるのはカロリーではなく糖質、つまり、ごはんやパン、麺類などの炭水化物だということを広く世に伝えてきた立場で断言しますが、近年、糖尿病治療は革命的ともいえる進化を遂げました。
もはや厳しい糖質制限などせずともよい時代になっています。
そして、糖尿病患者、あるいは糖尿病が心配な人は、年代別に上手に糖質制限と付き合うことをおすすめします。

■44歳以下
まだまだ人生の先が長いこの年代は、太りすぎないように、BMIを標準レベルにまでもっていったほうがいいでしょう。
男女共BMI25未満を目標にしましょう。
というのも、この年代から肥満していると、糖尿病をはじめとする病気にかかりやすくなり、健康で長生きすることが難しくなる可能性があるからです。

食べすぎ、炭水化物の摂りすぎ、体重増加傾向にあるこの年代の人は、糖質制限を取り入れることは意味があるといえます。一番効果があるのは、夕食に糖質制限を取り入れることです。
またランチも、丼物やチャーハン、ラーメンなどをなるべく避け、定食のおかずを多く食べるようにしましょう。
そして運動は、減量目的というより、仕事のストレス解消に好きなことをやったらいいと思います。
お菓子を食事の代用とする女性が多いのもこの年代。
まだ若いために、めちゃくちゃな食生活でもなんとかなってしまいます。
しかし、体の中では高血糖の問題が起きている可能性が高いといえます。
そして、それが数十年後の大きなわざわいとなって現れますから、注意が必要です。
とくにコロナ禍の自粛生活において、若い世代ほど気をつけていただきたい点です。

■45〜64歳
45歳を過ぎたあたりから、これまで健康自慢だった人もだんだんと検査の結果に異常が出始めるはずです。
糖尿病や高血圧といった生活習慣病はもちろんのこと、がんにかかる人も増えてきます。
働き盛りで、家のローンや子どもの教育費などお金もかかることから、「いま倒れるわけにはいかない」と、体が心配になる年代です。
この年代は、男女共にBMI30未満を目標にしましょう。
ここまでゆるやかな基準にするなら、厳しい糖質制限は必要ありません。
この基準を超えるときだけ、糖質制限を行って体重を調整すれば十分です。
運動は、まだ筋肉減少の心配はありませんから、血管系を強くする有酸素運動をしっかりやることをおすすめします。
新型コロナ感染対策による健康二次被害を避けるという観点から、スポーツ庁がガイドラインを示しています。
糖尿病に限らず、健康を維持するために意識的に運動・スポーツに取り組んでいくことが大切です。

■65歳以上
いよいよ仕事をやめて年金生活に入るという人が増えるこの年代は、生活スタイルが激変するタイミングです。
まず、現役時代より運動量が減る。
加えて、基礎代謝が大幅に低下します。
以前と同じように食べていると体重が増えていき、その一方で、やせにくくもなります。
かつては一日一食だけ炭水化物を抜く「プチ糖質制限」でも体重は落ちたのに、そうはいかなくなります。

■70歳を超えたら糖質制限は不要…
それでも、とりわけ70歳を超えたら、BMIにかかわらず糖質制限は不要だと私は考えています。
自分の経験からしても、もはや色気より食い気。
おいしいものを食べることがいちばんの喜びになってきます。
それを我慢して、なんの人生かと思います。
後述するがんや心臓病、脳卒中などの検査をしっかり受けて、あとは好きなものを好きに食べていいのではないでしょうか。

ただ、いわゆるロコモティブ症候群に陥(おちい)りやすくなりますので、運動は必須。
それゆえ、65歳をすぎたら、糖質制限より運動を重視したい。
具体的には、有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチをバランスよく行うことをおすすめします。

* 糖質制限の効果は、あくまで「やせること」と「血糖値をコントロールできること」の2点のみです。
それ以上に健康効果が得られると期待するのは誤りです。
「糖質制限さえしていれば糖尿病は大丈夫」という間違った思い込みに陥らないように、この点は十分に注意してください。

■A血糖値を下げることは糖尿病治療ほんの一部にすぎない
「糖質制限さえしていれば大丈夫」という残念な「糖質制限信者」が生まれてしまった背景にあったのが「糖尿病治療=血糖値を下げること」という勘違いです。
現実には、いまも患者さんも医師も、血糖値を下げることがすべてと信じ、躍起(やっき)になっている傾向は否めません。
しかし、その考え方や治療法は、もうすでに古く、間違っています。

糖尿病で怖いのは合併症です。
この病気は、血糖値が高いことではなく、そのことによって起きる合併症が問題なのです。
だから、多くの病気のように糖尿病そのものを治すことができないとしても、合併症を治すことができれば、この病気は解決したといえます。
かつて糖尿病治療薬といえば、血糖値を下げる薬をイメージしましたが、近年、最も重要な合併症を治す治療薬の開発が進んでいます。
糖尿病治療の現場は、かつてとは一変したと言ってもいいくらいなのです。

■合併症の真犯人はAGE
そして、合併症を引き起こす真犯人はAGE(終末糖化産物)という物質です。
たんぱく質に糖がくっつき劣化する「糖化」反応でできるもので、体中で炎症を起こし、いわゆる「老化」を促進する原因物質とされています。
実は、世界ではじめて血中AGEの測定に成功したのは、私です。
糖尿病専門医としてのキャリアを通してAGE、そして腎症(腎臓)の研究に没頭してきました。
AGEは一度できると体内に長く留まります。
そのため、「忘れたころ」に合併症が出てくるというたちの悪い物質なのです。
たとえば、糖尿病患者で、いま血糖値の状態がいい人でも、20年後には半分以上に腎症が出てきます。
それが糖尿病という病気であり、侮(あなど)ることができません。

そして、糖尿病性腎症になるとAGEが加速度的に増えてしまうのです。
ところが、糖尿病が専門でない医師の中には、「血糖値コントロールこそ、患者に施すべき治療だ」といまだに思い込んでいる人がいます。
糖尿病専門医からすれば、血糖値コントロールなど、治療の1割くらいにすぎません。
「この患者さんの場合、どういう薬を組み合わせれば合併症が防げるか」 「もし合併症が出たら、今後どういう治療をしていこうか」 「血圧はどのくらいに抑えてもらわなければならないか」 「眼科との連携をどう取っていこうか」 患者さん一人ひとりに合わせて、糖尿病専門医は、絶えずこんなことを考えています。
血糖値以外にも気を配るべきものがたくさんあり、「糖尿病の治療は、合併症とほかの病気へのフォローが9割」と言っていいのです。

■B血糖値が上がることを気に病む必要はない
糖尿病患者はこれまで、高血糖が続くことを極度に恐れてきました。
主治医から「血糖値が高いままだと、いずれ合併症でたいへんなことになりますよ」と、さんざん脅(おど)かされてきたのですから、それも当然です。
しかし、いまでは医学の進歩によって糖尿病合併症は薬で治せるようになりました。
そのため、以前ほど血糖値を気にする必要はなくなりました。
血糖値が200mg/dL以上になっても心配はいりません。
ただし、「きちんとした治療ができる糖尿病専門医」にかかることが大前提であることは言うまでもありません。

私の患者さんでは、40年以上にわたってインスリンの注射を打っていて、毎日計っている血糖値は200mg/dLどころか400、500ということが月に何度もある、1型糖尿病の90代の男性患者さんがいました。
HbA1cは9%前後です。
ところが、どこにも合併症が出ていません。
血糖値が200mg/dLを超えるような状態が40年以上続いても、正しい治療を行えば合併症と無縁でいられることをこの患者さんが証明しています。
ただし、「命にかかわる血糖値のボーダーライン」はあります。
HbA1cは7.9%以下に抑えましょう。
これを超えると、免疫力が低下して感染が起きやすく、縫合不全の可能性もあるため手術ができなくなるリスクが高まります。
だからHbA1cが8.0%を超えないように血糖値をコントロールすることは必要です。
しかし、それができていれば、血糖値に一喜一憂する必要はありません。

■Cきちんとした治療を受ければ、人工透析と無縁でいられる
実は、糖尿病そのもので死ぬことはありません。
糖尿病が恐ろしいのは、さまざまな合併症を引き起こすからです。
合併症には腎症、網膜症、神経障害の3つがありますが、その中でももっともやっかいなのは腎症です。
網膜症で失明することは避けたい。
しかし、失明で命を落とすことはありません。
神経障害も不便ですが、血糖値コントロールをすれば改善できます。
一方、腎臓はあらゆる老廃物を濾過(ろか)する重要臓器であり、腎臓が動かなくなれば体内に毒素が溜まって死に至ります。そのため腎症が進行すると、人工透析が必要になります。
腎臓に代わって機械に老廃物を濾過してもらうのです。
機械で濾過できる老廃物は正常な腎臓の1〜2割にすぎず、人工透析を行っている患者さんは疲れやすく、顔色も悪くなります。
また、人工透析は1回の治療に4時間程度かかり、週に複数回、それが一生続きます。
しかし、糖尿病専門医にかかり「きちんとした治療」、すなわち、血糖値を下げることではなく、腎臓の合併症を治す治療を受ければ、生涯人工透析と無縁でいられます。
とくに強調したいのが、「尿アルブミン検査」の重要性です。
似た名称の検査に血液中の血清アルブミンの検査がありますが、まったく別物です。

私の患者さんが地方に転勤した先でかかった病院で、勘違いした医師がいて驚いたことがありますが、「尿検査でアルブミン値を調べること」、これが最重要です(単位はmg/g creatinine)。
私は15年前から、この検査がいかに大切かを本に書いて啓蒙(けいもう)してきました。
しかし、残念ながらいまだ普及が見られていません。
しかし、読者のあなたはいま知りました。これをチャンスと思って、ぜひ試してみてください。

尿アルブミン検査こそ、糖尿病の患者さんが真っ先に受けなければならない検査です。
これを定期的に(3カ月に1回くらい)受けていれば、人工透析をまぬがれることができます。
糖尿病の人はもちろん、そうでない人も、尿アルブミンが300mg/g creatinineを超えたら、腎症がかなり進行して透析の危険が迫っています(糖尿病腎症のステージでは第3期。第5期になると透析です)。
この検査を定期的に実施し、腎症を治すことができる信頼できる専門医にかかりましょう。

「専門医にかかりましょう」としつこく書いているのには理由があります。
かつて、私も面識のある作家が、糖質制限を過信し、「医者いらずで糖尿病を克服した」と周囲に吹聴したものの、命を落とす結果になった悲しい出来事があったからです。
糖尿病は完治することはなく、上手に共存していくべき病気であり、合併症治療には専門医の知識と経験が必須です。
ここはしっかりご理解いただきたい点です。

■D糖尿病の最大の敵は「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」
糖尿病になって、命に直結する最大の問題は何かといえば、血糖値でも合併症でもなく、命を奪うがん、心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳卒中です。
糖尿病患者さんは、そうでない人に比べて平均寿命が10年短いというデータがありますが、糖尿病になることで、こうした命にかかわる病気になるリスクが急上昇するからなのです。
ですから、糖尿病の患者さんは、これらの病気にかかる頻度が高いことを自覚して、確実な検査をすることがどうしても必要になってきます。
たとえば、たった20秒で済んでしまうCTスキャンによる検査を毎年受けていれば、肺がんなどで死ぬことはありません。
ですが、実際には、実践している人はほとんどいないと思います。

その観点から、糖尿病患者さんが受けるべきは、@胸部と腹部のCT、A胃腸のカメラ、B脳のMRIの3つです。
胸部と腹部のCTで首からお腹の下まで輪切りにして見ることで、肺、膵臓(すいぞう)、胆嚢(たんのう)、肝臓、腎臓、卵巣など、とくに予後が悪いといわれるがんをはじめ、ほぼ全身のがんを完治可能な早期段階で発見することが可能になります。
また、心臓の血管に異常があれば胸部CTに映りますから、改めて冠動脈CTで詳しく調べることで、心筋梗塞などを防ぐことができます。
これでカバーできないのが消化器のがんで、胃カメラと大腸カメラ(内視鏡検査)で直接粘膜を見る必要があります。
胃、大腸、食道、十二指腸の異変をすべて早期にチェックでき、また、小さな病変であればその場で切除ができますから、非常に優れた検査といえます。
これに脳のMRIを加えればほぼ完璧です。
脳のMRI検査で破裂しそうな動脈瘤(りゅう)や小さな梗塞を見つけることができますし、この段階で予防的な処置ができれば、命を落としたり後遺症が残ったりするような大発作も回避できます。
また、脳腫瘍も早期に見つけることが可能です。
とくに、くも膜下出血は働き盛り世代に多発するので注意が必要です。
罹患(りかん)しやすい体質が遺伝するといわれていますから、親類縁者にくも膜下出血の患者さんがいれば調べておくことをおすすめします。

■「血糖値を下げる」から「糖尿病と生きる」へ
見てきたように、糖尿病患者さんが血糖値に翻弄(ほんろう)される時代はすでに終わりを告げました。
糖尿病のみならず、合併症や命にかかわる病気への対処と治療を、「人生100年」を見据(みす)えていかに継続していくかを考える時代になっています。
とりわけ、患者さんのQOL(生活の質)の維持の観点からは、「腎症とどう付き合うか」、これが最大の課題となっていると言っていいと思います。

本稿の冒頭で、糖尿病になると新型コロナの重症化リスクが上がるという話をしましたが、実は、HbA1cが8.1%と血糖コントロール不良の人は新型コロナウイルス感染による死亡率が一般の人よりなんと10倍に上がるという報告もあります。
すなわち、糖尿病の治療は、新型コロナの重症化リスク低減にも寄与する、糖尿病患者にとってとても大事なポイントになっているのです。
糖尿病や糖尿病性腎症についてさらに詳しく知りたい方は、拙著『医者が教える最強の解毒術』『日本人の9割が誤解している糖質制限』『糖尿病で死ぬ人、生きる人』などにもあたっていただき、健康長寿の実現に向けた生活の改善を今日からスタートしていただきたいと願っています。

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牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長 1979年、北海道大学医学部卒業。
地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。
この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。
1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。
世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。
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2021年09月09日

「この人だけは首相にしないで!」女性の圧倒的1位は?

「この人だけは首相にしないで!」女性の圧倒的1位は?
9/8(水) 女性自身

菅義偉首相(72)の退陣表明を受け、日本中が『次の総理は誰になるのか?』注目している。
自民党総裁選に向けた派閥争いは激化し、情勢が変化する毎日だ。

日本では、国民が直接選挙で首相を選ぶ制度はないが、せめて「この人だけは首相にしないで!」という本誌女性読者の声を聞いてほしい。
そんな思いで、自民党大物議員の中でも「首相になってほしくない政治家」についてアンケートを実施。
ランキングを作成した。

結果は予想を超えて一人の政治家に票が集中。
麻生太郎副総理兼財務相(80)が、第2位の安倍晋三前首相(66)のトリプルスコア以上となる42%を獲得した。
理由として寄せられたコメントでは「言葉遣いが汚く聞こえる」「一般的な価値観から離れている」「おじいちゃんだし態度が悪い」といった意見があった。

過去には、「子どもを産まなかったほうが問題」「セクハラ罪っていう罪はない」など、女性を軽視する発言を繰り返してきた麻生氏。
女性からの支持が得られないのは当然の結果とも言える。

【自民党大物政治家の中で「この人だけは総理にしないで!」と思う人は?】
(女性限定回答 9月1日〜9月3日)

1位 麻生太郎:43%
2位 安倍晋三:14%
3位 丸川珠代:9%
4位 小泉進次郎:8%
5位 二階俊博:6%

共同通信社が9月4、5日に実施した、次の首相に「誰がふさわしいか」の世論調査で第1位となった河野太郎氏(58)の派閥の領袖は麻生太郎氏。
ハッキリした物言いで国民の支持を集める河野氏だが、いくら名前が同じ「太郎」でも、麻生氏の言うことだけは真に受けないほうが自身のためかもしれない。
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2021年09月11日

TBS「発言は誤りでした」共産党めぐる八代弁護士のひるおびでの見解に

TBS「発言は誤りでした」共産党めぐる八代弁護士のひるおびでの見解に
2021年09月10日 日刊スポーツ

TBSは同局系情報番組「ひるおび!」(月〜金曜午前10時25分)の10日放送で、レギュラーMCの八代英輝弁護士が共産党について発言した内容について、同日「発言は誤りでした」などとするコメントを発表した。

番組では、衆院選での野党共闘の話題を取り上げた際に、八代弁護士が「志位委員長がつい最近、『敵の出方』という言い方をやめようとは言ってましたが、共産党は『暴力的な革命』というのを、党の要綱として廃止してませんから。よくそういうところと組もうという話になるな、と個人的には思います」と、共産党と連携する可能性がある野党について言及していた。

同局は、八代弁護士の発言について「共産党の綱領には記載がなく、発言は誤りでした」とコメント。
共産党に対して「真摯(しんし)に対応して参ります」と今後の対応を示した。

また番組での対応については「月曜日の放送で対応することになります」と回答。
関係者によると、月曜日の放送で謝罪するとみられる。

共産党の志位和夫委員長は同日、自身のツイッターで、「TBS系『ひるおび!』で出演者が『共産党は暴力的な革命を廃止していない』などと述べたことに対し、党広報部植木部長は、局の担当者に抗議し、番組としての謝罪と訂正を求めました。
担当者は『申し訳ない』とのべ、訂正については検討すると答えました。
事実無根の卑劣なデマは絶対に許せません」と投稿していた。
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2021年09月12日

税務署も諦める「最強の相続対策」、ポイントは通帳!

税務署も諦める「最強の相続対策」、ポイントは通帳!
2021.9.11 Diamondオンライン
橘慶太:税理士

コロナ禍では、お金を増やすより、守る意識のほうが大切です。
相続税は、1人につき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。
家族間のトラブルも年々増えており、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で起きています。
本連載は、相続にまつわる法律や税金の基礎知識から、相続争いの裁判例や税務調査の勘所を学ぶものです。
著者は、日本一の相続専門YouTuber税理士の橘慶太氏。
チャンネル登録者数は6万人を超え、「相続」カテゴリーでは、日本一を誇ります。
また、税理士法人の代表でもあり、相続の相談実績は5000人を超えます。
初の単著『ぶっちゃけ相続 日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!』も出版し、現在3.8万部。
遺言書、相続税、不動産、税務調査、各種手続きという観点から、相続のリアルをあますところなく伝えています。

税務調査を寄せつけない申告書を作るポイントは2つあります。

@亡くなった方の過去10年分の預金通帳の入出金を事前に確認し、問題点を精査する
A書面添付制度を使い、税務署に@の内容を事前に伝える  

まずは@から見ていきます。
過去10年分の預金通帳をチェック
 調査官は銀行や証券会社から過去10年分の取引履歴を取り寄せて、多額の現金引き出しや、家族間の資金の移動がないかを、徹底的に調べます。
ならば、調査官と同じ目線で過去の取引履歴をチェックし、問題点があれば、事前に処理をしてしまえばいいのです。
 しかし税理士の中には、亡くなった方の過去の預金通帳をまったく確認せず、相続発生時の残高証明書だけを見て申告書を作成する人もいるそうです。
 これでは、過去に生前贈与があったかどうかも確認できませんし、相続発生の直前に現金の引き出しがあったかどうかもわかりません。
過去の預金精査に対する税理士事務所の方針はバラバラで、まったく確認しない事務所もあれば、相続開始3年前や5年前の預金通帳だけ確認する場合などさまざまです。
 しかし、私の経験上、相続税の申告をするなら過去10年分は確認するべきだと断言します。
※ちなみに亡くなった方の過去の取引記録は、相続人であれば単独で過去10年分取り寄せることができます。

書面添付制度とは?
 続いて、税務調査を寄せつけない申告書を作る上で必ず知っておいて欲しいのが、書面添付制度です。
 これは「税理士が税務署の代わりに、納税者のことを調査しました」という書面を作成し、それを申告書に添付して申告する制度で、税理士だけが行うことを認められています。
この制度を利用すると、税務調査に選ばれる可能性が、利用しない場合と比べて低くなります。
 また、通常の税務調査では、調査官が直接納税者の家に訪問して調査が行われますが、書面添付制度を利用した場合には、先に税理士だけが税務署に呼ばれます。
そして、その場で調査官の疑問をすべて解消できた場合には、その後の税務調査は省略されます。
 ただ、実際に書面添付制度を使って相続税の申告をしている税理士は、全体の約2割しかいないそうです。

素晴らしい制度なのに使わない税理士が多いのはなぜでしょうか。
 それは、書面添付制度を利用し、もし、その書面に虚偽の記載があった場合には、その税理士が懲戒処分の対象になるからです。
納税者にとっては良い制度ですが、申告書を作成する税理士の立場からするとリスキーな制度なのです。
 しかし、過去の預金通帳の流れをしっかりと確認している税理士にとっては、自信を持って書面添付制度を利用することができます。
ただ、書面添付制度を利用しても中身がスカスカでは、ほとんど意味がありません。
 税務署はコストパフォーマンス(調査に入って、短時間でどれだけ多くの追徴課税をとれるか)を重視する組織です。
「この家庭を調査しても、既に10年分の預金通帳を確認しているなら大きな追徴課税は狙えないな……。仕方ない、違う家庭にいくか」と思わせられるかどうかがポイントです。

 過去10年分の預金精査と書面添付制度。
この2つをしっかりと行っている申告書であれば、税務調査対策は盤石です。
(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続ーー日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!』を編集・抜粋したものです)

相続争いの大半は「普通の家庭」で起きている 「相続争いは金持ちだけの話」ではありません。
 実は「普通の家庭」が一番危ないのです。
 2018年に起こった相続争いの調停・審判は1万5706件。
そのうち、遺産額1000万円以下が33%、5000万円以下が43.3%。
つまり、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で起きています。

さらに、2000年から2020年にかけての20年間で、調停に発展した件数は1.5倍以上に増えており、今後もさらに増えていくことが予想されます。

 相続トラブルはなぜ起こるのか?
なぜ、普通の家庭で相続争いが起こるのでしょうか?
「財産がたくさんある家庭」が揉めると思われがちですが、それは間違いです。
揉めるのは「バランスが取れるだけの金銭がない家庭」です。

 例えば、同じ5000万円の財産でも、「不動産が2500万円、預金が2500万円」という家庭であれば、一方が不動産を、もう一方は預金を相続すれば問題ありません。
 しかし、「不動産が4500万円、預金が500万円」ならどうでしょうか?
不動産をどちらか一方が相続すれば、大きな不平等が生じます。
こういった家庭に相続争いが起こりやすいのです。

 多くの方が「私たちの家庭事情は特殊だから」と考えがちです。
しかし、相続にまつわるトラブルには明確なパターンが存在します。
パターンが存在するということは、それを未然に防ぐ処方箋も存在します。

日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!  
はじめまして。円満相続税理士法人の橘慶太(たちばな・けいた)と申します。
この度『ぶっちゃけ相続 日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!』を出版しました。

 私は、相続税専門の税理士法人の代表として、これまで5000人以上の方の相続相談に乗ってきました。
また、これまで日本全国で500回以上、相続セミナーの講師を務めた経験もあります。
 限られた人にしか伝えることができないセミナーよりも、もっと多くの人に相続の知識を広めたいと想い、2018年からYou Tubeを始めました。
現在、チャンネル登録者は6万人を超えており、相続に関する情報発信者としては、間違いなく日本一の実績を持っています。

 相続にまつわる法律や税金を解説した本は星の数ほどあります。
しかし、本に書いてあることと、実際の現場で起きていることはまったく別物です。
「教科書的な本ではなく、相続の現場で起きている真実をぶっちゃけた1冊にしたい!」という想いを込めて、本書を執筆しました。
 専門用語は使わず、イメージがつかみやすいよう随所に工夫をちりばめました。
ただ、わかりやすさを追求しつつも、伝えるべき相続の勘所(ポイント)は一切カットしていません。
この1冊で、相続にまつわる法律や税金の基礎知識から、相続争いの裁判例や税務調査の勘所といった深い部分まで学べる内容になっています。

 さらには2019年、約40年ぶりに相続にまつわる法律が改正され、遺言書のルールが大きく変更されたり、配偶者居住権という新しい制度が始まったりするなど、「相続の常識」が大きく様変わりしました。
もちろん本書は、この大改正に完全対応しており、変更点・注意点をあますところなく解説します。
 本書を読み終わるころには、相続にまつわる網羅的な基礎知識が身につき、円満相続への準備が整うこと間違いありません。
自分が今すべきことが明確になり、暗中模索だった状態から、パーッと目の前が明るくなることをお約束します。
 そして巻末資料として、「知りたいことすぐわかるお悩み別索引」「いつまでに何をすべきかがわかる相続対策シート」も完備。
ここを読むだけで、相続にまつわる網羅的な知識が身につき、円満相続への準備が整うこと間違いありません!
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2021年09月13日

倉持仁院長 国民皆保険制度が壊れている「早く気づけ、ばか」

倉持仁院長 国民皆保険制度が壊れている「早く気づけ、ばか」
9/12 デイリー

 宇都宮市「インターパーク倉持呼吸器内科」の倉持仁院長が11日にツイッターに、虫垂炎を発症して「死にそうになりました」と投稿した。
倉持院長は、あらためて国民皆保険制度に感謝し、「この素晴らしい制度が今壊れています。早く気づけ、ばか、ぼけ、あほ!」と投稿した。

 倉持院長は「私事ながら、先日不覚にも盲腸(虫垂炎)がぶっつぁけ、死にそうになりました。
その時助けてくださったのがJCHOの方々です。
命を助けてくださったから今があります。
コロナでもそうでなくともきちんと医療が受けられ、助かる仕組みが必要です。
一般診療もコロナ診療もどちらも大切です!」と訴えた。

 続く投稿で倉持院長は「でも自分の盲腸が裂けたことで患者さんの立場が本当によく分かりました。
苦しくて、看護師さんを呼べばすぐ来て優しく看護してくれる。
ほんとうに感謝以外ありません」と看護師に深く感謝。

その上で「この素晴らしい制度が今壊れています。早く気づけ、ばか、ぼけ、あほ!」とコロナ禍で国民皆保険制度が十分に機能していないことに怒りを表した。
 倉持院長は別のツイートでも「指定感染症の枠組みと皆保険制度の軋轢が出ています。政治が動き、至急解決しなければいけない問題です」としている。
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野党の支持率が一向に上がらない3つの原因

野党の支持率が一向に上がらない3つの原因
2021年09月12日 PRESIDENT Online
(ジャーナリスト 赤石 晋一郎)

■菅政権の低支持率のさらに下をいく野党支持率
9月3日、菅義偉首相が自民党臨時役員会で、党総裁選に立候補しないことを表明した。
この結果、世間の関心事は次期自民党総裁の行方に集中している。
マスコミは毎日、「岸田文雄前政調会長だ」「河野太郎行政改革相が支持を伸ばしている」などと報じている。
こうしたなかで危機感を募らせているのが立憲民主党などの野党陣営である。

立憲民主党は菅政権の失政批判で、次期衆院選で議席を伸ばそうとしていたが、菅首相の退陣表明でシナリオが崩壊した。
全国紙の政治部記者は「自民党は総裁選を盛り上げて、新総裁に“疑似政権交代”をさせることで、国民の注目と支持を再び集めようとしている」と解説する。

そもそも菅首相の支持率がどれだけ下がっても、野党の支持率は上がっていない。
菅首相退任表明前の朝日新聞の世論調査(8月7、8日実施)によると、菅政権の支持率は28%と発足以来最低となったが、政党支持率では与党の自民党が32%でトップ。
野党第一党である立憲民主党の支持率はわずか6%だった。
なぜ、野党の支持率は上がらないのか。3つの問題点から掘り下げてみたい。

■立憲民主党の立候補予定者は衆議院議席の過半数に満たない
1つ目の問題点は「候補者不足」だ。
小選挙区制で政権交代を目指すには、全選挙区への候補者擁立が望ましい。
ところが衆議院の289選挙区のうち、立憲民主党の9月初め時点の立候補予定者数は約210人にとどまっている。
前出の政治部記者は「候補者を掘り起こしは重要です。新しい候補者を擁立すれば、それだけでニュースになり、党の存在感をPRできる。
なにより候補者の数が増えれば、比例票の積み上げになる」と話す。

■「はなから自民党と闘うつもりがない」
政権交代の起きた2009年の総選挙では、当時の野党・民主党の選挙対策を取り仕切っていた小沢一郎氏の強い方針で、全選挙区での候補者擁立を目指した。
結果として民主党は、連立を組むことになる国民新党、社民党の現職や候補者のいる選挙区を除き、ほぼ全ての選挙区での擁立を達成した。
二大政党制のもと小選挙区制度で選挙を行うと“風次第”でオセロゲームのような地滑り的な大勝が起こる。
2009年がまさにその典型であり、民主党は衆議院全体の議席480議席のうち308議席を占めた。
119議席にとどまった自民党の2.6倍の議席を獲得し、政権交代を成し遂げたのだ。
ある政治アナリストは「どれだけの候補者数を擁立しているのかは、その政党が政権を本気で奪取する気概があるかのバロメーターになります。いまの立憲民主党は、はなから自民党と五分に闘うつもりがないということなのだと思います」と冷ややかに見る。

■年々弱まっていく支持母体に頼らざるを得ない体質
2つ目の問題は「旧・民主党との違いがみえない」である。
立憲民主党の最大の支援団体となっているのが、日本最大の労働組合の中央組織・連合だ。
連合は官公労などの総評系と民間産別などの同盟系などの流れを統一した労組組織。旧・民主党の支持母体としても知られ、民主党が政権交代を果たした2009年選挙では約700万人が加盟する連合の組織票が大きな力になった。
ところが、自民党に政権が戻ってから連合の影響力は年々低下している。

旧・民主党が分裂したことで連合も立憲民主党、国民民主党などに支持政党が分散していることに加え、組織力も低落傾向にあり、思うような組織票を出せなくなっている。

■マスコミ批判の一方で発信ツールは記者クラブ 野党関係者はこう分析する。
「かつて郵便局や農協の組織票を基盤としてきた自民党も、スタイルの変化を意識しており、発信力のある政治家を重視するようになりました。
SNSに強い河野太郎氏はその典型例です。
一方、立憲民主党はいわゆる大マスコミ批判をしつつも、内心では大マスコミが大好き。
例えば、枝野代表が重視するのはいまだに記者クラブ向けの発信ばかりです」 自民党と立憲民主党の公式サイトを見比べてみると、その一端が垣間見える。
自民党の政策ページは図表を駆使したわかりやすいものとなっているが、立憲民主党の政策ページはテキストの羅列なのだ。

自民党が国民に直接PRすることを考えているのに対し、立憲民主党はマスコミの記者にさえ理解してもらえばいいと考えているのだろう。
SNSの活用も歴然とした差がある。
Twitteのフォロワー数では、河野太郎氏が239万人なのに対し、枝野幸男氏は17万人と10倍以上の差がある。
総選挙の切り札として、立憲民主党は強固な組織票を持つ共産党との野党共闘を実現する見込みだが、多くの国民は「党利党略」としか評価しないだろう。
また、執行部の布陣も旧・民主党と代わり映えがしない。
枝野代表、福山哲郎幹事長、蓮舫代表代行という顔ぶれを見て、「新しさ」を感じるのは難しい。
野党担当記者は「立憲民主党の党勢回復には、民主党政権のマイナスイメージをどう払拭するか、にかかっているのに、いまだに新しいイメージを打ち出せていない」と指摘する。

■与党批判が世間から白い目で見られるワケ
3つ目の問題が「ブーメラン批判」だ。
これは、勢いよく与党批判をしたのに、それと同時に身内の不祥事が明らかになり謝罪する、というものだ。
旧・民主党からの悪しき伝統ともいえる。
例えば昨年4月、大学生への支援をめぐり、立憲民主党の蓮舫副代表(当時)は参院予算委員会で「生活も成り立たない。 学校を辞めたら高卒になる」などと発言したことで、SNS上で「学歴差別」などの批判が噴出。
蓮舫氏は「言葉がすぎました」と謝罪に追い込まれた。

与党議員の失言を厳しく追及する一方で、身内の失言には甘い。
今年5月には衆院議員の本多平直氏が党の会合で成人と中学生の性行為を肯定する発言をして問題となったが、当初、立憲民主党は本多氏の議員名の公表すら拒むという対応を取った。
野党担当記者は「本多氏の発言問題は立憲民主党の支持層にとっては容認しがたいものだったはずです。
ところが本多氏が枝野幸男代表の元秘書だったこともあってか、党はなかなか処分に踏み切れなかったのです」と説明する。 党は7月になって党員資格停止1年とする処分方針を出したが、本多氏が離党したことで処分は見送られた。
まさに、「他人に厳しく、身内に甘い」というお友達体質を露わにしてしまったのだ。

■明らかに「ズレている」枝野内閣の7つの政策
枝野代表は9月7日に記者会見を開き、次期衆院選で政権交代を実現した場合、「枝野内閣」の初閣議で直ちに決定する7項目の政策を発表した。
このうち4項目は、日本学術会議に任命拒否された6人の任命、赤木ファイル関連文書の公開など「与党批判」の内容だった。前出の野党担当記者は「記者の間でも『ズレている』と驚きの声が上がりました。
あくまで敵失から人気を得ようとする考えが変わらないことにガッカリしたという声も上がっています」と明かす。

8日には立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党などが共通政策として脱原発や消費税減税を盛り込んだ内容を公表した。
事業創造大学院国際公共政策研究所上席研究員の渡瀬裕哉氏は「国民ではなく、一部の支援者しかみていない」と語る。
「消費税減税を謳っていますが、枝野氏の公表した『初閣議の7政策』に消費税減税は入っていません。
それは消費税減税にずっと及び腰だからで、本気でやる気はない。
立憲民主党が目を向けているのは労組や公務員といった支援者ばかりだから、その政策はつねに内向き。国民を見てないのだから支持率が上がらないのも当然なのです」

■今の立憲民主党に足りていない重要なもの
自民党が消費税減税を言い出せない以上、野党が消費税減税をより強く主張すれば「選挙の争点になり得る」と渡瀬氏は指摘する。
つまり争点が明確であれば、選挙では選択肢になり得るということだ。

立憲民主党に足りていないのは、与党との差別化を図るための明確な「対立軸」作りだといえよう。
立憲民主党の支持率が伸びない大きな理由は、その「暗さ」にあるといえるだろう。
与党批判だけを原動力にしてきた後ろ向きの姿勢が、党の暗い雰囲気を醸成する要因にもなっている。
立憲民主党が常に「野党第一党という現状に満足しているように見える」(政治部記者)と評されるのも、その姿勢があまりに“内向き”だからだろう。
健全な民主主義には、存在感のある野党が欠かせない。改めて、野党第一党としての奮起を期待したい。

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赤石 晋一郎(あかいし・しんいちろう)
ジャーナリスト 1970年生まれ。
南アフリカ・ヨハネスブルグで育つ。
「FRIDAY」や「週刊文春」の記者を経て、2019年にジャーナリストとして独立。
日韓関係、人物ルポ、政治・事件、スポーツなど幅広い分野で記事執筆を行う。
著書に『韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち』(小学館新書)、『完落ち 警視庁捜査一課「取調室」秘録』(文藝春秋)など。
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2021年09月14日

「本人も気づかないうちに進行する」"サイレントうつ"予備軍の5つの特徴

「本人も気づかないうちに進行する」"サイレントうつ"予備軍の5つの特徴
2021年09月13日 PRESIDENT Online

テレワークの常態化で、本人も気づきにくい「サイレントうつ」が深刻な問題になっている。
オンラインファシリテーターの小澤美佳さんは「画面上では元気に見えるのに、メンタル不調に陥っているというケースもある。普段から『ストレスを逃がすこと』を意識してほしい」という――。

■コロナで発生している「非対面の恐怖」
テレワークを導入する企業は増えたものの、周囲にトラブルを相談することができずにメンタル不調に陥る社員が出てきた――そんな事例が聞こえてくるようになりました。
こうしたメンタル不調に気づかずに放置していると、音信不通になるなど取り返しのつかないこともあります。

私が勤務するニットでは、33カ国に400名のメンバーがいますが、コミュニケーションはすべてオンラインです。
通勤がないためオン・オフの切り替えが難しいといった仕事上の悩みや、雑談ができないことによるメンバー同士の人間関係の構築が難しいといった対人関係の悩みはコロナ禍以前から存在していたため、社内で問題解決に向き合ってきました。
そのため、テレワークで心身に支障をきたしやすい人の生活や働き方の傾向がわかってきました。
そこで、非対面コミュニケーションから生じる心身の不調――「サイレントうつ」を回避する方法をお伝えしたいと思います。

■会社にも、自分にも、サイレントに進行する
「サイレントうつ」は当社が企業への注意喚起のためにつくった造語で、医学的な病名ではありません。
ただし、リモートワークによる社員のメンタル不調は、人事担当者の間で最近よく話題に上るテーマの一つです。
医師であり、産業医コンシェルジュを行うDr.健康経営の鈴木健太代表は「オフィスとは異なり、自宅など周囲に人が少ない状態でテレワークをしている人にサイレントうつは起こりがちです」と言います。

睡眠障害や慢性的な疲れといった身体的な問題が出ても気づきにくく、会社だけでなく自分自身でも「サイレント」で症状が悪化していくというわけです。
また、外でリフレッシュできないことなども、サイレントうつを引き起こす要因の一つでしょう。

サイレントうつの予備軍について、鈴木代表は下記のような傾向があるといいます。

・真面目すぎる
・完璧主義
・パソコン作業が多い仕事
・一人暮らしで人との会話が少ない
・趣味などの息抜きがない

オフィス勤務なら誰かが気づいてくれた不調でも、テレワークだと気づくのが難しくなります。
特にテレワークはテキストコミュニケーションがメインになるため、相手からの発信がなければ心身の状態が分かりにくいということが多くあります。

■サイレントうつを防ぐストレスの逃がし方
では、どうしたらサイレントうつを予防できるのか。
社内で試行錯誤した結果、最も良い予防策は「ストレスを逃がすこと」でした。
ニットで行っている施策を例に具体的なコミュニケーション方法をご紹介します。

(1)趣味や雑談など、仕事以外の息抜きができるオンラインの場をつくる
まず、オンラインで何でも話せる場をつくりました。
そうした場は、一つや二つでは足りません。
ニットではチャットルームを基点にした41個のオンラインコミュニティを設けています。
そのうち、「業務に関するコミュニティ」と、「業務外に関するコミュニティ」にわけてはいますが、自分の趣味や興味のあるものに何個入っても構いません。

「業務外に関するコミュニティ」はプロの占い師がいる占いのコミュニティをはじめ、韓国沼と呼ばれる韓国ドラマやK-POPが好きな人が集まるコミュニティ、キャンプ好きのコミュニティなど、多種多様です。
ニット代表の秋沢崇夫も、キャンプコミュニティで自身のおすすめグッズを披露しているようです。
このようなコミュニティの場は、非対面コミュニケーションしかできないメンバーにとって、心理的安全性の確保につながります。

(2)節目でオンラインイベントを実施する
昨年は「ZOOM飲み」という言葉も世間で話題になりました。
友達同士のオンライン飲み会季節の節目で忘年会や打ち上げ・ランチ会など、過去にイベントを実施していたタイミングで構いません。
ストレス発散と同時に、会社とのつながりを感じてエンゲージメントが上がります。
また、人事側でも社員の状況を定期的に見ることができるので、サイレントうつの予防につながります。

ニットではお花見など季節ごとにイベントを行ってきました。
一番盛り上がるのは「オンライン忘年会」で、例年100人ほどが日本全国、世界各国から参加します。
開催時間は午後9時。家庭のあるメンバーの子どもの就寝時間や、海外在住者の時差を配慮して設定しています。
ほかにも、ビンゴ大会やクイズ大会、絵しりとりなどまだ入社して間もない人でも楽しめるコンテンツにし、オンラインで完結する忘年会づくりをしています。

(3)困ったことがあったら相談できる窓口を用意する
テレワークだと後手になりがちですが、メンバーが何か困っていたらすぐに相談できる場をつくることはとても大切です。
ニットにはメンバーのケアや相談に乗ることがミッションの1つになっている「育成コーディネーター」がいます。
特に、新入社員や部署に配属されたばかりでまだなじみがない人に対し、最低でも入社時に1on1、その後3カ月は毎月1回の1on1を実施しています。

入社時のように、相談する相手もいない状況でのテレワークは不安が大きいものです。
相談する場をつくることは、メンバーの心理的安全性を確保することになり、「サイレントうつ」の防止につながります。
それだけではなく、メンバーがのびのびと力を発揮できる環境へとつながります。

業務で良いパフォーマンスを発揮するには、まずは心が健康でないといけません。
ストレスの原因が仕事量なのか、人間関係によるものかでも、ストレスのたまり方は違います。
企業としても様々な施策を用意することが大切でしょう。

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小澤 美佳(こざわ・みか) 株式会社ニット 広報
2008年、リクルート入社。10年間、HR一筋。
中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。
採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。
2018年中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。
2019年にニットに入社し、営業・広報・人事を経験後、現在はオンラインファシリテーターとして活動中。
オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターを多数実施。
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2021年09月15日

「読んではいけない反ワクチン本」 遺伝子改変、不妊、何年か後に副作用…偽情報を徹底検証

「読んではいけない反ワクチン本」 遺伝子改変、不妊、何年か後に副作用…偽情報を徹底検証
2021年09月14日 文春オンライン

「文藝春秋」2021年10月号より「読んではいけない『反ワクチン本』」(大阪大教授・忽那賢志氏)を全文公開します。(全2回の1回目/ #2 に続く)

 いま日本国内で新型コロナワクチン接種が急ピッチで進められています。
8月末時点で2回接種を終えた人の割合は、総人口のうち約45%に達しました。
 ワクチン接種が進む一方で、新型コロナワクチンの危険性を喧伝する「反ワクチン本」が多数出版されています。
その内容を見ると、「遺伝子改変が起こる」「不妊になる」など、医学的に誤った情報があふれています。
「よくこんなことを考えつくな」と驚くようなものもありました。

 そうした書籍の中には、ネット通販で売れ行きランキングの上位に入っているものもありますし、本にある誤情報が、個人のSNSを通じてネット上にも出回っている状態で、さすがに看過できません。

■反ワクチン論者たちは不安につけこんでいる
 もともと日本は、ワクチンへの信頼性が低い国です。
1940年代には、「京都・島根ジフテリア事件」などをきっかけに、ワクチンへの不信感が広がりました。
近年では、子宮頸がんなどを予防する「HPVワクチン」のミスリーディングな報道のため、ワクチン全般に対する不安が一層強まりました。

 ですから新型コロナワクチンについても、不安を抱く人は一定数いるだろうと予想はしていました。
反ワクチン論者たちは、その不安につけこんでいるわけです。
 ワクチンを接種するかどうかは、あくまで個人の判断にゆだねられています。
「何が何でも打ったほうがいい」というものではなく、打たない選択肢もあります。
 ただ、ワクチンを打てば感染や重症化は高い確率で防げます。
大阪府の調査では、今年3月以降、ワクチンを2回接種した感染者の中には死亡や重症化したケースがなかったと明らかになりました。
東京でも今年7月19日以降の1カ月間で、2回接種で亡くなった方は全体の2%だという調査結果が出ています。

 一方、ワクチンに副反応はつきもので、100%の安全性を求めることはできません。
 これらの効果と副反応を天秤にかけた上で、接種するかどうかを判断するわけですが、このとき医学的に誤った情報やデマに惑わされて、接種の機会を逃してしまうのは、ご自身にとっての不利益につながりかねません。
接種をためらっている読者の方々には、正しい情報を知った上で、ワクチンを打つかどうかを決めていただきたいです。
 そこで今回、「反ワクチン本」の偽情報やデマを紹介し、医学的・科学的な視点から、しっかり検証していきたいと思います。
正確性をより追求するため、新型コロナワクチンについての正確な情報を発信する団体「こびナビ」副代表の木下喬弘医師にも監修をお願いしました。

■「メッセンジャーRNAワクチン」の特徴
 反ワクチン本の詳細に入る前に、「新型コロナワクチンはなぜ効くのか」をご説明したいと思います。
 現在、日本で接種が進められている主な新型コロナワクチンは、米ファイザー社製と、米モデルナ社製。
どちらも新技術を使用した「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」です。

 ワクチンの古典的な手法は元々、大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。
「生ワクチン」は、ウイルスを弱毒化させたものを体内に接種して免疫をつけるもので、麻疹や風疹のワクチンに使用されています。

一方の「不活化ワクチン」は、ウイルスの一部だけを体内に接種するもので、代表的なものにインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンが挙げられます。

「不活化ワクチン」はウイルスの活性を完全に殺してしまっているので、「生ワクチン」に比べて免疫がつきにくい。
免疫がついても、長期間持続しないという特徴があります。

 mRNAワクチンは従来の2種類と違い、ウイルスそのものは使用しません。
 具体的な仕組みを説明しましょう。
新型コロナウイルスは王冠のような見た目をしており、表面に「スパイクタンパク」と呼ばれる、トゲトゲとした突起物が存在します。
このスパイクタンパクの構造についての遺伝情報を、mRNAと呼ばれる遺伝物質に載せて体内に運ぶのです。
 mRNAはすぐに分解されないように、脂質ナノ粒子と呼ばれる脂質に包んで体内に注入します。
mRNAが体内の細胞に取り込まれると、細胞内の「リボソーム」と呼ばれる器官が遺伝情報を読み込み、新型コロナウイルスのスパイクタンパクを細胞内で生成する。
それに人間の免疫が反応して抗体が作られ、免疫が誘導されるという仕組みです。

 ワクチンは基本的に、体内に“異物”を投与することで、感染症に対する免疫をつけるものです。
免疫を活性化させるのですから、副反応は十分起こりうるものとして考える必要があります。
主な例としては、接種部位の腫れ、痛み、発赤。
また、全身症状としては、だるさ、頭痛、筋肉痛、寒気、発熱などが見られます。
いずれも許容範囲内のレベルであり、接種後2日くらいまでにほとんど消失します。

■科学的に正しくない記述(1) ?「ワクチンが遺伝子的変化を引き起こす」
 ワクチンの大前提を押さえたところで、反ワクチン本の実際の内容に触れていきたいと思います。
〈遺伝子組み換えRNA/DNA技術は、人の身体に永続的な未知の遺伝子的変化を引き起こすだろう。あなたを「遺伝子組み換え生物」に変える設計がされている〉(高橋徳・中村篤史・船瀬俊介『コロナワクチンの恐ろしさ』成甲書房、p.51)

 mRNAワクチンは遺伝子を用いた技術のため、多くの書籍でこのような記述が見受けられます。
 かつて「遺伝子組み換え食品」の安全性について議論が巻き起こったこともあり、「遺伝子」という言葉に敏感に反応される方も多いのでしょう。
ワクチンを打てば自分の遺伝子も組み替えられ、改変されてしまうのではないか、と。

 誤解を解くため、まずは細胞の仕組みを確認しましょう。
遺伝情報を持つDNAは、細胞内の「核」と呼ばれる部分に存在し、しっかりとした構造の中で守られています。
外部から簡単に書き換えられないように作られているのです。
 また、人間の細胞の中にはもともと多数のmRNAが存在しており、タンパク質を生成するために使用する情報を運んでいます。
それらは普段、「核」の内部には入ってこられない仕組みになっている。
よって、ワクチンを使ってmRNAを体内に注入しても、遺伝子がある細胞の核内に入り込むことは不可能です。遺伝子の改変はあり得ません。

■科学的に正しくない記述(2) 「新型コロナウイルスワクチンは動物実験さえやっていない」
〈従来のワクチン開発ですら、5〜10年間という歳月をかけて、培養した細胞や動物を使った実験、実際に人間に投与する臨床試験などのプロセスを経てつくられています。
一方で、新型コロナウイルスワクチンの開発期間は、各社とも約1年足らずです。
しかも動物実験さえもやっていませんから、世界中で「人体実験だ」と反発が起こるのも無理はありません〉(内海聡『医師が教える新型コロナワクチンの正体』ユサブル、p.130)

 確かにmRNAワクチンの開発から承認までは、従来のワクチンと比べて非常に速いものでした。
 これほど短期間でワクチンの開発が進んだ理由は複数あります。
例えば、いくつかの動物実験や臨床試験を同時並行でおこなう工夫をして、効率よく研究が進められたこと。
mRNAワクチンは従来のワクチンと違ってウイルスそのものを必要としないので、ウイルスを培養する時間が省けたことなどです。
 だからと言って、「動物実験さえやっていない」というのは明らかに誤りですし、臨床試験でも必要なプロセスを省略しているわけではありません。
ファイザー社もモデルナ社もプロセスをきちんと踏んでいる。
臨床試験(第三相)で実施する大規模治験は数万人を対象としており、従来のワクチンの臨床試験と比べても大がかりなものでした。
有効性と安全性が厳格に確認された上で承認が出ているのです。
臨床試験に参加した人々については、より長期に有効性や安全性が認められるかどうかについて、引き続き追跡調査がおこなわれています。

■科学的に正しくない記述(3) 「長期的には後遺症のリスクがある」
〈数カ月、数年後の身体の異変はまったく研究されていない〉(『コロナワクチンの恐ろしさ』p.77)
〈副作用や後遺症や遺伝子の変化は、遺伝子が組み込まれていく関係でタイムラグが生じる恐れが高いのです。つまり、すぐには症状として表れないということです〉(『医師が教える新型コロナワクチンの正体』p.152)

 mRNAワクチンの技術は新型コロナワクチンで初めて実用化されました。
また、人間への接種開始からまだ1年も経っていないため、「接種から何年か後に重大な副作用が生じるのではないか」と、長期的な安全性を懸念する声もよく聞きます。
 結論から言うと、mRNAワクチンの成分が長期的に体内に残ることはありません。
mRNAは、細胞内でタンパク質を合成するリボソームで数日以内に使用され、その後すぐに分解されるからです。
mRNAによって産生されるスパイクタンパクも、接種後2週間で体内から消失すると言われています。
 こうした機序(薬が効果を発揮する仕組み)から見ても、接種後1年以上が経過してからの副反応は、極めて考えにくいのです。
実際、これまでのワクチン接種では、重篤な副反応は投与後の数週間以内でしか確認されていません。
 また、mRNAワクチンは確かに新しいプラットフォームのワクチンではありますが、全く新しい技術というわけではありません。
 実はmRNAワクチンの技術は何十年も前から、多くの科学者によって研究されてきました。
インフルエンザウイルス、ジカウイルスなど、まだ実用化にいたっていないものの、多くの分野でワクチンに応用すべく研究されています。

何十年にもわたるmRNAワクチンの研究では臨床研究も実施されましたが、長期的な副反応は認められていません。 ( #2 に続く) 〈不妊、血栓症、逆に重症化、5G、磁石…〉“反ワクチン本”のウソを医学的・科学的にしっかり検証 へ続く

(忽那 賢志/文藝春秋 2021年10月号)
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2021年09月16日

〈不妊、血栓症、逆に重症化、5G、磁石…〉“反ワクチン本”のウソを医学的・科学的にしっかり検証

〈不妊、血栓症、逆に重症化、5G、磁石…〉“反ワクチン本”のウソを医学的・科学的にしっかり検証
: 文藝春秋 2021年10月号

「文藝春秋」2021年10月号より「読んではいけない『反ワクチン本』」(大阪大教授・忽那賢志氏)を全文公開します。(全2回の2回目/#1から続く)

科学的に正しくない記述(4) 「ワクチンを打つと不妊になる」
〈米CDCの報告では、コロナワクチン副反応報告の80%は女性の被害だった。訴えは「生理が止まった」「不妊になる」など〉(『コロナワクチンの恐ろしさ』p.55)
 反ワクチン情報で若い世代を特に不安にさせているのが、不妊症や流産についてのものです。

 最初に申し上げたいのは、一般的に、ワクチンで不妊や流産が誘発されたという事例は過去、見られないということです。例えば、インフルエンザワクチンは妊婦さんでも打つことが出来ますが、これまで流産の問題が生じたことはありません。

 不妊にかんする誤情報は、ファイザー社の元ヴァイス・プレジデントとされている人物がネット上に流した主張がきっかけだったようです。
新型コロナワクチン接種によって体内でつくられる抗体が、胎盤にあるシンシチン-1というタンパク質に反応し、胎盤を攻撃する可能性があると主張しました。
 新型コロナのスパイクタンパクとシンシチン-1の構造が類似しているため、抗体が誤って攻撃するというのです。

 しかし実際にシンシチン-1とコロナウイルスのスパイクタンパクの構造を比べてみると、アミノ酸の配列が同じ個所がわずかにあるものの、類似性はそれ以外に見当たりません。
両者は十分に違う構造なので、スパイクタンパクに対する抗体が、シンシチン-1に対して交差反応(間違って反応すること)を起こさないことは確認されています。

科学的に正しくない記述(5)「卵巣にmRNAが蓄積する」
 もう一つ、不妊の誤情報としてよく出回っているのが、次のような主張です。
〈筋注したmRNAワクチンが体内のどこに運ばれ、どのように代謝されるのか。
(中略)接種部位、脾臓、肝臓に多いことは想定内。体内に入り込んだ脂質ナノ粒子を白血球が貪食し、それが脾臓や肝臓にたまって、高濃度に蓄積したものと考えられる。
しかし意外なのは、卵巣である。卵巣に高濃度のmRNAが見られた。
(中略)卵巣を構成する細胞のDNAに取り込まれ、次世代に悪影響を与えるのではないか。つまり、不妊になる可能性が懸念される〉(『コロナワクチンの恐ろしさ』p.117〜118)

 そもそも、mRNAが卵巣に蓄積することを示すデータは一つも存在しません。
例えば、日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)が、ワクチン投与後に成分がどれだけ卵巣に蓄積するのかを調査したデータがあります。
調査によると、投与から2日後、卵巣での成分濃度は約0・095%でした。
この数値では「蓄積している」とは言えず、卵巣に影響を及ぼすレベルではありません。

 また男性不妊にも触れておくと、これまでの調査でワクチン接種による男性不妊の報告はありません。
逆に海外では、新型コロナから回復した男性の精子が減少しているという報告が複数出てきています。
 子育て世代の方にも、ワクチン接種が推奨されるべきでしょう。

科学的に正しくない記述(6) 「ワクチンを打つと逆に重症化する」
〈変異しやすいRNAウイルスの場合は抗体ができることにより細胞内でウイルスが爆発的に増加する抗体依存性感染増強(ADE)という現象が起こり、逆に重症化する可能性があります。
(中略)SARSの際にも、今回のようにワクチンが注目されましたが、ADEの可能性があることがわかり開発が中断されました〉(井上正康・坂の上零『コロナワクチン幻想を切る』ヒカルランド、p.86〜87)
 ワクチンを打つことで重症化するという主張も散見されます。

 一度ウイルスに感染した人や、ワクチンを打った人は、該当するウイルスに対する抗体が体内で作られます。
この抗体が中途半端な形で出来てしまった場合、逆にウイルスがヒトの細胞に入り込むのを助けてしまい、症状が悪化することがあるのです。これをADEと呼びます。
 ADEは確かに、mRNAワクチンの懸念材料ではありましたが、現時点ではワクチン接種によるADEの報告は上がってきていません。
これだけ世界中で接種が進んでいながら一例も報告がないということは、新型コロナワクチンでのADEは起こらない、または、起こるとしても極めて稀なことだろうと言えます。

科学的に正しくない記述(7) 「ワクチンを打つと猛毒スパイクが体内で増殖する」
 最後に“トンデモ理論”もいくつかご紹介しておきます。

〈ワクチン注射を打つとまず、猛毒“スパイク”が体内で増殖します。わかりやすく言えば、コロナの猛毒“トゲ”が大量にできて、血流に乗り全身をめぐる。そのとき、“トゲ”が血管の内皮細胞に刺さる。そこが炎症を起こす。すると腫れて血栓となる。この血流不全は万病を引き起こします〉(『コロナワクチンの恐ろしさ』p.31)

 冒頭でご説明したように、スパイクタンパクとは、新型コロナウイルスの表面に見られるトゲトゲとした突起状の部分です。
それを実際のトゲのようなものだと説明していますが、誤りです。
スパイクタンパクが血管につきささって血栓症を引き起こすなんてことはあり得ません。

 なお、血栓症については、英アストラゼネカ社製のベクターワクチンで、接種後ごく稀に(約25万回接種に1回)特殊な血栓症が起こることが報告されています。
このことから、日本ではアストラゼネカ社製のワクチンは、血栓症が比較的起こりにくい40歳以上の方に限定した使用となっています。

現在、日本で広く接種が進められているファイザー社・モデルナ社製のmRNAワクチンについては、血栓症との関連は認められていません。

科学的に正しくない記述(8) 「ワクチンは体内の電磁場を乱す」
〈体内に貯留したハイドロジェル(引用者注・ワクチンを安定させるための添加物)は、バイオセンサーとして利用できる。つまり、これらを通じて体内のデータを集めることもできるし、Wi-Fiや5Gを通じて起動し、エネルギーやパルス波を発散することもできる〉
〈コロナワクチン接種者が、接種部位に磁石をあてる。すると、磁石が接種部位にくっつく。
接種してない反対の腕に磁石をあてても、当然くっつかない。
体内の電磁場を乱す何らかの物質が入っていることは間違いないだろう〉(中村篤史『コロナワクチン、被害症例集』ヒカルランド、p.112〜113)

 一時期はネット上でも騒がれた5Gや磁石についての主張は、医学的にも、科学的にも、まったく誤っているので、そもそも議論のしようがありません(笑)。
このような超常現象は起こらない、としか言いようがないですね。

「利己的」な考えに囚われてはいけない
 ここまで「反ワクチン本」の内容を紹介してきましたが、これはほんの一部です。
身の回りに飛び交う膨大な偽情報に対する“免疫”をつけるにはどうすればいいか。
一番重要なのは、「正しい情報源」から「正しい情報」を仕入れることです。
ツイッターなどのSNSは、フォローするアカウントを自分で選択するため、情報が偏りがちになりますし、その正確性も保証されません。
必ず厚労省や専門機関のサイトをチェックするようにしてください。

 コロナ禍が収束に向かうには、全世代のワクチン接種率を高めていくことが必要です。
高齢者の2回接種率はすでに8割を超えているため、若い世代の接種率が鍵を握ります。

 しかしながら、ワクチンに対する不安を抱えているのは、特に若い世代なのです。
 国立精神・神経医療研究センターがおこなった調査では、「ワクチン接種をしたくない」と答えたのは高齢男性(65〜79歳)が4・8%、高齢女性が7・7%であったのに対し、若年男性(15〜39歳)は14・2%、若年女性は15・6%でした。
接種をしたくない理由としては「副反応が心配だから」と回答した人が、73・9%にも上ります。

「自分は若いから重症化しないし、副反応が心配だから」と、接種を希望しない方が多いのです。
 人々がワクチン接種について考える際、「利己的」な理由だけに囚われるのではなく、「利他的」な視点を取り入れると良いかもしれません。

 ワクチン接種者がウイルスに感染しにくくなるということは、周りの人の感染リスクも低くなるということです。
自分の家族や周りの人を感染から守ることができるのであれば、接種する意義は十分あります。
 この記事が皆さんにとって、新型コロナワクチン接種を真剣に考えるきっかけとなれば幸いです。
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2021年09月17日

がっかりだった歴代首相ランキング 2位は菅義偉氏…1位は?

がっかりだった歴代首相ランキング 2位は菅義偉氏…1位は?
9/15(水) 女性自身

次の首相となる「ポスト菅」を決める自民党総裁選。その告示が9月17日に迫っている。
そんななか、Twitterでは「#こんなひどい政治ははじめてだ」がトレンド入り。「#最低最悪の首相」というハッシュタグとともに歴代首相の”懐かしい”写真が多数投稿されるなど、盛り上がりを見せていた。
そこで、女性自身では2000年代の「がっかりだった歴代首相」についてのアンケートを実施。ランキングを作成した。
回答したのは男女150人。結果は、以下の通りだった。

【2000年代の歴代首相のなかで最も「がっかり」だった人は?】(回答:2021年9月9日〜9月12日)
1位:安倍晋三(26%)
2位:菅義偉(24%)
3位:鳩山由紀夫(13.3%)
4位:菅直人(11.3%)
5位:野田佳彦(9.3%)
6位:麻生太郎(8%)
7位:森喜朗(7.3%)
8位:小泉純一郎(3.3%)
9位:福田康夫(0.7%)

“栄えある”「がっかりだった歴代首相」1位となったのは、安倍晋三前首相(66)!
森友学園問題や桜を見る会などの不祥事に対する説明責任を果たしていないことや、新型コロナウイルスの初期対応に関する不信感が拭えなかったようだ。
選んだ理由について、以下のようなコメントが寄せられていた。
「不祥事が多かった」(30代女性・会社員)
「森友、加計、桜を見る会などの問題から何の説明も無しに逃げまわっているだけだったので」(60代男性・会社員)
「森学園の問題もそうだが、コロナウイルスに対しての初期対応に、問題があると思う。もっと慎重にやるべきだった。出始めに、中国からの出入りや、プリンス号船の対応に問題あり」(30代女性・会社員)

2位は菅義偉首相「自分の意志で発言していると思えない」 続いて、2位にランクインしたのが菅義偉首相(72)。
安倍前首相との差は、わずか2%だった。
新型コロナウイルスや東京オリンピック・パラリンピックへの対応や判断力に対して、不満の声が多く寄せられた。
「自分の意思で発言していると思えない」(30代男性・会社員)
「膨大な数の自宅療養者を出したから」(50代女性・パート)
「やることなすことすべてガッカリ。国民の気持ちに寄り添えない本当にガッカリな人。日本の未来が真っ暗になったような気持ちになった」(40代女性・専業主婦)

そして3位にランクインしたのが、鳩山由紀夫氏(74)。
民主党に対する期待を裏切られたという思いや、公約を果たしていないといった意見が多かった。
「マニフェスト通りに行かず、政権を後退しても醜態を晒しただけでただただ虚しかった」(10代学生)
「民主党に期待したのですが、、ガッカリ!」(40代女性・パート)

17日の告示まであと2日。「ポスト菅」となる新首相は数年後、「がっがりだった歴代首相」にランクインしないといいのだが――。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月18日

女性教師の売春2度逮捕に都教育委「前代未聞」と仰天

女性教師の売春2度逮捕に都教育委「前代未聞」と仰天
2021年09月17日  日刊ゲンダイDIGITAL

「学生時代から趣味でお金を使い、消費者金融に最大で300万円の借金があり、返済するためにやっていた」
 東京23区内の小学校に勤める27歳の女性教師が複数の男性客から現金を受け取り、繰り返し売春行為をしていたとして、13日付で懲戒免職処分となった。

 女性教師は昨年2月中旬〜11月にかけて、新宿区大久保の路上で売春目的で客引きをし、性行為をしていた。
昨年11月5日、客待ちをしていたところ、男性客を装った私服警官に職務質問され、売春防止法違反の疑いで現行犯逮捕された。
さらに今年2月24日にも、同じ容疑で再び現行犯逮捕されたが、いずれも起訴猶予となった。

 東京都教育委員会は「教員が客待ちをして逮捕されるとは聞いたことがないし、あってはならない。前代未聞の事案」とコメント。
女性教師の氏名を公表しない理由について「売春行為者の保護更生という売春防止法の趣旨に鑑み、被処分者の氏名及び学校名を公表しないこととした」と説明した。

■「手っ取り早く、大金を稼げる」と…
 都教委人事部職員課の担当者がこう。 「昨年2月中は数回です。その後、新型コロナウイルスの感染が怖いということで、しばらく控えていたそうですが、7月から11月までは週に3回程度、客待ちをしていました」
 女性教師は都教委の聞き取り調査に「(売春した回数は)はっきり覚えていない」と話しているというから、かなりの回数だったのだろう。
昨年10月から精神疾患を患い、クビになるまで療養を理由に休職していた。

 女性教師は夜の街で出会った風俗スカウトマンから「手っ取り早く、大金を稼げる」と言われ、売春を始めたという。
「新宿は国内でも屈指の立ちんぼエリアです。中でも百人町界隈と歌舞伎町にある大久保公園周辺には、胸元が開いたエロい服装の娼婦があちこちに立っています。
以前は白人やアジア系も見かけましたが、コロナ後はほとんど日本人です。
コロナで仕事がなくなり、売春を始めた女の子もいます。
平日は大体18〜22時、土日は昼間からいます。
周辺に安いラブホテルが多く、ネット上で『立ちんぼスポット』として広まり、いつの間にか大勢の娼婦が集まるようになったようです。
そうなると警察も目を光らせ、取り締まりを強化します。
相場はホテル代別で1万5000円から2万円。ニューハーフが交じっていることもあります」(風俗関係者)

「手っ取り早く」の言葉に目がくらみ、真面目に働いて借金を変えそうとは思わなかったのか。
posted by 小だぬき at 14:26 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月19日

日本に多い「意見の違う相手を攻撃する人」の特徴

日本に多い「意見の違う相手を攻撃する人」の特徴
2021年09月18日 東洋経済オンライン
見波 利幸 : 日本メンタルヘルス講師認定協会理事

自分の意見に合わない人に対して容赦なく非難し、攻撃する――そんな人が以前より目につくようになってきている。
なぜ「寛容の精神」を持たない日本人が増えているのか。
企業のメンタルヘルス研修の草分けとして活躍してきた見波利幸氏が、新著『平気で他人をいじめる大人たち』(PHP新書)でその背景を語っている。該当の部分を抜粋して公開する。

他人をいじめる人の「特徴」
最近は「自分が正しい」と主張してそれに従わない人をいじめる人が、増えている気がします。
では「自分が正しい」と主張する人たちは、本当に自分の意見を持っているのでしょうか。
誰かの借り物ではない「自分の意見」とは、自分の頭で考え抜いたあとに、ようやく出てくるものです。
そのように考えると、他者を思いやることができず、いじめても良心の呵責(かしゃく)を感じない人たちが、本当の意味での自分の意見を持っているのか、はなはだ疑問です。

なぜなら、自分の頭で考えることができるのならば、当然、自分のことだけではなく他者に思いを馳せることもできるはずだからです。
「世間の常識」や「権威(自分の会社の上役、ボス的存在のママ友など)」に従って、権力者や世間の常識の代弁人となって力をふるっている人は、はたして自分の頭で考えているのでしょうか。
自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像することができる人こそが、自分の意見を持てるのだと思います。

では、権力者の言うことや世間の常識を自分の意見だと思い込んで、そこから外れた人を許さないと考える人が増えてしまったのはどうしてなのでしょうか。
その背景には、面と向かって議論することが少なくなったことがあるのではと推測します。
「自分が正しい」「これが世間の常識」と思っている人は、正面切って自らの意見を言うことは、あまりありません。
それは本当に考え抜いた、その人の意見ではないからです。
そして自分と違う意見や反対意見が出ると、「その意見は聞きたいとも思わないから、受けつけない。私には関係ない」と、話し合いの席に着こうともしません。

多くの人は、お互いの意見を面と向かってぶつけ合う経験を重ねることで、相手の意見を尊重すること、お互いの落としどころを見つけることの大切さを学んでいきます。
しかし、昨今、面と向かって議論をする経験が乏しくなり、自分の意見が否定されたり、相手の意見を受け入れなければならなくなることに慣れていない人が増えているように思います。

コロナ禍以降、対面で議論する場面はますます減ってしまいました。

「自分の身内」以外はどうでもいい
高度経済成長期やバブル期のように、努力すればそれに見合うだけの見返りがあった時代は、努力が報われる時代でした。人々は、未来は今よりももっといい時代になると本気で信じていました。
しかし今の時代は、努力をして一生懸命働けば必ず給料が右肩上がりになり、昇進に結び付く、という時代ではありません。だったら、努力なんかしないでそこそこの給料をもらって、プライベートで楽しみを見つければいい、と考える人が増えました。
そうなってくると、自分と自分の身内だけが大切で、その他の人のことはどうでもいいと考えるようになります。
すると、他者と議論してお互いを理解しようとすることも面倒くさくなるというわけです。

でもちょっと待ってください。
他者のことをどうでもいいと考えている人が増えているのならば、他の人が何をしようが関心がないわけですから、放っておけばいいはずです。
それなのに、SNSで相手の意見をひたすら攻撃する人がいます。

つまりここでいう他者とは、2種類に分類されると思います。
意見を言わない他者は、自分にとって人畜無害の存在。こういう人たちは、本当にどうでもいいので放っておく。
けれど、自分の意見と合わない他者は、不快だから排除しようとバッシングをするわけです。

自分と意見が合わない人を不快だと感じるのは、同調圧力に近いかもしれません。
もともと日本人は、地域の共同体や職場などお互いに知っている人間でつくったルールの中で生活してきました。
特定のピアグループ(社会的立場・境遇などがほぼ同じ人たちで構成されるグループ)内においては意思決定や合意形成を行う際、少数意見を言う人たちに対して、プレッシャーをかけて多数派の意見に合わせるように誘導するという同調圧力が働いていました。

社会全体が右肩上がりだった時代は、自分たちにしか通用しないルールを設けて、社内の意見を1つの方向性に統一させるという方針でも通用していましたが、平成・令和になるとそのような会社は時代の変化に対応できなくなり、倒産したり、吸収合併されたりしています。

コミュニケシーションを避ける人増えた背景
これからの時代は、好むと好まざるとにかかわらず、自分たちのルールを守っていくだけではやっていけないのです。
価値観を多様化させ、時代の変化に対応していかなければ、すぐにそっぽを向かれてしまいます。
自分と価値観や考え方が合う人間だけを大切にして、そこから外れた人のことは排除していじめるというのは、まさに他者に思いを馳せられない人がすることで、これからの時代には到底許されることではありません。
前述したように、今の時代は他者と議論してお互いに理解を深めようという人は減っています。

別の言い方をすると、他者とのコミュニケーションを回避する傾向にあるといっていいでしょう。
コミュニケーション回避の別の要因として、私は、幼少期の遊びの変化が影響しているのではないかと考えています。
私が子どもの頃(1960年代)は、地域の子どもたちと一緒になってよく外遊びをしました。
小学校低学年の子から中学生くらいまでと、遊び仲間の年齢も違えば家庭環境もさまざまでした。
威張っている子もいれば、気の弱い子もいました。
年齢がバラバラだと、一緒に遊ぶ中でいろいろと工夫をします。
小学校低学年の小さい子たちと遊ぶときは、大きい子たちにはハンディをつけたり、独自のルールを設けたりしました。
自分たちで新しい遊びを考えたりするのも、楽しい試みでした。

子どもはいろいろなタイプの子と遊ぶことによって学びを得て、精神的に成長していくものです。
それは大人になって、社会に出て働くようになってからも役に立ちます。
職場にはさまざまなタイプの人間がいますから、子どもの頃からいろいろなタイプの人と付き合っていると自分とは意見が合わない人がいたとしても、話し合うことで何とか折り合いをつけていこう、という思考になります。

ところが今は(というか、もう何十年も前から)、子どもたちが外で遊ばなくなりました。
子どもたちは、学校が終わったら塾や習い事の予定がつまっていて、遊ぶ時間がないのです。
また、たまに遊んでいる子たちを見かけても、公園で2、3人くらいでゲームをしています。
5人以上で、いろんな学年の子どもが一緒に遊んでいるという風景は、少なくなってきています。

1980年代から共感能力が低下傾向に 大学生を対象に海外で実施された「心の理論の能力」を調べた結果によると、1980年代から共感能力が下がっていると報告されたそうです。
特に「共感的配置」と「対人関係における感受性」の能力が悪化しています。

「共感的配置」とは辛い状況の人に共感できる能力。
「対人関係における感受性」は、別の人間の価値観にのっとり、その人の視点で世の中を見る能力のことです。
心の理論のは、他人のしぐさや表情、行動などを繰り返し観察することで得られる能力ですが、人と人との直接的なコミュニケーションが減っていったことで、心の理論の能力が落ちたと言われています。

1980年代に大学生だった人は、だいたい1970年代に子ども時代を過ごしています。
日本でも1970年代あたりから、子どもたちは外遊びよりもテレビゲームをやる子どもが増えてきていますから、海外での調査結果と一致するでしょう。
1970年代に子どもだった人の世代あたりから、他者とコミュニケーションを取ることが苦手な子どもが増えるようになったと言えるのではないでしょうか。
その結果、心の理論の能力が落ち、他者とどう接していいかわからない人が増えてコミュニケーションを回避するようになったのでしょう。
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2021年09月20日

去る菅首相がやった仕事「勝手ランキング10選」

去る菅首相がやった仕事「勝手ランキング10選」
コミュニケーション最悪でも「実績」はあげた?
2021/09/19 東洋経済オンライン
かんべえ(吉崎 達彦)チーフエコノミスト : 双日総合研究所

株価が好調だ。
日経平均株価は再び3万円台に乗せて、さらに9月14日には31年ぶりの高値をつけた。
それもこれも政局の転換に期待してのことである。
上昇のピッチを加速させたのは、9月3日に菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を宣言したことがきっかけだ。
それが相場活況の原因と考えれば、ご当人の心境はいささか複雑なものがあるかもしれない。

現職不出馬時の自民総裁選は「必ず盛り上がる」 とはいえ、それ以前の市場の読み筋は、「自民党総裁選挙は不人気な菅さんが楽勝するけれども、その後の総選挙では自民党が大敗し、議席数を大幅に減らす」というものであった。
この場合、菅内閣は日本維新の会など野党に協力を求めつつ、低姿勢の政策運営が続くことが予想された。
大胆な新型コロナウイルス対策や、思い切った経済政策が打てるとは思えないので、相場もさえない展開が続くとみるのが自然であった。
ところが、菅さんは総裁選への不出馬を表明してくれた。
しかもその直前に、これまた不人気な二階俊博幹事長を「道連れ」にしてくれた。
これで一気に情勢が変わった。

9月29日に行われる自民党総裁選で誰が勝つにせよ、新総裁はたぶん菅さんよりは人気が出るだろう。
実際に、ここ2週間のマスメディアは完全に「総裁選モード」であり、野党の存在感が一気に霞んでしまった。
これなら続く総選挙でも、自民党はさほど負けないだろう。
さらに言えば「現職が引いた後の自民党総裁選は盛り上がる」という経験則がある。
@ 1998年には橋本龍太郎首相が辞任し、世に言う「凡人・軍人・変人」の三つ巴決戦となった。この戦いを制した小渕恵三氏は、尻上がりに支持率が上昇した。
小渕首相は惜しくも脳梗塞に倒れるが、それがなければ長期安定政権になっていたかもしれない。
A 森喜朗首相の辞任を受けた2001年の総裁選では4人が立候補した。橋本龍太郎氏優位との事前の観測をひっくり返し、党員票で圧倒的な支持を得た小泉純一郎氏が勝利した。
小泉首相は「聖域なき構造改革」を旗印に、長期政権への道を切り開いた。
B 自民党が野党として迎えた2012年の総裁選では、現職の谷垣禎一氏が再選を目指さなかった。
このときは5人が出馬し、最初の投票で石破茂氏が1位になったものの、決選投票で安倍晋三氏が逆転勝利した。
その3カ月後には衆議院が解散され、年末には第2次安倍内閣が発足する。
そして株式市場は「アベノミクス相場」に沸いたのであった。

ここから連想してみると、2021年総裁選も重要な政策転換の場となり、強力政権の出発点となるのではないかと思えてくる。
株式市場が好感するのも無理がないのである。
いかなる偶然か、このタイミングで新規感染者数も減り始めた。
8月末までのイヤ〜な雰囲気は一気に消え去った。
自民党としても株式市場としても、「ありがとう!菅さん!」と言いたいところだが、あらためてこの1年、菅内閣はどんな仕事を果たしてきたのか。

数え上げてみると、ビックリするほど多いのである。
菅政権の評価はどう行えばよい? 以下は筆者が勝手に10項目を選び出し、ランキングをつけてみたものだ。
1内閣が1年間で成し遂げた仕事とは考えられないほどの量である。
@ ワクチン接種体制の構築
当初、「1日100万回体制」はとても無理ではないかと思われたが、わが国におけるワクチンを2回接種した比率は9月12日時点で全人口の5割を超えた。
アメリカを抜くのはもう時間の問題だ。
A 東京五輪の開催。
いろいろ議論はあったにせよ、また無観客だったにせよ、とにかく大きな事故もなくイベントを終了させた。
「オリパラ」に参加したアスリートたちも、「ありがとう、菅さん」だろう。
B 「2050年カーボンニュートラル」の宣言。
かなり困難な目標となるが、大方針を決したことは歴史に残る仕事。
次期首相はこれを引き継いで、いきなり10月の「G20ローマ会合」や11月の「COP26」グラスゴー会合に出席しなければならない。
C デジタル庁の創設。
甘利明・自民党税制調査会長の言葉を借りれば、わずか1年でスタートにこぎつけたことは「日本新記録」の速さ。
約600人の小さな組織だが、「デジタル敗戦」と言われた過去を否定できるか、これからが勝負。
D 日米豪印による初のクワッド首脳(オンライン)会合、ジョー・バイデン大統領との日米首脳会談、コーンウォールG7会合出席など一連の外交成果。
外交文書に「台湾」という文言を入れることはG7のコミュニケにも踏襲されたが、もとはと言えば日米間で決めたこと。
これで長年の国際政治上のタブーを破った。
E 福島第一原子力発電所から出るトリチウム水の処分方法の決定。
安倍晋三内閣が先送りしてきた課題にメドをつけた。
F 携帯料金の値下げ。
結果的に約4300億円分の負担軽減となり、家計の可処分所得がそれだけ増えたことになる。   
G 最低賃金の引き上げ。
「最低時給1000円」を目指し、2021年は全国平均で28円と過去最高の上げ幅になった。
H 不妊治療への保険適用。
来年4月からスタートの予定だが、さかのぼって今年1月から助成を拡充。
年収730万円未満という所得制限も撤廃へ。
I 過去の積み残し法案の処理。
国民投票法案、種苗法、重要土地取引規制法など。
総じて安倍内閣8年間のやり残しを一掃した1年であった。

変な話、昨年秋にまだ人気が高かった菅内閣が解散に打って出ていれば、こんな形で退陣することはなかっただろう。
しかし菅さんはワーカホリック(いわゆる仕事中毒)首相であった。
仕事がしたくて仕方がなかった。
これらが結果として、上記ランキングにつながったのだと思う。

菅内閣が残した遺産とは?
とはいえ、菅首相はわずか1年で退陣に追い込まれた。
もちろん支持率低下のせいだが、その原因をひとことで言ってしまえば、コロナ対策への国民の不信感であり、この問題をめぐるリスクコミュニケーションの失敗であったように思える。
現在発売中の月刊誌『文芸春秋』10月号に、菅さんのインタビュー記事が掲載されている(菅義偉首相「正面からお答えします」)。
察するに8月下旬くらいに収録されたものとみえて、この記事の中の菅さんはまだまだ意気軒高、みずからの手による解散にも意欲を見せている。
聞き手の船橋洋一氏(アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長)は、インタビューの冒頭、いきなり言いにくいことを尋ねている。
「総理の記者会見については、『言葉が響かない』『聞かれたことに答えていない』などの声も聞かれ、評判は必ずしも芳しいものではありませんが、どのように受け止めていますか」
それに対する菅さんの答えは、「ああ、やっぱり」と感じさせるものであった。
「私自身、もともと能弁ではないし、そもそも政治家は『弁舌よりも結果だ』と。結果を残せばわかってもらえるという政治姿勢で今までずっと来たので、そういう考えが会見の姿勢に出てしまっているのかもしれません」
「どうしたら国民の言葉が届くのか、もう一度一からやり直さないといけないと感じています」

「一からやり直し」という総理発言に対し、船橋氏もかなり面食らった様子であったが、政治家が国民とのコミュニケーションに失敗してしまうと、いくら結果を出しても評価されなくなる、という典型例であろう。
そして菅さんは、(おそらく)このインタビューの数日後に事実上の退陣表明に至るのである。
新型コロナはやはり難物なのだ。
人々は見えない脅威に怯えていて、自分たちの思いが政府に届いているかどうか不安に感じている。
だからこそ政治家の発する言葉は重要になる。

紋切り型の対応や、「棒読み」スタイルではやはりマズいのだ。
ちなみに菅さんはこの後、国連総会のために訪米する。
9月24日には、日米豪印によるクワッド首脳会議に出席するとのこと。
3月に行われたオンラインのクワッド首脳会議に続く、初のリアル会合となる。
任期の最後まで「仕事中毒」を貫かれる覚悟のようで、これはこれでアッパレという気がする。

さて、自民党総裁選挙が始まった。
ここで選ばれた新総裁は、来月早々に召集される臨時国会において首班指名選挙を受け、わが国における第100代内閣総理大臣に就任することになる。
ワクチン接種体制やデジタル庁など、菅内閣が残した遺産を継承しつつ、内外の難題に立ち向かうことになる。
ただし、「コミュニケーションスタイル」という菅さんの負の遺産には、くれぐれもご注意願いたい(本編はここで終了です。
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2021年09月21日

ハイブリッドで日本記録 ロケット打ち上げ成功 神奈川大など

母校の快挙が嬉しい(小だぬき)
ハイブリッドで日本記録 ロケット打ち上げ成功 神奈川大など
9/19(日) jiji.com  

神奈川大航空宇宙構造研究室と同大宇宙ロケット部などは19日、秋田県能代市の海岸で、安全なロケットとして注目されているハイブリッドロケット打ち上げに成功した。
位置情報の信号が途切れ、機体回収には至らなかったが、高度約10.7キロに達したとみられ、2013年に北海道大などが記録した国内記録(推測値8.3キロ)を更新した。

 ハイブリッドロケットは、既存の液体・固体燃料と違い可燃性が低い推進剤で飛ぶため、安価でトラブルが起きても爆発や環境汚染の恐れがほとんどない。
同研究室は、おもちゃなどに使われるABS樹脂を、麻酔ガスに利用される亜酸化窒素で燃焼させる方式を考案した。
 ロケットは全長約4メートル、直径約15センチで重量約32キロの小型。
14年に開発を始め、発射実験は新型コロナウイルス禍などで3年ぶり。
高度6.2キロだった前回から、全長を1メートル伸ばすなど改良した。

防衛大と五輪ボブスレーチームにソリを提供してきた、東京の町工場でつくる「下町ボブスレープロジェクト」が技術協力している。

 ハイブリッド式は、資金力がなくても製作可能な超小型衛星などと相性が良い。
半面、燃焼効率が悪く推力が低いのが弱点だ。
実用化に向け国内外で研究が進んでいる。
 超小型衛星は近年、一般企業や大学も参入しているが、大型衛星を積むロケットの相乗りになることが多く、投入軌道や発射時期に制約があった。
希望に応じた発射が可能になれば、宇宙利用拡大が期待できる。

 同研究室は来年に高度30キロ、24年には宇宙空間の下限到達を目指している
開発を主導する高野敦教授は「信号が途絶した原因を究明し、大型化や飛行制御開発に取り組みたい」と話した。 
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月22日

「一人で車を運転していてもマスクをする」日本人の幸福度が世界62位に沈む本当の理由

「一人で車を運転していてもマスクをする」日本人の幸福度が世界62位に沈む本当の理由
2021年09月21日   PRESIDENT Online

2020年の世界幸福度ランキングで、スイスは3位で日本は62位だった。
『Think Clearly』(サンマーク出版)著者でスイス在住の作家、ロルフ・ドベリ氏は「日本人はマスクを着用する必要がない状況でも、周りからの目を気にして誰もがつけている。
これが日本人の幸福度が低い原因ではないか」という――。
※本稿は、大野和基インタビュー・編『自由の奪還 全体主義、非科学の暴走を止められるか』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

■やみくもに努力するより自分の得意分野を伸ばせ ??
 日本には「災い転じて福となす」ということわざがあり、「コロナ禍を社会変革のきっかけにしよう」という議論も生まれています。
しかし、あなたは『Think Smart』(サンマーク出版)のなかで「危機から無理にプラスの要素を見出さなくてもよい」と述べていますね。

○ただやみくもに頑張るべきではありません。
ウォーレン・バフェットの例を挙げるならば、我々は「circle of competence(能力の輪:自分がよく理解できている得意な分野)」をもつべきです。
能力が世界レベルであれば理想的ですが、そこまでいかなくても、自分の「能力の輪」の内側であればあなたの能力は平均より秀でているわけですから、成功する可能性は格段に高まります。
いろいろな分野に手を出すのではなく、輪の規模が小さかろうが大きかろうが、とにかく一つの輪の中に留まるべきです。

パンデミックではない常時でも、まったく同じことです。
よく「内なる声に耳を傾けよ」と言われますが、それだけでは駄目です。
自分から出てくる声は、往々にして希望的観測を孕んでいるからです。
まずあなたの過去10年、20年の実績を見て、平均より優れている分野を探すべきです。
それはあなたが楽しんできた分野である可能性が高いでしょう。
でなければ、平均より秀でることなどできませんから。 得意分野を見つけたら、能力の向上に集中しなければなりません。

パンデミックの真っ只中にある現在でも、できることはいくらでもあります。
「能力の輪」を深めに深め、自分の専門性を高めましょう。
同書ではさらに、「自分の失敗を受け入れて現実を視るべき」と説いています。
しかし、自分の失敗を素直に認めるのは非常に難しいことです。

私たちはどのようなステップを踏むべきでしょうか。

○それはすばらしい質問です。
まず言えるのは、我々が学ぶのは成功からではなく、失敗からであること。
成功は一見、自分の努力によって得ることができたものと勘違いしがちですが、実際にはたんなる偶然である場合が多い。
よって成功から学べることは何もない。
でも失敗したときは、どこでどう間違ったのかを具体的に指摘できます。
これは他人の経験においてもそうで、誰かの成功物語よりも失敗からのほうがはるかに密度の高い情報を得られます。

我々はまず、失敗はすべての人が人生で経験するもので、それは人生の一部であって何も恥じるべきではないことを認識するべきです。
そう捉えるだけでも、気持ちが楽になります。

次に自分のこれまでの失敗を書き出し、失敗が起きた原因を細かく分析します。
そうすれば、同じ間違いを犯すことはなくなるでしょう。
また失敗を一定期間書き留めていると、自分の弱点のパターンがわかってきます。
すると弱点をカバーするために長所を磨いたり、他の人の力を借りたりして、失敗を減らすことができると同時に、「自分は自身が思うほど偉大な存在ではない」と謙虚になることができるのです。

■自分が影響を与えられないニュースは見るな ??
コロナ禍により、我々が時事的な情報に触れる機会は増えています。
しかしあなたは、ニュースを見る量を減らすことを薦めていますね。なぜでしょうか。
○○一般の人は、ニュースを見ると世界について何かを学ぶことができる、公私ともに人生のより良い決断につながると考えている。
しかし、その発想は大きな間違いだといわざるをえない。

人はニュースをずっと見ていると、「知識の錯覚」に陥ります。
知識を得ているのではなく、不必要な雑音に振り回されているのです。
ではどうすればいいかというと、先ほど述べた「能力の輪」を確立させ、その中に納まる情報だけを集めればいい。
どこかの国で飛行機が墜落したとか、ある国の大統領が他国の指導者と握手したところで、率直に言ってあなたには何の関係もありません。
すぐ実行に移すのは難しいかもしれませんが、大半のニュースをシャットアウトしたところで、何の問題もないことがやがてわかるでしょう。

西洋には昔から、「自分が影響を与えられないことは気にするべきではない。自分が影響を与えられることだけに集中すべきである」というストア派の哲学があります。
アメリカの大統領にドナルド・トランプが再選するか、ジョー・バイデンが勝利するかについて、私が影響を及ぼすことはできない。
私はアメリカ人ではなく、選挙権もないからです。
ですからアメリカ大統領選の結果に気持ちを乱されることはない。
影響力のない人は、皆それくらい距離を置いたほうがいいのです。

それよりも、自分の「能力の輪」に関する、非常に長くて内容が深い記事や書物を熟読するほうがはるかに大切です。

??またあなたは「人生では修正が大事である」と述べており、事例として各国の憲法改正を挙げています。
○○しかし日本は、戦後一度も憲法を変えていません。
これは異常だといえるでしょうか。
他の国と比べると、たしかに異常ですね(笑)。

ただし私は、日本に憲法改正の「次善策」があるかどうかを知っているほど、日本社会について詳しくはありません。
「次善策」というのはつまり、憲法を改正するのではなく、他の手段で社会様式を実質的に変えるということです。
日本は優秀な海上自衛隊を有していますが、憲法には明記されていませんね。
個人的には国防のために優秀な部隊をもつことには大賛成ですし、憲法にも明記すれば良いと思いますが、憲法になくても自衛隊が強い力をもっているのは、ある意味で憲法を改正しているようなものです。
そのほうがむしろ賢明です。

■政治への大きな発言権と影響力がスイスの幸福の源 ??
あなたは「日本はすばらしい国」と言いましたが、どこが魅力でしょうか。
○○決してお世辞ではなく(笑)、日本に対してネガティブなイメージはありません。
私は過去に2度、日本を訪れたことがありますが、2度とも「こんなに文化的で落ち着いた国はない」と感じました。
人びとは皆フレンドリーで、何よりも、食べ物が世界一美味しい!

 日本には、世界から尊敬される点がたくさんあります。
地政学的に見れば、日本は興味深い位置にあります。
台頭する中国の脅威につねに晒(さら)されており、尖閣諸島などの領有権を守るなど国防面での課題が山積している。
また貿易で他国との交流が盛んな半面、輸入に頼っているので、交易が閉ざされると大きな打撃を受けてしまいます。

??たしかに日本人は基本的にフレンドリーかもしれませんが、一方で社会における同調圧力の強さが指摘されています。
心の奥底では反対していても、表向きは賛同しているふりをして、他人と同じような行動をとりがちです。
たとえばマスクを着用する必要がない状況でも、周りからの目を気にして誰もがつけています。
○○同調圧力は日本だけではなく、アジア諸国のほとんどに存在している気がします。
ヨーロッパには、17世紀後半に始まった啓蒙時代から今日まで、それまで主流とされていた思想や宗教を自己批判する文化が根づいています。
ただ、アジアはそうではありませんよね。
ですから、なかなか変えられるものではないでしょう。
ただしそれが合理的である場合、同調するのは必ずしも悪いことではありません。
とくにパンデミックのいまは、アジア諸国の同調圧力はいい方向に働いているように思えます。

??スイスで暮らしていて、同調圧力を感じることはありますか?
○○まったくありませんね。
我々が特定の行動をとるのは、他の人全員がしているからではなく、その行動に意味があると思うからです。
私の自宅の近くには中国やトルコ、日本などアジア諸国の大使館がありますが、職員たちは車を1人で運転しているときでさえマスクをつけています。
まったく意味がなく、正直に言って理解できません。
もちろん私も、屋内にいるときや近距離に人がいるときはマスクを着用します。
でもあなたが言うような「必要がない場合でも批判を恐れて行動する」という意味の同調圧力を感じたことはありません。
それがヨーロッパの考え方です。

??2020年3月(当時)に「世界幸福度ランキング」が発表され、あなたの国スイスは3位、日本は62位でした。
日本は「健康寿命」では上位ですが、「人生の選択の自由度」と「他者への寛大さ」では順位が低い。
両国の差は何から生まれているのでしょう。

○私は幸福についての専門家でもありませんので、スイスの経済学者ブルーノ・フライ(チューリッヒ大学教授。著書に『幸福度をはかる経済学』NTT出版)の研究を参考にしましょう。
彼は、幸福度を測る重要な要素の一つは、市民がどれくらい政治や社会に影響をもつことができるかである、と述べています。
スイスでは毎週のように、何かしらの社会問題について住民投票が行なわれます。
たとえば市が路上に花を植える際、橋の向こう側に植えるかこちら側に植えるか、といった事項も住民投票で決定する。
市民が政治に対して、大きな発言権と影響力をもっているのです。
その姿はまるで、「democracy on steroids(ステロイドに依存した民主主義:極端な民主主義)」と言っても過言ではない。
面倒にも思えますが、こうした面倒がスイスの幸福度を高めているのでしょう。

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大野 和基(おおの・かずもと)
国際ジャーナリスト 1955年、兵庫県生まれ。
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ロルフ・ドベリ(ろるふ・どべり) 作家、実業家
1966年、スイス生まれ。
スイス、ザンクトガレン大学卒業。
スイス航空会社の子会社数社にて最高財務責任者、最高経営責任者を歴任後、ビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立。
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2021年09月23日

高市氏「善戦」、安倍氏が猛烈支援 岸田陣営、決選投票へ焦り 自民総裁選

高市氏「善戦」、安倍氏が猛烈支援 岸田陣営、決選投票へ焦り 自民総裁選
9/22(水) jiji.com

 自民党総裁選で高市早苗前総務相(60)が、国会議員票と党員・党友票の双方で善戦している。
 討論会などで幅広い政策課題をよどみなく語っていることに加え、安倍晋三前首相が「本気モード」(若手)で支援しているためだ。
決選投票の可能性が高いと見て、1回目に2位以上を死守したい岸田文雄前政調会長(64)の陣営は、焦りを募らせている。

 日本記者クラブ主催の18日の討論会。候補者同士の質疑で高市氏は「恐縮ですが、河野候補にお願いします。国民年金(基礎年金)を全額税金でというアイデアはかなりの増税になると思うのですが」と下馬評で優位とされる河野太郎規制改革担当相(58)に年金改革で真っ先に切り込み、存在感を示した。

 報道各社の情勢調査で、高市氏の国会議員票は、河野氏と岸田氏に次ぐ。
党員・党友票に関する調査でも、河野氏が優勢だが、岸田氏に迫っている。
選挙戦の軸と目された両氏の間に割って入る勢いだ。

 要因の一つが高市氏の弁舌だ。
討論会やテレビ番組で、外交・安全保障や皇位継承など「得意分野」だけでなく、新型コロナウイルス対策や社会保障、経済についても自身の考えをすらすらと説明する場面が目立つ。
党関係者は、笑顔と関西弁を交えた語り口が「ソフトな保守派に見える」と評した。

 もう一つの要因は安倍氏の「猛烈なサポート」だ。
態度未定の閣僚経験者によると、「高市氏は話がうまい」という安倍氏の電話に「そうですね」と相づちを打っただけで数時間後に知人から「先生は高市氏支持なんですね」との問い合わせがあったという。
また、支持を決めかねていたベテランは、安倍氏からの電話で自身が高市陣営の役職に就いたことを知ったと明かした。

 安倍氏がここまで高市氏に入れ込むのは、自身が基盤とする保守層をつなぎ留め、「キングメーカー」としての立場を強化・誇示する狙いがあるとみられる。
ただ、党内には「高市氏が伸びているのは細田派だけ」との見方もある。
 岸田陣営は危機感を強めている。
21日の選対会議では、出席者が「複数の議員が岸田氏支持から高市氏に変わった」と報告した。
中堅は「高市氏の2位もあり得る。脅威だ」と語った。
岸田陣営の複数の細田派議員によると、安倍氏から高市氏支援を求める電話が何度もかかっている。

 高市氏が1回目で2位に入ると、「2位―3位連合」で河野氏の勝利を阻もうという岸田、高市両陣営のもくろみは揺らぐ。岸田陣営にはタカ派色を敬遠する向きも少なくなく、決選投票で高市氏支援に回る保証はない。
高市陣営幹部は「河野総裁になるかもしれない」と語った。 
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2021年09月24日

「日本の賃金は米国の6割」韓国にも抜かれた日本の凋落

「日本の賃金は米国の6割」韓国にも抜かれた日本の凋落
2021.9.23 Diamondオンライン
野口悠紀雄:一橋大学名誉教授

 日本のビッグマックの価格は、アメリカの6割程度でしかない。
これはドルで表した日本人の賃金がアメリカの6割程度でしかないことを意味する。
本来であれば、このような乖離(かいり)は貿易によって調整されるはずだ。
 だが実際にそうならないのは、日本が安易に円安を求めたからだ。
その結果、技術開発が遅れ、生産性が低下した。

日本のビッグマック価格は アメリカの6割でしかない
 各国のビッグマックの価格を英誌エコノミストが毎年発表している。
 2021年の数字の一部を示すと、図表1のとおりだ。
ビッグマックの価格比較.jpg
 日本のビッグマックの価格は、現実の為替レート(1ドル=110円)で換算すると3.55ドルとなり、アメリカでの価格5.65ドルの62.8%でしかない。
だから、アメリカ人が日本に来てビッグマックを買えば、「日本は物価が安い国だ」と感じるだろう。
逆に、日本人は「アメリカは物価が高い国だ」と感じる。
 つまり、海外旅行をしたときに、アメリカ人は豊かな旅行ができ、日本人は貧乏旅行しかできないのだ。

1ドル=69円が 適正な為替レート
 ビッグマックは世界のどこでもほぼ同一品質だから、どの国で買っても同じ価格になるのが自然だと考えることができる。  それを実現する為替レートのことを「ビッグマック指数(1)」と呼ぶことにしよう。

 図表1の数字を用いていて日本の場合について計算すれば、390÷5.65=69.0となる。
つまり、1ドル=69円が「ビッグマック指数(1)」による為替レートだ。

 次に、それと実際の為替レートとの比率を計算する。
これを「ビッグマック指数(2)」と呼ぶことにしよう。
 今の場合について計算すれば、69.0÷110=0.628となる。 「ビッグマック指数(1)」は、購買力平価と同じような概念だ。
「ビッグマック指数(2)」は実質実効為替レートに対応する購買力平価は基準時点を決めて、そのときの購買力を維持するような為替レートだ。
 それに対して、「ビッグマック指数(1)」はアメリカを基準にして、それと同じような購買力を実現する為替レートといえよう。

「ビッグマック指数(2)」で、 日本の賃金は31位、韓国より低い  
ここで、労働者の平均賃金とビッグマック価格の比率はどの国でも同じだとしよう。
 その場合、もし実質の為替レートが「ビッグマック指数(1)」と同じであれば、つまり、「ビッグマック指数(2)」が1であれば、その国の平均賃金はアメリカと同じになる。
 ところが、もし「ビッグマック指数(2)」が1より低ければ、その平均賃金はアメリカより低いことになる。

日本の場合、この比率が0.628だから、「日本の労働者の賃金は、アメリカの労働者の賃金の約6割でしかない」ということになる。かなりの低さだ。
 実際、「ビッグマック指数(2)」の順に世界各国を並べてみると、日本は31位だ。

 ヨーロッパ諸国をはじめとして、ほとんどの国が日本より上位にくる。
アメリカより高い指数の国もあるので、アメリカは第5位だ。
韓国は第19位で、日本よりかなり上位。
サウジアラビア(26位)、パキスタン(29位)も日本より上位。
中国が33位と、日本に迫ってくる。

 実は日本の「ビッグマック指数(2)」は、1980年代には1を上回っていた。
その後、低下したが、2010年でも0.96だった。2000年頃までは、世界ランキングでトップクラスだった。
それに比べると、現状は著しい凋落と言わざるを得ない。

 OECD(経済協力開発機構)は購買力平価による1人当たりGDP(国内総生産)や就業者1人当りGDP(労働生産性)を計算している。
これによると、欧米諸国が上位を占め、日本がそれよりかなり低い位置にあり、そして韓国は日本より上にある。
 これは、「ビッグマック指数(2)」によるランキングと、ほぼ同じような傾向だ。
「購買力平価」は抽象的な概念であり、分かりにくい点があるが、ビッグマック指数はもっと分かりやすい。

価格差を是正するように、 円高になるはずが、なぜならないか?
 以上で指摘したことについては、次のような意見があるかもしれない。
 日本の労働者は、日本にいる限り、賃金は安いけれども安いハンバーガーを買うことができる。
だから、アメリカの物価が高いのはとくに問題ではないという意見だ。
 しかし、そうではない。
日本経済は孤立して存在しているわけではなく、国際的な取引があるからだ。
 そして、そのような取引によって、日本の労働者の賃金や国際的な地位をもっと上げるような力が働くはずなのだ。
 今仮に、現実の為替レートが1ドル=110円ではなく、1ドル=69円になったものとしよう。
そのときには、日本のビッグマックの価格(390円)は、ドルで評価すれば5.65ドルとなり、アメリカのビッグマックの価格と等しくなる。
 だから、「日本のビッグマック指数(2)」は1となり、世界第5位となるのだ。

では、為替レートをそのように動かす力が働くのだろうか?
 原理的には、このような力は働くはずだ。

 仮に、アメリカ人がほとんどコストなしに日本に来られるような世界を想像してみよう。
この世界では、つぎのようなことが起きるはずだ。
 アメリカ人は、アメリカのビッグマックを買うのでなく、ドルを円に換えて日本のハンバーガーを買うだろう。
すると、外国為替市場で円に対する需要が増え、ドルに対する需要が減るので、為替レートは円高になる。
 このような調整は「ビッグマック指数(2)」が1になるまで続くだろう。

 ところが、実際には上記のメカニズムは働いていない。
 その第一の理由は、現実の世界ではアメリカ人が日本に来るにはコストがかかるからだ。
 ただし、これは本質的なことではない。
なぜなら、貿易をすればよいからだ。
 ビックマックは腐ってしまうので輸出はできないが、製造業の製品などを日本が輸出すればよい。
そうすれば、わざわざアメリカ人が日本に来なくても同じようなことを実現できる。

 現実の為替レートで換算すれば、日本製品はアメリカで割安になるので輸出が増える。
そのため円に対する需要が増え、円高になるはずだ。
「ビッグマック指数(2)」が完全に1にならなくても、それに近い値になるだろう。
少なくとも0.628というような低い値にとどまる事態にはならないだろう。
 したがって、上記のメカニズムの実現を阻む要因が現実世界にあることになる。

生産性を上げずに 手軽に利益が出る円安に依存
 円高を阻止し円安を望むメカニズムが何であるかは、前回コラム(2021年9月16日付)「円安の『麻薬』に頼り続け、日本円の購買力は70年代に逆戻り」で説明した。
 その内容を要約すれば、次のとおりだ。

 日本の輸出産業の立場からすれば、円安になると、ドル表示の日本の賃金を自動的に切り下げるのと同じことになるので、利益が増える。そして株価が上がる。
 円高になれば、逆のことが起きて、企業の利益は減少し株価が下がる。だから、円高は「国難」と言われる。
 そのため、実際に円安政策が取られ、「ビッグマック指数(2)」が1より低くなってしまうのだ。

 ここで注意すべきは、円高による利益減少は、本来であれば、技術革新を行なって生産性を引上げ、それによって利益を上げることで対処すべきだったことだ。
 しかし、そのためには、投資が必要だし、労働の配置転換なども必要とされる。
それよりは手軽に利益が上がる「円安」という手段に依存したのだ。

 では、円安で対処した場合と生産性向上を実現した場合で、何が違うか?
生産性向上が実現された場合には、賃金が上昇したはずだ。
 しかし、実際には、生産性が下がったため賃金は下落した。

90年代から技術進歩が止まってしまった IT革命に対応できなかった
 技術革新によって生産性が上がれば、円高になったとしても企業の利益は減らず、株価も上昇する。
また、賃金も上昇する。
 日本は、1970年代、80年代を通じて、これを実現した。
為替レートは円高になったが、企業の利益も賃金も上昇した。
しかし、90年代頃からそのようなことができなくなった。

 これは、インターネットを中心とする技術が発展し世界が成長率を高めたのに、日本がそれに対応できなかったからだ。  技術開発ができなくなったために円安に頼らざるを得なくなったとも言えるし、円安で心地よい状況が実現できたために無理して技術開発を求めなかったとも言える。
 その状況は今に至るまで続いている。
実際、アベノミクスでも円安(金融緩和)は実現したが、生産性向上(第3の矢)は実現しなかった。
 今盛んに言われているデジタル化の遅れとは、このことにほかならない。

(一橋大学名誉教授 野口悠紀雄)
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2021年09月25日

河野太郎氏 自民党の身内にも…強気な“回答拒否グセ”に「誠意ない」と高まる不信感

河野太郎氏 自民党の身内にも…強気な“回答拒否グセ”に「誠意ない」と高まる不信感
2021年09月23日 女性自身

自民党の総裁選に立候補している河野太郎規制改革担当大臣(58)。
候補者のなかでもっとも優勢と報じられることもある河野大臣だが、しかし国民の間では日に日に不信感が高まっているようだ。
例えば他の候補者らとともに、9月17日放送の『news zero』(日本テレビ系)に生出演したときのこと。
「様々な分野の質問にAかBか、考えが近い方の札をあげて答える」というコーナーがあった。
その際、社会保障にちなんでAは「国民の負担を増やしても給付などの水準を維持すべき」、そしてBが「給付などの水準を下げて国民の負担を抑えるべき」との2択が。
しかし河野大臣は「こういう質問は僕、やめた方がいいと正直、思います。あんまり意味がない質問じゃないかな」といい、答えなかった。

河野大臣がこのように“回答拒否”をした場面は他にもある。
22日の『産経新聞』によると日本ウイグル協会など国内13の民族団体などで構成する『インド太平洋人権問題連絡協議会』が総裁選の候補者にアンケートを実施したものの、河野大臣の事務所のみ「回答しない」と連絡してきたという。
さらに河野大臣は“身内”にも回答拒否をしていたようだ。
同日、自民党・青山繁晴議員(69)は自身の公式サイトで『日本の尊厳と国益を護る会』が総裁選候補者に質問書を送ったところ、河野大臣のみ「回答はありませんでした」と報告。
さらに河野陣営から、こう返答があったと明かしている。
「貴議員連盟からいただきましたご照会につきまして、ご活動は理解いたしている心算ですが、文書にて回答申し上げる用意がございませんので、しっかりご趣旨を承ったことでご報告に代えたく存じます」

■回答拒否、そしてTwitterでもブロックで拒否
その後、青山議員は自身のブログで「河野さんから〆切までに回答が来なくて、野田さんの立候補表明に合わせて〆切を延ばし、その野田候補からは素早く回答が来て、しかし河野候補からは、延長した〆切にも何の回答も、連絡もありませんでした。
この間、護る会は何度も、河野候補に連絡しているのです」とも綴り、連絡が取れなかったことを強調していた。
そもそも河野大臣は外務大臣だった’18年12月、会見で「次の質問どうぞ」と何度も繰り返し、記者の質問への回答を拒否。そのことが波紋を呼んだため、ブログで釈明したことも記憶に新しい。

またTwitterで河野大臣はブロック機能を多用し、アカウントを次々と拒否している。
「大臣がブロックすると情報が広く共有されないのでは」などの理由から問題視されているが、今月18日には”誹謗中傷を受ける”との理由で「私は堂々とブロックします」と『ニコニコ生放送』で宣言。
むしろ強気ともとれる姿勢を見せていた。

そんな河野大臣の“拒否グセ”に対して、不信感を募らせる人たちも。
ネットでは疑問視する声がこう上がっている。
《回答しないあなたも無責任。都合が悪いとブロックする姿勢が無責任。国民を向かない姿勢も無責任》
《記者からイヤな質問を受けると頑なに回答拒否を繰り返すのを見てると「イヤな質問するヤツはブロック」としか思えんけどね》
《即答が良いとは限らない。ただ、河野太郎氏は回答拒否が多い印象です。最高レベルの決断が出来るのか?》
《河野太郎には政治家として国民に対する誠意が全く感じられない》

菅義偉首相(72)も官房長官時代、会見で「コメントは控えたい」と連呼するなど“拒否グセ”が指摘されていた。
当時は“鉄壁”と高く評価されることもあったが、9月13日時点の内閣支持率は30%(NHK世論調査)。
“河野首相”が誕生しても同じ轍を踏まなければいいがーー。
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2021年09月26日

「マスクしない人」を避けたほうがいい本当の理由

「マスクしない人」を避けたほうがいい本当の理由
コロナ感染への心配だけではないハイリスク
2021/09/25  東洋経済オンライン
木村 隆志 : コラムニスト

9月22日は「今月末で“全面解除”検討“マスク外し”増加」、23日は 「“マスクしない人”“意識の差”何が違う?」。
朝の情報番組「めざまし8」(フジテレビ系)が2日連続でマスクをしない人の問題をトップニュースとして採用し、ネット上で反響を集めています。
そもそも2日目もトップニュースとして扱われたのは1日目の反響が大きかったからであり、「いかに世間の人々がマスクをしない人の問題に関心があるか」を物語っていました。
その他でも、「大分県臼杵市の“鼻マスク”市議 発言許可されず」というニュースもさまざまなメディアで全国的に報じられるなど、マスク関連の話題が続いています。

これらの背景にあるのは、「感染者数などの数値が下がってきた」「2回分のワクチン接種者が国民の半数を超えた」などの変化ですが、一方で感染拡大や医療現場の逼迫などの不安が払拭されたわけではありません。
第6波への懸念があるほか、ワクチンを接種していても感染してしまう「ブレイクスルー(感染)」が起きていることも発表されています。

そんな今、「あごマスク」を含め、なぜマスクをせずに過ごす人が増えているのでしょうか。
彼らの言葉から、その心理状態を掘り下げていくと、本当の問題点が浮かび上がってきます。

「マスクは日本だけ」は偏った理屈
「めざまし8」が実施したアンケート(都内在住10〜70代、計1000人)では、「周囲の人がマスク非着用だと気になる?」という質問に対して、「気になる」が81%(807人)、「気にならない」が19%(193人)でした。
ただ、「気になる」と答えた約8割にも“あごマスク”を多用している人や、「気にならない」と答えた約2割にも「常にマスクをつけている」という人もいるなど、あくまで心理面での参考データにすぎないでしょう。
また、シチュエーション別のマスク着用率では、公共交通機関 する95.5%・しない4.5%、車内(家族のみ) する45.2%・しない54.8%、自転車 する79.4%・しない20.6%、飲食店 する91.2%・しない8.8%、公園 する87.5%・しない12.5%、職場 する93.9%・しない6.1%という結果を発表。
こちらも、緊急アンケートに協力するのはマメな人が多いことから、実際にはもう少し着用率は下がるような気がします。

「なぜマスクをしないのか?」の理由を尋ねる街頭インタビューでは、「ワクチン打ったからです。2回打ちました。(マスクは)電車に乗るときくらいしかしないです。日本くらいですからね、ワクチン打ってこれだけ『マスクしろ』って言うのは。他の国は全然してないですから」
「2回ワクチン打ってますし、『そもそもマスクでコロナ防げないよね』って。飛沫防げるけど、こんなことやってるの日本だけでしょ。『バカかな』みたいな感じで」という声をピックアップしました。
もちろんこういう人がすべてではありませんが、ブレイクスルー感染が発生している以上、ワクチンの理屈は通っていません。
それ以上に、「外国と比べる」という考え方は、自分に都合のいい情報だけを抜き取って正当化する利己的思考そのもの。
マスク着用の義務化や解除を政府が決める国が多い中、日本は「推奨」や「お願い」をするだけで強制力はなく、1人ひとりに自由がある状態です。
つまり、「外国を模倣する」という考え方は、自由につながるより、「国などから制限をかけられるリスクを含んでいる」ということ。
それを無視して都合のいいところだけを見て「日本はダメ」と言うのは偏った思考回路にすぎないのです。

マスク以外でも、何かと「外国はこうだから」と言う人がいますが、日本で暮らすことで得られるさまざまなメリットをスルーしている上に、「自ら外国ではなく日本を選んで過ごしている」という現実がある以上、潔くない姿勢にしか見えません。

周囲への優しさや配慮に欠ける言葉
さらに20代の大学生グループへのインタビューでは、「昼は(マスクを)してるんですけど、夜はしていないです。『結局みんなしていないから、しなくてもいいかな』と」
「自分の尊敬している大先輩が『マスクするなら渋谷に来るな』って言ってたんで。その方は本当にマスク持ってないです。俺が1回あげたら捨ててました」などの声が紹介されました。

気になってしまうのは、「みんなしていない」「尊敬している大先輩が」と他人のせいにしていること。
これは「自分は責任を取らない」と言っていることになり、まだ大学生と言えども、緊急事態で生きる社会の一員として見ると残念な姿勢でしかありません。
ただ、学生若者たちだけではなく、大人の中にも多くの人々に似た姿勢が見られます。
大人たちへの街頭インタビューの中で、「やっぱり夏場は暑いよね。ずっとやってると耳に違和感とかあるし。ただ今の状況でマスクやらなきゃ怖いしね」
「1年前は慣れてなかったから『嫌だな』と思ってつけてなかったりもしたんですけど、今はだいぶマスクモラルっていうのが高まってきて、『どんなところに行くときでもマスクしなきゃ』ってストック持ってたりしてます」というコメントがありました。

「暑い」「耳に違和感」「怖い」は、すべて自分目線のみの言葉であり、そこに他者への優しさや配慮はありません。
自分が「感染させられるかもしれない」という視点が全面に出てしまい、ともに生きる人々を思いやるような姿勢が感じられないのです。
さらに、「マスクモラルが高まってきた」とありましたが、この人の言うモラルは自画自賛のみで、ともに困難なときを生きる人々への配慮や優しさは含まれていませんでした。

たとえば、基礎疾患を持つなど感染リスクの高い人、日々奮闘を続ける医療従事者、さらには一刻も早い経済活動の再開を願う人々のことが頭になく、自分中心の思考回路の人が増えていることが気がかりなのです。

「地元ではノーマスク」の大間違い
おそらくマスクをしない人たちに「自分のせいで医療現場を逼迫させることになってもいいのか?」
「医療従事者の奮闘や亡くなった人のことをどう思っているのか?」と尋ねても、まともな返事は得られないでしょう。

また、「マスクをする」という前提があるからこそ、ようやく行動制限が緩和され、経済活動を再開できるのに、マスクをしない人が増えたらそれを危うくしてしまうかもしれない。
早い周期で再び緊急事態宣言が発出されたら、生きていけないという人が増えてしまうかもしれない。

本来は、ともに社会を形成する一員である以上、そんなリスクを軽減するための小さな協力として、「マスクくらいつけよう」と考えるのが自然ではないでしょうか。
しかし、繁華街に限らず住宅街でも、日中はほとんどの人がマスクをつけているのに、夜になると様相が一変。
マスクをせずに会話を交わす人、「声が聞きにくいから」とマスクを外して電話をしている人、人通りのある道をマスクなしでランニングしている人など。
自分のやりたいことを優先させるあまり、他者への優しさに欠ける人が日に日に増えています。
また、「自宅最寄りの駅についたらマスクを外して家に帰る」という声もよく聞きますが、それこそ外出先や電車などで感染したウイルスを地元でまこうとしているようなもの。
家族や地元などの「より大切なものへの優しさが足りない行為をしている」ことに気づいていないのです。

肌や呼吸などの健康的な理由を除けば、マスク着用を嫌がる人にさしたる理由はないでしょう。
「これくらいはいいだろう」と自分に甘く、他人への優しさや配慮に欠けるというだけで、「多くの人々とともに生きている」という自覚が足りないことの表れでしかないのです。

ルール違反を犯し負担をかける人々
「マスクをしない人に近づかないほうがいい」のは、新型コロナウイルスの感染予防という観点では当然でしょう。
しかし、ここまで書いてきた「周囲への優しさや配慮が足りない」という意味で、マスクをしない人々は異なるリスクを持つ存在にも見えてきます。

その意味で見逃せないのは、「マスクをしない」というだけではなく、同時にルール違反をしている人々。
マスクをしない人の中には、「喫煙所以外でもマスクを取ってタバコを吸う」
「路上でマスクをせずにお酒を飲んでさわぐ」
「店からの要請があるにもかかわらず食事以外のときにマスクを外して話す」
「人数制限があるエレベーターへマスクをせず強引に乗り込む」
「狭い道を横に広がって話しながら歩く」などのルール違反をしている人をよく見かけます。

さらに言えば、「飲食店で店員からマスク着用を求められて逆ギレした」
「たまたま顔を見ただけで『何か文句でもあるのか?』と凄まれた」というエピソードを聞いたことがありました。
どちらも精神的な苦痛だけでなく、マスクをしていないため、飛沫を浴びてしまったのは間違いないでしょう。
つまり、今さしたる理由がなく、マスクをつけていない人は、単に利己的なだけでなく、「ふだんから周囲に何らかの負担をかけているタイプの可能性が高い」ということ。

コロナ感染はもちろん、その他のリスクを踏まえても、物理的な距離を取っておいたほうがいい人物なのです。

ドイツではマスク着用をめぐり射殺事件が発生
最悪のケースでは、「9月18日夜、ドイツ西部のガソリンスタンドで、マスクをつけずに買い物にきた49歳の男が、マスクの着用を求めた20歳の店員と口論になり、銃で射殺してしまう」という痛ましいニュースがありました。
「ここで外国の話を持ち出すな」と言う人がいるかもしれませんが、前述したように街頭インタビューで「外国はマスクなんてしないのに日本はバカ」と言っている人がいる以上、残念ながら日本でも似たケースがないとは言い切れません。

マスクに限らず、もし周囲への優しさや配慮がない人がこれ以上増えてしまったら、外国のように政府が義務化をしなければいけないことが増えていくでしょう。
まだまだコロナ禍が続く中、そんな事態を防ぐためには、まず家族、次に地元、さらに職場や出入り先、引いては日本中の人々への優しさと配慮が欠かせないのです。
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2021年09月27日

台風16号は猛烈な勢力に 関東への最接近は10月1日(金)頃か

台風16号は猛烈な勢力に 関東への最接近は10月1日(金)頃か
9/26(日)  ウェーザーニュース

台風16号(ミンドゥル)は沖ノ鳥島近海で発達し、9月26日(日)15時に最も強いランクである「猛烈な」勢力になりました。
猛烈な勢力まで発達するのは、2号、14号に続いて今年3つ目です。
衛星画像では中心付近に非常にはっきりとした台風の目が形成されていて、密集した積乱雲が大きな雲の渦を作り出しています。
台風の接近時は電車の遅延や運休、高速道路の通行止めなどの可能性も考えられるため、最新の台風情報や交通情報を確認の上、早めに対応するようにしてください。

▼台風16号 9月26日(日)15時
中心位置   沖ノ鳥島近海  
大きさ階級  //  
強さ階級   猛烈な  
移動     ほとんど停滞  
中心気圧   920 hPa  
最大風速   55 m/s (中心付近)  
最大瞬間風速 75 m/s

非常に強い勢力で関東最接近か 台風16号
 予想進路 28日(火)にかけて勢力をさらに強めながらゆっくりと北上する見込みです。
30日(木)頃からは進路をやや東よりに変えて、10月1日(金)にかけて伊豆諸島近海を通過する予想となっています。
30日(木)15時の時点の中心気圧は925hPa、最大風速が50m/sと非常に強い勢力で、関東の最接近する1日(金)も非常に強い勢力を維持する予想です。
暴風域も半径150km以上が見込まれるため、陸地から少し離れた所を通っても影響の出るおそれがあります。
次第に進路は絞られつつあるものの、少しの進路の違いで本州への影響が変わってきますので、こまめな情報の確認が必要です。

関東沿岸部は暴風域に入る確率が30%以上 台風の暴風域に入る確率
26日(日)15時に気象庁が発表した5日先までに台風の暴風域に入る確率の分布を見ると、30〜70%の赤い領域が伊豆諸島から関東の南部沿岸や静岡県まで広がっています。
最も確率が高いのは伊豆諸島南部の八丈島で59%、台風の進路によっては中心がかなり近く通ることも考えられますので、その場合は厳重な警戒が必要です。
千葉県や神奈川県、静岡県の一部も30%以上、東京23区も東部が28%と、台風に近い沿岸部ほど影響が大きくなる可能性があります。

台風が非常に強い勢力のまま近づいてくることから、暴風域の外側でも風雨の強まるおそれがありますので、確率の小さい所も油断はできません。

台風の名前 台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風16号の名前「ミンドゥル(Mindulle)」は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が提案した名称で、「たんぽぽ」を意味する言葉からとられています。
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2021年09月28日

「認知症にならないためにはどうすればいいのか」そう心配する人が根本的に勘違いしていること

「認知症にならないためにはどうすればいいのか」そう心配する人が根本的に勘違いしていること
2021年09月27日 プレジデントオンライン

自身が認知症になるのを心配する人は多い。
そうした不安に応えるためか、政府は認知症を減らすための数値目標を掲げようとした。
高齢者精神科専門医の上田諭さんは「認知症の原因は医学的に解明されておらず、根治療法も確かな予防法もない。認知症を減らすことよりも、受け入れる社会づくりのほうが重要だ」という――。
※本稿は上田諭『認知症そのままでいい』(ちくま新書)の一部を再編集したものです。

■政府の「認知症を減らす数値目標」の衝撃
認知症を減らすための数値目標なるものが2019年5月に政府から発表され、メディアに大きく取り上げられた。
70歳代での認知症の人の数を、2025年までの6年間で6%減少させるというものだ。
これを、認知症に関する国家戦略となる認知症対策の「大綱」に新しく盛り込むとされた。
会見で根本匠厚労相(当時)は「十分実現可能な目標」と語っていたという。
この報道を耳にした時、私は何かの間違いではないか、エイプリルフールのニュースではないかと一瞬頭をよぎるほどだった。

報道内容は、あり得ない話だからである。
大部分の認知症は、医学的になぜ起こるのか原因は明らかではない。
それゆえ、根治療法はなく確かな予防法もない。
それをどうやって減らすというのか。
政府の専門家の方々は世界が驚く予防法の大発見でもしたというのだろうか。
報道によれば、運動不足解消の活動や保健師らの健康相談、予防の取り組みガイドライン作成などを通じて削減を目指すのだという。
これまで「大綱」では認知症の人との「共生」を柱にしていたが、今後は「予防」との2本柱にするという。

■予防法がない病気をどう「予防」するのか
奇妙でおかしなことである。
医学的に予防法はないのに、予防を柱にするという。
幻想やイメージだけに頼って、政策を決めているとしか思えない。

予防策の一つとして具体的に言葉にあがった「運動」についていえば、現時点の医学的常識では、認知症の予防とはならないことがわかっている。
2018年1月に米国で発表された世界の医学論文の大規模データ分析で、運動の予防効果には医学的根拠がないとされた。 2019年には、運動不足は認知症の危険因子(病気を引き寄せる要因)とはいえないという英国の大規模研究も発表された。
認知症を避けようと運動不足を目のかたきにしても仕方ないということである。

■高齢者になったらだれもが認知症になり得る
ところが現実には全国で「介護予防」「認知症予防」の名目で、体操や歩行など運動が盛んに奨励されている。
定期的な「教室」を催している地域も少なくない。
たしかに、掛け声の一つである「介護予防」つまり筋力低下の防止や転倒防止、身体的健康の維持には効果がある。
そのためにはどんどんやってもらえばよい。しかし、認知症予防には効果がない。
認知症になりたくないから、ではなく、認知症でもいいので歩行できる身体でいたいから、と思って運動をすればよいのである。

認知症予防に医学的根拠がないのはわかっているのに、なぜ削減の数値目標などというものを政府は出してしまったのか。
それは、認知症対策についての大綱の柱として「共生」をうたいながら、認知症の人を尊重し「そのままでよい」と認める思想が、政府の人々の中にないからではないか。
高齢になれば、だれもが認知症になる可能性がある。それが理解されているのだろうか。
超高齢社会となって、その可能性はますます増えている。だとすれば、予防ではなくその備えこそ第一に重要ではないか。

■認知症は「ふつう」で、認知症でないことが「特殊」
認知症にならないための方策を医学的根拠が乏しいままに掲げ、減らす目標数値を世間に公表するのは、「認知症になってはいけない」「認知症は予防しなければいけない」という思想が根底にあるからであろう。
これらがさらに推し進められれば、「予防の努力をしていない人が認知症になる」というメッセージになりかねない。
だれもが認知症になってよい。高齢になれば、顔にしわが増えるのと同じように、どんな人でもなる可能性がある。
90歳を過ぎたら、認知症の人の比率が認知症でない人を上回る。

超高齢の年代では、認知症が「ふつう」、認知症でないことが「特殊」なのである。
もし認知症になったとしても、悲観したり卑下したりする必要はない。
健常な人と同様に、堂々と生きていけばいい。
世の中の人々がそう感じ、互いを思いやって暮らす社会を作っていく。それが政府の目指すべき目標でなくてはいけない。
その姿勢がいまの政府には欠けている、あるいは足りないというしかない。

■削減目標は「否定的なイメージを助長しかねない」
今回のことで、社会の成熟を感じさせる動きもあった。
認知症の削減目標の報道後、新聞社が懸念と批判を提示したのだ。
朝日新聞は、社説で「認知症に対する否定的なイメージを、助長しかねないと懸念する声がある」
「予防に努めれば認知症にならないかのような印象を与える目標の打ち出し方は問題」(2019年5月21日付)と書いた。

これまで認知症について否定的なイメージを多く繰り出してきた大新聞に、明らかな進歩の跡がみえた。
認知症の人たちで作る当事者団体も、「認知症になる人は予防の努力が足りないからだ」という間違った考えから新たな偏見が生まれかねないと批判の声をあげた。
与党内からも疑問視する声が出たという。
結局、同年6月になって、「認知症削減の数値目標」は撤回に追い込まれた。

朝日新聞(2019年6月5日付)の記事によれば、厚労相は「予防の取り組みは、認知症の人の尊厳を守り、共生の議論の上で進めることが大前提」と述べたという。
根拠なく、できもしない予防策をもとにした目標の愚かさに政府が本当に気づいたのだとすれば、遅すぎることではあるが、それも社会の進歩の一端といえるのかもしれない。

■アミロイド撃退薬に飛びついたメディアの罪
認知症に対する社会の関心はとても大きいので、例えば次のような話を講演ですると、とても驚かれる。
「アルツハイマー病を代表として認知症の原因はわかっていないので、確かな予防法も根治療法もありません」。
さらに最近、一般の聴衆の方から「脳にたまるアミロイドたんぱくが原因とわかったとテレビでやっていた。アミロイドをなくす薬がもうすぐできると聞いた」と、時々反論を受けるようになった。
このテレビの情報は、半分正しく、半分間違っている。

アミロイド、正確にはアミロイドベータたんぱく(以下アミロイドと略)は認知症の人の脳に蓄積する物質だ。
かつては、アルツハイマー病の人の脳に沈着するものとして、老人斑と呼ばれる物質が知られていた。
認知症研究者が、亡くなった患者の脳を解剖して調べることによってみつけたものだ。
この老人斑の実体が、アミロイドという異常たんぱくだった。
一時は、アミロイドがアルツハイマー病の主な原因で、アミロイドをなくせば認知症を治せると、世界中の研究者がわき立った。
アミロイドをなくす薬の研究も世界中で始まった。
講演で反論された聴衆の方がみたテレビ番組は、おそらくそれを取り上げたのだろう。
しかし現在の医学界は、すでにアミロイドが主な原因だという見方はなくなってしまった。
テレビやメディアはどうしても人々の関心を引く情報に飛びついてしまう。
その時の期待の高まりのままに、いまだ確定的でない事実まで報じてしまう。
それを一般の人々が信じてしまうと、過剰に期待を抱かされ、結局はぬか喜びに終わることになる。
当時からの研究で「アミロイドをなくす薬」の開発も続いているのは間違いないが、それが認知症を「治す」薬になるわけではない。

■アミロイドでアルツハイマー病を診断できるのか
アミロイドがアルツハイマー病の主たる原因だと叫ばれるようになって、アミロイドの脳への蓄積の程度をみることができる画像装置が開発された。PET(ペット)という装置である。
身体各部にがんがないかをみつける全身PETを行う人間ドックがあるが、これは同じPETを用いて脳のアミロイド沈着をみられるようにした「アミロイドPET」である。
アミロイドが多くたまっている人(アミロイド陽性者)は、脳内が赤く染まって映り、赤く染まらない陰性者と区別できる。特別な検査装置なので、まだ国内で備えている病院や研究所は少ない。

当初は、このアミロイドPETが陽性ならアルツハイマー病だと診断できると考えられていた。
ところが、実際に臨床場面で用いてみると、ほとんど認知機能の低下がない高齢者でも赤く染まる人が何人も出てきた。
これは、近い将来アルツハイマー病になる予測を表すのではないかとも考えられたが、その後数年しても認知症にならない人も少なくなかった。

■「アミロイド原因説」はもう古い
2015年に世界の研究結果をまとめた論文で、その謎がわかった。
アルツハイマー病の人は、40〜90歳までほとんどの人がアミロイド陽性であった一方で、約1900人の正常な人を調べると、年齢が上がるにしたがって陽性になる人の率が上昇していた。
90歳では、アルツハイマー病の人も健常な人も、陽性率にはわずかしか差がなかった。
つまり、認知機能が正常な人でも年齢を重ねればアミロイドが脳にたまるということがわかったのだ。
さらには、認知症になる人では、発症する20〜30年前の正常な年代(40〜50歳)からアミロイドがたまり始めることも明らかになった。
アミロイドPETでの認知症診断は参考程度にすぎなくなり、同時に「アミロイドが認知症の主な原因」という考え方も修正を余儀なくされた。
2015年ころの国際学会ではすでに研究者らのアミロイド熱は急速に冷めつつあり、「アミロイドは原因のごく一部だ。本当の原因はわからないが、加齢(歳をとること)が要因なのは間違いない」という言い方になっていた。

■抗認知症薬の効果は「症状を改善させること」ではない
アミロイドが原因とされていた当時の確信に支えられ、脳でアミロイドが合成できないようにしたり、できたアミロイドを減らしたりする薬の開発が世界で多数進められた。
しかし、そのほとんどがうまくいかず中断してしまった。
かろうじて1種類の薬が承認される見通しになった。
アミロイドがたまり始めてはいるがまだ少なめの人に投与する薬で、認知症の発症を遅らせ、発症後の進行を緩和させることを狙っている。
認知症になってから改善させるのは不可能、という現代医学の限界はそのままだ(ちなみに、現在流通している抗認知症薬も最大の効果が「現状を悪くせず維持する」である)。
アミロイドPETで陽性(アミロイドがたまっている)だが認知機能の低下はわずかで、生活や仕事上は問題のない人(「軽度認知障害」)と、ごく軽度の認知症の人が対象になる見込みだ。
将来認知症になる可能性はあるが、まだ認知症でない、すなわち病気でない人も対象とする「薬」ということになる。

通常、薬とはなんらかの病気をもった人が服用するものだ。
病気でない人が予防のために服用するなら、感染症予防で行うワクチン接種に近い「予防薬」というものになるのかもしれない。
認知症は、アミロイドに関する限り、前述のように、発症する30年くらい前からたまり出す。
発症してからでは改善させられないのだから、発症前の人も対象に含む特殊な「薬」になる。

■注目される新薬には大きな壁と限界がある
薬がもし承認されたとしても、発売には課題は多い。
アミロイドがたまっている正常対象者をどうやって確実にみつけるのか。
アミロイドPET装置は国内にまだ少なく、血液検査でみつける方法が検討されているが、いまだ見通しは立っていない。
また、生活や仕事に支障はなくて、ごく軽度に認知障害のある人をどう見極めるのか。 逆に、「認知症発症を食い止められる」という楽観的な効果予想だけがやみくもに伝わると、薬の希望者が急増して医療費がまかなえない。

さらには、「認知症を発症する時期が遅くなった」「認知症が軽くすんだ」という期待される効果の判定も難しい。
2021年6月、この新薬が米国で承認された。
これで日本でも年内承認の可能性が出てきた。
いま述べた懸念のほか、月1回点滴での投与で年600万円という費用の問題など、実際に用いるには壁がいくつもある。
この新薬に注目はしても、過剰な期待はできない。
認知症が治らない病気であることに変わりはない。
だからこそ、治さなくてよい、いまのあなたでいい、と受け入れたい。

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上田 諭(うえだ・さとし)
  高齢者精神科専門医
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2021年09月29日

法医学者は見た…「現場にいただけで殺人犯に」日本から冤罪事件がなくならない根本原因

法医学者は見た…「現場にいただけで殺人犯に」日本から冤罪事件がなくならない根本原因
2021年09月28日   PRESIDENT Online
東京大学名誉教授、大阪府監察医務監 吉田 謙一

なぜ冤罪事件は起きてしまうのか。
東京大学名誉教授で法医学者の吉田謙一さんは「日本では警察や検察が“見立て”に従って捜査を進めるため、冤罪が起きやすい状況にある。
警察にとって都合のいい証言をする専門家も少なくない」という――。

■「死因不詳の死」を究明することが法医学者の使命
法医学者の使命は、解剖を通して「異状死」の死因を究明することである。
異状死とは、事故、中毒、傷害、熱中症等の「外因死」及び救急搬送後の診察と検査によって確実に病死・自然死と診断できなかった「死因不詳の死」を指す。

異状死を診た医師は、所轄警察署に届け出を求められる。
例えば、心不全と診断されて通院中の患者が、容態が急変して搬送された後、心不全の悪化によって死亡した場合、医師は自然死として死亡診断書が交付できる。
しかし、同じ患者が心肺停止状態で救急搬送され心拍が戻らないまま死亡した場合などは、医師が異状死として警察に届け出ることになる。
警察は、異状死のうち、犯罪や業務上過失を疑う事件については、法医学者に司法解剖を嘱託し、法医学者は鑑定書を提出する。

本稿では、筆者が、再審弁護団の依頼を受けて、再鑑定を行った「湖東病院事件」を例に、警察主導の死因究明と法医学鑑定の問題点について述べる。
なお、本稿の内容の多くは筆者が出した『法医学者の使命「人の死を生かす」ために』に基づいている。

■無実の罪で懲役12年の実刑判決を受けた看護助手
平成15年5月、滋賀県東近江市にある湖東記念病院で、人工呼吸管理中の高齢者が心肺停止状態で発見された後、当直の看護助手が呼吸器のチューブを外したとされ殺人罪で懲役12年の実刑判決を受けた。
この高齢者は事件の7カ月前に、原因不明の体重減少、摂食困難が進行している中、呼吸異常が出現したため、救急搬送された。
そして、入院直後に心停止し、心拍再開後に人工呼吸管理となっていた。

本件のように心停止・蘇生後、延髄の呼吸中枢が障害されると、人工呼吸器管理される。
患者の気道に痰が貯まり1〜2時間毎の吸引を要したが、これを怠った当直看護師が患者の死後、警察に「人工呼吸器のチューブが外れていた」と(真偽不明の)供述をした。
これを受けて、取り調べ担当警察官が、「誰かがチューブを抜去した」という“見立て”に従って関係者を追及していくなか、被告人が「チューブを抜いた」と供述したため起訴され、有罪判決を受けた。
その後、再審となり2020年3月31日に無罪判決が下った。

■単なる病死が殺人事件に仕立て上げられた
本件を解剖したベテラン法医学者は、鑑定書の記載から丁寧な解剖・鑑定を行ったことがわかる。
特に、血液電解質を測定し、鑑定書に低カリウム血症と記したことが、冤罪解決の端緒になった。
鑑定書には、延髄を含む脳全般の軟化と小脳プルキンエ細胞の脱落を認めたと記されていた。

私は、呼吸中枢と心臓血管運動中枢がある延髄の脳軟化が進行すると、自然な流れで心肺停止すること、小脳プルキンエ細胞は、心停止後蘇生により脱落することを指摘した。
そして、「低カリウム血症」は、死亡前2〜3週続いた血圧低下傾向、長期の利尿剤・下剤の持続投与によって生じ、不整脈死や呼吸停止の原因となりえたと指摘した。

いっぽう、鑑定書には「気道末梢に痰が貯留(ちょりゅう)している」と記され、解剖直後の調書にも「痰貯留による窒息死の可能性がある」と供述していた。
つまり、解剖直後の解剖医は、チューブ抜去による窒息死の可能性を指摘していないのである。
ところが、法廷で解剖医は、「(チューブ抜去による)酸素欠乏による窒息死である」、「小脳プルキンエ細胞は、チューブ抜去により脱落した」と鑑定書とは異なる証言をした。

■普通の病死が殺人事件に仕立て上げられてしまった
私は、医療事故が社会的な注目を集めたのに対して、医療関係者が激しく刑事司法の医療への介入を非難した時代を東大法医学教室で過ごし、多数の医療関連死を司法解剖した。
そのため、医療専門家の意見を聞き、文献を読んで診療経過を分析する習慣があり、本件のような容態急変例では、診療経過を慎重に分析してきた。

裁判では、直接、心肺停止につながった低カリウム血症、痰貯留(たんちょりゅう)による窒息等の「直接死因」が争点となった。
しかし、本来、法的責任を判断する根拠となる「原死因(げんしいん)」は、一連の病的事象の起因となった疾病・損傷の状況である。
本件では、入院後の最初の心停止につながった体重減少と摂食困難の発生原因が不詳である以上、原死因は「不詳」という他ない。
結局、本件は、診療経過を分析して「原死因」を究明すべきところ、取り調べ警察官の「犯人捜し」が重視される死因究明制度のため、普通の病死が、殺人事件と取り違えられた冤罪事件だったのである。

■冤罪事件を生んでしまう背景
冤罪事件の法医学鑑定を見ると、ベテランなのに杜撰な鑑定をした事例、本件のように確かな解剖をしたのに警察に誘導されて結論を誤った事例、鑑定が正しいのに警察官・検察官が自らの「見立てに従って作文」した例等、様々な要因が冤罪を生んでいる。

その背景を考える。
本来、死因は、第三者が公正・客観的・科学的に決定した上で、その死因に基づいて罪状を認定しなければならない。
ところが、日本では、医療や法医学の知識の乏しい警察官や検察官が、自らの犯罪に関する「見立て」に従って死因や犯人を決めている面がある。
そして、多くの法医が、警察・検察が説明する犯行状況等の「見立て」の内容と、鑑定内容が矛盾しないとする供述調書の求めに応じている現状があると感じる。

■捜査の意図に合う供述調書を書かせる警察
私自身は若いころ、警察が他の法医の問題のない鑑定書を持参し、異なる意見を求められた経験、そして、自分の鑑定例について、警察の意図に合わせるように「言わされる」感じの供述調書に抵抗を感じたことから、その後、供述調書の求めには応じないできた。

いっぽうで、司法解剖に当たっては、警察に死体の発見状況や背景を詳しく聞いた上で、問題点をリストして解剖してきた。 例えば、首絞めであれば、自分の手や紐を首にあてがって、どこをどの指でどのように圧迫して損傷が生じたかを考えながら詳しく所見を記載し、写真を撮影する。
所見の記載事項と写真を比べると、鑑定の正誤を評価できる。

解剖中には、解剖助手、立ち合い検察官・警察官と議論しながら、観察し、理解・整理しながら文章化し、当日中に鑑定事項や独自の問題リストに沿って暫定鑑定書を書き上げ、薬物検査等の結果を待ちながら見直した後、できるだけ早く鑑定書を提出してきた。
なぜなら、時間が経つと、所見等を忘れ、関心が薄れる上、警察・検察に見立てに合う意見を求められる傾向があったからである。

■英米圏では事実認定を重視し、日本では犯人捜しを重視する
医療事故の多くは、個人の過失よりも、病院内の運用上の問題点からエラーが発生し、チェック機構をすり抜ける「システムエラー」から発生するといわれている。
日本の冤罪や誤鑑定は、一般に、法医学者の人材難と解剖件数の少なさから生じると考えられているが、刑事司法に従属する死因究明制度のシステムエラーによると考えられる。

英米法圏諸国の死因究明制度と比較してみよう。
英米法圏諸国では、各地域の法曹(コロナ―)、または、法医病理医(メディカルイグザミナー、米国都市部)の主任が死因究明全般を指揮している。
そして、コロナ―は、鑑定や捜査の情報が揃うと、公開法廷で、関係者に証言させつつ、「事実を認定する」。
そして、事実に基づいて、死因と死の態様(自他殺、事故死、病死などの別)を評決し、死亡証明書(日本の死体検案書)を発行する。
全ての死因究明情報は、公開が原則である。
これら、死因究明担当の行政官は、終身職で専従であり、その直属の捜査官も、看護師、救急隊員の経験者を多数含む終身・専従者である。
このように、英米法圏諸国では、経験を積んだ専門家が「公の場で事実を認定し、事実に基づいて死因を究明する」。
この原則が、日本にはないため、日本で冤罪や誤鑑定が発生しやすいのである。

■専門家とのコラボとデータベースで死因究明に取り組むオーストラリア
死因究明には、医療の知識・経験、そして、日常的に医療専門家に客観的な意見を聴けるシステムが求められる。
オーストラリアのビクトリア州(州都メルボルン)では、コロナ―事務所と法医学研究所(検案・解剖機関)が同じ建物の中にあり、異なる部局の多職種の職員たちが一緒に死因を究明している。
人口450万人ほどで年間1000件ほどの救急・医療関連の全死亡例のカルテ等を、この施設に常駐する看護師・医師のチームがチェックし、週1回の検討会において、コロナ―、法医と議論をし、各々の実務に活かしている。
さらに、ここで得た警鐘事例の情報を、常時、医師にフィードバックしている。
そして、コロナ―は、事故の再発防止策を関係機関や社会に提言している。

なお、オーストラリアには、全国的な法医解剖データベースがあり、上記の関係者に加えて、登録した学術関係者がアクセスし、実務・学術の向上とともに、事故の再発防止に体系的に利用している。

これに対して、日本の死因究明制度は、「事実認定より犯人探し」が優先される制度である。
具体的には、死因究明の統括責任者がおらず、関係諸部署間のコミュニケーションが分断されており、担当者の専門性が担保されておらず、日常、医療専門家の意見が十分聴取できない。

■「事実認定」を軽視して“見立て”を優先する裁判官
湖東病院事件は、メルボルンであれば、多くの医療関係者、法医、コロナ―が、診療経過と解剖所見を基に議論・検討し、その結果に基づいて法医病理医や法曹(コロナ―)が正しく死因を診断できるので、事件にはならない。
しかし、日本では、医療専門家がカルテをチェックすることもなく、一警察官の見立てに従った作文(供述調書)が積み重ねられて「事件がつくられた」のである。

そして、英米法圏諸国では公開される死因究明情報も、日本では検察官が刑事法廷で公開する以外には公開されず、法医鑑定や捜査情報も、関係者や専門家の目に触れない。
そのため、誰も、鑑定や起訴の誤りに気づくことがない。
そのうえ、検察官は、いったん起訴すると、協力する専門家を使って有罪判決に導き、判決を維持しようとする。
多くの裁判官は、医療や死因究明に関する知識・経験が乏しいのに、検察官の主張する「事実」の正否をチェックしないで、自らの「心証」(見立て)に合う判決を書ける。
そして、誰からもチェックされないのである。

死因究明は、刑事捜査と切り離して、医療の一環として行うべきである。
ビクトリア州のアプローチが理想的であるが、簡単に法改正はできない。
そこで、法改正せずに実施できる事例検討会の有効性について最後に紹介する。

私は、以前、多数の法医、救急医と一緒に、医療を経て司法解剖となった50余りの事例について検討会を行ったことがある。次のパチンコ屋事件のように、冤罪防止に役立った事例もある。

■傷害事件の5カ月後に被害者が死亡した事例
本件では、60歳台の男性2名が、パチンコ台を取り合って殴り合いをし、5分も経たないうちにAが倒れ、大学病院に救急搬送された。
CTにて脳梗塞が見つかり、救急医は、その原因を、外傷性頚動脈解離と診断した。
そのため、喧嘩相手のBは、5カ月後、刑事裁判において、傷害罪で有罪の判決を受けた。
ところが、Aは判決の翌日、死亡した。
診療経過を見ると、死亡の約1カ月位前から肺炎の病状が悪化し、食事を口から摂取できなくなったので、頚部の静脈にカテーテルを挿入したが、直後、急速に容態が悪化したのだという。

担当検察官が、被害者の死が暴行に起因するか否かの判断に依って、傷害致死で起訴するか否か、拘留期限(20日間)中に決めたいので、司法解剖を担当した私に早く判断して欲しいと要望した。
そこで、解剖の翌週、事例検討会において検討した。
外傷性頚動脈解離とは、頚部の打撲により頚動脈の中膜が裂け、そこに血栓が生じる病態である。
この血栓が脳動脈を詰まらせ脳梗塞を生じる。
そして、脳梗塞患者は、意識障害のため、肺炎を起こしやすい。
このように、暴行の最中、あるいは、暴行後間もなく容態急変が急変した場合、暴行と容体急変との間に、実際には因果関係はないのに、裁判では因果関係が認められることが多い。
しかし、解剖してみると、暴行と無関係の原因によって容態が急変していたと判明する事例が少なくない。

■検討会を実施したことで冤罪を防ぐことができた
本件では、診療に当たった救急医が外傷性頚動脈解離と診断した部に、解剖・組織検査上、そのような損傷を認めず、亀裂を伴う強い動脈硬化を認めた。
このように、解剖は、臨床上の誤診を訂正することが少なくない。
なお、本件では、死亡当日、カテーテル挿入後間もなく容態が急変したので、医療行為と死亡の因果関係も問題となったが、診療経過の分析により、肺炎の病状の悪化と判断された。

Aが入院した直後のMRIを脳外科医に見せると、喧嘩の際に発生したと考えられる新鮮で大きい急性梗塞に加え、少し前に発症していた亜急性梗塞の存在を指摘された。
時期の異なる脳梗塞の反復は、共通の血栓源の存在を示唆する。
その原因として、Aの心房細動の既往から、心房内の血栓が、喧嘩の最中、急性脳梗塞を生じさせたこと、亜急性梗塞も心房由来の血栓によるものと衆議が一致した。
つまり、Aの死因はBとの喧嘩とは無関係のものだったのである。

検討会に参加した担当検察官は、議論を聞いて理解し納得した様子であり、Bを傷害致死罪で起訴することを止めた。
本件では、診療を担当した有名大学病院の救急医が、外傷性頚動脈解離が脳梗塞の原因であると断定し、検察官・裁判官がこの意見を受け容れた。
その結果、傷害と脳梗塞の間の因果関係が認められ、喧嘩相手の被告人Bは傷害罪の有罪判決を受けた。
ところが、事例検討会において、脳梗塞の原因が心房細動であると衆議が一致したことから、Bは傷害致死罪を問われず不起訴になったのである。

■冤罪を防ぐためには「検討会アプローチ」を実現すべき
本件において、検討会を行わなければ、検察官が、当初の救急担当医の結論を追認して起訴し、Bは傷害致死の罪を問われた可能性が高い。
なぜなら、警察官や検察官は、専門家に意見を聞く時、一人ひとり、最初の見立てを前提に聞くので、「○○大学の救急医がいうなら、ありえない事ではない」と答えた可能性が高いからである。

この事例に関する検討会の経験から、一流病院や大学の専門家や権威の意見を妄信して法的判断することの危険性が痛感される。
そして、客観的・公正な医学的判断のためには、複数の経験豊富な救急医と法医が先入観なく、容態急変を含む診療経過、既往症、画像、解剖所見を自由に議論しながら検討しなければ、正しい医学的結論を導けないことが明らかである。
現状では、司法解剖の情報公開を禁じる法の壁に阻まれているが、冤罪を防ぐためには、事例検討会のアプローチの実現が求められる。

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吉田 謙一(よしだ・けんいち)
東京大学名誉教授、大阪府監察医務監
1953年生まれ。愛媛大学医学部卒業。医学博士。
専門は、法医学、研究分野は、虚血・ストレス・中毒の病態生理学・生化学。
山口大学医学部教授(1992〜1999年)、東京大学医学部教授(1999〜2014年)、東京医科大学教授(2014〜2019年)を歴任。
主な著作に、『法医学の使命 人の死を生かすために』(岩波新書、2021年8月刊)、『事例に学ぶ法医学・医事法〔第3版〕』(有斐閣、2010年)がある。
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2021年09月30日

小6女児いじめ自殺 校長の“仰天言い訳”

小6女児いじめ自殺 校長の“仰天言い訳”
2021年09月29日 文春オンライン

 東京都町田市の小学6年生の上野香織さん(仮名)が、2020年11月30日、いじめを訴えて自殺した問題で、児童が持つタブレット端末のチャット上に書き込まれた悪口が「ハッキング」で消されたと、小学校の校長(当時)が遺族に説明していたことが「週刊文春」の取材で分かった。
小誌が入手した、香織さんの両親が昨年12月25日に校長と電話した際の音声データ(音声は 「週刊文春 電子版」 で公開)に残されている。

■加害児童がチャットへ書き込んだ悪口が消えていた
 香織さんの学校では児童一人に一台のタブレット端末が配られており、先進的なICT教育で知られていた。
このICT教育をけん引していたのが、当時の校長だった。
だが皮肉にもこの端末のチャット上で、香織さんへの「きもい」「死ね」などの悪口が複数の児童によって書き込まれていたのだ。

 彼女の死後、学校側は加害児童などへの聞き取り調査を行っていたが、なぜか加害児童二人がチャットへ書き込んだ悪口が消えていたことが判明した。
これについて、昨年12月25日に両親が校長と電話した際の音声データでは、両親は「香織のチャットは全て閲覧できたのに、なんで(加害者)二人のチャットは消えちゃってるんですか?」と疑問を呈している。

■「分からない」「不可解」を連発
 しかしその疑問に対して校長は、「私たちもそこがすごく疑問に思ったんですよ。香織さんのは全部遡って見れてましたよね」と返答。
加害児童が消したのではないかという質問に対しても、「私たちは分からないんですけども」「なぜ消えたかっていうのはそこが私たちもすごく不可解なところなんですけど」などと、ひたすら「分からない」「不可解」を連発。
 しまいには、こんな弁明が飛び出した。
校長 「なんかですね、あのその友達の中に、入り込むみたいな動きがちょっとあったんですよ」

■証拠が消えた理由は、ハッキング
両親 「入り込む?」
校長 「つまりですね、ハッキングっていうんですか。つまり何かお助け隊じゃないんですけども、誰かの中に入り込むような、誰かが見たとか見ないとか、何か急にそんな話になったので。(チャットを)止めました。全部使えないようにしたんですよ」

 つまりいじめの証拠が消えてしまった理由は、ハッキングだというのだ。
 ICT教育推進者とは思えない“仰天言い訳”のみならず、校長はこれまで両親に対し、不誠実な対応を続けていたという。
だが今年の春、ある区の教育長に“栄転”していたのである。

■イラスト付きで“殺し方”を記したノートを作っていた
 そこで校長に事実関係を確かめるべく取材を申し込んだが、事実確認には応じず、文書で「市の第三者委員会の調査には全面的に協力する」などと回答。
さらに電話取材を申し入れたが、最後まで守秘義務を盾に、何も答えなかった。

 校長は今年3月の保護者会まで、いじめと自殺に因果関係はないとの説明を繰り返し、いじめは「解決済みだ」との認識を示していた。
だが、いじめがまったく解決などしていなかった証拠が存在する。
 加害児童たちが<香織のころしかた>という、イラスト付きで“殺し方”を記したノートを作っていたのである――。
 いったい、小学校に何が起きていたのか。

 9月29日(水)16時配信の 「週刊文春 電子版」 および、9月30日(木)発売の「週刊文春」では、このほか「殺し方ノート」に書かれていた中身、香織さんが残した「遺書」の内容、校長や学校が両親に行ってきた数々の対応を詳報。
また 「週刊文春 電子版」 では両親と校長の12月25日の電話の音声データの一部を公開している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年10月7日号
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