2022年11月25日

「いやがおうにも期待が高まる」は間違いだった? 誤用しやすい慣用句12選

「間髪を入れず」誤読多く
2022年11月24日 All About

■「いやがおうにも期待が高まる」は間違い!
間違えやすい慣用表現 「歯に衣着せず」「サバを読む」など、普段の会話の中で、何気なく使っている慣用表現。
意味をきちんと理解して使えているでしょうか。
耳で覚えた表現を、意味や読み方を確認しないまま覚えていませんか?
よく使いながらも、ちょっと自信がないという表現があれば、これを機に確認してみてくださいね。

■「耳ざわりのいい表現」はいいの? 悪いの?
音は似ているけど意味が違う」「似た言葉と混同している」など、間違いに気付かないまま使っている慣用表現は、結構あります。
▼×取りつく暇もない○取りつく島もない
「話しかけても、ちゃんと答えてくれる余裕がないほど忙しい」という状態を「取りつく暇もない」と覚えている人、いませんか?
正しくは「取りつく島もない」です。
航海中に遭難したときに寄航できるところで「島」という意味。
「島」は、頼りや助けになるもの。
つまり「頼りになるようなところがなく、どうしようもない」という意味。

▼×大目玉をいただく○大目玉を食う
上司に叱られたのだし、「食う」なんて、下品な言葉を使うなんてと「大目玉を食う」を「いただく」と丁寧語に変えてはだめ。
「大目玉を食う」という決まった言い方なのです。

▼×あたりさわらずの意見○あたりさわりのない意見
聞いたことがあるような、ないような表現ですが、これは「あたりさわりのない」と「あたらずさわらず」の2つの言葉が、混同されていると思われます。
両方「物事の核心にふれず、ほかの人やものへの影響が少ない」という意味なので、似ているのですが、言葉としては別のものですから注意しましょう。

▼×的を得た発言○的を射た発言
「得る」と「射る」は、音が似ているのでよく間違う表現ですが、「的」は「射る」もの。
「的を射た」が正しい表現です。
「得た」を使って「当を得た発言」とすれば、同じ意味でこれも正しい表現です。

▼×間髪(かんぱつ)入れずに○間髪(かん、はつ)を入れずに
「カンパツ入れずに答えた」などという風に使う人が多いと思います。
「すぐに、とっさに」という意味はあっているのですが、読み方が違います。
「間髪を入れず」は、もともと“間に髪の毛1本も入る隙間もないほど、(事態が)非常に切迫していてゆとりがない”状態という意味。
「かん、はつをいれず」が正しい読み方。

▼×いやがおうにも、期待が高まる○いやがうえにも、期待が高まる
「いやがおうにも」を漢字で書くと「否が応にも」。
意味は「なにがなんでも、有無を言わせず」。
「いやがうえにも」は、「弥が上にも」で、「さらにますます、その上に」という意味。
さらに期待が高まるという意味では、「いやが上にも、期待が高まる」が正しいです。

▼×照準を当てる○照準を定める
あわせる 「照準」は、銃の弾丸が的に当たるように、ねらいを定めることが元々の意味なので、照準そのものを標的に当てるという表現は間違い。
「照準を定める、あわせる」が正解です。

▼×汚名挽回○名誉挽回、汚名返上
これも、名誉挽回と汚名返上の2つの言葉を混同したものでしょうか。
「挽回」は、取り戻すという意味ですから、汚名挽回だと、汚名を取り戻すということになります。
「失った名誉、汚名を回復する」という意味で使うなら、名誉挽回・汚名返上が正解です。

▼×微に入り細に入り○微に入り細を穿ち
「とても細かいことについてまで質問された」というようなときに使う表現ですが、「微に入り」と「細に入り」をなんとなくリズムで使ってしまっている人が多いのではないでしょうか。
実は「細に入り」が間違いで、「細を穿ち」が正しい表現です。
ちなみに「穿つ」というのは、穴を開けること。
「微に入り細を穿ち」は、「細かいところにまで及ぶ」という意味です。

▼×耳ざわりのいい○耳に心地いい
「耳ざわりのいい言葉」という風に使う人が時々いますが、「耳ざわり」は、漢字で書くと「耳障り」。
「聞いていて不快、嫌な感じ」がするという意味ですから、「耳障りがいい」とは、全く矛盾した言葉になります。
聞いていて気持ちがいいのは、「耳に心地いい」。

▼×太鼓判つき○太鼓判を押す
絶対に確実という意味で、「○○編集長の太鼓判つき!」という表現を雑誌などで時々見かけることがありますが、「折り紙つき」と混同したものと思われます。
「太鼓判を押した」「折り紙つき」なら正解です。

▼×波紋を投げかけた○波紋が生じた
そもそも、静かな水面に物を落としたときに生じるのが波紋。波紋そのものを投げることはできませんから、「波紋を投げかけた」は間違い。
何かの発言、行為などによって影響・動揺を与えたことについては、「波紋が生じた」または「波紋が広がった」とするのが正しい表現です。

いかがでしたか? あらためて日本語って難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
無理に慣用句を使う必要はありませんが、間違いやすいとされている慣用表現をさらっと使いこなせたら、オフィスでのあなたの評価もグンとアップするはずです。

     (文:美月 あきこ(ビジネスマナーガイド))
posted by 小だぬき at 06:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ふらつき、めまい、息切れ…60歳以上は脳梗塞につながる心房細動を疑え

ふらつき、めまい、息切れ…60歳以上は脳梗塞につながる心房細動を疑え
2022年11月22日  日刊ゲンダイ

 脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳の血液の循環に障害をきたし、さまざまな症状を起こす病気だ。
これからの季節、注意したい病気でもある。

 国立循環器病研究センターが、2011年から15年までの5年間に入院治療を受けた脳梗塞患者2965例を季節ごとに分け、年齢や病型、重症度の要因を用いて解析した研究がある。
 それによると、全体では季節差はなかったが、「75歳超」「心原性脳塞栓症」「中等症から重症」に限定して調べると、いずれも冬の割合が目立って高かった。

その一因として、心原性脳塞栓症の最大の原因である心房細動(不整脈)の新規発症が冬に多く、心原性脳塞栓症の患者は高齢で症状が重いことを挙げている。
 心原性脳塞栓症は、元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシムさんやプロ野球巨人元監督の長嶋茂雄さんを襲った病気だ。

国立病院機構九州医療センター脳血管・神経内科臨床研究推進部長の矢坂正弘医師が言う。
「脳梗塞にはたくさんの病型があり、代表的なもののひとつが心原性脳塞栓症です。
心臓の心房と呼ばれる部屋全体がけいれんするように小刻みに震え、規則正しい拡張と収縮ができなくなった状態が心房細動で、それが起こると血液がよどんで血栓ができ、その血栓が頭に飛ぶと、心原性脳塞栓症という脳梗塞を起こします」

 心房細動は増えており、その傾向は今後も続くと推測されている。
「心房細動が慢性的に起こっている慢性心房細動は100万人以上いるだろうと推測されています。
発作的に起こる発作性心房細動も同じくらいいるとみられ、心房細動全体では200万人くらいと考えられます」(矢坂医師=以下同)

■「ノックアウト脳梗塞」の危 
 心原性脳塞栓症は「症状が重い」と前述した。
心房細動によってできる血栓は、そのほかの血管にできる血栓より大きいことが多く、脳の比較的大きな血管に閉塞を起こすこともあり、そうなると脳の広範囲に障害が及ぶからだ。

「脳の一部が死に、脳浮腫や出血性脳梗塞となって脳ヘルニア(脳圧が高くなり、脳組織の一部が脳の中の境界や隙間からはみ出す状態)に至ると、救命は難しい。
『ノックアウト脳梗塞』とも呼ばれるほどで、助かっても寝たきりになるなど元の状況には戻れない」

 心原性脳塞栓症は再発率も高い。発症2週間以内で16〜20.3%、慢性期で年間12%。発症後10年間で75%という報告もある。
 心房細動があれば速やかに適切な治療を受けることが重要。
症状としては、ドキドキする、息切れ、めまい、ふらつき、疲労感などがある。

「しかし、心房細動は症状がないことも多く、定期検診の心電図検査などで初めて見つかる場合も少なくありません」
 心原性脳塞栓症を起こさないためには、60歳以上でぐっと患者数が増えるので、その年齢を越えたら定期検診で心電図検査を受けるべき。
さらには、自己検脈の習慣を身につける。
「ポイントは、手首の親指の付け根部分に人さし指、中指、薬指の3本の指を当てて、拍動が規則的かどうかを確認する。
脈が弱い、不規則、数えられないというときは、心房細動が疑われます」

 病院で心房細動が判明したら、治療は抗血栓薬や抗凝固薬の治療になる。
いわゆる「血液サラサラ薬」の服用で、アスピリンやワーファリンなどがある。
「これらの薬で心原性脳塞栓症を起こしにくくなります。
ただし注意が必要で、頭蓋内出血や消化管出血といった出血性合併症の危険があります。

アメリカのデータでは、院内死亡の一番の原因になっています」
 アジア人は特に頭蓋内出血を起こしやすい民族であることがわかっている。
頭蓋内出血は、高血圧、喫煙、飲酒、転倒で起こしやすくなる。

つまり心房細動の治療には、血圧管理、禁煙、禁酒・節酒、転倒リスク(筋力やバランスの低下、視力障害、住環境など)の回避も必須となる。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする