2022年02月02日

ドラマ『新聞記者』で『東京新聞』望月記者を“舞い上がらせた”私たちの責任

ドラマ『新聞記者』で『東京新聞』望月記者を“舞い上がらせた”私たちの責任
2022年02月01日  SPA!

2月3日号の『週刊文春』にて、とあるスクープが報じられた。
Netflixで配信中のドラマ『新 聞記者』が、明らかに森友学園の公文書改ざん事件を扱ったものであるにもかかわらず、制作陣は「全部フィクション」だと言い始めたのだ。
 同事件を追い続け、赤木雅子さんとの共著『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』も出版した相澤冬樹氏がその経緯を語る。(以下相澤氏による寄稿)

◆正義の新聞、悪の週刊誌?
 Netfrixのドラマ『新聞記者』の河村光庸プロデューサーから、事前に作品を見られるURLが送られてきたのは、世界同時配信開始の6日前、今年1月7日のことでした。
ですが、私は見ませんでした。今も見ていません。
すでに前月、河村プロデューサーから直接、ドラマの内容について説明を受けていたからです。
財務省改ざん事件で裁判を起こしている赤木雅子さんにも同じものが送られ一部を見たところ、つらくてすべては見られなかったそうです。
 配信開始から1週間後、赤木雅子さんと私の共著『私は真実が知りたい』(文藝春秋)の担当編集者から連絡がありました。 「ドラマを見ましたか? 相当悪質ですよ!」
 普段は温厚な編集者が、かなり怒っています。

赤木雅子さんは最初からドラマ制作に協力を拒んだわけではありません。
その内容に納得していないことを知りながら、見切り発車のようにドラマが配信されたからです。
どこが悪質なのかは現在発売中の『週刊文春』(2月3日号)の特集記事に記されていますが、実は記事に書かれていない怒りのツボがもう一つあります。
『週刊文潮』です。

 ドラマ『新聞記者』では、寺島しのぶさん演じる赤木雅子さんをモデルにした女性から、夫の残した遺書を託されてスクープするのは『東都新聞』となっています。
寺島さんを追い回して困惑させるのは『週刊文潮』の記者。
政権の意を受けて中傷記事を書くのは別の週刊誌だそうです。
私はそれを見ていないのですが、文藝春秋社の編集部から聞いた話では「正義は新聞社、悪役は週刊誌」という位置づけです。  これは事実とは逆ですね。

実際には、赤木雅子さんから託された「亡くなった夫の手記」を全文スクープしたのは『週刊文春』です。
雅子さんを追い回して怖がらせたのは新聞、テレビ、雑誌を含むメディア各社。
加計学園事件で政権の意を受けたとしか思えない記事を書いたのは新聞社です。
 フィクションだから、事実を逆転させるのは制作者の「勝手」なのでしょう。
しかし、よりによって悪役の週刊誌が『文潮』って……。 明らかに実在する『週刊文春』と『週刊新潮』を揶揄するような名前をつけるのは、“事実”に敬意を払う気持ちがドラマの制作者にはないのでしょう。

◆『週刊文春』が急遽怒りの記事掲載
 実際にあったことを都合よく切り取り、都合よく加工して使うから、見る人の誤解を招く結果になる。
それで責任を逃れようと「フィクション」で押し切るのはご都合主義です。

そもそも本当に単なる“フィクション”なら、赤木雅子さんの了解を取りつけようとする必要はないはずです。
 これには『週刊新潮』もカチンときたようで、東京新聞の記者に取材したドラマの批判記事をネットに出しています。
 もちろん、おそらく事情を知らずに熱演した出演者の皆さんには何の罪もないと思います。

ただ、『文潮』の件はまだいいとして、全体のストーリーも細部の描き方も「これは放置できません」と担当編集者が憤っていました。
ですが私はその時、新著の執筆に追われていたほか、翌週の『週刊文春』に掲載する記事の締め切りも迫っていました。
小学館のマンガ誌『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載の始まった赤木雅子さんがモデルの『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』を紹介するグラビア記事です。
すると文藝春秋の担当編集者は……。
「相澤さんが今お忙しいのはよくわかっています。ですから記事は編集部で書きます。3人の担当記者を決めました。
相澤さんはこの記者たちにご存じの話を伝えてください。次号の文春に記事を載せますので」
「次号の文春って、私が書くマンガの紹介記事と同じ号じゃないの。かぶせてくるの? 勘弁してよ」とはちょっと思いましたが、結局は自分の知っている事実を、赤木雅子さんから聞いている話も含めて伝えました。
それを受けて文春選りすぐりの記者たちが関係者の取材に回り、記事掲載となりました。

◆日本アカデミー賞を受賞した高揚感
 この文春の記事は大きな反響を呼んでいるようです。
特にドラマの主人公・米倉涼子さんのモデルになったと見られる『東京新聞』の望月衣塑子記者に関する記述が、さまざまな論評の的になっています。
そこで望月さんについて私の考えを明らかにします。

 望月さんは菅官房長官(当時)の記者会見で果敢に突っ込んだことで有名になりました。
質問の仕方に疑問を呈する声もありましたが、官邸記者クラブが沈黙する中、一人で攻めの質問をするのは勇気のいることで、そこの評価は揺るがないと思います。
河村プロデューサーはそこに目を付けたのでしょうか。

望月さんの著書『新聞記者』を原作に映画を制作し、これが日本アカデミー賞を受賞しました。
河村プロデューサーと並んでレッドカーペットを歩む望月さんの姿は女優のように見えました。
 そういう状況でテンションが上がってしまうのは仕方のないことだと思います。
そして偶然にも受賞の数日後、赤木雅子さんが夫の遺書を『週刊文春』で全文公開し、国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に裁判を起こしました。
その数日後、望月さんから雅子さんに初めて手紙が届きました。そこには、河村プロデューサーからの手紙も同封されていました。
 これは、アカデミー賞受賞の高揚感の中で起きたことなのだろうと推察します。

「映画の次はドラマ」と河村プロデューサーが考え、そこに望月さんも協力したのでしょう。
そこまではある程度理解できます。
河村プロデューサーは望月さんがドラマの「協力者」であることを認めています。
 私も途中までは、ドラマにしてもらうことで赤木雅子さんと俊夫さんに起きたことを多くの方に知ってもらう効果があるのではないかと考えていました。
それに私は、望月さんにある種の“恩義”を感じてもいたのです。

◆私にも望月記者を“もてはやした”責任がある
 私はNHKの記者だった2018(平成30)年5月、森友事件の取材の渦中で「記者職から外す」と通告され、NHKを辞めることを決意しました。
その時、望月さんは自分のことのように憤り、「『日刊ゲンダイ』の記者を知っているから(そこで書いてもらう)」と言ってくれました。
 実際に、その後『日刊ゲンダイ』から連絡がありました。
その時、森友事件を最初に告発した大阪府豊中市の木村真市議が私に起きたことをフェイスブックに書いてくれていたので、そのことを伝えました。
そして翌日『日刊ゲンダイ』に記事が出ました。

 退職を決意した私が転職先を見つけあぐねている時、望月さんは「『東京新聞』に来ませんか?」と言って、実際に上司に相談してくれていたようです。
実現はしませんでしたが、苦境にある時に手を差し伸べてもらった温情はとてもありがたく感じました。
望月さんは朗らかでさっぱりして、もともと「いい人」なのだと今でも思っています。

 望月さんは官房長官会見で名をあげ、映画の成功でちょっと“舞い上がって”しまったのだろうと思います。
それは望月さんだけの責任ではなく、周りで望月さんを“もてはやした”人たちの責任でもあるでしょう。
 私もその一人です。
2019(令和元)年、望月さんが『「安倍晋三」大研究』(ベストセラーズ)という著書を出した時、私は本のキャンペーンの講演会に招かれて望月さんと対談しています。
一緒にテレビ番組に出たこともあります。私も責任があるのです。

◆答えをはぐらかす『東京新聞』
 望月さん以上に責任があるのは『東京新聞』でしょう。
『週刊文春』の質問に対し、「取材源にかかわることや取材内容など業務にかかわることはお答えしておりません。
取材で得た情報等を報道目的以外で使用することはありません」と回答していますが、これはすべて一般論です。

 今回、望月さんのケースがどうだったのかを問われているのですから、社としてきちんと事実関係を調べ、少なくとも当事者の赤木雅子さんには事情を説明する責務があります。これでは答えのはぐらかしです。
それは『東京新聞』が厳しく指弾してきた、安倍首相や菅官房長官(いずれも当時)、そして財務省がしてきたことと同じです。

『東京新聞』の内部でも文春の記事について「真っ当な内容だ」という声が上がっていると聞いています。
文春の発売当日、『文春オンライン』の編集長が『東京新聞』の関連紙『東京中日スポーツ』で講演する予定があったそうです。
コロナの影響で延期になりましたが、「たとえ関係があろうが遠慮はしない文春の姿勢は気持ちいい」という声も聞いています。
『東京新聞』の発行会社『中日新聞』の方からも賛同の声が届いています。

◆望月記者は、赤木雅子さんに連絡をとってほしい
 そこで、望月さんにお願いしたいのです。赤木雅子さんに連絡をとっていただけませんか?
 人は誰しも失敗することがあるし、私もたびたびしています。
雅子さんを悲しませ怒らせ、すぐにお詫びせずに断絶しかかったことは何度もあります。
でも、最終的に事情を説明して謝ったら、雅子さんは許してくれました。こうしてまだ関係が続いています。

 望月さんの最大の過ちは、事がこじれた時に雅子さんとの連絡を断ってしまったことにあると思います。
でも遅くはありません。今からでもきちんと事情を説明してお詫びすれば、きっと受け入れてもらえると思います。
雅子さんは財務省の人たちに対しても、今からきちんと経過を説明して謝ってくれれば許すつもりがあるのですから。

 そういえばドラマ『新聞記者』では、最後に財務省や政権側の人が改心して真相を明かそうとするそうですね。
残念ながら実際はまったくそうなっていません。
ドラマを見た方が「彼らも心を入れ替えたんだ」と誤解することのないように願います。
現実は甘くはありません。
もちろん、いずれはそうなってほしいと願っていますが。

文・写真/相澤冬樹

【相澤冬樹】 無所属記者。
1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。
2018年にNHKを退職。
著書に『真実をつかむ 調べて聞いて書く技術』(角川新書)、『メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』(文春文庫)、共著書に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(文藝春秋)など
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2022年02月04日

自分の成長にブレーキかける人が陥る3つの思考

自分の成長にブレーキかける人が陥る3つの思考
何歳になっても成長し、自己実現の為に大切な事
2022/02/03  東洋経済オンライン
柳川 範之 : 東京大学大学院経済学研究科教授 / 為末 大 : アスリート

「人生100年時代」と言われる中、ビジネスパーソンにとって、学び続けること、成長し続けることは不可欠です。
しかし、ある程度、経験を積み成功体験を重ねていくと、ある「思考のパターン」が、新しいことへの挑戦を妨げてしまうといいます。
ここでは、成長を妨げてしまいがちな3つの思考パターンについて、柳川範之さん(東京大学経済学部教授)と為末大さん(400メートルハードル日本記録保持者)の共著『Unlearn(アンラーン) 人生100年時代の新しい「学び」』から、一部抜粋して紹介します。
前回:いつもと同じ選択を好む人の伸びしろが小さい訳(1月27日配信) 前々回:30代で伸び悩む人が知らずとかかる「呪い」の正体(1月20日配信)

陥りがちな「成長の落とし穴」
人生100年時代と言われる今、何歳になっても学び続けること、成長し続けることは、誰にとっても不可欠です。
しかし、ある思考パターンの強い人は、学びや成長のチャンスを見逃してしまったり、受け入れられなかったりすることが多いといいます。
そこでここでは、持っていたら要注意の、ビジネスパーソンの成長や学びを阻む3つの思考パターンと、そこから脱却するための「アンラーン」という考え方について紹介します。

@「このままでいいんじゃないか」(現状維持)
現状に100%満足しているわけではないけれど、でも、それなりにうまくいっている。
ここまで何とかやってきたことに自分なりの誇りも持っている。
世の中での新しい動きや変化を知らないわけではないし、少しは興味もあるものの、今までにつくりあげてきた形を崩してまで、新しいものを取りにいこうとは思わない。
こういう気持ちは、歳を重ねるほど強くなります。
培ってきたものが大きい分、身軽に動けなくなってしまうのは仕方のないことだと思います。
たとえば今から三十数年前、オフィスに初めてコンピュータが登場したとき、使い方を覚えるのは新入社員を含め若手の役割でした。
多くの上司は「今さら覚えたくない」と高みの見物で、若手社員に任せっきりという態度でいたように思います。
今のように、パソコンでの仕事が当たり前の世界から見ると呆れてしまうような笑い話ですが、それを現代に置き換えて、パソコンではなくプログラミングへの態度、あるいはデジタル化への態度で考えたとき、さっきまで他人事として笑っていた人たちは、変わらず笑っていられるでしょうか。

「プログラミングや新しいデジタル技術なんて、今さら覚えられない。若者に任せる」 と考えている人は、50代以上だとかなりの数に上るのではないでしょうか。
もちろん、すべての人がプログラミングを習得すべきだ、新しい技術に対応すべきだなどというつもりはありません。
仕事上、まったく必要のない方も多いですし、役割分担ができている場合には必ずしも自らが使えるようになる必要はありません。
これは、1つの典型的なたとえ話です。

誰の心の中にも「今さらそれは自分には無理だし、このままでいいだろう」「自分は変わらなくても、誰かが何とかしてくれるだろう」という壁があり、その壁はキャリアの形成とともに、より強固になっていくことに気づいていただけたでしょうか。

「目に見えない形で」「いつのまにか」「少しずつ」 新型コロナウイルスで従来の生活がいったん停止したような、強制リセットのような外的な圧力が強く働いた場合には、ルールチェンジが誰の目にも明らかです。
その場合は、新しいルールに合わせるしかないので、文句を言いつつも何とかその方向に向かって努力をすることになります。 そこには「ルールが変わったのだから、自分自身も変わらざるをえない」という納得感があります。
「新型コロナウイルスが流行しているから、ソーシャルディスタンスをとるしかない」 といった具合です。

ところが、自分自身については、そういう外圧は基本的にはありません。
もちろん、職場の上司や仲間から、あるいは家族などから、 「もっと変わったほうがいいよ」 「考え方が古いよ」 などと言われることはあるでしょう。
それは、素直に耳を傾けられるのなら、1つの大きなきっかけになります。

だけど、もっと大切なことは、自分自身で常に変化の機会に気づき、それを習慣づけて何度でも繰り返し行うこと――それがアンラーンです。
「このままでいいんじゃないか」 「このままでもなんとかやっていけるんじゃないか」 という現状維持への固執が起こったときに、その固執を認め、客観的にとらえ直す。
このアンラーンの姿勢が、この変化の時代に成長し続けるためには不可欠です。

A「あの人の言うことなら間違いない」(他人への盲信)
ある他人に対して「あの人の言うことなら間違いない」と思ったり、「この人のアドバイスは聞くけど、あの人のアドバイスは聞かない」と選り好みをしたりしているとしたら、それもまた変化や成長を阻む思考パターンの一つです。
日本には、「できる人は何でもできる(何をやらせてもうまくできる)」し、「できない人は何にもできない(何をやらせてもうまくできない)」という思い込みのある方が少なからずいるように感じます。

人には誰でも得意・不得意がある
入れる学校が偏差値で半ば決まってしまうような環境で学生時代を過ごしたせいなのか、単純な上下関係や表面上のわかりやすい優劣の判断基準で物事をくくりがちなのです。
実際には、誰かの能力が他の誰かに比べて、すべてにおいて勝っているということはありえません。
得意があり、不得意がある。向き不向きもある。好き嫌いもある。
能力を構成している要素を分解していけば、「私はこれが得意だ」「苦手だ」ということが必ずあるはずです。
それなのに誰か特定の人を常に目印にして、それに従うべきだと考えているとすれば、それはまぎれもない「思考のクセ」です。

特定の人に従うことで感じられる安心感も、クセが感じさせている幻想でしょう。
このときのアンラーンの合言葉はこうです。 「誰だって間違うことがある」 ──だから、ときには疑ってみることがとても大切です。

B「だって、これが好きなんだもん」(自分への言い訳)
人生100年時代をどうキャリアチェンジしていくかというようなテーマの講演後、こんな相談を受けることがあります。
「今が好きで、十分満足しているので、変わりたくないんですけど。変わらなければいけませんか?」
どんなに「変化」が叫ばれていても、「今の状態が好きだから何も変えたくない」というのです。
それは、一見とても素晴らしいことのように思えます。
「今が好き」と言えるのは、恵まれた人生です。
単に慣れているから気持ちいいだけかもしれない ただ、僕には1つ、気になることがあります。
その「好き」は、本物の「好き」でしょうか?
好きに嘘も本物もないでしょう、と驚かれるかもしれません。
なにも、本人が自分を偽っていると言いたいわけではありません。

確認したいのは「好き」と「慣れているから心地いい」ことの線引きがしっかりできているかどうかということです。
この2つの感情はとても似ているようで、実際には大きく異なるものです。
「このお店が好き」「この土地が好き」というのが、実は単に「すっかりなじんでいて快適だから」という理由であることは、結構な確率で起こっているような気がします。
「日本が好き」「やっぱり朝はごはんと納豆とおみそ汁がいちばん」「買い物をするなら銀座がいいよね」など、自分の「好き」をたくさん持っている人はとても楽しそうで素敵なのですが、少しだけ不安も感じます。
「他を知らないだけじゃないの?」と。

とはいえ、わざわざ「心地よくないものを選ぶ」というのは、なかなかできることではありません。
Aという親しんだ心地よいものと、Bという見知らぬものが並んでいるときに、あえてBを選ぶというのは心理的ハードルが高そうです。
そこで、ぜひやってみてもらいたいのは「無条件にAを選ばない」というアンラーンの技術です。
慣れていることから少し距離を置いてみる、決まったパターンで当然のように選んでいたものからしばらく離れてみる。
どうしてもそれを選びたいなら、その理由を具体的に言語化してみる。
そうすることで、ほんとうの「好き」かどうかがはっきりします。
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2022年02月06日

「超高齢化社会」という危機。シルバー民主主義に現役世代は絶望

「超高齢化社会」という危機。
シルバー民主主義に現役世代は絶望
2022年02月05日 SPA!

コロナ禍の陰で、日本に今、“超高齢化”という新たなクライシスが迫っている。
2025年には、約800万人いる団塊の世代が75歳の後期高齢者となり、歴史上前例のない高齢化社会が訪れようとしている。果たしてそこに希望はあるのか?
その現実に向き合った。

◆「超高齢化社会」という未曽有の危機
 内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によれば、’20年の高齢化率は欧米諸国が20%前後であるのに対し、日本は28.8%と突出している。
この未曽有の事態に、経済学者の小黒一正氏は警鐘を鳴らす。

「日本における少子高齢化は、’80年代半ばから問題視されていましたが、政府は付け焼き刃的な処置しか行ってきませんでした。
しかし’25年には、いよいよ団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、膨張が進む医療費や介護費に一層の増加圧力がかかると予想されています。
さらに’25〜’40年に、現役人口(20〜64歳)が約1000万人減少すると予測されており、今後、津波のように危機的状況が押し寄せることになります」

◆超高齢化社会は2100年頃まで解消されず
 社会学者の西田亮介氏も、超高齢化の波に肩を落とす。
「高齢者はいずれ天寿をまっとうするとしても、残念ながら超高齢化社会は2100年頃まで解消されず、その頃には日本人口は半数まで激減しています。
その間、超高齢化により社会保障費が増加し続ければ、’50年には65歳以上の高齢者1人を現役世代がほぼ1人で支えなければなりません」

◆大増税も
 これは同時に、莫大な社会保障費を賄うための大増税も意味する。
「’40年度の社会保障給付費は、’18年度に比べ、約70兆円近く増える計算です。
裏側でGDPも790兆円まで増える試算なので、増税幅は抑制できるとしても、仮に社会保障費の増加分を消費税で賄うとすれば、約5%の増税が必要。
さらに、これまでの財政赤字を加味すれば、消費税を’40年までに22%、’60年には30%まで引き上げなくてはならない可能性も。
恐ろしいのは、この政府の試算が、毎年1%以上の経済成長を前提とした楽観的な予測だという点です」(小黒氏)

◆「シルバー民主主義」で現役世代は絶望の淵へ
 また超高齢化の弊害として、政治が高齢者優遇の政策に偏る「シルバー民主主義」も危惧されると小黒氏は続ける。
「私が関わった実証研究(※)では、有権者の高齢化と老人福祉費の増加の間には強い相関が見られました。
実際、日本の所得再分配の状況は、30〜34歳の働き盛りの世代より65〜69歳のほうが恩恵を受ける歪んだ状態にあります」 (※)47都道府県の2000〜2010年のデータを用いて、高齢化と高齢者関連支出の間の関係を分析

◆このまま投票率が低下すれば…
 この現状を「どうせ投票してもムダ」と放置すれば、自分の首を絞めるだけと西田氏は諌める。
「昨年の衆議院選挙の投票率は約56%と戦後3番目に低く、『投票に行かないのが当たり前』の時代になりつつあります。
しかし、このまま投票率が低下すれば、高齢者優遇のみならず、経済界など特定の団体や組織の影響力が相対的に増すことに。  そうなれば、子育て世代や生活者のための政策が後回しになり、負担が増えるだけでなく、労働環境の悪化など、現段階のシミュレーションよりもさらに暗い未来を歩むことになります」
 もはや見て見ぬふりは許されないのだ。

◆【経済学者 小黒一正氏】
法政大学経済学部教授。 元大蔵官僚。
専門は公共経済学。財務総合政策研究所客員研究員と、国政にも携わる。著書に『日本経済の再構築』(日本経済新聞出版)

◆【社会学者 西田亮介氏】
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。
専門は公共政策。博士(政策・メディア)。著書に『コロナ危機の社会学』(朝日新聞出版)など

<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/橋慶佑 モデル/関口 衡(古賀プロダクション) アンケート/QiQUMOを利用して調査>
―[[超高齢化]の危機]―
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2022年02月07日

3年目突入のコロナ禍で「貧富の格差」はますます拡大する

3年目突入のコロナ禍で「貧富の格差」はますます拡大する
2022/02/04  日刊ゲンダイ

 総務省が1月28日に発表した、住民基本台帳に基づく2021年の人口移動報告によると、昨年1年間の東京都からの転出者数が41万4734人となり、比較可能な14年以降で最多となった。
 不動産経済研究所が1月25日に発表した、21年の首都圏の新築マンション平均価格は1戸当たり6260万円で前年から2.9%上昇し、バブル期だった1990年の6123万円を超え過去最高となった。
平均の初月契約率は73.3%と好不調の目安となる70%を超えた。

 一方で、コロナ禍で生活困窮者は増えている。
「貧富の格差」は3年目に突入するコロナ禍で一段と拡大するだろう。

■企業格差も広がるばかり
 実際、東京商工リサーチによれば、21年に早期・希望退職募集を開示した上場企業は84社。前年の93社から減少したが、2年連続で80社を超え、2年連続はリーマン・ショック後の2009年(191社)、10年(85社)以来、11年ぶり。
募集人数は、人数を公表した69社(若干名除く)で1万5892人に達した。

前年は1万8635人で2年連続の1万5000人超えだ。
給与水準の高い上場企業、大企業の人員整理である。
22年も1月中旬ですでに9社が実施している。
コロナ禍で「企業の格差」も拡大したようだ。

 国際NGOオックスファムは1月17日、世界の富豪上位10人の総資産が、パンデミックの2年間で、7000億ドルから1.5兆ドルと2倍以上に増えたとする報告書を発表した。
富豪10人は電気自動車大手テスラを率いるイーロン・マスク氏、アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏、メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグ氏、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏ら。
他方、パンデミックで1億6000万人が貧困に陥り、非白人の民族的少数派や女性が格差拡大の影響を受けているという。
「資産の格差」も拡大した。

 日本は「1億総中流」といわれてから久しいが「ウィズコロナ」の社会では、経済面では「勝ち組」と「負け組」の選別も鮮明となった。
ギャンブルではないが、「勝ち組」は一握り、多くは「負け組」となるのが、資本主義、競争社会の特徴である。

 ウクライナ情勢などを警戒し「株式市場」は調整色を強めているが、食品、光熱費、ガソリンなどの値上がりが見られるインフレリスクに強いのも「株式」といわれている。
 生活資金に余裕のある人は、グローバルな技術力に富む企業に投資したい。
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2022年02月09日

子どもコロナ感染 東京「4週間で倍増」の想定外…国や都に打つ手なくピークアウト見えず

子どもコロナ感染 東京「4週間で倍増」の想定外…国や都に打つ手なくピークアウト見えず
2022年02月07日 日刊ゲンダイDIGITAL

 新型コロナの感染拡大はいつ終わるのか──。
東京都は連日、2万人近い新規陽性者数が確認されている惨状だ。
今月初旬にはピークアウトを迎えるとの予測が出ているが、“想定外の事態”に先は見通せない。

 6日の都内の新規感染者数は1万7526人。
日曜日としては過去最多を更新した。
6日までの7日間平均は1万8128人で前週の約1.2倍。まだまだ拡大傾向が続いている。

 内閣官房の「COVID-19AI・シミュレーションプロジェクト」に参加する名古屋工業大の平田晃正教授の予測によると、都内は今週前半にもピークを迎えるという。
「山の頂上が見えてきた」と一息つきたいところだが、想定外なのは子どもの感染爆発だ。
 都のモニタリング会議(3日開催)の資料によると、先月4日から31日までの4週間で、全世代の新規陽性者のうち10代以下の占める割合は12.5%(4〜10日)から24.3%(25〜31日)へと、ほぼ倍増。
同期間におけるその他の年代の伸び率は60代以上が1.48倍、40〜50代が1.23倍、20〜30代が0.66倍だから、10代以下の感染者が断トツで増えている。

 昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。
「感染拡大から5〜6週間後にピークアウトした海外の事例を踏まえると、都内の新規陽性者数も今週中にはピークを迎えるのではないか。
しかし、ピークが来ても欧米のようにスッと下がるとは考えにくい。
高齢者や子どもに感染が広がっているため、減少するまで時間がかかるでしょう」

■「オミクロン株のスピードに追い付けない」
 都内の濃厚接触者の感染経路は「同居」が最多で、次いで高齢者施設や保育・学校などの教育施設を含む「施設等」。
子どもが感染拡大の要因になっている可能性がある一方、全国的に休校や学級閉鎖が相次ぐ中でも都内は休校が0.7%、学年・学級閉鎖が16.4%(先月26日時点)にとどまる。
休校割合は最小の0.4%(岡山県)並みだ。

「本来なら行政が子どものいる家庭に検査キットを配布し、毎日検査をさせた上で通学させるのが理想ですが、今は検査すら満足にできない。
一斉休校は必要ないが、クラスに1人でも感染者が出たら学級閉鎖をするくらいでないと、オミクロン株の感染スピードに追い付けない。
子どもの命を守ることを最優先に、部分的な休校や学級閉鎖など積極的な対策が必要です」(二木芳人氏)

 国も都も子ども感染に打つ手なしだ。黙って嵐が過ぎ去るのを待つしかないのか。
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2022年02月10日

日銀に忍び寄る黒田総裁更迭の足音…誰が首に鈴をつけるのか【政官財スキャニング】

日銀に忍び寄る黒田総裁更迭の足音…誰が首に鈴をつけるのか【政官財スキャニング】
2022年02月09日 日刊ゲンダイ

【政官財スキャニング】#20
官界通(以下=官) 日本銀行の黒田東彦総裁(77)の任期は来年4月までだが、満了を待たずに交代させる話が、首相官邸で出ているのか?

政界通(同=政) 早耳だな。確かに、くすぶっている。

財界通(同=財) それは、岸田文雄首相が進めている「脱・安倍カラー」の一環か?

政 それだけではない。在任9年になっても目標とした物価上昇率2%が実現しない一方、悪い物価上昇と景気低迷が重なる「スタグフレーション」に陥る懸念が出てきたからだ。

財 原油など資源や穀物の相場が上がり、企業のコストが膨らみ、生活用品にも値上げが続く。
でも、2%目標を実現できていない黒田日銀が、米欧の中央銀行のように物価抑制のための利上げ策は取れない。
そんな局面を乗り切るには、総裁を代えて、閉塞感に包まれている金融市場の雰囲気を一新したい、というわけか。

官 でも、不祥事もなく、本人が「辞めたい」と言い出さない限り、更迭は難しいぞ。

政 問題は、そこだ。中学校からエリート学歴で大事にされてきた黒田氏に、自ら退く発想はないだろう。
では、誰が「そろそろ退任されては」と首に鈴をつけるか。
普通なら監督官庁で人事案を決める鈴木俊一財務相の仕事だが、人柄がいい鈴木氏には向かない。

財 鈴木氏は、麻生太郎・前財務相の義弟だ。
安倍政権で9年も財務相を続けた麻生氏が交代したのも、脱・安倍カラーの象徴。
しかも、麻生氏は自民党の副総裁になり、岸田政権を支えている。その役を引き受けても、おかしくない。

政 その通り。ただ、麻生氏は、異次元緩和で地方銀行などの経営が悪化した副作用を追及される黒田氏を擁護してきた。
強硬姿勢へ変わるには、理由が必要だ。

官 黒田氏が2月2日の衆院予算委員会で副作用について「異次元緩和の影響を認めるか」と追及されたとき、「認めません」と語気を強めた。
この答弁に、与野党から失笑が漏れた。「もう辞めたら」という雰囲気だったな。

  (構成=竜孝裕/ジャーナリスト)
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2022年02月11日

オミクロン株を「軽症」と侮るな! 後遺症続々、治っても続く謎の咳と喉の痛み

オミクロン株を「軽症」と侮るな! 後遺症続々、治っても続く謎の咳と喉の痛み
2022/02/10 日刊ゲンダイ

 オミクロン株が猛威を振るい、感染のピークが見えてこない。
8日の全国の新規感染者は10万770人に上り、死者は1日当たりでは今年最多となる155人が確認された。
大阪府では新規感染者が2万人の大台を突破してしまった。
いま、懸念されているのが、オミクロン株の“後遺症”だ。症状は軽症でも、予想以上に後遺症は重いという。
  ◇  ◇  ◇
「咳がなかなか治まらないですね」  都内在住の60代男性は、後遺症についてこう語る。
先月25日、喉の痛みを感じ、咳が出はじめたという。
喉の痛みと咳以外に症状はなかったが、今月2日に陽性が判明し、それ以降、ずっと自宅療養中だ。
「2日夜から抗ウイルス薬のモルヌピラビルを5日分処方してもらい、全て飲み切ると、喉の痛みはなくなりました。でも、咳が止まらず、外に出ていいものか迷っているところです」

 別の50代男性は、先月19日に倦怠感、咽頭痛といった症状が表れ、39度弱の発熱。
1週間ほどで症状が落ち着き、食欲も回復したが、喉の痛みと軽い咳の症状が今も残っているという。
「いまだに喉のイガイガが残っており、ときおり咳き込むような状態です。乾燥するとより咳が出やすいので、のど飴やトローチでゴマカしています」

 どうやら、オミクロン感染から回復した人の多くが“咳”に悩まされているようだ。
ここ数日、ツイッターでも〈コロナのあと、咳が続いてて、いったん出始めると止まらない〉
〈咳と痰が治りません〉といった声が続々と上がっている。
味覚障害や脱毛といった後遺症はあまりないようだが、咳と喉の痛みが続くケースが多いようだ。

後遺症が重いと「寝たきり」状態に
個人で防ぐ手立ては僅か…
 オミクロン株は喉や鼻でウイルスが増殖するといわれる。
上気道での増殖速度は、デルタ株の70倍だ。
喉の痛みや咳症状が残り続けるのは、オミクロン株特有の後遺症なのか。

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏(内科医)はこう言う。
「オミクロン株にかかわらず、典型的な風邪の後遺症だと考えられます。
『感冒後咳嗽』といって、熱や倦怠感が引いた後も咳が続くことがあるのです。
ウイルスを排出することはないので、発熱などの症状がなければ心配はいりません。
ただ、1〜2カ月続くこともある。
また、一度咳が出始めるとアレルギーのように連続して止まらなくなるケースもあります。
高齢者の場合、咳で胸に負担がかかり、肋骨を骨折してしまうこともある。そうなる前に受診することをお勧めします」

昨年3月からコロナ後遺症の専門外来を開いている「ヒラハタクリニック」(東京・渋谷)の平畑光一院長はこう言う。
「オミクロン感染由来と思われる後遺症を患う方を、今年1月以降21人診てきましたが、うち5人が週の半分は自宅で横になっている『準寝たきり』状態です。
年齢は10〜40代と若い方ばかり。
酷い症状だと、指一本動かせません。
ドライヤーや歯ブラシですら重くて持てない方がいます。
『倦怠感』と言うと軽く思われるかもしれませんが、実態は全く違う。

オミクロン自体の症状が軽いからといって、後遺症も軽いとは限りません」
 やはりオミクロン株をなめていると、後悔することになりそうだ。 
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2022年02月12日

脳が活性化するストレス解消法! 怒りを感じたら、体を動かそう

脳が活性化するストレス解消法! 怒りを感じたら、体を動かそう
2022年02月11日 Diamondオンライン

現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して 脳がみるみる若返る食事法を紹介する 脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。
その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。
本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する

■「自分の楽しみ」を見つけてストレス解消
気分がうつうつとしたり、もやもやとした気分が晴れないとき、ストレスが溜まっていると感じることがあると思います。
ストレスとは、自分の許容範囲を超えているのに、自分のいつもの精神状態を維持しようと頑張っている状態のことです。
体も同様に平常時のレベルを超えたところで、身体機能を維持しなくてはならない状態になるとストレスがかかります。

糖尿病では、血糖値が高いという異常事態が1日に何度も起きます。
すると、そのたびに体にはストレスがかかるという具合です。
お酒を大量に飲めば肝臓はアルコールを分解するために大忙しになります。
肝臓はいつもの仕事量よりもずっと多い仕事をこなさなければならず、ストレスがかかることになります。
ストレスが体に悪影響を与えるのはご存じの通りですが、脳の毒という観点からすると、ストレスがコルチゾールというホルモンを過剰に分泌することが問題です。
コルチゾールは量が適切ならば、肝臓でたんぱく質から糖をつくる、筋肉でたんぱく質を代謝する、脂肪組織で脂肪を分解・代謝する、炎症を抑える、免疫をコントロールするなどの働きをしますが、一定量を超えると脳にダメージを与えます。

■ストレスで神経細胞のネットワークに不具合が出る
他にも過度なストレスがかかると神経細胞から出るアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質が必要以上に増えて、神経細胞のネットワークに不具合が出ることもわかっています。

ストレスから解放されるには、
・嫌なことは忘れる
・怒りを感じたら体を動かす
・会いたい人に会う(苦手な人に誘われたらていよく断る)
・好きなことに没頭する
・好きな俳優や芸人が出ているテレビ番組を観たり、好きな歌手のライブに出かける
・人目を気にせず、したいことをする
   など、他人のことを忘れて自分が思いっきり楽しむことが大事です。

私はこれまでに多くの元気な高齢者に会ってきましたが、みなさん「いまを楽しく過ごす」「これから楽しみたいことを見つける」のが得意です。
ちなみに私は40歳からピアノを、50歳からフルートを始めました。
私にとって仕事は楽しみなので、仕事のストレス解消ではなく、純粋にピアノを弾きたい、フルートを演奏したいという気持ちから習い始めました。
楽器演奏に没頭している時間は至福のときですし、何歳からでも新しいことを始めるのは脳によい刺激を与えます。

ストレスを解消しようと思って始めたことが、脳の毒を出すことに止まらず、脳を活性化する良薬になることもありますよ。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。
この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった“毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。
脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?
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2022年02月13日

「おかしな文章を書いてしまう人」と「文章がうまい人」の決定的な差

「おかしな文章を書いてしまう人」と「文章がうまい人」の決定的な差
2022年02月12日 Diamondオンライン

『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。
今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。

読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
 趣味で小説みたいなものを書いていて、自分で読み直したのですが、助詞や句読点の書き方が違うせいか、他の人のネット小説や本屋にある小説のようなつっかえずに読める文や情景が想像しやすい文にできませんでした。
 小説に限らず、自分で文を書く時にルールというかしばしば正しいとされている文するにはどうしたらよいのでしょうか。

■好きな文章を「文節」「単語」に分解してみてください
[読書猿の回答]
 書き言葉を操るには訓練が心要ですが、その柱は3つ、入力、分析、出力です。
まず読まない人間は書けるようになりません。
しかし、ただ読み流しても定着効率は高くありません。
効率を高める鍵は分析(分解)であり、そのための工具が文法です。

 まずは他人の書いた文章の一部を取り出し(文章を読んでいて「これはいい」と思ったのを使うとよいです)、一文を文節に、そして単語に分解し、その品詞を明示し、助詞や助動詞の機能を確定し、単語の間の関係を矢印で結ぶワークをやりましょう。
他人の文章で文章分析の経験を積むと、自分の文章に対してもできるようになります。

 あらゆる技能がそうですが、まずゆっくりと意識的にできるようになった後、さらに訓練を重ねることで、意識せずに速度を上げてできるようになります。
 文法的におかしな文章を書いてしまう状態、言い換えれば、意識しないと文法的に正しい文章を書けない状態では、せっかくの貴重な認知資源をそこに費やしてしまい、「うまく書く」ところまでなかなかいけません。
 これは、書くことを楽しんだり、表現を磨いたり、よい言い回しを思いついたり、思い描いた情景を過不足なく伝える工夫を考えたり、全体の構成と細部の表現をマッチさせたりという、よい文章を書くことに回せる認知資源が減ってしまうからです。
これでは、今うまく書くことが難しいだけでなく、将来に渡って、文章を書く技能の向上を妨げます。

 地味な文章分解は、今のうちにやっておけば、一生モノです。
『独学大全』やおちこぼれのチャーチルがノーベル賞までとった文才を磨いた教えの記事にもその効用を書いてあります。
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2022年02月14日

「人生の目標は何だっていいんだ」と気づいた日

「人生の目標は何だっていいんだ」と気づいた日
資本主義の論理から飛び出す「50代冒険家」
2022/02/13  東洋経済オンライン
稲垣 えみ子 : フリーランサー   

疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。
そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。
不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第44回をお届けします。

退社してからの心細さにどう向き合う?
とにかく金をたくさん稼ぐ。さすれば人生勝ち。何の恐るることもなし……という、今にして思えば深みも面白みもオリジナリティもへったくれも何もない、なのに200%心の底から信じ切って、疑うことすらもうまったくコレッポッチも考えたこともなかったその鋼鉄のごとき人生の大目標を、「会社を辞める」という現実を前に、いきなりキレイさっぱり諦めなければならなくなったワタクシであります。

いやそこのあなた! こいつ馬鹿だなーなどと笑ってる場合じゃありませんヨ。
何しろ人生100年時代らしいじゃありませんか。
となれば誰だっていつかはこの問題にぶち当たるんです。
何しろ凡人の場合、それなりに金が稼げる時期など人生のほんの一部。
なので、私のこの戸惑いは明日の、あるいは今日のあなたの問題かもしれない。ってことで、私がそこからどうあがいて今に至るのかの物語に少し耳を傾けていただければ幸いであります。

で、その心細すぎる現実を目前にした私が、取るものも取りあえずまずはどうしたかと言いますと、「卒業旅行」ならぬ「退社旅行」に出かけたのでありました。
行き先は、そうもちろん、イ・ン・ド♡ ……と言うと、ナルホドかの有名なガンジス川の遺体埋葬などを見学してガーンとなって人生観を変えるというショック療法に挑みに行ったんですネ〜などといつも勝手に勘違いされるんだが、現実はまったく逆である。

南インドでのリゾートで超ゼータク旅行
会社に身も心を捧げていた案外真面目なサラリーマンとしてはどうやっても実行不可能だった我が長年の夢、そう南インドのアーユルヴェーダ・リゾートに3週間ほど滞在するという、超ゼータク旅行に出かけたのであった。
アーユルヴェーダ。ご存じですかね?
 ま、女性なら一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
インドに昔から伝わる体質改善療法で、わかりやすく言えば本格高級エステのようなものである。
美しい海辺のリゾートに長期滞在して来る日も来る日もマッサージ三昧。
そして3週間後には見違えるようなピッカピカな体になってインドを後にする……という、もうなんともまさに絵に描いたようなとしか思えないゴージャス旅であります。

無論、それなりのお値段である。長期滞在となればなおさらだ。
これから無給生活に突入する身でそんなとこ行ってる場合かよ! という気がしなかったわけではない。っていうか100%そんな場合ではない。
でも逆に、この瞬間を逃したら、これからの「ジリ貧」人生において、この長年の夢を達成できる日は二度と来ない確率が高いのもまた現実。
ならば、それなりに過酷なサラリーマン生活に28年間耐え抜いた「自分にご褒美」として、まずは将来のことには一旦目をつぶり、何はともあれ人生の夢を1つ叶えることを優先させたっていいではないかと自分で自分を納得させたのであった。

で、どうだったかって? いやーもうマジで最高でした。
あれほどの贅沢を日本で味わおうと思えば数倍の値段を取られることは確実であろう。
良いか悪いかは別として、経済格差、為替格差あってこその分不相応なゼータク体験であった。
とはいえ慣れぬ海外、しかも初インドで、しかも驚いたことにこの時代にあって日本人など右を見ても左を見てもどこにもおらず、インド人と欧米人に囲まれてめちゃくちゃな英語を恥も外聞もなく繰り出してなんとか日々を生き延びるという筆舌に尽くしがたい苦労はあったものの、それも含めて、コロナ禍の今となってはどれもこれもが夢幻のごとく懐かしい思い出である。

だがそのように楽しいことの一方で、さすがは日本とはことごとくスケールの違う悠久の国インド!
 実際に行くまでまったく予想もしていなかったショッキングなものを目撃することになったのであった。
それは、「ゴミ」であります。
いやね、木のコテージが散らばる広大なリゾートの中は、どこもかしこも完璧なのですよ。
美しい庭が整備され、掃除もどこまでも行き届き、まさに楽園そのもの。 でも一旦ゲートを出て幹線道路に突き当たると、否応なく目に飛び込んでくるのはまさかのゴミ・ゴミ・ゴミの洪水なのであった。

自然豊かな地域のはずが、道路脇に穴を掘って埋めたプラスティックゴミが、ゴミの量が多すぎて埋めきれず、どんどん地上にあふれ出てきて収拾がつかなくなっているのである。
詳しいことはわからないが、いわゆる「燃えないゴミ」の処理システムが、想定を超えたゴミの増加に追いついていないものと思われた。

インドのゴミを見て考えたこと 道路だけではない。
当地域の観光の目玉である、世界的にも有名な川下りのボートに乗ってきたというアメリカ人によれば、水面のそこいらじゅうにプカプカとゴミが浮きまくっていて、楽しむどころかどうにもやるせない気持ちになったということであった。
いやはや、これはもはやキレイとかキタナイとかいうレベルの話ではない。観光にも悪影響があることは間違いないし、何より街中にゴミがあふれまくっているというのは、もう本当に何とも言えない暗いヤサグレた気持ちを誘発するものである。
無論、そこらじゅうに細かいホコリが舞っているので健康にも良くないことは確実。
そのような場所で暮らす人々のことを思うと、他人事ながら勝手に心が痛んだ。

当時、日本からインドに原発を輸出するという、個人的にはトンデモねえとしか思えない話が持ち上がっていたところでもあり、いやいやそんなものよりまずは日本の優秀なゴミ処理システムを輸出したほうがよほど人々の幸せのためになるじゃんよ……などと一人勝手にプリプリしていたんだが、そのうちフト、いや待て、そんな人様のことを上から目線であれこれ心配してる場合かという気がしてきたのである。

確かに、わが日本ではこのように街中にゴミが散乱しているということはない。
だが、ゴミは消えてしまうわけではないのである。
ゴミの燃えカスや燃えないゴミは処分場に埋め立てられ、先ほどチェックした令和元年度の環境省の資料によれば、二十数年後には、埋めたてる場所は日本列島からなくなってしまう計算であるという。
つまりわれらはうまいことをゴミを移動させ、見えない場所に持って行くことで、ゴミなどまるで「なかったこと」のように振る舞っているだけであって、それも早晩破綻しかねない。ってことは、結局はわれらもこの南インドと何ら変わらぬ状態にあるのではないだろうか?

  そしてインドの風景を見ていると、なぜこのようにゴミがあふれかえるようになったのかは何となくわかるのだった。
それは「豊かさ」のなせるわざである。
昔は住む場所も食べるものも、そこらじゅうでふんだんに育つバナナやココナツなどを利用して賄っていたので、すべては古くなれば自然に還っていったのだろう。

でも世界から集まってきたさまざまな便利な商品が当たり前に売り買いされるようになると、当然、そのほとんどは地元でとれたものじゃないわけじゃないので、自然には還らないのである。
特に安くて便利で軽いプラステイックが押し寄せるエネルギーは凄まじく、深い穴を掘ってなんとかなる段階をたちまち超えてしまったのであろう。

で、われらとて結局は同じ問題を抱えているのだ。豊かさの中を生きる私こそ、まさにこの世にゴミを増やし続けている一人なのである。
この道路脇にあふれ出たゴミは、私が出しているゴミと地続きなのだ。
綺麗な川にゴミが浮いてて興ざめだワなどと口をとがらかしている場合かってことなんである。

突然浮かんだ「人生の目標」 ……と、インド女性の極上マッサージを受けつつ、ヒマにあかせてそのようにつらつらと考えていた時、私の頭にあるアイデアが突然炎のごとく、キラーンと浮かんだのでありました。

私……人生の目標を見つけたかも! そうだよ、これからの人生の目標として「プラゴミを出さない」ってことを一人勝手に掲げるっていうのもアリなんじゃ……?
 何しろちょうど人生の目標なくしたとこだしさ!
  ……いやわかってます。なーんだ、って話ですよね。

人生の目標というには、あまりに個人的な極小の話である。でも考えれば考えるほど、これはなかなかスンバラシイアイデアであるとワクワクしてくるのであった。
第1に、これは確かに、NPOを立ち上げるとか区議会議員に立候補するとかいうことに比べれば、まったく小さすぎる話である。でもだからこそ自分の胸一つですぐ実行できるし、それに何よりも、これは小さいようで、実はなかなかに野心的かつ革命的な目標なんである。

だって、ちょっと考えてみてください。
例えばあなたが何かを買いたいと思ったとしよう。その時、あなたは何を基準にそれを買うかどうかを決めるだろうか?
  普通は「品質」とか「値段」とか「好みに合うかどうか」とかですよね。
でも私はこれから、何よりもその製品が「プラスティックかどうか」あるいは「プラスティックに包まれているかどうか」を購入の基準に高く掲げようというのである。

その製品がどれほど素敵だろうが安かろうが、そんなことは二の次三の次。
早い話が、プラに包まれている時点で選択肢から外すことも辞さないというのである。
そんなことやってる人、あるいはやろうとしている人を少なくとも私は知らなかった。
つまりは私はこれから、現代人の(たぶん)誰も歩んだことのない、未知の荒野を進む冒険を人知れず開始するのである。
50歳にしての冒険家人生。いやー、考えただけでワクワクするじゃありませんか。

資本主義の論理から勝手に飛び出す そして第2に、このアイデアが素晴らしいのは、これまで崇めてきた「お金」という、神のごとくわが人生を支配してきた存在からの脱却を意味するということである。
世のほとんどの人と同様、私もこれまでは常に「お買い得かどうか」がモノを買ううえでの大きな決め手であった。
スーパーでは割安な品に手を伸ばし、ネットでは価格をじっくり比較して安いものを買うのが当然。
それは、お金を少しでも溜め込んだものが幸せになれるという強固な人生観に基づくものであった。
なのにこれからは、それとは何の関係もない基準を人生に持ち込もうというのだ。

それは大げさに言えば、世間一般を支配する資本主義の息苦しい論理から、一人勝手に飛び出す行為である。
ま、冷静に考えれば私一人がそんなことしようがするまいが世の中にはほぼ何の影響もなく、だからどうなんだって話ではあるが、そうであったとしてもわが人生を延々と支配してきた化け物のような存在を蹴っ飛ばすような、なんとも爽快な心持ちがせずにはいられなかったのである。

そして第3に、このアイデアの愛らしいところは、自分は決して孤独ではないという妄想で人生を満たしてくれるところだ。 だってですよ、私はこれから日本に帰り、おそらくは南インドを再訪することなど二度とない確率が高いわけだけれど、そのインドから遠く離れた日本のどこぞの店でプラスティックに包まれていないものを探し出して買おうと奮闘努力するたびに、南インドでお世話になった優しくお茶目なインドの方々を頭に思い浮かべ、その方々の幸せに私はほんのちょっぴりではあるがちゃんと貢献しているのだと思うことができるのである。

無論、先方はそんなこととはつゆ知らず、っていうか日本からやってきたアフロの珍客のことなど早晩忘れてしまうに違いないけれど、そんなことはどうでもいいのです。
少なくとも私自身が、これからお金を使えなくなり人からちやほやされることがゼロになろうとも、自分が日々生きていること、自分が行動することそのものに「意味がある」のだと思えることそのものが、人生の目標を失いかけた私にはこの上ない宝のように思えたのだ。

人生勝ち抜かなくたっていい!
そして何よりも、私がこのアイデアが気に入ったのは、それがあまりにも「小さな」そしてある意味「バカバカしい」ことだったということである。
通常、第2の人生どう生きるかって話になると、スキルを活かして再就職とか、起業とか、そういうのが勝ち組って話になりがちだ。
そのために早いうちから資格を取ったりスキルアップに努めたり人脈を作ったりなどという「大きなこと」が推奨される。
もちろん人生の目標は人それぞれなのでそうしたい人はすればいいと思うが、個人的には、そんなふうに死ぬまで人生を勝ち抜いていくことなど考えただけでゲンナリだ。

っていうか勝ち抜けないし! だってこれからどんどんトシ取っていくんだし! っていうかそもそもそういうことをもう卒業したくて会社辞めたんだし! ……さりとてそのようにして金を稼がねば、人生100年時代を元気に駆け抜けることなどできようかというのもまた現実。

私とてゲンナリしつつもそのような不安を抱かない訳じゃなかったんです。
でも、別にそんな大変な目標を掲げずとも人生を前向きに生きる方法はいくらでもあることに私は気づいてしまったのだ。「プラゴミ出さない」という個人的な小さな目標だって、やろうと思えば大変である。
生涯努力しても死ぬまでに目標を達成できない可能性が高い。
それほど困難である。

でも取り組むのは自由だ。
何の資格もスキルも、そしてお金も不要である。
つまり は私、まったくお金をかけずに、生涯かけてチャレンジするに値する目標を得たんじゃないですかね?
 しかも、やるかやらないかは自分次第。
上司がバカだとか社会が悪いとか政治がなっとらんとか、そういう自分の力じゃどうしようもないことに一喜一憂するストレスもないんである。
いやいや、今から思い出しても、この瞬間の、パッと目の前が明るくなるような感じと言ったらなかったよ! もう何というか、地獄に仏というか掃き溜めに鶴というか、棚から牡丹餅というか……だって何しろこの時の私は、高級リゾートでマッサージ三昧というどこからどう見ても優雅な外見とは裏腹に、目の前はまったくの五里霧中だったのである。

確かに今このひと時は優雅だが、お金で夢を実現できるのもきっとこれが最後で、日本に帰ればこれから死ぬまでお金をチマチマ節約しながら何とか生き永らえるのみ。
そんな人生のどこに楽しみが? 何をよすがに、何を自分のプライドとして生きていけばいいのか? 
つまりは私には何もない。空っぽ……と思っていたのだ。
いやいやいや、違うじゃん! 
お金がなくてもやれること、面白そうなこと、意味のあること、ちゃんとあるじゃん!
私、ちっとも空っぽなんかじゃない!
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2022年02月15日

年をとると眠れる時間が短くなるってホント? 不眠症の原因と隠れた病気を専門医が解説

年をとると眠れる時間が短くなるってホント? 
不眠症の原因と隠れた病気を専門医が解説
2/6(日) AERAdot.

 不眠症にはさまざまな原因があり、生活習慣やストレスなどのほか、加齢によるからだや生活の変化で起こるものも多い。また、うつ病や高血圧など病気が原因のことも。不眠症の原因とリスクについて、専門医に聞く。
*  *  *  
不眠症とは、よく眠れないことで心身に不調をきたしたり、仕事に支障をきたしたりと、生活に影響が及ぶことをいう。

不眠症の症状には、なかなか寝付けない(入眠困難)、
夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、
朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)
     などのパターンがある。複数の症状を併せ持つ人も多い。

 そもそも、「なかなか眠れないという経験は誰にでもある」と、東京足立病院院長で日本大学医学部客員教授の内山真医師は言う。
「例えば、翌日大事な用事があって緊張する、気が重いことがあって不安、楽しみなことがあってワクワクするなど、さまざまな原因で眠れないことはあるものです」
 ただ、多くの人にとっては一過性で、原因が解消されれば眠れるようになる。
このような場合や、眠れなくてもそれが苦ではない場合は「不眠症」とは考えないという。

「寝付くまでに1時間かかっても、その間ボンヤリと考えごとをするのが好きな人もいますし、夜中に目が覚めても気にせずまた眠りにつく人もいるでしょう。不眠症とは、眠りたいのに眠れずにつらい、そして眠れないせいで日中の生活で困っているという場合に診断されます」(内山医師)

 日中の症状としては、眠気や疲労感、イライラ、落ち込み、集中力・記憶力・判断力の低下などが挙げられる。
 不眠症の原因について、「明確にわかっていないことも多い」と、国立精神・神経医療研究センター病院睡眠障害センター長の栗山健一医師は話す。

「ただ、眠れないことへの不安や恐怖など、心理的な要因が関わっていることはたしかです。
例えば夕方になると『今夜も眠れないのでは』と不安が募り、夜になるほど不安が強くなって、眠れなくなる人も少なくありません」
 寝なくてはと必死になるほど、頭は冴えてしまうことがある。
寝ようと悩むことが不眠を強めることになるのだ。

「また、眠るために良かれと思ってしていること、例えば、リラックスするために夜寝る前にホットココアを飲むとか、寝酒といった生活習慣が不眠症の原因になることもあります」(栗山医師)

■加齢にともない眠る時間は減るもの
 加齢も不眠症の原因となる。
高齢者に不眠症が多い理由については、夜中に何度もトイレに行く(頻尿)、かゆみ(皮膚疾患)や腰の痛みなどで眠れないなど、加齢にともなうからだの変化が関係する。
併存疾患がある場合にはその症状なども挙げられる。

 しかし、高齢者の不眠の最大の要因は、加齢による「生理的な睡眠時間の減少」といえる。
「高齢になると食事の量が減りますが、これは、加齢により基礎代謝量が減り、活動量も減ることで若いときほどエネルギーを必要としなくなるため。睡眠も同じです。
高齢になると若いときほど眠る必要がなくなるのです」(同)

 夜間の睡眠時間は一般的に、25歳で7時間、45歳で6・5時間、60歳で6時間といわれる。
病気のない人では、年齢が上がるほど短くなる傾向がある。
 一方、仕事を引退したり、子育てを終えたりして時間に余裕ができると、早く寝ようとする人が増える。
つまり、高齢になるほどふとんで過ごせる時間は長くなるが、実際に眠れる時間は短くなる。
このミスマッチが高齢者の不眠の一因だ。
「成人に必要な睡眠時間は7時間前後といわれます。例えば、体調不良や睡眠不足のときには8時間、9時間眠ることができますが、健康な人が早くふとんに入っても、そう長い時間は眠れません。10時に寝れば朝4時ごろに目覚めてしまうのが自然なのです」(内山医師)

■うつ病などが隠れていることも
 不眠症には病気が関係して起こるものもある。
高血圧もそのひとつだ。高血圧の中でも、自律神経の乱れが関係するタイプでは、不眠を併発することが多いという。

「例えば、イライラしやすい人や緊張しやすい人、自宅ではそうでもないのに病院では血圧が高く出るような人は不眠になりやすいといえます。
反対に、不眠症の人が高血圧を示すこともあります」(栗山医師)
 また、高血圧の治療に用いられる降圧剤の一部や抗がん剤、ステロイドなど、薬が原因で不眠になることもある。
ただし、不眠の症状が出たとしても、病気の治療のために薬を飲み続ける必要があることも。

患者自身の判断で薬をやめることはせず、気になる症状がみられたときには必ず医師に相談することが必要だ。
 うつ病も不眠症と大きな関わりがある。
うつ病の8〜9割は不眠症状を併発するといわれ、とくにうつ病の初期症状として不眠は多い。
「うつ病は加齢とともに発症頻度が高くなりますが、若い人でもみられます。
若い人で不眠を訴えて受診する場合は、うつ病や不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など、精神的な病気が隠れている可能性があるため、注意深く診断します」(同)

 ほかにも、不眠症は糖尿病などの生活習慣病や認知症など、さまざまな病気との関係を指摘されている。
「どの病気も不眠だけがリスク因子になるわけではありませんが、不眠の症状があり、つらいのであれば早めに適切な治療をすることが大切です。
それが結果的に、さまざまな病気のリスクを下げることにもつながるでしょう」(同)
          (文・出村真理子)
※週刊朝日  2022年2月11日号
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2022年02月16日

何でも「ヘイトスピーチ」と抗議するのは日本語への侮辱だ

何でも「ヘイトスピーチ」と抗議するのは日本語への侮辱だ
2022年02月15日 SPA!
―[鈴木涼美の連載コラム「8cmヒールで踏みつけたい」]―

1月21日、立憲民主党最高顧問の菅直人氏が、橋下徹氏をはじめとする維新の会について「弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」と発言。
維新の会代表の松井一郎氏や、吉村洋文大阪府知事が「ヘイトスピーチだ」と反発し、ヘイトスピーチの定義も含めて議論が盛り上がっている

◆豊かな日本語は忘却の彼方に
「ユダヤ式のウエディングだっていうのに、よりによって私の顔がヒットラーみたい!」。
最近、続編が配信されて話題の米ドラマ『SEX AND THE CITY』の過去の1シーンである。
クリスティン・デイヴィス演じる女の子が結婚式当日、NYタイムズ紙のウエディング・セクションを見てそう嘆く。
せっかく二人の写真が採用されたのに、彼女の鼻の下、ちょうど口髭の位置に、インク染みが印刷されてしまっていたのだ。

菅直人元首相がTwitterで、橋下徹元大阪市長の名をあげ、「主張は別として弁舌の巧みさでは(中略)政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」と投稿してから、ヘイトスピーチの定義をめぐる議論が盛り上がっている。
発端は、日本維新の会の代表がこの投稿を「ヘイトスピーチだ」と批判したこと。
これを受け、ヘイトスピーチである/違う、ヘイトスピーチではないが問題がある/許容範囲内だ、そもそも菅が嫌いだ、すでに党員ではないはずの橋下を党代表が擁護すること自体問題だ、など議論が飛び火した。

飛び火中に、口の悪い元都知事の訃報があったものだから、菅発言より彼の問題発言こそヘイトスピーチの定義に当てはまるという割と的を射た指摘がなされたと思えば、死者に投げる心無い言葉こそヘイトスピーチだなんていう、空虚な言い返しにすら使われた。

ヘイトスピーチや人種差別は国や時代によってその範囲にズレや温度差はある。
米国で度々問題になるブラックフェイスに関して言えば、ヤマンバ世代の私は完全にアウトなのだが、イエローなモンキーが顔を黒く塗っても国際的にはそう非難されないし、黄色人種で肌が強いと気合次第で地肌でヤマンバにはなれる。
日本のヘイトスピーチ解消法は主に右派系市民団体の在日外国人や東アジア諸国への憎悪を煽る演説などを念頭に、本邦外出身者に対する不当な差別的言動をその定義としている。
当然、巧みな弁舌や顔写真のインクを歴史的な戦犯に喩えることは随分定義から遠い。

幼児が「パパのご飯おいしくない!」と拗ねるのをパワハラと呼ぶようなものだ。
ウエディング直前の情緒不安定な花嫁ならいざ知らず、ナチス発言を撤回した麻生太某らのいる与党に比べて良識的なイメージをウリにしたい党の元首相が、デリケートな歴史上の固有名を比喩に使うのが適切か否かという議論はある。

日本的な慣習として、ホトケに鞭を打たないという伝統もある。
ただし、ある程度限定的な言動を指摘する言葉を、ただの「言い返し」も含めて便利な攻撃として使用すると、本来的なヘイトスピーチがその他の悪口や不快な表現と並列になってしまう問題がある。

新たな言葉が定義されたのは、その他の悪口と一線を画す悪質さや有害性が発見されたからなわけで、レトリック合戦をしたり、Twitterで大喜利的にうまいこと言ったりしているうちに、差別や対立を煽ることへの問題意識が忘却され、人を傷つける言葉は全体的に良くないよね、というふわっとした結論でお茶を濁される可能性が高い。
別に自分を傷つける言動がヘイトスピーチに認定されなくても暴れなくて良い。
人を死の際まで追い詰める言葉がヘイトスピーチではないことも数多ある。
誹謗、中傷、嘲笑、陰口、罵詈雑言、冷罵、罵倒、悪態、脅し文句、吹聴、暴言、侮蔑、嘲弄、冷笑……人を傷つける言葉を指す日本語は豊かで、傷ついたのなら何かしらの日本語でクレーム申し立てができるのに、維新の面々が聞き齧った横文字にこだわる理由は謎だ。
※週刊SPA!2月15日発売号より

【鈴木涼美】 ’83年、東京都生まれ。
慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。専攻は社会学。
キャバクラ勤務、AV出演、日本経済新聞社記者などを経て文筆業へ。恋愛やセックスにまつわるエッセイから時事批評まで幅広く執筆。著書に『「AV女優」の社会学』(青土社)、『おじさんメモリアル』(扶桑社)など。最新刊『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』(発行・東京ニュース通信社、発売・講談社)が発売中
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2022年02月17日

湯あみ着で混浴、楽しいよ…笑顔の女性「視線を気にして体隠さなくていい」

湯あみ着で混浴、楽しいよ…笑顔の女性「視線を気にして体隠さなくていい」
2022年02月16日 読売新聞

 混浴がある各地の温泉で、体の露出を抑える湯あみ着(入浴着)を着用する動きが広がりつつある。
混浴施設は近年、マナーの悪化などもあって敬遠され、利用者は減少傾向にある。
施設関係者らは「湯あみ着で入浴することで抵抗感を減らし、世代や性別に関係なく、混浴の文化を楽しんでもらいたい」としている。

 全国一の豪雪地にある青森市・酸ヶ湯(すかゆ)温泉。
1月26日、混浴の大浴場「ヒバ千人風呂」では、幅広い年代の男女が楽しげに湯につかっていた。
男性はハーフパンツ、女性はノースリーブの上着とハーフパンツ姿だ。
千葉県から訪れた20歳代女性は「視線を気にして体を隠さなくていい。落ち着いて楽しめる」と笑顔で話した。

 酸ヶ湯温泉では現在、朝夜限定で女性専用の入浴時間を設けている。
ただ、「時間で区切るのではなく、皆が同じ空間で楽しめる環境を」との考えから、試験的に混浴での湯あみ着導入を始めた。
利用者の反応を見ながら今後、本格導入を検討する。

 熊本県南阿蘇村の地獄温泉青風荘は、2019年に混浴での湯あみ着の着用をルール化した。
河津謙二副社長(58)は「若い人や混浴に抵抗がある人にも温泉を楽しんでもらえるようにした」と話す。

 講演や著作などで温泉の魅力を発信する「温泉家」の北出恭子さん(37)によると、混浴施設は1993年には全国で約1200か所あったが、2021年には約500か所まで減少した。
北出さんは「若い世代は裸での入浴に拒否反応を示す人もいる。
男性が女性の体をジロジロ見るなどモラルに欠ける例もあり、敬遠につながった」とみている。

 一方、施設によっては裸での入浴に価値を置くところもある。
利用者からは「湯あみ着では風情がない」との声もある。
岡山県真庭市の湯原温泉砂湯では16年、「隠そう下半身」と書いた看板を脱衣所などに掲げ、男性客にタオルや水着などの着用を促した。
だが、「裸で入りたい」と、何も着けずに入浴する客は今も一定数いるという。

 湯治文化に詳しい東洋大(観光学)の内田彩准教授は「混浴文化をどう継承するのか、地域や施設ごとに考えていくことが重要だ」と指摘する。
温泉評論家で日本温泉地域学会の石川理夫会長も「ジェンダーレスなど現代の多様なニーズに湯治場が応えるためには、湯あみ着の導入も一案だ」と話している。
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コロナ医療を支えてきた公立病院がつぶされる!公的医療が「金持ちのビジネス」になる危機

コロナ医療を支えてきた公立病院がつぶされる
!公的医療が「金持ちのビジネス」になる危機
2022/02/16 週刊女性PRIME [シュージョプライム]

 オミクロン株が猛威を振るう中、全国で最も感染者数の多い東京都で、コロナ医療を支えてきた公立病院が消されようとしている。
「儲かる医療」を目指し、独立行政法人へと変えるため、2月16日からの都議会に廃止条例案が提出される見通しなのだ。

東京から全国へ広がりかねない、「公立病院つぶし」の危機に迫る! 東京都が「独法化」を急ぐ理由
 新型コロナウイルス感染症から私たちの命を守ってきた公立病院が大ピンチに立たされている。
都や国によって公的医療がつぶされるというのだから、おだやかではない。

 2月16日から始まる東京都議会に、都立病院条例の廃止案が提案される。
8つの都立病院と6つの公社病院(※)を独立行政法人(以下、独法化※※)に変える内容で、可決されれば7月から実施される。
 そうなるとコロナ対応に支障をきたしたり、公的医療が「金持ちのためのビジネス」に変質しかねない。
そんな懸念が都立病院で働く人たちや患者の間に広がっている。

 厚生労働省の調査によると、コロナ病床の確保数は、全国2287病院のうち1位の多摩総合医療センター以下、11位まで都立・公社病院が並んだ。
コロナ下で重要性が浮き彫りになったのに、都はなぜ独法化を急ぐのか。

 独法化推進の論拠としてよく言われるのが、「都立病院は赤字体質で、都の一般会計から年間約400億円も繰り入れられている(資金が移されている)。
独法化によって効率化し、都の支出を抑えるべき」という理屈だ。
 都立病院で働く看護師らが入っている労働組合『都庁職病院支部』の書記長で、自身も都立駒込病院で看護師をしている大利英昭さんは、「独法化を決めたのは、小池都知事の鶴のひと声だったのでしょう。職員への説明前に、NHKの知事インタビューで突然知らされました」と話す。

 大利さんたちの組合は研究者の協力を得て分析を進め、「400億円の繰り入れは赤字ではなく、不採算だが重要な周産期、難病、離島などの医療を維持するため、法律に基づいて出しているもの」と指摘すると、「変化する医療ニーズに柔軟、機動的に対応するため」と新たな理屈が持ち出された。
都立直営だと議会で予算が決められ、人員の定数も細かく決まっているからスピーディーな対応ができないというのだ。
もっともらしいが、大利さんは反駁(はんばく)する。

「コロナ感染が広がった際、都立・公社病院は数か月でコロナ病棟を増やし最新の人工呼吸器を入れ、ウイルスが飛散しないようにする工事も進めました。必要な費用は補正予算で手当てされました」

 独法化を進める理屈に疑問符がつく形だが、深刻な危惧もあると大利さんは続ける。
 独法化後の看護師の給与がどうなるかを病院支部が質問したところ、都立病院を管轄する東京都病院経営本部は「10年間、(現行の)都の制度での昇給を保障することを考える」との回答だった。11年以後はどうなるのか。

 独法化を提言した都の諮問機関『都立病院経営委員会』では、看護師の平均勤続年数が「都立墨東病院は15・2年、民間のA病院は6・1年」とする資料が示され、墨東病院に対し委員から「ずいぶん居心地がいいんでしょうね」と揶揄するような発言も出た。
 大利さんは、「昇給を早々に頭打ちにしてベテランに退職を促すことで、人件費を抑えようというのでしょう」と怒り、さらにこう指摘する。
「ベテランが辞めていくと“いざ”という事態への備えも崩れます。
1つの診療科しか経験していない看護師ばかりだと、急な感染症対応はできません」(大利さん)

 都立病院を利用する人たちも、不安を募らせていた。
身体が動かず自力では息もできない難病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の佐々木公一さん(74)は、東京・府中市の都立神経病院を「命のふるさと」と呼ぶ。
「私が入院すると、看護師が私のための(看護)マニュアルを夜遅くまで相談しながら作ってくれた」(公一さん)
 妻の節子さん(72)は、ALS患者を受け入れる首都圏の民間病院にお見舞いに行ったことがある。
「静かでいいところね」と言うと、同行者は「コールがないからだよ」。入院患者がナースコールできないというのだ。

 しかし神経病院では患者に合わせ、例えば首を少し振るとコールできるなど、症状に合った設備を作業療法士が整えてくれる。
「看護師を呼びたいときに呼べる。
吸引が必要なALS患者にとって、人の尊厳に関わります」と節子さんは話す。

 都内不動産会社に勤める男性(72)は4年前、前立腺がんの告知を受け、都立駒込病院で手術を受けた。
ベテラン看護師もいて頼もしかった。
「患者の言うことをよく聞いてくれ、雰囲気もいい。医療従事者にある程度は余裕がないと、寄り添えないですよ」  と、男性は力を込めて言う。

東京から加速する公立つぶしの競争
 現場の疑問を、筆者は東京都病院経営本部にぶつけた。
ーー都の一般会計から都立病院会計への繰入金400億円は「赤字」か。

乙山広恵・計画調整担当課長「赤字補填ではない。都立病院が担う行政的医療にかかる費用は診療報酬だけで賄えないため、維持に必要な額を都として財政措置している」

ーー独法化で減らないか。

乙山氏「繰り入れを減らす目的は独法化にはない」

ーー看護師の昇給は11年目からはどうなるのか。

乙山氏「独法の人事賃金制度は働きがいある制度にする。職員団体(組合)と協議中なので、中身は言えない」

 病院経営本部はそう言うが、都の病院経営委員会では「名前だけ変わって、同じような税の投入が継続されるようなことは……何のための独法化かということになる」と座長が述べた。
それにより都立病院関係者に「都税投入を削るための独法化」が“都の本音”という見方が広がった。

 '06年に独法化された大阪府立病院では、収益が改善し「税の投入」は着実に減らされたが、現場からは余裕が失われ、コロナ感染第5波では高い死亡率となった。
都立とは対照的に独法の府立病院はコロナ病床の準備が遅れ、効率化を進めた橋下徹・元府知事も“反省の弁”をツイートし話題を呼んだ。

 独法化によってお金のない庶民が切り捨てられ、海外富裕層向けの「医療ツーリズム」など「稼ぐ医療」への傾斜や、民営化や廃止につながるという危惧もある。
前出の佐々木公一さんも、「独法化はごまかしで、あとで民営化する卑怯なやり方だ」と話す。

 一方、病院経営本部の乙山氏は「稼ぐ医療をする考えはない。業務を適宜見直し、必要な措置をとることは、都立でも独法でも変わらない」と話す。
だが、地方独立行政法人法では3〜5年ごとに業務を見直し、廃止、民営化を含め必要な措置を講ずると規定。
他県では実際、独法化後に廃止された医療機関もある。

 公立つぶしは都だけの問題ではない。
厚労省も「地域医療構想」で436病院を名指しして統廃合を狙い、緊急性の高い患者に対応する急性期病床を中心に約20万床を削減しようとしている。
『医療制度研究会』副理事長の本田宏医師は「日本はもともと医師数がOECD平均と比べ13万人少ない。
コロナで公立病院の大切さが身に沁みたのに、独法化で統廃合を進めるのは本末転倒で、むしろ拡充すべきです」と力説する。

 そんな“本末転倒”を初めて止めたケースが徳島にある。
徳島病院閉鎖・東徳島医療センターへの統合に反対する運動を進めた『徳島県医労連』の井上純書記長は、公立・公的病院の統廃合を進めると「金のあるなしで命が左右される」と心配する。
反対の声が広がり徳島県議会が全会一致で「徳島病院を守る決議」を可決。
県知事も方針を変え統廃合の動きは止まった。

 前出の大利さんは、「都立病院の独法化によって“お金持ちの都も直営をやめたんだから、小さな自治体が直営などぜいたくだ”と、国による公立つぶしが加速するのでは?」と危惧する。
そんな底辺への競争にどう歯止めをかけるのか。徳島のケースをヒントに今こそ考えるときだ。

※公社病院とは…石原慎太郎知事(当時)による都立病院改革の受け皿として作られた、東京都保健医療公社が管理する病院。「効率化」を掲げてきたが赤字に苦しんでいる。
​※※独立行政法人とは…国や自治体が行っていた事業を切り離し、法人格を与えて運営することで効率性、自律的運営、透明性の確保、向上を図る仕組み。

取材・文/北健一 ジャーナリスト。
1965年、広島県生まれ。
経済、労働、社会問題について取材・執筆をしている。
『電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか』(旬報社)ほか著書多数
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2022年02月18日

貯蓄100万円未満の70代以上12%、60代は21%。老後の貧困層は確実に広がっている

貯蓄100万円未満の70代以上12%、60代は21%。老後の貧困層は確実に広がっている
2022年02月17日 SPA!

コロナ禍の陰で、日本に今、“超高齢化”という新たなクライシスが迫っている。
2025年には、約800万人いる団塊の世代が75歳の後期高齢者となり、歴史上前例のない高齢化社会が訪れようとしている。果たしてそこに希望はあるのか?
 その現実に向き合った。

◆増え続ける高齢者。その実像と未来
 超高齢化で社会に重く負担がのしかかるが、当の60代以上は金融資産の6割以上を保有しているというから、現役世代には不満が募る。
そこで、まずは今の高齢者がどのような暮らしぶりかを知るため、60代500人、70代以上500人の計1000人(いずれも男性)にアンケートを実施した。
その結果は、驚くべきものだった。

組織人事コンサルタントの川口雅裕氏は語る。
「最高年収1000万円以上が約4割、役職者が約7割というのは、7割がヒラ社員で終わると言われている昨今とは雲泥の差。ただ、この世代が一方的に恵まれていたかというと、労働法制もコンプライアンスも守られないなか、相当な理不尽に耐え、苦労してきた面もある。
しかも、99%は中小企業で働いてきた人々。
一番の問題は、その苦労がキャリアではなく、組織への忠誠心や社内政治に向けられたものであった点です。
結果、バブル崩壊後は生産性は低いけれどポジションと人件費を圧迫する組織のお荷物となり、“失われた30年”へと?がっていきました」

◆負のスパイラルに陥るリスクも
 さらに、高齢世代に資産が偏っている現状について、社会学者の西田亮介氏は「一般に資産形成には時間がかかるので当然の側面もある」としつつ、リスクを次のように指摘。
「コロナ禍での給付金が消費に回らなかったように、高齢者は資産を消費より生活防衛に向ける傾向があります。
同様に、社会保障費も成長や新たな富を生み出すオフェンシブな投資ではなく、社会を維持するデイフェンシブな側面が強い。
結果、経済成長が停滞し、負担ばかりが増えるという負のスパイラルに陥ってしまいます」

◆さらに“失われる20年”が訪れる可能性も
『無理ゲー社会』などの著作を持つ作家・橘玲氏も、悲観的な見解。
「消費が冷え込めば、企業も投資や賃上げより内部留保を優先し、ネガティブになる。
そうなれば、“失われた30年”に続き、超高齢化社会に起因した“失われる20年”が訪れる可能性も否定できません」

◆「世代会計」の格差
 その“失われる20年”から逃げきれない現役世代に突きつけられる現実が「世代会計」だ。
経済学者の小黒一正氏は言う。
「政府から受け取る年金などの受益と税・保険料などの負担を世代別に算出したものが『世代会計』。
’03年の時点で、現在の80歳以上はプラス6500万円で40歳未満はマイナス5200万円と1億円以上の格差があることを政府は把握していました。
これは『財政的虐待』とも言える事態。
政府も手をこまねいていたわけではなく、医療費の抑制や年金改革などに取り組んできましたが、いまだ抜本的な改善には向かっていないのが現状です」

◆世代で割り切れない「老々格差」の課題
 こうして負担ばかりを押しつけられた上に「老後資金は自力で2000万円必要」と通告される現役世代。
一方、85%が持ち家で、60代以上は退職金2000万円以上が3割、1000万円以上が5割、と「老後は万全」という状態が窺える。
こうした状況だけ見ると、「富める高齢者」と「苦しむ現役世代」という対立構造がイメージされるが、保有する資産アンケート結果から単純ではない課題が浮かび上がる。

小黒氏は続ける。
「2000万円以上の資産を保有する高齢者世帯がある一方で、貯蓄100万円以下の世帯が16%。
つまり、高齢者間でも格差があり、世代でひとまとめにすることはできません。
社会保障を削った場合、生存権が脅かされる高齢者もいる。
かといって、このまま負担ばかり増えれば破綻は目に見えている。

高齢化社会に向き合うには『何を諦め、何を守るのか』という哲学こそが重要です。
たとえば、医療費において風邪など軽度かつ発病確率の高い疾病は自己負担の割合を高くする一方、重度かつ発病確率の低い疾病は自己負担の割合を低く設定するなど、受益と負担の調整メカニズムを刷新する必要があります」

◆今後の高齢貧困層の増大、格差拡大はほぼ確実
 アンケート「現在、世帯で保有する資産はどのくらいですか?」の内訳を詳しく見ると、貯蓄100万円未満の世帯は70代以上では12%に対し、60代は21%と、今後の高齢貧困層の増大、格差拡大はほぼ確実。
そこで「どこを削り、どこに投資するか?」という選択を誤れば、重大な損失を招くと西田氏。
「教育や文化のような無形資産は、一度失われると再び構築するのに莫大なコストが必要になります。
高齢者の格差が拡大すれば、先に述べたように未来へのオフェンシブな投資に一層及び腰になり、負のスパイラルを助長する危険性も十分に考えられる。
だからこそ、まずは高齢者も若者も現実を直視するところから始めなくてはなりません」

◆超高齢化社会の2通りの未来
 アンケート「日本の金融資産の65%を60歳以上の高齢者が保有していると言われていますが、どう思われますか?」の問に、高齢者の約6割が「格差があるので豊かさの実感はない」と回答していることからも、高齢者の認識が現実と乖離していることが窺われる。
川口氏は言う。
「会社という狭い世界に閉じこもっていた分、同じような環境の人間との比較しかしない。そうなれば『自分は特に恵まれていない』と感じても不思議ではありません。
一方で、“最後のご奉公”として社会に貢献したいと考えるシニアは多い。
私の周りにも、老人介護施設で働く70代の元大学教授の男性や、子育て世帯のために料理教室を開く80代の女性などがいます。
現実を知れば、高齢者も未来のためにひと肌脱ぎたいという気持ちになる。
いたずらに世代間対立を煽るよりも、シニアに理解を求め、そのリソースを活用することが、高齢化社会への正しい向き合い方であるはずです」

 だが、橘氏は別の未来の可能性も提示する。
「老々相続など高齢者間で富の再分配が完結し、もはや社会は自分たちを幸せにしないという絶望が若者の間に広がれば、日本という国自体への関心や興味が失われていく。
生涯未婚率の増加とともに社会との?がりは急速に希薄化し、SNSの評判の数で承認欲求を満たしたり、メタバースへ逃避するなどディストピア的な未来も十分ありえるシナリオです」

 超高齢化社会はリアルタイムで進行する現代史である。
一体、私たちはどちらの未来を選ぶことになるのだろうか?

※アンケートは全国の60代男性500人、70代以上男性500人、合計1000人を対象に調査

◆【経済学者 小黒一正氏】
法政大学経済学部教授。元大蔵官僚。
専門は公共経済学。財務総合政策研究所客員研究員と、国政にも携わる。
著書に『日本経済の再構築』(日本経済新聞出版)

◆【社会学者 西田亮介氏】
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。
専門は公共政策。博士(政策・メディア)。
著書に『コロナ危機の社会学』(朝日新聞出版)など

◆【組織人事コンサルタント 川口雅裕氏】
京都大学教育学部卒、NPO法人・老いの工学研究所理事長。
著書に『年寄りは集まって住め』(幻冬舎)、『だから社員が育たない』(労働調査会)など 【作家 橘 玲氏】 編集者から著述業に。
著書に『言ってはいけない―残酷すぎる真実』(新潮新書)、『上級国民/下級国民』(小学館新書)などベストセラー多数

<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/橋慶佑 モデル/関口 衡(古賀プロダクション) アンケート/QiQUMOを利用して調査>
―[[超高齢化]の危機]―
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2022年02月19日

【心が傷ついたり疲れたりした時に】悔しくて眠れない時に試してみて。誰も傷つけない意外な発散方法でぐっすり眠れます

【心が傷ついたり疲れたりした時に】
悔しくて眠れない時に試してみて。誰も傷つけない意外な発散方法でぐっすり眠れます
2022.2.18  Diamondオンライン
みさきじゅり:HSP専門キャリアコンサルタント

たとえ小さなことでも気になってしかたがない、いつまでも引きずってしまう、他の人から見れば取るに足らないささいなことに反応して心が傷ついてしまうから、毎日が生きづらくて苦しい……。
そんな傷つきやすい人には、敏感で繊細な気質で知られるHSPの人に限らず、内向的な性格の人、心に大きな傷を負った経験のある人、毒親のもとで育った人、アダルトチルドレンなど、いろいろなケースがあります。
また、一見、社交的かつ積極的な性格なのに、実は人知れず傷つきやすさを抱えている人も意外に多く存在しています。

みさきじゅりさんは、ご自身もそんな傷つきやすさに長く悩んできたHSS型HSPで、HSP研究の第一人者、E・アーロン博士の専門家認定プログラムを修了したキャリアコンサルタントです。
ご自身の体験や、傷つきやすさに悩んで相談に訪れた方々に日々アドバイスしていることなどをもとにした著書『とても傷つきやすい人が無神経な人に悩まされずに生きる方法』では、傷ついてしまった心を自分で癒やせる簡単なテクニックを多数紹介してくれていますが、ここでは特別に本書には収録しきれなかったテクニックの1つを公開します。

悔しさ、ためてしまっていませんか?
傷つきやすい人は、心に傷を抱えるだけではありません。 傷つけられたことを本当は悔しいと思っています。
しかし、悔しさを相手にぶつけてはならないとも思っていることが多いようです。
職場などで傷つくような目にあっているのに一人で抱えている人は、悔しさを表に出すと、相手や周りの人の立場を傷つけてしまうのでは、と心配してしまうことがあります。

本当は悔しい、けれど自分の悔しさが誰かを傷つける可能性があるのであれば、自分の心の中にとどめておくほうが、みんなが穏やかに過ごせると信じているのです。
悔しさは出してしまっていいんです 自分の心の中に悔しさをとどめておけば、みんなが穏やかにすごせるはずなのに、心のどこかで押し込めたはずの悔しさが傷となり、うずき出すことがあります。
たとえば、気持ちがふさいでしまったり、眠りが浅く疲れが取れなかったりする、という具合です。

心身の調子が崩れた時は、心の中にある悔しさが「悔しい……と思っていることを忘れないで!」とサインを送ってきている時なのかもしれません。
悔しさが残っている時は、発散することがベストです! 誰も傷つけない発散方法とは そんなふうこれまで悔しさをとどめてきていた方に、「悔しさを発散しましょう」とお伝えすると、ほとんどの場合、「そんなことはできません……」と言われます。
そんな時に私がお伝えするのは、「一人でできる発散方法」です。

具体的には、湯船に浸かり、湯船の水面を思い切り叩き続けます。
ポイントは、「思い切り叩く」です! 水面を1回叩くと、水面が揺れて、叩きたいところも揺れます。
すると、そこを叩きにくくなるものですが、それでも狙った箇所を叩こうとしてみてください。
場合によっては、イライラしてきたり、情けなくなったりしてくるかもしれません。
このように、あえて自分の力ではうまくコントロールができないことを行うことで、イライラを発散することができるのです。

思い切り叩き続けると、1分足らずで疲れてきて、3分もやると、ぐったりしてきます。
その後、涙が込み上げてくる時には、思い切り泣いてしまって大丈夫です。
どんなに叩いても、お湯を叩いているだけですから、自分も痛くはありませんし、誰かを傷つける心配もありません。
思い切り、水面を叩いてみましょう。
叩き終わった後は、少し心が軽くなり、心地よい疲れも伴って、ぐっすり眠れるものですよ。

著者からのメッセージ
「どうして私は、傷ついてしまうのだろう」 「傷つくことのない、強い心になりたい」 あなたは、傷つかないでいる人たちと自分とを比べてはいませんか。
「心を鍛えて強くなれたら、こんなに傷つかないですむのに」と信じ、心を鍛えようとする人はとても多いです。
私のところに相談に来られる方の多くは人間関係で心が傷ついています。
その傷のおかげで仕事にまで大きな影響が出ているのです。

そんな相談者の方と接していくうちに私は、人間関係の問題をクリアできれば、傷つきながら働く人が減るのではないかと考えるようになりました。
傷つきやすい人が「わかってもらえた」と感じ、その傷つきやすさを解決することができれば、人間関係が原因で仕事を転々としたり、働く気力が起きずに悩んだりする人が減るかもしれない。
そう思って、特に「無神経な人」との人間関係について、じっくりととりあげた本を書こう! と決めました。
傷つきやすい人が傷つくのには、理由があります。
自分を変えるためにはまず、傷つくメカニズムを学ぶところから始めましょう。
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2022年02月20日

コロナ失政 岸田首相の正体は場当たりとゴマカシの自己保身

コロナ失政 岸田首相の正体は場当たりとゴマカシの自己保身
2022/02/18 日刊ゲンダイ

「今が一番厳しいとき。この困難を共に乗り越えていけるよう、もうしばらくご協力を心よりお願い申し上げます」──むなしい言葉が響いた。
岸田首相が17日、ようやく会見を開いた。
過去最大の感染「第6波」の最中に1カ月半も途絶え、久々の会見だったのに1時間強で打ち切って中身もなし。
就任時に誓った「丁寧な説明」に大きな疑問符がつく。

 国民を唖然とさせる軽い言葉とは裏腹に感染状況は深刻だ。
高齢者への広がりと共に死亡者や重症者が急増している。
 全国の死者数(1週間平均)は今月4日に「第5波」で最多の65人を、9日には「第4波」で最多の114人を次々と更新した。
 1日の死者数も4日に103人と約8カ月ぶりに3桁に達すると、みるみる上昇。
17日は過去最多の271人と、3日連続で200人を超えた。
今月以降、17日までに確認された死者は2446人に上り、前月同時期(44人)の実に約56倍にも及ぶのだ。

 死者急増の要因は高齢者の感染増加だ。
重症者に占める割合も高齢者が圧倒的。
深刻な病床逼迫に喘ぐ大阪府の資料からも70代以上は65%と、第4波の44%や第5波の18%と比べても際立って高いことが分かる。

 高齢者施設のクラスターも深刻だ。
厚労省によると、14日までの直近1週間は455件と過去最多。
第6波では大阪府内だけで少なくとも100カ所以上の施設でクラスターが発生している。
 ところが、東京都のように高齢者施設で感染しても病床負担を考慮して入院させず、医師の往診治療任せの自治体もある。保健所の業務は逼迫し、適切な施設を案内する前に治療薬を適切に使えず、重症化したり、命を落とすケースも発生するという悪循環だ。

■関係2大臣は前倒し接種にブレーキ
 返す返すも悔やまれるのが、ワクチン接種の遅れだ。
17日時点で全人口に占める3回目の接種率は11.9%。
デジタル庁によると、重症化リスクの高い高齢者でさえ、16日時点で打ち終えたのは約3割にとどまる。
 岸田政権は2月末までに希望する高齢者の3回目接種を終える方針だが、目標に掲げた「1日100万回」のペースでも間に合わない。
2月末までに接種対象となる高齢者約2900万人のうち、16日時点で3回目接種を終えたのは約1050万人。達成には今後1日平均155万回程度打ち続ける必要がある。

 接種が遅れるほど高齢者のリスクは増すのに、政権はワクチン失政の言い逃れに終始してばかりだ。
中でも許せないのが、前倒し接種にブレーキをかけた2大臣だ。
 2回目と3回目の接種間隔について、厚労省の専門家分科会は昨年11月15日、「自治体の判断で6カ月以上も可能」としたが、翌16日に後藤厚労相は「原則8カ月以上、自由に地域の判断に応じて6カ月前に前倒しすることを認めるものではない」と説明。
堀内ワクチン相も同日の会見で「現在の感染状況で6カ月間隔を前提に準備する必要はない」と断じた。

 当時は各国とも接種の前倒しにカジを切り、日本も医療従事者や高齢者の3回目接種に必要な分量のワクチンを確保していたのに、大臣2人の発言は前倒し接種に「待った」をかけたようにしか聞こえない。
 それでも両大臣は14日の衆院予算委員会で「政治判断による6カ月以上の打ち消し」との見方を否定した。

実は“ブレーキ会見”の後、両大臣はそろって岸田と面会。
NHKは当日、岸田が「原則8カ月」を自治体に丁寧に説明するよう指示したと報じていた。
 岸田自身も“薄のろ接種”の元凶であり、政権挙げてオミクロン株の感染力の強さをナメてかかり、油断しきっていたとしか思えない。

ハト波のふりして自助押しつける冷酷首相
  問題のブレーキ会見以降も、岸田政権は「原則8カ月」としていた接種間隔を対象者ごとに何度も見直し。やっと全体像が固まったのは今年1月半ばだ。
優柔不断な政権の二転三転で、接種券の印刷や配送業務など自治体の対応は大混乱。
おかげで接種は遅れ、高齢者の重症・死亡を増やす要因となっている。
 今さら政権は「高齢者施設の接種は接種券なしでも可能」と呼びかけているが、後の祭り。

このワクチン行政の致命的ミスを認めず、岸田政権はゴマカシ策を連発だ。
 その最たるものが、濃厚接触者となった同居家族で症状があれば検査なし、医師の診断のみで「みなし陽性」とするデタラメ運用であり、検査も受診もしない「自主療養」まで推奨する棄民政策である。
 入院も治療も検査も拒否し、今や陽性反応が出ても、入院にこぎつけられるのは100人に3人程度という狭き門だ。
会見で岸田は「感染者数は昨年夏の4倍だが、重症病床は十分に余力がある」と胸を張ったが、ここまで入院条件を引き締めればベッドが空くのも当然。
まるで医療崩壊をごまかす「隠蔽」策で、自宅療養中の容体急変で死者が増えても知らんぷりだ。

法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「高齢者の3回目接種が進まないのは、副反応や交互接種への不安があるのに、この問題でも岸田首相はまともな情報発信すらしない。
会見自体が1カ月半ぶりで、事前に決められた代表社以外の質問を受けたのは実に2カ月ぶり。
就任以来、ぶらさがり会見に60回以上応じていると強調しますが、『検討』ばかりで満足に答えない。
コロナ対策の陣頭指揮にあたる当事者意識が希薄で、後手と場当たりの繰り返し。
夏の参院選を前に『リスクを取らない』ことを優先させたあまり、陥ってしまった深刻な事態を矮小化し、逃げの姿勢ばかりが目立ちます」

 結局、岸田にはコロナに立ち向かい、国民の命と暮らしを守る気概などどこにもないのだ。

■実態把握に苦慮し今がピークかもわからない
 岸田は会見で「感染拡大のペースは落ち着き始めている」と繰り返したが、現状ではその裏付けすら怪しい。
 全国の「陽性率」(検査件数に占める陽性者の割合)は6日までの1週間で57.7%。第5波のピーク時の18.6%の3倍と過去最高の水準に達した。
 陽性率の異常な高さは、発熱外来や保健所の業務が逼迫し、もはや感染の恐れの高い人しか検査できていない可能性を物語る。

市中の感染者を把握しきれないばかりか、医療機関や検査会社もキャパオーバーに陥り、検査件数の報告の遅れが目立つ。
大阪府では陽性者の発生届の処理が滞り、1月26日から2月8日までの日別の感染者数が把握できていない。
 すでに感染状況を表すデータが実態と乖離している可能性が高いのだ。

データを正確に計上しない限り、感染のピークすら分からなくなる。
岸田の「感染は落ち着き始めた」という言葉にも根拠なし。
もはや誰も何を信じたらいいのか、判断がつかない惨状なのだ。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「中曽根政権以来、歴代の自民党政権は憲法25条が定めた『社会福祉や社会保障の増進』を切り捨ててきましたが、ここまで国民の生存権をおろそかにし、日本が世界に誇る国民皆保険制度を形骸化させた政権は戦後初です。
ところが、岸田首相はその責任を痛感することもなく、17日の会見でも『諸外国に比べ感染状況を低いレベルで抑えられている』などと言い訳を連発。
その上、現下の危機的状況で安倍元首相ら与党の一部や経済界の圧力に屈し、水際対策を緩和させてしまった。

国民にはひたすら『自助』を押しつけ、その一方で政権を支える勢力の言いなり。
岸田首相の本質は政権維持に汲々とする自己保身の塊です」
岸田のデタラメ対策からはハト派のふりをした冷酷な正体が浮かぶ。
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2022年02月21日

もう恥ずかしい!10代20代が選ぶ「今使うとダサい言葉」ランキング

もう恥ずかしい!10代20代が選ぶ「今使うとダサい言葉」ランキング
2/20(日)  CanCam.jp

何気なく使っている言葉や流行った言葉が、実はもう古かった…なんて経験ありませんか?
知らず知らずのうちに「ダサい」と思われているなんて事態は避けたいですよね。
そこでTBSラジオ『TALK ABOUT』が10代20代のリスナー206名を対象に行った調査を元に「今使うとダサい言葉」をランキング形式でご紹介します!

今使うとダサい言葉
ランキング 5位:激おこぷんぷん丸
怒っている様子を表す「おこ」から派生した「激怒している」状態を表す言葉。
そもそも使ってる人がいないし、言葉が長くてダサい(10代女性)
私が小中学生の時に流行った言葉で、今じゃ誰かふざけて使ったりすると「ダサい…」と思ってしまう(20代女性)

同率5位:タピる
もちもちとした食感の「タピオカ」入りドリンクを飲む時に使う言葉。
タピオカ自体がもう流行が薄くなってきてしまってるから(10代女性) うちの学校だけかもしれませんが「それ古くね?」と言われたワードです(10代女性) もうあんまりタピオカ飲まないから(10代女性)

4位:写メ
カメラ付き携帯電話で撮影した写真を電子メールで送受信するサービス「写メール」の略で、メールで写真を送ることや携帯電話で撮影した写真自体を指す言葉。
メールを使うこともほとんどないし、言われる前にその場でAirDropで送ってしまうから(20代女性) 親世代がよく使っていますが、その度に「写真」でいいじゃんって思っちゃいます笑
私たち高校生は今はメールじゃなくてLINEかDMで連絡を取っているので、写メという響き自体、違和感があります(10代女性)

3位:なう
英語の「now」を語源にした、「今」の状態を表す言葉。
「〇〇(場所、行動など)なう」と言うことによって「今〇〇に居ます」「今〇〇中です」というような意味合いで使われる。
シンプルにダサい(20代女性) ママが最近になって「〜なう」って使うようになって、LINEで「買い物なう」とか送ってくる。古いな〜ダサいな〜って、毎回思うからです(10代女性)
一昔前の言葉な気がします。
使ってる人を見ると、「え?古くない?」って思います(10代女性) あれほど無意味な英語変換はない(20代女性)

2位:ぴえん
鳴き声の擬音語「ぴえーん」を省略した、泣いているさまを表す言葉。
目を潤ませた絵文字とともに使われることが多く、絵文字単体でも同じ意味として使われている。
言葉自体もそうだし、絵文字も使ってる人を見ると「無理してんだな…」って感じる。
ぴえんの時代は終わったと思う(10代) シンプルに古い(10代女性) もうおじさんっぽい(10代女性) 流行りもだいぶ前に終わったし、使ってるとちょっと痛い(10代女性)
若者言葉についていけてないので逆にダサイと思ってしまいます(20代女性) もう時代は終わりました(10代男性) 「はにゃ」が流行ってから使いづらくなった(20代女性)

1位:マジ卍
気分が高まっていることを表す言葉。
近い意味で使われている言葉として「やばい」があげられる。
「きゅんです」とか「ぴえん」のように可愛い雰囲気の言葉ができている中で使うのはダサい(10代女性) 最近授業中に先生が、マジ卍と言っていたんですけど、ダサいなぁと思ってたら、他のみんなも思ったのか、シーンとなった(10代女性)
一時流行ったけど意味わかんなかった(20代女性) 使ってた自分が恥ずかしい。3年くらい前に流行って意味わからないところで「え、まじ卍じゃん」とか言ってました。
懐かしいです(10代女性) 意味わかんないから(10代女性)

あなたが使っている言葉、もう古くなっているかも!
流行語の中には定着するものもありますが、多くは一過性のもの。
いつまで使うか、タイミングを見極めるのも大切なようです。
中には挙げられた言葉をもう忘れていた! という人も多いのではないでしょうか?
ランキング結果や過去に流行った言葉を探してみて話のネタにしてみるのも良いかもしれませんね。
    情報提供元/株式会社TBSラジオ
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2022年02月22日

「岸田おろし」が始まるのか…オミクロン株より先に内閣支持率が“ピークアウト”

「岸田おろし」が始まるのか…オミクロン株より先に内閣支持率が“ピークアウト”
2022年02月21日 日刊ゲンダイDIGITAL

 新型コロナ第6波より一足早くピークアウトか。
岸田内閣の支持率下落が目立ち始めた。
 20日発表された共同通信の世論調査では、56.6%で前月調査(55.9%)からほぼ横ばいだったが、他社の調査では軒並み低下傾向にある。
 時事通信が11日から14日までに行った調査では、内閣支持率は8.3ポイント減の43.4%だった。
政界関係者が個別面接方式で信頼度の高い時事の調査を重視していることは周知の事実だ。
 さらに、毎日新聞と社会調査研究センターが19日に実施した全国世論調査では、前回1月調査から7ポイント下落の45%で、政権発足以来、最低を記録。不支持率は10ポイントも増加して46%と、ついに支持率と逆転した。

■無能がバレた
「これまで高支持率を維持してきたのは、誠実で穏健な総理のイメージが大きく寄与していた。
内閣を支持する理由で『人柄が信用できる』が多いのが安倍・菅政権との大きな違いです。
オミクロン株は重症化しづらく死者も少ないというアナウンスも、支持率の高止まりに一役買い、何も対策を打たなくてもあまり批判は出なかった。
しかし、ここへきて死者数が過去最多を記録し、政権のコロナ無策に不信感が高まっているように感じます。
総理がオミクロン株を甘く見ていたツケでしょう。
ワクチンの遅れや説明不足など、『菅前総理より後手後手でポンコツ』という印象が急速に広がっています」(自民党閣僚経験者)

 会見もロクに開かないという批判の高まりに危機感を持ったのか、岸田首相は「まん延防止等重点措置」の延長に合わせて17日に会見を開催。
首相官邸での記者会見は2カ月ぶりで、コロナ対策に特化した会見も初めてだったが、まったく話題にならず、起死回生の一手とはならなかった。
 党内では“菅派”結成の動きがあり、安倍元首相や高市政調会長も嫌がらせのように横やりを入れる。
いつ政局になってもおかしくない状況だ。
そして、連立を組む公明党との間にも隙間風──。

 もともと党内基盤の弱い岸田首相は、このまま支持率下落が続けば、参院選前に引きずり降ろされる可能性がある。
超短命内閣になるわけだが、その方が国民のためかもしれない。
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2022年02月23日

「そんなに上がるの!」冷凍食品、トイレットパーパー、電気・ガスも…3月からの値上げラッシュ 対抗策は?

「そんなに上がるの!」冷凍食品、トイレットパーパー、電気・ガスも…3月からの値上げラッシュ 対抗策は?
2/23(水) FNNプライムオンライン

街の声: そんなに上がるんだ
街の声: 困ります。
痛いですよね 食料品から生活用品、さらに公共料金と生活を直撃する3月からの値上げラッシュ。
家計への負担が増す中、節約するためには値上がり前の買い置きも選択肢の1つに。
ではどういったものが値上がりするのでしょうか。

マルハニチロは、3月1日納品分からサンマやサバなどの家庭用缶詰と瓶詰を約3パーセントから15パーセント値上げ。
さらに、冷凍食品も最大で15パーセント値上がりするそう。
ニチレイフーズも、家庭用冷凍野菜の一部商品を約8パーセントから15パーセント値上げ。
また家庭用油では、昭和産業がキャノーラ油やサラダ油などを1キロあたり40円以上値上げ。
家庭用マヨネーズでは、キユーピーが参考小売価格で402円から436円にアップ。
味の素は約3パーセントから9パーセント値上げします。

ただし買い置きをする際には注意点も。
All About節約ガイド 矢野きくのさん:
手帳なりカレンダーなりに、賞味期限の2週間前もしくは1カ月前でもいいんですけれども記入しておくことによって、使い忘れを防いでくれます
値上げの波は日用品でも。
3月22日から、大王製紙のティッシュペーパーやトイレットペーパーが15パーセント以上値上げに。
さらに電気料金も、標準家庭のケースで1カ月あたり東京電力で283円上昇するなど大手9社で値上げ。
東京ガスなど大手都市ガス4社も、3月に168円から229円値上げします。

All About節約ガイド 矢野きくのさん:
使っていない部屋の電気は消すとか、暖房をつける前に一枚多く着てみるとか、そういう対策をして対抗するしかないかなと思います
(「めざましテレビ」2月23日放送分より)
posted by 小だぬき at 16:53 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月24日

問われる野党の存在意義 地方の首長選で惨敗続き…維新を喜ばせてばかり

問われる野党の存在意義
地方の首長選で惨敗続き…維新を喜ばせてばかり
2022/02/23 日刊ゲンダイ

 目も当てられない結果だ。
20日投開票の東京・町田市長選の開票作業は深夜に及び、5選を果たした現職の石阪丈一氏(74)は結局5万3323票を得た。
問題は野党統一候補の得票の低さだ。立憲、共産、れいわ、社民などが推薦した地域活性化コンサルタントの清原理氏(63)の獲得票数は2万2781。石阪氏の半分に満たない。

 立憲の小川淳也政調会長が応援演説で地元入りしたほか、落選中の辻元清美前衆院議員も事務所を激励。
野党統一の都知事候補だった宇都宮健児弁護士も推薦人に名を連ねるなど、決して“捨て戦”ではなかった。
 また、前回は自民などが支援した石阪氏に対し、今回は昨年まで自民都議を5期務めた吉原修氏(66)が立候補。
自民党本部は両候補に推薦を出さず、保守分裂に。
野党はますます有利なはずだったが、3万1011票を得た維新公認で、都民ファーストの会を離党した元都議の奥沢高広氏(39)にも及ばなかった。
 いくら清原氏の知名度が低く「人柄も評判も悪い」(地元関係者)と散々な人物だったとしても、そんな統一候補しか擁立できない野党に責任がある。「惨敗」と言わざるを得ないのだ。

■長崎県知事選も…
 同日の長崎県知事選は、維新と自民党県連推薦の元厚労省医系技官の大石賢吾氏(39)が初当選。
わずか541票差で敗れた現職の中村法道氏(71)に多くの自民県議が支援に回った激しい保守分裂選挙で、野党は埋もれっぱなし。
無風だった過去2回と同じく、立憲と国民両県連は現職支持の“相乗り”でお茶を濁す体たらくだった。
「勝敗を決したのは、現職大臣の金子原二郎 農相と谷川弥一衆院議員の県連重鎮2人が、大石陣営に付いたこと。
4期目を目指した中村県政に不満を募らせた結果です。
それでも国政政党で唯一、大石氏を推薦した維新の面々は『ウチの候補が勝った』とドヤ顔ですけどね」(政界関係者)

 維新を喜ばせるだけの野党に存在意義はあるのか。今夏の参院選がますます心配だ
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月25日

岡田晴恵氏が田村厚労相とのやりとりを明かした「衝撃の記録」、その強烈なメッセージ

岡田晴恵氏が田村厚労相とのやりとりを明かした「衝撃の記録」、その強烈なメッセージ
2/25(金)  現代ビジネス

 白鴎大学教育学部教授の岡田晴恵氏が上梓し、大きな話題を呼んでいる『秘闘 私の「コロナ戦争」全記録』(新潮社)。 新型コロナウイルスの対策について長く取材をし、『コロナ戦記 医療現場と政治の700日』(岩波書店)の著書もあるノンフィクション作家の山岡淳一郎氏が評する。
【写真】
新型コロナ、日本の満員電車で「クラスター」が起きない「意外なワケ」 岡田氏に偏見を抱いていたが…
 岡田晴恵・白鴎大学教育学部教授といえば、2020年初頭からテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」や「グッド! モーニング」を中心に連日、テレビ番組に出演し、新型コロナウイルス感染症の解説をしておられた。
テレビをつければ「岡田さん」が現れ、ネットには「売名行為」「恐怖を煽っている」とネガティブなコメントが溢れた。
生放送の番組のなかで、事実誤認と指摘される発言もあった。

 デイリー新潮などは『コロナバブル「岡田晴恵」教授が語る“あか抜けた理由” 満身創痍の日々(2020年05月12日)』とか、『コロナ第3波なのにどうした? 岡田晴恵教授が「羽鳥モーニングショー」に出ない事情(2020年11月30日)』と芸能人枠でイジり倒している。
そんな風潮に私も少なからず影響を受けていた。
正直に言えば、ある種の偏見を抱いていた。

 ところが、だ。書店で岡田氏の最新著『秘闘 私の「コロナ戦争」全記録』の版元を見て、驚いた。
新潮社なのである。
デイリー新潮で岡田氏を追いかけながら、単行本も編集していたとは……。あまりの落差に、どんな内容だろうと、本を買って、「はじめに」を読むと、おもしろい。
 いきなり田村憲久厚生労働大臣(当時)が、2021年8月に電話で岡田氏に話した内容が「」で引用される。

「コロナの女王」と揶揄される陰で岡田氏は田村厚労相と連絡を取り合い、対策が後手に回らないよう助言し、ディスカッションをしていた。
まさに秘められた闘いに挑んでいたのだ。
では、彼女は何と闘っていたのか? 

 「延々とこの国の組織や制度が作り上げてきた巨大で強固な壁」とである。
 私も医療や行政の現場と政治の動きを取材していて、「巨大で強固な壁」にぶつかることは再々あった。
たとえば、ウイルスのゲノム解析の情報を国や都道府県から集めようとしても「公にすることにより、(略)、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼす」(東京都情報公開条例第7条)などを理由に拒絶される。
ゲノム情報がなければ、いつ、どこから変異ウイルスが拡がったかわからず、対策の評価もできない。
 あるいは、PCR検査の抑制策に対して、当初、「厚労省と専門家ら」は「検査容量の不足に加え、検査希望者が病院に殺到することによるクラスター発生のリスクを強調して検査限定方針の正当性を主張」した(新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書)。

 その後、無症状感染者を見つけるための検査拡充、陽性者の保護・隔離が重要だと多くの医学者やメディア関係者が唱えても、検査限定の基本方針は変わらなかった。
いまや検査不足を追認し、検査しなくても医師の判断で陽性となる有様だ。
検査限定の根底に「行政検査による検査権と既得権益の維持」があったと考えられる。

 感染症ムラの実態
 では、その既得権益とはどのようなもので、それを守ろうとするのは誰か。
 既得権益を守ろうとしているのはいわゆる「感染症ムラ」である。
厚労省-国立感染症研究所(感染研)-地方衛生研究所(地衛研)・保健所、関連する大学研究室などで構成されるコミュニティだ。
ムラの中心にある感染研は独立行政法人ではなく、厚労省大臣官房厚生科学課に属し、健康局結核感染症課の下に置かれている。
ゲノム情報などは感染研が集める。
行政検査にしておけば、大切な基礎データはすべて感染研の掌中に入る。

 岡田氏は、この感染研に1990年代後半に採用され、「11年間耐えた」という。
感染研では厚労省に都合のいい情報を出して、自身の保身を図ることがまかりとおっていたようだ。
科学研究費(科研費)の割り振りが鍵を握る。

『秘闘』にこうつづる。
 「……(感染研に在籍当時)日々の業務の中で厚労科研費による仕事はしているが、こちらから科研費をもらいに行く必要はなかった。
感染研には厚労省から科研費と研究テーマが割り振られてくるからだ。
部長やセンター長らが班長となって、本省から来る潤沢な科研費を部下や意に沿う大学の研究者(教授)に「配って」いた。
本省の意を汲むような仕事(研究)をすべきだと考えている所長もいた。
だから、厚労行政に口を出すような研究結果は出すべきではない、としていた」

 「リスクは低い」という発言  
今回の新型コロナ対策では、ふたりの感染症ムラの首領が陰に陽に動いている。
57病院を傘下に置く「地域医療機能推進機構(JCHO)」の理事長にして、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務める尾身茂氏。
もう一人は、分科会長代理で内閣官房参与、川崎市健康安全研究所長の岡部信彦氏だ。

 当初、両氏とも、新型コロナ感染症のリスクを低くみていたきらいがある。
 2020年1月14日に中国の武漢市当局が「人から人への感染の可能性を排除できない」と発表した後、岡部氏は「仮に人から人への感染があったしても、リスクはインフルエンザや麻疹などと比べても、とても低い」とコメントしている。
尾身氏は、2020年7月16日の経団連フォーラムで「新幹線のなかで感染は起きていない。旅行自体が感染を起こすことはない」「3密を避ければ感染リスクは低い」と認識を示し、GoToトラベル事業の開始を後押しした。

 私がありありと覚えているのは、2020年12月25日の尾身氏と菅義偉首相(当時)が並んで行った記者会見だ。
 4日前に、感染急拡大、死亡者の増加を受けて、日本医師会や日本病院会など9団体が「医療緊急事態宣言」を出していた。記者から首都圏に緊急事態宣言を出す可能性を訊かれた菅首相は「尾身会長からも、いまは緊急事態宣言を出す状況ではない、こうした発言があったことを承知しています」と答えた。
 補足を促された尾身氏は、「急所(飲食での感染リスクの抑制など)が十分に押さえられていないのが、感染拡大の原因と思います。国と自治体が一体感を持ったメッセージを出してもらって、国民、みんなが同じ方向に向かうことが一番求められている」と述べ、緊急事態宣言の説明をはぐらかした。

 個人的には、ここが大きな「分岐点」だったと思っている。
死亡者を急増させるか否かの分岐点である。
年が明けた2021年1月8日、政府は慌てて2度目の緊急事態宣言を出す。そこから宣言を出しては解除し、感染が拡がるとまた宣言という「ハンマー&ダンス」をくり返す。

 重鎮が役職を掛け持つ 
 ともに古希を過ぎた尾身氏と岡部氏は、内閣官房の諮問組織だけでなく、厚労省に助言する専門家グループ「アドバイザリーボード」のメンバーでもある。
両氏は、官邸と厚労省を行き来している。
それだけ重宝されているのだろうが、役職の掛け持ちはポジショントークの余地を与えているともいえる。

 岡田氏は、『秘闘』に田村厚労相の発言を次のように記している。
 「尾身先生が、それまで『大丈夫だ』と言ってきたのに、急に『ヤバい、危ない』と言動を変え始めたのは1月頃(2021年)だった。
分科会ではなく、厚労省のアドバイザリーボードでの発言が先だった、こっちでばかり言っていた。
分科会では言わないんだ。尾身先生たちは分科会もアドバイザリーボードも両方入っているけれど、その手の発言をするのはアドバイザリーボードだけだった」
 つまり、厚労省側の会合では警鐘を鳴らす言質を残し、内閣官房の集まりでは経済イケイケに同調して口をつぐむ。
極めて政治的に動く専門家の姿が浮かび上がってくる。

 2021年8月、デルタ株の感染拡大で、あちこちで医療崩壊が起き、40代、50代の働き盛りの患者が亡くなった。
岡田氏は、電話で田村厚労相に強い口調で申し入れる。
 「まず、早くカクテルを外来でやれるようにしてください。何とか東京都を説得して、集約的医療施設、措置病院をつくってください。
私はテレビの解説で福井の体育館を使った病床確保を紹介しました。
福井は地方のコロナ医療の一例を示したのです。モデルケースができると他の自治体も横並びになります」

 田村厚労相は、小池百合子東京都知事に掛け合い、集団医療施設の立ち上げを認めさせたという。
が、しかし……オミクロン株の感染拡大で、連日、全国で200人以上の患者が亡くなっている現在も、東京には集団医療施設はない。
大阪で中等症患者用の大規模医療・療養センターが2月15日に始まったところだ。

 『秘闘』は、感染症ムラをオブラートに包まず、ありありと描いた。
そこにドキュメントとして後世に残す大きな価値があり、岡田氏の並々ならぬ覚悟が伝わってくる。

山岡 淳一郎(ノンフィクション作家)
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2022年02月26日

「死ぬ瞬間は痛いのか」「死んだらどこへ行くのか」「私は忘れられてしまうのか」住職に聞いてみた

「死ぬ瞬間は痛いのか」「死んだらどこへ行くのか」「私は忘れられてしまうのか」住職に聞いてみた
2022年02月25日 PRESIDENT Online

「死」という未知の体験には、さまざまな不安がつきまとう。
独園寺の住職・藤尾聡允さんによると、釈迦の死を描いた涅槃図(ねはんず)に恐怖を和らげるヒントがあるという。
「プレジデント」(2022年3月18日号)の特集「ひとりで生きる『老後戦略』」より、記事の一部をお届けします──。

■人間が持っている、死のシステム
「天寿をまっとうする」という言葉があります。
人間の命は、開いた傘を閉じるように、静かにたたまれていきます。
あるお医者様のお話によると、人間の体には徐々に死を迎え入れるシステムが備わっているそうです。
特に老衰の場合、亡くなる1週間、あるいは10日ぐらい前から、体のあらゆる臓器や細胞は死ぬ準備を始めます。
スイッチを一つ一つオフにするように感覚が薄れていき、静かに命が閉じられていく。

たとえば、1週間くらい前から食が細くなっていき、3日前くらいから何も食べず水を飲むぐらいになり、死ぬときは胃の中はほぼ空っぽになっている。
人間にはそんな死のシステムがあると聞きます。

生死の境目に、痛みや辛さはありません。
たとえば認知症患者は、様々な感情を細分化することなく、単純な「快/不快」という指針を大切にして、今という時間に集中するようになります。
死への恐怖はなく、楽しかった思い出の中だけで生きるようになるのです。

■身内の死をみんなが悼む
人間が死ぬときは誰でも、自分を一番愛し、かわいがってくれた人がお迎えにくると言われています。
仏教の祖であるお釈迦さまが、沙羅双樹の下で死を迎える場面を描いた「涅槃図」というものがあります
横たわるお釈迦さまの周りには、たくさんの人間、神々、鬼までもが集結しています。
ほかにも、象やトラなどの動物、虫、木や花など、あらゆる生物がお釈迦さまの死を悲しんでいます。
この絵には「生きとし生けるものは、みんな平等で、その命は尊い」という仏教思想が込められています。

また「人が亡くなったとき、みんなが悲しい。人間でも動物でも虫でも、身内の死をみんなが悼む」ということも教えています。
右上を見れば、天上から誰かが迎えに来ているのがわかります。
その真ん中にいるのがお釈迦さまのお母さんです。
彼にとって大切な人々が雲に乗って迎えに来ている、そんな情景が描かれています。

お釈迦さまはおだやかな表情で、おそらく何か楽しい夢を見ているのでしょう。
死んだ後の「あの世」は存在すると、私自身考えます。
死後の世界は、この世から地続きに、あるいは空間続きにある場所かもしれません。
死を迎え、心は肉体を離れても、脈々と受け継がれてきた魂やスピリットは生き続けます。
そして魂やスピリットは別の場所に移動するのでしょう。
ひょっとしたら、私たちの住むこの世界に存在しているか、またはパラレルワールドにいるのかもしれません。

お互いの次元が違うから見えないだけ。
だから魂は、なくなってしまうのではなく、継続していくのです。
命日は「コンティニュエーション・デイ(継続の日)」。
肉体は死んでも、魂の本質が存在する意味は変わりません。

「私が死んだら、みんな私を忘れてしまう」という不安がある方もいるでしょう。
大丈夫、あなたが死んでも、存在を忘れられることはありません。
人間関係が親密であった人はもちろん、険悪な関係に陥っていた人でも、それはそれで忘れることはないでしょう。
ただ日々移りゆく生活の中で、思い出す回数は減っていくでしょう。
しかし、それは自然なことなのです。

残された人にも新たな出会いがあり、様々な出来事に遭遇する人生において、常に故人のことで頭がいっぱいでは前に進めなくなってしまいます。
思い出す回数は減っても、決して「あなたを忘れた」というわけではありません。
そもそも自分の忘却を恐れるのは、誰かに深い愛情を注いできた証拠です。
それだけで素晴らしいことなのです。
残された人がお盆や墓参りの際に、心の洗濯をするように供養してもらえれば十分ではないでしょうか。
日々の生活でも、何かの拍子にあなたを思い出すはずです。
思い出は残された方々の心にしっかりと刻まれ、そのすべてが人生を形成する一部となっています。

■大切な人たちにいつも見守られている
私は僧侶として、「孤独死」の現場に何度か立ち会ったことがあります。
ある60代の独身男性は、ご両親の月命日に必ずお墓参りでお寺にいらっしゃる方でした。
定年退職後は町内会の役員もなさっていて、交友関係は広く、趣味のつながりでも親しい方はたくさんいらっしゃいました。ある日、朝になっても玄関前の電気が消えていないので、心配になったご近所の方が家に上がってみたら、テーブルに伏せるようにして亡くなっていました。
私も呼ばれてすぐ駆けつけました。
ご遺体の周囲には、お供えしようとしていたお花が散らばっていました。
お墓と仏壇用に様々な種類のお花を用意して、色や形を整えて束にしているうちに息を引き取ったようで、とても安らかなお顔でした。
検死をした方によれば、スーッと眠りにつくように亡くなられたのではないかとのことです。
意識が遠のいて眠るように、旅立たれたのでしょう。

昔は一般家庭の方でも、朝夕お仏壇にお茶やお水をお供えし、お線香を立ててから合掌し、お参りしてから出かけていました。
そうしたことを日常的にしていると、ご先祖様の守護や加護を受けている感覚が芽生えてきます。
そしていつかは自分もその仲間入りをし、今度は子孫を見守っていくという感覚が育っていくのです。
日常的に本堂でお勤めをしている私も、お寺のご本尊様や墓地で眠るたくさんの自分や地域の人々のご先祖様たちから守られている感覚があります。

大切な人たちとつながっているという意識があれば、死への恐怖は和らいでいくのではないでしょうか。
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藤尾 聡允(ふじお・そういん)
臨済宗建長寺派・独園寺第15世住職
「自死・自殺に向き合う僧侶の会」共同代表。
明治大学卒業後、銀行員として海外に13年駐在。
臨済宗瑞龍寺僧堂での修行を経て現職。国内外に向けて座禅会を開催。
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2022年02月27日

【精神科医が教える】 「合理的思考」の落し穴

【精神科医が教える】 「合理的思考」の落し穴
2022年02月26日 ダイヤモンドオンライン

感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。
心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

■理屈に頼る危険性
きょうのひとことは、 「人は必ずしも合理的に動かない」
無駄なく効率的に、合理的な理屈に基づいて考えたり行動したりしすぎる人がいます。
会社や組織で仕事を進めるためには、許可や同意を得るため、論理的思考に基づく、合理的な提案や判断が求められるでしょう。
そうした環境にずっといると、世の中の多くの人が合理的な考え方や行動をするものだと、勘違いしてしまいがちです。
そんなふうには考えていないつもりでも、仕事での考え方が染みついたりして、いつの間にか漠然とそんなふうに思い込んでいることがあるのです。

ところが、世の中を広く見まわしてみると、大量の過去の統計やデータに基づいて合理的な選択をする人工知能(AI)みたいな考え方をする人は、少数派でしょう。
人間の根本にあるのは、合理性ではなく感情だからです。

合理的に正しい選択肢だとしても、感情的には納得できないから、合理的ではないほうを選択してしまうことはよくあることです。
いろんな統計やデータから導き出した合理的選択肢と、より自分の情緒に訴えかける魅惑的な選択肢があったとしたら、必ずしも合理的な選択をするわけではないでしょう。
合理的な選択が、いつも正しいわけでもありませんからね。

交渉事で、自分が考えた合理的な提案をしても、相手が必ずしも自分と同じく合理的に考えるわけではありません。
人の心は必ずしも合理的には読めませんから、合理的な判断が万能であるかのように計画を建てると、どこかで行き詰まったり手痛い思いをしかねないということでもあります。
ある程度の推測を立てるうえで、合理的思考は役立つかもしれません。
しかし、実際のところ、そんなにあてにならないことのほうが多かったりします。

仮に合理的な考え方や判断を下すことが多い人であっても、その日その時にその人が置かれた状況によって、一時的に感情的な判断や行動をしたりすることもあるからです。
もし合理的思考が万能なのであれば、過去のデータやアンケートなどに基づいて導き出した合理的判断をもとに、その道のプロたちが優れた頭脳を結集して開発した商品やサービスが、必ずヒットするはずです。
ところが実際は、「千三つ」といわれるように、食品や飲料の業界では1000の新商品を開発してもヒットするのは3つくらいと、いわれているそうです。
その背景には、人は必ずしも合理的に考えない、合理的に判断しないということもあるでしょう。

やはり人は、自動車工場の工作機械のように、合理的にプログラミングをしたとおりに動くわけではないのです。
だったら、どうしたらいいのかというと、ポイントの1つは「素直さ」にあると思います。
合理的判断は大事かもしれませんが、それだけでなく、腹のうちを見せたりしながら、自分の素直な気持ちをどれだけ出せるかが、1つのカギだと思うのです。

交渉事でも、正直に自分の気持ちを話してるなって思うと、話はちょっと先に進みやすいですからね。
一方、考えていることと話していることが違っていて、妙な含みを持たせる雰囲気が出てしまったりすると、腹の探り合いみたいになって、上手くいくものもうまくいきません。

自分の腹のうちを見せない人、もしくは腹のうちを見せていないかのように思われる人は、人間関係が崩れやすいです。
人というのは、けっこう泥臭いものですから、合理的な考え方に偏らないようにしましょう。

きょうのひとことは、
「人は必ずしも合理的に動かない」 でした。

参考になったかしら?
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2022年02月28日

「お布施」の妥当な金額

一般人と僧侶の間で5万〜10万円差…アンケートで判明「お布施」の妥当な金額
2022年02月27日 PRESIDENT Online

葬儀や法事の際に発生する「お布施」の額に関する本音を調べると、払う側ともらう側に5万〜10万円のギャップがあることがわかった。
ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは「お布施に安さを求める意向がある一方、院号・居士・大姉といった戒名を獲得して“死後ステータス”を望む人もいます。
そうしたニーズに乗じた僧侶側が特定の戒名を遺族側に押しつけて“販売”するケースもある」という――。

■ネット社会で「相場がよく分からない、布施金額教えて」の声多数
人々の「お布施」に対するコスト意識が高まっている。
葬儀や法事の際に発生するお布施の相場感は、かつては地域社会(ムラ)や親族間(イエ)による「暗黙知」で決まっていた。
だが、「個の社会化」が進むと同時に、さまざまなネット情報が氾濫。
寺に対して「相場がよく分からない」「布施金額を教えてほしい」などと困惑の声を上げる人は少なくない。
なかには布施をめぐって菩提寺とトラブルが生じるケースも起きている。

お布施のあり方が過渡期にある。
そこで私が参加する仏教セミナー「Zoom安居(あんご)」では、この度、「お布施」に関する意識調査を実施した。
アンケートは僧侶・一般人の両面で行った。お布施に特化した意識調査は、過去に例があまりない。
アンケートからは、僧侶側と一般人との意識の乖離がみられた。
有効回答数は僧侶が203人、一般人が208人だった。

最初に、「お布施の金額を明示」することの是非についてのアンケート結果を紹介する。
先に「布施とは何か」を説明したい。
布施は仏道修行においてなされる無欲の実践をさす。
金銭だけではなく、衣服や食事などを僧侶に施すことも含まれる。
一方で、僧侶は「施しを受ける」だけではなく、人々に「布施」をしなければならない。
それは儀式を行い、仏法を説き、不安を取り除くということ。
あくまでも布施は「対価」ではない。僧侶と人々による双方向の「喜捨(喜んで差し出す)」であることが大前提だ。
従って、「お布施の金額を明示することに賛成か」という設問自体が、仏教でいう布施の教えから逸脱している。
繰り返すが、布施は「サービスの対価」でないからだ。
だが、今回はそれを承知の上で、現代日本の「葬送の慣習と実態」に添って質問を作成したことをお断りしておきたい。

前置きが長くなったが、さっそくアンケート結果をみてみよう。

■ネットの「布施相場」は高額傾向であるのをご存じか

◇設問「あなたはお布施の金額を明示することに賛成ですか」
【僧侶向けアンケート】
はい ――26.6%
いいえ ――33%
どちらでもない ――40.4%

◇設問「あなたはお布施の金額を明示されることに賛成ですか」
【一般人向けアンケート】
大賛成 ――21.6%
どちらかといえば賛成 ――47.1%
どちらでもない ――20.2%
どちらかといえば反対 ――7.7%
断固として反対 ――3.4%

僧侶の回答を見ると、意見が真っ二つに割れていることが窺える。
僧侶は本来の布施の趣旨を理解しているはずである。
だが、実際の葬送の現場では檀信徒から「お布施の金額を教えてほしい」と懇願されることが少なくない。
僧侶が布施の原理原則を頑なに守って、金額の明示を拒絶した場合、トラブルも発生しかねない。
ある僧侶は言う。「(最初は)お気持ちで、と相手に委ねていましたが、本音を聞くと教えてもらったほうがありがたいという意見が圧倒的に多く、『目安として◯〜◯円です』と伝えています」

このような実情を裏付けるように、一般人の意見は、7割近くが布施金額を明示することに賛同している。
反対は1割程度である。
これは明示、非明示、どちらが正しいということではない。 ひとつ言えることは、僧侶は金銭の多寡に関わらず、常に同じように葬儀を執行しなければならないということ。
同時に葬儀や法事を依頼する側も、「節度」が必要だ。

大事なのは、お寺と檀家の間で常にコミュニケーションが図られ、信頼関係が構築できているかどうか。
寺檀関係が崩壊していれば、すべてにおいて「不満」ということになるだろう。
布施の問題が昨今、浮上してきているのは社会構造の変化と、ネット社会が大きく影響している。

戦後高度成長期、バブル期あたりまではまだ、日本にはイエやムラの概念が強く根付いていた。
特に葬送儀礼は地域を挙げて行い、ほとんどの親族が関わった。
そのため「布施の相場感」は暗黙知として分かっており、菩提寺に聞くまでもなかったのだ。
また、バブル期までは檀家が裕福であり、また、「世間体」も相まって菩提寺に多額の布施をするようになった。
なかには「院号」「居士」「大姉」といった位の高い戒名を希望し、そこに多額の金銭が発生することも起きてきた。

戦後成熟期における資本の論理に、良くも悪くも日本の仏教界がどっぷり飲み込まれてしまったのだ。
そこにネット社会がやってきた。
布施相場を検索すれば、葬儀社などの情報サイトから目安となる金額が表示される。
だが、それも基本は東京都の布施相場であり、地域によっては全く参考にならない(ネットの布施相場は高額傾向にある)。ネット情報がかえって、混乱を生じさせている側面は否めない。

■「葬式一式(枕経、通夜、葬儀、戒名)のお布施はいくらが妥当か
では、日本におけるお寺への布施相場はどれほどなのか。興味深いアンケート結果が出た。
まずは、実態から紹介する。

◇設問「あなたが過去に受け取った葬式一式(枕経、通夜、葬儀、戒名)のお布施平均額はどれくらいですか(感覚値で)」【僧侶向けアンケート】
5万〜10万円未満 ――6.9%
10万〜15万円未満  ――3.4%
15万〜20万円未満 ――19.2%
20万〜30万円未満  ――33%
30万〜40万円未満  ――17.2%
40万〜50万円未満  ――10.8%
50万〜100万円未満 ――7.9%
100万円以上  ――1.5%
※太字がコア層 回答にバラつきがあるのは、布施の相場感は地域(あるいは僧侶、宗派)によって大きく異なるからである。 たとえば沖縄県では葬式一式の布施額は5万〜8万円と全国で最も低い水準だ。
山陰地方もアンケートの回答項目の「5万〜10万円」に該当する範囲内である。
他方、東京都では沖縄の5〜10倍か、あるいはそれ以上の水準である。
布施の金額を多くもらっている都市部の僧侶は堕落し、地方の僧侶が清貧、いうことでは決してない。

しかしながら布施の平均額が「50万円以上」が、およそ1割を占めているのが驚きである。
さすがに、世間一般の金銭感覚からは逸脱した額であろう。
本当に檀信徒の理解は得られているのだろうか。
では、僧侶と一般人の金銭感覚の差異についてみていきたい。
布施を受ける側と渡す側の「尺度=金銭感覚」が同等であれば、問題は生じにくいはずである。

◇設問「葬式一式(枕経、通夜、葬儀、戒名)のお布施はいくらが妥当と思いますか」
【僧侶向けアンケート】
5万〜10万円未満 ――3.4%
10万〜15万円未満  ――5.9%
15万〜20万円未満  ――12.8%
20万〜30万円未満 ――32%
30万〜40万円未満  ――10.3%
40万〜50万円未満 ――7.9%
50万〜100万円未満 ――6.9%
100万円以上 ――0%
そのほか ――20.8%

【一般向けアンケート】
5万円未満  ――10.1%
5万〜10万円未満 ――18.7%
10万〜15万円未満 ――12.5%
15万〜20万円未満 ――15.4%
20万〜30万円未満 ――14.9%
30万〜40万円未満 ――6.3%
40万〜50万円未満 ――3.8%
50万〜100万円未満 ――3.8%
100万円以上 ――0.5%
そのほか ――14%

※太字がコア層 僧侶が妥当と考える布施金額で、分布域が最も大きいのが20万〜30万円。
他方、払う側は僧侶が望むこの額よりも5〜10万円低い金額が妥当と考えている。
葬儀の布施の妥当額を「30万円以上」と考える割合が、僧侶が25.1%だったのに対し、一般人は14.4%。
かなりの開きがある。
この意識の乖離が、寺檀間のトラブルを発生させている要因になっている可能性がある。
本調査で、ある僧侶は、「私の寺の場合、葬儀は年間平均15件前後です。お寺の会計決算が赤字にならない1件当たりの額は30万円。そういう意味で当寺の場合は30万以上が妥当と思います」と回答した。

■“死後ステータス”を望む故人や遺族に寺が戒名を「販売」
一般の方の意見(一部を紹介)はこうだ。
「お寺の経営状況をもっとオープンにしてもいいのではないか。そうすればお布施の必要性、今後の在り方が一般人にも明確になるのではないでしょうか」
「(日本は)日々積極的に托鉢に応じる国ではないので、まとめてお布施をお渡しするのにあまり抵抗がない」
このように比較的、寺院運営にも理解を示す人が一定数いる一方で、辛辣な意見もあった。
「先日、親の葬儀でものすごい金額のお布施をした。落ち着いてみると、坊主丸儲けという言葉はまんざら嘘でもないという気がしている。
来てくださった僧侶の方はとても立派な方だったと思うし、心の底から感謝している。 しかし、それにしても、金額が高すぎて(大卒初任給の2カ月分ほどかと)、自分の葬儀の時は子供に払えとは言えない」
「お通夜、お葬儀のあとは七日法要、四十九日、お彼岸、初盆、一回忌、三回忌、それが来るたびにお布施。凄く苦しかったです。
お金さえあればたくさんお包みできました。
最低限しかお布施できなくてどんどん肩身が狭くなっていきました。そうなると法要が苦痛でしかなくなります。
徳を積む=高額のお布施?」

アンケートの自由回答では「戒名次第で布施金額が変わる」と述べた僧侶が複数いた。
つまり、「院号」「居士」「大姉」などを授与した場合、別途、布施が必要ということだ。
確かに、「院号」は古くは伽藍(院)一棟を寄進するなど、寺の護持発展に貢献した檀家に与えた経緯がある。
「居士」や「信士」などは、「信心の深さ(信仰の尺度)」によって付けられたものであり、本来は「ランク(死後の地位)」ではない。
それが近年、“死後ステータス”を望む故人や遺族に対して、寺が「販売」するようになったのだ。

戒名でトラブルになるケースとして、「院号」などの戒名を僧侶が遺族に押しつける場合がある。
「あなたの一族は、これまで院号居士をつけている。なので、今回の葬式でも院号居士をつける。その戒名代は◯万円」という具合に。こうなれば、カルト教団の霊感商法とさほど変わらない。
あくまでも私見であるが、伝統・文化の側面があるとはいえ、「死後の身分格差」ともいえる戒名のランクにどれほど意味があるのか。
クレジットカードのように、ステータスランクを設けるから高位を欲する人が出てくるのだ。
寺院護持を考える僧侶にも欲が出てしまう。
また、戒名は「男女の区別」がなされているため、LGBTQ の人は望まない性別の戒名を付けられてしまう可能性がある。
戒名自体を否定するものではないが、戒名によって苦しめられている人が大勢出現してきている現代においては、男女含めて1種類でよいのではないか。
ちなみに浄土真宗本願寺派は「釈◯◯」のようにシンプルな戒名(浄土真宗では「法名」という)だ。
儀式などの伝統は守りつつも、社会の価値観にあわせて改善していくことも、今の仏教界には必要なことかもしれない。

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鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)
浄土宗僧侶/ジャーナリスト
1974年生まれ。成城大学卒業。新聞記者、経済誌記者などを経て独立。
「現代社会と宗教」をテーマに取材、発信を続ける。
著書に『寺院消滅』(日経BP)、『仏教抹殺』(文春新書)近著に『お寺の日本地図 名刹古刹でめぐる47都道府県』(文春新書)。浄土宗正覚寺住職、大正大学招聘教授、佛教大学・東京農業大学非常勤講師、(一社)良いお寺研究会代表理事、(公財)全日本仏教会広報委員など。
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善戦するウクライナ軍、NATO提供の携帯型ミサイル奏功か

善戦するウクライナ軍、NATO提供の携帯型ミサイル奏功か
2/28(月)  JBpress

 ウクライナの主要都市やウクライナ軍の防御地域が、ロケットやミサイル、砲弾で攻撃されている。
 ロシア軍は、ウクライナの市民が住む都市に短距離弾道ミサイル、空対空ミサイル、巡航ミサイルを撃ち込んでいるのだ。  これらのミサイルは、精密誘導兵器である。狙ったところにミサイルは飛んで行く。
 つまり、ロシア軍は市民が住む地域を狙っているということだ。市民を狙う攻撃は許されることではない。

 ウクライナのロシア国境に近い都市の一部は占領されつつあるようだ。
だが、ウクライナ軍は、予想に反して、東部戦線からの戦車軍団の攻撃を止めて善戦している。
 善戦できているのはウクライナが正義の戦いであること、国土防衛戦であるからだ。
 このほかにも、ウクライナ軍の防御戦法およびロシアの軍・国内の事情があるように思われる。

■ 1.善戦しているウクライナ軍の防御戦闘
 最初の戦闘はウクライナ軍の東部戦線の防御陣地、空軍基地、防空レーダーサイトに対して、ミサイル、ロケット、砲撃が行われた。
 このために、ウクライナ軍の防空戦や航空戦闘部隊は、全滅はしていないが大きな打撃を受けたようだ。

  このタイミングで、ロシアの15万〜20万人の兵とともに、近代的な戦車軍団が東部戦線や国境沿いの町になだれ込んでくると予想したが、現実には起きてはいない。その理由は、何か。  

(1)プーチンは、先遣部隊だけで攻撃し、被害は最小限で、ウクライナの大統領を屈服させられると考えて、主力を投入していない。また、作戦計画の再検討中であろう。  
(2)ロシア軍内部に戦闘に反対あるいは不満を持っている。無駄に死にたくはないと考える者が多い。  
(3)ウクライナ軍の対戦車戦闘が、予想以上に成功している。  
    理由は、この3つが考えられる。

このうちの1つかもしれないし、3つが重なっていることも考えられる。

■ 2.効果的なウクライナ軍の対戦車ミサイル
 侵攻開始前にNATO(北大西洋条約機構)が供与した約3000基以上の対戦車ミサイルが効果を発揮しているのかもしれない。
 ロシア軍の戦車の射程は、最新型であっても約2000メートルだ。
これに対し、ウクライナ軍の対戦車ミサイルは射程が3000〜5000メートルある。
 大平原で、戦車と対戦車ミサイルが戦闘すれば、対戦車ミサイルが戦車を撃破できる。
 ロシアの戦車は、アクティブアーマーという対戦車ミサイル射撃効果を減殺させる火薬を装備しているが、数発命中させれば、停止させることができる。
 NATOがこれから優先して供与するのは、このミサイルだ。
市街地を守る兵や予備役兵には、この兵器が必要だ。

 映像を見ていると、自動小銃を携帯している兵士や市民兵が多く見られるが、小銃では、戦車や装甲戦闘車を止められない。
 市民兵が火炎瓶を投げつけるのは、狙い撃ちされるので危険だ。

 対戦車ミサイルで戦車を完全には破壊できないが、ミサイルが戦車に命中すると、熱で溶けたドロドロの鉄が、戦車の装甲を突き抜け、戦車内部を破壊し、戦車兵を殺傷する。

■ 3.効果上がるウクライナ軍の対空戦闘
 ロシア軍は、ウクライナ軍の防空網を破壊したと発表した。
だが、ロシアの空挺作戦に使用した「IL-76」輸送機が撃墜されたという情報もある。
 現実に、ロシア空軍の戦闘機はウクライナ上空をあまり飛行していない。
 ウクライナ軍の防空戦闘が効果を発揮していると考えられる。
そのうち最も効果的なのが、携帯用の地対空ミサイルのようだ。

 この兵器は、兵士が肩に担ぎ、ロシア軍の戦闘機に狙いを定めて発射するものだ。
 ミサイル自らが、目標に向かって飛翔し命中するのである。
中東では、テロリストが、攻撃してくる戦闘機に対して反撃し、かなりの成果を上げている。
 このミサイルは、高度約1000メートル、射程4〜6キロまでの戦闘機に命中させることができる。
NATOが供与すべきなのは、このミサイルだ。

 都市を守る兵には、この2種類のミサイルが必要である。
 使い方も併せて教育・訓練すべきだろう。このことは、映像を見ていて、急いでするべきだと感じた。

■ 4.ウクライナ軍服を着たロシア兵
 ロシア軍の防空機関砲を搭載したトラックが、ウクライナ軍に破壊された。
そこには、ウクライナ兵の戦闘服を着たロシア兵の死体が横たわっていた。
 敵国の軍服を着て潜入する行為は、戦争法的に許される行為ではない。

 ロシア軍のウクライナ侵攻は、正義のない悪意ある攻撃だが、兵士がやっていることも戦争法的に許されるものではない。  KGB出身の大統領だからこそ、このようなことを兵士にやらせているのだろう。
このような邪悪な戦い方も許されない。

 ■ 5.ロシア軍の弾薬を爆破すれば侵攻は止まる
 ロシア軍の戦車や歩兵戦闘車はガソリンがなければ停止する。
ミサイル、ロケット、砲弾は、弾薬置き場か弾薬庫を爆破すれば、弾薬の補給が止まる。
 本来であれば、弾道ミサイルを使用して敵基地攻撃を行うのが効果的だ。
だが、ウクライナにはそれはないようだ。
 ではどうすればよいか。

 ロシア国内には、戦争に反対する大勢の人々、戦死したくない兵士、その兵士の家族、プーチン政権を潰したい人々などが大勢いる。
 今回の戦争は、やりたくない戦争を、プーチンによって無理やりやらされているものだ。
 であれば、これらの大勢の人々は、自国のロシア軍の弾薬や燃料を爆破すればよい。
これは、難しいことではない。
 市民や兵士が火炎瓶を弾薬置き場に投げつければよい。
あるいは、ドローンを使って、火炎瓶と弾薬の上に落下させればよい。
 砲弾やミサイルが1発でも爆発すれば、誘爆して大爆発を起こす。
 ガソリンを積んだタンクローリーに火炎瓶を投げつければよい。
可能であれば、火砲を使って砲弾を数発撃ち込めば効果は高い。

 このことを、世界中からロシア人に対して、SNSでメールを送り、大勢のロシア人が行動すればよい。
戦争をしたくない兵士もだ。
 多くのウクライナ市民がスマートフォンを見ている。おそらく、ウクライナの現状に関する情報を見たり、家族・友人とのメールのやり取りをしたりしているのだろう。  つまり、スマートフォンが戦場でも使えるのだ。

スマートフォンを使ってSNSで情報を流せば、戦争の様相が変わる可能性がある。
 ロシア軍の侵攻を止められるのは、世界中からのロシア語での発信とロシア人の行動だ。
ロシア語で「軍の弾薬や燃料を爆破しよう」を広めれば、戦争は停止できる可能性がある。
 世界がやっている制裁や非難では、戦車の侵攻とミサイル攻撃は止まらない。
停止させられるのは、一人ひとりのSNSだ。

■ 6.かつてロシアは革命で皇帝を倒した
 ロシアでは1916年にロシア革命を起こして、皇帝を倒した。
 ロシア革命の始まりは、日露戦争の時であった。

今、ロシアはプーチン皇帝の命令でウクライナに侵攻している。
世界やロシア人が、プーチンの暴挙だとして反対している。
 今、ロシアで起こっている反対運動を拡大して、再びロシア革命を起こす時なのではないか。
 ロシア軍も銃口をウクライナに向ける時ではなく、暴力的な皇帝に向ける時ではないか。
 プーチンの反対者は、KGBによって爆殺されてきた。
ロシアの民主化を止めているのは、プーチンだと、ロシア人のほとんどが思っているだろう。
 新たな革命を起こすのは、まさに今である。

    西村 金一
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