2023年06月01日

心理テストで隠れた欲求診断

心理テストで隠れた欲求診断
2023年05月30日 シンリ

心理テストの質問

【質問】
あなたは、友人とホットケーキを作りました。
どのように友人と分けますか?

大きいホットケーキが1枚、バラバラのホットケーキが2枚あります。 A〜Dのなかから選んでください。
この質問では、「あなたの隠れた欲求」が見えてきます。
それでは、診断結果を見ていきましょう。

A 大きいホットケーキを自分がもらう
B バラバラのホットケーキ2枚を自分がもらう
C 大きいホットケーキ半分とバラバラのホットケーキ1枚を自分がもらう
D 大皿に盛りつけたホットケーキを小皿に取りながら食べる

心理テストの診断結果

A 大きいホットケーキを自分がもらうと答えたあなたは…、
「マウントをとりたい欲求があります」
あなたは、自分が一番できると思っていたのに、実は一番ではなかった、という経験が過去にあったのではないでしょうか。 その悔しさが忘れられず、どこかで晴らしたいとずっと思っているようです。
あなたはすごい!と周りの人から認められたいのでしょう。

B バラバラのホットケーキ2枚を自分がもらうと答えたあなたは…、
「見返りがほしいという欲求があります」
あなたは内心、「厚意で譲ってあげたのだから、見返りがあって当然でしょ」と思っています。 実際のところ、そこまで図々しい要求はしないのですが、プラスマイナスゼロにならないと気が済まないのは確か。 全てに損得勘定をして生きていると、良好な人間関係を構築するのがやや困難かもしれません。

C 大きいホットケーキ半分とバラバラのホットケーキ1枚を自分がもらうと答えたあなたは…、
「公平であるべきという欲求があります」 あなたは、誰かと比較して公平であることが大切だと思っています。
得をしたいとは思っていませんが、とにかく、損だけは絶対にしたくない!という気持ちが強いです。
よって、公平に扱ってくれないと思った相手とは距離を取りそうですね。

D 大皿に盛りつけたホットケーキを小皿に取りながら食べると答えたあなたは…、
「気を遣いたくないという欲求があります」
あなたは、余計なことに気を遣いたくないので、自分で食べたい量を食べれば問題ないと考えるタイプです。
友人同士のフランクな付き合いでは有効ですが、職場ではそのような態度を取ってしまわないように気を付けましょう。
気疲れするタイプなので、気の置けない友人と上手にストレスを解消できるといいですね。

ライター : シンリ編集長
心理学を学び、さまざまな診断に関する造詣が深い。
恋愛診断から性格診断などまで幅広い見識を備え、現在は心理系記事のライター、編集長として活動中。

編集 : シンリ編集部
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2023年06月02日

NHK 受信料徴収の根拠なし?

NHK 受信料徴収の根拠なし?
有馬 哲夫 早稲田大学社会科学部
023年06月01日  PRESIDENT Online

NHKは国民から徴収する受信料を「特殊な負担金」と説明している。
『NHK受信料の研究』(新潮新書)の著書がある早稲田大学社会科学部の有馬哲夫教授は「NHKがあまねく全国に放送する特殊な存在だった時代には通用したが、インターネットが広がった今、国民に『特殊な負担金』の支払いを求める理由はない」という――。

■NHKの「特殊な負担金」論の矛盾
総務省が設置した「公共放送ワーキンググループ」が5月26日、「スマホを持つだけで受信料を徴収することはない」と明言し、マスコミ各社がこれを報じている。
ところがNHKの広報は、5月17日のメディア関係者向け説明会で「NHK受信料は『視聴の対価』ではなく『特殊な負担金』」だと説明している。
これだと、NHKの維持費なのだから、番組を視聴しようとしまいと、さらにテレビやスマホを持っていようといまいと、国民は受信料を払って負担することになる。

ワーキンググループの言っていることと大きく矛盾する。
そもそも、「特殊な負担金」という文言は、1964年に「臨時放送関係法制調査会」の中で使われたものだ。
なぜ1964年、つまり今から59年も前の言葉をNHKは繰り返し引っ張り出してくるのだろうか。

■「NHKなんか見ていないのに」に対抗
答えは、私がこれまで指摘してきた事実を知っていただければ得られるだろう。
それは、国民の半数近くが、NHK総合チャンネルを1週間に5分も見ていないという事実だ。
これは、NHK放送文化研究所が公表したデータだ。
プレジデントオンライン〈日本人の半数はNHKを週5分も見ていない…「公共放送」を自称して国民から受信料を搾り取るNHKの問題点〉(2023/4/18)

インターネットが発達し、SNSが普及し、人びとがスマホ・ネット中毒になっている現在、テレビ放送を視聴している人は少ない。
若者はほとんど見ていないし、今後も見なくなっていく。
そのNHKは、他局がまったく取っていない受信料を徴収している。
これはおかしいだろうというのが私の指摘だ。
くの日本人もおかしいと思っているので、NHKに対する不満が地下のマグマのようにたまってきている。
だから、私の記事は共感を呼び、多くの方に読まれた。

この不満にNHKが対抗して出してきたのが、冒頭の「NHK受信料は『視聴の対価』ではなく『特殊な負担』」。
つまり「見ていようといまいと、テレビやスマホを持っていようといまいと、NHKの組織の維持費なのだから払え」ということで、完全な開き直りだ。

■NHKは本当に「特殊な会社」なのか
NHKの言わんとすることはこうである。
私たちは、製品(放送番組)を作っている。
それがあなたの欲しいものかどうかはどうでもいい。
あなたが、それを使うかどうかもどうでもいい。

私たちは製品を作り、あなたの元へ届けるために、会社を維持する必要があるのだから、お金(受信料)が必要だ。
私たちはお上のお墨付きをもらった特殊な会社なのだから、あなたはわが社の維持費を負担しなければならない。
このようにわかりやすく言い換えたら、

「はい、そうですか」と受信料を払う人はいないだろう。
NHKがこのような無理なことを言うよりどころとしているのが「私たちは特殊だから」ということだ。
NHKはこれをプロパガンダのように何度も繰り返せば人々はそうだ思い込むと考えているらしい。
では、NHK、およびその前身である日本放送協会は、どう「特殊」なのだろうか。

■受信料は「民間放送」を聴く対価だった
ここで注目すべきは、「特殊な負担金」をNHKがプロパガンダとして使い始めたのは1964年になってからだということだ。日本放送協会が発足したのは1925年である。
ということは、39年もの間「特殊な負担金」だと主張してこなかったということだ。
なぜかといえば、それまでは受信料は「特殊な負担金」ではなかったからだ。

日本放送協会(以下協会とする)は、戦前の無線電信法(1915年制定)では「私設無線電話施設者」と規定されていた。
つまり、放送局(無線電話施設)を私的に作った民間業者ということだ。
NHKは「公共放送」であるとして、まるで公共機関であるかのように思い込ませようとしているが、今も昔も、「私設無線電話施設者」であることに変わりはない。

当時の日本国民は、この「民間放送」を聴くために受信料を払った。
ここではコンテンツと対価の間に「特殊」なものは何もない。
人々は放送コンテンツが聴きたかったので対価として受信料を払った。
これは、今でいえば、WOWOWのような有料放送だ。
欲しいものを手に入れたのだからだれも受信料を払うことに文句はいわなかった。

■ラジオ購入者は「聴取契約書」を届け出
また、ラジオを買った人は、住所、氏名、ラジオ型番、設置場所、使用目的を電波管理局に届け出なければならなかった。
当時、電波は国のものとされ、軍事上重要なものとして厳重に管理されていた。
そうしなければ、敵性情報を得たり、軍事情報を発信したりする人間を取り締まれないからだ。
ラジオの購入者は、独占企業である協会の放送を聴く目的であることを証明するために、協会との「聴取契約書」を添えて逓信省に上述の届け出を出した。
ここが現在とは大きく違うところだ。
時の人々は協会の放送コンテンツというソフトを得るために、ラジオ受信機というハードを買った。
今日の私たちは、パソコンやスマホというハードを買っているが、それはNHKのソフトを得るためではない。
だから、「NHKを受信するために買ったものでもないのに、なぜ持っているだけで受信料を取ろうとするのだ」と怒る。

■国と軍部と一体化する「特殊な関係」へ
さて、コンテンツと対価の関係は正常だったが、協会と国家・軍部との関係は「特殊」になっていった。
協会が設立されて1年後、逓信大臣の安達謙蔵は協会に関して次のようにいった。
「国家非常の場合、この放送は唯一無二の大通信設備として国勢に供せられる」
私設無線電話施設者である協会に、ありがたくも国家の電波を使わせてやっているのだから、一朝ことあるときは、一つしかない放送ネットワークは、国家のために奉公しなければならない。(以下、拙著『NHK受信料の研究』を踏まえている)

折から日本は中国に積極的に進出し、国民党の蒋介石と衝突し始めていた。
協会も海外にネットワークを広げた。
1931年に満州事変が勃発すると、その年の9月から翌年の10月までの間に「時局関係番組」つまり、「満州は日本の生命戦であり、ここに進出していく国民の覚悟と奮起を促し、世論の方向を支持する番組」を260本も放送した。
私設無線電話施設者は、国および軍部と一体化して、海外にネットワークを広げ、国策プロパガンダ機関になっていった。逓信省の元幹部が協会に天下り、かわりに受信料の支払いを郵便局で受け付け、不払い者には郵便局員を差し向けた。
協会と逓信省はべったりの「特殊」な関係になっていく。
その結果、受信料があたかも公共料金であるかのように錯覚されることになった。
現在のNHKと総務省もこのような関係を引きずっている。

■GHQの考えは「放送サービスは無料」
ここまで一体化したのだから、協会は国営放送となって、受信料の徴収をやめてもよかった。
しかし、それでは逓信官僚の天下り先がなくなる。
また、軍事通信網に巨額の国費が投入されているので、「民間放送」が得ている受信料で日本全国、および海外に放送ネットワークを広げられれば、それに越したことはない。
日本は戦争をしていたので、その関連ニュースを得るため、ラジオを購入し、受信料を払う人々が激増した。
協会は国策プロパガンダを流して巨利を得ていた。

このシステムを根底から覆そうとしたのが、終戦後日本にやってきた占領軍だった。
彼らの目標は、放送を国家権力から引き離すこと、放送を民主化(アメリカ化)することだ。
つまり、電波監理委員会という政府から独立した行政機構に放送を任せ、政府に届け出なくても自由に放送を受信できるようにした。

アメリカの考えはこうである。
電波はみんなのもの(公共の電波)なので、電波を使用する事業者はみんなのためになる放送サービスを無料で提供しなければならない。
人々はそれを自由に受信する権利があり、放送を通じてさまざまなことを知る権利がある。
だから、広告を流して利益を得ることはいいが、受信料を取ってはいけない。受信料を払えるものが受信でき、払えないものが受信できないのでは、公共の電波の使い方として適当でない。

■受信料徴収は当座の便法だったが…
この方針でNHK(1946年からこの呼称を使い始めた)は窮地に陥った。
ラジオを買っても届け出しなくてもいいとなれば、届け出に基づいて受信料を徴収できなくなる。
占領軍は、NHKの地方局のそれぞれが、アメリカの放送局のように、広告と寄付金と地方自治体からの交付金で運営していけやっていけるというが、NHKはそんなことをやったことがなかった。
そこで、占領軍は既存の組織を維持するため、当座の便法として、受信料の徴収を認め、徴収率を高めるために、放送法の中に受信契約義務規定を入れるのを許してしまった(ただし「放送法の父」と呼ばれる民間通信局分析課長代理のクリントン・ファイスナーは憲法違反を指摘していた)。
これが現在の受信料制度の起源だ。

その一方で、占領軍は、受信料を取らず、広告収入で経営していく民間放送の設立を地方の財界に働きかけた。
その結果、放送法を制定した1950年以降、次々と民間放送局が誕生していった。
占領軍は、いずれNHKも受信料徴収をやめ、広告と寄付と交付金でやっていくと楽観していた。

■NHKがプロパガンダを打ち出したワケ
こうして放送サービスを無料で提供する放送局が多く出てくると、受信料徴収をやめようとしないNHKは、なぜ自分たちだけが、広告を流さず、受信料を取るのか説明しなければならなくなった。
そこで「自分たちは特殊であり、その組織を維持するために、放送法によって契約を義務付けられた国民から負担金を取ることができる」という冒頭のプロパガンダを打ち出してくる。
これがプロパガンダだというのは、よく考えれば不条理なことに気が付くが、何度も繰り返されると、マヒして当たり前に思ってしまうからだ。

■あまねく全国に放送するから「特殊」だった
ただし、放送法第15条にあるように、「あまねく全国に放送する」がゆえに、民間放送とは違って、「特殊」だというのは本当だった。
民間放送は、東京のキー局と、経営上は独立の地方局がネットワーク契約を結ぶことで全国放送しているが、NHKは全都道府県に直営局があり、自前の放送ネットワークで全国放送している。

東京、名古屋、大阪の基幹局と地方局は自前の電波リレー網で結ばれており、この電波リレー網の建設と維持に巨額の資金が必要とされた。
そのための財源が受信料だったのだ。
1964年の「臨時放送関係法制調査会」の答申はこの事情を踏まえたものだった。
2017年12月6日に最高裁判所大法廷がNHK受信料の徴収が合憲であると判断した理由も、NHKが放送法で「あまねく全国」に放送することを義務付けられているがゆえに、受信料を公平負担することで支えなければならないというものだった。(詳しくはデイリー新潮〈NHKの受信料には法的根拠がない? 判決の根拠を突き崩す事態が続出〉に譲る)

問題は、今でもそうなのか、ということだ。
なるほど、全国津々浦々まで電波リレー網を張り巡らさなければ、離島や山間部まで放送を受信できなかった時代はそうだろう。
だが、現在はインターネットで同じことができる。
インターネットの通信回線は電話会社のもので、NHKはその建設費も維持費も負担する必要はない。
もはや、国民に「特殊な負担金」の支払いを求める理由はない。

■ネット世界ではNHKは「特殊」ではない
現在、冒頭に登場した「公共放送ワーキンググループ」は、これまでNHKが放送を必須業務、インターネットを補完業務としていたのを改め、インターネットを必須業務、放送を補助業務にするのを許そうとしている。

問題は、民間放送連盟、新聞各社が問題視しているように、「特殊な負担金」はそのままにして、インターネットに進出していいのかということだ。
インターネットの世界では、NHKは「特殊」ではない。
民間放送も、「あまねく全国」に放送しているし、新聞も雑誌も通信社も「あまねく全国」にコンテンツを届けている。
インターネットの情報の大海の中ではNHKだけが持っている「公共性」というものはない。
いくらでも情報はあるので、そのなかから、自分の頭で判断して、信頼できる情報、有用な情報を得ればいい。
それを提供してくれるメディアが「公共性」を持っているのであって、提供できなければ「公共性」はない。
「公共性」のない事業体が、「自分は特殊なので、維持費をみんなで負担してくれ」といっても、それは無理というものだ。 (デイリー新潮〈NHKは「公共放送」と呼べる存在なのか 早稲田大学教授の鋭い指摘〉も参照)
「NHK受信料は『視聴の対価』ではなく『特殊な負担金』」と言われても、みんなに必要とされる「公共性」がなければ、払う気にはなれない。

受信料は、GHQが考えていたように、無料にすべきだ。
さもなければ、もともとそうであったように、コンテンツに対する対価という本来の形に戻すべきだ。
つまり、見た人が、見た分だけ払うという従量制だ。
NHKがインターネットを必須業務にし、放送を補完業務にするというなら、そうしなければならないのは当然だろう
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最大4割高も、「電力料金」大幅値上げの防衛術

最大4割高も、「電力料金」大幅値上げの防衛術 大手7社が6月に一斉値上げで、家計に負担
岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト 
2023/06/01 東洋経済オンライン  

大手電力10社のうち、東京電力エナジーパートナー(東電EP)など7社は6月1日から家庭向けなどの電気料金(規制料金)を一斉に値上げする。
経済産業省による認可を踏まえたもので、値上げ幅は東電EPの約14%から北陸電力の約42%(30アンペア、1カ月の使用量400キロワット時の場合)に及ぶ次ページグラフ参照

家計の負担は大きく、節電など防衛策が必要になる。
今回、各社が大幅値上げに踏み切った理由やその内容、家計の防衛策について、8つのQ&Aで解説する。

Q1 電気料金はいつから大幅に上がるのか?
Q2 値上げしない会社もあるようだが……
Q3 地域によって電気料金は異なるようだが……
Q4 今後の電気料金の見通しは?
Q5 家計はどのように防衛したらいいのか?
Q6 電力会社も節電を推奨しているが、その内容は?
Q7 補助金を活用して省エネを進める方法は?
Q8 電力会社切り替え時の注意点は?

Q1 電気料金はいつから大幅に上がるのか?
6月検針分から値上げとなる。
たとえば検針日が6月7日である場合、電気を使用した期間は5月8日〜6月7日。
この期間が料金の値上げ対象となる。
東電EPが”標準的な使用量の家庭におけるモデル料金”とする「30アンペア、1カ月の使用量260キロワット時」の場合、従来の1カ月6809円から新たに7690円へと881円の値上げとなる(値上げ率は12.9%)。

値上げ幅が大きい北陸電力の場合、「モデル料金」(30アンペア、月230キロワット時)は従来の6200円から新たに8748円へ。
値上げ幅は2548円(値上げ率は41.0%)ときわめて大きい。

北海道電力や沖縄電力の値上げ率は北陸電力と比べて小さいものの、電気料金の水準が高いこともあり、家計が被る影響は甚大だ。

関西電力など3社は据え置き
Q2 値上げしない会社もあるようだが……
関西電力、九州電力、中部電力ミライズの3社は、規制料金の値上げは実施しない。
3社のうち関西電力と九州電力は発電電力量に占める原子力発電の割合が高く、石炭や天然ガスなど火力発電用燃料のコスト上昇の影響を比較的受けにくいためだ。他方、中部電力ミライズは少し事情が異なる。

中部電力グループでは原子力発電所の再稼働がいまだに実現していないものの、昨年度から大企業向けなど料金認可が不要な自由料金で「値戻し」の交渉を進めてきたことが奏功。
年3月期に他社が軒並み赤字となる中で、関西電力とともに黒字を確保した。
中部電力ミライズは規制料金についても、燃料価格算定上の上限額が10電力のうちで高かったこともあり、燃料高の転嫁が他社と比べて容易だった。これらの事情もあり、規制料金の値上げを見送った。

Q3 地域によって電気料金は異なるようだが……
6月の値上げ実施後の10電力の電気料金の格差は今までになく大きく広がる。
経産省によれば、「30アンペア、1カ月の使用量400キロワット時」で比較した場合、最安の九州電力の8569円から、最高値の沖縄電力の1万4681円まで実に6000円強に料金格差が拡大する。
沖縄県や北海道など電気料金が高い地方では、「エネルギー貧困」と呼ばれる問題が深刻化しそうだ。

Q4 今後の電気料金の見通しは?
経産省によれば、値上げ申請前の2022年11月時点と比べた場合、値上げ後であっても電気料金の水準は全般的に低い水準にとどまる(北陸および沖縄地区を除く)。 というのも、今年になって天然ガスや石炭の価格が下落したことに加え、経産省が「激変緩和策」と称して1月の使用分(2月検針分)から1キロワット時当たり7円の値引きができるように電力各社にその原資を補助金として投入したためだ
。たとえば1カ月の使用量が400キロワット時の家庭の場合、激変緩和策による負担軽減額は2800円にもなる。
しかしこの激変緩和策は8月使用分(9月検針分)から半分に減り、翌9月使用分(10月検針分)にはゼロになる。
言い換えると10月以降、家庭の電気料金は大きく跳ね上がる。
冬場になると電気の使用量は大きく膨らむため、1カ月の電気料金はさらに増大する可能性が高い。
ウクライナ情勢が深刻化して天然ガスなどの燃料価格が高騰した場合、電気料金は跳ね上がるおそれもある。
節約できる事例がたくさんある

Q5 家計はどのように防衛したらいいのか?
手っ取り早い方策は節電だ。経産省・資源エネルギー庁のホームページ「省エネポータルサイト」には、家庭向けと事業者向けに分けて対策が詳しく述べられている。
たとえば家庭向けの場合、エアコン、冷蔵庫など家電製品別の消費電力の割合や、エアコンの冷房設定温度を1度上げた場合に電気代をいくら節約できるかといった事例がたくさん記載されている。
エアコン、冷蔵庫、照明器具など使用量の多い家電製品から順に対策を立てていくのが有効とされていて、製品ごとの特徴や製品選び、省エネの仕方などが詳しく書かれている。
また、家電製品を買い換えた場合の省エネ効果の試算も興味深い。
電球型LEDランプは一般電球と比べて約86%もの省エネになるという。

Q6 電力会社も節電を推奨しているが、その内容は?
昨年あたりから大手電力各社はデマンドレスポンス(DR)という節電の取り組みを家庭や企業に促すようになっている。
たとえば東電EPでは「節電チャレンジ」という名称で昨年度に続いて今年7月から、節電量に応じてポイントを付与する節電プログラムを始める。節電が進むことで家計の負担が少なくなる一方、電力会社も卸電力市場から割高な電力を購入する必要がなくなる。
節電はWIN-WINの関係を意味する。 

Q7 補助金を活用して省エネを進める方法は?
窓断熱の設置など住宅改修のために、さまざまな補助金が用意されている。
代表的な例として、経産省と環境省の「先進的窓リノベ事業」(1戸当たり200万円を上限に補助)、国土交通省の「こどもエコすまい支援事業」(リフォームの場合、1戸当たり30万円を上限に補助)などがある。
東京都などの地方自治体も独自の支援策を設けており、国の補助金との併用も可能だ。
東電EPはLIXILと提携して窓断熱リフォームを家庭向けに紹介している。

電力会社切り替え時の注意点は?

Q8 電力会社切り替え時の注意点は?
大手電力会社は規制料金とは別に、経産省の認可が不要な自由料金メニューを用意している。
今回、規制料金の値上げに踏み切った電力会社は、規制料金と同水準または若干割安に設定しているケースが多い。
その一方でポイント還元や水回りなどの付帯サービスなどを割安な価格で提供することで、お得感を打ち出している。

大手電力各社の規制料金の値上げを踏まえ、今後は新電力各社も大手電力の規制料金メニューと比べて割安なメニューを新たに打ち出すとみられる。
そのタイミングを見計らって電力会社を切り替えるのも、電気料金を節約するうえでの有力な選択肢になる。
「エネチェンジ」などの料金比較サイトを使って調べてみるのもよい。
ここで気を付けなければならないのは、電気料金メニューにはさまざまな種類があるということだ。
時間帯別に料金水準が異なるメニューや、市場価格連動型のメニュー、再生可能エネルギー電力100%といったメニューもある。
市場価格連動型メニューでは、卸電力市場価格が低い場合には割安感があるが、高騰した場合に料金水準が大きく跳ね上がる可能性がある。
内容を注意深く調べたうえで、生活スタイルに合った契約を結ぶ必要がある。
posted by 小だぬき at 10:24 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月03日

統計学的に「正しい」が薬を飲む「正しさ」にはつながらない(名郷直樹)

統計学に「正しい」が薬を飲む「正しさ」にはつながらない(名郷直樹)
2023/6/2 日刊ゲンダイ ヘルスケア

【医療だけでは幸せになれない】
#13 インターネットの普及は、何か調べたいと思えば、だれでも調べられる世界を実現した。
その半面、情報が多すぎてどうにもならない状況も生み出した。
情報がないよりはましかもしれないが、まったく正反対の情報がどちらもいかにも正しいかのように流されると、情報がないほうがいいのではないかという気もする。
多くの情報の中から「正しい情報」を得ることはそれほど簡単ではない。

ただ、薬やワクチンの効果についての「正しい情報」「正しくデザインされたランダム化比較試験の結果」、さらに「質の高いランダム化比較試験のメタ分析の結果」と言えば、統計学的には「正しい情報」ということになる。

私が医者になった40年近く前の、高齢者の上の血圧だけが高い高血圧患者に対する降圧薬の効果についての正しい情報は、今から振り返れば「上の血圧が高い人ほど脳卒中が多いことは示されているが、
それを降圧薬で下げて脳卒中が予防できるかどうかを検討したランダム化比較試験はない」というものであったが、それにもかかわらず、その時点で多くの患者が降圧薬を飲んでいた。
もちろん下の血圧が高い人に対する降圧薬による脳卒中などの予防効果はすでに示されており、上の血圧も同様だろうということは、それなりに妥当な判断であったかもしれない。
私自身も多くの降圧薬を処方していたひとりだ。

さらにもう少し細かいことを言えば、40年前には、降圧薬による脳卒中予防効果は示されているものの、心筋梗塞や心不全の予防効果ははっきりしなかった。
しかし、そこで降圧薬についてどんな変化が起こったかと言えば、β遮断薬、利尿薬という心筋梗塞や心不全の予防効果を示すことができなかった降圧薬を、脳卒中の予防効果すら示されていないCa拮抗薬、ACE阻害薬という当時としては新しい降圧薬に変更していくことであった。

「実はお腹の脂肪は簡単に落ちると判明」
9割が知らない伊東家の裏技 「実はお腹の脂肪は簡単に落ちると判明」
9割が知らない伊東家の裏技 PR フラボス 研修医時代に循環器内科をローテートしているときに、β遮断薬を飲んでいる患者が心不全で入院になると、「こんな薬を飲んでいるからダメなんだ。Ca拮抗薬かACE阻害薬に変更しないといけない」と、上級医に言われたことがある。 しかし、これは今では間違いであることがわかっている。

利尿薬、β遮断薬という古い降圧薬とCa拮抗薬、ACE阻害薬という新しい降圧薬を直接比較した多くのランダム化比較試験によって、心筋梗塞に対する効果はほぼ同等であり、心不全の予防効果はむしろ利尿薬で大きいことが示されている。

■ランダム化比較試験の結果はあくまで確率
高血圧の治療の専門家ですら、これが現実であった。
少なくとも医学的な「正しい情報」すら正しくは認識されていないし、何が正しいかということ自体、必ずしも共通の認識がなかった。

それが今から40年前である。 ただ40年を経て、治療や予防効果について、病態生理は重要だが仮説に過ぎず、ランダム化比較試験とそのメタ分析によって統計学的に効果が示される必要があるという共通の認識は、多くの医者に共有されるに至った。
これは大きな進歩ではあったが、大きな副作用もあった。

この「正しい情報」もまた「統計学的に正しい情報」に過ぎない。
個別の人にとって正しいかどうかはまた別問題である。
ランダム化比較試験によって示されるのは、5年間で10%の脳卒中が6%にまで少なくなるというあくまで確率である。
これが統計学的にも意味のある差だと言われても、薬を飲む個人の中には「10%も6%も四捨五入すれば似たようなものではないか。
それを効果ありとするのは薬を売りたい製薬会社の陰謀ではないか」という人が現れても不思議ではない。

「統計学的に正しい情報」から、「薬を飲むこの人にとって正しい情報」までの距離は遠い。
「医学的に正しい情報」「社会にとって正しい情報」と言っても、「統計学的に正しい情報」とはずいぶん距離がある。

(名郷直樹/「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長)
posted by 小だぬき at 07:48 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月04日

中高年がキレやすくなる理由

中高年がキレやすくなる理由
2023年06月03日 クランクイン!

モデル、タレントのryuchell(りゅうちぇる)がMCを務める『ABEMA Prime』が5月31日に放送。
この日の放送はキレやすい親に悩む人たちの声に着目。
年齢を重ねることで、怒りの感情がコントロールできなくなる理由を、精神科医の和田秀樹氏に尋ねた。

 和田氏は「年齢を重ねると、感情の切り替えやコントロールをしている脳の前頭葉の機能が低下していく。また、老化だけではなく、前頭葉への血流が低下して窒息状態になり、理性が働きづらい状態になる。
さらに、“自分の正義”に固執してしまい、それに反することが起きると、怒りの感情が収まらなくなる傾向がある」と解説した。

 これを受けて、番組MCを務めるタレントのryuchellは「私たちの世代は“キレる人”は浮いた存在だったのに、上の世代は急にキレるイメージがあった。
そのため、『あの世代は、怒って黙らせる時代だったのかな?』と偏見があったけど、和田さんの話を聞いて、理解できた」とした上で、「私たちだって、ゆくゆくは下の世代から『すぐにキレる』と思われる時期が来る。
そう考えると、キレている人を見ても、優しく接しなければいけないと思った」とコメント。

また、「もし、自分の親が感情のコントロールができなくなってしまったら、『この話をしたら機嫌が良くなるな』という話題を見つけるなど、コツをつかんで上手に付き合っていくしかない」と話した。
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2023年06月05日

洗濯の時短は「ほどよく手を抜く」が重要

洗濯の時短は「ほどよく手を抜く」が重要
2023年06月04日 grape
出典 三菱電機くらトク

家事は毎日のように行うものほど、できるだけ短時間で効率よく済ませたいもの。
中でも、『洗う』『乾かす』『畳む』と、最低でも3工程ほどかかってしまう洗濯は、時短を心掛けたいですよね。
国内の大手電機メーカーである三菱電機株式会社が考案する、洗濯をする時の『時短のコツ』をご紹介します。

■細かい工夫で楽になる、洗濯の『時短のコツ
』 きっと、家事に時間がかかってしまう人は、几帳面な性格の持ち主なのでしょう。
しかし、時短をするにはほどよく手を抜くことが重要。
雑にやる…というわけではなく、できる限り手間を省くのがコツなのです。
同社によると、洗濯をする時は、『洗濯物は細かく分類しない』『乾いたらハンガーのまま収納』といった、工夫がオススメなのだとか!

■洗濯で、ほどよく手を抜く方法
細かい分類をせずに洗濯する
洗濯物の分類は、おしゃれ着とそれ以外など、洗濯方法の違いによる分類だけにすると、洗う前の工程を削減できます。
衣類や下着、タオル、など、通常コースで洗えるものはまとめて洗ってしまいましょう。
裏返しの衣類はそのまま洗う ズボンや靴下など、脱いだときに裏返しになった物も、直さずにそのまま洗いましょう。
裏返っていても洗うときに問題はなく、乾いた後に直せば形は整います。 三菱電機くらトク ーより引用

「裏返った衣類は、洗濯機に入れる前に直さなくてはならない」と思っている人は少なくありませんが、同社によると、裏返っていても問題はないのだそうです。
これで、「また裏返しのままで洗濯機に入れて!」と、家族に怒る手間も省くことができるかもしれませんね!

■洗濯機の使い方で時短
ほかにも、同社はさまざまな時短のコツを紹介。
どれも簡単にできる小さな工夫ですが、これらを意識することで洗濯にかかる総合的な時間は短縮できることでしょう。

汚れが少ない物は時短コースで洗濯
洗濯機は汚れや衣類に合わせてコースを選べます。
衣類の汚れが少ないなら、洗濯時間の短い「時短コース」を使うとよいでしょう。
また、時短コース用の洗剤を使えば、すすぎ残しやニオイなどの問題も解決できます。
出社前など、急いで洗濯を終わらせたいときにもオススメです。

すすぎ1回の洗剤を使う 通常、洗濯機ではすすぎ(1回目)→脱水→すすぎ(2回目)→脱水と、すすぎが2回に設定されています。
これは、すすぎを2回行うことで、汚れや洗剤の残りなどを落とすためです。
しかし、すすぎ1回に対応している洗濯洗剤を使えば、上記の2回目のすすぎの省略が可能です。
なお、2回目のすすぎを省きたいときは、事前に洗濯機の設定が必要なため注意しましょう。 三菱電機くらトク ーより引用

■洗った後に活用できる時短のコツ
部屋干しで干しっぱなしにする
外干しはカラっと洗濯物が乾いてよいものの、お洗濯する日が天候に左右され、取り込む手間もかかります。
室内に物干しスタンドを設置し部屋干しにすれば、天気や時間を気にせずお洗濯できるので効率的です。
なお、部屋干しは乾くまで時間がかかるとニオイが発生してしまいますが、除湿機やサーキュレーターなどを使い、素早く乾燥させればニオイの発生を防げます。

乾いた衣類は各自で取り込む
乾いた洗濯物は誰かが畳んで家族の収納場所にしまうのではなく、各自で回収するなど分担するのも良いですね。
これで、一人にかかる家事負担を軽減できます。
もし、物干しスタンドから回収しないなら、乾いた洗濯物を各自の部屋に戻し、畳む作業はそれぞれに任せましょう。

洗濯物はハンガーにかけて収納する
洗濯物を畳む手間を省きたいなら、ハンガーのままクローゼットに収納しましょう。
とくに洋服は畳むよりもシワができず、探しやすいなどのメリットも生まれます。
一度に複数本かけられるズボンハンガーなどもあるため、収納スペースの削減にも効果的です。

「ちりも積もれば山となる」ということわざの通り、日々の家事で短縮した時間は、総合的に見れば膨大な時間になるはず。 家族と家事を分担している場合は、これらの情報をしっかりと共有し、役立てていきたいですね!

[文・構成/grape編集部]
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2023年06月06日

向精神薬に依存症のリスク

向精神薬に依存症のリスク
2023年06月05日 女性自身

歌舞伎役者、市川猿之助(47)の父母が向精神薬中毒で死亡という衝撃的なニュースから、にわかに「向精神薬」が注目を浴びるようになっている。
向精神薬とは、鎮静剤、抗うつ剤、抗不安剤、睡眠導入剤などの総称で、不安、パニック障害、睡眠障害などの治療に用いられる処方薬だ。
近年、服用する人が増えている。
不安や不眠に苦しんでいたり、気分の落ち込みを解消するために使われるこの薬が、実は死を招くほどのリスクをはらむとは……。
「今回の事件では、服用された薬の量や、何を一緒に飲んだのかなどの詳しい情報が報道されていないので推測でモノは言えませんが、昔は、睡眠薬といえばバルビツール酸系で、呼吸抑制や依存性が強く、常用量と致死量も近いものでした。
使用には厳重な注意が必要で、今は推奨されていません」

こう話すのは、“薬を使わない薬剤師”がキャッチフレーズの宇多川久美子さんだ。
「現在は、常用量と致死量の差が大きいベンゾジアゼピン系の薬が安心・安全とされ、最もよく使われています。
さらに、近年登場した2種類の薬、メラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬も、安全性の面から主流となりつつある薬です。
これらの薬は相当量服用しないと死に至りません」(宇多川さん・以下同)

そうはいっても、向精神薬は中枢神経に作用することから、多種多様な副作用や依存症のリスクがあるのだそう。
「薬が効いているということは、同時に副作用も働いています」

【向精神薬の処方箋に副作用として記されているもの】
・ふらつき、転倒
・頭痛、めまい
・排尿障害
・認知機能低下
・記憶障害、物忘れ
・せん妄
・肝、腎機能障害
・うつ
・倦怠感

ざっと見ただけでも、これだけの副作用があることを、一体どれだけの人が認識しているのだろうか。
「睡眠を目的として服用直後に眠ってしまえば、それでよいのですが、もうろうとした状態で家事をしてそれを覚えていなかったり、歩き回ろうとしてふらついて転倒したり、けがをしたり、ひどいと記憶障害になることも。
さらに、向精神薬を服用することで、ふだんならまずしないような行動に走ることもありえます」

■向精神薬の需要は世界的に高まる
海外のある報告書では、世界の睡眠導入剤市場は’30年まで毎年7%以上の成長率が見込まれているという。
日本も例外ではない。
特に近年、向精神薬の需要が高まっている背景には、新型コロナウイルスの流行による継続的なストレスや、急激な生活様式の変化によるものなどが考えられると宇多川さんは指摘する。

向精神薬は医師であれば、精神科に限らず何科の医師でも処方できる。
たとえば、内科や皮膚科でも不眠を訴えると睡眠薬などの処方箋が出るため、多くの人にとってわりと簡単に手に入るようになっている。
また、利用者の傾向を見ると、向精神薬の処方は年齢とともに増えている。
右肩上がりになるのが、更年期の年代である40〜50代から。

日本人の40〜50代の女性は世界でも睡眠時間が少ないことが知られているが、寝つけない、熟睡できないといった睡眠障害や中途覚醒などから、向精神薬の服用に至る人も少なくない。
実際に、更年期障害のある女性の約20%が睡眠薬を処方されているというデータが、’16年に日本睡眠学会で発表されている。
その背景を宇多川さんはこう説明する。
「更年期世代はホルモンバランスの乱れによる不眠や不安が挙げられます。
また、加齢とともに体内時計のリズムが狂い始めます。
若いころに比べて運動量も足りないため、体が疲れにくく、夜間の眠りも浅くなります。
さらに高齢になるほど周りの人との離別や死別が増え、孤独を感じるようにも。
こうした理由が複雑に絡み合って、不眠や不安が起こるのです」

■依存症や副作用も。使用法には注意を
晩酌しながらの食事を好む人にとってアルコールと薬の併用は禁忌だが、守れない人も多いだろう。
「アルコールと同時にお薬を飲むことはなくても、薬を服用している間はアルコールを控えるべきです。
アルコールの入った体に睡眠薬を入れると、アルコールの作用が強まったり、急激に薬が効いてしまうなどの“危険な作用”を起こすこともあります」

向精神薬を服用するにも、使用は1週間〜10日程度の短期間が基本であることを知っておこう。
「向精神薬は取り扱いに関する規定が設けられていて、14日、30日、90日と投薬日数が制限されています。
これは向精神薬の乱用や依存を防ぐためです。
しかし、繰り返し処方してもらえば長期投与となり、依存のリスクも大きくなります」

依存状態になると、不安、けいれん、幻聴などの症状が起こり、薬をやめることが難しくなる。
薬の長期服用は、肝臓、腎臓の機能にもダメージを与える。
「そもそも肝臓には解毒作用、腎臓にはろ過作用がありますが、高齢になるほど多剤服用の傾向がありますから、肝・腎機能に相当な負担をかけているはずです。
そういう意味でも、向精神薬の長期服用は注意が必要です」

しかし、だからといって、決して独自の勝手な判断で急に服用をやめたりしないように。薬の離脱症状もあるので、まずは少しずつ薬を減らす“減薬”から始めよう。
「まず、主治医に減薬の意思を伝えましょう。
もし、主治医が減薬に応じてくれない場合、セカンドオピニオンを求めてもよいと思います。
今は減薬の重要性を理解して、勧める医師も増えています」

できたら毎朝早起きして、朝日を浴びること。
セロトニンが分泌されて、夜になるとセロトニンを材料にメラトニンが作られることで自然と眠くなる。
日中の運動も心掛けよう。

「薬は、眠れなくて生活に支障が出たり、困っているときに一時的に使うためのものです。
長期間にわたって使用し、『飲まないと不安だ』という場合はすでに“依存症”です。
さまざまな副作用のリスクをはらんでいることを忘れないでください」

体は太陽のリズムに反応してくれるし、運動をすることでそのリズムを取り戻すこともできる。
頑張って、薬の不要な道をゆこう。
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2023年06月07日

改革すべきは「普通学級」=小国綾子

改革すべきは「普通学級」=小国綾子
2023/6/6 毎日新聞

<私たちの社会の中で、ある一部の集団がまるまる他の集団から分離されるようなことがあれば、民主主義の基礎は揺らぐ>。
これは米国の障害者当事者運動のリーダー、ジュディス・ヒューマンさんの半生記「わたしが人間であるために」の一節だ。

 なぜ分離がいけないか。
他者の立場を想像できない社会となり、不平等や貧困や差別が制度の問題ではなく、自己責任にされてしまう、とヒューマンさんは説く。
今の日本はそうではないか。
すべての子が同じ教室で学ぶ教育を私が求める根っこもここにある。

 中学時代、近所の養護学校(当時)に友だちができた。
一緒に遊びながら「なぜ同じ教室で学べないのだろう」と悩んだ日々が私の原点だ。

障害のある友だちが一人もいないまま大人になる人が多数派の社会が良いとは思えない。
 先日、東京都国立市教育委員会が東京大大学院教育学研究科と「フルインクルーシブ教育」の実現に向けて、共同研究・実践を行う協定を結んだ。
地域のすべての子どもが障害の程度にかかわらず小中学校の普通学級で学ぶことを目指すという。

国連は昨秋、障害に応じて学びの場を特別支援学校・学級に分ける日本の教育を「分離教育」と指摘し、廃止に向けて取り組むよう勧告した。
今回の自治体の独自の取り組みには、大きな期待を感じる。
 どの子も同じ教室で――。

このテーマで、過去にも記事を何度か書いてきた。
そのたび発達障害の子を持つ親御さんから不安の声が寄せられた。
「特別支援学級でやっと安全な学びの場を得られたのに」「普通学級ではいじめられる」「少人数で静かに学べる場をなくさないで」と。
 当事者の声は重い。と同時に、問題の所在を的確に言い当ててもいる。
今改革すべきは「普通学級」の方だ。
さまざまな障害の特性を持つ子がいじめられる教室は、すべての子にとって理想的な学びの場と言えない。

分離するほどに教室の同質性は高まり、必ず誰かが排除され、いじめや不登校は増えていく。
今や学校が、この国の「分離」装置となり、民主主義を足元から崩してはいないか?
 国立市は「丁寧に対話を積み重ね、普通学級をインクルーシブな場にしていきたい」と語る。
応援したい。
     (オピニオン編集部)
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2023年06月08日

読売新聞「保険証廃止の見直し」主張に「河野太郎に読ませたい」「正論です」SNSで賛同相次ぐ

読売新聞「保険証廃止の見直し」主張に「河野太郎に読ませたい」「正論です」SNSで賛同相次ぐ
2023.6.7 SmartFLASH

6月7日、読売新聞は「保険証の廃止 見直しは今からでも遅くない」と題した社説を掲載した。
2024年秋に保険証を廃止し、マイナカードに一本化する政府の方針について、社説の冒頭でこう主張している。
《身近な健康保険証を廃止し、トラブルが続出しているマイナンバーカードに一本化するのは無理があろう。
廃止方針をいったん凍結し、国民の不安を払拭するのが筋だ》

さらに、2022年6月の段階では、現行の保険証とマイナ保険証の「選択制」を打ち出していたが、河野太郎デジタル相が同年10月、唐突に2024年秋の保険証廃止を表明したことを指摘したうえで、こう厳しく批判。
《現在、何ら不都合なく使えている保険証を廃止し、事実上、カードの取得を強制するかのような手法が、政府の目指す「人に優しいデジタル化」なのか》

1980年、納税者番号の一種「グリーンカード制度」を導入する法律を成立させたが、政財界から批判が噴出したため、5年後に廃止した事例をあげたうえで、社説をこう結んでいる。
《マイナ保険証の見直しは、今からでも遅くはない。トラブルの原因を解明し、再発防止に努めるのが先決だ。
当初の予定通り、選択制に戻すのも一案だろう》

読売新聞は、5月18日にも「国民の不安への配慮が足りぬ」と題した社説で、保険証を《あえて廃止する意味があるのか。トラブルが続出している以上、政府は一度立ち止まって考えることも必要ではないか》
と主張していたが、その後もトラブルは絶えない。

6月5日には、厚生労働省が参院特別委員会で、マイナカードを交付する際、本人の意思を確認せずに、保険証の機能を持たせた事例が5件あったことを明らかにした。
また、「全国保険医団体連合会」の調査では、マイナ保険証のみ持参で資格無効とされたため、窓口で「いったん10割負担」になったケースが545件あったことが判明している。
厚労省は医療機関向けのマニュアルを、自己負担分で済むように改定しているが、付け焼刃の対応という感は否めない。

政権寄りとされる読売新聞が「保険証廃止の見直し」を主張したことに、SNSでは賛同する声があがった。
ジャーナリストの江川紹子氏は、自身のTwitterに《まったくだー!!》と投稿。
紀藤正樹弁護士も同様に《この言葉に尽きていると思います》と書き込んだ。

共産党の宮本徹衆院議員も同じく《今日の読売新聞のこの社説は当然の指摘》と投稿した。
SNSでは驚きの声もあがっている。
《読売新聞の社説に共感するなんて!》 《河野太郎に読ませたい読売新聞の社説…》 《読売さん何か変わった? 正論です》 マイナンバー法など改正関連法は6月2日にすでに成立しているが、政府が「保険証廃止の見直し」を表明することはあるだろうか。
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2023年06月09日

メタボ健診の「腹囲測定」はアテにならない…そんな健康診断で「本当に注意するべき項目」を医療記者が解説する

メタボ健診の「腹囲測定」はアテにならない…そんな健康診断で「本当に注意するべき項目」を医療記者が解説する
朽木 誠一郎>ライター・編集者
2023年06月07日 プレジデントオンライ

健康診断で「メタボリックシンドローム」の基準に引っかかったら、どうすればいいのか。
医療記者の朽木誠一郎さんは「メタボ健診は『人を健康にする効果に乏しい』という研究結果もあり、あまり気にしなくてもいい。
ただし、健康診断そのものは『受けて終わり』にしてはいけない」という――。
※本稿は、朽木誠一郎『健康診断で「運動してますか?」と言われたら最初に読む本 1日3秒から始める、挫折しない20日間プログラム』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■“メタボ疑惑”は、便秘のせい?
ぜ前回の健康診断で、実際には問題なかった私が、メタボリックシンドロームの基準に引っかかってしまったのでしょうか。
原因として可能性が高いのは「お通じ」です。
長年ダイエットを繰り返した経験から、お通じ、つまり便秘がバカにできない負のインパクトを与えることを、私はよく知っています。
便秘気味のとき、体重が平気で1〜2キロ増えてしまう経験に思い当たる人は、だいたい同志です。
お通じが滞れば、物理的にお腹がぽっこりしてきます。
単純な重量だけでなく、ガスが溜(た)まるなどして、常に「お腹が張っている」状態に。
ここで都合の悪いことに、メタボのチェックでは、腹囲はウエスト周囲計、つまりおへその高さの腹囲を測ることになっています。
単純に、お腹が張っていれば、それだけ腹囲が増えてしまうのです。
お通じがよくない状態で、お腹が張っていると、腹囲5センチ増なんてあっという間です。
慢性的な便秘が続けば、10センチ増だってあり得ます。

■便秘のせいで脂肪5〜10キロ増と同じことに
厚労省の2019年の調査(※1)では、便秘を自覚している人は、人口1000人あたり男性で34.8人、女性で43.7人。
健康診断のとき、一部の人は本来の腹囲よりも大きくなっている可能性が高いのです。
単純に脂肪が増えていた場合、太くなった腹囲1センチは、脂肪ほぼ1キロに相当するとされます。

お通じが悪いだけで、脂肪5〜10キロ増と同じことに。
これを「定期的な運動」「適切な食習慣」で解消しようとしたら、本来、そこそこストイックに取り組んでも、半年〜1年くらいかかるでしょう。
ちなみに、よくダイエット企画などで「2週間で5キロ」などと華々しくアピールされることがありますが、その中には5キロ分の便秘が解消されただけ、あるいは水分が汗や尿として出ただけ、というケースも多いとみるのが自然です。

便秘のせいで脂肪5〜10キロ増と誤解され、メタボと判定、健康診断で引っかかってしまうとしたら、何だかバカバカしいですよね。
でも、今回の私の騒動は、実はメタボ健診そのものの問題と、同じ轍(てつ)を踏んでいるのです。

■「人を健康にしない」メタボ健診の真実
今や「メタボ(リックシンドローム)」という言葉は、不健康の象徴です。
でも、そもそもメタボって、何なのでしょうか。
先に答えると、これは肥満の種類です。

肥満のうち「a.内臓脂肪が蓄積したもの」に、「b.高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさる」ことで、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などになりやすい状態のことを指します。
これを解消するために、リスクが高い人を発見し、指導につなげるのが、いわゆるメタボ健診(=特定健康診査)です。
メタボ健診が始まったのは2008年4月。内臓脂肪の多さが腹囲の大きさに反映されると考えられ、腹囲「男性85センチ以上」「女性90センチ以上」がメタボの1つ目の条件とされました。

しかし、そもそもボディビルダーのように腹囲が大きくても内臓脂肪が少ない人、その逆で、腹囲が小さくても内臓脂肪が多い人もいます。
個人差、同じ人でも日によって、時間帯によっても変動するため、腹囲だけで判定するというのは、当てになりません。

■メタボ健診は「人を健康にする効果に乏しい」
そこで、腹囲は必須(ひっす)項目として、2つ目の条件である「血圧」や「血糖」「血中脂質」など血液検査の項目が設けられました。
一方で、「腹囲は基準以下だが、血液検査の値は異常」という人が、メタボ健診をすり抜けてしまうことが、長らく問題とされてきました。

私の“メタボ”騒動では逆に、腹囲を1つ目の条件にしていることで、私のように血液検査に問題ない人を捕まえ、血液検査に異常がある人をスルーする構図に。
このように、まず腹囲でチェックすることで起きるトラブルもあるのです。
しかも、15年ほど続くメタボ健診は、近年の研究で、「人を健康にする効果に乏しかった」という衝撃的な指摘がなされています。
これは京都大学の福間真悟(ふくましんご)さんらが2020年に発表した研究(※2)で明らかになったこと。
この研究は国内では大規模なもので、メタボ健診を受けた40〜74歳の男性約7万5000人が参加しました。
参加者の体重と腹囲は1年後、それぞれマイナス0.29キロ、マイナス0.34センチとわずかに減少したものの、血圧、血糖値、血中脂質などは改善されませんでした。
さらに1〜4年間、追跡をすると、体重と腹囲は3〜4年後に差がなくなる、つまり、メタボ健診をやってもやらなくても変わらなかったことが明らかになったのです。

■健康診断は、実は結構いい加減なもの
また、福間さんらは、2022年に発表された研究(※3)でも界隈(かいわい)をザワつかせました。
というのも、メタボ健診が今のように国を挙げて推進されるのは、生活習慣病を防ぐことで、医療機関の受診が減り、医療費の削減につながると期待されたから。
その効果を検証するため、約5万人を調査。その結果、メタボ健診により受診率は低下したものの、医療費抑制効果は認められませんでした。
福間さんらは「費用が高額(年間約160億円)であることを考慮し、そのシステムを再評価する必要がある」としています。 もともと、いわゆる生活習慣病や、心臓病や脳卒中を防ぐために始まったメタボ健診。
認知度が高いわりに、実は効果に乏しいとはっきりしたことは驚きでした。

メタボ健診の例からわかるのは、健康診断というのが、実は結構いい加減なものであるということ。
他にもつい最近(2022年11月)、国内の栄養学のトップである国立医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)らが有名誌『Science』で発表した研究(※4)では、こんなことが明らかになっています。
実は、成人では1日で体の全水分の10%が失われており、最低でも1日1.8リットルの水分が必要。
失われる水分量を正確に突き止めた世界でも珍しい研究でした。

■それでも健康診断は受けたほうがいいワケ
ここで、私の体重などの条件で4リットル=4キロだとすると、健康診断を朝に受けた場合と午後に受けた場合で、水分量の違いだけで体重に数キロの差が生じ得ることに。1年に1回というスパンなのに、このように、一発勝負なのも頭が痛いところです。
では、健康診断はただ面倒で、結構いい加減な、意味のないイベントなのかと言えば、それは違います。
考えてみてください。
こんなにもポジティブな要素がないのに、1年に一度、面倒でも健康診断を受けるという習慣は、国民的に根づいているのです。
他の何が続かない人でも、年に1回以上の健康診断は受けている、これはすごいことだと思いませんか。
私は、このほど上梓した『健康診断で「運動してますか?」と言われたら最初に読む本 1日3秒から始める、挫折しない20日間プログラム』(KADOKAWA)のまえがきで、健康になるにはルーティン、すなわち習慣が必要だと強調しています。
だとすると、健康診断はある意味で、すでに最強のルーティンなのです。

■一番やってはいけないのは「受けて終わり」
では、健康診断で本当に健康になるには、どうすればいいのでしょうか。

1つには、「一喜一憂しなくていい項目」と「注意するべき項目」を把握することがあります。
腹囲や体重といった項目は、実はそこまで気にする必要はありません。
逆に、血圧、血糖値、血中脂質などは、前述したように心筋梗塞や脳卒中などのリスクになるため、気にする方がいいでしょう。
これもまた、健康診断についての正しい知識です。
もう1つは、健康診断を「受けて終わり」にしないことです。
健康診断の結果に応じて、行動を起こすことが、健康になるためには不可欠です。
それなのに、リーフレットが手渡されるだけ、メールが来るだけというのが、今の健康診断の最大の問題とも言えます。
ここで「定期的な運動」「適切な食習慣」と言われたとて、それがさまざまな理由でできない私たちには漠然としすぎていて、手を出せません。

まずは、必要な行動を具体的なルーティンまでとことん落とし込むこと、そして、そのルーティンが生活に組み込まれるまでサポートすること、この2つができれば、人は健康診断で本当に健康になれるのです。

■ダイエットの前にまずお通じを良くしよう
そこで、私はまず、お通じの問題に取り組むことにしました。
正しい知識を持ち、実践し、習慣にするというサイクルを、ひとまず身近な便秘の解消に回してみるのです。
私はダイエットに成功した後も、いわゆるぽっこりお腹で、お通じが出たり出なかったりと不規則。出ない日はどうしても不快感がつきまといます。

増加してしまった脂肪の減量は後に回すとして、まず、ルーティンの効果を自分で検証するという狙いでした。
医師も治療のときに参照する『慢性便秘症診療ガイドライン 2017』では、便秘の解消に有効なのは食事と運動です。

例えば食事について「1日3食きちんと摂取する」ことは目新しさがありませんが、朝食が体内リズムを整え、胃や腸を刺激し、排せつの反射を促しやすくすることがわかっています。
また、特に朝、食後にトイレに「とりあえず座ってみる」ことで、排せつのリズムが整えられやすくなることが、専門家らによって勧められています。 そして、よく言われるものの、意外と実践できていないのが、水分をしっかり摂取すること。
便が柔らかくなり、排せつしやすくなることが知られています。
そこで私が朝のルーティンにしたのが、以下の3つの習慣です。

■3つのルーティンだけでも1週間で効果アリ
▼朝食をとる(プロテインを流し込むだけでいいとする)
▼トイレにとりあえず座ってみる(出ても出なくてもとにかく座ることが大事)
▼水を意識して飲む(午前・午後・夜で500ml1本ずつが目標)

さて、このルーティンを実践してみたところ、私は1週間ほどでお通じがよくなりました。
もともと出るときは出るタイプなので、体にリズムがついた印象です。
なお、これは拍子抜けするほどラクにできたケースなので、もともとしつこい便秘に悩んでいる方がいたら、医師や近所の薬局の薬剤師さんに、お薬について相談してみるのもいいでしょう。
専門家の指導の下で服用すれば、効果は抜群です。

とはいえ、中長期的に便秘を解消するのは「定期的な運動」「適切な食習慣」です。
ぐるぐるしてしまうというか、健康的な生活ができないと、どんどん不健康になる負のスパイラルがあることが見えてきて、ツラいですね。
脂肪がついたなら、その減量もしなければなりません。
そのための運動と食事については本書で手厚く説明します。
ここでは、ただ「便秘を解消せよ」と言われるより、3つのルーティンまでブレークダウンする方が、具体的な行動のイメージがつきやすいことが伝わったのではないかと思います。

※1:『2019年 国民生活基礎調査』厚生労働省により2019年に実施。訪問・回収方式(一部は郵送)で30万世帯、72万人を対象にした。
※2:Fukuma, S., et al., Association of the National Health Guidance Intervention for Obesity and Cardiovascular Risks With Health Outcomes Among Japanese Men - JAMA Intern Med. 2020 Dec 1;180(12):1630-1637. 京都大・福間らにより2020年に発表された研究。メタボ健診を受けた40〜74歳の男性約7万5000人が参加した。メタボ健診をしてもしなくても、3〜4年後までには体重や血液検査の値に有意差がなくなることを明らかにした。
※3:Fukuma, S., et al., Impact of the national health guidance intervention for obesity and cardiovascular risks on healthcare utilisation and healthcare spending in working-age Japanese cohort: regression discontinuity design - BMJ Open. 2022 Jul 29;12(7):e056996. 京都大・福間らにより2022年に発表された研究。メタボ健診を受けた男女約5万人が参加した。メタボ健診により受診率は低下したものの、医療費抑制効果は認められなかった。
※4:Yamada, Y., et al., Variation in human water turnover associated with environmental and lifestyle factors - Science. 2022 Nov 25;378(6622):909-915. 国立医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)らにより2022年に発表された研究。成人が1日に失う水分量を正確に導く計算式を明らかにした世界でも珍しい研究。 ----------
朽木 誠一郎(くちき・せいいちろう) ライター・編集者
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2023年06月10日

日本の教育は"授業以外"が多すぎる…部活に掃除当番、行事の山で「学校=友達」になってしまう弊害

日本の教育は"授業以外"が多すぎる…部活に掃除当番、行事の山で「学校=友達」になってしまう弊害
鶴見 済 フリーライター
2023年06月08日 プレジデントオンライン

大勢の写真や集まりに惹かれるのはなぜか。
フリーライターの鶴見済さんは「人間は、進化の過程で集団になり生き延びてきた遺伝子からか、大勢をうらやましいと思ってしまう。
しかし、大勢の世界を押し付けられる息苦しさもあり、そうした世界から逃げ出したい子供たちは増加している」という――。
※本稿は、鶴見済『人間関係を半分降りる 気楽なつながりの作り方』(筑摩書房)の一部を再編集したものです。

■なぜ大勢の写真はうらやましく思えるのか
十人二十人という大勢でワーッと盛り上がっている写真。
知り合いがそれをSNSにアップしているのを見れば、「ああうらやましいな」と思うだろう。
数人でならよく人と会っていたとしても、この「大勢でワーッ」にはかなわない。
その交際だけでは足りないような、どこか負けているような、寂しい気がしてしまう。

本来広くつきあうか、少人数が好きかという、人づきあいのタイプの違いに過ぎないはずなのに。
ああいうものは、なぜそれほど心に迫ってくるのだろう?
ハッキリ言えば、人間は仲間の数が多いほうが強い。
これはどうしても言えることだ。
近所を歩いていて、学校帰りの子どもが道端で大勢で盛り上がっていることがよくある。
仮にそれが小学生であっても、そのそばを歩いて通り過ぎるのは少し怖い。
何か冷やかしの言葉を飛ばされたりしないかと警戒してしまう。
実際にそうされたことが何度もあるので。

けれどもこちらに数人でも仲間がいたら、もう怖くない。
海外旅行で危なげな街を見物する時など、ひとりでいるのと複数でいるのとでは、まったく気分が違う。
あれは本当に不思議なものだ。

■野生の世界では数が多いほうが強い
人間には鋭い牙もなければ、イノシシのように速く走れる足もない。
もともと自然界で、他の獣のような強い存在ではなかった。
だから生き延びるためには、集団になる必要があった。
こうした遺伝子が生き残ったので、今も集団に入っていたい欲求がある。
これが進化心理学という分野からの説明だ。
確かにある局面では、今でも人数が多いほうが強いと言えるのだろう。
SNSなどで誰かと言い合いになった時は、加勢してくれる人がひとりでも多いほど力は格段に強くなる。
さらにSNSではフォロワーや友達の数が、はっきりと表示されている。
それが多ければ多いほどいいような気がますますしてきてしまう。

けれどもここは野生の世界ではないのだから、友人の数が多いほど何でもメリットが大きいとは言えない。
大勢でワーッとなっている人たちを見ると負けた気がしてしまうのは、我々の古い脳がそう叫んでいるかららしい。

■世界的にも友だちが多い日本の子ども
そもそも仲のいい友人は、何人くらいいるのが普通なのだろう?
日本の我々が想定する必要な友人の数は、少し多めに設定されているように思う。
「友だち百人できるかな」で有名な「一年生になったら」は、今でも幼稚園の卒園式で歌われる定番の曲なのだそうだ。
ある国際アンケートで仲のいい友人の数を聞いてみたら、日本の学校に在学している人では平均9.6人もいた。
これは先進7か国のなかでも、しかもフルタイム労働者、アルバイトなど様々な立場の人の場合と比べても、飛びぬけて多い数字だった。
ちなみに「学校に通う意義」を聞くと、「友だちとの友情をはぐくむ」が日本では群を抜いて世界一多かった。
他の国で多かったのは「知識を身につける」だったのに(※1)。
日本の学校とはつまり、勉強よりも友だちのためにある場所なのだ。
それが「大勢でワーッ」に対する我々の感覚に影響していることは、十分にあり得る。

■人間関係の訓練をしている日本の学校
なぜ日本では「学校=友だち」になってしまうのか。それには理由がある。
親しい友だちかどうかは、ある程度顔を合わせる時間や回数で決まってしまうものだ。
その後の人生に比べれば学校時代は、ずいぶんたくさんの人間が、よかれ悪しかれ強く心に焼きついていた。
まず授業以外に中学、高校では部活動がある。
運動会や文化祭、合唱コンクール、遠足、修学旅行といった年中行事がある。

クラスには、掃除当番、給食当番があり、班、係などの日々の活動がある。
こんなに人と一緒に何かやっていたら、近く感じる人が増えるのは当たり前のことだ。
けれども授業でもないこうした活動は、考えてみれば奇妙だ。
これらは“特別活動”と呼ばれていて、世界でも珍しい活動なのだ。

「日本式教育」「海外では一般的に行われていない」と教育関係者は自画自賛している。
あるドイツ人の女性と話す機会があったので、そちらには部活はあるのかと聞いてみた。
彼女によれば部活はなく、放課後になったらみんな帰るそうだ。
それだけのことにすっかり感心したのを憶えている。
毎日の印象がどれだけ違うことだろう。

文科省が発表している特別活動の目標をネットで見てみると、「望ましい人間関係を形成する」と何度も何度も書かれていてうんざりしてしまった。
我々は学校で、人間関係の訓練をさせられていたのだった。
放課後どころか、場合によっては土日、授業前の朝まで練習をしていたら、学校にいる時間が長すぎて、半分寄宿制の学校に入っているようなものだ。
もちろんそこには、しつけの意味もあるだろう。
自分が開いている「不適応者の居場所」には、いつも30〜40人ほどの人が集まる。
ちょうどひとクラス分くらいの人数だ。
この集まりで何か共同作業でも頻繁にやれば、もっとたくさんの人と近くなれるだろう。
けれども近すぎるがゆえの摩擦も同時に増えていく。
そうまでして何かをやったほうがいいとは思えない。

■大勢の世界から逃げ出す子どもたち
今日本では、通信制の高校が何かと注目を集める。
学校の数は急激に伸びていて、生徒数も増えている。
通信制では週一日程度の登校日以外は、自宅で勉強するのだ。
また、家庭で独自に勉強をするホームスクーリングをしている子どもも増えていると言われる。
ホームスクーリングは日本では正式には認められていないけれども、アメリカ、イギリス、カナダなどでは教育として公認されている。
またフリースクールに通う子どもや、不登校の子どものための居場所も増えている。
こうした動向を見ると、それ見ろと思ってしまう。
大勢でワーッと騒いでいる世界から逃げたい子どももたくさんいたのだ。
「大勢でワーッ」という写真を見て、「ああうらやましいな」と思う気持ちはいつまでもなくならないだろう。
自分などこの年齢になっても、しかも自分でもそこそこ大きな集まりをやっているのに、やはりそう思うのだから呆れてしまう。
だからと言って、そのためだけに友だちの数を増やそうとしたり、わざわざ集まって集合写真を撮って、SNSにあげたりするのはやめにしたい。
なぜなら、そういうことをするのは美しくないから。単に自分の美意識からそう思う。

※1「世界青年意識調査」第8回(2008年)、第9回(2013年)、内閣府
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2023年06月11日

日本は「河野首相」と甘酸っぱい国へ…思春期が現在進行形の“かまってちゃん”

適菜収「それでもバカとは戦え」
日本は「河野首相」と甘酸っぱい国へ…思春期が現在進行形の“かまってちゃん”
2023/06/03 日刊ゲンダイ  

くどいようだが、再び河野太郎について書く。
なぜなら目の前に危機が迫っているからだ。
世論調査で「次の総理」として河野の名前があがるのも、メディアがその危険性を指摘せず、あさっての方角から持ち上げるからだ。

「この人なら何かやってくれそうな気がする」とツイートしている人もいたが、そこは同意する。
 河野が総理になったら確実に何かをやらかす。
政治家はこれから何をやるかではなく、これまで何をしてきたかで選ばなければならない。
そうなると最初に選択肢から外れるのは河野だろう。

 マイナンバーカードを巡るトラブルが続出すると、河野は「デジタル庁としての感度が低かった点はおわびを申し上げる」と意味不明の発言。
部下の手柄は取り上げるし、失敗の責任は部下に押し付ける。
強烈な自己愛に基づくスタンドプレーを繰り返し、周囲を振り回す。
“輝いている俺”を見てほしいというのが行動原理になっているので、他人の迷惑も顧みない。

一般的な常識に欠けている麻生太郎にすら「何が欠けているといえば、間違いなく一般的な常識に欠けている」と言われる始末。
誰しも思春期の頃の「ああ、やってしまった」という苦い思い出があるだろうが、現在進行形なのが河野である。
河野のツイッターを見ると、本当に自分が好きで好きでたまらないのだなとよくわかる。
あそこまで自己愛だけで完結している人も珍しい。

河野はG20の写真などと共に「タローを探せ」とツイート。
「初級編」「上級編」などと銘打っていたが、どれだけ自分が好きなのか。
星条旗のような柄のマスクや自分の顔をプリントしたマスクをつけたり、自分のかわいい似顔絵が描かれた「太郎のクッキー」の写真をアップしたり、自民党の役員会にはいていく靴下を公開したり。

 河野の人間性を如実にあらわすエピソードがある。
「朝の3時半に帰宅したら、愚息が全力でベーコンと叫んでいた。どうしたいんだ?」と突然ツイート。
その後「ああ、ベーコンは、結局、^%£$+*・!%」などと意味不明の言葉を投稿し、これが話題になると、動画生配信で「ベーコンの秘密」について明かすと告知。

思春期の女の子でも、このレベルのかまってちゃんはいない。
河野が総理になったら、日本は確実に甘酸っぱい国になる。
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2023年06月12日

挨拶で「顔と名前が覚えられない」防ぐ簡単解消法

挨拶で「顔と名前が覚えられない」防ぐ簡単解消法
記憶プロ直伝「興味ない事」ずっと忘れないコツ
池田 義博 : 記憶力日本選手権大会最多優勝者
2023年06月11日  東洋経済オンライン

耳馴染みのない専門用語、難解な公式、膨大な英単語、数分間のスピーチ原稿やプレゼンの台本、複雑な歌詞やセリフ、何人もの顔と名前……。
大量に覚えなければいけない課題やテキストを前に圧倒され、絶望した経験が皆様にもあるかもしれません。
そんな方にオススメしたいのが「A4・1枚記憶法」。
A4・1枚の「魔法のシート」に書くだけで、覚えにくいものも大量に記憶できる画期的なメソッドです。
考案したのは、記憶力日本一を6度獲り、日本人初の「世界記憶力グランドマスター」の称号を得た池田義博氏。

池田氏は、40代半ば「ド素人」の状態からたった1年で記憶力日本一になりました。
その体験から生まれた「超効率的なシート学習法」をまとめたのが新刊『まるごと覚えて 頭も良くなる A4・1枚記憶法』で、同書は発売後たちまち重版がかかるなど、大きな話題を呼んでいます。
以下では、その池田氏が「瞬時に覚えて忘れない名前の記憶法」について解説します。

プロも難しい「顔と名前」の覚え方
初対面の人の名前を、顔と一致させて覚えることは難しいものです。
特に商談など対面の予定が立て込み、多くの人の名前を記憶する必要があるとき。頭が混乱してしまうのも無理はありません。
とはいえ、もらった名刺に何度も目をやりながら、自信なく相手に呼びかけるという事態は避けたいところです。
反対に、相手の名前を一瞬で覚え、会話の中でスムーズに呼びかけられた場合、周囲からの印象がアップするのは間違いありません。
では、いったいどうすればよいのでしょうか。

最初に認識してほしい点があります。
それは、「顔」という画像情報と「名前」という文字情報を同時に覚える作業は、かなり高度な営みだという事実です。
そもそも「名前」という単なる文字情報を、確実に長く覚える作業自体が難しいこと。
なぜなら「名前」を見聞きするだけでは、喜怒哀楽の感情は湧かないからです。

脳は、感情が動いたときにしっかり記憶できるという性質を持っています。
このような難しさがあることから、私が参加している記憶競技(メモリースポーツ)にも、顔と名前を記憶する種目が存在します。
問題用紙に何十人もの顔写真と名前が印刷されており、それを制限時間内に記憶するという競技です。
また世界中から選手が集まる大会ですから、「名前」といってもグローバルなものです。
たとえば「バシングスン・ウエイト」「ダヴィダシュベリ・オムディヤラ」など。
その複雑さから、もはや「名前」という認識ではなく、「長い固有名詞を覚える」という感覚で記憶に臨んでいました。

勝手な「こじつけ」で自分を楽しませる
「自分にはとても記憶できない」、そう感じる方もいるかもしれません。
ですが、人の心理を利用すると誰でも簡単に覚えることができます。

例を挙げてみると、「バシングスン・ウェイト」という名前を覚えたい場合。
名前自体に意味はないので、次のような物語を自力で一瞬で作ります。
「この人はボクサーで、大会直前なのに減量がうまくいっていない。それをトレーナーに叱られて、体重計の上でうなだれている」
そしてビジュアルで「バシンとやられ、ウェイト計に乗り、グスンと泣いている男性」をイメージするのです。

このように自分でストーリー(物語)を作り、ビジュアルで思い浮かべ、「叱られてかわいそうだな」などと感情を動かすと、脳が記憶を定着させてくれます。
詳しく言うと、脳の中で感情に反応する扁桃体という部位が反応し、それに伴って隣の海馬が強く反応し、正確に長く覚えられるというわけです。

ではいったいどのように、ストーリーやイメージを作ればよいのでしょうか。
ここでは3つの方法をお伝えします。

実は日本人の名前は覚えやすい?

@名前の漢字からイメージを作る
日本語は表意文字である漢字を使います。
その漢字の意味から、イメージをつくればよいのです。
たとえば「水上」さんだったら、「水上スキーが趣味の人」というようなイメージをつくり、「楽しそう」という感覚と一緒に頭に入れます。
それはまったくの妄想で構いません。
また突拍子のないイメージでも差し支えありません。
むしろ荒唐無稽なイメージのほうが、脳に強烈なインパクトを与えるため、記憶が定着しやすくなります。
このとき、「水上」という文字情報を一緒に記憶しようとしないことです。脳が覚えにくい文字情報をいくら覚えようとしても、負荷をかけるだけで難しいものだからです。
イメージさえいったん頭に入れれば「水上スキー」というイメージの記憶がフックとなり、「水上」という名前も自然と思い出せます。

A名前の読みからイメージを作る
漢字からイメージをつくりにくい場合、名前の読みからイメージを作りましょう。
たとえば「八木さん」だったら、「ヤギを飼っている人」。
「山森さん」なら「いつもごはんが山盛りの人」。
「加賀美」さんだったら「かがみ」という読みから「毎朝、鏡をうっとりと眺めてメークをしている人」というイメージを頭に思い浮かべます。
その際に、漢字を一緒に覚える必要はありません。
対面で話す際に「かがみさん」という名前を思い出すことができれば、それでひとまずよしとしましょう。
ほかに、地名が名前になっている場合も覚えやすいものです。
その土地の特産品などと関連付けてイメージをします。
「千葉さん」なら、その人がピーナッツを食べているところ。
「宮崎さん」なら、その人がチキン南蛮を食べているところ。
もちろん「自分が知っているその土地のイメージ」で十分です。

なぜなら脳は「自分自身に関係があること」が大好きだから。
「自己関連付け効果」という心理効果が発動して、記憶が強化されます。

B知人や有名人を使ってイメージを作る
もしくは、覚えたい「名前」から連想する知人や有名人のイメージを利用して、覚えるという手もあります。
ここでも自由な発想を大事にしてください。

たとえば「坂本さん」なら「彼は坂本龍馬の子孫で、プライベートでは『○○ぜよ』という語尾を使っている」。
「松下さん」なら「彼女は実は松下幸之助の家系で、豪邸にお住まいのご令嬢である」。
これらは強烈なイメージですから、そう簡単に忘れることはないはずです。

今回は、名前をイメージ化する3つの方法をご紹介しました。
しかし、大前提として対象に興味があれば、どんなに複雑なことでも、大量に容易に覚えることができるものです。
たとえば、動物や昆虫の名前、「ポケモン」の架空のモンスターなどを、膨大に記憶している人がいます。
また、アイドルグループのファンの人たちも同様です。
統一された衣装のメンバーたちを一瞬で識別し、名前を正確に言い当てることができます。
ファンにとって、それは当たり前のことでしょう。
ですが記憶のプロから言わせてもらうと、それは「好き」だからこそ発揮される卓越した能力です。

「テクニック」より結局「好き」が勝つ
  以前、私はとある番組の企画で、AKB48の研究生メンバー(約50人)の資料だけを見て、顔と名前を覚えたことがあります。
資料にある顔写真は初めて見るメンバーばかり。雰囲気が似ていて、顔の向きまで全員ほぼ同じ。
つまり私は、顔の特徴のわずかな差異や、髪型の細かい違いを見つけ、その印象をフックとしてあらゆる記憶法を駆使し、覚えねばなりませんでした。
その企画では、すべて正解をすることができましたが、プロでも焦ったことは事実です。

一方、ファンの人にとって、好きなグループメンバー50人の顔と名前を覚えることは、簡単なことだと思います。
「好き」の力は素晴らしいと痛感しました。
もっとも、この記憶の例は極端な話でしょう。
しかしビジネス上、大事な場に臨む前に「名前をきちんと覚えて、その名前を呼びかける」などと気合いを入れることができれば理想的です。
最初はゲーム感覚で、楽しみながら取り組んでみてください。
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2023年06月13日

堤未果氏に聞く 世界の常識と逆行する「マイナンバーカードが危ない」理由とデタラメの必然

堤未果氏に聞く
世界の常識と逆行する「マイナンバーカードが危ない」理由とデタラメの必然
2023.,6,3 日刊ゲンダイ

案の定というか、ここにきて、マイナンバーカードを巡るトラブルが続出だ。
実はこうした混乱は予測し得たこと。
そして、今後はさらに増えていく。
数々の問題点を以前から把握、指摘してきたのがジャーナリストの堤未果氏だ。
堤氏は最新著「堤未果のショック・ドクトリン」(幻冬舎新書)でも、こうした問題点を列挙、いわば、今日の事態を予測していた。
改めて、堤氏が言う。
「まず、なぜ、こんなにマイナンバーカードの普及を急ぐのか。
そこからして邪です。
2016年1月にスタートしたマイナンバーカードは最初から国民に不評でした。
住基ネットが失敗したものだから、その代わりに出してきたのですが、看板を替えただけで、国民の理解が得られるわけがありません。
そこで、マイナポイントという餌をぶら下げて、2兆円超もの税金をつかって普及させることにした。
しかし、それでも浸透しない。
そこで、今度は健康保険証と紐づけることにした。

河野大臣がいきなり、“2024年秋に紙の保険証は廃止する”と宣言したのです。
強引な進め方には医師会や介護施設から猛反発が起こっています。
専用のカード読み取り機が必要になるし、職員にも研修が必要。
さらに読み取り機の不具合も報告されています。

保険証の代わりの資格確認証の利用は追加料金を取るなどハードルを上げている。
これではマイナンバーカードを持たない人、申請したくてもできない人は窓口で全額自費負担になり国民皆保険制度は崩れます」

海外では情報を分散させるのが主流
そもそも、国民の理解が得られないのは、なぜなのか。
「個人情報のデジタル化には3つの大切な条件があります。

1つ目は政府と国民の信頼関係。
2つ目は情報の取り扱いに対する透明性と機密性。
3つ目は個人情報の持ち主の主権保護ですが、日本はいずれも不十分です。担当大臣は都合が悪くなると、“記憶にない”とすっとぼけるか、自治体のせいにしてしまう。
これでは信頼は得られませんし、

2つ目の透明性について
言えば、エストニアは誰が自分の個人情報にアクセスしたかを確認できるシステムがあるし、本人が嫌だと思えば、その情報を削除することもできます。
日本はそうした自由を与えないまま、すべての情報をたった4桁の番号で一つのカバンに詰め込もうとしている。
その情報も当初は災害、税金、社会保障の3つの分野に限定されるはずだったのに、岸田政権はなんと省令で、その範囲をどんどん拡大しようとしています。
そのうえ、強制的に情報を取得し、それが漏れても本人はわからず、誰が責任を取るのか、もわからない。
個人情報の主権保護も何もありません」

海外では情報は分散させるのが主流だ。
米国にはソーシャルセキュリティー番号があるが、日本のようなマイナンバー制度はない。
ドイツは納税者番号はあるが、何もかも一元化された共通番号制度は違憲とされている。
イギリスは06年にIDカード法が成立したが、政権交代時に廃止された。

政府は「日本はデジタル化に遅れている」みたいな言い方をするが、真っ赤なウソなのである。
だとすると、政府は一体、どんな目的で、マイナンバー制度を急ぐのか。ここには大きな疑念がある。
ゆくゆくは思想管理や徴兵制にも使われる恐れ マイナンバーカードの問題点は挙げていけばきりがない。

台湾のオードリー・タン氏は、堤氏の最新著での対談で、デジタル化で一番大事なことは「決して権力を集中させてはいけない」と語り、普及させるポイントは「一番使いづらい人にあわせること」と助言していたが、どっちもできていないのが日本だ。

とくに権力の集中については、マイナンバーに紐づけられる
情報がどんどん勝手に拡大されている。

「2022年3月4日に運転免許証とマイナンバーカードを一体化させる道路交通法改正案が閣議決定されました。
23年3月7日には年金給付の受取口座も国民が拒否しなければ、マイナンバーカードと自動的に紐づけられることが決まりましたが、こちらも閣議決定です。

怖いのは、“規定された事務に準ずる事務”であれば、省令でマイナンバーカードの利用範囲を拡大できるようになっていることです。
“準ずる事務”なんて、どうにでも拡大解釈ができる。
こうして、国民の知らない間にどんどん、国民の情報が次々にマイナンバーカードに紐づけられているのです。

諸外国では貴重な情報を同じカバンに入れないのは常識で、セキュリティーの概念から、分散化に動いているのに、日本だけが逆行しているのです」

あらゆる個人情報が紐づけられたら…

マイナンバーカード機能はスマホにアプリ、マイナポータルをインストールすると便利に使える。
ただし、アプリの利用規約をよくよく読むと恐ろしいことが書かれている。

<利用規約の変更が(中略)合理的であるときは、本利用規約を改正することができるものとします>
<マイナポータルの利用にあたり、利用者本人または第三者が被った損害について、(中略)デジタル庁は責任を負わないものとします>などなどだ。
つまり、やりたい放題で情報が漏れても責任を取らない。

こんな政府に任せていたら、今後は一体どうなるのか。
「国民の個人情報をデジタル化し、ブラックボックスに詰めてデジタル庁が管理する。
ゆくゆくはタンス預金なども把握し、国民の資産を可視化して、財務省の悲願であろう財産税徴収も簡単にできるようになるでしょう。

さらに私が懸念しているのは脱炭素を理由にした市民の買い物情報の追跡です。
中国が導入している信用スコアのように、ステーキを買うと、温暖化への意識が低いとして、信用情報が減点になるなどの怖い使い方が、すでにSDGsの名の下に他国でも始まっている。
これは思想管理につながるので注意が必要です。

9.11後の米国では“落ちこぼれゼロ法”を作って貧しい子供の成績を軍に流させる『経済徴兵制』を整備したし、ロシアは今やデジタル赤紙がスマホに送られてくる。

マイナンバーカードを作ってあらゆる個人情報が紐づけられたら最後、今の日本政府の様子では何に使われるかわかりません。
防御するにはマイナポータルアプリを削除すること。健康保険証も2024年秋までに紙の資格確認書を申請しましょう。
期限1年で毎年更新が必要ですがリスク管理と考えて。私たち国民が抵抗しなければ、政府のやりたい放題がエスカレートする一方ですから」
便利になることには裏がある。この政権は性悪だという意識に立った方がいい。
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2023年06月14日

マイナンバー連日トラブル

マイナカード返納する動きも
2023年06月13日 日刊ゲンダイ

 連日、トラブルを引き起こし、すっかり“疫病神”と化しているマイナンバー。
12日は、6月15日の年金支給日を前に年金がらみの問題が発覚し、高齢者を不安にさせている。
 ◇  ◇  ◇  
総務省は12日、マイナカードの個人向けサイト「マイナポータル」で他人の年金記録が表示、閲覧されるトラブルが1件あったと発表した。
道府県の職員が加入する「地方職員共済組合」が、誤ってマイナンバーを他人の年金情報にひも付けしたのが原因だという。

 年金も誤って他人に支給されるのではないか──そんな不安が広がり、岸田首相は火消しに躍起だ。
12日の国会審議では、「年金の支給について心配だとの指摘がありました。
年金の支給は年金番号に基づいて、支給を行っており、年金の支給には支障はない」と答弁してみせた。

「マイナンバー」ではなく、「年金番号」で支給するので安心だという理屈だ。
これでは、政府自らマイナカードの欠陥、ポンコツを認め、マイナンバーの必要性や安全性を否定したのも同然である。
 ネット上では〈じゃあ、マイナンバーはいらないね〉〈年金番号があれば困らない〉といった投稿が飛び交った。

 マイナンバーのトラブルは枚挙にいとまがない。
住民票やマイナポイントが別人に交付・付与されたり、本人でなく家族名義や赤の他人の公金口座が13万件以上も発覚した。

マイナ保険証でも他人の情報とひも付けされたケースが7000件超に上る。
患者が10割負担を請求される事態が発生し、最悪、他人のデータがひも付けされ、誤った治療や薬の処方がされる恐れも出ている。

■カード返納の動き、平塚市は口座取りやめ
とうとう個人や自治体では“マイナンバー離れ”が始まった。
「話が違う!」としてマイナカードを返納する動きが出ている。
「共通番号いらないネット事務局」の宮崎俊郎氏がこう言う。
「自治体に自主返納を申し出るケースが増えているようです。
これまでも街頭宣伝などで自主返納を呼びかけてきましたが、最近は明らかに『返納します』と言う人が増えています。
せっかく作ったカードを返すのはよっぽどのことですが、それだけマイナンバーを危ないと捉えているのでしょう」

 河野デジタル相など政府は、自治体の“人為ミス”として自治体に責任を押しつけようとしているが、自治体側もシビレを切らしたのか、神奈川県平塚市はマイナンバーとひも付けた「公金受取口座」への給付金支給を当面、取りやめることを決めた。
福祉総務課の担当者は「住民側は不安に思うだろうと考え、いったん、取りやめることにした」と話した。
「住民に近いところで仕事をしている自治体として、住民に寄り添った平塚市の対応は当然だと思います。
他の自治体でもマイナンバーの活用をいったん、凍結する動きは出てくるものと思われます。
岸田政権は一度立ち止まるべきです」(宮崎俊郎氏)

 岸田首相は「国民にご心配をおかけしている」として陳謝する一方、現行の健康保険証を来秋に廃止する方針は堅持する意向だ。
これ以上、ゴリ押しを続ければ、マイナンバーで国民に迷惑をかけ続けた“疫病神宰相”として、後世に評価されることになりそうだ。
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2023年06月15日

児童医療費無償化にリスクも

「たった200円のために無駄な診療が増える」自民党が提案する児童医療費無償化の恐るべきリスク
精神科医  東 徹
2023年06月14日 プレジデントオンライン

2023年5月28日、参議院自民党は、少子化や地方の衰退に歯止めをかけるため、高校卒業までの医療費の無償化などを柱とした提言をまとめた。
精神科医の東徹さんは「少子化対策は大事だが、もし全国的に完全無償化して1回200円の負担もなくすと、かえって国全体での医療費圧迫につながり、過剰な受診が増えて医師の仕事も増えてしまう」という――。

■1回200円の自己負担を無償にすると医療費は10%増加
東京都23区で実施している高校生までの医療費無料化を全国に拡大する案を、参議院で自民党が提出しようとしている。
少子化対策の必要性が叫ばれる昨今、子育て世代に対する経済的支援は手放しに肯定されがちである。
たしかに子育て世代に対する支援は必要だとしても、医療費無料化が本当に子供、次世代のためになるのかは、一度立ち止まって検証する必要がある。
もし、それが逆効果だとしたら、取り返しのつかないことになりかねない。

日本の医療制度では、医療費の自己負担は就学前で2割、小学生以上70歳未満は3割、70歳から74歳は原則2割、75歳以上は原則1割、70歳以上では所得に応じて2割〜3割、となっている。
つまり、子供は本来、自己負担は2割か3割だが、多くの自治体で子供の医療費が少額や無料となっているのは、都道府県あるいは市区町村が助成して負担しているからである。

これは後期高齢者の自己負担が原則1割とあらかじめ少額に設定されているのとは意味合いが異なる。
各自治体の政治的判断が反映されているということだ。
東京都23区では2023年4月から高校生までの医療費が実質無料となっている。
これは東京都23区独自の判断だが、自民党案はこれを全国一律に推し進めるというものである。
それははたして正しいのだろうか。

■行動経済学の「ゼロ価格効果」で無償化を考えると…
ここで、医療費無料化に関して注目すべき論文がある。
東京大学の飯塚敏晃教授と重岡仁教授によって2020年に発表された共著論文「Is Zero a Special Price? Evidence from Child Healthcare」である。
この論文の主要な知見は以下の4つである。

@「無料」には特別な効果がある行動経済学で「ゼロ価格効果」と呼ばれる効果が存在することがわかった。
ゼロ価格つまり「無料」は特別な価格で、無料から少しでも価格を上げると、病院に月1回以上受診する確率が4.8%減少する。
これは自己負担額が10%増した時に受診が9.1%減少するという効果と比較してもかなり大きい効果である。
医療費に関しては、通院1回200円の自己負担を無料にすると医療費は一気に10%も増える。

■200円でも負担があれば無意味な受診をしなくなる

A小額の自己負担で健康な子供の受診が減る少額の自己負担は、健康な子供の受診率を低下させる。
一方、病気の子供の月1回の受診を抑制することはない。
つまりこの結果は、少額の自己負担が病院受診のためのスクリーニング装置として機能し、より医療が必要な患者に医療資源を配分するのに役立つことを示唆している。

B小額の自己負担により不適切な抗生剤使用が減る
ゼロ価格が抗生剤の不適切な使用を大幅に増加させ、通院1回200円という低い自己負担でも不適切使用を18.3%も減少することが明らかとなった。

C医療費無償化には将来の健康上のメリットはない
小児期の助成金受給は、青年期の医療利用や健康状態に明確な利益をもたらさない可能性が高いことがわかった。
費用負担を無料にするほどの手厚い補助金を追加しても、大きな健康上のメリットはないということになる。

まとめると、子供の医療費を完全無料化しても健康には役に立たない無駄な医療が増えるだけであり、将来的なメリットもなく、むしろ不適切な抗生剤使用を増やしてしまう悪影響すらある、というわけだ。
そして、それは通院1回たった200円の負担をするだけで、ある程度、防ぐことができるのである。

■子供たちは将来その何倍もの公費負担を課される
しかし、医療的には無駄であったとしても、通院1回200円すら無料化して助成することは子供や子育て世代への支援となるだろうか。
医療費の自己負担以外は保険料と税金による負担である。
その保険料、税金は誰が払うことになるか。
それは助成を受けた当の子供たちが将来にわたって引き受けることになる。
医療上メリットのない受診のための、たった200円を無料化する利益を享受するために、その何倍もの公費負担分を将来の自分に課すことになる。
これは本当に支援だろうか。

目先の200円にとらわれて大金を失う結果になるのではないか。
ただし一点補足しておくと、うつ病、ADHD、タバコ、肥満などに対する医療など、価値の高い医療も1回200円の負担で受診が10%減少してしまうこともわかった。
この点には留意が必要だが、価値の高い医療のみを選択的に無料化する、という方法でより効率的な医療資源配分は可能とも指摘されている。

■生活保護の医療費全額扶助にも同じことが言えるか
この論文は「ゼロ価格効果」の存在を実社会の研究において初めて示したものである。
それは国民皆保険、全国均一の診療報酬という日本特有の医療制度に加えて、各自治体が個別の医療費助成をしていた、という日本固有の事情によって得られた知見である。
この結果を当の日本が生かさない道理はない。

医療費無償化の例としては、子供の医療以外にも生活保護の医療費全額扶助がある。
生活保護に関しても、上記の論文ほど直接的な研究結果はないが、ゼロ価格効果がある可能性は高い。
生活保護費の約2分の1が医療扶助費であり約1兆7000億円である(令和2年)。
そして、その医療扶助費の約5分の1が精神入院の費用である。
逆に、精神科病院入院患者の約2割が生活保護受給者である。

■臨床の精神科医として不要な受診があることを感じる
精神科医である筆者には、日々の診療そのものの非常に身近な問題である。臨床的な実感としても、医療費が無料であることによる過剰な医療が生じている可能性は感じざるをえない。
生活保護を受けている精神疾患の患者では、薬の紛失や、生活の乱れによる入院希望が少なくない。
もちろん生活保護受給者が全員そうだ、というわけではけっしてないが、その背景には医療費無料化によって安易に医療に依存してしまい、治療意欲の低下が生じている、と疑わざるをえないケースもある。
これは多くの精神医療従事者に心当たりがあるだろう。

ただ、生活保護受給者にも医療費自己負担を求めると、余剰のお金がなくなり食べるのにも困ってしまうのでは、という懸念があるかもしれない。
しかし、その心配には及ばない。
一般に誤解されがちだが、多くの生活保護受給者は、食費を除いても1日1箱タバコを吸うぐらいの金銭的な余裕は十分にある。
通院1回に200円、タバコ1箱以下の金額が払えないわけはない。

■製薬会社の無料の勉強会が意味すること
もうひとつ、医療の現場で「ゼロ価格効果」に類似の例を挙げてみる。
最近までほとんどの医師はボールペンを買う必要がなかった。
それは2019年に製薬会社による自主規制で禁止されるまで、製薬会社主催の勉強会には必ず無料でボールペンが配布されていたからである。
無料なのはボールペンだけではない。弁当は無料で配られ、会場までのタクシー代も無料である。
以前は、場合によっては飛行機代、宿泊費まで無料であった。
これらが無料であるために、製薬会社主催の勉強会へと参加するハードルは実感としても明らかに下がる。もし1回200円でも参加費が徴収されれば参加する医師は相当減少するに違いない。
そしてこの勉強会とは製薬会社の新薬の宣伝会を言い換えたものに過ぎない。
つまり、医師たちは無料であることに釣られて製薬会社の新薬の宣伝を直接的、間接的に聞きに行くのである。
営利企業である製薬会社がこれらを無料で提供するのは、それ以上の額が売り上げとして返ってくる見込みがあるからである。
これらの製薬会社の宣伝に対する自主規制は世界的にも年々強まっている。
それは宣伝によって不必要な処方を促している危険性が強く疑われているからである。
日本の製薬会社の宣伝費(マーケティング費)総額は約2兆円といわれている。
つまり、控えめに言ってもそのうちのかなりの割合に相当する額、宣伝効果という意味ではむしろそれ以上の額が、不必要な処方へ費やされていると言える。

■「無料」というシステムには魔物が潜んでいる
これほどまでに、ゼロ価格効果=「無料」であることの特別さ、その影響の大きさは計り知れない。
医療業界で動く兆円規模の金額も、この「無料」に激しく左右されうる。
「無料」には魔物が潜んでいる。
しかし、それはたった200円の負担で変えられるものなのだ。
さて、これらを踏まえた上で、あらためて、冒頭の自民党案、高校生までの医療費無料化を全国に拡大すべきなのか、をよく考えてみていただきたい。
最後に古来から言い伝えられた警句を紹介して終わろう。

「タダほど怖いものはない」 まさにその通りである。
それは国を滅ぼしかねないほどに。
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2023年06月16日

「有権者が当選させているのだから仕方ない」は本当か…政治家が劣化した世襲議員ばかりになった根本原因

「有権者が当選させているのだから仕方ない」は本当か…政治家が劣化した世襲議員ばかりになった根本原因
山下 一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
2023年06月15日 プレジデントオンライン

なぜ日本は世襲議員ばかりになったのか。
キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「小選挙区になってから現職優先の下で地盤、看板を引き継げる世襲議員以外の新人が党の公認を受けるのは困難になった。
一度公認になると党内で政策論を戦わせる機会もなく、政治家の劣化を生んでいる。
有権者は、いまこそ選挙制度改革について声を上げていくべきではないか」という――。

■政治家が小粒になった
永田町では通常国会閉会後に岸田文雄総理が衆議院を解散するという臆測の下、各党で公認候補の調整が急ピッチで行われている。
区割り変更で定員が5つ増えた東京では、公認候補選びで自民党と公明党が対立。
24年間続いた連立政権がついに終わりを迎えるのではないかと報道をにぎわせているが、有権者不在の政党間の駆け引きに過ぎず、私は白けた思いで見つめている。

近年、国政選挙の投票率は右肩下がりだ。
80年代には70%以上あった投票率が前回の衆議院選挙(2021年10月)では55.9%まで下がっている。
これは有権者の政治への失望を表しているのではあるまいか。
私は、「三角大福中」と呼ばれた派閥戦争が盛んな頃に学生時代を送り、その後農林水産省に30年ほど勤め、多くの政治家と付き合った。
その頃と比べて今の政治家について総体としての印象を言うと、「小粒になったな」ということだ。
以前は迫力を感じる政治家が多かった。

鹿児島県選出の衆議院議員、故山中貞則が通産大臣になったとき、ある通産官僚は「風圧を感じる」と言った。
自分たちが優秀だと思っている通産官僚が、政策論で気圧されたのだ。
私も山中に言われて難しい仕事をこなした。
有力な政治家だが総理になるという野心を持たない山中を私は「高士」だと思っていた。
かれは後継を山中家から出さないと遺言し、身内からの議員世襲を当然としていた自民党鹿児島県連を混乱させた。
ひるがえって現在はどうだろう。
どこを見ても世襲議員だらけだ。
しかも政治家としての能力が高いとは思えない。
中には、就職活動は大変なので、手っ取り早く家業の政治家を継いだとしか思えない人もいる。
ごく限られた人を除いて、私には、今の世襲議員が欧米の政治リーダーに伍してディベートする姿を想像できないのだ。

■政治家が劣化した原因は選挙制度にある
岸田総理の長男で総理秘書官のポストにあった翔太郎氏が、公邸内で忘年会を行う不祥事で更迭されたことをきっかけに、世襲政治への批判は高まっている。
岸田総理が長男を総理秘書官に任継したのは、いずれ政治家として跡を継がせようとする意図が明白だったからである。
2世議員どころか4世議員となるそうだ。
世襲についての批判をかわすため、形式上“公募”が採られているが、それは形式であって、公募した後、どのような理由で特定の候補者を選定したかは、明瞭ではなく透明性を欠く。
公募という名のブラックボックスの中で、前の国会議員の後援会幹部が後継者を指名しているのが実態だ。
政治家が世襲議員ばかりになってしまう原因は、世襲議員を当選させてしまう有権者にあるという意見もある。
しかし、有権者には選択肢が与えられていないのだ。
問題は選挙制度そのものにあり、ここにメスを入れなくては政治の劣化は止まらないだろう。

■中選挙区時代の世襲議員は優秀だった
実際、世襲議員だからといって全員が無能だったわけではない。
総理大臣になった橋本龍太郎は2世議員だったが、政策についても勉強した努力家だった。
彼は、通商交渉でアメリカのカンター通商代表と渡り合った。
小泉純一郎も郵政民営化を旗印に掲げ、既得権力と対峙(たいじ)し、国民の中から大きな政治力を引き出し、それを動員した。
かれらが政治家となったとき、選挙制度は中選挙区制だった。

当時の中選挙区制は広い選挙区から3〜5人の議員を選出するものだった。例えば、現在は4つの小選挙区が存在する岡山県は、2区に分かれていた。旧岡山1区、2区とも定員5名だった。うち自民党は通常3つの議席を確保していたが、1名が落選し2議席にとどまるときもあった。
他の社会党、民社党、公明党が、固定された支持層を持っていると自民党議員が考えれば、事実上選挙は、保守票を自民党3議員がいかに取り合うかという争いとなる。
自民党はそれ以外の議員を公認しなかった。
つまり自民党内の議員同士が2〜3の議席を巡り当落をかけた競争相手になる。
野党候補の票が伸びなくても、他の自民党議員が票を取り過ぎれば、落選する可能性がある。
とりわけ、旧岡山2区では、加藤六月と橋本龍太郎によって“六龍戦争”と呼ばれる激しい選挙戦が展開された。
二人にとって、単に当落を心配するだけでなく、どちらがトップ当選して自民党内の地位を向上させることができるかも、重要だった。
旧群馬3区における福田赳夫と中曽根康弘という派閥の領袖間の争いは、上州戦争と呼ばれた。
派閥の領袖だった中曽根を君付けで呼んだ山中貞則も、田中角栄の番頭格だった二階堂進と激しく競り合った。
このような競争は、多くの選挙区で展開された。
私にとって印象に残るのが酪農が盛んだった旧北海道5区の政治家である。
5名の定員だったが、伝統的に社会党が強く、1983年の選挙まで社会党は2〜3議席を占めていた。
こここでは、北村直人、鈴木宗男、中川昭一、武部勤の自民党議員が、競争した。

■中選挙区時代の問題は金権政治と利益誘導
総理総裁を目指している自民党の各派閥の長にとって、自民党が敗北したとしても、自己に属する候補者が当選し、他派閥の候補者が落選すると、総裁選挙で有利となる。
中選挙区制の下では、自民党と他党の候補者との争いではなく、自民党内の候補者同士の争いだったのである。
これが派閥を中心として激しい金権政治を生んだ。
派閥の力となる国会議員の“数”を持つためには、“金”が必要だった。
その典型が田中角栄率いる木曜クラブ(田中派)だった。
「数は力」だった。
また、多数の有権者の支持がなくても20%程度の票で当選できるので、一部の地元利益団体の固定票を確保することが優先されがちになるし、その見返りに、政権党である自民党議員は地元への利益誘導を図ろうとするという批判も行われた。
選挙制度が既得権者に有利に働いていたというのだ。

■小選挙区でも利益誘導の問題は残った
これに対して、小選挙区制であれば、同じ自民党候補同士の争いは起きず、派閥本位ではなく、政策本位、政党本位の選挙が行われ、金権政治ではなくなるはずだとされた。
また、投票者の半数近くの票を得なければ当選できないので、特定の利益団体の支持だけなく、組織されていない有権者からの支持も必要になる。
このため、特定の利益団体より市民全体の利益が優先されるようになると考えられた。
しかし、激しい金権政治はなくなったが、それ以外の点では失敗した。
二人の候補が対立する小選挙区制では、JA農協のような特定の利益団体が組織する票がキャスティングボードを握るようになり、利益団体の力は排除できなかった。
なにより、民主党政権の失敗により野党の当選力が低下し、自民党の独り勝ちとなる中で、いったん自民党から当選してしまえば、よほどのことがない限り国会議員としての地位は安泰となる。
現職優先の原則では、自民党から新しい候補者が出てくる恐れはない。

■非世襲候補の受け皿が野党にしかないことの問題
現職優先の下で、新人が党の公認を受けるのは難しい。
ところが、世襲候補の場合、現職である親などから地盤を引き継ぐので、新人でも党の公認を受けられる。
しかも、世襲候補は、地盤、看板、カバン(金)の三バンを引き継ぐので、当選の確率はさらに高まる。
しかも、世襲議員となれば、新人候補であっても当選する確率は6割以上に跳ね上がる。
こうして自民党は世襲議員だらけとなった。

そもそも親が国会議員だというわけで能力や適性があるか分からない人が国会議員となり、またその後も選挙区に競争者がいないので真面目に政策などを勉強することもない。
これは極めて不幸なことである。
本来国民全体の中から候補者や国会議員は選出されるべきなのに、現職議員の家族の中からしか、リクルートできないことになってしまうからである。
自民党に世襲候補が多くなる中で、非世襲候補は野党からの立候補を模索することになる。
野党は非世襲候補の受け皿になるが、与党と主義主張が異なる人が野党候補になるわけではなくなる。
野党は第2自民党となる。

■解決策は予備選導入
今の政治では、個々の政治家が素質や能力を磨かなくても済むシステムになっている。
この問題を解決するためには、与野党の公認候補選びに、アメリカの政党の候補者選びのような予備選挙を導入すべきである。
党員の投票で決まるので、今の公募制とことなり、候補者選びの透明性は格段に高まる。
地方政治のボスの力は弱まる。
現職であっても、支持を失えば、次の国政選挙の際の予備選挙で敗れ、党の公認候補となれない。
ボーッとしていては議席を維持できないとすれば、必死で政策の勉強などを行うだろう。
非世襲候補であっても、能力、魅力があれば、現職に代わり、公認候補となれる。

■選挙制度改革を求めて声を上げていこう
もう一つの方法は、党議拘束を緩めることである。
アメリカの政党では、党議拘束はない。
与党議員でも大統領が望む法案に反対する。
各議員へのロビー活動は活発になるが、議員の政策への理解度は高まる。

日本と同じ議院内閣制をとるイギリスでも、はっきりと党議拘束をかけるのは予算案だけで、ブレグジット法案の採決に見られるように、党議拘束は緩やかである。
今の自民党議員は、党が決めた方針通りに投票する。
党議拘束がなければ、各議員は議会での投票行動を選挙民に説明しなければならない。
「党が決めたから」という言い訳は通じない。
支持者を説得できるだけの説明能力が求められることになる。
議員の質の向上につながる。

このような改革を行う上での最大の障害は、世襲議員を含め現在公認を得ている人たちから、改革の声が上がらないことである。
彼らが既得権者なのだ。
結局、政治を動かすのは世論である。
いまこそ有権者は選挙制度改革について、声を上げていくべきではないだろうか。
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軍事費増額、原発推進、保険料引き上げ…岸田新法が国民生活を破壊する!

軍事費増額、原発推進、保険料引き上げ…岸田新法が国民生活を破壊する!
2023年06月15日 女性自身

岸田文雄首相(65)は6月21日までの今国会で、“7つのトンデモ法”を成立させようとしている。
「これらの法を見ていると、岸田政権の思惑がよくわかります。
戦争につながりかねない“防衛産業”と、時代遅れの“原発関連企業”の利益のみ優先し、そこにつぎ込む財源は、医療費削減や保険料アップなど、国民生活を犠牲にして賄おうとしているのです」
そう切り捨てるのは、元経済産業省の官僚で、経済評論家の古賀茂明さん。

次のように解説する。
「安倍政権時代から増大している防衛予算を、さらに強固にする法案が“防衛財源確保法案”です。
コロナ対策の予備費やら東日本大震災の復興税の一部まで流用して、財源を確保しようとしています」
こうして得た財源は、アメリカから爆買いしている役に立たないトマホーク(すでに2千億円以上の予算が計上)などの購入に充てられるほか、“防衛産業基盤強化法”を成立させたことで、基金を通して国内の武器製造企業に流れる。

「岸田政権は武器輸出三原則の解釈を変更し、殺傷能力のある武器も輸出できるようにしようとしていますから、今後、日本は軍事大国になってしまうでしょう」

■少子化対策などの財源には追い付かず、いずれは“増税”というシナリオは明白に
一方で、喫緊の課題である少子化対策などについては財源を明確にしていない。
「“改正健康保険法”を成立させ、後期高齢者の保険負担を増やすなどして財源に充てようとしていますが、まったく追いつかない。
いずれは“増税”というシナリオにもっていきたいことは明白です

政府は、“難民認定法”も改悪して、難民を強制送還しようとしている。
外国人に介護などに従事してもらう考え方もあるが、難民に厳しく、貧しくなる一方の日本には、外国人も来なくなるだろう。
“岸田新法”の結果、軍事産業と原発関連企業ばかり“焼け太り”して、国民はますます困窮、生活は破壊されていくのだ。
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2023年06月17日

「流行りのダイエット法」に効果はあるの?

「流行りのダイエット法」に効果はあるの?酵素ドリンク、オートミール…名医がジャッジ
2023年06月16日 SPA!

新型コロナウイルスの流行で、改めて「健康」が問い直されている。
しかし、あなたが“体にいい”と思っていることが、まったくのウソだったとしたら……。
SNS時代にはびこる健康法、ダイエット、治療に関して名医たちが「〇」「△」「×」で判定。
真実を知り、本当の健康を手に入れるのだ!

◆酵素ドリンクは飲んでも痩せない?
市販品も種類豊富で自分で作って愛飲している人も多い酵素ドリンク。
だが、実際には毒でもないが飲んだところで痩せるわけでもない。
「効果があるとは思えませんが、3食中に1食ぐらい無理のない範囲での置き換えダイエットとして行う程度ならいいかも」(日本抗加齢医学会専門医・日比野佐和子氏)

医師の判定は⇒ ×

◆飲水でデトックス。腹が膨れて痩せる?
手軽に始められるので最近人気だが、「デトックス効果はありません。
でも、水を飲んで腹が膨れるので多少のダイエット効果はあります」(内科医・大脇幸志郎氏)。
ただし、飲みすぎはむくみの原因になる。
「午前中からお昼を目安に一日1.5〜2ℓくらいにしましょう」(日比野氏)

医師の判定は⇒ ×

◆オートミールダイエットはかなり効果的
欧米では朝食として定番のオートミールは、日本でもダイエットや健康目的に食べる人が近年増えている。
「未精製の穀物で健康面でプラスの効果があります。
食物繊維が多いとカサ増しされて摂取カロリーが減るため、結果的にダイエット効果が期待できます」(内科医・名取宏氏)

医師の判定は⇒ ◯

◆ランニングは健康にはなれても痩せない
「早朝ランは危険」などの話もあるが、「因果関係を示す直接的なデータはない」と名取氏は否定。
「健康にはいいですが、ダイエット効果は微々たるもの。
2qのランニングはペットボトル1本のスポーツドリンクでキャンセルされてしまいます」(大脇氏)

医師の判定は⇒ △

【内科医・名取 宏氏】 NATROMというハンドルネームでインターネット上で健康情報を発信。著書に『医師が教える最善の健康法』(内外出版社)など
【内科医・大脇幸志郎氏】 出版社勤務や医療情報サイト運営を経て医師になった異色の経歴。
著書に『医者にまかせてはいけない』(エクスナレッジ)など
【日本抗加齢医学会専門医・日比野佐和子氏】 プラセンタ療法を含む再生医療のパイオニア。
現在はアンチエイジング医療の第一人者として、国内外で幅広く活躍している

       取材・文/週刊SPA!編集部
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2023年06月18日

マイナンバーカードで最も怖いのは個人情報漏洩 何か起きても「デジタル庁は責任を負わない」と規約に明記

マイナンバーカードで最も怖いのは個人情報漏洩 何か起きても「デジタル庁は責任を負わない」と規約に明記
6/17(土) マネーポスト

 マイナンバーカードで取った住民票が、赤の他人のものだった──今年3月以降、神奈川・横浜市や川崎市、東京・足立区など、各地のコンビニでこんな“珍事”が相次いでいる。

「最大2万円分のポイントを付与」など、これまで国を挙げて大キャンペーンを行い、政府が事実上の義務化を目指すマイナンバーカード。
だが、ここに来てトラブルが多発しているのだ。

 住民票誤発行のほかにも、公金受取口座がまったくの別人の名前で誤登録されていたケースが748件あり、本人ではない家族名義の口座の誤登録はなんと13万件もあった。
 加えて6月9日には、マイナポータル(政府が運営するオンラインサービス)で他人の年金記録が閲覧できる問題も明らかになった。
 昨年8月にも、滋賀県でマイナ保険証の利用を希望していない市民の保険情報が職員のミスによってカードに誤登録されるケースが発生。
ただの人的ミスなら登録を解除すれば済むはずだが、職員が解除手続きしようとしたところ、国は「手順を整備していない」として、解除を拒否。
つまり、一度マイナ保険証に移行してしまったら、それが誤りであっても、二度ともとに戻すことはできないのだ。

 その一方で、「医療機関で提示したマイナ保険証にまったくの別人の情報が登録されていた」というケースも多数報告されている。
 これだけミスや不祥事が世間を騒がせているにもかかわらず、6月2日、現行の健康保険証を2024年秋に原則廃止することを盛り込んだ法案が、国会で成立した。

「マイナ保険証」への移行が実質的に義務化され、現行の保険証は「実質廃止」となる。

1つの番号に全情報をひもづける「フラット型」のリスク
 経済ジャーナリストの荻原博子さんが警鐘を鳴らす。
「マイナポータルでは、マイナンバーカードをつくればさまざまな行政サービスがスピーディーに受けられるとうたわれていますが、これだけのトラブルを目の当たりにしては、とても信頼できません」(荻原さん・以下同)
 荻原さんは、今後はカードを持っているだけで、さらなる不利益が生じる可能性があるとみる。

 もっとも気がかりなのはやはり、個人情報の漏えいだ。
マイナンバーと暗証番号さえわかれば、住所や氏名、生年月日はもちろん、勤務先、収入状況、病歴まで、ほぼすべての個人情報が漏れてしまう恐れがある。

「マイナンバーカードのように、1つの番号に全情報がひもづけられている管理方法を『フラット型』といい、アメリカやシンガポールでも同様の方法が取られています。
ですが、アメリカでは過去にこれを利用した詐欺で、年5兆円が奪われました。
シンガポールでも2018年に150万人の医療情報が盗まれる事件が起きている。
このため諸外国ではフラット型の利用範囲を狭めているのに、日本はそれに逆行しているのです」

 マイナポータル規約には〈デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わない〉と書かれている。
 つまり「基本的に、何が起きても国は責任を負いません」と明記しているのだ。
「“デジタル後進国”である日本が、国民の個人情報を犯罪者から守れるとは、とうてい思えません」

※女性セブン2023年6月29日号
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2023年06月19日

河野デジタル相は“完全自爆”…健康保険証「廃止」で公明代表の“助言”全否定し批判集中!

河野デジタル相は“完全自爆”…健康保険証「廃止」で公明代表の“助言”全否定し批判集中!
2023.6.18 日刊ゲンダイデジタル

マイナンバーカードを巡るトラブルが止まらない。
健康保険証とカードを一体化した「マイナ保険証」については、別人の医療情報が誤登録された事例が7000件以上発覚。
来年秋に従来の保険証が廃止されることに多くの国民が不安を感じている。
ところが、河野デジタル担当相は、何が何でも現行の保険証を廃止するつもりだ。
◇    ◇    ◇
河野大臣は16日の会見で、公明党の山口代表がラジオ番組で「(現行の)保険証も併存させるアイデアもある」と、保険証の廃止“撤回”を提案したことについて、「国民の不安解消が極めて重要という趣旨だと思う」と発言。
来秋の保険証の廃止方針を変えない姿勢を鮮明にした。
せっかくの“助言”を突っぱねた格好だ。

「マイナ保険証を巡っては、続々と問題が発覚し、内閣支持率も下落している。
山口代表の発言は、ある意味、政府が方針転換するための“助け舟”でした。
『山口代表のご意見も踏まえて……』などと発言すれば、軌道修正できたかもしれない。
なのに、全否定してしまった。
これで軌道修正は難しくなった。完全に“自爆”ですよ」(永田町関係者)

実際、ツイッターではブーイングが続出。
〈せっかく助け舟出してやってんのに、酷いな河野太郎デジタル相は〉
〈まずは河野太郎を廃止しろ〉
〈いい加減大臣をやめるべきだろ〉といった声が上がっているのだ。

なぜ、河野大臣はここまで頑なに保険証廃止に執着しているのか。
永田町では「内閣支持率を下落させ、岸田首相の解散権を妨害しているのでは」
「夏の内閣改造での交代を見据え、後任大臣に全責任をなすりつけるつもりではないか」といった臆測が飛んでいる。
「単純に突破力をアピールしたいだけじゃないか」という指摘もある。

■傍観していた岸田首相は“巻き添え”食らう
意固地な河野大臣に霞が関は総スカン。
「河野潰し」が始まっているという。
「ここまで役所が続々とミスを認め、情報を出してくるのは異例です。
時間をかけてトラブル件数を集計し、ほとぼりが冷めた頃に公表するのが霞が関の常套手段。
今回は、河野大臣にダメージを与えるためにあえて連日、トラブルの詳細を公表しているのではないか。

実際、丁寧に説明をしない河野大臣のやり方は、軋轢が大きすぎます」(官邸事情通)
岸田首相も「河野潰し」を黙認しているフシがある。
「河野大臣は『ポスト岸田』の有力候補の一人。
来秋の総裁選で再選を狙う岸田首相としては、河野大臣が失点を重ねて沈んでいけばシメたもの。
河野大臣の大炎上を傍観している可能性があります。

ただ、内閣支持率の急落は誤算でしょう。
河野大臣だけに批判が集中すると踏んでいたようですが、政権を直撃しつつある。
この状況は想定していなかったはずです」(同)
このまま、保険証の廃止で突っ走れば、内閣支持率はどんどん下がっていくのではないか。
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2023年06月20日

広末涼子の「不倫」は仕事を奪われるほどのことなのか…見えてくる「母だから」という呪縛

広末涼子の「不倫」は仕事を奪われるほどのことなのか…見えてくる「母だから」という呪縛
サンドラ・ヘフェリン、著述家・コラムニスト
2023年06月20日 PRESIDENT Online

2023年6月、女優の広末涼子さんが夫ではない男性との恋愛関係を認め、出演していたCM4本は放送中止。
所属事務所は「無期限の謹慎処分」を発表した。
日本とドイツの文化比較を行うサンドラ・へフェリンさんは「不倫したからといって仕事を取り上げられるのは疑問。母親となった女性に自由な動きを許さない社会では、進んで母親になろうとする人はますます少なくなっていく」という――。

■なぜ広末涼子を無期限謹慎処分にする必要があったのか
女優の広末涼子さんが既婚者でありながら、同じく既婚者で料理人でフレンチレストランオーナーシェフである鳥羽周作氏と恋愛関係にあることが分かり、週刊誌を中心に「不倫」と騒がれています。
不倫がマスコミに知れて数日後、広末涼子さんは今後のドラマや映画などの出演を降板し、「無期限謹慎」の処分を受けました。
一方で相手とされる鳥羽周作さんは今まで通り仕事を続けているようです。
「広末涼子が無期限謹慎処分になったのだから、婚外恋愛の相方である鳥羽周作氏もレストランを閉鎖しろ」と言いたいわけではありません。
むしろ問いたいのは、なぜ広末涼子さんを無期限謹慎処分にする必要があったのか、という点です。

広末さんの恋愛が発覚してから、SNS上では彼女を擁護する声もあるものの、彼女の行為を非難する理由として「子供がかわいそう」というコメントをよく見かけます。
なかには「外で男に抱かれた汚い体で子供と接するなんて、子供がかわいそう」とご丁寧にも理由を詳細に書いたものまでありました。
根底にあるのは「母親になった女性は、母親としてふさわしい行動をするべき」
「母親らしくない行動をするのは許されるものではない」という昔ながらの考え方です。

■「母親が不倫なんて子供がかわいそう」の大合唱に疑問
6月11日に広末さんの夫であるキャンドル・ジュンさんが震災の月命日にキャンドルをともすイベントCANDLE 11thのスピーチで、長男について「小さい子たちの面倒を見ていて大変なのに、福島の人たちに対して気遣いのできるカッコいい長男になってくれました」と語ったことで、世間ではさらに「母親である広末さんがなぜ幼い子供たちの面倒を見ていないのか」といった非難の声が聞かれます。
しかし子供たちの親は母親の広末さんだけではなく、父親であるキャンドル・ジュンさんも「親」であるわけです。
長男が下の子供たちの面倒を見るという状況を打破するために「父親がなんで子供たちの面倒を見ないのか」といった批判があってもいいはずですが、そういった声は大きなうねりとはなっていません。
つまり今回の騒動は行為そのものへの批判というよりも、「お母さんという立場であるにもかかわらず、それにふさわしくないことをした」という批判なのです。
そして批判の際に「子供」が使われるため、「子供がかわいそう」の大合唱となるわけです。

■岸田総理の側近・木原氏は不倫しながら父親の役目を果たしている
何かと「子供がかわいそう」と大合唱をする社会ですので、子供がどれほど大事にされているのかと思いきや、そんなことはありません。
『週刊文春』(2023年6月22日号)に「岸田最側近木原副長官 シンママ愛人に与えた特権生活」という記事があります。官房副長官である木原誠二氏が既婚者でありながら、子供を持つ独身の女性と頻繁に交流をし、いわば「二つの家庭」を当たり前のように行き来している行為を批判的に見る内容の記事でした。
記事の中にシングルマザーの娘である「B子ちゃん」が登場します。
この「B子ちゃん」が木原氏と血のつながりのある子供なのか、そうでないのかは記事を最後まで読んでもはっきりしません。記事には、木原氏がB子ちゃんの誕生日に一緒にディズニーランドに行ったり、B子ちゃんの学校行事に参加したり、B子ちゃんの通う学校でほかの保護者と会話をしている様子が書かれています。
公的な立場でありながら二つの家庭を行き来する木原さんに批判的ともいえる記事ですが、私は「公的な立場にありこんなにも多忙な人が、B子ちゃんのために時間を作り、父親としての役割を果たしているなんて、なんて素晴らしいのか」と一種の感動をおぼえました。
しかし、日本で私のこの感覚に共感してくれる人はあまりいないようです。

■「不倫する人に子供と会う権利はない」と堂々と言えてしまう日本
日本では女性から「(元)旦那の浮気が原因で離婚したから、そんな汚い人に子供を会わせたくない」というような意見を聞くことがあります。
つまり日本では、「大人同士の恋愛沙汰(ざた)」を「子供」と結び付けて考える人が結構な数いるのです。
それが「浮気や不倫をした親には子供と会う権利はない」というような感覚につながるのだと思います。

離婚後も双方の親が子供と頻繁に会うことが理想だと考えられている現在のドイツでは、「元パートナーが浮気をして私(僕)を傷つけたから、子供とは会わせない」という論理は社会的に通用しません。
ドイツでは子供の誕生日やクリスマスなどといったイベントはもちろん、物理的に行き来できる距離であれば、「平日は母親の家、週末は父親の家で過ごす」(またはその逆)子供もたくさんいます。
もともとは夫婦だった人たちが離婚後も子供のためを思って、時には事務的に、時には子育てをする同士のような感覚で連絡を取り合うのがスタンダードです。
もちろん暴力などの問題があれば、そういった交流は不可能ですが、「女癖が悪い」「男癖が悪い」という理由で元パートナーに「ダメな親の烙印(らくいん)を押す」ことは今やタブーだとされています。

■ドイツでは1977年に「不倫をしたから有責」がなくなった
というのもドイツでは1977年に離婚法が変わり、不倫をした配偶者を罪に問うことはできなくなりました。
それまでは、浮気や不倫をした側が離婚の際に元配偶者に対して収入に見合わないほどの大きな金額の慰謝料を払わされたり、浮気や不倫をしたという理由から親権が得られないことがありました。
しかし1977年に離婚法が有責主義から破綻主義に変わったことで、不倫や浮気などの恋愛沙汰は罪や責任の問題ではなくなりました。
いわば「単なる大人の恋愛沙汰」と見なされるようになったわけです。

よって現在のドイツでは片方の不倫のよって夫婦げんかが絶えなくなったら、それは誰が悪いという話ではなく、夫婦関係が破綻しているのだから、一定の別居期間を設け裁判所を介した上で離婚をするというシステムになっています。
その夫婦に子供がいる場合、離婚後も父親と母親がなるべくたくさんの時間を子供と過ごすのが良いというのが社会の共通認識です。

■子供3人の父親が全員違うドイツの人気女優の例
たとえばドイツで人気のテレビドラマに数多くの出演歴のある女優ムリエル・バウマイスター(Muriel Baumeister)さんには3人の子供がいて、全員父親が違いますが、同氏は「子供たちの父親は3人とも育児を積極的にしている。手伝うだけではなく本当の意味で子育ての役に立っている。3人と良い関係が築けていることを幸せに思う」と語っています。
彼女は子供たちの父親と同居していませんが、子供たちがいつでも父親に会えるように全員が近場に住むようにしているといいます。
子供たちの父親は全員ドイツの芸能関係者ですが、ドイツのメディアはそのことを特に批判的に取り上げてはいません。
世間から「子供がかわいそう」という声も聞こえてきません。

メディアや世間が芸能人に何を求めるのかという姿勢が問われています。
芸を求めるのなら演技力や作品に注目すべきですが、日本では特に女性の芸能人に対して「私生活が品行方正であること」を求めるからおかしな方向に行きがちなのではないかと感じています。

■少子化の今、むしろ保守層からの応援があってもいいはず
日本では特に保守層が「ニッポンの少子化」をよく日本の課題として挙げています。
「少子化というニッポンが直面する問題」という観点から見ると、広末さんは子供を3人産んでいるので、保守層にもっと褒められてもよいのではないかと思います。
政府はここ数年少子化対策に取り組むとしていますが、どんなに政策に取り組んだところで、「母親となった女性に自由な動きは許されない」という社会では進んでその道を歩もうとする人はますます少なくなっていくのではないでしょうか。

■求められる母親像が窮屈すぎるから日本女性は生きづらい
本気で少子化対策をするのなら、フランスのPACS(連帯市民協約)のように結婚していない関係でも子供を産みやすい制度を整えたり、同性婚を認め養子縁組をしやすくしたり、夫婦別姓を認めるなどして、「女性が生きやすい社会」にしないと少子化は止まらないと思います。

広末さんの今回のケースでいえば、極論を言うと、仮に鳥羽さんとの間に4人目の子供が生まれたら、それを歓迎するぐらいの雰囲気がないとダメだと思います。
既婚で子を持つ女性が恋愛をすると「不倫」だと非難される一方で、結婚をしなかったり、子供を持たない女性が恋愛をしていると「子供も産まないで遊び歩いている」と言われてしまったりします。

保守層を中心とする人々が一体どんな女性像を求めているのかといえば「結婚をして、子供を産み育て、恋愛はもとより外で遊ぶことをせず、仕事を持ち適度に家計にも貢献し、かといって女らしさを忘れずに男性を立てて……」と続くわけですが、聞いただけで楽しくなさそうです。

■「女性から簡単に仕事を取り上げる」という深刻な問題
最後になりましたが、広末さんが世でいう不倫をしたからといって、兵糧攻めにして、彼女のなりわいであり収入源である演技の仕事(テレビや映画など)を取り上げるというのは深刻な問題です。
一般の会社でも男性と女性が不倫をしてバレた場合、女性に対する風当たりのほうが厳しく、女性が解雇をされることがあります。
なんだかんだと理由を付けて女性から仕事を取り上げるのは「ジェンダーの平等」が謳(うた)われるご時勢に合わないと考えます。

■広末の相手のように男性は当然のように仕事を続ける
鳥羽さんを責めるわけではありませんが、鳥羽さんは6月18日のTBSの番組「サンデージャポン」に「(騒動を受けて)自分が、世の中に出来ることは何かと考えましたが、やはり料理しかありませんでした。
少しずつでも失った信用を取り戻せるよう、改めてゼロから料理に向き合い、努力を重ねて参ります」というコメントを寄せており、彼自身も、また世間も「同氏が仕事を自粛すべき」とは考えていないようです。

もちろん芸能人とシェフという業種の違いも関係しているのでしょう。
それにしてもこれから離婚に進むと思われる広末さんは、それが実現すればシングルマザーとなるわけです。
食べ盛りの子供が3人いる女性から仕事を取り上げて関係者は良心の呵責(かしゃく)を感じないのでしょうか。
「不倫」という言い方自体、私は好きではありません。
一体いつの時代の価値観なのかと思います。

それがどのような恋愛であるか、純愛であるか否かは当人同士が決めること。
広末さんの手紙を見ていると純愛のような気もしてきました。
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2023年06月21日

「アメリカ軍が沖縄から撤収の動き」が加速中…ついに「日米同盟だけでは日本は守れない」事態が現実に?《嘉手納から54機のF15が退役、以後「戦闘機の常駐ナシ」の計画》

「アメリカ軍が沖縄から撤収の動き」が加速中…
ついに「日米同盟だけでは日本は守れない」事態が現実に?《嘉手納から54機のF15が退役、以後「戦闘機の常駐ナシ」の計画》
6/20(火)  現代ビジネス

 北大西洋条約機構(NATO)加盟31ヵ国のうちの23ヵ国に日本とスウェーデンを加えた25ヵ国が参加する空軍演習「エアー・ディフェンダー23」が6月12日からドイツ国内で行われている。
ドイツ空軍の説明によると、今回の空軍演習は、航空機約250機、人員約1万人でNATO創設以来最大の規模であるとしており、23日までの日程で実施される。
日本の参加としては航空自衛隊によると、トップである航空幕僚長自らが本演習の会議に出席することになった。

そして実は海上自衛隊では以前から、北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対する警戒監視活動において、また米海軍が主導する「FONOP: Freedom Of Navigation OPeration(航行の自由作戦)」においても、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取り組みとしてNATOとの協力関係を築いてきたという経緯がある。
 今回の合同軍事演習は、この海自の動きを追うような形で、空自がNATOとの連携を強めたとも、見ることができる。
これは何を意味しているのだろうか。

米軍による沖縄からの撤収の動き 
 前述のように、海上自衛隊だけでなく、航空自衛隊が遠く離れた欧州のNATO加盟国とも連携を深めようとしているのには、それなりの理由がある。
それは、台湾情勢がますます緊迫化してきている昨今において、航空自衛隊が日米同盟のみに頼ることの危険性を意識し始めたからである。
このきっかけとなったのが、米軍の「沖縄からの撤収」の動きである。

 米軍は、本年1月26日、沖縄に駐留する海兵隊約4,000人の移転先となる米領グアムの基地「キャンプ・ブラズ」の発足式典を開き、正式に運用を開始した。
そして、来年以降、沖縄からの部隊移転が始まる。
これは、沖縄の米軍による負担軽減策として日米が合意の上で進めてきたものであるのだが、米軍の沖縄からの撤収の動きはこれを契機に加速しつつある。

 昨年の11月には、沖縄の米空軍嘉手納基地を拠点とする計54機のF15戦闘機が、2023年以降老朽化に伴い退役することに関連し、F-15 の退役後は、戦闘機を嘉手納基地に常駐させず、アラスカからステルス戦闘機F-22が6ヵ月ごとに入れ替わるローテーション方式で沖縄に飛来することになったと、内外のメディアが伝えた。これはおそらく事実であろう。

 日米同盟に頼る「日本のリスク」
 つまり、米国は、中国から沖縄を射程に入れた精度の高い数百発に上る弾道ミサイルなど各種ミサイルによる飽和攻撃を受けた場合、完璧な防御は不可能であると判断し、根拠基地として戦闘機を常駐させることを止めようとしているのである。
これは、航空自衛隊にとって憂慮すべき事態である。
 なぜならば、常駐して常に基地周辺で訓練を実施している部隊と、ローテーションで本国から飛来してくる部隊とでは、空域特性や周辺環境などに関する認識に差があるので、防空能力にも影響してくる。
ローテーションで飛来して間もない部隊なら、航空自衛隊との連携も常駐部隊の時のようにうまくは行かないだろう。

 米国側の事情により、ローテーションがうまく回せず、一時的に米軍の戦闘機が不在になることも十分考えられる。
これは、わが国にとって大きなリスクである。
このリスクを軽減するために、米軍だけに頼らず、欧州のNATO加盟国空軍などとも連携することが必要になってきたのである。
 これは、もちろん航空自衛隊だけの問題ではない。

わが国は、日米安全保障を国防の根幹としているが、もはや現在のわが国周辺情勢にかんがみると、日米同盟だけに頼っていては、国の防衛がおぼつかなくなってきているのである。

「中国包囲網は幻?」ブリンケンの訪中
 バイデン米大統領の中国に対する外交政策を見ても、どこか腰が引けているような気がしてならない。
というのも、この18日から、ブリンケン米国務長官が北京を訪問し、バイデン大統領が熱望している中国の習近平国家主席との首脳会談を実現しようと模索したようであるが、これはまさに中国にとっては米国が「三顧の礼をもって首脳会談を求めてきた」と解釈される類の外交であり、6月7日付の本誌、浅香豊氏の『バイデン政権が見せる「対中姿勢」の大いなる矛盾…西側による「中国包囲網」はもはや幻想にすぎない』に書かれているようなことが、現実味を帯びてきたような気がするのである。

 わが国がNATOの連絡事務所を東京に設置しようとする動きに対して、フランスのマクロン大統領が反対しているようであるが、これは中国を斟酌してのことであろう。
これも、中国の巧みな外交がNATOの加盟国にも影響を及ぼしているということなのだろう。
しかし、逆に言えば、このような動きは、わが国がNATOと連携することを中国が脅威に感じているということでもある。  今後もわが国は、軍事的に「相手の嫌がる体制を強化するのが抑止力につながる」ということを念頭に、NATOだけではなくインドやオーストラリアなど、同じ価値観を共有し、中国の脅威に直面している民主主義国との軍事的つながりを強化することに尽力する必要があろう。

 後編記事『「もう日米同盟だけでは日本は守れない」に呼応する自衛隊の「NATOとの連携強化」と「プロとして示威行動の間合い」を習得していない「中国軍の危うさ」』につづく。

   鈴木 衛士(元航空自衛隊情報幹部)
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「もう日米同盟だけでは日本は守れない」…その事態に呼応する自衛隊・NATOの連携強化と「プロとしての間合い」を習得していない中国軍との「偶発的衝突のリスク」

「もう日米同盟だけでは日本は守れない」…その事態に呼応する自衛隊・NATOの連携強化と「プロとしての間合い」を習得していない中国軍との「偶発的衝突のリスク」
鈴木 衛士 元航空自衛隊情報幹部
2023.6.20 :現代ビジネス

NATO創設以来最大の空軍演習
北大西洋条約機構(NATO)加盟31ヵ国のうちの23ヵ国に日本とスウェーデンを加えた25ヵ国が参加する空軍演習「エアー・ディフェンダー23」が6月12日からドイツ国内で行われている。
ドイツ空軍の説明によると、今回の空軍演習は、航空機約250機、人員約1万人でNATO創設以来最大の規模であるとしており、23日までの日程で実施される。
この空軍演習「エアー・ディフェンダー(空の守り人)」は、2018年から始められ、NATO加盟国の領土が侵略を受けた場合にNATOが連携して防御作戦を遂行することを目的としている。

今回は、特にドローンや巡航ミサイルを使った攻撃に対する防御態勢の強化を図ることを目指しているとのことだ。
ドイツのピストリウス国防相は「われわれの安全保障と自由にとって脅威となる勢力に対抗し、NATOとドイツ空軍が自分たちを守る準備のできていることを明確にすることが目的だ」、と述べており、これがロシアのウクライナ侵略を念頭に、プーチン大統領に明確なメッセージを送るためであることは明白である。
なお、航空自衛隊の参加について、ドイツ空軍の報道官によると、「航空機は参加しないが、将官クラスの自衛官がオブザーバーとして参加する」と述べていた。

防衛省や航空自衛隊からは、19日現在、本演習への細部に関わる参加態様の発表は行われていないものの、航空幕僚長が19日から23日までの間、ドイツおよびフランスへ出張し、20日にはドイツのシュレースヴィヒにおいて「エアディフェンダー23」のDVデイに参加することが公表されており、これを含めて複数の幹部自衛官が本演習にオブザーバーとして会議などに出席するものと見られる。
このような細部の参加態様はともかく、やはりNATOの演習でわが国が、「ショウ・ザ・フラッグ(旗を掲げること)」が、何よりも(わが国の)脅威となる国家に対して有効な抑止効果をもたらすことにつながる、ということなのだろう。

海上自衛隊では、従前より、北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対する警戒監視活動において、欧州のNATO加盟国とも連携してこれに対応しているとともに、米海軍が主導する「FONOP: Freedom Of Navigation OPeration(航行の自由作戦)」においても、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取り組みとしてこの多国間の枠組みで参加してきた。
そして、最近になって、航空自衛隊もこのような海上自衛隊の活動と連携するように、NATO加盟国などとも海・空共同訓練などを積極的に実施するようになった。

昨年9月28日には、初めてドイツ空軍の戦闘機ユーロファイター2000×3機がドイツ空軍総監インゴ・ゲルハルツ中将とともに来日し、航空自衛隊百里基地の戦闘機F-2×3機と共同訓練を行った。
また、本年6月7日から10日にかけては、米国主催大規模広域訓練2023(LSGE23)の一環として行われた、日米仏共同訓練(MBDE:Multi Big-Deck Event)に参加した。
このMBDEには、米海軍から空母2隻「ロナルド・レーガン(CVN-76)」「ニミッツ(CVN-68)」、巡洋艦3隻「アンティータム(CG-54)」「ロバート・スモールズ(CG-62)」「バンカーヒル(CG-52)」、駆逐艦4隻「ラファエル・ペラルタ(DDG-115)」「ディケイタ―(DDG-73)」「ウェイン・E・メイヤー(DDG-108)」「チャンフーン(DDG-93)」の計9隻、米空軍から戦略爆撃機B-52×1機が参加した。
これに、初めて来日したフランス海軍最新鋭の多任務フリゲート「ロレーヌ(D-657)」が加わり、海上自衛隊からは航空機搭載護衛艦「いずも(DDH-183)」及び護衛艦「さみだれ(DD-106)」が、航空自衛隊からは那覇基地の戦闘機F-15×4機が参加した。

空軍機の参加形態を見ると、航空自衛隊の戦闘機は、米空軍戦略爆撃機の援護任務を演練したものと見られる。

中国海空軍の危険性
なお、本訓練は沖縄東方の海空域で行われた。
まさに、6月9日の拙稿『中国ロシアの「核兵器搭載可能な爆撃機」が初めて2日連続で日本海を飛行…日常化する中露の「2大核保有国による核恫喝」がヤバすぎる』は、この開始直後に行われたものであり、7日の飛行経路を見ても、この訓練を意識した中露による示威行動であったことは間違いないだろう。
このように、これだけの規模の共同訓練を実施しているさ中に、これと同じ海空域で示威行動を実施するようなところに、中露合同軍の危うさがある。

特に、今回中国軍は、中露の爆撃機に多数の援護戦闘機を随伴させるとともに、海上では戦闘艦艇2隻をこの海域へ派遣した。これは、とても危険な行為である。
南シナ海における、米海軍艦艇や航空機などへの中国海軍艦艇による危険な異常接近とも合わせて、このような行動は直ちに止めるようわが国も関係国と連携して、厳重に申し入れを行う必要があろう。

歴史ある成熟した軍隊であれば、示威行動を行うにせよ、偶発的な衝突を避けるためにも、今回のような場合、微妙に時期や海(空)域をずらすのが軍事的常識である。
筆者は、若いころ旧ソ連の軍事活動の情報収集に携わっていたが、旧ソ連軍がわが国やわが国周辺の米海空軍に対して示威行動を行う際には、この辺りの微妙なさじ加減はしっかり心得ていた。

それに比べて、21世紀に入って急成長した中国人民解放軍の海空軍の行動は極めて危うい。
未成年の不良のような無謀さがある。
海や空といったフィールドにおける相手国との「間合い」というものを良く理解していないのではないか。

筆者の現役時代、米空軍の情報将校も、中国軍は「アン・プロフェッショナル(軍人として未熟だ)」と嘆いていたが、昨今の台湾や南シナ海を巡る情勢で、それがますます顕著になっているように見受けられる。
このようなことを繰り返していると、いつか必ず偶発的な事故などから軍事衝突を惹起することになろう。
これを避けるためにも、わが国は米国はもとよりNATO加盟国などとも結束して、中国人民解放軍の挑発的な行動を糾弾していかなければならない。
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2023年06月22日

河野太郎氏、マイナカード「総点検本部」トップ就任も不安視される、トラブルの “底なし沼”

河野太郎氏、マイナカード「総点検本部」トップ就任も不安視される、トラブルの “底なし沼”
6/21(水)  FLASH

《一度仕切り直しして、しっかりしたシステムを構築してからやり直してほしい》
 ネットには、こうした国民の声があふれている。
怒りやあきれを通り越して、不安になっているのだ。

「6月20日も、障害者手帳の情報が他人のマイナンバーにひも付けられるトラブルが静岡県で62件起きていたことが発表され、マイナカードに他人のマイナポイントをひも付ける事例も、131の自治体で172件あったことがわかりました。
毎日のように判明するトラブルに、政府内にも『応急処置では無理』という指摘が多くあります」(政治担当記者)

 危機感がマックスになってきたのか、政府は6月21日、デジタル庁、総務省、厚生労働省を中心とする省庁横断型の「マイナンバー情報総点検本部」を立ち上げ、同日に初会合を開くと発表した。
「マイナンバーに関わるすべての情報の点検作業をおこない、対策を検討するということです。
トップは河野太郎デジタル相。
閣僚でもっともデジタルに精通しているということもありますが、ここまでトラブルが広がったのはデジタル庁の責任が大きい。
そのため、受けざるを得なかったのです。
 しかし、河野大臣は6月9日、『責任は大臣たる私でございますので、何らかの形で私に対する処分というのを、これはやらなければいかんだろうと思います』と表明しました。
そのため霞ヶ関では『処分される大臣がトップでいいのか』という指摘もあります。

 そもそもですが、デジタル庁は発足当時、『省庁横断でデジタル化を進める権限を持つ組織』と定義していました。
それなのにまた省庁横断の組織を作る。
これだけでも迷走ぶりがうかがえます」(同)

 しかし、冒頭のネットの声と政府は考えが違うようだ。
松野博一官房長官は、20日の記者会見で「来年秋に健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する方針を堅持する」と答弁。
「運用の一時中止」などは想定していないようだ。
 こうした動きに、ニュースサイトのコメント欄には怒りの声があふれている。
《国民にこれだけ不信感があり、今もトラブルが続く中、尚且つ税金を投資することに何の意味があるのだろうか》
《民間とかでこれだけのトラブルがあったら、国から改善命令とか業務停止とか指示されるんだと思う》
《対策本部設置するにも余計な経費が発生してますよね。トラブル対応にどれだけ税金を浪費するつもりなんですか?》

 そして、《いま一番お気の毒なのは、何もかも中途半端なのにしわ寄せくらってる各市町村の公務員の皆さんな気がします》といった声も――。
トラブルの底なし沼にハマって、政府の迷走はいつまでも終わりそうにない。
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2023年06月23日

梅雨に体調不良に陥りやすいのはなぜ? 頭痛や体のだるさ、眠気などの症状

梅雨に体調不良に陥りやすいのはなぜ? 
頭痛や体のだるさ、眠気などの症状
2023年06月22日 オトナンサー

梅雨の時期になると体調不良に陥りやすいのは、なぜでしょうか。医師に聞きました。

梅雨の時期に体調不良に陥りやすいのはなぜ?
 梅雨の時期になると、頭痛や体のだるさ、眠気などの症状に悩まされる人が多いようです。
SNS上では「頭痛と眠気がひどくなる」「頭が痛くて体がだるい」「関節痛がひどい」「メンタル不調」などの声が上がっています。
 なぜ梅雨の時期は、体調不良に陥りやすいのでしょうか。
体調不良を防ぐには、どのような対策が有効なのでしょうか。
医療法人社団三橋医院理事長で、医師の藤井崇博さんに聞きました。

■「内耳」の“センサー”が原因か
Q.梅雨の時期になると、頭痛や体のだるさ、眠気、関節痛などの症状に悩まされる人が多いようです。なぜ梅雨になると、体調不良に陥りやすいのでしょうか。

井さん
「気圧や気温、湿度の変化による自律神経の乱れが原因だと考えられます。
こうした気象条件の変化が原因で生じる体調不良は『気象病』と呼ばれており、気象病の国内の潜在患者数は、推計で1000万人以上いるといわれています。
気象病のメカニズムですが、気圧や温度、湿度などの変化に対し、体がうまく適応できないことによって症状が出ます。
これには、耳の一番奥の部分の『内耳』が関係しています。
内耳には、気圧を感知する“センサー”が存在する可能性が高いと考えられており、気象病の人は、気象の変化による影響を受けにくい人に比べて、内耳の感受性が高いといわれています。
そのため、内耳にあるセンサーが気圧の変化を感知し、平衡感覚をつかさどる『前庭神経』が過剰に興奮すると、自律神経のバランスが乱れると考えられています。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経が優位になり過ぎると目まいや片頭痛が生じやすくなるほか、関節痛の人は症状が悪化する傾向にあります。
一方、副交感神経が優位になり過ぎると、眠気や倦怠(けんたい)感、抑うつ症状が起こりやすくなります」

Q.では、気象病に対してはどのような対策が求められるのでしょうか。

藤井さん
気象病への対策としては、自律神経のバランスを整えることが最も大切です。
そのためには、『早寝早起き』『朝食をしっかり取る』『適度な運動』『十分な睡眠』『就寝前に入浴する』など、規則正しい生活を送りましょう。
睡眠不足など不規則な生活を送っていると、気象病を発症しやすくなるほか、すでに不調を来している場合は、さらに症状が重くなります。
また、内耳のセンサーが敏感なのは、内耳の血液の流れが悪いのが原因と考えられているため、内耳の血流をよくすることが気象病の予防や改善につながります。
例えば、耳の後ろをタオルなどで温めると、内耳の血流がよくなります。
日頃から耳を冷やさないように気を付けるのもよいでしょう。
また、両耳をつまんで上下前後に引っ張る耳のマッサージも効果的とされています。
気象病と見られる症状がある人は、ぜひ一度実践してみてください」

Q.気象病を放置した場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。受診の目安も含めて、教えてください。

藤井さん
「気象病を放置した場合、心身の不調により体が常にストレスにさらされます。
そのため、ストレスにより他のさまざまな病気を発症するリスクが増加すると考えられます。
梅雨の時期に体に何らかの症状が出た際は、必ずしも気象病とは限りません、他の病気の可能性もあることを念頭に置き、症状が改善しない場合は1人で悩むのではなく、内科などを受診し、病気の早期発見、早期治療ができるように努めてください。自律神経をしっかり整えて、梅雨を乗り切っていきましょう

         オトナンサー編集部
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「沖縄戦の教訓を守って」 自衛隊増強、地上戦体験者が声明

「沖縄戦の教訓を守って」 自衛隊増強、地上戦体験者が声明
2023/1/13  毎日新聞

 政府が台湾有事などを念頭に沖縄県や鹿児島県の南西諸島で自衛隊の増強を進めていることに対し、太平洋戦争末期の沖縄戦に動員された沖縄県内21の旧制師範学校や中学校、高等女学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」(与座章健さんら共同代表)は「再び沖縄を戦場にすることに断固反対する」とした声明を発表した。

 声明は12日付。78年前の沖縄戦では10代の学生たちが日本軍の陣地構築や負傷兵の看護などに駆り出され、米軍との激しい地上戦で多くの犠牲者が出た。
声明では「正義の戦争だと教え込まれ、知らないうちに戦争に加担させられた」とし、政府が反撃能力の保有や防衛費の増額、自衛隊と米軍の一体化を図っていることを「『中国脅威論』を盾に、国民の緊迫の度を高め、自ら戦争を引き起こそうとしているような状況と戦前が重なる。

軍拡ばかりが前面に押し出され、住民の被害に対する思いはみじんもない」と批判した。
 さらに「戦争には悪しかない。爆弾で人間の命を奪うだけである。
命を何よりも大切にすること、平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」とし、「今、日本政府がすべきことは、侵略戦争への反省と教訓を踏まえ、非戦の日本国憲法を前面に、近隣の国々や地域と直接対話し、外交で平和を築く努力である」と訴えた。
       【喜屋武真之介】
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2023年06月24日

マイナカードのあり得ない“欠陥”システム!「なりすまし防止」どころか「誰でも顔認証」の大問題

マイナカードのあり得ない“欠陥”システム!
「なりすまし防止」どころか「誰でも顔認証」の大問題
2023年06月23日 日刊ゲンダイDIGITAL

【集中企画・マイナ狂騒(1)】

「新型コロナウイルス対応並みの臨戦態勢で、国民の信頼を一日も早く回復するべく全力を尽くしてほしい」──。
 岸田首相は21日、マイナンバーに関する省庁横断の情報総点検本部を設置。その初会合でハッパをかけたが、拙速なマイナカード普及がトラブルを招いているのに、何が「臨戦態勢」だ。
信頼回復を目指すなら、まずは来年秋に現行の保険証を廃止してマイナンバーカードに一体化する方針を撤回したらどうか。

  ◇  ◇  ◇  
総点検の対象は、マイナ保険証なども含め、マイナンバーと紐付けられた全29項目に及ぶ。
岸田首相は秋までの点検完了を関係省庁に命じたが、実はマイナ保険証の“存在意義”が揺らぐ重大問題が発生している。

 全国保険医団体連合会(保団連)が21日、マイナ保険証をめぐるトラブルについて会見。
マイナ保険証のオンライン資格確認システムを導入した医療機関の65%が、保険証を読み取れないなどのトラブルを経験したとの調査結果を発表した。
 マイナ保険証をカードリーダーにかざした際、「無効・該当資格なし」と表示されたり、ICチップの破損などの不具合によってマイナ保険証を読み取りできなかったり、トラブルの内容はさまざま。

なかでも大問題なのがナント「誰でも顔認証」できてしまうあり得ないトラブルだ。
 保団連の竹田智雄副会長は会見で、マイナ保険証をカードリーダーで読み込んで本人確認をする際に「他人の顔認証でも認証できるケースが複数報告されている」と指摘。
実際、千葉県保険医協会によれば、「ある医療機関がオンライン資格確認を導入するにあたり、スタッフ同士で顔認証を試したところ、マイナカードの所有者本人ではない人が認証されてしまった」(事務局)という。
 そもそも、マイナ保険証を使ったオンライン資格確認の導入は、健康保険証のなりすまし利用防止が理由のひとつ。
受付スタッフがマイナカードの写真と本人の顔を照らし合わせる手間を省くことで、受付業務の負担軽減にもつながるとの触れ込みだった。

■「政府は実際に何が問題なのか把握して」
 ところが、実態は他人でも顔認証されてしまうユルユル過ぎるシステム。
オンライン資格確認を導入している天台歯科医院(千葉市)の石毛清雄院長がこう指摘する。
「本人確認は、カードに記憶されている本人の顔と、カードリーダーに映した顔とを機械が照合する形で行われます。
私のマイナカードをカードリーダーに読み込み、試しに女性の顔で顔認証したところ、結果的に認証されてしまいました。
カードに入っている顔と、カードリーダーに映した顔が不一致のため暗証番号の入力画面に遷移するのですが、顔が違っていても、暗証番号を入力すれば認証されてしまった。
これでは、わざわざ顔認証を導入している意味がありませんし、なりすまし防止に役立ちません。
暗証番号を共有すればいいわけですからね」
 ポンコツなうえ、逆に医療機関の業務負担になりかねない。

「受診者の多くは高齢者。
カードリーダーに顔を映しながら、画面の操作をするだけでも一苦労です。
当医院では健康保険証の持参をお願いしていますので、トラブルがあってもすぐ対応できますが、カードリーダーだけで認証している医療機関では本人確認の操作に手間取って長蛇の列ができてしまった、なんてことになりかねません。

患者さんには、『練習としてウチで使ってみたら』と呼びかけていますが、なぜ受診者や医療現場が苦労を強いられなければならないのか。政府には、きちんと現場に寄り添い、実際に何が問題なのか把握してもらいたいです」(石毛院長)

 なりすましを防止できない欠陥システムでも、岸田首相はマイナ保険証への全面移行を止めない。
今こそ、ご自慢の「聞く力」を発揮すべき時じゃないか。
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2023年06月25日

国民の“マイナ離れ”が岸田政権を直撃! 拡大するカード自主返納、申請・利用登録も減少

国民の“マイナ離れ”が岸田政権を直撃! 拡大するカード自主返納、申請・利用登録も減少
2023/06/24 日刊ゲンダイ

集中企画・マイナ狂騒(2)
 マイナンバーのトラブルが後を絶たない。
岸田首相は「新型コロナ対応並みの臨戦態勢で国民の信頼を一日も早く回復する」と鼻息が荒いが、国民の“マイナ離れ”は日に日に加速。
マイナカードの自主返納の動きが広がる一方、カードの新規申請が減少している。

 ◇  ◇  ◇  
マイナカードは国外転出や有効期限切れの場合に返納する必要があるが、「使いたくない」「保有するのが不安」など自分の都合で「自主返納」することもできる。
自主返納しても、いったん付与されたポイントは利用可能だ。

 石川県金沢市ではマイナカードの自主返納が急増。
4月1件、5月3件とほとんどなかったが、6月は21日時点ですでに19件に上る。
「6月以降、連日、マイナンバー関連のトラブルが報じられ、不安を抱き返納するケースが多い」(市民課の担当者)と答えた。
 神奈川県平塚市でも4月1件、5月0件だったが、6月(22日時点)は7件が自主返納されている。
 人口の多い東京・世田谷区や大阪市にも問い合わせたが、自主返納として集計していなかった。
総務省も全国の件数を把握していないという。
ただ、金沢や平塚のように、全国的にも自主返納が増えている可能性が高い。

運用しながらの総点検はあり得ない
「共通番号いらないネット」事務局の宮崎俊郎氏がこう言う。
「いったんカードを返却してしまうと、再発行には1000円の手数料がかかる。
健康保険証の資格確認を毎年取得する手間も生じる。
それでもカードを返すのはよほどのことです。
切実に不安を感じているからでしょう。
あるいは抗議の意思が込められているケースもあるのかも知れない。

メリットを期待してカードを取得したが、デメリットばかりと感じ自主返納する動きが広がっているのでしょう。
今後さらに増えると思われます」
 厚労省が5月に実施した調査によると、マイナ保険証の利用者の56.5%が「メリットなし」と回答。
トラブルが表面化した6月以降なら、メリットどころか、デメリットを感じる利用者が増えているのは間違いない。

 岸田首相は総点検を指示したが、今、起きている混乱は政府がマイナンバーをゴリ押ししたからだ。
自分で炎上させ、“火消し”するのはマッチポンプに他ならない。
 岸田首相の指示を受け総務省は22日、会合を開いた。

「走りながらの総点検はあり得ない。
いったん、マイナンバー関連のシステムはすべて運用を中止してから、総点検すべきです。
例えば、このまま運用を続ければ、他人の医療情報をもとに診療や投薬をしてしまう恐れもある。
発覚していないだけで、すでにそのような事案が起きている可能性も否定できません」(宮崎俊郎氏)

 全国保険医団体連合会もマイナ保険証の「運用停止」を訴えている。
 マイナ離れを示す数値は他にもある。
デジタル庁が公表しているデータによると「マイナカードの申請」「健康保険証としての利用登録」「公金受取口座の登録」の件数(6月5日の週)は、いずれも減少傾向だ。
 コロナ禍とは違い、岸田首相が運用停止を決断すればマイナ禍は収束する。

「令和の一揆」は岸田首相を動かすか。
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2023年06月26日

「マイナ保険証」移行ゴリ押しの行く末…国民の3人に1人が“医療難民”に陥る恐れ

「マイナ保険証」移行ゴリ押しの行く末…国民の3人に1人が“医療難民”に陥る恐れ
2023/06/25 日刊ゲンダイ

「国民に対して丁寧に説明しながら、国民の不安を払拭してまいりたい」──。
マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」をめぐり、松野官房長官は23日の会見でも、そう繰り返した。
「丁寧な説明」「不安払拭」という紋切り型の言葉を並べるだけで、来年秋の一本化は既定路線。
このままでは「国民の3人に1人」が“医療難民”に陥る恐れがある。

 ◇  ◇  ◇
 現行の発行済み保険証の廃止は2025年秋。
政府はマイナ保険証への移行期限を24年秋としつつ、現行保険証の廃止までの最長1年間を「猶予期間」として設けた。
今後2年をかけて「国民の不安を払拭」して、マイナ保険証への移行をゴリ押しするつもりだ。
 ただ、廃止期限が延長される可能性も否定できない。

読売新聞(23日付朝刊)によれば、岸田首相が21日の会見で「国民の不安を払拭できなければ現行保険証の廃止を見送る」と表明する案も官邸内で検討されていた。
しかし、期限延長には改正したばかりのマイナンバー法などの関連法を改正する必要があるため見送られたという。
 松野官房長官は23日の会見で、廃止期限の延長の可能性について問われたが、「国民の不安を払拭する」と言うばかり。
重ねて聞かれても、「申し上げた通りです」と木で鼻をくくったような態度だった。

■猶予延長も浮上  
保険証廃止への批判がいよいよ収まらなければ「延期カード」を切るつもり。
しかし、「来秋廃止」のスケジュール自体、かなり無理がある。
 デジタル庁の集計によれば、今月18日時点のマイナカード交付枚数は累計9233万8749枚。
そのうち、保険証として利用登録している件数は累計6408万8852件。
つまり、マイナカードを持っているが、保険証とヒモ付けていない人は2824万9897人に上る。
 その全員がマイナ保険証を登録するまでにかかる日数は、果たしてどれくらいか。

18日までの1週間でマイナカードと保険証をヒモ付けたのは33万719人。
このペースで登録が進んだとしても、カード保持者全員が登録を終えるまで1年半はかかる。
トラブル続出でマイナ保険証の登録ペースは鈍化しているため、余計に時間がかかる可能性は高い。

移行期限である「来秋」に間に合うかどうか。
政府は無保険者がいくら出ようが知ったこっちゃない
 問題はまだある。
現時点でマイナカード所持者は人口の約73%。全員がマイナ保険証に切り替えたとしても、残る約3割は保険証代わりの資格確認書を1年ごとに申請するハメになる。
申請しなければ、国民3人に1人が保険診療を受けられない無保険者、事情によっては“医療難民”に陥りかねない。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「国民の情報を一元的に管理したい政府にしてみれば、現行の保険証とマイナ保険証の併用を認めることは“敗北”に等しい。だから、問題なく機能している現行の保険証を“人質”にして、マイナ保険証の普及に躍起になっている。
無保険者がいくら出ようが知ったこっちゃないわけです。

憲法25条が定める国民の生存権をもてあそんでいるとしか思えません。
むしろ、無保険者が増えれば、社会保障費を圧縮できるとすら考えているのではないか。
政府にとって負担になるような国民を切り捨てるつもりでしょう」

 まさか堂々と国民を選別するのか。政府がやるべきは保険証廃止の撤回一択だ。
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元銀行員が語る!「お金に困る人」の特徴3つ

元銀行員が語る!「お金に困る人」の特徴3つ
6/24  あるじゃん

赤ちゃんからお年寄りまで、多くの人が利用する銀行。
さまざまな状況の人が来店します。
その中でも、お金に困る人にはどのような特徴があるのでしょうか?
元銀行員の筆者が実際に見てきたことをベースに3つのポイントを解説します。

◆特徴1:口座から引き落としがある時期を把握していない
公共料金や家賃、クレジットカードなど、口座から引き落としの設定をしている人は多いはずです。
とはいえ、いつ、いくら引き落としがあるのかまで把握していない人の場合、お金は貯まりにくい傾向にあると言えます。
そもそも引き落とし額は、何らかの方法で事前に通知が届いています。
これは、「○日に引き落とすから準備しておいてね」という意味です。
つまり、事前に準備しておかなければならないお金なのです。
中には「残高が十分にあるから、いちいち確認しなくても大丈夫」という人もいますが、このようなタイプの人は、お金に困るタイミングがやってくることが多いように思います。
その理由は、思わぬタイミングで引き落としがあるなどで感覚が狂ってしまうことがあるからなのです。
いつ、どれくらいお金が引き落とされるのか把握し、あわせて通帳の残高がいくらになっているのかを確認しておくことが大切なのです。

◆特徴2:キャッシュカードが何度も磁気エラーになる
ATMからお金を引き出そうとしたら、磁気エラーになってしまい、引き落としができないという経験をしたことはありませんか?
キャッシュカードの磁気の部分には、大切なデータが詰まっています。
エラーになってしまうとその情報を確認できなくなってしまうため、お金を引き出すことができなくなります。
一般的に、何度か繰り返すと回復する、店頭で直してもらうことで復活しますが、そもそも何度も磁気エラーになってしまうのは、保管方法に問題がある可能性大なのです。
通帳やキャッシュカードと一緒に保管している人は多いと思いますが、磁気が発生するものをまとめて保管しておくと、磁気がエラーになりやすくなってしまいます。
その他、いつでもお金を下ろせるようにと、マイカーの中にクレジットカードとともにキャッシュカードを保管して、日光や高温で磁気をダメにしてしまっているケースも何度か見受けられました(本当にいました)。
保管に問題があるということは、お金を大切に扱っていない証拠。
磁気エラーでお金を引き出せなくなったタイミングが出先などで復活させられないときには、お金の準備ができずに予定を変更・中止しなければならない、お金を借りなければならないなどの事態を引き起こす可能性があります。
磁気エラーなんて大したことはないと思うかもしれませんが、家計に大きなダメージを受ける可能性があることを忘れてはなりません。

◆特徴3:請求書の納付期限を見逃している
公共料金などは、口座振替で支払うことが多いのですが、あえて請求書払いを選択している人もいます。
忙しい人には面倒に思うかもしれませんが、自分のタイミングで支払うこともできるので、便利な一面もあります。
ただ問題なのは、納付期限を守れていないケースです。
銀行の場合、コンビニよりも納付期限内厳守で取り扱われている請求書が多くあります。
期限を過ぎている請求書の場合には、コンビニなどに移動して支払う、もしくは再発行してもらわないと支払うことができません。
請求の内容にもよりますが、未納の場合には、本来、受けられるサービスが受けられなくなるだけでなく、再開までに手間がかかり、時間を大きくロスしてしまいます。

時間は誰にでも公平に一日24時間与えられています。
「時は金なり」という言葉があるように、時間を無駄にしてしまうことは、お金を無駄にしていることと同じであると、認識してください。
以上の3つは、よくありがちなことです。
最初は些細なことであっても、後から大事になることも考えられますので、注意しましょう。

文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。
独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。
金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。

あるじゃん(All About マネー)
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下流老人に絶対にならないための3つの対策

下流老人に絶対にならないための3つの対策
2023年06月26日 All About

■真っ当で骨太な老後対策とは?
これからの日本の高齢者の暮らしぶりに、「下流老人」というキーワードで警鐘を鳴らした藤田孝典さんは、「年収が400万円の人でも、将来生活保護レベルの生活になる恐れがある」と語っています。
もはや、小手先の対応では、どうにもなりません。
小手先でない、真っ当で骨太な老後対策を考えてみました。
テーマは、健康、人脈、資産の3つです。

■1. 健康のためなら何でもする!
老後の貧困を決定的にするのは、やはり健康問題です。
健全な心身が保てなくなって働けない、病気で治療や投薬のお金がかかる、自分は健康でも家族の介護で働けず、収入や貯金がないという状況に陥るとやっかいです。
ですから、健康のためになら、何でもできることはするという覚悟が必要です。

具体的には、生活習慣の改善と病気予防があります。
生活習慣の改善のポイントは、
健康を害する可能性がある食べ物などを摂らないこと、規則正しい生活をすること、そして定期的な運動をすることです。
病気予防のポイントは、
健康診断やがん検診などを欠かさず定期的に受けること。
最近では、遺伝子検査で自分の先天的な病気にかかるリスクを知るということも手軽に行えるようになっています。
インターネットで検査機関を探して、口内の粘膜や爪を送ることで、検査レポートを受け取ることができます。
また、尿や血液を調べるだけでも、相当なことがわかる時代です。
病気予防という転ばぬ先の杖を、賢く使いこなしましょう。
自分だけが強健でも不十分です。
自分と配偶者、家族が健康であるように、できることはすべてやらないと。

■2. 頼れる友人を作っておく
他人との交流は、人に生きる勇気と知恵を与えてくれます。
また、健康やお金の面で、困難な局面に陥っても、周りの人のアドバイスや協力で、そこから抜け出すこともできます。
頼りになる友人や知人は貴重な財産ですが、それは老後の生活においても変わることはありません。
定年後のために、できれば仕事とは別の、プライベートな人脈を充実させておきたいものです。
頼りになる人脈を作れる理由は、その人自身が頼られる人だからです。
エゴから人脈を作るという発想ではなくて、利他の精神で自分が役に立てる人材になるところから、頼りになる人脈は生まれます。
他人が何をしてくれるかではなくて、あなたが他人のために何をできるかを考えて、ご自身を磨いてください。

■3. お金があればなんとかなる
健康でなくても、人脈がなくても、お金があれば、生活に困窮することはありません。
お金が切り札ではありませんが、お金は、生活の最低ラインを守ってくれます。
そのためには、若い頃から、投資(資産運用)の知恵を身につけて、財産形成に励まないといけません。
具体的には、次の3つを実践しましょう。

・収入の1割は使わず、貯金する。
・貯金の半分は、投資する。
・投資したお金は、老後まで使わない。

たとえば、いま40歳の人が、毎月6万円を強制的に貯蓄し続け、そのうちの半分の3万円を投資にまわし、6%で運用できれば、65歳時には元本の1800万円は3000万円には増えているはず。
これが、長期複利運用の力です。
このくらいのことができれば、下流老人になる心配はいりません。
もし投資する余裕がないという人ならば、定年後に小銭を稼げる自分の特技を磨いておくことも、一つの資産運用です。

デザイナー、植木職人、スポーツコーチ、書道師範、ピアノ教師、介護職などなど、いろいろなマイ・リソースで、楽しみな老後を創ることが可能です。

文:北川 邦弘(ファイナンシャルプランナー)
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2023年06月27日

スマホ片手の現代人がそうなるのは必然だった…ネット世界がやたらと攻撃的になる4つの理由

スマホ片手の現代人がそうなるのは必然だった…ネット世界がやたらと攻撃的になる4つの理由
2023年06月26日 PRESIDENT Online

なぜネットでは頻繁に「炎上」が起きるのか。
心理学博士の榎本博明さんは「スマホだといつでもどこでも瞬時に反応できるため、衝動のままに攻撃的な内容を書き込めてしまう。
ネットに限らず現実世界でも、衝動的に行動する人が増えている」という――。
※本稿は、榎本博明『思考停止という病理』(平凡社新書)の一部を再編集したものです。

■ネットになると攻撃的になってしまう人たち
そもそもネット空間には攻撃的なやりとりが非常に多いと言われる。
実際、ツイッターを使っている人たちは、攻撃的なツイートをしている人をよく見かけるという。
自分の書き込みに対して攻撃的な批判や中傷的な書き込みが返ってきたという人も少なくない。
自分自身も、ネットになるとつい攻撃的なことを書き込んでしまうという人もいる。
ネット空間でのやりとりを見ていると、相手の反論を許さないような雰囲気が漂う。
建設的な議論によってより良い結論にたどり着こうとか、気づきを得ようといった感じではなく、相手を打ち負かすことで自分の優位を誇示しようといった感じがある。
また、普段は遠慮気味でおとなしく穏やかな感じの人物が、ツイッターやオンラインゲームになると、口汚くののしったり、攻撃的な発言をしたりするというのも、しばしばあることだ。

■「幻想的万能感」と「自己誇大感」で好戦的に
ネット空間でつい攻撃的になってしまう理由として、
まず第一に、ネット上のやりとりでは相手に配慮する必要性が低いということがあげられる。
対面の場合は、こちらが攻撃的なことを言った場合、相手の傷ついた様子や腹を立てた様子、困った様子、あるいは悲しそうな様子が、表情や声の調子で伝わってくるし、言い返してくることもある。
だが、ネット上のやりとりでは、相手の様子が伝わってこない。
まずは一方的にこちらの言いたいことを書き込むだけである。
目の前に相手はいないので、対面と比べたら、相手をそれほど意識せずに言いたいことを言いやすい。

第二に、ネット上では幻想的万能感をもつ人たちが発信していることが多いということがあげられる。
ネット社会になって、その気になればだれもが不特定多数に対して発信することができるようになった。
不特定多数への発信は、社会的に大きな影響力をもつため、自分は大きな影響力を行使できる、自分は何でもできる、といった幻想的万能感をもつ人たちが出てきた。
また、ネットで積極的に発信している人は、幻想的万能感をもち、自己誇大感を抱えているため、自分が絶対正しいと思い込み、人の意見に耳を貸さない傾向がある。
そのため、反論されたりすると、ムキになって応戦する。

■スマホが冷静さを取り戻す時間を奪った
第三に、匿名性が保たれるということがある。
自分がだれだか相手にも周囲にも知られないわけだから、自分は安全な場所に身を置きながら人を攻撃できる。
匿名性が攻撃行動を促進するというのは、だれもが経験的に納得できるはずだが、心理学の実験によっても証明されている。

第四に、スマホによって瞬時にネット上で反応できるようになったことがあげられる。
パソコンの時代には、ネット環境があっても、家に帰ってパソコンを起動しないと書き込めなかった。
そのため、学校や職場で、あるいは帰り道とかで腹立たしいことがあって、「書き込んでやりたい」「こき下ろしてやりたい」という攻撃的衝動に駆られても、その場ではどうにもならず、帰ってからということになる。
だが、家に着くまでに頭が冷えて、「もう、いいや」といった気分になる。あるいは忘れてしまう。

パソコンの時代には、いやでも冷静さを取り戻すための時間が与えられていたのである。
ところが、スマホの時代になって、攻撃的な書き込みをしてやりたい衝動に駆られたら、その瞬間に書き込んで発信することができるようになった。
冷静な判断抜きに衝動に任せて発信してしまうため、現実的な配慮を欠くことが多く、衝動的かつ攻撃的な発信がそこらじゅうで猛威を振るうようになっている。

■現実世界でも自己中心的な行動が目立つように
ネット炎上がしばしば話題になるが、そのような衝動的に反応する傾向が、ネットのみならず現実世界でもよくみられるようになってきた。
幼稚園や小学校の運動会などで、わが子や孫の晴れ姿を撮影しようとする保護者たちの最前列の場所取りが過熱化したり、後ろの人に配慮せずに三脚を立てて撮影していてトラブルになったりと、自己中心的な行動が目立つようになってきた。
そんななか、学芸会や校内合唱などで、わが子が主役に抜擢されないと、 「なぜ、ウチの子が主役じゃないんですか?」 「どうして、ピアノの担当はウチの子じゃないんですか?」 などとクレームをつける保護者が増えてきたため、幼稚園も学校も、みんなが主役となるような演出に配慮するなどといったおかしなことが起こっている。

■桃太郎を16人の生徒が演じる不思議
たとえば、学芸会において、何人もの主役が入れ替わるというような不自然なやり方がとられることもある。
桃太郎を16人の子が演じたといったケースさえある。
それは、「なぜ、ウチの子が主役じゃないんですか?」といった保護者のクレームを恐れてのことだという。
でも、だれもが主役でなければならないのだろうか。
サポート役は負け犬であり、犠牲者なのか。
主役になれなかった人の人生は価値がないのか。
そうだというなら、そのような価値観が多くの人たちに挫折感を抱かせることになる。
そうした価値観でいけば、俳優のなかでも主演俳優だけが価値があり、脇役の俳優はみんな負け組で価値がないということになる。
演劇や映画の世界でも、俳優や監督だけが価値があり、それをサポートする道具係や照明係、メイク担当などの裏方は価値がないというのだろうか。

スポーツ観戦に行くと、応援団もチアガールも必死に応援している。
主役はあくまでも選手だし、いくら応援団やチアガールが頑張ったところで、チームの勝敗には関係ないかもしれない。
たとえ勝っても、選手と違ってヒーローにもヒロインにもなれない。
だが、一生懸命に応援している人は、自分が主役かどうかといった自己中心的な構図でものごとを見ているわけではない。
そんな打算よりも、一体感と役割意識で充実し燃焼している。
そのように冷静に振り返ってみれば、わが子が主役に抜擢されなかったからといって大騒ぎする必要などないことに気づくはずだ。

■わが子を注意するより学校にクレームをつける
夏になると、どこの学校でも熱中症になる生徒が出てくる。
そこで、一定の温度より気温が高いときは戸外での運動をやめるとか、水分補給を心がけるなどの対策を取るところが多い。それでも、たまに熱中症気味の生徒が出ることがある。
その保護者が冷静であれば、本人に水分補給に気をつけるように注意したり、家でも塩分の補給を心がけたりといったことをして、いちいち学校にクレームをつけるようなことはない。
クレームをつけるとしたら、部活の先生や先輩が部活中の水分補給を許さないとか、炎天下で長時間運動させるというような特別な事情がある場合に限られる。

ところが、そんな特別な事情もないのに、わが子が熱中症気味になったといって学校にクレームをつける保護者がいる。
すると、学校側は、とくに落ち度があったとは思えないのに、戸外での部活を制限したりする。
一人、あるいはほんの数人が熱中症気味になったというだけで、何の問題もなくふつうに部活をしていた数百人の生徒たちの行動が制約を受けるのである。
このような学校側の対応も、まさに過剰反応と言ってよいだろうが、保護者からの過剰反応とも言えるクレームを恐れるあまり、過剰な対応をしてしまうのである。

■「子どもが可哀想」で田植え体験をやめてしまう
ゲームやインターネットなど、人工的な空間で遊ぶことが多い今どきの子どもたちは、自然から離れた生活を送っているため、自然体験を与えるのは非常に大切なことである。
自然体験教育の一環として、田植えを経験させたり、芋掘りを経験させたりということが、しばしば行われている。
だが、そこでも保護者の過剰反応があり、それに対して幼稚園や学校側も過剰な対応を取りがちとなっている。
たとえば、田植え体験に対しても、うちの子は泥水に入るのを嫌がっているから、このような活動はやめてほしいといったクレームや、あんな足腰を酷使する重労働をさせる必要はないだろう、可哀想だといったクレームがつくことがある。
そんな軟弱なクレームにいちいち屈することはないと思うだろうが、 「教育委員会に訴えるぞ」 というような脅し文句を、保護者だけでなく生徒までが口にする時代であり、保護者からのクレームを過剰に恐れるため、田植え体験という貴重な教育をやめてしまう学校が出てくる。

■保護者も学校側も思考停止状態になっている
芋掘りというのは、田植えよりもっと多くの子どもたちが昔から体験してきたものであろう。
ところが、芋掘り体験に対しても、保護者からのクレームがあるようなのだ。
たとえば、子どもによって掘って家に持ち帰る芋の大きさが違って不公平だといったクレームがあるらしい。
わが子が持ち帰った芋が小さすぎて不満なら、 「もっと大きいのを掘れなかったのか。今度一緒に行って芋掘りのコツを教えてやろう」 などと、わが子に言うべきであって、先生に文句を言うようなことではないだろう。

だが、今の幼稚園も学校も、保護者の過剰反応的なクレームにも過剰に対応する。
困った先生から相談を受けた農家の人が、つぎからはそのような不公平が起こらないようにと、小さな芋を間引きし、できるだけ均一な大きさの芋を掘れるように配慮することさえあるようだ。

このように、非常識で自己中心的な保護者からの理不尽なクレームがまさに思考停止による過剰反応であり、それに対して学校側が過剰に対応することも思考停止と言える。
ごく少数の非常識なクレームにビクつき、いちいち対応するために、過剰反応的なクレームが後を絶たず、それによって良識ある多くの生徒たちに不利益が生じることになるのはいかがなものか。
そこには思考停止による不適切な反応の連鎖がみられる。

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榎本 博明(えのもと・ ひろあき) 心理学博士
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河野デジタル相「マイナンバーは民主党政権がつくった」愚痴発言に蓮舫氏参戦「問題噴出されたのはどなた?」

河野デジタル相「マイナンバーは民主党政権がつくった」愚痴発言に蓮舫氏参戦「問題噴出されたのはどなた?」
2023.6.26 SmartFLASH

6月21日、政府は「マイナンバー情報総点検本部」を立ち上げた。
デジタル庁、総務省、厚生労働省が中心となり、省庁横断で他人情報の紐づけが判明したマイナ保険証など、マイナカード取得者向けサイト「マイナポータル」で閲覧できる全29項目を検証するという。
データの誤りについて、秋までに洗い出すことを決定している。

岸田文雄首相は同日、官邸で開いた初会合で「新型コロナウイルス対応並みの臨戦態勢で、国民の信頼を1日も早く回復するべく、一丸となって全力を尽くしてほしい」とハッパをかけたが、早くも小池百合子東京都知事は、6月23日の定例記者会見で「秋までは難しいんじゃないか」と疑問を呈している。
この検証の司令塔になるのが、河野太郎デジタル担当大臣。
その河野氏が、6月25日に新潟県新発田市で講演した。
「(マイナンバーカードの問題で)いろいろとご迷惑をおかけしている」と陳謝したのち、「原因を特定したので、(ミスを)防ぐためにひとつひとつ対策を打っている」と語ったが、その後はよほどフラストレーションがたまっていたのか、愚痴とぼやきの連続だった。

「大臣は、なぜ『紐づけミス』が起きたのかについて『銀行口座の名前はカタカナ表記だが、住民票や戸籍は漢字表記のみであったり、住所で『1丁目2番地3号』を『1―2―3』と省略したりすると、コンピューターは同じ人か判断できない』と指摘していました。
そして、国会などで野党議員から批判されていることについては『マイナンバー制度は民主党政権がつくった制度。
おまえが始めたんだろ、と言い返したくもなる』と、苦笑まじりに愚痴をこぼしていました」(政治担当記者)

この発言に、立憲民主党の蓮舫参院議員がすぐさま参戦。
6月26日のTwitterで 《はい? 確かにカードを始めたけれど、その後の制度設計や運用は自民党政権。
協力できることはしてきましたが、間違いは常に指摘と改善の提案。 が。
昨秋、突然紙の保険証を廃止と言い出して地方自治体にカード普及を急がせた上に丸投げ。問題噴出されたのはどなたですか?》 と、猛反発した。

ネットニュースのコメント欄にも 《だったら白紙に戻せばいいし、そもそも健康保険証などの強制廃止なんてなかっただろ》 《河野氏はやっぱり何も理解していないということを、この愚痴から読み取れる》
《何年前に話を戻しているのかね?》 と、河野氏に分が悪いコメントばかりが目立った。

河野氏の今後について、政治アナリストの伊藤惇夫氏に聞いた。
「岸田首相は『突破力』に期待して、情報総点検本部のトップに就けたのでしょうが、河野大臣にとっては“大きなつまずき”になりかけています。
この問題をうまく処理できれば、将来、首相になる展望がありますが、しくじれば責任を一身に背負うことになる。
岸田首相も河野大臣に責任を取らせるでしょう。
国民的人気が頼りの大臣ですから、それが低下すると苦しいでしょうね」

“貧乏くじ”をつかまされては、イライラするのも仕方ない?“
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マイナカード問題「本当の失策」とは?

河野太郎デジタル相は「ヒューマンエラー」を強調するけれど…マイナカード問題「本当の失策」とは?
6/27(火) 文春オンライン

 今年もあっという間に上半期が終わります。
上半期に印象深かった言葉を振り返ると「あの問題」は今年の流行語としても有力かもしれない。
たとえばこちら。 「マイナトラブル」
 ポイントではなくトラブルがひもづけされてしまった。
マイナンバーカードをめぐるさまざまなトラブルは現在も報道中。

『マイナカード巡るトラブル、岸田首相「コロナ並み臨戦態勢」で対応へ』(読売新聞オンライン6月21日)
『マイナ、混乱収束せず』(毎日新聞6月21日)

  もうひとつの流行語候補
 臨戦態勢とか混乱収束せずとか、とても物騒なマイナンバーカード。
今回の問題では次の言葉も流行語候補では?
「ヒューマンエラー」
 マイナトラブルの釈明として出てきた言葉である。
使用例をみよう。
『河野太郎氏、マイナカードめぐるトラブルで謝罪「ヒューマンエラー反省しなければ」情報番組出演』(日刊スポーツ6月1日)
 河野太郎デジタル相はテレビ番組で今回の問題について「デジタル庁がきちんとしていれば防げたヒューマンエラーだったことを反省しなければいけない」など「ヒューマンエラー」を強調。
岸田文雄首相も6月6日のデジタル社会推進会議で「ヒューマンエラーを防ぐデジタル化を徹底するなど対策を強化してください」と河野氏に指示した。

本当のヒューマンエラーは…
 しかし、本当のヒューマンエラーとは河野氏をデジタル相にしたことではないか?
『国民の不信はマイナカードよりも河野太郎』(日刊ゲンダイ6月24日付)
『河野失態 マイナ大混乱』(夕刊フジ6月22日付)
 今回の騒ぎの発端は、昨年10月13日に行われた河野デジタル相による記者会見だった。
そこで河野大臣は突如、「保険証、24年秋廃止」と言い放ったのである。
現場は混乱するに決まっている。
それをヒューマンエラーと言ってみせるのは見事なほどの他人事、無責任ではないか。

 岸田首相は河野氏の「突破力」に期待していたという。
その「突破力」については、
《強引さ、拙速、杜撰さと他人事、これが「突破力」の正体ではないか。
河野太郎のすべてが「ひもづけ」されていたのがマイナンバーカード問題なのである》( 当コラム6月13日 )
 と今でも思う。

「他人には厳しく自分には甘い」
 日刊ゲンダイの公式ツイッターアカウントは、 《なぜ任意のカードを健康保険証にひも付け、保険証の廃止をいきなり上から宣言したのか。
傍若無人を絵に描いたようなやり口、その後の説明のいい加減、子供じみた答弁拒否、薄気味悪いナルシスト的発言、自分が大好きなエゴサーチの異様 》(6月23日)  とつぶやいてバズっていた。

ツイートに添付された記事には、 《直接絡んでいない人までエゴサーチ(自分の名前で投稿を検索)してブロックしまくってるのだから異様。
どんだけ自分が大好きなのか。
他人には厳しく自分には甘い。絶対に自分の非を認めない。》

 河野太郎のツイッターでのエゴサブロックを解説。
いやー、「突破力」すごいなぁ。
 夕刊フジにはこんな見出しも。
『大混乱マイナ “底なし状態”政権不信に直結』(6月22日付)
 底なしってすごい。

新聞社説を読み比べたが…
 さて、私が新聞読み比べが好きなのは、同じテーマなのに新聞によって論調の違いがあるからだ。
それぞれを読み比べたうえで自分の考えをまとめるときに役立てるのが面白いのだが、マイナ問題ではどの社説もほぼ同じというのがポイント。まさにマイナポイントです。

『保険証の廃止 見直しは今からでも遅くない』(読売新聞6月7日)
『マイナ混乱で総点検 保険証廃止時期の再考を』(毎日新聞6月23日)
『マイナカード 白紙に戻して再考せよ』(東京新聞6月21日)
『マイナカード混乱 「普及優先」を見直す時だ』(産経新聞6月10日)
『マイナ保険証 「一本化」強行許されぬ』(朝日新聞6月9日)

 読売、毎日、東京は保険証廃止を「見直し」「白紙」「再考せよ」とはっきりと言っている。
《岸田文雄首相はトラブルを謝罪する一方で、マイナンバー制度を「やり抜く」としている。
こうした強硬姿勢は、国民生活の安定に不可欠な既存の制度や民主主義のルールを損ないかねない。》(東京新聞)
《現在、何ら不都合なく使えている保険証を廃止し、事実上、カードの取得を強制するかのような手法が、政府の目指す「人に優しいデジタル化」なのか。》(読売新聞)

世論調査の結果の衝撃
 そうそう、「人に優しいデジタル化」と言えば、私は初代デジタル相の平井卓也氏の演説を現地(香川1区)で聞いたことがある。
2年前の衆院選のときだ。
 平井氏は「人に優しいデジタル」「格差を生まないデジタル」「困っている人を助けるデジタル」など、多いときは3秒に1回ぐらいの割合で演説にデジタルという言葉を入れていた。
いろんなデジタルがあるんだなと思ったが、今の状況は「人に優しくないデジタル」である。

 そして週明けの月曜日、読売新聞の世論調査の結果が発表された。
『内閣支持急落41% マイナ対応「不適切」67%…本社世論調査』(6月26日)

 岸田内閣の支持率は41%と、前回(5月20〜21日調査)の56%から15ポイントも下落。
なかなかの衝撃である。
その大きな理由はこれだ。
《マイナカードのトラブルについて、政府は適切に対応していると「思う」とした人は24%にとどまり、「思わない」が67%と多数を占めた。
現在の健康保険証を24年秋に廃止し、マイナカードに一本化することに「反対」は55%で、「賛成」の37%を上回った。》

 やはりキーワードは「マイナトラブル」である。
このまま保険証廃止を押し切るのだろうか。どうする岸田首相。 
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2023年06月28日

「人から言われたこと」を気にして眠れない…。グルグル思考を止める「魔法の言葉」とは?

「人から言われたこと」を気にして眠れない…。グルグル思考を止める「魔法の言葉」とは?
2023年06月27日 ダイヤモンドオンライン

「あの人なんであんなことを言ってきたんだろう」
「この仕事、ちゃんと締め切りまでに終わらなかったらどうしよう」。
寝ようとするといろいろな考えが頭の中にわいてきてしまい眠れない。
早く眠りたいのに、グルグル思考が止まらない人におすすめなのが、2023年6月28日発売の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。
著者はベストセラーになった『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)など、多数の著作を持つ人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。
最新作の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。
今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、編集して紹介する。

■「なんであの人、あんなことを言ったんだろう…」
ある日、私が職場の会議で発言したら、私の仕事にまったく興味がなさそうな人が重箱の隅をつつくような質問をしてきて、場の空気が思いっきり悪くなったことがありました。
寝ようとすると、そのときの場面がありありと思い出されます。
「なんであの人、みんなの前で私に恥をかかせるようなことを言ってきたんだろう?」
「こんな薄汚れた気持ちでは眠れない」と思って、スマホで動画をひたすら見続けます。
「あの人のせいでこんなに寝る時間をムダにしている」と思いながらも、動画を見るのがやめられません。
本当は夜12時前に寝ようと思っていたのに、いつの間にか深夜2時過ぎになっています。
日中のあの人の嫌な発言も、他の人からしたら、「そんなに気にするようなこと?」と思われるかもしれません。
「他の人が悩まないようなことを気にしてしまっている」と思うと、「私の抱えている大変さは誰も理解してくれない」と感じて、ますます動画やゲームに没頭したくなります。
そして、「早く寝なきゃ、明日大変なことになる」と焦れば焦るほど、過去に失敗してガッカリされた場面が次から次へと思い出されて、ますます眠れなくなります。

■「責任感」が強い人ほど眠れない!?
ある とき、精神科の先生に「あなたが眠れないのは、責任感が強すぎるせいだよ」と言われ、衝撃を受けます。
私が眠れないのは、自分がだらしないせいでは? 責任感がある人だったら、他人の言った嫌味など軽く受け流して、もっとバリバリ仕事をこなして、爽快な気分でぐっすり眠れるはず。
すると先生は、「やるべきことをちゃんとやらなければいけない、という過剰な責任感が重圧になっているのかもしれないね。
その重圧のせいで、仕事にも身が入らなかったりするんじゃない?」と言います。
これには思いあたるふしがありました。
「ちゃんとやらなければ」と思う仕事ほど先送りしてしまうのに、どうでもいい人から頼まれたどうでもいい仕事だったら、すぐに取りかかって終わらせることができていました。
過剰な責任感が重圧になって、いつまでもやるべきことができない。
責任を感じて、その重圧からますます考え続けて眠れなくなってしまう。
先生にそう言われるとなんとなく当たっている気がしました。

■「他人の不機嫌はあなたのせいではない」
でも、まだ私は納得できませんでした。
そこで、 「でも、先生。私の場合、責任感があるというより、あれもこれも他人のせいにして、そのことが頭の中をグルグル回り続けて眠れなくなっている感じがするんです。
これって、私が無責任だからじゃないんですか?」 そう質問すると、先生は笑いながら「相手の不快な感情の責任まで請け負ってしまうから、考え続けちゃっているんじゃないの」と言います。

「相手の怒りや不機嫌はあなたのものではないのに、相手の不快な言動の原因は自分にある、と責任を感じてしまうから、グルグルと相手の気持ちを考え続けて眠れなくなる。
あなたがすぐに人のせいにしてしまうのも『責任の重圧を自分ひとりが感じていて、それを誰もわかってくれない』という気持ちの表れなんじゃないかな」
そう先生に言われると、自分がいつも孤独を感じていた原因が見えた気がして、妙に腑に落ちました。

■「責任感の強さ」を認めると、不安がいつの間にか去っていく
夜、眠りにつこうと目を閉じると、私を不快にする人が頭の中に浮かんできます。
「なんであの人は私のことを馬鹿にするんだ!」と怒りがわいて、頭がさえてきてしまいます。
そんなときに、先生に「相手の不快な感情の責任を取っている」と言われたことを思い出します。
「へ〜! 私ってこの人の感情の責任を取っているんだ」と気づくと、不思議とその人が頭の中から消えていきます。
不快な人が消えたと思ったら、今度は「依頼された仕事を、ちゃんと期限通りに終わらせられるのか?」という不安が頭の中にわいてきます。
「あれもやっていないし、これもやっていない」とグルグル考え始めたところで、「あ! これがまさしく責任感か! わかりやすい!」と自分の責任感の強さを実感することになりました。

本来、責任感があるのはすばらしいことです。
自分を責めすぎてしまうのは責任感があるから。その責任感を買われて、いろいろな仕事を任されているわけです。
「寝ているときまで仕事のことを考えてしまう責任感ってすごいよね」と自分の責任感の強さを認めてあげる。
すると、私の責任感は私に認めてもらったことがうれしかったのか、いつの間にか去っていきます。
責任感が去ってしまうと、私は仕事のことや不安なことがいっさい考えられなくなって、いつの間にか深い眠りの中に入っていたのです。
(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)
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2023年06月29日

歩くのが遅い人は突然死のリスクが高い…循環器内科医が警告する血管の悲鳴を見抜く"5つのサイン"

歩くのが遅い人は突然死のリスクが高い…循環器内科医が警告する血管の悲鳴を見抜く"5つのサイン"
2023年06月28日 PRESIDENT Online

健康で長生きするには、どうすればいいのか。
循環器内科医の池谷敏郎さんは「注意してほしいのは血管の老化だ。
血管は『物言わぬ臓器』と呼ばれており、自覚症状が出る頃には心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まっていることが多い」という――。(第1回)
※本稿は、池谷敏郎『血管の老化は「足」で止められた』(青春新書PLAY BOOKS)の一部を再編集したものです。

■健康維持のために重要な「足の血管」
人は血管とともに老化する――。
もう100年も前からいわれ続けていることです。
特に理由はないのに、なぜだか疲れが続く。
手足が冷える。肌が乾燥する。シミが増えた。ちょっと階段を上っただけで息切れする。
こうした「年のせい」と片付けられてしまいそうな、ちょっとした不調や悩みも、実は「血管のせい」であることが多いのです。
血管は、全身をくまなく巡り、酸素と栄養を送り、いらないものを回収してくれているので、その働き者の血管が老いると、全身が影響を受けます。
ただ、逆にいうと、血管を若々しく保つことができれば、全身を若く保つことができます。
ですから、「血管を若く保つことが大事ですよ!」と、患者さんたちにも、これまでに書いた本でも伝えてきました。
そのことは、もちろん変わりません。

ただ最近、血管のなかでも「足の血管」に注目することが大切ではないか、と考えるようになりました。
「なぜ足?」と思うでしょうか。
理由は大きく2つあります。

1つは、血管の老化のサインは足に出やすいから。
もう1つは、「足の血管力」を高めることが、全身の血管力を高める手っ取り早い方法だからです。
足の血管力を意識することで、血管の老化をいち早くキャッチし、同時に、全身の血管を若返らせ、全身の血管の老化を防ぐこともできます。
「人は血管とともに老化する」という言葉は、「人は足の血管とともに老化する」と言い換えられるのです。

■歩くスピードが遅い人は要注意
血管は、「物言わぬ臓器」といわれます。
老化が進んでも、初期の頃には、何の症状も出ないからです。
何らかの自覚症状が出たときには、すでに動脈硬化がすっかり進行して、大事な血管が狭くなったり詰まったりしていた、ということが多いのです。
そのため、心筋梗塞や脳卒中といった血管病は「突然死が怖い」といわれるのですね。

自覚症状のないまま動脈硬化が進行して、あるとき、大変な血管事故を起こす――。
血管が「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれる所以(ゆえん)です。
しかし、脳卒中や狭心症・心筋梗塞を発症するよりも早い段階で、下肢の動脈硬化がわかりやすい症状で出ることも少なくありません。
足で全身の動脈硬化の進行に気づくことができれば、心臓や脳での大事故に至る前に、対処することができます。

以下の5項目で該当するものはありますか?
 当てはまるものがあっても、「まぁ、よくあること」と、あまり気にとめていなかったかもしれません。
でも、これらは実は、足の血管力が衰えてきたサインなのです。

サイン@ 歩くスピードが遅い
歩く速度が遅い、特に同年代の人と比べても遅いときには何らかの原因があります。
筋肉や骨の衰えを疑いがちですが、足の血管力の低下も原因の1つなのです。
速く歩くには、筋肉をたくさん動かすために、たくさんの酸素が必要になります。つまり、血流が大事です。
足の血管力が低下して、血行が悪くなっていると、ちょっと速く歩こうとすると血流が足りなくなってしんどくなります。
だから、自(おの)ずと歩くスピードが遅くなるのです。

■しびれの原因は神経だけではない
サインA 冷え、しびれ冷えは、それこそ「よくあること」と思う人が多いかもしれません。
実際、若い人も含めて手足の冷えを感じている人は多いですが、これも血管力が低下しているサインです。
末端の血管が開きにくくなって血行が悪くなると、末端まで十分な血液が行き渡らなくなります。
そうすると、足先が冷たくなるのです。
同様にしびれも、血行が悪くなっているサインの1つです。

しびれと聞くと「神経が悪いのかな」とも思うかもしれません。
でも、神経に酸素と栄養を渡しているのも血管なので、血行が悪くて神経に十分な血液が行き渡らなくなると、しびれが生じます。
足の動脈硬化の初期症状が、冷えとしびれです。
「たかが冷え」「たかがしびれ」と思わず、足の血管力が低下しているサインの1つであることを覚えておいてください。

■歩行後のしびれや痛みは血管力低下のサイン
サインB 間欠性跛行(かんけつせいはこう)
少し歩くと、足がしびれたり痛くなったりして、少し休憩するとまた歩けるようになる。
これは「間欠性跛行」といわれ、足の血管力が低下したときに見られる、いちばん特徴的なサインです。
歩くときには、足の筋肉はたくさんの酸素を必要とします。
足の血管力が落ちていると、十分な酸素を送り届けることができないので、歩くとしびれや痛みが出て、休むと症状が治まるのです。
ちなみに、間欠性跛行のもう1つの原因が、「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」です。
これは、背骨が変形することで、脊髄(せきずい)の神経の通り道である脊柱管が狭くなってしまう病気のこと。
脊柱管狭窄症の人も、歩くとしびれや痛みが出て、しばらく休むとまた歩けるようになる間欠性跛行が見られます。
ただ、脊柱管狭窄症の場合、前かがみになると症状がやわらぐのが特徴です。

サインC 足がつりやすい
運動中や寝ているときに突然足がつる。このことを、「こむら返り」といいます。
「こむら」は、ふくらはぎのこと。足の裏や太ももなど、ふくらはぎ以外でもこむら返りは起きますが、ふくらはぎが多いので「こむら(ふくらはぎ)返り」と呼ばれています。
こむら返りは冷えや脱水、筋肉の疲労、ミネラル不足などが原因といわれますが、血行不良も原因の1つです。
動脈硬化や下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)などの血行障害があると、こむら返りが起こりやすいのです。
たまに足がつるくらいなら、そう心配することはありませんが、足が頻繁(ひんぱん)につる場合は、足の血管力の低下が疑われます。

■水虫がすぐ治らないのは血管に原因がある
サインD 水虫、足の傷の治りが遅い
足に水虫や傷ができたときに「なかなか治らないな」と感じることはありませんか?
治らないからずっと薬を塗り続けている人がいますが、実は原因は皮膚ではなく、血流にあることも多いのです。
血流が悪くなると、水虫も傷も治りが遅くなります。
そのほか、血流が悪くなると、末端まで十分な血液が届かなくなり、足の爪が変形・変色したり、足の指の毛が抜けたりすることも。
もし左右の足を比べて、片方が指毛が濃く、片方が薄いなど、左右差がある場合には要注意です。
血流の低下が疑われます。

5つの項目のうち、1つでも該当すれば、すでに足の血管力が低下している可能性があります。
そして、当てはまる項目が増えれば増えるほど、疑いは濃厚になります。
当てはまる項目がある人は、今がチャンスです。
足の血管力を高めて、全身の血管の状態を改善し、全身の若返りを図りましょう。
当てはまる項目がなかった人は、そのままよい状態を保ち、老化を防ぎましょう!

■足の血管の老化は、突然死のリスクを高める
物言わぬ臓器である血管が老化したときには、「足が口ほどに物を言う」のです。
そして、足が動脈硬化のサインを出したときには、全身のほかの部分でも同じように血管の老化が進んでいる可能性が高いと考えてください。
実際、足の動脈硬化(下肢閉塞(へいそく)性動脈硬化症)と診断された人の6割以上が、狭心症や心筋梗塞などの「心臓病」か、脳梗塞などの「脳血管疾患」のいずれか、または両方をあわせ持っていることが大規模な研究で明らかになっています。私が診てきた患者さんのなかにも、「歩くと足が痛むんです」と、足の動脈硬化が最初に見つかって、全身を詳しく調べたら実は脳梗塞があった、狭心症があったという方が何人もいらっしゃいます。
足をきっかけに、心臓や脳の血管病が見つかることは珍しくないのです。

血管の老化が進んでいても、じーっと静かにしていて、あるとき突然、血管が詰まったり切れたりして叫び声を上げるのが、脳や心臓です。
脳や心臓の血管が切れたり詰まったりすれば、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞といった命に関わる大病につながります。
突然死することもあるわけです。
たとえ命は救われたとしても、後遺症に悩まされることも多いです。

■長生きできても健康を維持できるかは別問題
例えば、脳梗塞の場合、発症しても約9割は助かります。
医学の進歩とともに救命率が上がったことは喜ばしいこと。
ただ、生き残った方の約半数に、重度の麻痺や認知症が残ります。
そこから大変なリハビリ生活が始まります。

急性心筋梗塞の場合は、突然死のリスクがもう少し高く、3〜4割が発症直後に亡くなってしまいます。
そして、一命はとりとめた方も、後遺症として心臓の一部に動かない部分ができ、心不全を患うことが多いのです。
よく「ピンピンコロリがいい」といいますよね。
長患いすることなく、元気なまま長生きして、最期はコロリと逝(い)きたい、と。
ところが現実は、そう理想通りにはいきません。

今、日本人の「平均寿命」は、男性81.47歳、女性87.57歳です(厚生労働省「令和3年簡易生命表」より)。
それに対して、心身ともに自立して健康的に生きられる期間である「健康寿命」は、2019年の数値で、男性72.68年、女性75.38年です(令和4年版「高齢社会白書」より)。
平均寿命と健康寿命の差は、男性で9年、女性に至っては12年ほどあります。
ピンピンとは生きられない、何かしらの支障を抱えながら生きる期間が、男女ともに10年前後あるのです。
脳や心臓の血管事故を起こすと、ピンピンコロリは遠のきます。

「ピンコロリ」と突然死してしまうか、「ピンピンコロリ」と長生きするか……。
だから、血管事故を起こさないように血管を守ることがとても大事なのです。

■血管力は何歳からでもアップできる
そこで、意識してほしいのが足の血管力です。 足の動脈硬化は、脳や心臓とは違って、歩くと症状が出やすいので、意識していればわかりやすいもの。
また、足で動脈硬化が進んでいるということは、脳や心臓の血管にも起こっている、あるいは起こってくるということなので、足で気づくことができれば、ラッキーです。
「脳や心臓の血管も大変なことになっているよ!」と教えてくれるのが、足なのです。
血管には素晴らしい回復能力が備わっているので、血管力は何歳からでもアップさせることができます。
多少固くなったり、狭くなったりしても、足を使う生活を心がけたことで手術を回避できた患者さんたちのように、いい生活習慣を身につければ、切れにくい、詰まりにくい血管に変わり、新たな血管(新生血管)が発達したりします。
何歳からでも遅すぎることはありません。ただ、早ければ早いほど有利であることは確かです。

血管のケアは肌のお手入れと似ています。
肌も、お手入れ次第で何歳からでもきれいになる一方、より若いときからケアしたほうが、さらにきれいになりますよね。
この本を手に取った今がチャンスです。
先ほどのセルフチェックで血管力の衰えに気づいた人は老化をそれ以上進めず、若返るために、まだはっきりとした衰えは感じていない人は、これからの60代、70代、80代、90代を元気に若々しく過ごすために、一緒に血管力を高めていきましょう!

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池谷 敏郎, 池谷医院院長、医学博士
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マイナ保険証ついに“知事の乱”…推進派首長まで「廃止の時期再考を」とポンコツ政権に反旗

マイナ保険証ついに“知事の乱”…推進派首長まで「廃止の時期再考を」とポンコツ政権に反旗
2023年06月28日 日刊ゲンダイDIGITAL

【集中企画・マイナ狂騒】#4
 底なしマイナトラブル対応のマズさから、支持率急降下の岸田政権。
日経新聞の世論調査によると、政府対応は「不十分」が76%に上る。
共同通信の調査では7割が来秋の保険証廃止に反対だ。
こうした世論の風を読んだのか、“モノ言う首長”が政府に注文をつける動きが出てきた。
  ◇   ◇   ◇ 
 来年秋に現行の保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する政府方針について、宮城県の村井知事は26日の定例会見で「国民が不安に思っている以上は丁寧な対応が必要。
(政府は)国民の声をよく聞いて、開始時期をよく考えてほしい」と語った。
 村井氏はマイナカードの推進派として知られる。
運転免許証との一体化は「必ず携帯するようになる」と大賛成。
マイナ保険証も「メリット」を強調していた。

昨年10月、河野デジタル相がマイナ保険証への一本化を発表した時、村井氏は「医療や薬のデータが一元管理でき、個人も社会も便利になる。医療費の抑制にもつながる」と県独自の普及策を明らかにした。
そんな推進派知事でさえ政府に開始時期の再考を求めたのである。

「マイナ保険証のメリットを高く評価し、普及を進めたい意向の村井知事が“待った”をかけたのは、それだけ来秋のスタートが無理筋だということです」(「共通番号いらないネット」事務局の宮崎俊郎氏)

■推進派まで「保険証廃止の時期再考を」
  岩手県の達増知事も23日、「来年秋の保険証廃止は時期尚早。時期にこだわらずしっかり検討してほしい」とクギを刺した。
9月投開票の県知事選を控え、世論を気にしたのかもしれないが、7割に上る廃止反対の意見を踏まえ、首長が政府にモノ申すのは当然だ。
 全国知事会の平井会長(鳥取県知事)は先月、河野デジタル相に対し、「国民のマイナンバー制度への信頼を損ないかねない」としてトラブルの再発防止を訴えた。

「歯に衣着せぬ」物言いで知られる島根県の丸山知事は相次ぐトラブルに「ざるにも程がある」とバッサリ。
世論の風を読むのがうまい小池都知事は、マイナンバー関連の総点検について「秋までは厳しいのではないか」と苦言を呈している。

「住民の声をちゃんと聞いている首長なら、政府のマイナトラブルを巡る対応のマズさについて黙っていられないでしょう。この先、岸田政権の対応に異議を唱える首長が相次いでもおかしくありません」(宮崎敏郎氏)

 “知事の乱”が岸田政権を揺さぶる――。
全国のモノ言う首長が、来秋の保険証廃止に「ノー」を突きつければ、岸田政権は窮地に立たされるに違いない。
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2023年06月30日

週刊朝日は150万部から7万部に激減していた…みんなが読んでいた「週刊誌」が消滅寸前にある根本原因

週刊朝日は150万部から7万部に激減していた…
みんなが読んでいた「週刊誌」が消滅寸前にある根本原因
2023年06月29日 PRESIDENT Online

■週刊誌の凋落を象徴する「週刊朝日の休刊」
1922年に創刊した日本最古の週刊誌「週刊朝日」が5月30日発売の最終号で101年の歴史に幕を下ろした。
最終号はたちまち売り切れとなり、2週間も経った6月中旬になって週刊誌では異例の4刷の重版が発行されて店頭に並び、総発行部数はそれまでの倍以上の16万7000部に達したという。

6月15日にはNHK総合テレビがゴールデンタイムのバラエティ番組「サラメシ」で休刊までの10日間の編集部の姿を放送する(その後も再放送あり)など、前代未聞のお祭り騒ぎが続いた。
だが、それは、ローソクが消える前にぱっと一瞬輝くような光景にも似ている。

ネット社会の進展に伴い、印刷メディアの週刊誌市場は急速に縮小。
「文春砲」と恐れられるスクープを連発している「週刊文春」でさえ発行部数はジリ貧で、「週刊朝日」と同じ運命をたどりかねない週刊誌は少なくない。
「週刊朝日」の休刊は、週刊誌の凋落を象徴する「事件」に違いなく、メディアの主役が交代する中で、「古き良き昭和の時代」を謳歌した週刊誌が姿を消していくのは歴史の必然なのかもしれない。
だが、総合週刊誌を舞台に繰り広げられた「雑誌ジャーナリズム」が、週刊誌の衰退とともに命運が尽きるかというと、そうではないだろう。
新聞や放送と一線を画してジャーナリズムの一翼を担ってきた雑誌ジャーナリズムのこれからを考えてみたい。

■「トップが悪い」と痛罵した吉永小百合
「トップが悪いんじゃないですか。100年も続いた大事な雑誌をやめるなんて」 女優の吉永小百合さんが、最終号に寄せた「週刊朝日とわたし」と題する一文の中の強烈な一節である。 まさに、その通りだろう。
かつての栄光の日々を忘れられず、ネットメディアを過小評価し、「夢よ、もう一度」と念じているうちに、休刊という悲劇を招いた経営陣と編集幹部の責任は重い。

1990年代後半にピークを迎えた出版市場は、2000年代に入ると縮小トレンドが続き、「出版不況」が叫ばれるようになった。
2010年代には、SNSの広がりやスマートフォンはじめモバイル端末の普及で、印刷メディアの限界とネットメディアの優位性は誰の目にも明らかになった。
出版市場はみるみるうちに収縮したが、中でも深刻な苦境に陥ったのが総合週刊誌だった。
メディアの歴史的な構造転換に直面したにもかかわらず、経営陣は漫然と時を過ごし、編集幹部は読者のニーズの変化をつかめなかった。
無作為が招いた代償は大きかった。
それは、同じ印刷メディアの新聞にも言える。
成功体験が足かせとなり、メディア環境の激変に積極的に対応しなかった、いや、できなかった点は共通する。

■ピーク時の150万部超から7.4万部に落ち込む
実際、この10年間の総合週刊誌の落ち込みは目を覆うものがある。
日本雑誌協会が公表している「印刷証明付部数(いわゆる発行部数)」で、「週刊朝日」の最後のデータを確認できる2022年10〜12月を基点に見てみよう(図表1)
「週刊朝日」の発行部数は、22年10〜12月の平均で7万4627部。
「コロナ前」の3年前と比べると約3分の2、10年前に比べると約3分の1に激減している。
1950年代には150万部を超える発行部数を誇ったが、最後は全盛期のわずか5%にまで落ち込んだ。
発行元の朝日新聞出版は、休刊の理由に「週刊誌市場の販売部数・広告費の縮小」を挙げたが、休刊に至る苦境は10年以上も前から推察できたにもかかわらず、活版ザラ紙という印刷メディアにこだわり続けた結果、「臨終」を迎え、「葬式」を出さざるを得なくなったのである。

■週刊誌全体が激減トレンドに直面
他の総合週刊誌の現況も厳しいの一言に尽きる。
「週刊朝日」と同根の「AERA」は5万7833部で、10年前の発行部数と比べると半分以下になった。
長年のライバルだった「サンデー毎日」は、「週刊朝日」の半分以下の3万6389部で、10年前の7割しかなく、3年前からも4割減っており、青息吐息だ。
毎週のようにスクープを放つ「週刊文春」こそ47万3115部を数えているが、10年前に比べれば3分の2、3年前からも15%程度落ち込み、反転しそうな気配は見えない。
「文春砲」がニュースや話題を提供しても、売り上げにつながっていないのが実情だ。
「週刊現代」は35万6000部(10年前比62.1%)、「週刊ポスト」30万0000部(同62.8%)、「週刊新潮」29万1582部(同52.0%)と、軒並み4〜5割減という惨憺(さんたん)たるありさまだ。

「家に持って帰って家族みんなで楽しめる」新聞社系週刊誌であれ、「電車の網棚にでも読み捨ててくればいい」という出版社系週刊誌であれ、激減トレンドは似たようなもの。
一般週刊誌や女性週刊誌も、銘柄によってバラつきはあるものの、週刊誌全体が同じような危機に直面している。
週刊誌の存在感が希薄になっていくのは、もはや不可避だろう。

■足かせになった「メディアの三要素」
「なぜ、週刊誌が売れなくなったのか」については、さまざまな要因が複層的に絡み合っている。
ここでは、印刷メディアとネットメディアを比較しながら、整理してみる。
メディアを形づくるには「メディアの三要素」と呼ばれる「情報」「伝送路」「端末」が欠かせない。

「情報」は、新聞や週刊誌では「記事」、放送なら「番組」、ネットなら「コンテンツ」と言い換えることができる。
「伝送路」は、「情報」を運ぶ流通ルートで、新聞や週刊誌では「トラック」、放送なら「電波」、ネットなら「通信ネットワーク」が該当する。
「端末」は、運ばれてきた「情報」を再現する道具で、新聞や週刊誌は「紙」、放送は「テレビ」や「ラジオ」、ネットは「パソコン」や「スマートフォン」ということになる。

この三要素を、印刷メディアとネットメディアで比べてみる。「情報」の更新頻度は、週刊誌が1週間に1回(新聞は1日に多くて2回)しかできないのに対し、ネットはいつでも発信できる。
最新の情報を得たい読者にとって、その差は歴然だ。

■週刊誌がネットメディアに優るものが見当たらない
「伝送路」をみてみると、週刊誌は、印刷・製本した後、トラックで配送し、書店やコンビニで、ようやく読者が手にすることができる。
ところが近年、書店が激減し、駅のキヨスクもほとんど姿を消し、コンビニでも雑誌を置かない店が急速に増えている。
週刊誌を読みたくても、入手する場所がなくなりつつあるのだ。

これに対し、ネットメディアは、通信ネットワークを通して直接利用者に「情報」が届く。
回線容量が貧弱だった昔ならいざしらず、今や「5G(第5世代)の超高速の通信規格で世界中につながるようになり、接続のストレスはなくなった。
用紙代、印刷代、配送代などはほとんどかからないため、流通コストは比較にならない。

「端末」にしても、日常生活で便利ツールのスマホより重いものをもつことがなくなった人たち、とくに若年層にとって、かさばる紙の印刷物を持ち歩くことは、苦痛とさえいわれる。
つまり、どこから見ても、週刊誌がネットメディアに優るものが見当たらない。
したがって、売れなくなるのは当然なのである。

■NHKは受信料、民放は広告料という基盤がある
ビジネスモデルからも見てみたい。
週刊誌の場合、基本的に、読みたい人が毎号、お金を出して購入するというスタイルだ。
どれだけ売れるかわからない部数を長年の経験とカンで印刷して発送する、きわめて不安定なシステムといえる。
これに対し、同じ印刷メディアでも、新聞は月ぎめ購読の宅配が主流なだけに、新聞販売店を通じて読者の顔や数を確認できるという点で、週刊誌よりも少しましなモデルということができよう。

放送は、NHKが受信料(新聞と同じサブスク=定期購読モデル)という確固たる財源を担保され、民放はスポンサーの広告料という強力な基盤に支えられている。
このため、視聴者は、テレビやラジオさえ持っていれば、料金を支払う痛痒感をもたずに大半の番組を楽しむことができる。

ネットは多くの場合、広告効果を細かくチェックできる利点を生かした広告が収入の源泉で、その規模は、今やマスメディアの広告収入をはるかに凌駕するまでになった。
利用者は無償でさまざまな情報やコンテンツを得られるので、ますます利用が増えていく。
もっとも、ネット企業に、知らぬ間にありとあらゆる個人情報を吸い上げられるという「対価」を払っているのだが……。

こうしてみると、週刊誌のビジネスモデルが、いかに脆弱(ぜいじゃく)であるかがわかる。
そして、売れなくなれば、値上げして収益を確保しようとする。すると部数は減る→また値上げする→さらに部数が減るという、負のスパイラルに入ってしまったのである。

■新聞・テレビにはない「週刊誌報道」の強み
ただ、これは、印刷メディアとして週刊誌を捉えた場合の話だ。
雑誌ジャーナリズムの真骨頂は、新聞や放送が報じにくいニュースやスキャンダルを掘り起こすところにある。
うわさの段階から取材を始めて生煮えでも世に問う手法は、新聞ジャーナリズムや放送ジャーナリズムとは、そもそもコンセプトから異なっている。
連載の読み物が充実し紳士的といわれた朝日新聞社系の「週刊朝日」も、関西テレビの「発掘!あるある大事典U」の納豆ダイエットのデータ捏造(ねつぞう)をスクープしたり、毎日新聞の誤ったレンブラント報道を明るみに出して、大いに紙価を高めた。

出版社系週刊誌の報道は、さらに強烈だ。
直近では、ジャニーズ喜田川氏の性加害問題を、新聞や放送が沈黙を続ける中で敢然と追及してきた「週刊文春」の気骨を知らない者はいないだろう。
「週刊現代」や「週刊ポスト」も、さまざまな批判をものともせず、政治家や大物芸能人たちを震え上がらせた。
次々に起こされた訴訟も「それこそ勲章」と胸を張った。

東京新聞の「時代を読む」コーナーに、山田健太専修大教授が寄せた「ジャーナリズムのやんちゃ性」と題する小論(6月18日付)は興味深い。
社会全体を覆うメディア批判について「報道は絶対に間違いが許されないとの思い込みがある。
例えば、週刊誌の憶測記事はもってのほかとされるが、果たしてそうか。
メディアが均質で同様の『確からしさ』を身にまとっていては、私たちの生活は味気ないものになるだろう。
雑多な情報があってこそ豊かな情報空間が生まれる」と喝破している。

■日本には「やんちゃな週刊誌」が必要だ
雑誌ジャーナリズムに共感し、週刊誌を購読する愛読者は必ずいる。
だから、週刊誌づくりのコンセプトを丸ごとネットメディアとして展開しても、これまでわざわざ書店やキヨスクに足を運びお金を出して読んでいた人は、読みたい記事があれば印刷メディアの週刊誌と同じように購読することが期待される。
ネットで盛り上がる話題のネタ元は、少なからず週刊誌にあった。
週刊誌発のコンテンツがネットで広く流布されるとなれば、週刊誌の影響力は以前にもまして大きくなっているということもできる。
だが、出版社のネットへの取り組みは、大幅に遅れた。

文春オンラインやデイリー新潮のように、独自のネット展開を始めているところもあるが、まだ少数派だ。
NTTドコモのdマガジンやauのブックパスのようなネットサービスでは、出版されている雑誌の大半を読むことができるが、誌面をそのまま載せているにすぎない。
しかも、すべての雑誌をあわせて月額数百円という値付けでは、あまりの安さにビジネスとして成り立つはずもない。
雑誌ジャーナリズムが生き残りさらに輝くためには、印刷メディアに見切りをつけ、舞台をネットメディアへ移すことが必須だろう。
ネットをプラットフォームとする、あらたな形態の「ネット週刊誌」である。
速報性や蓄積性、双方向という、ネットメディアの特性を十分に生かした報道ができれば、印刷メディアの週刊誌が消え行こうとも、朽ちることはないはずだ。

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水野 泰志(みずの・やすし)
    メディア激動研究所 代表
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

住所もヤバければ、名前もヤバい、マイナカード問題の難しさ

住所もヤバければ、名前もヤバい、マイナカード問題の難しさ
6/28(水) ニューズウィーク

<本来ならシステムを作る段階で名前、住所のデータ様式は統一しておく必要があった>
マイナカードの運用がうまく行っていないようです。
これについて河野デジタル相は、「日本の住所はヤバい」とか、「マイナを推進したのは旧民主党」だなどという発言をしています。
どちらも間違ってはいませんが、責任回避のように聞こえる発言は、かえって信頼を悪化させるだけと思われます。
かといって、河野大臣のように実務への理解能力のある閣僚を外して、理解も説明もできないような政治家が担当大臣になるようなら、迷走は深まるばかりになる危険があります。

河野大臣は今こそ「突破力」を発揮して、この問題への信頼回復を果たして頂きたいと思います。
具体的にどうやって信頼回復をするのかというと、大規模なDXの推進を「人海戦術」でやるなどということはあってはなりません。
そうではなくて、できるだけデータをクリーンにして、シンプルかつ強力なシステムを確立して安定した運用を実現するのが先決です。
その際に問題になるのが、紐づけするデータの一致です。
その際に、河野大臣の言う「日本の住所はヤバい」という問題は、笑って済ませられる話ではありません。
住所に関するデータが不統一では、個人を特定する際に、紐づけが難しくなるからです。
仮にマイナと金融機関、マイナと保険や年金などを紐づけする際に、照合した住所が間違っていたら、もしかしたら別の人物かもしれないわけで、そこでチェックをかけることができます。

■地番表記の段階から「ゆれ」がある
現在はおそらく多くの現場では、その「同一人物」チェックを人手で行っているわけですが、できるだけシステムによるエラーチェックを掛ける必要があります。
その際に、データが不統一であると、エラーばかりになってしまいます。
それ以前の問題として、マイナの住所が間違っていたら、重要な書類が本人に届きません。
ですから、「日本の住所がヤバい」というのは、これはもっと真剣に考えるべき問題です。

日本の住所というと、例えば京都の独特の通りを基準とした住所表記であるとか、地方によっては大字(おおあざ)がどうとか、難読地名など、色々と面倒な例外があるわけです。
これは確かに複雑ですが、今回はこの問題は例外ということにしておきましょう。
そうではなくて、もっと幅広く、全国にわたる問題としては、まず「地番の書き方」があります。
例えばですが、「1丁目1番地1号」を「1−1−1」と書くとか、「1丁目1−1」と書くことがあります。
これだけでも3通りあるわけです。
エラーチェックを効率的にかけるには、こうしたデータの標準化が必要です。

さらに言えば、「建物名」が必要かという問題があります。
「1−1」という地番が「Aマンション」と「1対1対応」をしているのなら良いのです。
確かに「Aマンションは全部が1−1」というケースがほとんどだというのは、事実でしょう。
ですが、小さなマンションなどで「1−1」という同じ番地には「Aマンション」も「Bマンション」もあるという場合は、建物名が必要になります。

<基本データが不揃いならデータ照合は難しい>
最大の問題は、そもそも住所のルールが一定でないということです
戸籍は番地までで「号」はないという問題がまずあります。
つまり「1丁目1番」までで、「1号」は入りません。
では、住民票はどうかというと、一応「号」まで入るケースが多いと思います。
問題はその先で、集合住宅の「部屋番号」を住所の枝番として入れるかどうかは「任意」という自治体が多いようです。
つまり、「1丁目1番1号Aマンション101号室」に住んでいる人の住所データについて、「1丁目1番1号Aマンション101号室」で統一するのか、いちばん簡単な「1−1−1−101」にするのか、あるいは部屋番号は入れないで「1−1−1」にするのか決まっていないのです。
あとは下宿や間借りをしている人の場合に「誰々方」という表示をする場合があります。
この「方」というのは、郵便の配達住所としては必要な場合がありますが、戸籍には入れないし、住民票も普通は登録しません。
ですが、これもハッキリさせておくべきだと思います。
そう考えると、せっかく巨額の経費を投入してシステム開発をしても、そもそも基本となるデータが不揃いであり、入力ミスをほかのデータとの照合などで修正するのも難しいとなると、DXによる省力化、生産性向上には限りがありそうです。

■フリガナも英文表記もない
河野大臣は「AIを使って住所表記の『ゆれ』を吸収する」などと発言していますが、「日本の住所はヤバい」という問題の深刻度を本当に認識しているのかは怪しいと言わざるを得ません。
マイナで問題なのは「住所」だけではありません。
実は「名前」も「ヤバい」と言えます。
まず、日本人の場合ですが、マイナカードに入るのは、漢字(またはカナ混じり)の戸籍名だけです。
恐ろしいことに、カタカナのフリガナも、英文ローマ字表記もありません。
フリガナがないということは、銀行の口座名義人との自動紐付けも、名寄せによるチェックもできないということです。
保険証データとの照合も、こうした問題のために「手入力」が起きているのなら問題です。
また英文ローマ字表記がないということは、パスポートの英文表記との照合は不可能です。
仮に現在のマイナのシステムは、このままでは使えないということになり、巨額の資金を投入してシステムを改修するのであれば、マイナにカタカナのフリガナとローマ字表記も入れて、運用するようにするということも考えられます。
そうすれば、個人の特定ということの精度は高まります。

とにかく日本の場合、住所も名前も「ヤバい」のであって、本来はシステムを作る過程で制度も変更して、相当な程度クリーンなデータにしてから登録するという運用が考慮されるべきだったと思います。

    冷泉彰彦(在米作家)
posted by 小だぬき at 01:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする