2024年09月15日

もうすぐお彼岸! 意外と知らないお墓参りに関するアレコレを徹底解説!

もうすぐお彼岸! 意外と知らないお墓参りに関するアレコレを徹底解説!
9/14(土) さんたつ

彼岸
まだまだ強烈な暑さが続いていますが、暦の上では秋。
連休などを使ってお彼岸のお墓参りに出かける方も多いのではないでしょうか。
しかし、なぜお墓参りはお彼岸にするのでしょう?
他にも「そもそも、仏教的にはどんな意味?」「お墓参りのお供え物って、どうすれば良いの?」など、わからないことも多いのではないでしょうか?
今回はそんなお墓参りにまつわる、あれこれをご紹介します。

なんで、お彼岸にお墓参りするの?

どうしてお彼岸と言われる時期にお墓参りをするのでしょう?

それを知るために、言葉の意味を掘り下げでみましょう。

「彼」という文字は「あちら」という意味ですので、彼岸は「向こう岸」ということです。

対して、こちらの岸を「此岸(しがん)」と言います。

そして、彼岸と此岸の間に流れているのが三途の川なので、「此岸=今生きているこの世界」で「彼岸=亡くなった人のいる世界」として表現され、お墓参りに行って故人を想う時期を「お彼岸」というのです。
極楽浄土のオーナー阿弥陀如来(東京都目黒区「蟠龍寺」)。

また、仏教の考え方では亡くなった人は(地獄に落ちない限り)、阿弥陀如来がオーナーである極楽で静かに暮らしているとされています。

極楽は正しくは「西方極楽浄土」といって、西の方角に存在すると考えられています。

お彼岸は、春分の日と秋分の日を挟んだ前後3日間ですので、夕日が真西に沈むこの時期こそ、極楽浄土に思いを馳せるのに最適な日。
だからこそ、この時期にお墓参りをするんですね。

お墓の前に行っておきたい場所

本堂へのお参りを忘れずに!(静岡県「指月殿」)。

では実際に、お墓参りに行く場合、故人が眠る墓地や納骨堂に直行していませんか?

お寺の場合は、まずは本堂に行きましょう!

本堂には、ご本尊である仏像が祀られています。物理的にお墓を守っているのはお寺の方ですが、仏教的な意味ではこのご本尊が守っていると考えます。

筆者の法名。

「亡くなったうちのじいちゃんも私も、別に仏教徒ではないから、ご本尊にはお参りしなくていいや」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、仏式でお葬式をあげた方なら、「戒名(浄土真宗では法名)」がついているはずです。

本来は「仏様に身を委ねよう」と、生前に仏教徒になる際につけられるのが戒名でした。

かくいう筆者も「釈 成量」という法名を持っています。

しかし、無宗教を自認する日本人が多くなった現代。

こんな言い方をすると怒られるかもしれませんが、亡くなった時に「仏式でお葬式をするために、仏の弟子になったテイにする」的な意味合いが強くなっています。
そうしたことから、故人を守ってくれているご本尊に先にご挨拶をしておくのです。

お墓参りで迷うあれこれ!どうするのが正解?

さて、いよいよお墓参りです。

しかし、実際にお墓を目の前にしても「これって、どうするのが正解だっけ?」ということがたくさんあるのではないでしょうか?

まず、お墓の掃除をすると思います。暮石はゴシゴシ磨いてもいいのでしょうか?

暮石を痛める可能性があるので、基本、ゴシゴシするのは避けましょう。

上から水をかけ、柔らかいタオルやスポンジで洗います。

どうしても気になる汚れやコケがあれば、担当の石材屋さんやお寺の方に相談するのが安全です。

また、ドラマなどで故人の好きだったお酒を暮石にかけるシーンを見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。

気持ちはわかりますが、お墓参りの人が帰った後、鳥や虫や獣が寄ってきて大変なことになってしまいます!

好きなものは、墓前にお供えするのが一番です。

では、そのお供え物、故人がゆっくりと味わえるように、置いて帰りたくもなりますよね。

しかし、こちらも動物や虫たちが狙っていますので、お参りが終わったら持ち帰りましょう。

西に沈む夕日を見ると、なんとなくお彼岸を思う。

今回は、お寺へのお墓参りについてご紹介しました。

仏教以外の墓地や無宗派の霊園での作法とは、違う部分もあると思いますので、お参りに行く場所に合わせて故人を偲びましょう。

まだ暑いので、熱中症対策をして、よいお墓参りを。

文=Mr.tsubaking
ドラマー/放送作家/ライター
posted by 小だぬき at 16:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「空中分解してしまう前に決断したかった」 会長が激白「岡山県PTAが解散」全国初事例の真相

「空中分解してしまう前に決断したかった」会長が激白「岡山県PTAが解散」全国初事例の真相
9/14(土) 東洋経済オンライン

 先日来、PTAの業界に動揺が広がっています。
2024年度末をもって、岡山県PTA連合会(以下、岡山県P)が解散することを明らかにしたからです。

 PTAの連合組織(以下、P連)は、市区町村ごと、都道府県ごとに作られ、その上部組織として全国組織=日本PTA全国協議会(以下、日P)が存在しますが、都道府県という広域のP連の解散は今回が初めてで、全国から注目を集めています。

 岡山県Pには、2008年の時点で21の郡・市P(郡や市単位のP連)が加入していましたが、2009年には政令市となった岡山市が脱退し、これに続いて、2012年度末には倉敷市も脱退。県内で最も大きい2団体が抜けていました。

 全国的にはまだ100%加入のP連も多いのですが、岡山県Pではその後もパラパラと脱退が続き、2024年度現在は、わずか5つの郡・市Pのみが残っている状態です。

 岡山市や倉敷市が入っていた2008年頃と比べると、県Pの会費(郡・市Pが納める分担金)はだいぶ値上がりしています。
例年通りの活動を続けるために、残った団体の金銭的・労力的負担は増していたようです。

 こうした中でのやむを得ない解散と察せられますが、実際なぜ今、解散を決めたのか?  何が決め手となったのか? 

 岡山県PTA連合会会長の神田敏和さんに聞きました。

■「途中で空中分解すると皆さんに迷惑がかかる」

 神田さんが岡山県Pの会長になったのは、2018年。
当時、県Pの会員団体は14、5団体にまで減っていたのですが、その後も脱退は続き、2023年度のはじめには約10団体になっていました。
さらに、2023年度のわずか1年の間に5つの団体が脱退を表明したため、真剣に解散を検討せざるをえなくなったといいます。

 「県Pは毎年持ち回りで地方ブロックごとの大会を開催しているのですが、2年後の2026年度に私たち岡山県Pは中国ブロック大会を担当する予定になっていました。
それを乗り切れないというのが、今回の判断材料のひとつとなりました。

 『これから脱退するかもしれない』と言っている郡・市Pもあったので、このままいくと大会の準備中に空中分解してしまうかもしれない。
そうなると、中国ブロックの他県の皆さん(県P)にも迷惑がかかってしまうので、どのタイミングでけじめをつけようか、と考えました」(神田さん)

 少し補足すると、PTA連合会は毎年、全国大会やブロック大会、県大会などを開催しています。
どの大会も、担当するP連は毎年持ち回りで決まっていることが多いのですが、担当に当たったP連はそれなりの資金供出を求められ、メンバーは大会準備に多大な時間と労力を費やすことになります。

 岡山県Pはそもそも県独自の大会も継続できず、2023年度から取りやめていたため、ブロック大会まで担当することは不可能と判断。
準備が始まる前に結論を出そうと考えたそうです。

■今年の3月にはほぼ解散は決まっていた

 解散について本格的に話し合いを始めたのは、今年の3月(2023年度末)。
一時は、全国組織である日Pを抜け、県Pのみ存続する案も出たものの、2024年度は参加が5団体のみとなることがわかり、この案はあきらめて解散することにしたといいます。

 ただ、県Pが扱う「小・中学生総合保障制度」などの保険は4月からスタートすることもあり、また今年度の中国ブロック大会(山口県Pが担当)に協力することも決まっていたため、年度末までは連合会を残すことになりました。

 「約1年後、年度末で解散しようと提案したときは、『集まれる場がなくなってしまうのは残念だ』という声はありました。でも『今の状況を考えるともう仕方がないね』という意見が大勢でした」(神田さん)

 そもそもPTAやP連のような団体は何のためにあるかというのは、人によって考えが異なるものですが、筆者としては「保護者と教職員、あるいは保護者同士の交流の場」という側面もあるように感じています。

 ですから交流の場がなくなるのを残念がる人がいるのもわかるのですが、県の団体がなくなっても郡・市のP連は存続するので、「そこの活動で足りるよ」という人も多いのではないでしょうか。

 解散にあたって、上部団体にあたる日Pが難色を示すこともありませんでした。日Pが過去、退会(解散)を表明した団体に対し、考え直すよう働きかけを行っていたといった話はよく耳にしますが、今回そういうことはなかったといいます。

 県の教育委員会も、現在の県Pの状況を伝えたところ、やむを得ない結論だと理解してくれたそう。
「郡・市P同士の情報共有や研修は、県教委としてカバーしていきたい」と言ってくれたということです。

岡山県Pの昔の会長などから苦言を呈されることはなかったのか? と尋ねると、「私もそれはあるのかなと思ったんですが、まったくありませんでした」と、神田さん。
今月、解散についてテレビや新聞で報じられてからも、苦情などは特に寄せられていないということです。

■繰越金も積立金も取り崩しながら…

 もう一つ筆者が気になっていたのは、解散時に残るお金のことでした。
都道府県や政令市のP連は大体どこも「子ども総合保障制度」などの保険を手掛けています。
団体によっては、この保険の「事務手数料」などの収益を何千万(〜億)円も貯めているので、岡山県Pにもそういったお金があるのか?  もしあるなら解散時にどう処理するのか? という点を確認したかったのです。

 しかし、結論から言うと、そのような大きなお金はありませんでした。
筆者が知るいくつかの都道府県・政令市Pは、保険を扱う他団体をつくっているか、または一般会計と別に、保険のお金を扱う特別会計を設けているところばかりだったのですが、岡山県Pは保険の収益を一般会計に繰り入れ、運営や事業に使ってきたとのこと。

 では、保険の収益金はどんなことに使われてきたかというと、大きかったのは事務局の家賃や人件費です。
P連は、教育委員会のなかに事務局があることも多いのですが、岡山県Pは独自に事務所を借りており、また2年前までは正規の職員を雇っていたそう。

 「ここ数年は特に、会員団体が減って収入(分担金)が少なくなっていたので、繰越金を食いつぶしながら、という形になっていました。
人件費を抑えるため、2年前からはパートの職員さんに半日だけ勤務してもらうようにしましたが、それでもお金がまわらない。
最後は、ブロック大会がまわってきたときのための積立金も一般会計に繰り入れて、これでなんとか年度末までもたせる予定です」(神田さん)

■解散するかしないかは各P連が判断すること

 取材の終わりに、神田さんは「岡山県Pが『解散できる』という前例をつくってしまったことで、全国の協議会(P連)に影響が及んだら申し訳ない……」と、心配そうに話していました。

 でも、解散するかしないか、日Pに加入を続けるか続けないかは、それぞれのP連自身が判断することです。
県でも市でも学校単位でも、P連やPTAはあたかも「必須」のように思い込まれてきましたが、実はその活動も団体の存在自体にも、法的な縛りはありません。
「任意の活動」ですから、解散するのも本来、自由なわけです。
多くの団体が慣習にがんじがらめになってきた中での今回の決断は、業界に大きな一石を投じるものです。

 今回の岡山県Pの解散に対し、ネット上の反応はおおむね肯定的な印象です。
旧来型のPTAやP連のあり方に疑問を感じる人が増えているのに加え、特に都道府県のような広域のP連は、解散しても影響を受ける人、あるいは必要と感じる人がほとんどいないからかもしれません。

 今後、ほかにも都道府県レベルで解散するP連が出てくるかはわかりませんが、学校ごとのPTAや市・町Pの解散は徐々に出てきていますから、可能性はあります。

 都道府県レベルのP連の解散が増えるのがいいことなのか悪いことなのか、簡単には言えませんが、長年PTAの取材を続けてきた筆者は、どちらかというと前向きに捉えています。

筆者は長年、PTAの周辺を取材していますが、これまで多くのP連、特に日Pや都道府県Pは、行政または上部団体の求めに応じての活動が多く、現場のPTA、あるいはP(保護者)とT(教職員)に求められる活動は少なかったと考えています。
今回の解散が「現場のためのつながり」が生まれるきっかけとなるなら、悪くないと思います。

大塚 玲子 :ノンフィクションライター
posted by 小だぬき at 01:43 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする