2024年09月07日

「ゆっくり過ごしているのに疲れが取れない」そんな現代人が今すぐしっかり休ませるべき"体の部分"

「ゆっくり過ごしているのに疲れが取れない」そんな現代人が今すぐしっかり休ませるべき"体の部分"
2024年09月06日 PRESIDENT Online

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。
いったいどの本を読めばいいのか。
読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、8月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。
第1位:『脳をしっかり休ませる方法』(茂木健一郎著、三笠書房)
第2位:『職場を腐らせる人たち』(片田珠美著、講談社)
第3位:『人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方』(枡野俊明著、SBクリエイティブ)
第4位:『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(藤本梨恵子著、明日香出版社)
第5位:『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』(中島輝著、SBクリエイティブ)
第6位:『「数学的」な仕事術大全』(深沢真太郎著、東洋経済新報社)
第7位:『移動する人はうまくいく』(長倉顕太著、すばる舎)
第8位:『あっという間に人は死ぬから』[佐藤舞(サトマイ)著、KADOKAWA]
第9位:『こころ』(夏目漱石著、出版社名なし)
第10位:『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(飯田剛弘著、明日香出版社)
第11位:『独学リスキリング入門』(柳川範之著、中央公論新社)
第12位:『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力』(枡野俊明著、三笠書房)
第13位:『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(嶋村吉洋著、PHP研究所)
第14位:『リーダー1年目のマネジメント大全』(木部智之著、三笠書房)
第15位:『ごきげんになる技術』(佐久間宣行著、集英社)
第16位:『新版 人は、なぜ他人を許せないのか?』(中野信子著、アスコム)
第17位:『わが投資術』(清原達郎著、講談社)
第18位:『嫉妬論』(山本圭著、光文社)
第19位:『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(深谷百合子著、かんき出版)
第20位:『知的文章術』(外山滋比古著、大和書房)※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2024年8月の閲覧数ランキング

■脳が休めていないと疲れは取れない

今月の第1位は『脳をしっかり休ませる方法』でした。

なんだかイライラが止まらないし、ゆっくり過ごしているつもりなのに疲れが取れない……
その原因は、もしかすると「脳の疲労」にあるかもしれません。

著者の茂木健一郎さんは本書で、いくら身体を休めても、脳が休めていないと脳に疲労が蓄積し、身体全体や仕事のパフォーマンスに悪影響が及ぶと指摘しています。

では、脳をしっかり休めるにはどうすればいいのか。
まず取り入れやすい習慣として紹介されているのは、お昼休憩中にスマホを触らないようにすること。
椅子に座り、何も考えずに10分間、目を閉じるだけでもかまいません。

また、効果的に脳を休める方法として、「現場を離れる」ことも勧められています。
仕事が終わったら仕事場を離れましょう。
制服や作業着から着替えたり、ジャケットを脱いでネクタイを外したりするのも有効です。
これによって、脳に切り替えのシグナルが送られ、仕事モードをオフにすることができます。

著者の茂木さんは、上司や先生の立場にある人に向けて、以下のように伝えています。

もし、あなたの部下や生徒が特に何もしないでボーッとしていたとしても、「あいつは怠けている」と思わずに、「こいつはきっと、脳を戦略的に休めている状態なんだな」と考えて、あたたかく見守ってあげてください。

それはまさに、この本で紹介した脳を休ませている瞬間で、そのあと何かのきっかけでみんなが驚くような活動を始めるかもしれません。しっかり休んでいるはずなのに疲れが抜けない方や、部下・生徒のパフォーマンスを上げたい方は、「脳をしっかり休ませる方法」にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

■「根性論を持ち込む上司」への最強の対処法

第2位は『職場を腐らせる人たち』でした。
精神科医として7000人以上を診察してきた片田珠美さんが、「職場を腐らせる人」の事例を15種類紹介するとともに、「職場を腐らせる人」の被害を避ける方法を教えてくれる一冊です。

「職場を腐らせる人」の一例として挙げられているのは「根性論を持ち込む上司」。
かつて自身が気合いと根性で営業成績をあげた話を繰り返し、現実離れした目標を達成しようとするような人物です。

著者によると、このタイプの人の多くは「みんながやる気を出せば、すべてがうまくいく」と考えがちです。
その思考回路の根底では「すべてがうまくいけばいいのに」という願望と「すべてがうまくいく」という現実が混同されてしまっています。
このタイプの人には、具体的な数字や根拠とともに「業界全体を見ても、こうなっている」「数字が落ちているのは長期的な傾向」などと示し、現実を直視させるのがおすすめだといいます。

これ以外にも、過大なノルマを部下に押しつける上司、言われたことしかしない若手社員、あれこれケチをつける人、いつも相手を見下す人など、「あるある」な「職場を腐らせる人」がたくさん登場する本書。大切な職場を腐らせないようにするために、特にマネジメント層は必ず読んでおきたい一冊です。

■「動じない心」があればやるべきことに集中できる

第3位には『人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方』がランクインしました。
何か嫌なことや引っかかることがあると、すぐに動揺したり焦ったりしてしまい、何もかもがうまくいかなくなる……そんな人にぜひ読んでほしい一冊です。

曹洞宗徳雄山建功寺の住職である著者・枡野俊明氏は、本書で「動じない心」を持つことの大切さを説きます。
その理由は、動じない心を持っていれば、何があっても、今やるべきことにフォーカスできるからです。
そしてその前提のもと、仕事や人間関係、将来の不安など、多くの人が抱えがちな悩みにQ&A形式で答えてくれています。

そのうちの一つが「一人でいることが寂しい」という悩み。この悩みに対して著者は、孤独な時間は、自分と向き合うために必要不可欠なものであるとしています。

孤独に向き合う方法として提案されているのは、スマホの電源を切って公園に行き、自然を眺めること。
休日のたった30分でも公園で過ごせば、自然のあり方から多くを学び、心が洗われるでしょう。

このほかにも、あなたの心をスーッと軽くしてくれる回答が満載の本書。疲れてしまったとき、ぜひ手に取ってみてください。

■相手に矢印を向けることで会話がうまくいく

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第4位は『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』でした。
NLP心理学を中心に、コーチング、カウンセリング、マインドフルネス瞑想などの手法を統合し、人間関係をより良好なものにする話し方や聞き方の本を多く上梓してきた藤本梨恵子さんが、「なぜか惹かれる人」が実践する話し方を教えてくれる一冊です。

話し方の基本として真っ先に意識したいのは、「誰しも最大の関心事は自分自身である」ということ。
お互いに自分のことばかり気にしていると、会話がかみ合わなくなってしまいかねません。
自分への矢印を抑えて、相手に矢印を向けてみましょう。

ここでは、本書に紹介されている、わかりやすい会話例を取り上げましょう。

娘が母に「やっと退院できたけど、手術痕が痛くて、夜も眠れないの」と嘆いたとします。
ここで母親が相手に矢印を向けて「大丈夫?」と言えば、娘は共感されたと感じ、会話は続いていくでしょう。
一方、母親が「私、昨日から小指にササクレができちゃって、痛くって……」と言うと、会話がかみ合わなくなってしまうかもしれません。

自分のことばかり話すのではなく、相手の関心事を話題にするように心がけてみませんか?
 そうすれば、自然と会話が盛り上がり、相手はあなたに好感を抱くでしょう。

■「数学的」なアプローチでビジネススキルを上げる

第6位の『「数学的」な仕事術大全』にもご注目ください。

本書の著者は、ビジネス数学教育家として活躍し、『数学的思考トレーニング』や『数学的に考える力をつける本』などのベストセラーを連発する深沢真太郎さん。
本書は、「数学的に考える」「数学的に文章を書く」「数学的に話す」「数学的に資料作成する」……など、数学的な仕事術をたくさん紹介する一冊です。

「数学的に考える」例として取り上げたいのが、現状を正しく把握し、改善アクションを決める方法です。

たとえば、ある化粧品ブランドの売上高を4年分比較したところ、ほぼ横ばいで推移していたとします。
その数字を眺めているだけでは、改善につながる洞察は得られないでしょう。

そのようなときに効果を発揮するのが「分解」です。

売上高をメンズ製品とレディース製品に「分解」してみると、レディース製品は年々減少傾向にある一方、メンズ製品は増加傾向であることに気づくかもしれません。
そうすれば「メンズ製品に力を入れる」「レディース製品の改善を図る」といったアクションにつなげられます。

もし、あなたのビジネススキルが伸び悩んでいるように感じるなら、その原因は「数学的」に考えて行動する力が不足しているからかもしれません。
学生時代に数学が苦手だったとしても大丈夫。本書を読んで、数学的に考えて行動する技術を身につけ、ビジネスパーソンとしてレベルアップしませんか。

■会社を辞めてハワイに移住したら人生が変わった

最後にご紹介したいのが、第7位の『移動する人はうまくいく』。
「最近、なんだか退屈だな」「環境を変えたい気がするけれど、勇気が出ない」……そんな人にぜひ読んでほしい一冊です。

本書の著者である長倉顕太さんは、編集者として多数のベストセラーを手がけてきました。
38歳までは出版社に勤めていましたが、あるとき、会社員を辞めてハワイに移住します。
この移住が大きな転機となり、「自分の才能、能力がどんどん覚醒していって、収入が驚くほど高まった」そうです。

長倉さんがその経験から断言するのは「移動する人はうまくいく」いうこと。
移動して環境を変えれば、他の人にはない視点が身につき、人生が楽しくなるし、仕事にも良い影響が期待できるからです。
さらには、周囲の人に押しつけられたキャラクターから解放され、自分らしく、より好ましい生き方を主体的に選ぶことも可能です。

本書を読めば、すぐに旅に出たり引っ越したりしたくなるでしょう。
すぐに「移動」できないなら、本書で紹介されている30種類のアクションプランを実践してみるのもおすすめです。
「即レス」「即イエス」「即報告」を心がける、通勤経路を変える、月1回はホテルに泊まる……などを取り入れていくうちに、あなたの人生は変わり始めるはずです。

今月も、古典の名作からリスキリング、投資まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。
また、先月第1位だった『賢い人のとにかく伝わる説明100式』が第19位、第7位だった『となりの億万長者が17時になったらやっていること』が第13位と、依然として多くの方に読まれています。
来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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flier編集部
posted by 小だぬき at 08:08 | 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする