2023年08月24日

「夏バテ」なぜ起こる? 未然に防ぐ4つのポイント 専門家に聞く

「夏バテ」なぜ起こる? 未然に防ぐ4つのポイント 専門家に聞く
8/23(水) 大分放送

まだまだ暑い日は続く見込みですが、そんな今の時期、気になるのが「夏バテ」。
夏バテ防止のポイントについて専門家に聞きました。

■長時間のスマホ利用に注意
全国的に記録的な暑さとなっている今年は、7月の平均気温が多くの観測値で平年値を上回りました。
暑い日が続く中、街の人は体調管理はどうしているのでしょうか?

街の人:
「日差しが強いときや外で仕事をしているときにクラクラとするので水分をとるようにしています」
「ちょっと夏バテっぽい感じはあります」
「喉が乾くので出かけたら飲み物を買ったりしてます」
「あんまりご飯が食べられなかったりします」

症状を訴える声が聞かれたのが「夏バテ」。
食欲不振や脱水、体のだるさなどに悩んでいる人が多いようです。
暑さはしばらく続きそうで気象庁によると9月中旬まで平年より気温が高くなる見込みです。

大森麻以気象予報士:
「平年は夏の空気と秋の空気を分ける秋雨全線が南下して日本付近が秋の空気に覆われて暑さが落ち着きます。
ただ今年は夏の高気圧の勢力が強いため、秋雨前線の南下が遅れ暑さが続きそうです」

これからも注意が必要な「夏バテ」。そもそも、何が原因なのでしょうか?

岡本医院・岡本将英院長:
「やはり何といっても自律神経の乱れというのが大きいです。
あとは水分不足やミネラルの不足です。
そういったものが原因で起こることが多いと言われています」

暑い屋外と冷房の効いた室内との気温の差「夏特有の寒暖差」が自律神経の乱れにつながる指摘。
また、最近の生活習慣も一因に。

岡本医院・岡本将英院長:
「夜寝る前に長時間スマホを見てしまうと、睡眠の質が落ちてしまって自律神経のバランスが壊れるというのも最近は言われています」

■夏バテ防止の主なポイント4点
岡本医師は夏バテ防止の主なポイントとして以下の4つをあげ、長く続く暑さで疲労の蓄積もあるので特に気をつけてほしいと呼びかけます。

・規則正しい生活
・十分な睡眠
・こまめな水分補給
・バランスのとれた食事

岡本医院・岡本将英院長:
「一旦なってしまうとなかなか治りにくい。そして夏バテで寝苦しくなると、それによって自律神経がさらに悪くなるという悪循環もあるので、規則正しい生活をどこかで始めるとか、病院に行って点滴をしてもらうとかそういったことで改善してもらえればと思います」

一方、予防にとって重要なのが「食事」。
薬膳の料理教室を主催する小倉倫子さんはこうアドバイスします。

薬膳おおいた・小倉倫子さん:
「酸味は汗のかきすぎや、疲れの出過ぎというところを止めてくれますので、カボスや梅干しなどを少し添えることが効果的です」
また、ナシやダイコン、ヤマイモなど粘り気のある食材をはじめ、キュウリなど体の暑さを冷ます食材もおすすめとのことです。

薬膳おおいた・小倉倫子さん:
「夏バテ防止メニューは全体が白っぽく仕上がると思います。
白い食材というのは体に潤いを入れてくれる食材になります。
夏の間にかいた汗や気というものを白い食材で補っていくという食べ方が今の時期にふさわしいです」

大分放送
posted by 小だぬき at 08:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「1日1万歩」はやりすぎ? 歩数目標のミステリー 元は日本発キャッチコピー=@最新の研究での見解は

「1日1万歩」はやりすぎ? 歩数目標のミステリー 元は日本発キャッチコピー=@最新の研究での見解は
8/23(水) withnews

「1日1万歩」はやりすぎだった――?
 新たな医学研究によって、そんなことが明らかになっています。
そもそも「1万歩」という目標が設定されたのはなぜなのでしょうか。
最新研究でわかった健康のメリットを得られる歩数の目標とあわせて紹介します。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)

別に歩かなくてもよかった
運動には根性論がついて回りますが、中には科学的根拠の弱い言説もあります。
例えば健康のために「1日1万歩」を目標にして歩くように、というフレーズを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、実はこれは“やりすぎ”だったことが、最新の研究により明らかになりつつあります。

長年、国の健康対策のバイブルだった厚生労働省の『健康日本21』(2000)では、健康のために「歩数を確保すること」を勧め、「1日1万歩」を理想としています。
この「1日1万歩」の根拠になっているのは、身体活動量と死亡率との関連を調査した研究結果です。
この研究結果を詳しくみると、「運動などによる身体活動量が多い人ほど死亡リスクが低く、その消費カロリーの目安は週2000kcalだった」というものです。
そう、これは特に歩数が関係するわけではない研究なのです。
では、どこで歩数が登場したのか、このミステリーを振り返ってみます。大元の論文(※1)は、医学の名門誌であるThe New England Journal of Medicineに1986年に掲載されたもの。
健康と運動の関連を調べた古典とも呼ぶべき研究です。

この研究では、35〜74歳の1万6936人を対象に、12〜16年間の追跡調査を行いました。
そして、週あたりの身体活動量が2000kcal以上のグループでは、2000kcal未満のグループに比べて、総死亡率が28%低いという結果になりました。
また、いずれの年齢層でも、身体活動量が多い人ほど、総死亡率が低下することが示されました。
1週間に約2000kcal、つまり、1日約300kcal。運動に換算すると、普通のペースで約1000歩を歩いた場合(約10分)の消費カロリーが、およそ30kcal。
だから1日300kcal消費するのに必要な歩数は約1万歩(約1時間40分)ーーこれが「1日1万歩」が目標とされる根拠の一つです。
ということは、1日300kcalを消費できるなら、別に歩かなくてもいいのです。

面白い比較として、例えば「風呂掃除をする」「掃除機をかける」といった家事は、1回で約30〜40kcalを消費するとされます。
こうした日常的な活動の積み重ねで合計300kcalを達成しても、もちろんOKです。
というよりも、一般的な感覚として、「毎日、約1時間40分ウォーキングせよ」と言われたら、うんざりですよね。
アフターコロナで在宅勤務がある程度は広がった現代社会において、世間ズレしたアドバイスという印象も否めません。
※1. Physical activity, all-cause mortality, and longevity of college alumni - N Engl J Med. 1986 Mar 6;314(10):605-13.

「1日1万歩」はやりすぎ?
ではなぜ、「1日1万歩」が“理想”になったかというと、日本で誕生した健康グッズが影響していたとする説があります。
その健康グッズとは「歩数計」。
この歩数計のことを「万歩計」と呼ぶことがありますが、これは1960年代に歩数計を開発した日本の山佐時計計器株式会社の登録商標です。
同社公式サイトによれば、80年代に「1万歩目安」がメディアに爆発的に取り上げられ、「万歩計」という名称が広く知れ渡ったそう。
この勢いは国内に止まらず、ハーバード大学の人類学者、ダニエル・リーバーマンは、近著『Exercised』で、このコンセプトが健康の基準として、世界中に普及したと説明しています。 しかし、健康目的なら「1日1万歩」の必要はないことも、近年、明らかになってきました。 2019年に発表された高齢女性の約1万7000人を対象としたアメリカの研究(※2)では、あまり歩かない人(1日2700歩以下)に比べて、1日4400歩を歩く人は、その後4年間の死亡率が低いことがわかりました。

そして、死亡リスクの低下は1日約7500歩で最大になり、1日1万歩やそれ以上のウォーキングをしてもさらなるメリットは得られないことも明らかになりました。
同様の研究(※3)が、アメリカ国立がん研究所などの研究者たちにより、2020年にも行われています。
この研究では、1日8000歩から1万2000歩を歩く人は、1日4000歩の人と比べて、がんなどを含むあらゆる原因での死亡リスクが低くなるとわかりました。

これらの研究から考えられるのは二つのことです。
一つは、健康を意識するなら「1日1万歩」を絶対の目標にする必要はないこと、もう一つは1日4000歩くらいから健康上のメリットを得られ、歩くなら8000歩くらいで十分な目標になりそうだということです。
コロナ禍で在宅勤務にシフトした人も多く、この数年間、歩数は減りがちだったのではないでしょうか。
出勤する日は1万歩をクリアできても、外出しない日は1000歩を切る、といったことも起き得て、日々の差が大きくなっています。
それなのに「1日1万歩」を目標に掲げられてしまうと、やる気も萎えてしまうのが正直なところ。
これは主に80年代に広がったスローガンであり、『健康日本21』も20年以上前にスタートした計画です。
コロナのような未曾有の状況を予期せよというのは酷な話なのですが、歩数計がスマートフォンに組み込まれた昨今では、「万歩」から離れることも必要と言えそうです。

※2. Association of Step Volume and Intensity With All-Cause Mortality in Older Women - JAMA Intern Med. 2019 Aug 1;179(8):1105-1112.
※3. Association of Daily Step Count and Step Intensity With Mortality Among US Adults - JAMA. 2020 Mar 24;323(12):1151-1160.

【連載】「健康にいい」の落とし穴 世の中で「健康にいい」と言われていることや、イメージされることは、よく考え直してみたり、正しい知識を持ったりすると、実は“そうでもない”ばかりか、かえって健康から遠のいてしまうことも――。身近なトピックをフカボリします。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする