2023年02月01日

ギャルモデル、共産党・志位氏を論破?「日本無くなって欲しい人?」と指摘、「ギャルに軍配!」の声も

ギャルモデル、共産党・志位氏を論破?「日本無くなって欲しい人?」と指摘、「ギャルに軍配!」の声も
2023年01月30日  リアルライブ

ABEMAの報道番組『ABEMA Prime』にコメンテーターとして出演しているギャルモデルのあおちゃんぺが、日本共産党の志位和夫委員長の国の防衛費強化を巡るツイートに反論し、反響を集めている。

 発端となったのは、26日の衆議院本会議で、志位氏が防衛力強化に向けた「国家安全保障戦略」など3つの文書の案に「『日本を守る』ではなく日本を米国の戦争に巻き込み国土を廃墟と化す、これが正体」と反対意見を述べたこと。
 さらに、志位氏は29日にツイッターで、小説家の加藤周一氏の「戦争の準備をすれば戦争の確率が高くなる。平和を望むなら、戦争の準備でなく、平和の準備をすべきだ」という言葉をツイート。
また、「これは軍備拡大競争に走ったことが侵略戦争の惨禍を招いた歴史の教訓です」と綴っていた。

 この志位氏の一連の発言に対し、あおちゃんぺは29日にツイッターで反応。
「まず戦争の準備じゃなく防衛の準備でしょ?」と「安保3文書」の目的を指摘し、「準備すれば確率が高くなるなら、強盗が来るかも セコム入ろ 防犯カメラ付けよ→強盗が来る確率が上がるから、平和の準備だ!鍵開けとこ!お茶出す準備しとこ!って事???」と志位氏の反対意見に疑問を呈した。

 さらに、あおちゃんぺは志位氏に対し、「遠回しに日本無くなって欲しい人??」と苦言。
「平和ボケしすぎてない??」と批判していた。
 このあおちゃんぺのツイートに、ネット上からは「分かりやすいたとえ」「スーパード正論」「セコムの例えはわかりやすいです」「ある程度の守るための軍備は必要なのにね」「的確!あおちゃんペさんは凄く頭いい人だな」「一政党のトップ対ギャルの対決は、ギャルに軍配!!」「ギャルっぽい文章でちゃんと矛盾突いててすごい」という感心の声が多く集まっていた。

記事内の引用について
あおちゃんぺ公式ツイッターより https://twitter.com/aochanp
志位和夫公式ツイッターより https://twitter.com/shiikazuo
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2023年02月02日

「認知症ビジネス」騙されないために知るべき事

「認知症ビジネス」騙されないために知るべき事
「腸内細菌」が認知症予防のカギとなる可能性
山田 悠史 : 米国老年医学・内科専門医
2023/02/01  東洋経済オンライン

健康に関する「ちまたでよく聞く噂」には実際のところ、どこまで科学的根拠があるでしょう。
例えば、数年ほど前から注目される腸内細菌と脳の関係性。
はたして腸内細菌は認知症予防のカギを握っているのでしょうか。
NY在住・新進気鋭の専門医、山田悠史氏の著書『健康の大疑問』より、一部抜粋、再編集して最新の知見を紹介します。

腸内細菌と脳の関係性 数年ほど前から、腸内細菌と脳の関係性が注目されるようになりました。
腸内細菌と人間の脳が何らかの形でコミュニケーションをとっているのではないかというのです。
「火のないところに煙は立たぬ」とはよくいったものですが、実際マウスモデルに抗菌薬を投与して腸内細菌を死滅させたり、腸内細菌の数を減らしたりしてみると、マウスの認知機能の低下が観察されていたのです(Int Rev Neurobiol. 2016;131:227–246より)。
このことは、少なくともマウスでは、腸内細菌が認知機能の維持に一役買っているということを示唆しています。

それでは人ではどうかと言えば、小規模の人間の研究でも、腸内細菌と認知機能の間に関連がある可能性が指摘されてきました。
仮に、腸内細菌が認知機能に影響を及ぼしているとして、どのようなメカニズムが考えられるのでしょうか。
例えば、可能性のあるメカニズムとして、一部の腸内細菌が作る短鎖脂肪酸と呼ばれる栄養素が脳に保護的に働くのではないか、腸内細菌の免疫に及ぼす影響が認知機能にも関連するのではないか、などとも考えられています。

また、これまでは小規模な研究しかなかったのですが、人間を対象にもっと大きな規模で、改めて腸内細菌と認知機能の関連について検討しようではないかという試みが最近行われました。
対象人数は約600人、いわゆる大規模研究と比べれば少数のようにも感じますが、これまでこの領域では数十人単位までの検討しかありませんでしたので、過去の研究よりははるかに多くの人を扱ったといえます。

「便中の細菌」と認知機能の関連性
取り扱う人数を増やせば増やすほど、認知機能に影響を与えそうなほかの要因の偏りを調整することが可能となり、純粋な腸内細菌と認知機能の関係の評価に近づくことができるという大きなメリットがあります。
この研究で対象となったのは、平均55歳の男女。便が採取され、便の中にいる細菌の持つ遺伝子データが解析されています。また、それぞれの人が各々認知機能の検査を受け、便中の細菌の種類や広がりと認知機能との間に相関があるかという点が評価されています。

すると、BarnesiellaやAkkermansiaと呼ばれる細菌のグループの存在と特定の認知機能の高さとの間に関連性が、また1人の人が持つ細菌の種類の豊富さと特定の認知機能の高さとの間にも関連性が指摘されました。
こういった結果から、特定の腸内細菌の存在や、腸内細菌の多様性と認知機能との間に何らかの相関があるのではないかという仮説が支持されました。

これもまだ仮説の域を超えるものではありませんが、特定の腸内細菌の存在が免疫担当細胞の働きの調整に関わり、脳内に沈着するアミロイドβ(アルツハイマー病の原因の一端を担っていると考えられているもの)を減らすことに起与しているのではないか、などといった考え方が示されています。
ただし、ここで示されたのは、あくまで「関連性」であり、腸内細菌と認知機能との間に「何か」が存在する可能性があります。

例えば、特定の細菌を持つ人は、特定の栄養素を摂っている傾向があり、実は細菌の働きではなく、その特定の栄養素こそが認知症予防のカギとなっている、といった可能性です。

「関連性」は「因果関係」を示すものではない
この研究では、幸い比較的大きなデータを取り扱ったことにより、年齢、背景となる教育レベルや喫煙状況、服薬状況などの偏りについては調整が行われています。
しかし、細かな栄養素の違いまで追えているわけではありません。
「関連性」は「因果関係」を示すものではないということの確認が改めて必要なところです。

なぜなら「関連性」を根拠に「因果関係」を示そうとして、例えば特定の細菌を腸内に移植するような介入試験を行ってもうまくいかなかった、などということはまったく珍しくないからです。
また、仮に因果関係が本当にあったとしても、はたしてどの細菌がどのぐらい存在すれば、認知機能に好影響を及ぼすのかもわかっていません。
仮に細菌の種類の広がりのほうが大切だとしたら、特定の細菌を投与することはかえって悪影響になる可能性もあります。

こういったことから、「関連性」が報告されたからといって、腸内細菌を売りにした商品に手を伸ばすことは、「つかまされるだけ」「お金を払わされるだけ」の結果が待ち受けている可能性が高いと考えられます。
認知症のような、多くの人にとって身近な不安には、根拠のないビジネスが起こりやすいので注意しなくてはいけません。

しかし、腸内細菌と人間の脳との間にもしコミュニケーションがあるのだとしたら……。
それは、夢の広がる話だとは思いませんか。
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和田秀樹「医者に認知症は治せない」、でも自暴自棄になってはだめな理由

和田秀樹「医者に認知症は治せない」、でも自暴自棄になってはだめな理由
和田秀樹:精神科医
2023.2.1 ダイヤモンドオンライン

50、60と年を重ねるにつれ、誰しも認知症への不安が頭をよぎるもの。
認知症を過剰に恐れる必要はないものの、医療と適切につき合い、前もって準備しておくことが重要となる。
数々の患者と向き合ってきた高齢者専門精神科医・和田秀樹氏の金言をヒントに、自分や家族の前向きな老いについて考えていく。
本稿は、『80歳の超え方』(廣済堂出版)の一部を抜粋・編集したものです。

認知症はひとつではない 必ず「専門医」に診断を  認知症といっても、認知症にはいろいろな種類があります。

 ちなみに認知症は、病気の呼び名ではありません。認知症という状態を表す言葉です。
認知症の状態になった原因疾患があるのです。

 物忘れが始まると「認知症ではないか」と心配する人、「認知症にならないでよ」と注意する家族がいます。
心配しても注意してもなるものはなるのですから、不安がある場合は専門医に診てもらってください。
 最近は、内科クリニックでも簡単に認知症の薬を出したりしますが、認知症の薬は認知症を治すためのものではありません。
 一般的には「進行を遅らせる」ですが、これも効果のある人とない人がいます。
早期に服用したほうが効果が出るともいわれますが、効果がないときは漫然と服用しないほうがいいかもしれません。

「副作用はあまりありません」と説明を受けたという人もいますが、薬というのは副作用があるものです。
その影響は人によってだいぶ違います。

認知症の症状の裏には 別の疾患が隠れている場合も
 一般的には、内科で出された認知症の薬を飲み続けるより、専門医に画像診断や認知症テストを受けて、きちんと診断されてから対策を考えるほうが望ましいのですが、地域医療を行う内科医のほうが認知症の対応に慣れている人もいますし、精神科医でも高齢者のことはよくわからない人がいるので、まずケアマネジャーや地域包括支援センターで医者の評判を聞いて受診するのが賢明です。

 認知症の代表的なものとしては「アルツハイマー型」、「脳血管性」、「レビー小体型」などが挙げられますが、いずれも治療薬はありません。
進行性で対応に大きな差はないので、あまり原因疾患にこだわる必要はないと私は考えていますが、認知症の原因疾患を知ったほうがいい理由は、認知症の状態があっても治療できる疾患が原因の場合もあるからです。

 認知症のような症状が出てきて調べたら、脳腫瘍があったり、甲状腺機能低下症であったりすることもあります。
まれにですが、「正常圧水頭症」という病気のときもあります。
正常圧水頭症は、脳内でつくられる脳脊髄液が脳室にたまることで、周囲の脳が圧迫されることで認知症と似たような症状が出てきます。
これは脳脊髄液の流れを脳室以外に流す手術をすれば治ります。
これはCTスキャンをするとすぐにわかります。

 こういうことがあるため、認知症のような症状があったときは専門医に診てもらってほしいのです。

 また、うつ病でも認知症に似た症状が出ます。
この場合は、薬物治療が有効ですし、本人の気分もよくなります。
 ですから、ひとくくりに認知症とまとめてしまわないで専門医の受診が重要なのです。

まだ認知症の症状のないあなたが 考えるべきこと
 認知症の早期発見や原因疾患を見極めることは可能ですが早期治療はできません。
 がんのように、疾患原因を取り除くわけにはいかないからです。
 認知症の薬は進行を遅らせるといわれたりしますが、あまり効かないという調査結果もあります。
また、怒りっぽくなったり情緒不安定になったりするときに安定剤が処方されますが、対症療法ですし、かえって脳の機能を落とします。
薬を飲んでおとなしくなるというのは、脳の機能をボーッとさせているからです。
そうすると、動くのが億劫になり、脳も筋肉も退化するかもしれません。

 はっきり言って、医者に認知症は治せません。  しかし、認知症を診てくれる医者は必要です。
 なぜなら、介護保険の意見書は医者が書くからです。
介護保険を申請するとき、また、更新や区分変更のときに医者の意見書が必要なのです。
その意見書に医者は病名として認知症と書きます(認知症専門医でないと原因疾患を書けないからです)。
 普段から家族の話を聞き、本人をよく診ている医者なら、意見書に病名のほかに詳しい状態や本人の困難さも書いてくれるでしょう。
 そのほかに医者が認知症で役に立つのは、本人や家族の不安にアドバイスをしてくれたり、ほかに相談するところを紹介してくれたりすることでしょう。
しかし、そういう医者は少なく、看護師さんや相談員のほうが話を聞いてくれるかもしれません。

 つまり、認知症の状態になると役所や家族が「病院へ行け」というのは、病名をつけてもらうためで、治すためではないと思ったほうがいいということです。
 それでは、認知症の進行を少しでも遅らせるためにはどうすればいいのでしょう。

ただ老いを待つのではなく 能動的にセルフケアを考える
 認知症は、キュア(治療)からケアへという流れの最前線にある疾患です。
ケアというのは、世話や介護と訳されますが、手入れや寄り添うことも含まれる大きな意味があると考えてください。
 セルフ・ケアは自分のことをいたわることであり。
セルフ・ネグレクトは自分へのいたわりを放棄したという意味になります。

 ケアは、単に介護を受けるという受動的な意味ではなく、自分をケアしていくという能動的な意味でもあり、ケアをされる人との交流も含む流動的な意味合いもあります。
 医療のキュア(治療)が望めないとなると、認知症は不治の病かと怖がる人が多くいますが、認知症の症状が出るのは長生きした人間の当然な結果なのですから仕方ないことです。
 90代でも研究をしたり文章を書いておられるすばらしい方もいますが、そういう人でもたくさんのケアを受けて仕事をしていることが多いのです。

物忘れはひどいし、いまのことも忘れる等の困難さはあっても、家族やヘルパーさんに支えられて仕事をしている人もいます。
 このように、認知症になっても心豊かに暮らす方は大勢います。
 自分なりの人生をどう送りたいか、認知症と診断されても初期のうちでしたらどんな意思表示だってできます。
それ以上に、認知症は85歳になれば半数近くの人が罹患する病気なのですから、その後、どんなふうに生きたいかを決めておくほうが納得のいく人生を送れる可能性は高くなると思います。

 まだ認知症の症状がないあなたが考えないといけないことは、認知症になったらどういうケアをしてもらいたいか、自分はどういうケアを自分に対して行っていくかです。
 よりよく生きていくために、「認知症になったらこういうケアをしてほしい」というのは、どう生きていくかの要になります。
そのケアがまったく人任せというのは感心しません。
自分でも調べて勉強していく必要があると思います。

「認知症にはならない」「認知症になったら、わけがわからなくなるから、どうでもいい」。そんなことを考える方もいらっしゃいますが、認知症はゆっくり進行するものです。
支援があれば、自立していられる時間も長いのです。
 そしてあなたの状態に合う良好なケアがあれば、認知症であろうと脳梗塞であろうと、あなたの生活の質は高まるでしょう。
 いつまでも元気にいることも大事ですが、自分がどうケアされ支援されていくかを少しずつ考えていくこともとても大事なのです。
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2023年02月03日

メガバンクにはない!ゆうちょ銀行だけのメリット4つ

メガバンクにはない!ゆうちょ銀行だけのメリット4つ
2/1 あるじゃん

さまざまな場所で見かける「ゆうちょ銀行」。
口座を持っている人も、持っていない人も、ちょっと気になる存在なのでは?
今回はメガバンク(都市銀行)にはない、ゆうちょ銀行だけのメリット4つについて、お伝えします。

◆メリット1:
窓口が15時まででなく、16時まで開いている
ときには店舗の窓口を利用したいこともあるもの。メガバンク(都市銀行)など、一般的な銀行の場合は、窓口の営業時間は15時までですが、ゆうちょ銀行は16時まで。ちょっと遅めの時間まで窓口が開いていると、助かりますね!

◆メリット2:
平日土日夜間など関係なく、ATMの時間外手数料が無料
ゆうちょ銀行や郵便局にあるATMでは、土日や休日、夜間関係なく入出金手数料が無料です。
ただし、駅やショッピングセンターにあるATMは、「平日の8時45分から18時まで」と「土曜日の9時から14時まで」以外の時間では、入出金の際に110円の手数料がかかる点には注意。
コンビニのATMでも、手数料がかかる時間帯がありますので要確認です。

◆メリット3:
ATM数が圧倒的に多い!
ゆうちょ銀行のATMは、全国で約3万2000台(2021年3月末時点)と、圧倒的に多いのも特長です。
メガバンク・都市銀行すべてをあわせたATMが約2万台(※2021年9月末時点。みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行の合計)と比べても、多いことがわかりますね。
ゆうちょ銀行のATMは全国各地にあり、旅行先や出張先でも使えます。

◆メリット4:
通だけでもATMで出金が可能
メガバンク・都市銀行では、現金を引き出す際にキャッシュカードが必要ですが、ゆうちょ銀行の場合は、キャッシュカードはもちろんのこと、通帳だけで引き出すことも可能です。
例えば、遠方に住む家族同士、それぞれ通帳とカードを持って入出金するなど、便利に使えますね。

以上、ゆうちょ銀行のメリット4つをお伝えしました。
改めて魅力に気づいた方、ぜひ便利に活用してみてください!

文:西山 美紀(ファイナンシャルプランナー)
    あるじゃん(All About マネー)
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2023年02月04日

岸田首相、フィリピンに年間2000億円支援へ 1兆円防衛費増税の一方で海外バラマキ18兆円超に国民の怒り沸騰

岸田首相、フィリピンに年間2000億円支援へ 
1兆円防衛費増税の一方で海外バラマキ18兆円超に国民の怒り沸騰
2/3(金)   FLASH  

岸田文雄首相は、2月8日に来日するフィリピンのマルコス大統領との会談で、年間2000億円を超える支援を表明する方向で調整に入った。
支援は政府開発援助(ODA)が中心で、期間は5年未満となる見通しだ。2月2日、共同通信が報じた。

 交通インフラや情報通信網の整備を加速させ、東・南シナ海で軍事活動を活発化させている中国への対応を念頭に、米国を含む3カ国の安全保障協力の深化を確認するという。
 会談は2月9日の予定で、成果をまとめた共同文書を発出する。

広域連続強盗事件に絡む日本人が、フィリピンの入管施設に拘束されていることも、議題になる可能性があるという。

 岸田首相が、フィリピンに年間2000億円超の支援を表明する意向であることが報じられると、SNSでは怒りの声が巻き起こった。 
《今度はフィリピンに2000億? 外国を豊かにするために働いてるんじゃねえんだよ》
《年間2千億円超支援表明? 防衛費の一部1兆円を増税しようとしてもめてるのに》
《フィリピンは日本の犯罪者が隠れやすい逃亡犯引き渡し制度が締結されてない国。そこに年に2000億?岸田さん国際的な思惑があったとしても今じゃない》
《岸田の海外バラマキ合計18兆円超えたぞ 自公支持者と無投票層のせいで日本の貧困が加速して海外が益々潤ってるよ、良かったな望みが叶って》

 合計18兆円というのは、2022年に、岸田首相が表明した、おもな海外投資額だ。
・2022年3月19日 就任後初の2国間訪問としてインドを公式訪問。モディ首相と会談し、今後5年間でインドへ5兆円を投資する目標を掲げると表明
・2022年6月26日、ドイツ南部のエルマウで開かれているG7(先進7カ国)首脳会議の演説で、途上国のインフラ投資を目的に、今後5年間で650億ドル(約8兆8000億円)以上の拠出を目指す考えを表明
・2022年8月27日、日本主導でアフリカ開発の支援を議論する「第8回アフリカ開発会議(TICAD8)」の基調講演で、2023〜2025年の3年間で官民合わせて総額300億ドル(約4兆1000億円)規模の資金をアフリカ支援に投じると表明  これだけで、合計約18兆円だ。

 日本国内では、月額1万〜1万5000円の児童手当の所得制限撤廃に必要な財源が、約1500億円と試算されている。そのため、SNSではこんな声も。
《所得制限撤廃で岸田さんに拍手したい気持ちだったけど、フィリピンに年間2000億?ってニュース観てため息》
《子供には一円でもケチる岸田。フィリピンには2000億円を毎年ばら撒き。1割の子供への所得制限余裕で解除できる金額》  
これで「異次元の少子化対策」と誇られては、たまったものではない。
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2023年02月05日

休日は家でごろ寝してしまう…住職が「やりたいことをやれない人」に提案する"アクティブプラン"

休日は家でごろ寝してしまう…住職が「やりたいことをやれない人」に提案する"アクティブプラン"
枡野 俊明 曹洞宗徳雄山建功寺住職
2023年02月04日 PRESIDENT Online

ダラダラ過ごす時間をなくすにはどうすればいいか。
建功寺住職の枡野俊明さんは「時間は主体的に使い切るものだ。やりたいことをやれないなら予定を入れてしまえばいい。プランさえあればアクティブに行動できる」という――。
※本稿は、枡野俊明『仕事も人生もうまくいく整える力 禅が教えてくれる98の養生訓』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■たくさん眠ることが「健康にいい」とは限らない
「明日は休みだ!」――金曜日の夜はことのほか心が浮き立ちます。
朝寝坊できることの解放感から、夜遊び、夜ふかし、深酒をしたくなるでしょう。
しかし「整える力」の観点からは、とてもおすすめできません。
規則正しく回すべき生活のリズムが崩れ、体調に悪影響をおよぼす可能性が大きいからです。
とはいえ休日の朝寝坊は気持ちのいい休息にもなりますから、ちょっと譲って、「いつもよりプラス一時間くらいなら、遅く起きてもよし」としましょう。それを過ぎると「惰眠」になります。

たくさん眠るのは健康にいいことのように思うかもしれませんが、じつは逆。
睡眠の質を下げ、さまざまな体調不良を引き起こすとされています。
十分に眠っているはずなのに、日中に強烈な眠気を覚える場合もあるようです。
いずれにせよ毎日の過ごし方としては、平日も休日も同じような時間帯で活動するのがベスト。
“特別感”を得たいのであれば、たとえば「休前日は一時間夜ふかしして、翌朝は一時間寝坊する」程度の変更にとどめましょう。

■“家でごろごろ”ノープランだからだらけてしまう
仕事で疲れていることを口実に、「休日は家でごろ寝」を決め込む人のなんと多いことか。
休みですから、何をしても自由ですが、「何もやることがないから、テレビでも見ながらごろごろと……」というような過ごし方はいけません。
“なまけグセ”がついて、かえって心身の調子が悪くなるだけです。
一番いけないのは、「時間に使われている」、つまり自分から行動を起こさず、時間に流されることです。
仕事の日であれ、休みの日であれ、時間というのは自分が主体となって使い切ることが大切なのです。
考え方としては、「休日は、一週間がんばって働いた自分に、あるいは家族に、何かご褒美になることをしよう」。

ノープランだからごろ寝になるのであって、プランさえあればアクティブに行動できます。
たとえば好きなゴルフに行く、映画を見に行く、家族でキャンプに行くなど、ちょっとしたイベントを企画してみましょう。休み明け、身も心も軽くなって、新たな一週間をがんばれると思います。

■忙しいからこそ休みを取る
「忙しくて、なかなか休みが取れない」という声をよく聞きます。
言葉どおりだとすると、疲労もストレスも溜まる一方ですから、なんとかしなくてはいけません。
しかし、本当に休みが取れないのでしょうか。
もしかしたら「評価が下がると思うと、怖くて有休を取る勇気も出ない」のでは?
そうだとしたら、自分から休みを取りにいっていないだけ。
つくりにいっていないだけです。

まずそういう認識に立って、「自分から積極的に休日を取る。休日をつくる」というふうに意識をあらためましょう。 そうすると、“忙しさの波”がよく見えるようになります。
そのうえで休める日を見きわめ、たとえば「このプロジェクトを3日前倒しで仕上げ、5日間の休暇を取って旅行に行こう」などと決めるのです。
ちょっと大変ですが、休みの計画が待っていると思えば、がんばれるというもの。
スケジュールの前倒しは、「休みをつくるための健康法」になりうるのです。

■「やりたいのにやれなかった」未練を減らしてゆく
何かの情報を見て、「ここ、行ってみたいな」「これ、見たいな」「これ、やってみたいな」などと気持ちが動いたとします。そういうときは即、休日のプランにスケジューリングしてしまいましょう。
可能ならその場で劇場やイベントなどの予約をする、それが無理ならメモをして「すぐにやるべきリスト」に入れておく。そんな具合に、気持ちが動いたら即、それをやれる環境を整えておくと、やりたいことを逃さずにすみます。

よくありませんか、「あの映画、見たいと思っていたのに、いつの間にか終わっていた」とか、「あのイベント、絶対に参加しようと思っていたのに、チケットを買うのをすっかり忘れていた」といったことが。 「やりたいのにやれなかった」となると、心に未練が残ります。せっかく芽生えた好奇心も宙に浮いたままモヤモヤと残ります。「思い立ったが吉日」なのです。すぐに着手するよう心がけましょう。
休日の充実度、幸福度がアップします。
だらだら、ごろごろしていたら、せっかくの休日があっという間に終わってしまいますよ。

■“運動習慣”はゆるくはじめて、だんだん強度を上げるのがコツ
休日のスケジュールに1、2時間の運動を組み入れてはいかがでしょうか。
平日はラジオ体操をやる5分程度の時間しか取れなくとも、休日ならもっとまとまった時間が使えますよね。
やったことのないスポーツに挑戦するのもいいですが、馴染みのある好きな運動をすることをおすすめしたい。
抵抗感なくはじめられるし、自分の力を把握している分、ほどほどにがんばる、その塩梅がわかっているからです。

一番よくないのは、最初にがんばりすぎて、続かないこと。ゆるくはじめて、計画的にだんだん強度を上げていくのが続けるコツです。
ともあれ、週に一度、休日の運動というのは、日ごろの運動不足を解消して体力を増強するにも、気持ちをリフレッシュするにも、とてもいいものです。
気分が乗ったときだけ運動するのではなく、休日の計画に組み入れて、習慣的に運動しましょう。
私も以前は空手をやっていました。20年ほど続いたでしょうか。やらなくなってしばらく経ちますが、この原稿を書きながら「またはじめようかなあ」と気持ちが動いています。

■体の老化より先に来る「感動の老化」に注意
仕事一辺倒のビジネスパーソンは不器用といいますか、「無趣味」を自認する人が少なくありません。
休日になると、たちまちやることがなくて、戸惑うようです。
そういう人は「趣味」という言葉に対して、ちょっと身がまえているところがあるように見受けます。
芸事とか、特別な能力を要するものなどをイメージするのかもしれませんが、趣味は、余暇を楽しむものなのですから、わずかでも「好き」「面白い」と心が動くものであれば、なんでも趣味の範疇だととらえていいのです。

とりあえず休日を使ってさまざまなことにチャレンジし、「これをやっていると、時間を忘れる」とか、「幸せな気分になる」といった、心に潤いをもたらすものを探してみてはいかがでしょうか。
そうしていくつか趣味にできそうなことを見つけておくと、時間が豊かになります。

「感動の老化」は体の老化より早く来るといいます。
感動の老化を防ぐためにも、時間を忘れて、我を忘れて、好きな趣味を楽しむ時間が持てれば、命は輝きを増します。
体調にいい影響を与えることはいうまでもありません。

■好きなことをすれば、不思議なくらい疲れない
好きなことをしていると、不思議と疲れません。
だから、好きなことを仕事にしている人はいくら働いても疲労感に押しつぶされることがないのだと思います。
私自身、住職のほかに庭園デザイナーとして活動していますが、この仕事は本職の延長線上にある“趣味”のようなものともいえます。
また「禅の庭」を手がけるなかで、その仕事がホテルの庭園や海外の大使館の庭などに広がっていきました。
さらに、「禅の庭」から派生して、そこに置く照明器具や家具などのインテリアまでデザインするようになりました。
広い視点から庭を含めた空間全体をデザインするようになったのです。
これが非常に楽しくてしかたがない。疲れを感じることはほぼないといっても過言ではありません。

そんな私ですから、好きな趣味を見つけたら、それに没頭してみることをおすすめします。
疲れないどころか、平日の仕事の疲れを、好きな趣味に取り組んで得られる心地よさで相殺できるくらいです。
へたに休むより、ずっと元気になります。
趣味で健康増進ができる、といってもいいでしょう。

■好きなことを「広げる」「深める」方法
好きではじめた趣味でも、楽しむうちに、その世界を探求したい気持ちが動き出すことがよくあります。
前項でお話しした私の庭園デザインもその例に漏れません。
趣味の世界を広げる、もしくは深める際のキーワードは「探求心」です。

方向性はおもに2つ。
1つは、好きなことの枝葉を広げていくことです。
たとえばジグソーパズルが趣味だとして、風景やお城、名画、人物など、いろいろな絵柄に挑むなかで、その背景や歴史などに興味を持ちはじめたらどうでしょうか。
次から次へと知りたいことが出てきて、教養を広げる勉強につながっていきます。

もう一つの方向性は、趣味の世界を深掘りすることです。
私の知り合いは現役時代から地元の歴史を調べるのが好き。休日には近隣をあちこち歩き回ったり、図書館で調べ物をしたりしていました。
そしてリタイアしたいまは、地元の郷土史のスペシャリストとして、ボランティアガイドを務めています。
とても生き生きとしています。
いずれのケースもまさに「趣味は身を助ける」。
枯れることなくますます盛んな探求心は、アグレッシブな生き方を支えてくれるもののように思います。 
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2023年02月06日

宗教「勧誘に注意」の報道で団体名を伏せられる謎

宗教「勧誘に注意」の報道で団体名を伏せられる謎
統一教会のブームが過ぎたら元通り、では困る
藤倉 善郎 : ジャーナリスト
2023/02/05 東洋経済オンライン

「空白の30年」と呼ばれる期間も、「カルト問題」のうち目を引く事件や騒動、スキャンダルはそれなりに報道されてきた。しかし調査報道や問題提起報道は活発ではなかった。
私自身、2004年にライターとして開業したものの、カルト問題について書ける媒体がほとんどなかった。
そこで2009年に、ジャーナリストの鈴木エイト氏などの仲間たちと「やや日刊カルト新聞」というニュースサイトを開設した。
それ以降、一般メディアがいかにカルト問題を避けているかを一層痛感することになる。

スキャンダルにも反応しなくなった10数年
統一教会と国会議員の関わりについては、2004年に朝日新聞が、自民党の衆議院議員(2021年に落選)が関連団体から献金を受けたことを報じている。しかし献金に関する報道はこれが最後。献金以外については、前編で触れた2006年の安倍晋三官房長官(当時)らによる教会への祝電問題が最後だ。

昨年、安倍氏銃撃事件が起こるまで、国会議員に関するこの手の新聞報道はなかった。
2021年に安倍氏が関連団体の大会にビデオ出演した時ですら、新聞・テレビは反応しなかった。
この空白期間に、統一教会と政治家の関係を記事にしてきたのは、鈴木エイト氏と、鈴木氏の記事を連載してきた扶桑社の「ハーバー・ビジネス・オンライン」(2021年にサイト全体の記事配信を停止)。
そして単発だと、鈴木氏や私のルポを掲載した雑誌や「日刊ゲンダイ」くらいだった。
安倍氏のビデオ出演も、「やや日刊カルト新聞」で第1報を出したのは鈴木氏だ。

統一教会以外についても同様だ
「やや日刊カルト新聞」創刊直前の2009年夏、幸福の科学が「幸福実現党」を結成し衆院選に337人もの大量の候補者を立てた。
このこと自体は全国ニュースになったが、この教団の過去の問題を報じた新聞は当時ゼロだ。

2014年に、詐欺罪で服役していた法の華三法行教祖・福永法源氏が出所し、翌2015年に信者たちを集めて「復活祭」を開催。福永氏は詐欺罪とは認めないと言い放ち、信者たちと相変わらずの「最高ですか〜!」「最高で〜す!」の掛け声を披露した。まったく反省はなかった。
これを時事ニュースとして報じた一般紙やテレビはない。
私は潜入取材の映像を「やや日刊カルト新聞」で公表した。複数のテレビ局から映像を貸してほしいと依頼が来たが、「潜入取材の映像は使えない」「すでに罪を償った人の顔や名前は出せない」という理由で、結局、放映されることはなかった。

2015年に山梨県河口湖町で高校生が祖父母を殺害する事件が起こった。
幸福の科学の2世信者で、教団が運営する学校への進学費用目当ての犯行だった。
『週刊新潮』がこれをスクープし、「やや日刊カルト新聞」が公判の傍聴レポートを掲載したが、新聞は幸福の科学にいっさい言及しなかった。

2016年の参院選では、浄土真宗親鸞会の現役信者・柴田未来氏が、石川選挙区の野党統一候補となった。
民進党(当時)が擁立し、機関紙「しんぶん赤旗」で親鸞会を名指しでカルトと報じていた日本共産党までもが推薦した。「日刊ゲンダイ」がスクープしたものの、ほかの一般メディアは完全に沈黙。もちろん「しんぶん赤旗」もだ。

第2次安倍政権下の2017年。宗教団体「不二阿祖山太神宮(ふじあそやまだいじんぐう)」の関連イベントで、安倍昭恵氏が名誉顧問を務め、70人近い与野党の現役国会議員、首長、地方議員が顧問についている問題を「日刊ゲンダイ」がスクープ。偽歴史書に基づくオカルト的歴史観で「富士古代王朝」の存在をアピールする内容もあるイベントなのに、教育委員会や文科省まで後援についていた。
イベント紹介記事を掲載した一般紙はいくつもあったが、昭恵氏や政治家や行政機関の関係を報じたものはない。
それどころか、地方メディアのほか、全国紙では朝日新聞社や読売新聞西部本社まで後援についていた。

2019年に、医療否定の教義を持ちワクチン接種も控えるよう指導していた「救世神教(きゅうせいしんきょう)」で、2世信者たちの、はしかの集団感染が発覚。東海地方では信者以外の人々にも感染が広がった。
当初、教団自身も行政も団体名を公表せず、一般メディアはこれに従った。
団体名を特定して報じた「やや日刊カルト新聞」の記事は、鈴木エイト氏の単独スクープだった。

事件やスキャンダル含みの出来事すら大手の報道がなかったケースは、枚挙にいとまがない。
おかげで「やや日刊カルト新聞」の独自記事や、その記者たちが一般メディアで書く記事は、たいてい単独スクープだった。あまり注目されなかったが。 「空白の30年」が深刻化していった後半は、第1次安倍政権のスタートと重なる。
しかし安倍氏や自民党が懇意にしていた統一教会に限った空白ではない。
つまり「政治の力」だけの問題ではなく、メディア側の姿勢や体質の問題も大きい。

「勧誘に注意」、でも団体名は伏せる
前編で登場した「摂理」(キリスト教福音宣教会)の問題が大きく報じられた2006年以降、全国の大学にカルト対策が広まった。
一般紙が春先に「カルト勧誘に注意」と呼びかけたり、大学関係者などによる取り組みを紹介したりするケースも散見されるようになった。
ここで奇っ怪な現象が生まれる。
注意喚起の記事なのに、具体的な問題団体を名指ししない新聞記事が多数発生したのだ。これでは、何に注意すればいいのかわからない。

大学関係者の間で話題に上る団体は、おおむね決まっている。オウム真理教、統一教会、摂理、浄土真宗親鸞会、顕正会などだ。
niftyの「新聞・雑誌記事横断検索」で「カルト AND 勧誘 AND 注意」を検索すると、2007年以降、2022年12月19日までに154件の記事がヒットする。
うち「オウム」というワードが登場する記事は3分の1程度しかない。
「統一教会」もほぼ同じで、「摂理」は21件。「親鸞会」は2件、「顕正会」1件あるが、いずれも一般紙での記事はゼロだ。

「摂理」は現在も日本で偽装勧誘を展開しており、2018年以降、全国の支部に当たる複数の教会が各府県でそれぞれに宗教法人格を取得している。
信者数は2006年当時の2倍近い約4000人と見られる。
宗教法人化については私自身が2019年に『デイリー新潮』でレポートしたが、それ以外の一般メディアでは話題になっていない。
2022年10月には、教祖が出所後に再び性的暴行を行ったとされる容疑で、韓国で逮捕された。

安倍氏の事件後も残る「不合理な慎重さ」
そんな中、状況が変わりつつあったのが2世問題だ。
安倍氏銃撃事件よりはるか前の2013年から、2世自身による手記の書籍出版が相次いでいた。
2021年までに少なくともエホバ2世の手記が6冊、ヤマギシ会2世の手記が2冊。キンドルでの自主刊行ながら統一教会2世の手記もあった(『カルトの花嫁』として2022年11月に書籍化)。

2世自身によるネット発信も活発化しており、2020年にはウェブサイト「宗教2世ホットライン」が開設される。
「静かなブーム」に目をつけたのか、2020年にAbemaTV(現ABEMA)が、2021年にはNHKが別々の番組で3本、2世問題を特集した。
しかしいずれも団体名を伏せた。

クローズアップされたのは統一教会やエホバの2世。つまり組織的に深刻な問題を生み出してきた団体だ。
しかしNHK「かんさい熱視線」の1本を除いて、組織側の問題にほとんど触れていなかった。
中には、露骨に「親子の関係」に矮小化してみせる番組もあった。
2世問題をネタにはするが、団体への批判に当たりそうなネガティブ要素は極力そぎ落とすという「不合理な慎重さ」だ。
そして前編で触れたように安倍氏銃撃事件後も、多くのメディアがエホバ2世による記者会見などがあっても団体名を報じない。

不合理な慎重さが解除されたのは統一教会についてだけだ。
2022年2月には、「集英社マンガ削除問題」が起こる。
さまざまな教団出身の2世たちの体験談を取り上げた菊池真理子氏のマンガ『「神様」のいる家で育ちました』が集英社のウェブサイトで連載されていたが、幸福の科学からの抗議をきっかけに集英社が全話を削除。3月に連載終了を発表する。
この時、「幸福の科学」を名指しした報道は、週刊誌『FLASH』のみ。
文藝春秋からの単行本化がたまたま安倍氏銃撃事件後になったこともあって、この作品はあらためて注目される。

ここで10月28日に毎日新聞が不可思議な記事をウェブ配信した。
マンガの削除問題に触れているのに幸福の科学の名がないのだ。
それでいて、記事にはこんな一節が。 〈今、菊池さんが危惧するのは、旧統一教会だけが追及されて終わること。
「どんな宗教でも、家庭で子どもの信教の自由が侵害されていれば、それは人権問題です。決して旧統一教会だけの話じゃない」〉

これこそ、統一教会だけを追及して終わらせる記事ではないか。
こんな自己矛盾をきたしてもなお不合理な慎重さを捨てきれずにいる。

ブームが過ぎたら元通り、では困る
「新聞・雑誌記事横断検索」では、安倍氏銃撃事件が起こった7月8日以降の約5カ月間で、「統一教会」「統一協会」が登場する記事は3万4143件(12月31日時点)。
地下鉄サリン事件があった1995年の1年間のオウム真理教に関する報道3万2389件を、すでに上回った。
一見、空白の30年が大きく崩れたかのように見える。
しかも今回は内容面でも、カルト的な集団について過去に繰り返されてきた瞬発的な時事報道とはまったく様相が異なる。

政治家の問題、金銭被害、2世問題など多岐にわたるテーマで、独自の取材によって事実を掘り起こすものや、被害の救済や予防につながる問題提起的な報道が目立つ。
それが事件から半年近く経っても収束しない。
十分とはいえないものの政界も大きく動いた。
いま大手メディアは、優秀な人材を集めた組織ジャーナリズムの本領を遺憾なく発揮している。
中央の大手に比べて体力的に余裕があるわけでもないはずの地方メディアも、同様だ。
しかしこれだけでは、ほかの宗教団体の報道ではいまだ残る不合理な慎重さを断ち切ることはできない。
これができなければ、「統一教会ブーム」が落ち着いた後、再び暗黒の空白がやってくる。

事件の前も後も、現場の記者たちの熱意をそぐのは、各社の「上の人たち」だ。
安倍氏銃撃事件が起こる1年ほど前、私は統一教会以外のカルト的な集団の報道をめぐって、大手新聞の記者からこんな言葉を聞かされた。 「訴訟にならなくても抗議文が来るだけで、社内で上司の責任問題になる」
各社の上の人たちには、こうした自社のあり方を再考し、現場の記者たちが存分に問題意識をはっきできるよう、しっかり守って後押ししてほしい。
すでに発揮されている大手メディアの本領を、統一教会問題だけにとどめてしまうのはもったいない。
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2023年02月07日

「賃上げ」ムード喜べない非正規労働者の賃金事情

「賃上げ」ムード喜べない非正規労働者の賃金事情
仮に春闘で高い賃上げ率が実現できたとしても
野口 悠紀雄 : 一橋大学名誉教授
2023/02/05 東洋経済オンライン

非正規労働者の賃金はどうなるか?
物価高騰が続く中で、賃金がどれだけ引き上げられるかが注目されている。
そして、今年の春闘でどれだけの賃上げが実現されるかが、今後の日本経済の動向を左右すると言われている。
その際に忘れてはならないのは、非正規雇用者の存在だ。
これらの人々の賃金は、春闘によってはほとんど影響を受けない。
そして、それらの人々は、全雇用者の中で4割に近い比率(2022年11月では36.8%)を占めているのだ。
これらの人々の賃金がどうなるかは、経済全体の賃金動向に大きな影響を与える。

非正規労働者は、大きく3つのグループに分類できる。

第1は女性だ。
女性労働者の53.8%が非正規だ。
第2が若年者のアルバイト。
そして第3が、 50代後半から60代にかけての男性だ。

最初の2つのグループは、どちらかと言えば家計補助的な場合が多い。
しかし、第3のグループは、家計を支える役割を果たしている。
以下では、第3のグループについて考えることとしよう。

25歳からは、正規労働者が大部分になる。
そして、この状態が50代前半までは続く。
ところが、50代の中頃から非正規の比率が高くなって、全体の4分の1程度になる。
このあたりで、正規から非正規への移行が行われていることがわかる。

女性や若者の非正規労働者はパートタイマーが多いが、この年齢層の男性の非正規労働者は、契約社員も多い。
同一の企業のなかで正規から契約社員などへの変更が行われる場合もあるだろうし、別の会社に転職して契約社員になる場合もあるだろう。

日本ではいまだに終身雇用が続いていると言われる。
しかし、正規雇用をずっと続けられるわけではないことへの注意が必要だ。

賃金は、50代でピークになる
年齢別の賃金の状況を見ると、図表2の通りだ。 25歳以降、年齢が高くなるほど賃金が高くなる。
日本の賃金が年功序列的になっていることがわかる。
ところが50代になると頭打ちになる。
そして60代になると、急激に低下する。
これは図表1で見た雇用形態変更の影響だと思われる。
つまり50代の半ばごろから非正規社員への移行が行われ、そこで賃金がカットされるのだ。
なお、図表に示した女性の場合、50代半ばで最高にはなるものの、その後に、男性の場合のような急激な低下は見られない。 この年齢になれば、子供が大学を卒業し、就職して所得を獲得し始めるだろう。したがって、生活費は減少することになるだろう。

しかし、公的年金の受給は65歳からだから、60代の前半には給料も減らされ、年金も得られないということになり、生活条件はかなり厳しくなる。
現在、公的年金は65歳から支給されることになっている。
しかし、年金の財政事情は今後厳しくなることが予想される。それに対処するために、支給開始年齢の70歳への引き上げといった措置が取られる可能性は否定できない。

そうなると、60歳になれば非正規になって賃金が減らされ、しかも年金も得られないという状態になる。
その状態が10年間程度続くことになる。

年齢別の労働力人口比率は、どのように推移するか?
労働力率が低下する(退職する)のは、どの時点だろうか?
図表3に示す年齢階級別の労働力人口比率の数字をみると、第1に、65歳以上で大きく低下していることがわかる。
これは、年金を受給して、退職後の生活に入っていることを示している。
第2に、55〜64歳で若干低下している。
しかし、労働力調査では、10歳階級の数値しかわからないので、60歳のところでどう変化しているかは、推測するしかない。
仮に55歳から60歳までと60歳から64歳までの人口数が等しく、かつ50歳から60歳までの労働力率が95%であるとすれば、60歳から64歳までの労働力率は84%ということになる。
つまり、この段階で引退する人はごくわずかだ。多くの人は60歳以降も働き続ける。

ただし、そのかなりの人が非正規になる。
以上で述べたことを年齢別に追えば、つぎのようになる。

(1) 15歳から24歳まで:労働力率は46.6%つまり、約半数の男性が働いている。
これらのうち約半分を占める正規雇用者は、高卒の人々であろう。非正規は大学生のアルバイトだろう。
(2) 25歳頃には、大学卒業生も就職して働き始め、労働力率は約95%になる。
正規雇用者が9割近い。つまりほとんどの男性が働き、そのほとんどが正規だ。
この状態が54歳頃まで続く。賃金も年齢とともに上昇する。 55歳頃に賃金が最高になる。
(3) 50代の半ばごろから非正規社員への移行が行われ、賃金もカットされる。 59歳頃までは、労働力率は95%のままだ。つまり、ほとんどの人は、非正規になり賃金が低下しても、働き続ける。
(4) 60〜64歳では、労働力率が84%に低下。つまり、それまで働いていた人の約12%が引退する。ただし、この年齢では、公的年金は受給できない。
(5) 65歳になると年金が受給できるので、多くの人が引退し、労働力率は35%程度に低下する。

賃金引き上げの恩恵にあずかれぬ人々が約半分
賃上げの恩恵を受けられる人は、上記のうち(2)に属する人々(25歳から54歳)に限られる。
この年齢階層の男性総人口は、約2340万人だ。
それに対して、上記のうち(3)、(4)に属する人々(55歳から64歳)は、働いていても非正規なので、賃上げの恩恵を受けるのは難しいと考えられる。
この年齢階層の人口は約745万人だ。
そして、65歳以上の人が約1534万人おり、彼らは、賃上げとは無関係だ。物価高騰の被害を受けるだけである (年金はインフレ・スライドするが、マクロ経済スライドが発動されるので、年金名目額はほとんど増えないだろう)。

結局のところ、賃上げの恩恵を受けられる成人男性は、成人男性全体の約半分でしかないということになる。
しかも、(2)に属する人々の中でも、中小零細企業の雇用者の場合には、大幅な賃上げを期待することは難しいだろう。
したがって、仮に春闘で高い賃上げ率が実現できたとしても、それが日本の状況を大きく変えるとは考えにくい。
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2023年02月08日

長井秀和・西東京市議 激白60分「宗教の正義のもと、家族が敵に回る。これが問題の根深さ」

長井秀和・西東京市議 激白60分「宗教の正義のもと、家族が敵に回る。これが問題の根深さ」
2/5(日)  FRIDAY

昨年12月25日の西東京市議選挙でトップ当選をはたした長井秀和(53)。
彼のもとには連日、「宗教被害に関する相談が寄せられている」という。
「高額献金に苦しんでいる方、家庭が崩壊した方、宗教2世の方からで、神奈川、埼玉、茨城とあらゆるところから来ます。もはや『市』レベルではないですね」

安倍晋三元首相銃撃事件で宗教問題がクローズアップされたことで「潮目が変わったのは間違いない」と長井は言う。
「毎日、辻立ちしていましたから、私に浮ついたところがないことは有権者もわかってくれていたと思います。
ただ、あの事件を機にフライデーさんがインタビューに来て(’22年9月16日号)、その後も週刊新潮、週刊文春と立て続けに取材が入った。
メディアを介した”空中戦”もできるなら勝てる、と確信しました」

創価学会の元エリート2世信者として見聞きした学会の内情を、演説やメディアを通して暴露。
多くの支持を集めたが、失ったものもあった。家族である。
「週刊新潮のインタビュー内容が事実無根だとして、(学会側から)抗議書が来ました。
ビックリしたのは、長井家は仏壇関連に約2000万円を投じた、という記述を『仏壇は1基しか買ってない』と母が否定していたこと。ウチは55年も創価学会歴があるのに、1基で済むわけがないでしょう。
実家は個人会館といって、多くの方が来る集会所、宗教ハウスだった。
”勧誘ホイホイ”みたいなところだったんですから。
私自身、たくさん仏壇があったのを覚えています。
甥っ子や姪っ子のぶんまであって、人にあげたりしていた。

創価が日蓮正宗(しょうしゅう)と別れたとき、信者たちは仏壇の”ブランドチェンジ”(買い替え)をしたのですが、それも忘れている。
息子が法的に不利になるかもしれないのに、親さえも事実を捻じ曲げる。
宗教の正義のもと、家族が敵に回る。これが宗教問題の根深さです」

年が明けると、自宅に訴状が届いた。
「ネットに上がっていた私の演説の一部分が名誉毀損にあたると、1100万円の損害賠償請求をしてきました。
選挙期間中の演説で、’95年に転落死した朝木明代・東村山市議について話した箇所です。
信濃町(創価学会)は、YouTubeまでチェックしているわけです。
ただ、私がこの話をしたことによって、当時事件の周辺にいた方たちから色々な情報が寄せられているんです。
玉石混交ですが、ウラがとれたら大事(おおごと)になりますよ」

選挙を通じて得たものもある。
宗教問題に取り組む仲間だ。
幸福の科学の大川隆法(りゅうほう)総裁の長男、大川宏洋(ひろし)氏(33)とは、応援演説を通じて知り合った。
「実は統一地方選に向けて、カルトと闘う議員さんをいろんな選挙区に立てているんですよ。
候補者と私の顔写真が載った二連ポスターや二連幟(のぼり)がすでに10地区で立っています。
渋谷区、江東区、横浜、市川(千葉県)、広島の大竹市……ちょっとした党首みたいですよ(笑)」

西東京市議としては、「カルト問題に関しての調査委員会、救済委員会を立ち上げたい」と意気込む。
「西東京は市長が市長選の期間中(’21年2月)に宗教団体の集会を訪問しているんです。
政治家と宗教団体の関係が不透明。
市として、どこが宗教関連施設なのかをどう識別し、どう対応するのか。
市議会で突き上げていきます。
児童相談所で保護されている子供たちが宗教行事や儀式に強制参加させられる問題についても、積極的に声を上げていきたい。
遅れている防災ネットワークづくりもせねば」

元エリート宗教2世という異色市議が、にわかに存在感を発揮し始めた。

『FRIDAY』2023年2月10日号より
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2023年02月09日

大阪府知事選に挑む谷口真由美が受けた罵詈雑言「女性が選挙に出る怖さと意味」

大阪府知事選に挑む谷口真由美が受けた罵詈雑言「女性が選挙に出る怖さと意味」
2/8(水)  現代ビジネス

 日本は女性の政治参画が世界でも最下位クラスだ。
ジェンダーギャップ指数の政治分野で日本は146カ国中139位。
谷口真由美さんはこの状況を変えるためにも、自ら大阪府知事選に挑む姿を女性たちに見てもらい、女性の政治参画の背中を押したいと話す。

 法学者で、ラグビー協会の理事も務めた谷口真由美さんが、大阪府知事選へ挑戦すると決めた。これまで何度も打診がありながらも政治の世界には入らないと固辞してきた谷口さん。
なぜ今回は決断したのか、ジャーナリストの浜田敬子さんが谷口さんにオンラインで独占インタビューした後編

 前編「谷口真由美、大阪府知事選挑戦の理由「吉村さんと大将戦で維新政治を検証したい」」では、吉村洋文現大阪府知事との「大将戦」を決断した理由を詳しく伺った。
後編では、女性として選挙に出ることの話や家族の反応、そして知事選挑戦の可能性が報じられてからのことを伺っていく。

女性が選挙に出ることの怖さ
――女性が選挙に出ることを躊躇するのは、票ハラ(票ハラスメント)などの嫌がらせを受けたり、リアルでもネット上でも様々な個人攻撃にさらされたりすることも一因です。
その背景には「政治は男がするもの」という根深い差別意識もあります。
谷口さんもおそらく言われのない攻撃を受けられると思いますが、怖さのようなものはないですか。

谷口:
私が叩かれるのを見て、さらに政治の世界に入ることを躊躇う女性も出てくるかもしれません。
先日首相を辞任したニュージーランドのアーダーンさんは評価の高かった政治家ですが、それでもしんどかったんだと感じました。
日本だけではない、女性が政治をするのは世界でもまだしんどいんだなと。
 府知事選挑戦を検討しているという報道が出た段階で既に、罵詈雑言、攻撃的や暴力的な書き込み、私を巡る陰謀論に至るまでそれは凄まじいものがあります。
見知らぬ人はもとより、友人だったのでは? という人からも、直接聞かれることもなく、思い込みによる個人攻撃も受けました。
なかには、人権と関わってきたと思っていた人でも、ミソジニー(女性嫌い)丸出しのことを書いていたり。
知らない人から書かれる怖さより、知ってる人からの残念な対応には、正直なところ心が痛くなりました。
 それでも私は、今回自分の「被選挙権を行使しよう」と思ったんです。
選挙に出るのは権利。
だったらそれを私が行使することで、女性たちが「私も」と思えて、世界が1ミリでも進むのであれば出ようと。

自宅を公表していないのに夜中までチャイムが  
――もう一つ女性が選挙に出るときのハードルは家族だと言われてきましたが、家族はすぐに賛成してくれたのですか。

谷口:
私はシングルマザーでよかったと思ってます。
夫がいたら無理やったなと。
自分の妻が選挙に出るなら離婚するという夫の話はよく聞きます。
それで最後は夫が折れたという話はほとんど聞いたことがない。
 子どもたちにはよく相談しました。
留学中の高校生の娘は最初「え、嫌や!」って言いました。
「なんで?」って聞くと、「お母ちゃんそこそこ人気者やん。泡沫候補で落ちてネタになるならいいけど、なまじ受かったら忙しい。
ラグビー協会より大変やん」と心配をしてくれたんですね。

 中学生の息子も最初は「嫌や」と。なんで嫌なん? て聞くと、「俺はな、政治家なんて嫌やん、そういう大人に突っ込み入れてるお母ちゃんが好きやねん」と。
でもその後、「やっぱり出ようと思うねん」って言ったら、「いいんちゃう?」って。
 けれど、「府知事選挑戦を検討」という報道が出て、ひっきりなしに夜中までマスコミによる取材で携帯電話がなり続け、自宅のインターフォンにも夜遅くまで何人もの男性記者さんが、入れ代わり立ち代わりピンポンを鳴らし続けたため、出かけていた子どもが怖くなって家に帰ってくることができず、夜遅くまでお友だちのおうちに避難させてもらったんです。
頼りになったのは、ママ友と、受験生である息子の友人たちでした。

 公表されていない自宅がなぜわかったのか、どう漏れたのかと。こんなことになるなら、女性の候補者は増えないなと実感しました。
女性の自宅に強盗が押し入り、殺人事件になっている昨今、見知らぬ男性が夜遅くまでインターフォンを鳴らす姿を見るのは、正直なところ本当に怖いです。
子どもを守るのは私しかいない。やっとの思いで帰宅した息子がボソッと、「こういうのが嫌やねん。大人は汚いし、えぐいわ」と。
何年かぶりに、「ごめんね」と言って、息子を抱きしめました。

 子どもが「やっぱり嫌や」って言ったら、今日の最後の最後まで、やめることも考えていました。
 選挙報道の在り方も、こういう立場になったからわかったことです。
公人ではない一般の人でも、選挙に出るかも? とひとたび報道されると、個人情報はダダ漏れで、プライバシーがなくなることにも怖さを感じました。
家族のことを考えたら、検討中の人でもやめる人もいるかもしれない。それがわかっただけでも、次の人のために伝えられることはあるかもしれないなと思いました。

「政治的に色がつく」の意味  
――選挙に出ると「政治的に色がつく」と言われ、その後のキャリアを心配して躊躇する人もいます。  

谷口:
私はラグビーの新リーグ発足準備室長に専任するために、一度大学の教員やテレビのコメンテーターの仕事全てを辞めたことがあります。
ラグビー協会の仕事で失ったものを取り戻すのに時間はかかりましたが、それでもあの時の経験がスポーツハラスメントをなくす活動に繋がったりもしています。
だから一度仕事やキャリアを全部捨ててもなんとかなるなって思っています。
そして、どんな状態になっても、離れない人がいることもわかりましたし。そういう意味では、あの経験に感謝です。

 ラグビー協会でえらい目におうたから、政治の世界はあれの何倍かあるかもしれんよっていう忠告も受けました。
なら、『おっさんの掟2』が書けるかなとも思ってます。
 今回「政治色がつく」ってどういうことかなって思ったら、「落ちてももう一回政治に出るって思われること」と言語化してくれた人がいて。私は今回の挑戦だけに絞ろうと思っていて、その後国政にいくとか全く考えていません。
もちろん当選すれば2期目などは考えるかもしれませんが。

選挙は闘いというよりも「祭り」やなと  

――日本の政治が硬直化して閉塞感があるのは、政治を一生の職業とすると決めた人だけが政治家をしているからだと思います。
企業などで働いているが一定期間だけ政治に関わってみようと思え、誰もが政治とそれまでのキャリアを出入り自由に行き来できるようになれば、政治の世界は変わるような気がします。

谷口:
それだけ政治が遠いし、障壁も大きい。
政治のバックグラウンドがない人が市町村議などに挑戦しやくするために、供託金ももっと安くていいと思います。
 政治は自分達には関係がないんだ、政治はおっさんがやっているという一種の諦めがあると思うんです。

でも、私はおばちゃんの目線から「政治はあなたのことなんだよ」って伝えたい。
あなたが今もし政治から置き去りにされているという感覚を持っているとしても、選挙に行ったら変わるかもしれんよ、と伝えたい。
 選挙って「闘い」っていうけど、私は祭りやなって。
若い人や女性たちを巻き込んで盛り上げていければいいなと、それで投票率があがったらいいなと思ってます。

浜田 敬子(ジャーナリスト
  /前Business Insider Japan統括編集長
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2023年02月10日

健康な人はPET検診や脳ドックを受ける必要はない…鎌田實「長生きするためにやってはいけないこと」

健康な人はPET検診や脳ドックを受ける必要はない…鎌田實「長生きするためにやってはいけないこと」
医師・作家 鎌田 實
2023年02月09日 PRESIDENT Online

健康でいるためにはどんなことに気をつければいいのか。
諏訪中央病院の名誉院長で作家の鎌田實さんは
「健康のために検査を受けすぎるのはよくない。
たとえば大腸内視鏡検査は5年、10年に一度で十分。不要な検査や服薬を避けることを心がけてほしい」という――。
※本稿は、鎌田實『60歳からの「忘れる力」』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

■「正常値」に縛られなくていい
高血圧の診断基準は、最大血圧が140mmHg以上か、最小血圧が90mmHg以上になる場合で、正常血圧は120/80です。 ぼくは、多くの高血圧患者さんに「130/80」を目標に生活指導をしています。
まずは生活習慣の改善が大事です。
すぐに薬を出すことはしませんが、必要なときには出しています。

70歳以上の人には、血圧の治療目標設定を150/90に上げています。
高齢になると軽い動脈硬化を起こしている人が多くなります。
その状態で、無理やり多量の薬で血圧を下げると、脳や心臓へ血液を流す力が弱くなってしまい、かえってよくありません。 年齢や血管の状態を見極めて、微妙なさじ加減が必要なのです。

やはり、正常値にこだわりすぎず、高血圧につながるような生活全体を改めていくというのが基本です。
血圧からは、高いか低いかという以外に、もっと踏み込んだこともわかります。
次の計算をしてみてください。
脈圧=最大血圧−最小血圧脈圧は、大動脈や心臓の冠動脈といった太い血管に動脈硬化があるかどうかの目安になります。
血圧が127/78の場合、脈圧は49です。30〜50は正常と考えています。
65以上になると太い血管の動脈硬化を疑い、レントゲン検査やエコー検査、心電図の検査などをしています。
みなさんも自分の血圧を測り、脈圧を計算して、血圧管理のモチベーションにつなげてほしいと思います。

脳梗塞や心筋梗塞を起こす太い動脈の老化を防ぐには、運動、野菜、減塩がキモです。
血圧はかなり高くなっても、自覚症状はほとんどありません。
「静かな殺し屋」(サイレントキラー)ともいわれるように、じわじわと血管を傷つけ、脳卒中につながる動脈硬化を進めます。

高血圧患者は正常血圧の人より認知症のリスクが1.6倍に高まるという研究論文もあります。
正常値にこだわりすぎず、上手に血圧をコントロールしていきましょう。

■姿勢のクセは関節トラブルを招く
毎日の生活習慣によって、いつの間にか背中が丸まって猫背になったり、ひざや腰が曲がったりします。
健康のためウォーキングをしている人も、姿勢がよくないとひざや腰に負担がかかったり、関節の可動域が狭まったりするので、ときどき姿勢をチェックしましょう。

正しい姿勢を横から見ると、腰椎(ようつい)や頸椎(けいつい)がゆるやかなS字を描いています。全身が映る鏡の前に立ち、正面や横から自分の姿勢を見てみましょう。
壁に背をつけてまっすぐに立ってみるのもいいでしょう。
壁にかかとをつけて立ったとき、背中や後頭部が壁につかない人は、姿勢が前傾している証拠です。

姿勢のゆがみの原因の一つは筋力の低下です。
また、いつも同じ肩にバッグをかけている、足を組んで座るときに上になる足がいつも同じなど、左右どちらか一方に偏っている習慣によっても生じます。
こうした姿勢のクセを、一日一回、姿勢を正してリセットしましょう。
姿勢が正しいと、見た目も若々しくなります。
気持ちも前向きになり、関節のトラブルも防いでくれます。

■お風呂では「手のひらでやさしく洗う」
毎晩、お風呂にゆっくりつかることは、自律神経を整える意味でも、安眠のためにも、そしてもちろん清潔を保つ意味でも大切な習慣です。
ただし、体の洗い方で注意したいのは、ゴシゴシ洗い。
ナイロンタオルで赤くなるほどゴシゴシ洗わなければ洗った気がしないという人がいますが、皮膚の角質層が削られてしまいます。
高齢になると皮膚が薄くなり、ちょっとした刺激で皮膚がかゆくなる老人性皮膚搔痒(そうよう)症が多くなります。
皮膚がかゆいからといってナイロンタオルでゴシゴシ洗うと、ますますかゆみが悪化してしまいます。

毎日お風呂に入る人なら、お湯をかけて、手のひらで皮膚をやさしくこすり洗いするだけで十分です。
せっけんやボディソープを使いたいという人は、泡をたっぷり立てて、泡の力で洗うようにします。
お風呂あがりは、ボディクリームや保湿剤を忘れずに。
また、皮膚に栄養を与えている毛細血管の老化は、運動で防ぐことができます。
内と外から皮膚の健康を守りましょう。

■頼りになるのは「名医」ではなく「良医」
多くの人は「名医」にかかりたいと願いますが、かかりつけ医として選ぶなら、狭い分野で専門性を発揮する「名医」よりも、なんでも相談しやすい「良医」のほうが頼りになります。
良医は、高齢期を最後まで伴走してくれるのです。
ぼくが名誉院長を務める長野県の諏訪(すわ)中央病院は「総合医」の研修が充実していて、日本各地の医学部を卒業した若いドクターたちが研修に来ます。
この総合医は良医になる可能性が大きいと思います。

20年ほど前、ぼくは『病院なんか嫌いだ』(集英社新書)の中で、「良医」にめぐりあうための10箇条を次のように紹介しました。
@話をよく聴いてくれる
Aわかりやすい言葉でわかりやすく説明してくれる
B薬や検査よりも生活指導を重視する
C必要なときは専門医を紹介してくれる
D患者の家族のことまで考えてくれる
E患者が住む地域の医療や福祉をよく知っている
F医療の限界を知っている
G患者の痛みやつらさ、悲しみを理解し、共感してくれる
H他の医師の意見を聞きたいという患者の希望に快く応じてくれる
Iショックを与えずに真実を患者に伝えられる

この10箇条は、ぼくが医師として心がけてきたことでもあります。
いま読み返してみると、どれも当たり前のことのようですが、当時の診察室では当たり前になっていなかったのです。
いまもそうかもしれません。

■「いつでもそばにいるから大丈夫」と言えるかどうか
この10箇条を、永六輔さんがラジオ番組などでたびたび取り上げてくれました。
そのうちに、「いい患者の10箇条」なるものもつくられました。
その10箇条目がすごいのです。

「生きているのに、ご臨終ですと言われたら、死んだふりをしてあげる」 これには笑ってしまいました。
笑えるだけでなく、「医者だって人間だからミスするものだ」という、ちょっとした毒も感じられます。
けれど、永さんの意図は、もっと深いところにあるのかもしれません。
「ご臨終です」と言われて、しばらく死んだふりをしたあと、「ぼく、まだ生きてるよ」と薄目を開けて周囲を驚かせる。
そんなことがあったら、湿っぽい臨終の場面は一転して大爆笑に変わります。
患者本人も、医師も、看護師も、家族も大笑いしながら、力を抜いて「死」を迎え入れることができたら本物の大往生です。

死ぬときは、どんな経過をたどるのか。痛みや苦しみはないのか。それを取り除く方法はあるのか。
最期まで点滴をする必要はあるのか。そうした死への経過を説明してくれて、「いつでもそばにいるから大丈夫」と言ってくれる医師が「良医」であり、その役割に気づかせてくれる患者が「いい患者」なのでしょう。

■大腸内視鏡検査は5年、10年に一度で十分
健康のためとはいえ、痛い、つらい、恥ずかしい検査はできることなら受けたくありません。
なかには、微量ながらも放射線被曝をする有害な検査もあります。
何が必要で、何が不要な検査かの見極めが重要になります。

アメリカの内科専門医認定機構財団では、不要な検査や治療をなくす「チュージング・ワイズリー(賢い選択)」という取り組みをしています。
たとえば、大腸内視鏡検査は5年、10年に一度で十分。
必要以上に多く検査すると、検査による合併症のリスクや費用が高くなってしまい、検査によるデメリットがメリットを上回ってしまうというのです。
また、チュージング・ワイズリーでは、健康で無症状の人にPETによるがん検診や、MRIによる脳ドックも推奨されていません。
日本ではこれほどスッパリ切り捨てられていませんが、ぼく自身はこれらの検査を受けていません。
家族がくも膜下出血を起こし、自分も起こすのではないかと心配しすぎる患者さんには、脳動脈瘤を疑い、保険診療のなかで造影CT検査やMRI検査をすることもあります。

日本では、ちょっとした発熱に対しても抗生物質を処方する医師がいますが、感染症には効果がなく、むしろ多剤併用によって耐性菌をつくり、抗生物質が効かなくなるリスクがあります。
不要な服薬や治療はしないことが大切なのです。

■健康なうちに終末期の過ごし方を考えておくべき
とくに、不要な医療が問題になるのが終末期です。
口から食べられなくなったときに、胃ろうをつくって栄養を得られるようにすることがあります。
その処置を受けるかどうか、家族や主治医に伝え、できれば書面にしておきたいものです。
自発呼吸ができなくなったとき、人工呼吸器をつけるかどうか。
心臓が止まったあと、蘇生処置をするかどうか。
最期はどこで過ごすか。そういったことをよく考え、毎年、自分の誕生日などに意思を伝えておくこと。
自分の人生のしめくくりを後悔しないために、何が不要で何が必要か、健康なときから考えておきましょう。

胃ろうや人工呼吸器、蘇生処置……決めるのはあなた。
健康なうちによく考え、家族や主治医に意思を伝えておこう。
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2023年02月11日

「自衛隊かわいそう論」の大嘘 トイレットペーパーも足りない、を信じてはいけない

「自衛隊かわいそう論」の大嘘 トイレットペーパーも足りない、を信じてはいけない
文谷数重/元3等海佐・軍事研究家
2/10 日刊ゲンダイ

自衛隊員の待遇は、本当に悪いのだろうか。
「自衛隊かわいそう論」がある。
官舎はボロく、職場には冷暖房もない。コピー機やトイレットペーパーも足りない。
その改善のためにも、防衛費増額が必要だ、とする内容である。

はたして、この主張は正しいのだろうか。
結論からいえば信じてはいけない。
いずれも防衛側の怠慢か嘘である。

まず、官舎は他の国家公務員と同じレベルだ。
宿舎法の規定から横並びである。
古い官舎だとしても、海自と空自の官舎は、それほど悪くはない。
サッシを交換する、フローリングに張り替える、風呂釜を交換するとマメに手を入れているからだ。
ところが、陸自はマメな手入れをしない。
たまに官舎まるごとの大規模改修をするだけだ。
そこから漏れる官舎はボロいままだが、それは自業自得である。
亀裂だらけの官舎という風説もあるようだが、それもありえない。

産経系メディアでは「外壁にひび割れがある官舎」の写真が出てくる。
そして危険であると主張している。 フェイクである。
外壁補修中の写真を出しているだけだからだ。
幅1ミリもない亀裂について、雨水の通り道とならないように黒色のゴムで止水した状態だ。安全性には全く問題はない。
また仕上げに外壁塗装をするので亀裂跡も残らない。

他例も同様である。
冷暖房、コピー、トイレットペーパーが不足するのは陸自だけ。
海、空では使い放題である。
理由も、やはり陸自の自業自得だ。
まずは予算配分の問題がある。
これらは庁費や雑運営費ほかの予算で賄うが、陸自は中央が吸い上げる。
地方部隊に十分な額を渡していない。
その使い方も悪い。

トイレットペーパーでは、関東や北海道の地方単位で高値で一括調達する無駄があった。
その上、輸送費を使い倉庫から各地の部隊に渡していた。
しかも、現地部隊にはカツカツな量しか渡さない。だから品切れが起きるのである。

当然だが、一度でもなくなると隊員はため込む。
用心して自分用に1巻2巻を失敬する。
そうなると、部隊中から紙がなくなる悪循環に陥るのだ。

自衛隊かわいそう論は嘘でしかない。
人情を利用して防衛費増額を迫る悪質詐欺であり、だまされてはいけない。
      =つづく
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2023年02月12日

1億円あっても「取り崩す」だけなら足りない…お金の価値が下がる「インフレ時代の老後」に必要なマネー能力

1億円あっても「取り崩す」だけなら足りない…お金の価値が下がる「インフレ時代の老後」に必要なマネー能力 会計学博士 榊原 正幸
2023年02月11日 プレジデントオンライン

老後のお金の不安は、どうすれば解消できるか。
会計学博士の榊原正幸さんは「預金ではインフレに対抗できないので、いくらあっても老後の不安は払拭できない。
退職後も資産を増やし続けられるように、なるべく早いうちに株式投資の運用能力を身につけておくべきだ」という――。
※本稿は、榊原正幸『誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

■老後資金の不安解消のために必要な能力
「老後の不安」において、常に1位と2位を争っているのが「健康の問題」と「お金の問題」です。
ここでは「お金の問題」について簡潔に述べてみます。

お金の心配をしないためには、「資産を築く能力」が不可欠です。
では、この「資産を築く能力」とは、いったいどんなものでしょうか。

一つはもちろん、「働く能力」です。
定年などで本業を辞めたあとも、定年後再雇用や転職、独立起業、あるいは副業などで「イヤじゃない仕事をする」ことができれば、定年後も安定した収入が得られます。
しかし、定年後再雇用の賃金は、定年前より下がるのが普通ですし、起業もうまくいくとは限りません。
また、「副業」による収入は十人十色で、月額5万円以下の人もいれば、100万円以上稼ぐ猛者もいます。

月額5万円以下の人は、やはりそれだけでは心許ないですし、月額100万円以上稼ぐ猛者でも、身体を壊したりして働けなくなったあとのことも考えておかなければなりません。
そこで必須となるのが、株式投資による資産運用です。
最近よく耳にするようになった「お金に働いてもらう」というやつです。

本当は40歳前後から株式投資を実践して、60歳になる頃には20年くらいの投資経験を積んでいてほしいところではありますが、どんな年齢でも、今から始めて遅いということはありません。
しかし、よく言われるように「投資経験がないのに、退職金を全額つかって投資」は絶対にダメです。
最初は少額でいいのでコツコツ投資を繰り返し、運用能力を身につけていくのです。
この「運用能力」こそが、もう一つの「財産を築く能力」です。

株式投資によって増えていく財産は、「お金」でもありますが、「経験値」でもあるのです。
逆もまた真で、株式投資の経験を積んでいった証が、財産の金額なのです。

■最終的には「運用能力」がモノを言う
株式投資での運用利回りは、配当利回りで3%、キャピタルゲインで7%(いずれも税引き後)の10%を目標とします。
投資初心者の方のために説明しておきますと、配当とは株式を持っている人に対して、一定の期間ごとにその企業から支払われる金額のことを指します。
通常、「1株当たり○○円」という形で提示され、多くの株を持っていればそれに比例して配当額は多くなります。
キャピタルゲインとは、株が購入時よりも高くなってから売ることにより得られる利益のことを指します。
「株で儲ける」というと多くの人がイメージするのは、こちらかもしれません。
ともあれ、この二つで毎年10%の利益を得ることができれば、老後の運用資金総額が5000万円なら年額500万円、1億円なら年額1000万円の運用益が見込めます。
これは、老後の経済的な安心という意味で、かなりデカいです。

そして、「本当に身についた運用能力」というのは(年によって浮き沈みはあるものの)決して失いませんし、比較的安定した成果が出せるものです。
たとえば、年金収入が手取りで月20万円あり、副業からの収入が手取りで月10万円あれば、それだけで月額30万円を確保できます。
それに加えて、運用資金総額が3000万円あって、株式投資で(手取り)年率10%を達成できれば、年間で300万円、毎月にすると25万円の可処分所得が得られます。合計すると毎月55万円です。これで、かなりゆとりが持てますね。

■株式投資はインフレに強い
さらにいえば、株式の価格はインフレとともに上昇しますので、インフレ対抗力もあります。
強いインフレによって生活費が100倍になっても、株式投資から得られる収入も100倍になれば、十分ゆとりある生活が送れるのです。
老後のお金の不安は「運用能力」を身につければ、完全に解消されます。

私は株式投資による運用ができるおかげで、老後のお金の不安は皆無です。
株式投資をしていなかったら、平日は「ヒマだ病」に襲われるし、お金の安心は得られなかったと思います。
でも今は、そんな老後はまったく考えられません。
「老後には株式投資はしてはいけない」とか、「株式投資をするとしても少額にしなさい」とかいうのは、完全に「前世紀の発想」です。21世紀は、その正反対です。
「運用能力なくして、老後の安心なし」です。

■貯金だけでは「1億円」あっても安心できない
一方、最も不安なのが「貯金を取り崩すだけの老後」です。
たとえ5000万円の現金があっても、毎年300万円ずつ下ろしていったら満17年を迎える前に枯渇します。
60歳の人なら76歳までしかもちません。
1億円あったとしても34年弱、93歳で枯渇してしまいます。
しかも、現金や預金ではインフレには対抗できません。

日本はこれまで、少なくとも1991年から2003年までの13年間はデフレ経済でしたが、それだけのデフレ期を含めてさえもバブル前の1986年(37年前)と比べたら、いろいろなものの値段は2倍くらいにはなっています。
つまり、「1億円」が枯渇する34年後の300万円の購買力は、現在の2分の1かそれ以下になっている可能性が極めて高いのです。
ということは、貯金を取り崩すだけの老後なんて、「ジリ貧」でしかないのです。

■「安定した老後」を3タイプでシミュレーションする
では、運用能力を身につけることで、どのような老後の設計ができるのか。シミュレーションをしてみましょう。

地味で平穏な生活を好む「ジミーさん」と、普通の生活で大満足な「ノーマルさん」、そして、老後も優雅で派手な生活を送りたい「ハデーさん」の三つのタイプです。

【タイプ1】
生活費が月額30万円のジミーさんの場合ジミーさんの場合、リタイア後の「満足する生活費」を「月額30万円」とします。少々多いと思われるかもしれませんが、普段の生活費に加え、住居の修繕費や介護費、その他にも突発的な出費も考慮に入れると、月額30万円でも地味なほうです。
ジミーさんは、65歳まで勤め上げ、収入は年金に移行します。
年金は世帯で月額20万円。この時点で、退職金を合わせた金融資産が3000万円ほどあるとします。 ただし、生活費30万円に対して年金は20万円ですから、あと10万円が不足します。
そこで、この不足分を「運用」によって賄うのです。
ジミーさんの長期的に達成可能な運用能力は税引き後で「年3%」だとします。
私が推奨する「年10%」に比べ、かなり控えめな値です。

@リタイア後の「満足する生活費」の月額:30万円
A運用利回りと受け取る利益の額:年率3%×3000万円=年90万円(月額7万5000円)
B世帯が受け取れる年金の月額:20万円 収支:収入27万5000円−支出30万円=マイナス2万5000円ということで、目標額に月2万5000円ほど足りないということになりますが、このくらいの金額なら運用以外の「副業」で賄えるでしょう。
これでぴったり収支が合いました。
財政赤字を垂れ流しっぱなしの日本政府にも見習ってほしいところです(笑)。
もちろん、運用能力を高める、あるいは定年時の資産額を上げることで、副業なしで収支を合わせることもできるでしょう。 ちなみにもし運用も副業もしていなければ、金融資産は25年で底をつきます。90歳の時点で「老後破産」です。

【タイプ2】
生活費が月額40万円のノーマルさんの場合「老後を青春時代にするために、もう少しお金をつかいたい」という方もいるでしょう。そういう方を「ノーマルさん」と呼び、ひと月の生活費を40万円とします。
毎月、旅行などのちょっとした贅沢ができる金額ですね。
ノーマルさんが受け取れる年金の額は世帯で月額25万円で、退職金を合わせた金融資産が4500万円ほどあるとします。株式投資による運用をしていなければ、金融資産はやはり25年で底をつきます。
90歳の時点で、ジミーさんと仲良く「老後破産」です。
ノーマルさんの運用能力は「年5%」とします。
ジミーさんは地味な生活で満足しますので、運用利回りも低めに(3%で)設定しましたが、ノーマルさんはノーマルな水準として5%としました。
すると、以下のような計算となります。

@リタイア後の「満足する生活費」の月額:40万円
A運用利回りと受け取る利益の額:年率5%×4500万円=年225万円(月額約19万円)
B世帯が受け取れる年金の月額:25万円 収支:収入44万円−支出40万円=プラス4万円ノーマルさんの場合、副業をしなくてもめでたく財政収支はプラスです(日本政府よ、見ならえ! 笑)。

ただ、副業をしないと何もやることがなくなり、「ヒマだ病」に取りつかれてしまいます。
なんらかの副業をして収入を増やせば、1年に一度はちょっと贅沢な海外旅行も楽しめることでしょう。

■運用能力を高めればリッチな老後も夢ではない
【タイプ3】
生活費が月額70万円のハデーさんの場合「定年後はとにかく派手に暮らしたい」という人を「ハデーさん」と呼ぶことにします。
満足する生活費は月70万円。 退職時の金融資産は1億円あり、運用も長年してきたので年7%の運用能力があるとします。
おそらく現役時代の収入も高かったと思われるので、年金も少し多めの月30万円と仮定します。

@リタイア後の「満足する生活費」の月額:70万円
A運用利回りと受け取る利益の額:年率7%×1億円=年700万円(月額約58万円)
B世帯が受け取れる年金の月額:30万円 収支:収入88万円−支出70万円=プラス18万円これまた、副業なしでも目標金額クリアです。
むしろ毎月18万円、年間200万円以上のプラスが出ますから、かなり贅沢をしても資産は減らないことでしょう。
さらに副業からの収入も含めれば、資産は1億円からどんどん増えていくはずです。
「運用」が、どれほどパワフルに老後の生活を支えてくれるか、おわかりいただけたでしょうか。

皆さんも一度、「自分の老後の満足できる生活費」と「定年時の資産の見込み額」をベースに、シミュレーションをしてみることをオススメします。
それによって、自分がどれだけの資産を貯めるべきか、また、どれくらいの資産運用能力を身につけるべきかが見えてきます。
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2023年02月13日

ひろゆきが呆れる「正義感を押し付けてくる人」のたった1つの特徴

ひろゆきが呆れる「正義感を押し付けてくる人」のたった1つの特徴
2023年02月12日 ダイヤモンドオンライン

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超え、代表作の『1%の努力』は46万部を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

■正義感を押し付ける人?
 あなたの周りに、「正義感を押し付けてくる人」がいないでしょうか。
「こうしたほうがいいよ」 「あれはやめたほうがいいよ」  と、その人の考えを、さも正しいかのように押し付けてくるような人です。
 こういう人とは、なるべく関わらないようにすべきです。
 なぜなら、あなたのことを「コントロールしよう」としているからです。
 そのアドバイスが正しかったとしても、それを判断して決めるのは「自分」です。
だから、他人から「こうしたほうがいい」と決めつけられる筋合いなんて存在しないんですよね。

■その特徴とは?
 正義感を押し付けてくる人には、特徴があります。
 それは、「距離感が近すぎる」ということです。
 初対面からグイグイと話を切り込んできます。
 こういう人は、一見、「話しやすくて、いい人」に見えます。  しかし、要注意です。
 距離感が近すぎて違和感を持つようなら、その判断は間違っていないでしょう。

■「偉そうな人」に要注意
 他人による「こうしたほうがいい」というアドバイスは、当たり外れがあります。
 たしかに、客観的に正しいアドバイスをしてくれる人もいます。  そういう人は、謙虚です。
あまり押し付けるのではなく、いい距離感で、うまく伝えてくれます。

 しかし、正義感を押し付ける人は違います。
 あたかも自分が間違っていないかのように、偉そうに堂々と語ります。
 そういう人とは、積極的に「距離をとる」ようにしましょう。
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2023年02月14日

貧困妄想とは? 本当の貧困とは?

貧困妄想とは? 本当の貧困とは?
竹内成彦 心理カウンセラー(公認心理師)
2023/2/12 専門マスター

うつ病は、いろんな症状を発症させます。
「貧乏になったらどうしよう?」「お金がない…」と極端に思うのも、うつ病の症状のひとつで、それを貧困妄想とも貧乏恐怖症とも呼びます。

芸能人の高島忠夫さんも、以前に、うつ病から貧困妄想を発症させ、家族を非常に心配させたということがあります。
家族のうちの誰かひとりでも、うつ病に対する正しい知識を持っていれば、あのような混乱は避けられたと思うのですが、当時は、本当にお金がないと思い込み、子どもたちも、とにかく節約に励んだとのことです。

私のカウンセリングルームにも、時々、貧困妄想・貧乏恐怖症の人が訪れ、お金がないことやお金がなくなる心配を切々と訴えるのですが、本人はお金を使うことやお金がなくなることが何よりも心配なのですから、残念ながら、病院にもカウンセリングルームにも継続して通ってはくれません。
やがて貧困妄想の人は、もとはうつ病なので、じりじりと容態を悪くさせ、焦燥感にかられながらも、働く意欲や元気がなくなり、本当にお金に不自由するようになることが多いです。

周囲に、うつ病に対する正しい知識を持っている人がいれば、早め早めに対処できるかと思うのですが、うつ病という言葉がこんなにも有名になっているにも関わらず、うつ病の正しい知識を持っている人は、世の中にあまりにも少ない…というのが実情です。

貧困妄想は、貧乏恐怖症とも呼ばれ、次のような症状を示します。
@「お金がない」が口癖だ。
A 自分には、もうお金がないと感じる。
B お金を使うことが怖い。
C お金がなくなってしまうのではないかという不安を常に抱えている。
D 必要なお金でさえ、出し渋ることがある。
E お金を使いたくないばかりに、人との交流を避けるようになる。
F お金を使う瞬間に痛みを感じる。

問題の本質は、「お金がない」という事実ではありません。
問題の本質は、「お金がないと感じる」という心の様です。
それが証拠に、この心の病は、 貯金が何千万円とあり、年収が1千万を超える人でもなる時はなります。

貧困妄想は、うつ病から発症することもあれば、全般性不安障害で発症することもあります。
うつ病であれば、病院に行ってお薬を飲めば回復に向かうのですが、全般性不安障害であれば、病院に行ってお薬を飲んでも、なかなか回復には向かいません。
「だったら、カウンセリングに行って治せばいい、お金の不安を解消すればいい」ということになるのですが、カウンセリングに行ってお金を使うこと自体が恐怖なわけですから、貧困恐怖症の方は、なかなかカウンセリングに行こうとはしません。

貧困妄想は、脳という臓器の不調により発症させる人もいれば、 マイホームを購入してローンを抱えたことにより発症する人も少なくありません。
「お金の不安が、常に頭から消えない」と仰る人は、 1度、精神医学とお金の守り方に詳しいカウンセラーの許を訪れてみてはいかがでしょうか?
私(竹内成彦)は、あなたのご来室を心からお待ちいたしております。

本当の貧困とは、
1.稼ぐ能力がなく、
2.預貯金も資産もなく、
3.自分を助けてくれる人もいない。
上記3つの条件を満たしている状態にあることです。

私の知人で、稼ぐ能力もなく、預貯金も資産もない人がいますが、借りにAさんとしますが、Aさんから貧困のイメージは感じません。
それは、Aさんには、友人がいっぱいいるからだと思います。
万が一、Aさんが食えなくなったら、私はAさんを喜んで家に泊めてあげるだろうし、無料で飯を食わせてあげるだろうと思います。
Aさんの周りには、私のようなAさんを助けてあげたいと思っている人がいっぱいいます。
だからAさんは、貧困だと感じさせないのだろうと思います。

あなたは如何ですか?
願わくば、上記1〜3のうち、2つ以上は、まずまず合格点にいたいものですね。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
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2023年02月15日

「苦手」は克服できる…絶大な効果を発揮する4つの方法

「苦手」は克服できる…絶大な効果を発揮する4つの方法
2023年02月14日  ダイヤモンドオンライン

誰しも悩みや不安は尽きない。
寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。
そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。
YouTube「精神科医Tomyの人生クリニック」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

■苦手を克服する技術
苦手でやりたくないことでも、やらなければならないことってありますよね。
たとえば、勉強や仕事。
楽しく思えればいいのですが、そう思えない人も多いでしょう。
本来は自分のやりたいことだけをやって、人生を送ることができれば最高ですが、そうもいかないこともあります。

苦手でやりたくないことをやるということで頭に浮かぶのは、受験勉強。
アテクシにとって大学の受験勉強は、とてもしんどい思い出です。
数学がかなり苦手で、悩みの種でした。
医学部受験で数学は重要科目ですから、数学の克服は必須です。
でも、数学が大嫌いなのですから、

このときに「苦手を克服する技術」を身につけました。
そのコツをお伝えしたいと思います。

■コツ@ 疲れたらすぐ休憩
1時間やろうとか2時間はやろうとか、時間的なノルマを自分に課してしまうとダメなんです。
体調は一定ではありませんから、やっているうちに集中力が途切れて疲れてきます。
そんなときに嫌なことを無理やり続けるようなことをすると、逆効果です。
「自分は嫌なことをやっている」というのが、自分に刷り込まれてしまうだけです。
だから、疲れて集中力が途切れたら、無理せずに休憩をとる。けっして「無理しない」ということです。
嫌なことを続けるのは、実際のところ20〜30分くらいが限界だと思います。
その都度、お茶を飲んだりして、短い休憩を挟みながら続けるようにしたほうがいいでしょう。

■コツA どこまで進めるかを決めておく
嫌なことだからこそ、1日にやるべき負担を減らしましょう。
全体のやるべきことを小分けして、作業の工程表をつくって“見える化”するのです。
無理せずできる範囲で小分けして、意外と負担が少なくて済むことがわかると、やる気が湧いてきます。
たとえば、試験対策の勉強をするとき、得意科目を1週間前からはじめるとすれば、苦手な数学は2〜3週間前から余裕をもってとり組む。
そして、1日にやるべき勉強量を得意科目に比べて半分とか3分の1に減らして、1日あたりの量を減らしてあげます。
これは「1日にここまでは進めよう」という最低ラインを決めておくことでもあります。
ゴールが見えているとモチベーションが高まりますから、どこまで進めるかは決めておきましょう。

■コツB 苦手なことをやるときは楽しいことも用意
アテクシの場合、現代文や英語が得意だったので、そうした科目を勉強するのは、わりと楽しめました。
だから苦手な数学を勉強するときは、そうした得意科目も織り交ぜながら進めるとやる気の維持につながりました。
丸ごと1日、苦手な数学の勉強で埋めてしまうと、そもそもやる気が湧いてきません。
気が滅入って疲れてしまいますから、苦手なことと好きなことを組み合わせます。
あるいは、好きなものを食べる、散歩に出かける、図書館にいく――など、ちょっとした息抜きになるイベントを用意しておくことも効果的です。
そのときのコツは、苦手なことをしてから楽しいことをする。順番が逆では効力を発揮しません。
「苦手なことのあとに、楽しいことが待っている」という組み合わせにしてあげる。
いずれにしても、全部苦手なことで固めないということがポイントです。

■コツC 苦手なことをやるときは元気なとき
いまもそうなのですが、いちばん元気なのは学生時代から「朝」でした。
心に余裕があって頭もしっかりまわるので、朝いちばんに数学をやっていました。
苦手なことを後まわしにしていると、「このあと苦手なことをしなくちゃいけない」と心に引っかかったままになりますが、元気な朝いちばんに苦手なことに挑み、達成したら好きなことに進むようにすると、好循環が生まれたのです。

――いかがでしょうか?
これらのコツを実践するとともに、“小さな達成感”を味わうことも大切です。
苦手なことをするには、やることを小分けして1回あたりの負担を減らす工夫をしつつ、それを達成したら、毎回“小さな達成感”を味わってください。
それも好循環をもたらしてくれます。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。
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なぜ確定申告しないと税務署にバレる?今年から罰則が厳しくなった

なぜ確定申告しないと税務署にバレる?
今年から罰則が厳しくなった
2/15 dメニューマネー

副業や投資で稼いで利益が出ると、確定申告が必要になる場合があるが、申告しないと税務署から問い合わせがあるかもしれない。
なぜ収入、利益があることがバレてしまうのだろうか?
特に今年・2023年からは制度が厳しくなり、納めるべき税金を逃れようとすると、追加で取られる税金の額が増えるという。シーズンを前にしっかり確認しておこう。

■確定申告しないと税務署にバレるケース
副業や投資で一定の収入がある時は、確定申告をしなければならない。
収入があるのに確定申告をしていないことを、無申告という。
税務署に無申告がバレる主な理由を見てみよう。

●源泉徴収票や支払調書でバレる
年末から年明けにかけて、会社から源泉徴収票を受け取ったり、取引先から支払調書を受け取るなどする。
これらの書類だが実は一定の要件のもと会社から税務署に送られていて、保険金を受け取った時も、生命保険会社から税務署に支払調書が提出される。
税務署は源泉徴収票や支払調書を見れば、個人が受け取った収入を把握できる。

●金融機関への照会でバレる
本人の同意がなくとも、税務署は金融機関の預貯金の取引履歴を照会で切る。
2021年10月からはオンライン化され、さらに照会業務が簡単になった。
不明な入金があるのに申告していなければ、無申告を疑われる可能性がある。

●資料せんでバレる
資料せんとは、取引先の名称や支払金額などを記す書類だ。
税務署は事業者に資料せんを提出するよう協力を仰いでいる。
取引先が資料せんを提出していれば、そこから無申告がバレる可能性がある。

■副業の確定申告をしないと「罰金を取られる?」
制度の改定で罰則強化
副業の収入があるのに確定申告をしないと、罰則の対象になって税金を多く取られることがある。
しかも今年の制度改定によって罰則が強化されるので、なおさら注意が必要だ。
会社員の副業が一般化しているからこそ、確定申告が迫るこの時期に自分は大丈夫かどうか確かめておきたい。

●税金が最大3割増!
無申告加算税で大変なことに
確定申告をすべき収入があるのに申告しないと、罰則として本来の税金に対して「無申告加算税」がかかるが、改定によってこの金額が高くなる。
これまでは最大20%だったが、30%になる。

「無申告加算税」の税率は原則15%で、50万円を超える部分は20%だが、2024年からは300万円を超える部分は税率が30%に上がる(なお原則15%、50万円を超え300万円以下の部分が20%なのは、今後も変わらない)。

●遅れればそれだけ延滞税がかかる
無申告加算税のほか、納付が遅れた期間に応じてかかる延滞税にも注意が必要だ。
延滞税の税率の目安は2ヵ月以内なら7.3%、それ以降なら14.6%となる。
これについては、2023年の改定で何か変わるわけではない。

所得税の申告納付期限は翌年の3月15日で、申告書の受付は2月16日からとなる。
確定申告だけして納付を忘れないように注意しよう。
申告や納付忘れに気づいた場合は、1日も早く申告納付することで延滞税を減らせる。
「振替納税手続き」をして口座振替で納付する際の振替日は、2023年は4月24日だ。
振替納税手続きはいつでもできるので、確定申告の提出期間を待たずに先にしておくと安心だ。

文/編集・dメニューマネー編集部
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2023年02月16日

温泉療法専門医が教えてくれた!「入浴するだけ」で健康になれる、お風呂の5つの作用

入浴で健康 風呂に5つの作用
(文:早坂 信哉(医師))
2023年02月14日 All About

■お風呂に入るだけで健康になれる?
  5つの作用による入浴の健康効果
お風呂にゆっくり浸かると疲れが取れ、さっぱりしてとてもいい気分になります。
普段、当たり前の日課として入っているお風呂ですが、どう健康によいかを考えてみたことはあるでしょうか?

入浴の健康効果をもたらすものとして、お風呂の持つ5つの作用が考えられます。
1. 温熱作用
2. 静水圧作用
3. 浮力作用
4. 粘性、抵抗性作用
5. 清浄作用
聞き慣れない言葉もあるかと思いますので、それぞれ順に説明しましょう。

■1. 温熱作用がある まずは温熱作用です。
温かいお風呂に浸かるとまず体の表面が温まり、体表近くで温められた血液が全身の血管を巡れば、体全体が温まります。
血管が広がって全身の血の巡りが良くなると、血液によって全身の隅々まで酸素や栄養分が運ばれ、老廃物や二酸化炭素は運び去られて排出されます。
つまりお風呂に浸かって温まるだけで、疲れが取れ、新陳代謝が活発になるということです。
シャワーではこの効果はかなり少なく、疲れは取れません。
筆者も海外出張などでシャワーだけが続くと、疲れが溜まってくるのを感じます。
また、身体が温まることで肩こりをはじめとする筋肉や関節の痛みが緩和されたり、精神的にもリラックス効果が得られたりというメリットもあります。

最近、免疫力はなにかと気になるところです。
免疫細胞は血流にのって全身をパトロールしていますが、温熱作用で血流がよくなると免疫機能がよくなると考えられます。コロナへの入浴の直接的な予防効果はまだ研究されていないものの、入浴は各種感染症の予防には役立つものと推定されます。
少し年齢層が高くなりますが、高齢者が要介護に陥ってしまう要因の一つに閉じこもりがあります。
しかしお風呂で疲れが取れると次の日も元気に活動できますし、関節などの体の痛みが和らぐと外出してみようという気にもなります。
筆者が携わった研究*でもお風呂が高齢者の介護予防につながったという結果が出ましたが、この大きな理由の一つは温熱作用のおかげであるとも言えます。

■2. 水圧がある
バスタブ程度の浅さでも、水面下の体には水圧がかかります。
この作用は意外に大きく、肩まで湯に浸かった状態でメジャーでお腹まわりを測ると、空気中に比べて数cmも縮んでいることがわかります。
これは水圧によって体が締め付けられているからです。
立ち仕事などによる足のむくみにはお風呂が効果があるということは多くの方が実感されていることだと思いますが、これは水圧によって締めつけられることで、足に溜まった血液が心臓に押し戻されるからです。
水圧も血液の循環を良くしてくれるのです。

■3. 浮力がある
水に浸かった物には、浮き上がろうとする力である「浮力」がかかります。
鉄の船が海で浮かぶのもこの浮力によるということはご存じの通りです。
お風呂も同じ話で、体には浮力によって浮き上がる力がかかります。
肩まで水に浸かっている場合、浮力によって体重が軽くなり、体重が50kgの人はたった5kgになる計算になります。
通常は自分の50kgの体重を自分の筋肉だけで支える必要が出てくるため、その分の負担が体にかかりますが、お風呂に浸かっている間は浮力のおかげで5kgだけ支えればよくなるのです。
余計な力が必要なくなるため、体が軽くなりリラックスできます。

■4. 粘性・抵抗性がある
粘性・抵抗性とはなじみのない言葉ですが、水には粘り気があります。
例えば水中で歩こうとしても空気中のように素早く歩くことができません。
これはこの水の粘性・抵抗性によるものです。
プールで行う水中運動はこの粘性・抵抗性を利用したものです。
自分が力を入れた分だけ水から力を受けるので、手軽に筋トレをすることができます。
自宅の湯船では十分な広さが取れないかもしれませんが、水中で手足を動かしたり、軽いストレッチなどを行うとよいでしょう。

■5. 清浄作用がある
特に女性にはうれしい情報だと思いますが、お湯には浸かるだけで皮膚を程よくきれいにする作用があります。
石鹸でごしごしこすって洗わなかったとしても、お風呂のお湯に浸かるだけで毛穴が開き、皮膚表面の汚れは十分に落とすことができます。
お湯に浸かるだけでもさっぱりするのはそのためです。

寒い季節は皮膚が乾燥しやすいのでお風呂上がりのスキンケアとして保湿剤を使うのがよいでしょう。
また、お風呂にしっかり入った日はよく眠れることは多くの人が経験済みだと思いますが、これは体が一旦温まった後で1〜2時間すると体温が急速に下がってきて、この体温の変化が良い睡眠につながるからです。

お風呂の健康効果はこうしたいくつもの作用が合わさって発揮されるものだと考えられます。
シャワーだけでは、5の清浄作用以外の健康効果は得ることができません。
毎日何気なく済ましている入浴時間は、実は健康に深く役立ってくれているのです。

*Yagi A, Hayasaka S et.al:J Epidemiol 2019.
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2023年02月17日

同じ時間が流れているはずなのに…大人になると1年があっという間に過ぎていく本当の理由

同じ時間が流れているはずなのに…大人になると1年があっという間に過ぎていく本当の理由
リサ・ブローデリック.経営コンサルタント、作家
2023年02月15日 PRESIDENT Online

年を取るたびに時間が速く進んでいくように感じるのはなぜだろうか。
経営コンサルタントのリサ・ブローデリックさんは「体が老化するにつれて、脳による『画像処理』の速度が遅くなることが影響している。
時間が一定の速度で、一方向に進んでいくという常識は、必ずしも真実とは言えない」という――。
※本稿は、リサ・ブローデリック『限られた時間を超える方法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■時間は物理法則の影響を受けている
時間は、あなたの人生における最大の問題になるかもしれないが、それと同時に、今日の科学における最大級の問題でもある。
時間は、どんな状況でも同じ振る舞いをするというわけではないので、物理学者たちにとっても時間の正体の少なくとも一部は、いまだ謎のままだ。

わかっているのは、時間には科学者が測定できる「物理的な要素」があるという点だ。
たとえば、時計の動きで時間を計ることができるし、地球の運動は24時間である1日や、季節の移り変わりをつくりだして時間を前進させる。
その意味では、時間の物理的要素を最もわかりやすく定義づけるのは、地球や宇宙の動きにまつわる私たちの経験だといえるだろう。
私たちが時間を物理的に捉えられるのは、自分や物が動いているからだ。
それは地球が場所によって、昼だったり夜だったりすることを考えればわかる。

ニューヨークとシドニーで時差があるのは、地球が運動しているからだ。
地球における現実として、時間は物理法則の影響を受けている。

■アインシュタインの画期的な論文
なかでも最大の影響を及ぼしているのは重力だ。
地上の物体から惑星にいたるまで、私たちを取り巻く世界のほぼすべての物の運動は、重力に支配されている。
重力は「物質」と「空間」の副産物なのだ。
より詳しくいえば、物質が重力をつくりだしている。
地球が太陽のまわりを回るのも、月が地球のまわりを回るのも、重力によるものだ。
また、重力は時間の流れに多かれ少なかれ関与している。

一方、時間は相対的なものでもある。
100年以上前、当時26歳だったアインシュタインは、「特殊相対性理論」という画期的な論文を発表した。
彼の天才的な洞察は「時間はゴムひものように伸び縮みするものであり、運動している物体と、それとは異なる速度で運動している物体とでは、時間の進み方が異なっている」というものだった。

具体的には、あなたが空間内を速く動けば動くほど、あなたよりもゆっくり動いている人に比べて、時間の進み方がより遅くなるということだ。

■年を取るにつれて時間の流れが速く感じられる
10年後、アインシュタインは「一般相対性理論」を発表し、時の経過は重力の影響も受けていることを示した。
「時間の遅れ」として知られるこの現象は、地球でも起きることがわかっている。
研究者たちは、原子時計のおかげで、地球でのわずか30センチの標高差が時間の経過に影響を及ぼすことを実証できた。
つまり、そうしたきわめて精度の高い時計を「エベレストの頂上」と「ロサンゼルス」にそれぞれ置いておくと、2つの時計はやがて異なる時刻を示すのだ。

時間は物理的要素に加えて、「時が経つという感覚」によっても計ることができる。
「主観的時間」としばしば呼ばれる時間のこの側面についても、これまで大々的な研究が行われてきた。
たとえば大多数の大人は、年を取るにつれて時間の流れが速く感じられる。
子どものころは夏が永遠に続く気がしていたが、大人になるとあっという間に年月が過ぎていくように感じるというものだ。

■時間の感じ方には脳の画像処理能力が影響している
デューク大学の研究者が最近発表した説によると、小さいころの記憶のほうが大人になってからのものよりもずっと長く残っている理由は、人間の体が老化するにつれて、脳による「画像処理」の速度が遅くなるからだそうだ。
つまり若いときは、経験したことが急速に画像化されるため、思い出として残る画像数が多い。
したがって、それらの出来事が起きていた期間が長く感じられる。

一方、脳の画像処理能力は年々低下するため、大人になってからの思い出の画像数は少なくなる。
だから大人のときの記憶は短時間で次々に辿れるので、時間が速く進んでいるかのように感じられるという。

時間についてのここまでの話は、何を意味しているのだろう?
それは「時間は、私たちが思っていたものとは異なる」ということだ。
それでもなお、私たちは時間について「予測どおりに例外なく、一方向にまっすぐ進んでいくもの」と考えてしまいがちだ。

ひとたび経験したら、もはや後戻りできない過去になる一連の「いまこの瞬間」を進んでいくかたちで、時間の流れを感じているからだ。
そして、矢を前方に向けて放つのと同様に、放つ前の過去に戻ることも、過去を変えることもできなければ、矢が向かっている先である将来を確実に知ることもできないと思っているのだ。

■歴史の中で時間の捉え方は変化してきた
だが歴史のなかでは、時間が常にそう思われてきたわけでは決してない。
ウィリアム・ストラウスとニール・ハウは著書『フォース・ターニング 第四の節目』(ビジネス社)で、時間の概念が人類の歴史のなかでいかにしてつくられてきたかを、非常にわかりやすく解説している。
その内容を簡単に紹介すると、人間はこれまで次の「3つの異なるかたち」で時間を捉えてきたことがわかる。

1.無秩序なもの人間は数十万年前ごろから社会集団を形成するようになったが、それ以前の初期の人類は時間を無秩序なものとみなしていた。
すべてのことは偶然に起こり、そこには原因も結果もなければ、理由も根拠もなかった。

2.周期的に巡るものその後、社会集団が発達し、自然についての知識が多少増えてきた約4万年前ごろから、人間は時間を周期的に巡るものとみなすようになった。
時間の歩みは太陽(周期1日)、月(1カ月)、星座(1年)の動きのように永遠に周期を繰り返すものとされ、毎日、毎月、そして季節ごとに繰り返される人間の生活に反映された。

3.一方向に進むもの作家たちが「歴史は前に進むことでつくられる」と著していたように、ほぼ全世界で「時間は永久に前に進むもの」との見方に変わっていった。
そのため、16世紀には「一方向に進展する出来事」という発想が、時間の概念としてすっかり根づいた。

■時間は常に前に進むものなのか
人間の時間の概念が時代とともに変化していったのは、決して不思議なことではない。
私たち人間が、宇宙と時間の実体についての新たな知識を常に増やしつづけているなら、そうした変化はむしろ当然のことだ。
それはつまり、この先時間についてのさらなる知識が増えれば増えるほど、私たちの時間の概念がふたたび変化する可能性が、よりいっそう高くなることも意味している。
私たちはなぜ「時間は永久に前に進んでいくものだ」と、こんなにも強く信じ込んでいるのだろう

物理学者ブライアン・グリーンは著書『時間の終わりまで物質、生命、心と進化する宇宙』(講談社)のなかで、将来への時間の流れを「変わることなく一方向に進むもの」とみなす今日の私たちの考え方が、「熱力学の第2法則」と「エントロピー」の発想に、いかに関係しているかを解説している。

エントロピーの考え方とは「物質(少なくとも、私たちが感知できる物体)は常に『消失、減少、自然崩壊』の道を辿り、そしてより無秩序になる」というものだ。

■あらゆる法則は解釈のひとつにすぎない
その結果、氷が溶けたり、蒸気が消散したり、生物が成長して老化したりするといった、世間一般の物が時間とともに秩序立った状態から無秩序な状態へと変化するのを、常に目の当たりにしている。
そして私たちは、時間を「常に前に進むもの」と何の抵抗もなく思い込むようになる。

その一方で「熱力学の法則は、疑いや疑問を抱くまでもなく、宇宙の仕組みについての証明済みの揺るぎない事実だ」と思っている科学者も、なかにはいるかもしれない。
だが実は、「熱力学の一連の法則は、物質界で物がどのように運動するかの予測を生み出すためのもの」だというのが、物理学者たちの本音だ。
これらの法則は、物事の仕組みの妥当な単純化によって、現実世界をきわめてうまく説明しているが、それはあくまで単純化やひとつの解釈にすぎない。
グリーンは蒸気機関を例にして、加熱された水分子の振る舞いを一般化することはできても、一つひとつの水分子が蒸気に変化するときのそれぞれの動きを予測するのは、今日の最高性能のコンピューターでさえ不可能だと指摘している。
そういうわけで、統計的予測の科学的な手法が注目を集めるようになった。

■科学の方程式は時間が進む方向とは無関係
個々の物ではなく、大きな集合体を調べることで、その後の振る舞いが早い段階からかなり正確に予測できる。
こうした大量の数にまつわる数学が生み出す予測力は、たとえ何人かの客が大当たりしても、十分に稼げるとカジノ側がある程度見込めたり、エントロピーなどの物理法則が、不変かつ不可逆に思えたりする理由でもある。
「つまるところ、粉々に割れたガラスが自然に元の状態に戻るのを、誰も見たことがないのだから」とグリーンは指摘する。

ただし、留意しなければならない点がある。
それは、この不可逆性が仮定されていながらも、ニュートンの「物理科学」、マクスウェルの「電磁気学」、アインシュタインの「相対論的物理学」、そしてボーアとハイゼンベルクの「量子物理学」も含めた科学の主要分野はみな、「時間の前進を必要としない数式」にもとづいて成り立っているということだ。
つまり、私たちの世界を司る科学の方程式は、時間が進む方向とは無関係なのだ。

ということは、これらの基本的な方程式は、時間が後ろに進んでいる状態でも、時間が前進しているときと同様に、うまく成立するはずである。
そして一部の物理学者までが、「きわめてまれかもしれないが、何かが無秩序状態から秩序ある状態へと変化して元に戻ることを意味する『エントロピー自体の縮小』が起こりうる」と主張している。
この説は、エントロピーの「不変性」と「不可逆性」、そしてさらには「時間は常に前に進む」という見方に、疑問を投げかけるものではないだろうか。
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誤解は放っておいて自然に消えるのを待つべし

養老孟司「それは誤解」と説明しても、相手は相手で「自分が正解」と思っているからたいてい無駄。
誤解は放っておいて自然に消えるのを待つべし
2/16 婦人公論

「考えても答えは出ません。それでも考え続けます」と話すのは、東京大学の名誉教授で解剖学者、『バカの壁』などのベストセラーを持つ85歳の養老孟司さんだ。
養老先生は子供の頃から「考えること」について意識的で、一つのことについてずっと考える癖があったことで、次第に物事を考え理解する力を身につけてきたそうです。
著書では脳と心の関係から、自分を自由にしてくれる養老流ものの見方、考え方を解説しています。
その先生いわく、「あの人は私をわかっていない」「私を誤解している」などと思うのは、誤解ではない「正解」があるという前提に立っているからだそうで――。
* * * * * * *
自分も他人もわからなくて当たり前
いまでも虫を相手にしているときが、一番落ち着くのですから、世間からズレていることは間違いありません。
でも、年を取って世間や他人との折り合いのつけ方がようやくわかってきました。
人のことをわかりたいというのは、裏を返せば自分のことがわからないということです。
わかるわけがありません。自分は変わるからです。
いや、自分だけじゃなく相手も変わる。
自分のことさえわからないのだから、他人のことがわからないのは当たり前です。

だったら他人だって、あなたのことがわかるはずがありません。
それなのに、「あの人は私をわかっていない」「私を誤解している」などと人は言います。

正解なんてあると思わないほうがいい
「わかってない」「誤解している」というのは、誤解ではない「正解」があるという前提に立っているからです。
人は変わるのだから、正解なんてあると思わないほうがいい。
大事なのはその誤解をどう受け入れるかです。

はっきり言うと、誤解は誤解のままで、気づくまで放っておくしかありません。
励ますつもりで言ったのに、嫌味に取られる。
言った、言わないでしょっちゅうケンカしている夫婦もいる。
そういう誤解を解こうと思って説明してみても、たいていの場合、徒労に終わります。

講演で百人を前に私が言ったことに、百人のうちの何人がどう反応するか、こちらはわからない。
質疑応答で何か反応が返ってくる。 それに対して、他の誰かがまた反応する。明らかに誤解だという感じを受けることはあります。 でも、誤解の解きようがありません。
誤解が渦を巻いている中で「いやいや、私は本当はこういうことを言いたかったんで」なんて言いかぶせてもほとんど意味がありませんから。

放っておくと自然に解けて消えていく
誤解されたままなんて嫌だと思うかもしれません。
だけど「それは誤解です」と言ったって、相手は相手で自分が正解だと思っているから、たいてい無駄に終わります。
誤解の多くは、放っておくと自然に解けて消えていきます。どうでもよくなるんです。
長い時間がかかるかもしれませんが、それまでは自分も周りも受け入れるしかありません。

その時間を「損」と思うと、短時間で、合理的に「誤解を正そう」という話になる。
そこで無理矢理「これが正解なんだよ」と説明しても無駄なことです。
せめて自分が相手を誤解しないようにしよう。相手をよく理解しよう。

でも、相手だって変わっていきます。
常に同じ正解があるわけじゃない。
だとしたら、理屈や論理でわかるはずがありません。
理屈や論理は、いつも「同じ」であるものしか扱えないからです。

いつでも使える方法はない
じゃあどうするか。
その都度その都度、瞬間で感じ取るしかありません。
生きているというのはその瞬間、瞬間で、状況は常に違ってきます。諸行無常です。
人の機嫌なんてしょっちゅう変わる。
同じことを言っても、昨日と今日では反応が違ってくる。
だから、いつでも使える方法はありません。

物事にはタイミングがあり、いい時機かどうかはその都度気づくしかない。
その方法は、人から教えてはもらえないし、教えようがありません。
人によって、時間によって、場所によって、すべて状況が違うわけですから、一般化ができないのです。

※本稿は、『ものがわかるということ』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
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2023年02月18日

共産党が党員除名批判に反論

共産党が党員除名批判に反論
2023年02月17日 時事通信

 党首公選制導入を訴えた松竹伸幸氏の除名処分を巡り、共産党は「異論封じ」などと党の対応を批判する報道機関への反論を繰り返している。
「除名は異論封じではない」(幹部)と強調するが、地方議員からは4月の統一地方選への影響を懸念する声も出ている。

 「特に新しい論点はない」。
志位和夫委員長は16日の記者会見で、産経新聞の社説に不快感を示した。
全国紙の社説掲載は朝日、毎日に続くもので、産経は14日付朝刊で「危うい強権体質があらわに」と論じた。

 共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、社説ごとに反論記事を掲載。
憲法は「結社の自由」を定めており、党への批判は「政党の自律権に対する乱暴な侵害」などと訴える。
処分の正当性をアピールする狙いもあるとみられ、党幹部は「丁寧に説明すれば理解を得られる」と自信を示す。

 ただ、地方からは懸念の声も上がる。
ある地方議員はツイッターに「統一選に大打撃」と投稿。
別の地方議員は「10万票単位で票を減らすだろう」と危機感をあらわにする。
党関係者は「処分するしかなかったが、党へのバッシングが激しい」と漏らした。 
                 【時事通信社】
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2023年02月19日

「このままでは接種を続けられない!」医師の悲鳴 コロナ5類移行で「ワクチン1万5千円」は妥当なのか?

「このままでは接種を続けられない!」医師の悲鳴 コロナ5類移行で「ワクチン1万5千円」は妥当なのか?
2/18(土) 東洋経済オンライン

 新型コロナワクチンは当面、無料接種が続く見通しとなった。
だが、いずれ有料化されるのは、誰もがわかっていることだ。
ワクチンメーカーはボランティアではないし、国のお金を投入すべき局面も終わろうとしている。
だが、その日は思った以上に近づいていて、思った以上に高額かもしれない。

■新型コロナワクチンは贅沢品に? 
 新型コロナの感染症法上の位置づけが、現行の「2類相当」から「5類」に切り替わる。
期日は今から約3カ月後、5月8日に決まった。
ワクチンの公費接種は4月以降も継続するとの政府方針が示されたが、いつまで無料かはこれからの議論で、2月中にも見通しが示されるという。
実務を請け負っている自治体と医療機関は、遅かれ早かれ切り替え準備に追われることになる。

 接種を受ける側にしてみれば、最も気になるのはその価格だろう。
実施しているクリニックとしても、今後の接種体制に大きく関わる問題だ。
これについては昨年10月、新型コロナワクチンの最大の供給者であるファイザーが、通常の流通・販売ルートに乗せる際の価格を「1回あたり110〜130ドル」(現在のレートで1万4000円〜1万7000円程度)と計画していることが報じられた。2023年下半期にも移行するという。
その前月にはモデルナの想定が「64〜100ドル」と報道されていたことから、ファイザーの強気な価格設定には驚きの声が上がった。

だが、モデルナも今年1月、アメリカ政府の購入プログラム終了時には、ファイザーとまったく同じ「1回あたり110〜130ドル」に値上げしたい意向を示した。(The Wall Street Journal)

 一般に競争相手が少ない場合、価格競争に持ち込まなくても顧客を確保できるため、市場原理が働きづらい。
結果、価格が高止まりしたまま横並びになりやすいのだ。
ファイザーとモデルナの強気な価格設定は、典型例といえるだろう。

 つまり、新型コロナに関しては当初、さまざまな種類のワクチン開発競争が繰り広げられたものの、その効果とシェアで2社のmRNAワクチンが世界を制したと言っていい。
しかもユーザー側にとっても、両社の製品に大きな差は感じられない。
どちらも無益な争いよりも、足並みを揃えるほうが得策と判断するに決まっている。
 そもそも新型コロナワクチンの原価はいくらくらいか、ご存じだろうか。

■「原価120円」を3500円で購入したイギリス政府
ワクチンの不公平撤廃を求める100超団体の連合体「The People's Vaccine Alliance」によれば、原価はファイザー製で1接種あたり1.18ドル(約120〜160円)相当だという。
これについてファイザーは特に否定していないようだ。
アメリカ政府は2020年、まだ開発中だった新型コロナワクチンについて、1億回分を約20億ドル(約2100億円)で購入する契約をファイザーと結んでいる(ロイター)。
1接種あたり19.50ドル(約2000円、2回接種で約4000円)の計算だ。

 原価の16倍の売値である。
それでもこれは、破格の“ホーム価格”だ。
当然だろう。アメリカ政府は2020年5月〜2021年2月だけでも、ワクチンメーカー7社に新型コロナワクチン・治療薬の開発助成金として192億ドル(約2兆160億円)超を拠出、うちファイザー・ビオンテックには60億ドル(約6300億円)近い金額が渡っている。
なお、次ぐモデルナには59億ドル(約6200億円)が投入された。(ミクスonline)

他国、とくに先進国が「売ってくれ」と言ってきたら、価格は2倍近くに跳ね上がる。
例えばイギリス政府は、1接種あたり22ポンド(約3500円、2回接種で約7000円)で、1億8900万回分買い上げる契約をファイザーと交わしたとされる。
原価の30倍だ。(ガーディアン)  なかなかの“ぼったくり”と感じるかもしれない。

実際、ファイザーの新型コロナワクチンは、2022年に378億ドル(約4兆円)超もの売り上げを叩き出している。
 だが、私自身の率直な感想としては、原価はともかく1接種あたり数千円なら、むしろ非常にリーズナブルとの印象だった。
ナビタスクリニックでは予防接種にも力を入れていて、個人輸入でも扱ってきたが、1回数万円というワクチンはざらにあるからだ(ほとんどは数回の接種で半永久的な効果が得られるが)。
 しかも、1接種1万円台なら、本国アメリカでは一般的価格らしい。

■欧米では接種率10%台
例えば、大手ドラッグストアCVSでは、肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス 23)は141ドル(約1万8500円)、肝炎ワクチンは145ドル(約1万9000円)、髄膜炎ワクチン179ドル(約2万3300円)、帯状疱疹ワクチン205ドル(約2万6700円)、HPVワクチン261ドル(約3万4000円)、といった具合だ。(Fierce Pharma)

 これらは毎年接種する必要はないが、数回接種が必要で、合計10万円を超えるものもある。
 ただし、新型コロナと同じく毎年接種のインフルエンザは、アメリカでも1接種50〜95 ドル(約7500円〜1万2000円)だという。
「1万4000円〜1万7000円」となると、やはり割高感は否めない。
 しかもmRNAワクチンは、病原体の培養から始めていた従来のワクチンとは異なり、最新のバイオ技術で短期間に大量生産が可能だ。
そう聞くと、むしろ低価格化が望めそうにも見える。

 どこから「1万4000円〜1万7000円」という数字が出てきたのだろうか? 
 1月30日、アメリカ政府は新型コロナ非常事態宣言を5月11日に終了することを発表した。
新型コロナワクチンへの助成も廃止となるため、有料化へのカウントダウンが始まったと言っていい。
その翌日、ファイザーは、2023年の同社の新型コロナワクチン「コミナティ」の需要が前年比3割減、売上高は前年比64%減の135億ドル(約1兆8000億円)となる見通しを明らかにした。
モデルナのバンセルCEOも、同社の売上高が昨年の184億ドル(約2兆1100億円)から、今年は「少なくとも50億ドル(約6500億円)」に縮小するとの予想を示した(Bloomberg)。
同社は2021年時点で、売り上げの96%を新型コロナワクチン「スパイクバックス」に依存している。

事実、人々の関心は新型コロナワクチンからどんどん離れている。
1月末時点で、国内のオミクロン対応ワクチン(初代もしくは2価)の接種率はやっと40%を超えた程度。
海外ではさらに低調だ。
アメリカは15%超、EUも約17%(2回目追加接種として)にとどまっている。

幌医科大学のサイトによれば、これまでに全世界で約50億人が2回接種(1回接種ワクチンは1回)を完了している。
健康上の理由や反ワクチン主義の人はともかく、2回目接種まで完了しているけど追加接種は受けない、という人が多いのだ。

■今のままでは「接種を続けられない」
 いち早くワクチン確保に動いた欧米各国は、大量の在庫を抱えているに違いないし、この状況で有料になれば、接種率はさらに低下すると見て間違いない。
モデルナは2022年5月の時点で、毎年の追加接種の対象者として、50歳以上やハイリスクの成人、医療関係者など感染リスクの高い職業の人たちを想定し、世界人口の約21%(17億人)との推計を示した。

しかし脱コロナへのシフトは思った以上に急激で、遠く及ばない可能性は高い。
 こうした厳しい見通しが、「原価の120〜140倍」の最たる根拠というわけだ。
 それだけではない。ファイザーもモデルナも一般医薬品と同じ流通に乗せるにはパッケージ変更が必須で、そこにコストがかかってくる。
バイアルの問題だ。
新型コロナmRNAワクチンは当初から、超低温の冷凍庫を必要とするなど、クリニック側にとっては扱いづらい特殊なワクチンだった。
それでも緊急措置との認識だったし、オミクロン株ワクチンからはある程度使いやすくはなった。
希釈が不要となり、一定期間は冷蔵庫で保管(ファイザー製は10週間、モデルナ製は30日間)できるようにもなった。
だが現製品はまだ、ファイザーで1バイアル6接種分、モデルナでも1バイアル5接種分という作りになっている。
つまりひとたびワクチンの入った小瓶を開封したら、当日中に5人ないし6人に打たねばならない。
 希望が殺到していた頃ならともかく、接種希望者の都合や利便性を考えても、小規模に個別接種を請け負っているクリニックにこれだけの希望者集めは厳しすぎる。

 ナビタスクリニックでも、とある日は新型コロナワクチンの接種予約が1人しか入らず、やむを得ず開封して実施し、残りを廃棄せざるを得なかった。
世の中に大量に期限切れになるほどワクチンが余っていて、なおかつ無料配布されているから踏み切れたことだ。
 バイアルの見直しについては当然、ファイザーやモデルナも準備を進めているようだ。

ファイザーは、「原価120〜140倍」の価格の理由として、製造コストと流通コストが緊急用ワクチンとは決定的に異なることを挙げている(pharmaphorum)。
つまり、6人分を1バイアルから1人分1バイアルに変更することで、これまでと比べ最大3倍の費用がかかる可能性があるとしている。

■モデルナは巨人達とどう戦うのか
 また、流通チャネルと保険者(アメリカでは有料化後も、ほとんどが民間の医療保険によってカバーされる見通し)がそれぞれ多数関わってくることで販路が複雑化し、輸送コストが跳ね上がるとも説明している。
ファイザーのこうした主張は、投資専門機関の調査でも支持されている。
一方で、新しい価格設定によって、ファイザーの年間収益が約25〜30億ドル(約3250〜3900億円)増加する可能性もあるという。(Reuter)

 おそらくモデルナも同様のコスト計算のうえで、ファイザーの価格に合わせていく方向性を打ち出したのだと思う。

 ただ個人的には、生き馬の目を抜くようなワクチン業界で、期待の新星モデルナが繰り出す次の一手にも、大いに興味がある。
ファイザーという医薬品業界の巨人、あるいは老舗のワクチンメーカーとは圧倒的な体力差がある中、どう立ち回っていくのか。
 mRNAワクチンが国内外のワクチン市場を揺るがし、日本のワクチン関連事業・行政にパラダイムシフトをもたらそうとしているタイミングだけに、いっそう目が離せない。

 今後も国内あるいは世界規模で、新興感染症は繰り返し発生するだろう。
安全で質の高いワクチンが、リーズナブルな(=合理的で妥当な)価格で、タイムリーに供給される環境の整備を切に願いたい。

久住 英二 :ナビタスクリニック内科医師
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2023年02月20日

夜型のほうが想像性・思考力に優れている…脳科学で分かった「早起きは三文の得」がウソである理由

夜型のほうが想像性・思考力に優れている…脳科学で分かった「早起きは三文の得」がウソである理由
堀田 秀吾 明治大学法学部教授
2023年02月19日 PRESIDENT Online

早起きは本当に必要なのだろうか。
明治大学の堀田秀吾教授は「学校の始業時間を約1時間遅らせると、成績が平均4.5%向上したという報告がある。
夜型人間に無理に早起きさせても、注意力が散漫になり、睡魔に襲われやすくなる」という――。(第1回)
※本稿は、堀田秀吾『「不安」があなたを強くする』(日刊現代)の一部を再編集したものです。

■始業時間を遅らせると成績が平均4.5%向上
働き方が多様化し、「始業時間が遅くなった」「ランダムになった」という方は少なくないかもしれません。
午前9時の始業が午前10時に後ろ倒しされるだけで、時間の使い方は大きく変わるでしょう。

実際、後ろ倒しにするメリットが報告されています。
ワシントン大学のダンスターらは、「学校の始業時間を約1時間遅らせると、生徒の睡眠時間が30分ほど長くなり、成績の向上にもつながった」と報告しています。
ダンスターらは、2017年にシアトルにある2つの公立高校の始業時間を2週間だけ55分遅らせて(7時50分から8時45分へ)、学生の睡眠時間にどのような変化が表れるのかを実験しました。
その結果、睡眠時間に改善が見られ、前年と比較したところ平均睡眠時間が34分長くなり、成績も平均4.5%向上したといいます。

所得の低い家庭の学生が多く在籍する高校では、遅刻の回数や出席率にも明らかに改善が見られたそうです。
これだけみれば、始業時間を遅らせた方がいいと多くの人が思うでしょう。

■元々夜型の人にはあまり効果がない
英バーミンガム大学のフェイサー=チャイルズらの研究では、午前2時に寝て午前11時くらいに起きる夜型人間には「9時5時勤務は不利」と報告しています。
夜型生活の人は、その生活習慣を変えない限り、仮に1時間スライドさせても改善は見られないというのです。

フェイサー=チャイルズたちは、午後11時前に寝て午前6時半に起きるといった朝型人間と、夜型人間の脳をスキャンした上で、脳の働きを比較しました。
その結果、午前8時から午後8時までの時間帯では、夜型人間の脳内では集中力をつかさどる領域の活動が少ないことがわかったといいます。
夜型傾向の人は本来の体内時計に合うように仕事した方がいいというわけです。

■夜型のほうが想像性・思考力に優れている
夜型人間にメリットはないのでしょうか?
イタリアのサクロ・クオーレ・カトリック大学のジャンピエトロとキャバレラは、バラバラの年齢層の男女120人に夜型か朝型かアンケートに回答してもらった上で、創造性や思考力を試すテストを行いました。
すると、夜型の人ほど高いスコアを示したのです。

夜型の人が、無理に朝型に「改宗」する必要がないことを示す研究はほかにも世界各国で行われています。
イギリスのウエストミンスター大学のクローらの研究では、さまざまな睡眠リズムを持つ42人のボランティアの唾液を2日間にわたって一日8回分析しました。
その結果、早起き傾向にある人からは、睡眠が長い人に比べて、より多くのコルチゾールが検出されたといいます。
コルチゾールは、ストレスを抑制するために分泌されるホルモンです。
つまり、無理して早起きをするとストレス値が上がるわけです。

■無理に早起きする必要はない
また、ベルギーのリエージュ大学のシュミットらの研究では、16人の極端な朝型タイプと15人の極端な夜型タイプを対象にした検証を行っています。
それぞれのタイプの起床時と10時間半後の脳の活動を測定してみたところ、朝型も夜型も起床時の生産性は変わらなかったのですが、10時間半の計測では差があったといいます。

朝型タイプの脳では、注意力と概日(がいじつ)リズムに関連する領域の活動が、夜型タイプよりも低下していました。
無理のない時間の使いかたが大切なのであって、早起きが苦手な人が、無理に早起きする必要はないのです。
苦手なアクションは、それ自体がストレスになります。
なので早起きは「三文(以上の)の害」になるのです。このことをお忘れなく。

■ジャンクフードを我慢できない理由
無性にジャンクフードが食べたくなることはないでしょうか?
かくいう私もお菓子が大好きで、ついつい仕事の合間に手を出してしまいます。
進化心理学的な視点で考えると、脂や糖がたくさん含まれたジャンクフードは、もともと入手が困難な「ご馳走」でした。
しかし、文明の発達により、いまでは「ご馳走」を簡単にたくさん入手できるようになりました。
もともと貴重な「ご馳走」なので、ついつい食べすぎてしまうわけです。

もちろん、脂や糖は人間に必要な栄養素ですが、粗食を心がけていても、思いのほか摂取しているものでもあります。
その上ジャンクフードを食べてしまうと、脂や糖の過剰摂取となり、太ってしまうというわけです。

■ジャンクフードが欲しくなるのは「栄養が必要だから」ではない
ちなみにジャンクフードを食べてしまうのは、必ずしも「疲れていて体が栄養を必要としているから」ではありません。
西オンタリオ大学のロゥイーらの研究によると、脳の左背外側(ひだりはいがいそく)にある「前頭前皮質」の機能を一時的に低下させると、カロリーが高い食べ物を欲するようになり、ジャンクフードを食べる傾向が強くなるそうです。

前頭前野を含む前頭葉は、注意力、集中力、判断力などと関係し、感情や欲求を抑制する脳の大切な部位です。
そのため前頭葉の機能が低下すると、普段は「悪いからやめよう、我慢しよう」と思っていることについての判断が鈍くなり、我慢ができなくなってしまうのです。

また、背外側前頭前皮質の機能低下は、ストレスが原因で引き起こされます。
つまり、ストレスが蓄積して、脳の背外側前頭前皮質の機能低下が生じると、それに応じて判断が鈍ってしまうというわけです。
疲労やストレスによって抑制力が働かなくなるからなのです。
普段は体に悪いからやめておこう、我慢しようと思っている抑制のフタが外れてしまった結果、ポテトチップスの袋を開けてしまうのです。
原因は、脳の機能低下にあるということです。
ジャンクフードを食べたくなったら、まずは脳と体を休ませた方がいいかもしれません。
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2023年02月21日

「勉強の成果が出ない人」のNG行動・ワースト3

「勉強の成果が出ない人」のNG行動・ワースト3
2023年02月20日 ダイヤモンドオンライン

毎日4時間は勉強しているのに知識が頭に入らない……。
大学受験、語学学習、キャリアアップのための資格試験。
本来、「学び」は楽しいはずのものだが、なかなか結果に反映されないと、苦しくなってきてしまうだろう。
そこで参考にしたいのが、受験大国・韓国で社会現象になった50万部のベストセラー『勉強が面白くなる瞬間』だ。
著者・パク・ソンヒョクは、塾さえない環境で周囲より遅れて勉強を始めたが、「心」を鍛えれば環境や頭脳は何の問題にもならないと固く信じて勉強。
その結果、韓国トップのソウル大学法学部をはじめ、延世(ヨンセ)大学経営学部、東新(トンシン)大学韓医学部にも同時合格するという快挙を達成した。
学生の98.4%がこの本を読んで「勉強をしたくなった」と証言したという本書。
なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか? 勉強の本質とは何か?
本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「学習効率を低下させてしまう習慣」を紹介する。(構成:川代紗生)

■今すぐ見直そう!学習効率を下げる3つの「NG習慣」
 時間をかけても成績が伸びないとき、3つの学習習慣を見直してみよう。
 受験大国・韓国の大ベストセラー『勉強が面白くなる瞬間』の著者、パク・ソンヒョクによれば、効果があると思ってやっていることが、学習効率を下げている可能性があるという。
 集中力を上げ、勉強の生産性を上げるには、どうすればいいのだろうか。 「学習効率を下げる3つの習慣」を知り、どんな習慣に置き換えればいいか考えてみたいと思う。

■今すぐやめるべき習慣@
  音楽を聴きながら勉強
 好きなアーティストの曲を聴きながら勉強をしている人も多いかもしれない。
 しかし、パク・ソンヒョクは、「ながら勉強」は脳を混乱させてしまうと語る。
「ながら勉強」の問題はそれだけではない。
「勉強そのものを楽しむ気持ちを奪ってしまう」のも大きなリスクだ。

「無理にでも机に向かうために、音楽を聴きながらでないとやっていられない」 「何か楽しいことで味付けしないと、やっていられない」
 このように、「楽しくない」勉強をやるために、他の「楽しい」何かをしながらやる、という行為は、はじめのうちは効果があるかもしれないが、長期間続けることによって、「勉強は嫌なものである」という刷り込みが強化されてしまう恐れがある。
「ながら勉強」に慣れている人は、まずは3週間、雑音のない静かな部屋で勉強してみよう。

■今すぐやめるべき習慣A
 体のコンディションに無頓着
 次に、無理をして、へとへとになるまで勉強するのもやめたほうがいい。
 真面目な人は、具合が悪くても寝不足でも「休んではいけない」と思い込み、薬も飲まずに勉強を続けてしまう。
 しかし、勉強は1日、2日の短期決戦ではない。
「今日がんばる」ことよりも、長期的に勉強できる体づくりをしよう。

 本書でおすすめされている具体的な対策は、「体温管理」だ。
「当たり前のことじゃないか」と思うかもしれないが、「体温計で体温を測る」という行為をルーティン化すること自体がポイントだ。
「自分の体をケアする」という指針を、毎日忘れずに思い出すことができる。
体温測定は、健康管理のリマインダー機能だ。
「今日はなんとなく調子が悪いな」などの体感ももちろん大事だが、「平熱より高い/低い」という数字は、無理しすぎたときにブレーキをかけてくれるだろう。
 体温が急変すると免疫力も変動する。

体調を崩したせいで1週間をムダにした……なんてことがないよう、毎日、体の声を聞いてあげるようにしよう。

■今すぐやめるべき習慣B
  「点数の目標」を立てる
 本書では、勉強に没頭するための「目標の立て方」についても解説されている。
 もちろん、知識がどれくらい定着したのか点数で検証することも重要だ。
 しかし、「順位」「数字」「偏差値」のように、ライバルのがんばりによって左右されてしまう「結果目標」にばかり囚われると、「自分ではどうしようもないこと」に振り回され、勉強がますます辛くなってしまう。

「具体的に何をどうするか」という「行動目標」なら、自分の努力を可視化しやすく、達成感を得やすい。
結果目標より行動目標に集中しよう。
 学びは、人生を豊かにしてくれる。

しかし、一度「勉強=辛いもの」という固定観念が脳に刷り込まれてしまうと、それを塗り替えるのは難しい。
 勉強を楽しむ「心」を整えることが、結果的に学習効率の向上につながるのだ。

 モチベーションを上げてくれる画期的な独学本『勉強が面白くなる瞬間』。学習習慣を見直したいという人は、手に取ってみてほしい。
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2023年02月22日

理想的な睡眠時間は8時間ではない…20年前とは決定的に違う"快眠"の新常識

理想的な睡眠時間は8時間ではない…20年前とは決定的に違う"快眠"の新常識
角谷 リョウ スリープコーチ
2023年02月21日 プレジデントオンライン

仕事のパフォーマンスを高めるには、どのくらい睡眠を取るのが適切か。
スリープコーチの角谷リョウさんは「日本人に多い『寝ないで頑張ることが美徳』という考え方は危険だ。
質より量が仕事の成果に直結した時代は、睡眠時間を削ることに合理性があった。
しかし今の時代は集中力や想像力、コミュニケーションが重視される」という――。
※本稿は、角谷リョウ『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

■睡眠を削ることの意味は時代によって変化する理由
よく「時間は有限だからお金より大切」といいます。
さらには、「1日はみんな同じ24時間だから、寝る時間を削って活動時間を増やしたほうが得」という発想に至ります。
特別な才能やコネがある場合を除いて、ビジネスパーソンとして周りから認めてもらうためには、どうしても仕事や勉強に時間を多く割かないといけなくなります。

人生は短いですから、仕事以外も楽しんで人生を充実させようと思うと、何も生み出さない睡眠を削ろうと考えがちです。
実は私も役所で働いていた時は全くその発想で生きていて、5時間以上の睡眠を取った記憶がないくらいでした。
今から20年以上前になりますが、その時代は「何をすれば成功するのか?」「何を学べば上に行けるのか?」がある程度分かっていた時代です。
良くも悪くも「質より量」の時代だったので、どれだけ知識があるとか、どれだけハードな仕事に耐えられたかが重視されていました。

■無料で頭の中のゴミを出し、メンタルや体を回復させる
しかし、今では知識はオープンになり、誰にでも手に入るようになりました。
ある程度のレベルの仕事はAI(人口知能)やコンピュータがしてくれるのが当たり前の時代です。

そのような状況において最も重要になってくるのが「仕事をしている時の状態(集中や想像がしやすい良好な心身状態)」や「仕事をチームで行う際の良好なコミュニケーション」です。
このジャンルは睡眠の最も得意分野となります。

ご存じな方も多いと思いますが、睡眠は無料で頭の中のゴミを出し、記憶を整理し、メンタルや体を回復させてくれます。
今の時代のビジネスに最も必要な要素を、睡眠はタダで毎日作り出してくれるのです。
以前は寝ている時間を「無駄」な時間と捉えている人が多かったのですが、海外では「トレーニングの時間」「パワーチャージの時間」と捉えるのが普通になってきています。

何よりもともと人は寝ることに幸せを感じる生き物です。
寝ること自体を楽しみ、さらに寝ることでたくさんの効果が得られるので、本当に良い睡眠は取らないと大損なのです。

■「8時間眠れていないので不調」は大間違いである
私は睡眠セミナーをするとき、必ず「厚生労働省が推奨する睡眠時間はどれくらいでしょうか?」という質問をするようにしています。
いつも5択の選択式で行うのですが「8時間」と答える人が半分以上です。
実際にいろんな研究でよく出てくる中央値は7時間から7時間30分くらいですが、おそらくマスコミの影響で多くの人が「8時間が最もよい睡眠時間だ」と思っているようです。
ところが実は、厚生労働省が推奨する睡眠時間は「人それぞれ」です。
これは厚労省がいい加減なわけではなく、研究調査を重ねて出た答えが「人それぞれ」だということなのです。

基本的に人間は個体差がありますから、必要な食事量や体重などあらゆることが人それぞれです。
しかしそうは言っても基準がないと困るので、一応平均値や安全範囲を決めているのです。
睡眠時間も最初は基準を決めようという話もあったそうです。
ところが調べてみると、睡眠に全く問題のない健康な人の睡眠時間は、なんと3時間から10時間以上と7時間以上も幅があったのです。
このような事情から、厚労省は推奨睡眠時間や範囲を決めないほうが良いと判断しました。

とはいえ、世の中では「8時間睡眠がベスト」と思っている方が多いので、「8時間眠れていないので不調」ということになるわけです。
実際に睡眠指導の現場では、50代になると平均で最適な睡眠時間が6時間といわれているのに、7時間しか寝れずに困っているとおっしゃる方がよくいらっしゃいます。
最近は遺伝子研究がかなり進んできていて、少し前まで20個といわれていた睡眠関連の遺伝子が351個にまで増えました。
あと少しでほぼ解明できるところまで来ているそうです。

人はそれぞれ生まれ持った遺伝子で、ある程度最適な睡眠時間が決まっているのですが、その基本時間は年齢でどんどん減っていきます。
季節や気温、日照時間でもかなり変化しますし、その日どれだけ体や頭を使ったかでも変わります。
繁忙期などのアドレナリンが出やすい時期は短眠傾向になることも分かっています。
ウェアラブル装置の進歩もあって、近い将来には誰でも簡単に自分の最適睡眠時間がわかるようになるでしょう。

■日本人は「睡眠時間を削って頑張ることが美徳」と思いがち
寝ずに頑張ることが美徳という文化が日本ではまだかなりあるように感じます。
さすがに徹夜を賞賛するような風潮はなくなりましたが、ビジネスパーソンの睡眠相談では「夜もつい仕事をして、眠れなくなる」「仕事をして家事や育児をしていたら睡眠時間が4時間しか取れない」などの相談が最も多いくらいです。
実際にそういった相談をされる方々が忙しいのは事実なのですが、それ以上に「睡眠時間を削って頑張ることが美徳」という固定概念が強いのがカウンセリングから透けて見えてきます。

日本人はなぜか、遺伝なのか風土なのか「頑張らないと生きている資格や価値がない」と思い込んでいる人が多いように感じます。
私も(かなりマシになりましたが)かなりその傾向が強いです。
そうなると一番分かりやすいのが「寝ずに頑張る」というやり方です。
しかし、このやり方は実は危険で、睡眠が足りていないことを理由に、たとえ失敗しても「こんなに頑張ったから仕方がない」と諦めて改善しない傾向があるそうです。

■「寝ずに努力する」ではなく「寝ることに努力する」
これはまさに自分も何度も経験があり、寝ずに頑張ると、頑張ったこと自体に満足してしまってゴールを見失ったり、最も重要な改善する意欲やアイデアが出てこなくなるのです。

人は基本的に不安を感じたり、やる気を出すのは実は簡単です。
生き延びるために逃げたり戦うモードになる「交感神経」というスイッチが、たったの0.2秒で反射的に入るからです。
それに対して、快眠に効果的なリラックス状態に導く「副交感神経」はかなり意識的にコントロールする必要があるのに加えて、慣れていないとスイッチが入るのに5分ほどかかります。

つまり、快眠でリラックスするというのは、意識的に努力しないと自然には起こらないというわけなのです。
仕事で失敗してもこれまで通り「寝ずに努力」するのか、「寝ることに努力」して、ハイパフォーマンスを上げるのか。
あなたはどっちを選びますか?
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月23日

勝てても少額、負ける時は全額スるのがオチ…FX投資を「2分の1で勝てる」と考える人が根本的に間違っていること

勝てても少額、負ける時は全額スるのがオチ…
FX投資を「2分の1で勝てる」と考える人が根本的に間違っていること
2023年02月22日 PRESIDENT Online

円やドルなどを売買する「FX」は、資産形成の役には立つのか。
金融アナリストの土屋剛俊さんは「為替は上がるか下がるかしかない、だからFXも2分の1で勝てるように思えるが、それは違う。
勝ちは少ないが負けは大きく、損するときはあっという間に賭け金をすってしまう。
そして方向を合理的に当てることは不可能。それが典型例だろう」という――。
※本稿は、土屋剛俊『お金以前』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■FXは為替の変動に賭けるゲーム
投資として、FXはどうか考えてみましょう。
ここまでFXは、読みにくい、最も難しい投資であると言ってきました。
しかしFXは、その難しさに関係なく、投資の一形態として定着しています。
FXは為替の変動に賭けるゲームですが、投資対象としては不適切です。
これにはふたつの要因があります。

その1 レバレッジを掛けること
その2 その結果、短期の相場変動に賭ける投資になること

詳しく見ていきましょう。
この1と2は密接に関係があります。
まず、レバレッジを掛けるとは、要するに「借金をして投資をする」ということです。
そもそもレバレッジとは「梃子(てこ)」という意味です。
基本的に博打やギャンブルというのは自分のお金を賭けるものですが、手持ちのお金が少ししかないと、大きく儲けることはできません。
レバレッジとは、大きく賭けるためにあります。

■99.9%の確率ですべてのお金を失ってしまう
たとえば手持ちのお金が10円しかなく、勝ってもらったお金はすべて次の勝負の賭け金として使うという賭けをしたとしましょう。
FXとは、この例のようなゲームです。
そして、ルーレットの赤黒に10回賭けるとしましょう。
為替は上がるか下がるかの二択ですので、赤か黒かに賭けるルーレットに似ているところがあります。
奇跡的に10回すべて勝つとします。
勝ち1回目 10円×2=20円 勝ち2回目 20円×2=40円 勝ち3回目 40円×2=80円 勝ち4回目 80円×2=160円 勝ち10回目 5120円×2=1万240円 これだけ奇跡の連続が起こって、やっと1万240円の儲けです。
このFX風ルーレットでは、勝ったお金はすべて次の賭け金として使っていますので、途中で1回でも負けると自分のお金はゼロになります。
計算式は省きますが、この賭けは1024分の1023の確率で有り金がゼロになります。
そして1024分の1の確率で1万240円になります。
また、負けてすべてのお金を失う可能性は99.9%です。
こんなに確率の低い勝負をする人はほぼいないでしょう。いても99.9%の確率で負けです。

もし、1回だけの勝負なら勝てるかもしれないと思ったとします。
それなら勝率は2分の1です。でも10円しか持ってないので、勝てても儲けはとても少ないです。
ここで、レバレッジを効かせるべく、お金を借りたらどうでしょうか?

■FX業者は「博打の掛け金」を貸してくれる
たとえば100万円を借りてみます。 100万円を借りて1回勝負をしたら、2分の1の確率で勝ち、200万円になります。
借りた100万円を返したとしても100万円の儲けです。
しかし、これには問題があります。
それは、負けたときに100万円を一気に損してしまうことです。
負けると、いきなりまるまる借金が100万円になります。

もし100万円を借りて車を買ったなら、100万円の借金があっても100万円で買った車が手元に残りますが、ルーレットで負けた場合は手元には何も残らず、借金の100万円だけが残ります。
このような博打は大変危険だと思う人が多いでしょう。
しかし、ざっくりいうとFXはこういう賭けと同じです。

この博打には決定的な欠陥があります。
お金を持っていない人に100万円ものお金を貸してくれる人を探さないといけないのです。
そんなに都合よく、博打の賭け金を貸してくれる人はいません。
しかし、この構造はそのままで、賭け金を貸してくれるというしくみを持つのがFXです。次にざっくりと説明してみます。

■レバレッジはお金を貸す側が損しないシステム
たとえば全財産で1万円だけ持っている人がいたとしましょう。
その人に99万円貸します。すると、その人の持ち金の合計は100万円です。
そのお金で為替の勝負をします。
為替レートはちょうど1ドル100円だとします。 まずはその人は、ドルが値上がりすることに賭けました。そして1万ドルを買うことにしました。
もしその後、1ドルが101円に上がると、1ドルにつき1円の儲けです。 これを、1万ドル買っているわけですから全体では1万円の儲けになります。
つまり、元手が1万円しかないのに、為替が1円動いただけで倍になったということになります。
このままどんどんドルが上がって120円になったとしたら20万円の儲けになり、元手の20倍になります。

さて、問題は値下がりしたときです。
仮に10円くらいドルが値下がりしたとします。 この時点で売却すると90万円です。
100万円で買ったものを90万円で売るわけですので、10万円の損失になります。
これではこの人は借金を返済できません。
借りた人は自分のお金を1万円しか持っていないので、お金を貸した人は9万円を損します(焦げ付きといいます)。

実は、FXにはこういう場合、もっと早く取引を解消して、お金を貸した人が損しないというルールがあります。
お金を借りた方が耐えられる損失は、金額では1万円です。100万円分のドルを買っているわけですから、為替レートでいえば1ドル99円、つまり本来なら1円の値下がりにしか耐えられません。
お金を貸した方は、それ以上損されると貸したお金を回収できなくなるので、損をしたらすぐ問答無用で買ったドルを売却します。最初の手持ちの1万円分のドルも含めてです。
つまり、自分が賭けた方と反対方向にドルが1円動いただけで、全部の賭け金を失うというルールです。

■やる側が有り金をなくしてもFX業者は儲かる
このように、FXには、お金を貸した方が取りっぱぐれないというしくみがあります。
この構造を考えた人は、すごいビジネスセンスだと思います。
FX業者からするとお客さんが有り金を全部すっても、自分たちはちゃんと儲かるようなしくみです。
反対に、やる方はあっという間に元手を全部なくしてしまいます。

ここでの例は計算を簡素化するために、レバレッジを100倍で計算しています。今は法律が改正され、レバレッジは元本の25倍くらいまでに制限されています。
でも、「FXはルーレットのように運でやってはいない。きちんと為替の未来を読んでの投資ではないのか」という意見もあると思います。
ただ、FXには、長い期間で大きな経済の流れを予想して為替の勝負をするという余裕はありません。
極めて短期的な為替変動で勝負するしかないものです。
為替というのは短期の相場変動を予想するのには極めて不向きです。
為替の短期の変動は需給に大きく左右されますが、市場参加者が多すぎて、次の瞬間に「誰がいくらだけ売るのか、買うのか」は誰にもわかりません。
そんなことを予想することは不可能と言ってもいいでしょう。

■短期の動きを当て続けるのはプロでも不可能
また、為替には実需と投機があります。
実需というのは原油を輸入するためにドルを買わないといけないとか、自動車を売った対価としてドルが入ってきて、それを円に替えるというような、文字通り実際の需要があって行う取引です。 投機というのは、「今ドルを買うと値上がりしそうだから、値上がりしたら売って儲けよう」という目的で為替取引をする場合です。
この投機の比率は、実需のなんと10倍くらいです。
FXの取引も投機に分類されます。
このようにいろいろな取引動機を持った売買が交錯するわけですから、いつ誰が売ったり買ったりするかわかりませんし、投機筋はちょっとしたニュースでコロコロ動く方向が変わります。

短期の動きともなると、この投機筋の動きのほかに、消費者物価指数(CPI)の数字やFRB議長の発言、政治家の発言、株価、商品価格、天候、地政学リスクなど、あらゆる要素で予想外の動きが多くなります。
したがって、短期の動きを当て続けるのはどんなプロでも不可能です。できたとしてもまぐれです。
また、理論的なアプローチも行いにくいのが為替の難しいところです。
いわゆるファンダメンタルズ分析(注)というものですが、それすらうまくいかないことが多いです。
(注)ファンダメンタルズとは、国の経済状態などを表す指標のことで、「経済の基礎的条件」と訳されます。国や地域の場合、経済成長率、物価上昇率、財政収支などがこれに当たります。
ファンダメンタルズをもとに為替などの値動きを予測することをファンダメンタルズ分析といいます。

■為替は理論値通りには動かない
為替の世界で唯一論理的に為替レートを計算できるかもしれないと思われている購買力平価ですら、実際の世界では理論値通りにはなりません。ならないどころか大きく乖離(かいり)しているのが現状です。
たとえばトルコリラなどは、購買力平価で計算したレートより実際は圧倒的に安くなっています。
また、ドル円で見ても購買力平価では90円くらいであるはずのものも、実際は145円くらいになったりします。

ところで、現在(2022年12月)アメリカと日本ではインフレ率に差がありますね。
アメリカのインフレ率の方が日本よりも高くなっています。
たとえば、ある時点で1ドル100円で、ビッグマックが日本で100円、アメリカで1ドルだったとします。1年後にビッグマックが日本で100円で据え置き、アメリカでインフレで1.5ドルに値上がりしたとします。 もしそうなら100円と1.5ドルが同じ価値のはずなので、1ドルは67円くらいの円高になるはずですね。
つまりインフレの激しい方の通貨が安くなるはずなのです。

■アメリカは激しいインフレなのに、米ドルは割高なまま
でも、実際は逆で急激な円安が進行しています。
図表1はビックマック指数でみた世界の購買力平価ですが、スイス以外のすべての国で米ドルが圧倒的に割高になっています。
たとえばビックマックはアメリカで3.99ドルで日本では400円だったとします。
そうなると1ドル100円のはずですが、この図で見るとドルは理論値よりも約50%割高だということになります。

■為替は2分の1で当たる丁半博打のように見えるが…
もちろん、運が良ければ、たまたま自分の賭けている方向に相場が動くこともあります。
ゲームの例で見たとおり、FXは元手にくらべて儲けも大きくなるので、麻薬のような喜びが生まれます。
たまに勝つことがあるというのが、この投資のまずい点です。
必ず負けるとなると誰も手を出しませんが、勝つ可能性があるため、損した人も、「次の勝負に勝って取り返せばいい」と思いがちなのがFXの怖いところです。
また、為替は上がるか下がるかしかない、つまり単純なゲームだというところも手を出しやすいのではないかと思います。
為替は丁半博打のようなもので、当たる確率が2分の1のような気がしてわかりやすいのです。
ドルを買っていた場合、ドルが値上がりしたら儲け、下がったら損だというのはとてもシンプルです。

■なぜFX取引をあおる業者があとを絶たないのか
さらに投資のプロではない人の多くは、少しでも儲かるとすぐに売って(利食って)しまい、儲けを大きく取らないのが一般的です。
たとえば2円値上がりしたあと、1円下がって、含み益が半分になってしまうと不安になって売ってしまうような場合が多いです。
FXとは、「勝ちは少ないが負けは大きく、損するときはあっという間に賭け金をすってしまう。そして方向を合理的に当てることは不可能」という勝負になってしまうのが、典型的なパターンではないかと思います。

ではなぜFXをやらせようとする業者があとを絶たないのでしょうか。
それは、業者にとってはもっともリスクが低く、収益性の高い商売だからです。
まずは、お金を貸すのが業者です。その分の金利が取れます。
その上、業者は顧客が売買する度に少し鞘を抜けます。
相場変動リスクももちろん取りません。
したがってFX業者は、顧客がFXをやればやるほど、ほぼリスクフリーで儲かるというしくみです。
大手のネット証券では、営業利益の3割がFXというところもあります。
ですので、FXは個人の資産形成のための投資対象としてはまったくおすすめできません。

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土屋 剛俊(つちや・たけとし)
            土屋アセットマネジメント社長
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2023年02月24日

国民負担率47.5%! あなたの稼ぎの約5割が公的負担…江戸時代なら一揆確実 衝撃の数字

国民負担率47.5%! あなたの稼ぎの約5割が公的負担…江戸時代なら一揆確実 衝撃の数字
2/23(木)  日刊ゲンダイ

 岸田文雄首相が掲げた「令和版所得倍増」なるスローガンはどこに消えたのか。
 財務省が、国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す「国民負担率」について、今年度(2022年度)は47.5%となる見込みだと発表した。
岸田総理にやる気さえあれば「子ども予算の倍増」はすぐできる(泉房穂 明石市長)

「国民負担率」は国際的に比較する指標の一つで、「47.5%」とは所得の半分近くが公的負担を占めているということ。
大雑把に言えば、稼いだ収入の半分程度が公的負担となる。
 歴史の教科書では、江戸時代などの農民が領主などに納める年貢の割合が3割を示す「三公七民」でも生活はカツカツで、それが4割の「四公六民」や5割の「五公五民」となると一揆が起きたされる。

現代の日本で「五公五民」に近い数値になっていることで、ネット上でも怒りの声が上がる。
《これじゃあ生活が苦しいのは当然だよ》 《国会議員の皆さん、国家公務員や天下りの皆さん、我々の負担を真剣に考えてください》
《霞が関の役所は会計検査院から毎年度、しょっちゅう無駄遣いを指摘されているが、いい加減にしろ》

 欧州では「国民負担率」が6割近くの国もあるものの、その分、社会保障や福祉政策が手厚く、日本のように負担率が高い傾向にありながら、必要以上に「自助」を強調する国は少ないようだが、江戸時代や戦国時代なら一揆が起きてもおかしくないレベルだ。
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2023年02月25日

「認知症予備軍」が一発でわかる6つの重要サイン

「認知症予備軍」が一発でわかる6つの重要サイン
「味つけ変わった」「小銭を出すの面倒」は注意
浦上 克哉 : 日本認知症予防学会理事長
2023/02/24 東洋経済オンライン

認知症予備軍≠ニ呼ばれ、認知症になるかどうかの「最後の分かれ道」とも言われる「軽度認知障害(MCI)」。

では、普通の認知症とどこが違うのか?
 軽度認知障害かどうかを判断する基準はどこにあるのか?
 本稿では、『もしかして認知症?』より、あなたが「軽度認知障害(MCI)」なのかどうかがすぐにわかるポイントを解説する。

もの忘れ以外の兆候、「興味関心の減退」
認知症には、もの忘れ以外にも、「いろいろなものに対する興味関心がなくなる」「これまで興味があったことへの興味がなくなる」といった兆候もあります。
いろいろなものに興味関心がもてなくなるというのは、認知症を引き起こすリスク因子(原因)の1つです。
そして、認知機能の低下が始まっているMCIになると、興味関心をさらにもちにくくなり、認知症が進むにつれて興味関心がどんどん減退していきます。
つまり、興味関心がなくなるというのは、認知症の原因でもあり、結果でもあるのです。

こうした事例の典型的なパターンを紹介しましょう。
現在の60代、70代には、仕事人間だった人がたくさんいます。
こうした仕事人間だった人が定年退職すると、何もやることがなくなってしまいます。
仕事が趣味だったので、それ以外の趣味がありません。
毎日テレビを見ながらゴロゴロしていると、認知機能が徐々に低下していきます。

興味関心がもてるものがない。
その結果、身体を動かすこともなければ、頭も使わない。
こうした生活を毎日続けていれば、脳の使われない神経細胞は弱っていきます。
脳の神経細胞が弱るにつれて、脳の働きも悪くなっていき、思い出さなければならない大事なことまで思い出せなくなります。

定年退職した段階では健康だった脳の神経細胞も、使わないことで次第に弱り始め、MCIになり、さらに認知症へと進んでいくのです。
人間の脳には無数の神経細胞があります。
この神経細胞が何らかの要因で弱ることでMCIになり、神経細胞が完全に死んでしまうと認知症になります。
一度死んでしまった神経細胞を生き返らせることはできません。
ただし、弱っている神経細胞であれば、予防して回復させることができます。
弱っている神経細胞を元気づけてあげることはできるのです。

認知症になると回復が見込めないのは、脳の神経細胞がほとんど死んでしまっているから。
一方、MCIは、脳の神経細胞がまだそれほど死んでおらず、弱っている状態であるため、元気づけてあげることで正常な認知機能に戻る可能性があるというわけです。

知っておきたい「認知症」4つのタイプ
軽度認知障害を考える上で、認知症の正しい知識についても、知っておいていただきたいと思います。
実は、認知症は1つの病気だけを指す言葉ではありません。
認知症は、「病気の症候群」であり、100種類ぐらいあると言われています。

MCIは認知症の直前の状態ですから、厳密に言えば、MCIも同様に約100種類あるということになります。
だからと言って、100種類を全部知っておく必要はまったくなく、知っておいてほしいのは、次の4つのタイプです。

1 アルツハイマー型認知症
2 レビー小体型認知症
3 血管性認知症
4 前頭側頭型認知症

認知症で一番症例が多い、つまり患者数が一番多いのがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症が、認知症全体の6〜7割を占めています。
これまで述べてきたもの忘れという「記憶障害」は、どのタイプの認知症でも見られる症状ですが、レビー小体型認知症では、幻覚や妄想などの症状が出ることがあります。
血管性認知症では、悲しくないのに泣いてしまう、あるいは、おかしくないのに笑ってしまうといった「感情失禁」と呼ばれる症状が出ることがあります。
それぞれのMCI段階でも、同様の症状が出ることがありますが、「見えないはずのものが見える」などと言い出したり、何を聞いても泣き出すようになったら、「これはおかしい」と家族が気づき、医療機関を受診するでしょう。

このため、レビー小体型認知症や血管性認知症は、MCIの段階で発見しやすいと言うことができます。
一方、発見が難しいのがアルツハイマー型認知症のMCIです。アルツハイマー型認知症は、誰もが明らかにおかしいと思うような症状がMCI段階で出ることは少なく、歩き方が不自然になるなどの運動系の障害もないため、健忘症によるもの忘れだと考えられて見逃されやすいのです。

MCIか否かを判断する「6つのチェックポイント」
認知症の6〜7割を占めるアルツハイマー型認知症は、MCIの段階で見つけるのが非常に難しいのですが、例えば、次のチェックリストの中で該当するものが2つ以上あるなら、MCIが疑われます。

MCIのチェックリスト
□1 料理をする際、同じ献立が続いたり味つけが変わってきた
□2 服装の流行や季節感を考えるのが億劫になった
□3 話し始めてから、何を話そうとしたのか忘れてしまう
□4 洗濯をしたあと、干すのを忘れてしまうことがたびたびある
□5 小銭を出すのが面倒で、お札で会計することが多くなった
□6 興味や喜びを感じる機会が減ってしまった

このチェックリストは、私の長い臨床経験の中で、特に頻度が高い事例をもとに、早期発見に役立つものを6つ選んだものです。
自分のチェックにはもちろん、両親や親戚、友人などの周囲の人たちをチェックするのにも活用できます。

@ 料理をする際、同じ献立が続いたり味つけが変わってきた
認知機能が低下すると、複雑で難しいことや、手間暇がかかることが面倒くさくなり、やりたくなくなってしまうということがあります。
料理はこうしたことの典型であり、かつ毎日行うことなので、チェックしやすいと考え、リストに入れました。
夫婦2人のときには手の込んだ料理をつくっていたのに、パートナーを亡くし、1人になったとたんに料理をしなくなったという高齢者も多くいます。
若い人でも一人暮らしだと「自分だけだから」と料理をせずに、インスタント食品やスーパーやコンビニの惣菜ですませるなど、食事がいいかげんになりがちですが、これは高齢者も同じです。
また、もの忘れがあると、調理中に塩や砂糖を入れ忘れたり、逆に塩を2回入れてしまったりして、味が変化してきます。
こうなると、当然ながら、美味しい料理にはなりません。
料理を美味しくつくれなくなったことで、かんたんな料理しかつくらなくなる、同じ料理ばかりになるということもあります。

A 服装の流行や季節感を考えるのが億劫になった
外出をする機会が多ければ、自然と人目を気にすることになりますが、外出しなくなると、「どうせ自宅にいるだけだから」「誰とも会わないから」などと服装に気を使わなくなります。
おしゃれにとても気を使っていた女性が、服装や化粧に気を使わなくなったとしたら要注意です。
いろいろなことへの興味関心が薄れてくると意欲も低下してきますので、いっそう、「服装などどうでもいい」と考えるようになります。

季節の移り変わりに関しても興味関心がなくなると、着るものや食べるものも年中同じになります。
暑くなってきたのに長袖を着ている。
逆に、朝晩寒くなってきたのに半袖姿で外を歩いている。
こうしたことも、認知機能が低下し始めている兆候です。

同じ話を何度もしてしまう
B 話し始めてから、何を話そうとしたのか忘れてしまう
ちょっとした雑談であっても、話している途中で自分が何を話したかったのか忘れてしまう。
あるいは、話し終わったとたんに、自分が何を話したのかを忘れてしまう。
こうしたことがあったら、認知機能の低下が疑われます。

同じ話を何度もするのも、認知機能の低下によるものと考えられますが、自分では同じ話をしているつもりはないので、自分で気づくのは難しいかもしれません。
相手が同じ話を何度もしたり、質問されて答えたのに、また同じ質問をしてくるといったことがあったら、話し相手の認知機能の低下が疑われます。

C 洗濯をしたあと、干すのを忘れてしまうことがたびたびある
若い人でも洗濯物を干し忘れてしまうことはあります。
しかし、たびたび忘れてしまうようになると注意が必要です。
洗濯物を干したり、たたんで片付けたりするのは、おばあちゃんが担当することが多いので、こういう事例も入れてみました。
コンロの火をつけっぱなしにしてしまい、鍋やフライパンを焦がしてしまう。
風呂や流しの水を出しっぱなしにして忘れてしまう。
こうしたことも、1回だけなら心配いりませんが、たびたび起きるようになったら要注意です。

D 小銭を出すのが面倒で、お札で会計することが多くなった
認知機能が低下すると、判断や行動に時間がかかるようになります。
いろいろなことが、以前のようにテキパキとできなくなるのです。
レジで会計をする際、後ろに何人も人が並んでいると、「小銭を数えて出すのに時間がかかってしまうと、後ろの人に迷惑をかけてしまう」という思いから、出しやすいお札だけで会計をするようになります。
お札で支払うと、お釣りを小銭でもらうことになるため、財布がいつの間にか小銭でいっぱいになります。

財布が小銭ではち切れそうになっていたら、認知機能の低下が疑われます。
病院の会計でも、小銭も使ってきちんと支払いができていた人が、お札だけで支払うようになると「認知症、要注意」だと言われています。

海外に行ったとき、お釣りでもらったコインを支払い時には使えず、どんどん財布にたまってしまったという経験がないでしょうか。
認知症の人も、これと同じように、小銭の金額とその価値がパッとわからず、さらに計算が素早くできないために、お札で支払うことを選んでしまうのです。
ちなみに、キャッシュレスによる支払いも増えていますが、いちいち計算せずに支払えるのは便利である一方、脳を使わないので認知症予防にとってはあまり良いことではありません。
また、高齢者がキャッシュレス社会についていけるのかも心配です。

「失っていく」状態にある人への理解が必要
E 興味や喜びを感じる機会が減ってしまった 前述したように、現在の高齢者の中には、仕事人間だった人が多くいます。
そんな仕事人間だった人には、これといった趣味も、やりたいこともありません。
定年後に新たな趣味をもとうと何かを始めても、なかなか長続きしないということもあります。

定年延長で働き続ける人もいますが、役職はなくなり、これまで部下だった若い人の下で働かなければならなくなります。
しかも、給料は激減。ストレスは逆に増えます。
高齢者になると、家族や友人、知人を亡くすことも増えます。
これは、会話をする相手が減っていくということです。

高齢になると、歳を重ねるごとに、いろいろなものを失っていくばかりです。
これまでできたことが、できなくなることも多々あります。
MCIの人たちと話していると、「情けない」と嘆かれることが多々あります。
当たり前にできたことができなくなった自分が情けないという思いが強くあるのでしょう。

現在、高齢者が置かれている環境を、もう少し理解してあげてもいいのではないでしょうか。
毎日の生活の中で、生きがいを見つけるのは、かんたんなことではないのです。
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2023年02月27日

「終活」という言葉ほどバカなものはない…定年本や老後本にある「豊かな老後」を信じると後悔するワケ

「終活」という言葉ほどバカなものはない…
定年本や老後本にある「豊かな老後」を信じると後悔するワケ
2/26(日) プレジデントオンライン

「豊かな老後」とは一体どんなものか。作家の勢古浩爾さんは「定年本や老後本によく書かれている言葉だが、『豊かさ』の中味は一人ひとりちがう。こうした希望や不安を煽るだけの言葉に騙されてはいけない」という――。

 ※本稿は、勢古浩爾『脱定年幻想』(MdN新書)の一部を再編集したものです。


■偽りの希望の言葉に騙されてはいけない
 自分の言葉は自分をしばる。だからできるだけ、ウソはつかないほうがいいのである。
適当なこともいわないほうがいい。
しかしここでいいたいことは、そのことではない。
人をたぶらかそうとする、もっともらしい公の言葉に、騙されないように(しばられないように)ということである。

 定年本や老後本を開けば、たいてい「豊かな生活」とか「充実した人生」とか「成長しつづける」などの、偽りの希望の言葉が書かれている。
しかし、こういうもっともらしい言葉がじつはよくない。
これらはだれもが望むような言葉である。そのための方法を求めて、人は本を読むのである。

 だがそのなかに、なにが「豊か」でなにが「充実」なのかが書かれていることは少ない。
ほとんどない、といっていい。
希望を示すような言葉だけが、しばりとなってわたしたちに残るだけである(それはなにか、を自分で考える人はいるだろう)。

 映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』で、ある中年妻が夫にいう。
当然、中年男である。
「わたしたちはキラキラした人生を送るべきよ」と。あっちもおなじなんだな。「キラキラ」の原語はたしか「スパークリング」だったか。

■「こうすれば老後は豊かになる」は本当か
 なかには、老後のいまが一番楽しい、なんていう人もいる。
わたしはこんなに楽しい老後をおくっている、人生は充実している、あなたもわたしみたいにこうすればいいですよ、というのだろうか。そりゃよかったね、というほかはない。

 「いい人をやめれば人生はうまくいく」という人もいる。
そんなばかな。人生がうまくいく方法などどこにもないし、それを知っている人など、この世にひとりもいるはずがないのである。

 人生に「こうすればこうなる」なんてことはない。それはインチキビジネス書や成功本の幼稚な手口である。
だから、こうすれば金儲けができる、成功する、雑談力があがる、老後は豊かになる、人生は充実する、輝く、なんてことはないのだ。

 まあ、毎日酒浸りの生活をつづければ、体を壊し、いずれ死ぬぞ、ということはあるだろうが。
人生にあるのは「こうするつもり」とか「やってみせる」という意志だけである(もちろん、その意志も大半は通らない)。

■「老後のいまが楽しい」はいったもん勝ち
 すべての甘言は疑似餌である。
食えたものじゃないのである。
「輝く」なんてバカ言葉を使っている時点で、すでにアウトである。
わたしはそんな子ども騙しのエサにだれが食いつくかね、と思うが、おいしそうなエサだと食いつく人がいないわけではない。
ウソでもいいから、夢や希望を与えてくれ、と思っている人である。

 ウソでもいいから、はなかろうと思うが、そんな人はいるのである。
安くない金を払って本を買ったのだから、せめて夢や希望を与えろよ、本にはオレたちの知らない秘策が書いてあるものだろ、でなきゃただの買い損じゃないか、というのだろう。

 「わたしは老後のいまが人生で一番楽しいよ」という人がいてもしかたがない。どういうつもりか知らないか、本人がそういうのだから、止めようがない。
毎日が楽しい、充実しているよ、という人もいるだろう。
そういうことをいうのはその人の勝手だし、いったもん勝ちである。

 しかしそんなことなら、わたしだって、毎日充実してますよ、といえるわけである。
これを読んでいるあなただって、まあおれも充実してるといえばそうかな、といっておかしくはないのである。
なんだっていえるのである。

■「どうでもいい」と思ったほうが、すっきりする
 ただし、そういったからといって、なにがどうなるわけでもない。
味気ない生活が、そういったとたんに楽しくなるわけではない。
それに、もしかれらがほんとうに楽しい生活を送っているにしても、かれらはあなたやわたしではない。なんの関係もないのである。

 本を書いている人が作家だ学者だコンサルタントだといって、人生の達人であるわけがない。
そんな人間はいない。
あたりまえである。かれらも自分の人生を生きるのに精一杯なのだ。

 もし「豊かな生活」や「充実した人生」を送りたければ、自分でつくるしかない。
一人ひとり「豊かさ」や「充実」の中味がちがうからである。あなたの人生を知っているのは、あなた以外にはいないのである。

 しかしほんとうに「豊かな生活」とか「充実した人生」って、なんですかね? 
 言葉の綾だというのはわかるが、中味のない、ただ聞こえのいいだけの空語ではないのか。そんなものはどうでもいい、と思ったほうが、いっそすっきりするのではないか。

■ベストセラーをきっかけにした「定年後」ブーム
 楠木新の『定年後 50歳からの生き方、終わり方』という本が異例のベストセラーになったことを受けて、「『定年後』に輝くための7カ条」(『週刊文春』2017年9月14日号)という記事と、「大特集 定年後の常識が変わった」(『文藝春秋』2017年10月号)という記事がたてつづけに出た。

 定年後のなにが「輝く」わけでもないし、「定年後の常識」というものがあるにしても、そんなものは自動的に変わりゃあしません。変えるか変えないかを決めるのは、あくまでも自分である。

 また、『ライフシフト 100年時代の人生戦略』というベストセラーの影響で、早くも尻馬に乗って、これからは「人生百年だ」なんてことをいう人も出てきたが、そんなことは一個人にとっては、どうでもいいことである。
かれらは売り上げを伸ばそうといろんなエサを垂らすが、われわれが、いちいちそんなものに食いつく義理はないのである。

■「終活」という言葉ほどバカなものはない
 なにがバカくさいといって、「終活」という言葉ほどバカなものはない。
クラブ活動が「部活」になったのは正当である。
「就職活動」が「就活」なのもいい。「婚活」は「結婚活動」か。もうここでだめなのだが、まだ許せなくはない。

 「妊活」とはなんだ。
「妊娠活動」か。アホか。そんな言葉はない。
「不妊治療」なら「妊治」だが、それじゃだめだ。「活」がないと。で、ただ「活」をつけたのだ。

 「終活」にいたっては、ただ調子に乗っただけである。
「終焉(しゅうえん)活動」などはない。しかしそんなことはどうでもいいのだ。「活」をつけたかっただけである。便利だし、わかるだろ、というわけである。葬儀屋の陰謀なのか。


 自分の最後をどうしようか、と考えることは無駄ではないが、「終活」という言葉に踊らされて、おれもなにか考えなくてはな、と焦ることはあほらしい。
エンディングノートを書き、尊厳死協会に入会し、生前墓を建てて、さてあとはなにがあるんだ? 
 と計画を立てておくのは、人それぞれだから、他人がとやかくいうことではない。

自分らしい個性的な死を演出しようと考える人が出てきてもしかたがない。
そうい■無になる人間が名を残すことに意味はない

 わたしが自分の死で考えることは、「終活」とはなんの関係もなく、たったひとつ。残る者に金銭の負担をさせないように、葬式無用、戒名不要をいっておくだけである。墓はいらない。延命治療はもちろん断る。骨の欠片を小箱に入れて、手元供養でいい(「たったひとつ」ではなかったのか)。

 残りの大量の骨の処分が厄介だろうけど、なんとか処分してもらう。
散骨など邪魔くさい。
葬儀をケチったと人に思われないように、これは故人の意志だということをはっきりさせておく。
あとはテキトーでいい。

 ほんとうは手元供養もいらない。
記憶として残るだけで十分である(それも死んでしまえばわからないが)。
もし記憶に残してくれる人がいるとしても、その人が死ねば、そこで終わりである。
なにをどうしても、人間はいずれ無になるのである。
レジェンドとして名を残しても、当人にとっては無意味である。
「終活」などは、商売人の言葉にすぎない。

■「孤独死」というはやり言葉への違和感
 孤独死という実体はある。昔からあるはずである。ひとりぼっちの高齢者もいまにはじまったことではあるまい。
わたしが住んでいる近所に、静かなおじいさんがひとりで住んでいて、会えば挨拶をしたが、いつの間にか介護施設に入所したらしい。

 わたしがはじめて「孤独死」という言葉を知ったのは、NHKの特集番組だったと思う。
だからどうした、と思った。
番組はもちろん露骨にではないが、みじめな死、人間としてあってはならない死、というメッセージを出していたように思う。
だから孤独死を防ぐにはどうしたらいいか?  と。
悲惨といえば悲惨、みじめといえばみじめ、哀れといえば哀れな、だれにも看取られない死。
この番組を観た人の多くは、ああはなりたくないな、と思ったのではないだろうか。

 孤独死がみじめなら、ではどんな死であればいいのか。
5千人もの人が参列する大葬儀か。ばかばかしい。
親族に看取られる大往生は幸せな死か。
いったい死に、幸せな死、などあるのか。
こちらは孤独死、あちらは大葬儀。
世間は当然、大葬儀のほうを評価するが、そんなことは、生きている人間による「哀れな死」と「見事な大往生の死」という、死の品評にすぎない。
死んだ人間にとっては、おなじである。う人は「終活カウンセラー」なんかに世話になるのだろうか。

■人間はどんな死でも死にうる存在である
 火葬場に行くと、ずらっと並んだ焼却炉の前で、こちらはけっこうな人数、あちらは2、3人ということがある。
見送る人が数人か、かわいそうに、と思ってはならない。
人数の多寡、規模の大小など、大したことではない。
それに、こっちの多数はほとんどが義理、あちらは真に親密な人、ということだってあるのだから。

 人間はどんな死でも死にうる存在である。
わたしみたいに真の厳しさを知らず、ぬくぬくと暮らしている人間がいってもなんの説得力もないが、わたしはそう考えている。
むろん、嫌な死に方というものはあるが、それをいってもどうにもならない。自殺でもしないかぎり、自分で死に方は選べないからである。

 わたしはどんな死に方をしても、文句はいわない。
山ほど後悔するかもしれないが、文句はいわない(いえないのはそのとおりだが、いえたとしても)。ほとんどの死は偶然であり、自余(じよ)のことは、わたしが自分で決めたことだ。
孤独死という事実はたしかにあるが、「孤独死」という言葉は愚劣である。その死を見る視線も愚劣。

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勢古 浩爾(せこ・こうじ)
作家
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2023年02月28日

「みんなが迷惑 川崎市」 経年劣化のせいで生まれてしまった「トンデモ市民標語」が強烈すぎる

「みんなが迷惑 川崎市」 経年劣化のせいで生まれてしまった「トンデモ市民標語」が強烈すぎる
2/27 Jタウンネット

赤いインクは、紫外線で退色しやすい。Jタウンネットの愛読者の皆さんは、全国各地にある「経年劣化で意味が変わってしまった看板」のことをご存じだろう。
神奈川県川崎市に掲げられた横断幕も、そんな経緯でかなり強烈な存在になってしまっているらしい。
こちらはツイッターユーザーのたっしゅ/多趣味な学生(@kbm_N1)さんが、2023年2月19日に投稿した写真だ。

川崎市多摩区の新開橋付近で見つけた横断幕にはこんな言葉が書かれている。 (以下引用)
「みんなが迷惑 川崎市」 (以上引用) 川崎市民のキャッチフレーズのような感じで、かなりひどいことを言っている。
まるで、川崎に住む人々みんなが迷惑な存在であるかのように......。
はたして、この横断幕は何なのだろうか。

Jタウンネット記者はGoogleストリートビューで過去にさかのぼってみることにした。

同じものを見つけたら市に連絡を!
投稿者・たっしゅさんによると「消えた赤字部分は、現地でも読み取りは難しいものでした」。
ストリートビューを見てみると、この場所は2009年8月から2022年5月までに、計6回の撮影が行われたらしい。

19年〜22年の写真では文字はすでに消えてしまっていて、09年はまだ横断幕が設置されていなかったようだが、15年5月時点の写真では、消える前の言葉がはっきり確認できた。 (以下引用)

「みんなが迷惑 ポイ捨て 路上喫煙 川崎市」 (以上引用)
横断幕はポイ捨てや路上喫煙に対する注意喚起のものだったのだ。
この横断幕が「みんなが迷惑 川崎市」になることはたっしゅさんが撮影した場所以外でも目撃されており、ツイッター上にも目撃情報がちらほら。

いまや、本来のメッセージは誰にも伝わらなくなってしまっているが、ずっとそのままなのだろうか。
2月21日、Jタウンネット記者が川崎市市民文化局市民生活部地域安全推進課の担当者に話を聞くと、この横断幕はポイ捨てや路上喫煙に関する苦情があった場所に設置したり、個人に渡したりしていたもの。
苦情件数が多いため、横断幕がどこにあるのかは市でも把握していないそう。

なので交換するためには「市民からの連絡」が必要だ。
地域安全推進課の担当者は (以下引用) 「もし同じような状態の横断幕があれば市に連絡してほしい」 (以上引用) と呼びかけた。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする