2023年09月01日

氷で冷やすのはNG? 消防局が教えるやけどの対処法に「知らなかった」

氷で冷やすのはNG? 
消防局が教えるやけどの対処法に「知らなかった」
2023.9.10 views

子供の事故で上位3つに入るほど多いのが、『やけど』。
シャワーの設定温度が高すぎたり、ラーメンや味噌汁などの熱い食べものをこぼしたり、日常のさまざまなシーンで子供のやけどが発生しています。

そういった場面にいざ遭遇すると、「どうしたらいいのだろう」と焦ってしまい、誤った対処でかえって悪化させてしまうことも。
兵庫県尼崎市にある、尼崎市消防局のInstagramアカウントが紹介する対処法を学べば、急なピンチから子供を守ることができるかもしれません。

子供のやけどの対処法
尼崎市消防局は、子供のやけどの対処法を4つ紹介しています。

まず1つ目は、水道の流水で痛みが和らぐまで、10〜20分冷やしてあげること。

2つ目が、氷や氷水で冷却しないことです。
熱いものに触ってしまった後は、とにかく冷たいもので冷やしたくなりますが、急な冷却はかえって悪化させてしまう可能性があるとのこと。 常温の水道水で冷やすようにしましょう。

3つ目に紹介したのは、水ぶくれは触らずにそのままにしておくこと。
水ぶくれには、傷口を保護する効果があるため、むやみに触ったりつぶしたりせず、そっとしておくのがよいでしょう。

最後に4つ目は、服が燃えて皮膚にくっ付いてしまった場合は、服を脱がさずに流水で冷やすこと。

尼崎市消防局によると、これらの応急処置をしておけば、悪化することはないといいます。
続けて、どうしようもない時には、119番通報をしてほしいと呼びかけました。

 [文・構成/grape編集部]
posted by 小だぬき at 16:13 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

関東大震災と朝鮮人虐殺 差別意識を克服できたか

記者の目
関東大震災と朝鮮人虐殺 差別意識を克服できたか
島袋太輔(東京社会部)
2023.9.1 毎日新聞東京朝刊

 私たちの社会は、おぞましい虐殺の根底に横たわる差別意識を克服できているのだろうか。
10万人超の死者・行方不明者が出た関東大震災が、1923年9月1日の発生から100年を迎えた。
犠牲者は建物の倒壊や火災旋風に巻き込まれただけではない。
朝鮮人による武装蜂起や放火が起こるとの流言を引き金に、自警団に命を奪われた人もいる。
だが、残念ながら各地で起きた虐殺は、全容が解明されることなく、歴史に埋もれそうだと言わざるを得ない。

思い込みからか 沖縄県人も被害
 虐殺の全体像に関する公的な記録は残っていない。
内閣府中央防災会議の報告書(2009年)は、震災における死者・行方不明者全体の1〜数%が虐殺されたと推計した。
朝鮮人虐殺とも呼ばれるが、朝鮮人と疑われるなどして殺された日本人も100人超に上るという。

 教科書に載る歴史上の出来事をどう取材するか。
私は春先から、当時の新聞など資料を読みあさった。
関心を抱いた事件の一つが、「沖縄県人」の肩書とともに記された人を含む男性3人が命を落とした「検見川事件」だ。

 1923年11月27日の東京日日新聞(毎日新聞の前身)は、自警団の関係者たちの刑事裁判について報じた。
記事によると、同年9月5日、千葉県検見川町(現在の千葉市花見川区)の自警団が東京から避難してきた3人を日本刀や竹やりで殺害したとされる。
 出身地の沖縄にまつわる歴史的な出来事を自費出版などを通して記録している東京都葛飾区の島袋和幸さん(75)によると、3人は朝鮮人の襲来を警戒していた自警団に捕まった。
警察官は3人が朝鮮人ではないと判断したが、駐在所は群衆で混乱し、自警団が虐殺に及んだという。
 島袋さんは、沖縄出身の男性が殺された理由について「ウチナーンチュ(沖縄の人)はなまりがあるから、朝鮮人と思い込まれたのでは」と推測する。
残る2人は秋田、三重両県の出身だ。
2人もなまりを理由に殺されたとみる。

 似たような話は他にもある。
震災当時、上京していた沖縄出身の歴史学者、比嘉春潮(しゅんちょう)(1883〜1977年)の著作によると、比嘉は「朝鮮人だろう」「言葉が少し違う」と詰問されるなどした。
虐殺を免れたのは警察官の知人がいたからだ。
 虐殺された日本人は新聞でフルネームが掲載される一方、朝鮮人は「氏名不詳」とされるのが大半だった。
公的機関から連絡があったとは考えづらく、朝鮮人は大切な人の死を知るのは難しかっただろう。

一方で沖縄の男性の場合、なぜか新聞各紙で名前の表記が異なっていた。
日本人でもその死を遺族が気づけたかどうかは分からない。
 私が検見川事件に関心を持ったのは、殺された男性と同じく沖縄で生まれ育ったからだ。
大学に進んで沖縄を出た私は「内地で差別されていないか」と祖母(91)に心配された。
戦争の前後に出稼ぎで県外に行った人の多くが、飲食店で「沖縄出身者はお断り」の張り紙を目にするなど、つらい経験をしたからだ。

繰り返さないため教訓の共有が重要
 朝鮮人だから武装蜂起をしようとしている、知らない言葉を使うから、発音が滑らかでないから朝鮮人に違いない――。
こんな思い込みは、どれも差別意識の産物に他ならない。
試しに朝鮮人を日本人に置き換え、自分が海外にいると想像すればよく分かる。
 幸いにも私は出身地を理由に差別された経験がない。
でも、差別意識がうかがえる出来事は今も散見される。

沖縄では16年10月、米軍施設工事に反対する市民を機動隊員が「土人」という言葉で侮蔑した。
在日コリアンが集住する京都府宇治市のウトロ地区で起きた21年8月の放火事件を巡り、京都地裁判決(22年8月)は「偏見や嫌悪感に基づく、独善的かつ身勝手な犯行」と指摘した。

 こうした状況を踏まえ、島袋さんは「(隣人への)無関心が行き着く先は差別だ。(虐殺の)教訓を学ばないから差別は繰り返されるのではないか」と危機感を募らせる。
 虐殺の聞き取り調査に取り組む市民団体によると、当時を知る住民からは証言を拒まれることが多いという。
不都合な記憶について加害者の多くが口をつぐみ、周囲に語っていないことは想像に難くない。
被害者の遺族は、身内が虐殺に遭ったと特定できていない可能性もある。

 負の歴史を直視して実態を解明し、同じことを二度と起こさないように教訓を共有する――。
私たちは節目の時を迎えるにあたり、そんな機運を高められたのか。
非業の死を遂げた犠牲者を追悼する人もいるが、社会の大多数が同じ立場だとは言い切れない。
記者としてできることを考えたい。
posted by 小だぬき at 10:19 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「政府は赤字が基本?」100人の島に例えて解説

「政府は赤字が基本?」100人の島に例えて解説
日本国が存続する限り、円の価値は消えない
ムギタロー : 経済評論家
2023/08/31 東洋経済オンライン

値上げや増税で経済を圧迫している日本。
結局国の赤字はどれほど問題なのか? 債券の価値って? 知っているようで意外と知らない「お金の働きと仕組み」をわかりやすく説明した『東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!』著者のムギタロー氏が解説します。

国の赤字はどれくらい「ヤバい」のか?
「日本の借金が○○兆円」とニュースなどでよく見ます。
この借金というのは「債務」のことです。
前回の記事で解説した通り、日本政府は、国債を約1000兆円発行しています。
日銀は約600兆円の「円」を発行していて、国債を約500兆円買い取っています。
国(日本政府+日銀)の資産と債務をざっくり整理すると、以下のようになります。

<国(日本政府+日銀)の合計資産> 国債500兆円分
<国(日本政府+日銀)の合計債務> 国債1000兆円分+通貨発行600兆円分 通貨発行600兆円分が債務として計上されているのに違和感があるかもしれませんが、日本銀行が1万円札を発行すると、日本銀行の債務が1万円分増えることになっています。
日本銀行の公式HPにも「銀行券は……(中略)……現在も負債として計上しています」という記載があります(※負債=債務)。
国(日本政府+日銀)は債務超過していますが、これは問題はありません。
前回の記事で解説した通り、ただ、国による「通貨発行量」を計上しているのと同じことだからです。
世界の主要国政府も債務量を増やしている 以下のグラフは、2001年時点でのその国の債務量を「1」として、債務量がどのくらい変化したかを示すグラフです。事実として、世界中の政府も債務量(≒通貨発行量)を増やしていっています。

(2021年時点では)日本の政治は「政府と日銀を合わせて考えても債務超過している。ヤバい。債務を減らそう! 増税したり支出を減らしたりしよう!」という方向に動いています。
これを前々回と前回の記事で示した西遊記の孫悟空の例え話で言えば、「え、オラとカッパ君を合わせたら、債務が1000億エン分もあるじゃねえか! なんかやべえぞ。無駄遣いをやめよう。
財源が足りない! 増税しよう! もってくれよ国民の身体! 消費税3倍だあぁああ」と騒いでいるような状況になります。

実際は、孫悟空が「強い」限り、債務不履行にはならないのでまったくヤバくはありません。
もしも孫悟空とカッパ君が「エンが足りないから、保育園増やせねえし、保育士の給料上げられない。すまねえ」と言ったら、どうでしょう。

「財源が足りない」という誤解
「いや、エン作ってるの君らなんだから、エンが足りないことはないだろう」と思うのは当然です。
もちろん短期間でとてつもない量のエンを発行したら、島の物価が高騰するなど混乱する危険はあります。
また「保育所を一気にそんなに建てられるほど大工がいない」といった物理的制約もあり得ます。
これらについて心配するのは真っ当なことです。
しかし「エンが足りないから」「オラの債務量が多いのがヤバイから」という理由で、孫悟空が判断を変えるのは、明確に間違いです。
これは意見や考えではなく、単なる事実です。

エンを発行するのはそもそも国ですし、通貨発行すると、国の債務に計上されるため、債務は増えて当たり前だからです。
以上のように、「国は通貨を発行できるので、いろいろとやれること」があります。
でも実際のところ世間は、経済について誤解だらけで、やれることもやらないでいたり、やらなくていいことをやったりしています。

なぜ誤解があるのでしょうか。 原因のひとつに、「日本円」というものを、塩や金属のような「有限な商品貨幣」のようなイメージで捉えている人が多いということがあげられます。
仮にもし、「塩」を税収で集めて、政府が「塩」で支払いをしていた場合、政府の財源は塩の物理的な量に依存するでしょう。
世の中の「塩」の量が増えすぎれば、1人の人間が必要とする塩の量は知れているので、塩の価値は暴落し(急激なインフレ)、限りなく0に近づいていくでしょう。
そこら中に塩が落ちているレベルになれば、塩はお金として機能しなくなるのです。
だから、「塩を増やしすぎるな」「海外から日本の塩に価値を感じてもらえなくなるから」という発想になっても仕方ありません。

しかし、円のような「信用通貨」は違います。
円の量を増やして、物価上昇を進めたところで、「去年は住民税10万円だったけど、今年から30万円」というように、「自由(逮捕されない)の値段」が変わるだけです。

円が増えても価値がゼロになることはない
外国に「日本の産物を買いたい」と思う人がいるかぎり、 「日本のモノを手に入れるには、生産者の日本人に対価を渡さなければならない」 →「日本人は、円に価値を感じるから、円で払ってほしいようだ」 →「誰か、俺のドルを円と交換してくれないか?」 ということになるので、円の需要は消えません。

円とドルの相場は動きますが、日本の産物に魅力があり、国家が存続する限り、日本円の価値がゼロになることはありません。
仮に外国の人が「円そのもの」に価値を感じなくても、日本人にとっては「税金として払えば逮捕されない(=自由)」という価値があるので、円の需要は消えないのです。
よって、「日本が、円を発行しすぎると、インフレが止められなくなるのでは?」という考えは、円を塩のような商品として捉えているために起こる誤解です。
もちろんインフレにはなります。
国が通貨を発行して国を運営する限り、通貨の量が増えていくから当たり前です。

だから緩やかなインフレが良いとされているのです

(※物資の供給不足のときは、インフレし続けることはあります。
飢えた人が100人いるのに、食料が20個しかない状況であれば、通貨を増やしても食料の値段は高騰し続けます。
ジンバブエドルの例などがそれにあたります。
これは物資不足が原因であり、通貨の発行しすぎが直接の原因ではありません。
他にも極端なインフレの例としてギリシャ危機やロシア危機がありますが、これらについても外貨建て債務が原因であり、通貨の発行しすぎが直接の原因ではありません)。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする