2024年06月05日

「本当はあの時こうしたかった」と後悔しない「やりたいこと100リスト」の書き方を解説

「本当はあの時こうしたかった」と後悔しない「やりたいこと100リスト」の書き方を解説
6/4(火) 婦人公論.jp

中高年がキャリアや健康などの不安に陥りやすくなってしまう「ミッドライフクライシス(中年の危機)」という言葉が、近年話題になっています。
このような中年期特有のモヤモヤ感を「40歳の壁」と表現しているのは、音声メディア「Voicy」のトップパーソナリティとして活躍しながら、ヨガスタジオやスキンケアブランドの代表も務める「ワーママはる」こと尾石晴さん。
今回は、尾石さんが「40歳の壁」を越えて自分らしく生きるための方法をまとめた著書『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』から、一部ご紹介します。

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◆人生後半の目的を言語化してみる
本記事では、あなたにとって「お金」「つながり」「健康」を満たす「自分業」を始める前の準備として考えておきたいことをお伝えしていきます。

まず、あなたの人生後半の「目的」を言葉にする練習から始めましょう。

「40歳の壁」を越えた未来すら見えていないのに? そうです。
見えていないからこそ、「どんな風に年を重ねたいのか」を考えるために言葉にするのです。

もちろん、いきなり「あなたの人生の目的は?」「死ぬ前にどんな人生だったら満足?」「*年後にどうなりたい?」「これから何がしたい?」などと問われても、「焦るわ」「正直、人生の目的なんてわからない……」と、戸惑う人が多いと思います。

アラフォーまでの前半「40年間」ですら、環境はどんどん変わるし、自分自身の経験や価値観、考え方も毎年アップデートされてきた。

たとえ今考えられる「目的」を言葉にしたとしても、正直それが「最適解かどうか」なんてわからないですよね。

◆人生の目的は探すものではなく導き出すもの
最近は時代の変化が速いので、「人生の目的なんて決めなくていい。
やりたいことをとにかくやって、それが積み上がれば人生が決まっていく」という考え方も広まっています。
私も、この考え方にはおおむね賛成です。

「人生の目的は何か?」を考えて足が止まってしまうより、とりあえず行動して前に進んでいったほうが何倍も学びがあります。

しかし、どの方向に進んでいくのかは、ある程度決めておく必要があると考えています。

何を「おもしろそう! やりたい!」と思うか。

これがはっきりわかる人は、自分が大事にしているものや価値観、つまり「現在の行動や選択の基準」が明確です。

人生の目的がわからなくても、進むべき方向ははっきりしています。

この「現在の行動や選択の基準」がはっきりしていないから、みんな「人生の目的って? 進むべき方向って?」と悩んでしまうのではないでしょうか。

ちなみに「人生の目的」は探すものではありません。
自分の価値観に基づいて選び取ってきた過去の経験から導き出すものです。

自分の中に「眠っている」ものだったり、すでに「わかっている」ことだったりします。

「**が好きだ」
「**な場所が楽しい」
「**な人が好きだ」
「**を成し遂げたい」
「**なモノに囲まれたい」

これらの**が集まることで、あなたが「幸せと感じる状態」がつくられます。


みんな不幸になるために生きているわけではありません。
この「幸せと感じる状態」にたどり着くために人生を歩んでいます。

つまり、「幸せと感じる状態」を言語化したものが「人生の目的」です。

◆目的地を言語化することでたどり着ける
人は、言葉にできないことは意識することができず、行動に移せません。
ぼんやりと流れていってしまいます。

「どんな人生を送りたいのか」「どんな時間を過ごしたいのか」を言葉にすることは、人生の目的を決めることにつながります。

カーナビに目的地を入れたら、たとえ道を間違えても、遠回りしても、時間をかければいつかはゴールに到達します。

ところが、目的地が決まっていないと迷走しますし、そもそも発進できないこともあります。

しかし、「人生の目的、どこへ向かいたいかなんて聞かれても……」と、はっきり答えられない人もいます。

環境がどんどん変化しているので、未来の展望を描けない人がいるのも当然です。

その場合は、目的地を入れることができなくても「西に行きたいのか、東に行きたいのか」「行きたいのは海側なのか、山側なのか」、それくらいの方向性は決めておく必要があります。

人生の時間は止まることなく進んでいくからです。

なんとなく毎日を過ごし、なんとなく困難を乗り越え、なんとなく楽しみながら、時間が経ってたどり着いた先は「山」だった。

「いやー、本当は海方面が良かったんだよね」では笑えません(いるよ、意外と)。

本当はあのときにこうしたかった」と言いながら余生を過ごす人はたくさんいます。

時間は有限であり、かつ巻き戻すことができません。

だからこそ「目的地=どんな人生を過ごしたいのか」を、方向性だけでもいいから言葉にしておく必要があるのです。

つまり、人生の目的を決めるとは「自分が大事にしたいことを言語化する」、もっと言えば「言語化するための時間をつくる」のが最初の一歩です。

◆言語化するための具体的な方法
では、どうやって人生の目的を言語化していくのか?

「言語化」と聞くと難しそうですが、つまりは「どんな人生だったら満足か」を満たす項目を言葉にしてみるということです。


「やりたいこと100リスト」を書いたことはありますか? 手帳術の一環としてよく使われている手法です。

『人生の100のリスト』ロバート・ハリス著(講談社刊)が出版された2004年あたりから活用されているようです。
私は毎年、年末から翌年の年始にかけて新しい手帳を開き、「やりたいこと100リスト」を書いています。

これを書き始めてから、人生の目的の形が見え始めました。

最初は全然書けません。30個くらいで止まります。それでも毎年書くのです。

・なんでもいいから書く……「ぼーっと過ごしたい」でもOK。
・一気に書かない……急には思いつかないので、のんびり1カ月くらいかけて書く。
・似たことを書いてもOK……運動したい、走りたいなど。

書き始めてから10年くらい経っていますが、年を追うごとに具体的に言語化できるようになりました。

・初年度……「海に行きたい」
・現在……「**島の**ビーチに8月に行きたい」(具体的になっていく!)

この「やりたいこと100リスト」から人生の目的を具体化していく方法として、まずはリストの中でジャンルが似ているものに同じ色のマーカーを引いたり、丸をつけたりして色分けします。

そうすると、「あれ? 仕事系は全然ないけど、行き先系がたくさんあるな」
「家族系が多くて、ほかの人間関係系があんまりないな」といった気づきがあります。

そのうえで、項目数が少ないジャンルで「ほかにもやりたいことはないかな」と考えてみたり、逆に項目数が多いジャンルで「もっと具体化できることはないかな」と考えてみたりします。
すると、頭の中の問いに答える形で、少しずつ言葉になって出てきます。

◆人生のカーナビに目的地をセットする
やりたいこと=人生の目的(かなえたいことに近い)のため、だんだんと自分にとって「幸せと感じる状態」を言葉にできるようになっていくのです。

人生の目的の言語化は、人生のカーナビに目的地をセットするようなものです。

1回や2回では言葉にできないかもしれませんが、回数を重ねるうちに「どの方向へ行きたいのか」は見えてくるようになります。

これができたらシメたもの! あとは時間をかけて「具体的な言葉」に落とし込んでいくだけです。

「やりたいこと100リスト」を毎年書いていると年々具体化していくので、最終的に「人生の目的」に近づくことができるようになります。

※本稿は、『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

尾石晴
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする