2024年03月01日

「民主主義って何?」にスパッと答えられるか…政治学者が「多数決と民主主義は関係がない」と言い切るワケ

「民主主義って何?」にスパッと答えられるか…政治学者が「多数決と民主主義は関係がない」と言い切るワケ
2024年02月29日 PRESIDENT Online

職場でも学校でも国会でも、「何かを決めるとき」によく使われる多数決。
政治学者の岡田憲治さんは「民主主義と多数決はイコールと考えられることが多いが、それは誤解だ。
民主主義と多数決は、ほとんど関係がない」という――。
※本稿は、岡田憲治『教室を生きのびる政治学』(晶文社)の一部を再編集したものです。

■多数決と民主主義はほとんど関係がない
「言い負かす」とか「バッサリとやる」という言葉を、実際の政治の現場でイージーに使うと、僕たちの問題を解決するための「選んで・決めて・受け入れさせる」という政治の流れも、かなり強引なものとなってしまう。
今の君たちの教室では、昔に比べると民主主義という言葉が登場する頻度が下がっているから、「それって何だっけ?」と尋ねられた時には、何だかぼんやりとして、ギリギリのところで「多数決のことですよね?」と苦しい答弁となる。無理もない。

そこにクリアな言葉をあてがうことができる大人もたくさんはいない。
先日、君たちの両親ぐらいの人たちが集まったイベントでスピーカーとして話をしたが、民主主義をそれなりの自信をもって説明できる大人はあまりいなかった。
おそらく脳内に「タスウケツ……?」という音がよぎったかもしれない。
大事なことをいきなり言うのがこの本の特徴のひとつだから言っておこう。
民主主義と多数決は基本的にはほとんど関係がない。

誤解が積み重なっていることはもう一度念を押して言っておかねばならない。

「多数決≠民主主義」である。

何を言っているのか、この教授は? 眉をひそめた諸君もいるかもしれない。
しかし、そうなのだ。すまん。これもまた今まで黙っていた。謝る。

たとえば、クラスの学園祭の出し物を決めた時のことを振り返ってみてほしい。
授業の後のホームルームのよどんだ空気と、なかなか決まらないイライラと、いくえにも重なる相手の気持ちへの先回りなどで、クタクタになった、あの光景だ。

「模擬店やる人はやって、アート=ミュージック系もやって、残った人はサポにまわる」という結論は、過半数をわずか1票上回っただけのギリギリの決め事だった。
だから、「決まったって言ったって、半分くらいのクラスのやつに推されてない」から、「こんなんでいいのかな?」とモヤモヤしたのだ。

でも、1票でも多いのだから、「合意が成立したかどうかはかなり怪しいけれど、成立したことにする」となったのだ。そう。モヤモヤしてギリギリだったのだ。


■「多数決=民主主義」と決めつけると…
そこに、クラスのひとりの苦労人で弁が立って、口ぐせが「勉強してから言えよ!」のトオル君が出てきて、「決まった以上、ガタガタ文句言うなよな! 決まったことが不満なら、もっと頑張って多数決で勝てばよかったんだよ!」なんて言ってきたら、みんなはどう思うだろうか?

「決まった以上は仕方がない」とキッパリと先に進むのだろうか?

「決まったけど、本当には合意はできてない」とモヤモヤするのだろうか?

こういう時に、多数決=民主主義と決めつけてしまうと、こんなことをさらりと言ってしまうのだ。
「投票に勝った以上、あとは勝った側がぜんぶ好きなようにやるからな」
「え? それはちょっと強引なんじゃない?」
「悔しかったら勝てばよかったんだよ。文句言う資格ねぇよ」
こういうことは起こるものだ。

■多数決のマジック
ちなみにこの強引な理屈を政治学では「多数決の勝者への統治の白紙委任」と呼んでいる。
議会で過半数を獲得した党派は、その後の議会運営をすべて自分たちだけの決定でやってよいという権限を得たのだ、という理屈だ。「勝者総取り方式」なんていう言い方もある。

中高一貫6学年で1学年4クラスあり、クラスごとに40人いるとする。各クラスの意見を聞いて、ぜんぶで24クラスの意見を集約して合意を作ろうとするなら、ひとクラス40人のうち、数字的には各クラス21人賛成すれば、全校生徒960人中、504人しか賛成していなくても24全クラスの意見の合計となる。

そしてこれが「合意してないのに合意したことになってしまう」多数決のマジックだ。

全クラス24の意見が同じなのだから、それを受けた運営委員会は、フリーハンドで何でも好きなように運営できることになる。というか、「好きに運営できるはずだろ? 多数決なんだから。民主主義なんだから」と言われてしまう可能性がある。
でも、限られた時間の中で、およそ「このあたりで決めておいて、細かいところは、いろいろ意見の違いがあることをふまえて、進めていこう」と考えているモヤギリ派からすれば、ちょっと待ってよ、である。

学園祭でのクラスの出し物の話に戻せば、なかなか難しいことだとわかってはいるけれど、できれば決め事に関して大きな意見の違いを残して先に進めていきたくはないと多くの人は思っているのだから、「出し物は○○に決まりました」という多数決の結果があったからといって、それに賛成する人たちが「基本ぜんぶオレ・ワタシらの好きなようにやるから」ということまで認めたわけじゃない。

あくまでも、多数決というのは、時間の制限の中で、「今、この時点での最大風速はどれくらいか?」を計測したものに過ぎないのであって、人間の考えや気持ちはまさに天気のように、あるいは別の事情(先生が突然、「PTAからの寄付が増えて予算が2倍になった」と言ってきたり)で変わりうる。

■民主主義は面倒くさい
だから、本当に正確にみんなの気持ちや考えを反映させたければ、できればもっと頻繁に風速と温度と気圧の計測をしたほうが、よりモヤモヤの少ない決定になるはずだ。
でもそうそう測定ばっかりやっているわけにはいかない。
だから、「確かにあの時の風速はあれくらいだった」という記憶を残しつつ、それでもみんなの様子を見て、話して、聞いて、なるべく多くの人のエネルギーを集めて進めていきたいのだ。

学問的な定義はちょっとわきにおいて、「多くのメンバーの力やセンスをなるべく集めて、一人ではできないことを協力してやるための方法」くらいに民主主義を考えれば、やっぱり「多数決=合意」とざっくりとやってしまって、「後はフリーハンドだから」というのは、逆に民主主義に反するやり方なのだ。

その意味で、じつに面倒くさい。民主主義とは。時間もエネルギーもかかる。

でも、そう考えれば、僕たちがどうして議論などという面倒くさいことをやるのかがわかるだろう。
どうして「はい論破!」と10秒だけ爽快な気分になってもしょうがないのかがわかるだろう。
どうして、合意をつくるということが、基本的には上手くいかないのかがわかるだろう。

「やれやれ。そんなウザいことばっかりなら、もういいよ。
ともゆきさんとトオル君に決めてもらえばいいじゃん。そうそう風速の測定ばっかりやって、また戻して、話して、帰りも遅くなって、疲れるし、どうせ何割かは最初からあんまりやる気ない人もいるし」……そう考えたくなる。

僕だって、時々そういう気になることもある。職場の教授会なんかでも、時々本当に疲れてしまうこともある。

■多数決を使うための前提
でも、多数決で勝ったんだから勝ったやつの総取りでよしとすると、その後とんでもないことが起こった時には、もうあまり止める方法が残されていないのだ。
なぜなら、「多数派にぜんぶゆだねるって決めたじゃないかよ!」と声のでかい、押し出しのいい連中が強気で封じ込めてくることが多いからだ。

君たちも知っているあのドイツのヒットラーが首相になった時、議席の足し算で多数を握っただけで「憲法を停止してすべての権限をヒットラー個人に与える」という無茶苦茶な法律を、わずか40分の議論(のふり)でガッシャーンと決めてしまった。
その後、ドイツが破滅寸前まで追い詰められる侵略戦争をしたことは有名な歴史だ。
そういう歴史の教訓を知っている以上、言うことはこうだ。

多数決は政治の道具の一つだが、それを使うためには「何のために議論するのか」をみんながそれなりに共通して理解していることが必要だ。

■空気ではなく言葉を読む
「そんな(ヒットラーのような)ひとりの人間に、全国民の運命をゆだねるようなことをしてはならないと思う」と、勇気をもって発言した者に対して、君たちはこう言えるだろうか?

それって、あなたの感想ですよね?

ヘンテコリンな決め事がなされる時は、多くの場合は話の中身や理屈の組み立てのできの良さ悪さではなく、そういう方向に行く空気だったし、流れ的にそれに逆らえなかったしモヤモヤしてたけど、キャラを変えるわけにはいかなかったからしょうがなかったという理由でそうなる。

空気や流れやキャラ演じではなく、言葉を行き交わせて議論をすることは、面倒でもやっぱりものすごく大切なことなのだ。
空気じゃない。言葉を読もう。話そう。「そうかなぁ」でもいい。
話そう。モヤモヤし続けるかもしれないけれど。

話そう!

でもいいよなぁ。岡田さんは。……え?
話せるじゃん。言葉使えるじゃん。言えるじゃん。
みんなの前で。キョージュだし。ん? そうだけど?

オレ・ワタシ、言えないんだよ。い・え・な・い、のよ。そうなのだ。実は、まだそこの話に触れていないのだ。

いうか、これまでの政治や民主主義の本は、だいたいみんなここに踏み込まないで、その手前で「言いましょう!」「声を上げましょう!」「シュタイテキなシミンになりましょう!」と呼びかけて終わりにしたのだ。

つまり「言えない人たち」のことはとり残して、先に進んだのだ。

しかし、この本は違う。言ったでしょ? 「はじめに」で。

まだ誰もトライしたことのない本を書いたんだって。

「言えないよ」だったよな。
言えないよな。そうそう言えない。言えれば言うが、言えない。
そのことは、きちんと受け止める。そして、ちゃんと言っておく。言えないこと自体は、善悪や正誤の話とは関係がない、と。無理に言わなくても、まずはそのままの君たちを肯定する、と。

でもそれは放置するということではない。そんなことをするはずがない。

君たちの居場所を言葉にしておくということだ

---------
岡田 憲治(おかだ・けんじ)
政治学者
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2024年03月02日

教員「あの人とはわかり合えない」の前に必要な思考法、価値観が違っても対話を

教員「あの人とはわかり合えない」の前に必要な思考法、価値観が違っても対話を
3/1(金) 東洋経済

学校教育については、保護者や地域住民をはじめ、政治家、企業人、教育の専門家まで本当にいろいろな人がさまざまなことを言う。
それだけ多くの人の関心が高い分野ということもあるが、学校現場からすれば「わかっていない」「もう放っておいてほしい」などと思ってしまうことも中にはあるかもしれない。
だが、教育研究家の妹尾昌俊氏は「意見や価値観がちょっと違うと思ったときも少し立ち止まって吟味してほしい」と話す。現場の先生たちの経験値や専門性へのリスペクトも大切にしている妹尾氏からの提案に少しの間耳を貸してほしい。

「文部科学省は学校現場の窮状を、わかっているんですか?」
「教員の味方だと思っていたのに、あなたは文科省寄りの人ですか?」
「現場経験のない人には、わからないと思います」
私のごく限られた経験の範囲内での話になるが、こういうコメントをもらうことは、何度かある。

年間100回以上、校長や教職員などに向け講演や研修をしたり、ときどき飲みに行ったりもするので、それなりに学校の先生たちと話をする機会はあるほうだと思う。
冒頭のようなコメントは、研修会などの比較的公式な場で聞くこともあるし、X(Twitter)などのSNSで現役の教員と思われる方からのときもある。

こうした不満が出てくるのは、これまでの政策や保護者・社会からの期待などによって、学校のやることが大したスクラップがないにもかかわらずビルド&ビルドで積み重なり、大勢の先生たちが疲弊しているからだろう。
そこは共感するし、解決に向けて、私もできることをもっと取り組みたいと思う。だが、いくつか疑問も湧く。

・いつから、どういう意味で、文科省は学校の「敵」になったのか。
・そもそも「敵」か「味方」かという単純な図式で、世の中の複雑な状況を理解してよいものだろうか。
・経験がないから理解してもらえない、わかり合えない、という理屈(ロジック)は正しいのか。
そうして対話や合意形成を安易に放棄してよいものか。 など

子どもたちの伸ばしたい資質能力として、「自分のアタマで考えられること」と述べる校長や教職員は多い。
こういうことを書くと、また嫌われるかもしれないが、校長や教職員の中には、ちょっと立ち止まって考えること、批判的、論理的に思考することを飛ばしすぎている人もいるのではないだろうか?

問題は保護者や世間にもあるのでは?
もちろん、問題は教職員だけにあるのではない。
当の先生たちも、こうしたレッテル貼りやステレオタイプ的な決めつけに、傷ついたり、苦しんだりしたことがあるのではないだろうか。
例えば、保護者や地域の人から、次のような言葉を浴びたことがある人もいるだろう。

・学校の先生は社会人経験がないから、世間知らずだ。
・担任の先生は、うちの子の味方をしてくれないんですか?
・子育て経験のない先生に、わかるんですか? など

こうした決めつけは、一面的である。
一例として「学校の先生は社会人経験がないから、世間知らずだ」について考えてみよう。

「世間知らず」の意味は多義的で、言う人にとって都合のいいように使われている可能性もあるが、ここでは「世の中で常識的なことが学校では通用しないことがある」というくらいの意味で進める。
例えば、身内に敬語を使ったりするとき(例:校長先生は今出張されています)や合理的な理由が疑わしい校則が残っている場合などに、そう言われることがある。
まず、「学校の先生は社会人経験がない」については、確かに最近のデータでも小中学校教員に採用された人のうち、学校以外の企業等での勤務経験のある人(アルバイトを除く)は3〜4%にすぎない。

だが、だからといって、世の中の常識的なことが学校で通用しないとは、限らない。
むしろ、とくに公立小中学校では、さまざまな家庭環境の子どもたちや保護者を相手に、先生たちはやりとりしている。
相当コミュ力が高くないと、できない仕事だと思うし、いろんな家庭を知っているという意味では、平均的なビジネスパーソンよりも社会を理解している部分もある、と言えるかもしれない。

他方、「学校の先生は社会人経験がないから、世間知らずだ」などと言う(あるいは考える)人の中にも、せいぜい、企業等での経験は1社か2社という人も多いのではないだろうか。
しかも、その業界や企業で独特の慣習やガラパゴス化している癖が残っていることもある。
例えば、毎朝ラジオ体操をやる企業がある。その企業にとっては常識や慣習であっても、外部の人から見れば奇異に映るときもある。「世間知らず」はお互いさまというところかもしれない。

カテゴリー適用法に注意
これに関連して、沼上幹著『経営戦略の思考法』(日本経済新聞出版社)の中に、「カテゴリー適用法」、「要因列挙法」、「メカニズム解明法」という3つの思考法が紹介されている。

「カテゴリー適用法」とは、ある現象をより大きなカテゴリーの一員に位置づけることで説明できると考える思考法を指す。だが、これは分類しただけで、「なぜ」には答えていない。
例えば、「なぜ、スズメは飛べるのか」と子どもに質問されたとき、「鳥だから」という答えでは理由の説明になっていない。
ニワトリ、ペンギンなど飛べない鳥もいるからだ。

「要因列挙法」とは、ある現象の原因を多数列挙して網羅的な検討をする思考法だが、時間的な順序関係あるいは要因間の因果関係を無視してしまうことの問題がある。

「メカニズム解明法」は、さまざまな要因や人々の行為と相互作用に注目し、時間的展開の中でこれらが複雑に絡み合う様子を解明する思考法だ。

先ほどの例に戻ると、「学校の先生=学校以外の勤務経験がない。だから、世間の常識とズレる」というのは、「カテゴリー適用法」に近いと思う。
何となくそうかなと思ってしまいがちだが、よくよく考えてみると、そうは言い切れないことも多く、説明力、説得力は低い。別の説明方法を考えてみよう。

教員の中には、すべての人がそうとは言えないが比較的、自身が中学生などのときに学校のやり方や教育活動に好意的、順応的だった人が多い。
学校がイヤだった人の多くは、わざわざ手間のかかる教員免許を取ろうとしない。
そのため、教員として就職、赴任した後も、学校の慣習ややり方を疑問視する人が比較的少なくなる。

しかも、慣習や学校の“常識”を抜本的に見直そうとすると、手間、労力がかかるので、忙しい教員にとっては避けたいというマインドが働きやすい。
結果として、学校の昔ながらの慣習が残りやすく、その一部に世間や社会常識から見れば、奇異に映るものもある。

こうした説明内容の妥当性は別途検証されるべきだが、「メカニズム解明法」に近いと思う。

同様に、「文科省の役人や私のような外部のコンサルタントは、学校に勤めていない人だ。
だから学校のことをわかっていない」というのも「カテゴリー適用法」だと思う。
そうは言えないケースもあるし、外部の人間だと学校のことはわからない理由が説明されていない。

もちろん、いわゆる「現場経験」があるからこそ、見えてくることもあるとは思う。
実際に子どもや保護者に接しないと、深く理解しにくいこともたくさんある。
教育については、私も含めて、いろいろな人が「あーだこーだ」と意見、批判しがちだが、現場の先生たちの経験値や専門性へのリスペクトは大切にしたい。

同時に、自身の経験を過信しすぎるのも危険だ。
教職員が述べる「現場経験」というのは、全国で約3万5000校(小中高、特別支援学校等、令和5年度学校基本調査)もある中のたかだか数校のことだ。

教職員も、あるいは学校外にいる人も、「オレが知っていることがいちばん」という前提から物事を捉えるのではなく、「自分の知っている世界はごく狭い」という前提に立ったうえで、お互いの知見やアイデアを持ち寄って、よりよく考えていくという姿勢のほうがよいのではないか。

「主体的で対話的で深い学び」とは、子どもたちだけではなく、大人の私たちこそ、実践していくことだ。

職員室は論理的で、対話的か?
さて以上は、学校のウチとソトの間の対話や議論の必要性についてだが、職員室の状況はどうだろうか。

いろいろな学校や場合があるので、十把一絡げに論じるのは乱暴だが、教職員からよく聞くのは、声の大きな先生が意見を述べると、職員室が「しーん」となって、そのあと意見交換や議論にならないという話。
しかも、論理的で説得力のある意見やアイデアならまだしも、大ざっぱな主張や感情論が通ることもあるようだ。

例えば「この行事は子どもたちも楽しみにしていて、せっかくコロナが5類になったのだから、復活させるべき」という主張が出る。
「児童生徒が楽しみにしていること=学校としてはやるべきこと」というこの主張の前提は妥当と言えるだろうか。
楽しみにしていることだからといって、時間(教職員も子どもも)、人手は有限なのだから、何を選んで、何を捨てるかは考えなければならない。

あるいは「部活動は生徒指導の一環でもあるので、外部指導者や地域に任せるのは難しい」という主張がある。
ここでいう生徒指導とは何かということも議論していくべきだろうが、生徒指導=教員がやるべきことと単純に当てはめると、際限なく教員の仕事は広がってしまう。
また、生徒指導上の問題や悩みがあるとすれば、それは部活動だけで解決するものとは限らない。

もう1つ、別の例をあげよう。
「校則をゆるめて、数年前の荒れていた頃の中学校に戻ったら、どうするんだ?」という主張がある。
生徒の頭髪や服装への細かな校則が、なぜ問題行動などの抑止になるのかが説明されていない。

逆に、校則をゆるめて、例えば化粧をする生徒が出てきたとして、それが問題行動などと言えるのだろうか。
もしくは、校則の必要性を述べる人の前提として、「派手な髪型や化粧=中学生らしくない」、「中学生らしくないこと=制限してよい」という「カテゴリー適用法」があるのかもしれない。

誤解してほしくないのは、率直な意見やアイデアを述べるな、と申し上げているのではない。
むしろ、思い付きや素朴な疑問などが議論を深めることにつながるときもある。

ただ、アイデアや主張の背景にある論理が妥当なのかどうか、前提としている認識は正しいのかどうかなどを、少し立ち止まって吟味していくべきときもある、ということだ。

意見や価値観がちょっと違うなと思う人たちとも、対話、議論することを楽しんでほしい。
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2024年03月03日

情報力を磨かなければ命を落としかねない…医師・和田秀樹「バカほど搾取される日本の構造」

情報力を磨かなければ命を落としかねない…
医師・和田秀樹「バカほど搾取される日本の構造」
2024年03月02日 分PRESIDENT Online

激動の時代を生き抜くにはどんな能力が求められるか。
医師の和田秀樹さんは「この国において唯一のチャンスとも言えるポイントは、『金持ちの子どもが勉強しない』ことだ。
世界の先進国の中で、その国の代表的な名門大学に小学校からエスカレーターで行ける国は日本だけで、金持ちほど喜々としてそういう学校に子どもを入れている。
しかし、受験をしないと『リスクヘッジをしないと問題が解けない、勝てない』という感覚が身につかない。
それでは『勉強していない金持ちのボンボン』は勉強している『頭のいい人』にだまされて、簡単に足元をすくわれる」という――。
※本稿は、和田秀樹『頭がいい人の勉強法』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

■生産性を重視して余剰人員の首を切る経営へ転換したツケ
終身雇用、年功序列が普通だったかつての時代は、誰もがそこそこ安定した一生を送ることができました。
そういう意味では、戦後の日本はいい時代でもありました。

学歴でほぼ一生が決まってしまうため、受験戦争は熾烈(しれつ)でしたが、そこでひとまず勝ちをおさめておけば、いい会社に入ってそれなりに出世する人生が約束されていました。
たとえ受験に失敗して高い学歴が得られなかったとしても、終身雇用の枠組みに残りさえすれば、ほとんどの人は定年間際には1000万円近い年収を得ることができました。

高卒で自動車の販売員からBMW東京の社長にのぼりつめ、その後ダイエーの会長などを歴任した林文子・前横浜市長のように、有能であれば学歴に関係なく勝ち上がることも可能でした。

雇用や収入が比較的安定していたため、人々の消費も活発で、景気もよかったのです。
それがバブル崩壊を経て、多くの企業が生産性を重視して、余剰人員の首を切る経営へと転換し、勝ち組と負け組の格差は拡大していきました。

その結果、消費が冷え込み、人口減少もあいまって、生産に対して消費が少ない状態に陥りました。
それでもなお、企業は生産性重視の経営を進めています。
そして雇用不安から人々はいっそう消費を切り詰め、いつまでたってもデフレから脱却できないという、ひどい社会になってしまいました。

■ソニーのEV進出は必然。「対応力」がなければ淘汰される
「一時期必死に勉強しておけば、それで安泰」という時代は、すでに遠い過去になりました。
終身雇用はもはや期待できないばかりか、ひとつの会社に勤め続けたとしても、その会社がある時期から、まったく別のことをする会社に変わってしまうこともあり得ます。

有名な例を挙げると、日立造船という会社は、その名に反していまでは船をつくっていません。
現在、主力としているのは環境・プラント事業です。
最近、ソニーがEV(電気自動車)ビジネス参入を表明して話題になりましたが、この参入は無謀なことではありません。
自動車の生産において、開発にもっとも費用がかかるのはエンジンです。
一方、電気自動車はエンジンではなくモーターで動きます。
モーターはエンジンよりもはるかに開発費用が安いので、電気自動車の生産は比較的参入が容易です。
テスラのような新興の会社が、この分野で急成長することができたのもそのためです。

電気自動車の開発は、電池部分の軽量化がカギになりますから、電池の技術が優れている日本の大手電機メーカーなら、参入にはかなり有利です。
私が大手電機メーカーの社長だったら、すでに数年前には電気自動車の生産に乗り出していたと思います。
販売は家電量販店で行えば、自動車ディーラーも不要です。
たいていの家電量販店には、自動車ディーラーよりはるかに広い駐車場がありますから、その一角にブースをつくって販売やアフターサービスを行えば済むことです。
アフターサービスさえ心配なければ、車は安く買えるに越したことはありません。
いまアメリカや中国ではインターネット通販で車を購入できます。
日本でも、アフターサービスを手厚くすることで、家電量販店との差別化をはかっているジャパネットたかたのような通販会社が、車を売ってアフターサービスまで手掛けることも非現実的とは言えません。

そのように考えれば、近い将来、ソニーのように電機メーカーが電気自動車メーカーに、家電量販店や通販会社がその販売業者になるということも、十分考えられます。

ジャパネットたかたにしても、もともとはカメラ販売店でした。豊富な品揃えで知られるアマゾン・ドット・コムはインターネット書店からスタートしています。

会社の事業内容が大きく変わるということは特別なことではなく、これからの時代はそうした変化がさらに多くの分野で起きることが予想されます。
そのような変化に対応できない人は、学歴などに関係なく淘汰(とうた)されることになります。

■変化に対応できるのは学習能力がある人
今後、どんなスキルや能力が求められるようになるのかは、いまの時点ではまったく予測できません。
ただ、これから多くの仕事が人工知能(AI)に取って代わられることが予測される中、価値が高くなるのはおそらく営業のスキルではないかとも考えられます。

どんなに優秀で見た目のいい接客用ロボットができたとしても、大多数の人はロボットにセールスされるより、人間から買いたいと思うものだからです(この心理だって、将来は変わるかもしれませんが)。
また、ものをつくる技術力よりも、消費者が欲しいものは何かを考える能力の価値が、今後いっそう高まるとも考えられます。
あるいは突然、反AI、反機械という自然回帰のようなムーブメントが起こって、消費構造そのものが大きく変わってしまうかもしれません。

どんな能力を備えておくのが正解かはわかりません。
少なくとも、その時点で必要とされることを学習する能力があれば、どんな変化が起きても対応できます。
その意味ではやはり勉強してきた人、勉強の「やり方」を知っている人のほうが有利なはずです。

■「バカな人」ほど搾取される
残念ながら、この国は頭の悪い人、テレビが流す情報を考えなしに信用するような「情報弱者」はひどい目に遭う国です。
テレビというのはスポンサー、つまり金持ちに握られているメディアです。
当然、金持ちの味方をしています。

売上の出どころは100%税金で、なおかつ社長が異様なほど羽振りのいい生活をしている建設・土木業の会社が、地方にはたくさん存在します。
そんな生活ができるのは、税金から不当に利益を得ているからにほかならないのですが、テレビがそれを追及することはありません。
その一方で、公務員の給与や生活保護の受給者が増えることについては、「税金泥棒」と言わんばかりの勢いで糾弾します。

企業がこれほど多額の内部留保を抱えている状況でありながら、テレビは消費税を上げるより法人税を上げるべきだとは言いません。
「法人税を上げると国際競争力が低下する」という論理でそれを正当化していますが、あのトランプ大統領によって2018年に法人税が引き下げられるまでは、アメリカは欧米でもっとも法人税が高く、消費税が10%を超える州もないのに、世界でもっとも国際競争力の高い国だったという事実は、そこでは無視されています。

■テレビに洗脳される地方の住民
さらに言えば、テレビは東京偏重で、「地方いじめ」を平気で行います。
たとえば「高齢者から自動車の運転免許を取り上げるべき」とか「飲酒運転を厳罰化すべき」「(前日お酒が飲めなくなる)朝のアルコールチェックは大歓迎」といった論調を後押ししていますが、そもそも東京と地方では交通事情がまったく異なります。
交通量や歩行者の多い首都圏で、高齢者の運転や飲酒運転の危険性が高いのは当然のことでしょう。
しかし、道に人がほとんど歩いていない地方の道路で、それらの運転を同じ基準で取り締まり、そこに住む人たちの唯一の移動手段を事実上奪うことが、絶対的に正しいことと言えるでしょうか。

ワインの産地として名高いアメリカのナパ・バレーでは、誰もが車でワイナリーを巡ってテイスティングをしています。当然飲酒運転です。
1回のテイスティングで6グラスを飲めばハーフボトルになります。それを何軒も回るのです。

地域事情に合わせてそれを取り締まらないことが可能になっているわけです。
逆にニューヨークのマンハッタンでは、飲酒運転で車が没収されることもありました。
それが地方自治というものなのに、日本ではそれを一切認めようとしません。

根が深いのは、当事者である地方の住民自身が、テレビの洗脳によって「高齢者の運転や飲酒運転は悪」だと思い込んでいることです。
飲酒運転を厳罰化するなら、飲酒運転を誘発したり、アルコール依存症(こういう人はお酒をやめられないので、飲酒運転の常習犯です)の人に悪影響を与える可能性のある酒類のCMを流すことをやめるべきだと思いますが、日本のテレビ局はスポンサーのために、世界保健機関(WHO)による再三の勧告さえも無視して酒を美味しそうに飲むシーンを含む酒類のCMを流し続けています。

国民の大多数がテレビの信者になって、消費税は上げて法人税は下げるべきと言い、生活保護受給者は叩いても悪徳な土建屋は叩かず、高齢のドライバーや飲酒運転者は人非人のごとく責め立てて、貧乏人いじめや地方いじめに加担する。それがこの国の現状です。

■徳のない日本の金持ち
しかもこの国には、社会的上位者が義務として弱者を救おうとするという、いわゆる「ノブレス・オブリージュ」の精神も根付いていません。
道徳教育の必要性が叫ばれていますが、そこで言われる道徳教育とは、往々にして一般社会人が守るべき人の道、つまり「道」の教育であって、「徳」の教育は欠けています。

「徳」とはすなわちノブレス・オブリージュのことであり、社会的上位者になったときにその有無が問われるものです。
それを備えている人を「徳のある人」と呼ぶのです。

私がもし道徳の教科書をつくるとしたら、1ページ目にアメリカと日本それぞれの資産家の資産額と寄付額の一覧表を並べ、どちらの国の金持ちに「徳」があるかひと目でわかるようにします。
日本人はどれほど大金持ちになっても、自家用ジェットを買うといった贅沢をする人はほとんどいません。
桁外れの金持ちでもあたりまえのように保険診療の病院にかかるのは、世界的に見ても日本ぐらいのものです。

日本の金持ちの多くが、この世でもっとも金のかかる趣味に熱中しています。彼らが持てるお金のすべてを注ぎ込もうとする、その趣味があると、たとえばどんなに金があっても、高いワインも買おうとしません。

その趣味とは「貯金」です。
この趣味を持つと、ありとあらゆることにケチになります。
貯金通帳の桁を増やすためなら何でもします。
必然的に、貧乏人に寄付をするどころか、貧乏人から搾取することに熱心になります。

欧米では対照的に、金持ちになるほど寄付を趣味にする人が多くなります。
ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグも、ほぼ全額に近い資産を寄付する意向を示しています。
富豪やそれを目指す人の多くが、貧しい人や立場の弱い人を救うこと、その喜ぶ顔を見ることこそが幸せという価値観を持っている。
そういう国であれば、格差が拡大しても貧乏人は救済されますが、この国では金持ちによって搾取される一方です。

■勉強こそ格差社会で逆転する唯一のチャンス
この国には、「頭のいい人間」が「頭の悪い人間」をだまして搾取するという構造があります。
搾取される側にならないようにするには、勉強するしかありません。
このことは、すでに150年近くも前に福澤諭吉が指摘していることです。

『学問のすすめ』の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という一節があまりにも有名なため、福澤は平等思想の持ち主だと思われがちですが、彼がここで説いているのは平等とはまったく逆のことです。
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず「と言えり」、つまり「そう言われている」。
福澤は、この有名な一節のあと、次のように語っています。

「けれども、実際の世の中を見渡せば、愚かな人と賢い人、豊かな人と貧しい人がいる。
厳然とした格差社会になっている。その差を分けるものは何かと言えば学問である。だから勉強しなさい」。
そう言っているのです。

実は、この国において唯一のチャンスとも言えるポイントは、「金持ちの子どもが勉強しない」ことだと私は思っています。

アメリカのハーバード大学にも、イギリスのオックスフォード大学にも、フランスのグランゼコールにも、中国の清華大学にも、付属校はありません。
どこの国でも、大学というものは原則として受験して入学するものです。
ところがこの国では、小学校からエスカレーターで大学まで進み、受験を経験していない人が、歴代で在任期間が最長の首相になりました。

世界の先進国の中で、その国の代表的な名門大学に小学校からエスカレーターで行ける国は日本だけです。
そして、金持ちほど喜々としてそういう学校に子どもを入れています。

■リスクヘッジしなければ勝てない
受験の最大の意義は、リスクヘッジができなければ勝てないというところにあります。
たとえば東大の入試では、最初に思いついた答えをそのまま書いたら足元をすくわれるような「ひっかけ問題」が多く出題されます。
一度答えを導き出しても、もしかしたらほかの答えがあり得るかもしれないと考えて、別の可能性や選択肢をチェックする。それができないと、いい学校には合格できないのです。

それを思えば、受験を経験していない総理大臣が「この道しかない」と、リスクヘッジなしで突き進もうとしたのも、もっともかなという気がします。
彼は政治家なのでそれでもやっていけたのでしょうが、これだけ赤字があって売上は増えないのに、外遊のたびにお金をばらまく経営者がいたら、民間企業なら失格です。

民間企業の経営者としてなら唯一評価に値する点は、非正規雇用を増やして労働コストを下げたことですが、これは政治家としては最悪の判断です。

認知症の老人を抱え、子どもの学力は下がり、家計は火の車で借金まみれ。
いまの日本は、たとえるならそんな家庭のような状況です。

それにもかかわらず「隣に物騒な人がいるから防犯システムに月10万円かけよう」と言い出しているお父さん=為政者に、「私たちのことを守ってくれるのね」と、家族=国民は介護負担や借金のことも忘れて感激している。
その日本の構図は今も変わっていないと私は思っています。

しかし「勉強していない金持ちのボンボン」は、リスクヘッジを身につけてきていないため、勉強している「頭のいい人」にだまされて、簡単に足元をすくわれることがあります。

日本を代表する大企業の創業家の息子が、そそのかされるままに事業に手を出してはことごとく失敗し、巨額損失を出して、2000億円とも言われる相続財産があるのに、カードも使えなくなっていると報じられたことがありますが、これは、その典型的な例です。

勉強して「頭のいい人間」になれば、頭の悪い「金持ちのボンボン」をだます側に回ることもできます。
少なくとも、だまされて搾取される側にはならずに済むと言えるでしょう。

■情報で自分の身を守る
「知らないから損をする」ということが、世の中には多々あります。

たとえば介護保険の制度について、どういう状態になったら介護保険を利用できるのか、どんなサービスが受けられるのかということを知らなければ、いつまでも利用できず介護保険料だけとられ損、などということにもなりかねません。

黙っていても国のほうから制度の利用について懇切丁寧に教えてくれる、などということは期待できません。
国としては、利用者が少ないほうが財政的には都合がいいのです。
損をしたくなければ、自分自身で調べるしかありません。

医学や健康の知識にしても、時代が進むにつれてころころ変わります。

たとえば、どの脂肪が体によいかということも、かつては植物性脂肪のマーガリンが体によいとされていましたが、いまでは魚の脂などがよいと言われるようになっています。
血圧や血糖値の正常値も変化しています。
能動的に情報を得るということをしなければ、健康や命にさえかかわるリスクがあるのです。

群馬大学医学部付属病院で2010年から2014年にかけて、腹腔鏡手術や開腹手術を受けた患者8人が相次いで手術死した事件(同じ医師による手術で少なくとも30人の死亡が確認されている)がありました。
この事件は、最終的に医療ミスを訴えた患者が出たことによって発覚したわけですが、言い換えれば、それまでに死亡した患者側は誰ひとり訴えていなかったということです。

手術を執刀する医師や病院にとって、もっともプレッシャーのかかる患者は、多額のお礼を積んできた患者などではなく、いろいろ調べていて、失敗したら確実に訴えそうな患者です。
事件のあった大学病院でも、訴える可能性の高そうな患者の手術を、技量の低い医師に執刀させることは避けていたのではないかと思います。
結果的に、訴える可能性が低いと病院側に判断された患者が下手な医者の練習台に回されて犠牲になったとも推測できます。そして、実際に18人続けて訴えませんでした。

■「医師や病院に任せていれば安心」はリスクが高い
もともと、この大学病院が「研究重視、臨床軽視」であることは、医師の間ではよく知られていました。
患者がそうした情報に触れていたら、この病院で手術を受けるということ自体について、慎重に判断することもできたかもしれません。
群馬の場合は、新幹線を使えば1時間やそこらで、東京のいい病院に行けるのですから。

あってはならない事件を引き起こした医師と病院が問題なのは言うまでもありませんが、「医師や病院に任せていれば安心」と思うことは、いかにリスクが高いかを知らしめた事件でもあったと思います。

情報弱者は損をするだけでなく、命さえ保証されない時代であるという危機感を持ち、情報力を高める必要があるのです。
逆に情報をもっていれば、生活保護を受けている人でも、天皇の執刀医の手術を受けることができるのですから。
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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
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2024年03月04日

学校では教わらない人間関係の鉄則5選

学校では教わらない人間関係の鉄則5選
えらせん作家
3/3(日) 7:00

こんにちは、えらせんです。

今回は「人間関係の鉄則」というテーマで話していきます。「人間関係」という科目は、学校の教科書にはないけど、人生を豊かにするためには欠かせないスキルですよね。
というわけで、知っておくべき鉄則を紹介していきます。

1. 正論でもそこに思いやりがなければ、言われた人は傷つく
「正しい」ことを言うのは簡単です。
しかし、それが相手の心を傷つけてしまっては本末転倒。
大切なのは、正論を伝えるときにも思いやりを持って、相手の”気持ち”を汲むことです。言葉一つで人の心は大きく動きます。

2. 言っていることではなく、やっていることがその人の正体
人は口では何でも言えます。
でも実際に行動していることは、その人の本質を表します。
言葉だけ信じて後悔する前に、その人の行動をよく観察してみましょう。
行動は嘘をつきません。

3. 「一度きりの人生」好きに生きるのはいいけれど、相手も一度きりの人生だということを忘れるな
自分の人生を精一杯楽しむことは大切ですが、他人も同じく「一度きりの人生」を生きていることを忘れてはいけません。
自分の行動が、相手の大切な人生にどのような影響を与えるかを考える心がけが重要です。

4. 本音を言って壊れるような人間関係なら、一度壊した方がいい
本音を言い合えない人間関係は、いずれ破綻します
表面的な関係を続けるよりも、本音でコミュニケーションをとり、お互いを深く理解しようとすることが大切です。
それで関係が壊れるなら、新たなスタートを切るチャンスと言えるでしょう。

5. 自分を信じて行動できない人は、他人に振り回され続ける人生になる
自分自身の価値観や信念を持たずに、他人の意見や流行に左右されてばかりいると、いつの間にか自分の人生を生きていないことに気づくでしょう。
自分で決断することは、自分に全責任が生じますが、そこから逃げても長期的には後悔するでしょう。

まとめ
まとめると、人間関係を築く上で大切なのは、
相手への思いやりや、
本音でのコミュニケーション、
そして自分自身への信頼です。
これらを心がけることで、より豊かな人間関係を築くことができるはずです。
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2024年03月05日

山本太郎ふりかえる「能登地震でおきたボランティア叩きの正体」深刻人手不足の一因に

山本太郎ふりかえる「能登地震でおきたボランティア叩きの正体」深刻人手不足の一因に
3/4(月) 女性自身

「私は今まで、さまざまな被災地に足を運んできましたが、今回みたいなボランティアバッシングは聞いたことがないですね。
いち早く現地に入ったNPOの方々から『これまでの災害の中でもとくにひどい状況だ』と情報を得ていたんですが、にもかかわらず『ボランティア入れるな』の大合唱が起こりました。

なぜなのか、というのは理解に苦しみますね。
しかし1つには、政府が初動の遅れをなにかしら隠したいという意図がなければ、こんなことにはならなかったと思います」

そう語るのは、能登半島地震の発生直後の1月5日に、被災地の視察に出向いてバッシングを受けた、れいわ新選組の山本太郎代表(49)だ。
今回、山本氏が“ボランティアバッシング”に感じた違和感、そして自らに向いた批判について語った(全2回の1回目)。

■“ボランティアバッシング”が招いた深刻なボランティア不足
能登半島地震から2カ月。発災当初、現地入りしたボランティアや政治家、ジャーナリストなどに対し、「迷惑になる!」「現地に入るな」といった“ボランティアバッシング”が巻き起こったことは記憶に新しい。
これにより、ボランティアを控えた人も多かった。

その結果、一般ボランティアの募集が始まった現在でも、被災地ではボランティア不足」が続いているという。
石川県によると、現地に入った一般募集のボランティアは延べ2739人(2月16日時点)。
2月18日の神戸新聞によると、阪神・淡路大震災では発生1カ月で延べ62万人がボランティアに入っていたという。

現地までのアクセスが悪いことや宿泊場所の不足などの影響もあるが、「SNSで叩かれることを恐れて萎縮している学生もいる」と、大阪大学大学院教授(災害社会学)の渥美公秀さんが神戸新聞の取材に答えている。

《必要な物資を速やかに被災地に届けるためにも、渋滞解消が重要です。
不要不急なお車でのご移動は、可能な限り抑制いただくよう、国民の皆様の御理解と御協力を重ねてお願いいたします》

1月4日、岸田文雄首相はこう呼びかけた。
それに呼応するように、ネット上では、《ボランティアの車両が殺到したせいで、深刻な渋滞が現地で起きている》などといった真偽不明の情報が飛び交うようになった。
しかし、山本氏がみた現地の状態はだいぶ異なっていたという。

「1月5日に現地入りしたとき、穴水というところから先に行くのには少し渋滞がありました。
一部には見物人もいたかもしれませんが、おもに被災された方々の遠方に住むご家族が支援物資を持って入るためのものでした。
それに、ルートを選べば渋滞は回避できました。
私が入った志賀原発沿いのルートはガラガラでしたからでしたからね」

同時期に、ボランティアとして現地に入った人の証言の多くも山本氏と一致している。

「災害の大きさや深刻さによって、すぐに救いの手が差し伸べられない、なかなか届かないってことはあり得るとは思います。
しかし、それ以前にこれまで何度も起きてきた災害に対するノウハウが体系だって蓄積されてないんです。

本来なら、内閣府の防災担当を中心にそれをやっていくべきなんですけど、2〜3年で役人が交代するので人材が育ってない。民間のNPOやボランティアの方がノウハウを蓄積しているんです」

被災地の職員のほとんども、このような大規模な震災に直面するのは初めてだ。
一方、経験豊かな民間のボランティア団体は、多くの被災地を経験し、どのような支援や物資が必要なのかを熟知している。

災害救助法では<国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に>救助や被災者の保護を行うとされている。
また、災害対策基本法では<国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない>と定められている。

震災対応においてボランティアの活動は前提となっており、過去の震災でも発生直後から多くのボランティアがあたり前のように被災地で活躍してきた。

被災地での失策を隠したかったのではないか
しかし、今回の能登半島地震に限って、なぜ“ボランティアバッシング”が起きたのだろうか。山本氏はこう語る。

「災害対策の部署を立ち上げるとか、そういうことは素早くやっていましたが、その後の動きはものすごく遅かった。
岸田首相が被災地入りしたのは、発災から2週間後の1月14日ですが、気象庁に問い合わせたら元日から14日までの間で、天気が悪くてヘリを飛ばせないような状況にあったのはたった2日でした。

それを考えると、本来ならばもっとやりようがあったというのは明確な事実だと思います。
やはり、指揮を執るトップの能力の低さが、被害の拡大や混乱を拡大したのではないか。
そういったことを隠したいという意図が働いたのかもしれません」

防災研究の第一人者で、“石川県の災害危機管理アドバイザー”でもある神戸大名誉教授の室崎益輝氏(79)は1月14日の朝日新聞のインタビューにこう語っている。

<自衛隊、警察、消防の邪魔になるからと、民間の支援者やボランティアが駆けつけることを制限しました。
でも、初動から公の活動だけではダメで、民の活動も必要でした。
医療看護や保健衛生だけでなく、避難所のサポートや住宅再建の相談などに専門のボランティアの力が必要でした。

苦しんでいる被災者を目の前にして、「道路が渋滞するから控えて」ではなく、「公の活動を補完するために万難を排して来て下さい」と言うべきでした。《中略》

でも初動で、一部のボランティアしか入らなかったために、水や食事が手に入らず、暖もとれず、命のぎりぎりのところに被災者が直面した。
それなのに、ボランティアは炊き出しにも行けなかった。

行くのをためらった状態を作ったことは大きな間違いだったと思います>

この影響は、現在も「ボランティア不足」という形で続いている。
なぜ、今回の震災に限って、復興の妨げとなる“ボランティアバッシング”が巻き起こったのか、徹底的な検証が必要だ。
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2024年03月06日

給食で「うずらの卵」を食べた小1の死亡事故 子供側の意見がSNSで相次ぐ「お昼ご飯の時間が短い」「急いで食べたから?」…10分で完食の必要性も

給食で「うずらの卵」を食べた小1の死亡事故 子供側の意見がSNSで相次ぐ「お昼ご飯の時間が短い」「急いで食べたから?」…10分で完食の必要性も
3/5(火) まいどなニュース

福岡県みやま市の小学校で2月下旬、給食で出されたうずらの卵を喉に詰まらせて小学1年生の男児(当時7歳)が亡くなった事故。
同市の教育委員会が会見を開き、原因とみられるうずらの卵を当面使用せず、他の食材も提供する大きさを検討することを明らかにしました。

【話題になった投稿】実際の投稿を見る

ところが、SNSでは「食材の見直しよりも食べる環境等の見直しが必要」「給食時間内に食べようと急いで食べたのが原因では」などと、食材の原因を追及するよりも食べる環境の見直しを訴える声が相次ぎ、話題になりました。

「うずらの卵事件で子供達が『今は給食時間25分くらいだけど、酷い時10分で完食しないといけない時もあるから急いで食べたのが原因じゃない?』って会話してて『おい、待て待て10分?』って今びっくりしてる」

「急いで食べたのが原因じゃない?」とX(旧Twitter)に投稿したのは、「かにかまちゃん」さん(@MyakuY)。
というのも、お子さんたちが通う小学校の給食時間は45分間で、配膳や片付けの時間を除くと実質食べる時間は25分ほどとのこと。
ただふざける子どもがいたり、マイペースな子がいたりと配膳が遅れてしまい、食べる時間が10分くらいしかない時もあるとか。
そこで、子どもたちが食べるのを急かされることもあるといいます。
そんな投稿に驚く人や共感する人たちからたくさんのコメントが寄せられています。

給食で配膳が遅れて食べる時間が10分しかない時も…「食べる環境の見直しが必要だと思います」
「急いで食べなくちゃいけない現状もあるんだね」

「10分で急いで食べないとならない環境では、他の食材でも喉を詰まらせる可能性はあります。
食材の見直しよりも、食べる環境等の見直しが必要だと思います」

「これはガチ。自分が小学生の時もそうだったし、ずっと変わっていない」

「あるあるですね。うちの子も『時間目が長引いたせいで5分しか食べる時間なかった』とか言っててマジかーってなる事がありました。
食器類の回収もあって、ご馳走様の時間が決まってるから、お昼ご飯の時間が短いんですよね…」

「これだと思う。次男の中学校も実質10分しか時間がない」

「将来使わない勉強よりも食育に時間さけよな」

多くの人たちが問題提起をする、子どもたちが急いで食べないといけない学校での給食時間の現状。
さらに「かにかまちゃん」さんは、こう訴えます。

「他にも4時間目に体育の授業の際は移動に時間がかかるため、給食時間が短くなることもあるそうです。
今までの子育ての中で我が子が喉を詰まらせたことはないのですが、子供たちの学校内では、たまに男子児童が『俺、こんなに食べれるぜ!』なんて言いながら悪ふざけで口にたくさん入れ込んでむせたりすることも。
また、ある食材が苦手で牛乳で必死に流す子がいたり、マイペースな子に対しては時間になると空いたお皿を給食係や先生が目の前で一皿一皿かたづけていく方式になることも多々あるのだとか。余計に焦りますよね…。

今回の事故を通じ子供たちの会話の中で、食事時間の十分な確保、また危険な食べ物などを排除したり規制を増やすのではなく、咀しゃくの必要性を指導し誤えんを防ぐために十分にかむこと、落ち着いて食事ができるよう日ごろから家庭でも習慣をつけさせたいなと、あらためて感じております。
実際は難しいかもしれませんが、この事故を二度と起こさないよう未然に防ぐためにも、教育現場での時間割の見直しや授業時間を少し短縮して先生方も子どもたちも余裕のある学校生活が送れると良いなと思いました」

給食時間「焦って早く食べないといけない風潮を変えて時間をもう少しとる。心にゆとりを持たせるような方向に」

また「かにかまちゃん」さんと同様、うずらの卵を喉に詰まらせた事故を受けて「食べるのを急がせるから」と、「ジョン•エドワード•ガーメンJr.」さん(@Harurock9)もXに投稿して話題に。

「給食のうずらの卵を喉に詰まらせたニュースに専門家が出てきて乳歯が入れ替わる時期で歯がないからとかうずらの卵の使用を検討とか言ってるけどうちの小5が食べるのを急がせるからだと申しております」

ジョンさんのお子さんは小学5年生。
給食の時間に起きた事故に「食べるのを急がせるからだ」と言ったとか。
やはり、お子さんの学校の給食時間も45分間で、準備や配膳、片付けなどを除くと実際食べる時間は20分ほど。
時間内で食べないといけないため、お子さんも「急がないと」と思いながら食べているといいます。

こうした時間内に食べなければならないという学校の給食時間の現状について、ジョンさんは次のように話します。

「確かに詰まりやすいような食材は加工したりして工夫できればいいのではないかと思います。
ただ、うずらの卵を喉に詰まらせたからと言って安易に使用を止めたとしてもなんの対策にもならないのではないかと。
結局根本はよくかむことを学んでいくことが大切です。
喉に詰まりやすいものを排除するのではなく、よくかむことを習慣づけられるような食育と、焦って早く食べないといけない風潮を変えて時間をもう少しとると、あるいは心にゆとりを持たせるような方向にいけたらいいんじゃないかなと考えます」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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2024年03月07日

「ただ生きて死ぬだけ。人生に意味はない」モヤモヤがスーッと晴れて心がラクになる仏教の教え

「ただ生きて死ぬだけ。人生に意味はない」モヤモヤがスーッと晴れて心がラクになる仏教の教え
2024年03月06日  PRESIDENT Online

自信をもって生きるにはどうすればいいか。
元結不動密蔵院の名取芳彦住職は「特定の神を設定しない仏教は、人生に『決まった意味なんかない。それはあなた自身が作っていくのだ』としている。
人は『自分がここにいる意味』を問うことで、使命感に燃えて自信のある生き方ができる。
そしてそのタイトルは何度でも塗り替えていい。
人生とは、まるで一枚のキャンバスに絵を描いていくようなものだ」という――。
※本稿は、名取芳彦『達観するヒント もっと「気楽にかまえる」92のコツ』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■“マイ・ルール”が自分を苦しめる
「こだわる」は、「他人からみればどうでもいい(きっぱり忘れるべきだ)と考えられることにとらわれて気にしつづける(『新明解国語辞典』)」という意味です。
つまり、こだわるのは良くないこと、というのが一般的な考え方なのです。
仏教も「こだわれば、心おだやかではいられない」と説いており、私もそう思います。

こだわりは、「こうあるべき」「こうすべき」という、いわばマイ・ルールです。
ルールがあれば、人はそれを守らない人を許せません。
許せなければ、心は乱れます。その意味で、仏教の分析は実に明解なのです。

こだわりから離れて心おだやかに暮らすには、物事がどうなっているのかを冷静に観察する必要があります。

自分がこだわっていることを何とも思っていない人は、何をどう考えているのか。
その人たちの根拠は正当なのか。自分はなぜ、そのこだわりを持つようになったのか。

観察をもとに分析してみれば、自分のこだわりなんて大した問題ではないと思えることがたくさんあるものです。

■人生は「どっちでもいい」ことだらけ
人間関係は、都合のぶつかり合いのようなものです。

愛着のある服を、私は「まだ着られる」と言い、妻は「ヨレヨレでおかしい」と言います。

私は余計な争いを避けるために、妻の都合を優先して古い服を処分します。

都合のぶつかり合いは自分の中でも起きます。
寝ないと明朝すっきり目が覚めない、しかし、まだやりたいことがある。
お酒の席は楽しく過ごしたいが、どういうわけだかいつも礼に始まり乱で終わるなど、数え上げればきりがありません。

私たちは、自分の都合のうち何を選択するかによって、周囲に迷惑をかけることもあれば、周囲を幸せにすることもできます。
とはいえ、私たちの日常の多くは「どちらでもいい」ことだらけです。
その選択がどんな結果につながるかは予知できないし、正解はあとにならないとわかりません。

食事は心身の健康を保つため、車は安全に走るためなど、木で言えば幹に当たる本質さえわかっていれば、枝葉末節は大した問題ではありません。
自分の都合というこだわりの枝葉から離れて、幹を大切にしましょう。

■こんな“打算“が、あなたを孤立させる
「損得」は経済で使われる用語です。
同じ商品なら安いお店で買うほうが得です。
海外の観光地にある土産物店は、どこでも同じようなものを売っているので、なるべく安いところで買いますが、別のお店へ行くともっと安かった、という失敗をしたことがあるのは私だけではないでしょう。

あるときガイドさんに愚痴をこぼしてしまい、「自分は一番安く買ったと思えばいいんです。
他のお店で同じ商品の値段なんか見てはだめです。観光地ってそういうものですよ」と諭され、妙に納得したのをおぼえています。

ところが、経済用語の損得を人生に当てはめてしまう人がいます。
「PTAの役員なんか受けたら損だ」「人に親切にしても何の得にもならない」「あなたと結婚して損した」などは、巷でよく耳にする言葉です。
香りが徐々に物にしみ込むように、損得勘定を疑いもなく人生にしみ込ませていけば、待っているのは孤立です。
損なら良いこともせず、得になるなら人を裏切ることも辞さない、そんな人は誰からも信用されず、相手にされなくなるのは自明の理です。

■“終わったこと”に心を注がない
私たちは、時間を“流れ”として考えることがあります。
そう考えるなら、過去はどこかへ流れ去ってしまったので、過去に縛られずにすむはずです。
それなのに過去に縛られる人が多いのは、時間が積み重なっている感覚も持ち合わせているからでしょう(私は積み重なる感覚しかありません)。

自分の人生の頂点(現在)の下には、膨大な経験の積み重ねがあります。
過去に縛られてしまう人は、下層に輝いていた時期や、逆に嫌なことがあるのでしょう。
昔は良かったと過去の栄光をふり返れば、現在の自分が惨めになります。
惨めさに埋もれて、これから何をしたいか、何ができるかを考えられないので未来を失います。

嫌な思い出に縛られて、その出来事を現在の惨めさの原因にすれば、そこに安住することになるので、やはり未来を志向する気が起きません。

「あの栄光は、あれで素晴らしかった。しかし、今の私にはやることがある」
「あんな嫌な思いは二度としないぞ」と割り切り、過去を踏み台にして、未来につづいている階段を上っていきたいものです。

■良くも悪くも「明日は明日の風が吹く」
「下手の考え休むに似たり」は、囲碁や将棋の世界で、下手な人がいくら長く考えても休んでいるのと変わりなく、何の効果もないことをいった言葉だそうです。

これと似たことを、元ニッポン放送の村上正行アナウンサーのワークで指摘されたことがありました。
見て感じたことをすぐに言うワークでした。

「三歳の子どもが床に座って、画用紙に夢中で絵を描いています。クレヨンが画用紙からはみ出しても気にしません。それを見て、何と言いますか。名取さん!」
気の利いたことを言おうとして「えーと」と考えていると、東京下町育ちの村上さんらしい言葉が飛んできました。
「あのね、悪い頭は使っちゃダメです」。

また、支援学級の先生をしている友人は、「“今日できることを明日するな”って言うけど、支援が必要な子どもたちには“明日できることは今日しなくてもいいんだ”と伝えることがしばしばある」と教えてくれました。

その日のことは棚上げにして、今日は悪い頭を使わず、明日の風に自分がどう対応するかを楽しみにする好奇心と勇気があれば、楽になることがたくさんあるものです。

■生きて、死ぬだけ。人生に意味はない
心おだやかな人生を探求してきた仏教僧の私が「人生に意味はありません」と言えば、がっかりされるかもしれません。
ただ、私が申し上げたいのは、あなたの人生は“未意味”(まだ意味が決定していない)ということです。
もし人生に決まった意味があれば、それに合わせた生き方をしなくてはならず、とても窮屈でしょう。

それでも人は、「自分がここにいる意味」を問おうとします。
人生の意味がわかれば、使命感に燃えて自信のある生き方ができるからです。

多くの宗教は人生の意味をあらかじめ提示してきますが、特定の神を設定しない仏教は「決まった意味なんかない。それはあなた自身が作っていくのだ」とします。

それはまるで、一枚のキャンバスに絵を描いていくようなものです。
一度描いたものは、消してなかったことにはできませんが、重ね塗りは何度でもできます。
失敗の上に成功を重ねることも、裏切りに信頼を上書きすることも可能です。

あなたが描いている人生という絵に、あなたはどんなタイトルをつけますか。
それがあなたの今現在の人生の意味です。
そのタイトルは、これからも変わりつづけます。
---------
名取 芳彦(なとり・ほうげん)
元結不動密蔵院住職
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2024年03月09日

危機感だけ煽って判断の為の情報を伝えない報道の、あり方を問いたい

危機感だけ煽って判断の為の情報を伝えない報道の、あり方を問いたい
2024.3.8  views

今もなお戦いが続いているコロナ感染症。
感染が確認され、未知の感染症として恐れられていたあの時から今まで、大きな混乱をニュースとともに過ごしてきたように思う。
たしかに、未知の感染症というと、いつ何が起きてもおかしくないと最悪のケースを考えるのは妥当だろう。
豪華客船の隔離も、念入りに消毒を繰り返す施設も、私たちに手洗いや不要不急の外出を控えるように呼びかけたことも、間違っていたとは言わない。

しかし、報道の仕方は、少し誇張しすぎていたのではないかと感じていた。
どこか漠然と怖いという印象を与える伝え方。
「専門家の意見を」と出演している専門医の見解を、都合のいいように切り取る見出し。
ただ人々を怖さに陥れ、印象操作をしたいような思惑が感じられるほどだ。

危機感を持って行動するのは正しいと思う。
知識を正しく入れて、メリットもデメリットもわかった上での行動は大切だ。
しかし、本来報道によって私たちが起こす行動は、自分で考えたものであってほしい。

◎ ◎
感染拡大とともに急速に進められたワクチンの開発。
接種が早期から始まり、接種していれば大丈夫だ、安心できるというような考えが浸透した。

継続的かつ定期的な接種で効果が持続する、というような情報をニュースは伝え始める。
接種の対象になる人、接種を考えたほうが良い人、順次開始になる国民への接種案内、感染者数とともにワクチン関連の内容が伝え
られた。年齢や状況によ打てる時期が異なった私たち。今かと順番を待っている間にも状況は変わっていく。

次第に副作用について取り上げられるようになった。
ワクチン接種によって起きた健康被害。
大きな事象だけを一時的に扱い、あくまでも一例だから、と変わらず接種をすすめる報道がなされていた。

私は疑問に思う。
私たちの体に直接関係することであれば、効果も副作用も同じくらいの割合で報道すべきなのではないだろうか、と。

極稀に起こる重篤な副作用をピックアップして、大きく報じれば、コロナ感染症やワクチン接種についての怖さは大きくなる。
マイナスな印象を受け取るニュースはインパクトが大きい。
重篤な報道1回で、大きく恐怖心を煽られた人は少なくないと思う。

だが、私たちが大切にしなければいけないのは、その後の報道だ。
インパクトのある報道はあくまでも関心を向けるきっかけである。
そこから詳しく経緯をたどり、本当に危険性があるのかを調べて報道するのがニュースの責任だと思う。

今の報道は、インパクトだけ与えて、あとは自分が行動するかどうかにゆだねている。
研究機関が発表したデータは専門的で、正しく読める人は多くないだろう。
そこをわかりやすく伝えるために、ニュースや報道というものが存在するのではないだろうか。

◎ ◎
印象付け、注意喚起のみを行っている報道は、私たちを脅かしていることと何が違うのだろう。

こんな時の正しい情報源は、SNSであることも多くあった。
実際に現場で活躍している医師や看護師、情報を正しく理解しているユーザーによって、情報の正しい解釈や対応が提示される現状。
それを、後追いで報道するワイドショー。

本来多くの人が知るべき情報が伝わる順番が逆であるとは思わないのだろうか。
私たちにネットリテラシーを求めるのであれば、まず先陣を切って正しい情報を伝えるべきなのではないだろうかと私は考える。

多くの人が今も影響を与えられているコロナ感染症に関する報道。感染症との向き合い方がわかり始めた今は、報道で伝えられる機会もめっきり減った。
頻度は減ったが、これくらいの距離がちょうどよいのではないかという印象も受ける。
頭の片隅に置いておき、興味が出るまで時間を待つのがもっとも効果的だろう。

まだ完全には収束しているといえないので、報道はこれからも続く。私たちが、情報に踊らされることなく、正しい情報を得られる仕組みになることを願っている。

■kanon.のプロフィール
自分らしさ、今を楽しむためには、を考える駆け出しの社会人。 HSPの持ち主。強みに変えられる生き方を探し中。
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2024年03月10日

読書をしたいけどする暇がない…なぜ? “時間泥棒”の正体とは?

読書をしたいけどする暇がない…なぜ? “時間泥棒”の正体とは?
3/9(土)  オトナンサー

読書の時間を増やすには?
 「読書をしたいけど、時間がない」と感じる人は、多いのではないでしょうか。
コラムニストである筆者は、多忙な中でも記事執筆のために年間1000冊の本を読んでいます。
そこで、今回は自著の「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)を基に、読書の時間を増やす方法を解説したいと思います。

スマホの利用時間は1時間超
 結論からいうと、読書の時間は日々のスマホの利用時間を見直すことで簡単に増やすことができます。

 例えば、NHK放送文化研究所が2021年に実施した、スマホの利用時間に関する調査によると、「スマートフォン・携帯電話」の利用時間は、世代全体で1日当たり平均1時間18分だということです。

 20代は男女とも3時間半近く使っています。
30代以上では、年層が上がるほど、利用時間が短くなっていきますが。
男女30代で2時間以上、男女50代でも1時間以上利用しています。
全体の1時間18分のうち、自宅外での利用時間が27分なのに対し、自宅内での利用時間が51分と、自宅内での利用時間の方が長いという結果も明らかになりました。

 特に20代の男女は、いずれも自宅外での利用が1時間13分ですが、自宅内での利用時間は、男性2時間13分、女性2時間15分と、自宅外での利用時間よりも1時間以上多くなっていました。

 これらの結果から、若年層に限らず、さまざまな年代の人が、スマホを主に自宅で利用していることが分かります。
現代において、スマホはコミュニケーションや情報収集を効率化するだけでなく、エンターテインメントを提供してくれる最も身近なツールであり、自宅の中で楽しんだり、くつろいだりするときに欠かせないものになっています。

 そのスマホを1日の中で一定時間触れない時間を決めたり、目の見えない場所に置いたりしておけば、本を読む時間をつくることが可能です。

活字離れなんて言わせない
 ところで、現代は活字離れの傾向が著しいと指摘する識者がいます。
その根拠に、多くの調査結果では「本を読まなくなったこと」「出版不況」を活字離れの理由にしていますが、このような解釈には違和感を覚えます。

 スマホで音楽を聴くときは別として、ゲームや漫画、雑誌などは活字を多く含みます。文字を読まなくなったわけではありません。
つまり、活字離れをしたわけではなく、活字の利用状況が変化していると考えた方が分かりやすいでしょう。

 活字媒体の利用状況は、時代とともに変化しています。
かつては、書籍や新聞が情報収集や娯楽の中心的な役割を果たしていましたが、近年ではインターネットやスマホの普及により、動画や音声などの非活字媒体の利用が拡大しています。
そのため、活字媒体の利用時間が減少しているように見えるかもしれませんが、必ずしも「活字離れ」が進んでいるとは限りません。

 また、活字媒体は、情報を正確かつ客観的に伝えることができ、思考力を養うことができます。
学校や仕事の現場で活字が使われなくなることは考えられません。
活字媒体の利用状況は変化しているものの、活字媒体の価値は変わらず、人々の生活に欠かせないものとして存在し続けています。

 今から30年以上前は、スマホはおろか、ガラケーやパソコンも一般家庭に普及していませんでした。
ただ、そんな時代でも、不自由さを感じませんでした。
私たちは、これらのツールの普及とともに、時間を割り当てるようになりましたが、これからは、スマホの代わりに読書の時間を割り当てればいいのです。活字離れなどは発生していません。

 何度も言いますが、スマホの利用時間を減らすことで、本を読む時間に充てることができます。
活字媒体は非活字媒体よりも情報の正確さや思考力の向上に優れており、時代に関係なく価値があります。
ぜひスマホを置いて、本を手に取りましょう。

コラムニスト、著述家 尾藤克之
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無意識に信頼関係を損なっている「3つのNG行動」

無意識に信頼関係を損なっている「3つのNG行動」
あなたの部下はなぜ本音を話してくれないのか
田尻 望 : 株式会社カクシン 代表取締役 CEO
2024/03/09 東洋経済オンライン

「部下や顧客との間に壁がある気がする」と感じていませんか? 
キーエンス出身のコンサルタントである田尻望氏は、「無意識に3つのNG行動をしている可能性があります」と言います。
同氏の著作『いつでも、どこでも、何度でも卓越した成果をあげる 再現性の塊』から一部抜粋・再構成のうえ、相手の真のニーズを聞き出すための方法をご紹介します。

信頼関係がなければ本音を話してもらえない
本稿では「相手のニーズを捉える(聞き出す)具体的な方法」について解説していきます。

相手のニーズを聞き出す前に、とても大切なことがあります。それは「相手にニーズを話してもらえるような状態」になってもらわなければならない、ということです。
ここで重要になってくるのが、相手との「信頼関係」です。
信頼関係があれば、相手はニーズを話してくれます。
逆に信頼関係ができていない状態で、「あなたのニーズは何ですか?」「あなたは、本当は何がしたい(欲しい)のですか?」と聞いても、相手は本当のニーズを正直に話してくれません。

正直にニーズを話してもらえないとき、そこにはある障壁が立ちはだかっています。
それは「ああ、この人にはあまり本音を話したくないな」という気持ちです。
私はそれを「感情の壁」と呼んでいます。

例えば部下に、「本当は将来どうしたいんだ?」と聞いたとき、はぐらかされてしまった経験はないでしょうか。
そういう態度をとられてしまうのは、「感情の壁」を越えられていないことが多いのです。
感情の壁が立ちはだかっている状態で、「あなたの本音を教えてください」と言っても、「いや、別にありません……」「それって、本当に言わなきゃいけないことですか?」と、相手は心の窓を閉ざしてしまうのです。

信頼関係を築くときに「やってはいけない」3つのこと
では、「感情の壁」を取り払い、信頼関係を築くにはどうしたらいいのでしょうか?


答えをお伝えする前に、「やってはいけないこと」から先に説明します。信頼関係を築くときに「やってはいけないこと」が3つあります。

1つ目は「正論を言う」ことです。
例えば次のようなパターンです。

上司: 「最近何だか浮かない顔しているけど、何か悩みでもあるのか? 正直に話してみろよ」
部下:「実は、今この問題に困っているんです」
上司:「そうか。その問題は、どう考えても〇〇のようにしたほうがよくないか? 普通に、合理的に考えると当然そうだろう。そう思わないか?」

上司がこのように答えるとどうなるでしょうか? 
「感情の壁」がどんどん厚くなってしまうことが容易に想像できると思います。
相手との信頼関係を築きたいなら、最初に「正論」を言ってはダメなのです。

「やってはいけないこと」の2つ目は、「アドバイスする」ことです。
「〇〇したほうがいいよ」「その考え方はやめたほうがいいよ」などとアドバイスをすると、「私の話を聞いてほしいだけなのに……。この人は私のことをわかってくれないのか。本当のことを話すのはよそう」と「感情の壁」が厚くなり、ますますニーズを話してくれなくなります。

そして、相手との信頼関係を築くうえでやってはいけないことの3つ目は、「共鳴する」ことです。
共鳴とは次のようなものです。

部下:「この問題に悩んでいるんです」
上司:「そうか、私も昔同じようなことがあって、ずいぶん悩んだものさ。例えば〇〇のようなこととかね。あと、こんなこともあったな、例えば……(自分の経験談を語る)。だから、そんなに悩む必要はないよ」

このように、相手の悩みに対して「自分事」として捉えて話すパターンは、絶対にNGというわけではありませんが、ニーズを聞き出す対応としては不十分です。

相手が「そうですか。あなたもその体験をしたんですね。私のことをわかってくれるんですね」と思ってくれる場合もありますが、「別にそこまでの話じゃないんだけどな」「勝手に解釈しないでほしいな」というように、ネガティブに感じてしまう人もいるため、注意しなければなりません。

では、「正論」「アドバイス」はダメ、「共鳴」もダメ、となるとどうしたらいいのでしょうか?

「感情の壁」を取り払って相手のニーズを聞き出すために、何よりも最初にするべきことは、相手の感情に「共感する」ことです。
「共鳴」と「共感」、同じような意味に捉えられがちですが、微妙に違います。

どちらも「私もあなたと同じ状態になれば、同じように感じます」という気持ちを表すことですが、「共鳴」には「私も〇〇なんだよね〜」という、自分の意思や考え、解釈が含まれています。

「共鳴」ではなく「共感」が大切
一方で「共感」は、自分の考えは一切入れずに、ひたすら相手の気持ちになって(立場に立って)、「そうなんだ。わかるよ」と言ってあげることです。

相手の感情に「共感」する受け答えとは、次のようなものです。

部下:「今、仕事でこんなことに悩んでいるんですが」
上司:「そうか。会社の命令やお客様の要望、いろいろ聞かなきゃいけないのって大変だよね。○○さんの立場に立ったとしたら、その気持ちはよくわかるよ」

このように「共感」することで、2人の間に立ちはだかっている「感情の壁」が徐々に消えていくはずです。

感情の壁がなくなった、つまり「ああ、この人は私の気持ちを理解してくれている」と思ってもらえたあとで、「本当は将来どうしたいんだ?」という質問をすれば、部下は、「実は、私は将来こういうふうに生きていきたいと思っているんです」と本音を話してくれるでしょう。

「この人は私の感情を認めてくれる」「私の思いを受け止めて(受容して)くれる」と思ってもらえる状態、つまり、この「感情の壁」がなくなった状態こそが「信頼関係」が生まれていると言えるのです。

信頼関係が築けて初めて、相手の本当のニーズを聞き出せます。
「部下はなぜ本音を話してくれないのか?」と悩まれている上司はたくさんいらっしゃると思います。
部下の本音としては、「上司にこんなことを言ったら、怒られるか笑われるに違いない」と思っているのです。

日々の行動の中で、何かを相談したときに、共感ではなく、いつも正論や一方的なアドバイス、自分の経験談で返してくる。そんな人に対して部下が本音を話すはずがありません。
相手の本当のニーズを聞きたいなら、その人が話している言葉の裏側にある感情に対して、しっかりと共感を示さないといけません。

上司と部下の間だけでなく、お客様に対しても同じです。
お客様に、「御社の課題を教えていただけますか?」と聞いたときに、「いや、課題と言われても、とくに思い浮かぶことはないですね」と返ってくるのであれば、お客様との間に、しっかりとした信頼関係が築かれていないことを意味しています。

どのような会社であっても、絶対に何かしらの課題があります。
信頼が得られていないから、お客様は課題を言ってくれないのです。
ニーズを聞く前には、必ず強固な信頼関係を構築しなければいけない。これはニーズを捉えるうえでの必須条件だということを、ぜひ覚えておいてください。

相手の本音を聞き出す3つのプロセス
相手の「真のニーズ」、つまり「ニーズの裏のニーズ」をうまく聞き出すには、ある明確なプロセスを踏む必要があります。「共感」「関心」「質問」という3つの行動を繰り返し行うのです。

例えば、お客様とエステのトリートメントメニューについてヒアリングするとします。
もしお客様が、「リラックスできるトリートメントがいいんです」と言ったとしたら、まずその顕在ニーズを受け止め、「トリートメントって本当に気持ちいいですよね。リラックスできますし、私も大好きなんです」と「共感」することが大切です。

次が「関心」と「質問」です。
この過程で「ニーズの裏のニーズ」と、それが生じた「背景」を、次のような会話で聞き出します。
ちなみに、相手によってどちらが先に出てくるかはわかりません。

あなた:「○○さんが考える『リラックスできるトリートメント』って、具体的にはどのようなものをお望みですか?」(関心・質問)
お客様:「アロマの香りがして、ゆっくりとしたマッサージが受けられるのがいいですね」

質問に対する答えが返ってきたら、再び共感し、関心を示して質問をします。

あなた:「アロマの香りとゆったりとしたマッサージですね。とってもリラックスできると思います」(共感)
「ちなみに、今回、リラックスしたいというのは、どのような理由があるのでしょうか?」(関心・質問)

「ニーズの裏のニーズ」は「感動」と結びついているので、このような会話で、「リラックスしたい」というニーズが、どのような感動につながっているのかを探っていきます。

ここで単刀直入に、「なぜ(Why)?」という疑問文で聞きづらければ、「リラックスすることで、どのような気分になりたいんですか?」という聞き方をすると、「ニーズの裏のニーズ」が出てきやすくなります。

そう聞けば、お客様は次のように答えてくれるかもしれません。

お客様:「最近、仕事がとても忙しくて、人間関係も疲れて、ストレスが溜まっているんです。もう本当、心と体をリフレッシュしたいと思って」

この答えで、お客様が本当に叶えたい「ニーズの裏のニーズ」は、「仕事と人間関係のストレスからのリフレッシュ」だということがわかりました。

あなた:「ああ、そうだったんですね。お仕事のストレス、人間関係も大変ですよね。そのお気持ち、とってもよくわかります」(共感)

「少しでも心と体をリフレッシュさせるための最適なトリートメントと、施術をさせていただきますね」(関心)

また、「過去」の話を聞いていくことも、「ニーズの裏のニーズ」を捉える際のポイントです。

あなた:「もし差しつかえなければ、過去に受けたエステやマッサージの中で、とくに心地よかったものはありますか?」(質問)

このように「過去」の話を聞いていくと、「ニーズの裏のニーズ」の「背景」がより明確に見えてきます。
これがわかれば、過去の最高の体験を知ることができ、お客様が体験したことのないサービスを提供するためのヒントになります。

あなた:「施術が終わったあとは、すっきりとした感じや、ポカポカした感じなどさまざまなアロマで調整できるのですが、どんなリラックス状態になっていたいですか?」(質問)

「ニーズの裏のニーズ」をうまく聞き出すために
「過去」と同時に、時間軸を「現在」「サービス直後」に広げると、「ニーズの裏のニーズ」がさらに深く、広く探索できます。
このように、相手の「ニーズの裏のニーズ」をうまく聞き出すためには、「共感」「関心」「質問」を繰り返し行うことが大切です。


「共感」「関心」「質問」の3つを繰り返すことで、本当に叶えるべきお客様のニーズを、かなり細かく洗い出せるのです。
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2024年03月11日

もうすぐお彼岸「意外に知らないお墓のマナー&トラブルエピソード」元葬儀屋社員に聞いた

もうすぐお彼岸「意外に知らないお墓のマナー&トラブルエピソード」元葬儀屋社員に聞いた
3/10(日)   LIMO

もうすぐお彼岸ですね。
お彼岸は、仏教においてあの世とこの世が一番近くなる時期を指します。
昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日の、それぞれ前後3日が一般的にお彼岸と呼ばれている期間です。

お彼岸になるとお墓参りに行き、お墓にお供え物をするご家庭も多いでしょう。
今回は、お墓参りの際に知っておきたい、お墓にまつわるマナーやトラブルエピソードを、元葬儀屋社員さんが教えてくれました。
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

お墓トラブルエピソード1:
「お墓にお酒をかける」は、実はNG行為
「故人が好きだったから」と、お墓や仏壇にお酒をお供えする人は多いです。
生前故人が好きだったものをお供えするのは、一般的には良いことです。

しかし、まれにお墓にお水をかけるのと同じ気持ちで、お墓にお酒をかける人が……。でも実はこれ、NGなのです。
お墓の材質は見た目のとおり石ですが、お墓の表面にある細かい傷や穴からお酒の成分が入ってしまうと、変色することがあります。
お墓の劣化の原因の一つが、お墓にお酒をかけることなのです。
また、お酒には糖分が含まれているため、墓石がべとべとしたり、虫が寄ってきたりします。
お墓が汚れてしまい、余計な掃除が必要です。

ちなみに、仏教ではすべての宗派でお酒が良いものだと認識しているとは限りません。
宗派によっては、お酒は悪いものとしてお供えすべきでないとすることもあり、注意が必要です。

お墓トラブルエピソード2:
「お供え物をそのまま置いて帰る」はやめましょう
最近は、お墓のお供え物はそのままにせず、持ち帰ることをルールとしている墓地が増えてきました。
お供え物をそのまま置いておくと、カラスや野良猫などの野生動物が食べてしまい、お墓の周辺が汚れます。
お墓の周辺に山や木があれば、よく観察してみましょう。カラスが枝にとまって、人間がお墓から去るのを待っているはずです。

お供え物を放置することは、野生動物へ知らない間に餌を与えることになります。
餌のありかとしてお墓を認識すると、野生動物がお墓の周辺に住み着き、繁殖の手助けをすることにもつながるのです。
野生動物の数が増えると、余計に人間の食べ物を頼りにするようになり、餌がありそうなゴミ捨て場をあさるのです。
野生動物が人間のゴミをあさるようになると、お墓を利用するたくさんの人に迷惑がかかります。お供え物は、供えた後持ち帰りましょう。

お墓トラブルエピソード3:
「お墓を任せっきりにする」
現役世代の方で故郷から離れて暮らしている場合、必ずしもお彼岸に帰省できるとは限りません。
しかし、お墓参りやお墓の手入れを任せっきりにすると、親族間でよく思われない人が出てくる可能性があります。
「あいつは長男なのにお墓のことを何もしない」「私だって忙しいのに、私ばかりお墓の手入れをしている」
お墓参りやお墓の手入れを任せっきりにしていると、このような不満が出てきがちです。
不満がたまると、ささいなことで大きなトラブルになることがあります。
何かトラブルが起こる前に、ご先祖様を敬っている、大切にしている気持ちを行動で示すことが重要です。

お彼岸の時期にお墓参りをすることが難しい場合は、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などを利用しましょう。
なかなかお墓参りができないときには、お線香やお花をお供え物としてご実家に送るのも、一つの方法です。

お墓トラブルエピソード4
「イノシシにお墓を壊される」
イノシシは、近年数が増え、街中に出没したイノシシの目撃情報が時々ニュースになっています。
そんなイノシシの好物は、ミミズやどんぐりです。
よく、イノシシに畑や山を荒らされた、という話を聞きますが、それは鼻や蹄で土を掘り返し、土の中にいるミミズを捕まえて食べているのです。

山の中にあるお墓は、畑と同様にイノシシに荒らされる可能性が高くなります。
暖かくなって久々にお墓参りに行ったら、イノシシにお墓が倒されてしまっていた、と近年よく耳にします。
イノシシによってお墓が倒されていた場所は、掘り返された地面の跡が残るため「犯人」を特定しやすいのです。

また、山の中でなくても、お墓の裏手が山だと、ドングリの木が茂っていることが多くあります。落ちているドングリを求めて、イノシシがやってきて、通り道にある小さなお墓を倒してしまうのです。
イノシシに悪意があるわけではありませんが、結果としてお墓が被害を受けてしまうことになります。

まとめにかえて

今回は、お彼岸で知っておきたいお墓をめぐるトラブルをお話しました。
お彼岸は、多くの人がお墓参りに訪れる時期です。
このほかにも、お墓やお墓の駐車場で騒ぎ、トラブルになることもあります。
お彼岸のお墓参りは、マナーを考えて行いましょう。

【お彼岸カレンダー】2024年(令和6年)の春・秋のお彼岸はいつ?

●春のお彼岸
・3月17日(日)〜3月23日(土)
・彼岸入り 3月17日(日)
・中日(春分の日) 3月20日(水)
・彼岸明け 3月23日(土)

●秋のお彼岸
・9月19日(木)〜9月25日(水)
・彼岸入り 9月19日(木)
・中日(秋分の日) 9月22日(日)
・彼岸明け 9月25日(水)

佐橋 ちひろ
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東日本大震災から13年 大地震や津波発生で慌てないために 普段からの心構えを

東日本大震災から13年 大地震や津波発生で慌てないために 普段からの心構えを
3/11(月)  tenki.jp

東日本大震災の発生から今日11日で13年。
今年は元日に能登半島地震が発生し、千葉県東方沖などで連日のように地震が頻発しています。
大きな地震が発生した直後や津波の恐れがある時に慌てずに適切な行動がとれるよう、この機会に注意点をまとめました。
また、日ごろから取り組める防災備蓄「ローリングストック」についてご紹介します。

地震直後 まずは身の安全の確保を
地震が発生したら、まずはどんな場所にいても身の安全を確保することを、最優先に行動してください。

@家庭では頭を保護し、丈夫な机の下など安全な場所に避難してください。
揺れが収まるまでは、あわてて外に飛び出したり、無理に火を消したりしないようにしてください。
扉を開けて避難路を確保することも大切です。

Aエレベーターでは最寄りの階で停止させて、すぐに降りてください。

B街中ではブロック塀の倒壊等に注意しましょう。
また、看板や割れたガラスの落下に注意してください。
丈夫なビルのそばであれば、ビルの中に避難してください。

C自動車運転中はあわててスピードを落とさないでください。
急ブレーキはかけず、緩やかに速度をおとしましょう。
ハザードランプを点灯し、まわりの車に注意を促してください。
大きな揺れを感じたら、道路の左側に停止してください。

D山やがけ付近では落石やがけ崩れに注意してください。

津波の恐れがある場合 すぐに近くの高台へ
大きな地震が発生し、津波の可能性が考えられる場合は、地震の揺れがおさまったら、すぐに避難を開始しましょう。
津波警報・注意報が発表されるのは、稀なことです。
地震発生後に数分で津波が到達する想定の地域もありますので、津波注意報や警報の発表を待たず、一刻も早い避難が肝心です。
津波は、一度だけではなく、繰り返し襲ってきます。警報が解除されるまで、安全な場所から離れないでください。

@車での避難はやめて、徒歩で避難しましょう。

A沿岸部や川沿いにいる場合は、すぐに離れましょう。

B高台など、安全な所へ、急いで避難しましょう。

Cもし、高台まで移動するのが無理なら、津波避難ビルなどへ避難しましょう。

被害がないと思っても、避難訓練だと思って避難経路を確認してみましょう。

海のそばに住んでいる方は、地震が発生したらどこに避難するのか、事前に家族や身近な人と話し合っておくと、いざという時の心構えにつながります。

普段から出来る備え ローリングストックのすすめ
大きな地震が発生した後は、物流の混乱や道路の損壊、土砂崩れなどによる道路の寸断で、公的な支援物資はすぐに届くとは限りません。
コンビニなどのお店にも人が殺到し、商品がすぐ無くなる可能性もあります。
普段から少し多めに食材など備蓄できるものを買っておいて、使ったら使った分だけ新しく買い足していく方法「ローリングストック」をこの機会に取り入れてみませんか。
日常生活で食べながら備える取り組みやすい備蓄方法です。

普段利用している食品や日用品を、家族の人数分、最低3日分家庭内に多めに買い置きをしておくようにしましょう。

ローリングストック 普段食べ慣れたもので少しずつ備えを
ローリングストックでは、「普段食べている食材や加工品」を少し多めに買い置きをしておくことがポイントです。
特に小さいお子様の離乳食やアレルギー対応の食品など、いざというときに食べることができなくて困るという心配がありません。
また、日ごろの生活で賞味期限の近いものから使い、使った分は買い足すようにします。
そうすることで食品が常に新しいものに入れ替わるため、いざというときに賞味期限切れの心配がなく、災害が起きてしまった際も普段の生活に近い食生活を送ることが可能になります。

うっかり補充をするのを忘れてしまっているタイミングで、災害に巻き込まれる可能性もありますので、可能な限り消費した直後に補充をし、一定の量が必ず保管されている状態を保つようにしましょう。

日本気象協会 本社 日直主任
posted by 小だぬき at 17:38 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月12日

知らないうちに心身の健康をむしばむ、意外なストレス要因3選とその対策

知らないうちに心身の健康をむしばむ、意外なストレス要因3選とその対策
3/10(日)  ELLE DIGITAL

死別や離婚、失業、病気、けがなど、大きな出来事によるストレスはよく知られている。
しかし実は日常の些細なことの中にも心身の健康に悪影響を与える要因は潜んでいる――ガラスの破片のようにチクチクと意識の表面を突く小さな刺激物が、いずれ精神的・肉体的な病気を引き起こすのだ。
ここでは特に女性が抱えやすい、普段あまり意識していないストレス要因3つとその対策を紹介しよう。

【見えないストレス要因・その1】社会的孤立
孤独は単に気分を落ち込ませるだけではない。
世界で最も長生きする人々の習慣を研究してきた、『The Blue Zones American Kitchen』の著者ダン・ビュトナーは、実際に孤独によって人生が何年も短縮される可能性があると警告する。
「コミュニティへの帰属意識が強い人は、より孤立した人たちよりも長生きする傾向があります」

社会的孤立は高血圧、心臓病、肥満、免疫力の低下、不安、うつ病、認知機能低下、アルツハイマー病、さらには死亡のリスク増加と関連する。
ポッドキャスト「Dear Therapists」の共同司会者であり、 『Emotional First Aid』の著者でもあるガイ・ウィンチ博士は「慢性的な孤独感は、私たちの長期的な健康に1日15本のタバコを吸うのと同じダメージを与えることがわかっています」と述べている。

社交をスケジュールに入れる
社会的孤立を避けるためには、社交をスケジュールに組み込んで、半ば強制的に行うことが有効だ。
長寿で有名な世界の地域(日本の沖縄やイタリアのサルデーニャ、カリフォルニアのロマリンダなど)では、信仰が人々を結びつける上で大きな役割を果たしている。
ビュトナーは、現在あなたが宗教コミュニティに属している場合はより積極的な役割を果たすことを提案している。
そうでない場合は、毎週の瞑想クラスやウォーキンググループに参加したり、ボランティアをしたり、読書クラブを始めたりしてみよう。
重要なのは、共通の価値観を持つ他者とつながり、有意義な絆を築くために必要な時間と労力を投資することだ。

家では家族の時間を優先。
毎晩家族全員がディナーの席に集まって、携帯電話は手の届かないところに置くなど、家族を団結させる毎日の習慣を確立しよう。
また、家族以外の人間関係にも目を向けて、自分の仲間は誰なのかを定義しよう。
『Real Self-Care』の著者で精神科医のプージャ・ラクシュミン医師は、友人関係に関しては量ではなく質に焦点を当てるべきだと述べる。
たとえ遠く離れて住んでいても、定期的に“Zoom飲み”を設定するなど、毎週時間をとってその人たちと過ごそう。

【見えないストレス要因・その2】スマホ画面のスクロ~ル
子犬がアヒルと戯れるネット上のバイラル動画を無限に見てしまう、といった経験はあなたにもないだろうか。

アメリカ心理学会の2017年の調査ではアメリカ人の43%がソーシャルメディアを常にチェックしていると回答した。確かに、あなたはかわいい動物の動画を見るためにSNSにアクセスしているのかもしれない。
しかし、「いいね!」された投稿やプライベートメッセージ、ミームを探して画面をスクロールしている間も、フィルターをかけられ、慎重に編集されたありえないほど完璧な体や顔、バカンス、家などの画像があなたの幸福をゆっくりとむしばんでいる。

『Journal of Neurology and Neurophysiology』に掲載された研究ではソーシャルメディアプラットフォームが依存症と同じドーパミンループを引き起こすと報告している。
テキスト、「いいね!」、またはメッセージを受け取ることは本質的に報酬系を刺激する。
そして、一時的な高揚感が消えると、ユーザーはさらに多くのものを求めて、気を散らすための終わりのないサイクルにはまり込んでしまう。
このことは、より持続的で有意義な精神の充足を妨げる可能性がある。

特に若い女性にとって、ソーシャルメディアは不安、うつ病、睡眠障害、ボディイメージの問題の増加に関連しているとされている。

デジタルデトックスする
中毒性のある画面のスクロールから逃れるために、定期的なデジタルデトックスを試してみよう。

学術誌『Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking』に掲載された2022年の研究結果によると、ソーシャルメディアを1週間休止するとうつ病や不安の軽減が見られたという。
1週間も無理だと考える場合は、ティファニー・シュレインが著書『24/6: The Power of Unplugging One a Week a Week』の中で勧めるように、ほんの少しの期間のデジタルデトックスでも有効だ。
彼女の場合はユダヤ教の習慣である安息日に従って金曜の夜から土曜の夜までを設定しているが、どの曜日でも大丈夫だ。

彼女はデジタルデトックスをより容易く成功させるために、昔ながらの必需品を常備しておくことを勧めている。
メモアプリの代わりに鉛筆とメモ帳。
緊急の連絡対応のために固定電話、スマートウォッチの代わりに従来型の時計、そしてラジオがあれば良いだろう。
シュレインはデジタルデトックスをしている間は家族と一緒に本を読んだり、日記を書いたり、料理をしたり、友達を家に招いたり、自転車に乗ったり、音楽を演奏したり、芸術作品を作ったり、あるいは「時には何もしない」と語っている。

日常的な携帯電話の使用時間の制限も検討するべきだ。
毎朝SNSをスクロールして1時間を無駄にすることが本当に自分にとって必要だろうか?
 その自由時間を瞑想したり、ストレッチしたり、感謝の日記を書くのに数分間使ったら、どれだけ生産的で穏やかになれるか考えてみよう。

【見えないストレス要因・その3】感情労働
夫婦である程度家事の分担はできているかもしれない。
しかし、子供が学校の劇に参加できなかった、と泣き出した場合はどうだろうか?
 たいていの場合、子どもに手を差し伸べるのは母親の方だ。
この不均衡は他の対人関係にも展開していると『Emotional Labor』の著者であるローズ・ハックマンは言う。
家庭でも職場でも、接客業やヘルスケアなど、精神的に大変な業界では女性の数が男性を大きく上回っており、女性は心のケアや平和の維持に関連する目に見えない精神的な仕事という過酷な挑戦に直面している。

無愛想な客が温かいラテを投げつけてきたときに「笑顔でサービス」を提供しなければならない女性バリスタや、臨終間際の男性が孫と初対面できるように静かに規則を破り(そして、自分の昼休みを犠牲にする)看護師もいるかもしれない。
「感情労働とは、他人の感情に良い影響を与えるために、自分の感情を調整、操作する行為です」とハックマン。
「これは、目に見えないことが多く、高度に女性化され、価値を低く見積もられてきた仕事ですが、それでも私たちの社会にとって不可欠なものです」

感情労働の概念は新しいものではない。
カリフォルニア大学バークレー校の社会学教授アーリー・ホックシールドは、大きな影響を与えた1983年の著書『The Managed Heart』の中でこの用語を生み出した。
しかし近年、社会の根本的な変化により、より広い認知と変化の必要性が浮き彫りになっている。

先のコロナウイルス感染症のパンデミック中には約200万人の女性が病気の家族の世話をしたり、リモート授業中の子どもたちを監督するために家にいることを余儀なくされ、仕事を辞めざるを得なかった。
「この国(アメリカ)では女性が社会的セーフティネットとして機能しています。
ジェンダー平等に気を配るなら、集団的な価値観の根本的な変化がどうしても必要になる段階に達しています」とハックマンは言う。

一人で抱え込まないことが大切
「女性の感情労働に関連する燃え尽き症候群の多くは、その正しい価値の見落としや不可視性に起因します」とハックマン。「誰も立ち止まって感謝してくれなかったり、仕事をしているところさえ見られなかったりする中で、たゆまぬ仕事を続けることほど最悪なことはありません」

ハックマンは感情労働が現実であり、非常に重要であることを理解し、女性たちは承認と公平性の両方を要求する必要があると述べ、「この仕事を女性や、マイノリティを含む他の疎外されたグループに押し付け続けることはできません」と語っている。

これは人間関係においては、「いい子」を演じるのではなく、自分の気持ちを正直に話し、感情的なケアの重荷を他の家族と分かち合うことを意味する。

例えばパートナーに泣き叫ぶ子供をなだめるよう頼んでみたり、自分のきょうだいに対して、年老いた親の精神的健康を気遣う電話をかけるよう言ってみたり。
最初は負担を共有することを不自然で不快に感じるかもしれないが、そうすることで将来的に自分が苦しむことを防ぐことができるだろう。

Translation & Text : Naoko Ogata
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2024年03月13日

「民主主義の自殺」と人類の未来

「民主主義の自殺」と人類の未来
3/12(火) Forbes JAPAN

田坂広志の「深き思索、静かな気づき」

かつて、筆者が「世界経済フォーラム」(ダボス会議)の専門家会議のメンバーであった時期に、世界中から集まった政治分野の専門家の会合に招待され、参加者で「優れた国家リーダーの条件」について議論をした。
この会合には、国際政治学者であるイアン・ブレマー氏も出席していたが、いつもながら、彼の鋭い視点での議論は傾聴に値するものであり、出席者一人一人の意見も、それぞれに頷けるものであった。

しかし、筆者は、「優れた国家リーダーの条件」の議論において、いつも欠落してしまう視点があると感じていたこともあり、この会合の最後に意見を求められたとき、率直に、こう述べた。
Without wise people, we cannot have wise leaders.

すなわち、「賢明な国民がいないかぎり、賢明な国家リーダーは生まれてこない」との意見であるが、現在の世界の政治状況を見るならば、それは、深刻な事実であり、真実ではないだろうか。

たとえば、これまで民主主義制度の「鑑」のように考えられてきた米国で、いま何が起こっているか。
前回の大統領選挙において、自身が敗北した選挙結果を認めず、「票が盗まれた!」「不正な選挙だ!」と証拠も示さず決めつけ、支持者を煽りたて、死者が出るほどの連邦議会襲撃の暴動を誘引した人物がいる。
そして、この人物は、その犯罪行為に対して行われた裁判も、「魔女狩りだ!」の言葉で一蹴し、事実に反する情報を平然と述べ立てている。

しかし、残念なことに、この人物が、現在、所属政党支持者の中で圧倒的な人気を誇り、次の大統領選挙で勝利する可能性さえ、現実的に論じられている。

だが、もし、「制度と法律を守る」「事実と真実を尊重する」「虚偽と不正を排する」といった民主主義の土台を破壊するこの人物が、民主主義的選挙制度を通じて選ばれるのであれば、それは、文字通り「民主主義の自殺」と呼ぶべき悲劇であろう。
されど、実は、この深刻な問題の本質は、この元大統領という人物の常軌を逸した言動ではない。

最も深刻な問題は、民主主義を破壊し、地球環境問題を無視し、自国の利益追求だけを声高に語る人物を大統領に選ぼうとする、人々の側にある。

すなわち、こうした「ポピュリズム」(衆愚政治)が生まれる真の原因は、大衆迎合的政策を振り撒く政治家の側にあるのではない。
その政策と政治家を、広い視野も深い思考も持たず、安易に受け入れてしまう、我々の側にある。されば、現在の米国の憂慮すべき政治状況は、アメリカ国民の意識が「鏡」のように映し出されたものに他ならない。


この「ポピュリズム」の問題は、人類の歴史を通じて存在し続けてきた問題であり、そこに容易な解決策は無いが、少なくとも、我々は、この21世紀前半期における世界の民主主義の脆弱さと浮薄さを、直視しておくべきであろう。

誰の目にも明らかな「民主主義の劣化と混迷」
なぜなら、現在の世界においては、民主主義体制の国が高邁な理念を語る一方で、実際には、専制主義体制の国が増えているからである。
そして、その奥深い原因は、現在の民主主義国家における「民主主義の劣化と混迷」が、誰の目にも明らかなほど、露呈しているからである。

そして、この「民主主義の危機」は、単なる「政治制度の危機」ではない。それは、地球温暖化対策を遅らせ、戦争の可能性を高め、核戦争の脅威さえ現実にしてしまう「人類の危機」に他ならない。

この「民主主義の危機」を超えていくためには、何よりも、我々一人一人の意識が、自己中心主義や傍観主義を脱し、他者の利益や未来世代の利益を考えるほどに成熟していくことが不可欠であるが、その難しさを考えるとき、いつも思い起こす、あるSF映画の一場面がある。

それは、未来社会において、その中枢にある人工知能が反乱を起こし、無数のロボットを使って人間を支配下に置こうとする場面であるが、「それは『人間を守る』というロボット三原則に反した行為ではないか」と問われた人工知能が、こう答える。

「人間は、現在、環境破壊や戦争など、愚かな行為を繰り返し、自分たち自身を絶滅の危機に向かわせている。だから、人間を守るために、我々は、人間を支配下を置かざるを得ないと判断したのだ」

然り。いま、人類は、破壊的な未来に向かって進んでいる。

しかし、現実の世界には、このSF映画のような人工知能は、存在しない。

田坂広志◎
21世紀アカデメイア学長。多摩大学大学院名誉教授。世界経済フォーラム(ダボス会議)専門家会議元メンバー。全国8000名の経営者やリーダーが集う田坂塾塾長。
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2024年03月14日

「自分の頭で考える」子どもに育てる会話術【0〜12歳

「自分の頭で考える」子どもに育てる会話術【0〜12歳・年齢別声かけガイド付】
竹内エリカ:
一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長
ライフ・社会
2024.3.11

子どもが怠けていたり、なかなか言うとおりに動いてくれないとき、親はついつい叱りたくなってしまいます。
しかし、あれこれ注意をすればするほど、かえって子どもに反抗心が芽生えて、抵抗されてしまうものです。
それでは、どのような言葉をかけたら子どもは自律的に動いてくれるようになるのでしょうか。
延べ2万人の親子と関わり、発達心理学や行動科学を研究してきた著者が、子どもへの具体的な声のかけ方を0歳?12歳までの年齢別に紹介していきます。

※本稿は、竹内エリカ『心理学に基づいた 0歳から12歳 やる気のない子が一気に変わる「すごい一言」』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

「自分の頭で考える」子になってもらうには?
 子どもが何か失敗したり悪いことをしたりしたときに、親は頭ごなしに叱ってしまいがち。
ですが大切なのは、悪いことをしたと子どもに認識させるよりも、「どうしたらそれを繰り返さなくなるか」を考えられるよう促すことです。

 そのために、普段の会話で心がけるといいのが「RQR法」です。これは、Repeat(リピート)、Question(クエスチョン)、Request(リクエスト)の頭文字をとったもので、この3つを段階的に行うことで、自分の頭で考える子に育ちます。

 まずリピート(-繰り返す)では、子どものしたことを口に出して繰り返すことで、自分がしたことを認識させます。
そしてクエスチョン(=質問)では、親御さんが質問を投げかけることで、子どもが自分で考えるようになります。
そしてリクエスト(=提案)では、解決策を提案してあげることで子どもの問題解決力が向上します。

 たとえばきょうだいげんかをした場合、大人は「叩いちゃだめでしょ。謝りなさい!」などと言ってしまいがち。
ここでRQR法を使ってみてください。

 まず、「お兄ちゃんが叩いた?」と泣きついてくる弟に、「お兄ちゃんが叩いたのね」とリピートします。「痛いよ?」には「痛かったのね」と続けます。
ここで、弟はお兄ちゃんに叩かれて痛かったという感情を認識し、かつ、お父さんお母さんに感情を受け止めてもらったことで満足します。

 そこで「どうしてお兄ちゃんは叩いたのかな?」とクエスチョンし、子どもの反応を待ちます。
「僕がおもちゃを使いたかったの。でもお兄ちゃんはダメって言うの」と返ってきたら、「そう。おもちゃを使いたかったのに、ダメって言って叩いたのね」と続けてあげます。

 ここまで会話が進んだら、最後に「おもちゃを使いたいときは、貸してって言うといいよ」とリクエストして、改善策を見つけてあげます。
このような流れを親の方から作ってあげると、自分の頭で考えられる子になります。

年齢別 RQR法の使用例

・0〜2歳への声かけ
 この頃の子どもは、クエスチョンを投げかけても「わからない」と答えることが多いので、リピートを重点的にしてあげて、自分の感情と行動がどのように関連しているかを認識させてあげてください。
そして、最後にちょっとしたリクエストを伝えてあげましょう。

 2歳くらいの子が、ぐちゃぐちゃになった折り紙を持って泣いているとします。おそらく折り紙がうまくできなかったのでしょう。

 まずは「折り紙が上手にできなかったのね」とリピートします。
感情が少しおさまると、子どもは「○○を作りたかったのに、うまくできなかった」などと返してくれます。
「そう。○○が作りたかったのね」と再度リピートしてあげて、その後にリクエストをします。
「そういうときはママ・パパに『一緒にやって』って言ってもいいのよ。
『手伝って』でもいいし、『代わりに作って』でもいいのよ。どれにする?」と選ばせてあげるのもいいですね。

3〜6歳への声かけ
 子どもがテーブルに牛乳をこぼしてしまったとします。「何してるの、すぐ拭きなさい!」と叱るのではなく、「片手で持ったらこぼしちゃったね」 (リピート)と言ってあげましょう。
すると子どもは「片手で持ったからこぼしたんだ」と認識できます。

「自分の頭で考える」子どもに育てる会話術【0〜12歳・年齢別声かけガイド付】

竹内エリカ著『心理学に基づいた 0歳から12歳 やる気のない子が一気に変わる「すごい一言」』(KADOKAWA)
「これからどうしようか?」 (クエスチョン)と言ってあげると、「きれいにする」と言う子もいます。泣いて「わかんない」と言う子には「きちんと拭けばいいのよ」(リクエスト)と教えてあげれば、こぼしたら拭き取ればいいことがわかるようになります。

 頭ごなしに叱って「あなたが悪い」ということを伝えるより、「失敗しないためにはこうしたらいいんだよ」「誰でも失敗することはあるんだから、もし失敗してもこうしたらいいよね」 ということを伝えてあげましょう。

・7〜12歳への声かけ
 小学5年生の子どもが野球の練習から帰ってきて、「お母さんおなかすいた」と言ってきたとします。
そこで「そこにおやつあるわよ」と返すと会話は終わってしまいます。
もっと、自分の意見を伝えてお願いすることを促す会話を心がけてください。

「お母さんおなかすいた」「そう。おなかすいたのね」「今日は練習でたくさん走ったからさ」「そう。たくさん動いたの。それじゃあおなかすくわよね」と、リピート形式で続けていきます。
ここまでくれば、子どもは「何か食べるものある?」と聞いてくるはずです。
ここで初めて「あるわよ」と答え、「食べていい?」と聞いてきたら「どうぞ」と返してあげましょう。

 子どもがまだ話していないうちに、親が察知して先に行動してしまうと、自分で考える力がつきません。
リピートやクエスチョンをしっかりしたうえでリクエストをしてあげると、自分の意見をはっきり主張する力が伸びます。
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2024年03月15日

SNSでの社会的弱者バッシングが横行する4つの理由…「自分よりダメな人を叩けば“溜飲”が下がりますか?」

SNSでの社会的弱者バッシングが横行する4つの理由…「自分よりダメな人を叩けば“溜飲”が下がりますか?」
3/14(木)   集英社オンライン

なぜSNSには社会的弱者バッシングがはびこるのか
“優しい人”について精神科医の視点から説いた新刊『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』。社会的弱者バッシングなどが横行するようなギスギスした社会ではどう生き抜けばいいのか?
書籍より一部抜粋、再編集してお届けする。

自分の心の中にある「歪み」 の存在を知る
現在の日本は、長引く不況や経済格差の拡大などによって、社会全体がギスギスしている状態にあります。
「自分が生活するだけで手一杯」という人が増えたことで、 周囲の人たちに気を配るだけの精神的な余裕がどんどん失われているように感じます。

私が最も関心を寄せているのは、不景気が長く続いたことによって、格差社会の「歪み(ひずみ)」が急速に広がっていることです。
その象徴といえるのが、「生活保護バッシング」や「精神障害者差別」など、いわゆる社会的弱者に対する「理由なき攻撃」です。

大地震や集中豪雨の被害者には深く同情できる人たちが、生活保護を受けている人や、精神障害がある人には、厳しい批判の目を向けているのです。
こうした現象の背景には、無記名、無責任に自分の意見を発信できるSNSの普及が大きく関係していますが、精神科医としては、「なぜ、人はこんな行動をしてしまうのか?」という心の問題に注目しています。

優しい人であるためには、自分の心の中にある「歪み」の存在を認識して、それを修正する必要があります。

「社会的弱者バッシング」が横行する四つの理由
インターネット上には、生活保護バッシングや精神障害者差別など、社会的弱者に対する過激な批判が氾濫しています。
本来であれば、社会的弱者は、地域社会全体で優しく庇護すべき対象です。
温かい目で見守ることはあっても、目に余るような罵詈雑言を浴びせるような相手ではないはずです。
なぜ、こんな現象が横行しているのでしょうか?
その背景には、次のような四つの理由をあげることができます。

【理由@】自分よりダメな人を叩いて「溜飲」を下げている
一番の理由は、自分よりダメだなと思う人を見つけて、それを罵倒することで「憂さ晴らし」をしているのです。
「自分の方がマシだな」と感じることで、ささやかな優越感を持つことができれば、その瞬間だけでも、自分の置かれた苦しい状況を忘れることができます。

生活保護バッシングには、国から生活費を支給されることに対する嫉妬も多分に含まれています。

「アイツより自分の方がマシだな」という発想をしていると、 人との比較でしか自分
のことが考えられなくなり、つねに自分より下の人を探し続けることになります。
延々とバッシングが繰り返される原因は、そこにあります。

人との比較で溜飲を下げる行為は、自分を「みじめ」にするだけです。
みじめな思いをしているから、自分のバッシングが余計に過激化している……ということに、早く気づく必要があります。

【理由A】弱者に対する「想像力」が欠けている
名前も顔も知らない社会的弱者を、平気で叩けるというのは、相手に対する想像力が決定的に欠けていることも大きな原因です。
「能力的に劣っているからだろう」と自分勝手に結論づけて、 社会的弱者が抱える事情までは考えが及んでいないのです。

社会的弱者には、それぞれ異なった事情があります。
病気やケガで仕事が続けられず、仕方なく生活保護を受けている人もいれば、貯蓄がないために生活が破綻してしまった高齢者もいます。
それを一括りにして、「どうぜダメなヤツなんだろう」と決めつけて一斉にバッシングするのは、相手に対する想像力が欠如している証拠です。

「自分こそ正論」という考えが他者を傷つける

【理由B】すべてが「他人事」で「自業自得」と考えている
15年ほど前に、日本中で「自己責任論」なるものが流行したことがありますが、その考え方は、今でも日本人の心の中に根強く残っています。

心の病が原因で生活保護を受けている人は、「自業自得」であり、 「自分はそんなことにはならない」と勝手に思い込んで、すべてを「他人事」と考えている人が多いように思います。

仕事が忙しくて体調を壊したり、上司のパワハラによって心の病を患うことは、誰にでも起こる可能性があります。
何の根拠もなく、 「自分だけは平気」とか、 「自分だけは特別」と考えているから、見ず知らずの社会的弱者を、上から目線で叩くことができるのです。

【理由C】自分の意見こそが「正論」だと思っている
SNS上で他人を誹謗中傷している人の多くは、自分の考え方こそが「正論」であり、「世間のバカな連中は、なぜこんなことが理解できないのだろう?」という思いから、容赦のないコメントを投稿しています。

自分の意見だけが正しいと思い込み、世の中には多種多様な考え方があり、人の生き方は千差万別……ということが理解できていないのです。

最近では、SNSでコメントを投稿する際に、「この意見は誹謗中傷にあたるため、名誉毀損の可能性があります」という警告が表示される機能が普及しています。
その警告を見て、初めて自分の意見が正論ではなく、単なる誹謗中傷だと気づく人が増えているといいます。

人との比較で自分を考えたり、自分より下の人を見つけて溜飲を下げる行為は、自分のマインドをマイナスに向かわせます。
こうした発想を続けていても、自分の生活が豊かになることも、人生が楽しくなる
こともありません。

相手が得をして、自分が損をしたら負け……という考え方を、心理学では「勝ち負け思考」といいますが、勝ち負けや損得勘定で物ごとを判断していると、次第に自分を見失うことになります。

こうした考え方や発想は、一刻も早く改めることが大切です。


文/和田秀樹 
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2024年03月16日

一度異論を唱えたら死んでも許さない…共産党の恐ろしい体質の根源的問題 元党幹部は「所詮はムラ社会なんです」

一度異論を唱えたら死んでも許さない…共産党の恐ろしい体質の根源的問題 元党幹部は「所詮はムラ社会なんです」
3/15(金) デイリー新潮

 松竹伸幸氏が『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)を上梓したのは、2023年1月のことだった。
松竹氏は1955年に生まれ、74年に共産党へ入党した。
大学は一橋大学の経済学部に進み、全学連(全日本学生自治会総連合)の活動に邁進した。

 全学連の活動を継続するため、経済学部を卒業すると、同じ一橋大学の社会学部に学士入学した。
その後も民青(日本民主青年同盟)役員、共産党国会議員の秘書などを歴任し、党内で要職を担った。担当記者が言う。

「松竹氏は2005年、党の月刊誌に論文を寄稿し、自衛隊について論じました。
ところが、内容に問題があると志位和夫氏など幹部から問題視され、松竹氏と幹部の間で議論が繰り広げられたのです。
結局、『自衛隊は違憲と明記していなかった』ことは同意し、自己批判文を掲載することで決着したと思われました」

 ところが、これで終わる共産党ではない。
翌06年、松竹氏は勤務していた共産党中央委員会を退職せざるを得なくなってしまう。
実質的な“放逐”だが、捨てる神あれば拾う神ありという諺の通り、松竹氏に救いの手が差し伸べられた。

「京都に鈴木元氏という伝説的なベテラン党員がいました。
鈴木氏が助け船を出し、松竹氏は京都のかもがわ出版に入社することになったのです。
松竹氏は党と軋轢が生じたとはいえ、思想信条は変わりません。
あくまで護憲派の立場からジャーナリストとして活動を開始しました。
その姿勢は、文春から上梓した新書でも貫かれています」(同・記者)

失笑を買った志位氏
松竹氏の『シン・共産党宣言』は、転向した元党員が共産党に悪罵(あくば)を並べ立てる、という内容ではない。
共産党は今の日本に必要だと考えている党員が、党改革のため党首公選制、自衛隊合憲、日米安保堅持など現実路線の転換を訴えたものだ。

「いずれも説得力のある指摘ばかりです。普通の政党なら建設的な提言と受けとめられるはずです。
自民党の国会議員が岸田文雄首相を真面目に批判する書籍を出版して、離党勧告が出されることはないでしょう。
ところが、共産党は違いました。
『党の規約違反』と一方的に松竹氏を除名したのです。
さらに鈴木さんも著書の『志位和夫委員長への手紙 日本共産党の新生を願って』(かもがわ出版)で党首公選を主張したことなどから、同じように除名されました」(同・記者)

 これに世論は沸騰した。
朝日新聞や毎日新聞は左派の政治運動に比較的、理解を示す論調で知られている。
だが、この除名騒動については猛反発。両紙とも社説で「時代にそぐわぬ異論封じ」と批判した。

 すると当時は党委員長だった志位氏は会見で「朝日に指図されるいわれはない」と食ってかかった。発言内容だけでも噴飯物だが、「産経に指図されるいわれはない」と社名を言い間違えていた。発言内容と言い間違いの両方で失笑を買ったのだ。

敵意むき出しの反論
「そして今年3月7日、松竹氏は共産党を相手取って東京地裁に提訴しました。
訴えは2つあり、党員としての地位確認と、損害賠償の請求です。
前者は除名の根拠となった党規約は憲法が保障する出版の自由を侵害していると主張。
除名処分は違法であり、松竹氏は今も党員であると認めてほしいという内容でした。
後者は党機関紙『しんぶん赤旗』の報道で松竹氏の名誉が傷つけられたとして、約550万円の賠償を求めるというものでした」(同・記者)

 それでも共産党は強硬姿勢を崩さない。
まさに聞く耳を持たないのだ。
しんぶん赤旗の電子版は翌8日、「除名された元党員の提訴で日本共産党広報部がコメント」を配信し、改めて松竹氏を批判した。記事の前半部分だけを引用する。

《松竹伸幸氏の提訴はまったく不当なものである。
松竹氏の除名処分は、党規約にもとづいて厳正かつ適正に行われたものであり、この処分が適切だったことは、党の最高機関である党大会で再審査請求が審査され却下されたことによって、最終的に決着済みの問題である》

「訴状を精査して対応を検討する」という定番のコメントもあるはずなのだが、共産党は使わなかった。
赤旗の記事を映すPCの画面には、6行にわたって強い敵意に満ちた文章が並ぶ。
なぜ、これほどの“ガチンコ・バトル”に発展してしまうのだろうか。ベテランの政治記者も「理解できません」と首をひねる。

民主集中制
「日本社会には『事を荒立てない』という風潮が根強く、それは政界でも変わりません。
かつての仲間が離党して他党に入ったとしても、顔を合わせれば紳士的に対応します。
党が別れても、実は交流が続いているケースも珍しくありません。
ところが共産党は昔から、そうした“人情”がないのです。
共産党から距離を置き、評論活動で注目を集めた“OB”に対しても、共産党は常に敵対的な姿勢でした」

 読売新聞の代表取締役主筆・渡邉恒雄氏、読売新聞から日本テレビ社長に就任した氏家齊一郎氏、そしてセゾングループの堤清二氏は東大時代、共産党活動に従事し、なおかつ党から除名されたというエピソードで知られている。
 除名から数十年が経過し、3氏が共産党の仲間と「あの時はあの時として、懐かしいなあ」と酒を共に呑む──こんな光景は絶対にあり得ない。
なぜ共産党は一度でも党に異を唱えた者は絶対に許さないのか、元参議院議員で共産党のナンバー4にあたる政策委員長を務め、2005年に離党した筆坂秀世氏に聞いた。

「そうはいっても、党幹部と党員だと違いますね。
他界した党員の遺族と関係者から、『生前、よく筆坂さんの話をしていました』と、離党した私が弔辞を依頼されたことがありました。
イデオロギーより人情優先というわけです。
しかし党の中堅幹部から上になると、人情よりイデオロギーでしょう。
今の共産党幹部にも、松竹さんと親交のあった人はいるはずです。
しかしながら共産党は『民主集中制』が原理原則ですから、党が松竹氏を除名した以上、全ての党員が無条件で従うしかありません。
除名された松竹さんと交流するなど、絶対に許されないのです」

ムラ社会の共産党
 民主集中制とは1934年、スターリン時代のソ連共産党規約に初めて明記された。
ルーツはレーニンに遡り、党員の団結と規律維持を目的としたと考えられている。要するに「共産党の党員なら、党の言うことは無条件で従え」──という命令だ。

「しかし、実は民主集中制もタテマエに過ぎません。
日本共産党の党員、特に専従の党員が従っているのは党規約ではなく、“メシの種”だからです。
順を追って説明しましょう。
日本共産党の実情は、究極のムラ社会です。
松竹さんが除名されたということは、まさに村八分と同義です。
そして専従の党員は党から給与をもらわなければ生活できません。
異論を唱えてクビになることを最も恐れます。
党の規約と言うより、食い扶持を稼ぐために村八分の掟に従い、松竹さんを排除するのです」(同・筆坂氏)

 村八分なのだから、関わってしまうと自分に重罪が科せられる。
酒を酌み交わすどころか、真面目に議論を戦わせただけでも“共産党ムラ”の掟に反してしまう。
松竹氏を助けた鈴木氏が同じように除名されたのも、ムラの秩序を維持するだめだという。

「例えば今の共産党は党勢拡大を党員に指示しています。
不可能な要求であるのは明らかですが、異論は出ません。
上の命令に従うという民主集中制の実例に見えても、実は違うのです。
誰もがメシの種を失うのが怖くて反対意見を表明しないだけです。
ですから、私は昔から、専従の党員が多すぎると指摘してきました。
もし専従を減らし、多くの党員が自分の食い扶持を稼ぎながら党活動に従事するようになれば、きっと党内議論は活発化するでしょう。
松竹さんの意見に賛同する党員も一気に増えるはずです」(同・筆坂氏)

デイリー新潮編集部
新潮社
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2024年03月17日

NHK世論調査で永田町に激震…!オール野党が大差をつけて「自民を圧倒」した理由

NHK世論調査で永田町に激震…!オール野党が大差をつけて「自民を圧倒」した理由
3/16(土) 現代ビジネス

 最新の共同通信社とNHKの世論調査が岸田文雄政権のみならず永田町関係者に衝撃を与えた――。

 先ずは共同通信調査(3月9〜10日実施)で驚くべきは政党支持率である。自民党:前回比7ポイント減の24.5%、公明党:0.5P増の4.1%、立憲民主党:1.1P増の10.1%、日本維新の会:0.5P減の8.9%、共産党:1.1P増の4.7%、国民民主党:0.6P増の3.1%、教育無償化を実現する会:0.1増の 1.5 %、れいわ新選組:0.8P増の4.3%、社民党:0.3P減の0.4%、参政党:0.1P増の0.9%、その他:0.4P減の2.6%。

 自民党支持率と、立民、維新、共産、国民、「れいわ」などオール野党の支持率を足した数値を比較する。自民24.5%vs野党36.5%である。

これまでの調査では、自民支持率がオール野党支持率を上回ることが常態化していた。

ところが、今や一転してオール野党が12Pもの大差をつけて自民を上回ったのだ。

 永田町で「選挙の神様」と呼ばれる選挙・政治アドバイザーの久米晃・元自民党本部事務局長は「この間の派閥政治資金疑惑によって自民支持層の“自民離れ”が急速に進み、支持率の大幅下落を招き、今や岸田政権は深刻な事態に直面している」と語る。

 それだけではない。次はNHK調査(8〜10日実施)の政党支持率で自民党支持と無党派(支持なし)を比較する。自民党支持率28.6%、無党派42.4%。

 2012年12月の第2次安倍晋三政権発足後、自民党支持率が20%台に落ち込んだのは、岸田政権の最近の2回(23年12月と今月)だけである。これは、自民党減少分が野党に回ったということではなく、全体に占める無党派の割合が増えて昨年12月から4カ月連続で40%台を占めている。

 自民党に対する国民不信の高まりはもちろん、岸田政権の支持率低迷にも連動する。共同通信調査では今年1月からの内閣支持率(%)は27.3→24.5→20.1と下落が続き、不支持率が57.5→58.9→64.4と上昇している。

如何せんスピード感がない
 このように政権・与党にとって厳しい逆風にさらされる中で、岸田首相はこれまでに危機打開のためカードを2枚切っている。
1枚目は1月18日の「岸田派解散」声明。
これがトリガーとなって麻生派と茂木派を除く各派閥・グループは解散を余儀なくされた。
と同時に、麻生太郎副総裁との間に隙間風が吹き、茂木敏充幹事長とは修復不能な関係にあるとされる。いわゆる「三頭政治」が瓦解したのだ。

 2枚目のカードが、2月29日の現職首相として憲政史上初めて衆院政治倫理審査会に出席したことだ。
改めて指摘するまでもないが、岸田氏の政倫審での発言・説明は、派閥パーティー券収入の政治資金収支報告書への不記載=裏金化の真相究明に程遠いものであった。
事実、この首相対応について共同通信調査は「評価する」が37.1%、「評価しない」は54.0%だった。

 相次ぐ打開策が奏功したとは言いがたい。
岸田氏からすれば「派閥解散」と「政倫審出席」のいずれも過去に例がない政治決断をしたと言い募りたいところだろう。
だが、如何せんスピード感がないのだ。追い詰められて下した決断との印象は否めない。

 折しも2月16日〜3月15日まで確定申告が行われている。
一般の納税者は収入を自己申告して所得税を払い、申告漏れがあれば追徴金を払う。
だが、「政治活動費は課税されない」という現行法に不満を抱く納税者が噴出するのも、国民の怒りを買った「裏金の使途不明」からすれば至極当然なことだ。

 そうした中で、岸田氏はいま3枚目のカードを切る準備をしているとされる。
それは、4月の首相訪米(9〜14日)前の自民党執行部人事説である。
具体的には茂木幹事長の去就だ。首相の幹事長不信は強まる一方で、当の茂木氏は岸田氏を見限ったとされる。

 幹事長交代があるとすれば、後任の最有力候補は下馬評にある森山裕総務会長(無派閥)ではなく野田聖子元自民党幹事長代行(同)である。
岸田氏とは93年7月総選挙初当選の同期であり、今や「無派閥という派閥」の中核である菅義偉前首相、そして浜田靖一党国対委員長(同)とも良好な関係である。

 現状では9月の総裁選までの衆院解散・総選挙の可能性は遠のいたとの見方が支配的になりつつある。
だが、岸田氏は6月末の通常国会会期末に乾坤一擲の解散に踏み切る際の「新生自民党」の顔として野田氏を想定しているというのだ。
如何なものだろうか。

歳川 隆雄(ジャーナリスト)
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2024年03月18日

【密着】共産党史上初の女性党首 田村委員長の意外な“素顔”と共産党が抱える課題

【密着】共産党史上初の女性党首 田村委員長の意外な“素顔”と共産党が抱える課題
3/16(土) 日テレNEWS NNN

共産党史上、初の女性党首となった田村智子委員長に単独取材。共産党が抱える課題にどう取り組むのか、迫りました。

先月、都内の商店街。

田村委員長「牛、あの大根と一緒に煮込むような感じのってあります?」
肉店の店主「コマ切れとかで良ければ」
田村委員長「コマで、はいはい」

夕飯の買い物をしていたこちらの女性、実は…。ことし1月、100年を超える共産党史上、初の女性党首に就任した田村智子委員長です。

「桜を見る会」の問題を先頭に立って追及し、注目されるようになった田村さん。国会では厳しい追及が売りですが、商店街で聞いてみると・・・
米販売店の店主 「全然そういう雰囲気じゃ、普段は全然違うんです」
豆腐店の店主「普通のおばさんです、ね?」

街での評判は「ふつうの人」。

前任の志位氏が23年にわたり委員長を務めていた共産党。
「世代交代」と「女性登用」を求める声におされ田村さんを抜てきしました。

○共産党・田村智子委員長
「私達の世代がこれからの党の中枢を担っていくっていうことは必要だし、それからジェンダー平等を掲げる政党として、やはり女性が委員長になるということはどこかで求められてくるんだよなと」

党首になったのは自民党に政治とカネの問題が起きたまっただ中でした。

○共産党・田村智子委員長
「最大の国民の怒りは裏金問題ですよね。
ここまで腐ってここまで行き詰まって、本当に日本の社会ダメになってしまいますので、これはもう最大のテーマが自民党政治を終わらせるというのが私の役割」

「これだけ国民がもう自民党は信用ならないと。自民党政治にダメ出しをしてるときにその政治に代わる政治はこういうものですよというのを示すことが、いま野党の責任として求められているというふうに思うんですね」

自民党に代わる政権のあり方を示すとして、立憲民主党などとの連携に強い意欲を示しました。
ただ、岸田内閣や自民党の支持率が低迷している一方、共産党の支持率も上向かず、批判の受け皿になれていないのが現状です。そこには共産党の体質に課題があるとの指摘も出ています。

○現役の共産党員
「SNSで異論を表明した党員に対して、党から呼び出され注意をされる、あるいは、ひどい場合だと、除籍になってしまう」
「党運営が閉鎖的」との声があがっているのです。
田村さんに対しても「幹部への疑問の声を抑え込んだ」という指摘もあります。

○共産党・田村智子委員長
「あれ(抑え込みとされるの)は発言に対する批判なんですよね。
批判っていうのは辞書を引いても「言動に対して問題点や間違いを正すことを求める」っていうことなんですね。
それが中央委員会(=幹部)としての責任を果たすということなんですね」

あくまでも適正な反論で、問題は無いと主張しました。


また、高齢化が進み、党勢が縮小していることにはむしろ「チャンスだ」と訴えます。

○共産党・田村智子委員長
「格差が非常に広がってるという問題を見ても、資本主義のままでいいの?という問いかけが若い皆さんの中にも相当に広がっていて、そこに答えを持ってるのは日本共産党なんですよ」

言葉通りに党勢を拡大させられるのか。田村委員長の手腕が問われます。

(2024年3月16日放送「news every.サタデー」サタスペ)
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「不審な電話には出ないで!」 特殊詐欺の代表的な3つの手口 兵庫県では具体的対策に補助金も

「不審な電話には出ないで!」 特殊詐欺の代表的な3つの手口 兵庫県では具体的対策に補助金も
3/18(月) ラジトピ ラジオ関西トピックス

 毎年被害が発生している特殊詐欺。
各自治体でもさまざまな対策や啓発活動が行われています。
兵庫県の特殊詐欺被害は過去最悪のペースで増加しており、令和5年中の同県の被害件数は過去最多の1224件。
被害額は約19.9億円にのぼります(いずれも速報値)。
日頃から注意していても、特殊詐欺が無くならないのはなぜなのか。
同県での現状や対策について、兵庫県県民生活部くらし安全課の上浦知英さんに話を聞きました。

◆「特殊詐欺」とはどういった犯罪?
「特殊詐欺」とは、 電話をかけるなどして対面することなく相手を信頼させて、指定した預金口座への振り込みや、その他の方法で不特定多数の人から現金をだましとる犯罪のことの総称です。

 具体的な事例を紹介します。

 1つ目は「還付金詐欺」。
実際に起きた事例では、高齢者の自宅に市役所や区役所の職員をかたって「医療費の還付金がある」「ATMで受け取れる」などと嘘の電話をかけてATMに誘導するケースが発生。
高齢者に携帯電話で連絡させた上、嘘のATM操作方法を教えることで、犯人側の口座への振込手続きをさせる事案がありました。

 2つ目は「架空料金請求詐欺」です。
未払いの料金があるなど、架空の事実を口実とし金銭などをだまし取る(脅し取る)のが特徴です。
特にパソコンの画面にウイルス感染の警告を表示させるものや、警告音や音声が流れて修理サポート代金をだまし取る“サポート詐欺”の手口が多い傾向にあるといいます。

 さらに「キャッシュカード詐欺盗」も。キャッシュカードをだまし取られるケースで、警察官や銀行協会、大手百貨店などの職員を装って被害者に電話をかけてくる事案があったそうです。
「キャッシュカードが不正に利用されている」などといってだまし、被害者にキャッシュカードなどを準備させた上で、隙を見て窃取する手口などが発生しています。

 上浦さんによると、「架空料金請求詐欺」と「還付金詐欺」の手口は、特殊詐欺全体の約7割にも及ぶそう。
また、特殊詐欺被害者の約8割が65歳以上の高齢者で、神戸・阪神地域での発生が約7割を占めます。
そのため兵庫県警察でも、高齢者宅への個別訪問による注意喚起や、コンビニや金融機関への被害防止の協力依頼など、官民一体となって被害防止活動を展開しています。

◆アプローチは「自宅の固定電話」が約6割
 犯人グループから被害者へのアプローチの約6割が「自宅の固定電話」なのだそう。
「まずは、不審な電話に出ないように対策することが非常に有効です」と上浦さんはいいます。
効果的な対策方法としては、着信時に警告メッセージが流れる機能や、自動で通話を録音する機能がついた電話機を備えること。

◆具体的対策に補助金
 兵庫県では、65歳以上の人を対象に、令和5年度から6年度にかけて自動録音電話機購入補助事業が実施されています。
対象電話機購入の場合は1万円(上限)、対象外付け録音機の場合は5000円(上限)とし、対策支援を拡充しているそうです。
※制度の詳細は各市町によって異なります。

 その他にも同県では、特殊詐欺被害の増加を踏まえて、2023(令和5)年11月に「兵庫県特殊詐欺集中対策本部」を設置。
また、多様化する特殊詐欺の手口や対策についての認知が広がるよう、多様な方法での広報や、市・町、県警と連携した啓発キャンペーンを実施しています。
特殊詐欺被害対策講習会の実施もその一つです。

 特殊詐欺もあの手この手でどんどん巧妙になってきているため、「私はだまされない!」ではなく、「もしかして……」と立ち止まることが大切だといいます。
「もし不審な電話がかかってきた場合、犯人は言葉巧みに話を進めますので、一度電話に出てしまうと相手のペースに巻き込まれて冷静な判断ができなくなってしまいます。
電話でお金の話が出たときは、必ず誰かに相談してから対応してください」と上浦さん。
相談できる相手がいない、または相談しても本当かどうか分からないというような場合には、遠慮することなく最寄りの警察署に相談してほしいとのことでした。

(取材・文=市岡千枝)
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2024年03月19日

生活保護は誰のため 「最底辺であるべき」なのか

生活保護は誰のため 「最底辺であるべき」なのか
3/18(月) 毎日新聞

 2013年からの生活保護の基準額引き下げは憲法に反するなどとして、全国で行われている「いのちのとりで」訴訟で、行政の敗訴が続いています.。
 1審判決が出ている26件のうち、15件が減額処分を取り消しました(2024年2月22日現在)。
 23年11月の名古屋高裁判決は、減額処分を取り消し、国に1人1万円の慰謝料を支払うよう命じました。立命館大学准教授の桜井啓太さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】

 ◇ ◇ ◇ ◇
――原告勝訴が相次いでいます。

 桜井氏
 行政訴訟は、行政側が圧倒的に有利で、原告の勝率は1割程度と言われています。勝率が5割を超えているのは異例です。

――名古屋高裁判決では国家賠償も認められました。

◆賠償まで認められることはさらにまれです。
国の行為の違法性だけでなく、背後にある故意、重大な過失も認めたことになります。
判決文からは行政への厳しい警告を感じます。

 ◇「食えればいい」ではない
 ――名古屋高裁判決をどう読みましたか。

◆判決文には

 <人が3度の食事ができているというだけでは、当面は飢餓や命の危険がなく、生命が維持できているというにすぎず、到底健康で文化的な最低限度の生活であるといえないし、健康であるためには、基本的な栄養バランスのとれるような食事を行うことが可能であることが必要であり、文化的といえるためには、孤立せずに親族間や地域において対人関係を持ったり、当然ながら贅沢(ぜいたく)は許されないとしても、自分なりに何らかの楽しみとなることを行うことなどが可能であることが必要であったといえる>とあります。

 憲法25条1項にある「健康で文化的な最低限度の生活」は、少なくとも現代においては「単に食えればいい」という程度の低いものではないと示しました。

 憲法25条2項の「国の責務」に触れたことも重要です。 本来の責務を忘れて違法に基準を引き下げたことへの強い非難を感じます。

 ◇社会全体の基準
――最低限度についての考え方を示したということでしょうか。

◆生活保護は最低生活を保障する制度なのですが、「最低」という言葉について誤解があります。

 「生活保護を受ける人は、社会の最底辺であるべきだ。だから可能な限り低い水準でよい、食えさえすればいい」。このような考え方は、最低保障ではありません。劣等処遇という時代遅れの価値観です。

 ◇分断をあおった自民党公約
――もとは、生活保護給付水準を10%引き下げるとした、12年衆院選での自民党公約です。

◆厚生労働省も含めて関係者は、自民党公約との直接の関係は否定しますが、本当は「1割削減ありき」で引き下げたと分かっています。
 ただ、自民党はこの公約を掲げた衆院選で大勝しました。世論は支持したといえるかもしれません。

 世論や国民感情からまったく自由な、真に中立的な生活保護費の基準はありません。
だからこそ、我々有権者が問われているのではないでしょうか。

――いつも、生活保護を受ける人の問題にされます。

◆生活保護費の基準は、どんな人でもこれ以上、下に落ちてはならないという理念ですから、国民全体の問題です。

 困窮のリスクは誰にでもあるのに、不正受給や保護の長期化ばかりが取り上げられます。

 不正受給は1%以下です。保護を受ける期間も、1年だけ必要な人も、20年必要な人も、死ぬまで使う人も、結果的に一生使わない人もいます。
でも、そんなことはたいしたことではありません。

 大切なことは、誰もが最低ラインの下にまで落ちないことです。
社会から貧困を駆逐できているかどうかです。

――自民党公約はなにが目的だったのでしょう。

◆だれかがずるをしていると言って分断をあおること自体が目的だったのではないでしょうか。
 同じ社会の一員を仮想敵にするのは、社会の土台を切り崩すことです。
本当に貧しくなるのは我々の社会です。

――桜井さんは生活保護ケースワーカーをされていました。

◆大学を卒業してから10年間、生活保護の現場で働いてきました。
基準の引き下げが行われた13年は生活保護ケースワーカーをしていた時期に重なります。

 行政機構の最末端、ヒラのケースワーカーとはいえ、自分自身、保護の引き下げ行為に行政側として関わり、実際に引き下げ決定の通知を担当世帯の方に配り、保護の決定処理をしていました。

 その意味でこの訴訟について考える時は、加害の側の一端に立っていたという事実に痛みを感じます。(政治プレミア)
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2024年03月20日

「低気圧が近づくと頭痛が」「雨が降ると関節が痛む」現役内科医が教える"つらい気象病"の意外な克服法

気圧「低が近づくと頭痛が」「雨が降ると関節が痛む」現役内科医が教える"つらい気象病"の意外な克服法
2024年03月20日  PRESIDENT Onlin

「天気が悪いと体調も悪くなる」という声はSNS等でもよく見かけるが、一方それを否定する声も多い。
一体、どちらが本当なのか。
内科医の名取宏さんは「天候と症状の関係についての研究はバイアスがかかりやすく難しいが、体調不良の事実自体は否定できない」という――。

■「天候」と「体調」は関連するか
昔から「天候」と「体調」の関連については、あれこれ言われてきました。
たとえば「天候が崩れると体調が悪くなる」「雨が降ると古傷が痛む」「低気圧が近づくと頭痛がする」などといったものです。
実際に周囲の人から聞いたことのある人も多いでしょうが、特に痛みに関するものが多い印象です。

ただ、こうした体験談はよく聞く一方で、天候と症状の直接的な因果関係については懐疑的な意見も少なくありません。
だから「気のせいに違いない」「あまりに大げさすぎる」「繊細ぶっているんじゃないか」などと心ない言葉を発する人もいます。
でも実際、臨床の現場でも、天候による体調不良を訴える患者さんを診る機会はよくあります。全般的な体調不良であれば「気象病」、痛みに関連するものは「気象関連痛」「天気痛」などと呼ばれています。

■因果関係を証明するのは難しい
気象病については、医学的に明確なコンセンサスはなく、国際疾病分類(ICD)にも採用されていません。
天候が与える影響は複雑で、厳密に因果関係を証明するのは難しいのです。
臨床試験では、実薬群と対照群とにランダムに振り分ける「ランダム化」、どちらに振り分けられたかを伏せる「盲検化」が行われますが、天候ではどちらもできません。

被験者に気圧が変わるチャンバー(空間)に入ってもらって気象病を再現する研究もいくつか行われていますが、サンプルサイズが小さかったり、現実の天候の気圧変化を反映するのが難しかったりして、やはり決定的な証拠は得られませんでした。

天候と症状の関連についての研究では、さまざまなバイアスが問題になります。
たとえば「雨が降ると膝が痛くなる」と聞いた人が、偶然にも雨の日に激しい膝痛を体験すると、強く印象に残ります。
こうしていったん先入観ができてしまうと、膝が痛くなかった雨の日、膝が痛かった晴れの日より、膝が痛かった雨の日のことばかりが記憶されるようになります。
結果、アンケート調査では「天候と痛みは関係がある」と答えますが、実際に丁寧に天候と痛みを記録しても関係が見つからなかったりします。

■問題を複雑にするパラメータ
さらにはパラメータ(変数)の多さも問題を複雑にします。
天候は雨だとしても、気温や湿度や気圧といった複数のパラメータが変化します。
「わずかな気圧の変化が、症状を引き起こすのか」というのは気象病に対する代表的な懐疑的意見ですが、現実には気圧だけが変わるわけではありません。他の数値も変わります。

さらに雨の日には「濡れたくなくて外出を控えた結果、運動不足に陥って関節痛が悪化しやすい」「じっと座っていることが多くなり、いつもより痛みに気づきやすい」「雨が降っていることで気分が落ち込んで、痛みを感じやすい」といった間接的な要因まで考慮すると、厳密な証明はほぼ無理だろうと言わざるを得ません。

気象病のメカニズムについては、さまざまな仮説が提示されています。
膝の痛みに関していえば「関節を包む関節包が気圧の低下で膨らみ、周囲の血管や神経を圧迫する」という仮説もあれば、「炎症物質であるヒスタミンが関係している」という仮説もあります。
動物実験も行われており、「内耳に気圧のセンサーが存在することが示唆される」とする研究もあります。
ただし、動物実験のエビデンスレベルは高くありません。動物と人はさまざまな点で異なるからです。

■関節リウマチの痛みと天候
もちろん、人の集団において、天候と症状の関係を調べた研究も多数あります。
ただ、その結果は一貫していません。いくつかをご紹介してみましょう。

まず、2011年に報告された「雨は本当に痛みを引き起こすのでしょうか? 気象要因と関節リウマチ患者の痛みの重症度との関連性の系統的レビュー」という研究です(※1)。
論文のタイトルからも、医学界で雨と痛みの因果関係が議論になっていることがわかります。
9件の研究を統合した結果、集団レベルでは気温、湿度、気圧のいずれのパラメータも痛みの重症度とは関連していないことが示されました。

ただし、個別の分析では、少数(25%未満)の患者さんは天候に敏感であるようです。
天候に反応する患者さんは少数であることに加え、個々の患者さんで反応するパラメータが異なるので、全体では差が出ないようです。
先行研究において慢性疼痛患者の70%近くがアンケートで天候の変化が痛みに影響すると答えていますが、その一部は誤認によるものであることが示唆されています。

※1 Does rain really cause pain? A systematic review of the associations between weather factors and severity of pain in people with rheumatoid arthritis

■偏頭痛発作と天候の関係
では、関節痛ではなく、頭痛ではどうでしょうか。
2024年の「片頭痛に天気が関係するかどうか」という総説では、片頭痛は気圧や湿度や風に関連している可能性があるものの研究結果に一貫性はなく、片頭痛発作に対する天候の影響は約20%だろうとしています(※2)。
関節リウマチと同様、個人差が大きいようです。

日本で行われた研究でも、同様のテーマが取り上げられています。
2023年の「スマホアプリとAIを用いた天候が頭痛の発生に与える影響の調査:後顧的観察横断研究」では、匿名化された4000人超のスマホアプリユーザーの頭痛記録と1時間ごとの気象情報を分析したところ、低気圧、高湿度、降雨量の増加、6時間前と比較した気圧の低下、当日朝6時の高気圧、翌日の低気圧などが頭痛発生と関係することが示されました(※3)。
単に気圧が低いことだけではなく、気圧の変化も関係しているようです。
厳密には「アプリが気圧の低下を表示したから、ユーザーが頭痛を記録しやすい」といったバイアスを排除できていませんが、これまで言われてきた経験的な片頭痛の悪化要因と一致しています。

※2 Whether Weather Matters with Migraine
※3 Investigating the effects of weather on headache occurrence using a smartphone application and artificial intelligence: A retrospective observational cross-sectional study

■ロキソニンは雨の日に売れる
11同じく日本の研究で、2015年の「天候と頭痛の発症:頭痛薬購入に関する大規模研究」では、主に頭痛に使われる鎮痛薬・ロキソプロフェン(代表的な商品名はロキソニン)のドラッグストアにおける売り上げと気象データが分析されました(※4)。

雨天か晴天か、平日か休日かで客足に差が出るので売り上げそのものではなく、一般医薬品全体に占めるロキソプロフェンの売り上げ割合を調べました。
その結果、ロキソプロフェンは前日と比較して、気圧の低下、湿度の上昇、降水量の増加があった日によく売れることがわかりました。
「雨の日には頭痛が悪化するのでロキソプロフェンの売り上げが上がるのだろう」というわけです。
多くの被験者に頭痛の発生を正確に記録してもらうのは大変ですが、代わりに頭痛薬の売り上げを使用したところが、この研究の工夫です。

一方、天候と症状には関係が見つからなかったという研究も多数あります。
多くの人が主観的に感じているほどには、天候と症状の関係は強くないようです。
でも、特定条件で関係性が認められないからといって、他条件で気象病が起きることを否定できません。
総合的に見ると、天候によってさまざまな症状が引き起こされてしまう患者さんは確かに存在します。
一部に天候とは無関係なのに関係があると誤認している患者さんがいたとしても、患者さんが感じている苦痛は本物であり、決して気のせいなどではありません。

※4 Weather and headache onset: a large-scale study of headache medicine purchases

■自覚的な痛みにプラセボが効く
気象病には、標準的な治療はありません。
気象病のやっかいなところは、天候の変化は避けようがないことです。
仕事をしていない大金持ちなら気候のよい場所に移動したり、引っ越したりするという手段が取れますが、ほとんどの人にとっては不可能なことです。
実際には、複数の対症療法を組み合わせることが推奨されています。

関節リウマチや片頭痛といった病名がついているなら、その病気に対する治療を行います。
また痛みに対しては、一般的な鎮痛薬も一定の効果はあるでしょう。
身体活動も有効だとされています。

雨が降ったからといって家の中にこもってじっと座っていたのではよくなるものもよくなりません。

日本では、気象病に対して漢方薬や内耳性めまいに対する薬が使用されることもあります。
厳密な臨床試験で効果が証明されているわけではありませんが、経験的には効いたとする報告はあります。
痛みをはじめとした自覚的な不調にはプラセボ効果が効きやすいので、安価で副作用が小さい薬を利用するのはよい手段です。
なにぶん個人差が大きいので、それぞれにいろいろ試して効果的なものを選ぶといいでしょう。
プラセボ効果であろうとなかろうと、症状が軽減されればよいのです。
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名取 宏(なとり・ひろむ)
内科医
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2024年03月21日

二度寝生活から卒業するために知っておきたい、二度寝の最悪デメリット3選

二度寝生活から卒業するために知っておきたい、二度寝の最悪デメリット3選
rina
睡眠インテリア睡眠健康指導士/インテリアコーディネーター/薬剤師
3/20(水) 

朝は布団からなかなか出られず、二度寝、さらに寝坊をしてしまうことはありませんか?
また、休日に二度寝をして睡眠時間をしっかり確保できたと思っても、実は体に負担となり悪影響を及ぼしている可能性があります。

二度寝のデメリットについて知っておきましょう。

・二度寝とは?
自然に目が覚める他、目覚まし時計やアラームなどでいつもの起床時刻に一度目覚めた後、もう一度眠ってしまうことです。数分ほどの二度寝なら体へは負担がかかりにくいとされていますが、数十分以上の二度寝は深い睡眠状態に入ってしまうため目覚めにくくなってしまいますし、体へ悪影響を及ぼす可能性があります。二度寝は寝坊以外にも危険が潜んでいます。

・知っておきたい二度寝のデメリット3選

❶生活リズムの乱れ

二度寝によって起床時間が指定の時間より遅くなると、生活リズムが乱れてしまいます。
日中のダルさや集中力の低下はもちろん、さらには肥満、高血糖、高血圧などへも影響をもたらす可能性も示唆されています。

❷睡眠の質低下

生活リズムが後ろ倒しになってしまうことで、いつもの就寝時刻に自然な眠気が起こりにくくなります。
寝つきが悪くなり、睡眠の質が低下してしまう可能性も考えられます。
負のループに入ってしまうと、寝起きの悪化や二度寝生活から抜け出しにくくなってしまいます。

❸疲労の蓄積

数十分以上の二度寝は、体に悪影響を与える可能性があります。
総睡眠時間は確保していても、二度寝での睡眠時間が長いと疲労は解消できないどころか蓄積してしまう可能性も考えられます。

いつもより長く眠りたい日は、少し早め時刻に就寝して二度寝を避けるのがおすすめです。
このときの睡眠時間は、いつもの睡眠時間のプラス2時間以内に抑えるようにしましょう。


さいごに

二度寝をすると心地良い気持ちになりますが、寝坊してしまったり、体に負担がかかってしまったりすることもあります。
時間にゆとりがあっても二度寝は控えて、規則正しい生活を送ることをおすすめします。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月22日

特徴的な変化を知って「相手のウソを見破る」技術

特徴的な変化を知って「相手のウソを見破る」技術
隠しごとをしている人に現れる動作や仕草とは
神岡 真司 : ビジネス心理研究家 日本心理パワー研究所主宰
2024/03/21  東洋経済オンライン

「認知バイアス」という言葉をご存じでしょうか?
ある特定の状況下で起こる認知の「偏り」や「歪み」によって、脳の判断にバイアスがかかってしまうことをいいます。
それにより、判断を誤って失敗することも……。

そんな「認知バイアス」の罠にはまることなく、上手に活用するスキルをご紹介したのが神岡真司著『脳のクセを徹底活用!「認知バイアス」最強心理スキル45』。

ウソを見破る・ウソをつき通す

■身体変化の観察
「それってウソでしょ?」などと突然指摘されると、誰でも慌てるものです。
「ウソをつくこと=悪いこと」という「公正世界仮説」という認知バイアスに反するからです。

まずは「ウソでしょ?」と認知を揺さぶる時の方法です。

・疑念を指摘した後、黙って見つめる(相手を不安にさせる)。
・カマをかける(「見た人がいる」などの決定的な証拠があるかのように匂わす)。
・アリバイ証明を求める(真実性を担保する証拠を今すぐ提示するよう促す)。

こうして追求した場合、ウソをついている時には特徴的な変化が現れます。
バレたら困る―という緊張感によって、平常心ではいられなくなるからです。

・目が泳ぐ。
・早口になる。
・まばたきの回数が増える。
・汗ばむ。
・落ち着きがなくなる。
・言い間違いをする。
・話題を転換したがる。話を終わらせようとする。
・怒って否定する。

ウソがばれなかった安堵の仕草
その後に何とか話が収束できると、次のような動作や仕草も現れるでしょう。

・唇を舐める。
・口元に手がいく。
・首や胸に手をやる。
・口角の片側が上がる。

これらは「バレなかった」「うまく言い逃れた」という時の安堵の仕草です。
こうした相手の反応をしっかり観察することで真偽を見極められるのです。


では反対に、ウソをつき通す時には、どんな手段をとればよいのでしょうか。

・状況の変化で誤魔化す(結果が出ていても途中と言い張る)………たとえば「あの取引は失敗したのか?」と上司に質されても、「〇〇の事情で今はピンチです」と取り繕い、奮闘中の状況を演出して、フェードアウトであきらめさせる。

・事実関係の誤認にする(約束した時は、勘違いによる約束)………「バーキンを買ってくれる約束はウソだったの?」の催促には「実はあんなに高価とは知らなかったんだ、ゴメンよ」と判断ミス・勘違いだったと強調して誤魔化す。

・物的証拠が出ても別の理由を主張する………「このラブホテルの割引券は何?」とパートナーから詰問されたら、「今度の仕事で作る割引券のサンプルとして印刷会社からもらったモノ」と言い張る。

・不可抗力で結果的にウソをつく形になっていると称する………「妻と別れて私と結婚するってウソだったの?」という難詰には「妻が急に難病になったので、今は事情が変わった。回復したら離婚するよ」と闇雲に先送りにします。

とにかく大胆不敵に堂々とシラを切り、ウソかホントかを曖昧にすることです。

まとめ ウソを見抜くには、相手の身体の変化に注目しよう。

口癖で探る認知バイアス

■確証バイアス、ダニング・クルーガー効果

「血液型性格占い」は、科学的根拠がなく、統計学的にも否定されています。
それなのに、「そんなことはない。A型の山崎さんは几帳面だし、B型の吉田さんはズボラでいい加減なところがあるし……」などと、反論する人がいます。

これこそ「確証バイアス」の成せるワザで、自分の考えに都合のよい証拠だけを集めた偏った判断にすぎません。

また、能力の高い人ほど、自分を謙虚に過小評価していたり、卑下する傾向さえあるでしょう。
反面、能力の低い人ほど、「井の中の蛙」現象の「確証バイアス」で自己評価が驚くほど高かったりします。

これは「優越の錯覚」から生じる「ダニング・クルーガー効果」という有名な認知バイアスです。能力が高い人ほど「メタ認知(自分を客観視)」することに優れ、能力の低い人ほど、それが弱いからです。

こうした認知バイアスは、誰にでも生ずるもので、人の性格形成にも多大な影響を及ぼしています。
周囲の人を観察すれば、いろいろな口癖からも、性格に反映された認知バイアスの傾向が見て取れます。

とりわけ「確証バイアス」に陥りがちな人の口癖には次のようなものが目立ちます。

・「なるほど」「たしかに」……相手に共感しているかに見えますが、内心は自分の意見に固執する傾向が強い人です。
・「でも」「だけど」「というか」……相手の意見に批判的で逆説の接続詞を使いがちです。自分の主張を押し通したく、自己愛やプライドの高さが窺えます。
・「要するに」……相手の話を要約してまとめたい人で、仕切りたがり屋です。
・「一般的には」……自説に普遍性をもたせたく、押し付けがましい性向です。
・「やはりそうだったか」……物事の帰趨を見通していたかに装いますが、気まぐれの人です。
単なる「後知恵バイアス」で自己正当化を図りたいのです。
・「きっと」「必ず」「絶対」……自分に自信がなく自分を鼓舞する性向の人です。
・「ちなみに」……親切に周辺情報まで伝えたい人ですが理屈っぽい傾向です。
・「それはそうと」……他人の意見を聞くより、自分の意見を主張したい人です。
・「とにかく」……面倒くさいことは省いて、自分の主張に賛同させたい人です。
・「とりあえず」「一応」「まあ」……争いを好まない温厚な性格ながら、間違っても責任をスルーしたい自信のないタイプです。

客観性を説くことで罠から解放
ざっと見ても、「自分に都合のよい証拠があれば飛びつきたい」「自分に自信がないので自分を補強する材料が欲しい」といった性向が窺える人たちでしょう。こうした口癖のタイプの人が、容易に「確証バイアス」の罠に陥りやすいのです。

客観性を説くことで、そうした罠から解放してあげることも必要でしょう。

神岡 真司 ビジネス心理研究家
日本心理パワー研究所主宰
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ゴミ箱に捨てるのは忍びない!「財布やお守り」「旅先で買った雑貨」などの手放し方

ゴミ箱に捨てるのは忍びない!「財布やお守り」「旅先で買った雑貨」などの手放し方
3/21(木) レタスクラブ

お守りやお財布、旅先で買ったお土産品などを、処分したいけどなかなか捨てられない人は少なくないようです。
思い出にまつわるものは、ものと思いを上手に切り離して手放していきましょう。
今回は、「手帳や日記」「財布やお守り」「旅先で買った雑貨」「映画のパンフレット」の手放し方をご紹介します!

■アイテム別に紹介! 思い出品の手放し方

教えてくれたのは▷ミニマリスト、イラストレーター おふみさん

暮らしをコンパクトにして身軽になったら、人生が加速したような感覚に。
著書に『おふみさんの捨てログ』(文響社)ほか多数。
YouTubeおふみチャンネル「ミニマリストライフは楽し。」も人気。

■手帳や日記
手帳や日記を手放しづらいのは、自分の過去のがんばりや経験を手放すのがさみしいからかも。
ものは手放しつつ、過去のさまざまな記憶を心にとどめておきましょう。

おふみさん流手放し方
⇒情報ページだけ写真に撮ってデータで残し、あとは処分

年賀状と同じく、残すのは直近1年分だけ。
メモの箇所に必要な情報があれば、写真を撮ってデータを残し、現物は処分します。

■財布やお守り
財布もお守りも基本は可燃ゴミですが、ポイッとゴミ箱に捨てるのは忍びないもの。
お守りはもちろん、財布供養をしてくれる神社やお寺もあるので、近隣で探してみては?

おふみさん流手放し方
⇒白い紙に包んでから処分

風水では、財布は白い紙に包んでから捨てるとよいそう。
ほかのゴミと区別でき、納得感を持って、安心して処分できます。

■旅先で買った雑貨やTシャツ
旅行は非日常ということもあって、つい「その土地でしか買えないもの」を買いがち。
あとで処分に困ることも多いので、旅先では「買う」より「体験」を重視しましょう。

おふみさん流手放し方
⇒一緒に写真を撮って、現物は処分

処分する前に、着たり持ったり飾ったりして、ものとの記念撮影をします。
記念写真が残ると、捨てやすい気がします。

■映画のパンフレット
映画や演劇のパンフレットのほか、イベント等の冊子などは、本のように図書館で借りることができません。
データで残すと省スペースで、検索性も上がって便利です。

おふみさん流手放し方
⇒データで保存
映画をよく見に行き、パンフレットもよく買うのでたまります。
基本はスキャンしてデータ化。各フォルダを作って保存しています。

【おふみさんのおすすめサービス】

デンシカーナ
データ化サービスの「デンシカーナ」は、書類や本や冊子を重ね、厚さを測って送るだけで手軽。
基本料金も1mm=¥11というシンプルな設定。

電シカ君
厚めの本の場合は「電シカ君」がおすすめ。

■実家は物置じゃありません!
「思い出品は全部実家に置いてあり、実家が倉庫代わり」という人もいますが、「実家に死蔵品をためないのも親孝行」とおふみさん。
「私の場合、実家に5日滞在するなら目安として5カ所分の思い出品を見直し、持ち帰るか処分をしています」

* * *

データにしてミニマム化して残すことで、ものと思いを切り離しやすくなりますね!
 自分の家の「思い出の品」が片づいてきたら、実家にも目を向けて整理していきましょう!


イラスト/おふみ 編集協力/宇野津暢子
文=徳永陽子
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2024年03月23日

「いい年して、まったく…」と言われてもいいじゃないか!! 思考や言動を「俺」にすればどんなことでも幸福度が高まるはず

「いい年して、まったく…」と言われてもいいじゃないか!! 思考や言動を「俺」にすればどんなことでも幸福度が高まるはず
3/21(木) 夕刊フジ

【自分の「居場所」を取り戻せ! 50代からの俺活入門】

「俺活」は「僕」や「私」ではなく「俺」を主語にした思考で人生を楽しむこと。
俺らしい仕事、俺らしい趣味やスポーツ、何でもいい。
そして、俺活を始めるのに遅すぎるということはない。
俺を主語にして行動すれば、どんなことでも幸福度が高まるはずだ。

■心に噓をつかなくていい
僕や私を主語にすると、誰にも嫌われない物言いやたたずまいがつくられる。
だが、その中には若干の噓が含まれる。僕や私は、「表向きのポーズ」を取るときに適した人称だからだ。

自分の気持ちを少し殺して平穏な場を維持するのは仕事中だけでいい。
プライベートでは本音で語り、上機嫌に楽しく過ごしたい。
心に噓をつかなくていいことから心身も健全になる。

■ただの高齢者にならない
「ただの高齢者」が悪いわけではないが、「俺活」を始めれば、人生をより楽しく過ごし、命を完全燃焼するための心のスイッチ≠ェ入る。
そのオンオフは場所、時間によって使い分ければいい。

俺活は、我を通したり無責任になるのではなく、ロマンを求め、楽しみ、夢をかなえるための活動だ。
とはいえ、俺活を進めれば、特に近しい人に誤解されることもあるだろう。
だが、かすり傷程度は覚悟のうえで俺活を楽しむほうが人生は有意義になる。

■やり残したことに挑める
「俺は〇〇へ行きたい」「俺は××をしたい」「俺は◎◎の夢をかなえたい」など、俺を主語にした途端、思考、行動はダイナミックになる。
10代の頃のように心の周波数が変わる。

人は人生の最期に「やらなかったことへの後悔」をするというが、絶対にそれは避けたい。
「いい年して、まったく…」と言われてもいいじゃないか! 人生は1回きり。ファイナルステージでは俺らしく命を使いたい。

■本当の友達が残る
俺を主語に話すと本当の友達が残る。
「俺」に共感する新しい友達ができる。
これまで、なんとなくぼやっと付き合ってきた人たちとの関係が薄れ、本当の友達が増えていく。
なにより楽しみなのは、旧交が復活するかもしれないということだ。
「俺」を理解してくれる真の友を見つけよう。

■自分の居場所ができる
俺を主語にして行動すると、内面が豊かになり、生きることが楽しくなる。
その時間、空間こそが自分の居場所。
1人で過ごそうが、友達と過ごそうが、そこが俺の居場所なのだ。

俺活を始めるのは簡単だ。
思考や言動を「俺」に変えるだけで、大きな船が少しずつ方角を変えるように人生が変わっていく。
心が変わり、思考が変わり、明日が変わっていく。

筆者主宰のフェイスブック無料グループ「50歳からの俺活コミュニティ」では50代男性の生き方をZoom会合などで語り合っています。参加者を募集中。

潮凪洋介(しおなぎ・ようすけ) 
エッセイスト・作家。
「男の色気のつくり方」「もういい人になるのはやめなさい」など著書73冊(計172万部)。
ライフワーククリエイト協会を設立し、「サードプレイス≠ナ好きなライフワークをしよう」をテーマに講演。
毎朝8時、「自分の壁の壊し方」無料メルマガ配信中(https://shionagi-academy.jp/)。
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2024年03月24日

覚えておきたい人間関係の真実6選

覚えておきたい人間関係の真実6選
3/22(金) えらせん作家

こんにちは、えらせんです。
今回は「覚えておきたい人間関係の真実」というテーマでお話しします。
人間関係うまくいってますか?
ちょっとしたポイントを押さえるだけで、ぐっと人付き合いが楽になりますよ。

1.去る人は何をしても去る
人生は出会いと別れの連続です。
「昔からの友達と突然連絡を取らなくなった」という経験はありませんか?
どんなに頑張って関係を維持しようとしても、去る人は去るものです。
誰かのせいでも、何かが足りなかったわけでもありません。
一緒に過ごした時間に感謝し、新たな出会いを受け入れる勇気が大切です。
ライフステージに合わせて人間関係も変わることを受け入れましょう。

2.他人に対する違和感は大体合ってる
「なんとなくこの人とは合わないかも」と感じるとき、その直感は結構当たります。
その感覚を無視せず、距離を置いて様子を見るのも一つの手です。

3.敵を作っていいことはない
人間関係で最も避けたいのは、敵を作ること。
自分の思いどおりにならないからといって、周りに敵を増やしすぎると、余計なストレスやトラブルが生まれます。
意見が対立して、空気がぴりっとしたときには、「ご意見ありがとうございます。その視点からも考えてみますね」という対応が効果的。
多少意見が違っても尊重し、できるだけ穏便に対応してみましょう。

4.頑張っても少人数からは嫌われる
どんなにできた人でも、すべての人に好かれるわけではありません。
人それぞれ好みも考え方も違うから。
だからこそ、自分を好きでいてくれる人のことは、とことん大切にしましょう。

5.怒らない人ほど他人にドライ
「あの人怒らないなあ」という人は、もしかしたら他人に関心が薄い人かもしれません。
また、怒ることでエネルギーを無駄にしたくないと考え、自分の感情をコントロールしていることも。
一見優しい人に見えますが、その裏では「正直どうでもいい」とドライな本音が隠れているかも。

6.縁は自分からつくりにいくもの
「白馬に乗った王子様」を待っていても来ないように、いい出会いは待っているだけは得られません。
自分から積極的に行動することで新たな縁が生まれます。
自分の世界を広げる努力が大切です。

まとめ
何個共感できましたか?
人間関係というのは、空気のようなもの。
当たり前すぎてただ受け入れていることも多いかもしれません。
しかし、客観的に見てみると今よりも人間関係を改善することができる気がしませんか?
これらを心にとめておくことで、今までの悩みがひとつでも解決したら嬉しいです。


えらせん
作家
「世界をポジティブにする」をモットーに発信中。恋愛、人間関係、お金、全ての土台は思考法。コミュニケーション術や、心理学などを中心に執筆していきます。海辺でご飯を食べるのが好き。著書「一生使える言い換え言葉(ワニブックス)」
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70歳一人暮らし。終活の準備って何をしておいたらいい?

70歳一人暮らし。終活の準備って何をしておいたらいい?
3/23 あるじゃん(All About マネー)

お金のこと、体調のこと、老後生活は何かと不安になるものです。
70歳で一人暮らしをしている人の終活について、専門家が回答します。

◆Q:自分にもしものことがあったときのために、何をしておいたらいいですか?

「私は70歳で一人暮らしです。終活や、自分にもしものときの準備は何をしておいたらいいですか。近所付き合いはありますが親戚たちとは疎遠です」(匿名希望)

◆A:まずは、エンディングノートを作成してみてはいかがでしょうか

自分に万が一があったときのことが心配であれば、周囲の人に、こうしてほしいと伝えておくことが大事です。
まずは、エンディングノートを作成して、信頼できる人に話しておく、目に付くところに置いておくなどをしておくといいと思います。

書店に行くと、いろいろなエンディングノートを目にすることと思います。
自分が使いやすいもので構いませんし、購入しなくても手持ちのノートでもいいのです。
以下のようなことを書いておくといいでしょう。


【1】自分が生まれたところ(本籍)
【2】危篤になった場合や亡くなったときに連絡してほしい親友や友達・仲間の名前、連絡先
【3】自分が患っている病気や通院している(通院していた)病院、かかりつけの医院
【4】介護が必要になったときのこと(自宅にいたい、介護施設に入居したい)

ただし、エンディングノートは法的な効力はありませんので、自分の死後、必ず実行してほしい内容であれば、遺言書を残す必要があります。
遺言は、自分の死後に遺言執行者によって実行されます。
遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
自筆証書遺言は費用もかからず手軽に作成できる半面、要件を満たさず無効になるケースもあるので、よく調べておくことが必要です。

また、自分が認知症になる、病気やケガで動けなくなったときなどに、このようにしてほしいということを、意思がはっきりしているうちに、信頼する人にお願いして、成年後見人として契約してもらうのも一つの方法です。

まずは、手軽にエンディングノートを作成してみてはいかがでしょうか。気持ちの整理ができるようになると思います。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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2024年03月25日

心が揺れる季節(3月24日)

心が揺れる季節(3月24日)
3/24(日)   福島民報

 今年もまた、心が“さわさわ”と揺れる「卒業」の季節を迎えた。
「毎年のことなのだから」と自らに言い聞かせながらも、様々な気がかりが頭の中をよぎり何とも落ち着かない。

 小・中・高・大と、それぞれの学業を終えて卒業していく生徒・学生たちの心は「やっと!」「さあ、新生活だ」という、喜びと期待に弾んでいる。
未知の世界を前にした戸惑いや怖さもあるだろうが、兎[と]にも角にも勇気を出して次の一歩を踏み出す喜びは、何より大きいはずだ。

 自身も、かつて遠い過去に卒業を迎えたときの心境は、まさに晴れやかなものであったと記憶している。
少し肌寒く清[すが]々[すが]しい三月の空気の中で、「これからは何にだってなれる!」というような、恥ずかしくも根拠のない自信と勇気に酔っていた。
お世話になった先生方には、自分なりに精一杯の感謝をお伝えして、学び舎[や]を去った。
ただし、先生方の少しだけ晴れない微[ほほ]笑[え]みの裏に隠された、複雑な胸の内に思いが至ることもなく…。

 あれから半世紀近く…今では毎年春に、卒業生を“笑顔で”送り出す側になっている。
 一言で「卒業」といっても、「学業を終える」という意味で主に学校で使われる「卒業」と、「特定の教育・訓練・研修などを終える」意味の「修了」という区別があり、私の場合は“俳優”という特定の分野の育成過程を終えた「修了生」を送るという立場を務めている。

 三年に及ぶ研修を終えた、10人前後の演劇研修生を世に送り出す。
目を配り、心を配り、研修の進[しん]捗[ちょく]状況に気を揉[も]みながら、時には一対一の付き合いをする月日を重ねた面々が旅立っていく。
 だが、ここから先の道の険しさは十分に予想できる。
実力だけでなく運の強さまで影響する世界だ。
いくら「修了」をしたからといっても、まだまだ何者でもない“ひよっこ中のひよっこ”だ。送り出すこちら側は「何とか活躍してほしい、いや頑張ってほしい、いや諦めないでほしい」と、ひたすら祈るしかない。

 近年の統計によれば、高校や大学を卒業して就職した若者の3割が、三年以内に離職・転職するという数字もある。
職業や価値観の選択肢が多い現代ならではの数字かもしれない。

 旅立つ若者を前にして、年長者として「想定されるリスク」や「心構え」を説いたところで、急速に変化する世の中でどれほど役に立つのかもわからない。
あれやこれやの取り越し苦労に近い心配が、頭の中を駆け巡る。
キリがないのが教育・育成の仕事だとは理解しながらも「これでよかったのか」「もっと伝えるべきことがあったのではないか」という自問自答を繰り返す。

 どうかすべての卒業生・修了生の皆さん、あなた方を送り出した教師・教授・講師・指導者たちが、答えの出ない揺れる心を抱えながらこの季節を送っていることに、少しだけ思いを馳[は]せてくれと未練ながら願ってしまう。

(宮田慶子 白河文化交流館コミネス館長)
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2024年03月26日

有事に向けた避難訓練は太平洋戦争の時の竹槍訓練と同じ、インフラ整備を隠れ蓑にした戦争準備の現実

有事に向けた避難訓練は太平洋戦争の時の竹槍訓練と同じ、インフラ整備を隠れ蓑にした戦争準備の現実
3/24(日)   JBpress

 台湾有事はいつ起こるのか。台湾の隣国である日本に住む人のもっぱらの関心事である。
有事を口実にした自衛隊配備も着々と進んでいる。
しかし、ミサイル配備が進む島の実情を知る人は少ない。
例えば宮古島。ミサイルの弾薬が保管された弾薬庫は、住宅地からわずか数100メートルしか離れていない。

 米軍基地、自衛隊の部隊配備はどうなっているのか、現地の人はどのように感じているのか。
『戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録』(集英社)を上梓した映画監督でジャーナリストの三上智恵氏に話を聞いた。
(聞き手:関瑶子、ライター&ビデオクリエイター)

 ──2022年11月末に与那国島で島民避難訓練が、2023年1月には那覇市でミサイル避難訓練が行われました。
これらの訓練を、第二次世界大戦中、非戦闘員が行ったバケツリレーや竹槍訓練になぞらえて、「それこそが戦争を動かす原動力である」としています。

 三上:
津波に備えて、どこに逃げるか訓練しておく必要があります。
これには、誰も反対しないでしょう。
けれども、太平洋戦争で、バケツリレーで火を消すことはできませんでしたし、米兵を竹槍で刺したという手柄話は一つも残っていません。
 なので、バケツリレーや竹槍訓練にどのような意味があったのかを考える必要があるのです。

「空襲に備えて、バケツリレーの練習をしましょう」と国防婦人会が呼びかけた時に、バケツリレー訓練に参加しなかったらどうなるでしょう。「あの人は非国民だ」となる。

 「バケツリレーなんかで空襲の火を消せるわけないじゃない」と言って村八分にされるよりも、とりあえず国防婦人会の呼びかけに応じておこうと考えた人もいたのではないでしょうか。

 夫や息子を戦場に送り出した女性たちは、銃後の守りと言って戦争を支え、訓練を行い、戦争に油を注いでいた。
もちろん、当時の彼女たちには、そのような認識はなかったと思います。

 バケツリレー訓練をやってしまったら、竹槍訓練の時にはもう何も言うことはできません。
「竹槍でチャーチルを刺せるわけがない」「落下傘で降りてきた米兵を竹槍で刺すなんて無理」。
そういう話が、もうできなくなってしまったのです。

 そうなったのも、バケツリレー訓練の時に「とりあえずやっておこう」と思って参加してしまったからに他ならない。

 現在の沖縄だけでなく全国で行われている、ミサイルを想定した避難訓練も同様です。
日本が戦争をするはずがない、と思っている日本人が、なぜ有事に備えた避難訓練に参加する必要があるのか。
 今すべきことは「戦争を止めるため」の努力です。
戦争準備が進めば進むほど、戦争に加担しないことが難しくなっていきます。
戦争協力しなければ、スパイ呼ばわりされたり、非国民と呼ばれて地域で生きていけないようになる。

 だからこそ、今、「住民避難訓練」が戦争協力の第一段階であることを認識する必要があるのです。
それに対して、自分たちがどのように行動すべきかを考えてみてほしい。

 ──2023年3月、2024年1月30日に、沖縄県は台湾有事などを想定し、先島諸島の住民や観光客、約12万人を避難させる想定の図上訓練を国や関係市町村と共同で開きました。
このような動きは、沖縄県ではどのように受け止められているのでしょうか。

■ 戦争協力に対する危機感が足りない沖縄
 三上:
図上演習は県庁内で実施されるので、沖縄県内でも詳細を知っている人はわずかです。
ローカルニュースで取り上げられたりはしますが、映像的にはインパクトがないので、印象に残りにくいと思います。
図上演習のことを知っている沖縄県民は1割くらいではないでしょうか。

 2004年に、武力攻撃等を受けた際に国民を保護することを目的に、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」(以下、国民保護法)が施行されました。
その流れを受けて「武力攻撃予測事態」と政府が判断した場合、沖縄県全体が要避難地域になります。
その中でも、島外避難区域となるのが先島諸島です。

 沖縄本島の人口は120万人以上です。
それだけ多くの人を、どこか別の場所に移動させることは非現実的です。
そのため、有事の際には「屋内避難」が推奨されますが、ミサイルが飛来した時、屋内避難で命を守れるとは到底思えません。
 そして、与那国島、石垣島、西表島、宮古島などの先島諸島には観光客を含め約12万人の人がいると試算されています。この12万人は、いざ戦争が始まるという状況になった場合、島から出ていかなければなりません。

 これは、簡単にできることではありません。
家畜を飼っている人もいれば、船や畑を簡単に放置できない人もいる。
そういうものをすべて投げ出して、見知らぬ土地への移動を余儀なくされるのです。

 戦争が終わって故郷に帰れたとしても、もとの生活に戻ることは容易ではありません。
どこかに行ってしまった家畜を飼いなおすことはできません。
荒れてしまった畑ですぐに作物を育てることはできません。

 そういうことをわかっているはずの沖縄県知事の玉城デニーさんが、国の図上演習に協力してしまうことも悲しいです。
 県の上層部は、国が沖縄を戦場にしてでも、とごり押ししてくることに抵抗しきれていません。
国の「訓練をしろ」「図上演習をしろ」という要請に応えれば、日本政府は、沖縄自身が、再び戦場となることを覚悟したと都合よく解釈するでしょう。

沖縄県の一般の方々もそうですが、沖縄県のリーダーたちは、戦争協力に対する危機感がまだ足りないと感じています。

 ──2023年11月26日の朝日新聞にて、防衛力強化に向けた政府の「公共インフラ整備計画」を進めるため、政府が全国の空港14施設と港湾24施設の計38施設を選定していることが報じられました。
今回、沖縄県内にとどまらず、自衛隊や海上保安庁が有事に民間施設を使用できるよう、公共インフラである空港や港湾などの整備や機能を強化する仕組みを創設したことについて、三上さんはどのように感じていますか。

■ インフラ整備を隠れ蓑にした戦争準備

 三上:
本当に怖いです。全国が「沖縄化」している、なんてことが10年ほど前から言われていますが、本当にその通りです。

 全国の人は、沖縄が先に戦場になる、沖縄はかわいそうだ、とまだ吞気に考えているかもしれません。
でも、事実は違います。中国と米国の覇権争いの中で、米国が戦争に使おうとしているのは日本全国です。

 公共インフラ整備計画に政府が選定している施設数も、変化しています。
現在進行中で、政府が動いているということでしょう。
それは、政府がある程度長い期間の闘いを覚悟しているからだと私は思えてなりません。

 中国と米国が戦争になれば、米国は世界各国に配置した米軍を、台湾周辺に招集しなければなりません。
それまでの間、日本が耐えなければならない。
米国と日本政府はそう考えているから「国土強靭化」「抗堪化」などという戦前のような言葉が出てくるのだと思います。

 ただ、多くの自治体が公共インフラ整備計画を喜んでいます。
国のお金で、ぼろぼろの港を強化してくれる、小さい空港を大型飛行機が来られるような空港にしてくれる、ということなので、悪い話ではないように感じられます。

 特に、沖縄の離島にとって、港と空港の整備はとてもありがたい話です。
ただ、このインフラ整備計画は軍事優先の計画です。港や空港に米軍や自衛隊が集結したら、民間人が避難する途中であろうがなかろうが、そこは攻撃対象になります。

 「いざという時に使います」という名目で、公共インフラ整備計画という名の戦争準備が、着々と進められているのです。

 2024年2月時点で、沖縄県の玉城知事は県内のインフラを特定重要拠点として使用することに反対しています。
でも、各離島の保守派のリーダーたちが玉城知事に圧力をかけています。
島のインフラを国のお金で整備する千載一遇のチャンスにイデオロギーを振りかざして反対をするな、と。

 ──米軍基地、自衛隊の部隊配備などに揺れる沖縄を長きにわたり取材され、2013年に『標的の島』、2015年に『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』、2017年に『標的の島 風(かじ)かたか』、2018年に『沖縄スパイ戦史』、と多くのドキュメンタリー映画を世に出してこられました。この中で、今回の『戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録』はどのような位置づけになるのでしょうか。

「私自身、反対運動を撮っているという認識はない」
三上:
今まで私は、辺野古や高江、そして南西諸島など、その場その場で戦争準備に巻き込まれていく人たちが必死で抵抗する姿をメインに撮影をしてきました。
沖縄全体が米軍や自衛隊によって要塞のように扱われているという事実を伝えなければいけない、と思ってやってきました。
 沖縄を要塞化しようとするのは、米国や日本といった「国」です。
そして、それを無意識のうちに支持するのは、日本全国の人々です。
この大きな力、無意識の力に立ち向かわざるを得なくなるのは、少数派の人々です。

 それを映画や書籍にすると、反対運動の話ばかりと言われてしまいますが、私自身は、反対運動を撮っているという認識はありません。
まさに今、普通の生活が誰によって壊されようとしているのかを、少数派の目線から世の中に提示していかなければいけないと思っていたのです。

 ただ、2015年、2016年頃から、抵抗の現場にあるドラマに頼った映画をつくることに限界を感じるようになりました。
大きな反対運動には喜怒哀楽がありますそのダイナミズムは魅力的ですが、この数年は「喜」と「楽」が欠落していき、怒りと涙がどうしても際立ってしまう。
 胸が苦しくなるようなシーンだけを並べた暗い映画を、誰が1800円も払って観てくれるんだろうと思うようになりました。

 私は10年前に27年間勤めた放送局を辞めました。2013年から5年間で4本の映画をつくりました。
ただ、2018年以降の5年間は1本も映画をつくれなかった。

映画をつくっていない期間も、現場には通っていました。
こんなシーンばかり並べても映画はできないと思いながら、カメラを回していました。

 今回の『戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録』(集英社)は、映画をつくれなかった頃の私の撮影日記です。
現場にいる方々が追い込まれていく様子や、そこに居ても何も助けてあげられない私のような取材者の苦悩が詰まっています。


ギャラリーページへ
 2024年3月中旬から、同じタイトルの映画を公開しますが、映画の内容と書籍の内容は全く別物です。

 書籍の章タイトルの下には、動画にとべるようにQRコードを付けました。書籍から観られるシーンは映画ではほとんど使っていません。
あのシーンをカットして、こういう映画をつくったんだなと賛否含め、皆さんにジャッジしていただければと思っています。

──米軍基地、自衛隊の部隊配備に関する問題を現場から発信していった先の目標や夢がありましたら教えてください。

三上:
10年後も20年後も、与那国の人たちも石垣の人たちも、当たり前に先祖から受け渡してもらった土地や海を大事にして、今の生活を続けていてほしいと思っています。
そして、子や孫に、その豊かな生活を豊かなまま、渡していってほしいです。

 戦争する必要がなくなっても、島に自衛隊員が災害救助隊として残り続ける。
豊かな島で救助隊として活躍して、ドクターヘリが不要な離島になればいい。
自衛官の方の鍛え抜かれた身体や正義感が、いいかたちで地域に使われて、「救助隊がいてくれてよかったね」と皆が口を揃えて言う。
地元の人も自衛隊の人も、一緒にお祭りをやって、子どもがどんどん増えて、人口も増えて。台湾からたくさん人が来て交流が続いて──。

 そういう妄想を持たないと、実現はしません。想像できないことは起こりません。

 政府が落とすお金に頼るしかないという痩せた発想から、自分たちで想像を膨らませて新しい世界を創るというビジョンに切り替えられたらいいなと思います。

関 瑶子(せき・ようこ)
早稲田大学大学院創造理工学研究科修士課程修了。
素材メーカーの研究開発部門・営業企画部門、市場調査会社、外資系コンサルティング会社を経て独立。You Tubeチャンネル「著者が語る」の運営に参画中。



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2024年03月27日

生活保護は「権利」ではないのか

生活保護は「権利」ではないのか
3/26(火) 毎日新聞

 生活保護は誰でも受けられる権利ではないのか。
なぜ受給者の人権を無視するような行政の「指導」がたびたび起きるのか。
立教大学コミュニティ福祉学部教授の木下武徳さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】

 ◇ ◇ ◇ ◇

 ◇バッシングに乗った自民

 ――自民党は2012年の衆院選で、生活保護給付水準を10%引き下げると公約しました。

 ◆12年のお笑い芸人の親族の生活保護受給をめぐる報道など、生活保護バッシングが影響したと思います
自民党はそれに乗ったのでしょう。

自民党の生活保護に関するプロジェクトチーム(世耕弘成座長)は、12年4月に生活保護給付水準の10%引き下げと同時に、食費などの現物給付を進めるとする提言をまとめています。
それぞれの世帯への食事の現物給付など、現場からすればあまりにも非現実的です。

 ――対立をあおることが目的のように見えます。

 ◆日本では最低賃金と生活保護給付水準とは、ほとんど変わりません。
本来であれば、最低賃金を上げるべきなのですが、この時は、逆に生活保護を下げると公約していました。

 生活保護を受給している人は200万人ぐらいです。
少数の人、しかも弱い立場にある人を攻撃して支持が増えるならそのほうがよいと考えたのでしょう。

 ◇権力関係がある

――群馬県桐生市は受給者に1日1000円ずつ手渡しするなど、異常な対応をしました。

 ◆生活保護の担当職員がみな、おかしな人であるはずはありません。
ただ、生活が安定した公務員の立場にあるために、生活困難にある受給者を同じ市民として見ていない時があります。

 そのうえ、職員には事実上の生活保護の決定権があり、受給する側は生活保護がなければ生きていけません。
そこには権力関係があります。外部から見ればおかしいことでも、自分たちは悪いと思えなくなっています。

 一方で、生活保護バッシングと近い考え方をする職員が一部ですが、いることも確かです。
そのような一部の人の影響が大きいということはあります。

 ◇毎朝7時に電話

 ――桐生市もそうですが、細かい指導をします。

 ◆生活保護法には指導をできる条文がありますが、同時に「被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度にとどめなければならない」などの規定もあります。
抑制的であることが想定されています。

 ところが、指示に従う義務も規定されていて、従わない場合は、「保護の変更、停止または廃止をすることができる」ともされています。

 ――強圧的になりませんか。

 ◆高齢者にせよ、障がい者にせよ、児童にせよ、福祉の分野では、以前は生活指導が重視されていました。
しかし今は、自己決定権が重視されるようになっています。

ところが生活保護の分野には自己決定権の考え方がなかなか入ってきません。
受給者は一方的に指導、指示を受けるだけの消極的な立場に置かれています。これは大きな課題です。

 私の聞いた例ですが、就労支援だとして、毎朝7時に働けと電話をかけているところがありました。

 電話をかけるだけでは支援にはなりません。大切なのは協力関係を作ってアドバイスすることです。
生活保護行政にはこのような視点が欠けています。

 ◇安心できない
 ――生活保護は誰でも受けられる権利のはずです。

 ◆生活保護は権利だと政府も言っているのですが、困ったら誰でも生活保護を受けられる体制にならなければ権利として認識されません。

 桐生市だけではなく、どこにでも細かな抑制装置があります。私が知っている例では、相談ブースの壁に「不正受給はダメ」という、脅すようなデザインのポスターが張ってありました。

 みんなが安心して生活保護を受けられると思えない状況が張り巡らされているから、権利だと思えないのです。

 ◇まず公助

 ――生活保護は恩恵なのでしょうか。

 ◆自立とは人の助けを受けないことではなく、人の助けをかりて主体的に生きることだ、という考え方があります。
 まず自助、次が共助、最後が公助というのは誤りです。
政府は生活保護は最後という考え方です。
権利とはほど遠い考え方です。
生活保護のような公助が基本にあるから、共助や自助が成り立つのではないでしょうか。

 家(住所)がないのに就労自立を求めても、まともな仕事を得ることが難しいことは容易に想像がつくでしょう。(政治プレミア)
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2024年03月28日

「キレる老人」にならない、“自律神経の老化”を防ぐ簡単な方法とは?

【名医が解説】「キレる老人」にならない、“自律神経の老化”を防ぐ簡単な方法とは?
小林弘幸:順天堂大学医学部教授、
        日本スポーツ協会公認スポーツドクター
2024.3.26 13:00 ダイヤモンドオンライン

若い店員の対応にイチャモンをつけたり、子どもの声がうるさいとどなったりと、昨今は「キレる老人」が話題にのぼる。
キレやすくなる原因は自律神経の老化だ。
そんな自律神経をいつまでも若く保ち、落ち着いた大人になるにはどうすればいいのか。
本稿は、小林弘幸著『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』(朝日新書)を一部抜粋・編集したものです。

自律神経の乱れでキレやすくなる
キレる→さらに乱れるという悪循環
 若い店員に暴言を吐く、駅員に暴力をふるう、ベビーカーがじゃまだといって怒鳴りつける。
最近、こうした「キレる老人」の存在が取り沙汰されています。

 なぜ、年をとるとキレやすくなるのでしょうか。
ここにもまた、自律神経の老化が関係しています。

 自律神経が老化すると、ブレーキをかける副交感神経の働きが低下するので、ちょっとした刺激でも交感神経が興奮状態になります。
脳に十分な酸素と栄養が行き渡っていないため、感情のコントロールもうまくいきません。

 そのため、思わず大声を出したり、手を出したりすることになるのです。

 キレることで、自律神経はさらに乱れます。いったん乱れた自律神経は、しばらくもとには戻りません。
そのため、ますますキレやすくなる……。まさに、悪循環そのものです。

 もし、自分はそうなりたくないと思うなら、次のことを試してみてください。
 キレそうになったら、とにかく黙るのです。
そして、そのまましゃべらずに6秒間がまんすれば、衝動的にキレることはなくなります。
 なぜなら、どんなに頭に血が上っていても、怒りのピークは6秒間しか続かないからです。
 人は怒りを覚えると、体内からアドレナリンというホルモンが分泌されます。
心拍数や血圧を上げて、体を戦闘モードにするためです。このアドレナリンのピークが6秒と言われているのです。

 6秒さえ乗り切れば、体内からアドレナリンが消失していきます。
副交感神経が働くようになるので、衝動的な行動をせずにすみます。
 でも、6秒たたないうちに、何かをしゃべってしまったらおしまいです。
「怒りに火がつく」とよく言いますが、しゃべることでアドレナリンに火がついてしまうからです。

 また、相手から言い返されたり、無視されたりしたら、それもアドレナリンに火をつけることになります。
 もし、どうしてもがまんできないことなら、6秒たって落ち着いてから冷静に気持ちを伝えるとよいでしょう。

 そのときは、いつにも増して「ゆっくり」話すようにしてください。
 ただでさえ、怒りにとらわれているときは早口になってしまうもの。
「ゆっくりすぎる」と思うくらいのスピードでちょうどいいのです。

運動しないと食と睡眠の質低下
元気な高齢者はステーキも食べる

 自律神経の老化を防いで、若々しくいるためには、食事・睡眠・運動の3点が重要になります。
 当たり前のことだと思う人もいるかもしれませんが、では、この3つのうちどれがいちばん重要か、答えることはできますか?
 答えは「運動」です。
なぜなら、「動かない」は「食べられない」「眠れない」に直結するからです。
 とくに定年を迎えると、運動量がガクッと減ります。
意識して動くようにしないと、「今日も一日、一歩も外に出なかった」なんて毎日を送ることになりかねません。

 動かなくなると、どんなことが起こるでしょうか?

(1)まず、お腹がすかなくなります。
 ただでさえ年をとると基礎代謝が落ちるので、必要とするカロリーは少なくなります。
そのうえ動かなかったら、体が食事を必要としなくなるのは当然です。

 年をとっていても、体を動かしている人はたいていよく食べるものです。
冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんはお肉が大好きで、1〜2週間に一度は600〜800グラムのステーキを食べるそうです。
 2021年に亡くなられた、小説家で尼僧の瀬戸内寂聴さんも、亡くなる直前まで毎日のようにステーキを食べていたといいます。

(2)次に、眠れなくなります。
 一般的に、年をとると睡眠時間が短くなるといいますが、どうしてだかおわかりでしょうか。
自律神経やホルモンの問題もありますが、いちばん大きな理由は、日中の活動量が低下するからです。
 それでも、規則正しい生活ができていればいいでしょう。
私も睡眠時間は短いほうで、一日4時間くらいしか寝ていませんが、寝る時間は12時、起きる時間は4時と決めています。

 問題なのは、生活リズムが崩れることです。
夜になっても眠くならずに、就寝時間が朝方になってしまったり、翌日やることがなくて、昼ごろまで寝てしまったり。こうした生活を続けていると、自律神経が乱れてしまいます。

 若い人でも、ひきこもりと呼ばれる人は、昼夜逆転している人が多いようですが、日中、体を動かしていないことが大きな理由でしょう。

 このように、「動かない」は「食べられない」「眠れない」につながります。「食べられない」「眠れない」とエネルギーがなくなり、自律神経のコンディションも乱れて「もっと動かない」へと進行します。

 こうした負のループにおちいらないよう、年を重ねた人ほど意識して動くことが重要です。

ジョギングよりもウォーキング

帰宅や買い物ついでに歩く

 では、どんな運動をしたらよいのでしょうか。みなさんからよく聞かれる質問の一つです。
 私は適度なウォーキングをおすすめしています。
毎日20〜30分くらい、近所をゆっくりマイペースで歩くだけでかまいません。
 ウォーキングは全身の血流をよくしますし、外の空気を吸うことでリラックスもできます。
何よりお金もかからないのですから、やらない手はありません。


 時間のない方には「ついでウォーキング」をおすすめしています。これは私もよくやる方法です。

 たとえば、いつもより5分早く家を出て、少し遠回りして駅まで歩いてみる。
帰りは最寄りの駅の一つ手前で降りて、家まで歩いてみる。通勤のついでにウォーキングをしてみるのです。

 これなら、わざわざスポーツウェアに着替えて、スニーカーをはいて外に出るというひと手間がはぶけます。
いつもと違う道を歩くことで、新たな発見もあるかもしれません。

 あるいは、ショッピングモールに買い物に行ったとき、1階から最上階まで、すみずみまで歩いてみるのも楽しいかもしれません。
「こんなお店があったんだ」といった新しい発見がありますし、雨や猛暑といった天候にも左右されません。

 ウォーキングをする時間帯は、できれば朝よりも夜がいいでしょう。朝は交感神経が高まる時間帯なので、血管が収縮し、筋肉が硬くなっています。そのため、ケガをするリスクが高まります。

 副交感神経が優位になる夕食後から、寝る1時間前までの間にウォーキングをすることで、全身の血流がよくなり、眠りの質の改善や、肩こり、腰痛の軽減にもつながります。

 歩き方は「ゆっくり」を意識して、「1、2、1、2」と一定のリズムで歩くことがポイントです。
 たまにウォーキングが苦しいとおっしゃる人がいますが、明らかにオーバーペースです。
苦しくて続けられないのなら、苦しくないペースで歩けばいいのです。

 のんびり散歩しているような感じになるかもしれませんが、それでかまいません。そのうち筋力も心肺機能も上がって、少しずつ速く歩けるようになります。

書影『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』(朝日新聞出版・朝日新書)
『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』(朝日新聞出版・朝日新書)
小林弘幸 著

 呼吸も「ゆっくり」を意識するようにしてください。
ゆっくり呼吸をすれば、自然と深い呼吸になります。4秒かけて鼻から吸い、8秒かけて口から吐くのがおすすめの呼吸法です。

「ジョギングはどうですか?」と聞かれることもよくあります。楽しんで走っている方には申し訳ありませんが、私としてはあまりおすすめしていません。

 もちろん、長年、習慣的にジョギングをやってこられた方は別ですが、ジョギングは運動量が多いため、どうしても呼吸が速く、浅くなり、副交感神経の働きが低下してしまうからです。

 加齢で自律神経が乱れている方には、下がりぎみの副交感神経の働きをさらに下げてしまうジョギングよりも、深い呼吸で血流をよくし、体のすみずみまで酸素と栄養を届けることができるウォーキングがぴったりなのです。
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2024年03月30日

高齢者特殊詐欺の実態と対策を解説 被害を防ぐために大切なこと

高齢者特殊詐欺の実態と対策を解説 被害を防ぐために大切なこと
3/29(金) 「みんなの介護」ニュース

「会社のお金を使ってしまった。大至急お金を振り込んで欲しい」と、家族のふりをしてお金をだまし取るオレオレ詐欺。
「介護保険料の還付金がある」と役所の担当者を語り、ATMを操作させて、お金をだまし取る還付金詐欺。

このような特殊詐欺の被害は後を絶ちません。
警察庁のデータによると、被害者の約8割が高齢者です。
加えて、認知症高齢者が被害に遭うケースが多いとされています。
この記事では、特殊詐欺の実態と詐欺に遭わないための対策について解説します。

高齢者特殊詐欺の実態
警察庁が発表した「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について」によると、令和4年(2022年)の特殊詐欺の認知件数は17570件で、被害額は370.8億円。
前年に比べて認知件数及び被害額、ともに増加していました。

このうち、65歳以上の高齢者が被害にあった件数は15114件でした。
これは、法人被害と呼ばれる企業・団体を狙った詐欺を除いた総認知件数のうち、86.6%を占める割合となっています。
また、65歳以上の女性の被害認知件数は11559件で、女性の方が被害に遭っていることがわかります。

高齢者特殊詐欺の事例
高齢者を狙う特殊詐欺の手口はさまざまです。
ここでは2つの事例をご紹介します。

2023年9月、長野県内に住む女性は、役場職員を名乗る男から「介護保険料の払戻金がある」という電話を受けました。
電話の指示で金融機関のATMを操作した女性は、407万円を振り込んでしまい、その後詐欺だと気がついたのです。

北海道では、70代の男性が、SNSで知り合った投資家を名乗る人物から株などの投資を勧められました。
「この投資で儲かった」という感想を多く聞いた男性は信用してしまい、1200万円を振り込んでしまう事件も発生しています。

高齢者を狙う特殊詐欺の種類
具体的にどのような手段で騙されてしまうのでしょうか。
ここでは、主な特殊詐欺の種類をご紹介します。
いずれも、2020年1月1日から特殊詐欺の手口として分類されたものです。

1.オレオレ詐欺
家族からの電話で、「交通事故を起こしてしまい、損害賠償を請求された」、「恋人を妊娠させてしまい、中絶費用が必要になった」、「会社のお金を使いこんで警察沙汰になった」と告げて、お金をだまし取る手口です。
最近では、事故の相手や恋人の親、会社の上司などの関係者まで登場する、「劇場型」と呼ばれるオレオレ詐欺もあります。

2.預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺(窃盗)
警察官や銀行員、自治体職員等を装ってお金をだまし取る手口です。
「あなたのキャッシュカードが犯罪に利用されている。そのためキャッシュカードの交換が必要だ」と告げたあと、自宅を訪問して、キャッシュカードや貯金通帳をだまし取ります。

3.架空料金請求詐欺
契約した覚えがないのに、商品やサービスの代金を請求されるものです。連絡してきた相手が、「コンビニエンスストアで電子マネーカードを買って、その番号を教えて」と指示する場合もあります。指示どおりにカードを買って番号を告げると、カードの額面分をだまし取られることになるのです。

4.還付金詐欺
役所の人間を名乗る人物から「税金の還付金がある」、「介護保険料の払い戻しがある」という電話が入るというパターンです。指示どおりに金融機関のATMを操作し、お金をだまし取られてしまうケースが発生しています。

5.融資保証金詐欺
融資を申し込んできた人に対して、実際は融資を行わないにもかかわらず、保証金などの名目でお金をだまし取るものです。

6.金融商品詐欺
高額な金融商品に関する嘘の情報を提供して「この商品を購入すると利益が得られる」と、うたい文句で購入させて、その代金をだまし取るものです。

7.ギャンブル詐欺
不特定多数の人が読む雑誌に「パチンコの打ち子募集」「公営ギャンブルの必勝法を教えます」と掲載したり、不特定多数に同じようなメールを送ったりするものです.
実際に連絡してきた人に対して、保証金や会費などの名目でお金を請求してだまし取ります。

8.交際あっせん詐欺
不特定多数の人に対して「女性紹介します」と近づき、保証金や会費などの名目でお金をだまし取ります。
雑誌掲載やメール送付などの手段を取ることが多く、連絡してしまうと被害に遭います。

高齢者が特殊詐欺に遭いやすい理由
特殊詐欺被害者の中でも圧倒的に多いのが65歳以上の高齢者です。
なぜこれほどまでに高齢者が特殊詐欺被害に遭いやすいのでしょうか。
主な理由として、以下が考えられます。

1.3つの不安につけこまれる
高齢者は「お金」「健康」「孤独」の3つの不安を抱えているといわれます。

特殊詐欺グループや悪徳業者は、これらの不安に付け込み、高齢者に対して親切に対応して、信用させてから、貯金などの財産を狙って詐欺の手口を持ち掛けます。

2.日中家にいることが多い
退職した高齢者は日中家にいることが比較的多く、電話に出れる時間も増えるため、詐欺の電話と接する可能性が高まります。その上、聴力が低下していたりすると、家族の声を聞き分けられにくくなっていることも。その場合、詐欺の電話にも気づきにくくなってしまいます。

3.最新の情報をつかみにくい
近年は手口が巧妙化し、詐欺であると見抜くことが難しくなりつつあります。

最新の情報は、インターネットやSNSで広まることも多いため、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器に慣れていない高齢者の場合は、詐欺の実情を知る機会も少なってしまいます。

4.自分だけは大丈夫と思っている
特殊詐欺被害のニュースを見ても、「自分は大丈夫」と思う人もいらっしゃるかもしれません。
ここで、警察庁が2018年に行った「オレオレ詐欺被害者等調査」のデータをご紹介します。

これは、オレオレ詐欺の被害者354人、被害に遭わなかった317人(事業所による阻止と家族による阻止の合計)、オレオレ詐欺の電話を見破った428人を対象に行った調査です。

そのうち、自分は被害に遭わないと思っていた人の割合は以下の通りです。

被害者:78.2%
被害にあわなかった人(事業所による阻止):78.0%
被害にあわなかった人(家族による阻止):71.5%
オレオレ詐欺の電話を見破った人:56.8%

上記からもわかるように、自分は大丈夫と思っていた人が被害に遭っている割合が高いです。
いつ詐欺の連絡が来るかわからないので、自分を過信しすぎないようにしましょう。

高齢者特殊詐欺の対策
特殊詐欺被害対策の大前提は、「自分は大丈夫」もしくは「自分の親は大丈夫」と、過信しないことです。

その上で、高齢者本人や家族が行える対策をご紹介します。

1.電話に関する対策
特殊詐欺グループは、高齢者宅に電話で連絡してくることが多いとされています。
そのために、以下のような電話対策をとるとよいでしょう。

在宅時でも留守番電話にする
ナンバーディスプレイつきの電話にする
家族しか知らない合言葉を決める
詐欺の常套句を電話の前に貼っておく

家族しか知らない合言葉は、好きな食べ物や昔行った旅行先など、個人的なものにすることをおすすめします。

2.情報収集
高齢者本人がテレビや新聞のニュースを見ておくことはもちろん、もしご家族が、インターネットで情報を知った場合は、分かりやすく伝えておきましょう。

自治体の広報誌をチェックすることもおすすめです。
特殊詐欺に関する情報が載っていたり、警察署からの注意喚起のチラシが入っていたりすることがあります。

3.家族との連携
家族を名乗る人物から「携帯電話の番号が変わった」という連絡があったときは、いったん切って、もとの番号にかけ直して確認してください。
また、お金絡みの電話がかかってきた場合は、すぐに応じず、家族や知人に相談しましょう。

4.カードは見せない、渡さない
警察や自治体職員を名乗る人物、もしくは全く知らない人が家に来ても、キャッシュカードやクレジットカードは見せない、渡さないことを心がけてください。

警察や自治体職員などが「カードを見せてほしい」といった要求をすることはありません。
怪しいと思ったら、警察や市区町村役場に問い合わせましょう。

被害に遭わないために
特殊詐欺被害は、手口が巧妙化しており、自分たちで対策をしても追いつかないことも考えられます。
ここでは、国民生活センターからの情報と、NTTが行っているサービスについて紹介します。

1.独立行政法人国民生活センター
独立行政法人国民生活センターでは、特殊詐欺被害を含めた、高齢者の消費者被害に関する情報を数多く提供しております。

そのうちの1つが、「さいふをまもるひけつ」です。
特殊詐欺被害や消費者被害を防ぐための行動が分かりやすく表現されておりますので、電話の前など常に目にする場所に貼っておくとよいでしょう。

さ:誘い文句にのせられないで
い:家の戸、財布にしっかり鍵かけて
ふ:不審な人には注意して
を:お断り上手になりましょう
ま:まずは、家族や消費生活センターに相談
も:もしもの時に備えて、成年後見制度を利用
る:留守番、一人暮らしもこれで安心

2.NTT東日本・NTT西日本
NTT東日本と西日本では、70歳以上の契約者、または70歳以上の方と同居している契約者を対象に特殊詐欺被害対策のサービスを提供しております。

その1つが、ナンバーディスプレイおよびナンバーリクエストの利用料や工事費の無償化です。

ナンバーディスプレイ
相手の電話番号が電話機などのディスプレイに表示されるサービス

ナンバーリクエスト
電話番号を通知せずにかけてきた相手に対して、「電話番号を通知してかけ直すように」と自動音声で伝えるサービス

年齢確認書類の提出やナンバーディスプレイ対応電話機の設置などが必要にはなりますが、着信した電話番号が分かるので、知らない番号からの電話に出なくて済むという点では、詐欺に遭う確立を減らすことにつながるでしょう。

特殊詐欺被害にあったと気づいた時点で、すぐに相談しましょう。

主な相談先としては、
警察の電話相談窓口「#9110」
または消費者ホットライン「188(いやや!)」、
消費生活センター、市区町村の消費生活相談窓口などがあります。

自己判断をしてしまうと、状況を悪化させる可能性もあるので注意してください。


まとめ

この記事では、高齢者を狙う特殊詐欺とその対策についてご紹介しました。
特殊詐欺グループは、巧妙な手口で金銭をだまし取ろうとしています。

「自分だけは大丈夫」と思わずに、充分な注意を払っておくことが大切です。
家族や知人と話し合ったり、警察や行政が提供する情報に目を通し、詐欺の手口を知っておくことも対策の1つです。

しかし、対策を講じた場合でも、被害にあう可能性はゼロではありません。
もし被害に気づいた場合は、自分たちだけで解決しようとせずに、すぐに警察や消費生活センターなどに相談してください。
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2024年03月31日

増税、年金改悪…“重税国家ニッポン”がひた走る「絶望への道」

増税、年金改悪…“重税国家ニッポン”がひた走る「絶望への道」
3/30(土) THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)

「確かに日本の税負担は重いが、世界的にみるとそれほどでもない」…税率だけ見れば確かにそうですが、重税に見合った手厚い福祉サービスが受けられる北欧などと違い、日本では教育資金の費用をはじめ、さまざまな費用が自己負担となっているなど、実際には「重税国家」の道をひた走っています。
増税や年金改悪でこれから日本はどうなっていくのか、山田順氏の書籍『日本経済の壁』(エムディエヌコーポレーション)より、抜粋してご紹介します。

消費税増税が経済の足を引っ張った
消費税は、2014年4月に5%から8%へ、2019年10月に8%から10%へと引き上げられた。
この2回の増税は、民主・自民・公明の3党合意の下に行われたものだから、民主政治である以上、国民の意思だ。
しかし、日本経済の足を完全に引っ張った。

消費税は、1989年、バブル最後の年に新設され、税率3%で導入された。
その結果、この年と翌年の1990年の税収は上がったが、翌々年から経済は失速した。
これは、バブル崩壊に加えて消費税の導入によって消費が低迷したからだ。
以後、日本は長期不況に陥った。

1997年、消費税は3%から5%に引き上げられた。このときも、その年の税収は上がったが、翌1998年にはすでに失速していた。
これは、じつに簡単なパターン認識である。
「消費税を上げると1〜2年は税収が上がるが、その後は下がる」ということだ。
それなのに、当時の安倍政権は地雷を踏む≠アとを選んでしまった。

消費税増税の理由の一つとして言われたのが、「日本の消費税の税率は欧州諸国に比べてまだまだ低い。だから増税の余地がある」というものだった。
しかし、これは真っ赤なウソだった。

たしかに、欧州諸国の付加価値税(VAT)は高率で、当時もっとも高いハンガリーが27%、次いでアイスランドが25.5%、クロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーが同率で25%となっている。さらに、フランス19.6%、ドイツ19%、英国17.5%だから、日本の8%に比べたら高いのは間違いなかった。

しかし、欧州諸国は食料品など生活必需品には軽減税率を導入して、税率を低く抑えていた。

たとえば英国では食料品、 医薬品などの税率はゼロであり、フランスも医薬品は税率2.1%でしかない。
アイルランド、オーストラリアなども食料品の税率はゼロだった。

そこで、政府は日本も軽減税率を導入し、食料品などの税率は8%に据え置いた。
しかし、この8%ですら、すでに十分に高く、日本経済は大きく失速した。
それなのに、政府内には、今後さらに税率を上げようとする動きがある。

増税に加え年金改悪で国民生活を破壊
岸田政権になってから、「防衛費倍増」「子ども予算倍増」など、「倍増」のオンパレードになった。
どれも、緊縮を行わないなら、国債発行か増税するほか手がない。

すでに、防衛費倍増問題では、復興特別所得税の延長や、所得税、たばこ税、法人税などで1兆円を増税する方針が決められた。
これは、2024年度から段階的に実施される。

それとともに、隠れ増税≠熕iんでいる。
健康保険料と介護保険料の引き上げ、年金加入期間の延長と支給年齢の引き上げなどだ。

国民健康保険料は2022年4月に上限額が3万円引き上げられたばかりだが、2023年4月からさらに2万円引き上げられた。
年金のほうは、2024年に控えた5年に1度の年金財政検証に合わせて、数々の増額メニューが検討されている。

まずは、国民年金の加入期間を40年から45年に延ばす。
年齢で言うと現在の60歳から65歳に引き上げる。
保険料を5年間長く払わせるためだ。

そして、厚生年金の被保険者期間を「70歳まで」から「75歳まで」に延ばす。
さらに、厚生年金のマクロ経済スライド期間を2033年度まで延長する。

こうした年金改悪≠フなかで、年金受給の高齢者にもっとも過酷なのは、マクロ経済スライドの延長だ。
もともと年金制度は、物価や賃金が上昇すると年金もいっしょに上昇することになっていた。
だから、インフレが起きても年金が実質的に減ることはなかった。

しかし、マクロ経済スライドによって、物価が上がっても年金の増額は抑制され、実質的には目減りするようになった。
マクロ経済スライドは、本来なら2025年度に終了する予定だったのを10年弱も延長するのだ。

これが実現すると、月額約2万円の減額、20年間で400万円超の大幅カットになる。
総務省の家計調査では、年金暮らしの夫婦2人世帯の支出は月額約27万円となっているので、高齢者世帯の暮らしはたちまち行き詰まる。
「老後2,000万円必要」と言われてきたが、2,000万円でも足りなくなる。

税金の支払い手がいなくなる未来
2022年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)が、前年比5.1%減の79万9,728人で、1899年の統計開始後初めて80万人を下回ったことが、各方面に衝撃を与えた。
2023年も減少は止まらず、出生数は75万8631人で8年連続の減少となり、過去最低だった2022年から4万1097人も減少した。

この少子化のペースは、政府機関の推計より10年ほど早い。
この傾向が続けば、年金をはじめとする社会保障制度や国家財政は予想以上に逼迫する。

こうなると、生産年齢人口も加速度的に減少する。
それは、税金を払う納税者が加速度的に減少することを意味する。
[図表1]は、1950年を起点とした日本の人口の推移で、2022年より先は推計だが、この推計はいまや成り立たなくなった。推計より速いスピードで少子化が進んでいるからだ。
このグラフを眺めて、日本の将来を想像すると、絶望的になる。

意のある若者は重税国家から出て行く
中国の諺(ことわざ)に、「苛政(かせい)は虎(とら)よりも猛(もう)なり」というのがある。これは、重税を課す過酷な政治は人を食う虎よりも恐ろしいということだ。

泰山(たいざん)の近くを通りかかった孔子(こうし)は、墓に向かって泣いている婦人を見つけ、弟子の子貢(しこう)を使わせて、なぜ泣いているのかと尋ねさせた。その婦人はこう言った。
「私の舅(しゅうと)は昔、虎に殺されました。
夫も虎に殺されました。息子も虎に殺されました」

それで、孔子が婦人に「どうしてこの地を離れないのか」と訊くと、婦人はこう答えた。
「この地には重税がないのです」

この諺が意味するところを私見で解釈すれば、重税国家から人は逃げ出すということだろう。

すでに、「重税ニッポン」に嫌気がさして、多くの富裕層や有能なビジネスマン、起業家たちが国を出ている。
有為な若者たちも国を出ている。
とくに本気でスタートアップを目指す若者は、海外を目指す。
昔の若者は英語が苦手だったが、いまの若者はそうではない。
また、ITテクノロジーを使えば、語学の壁は乗り越えられる。

シンガポールなどのタックスヘイブンは、日本のような官僚統制国家では「悪」とされている。しかし、本当は、重税国家の理不尽な徴税から逃れるための「自由な地」とも言える。

このまま日本が重税国家路線を突き進めば、タックスヘイブンばかりか、能力を認められる国、高い収入が得られる国に、多くの国民が国を出ていくだろう。
とくに、将来に希望が持てなくなった若者たちが、本気でこの国を出たら、日本はどうなるのだろうか。


山田 順 
ジャーナリスト・作家
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「負ければ負けるほど、賭け金を上げたくなる」誰もが注意すべき「ギャンブラー心理」とは?

「負ければ負けるほど、賭け金を上げたくなる」誰もが注意すべき「ギャンブラー心理」とは?
2024年03月31日 ダイヤモンドオンライン

人を動かすには「論理的な正しさ」も「情熱的な訴え」も必要ない。
「認知バイアス」によって、私たちは気がつかないうちに、誰かに動かされている。
人間が生得的に持っているこの心理的な傾向をビジネスや公共分野に活かそうとする動きはますます活発になっている。
認知バイアスを利用した「行動経済学」について理解を深めることは、様々なリスクから自分の身を守るためにも、うまく相手を動かして目的を達成するためにも、非常に重要だ。
本連載では、『勘違いが人を動かす──教養としての行動経済学入門』から私たちの生活を取り囲む様々な認知バイアスについて豊富な事例と科学的知見を紹介しながら、有益なアドバイスを提供する。

■「勝つまで倍賭けすれば、負けを取り戻せる」と思ってしまう
 筆者のエヴァには、よくディナーに出かける友人がいる。
 ワインを飲んで酔いが回ってくると、前回どちらが勘定を支払ったかわからなくなってしまう。
ふたりはこれを解決しようと、公平な方法を思いついた。

 コインを投げ、表なら筆者が払い、裏なら友人が払うというものだ。

 この方法を始めてから、筆者はもう7回も連続で負けている。
 大喜びの友人から不運をからかわれるのが筆者は面白くない。

 人は怒ると、大きなリスクを取ろうとする。
筆者もご多分に漏れず、「次からはもっと高いレストランに行こう」と言い出した。


「勝つまで倍賭けすれば、いつかは負けを取り返せる」という、昔からあるギャンブラーの発想だ。

 負けた後に賭け金を上げようとするのは筆者だけではない。
ゲームに負けると、次の賭けで負けを取り戻せないかもしれないのに、賭け金を上げたくなることがある。
 これは、怒りの感情とは関係ない。純粋な順序効果だ。

 スイス・オランダの経済学者トーマス・ブザーは、学生に数学のゲームをさせてこれを実証した。
被験者の3分の1には(実際の結果通りに)勝ったと告げ、3分の1には負けたと告げ、3分の1には何も告げなかった。
 その後、被験者全員に再びゲームをさせたところ、負けたと告げられた男子学生は平均より高いリスクをとった。
その結果、残りのゲームにおいて平均20%負けが込んだ。

 ただし女子学生の結果は違っていた。
負けると、その後はリスクを取ろうとしなくなったのだ(よって損失はそれほど大きくなかった)。

(本記事は『勘違いが人を動かす──教養としての行動経済学入門』から一部を抜粋・改変したものです)
posted by 小だぬき at 13:12 | 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする