不戦の誓い新た 東京大空襲の追悼式典 都庁
3/10 産経新聞
昭和20年3月の東京大空襲から78年となった10日、犠牲者を追悼し、戦争の惨禍を繰り返さないことを誓う「都平和の日記念式典」が都庁で開かれ、被災者や遺族、関係者ら約170人が参列した。
被災者代表の小峰光弘さん(86)のあいさつを妻のヒデ子さん(84)が代読。
勤務先の工場が被弾した光弘さんの姉が、死傷した同僚らを介抱して精神を病んだことや、子供だった光弘さんが戦闘機から機銃で射撃された体験を紹介した。
光弘さんは「人間同士が殺し合う戦争は絶対にしちゃいけないと強く感じた。世界から戦争がなくなることを願う」とした。
小池百合子知事は「遺族の深い悲しみに思いを致すと戦争の残酷さや悲惨さを考えずにいられない。
悲惨な記憶をしっかりと次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていかないといけない」と述べた。
先の大戦で米国が都内に行った空襲は昭和20年3月10日未明の規模が特に大きく、この空襲だけで10万人以上の命が失われたとされる。
都は平成2年にこの日を「平和の日」と条例で定め、翌3年から式典を実施してきた。
新型コロナウイルスの感染拡大により中止した令和2年を除き毎年開かれ、今回が33回目。
式典では犠牲者に1分間の黙禱(もくとう)がささげられ、国歌奏楽のほか、都交響楽団による記念演奏が行われた。