2024年11月02日

「できる人」がやっている、ムダな情報に振り回されない“4つの問い”

「できる人」がやっている、ムダな情報に振り回されない“4つの問い”
山本大平:戦略コンサルタント、データサイエンティスト
2024.10.29 ダイヤモンドオンライン

現代は情報があふれかえる時代です。
SNSやニュース、ウェブサイトなどを通じて、私たちは日々膨大な情報に触れていますが、その中には正確で役立つ情報もあれば、曖昧で信頼性に欠ける情報も少なくありません。
情報の氾濫するこの時代において、私たちはどのようにして「価値のある情報」を見極めることができるのでしょうか。
本記事では、情報を適切に取捨選択するための具体的な方法を解説します。
※本稿は、戦略コンサルタントでデータサイエンティストの山本大平氏の著書『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。

「問い」を繰り返して情報の本質を見抜く

 多くの場面で、他人の意見やデータに基づくフィードバックを受け取ることがありますが、そのすべてが有用な情報とは限りません。
そこで役立つのが、「問い」を繰り返して情報の根拠を掘り下げる方法です。
このアプローチを使うことで、表面的な意見の背後にある真の根拠や論理に迫ることができます。

 たとえば、上司が「このプロジェクトはリスクが高い」と言ったとしましょう。
その場合、次のように「問い」を繰り返すことで、表面的な指摘の奥にある具体的な理由を探ります。

・上司:「このプロジェクトはリスクが高い」
・あなた:「なぜそう思うのですか?」

・上司:「以前、似たプロジェクトが失敗したから」
・あなた:「その失敗の原因は何ですか?」

・上司:「市場の需要が低かったため」
・あなた:「現在のマーケット状況はどうですか?」

・上司:「現在も低需要が続いている」
・あなた:「具体的なデータはありますか?」

・上司:「最新の市場調査レポートによると……」

 このように、たった数回の「問い」を繰り返すことができると、寄り道もせず最短で、意見の裏にある論理的な根拠やデータにたどり着くことができます。
曖昧な意見を真に受けるのではなく、その根拠を探ることが、情報を正しく評価するための”第一歩”です。

 もちろん、上記はさらなる深掘りが必要ですが、さらに「問い」を繰り返し続けることで、根拠のない意見やデータに振り回されることを防ぎながら事象の核心部にアプローチできるようになり、自信を持って判断を下すことができるようになります。

自分の感情に基づく情報と論理的な情報を区別する

 また、情報を見極める際には、自分自身の感情に基づく情報と、論理的に裏付けられた情報を区別することも必要です。
感情に基づいた判断は、必ずしも論理的な理由を必要としない場合もありますが、ビジネスや重要な意思決定の場面では、論理的な根拠に基づいた判断が求められます。

 例えば、「なぜピカソが好きなの?」と聞かれても、「好きだから好き」という回答しかできないことがあります。
これは感情に基づいた純粋な好みであり、必ずしも論理的に説明する必要はありません。

一方で、ビジネスにおける判断は「感情」だけではなく、論理とデータを求められることがほとんどです。
「新規事業を開始する」といった決定を下す際には、「なぜこの事業を選ぶのか?」や「市場調査の結果はどうか?」といった具体的な理由や根拠を示すことが必要です。

 感情と論理の区別ができることで、情報の価値をより正確に評価できるようになります。
感情的な意見を参考にする場合でも、それをそのまま意思決定の基準にせず、論理的な情報と組み合わせることで、よりバランスの取れた結論を導き出すことが可能になります。

批判的思考を身につける:情報を鵜呑みにしない

 さらに、情報を正しく見極めるためには、批判的思考(クリティカル・シンキング)を身につけることが必要です。
批判的思考とは、情報をそのまま受け取るのではなく、その背後にある前提や論理構造を疑い、情報の正確さや信頼性を精査する姿勢を指します。

 例えば、ニュースや記事を読んだ際に、次のような問いを自分に投げかけてみましょう。

・「この情報の発信者は誰で、どのような意図を持っているのか?」

・「この結論を導くために使われたデータは、どのように収集されたのか?」

・「同じテーマについて、別の信頼できる情報源も同じ結論を示しているか?」

・「この情報をもとに、別の解釈はできるだろうか?」

 こうした問いを繰り返すことで、情報の表面的な部分だけではなく、背後にある意図やバイアスを見抜くことができます。
また、複数の情報源を比較することで、特定の視点にかたよった情報を避け、より信頼性の高い情報を得ることができます。
これにより、情報の受け手としての自立性が高まり、より客観的でバランスの取れた意思決定ができるようになります。

自分の思考を問い直す「自己反省」の重要性

 情報を見極めるための最後のステップとして、自分自身の思考を問い直す「自己反省」の重要性も挙げておきます。
自己反省とは、自分の思考プロセスや判断基準を振り返り、そこにバイアス(かたより)がないかを確認することです。
自分がどのように情報を捉え、解釈しているのかを意識的に見直すことで、無意識にかたよっていた判断を修正することができます。

 例えば、次のような問いかけを自分に行うことも効果的です。

・「なぜ自分はこの情報を信じるのか?」

・「この情報に対する自分の感情的な反応はどのようなものか?」

・「他に考えうるシナリオはないだろうか?」

・「自分の立場が異なっていたら、同じ結論に至るだろうか?」

 このように自分自身を振り返り、常に”思考の透明性”を保つことが、情報を見極める力を強化します。
自らの思考の癖やかたよりに気づくことで、より広い視野で情報を判断できるようになり、結果としてより精度の高い意思決定が可能になるのです。
情報を適切に見極めるためには、得られた情報だけではなく、上記のように自分自身を疑うこともおすすめします。
posted by 小だぬき at 18:44 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

警察密着番組に厳しい視線 BPO審議中、テレ東巡り

警察密着番組に厳しい視線 BPO審議中、テレ東巡り
11/2(土)  共同通信

 容疑者逮捕の瞬間を映すテレビの人気番組に厳しい視線が注がれている。

関係者の名誉を傷つける不適切な表現があったとして、テレビ東京が制作を中止した「激録・警察密着24時!!」を巡り、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が審議中。

他局では警察密着番組が依然放送されているが、BPOが早ければ年内にも出すとみられる「意見」は、今後の制作の在り方に影響する可能性がある。

 問題が発覚したのは、アニメ「鬼滅の刃」を連想させる商品に絡む不正競争防止法違反事件を取り上げた昨年3月の放送回。

会社役員ら4人が逮捕されたとしたが、うち3人が不起訴になったことに言及しなかった。

 テレ東によると、番組は外部の制作会社が手がけ、スタッフの一部は不起訴の事実を把握していたという。

関係者の話では、不起訴処分は放送日の約1年半前だった。

 「誤解を与える表現」(テレ東)という説明では済まされない演出も。愛知県警の捜査会議のシーンには、逮捕後に撮影したものがあった。

視聴者に逮捕前と誤認させる映像で「再現」の表記もなかった。


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2024年11月03日

【少数与党で新たな日本政治を】連立ではない政策協議が生み出すもの、総選挙が可能にした政治実験を成功させよ

【少数与党で新たな日本政治を】連立ではない政策協議が生み出すもの、総選挙が可能にした政治実験を成功させよ
冷泉彰彦
11/2(土)  Wedge(ウェッジ)

 10月27日に投開票が行われた衆議院総選挙は、政権与党である自公が大きく過半数を割る中で、連立もしくは連携の工作が進行している。
そんな中で、現時点では部分的な提携による少数与党内閣が成立する、そんな可能性も出てきた。
 例えばであるが、国民民主党が首班指名の決選投票で事実上棄権に回るというのは、石破茂内閣の成立をアシストすることになる。
ただ、それでは、1970年代末以降の自民党が度々やってきたような、閣僚ポストと引き換えに全政策を一致させるフルの連立政権にはならない。

 このケースにおける国民民主党は、悪く言えば政権与党の責任を負わないことになるし、離反すれば少数与党である自民・公明党を行き詰まらせることができる。
だとしたら、国民民主党が政策における事実上のキャスティングボードを握るわけで、責任をフルで負わない中では卑怯だという評価も可能だ。

 けれども、現時点では、フルでない、パーシャルな連立あるいは連携というのが現実的になってきている。理由は2つある。

存在感を見せ続けたい国民民主

 1つは、冷静に考えてみれば国民民主党にはフル連立を組めないテクニカルな理由があるからだ。
どういうことかというと、今回総選挙が終わったということは、残り9カ月となった次回の参院選へ向けて政局の号砲が鳴ったことを意味するからだ。
 国民民主党にとっては、この時点でフルの連立を組むというのは公党としては自殺行為になる。
例えば自民党は、一気に減った党勢を補うために、いわゆる「裏金議員」とされる保守系無所属議員とは、比較的早期に統一会派を組むとしている。
フルの連立を行えば、この統一会派を認めざるを得なくなる。
さらにフルの連立のためには政策をほぼ完全に一致させることが必要だ。

 そうなれば、大昔に新自由クラブや自由党がたどった道、つまりフル連立を組むことで与党に埋没して最後は吸収される道しか残らない。
仮に議員たちがプロ集団であれば、個々の議員は与党に吸収されても各選挙区で勝ち抜いていけるであろう。
けれども、国民民主党はまだ政党として若く、議員一人ひとりの経験値は少ない。
そんな中で、25年7月の参院選で存在感を見せるには党の独自性を維持する必要がある。

少数与党で生まれる議論
 2点目は、仮にフルの連立で当面の過半数を確保しない場合でも、今回の衆議院の議席配分においてはリアリズムの政党が圧倒的ということがある。
仮に、安全保障や経済政策で、全く異なる立場の政党が拮抗しつつ、誰も過半数を取れないといった場合は、確かに日本の政治は不安定になるであろう。
 けれども、自公に国民民主、維新の会、そして野田佳彦氏率いる立憲民主、ここまでのグループに関しては、多くの政策において差があるといっても、是々非々で合意が可能な範囲である。
仮に少数内閣が成立してしまい、個々の政策においては、その都度過半数の合意を取り付ける交渉が必要となっても、非現実的なイデオロギー論争に終始することは少なそうだ。

 ということは、これまでは自民党の党内組織や自公の党首会談で決まっていた政策が、もっと多様な政党が参加する中でオープンに議論される可能性が出てきた。
その一方で、現在の参院の勢力分野としては自公が過半数を持っているという「ねじれ」の問題もある。
だが、参院の多数を握っているとはいえ、衆院では少数与党になるということは、野党の意見を聞かねば政策は進まない。

 議院内閣制を採用した国としては、かなり珍しいケースとなるが、この際、少数与党という体制を実験的に進めてはどうかと思う。
例えば「103万円の壁」にしても、もちろん決して小さくない財源は必要だ。
その場合に、投資に見合う消費活性化、少子化の好転、現役世代の活力向上による生産性向上など、リターンが取れるかどうかは、ファクトだけでなく政治思想や経済思想がなくては判断ができない。
また世論を説得するコミュニケーション能力も必要だ。

 そうした賛成反対の論戦に加えて、実行が可能かどうかの統治能力の問題も、少数与党であれば野党との切磋琢磨となっていく。
例えば、本稿の時点では自民党執行部は、国民民主の政策を「ほぼ丸呑み」する姿勢という報道がある。
仮にそうであれば、小が大を呑むような政治力学が生まれ、そうなれば7月の参院選にも影響が出るであろう。

 その場合は、自民党の命運が本当に尽きるかもしれない。
切磋琢磨の迫力を欠き、丸呑みに走るようでは国民の付託に応えることはできないからだ。

日本の政治に改革を
 例えば「ニューヨーク・タイムス」などは、今回の選挙結果を「カオス」だとして、安定していた日本の政治が流動化しているとして危機感を煽っている。
また、米国の国務省筋には、日米安保における地位協定の問題が政治的論点になっていることに不快感を示す向きもあるようだ。
しかし、そのような雑音は言わせておけばよく、外圧を恐れて政治を「小さくまとめる」ようでは最終的に民意は離反してゆくであろう。
 総選挙後30日以内に首班指名をせよという、憲法上の期限にはまだ時間がある。
何よりも、数日後に迫った米大統領選の結果も日本の政局に影響を与えるのは間違いないであろう。

 その結果として、次の内閣としては思いがけない人物が、思いがけない政党の組み合わせによって担がれる可能性は残っている。けれども、仮に石破首相が少数与党に甘んじるという政治的賭けに出て、国民民主など中道政党が実験的にパーシャル提携に乗るのであれば、それはそれで意味のある政治的実験になると考えられる。
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2024年11月04日

和田秀樹「競争なんてしなくていい」で育つ子どもの不幸 学校では「勝ち負け不要」でも実社会は競争だらけ

和田秀樹「競争なんてしなくていい」で育つ子どもの不幸 学校では「勝ち負け不要」でも実社会は競争だらけ
11/3(日) 東洋経済オンライン

「幼児教育でもっとも大事な点は、子どもにどう向き合うかという親の意識」ーー。
長年、受験指導にあたり、教育に関する書籍を多数出版してきた精神科医の和田秀樹氏は、変化の激しい時代・正解のわからない時代において、子どもたちをどのように育てるか、という点を、さまざまな視点から論じてきました。

本記事では、和田氏の著書『5歳の壁: 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』から一部を抜粋し、競争を避けたがる保護者の増加など近年の風潮と、そのことによってどのような影響があるかについて考えていきます。

■「やさしくて性格の良い子」に安心する保護者

 子どもたちの受験指導をしていて感じるのは、最近の保護者には非常に神経質になっている方が多いということです。

 最近では我が子が自信過剰だとか、負けん気が強いと人から思われることを恐れている親御さんも少なくありません。
やさしくて性格の良い子だと言われると、安心する親も多いです。

 また、我が子が友だちに勝ったことで得意になっていたり、負けたことを悔しがったりすると、「性格が悪いって言われるから、そんなことは言ってはいけない」とか「あまり勝ち負けを考えない方がいいよ」などと言って、負けん気の強い子を潰してしまう親もいるようです。

 しかし、負けん気が強いというのは、実はとても大切な特性なのです。

 子ども時代から何かあったらすぐに自信をなくしてやる気をなくしてしまうようでは、これから先の長い人生を生き抜いていくことは難しくなります。
「絶対に自分は負けない」「負けてたまるか」という強い気持ちが、この先に待ち受けているかもしれない困難を乗り越える原動力になるのです。

 もちろん、勝つためには何をしてもいいという考えはよくありませんが、根底に「人に勝ちたい」「負けたくない」という気持ちがなければ、子どものやる気は育ちません。
ましてや格差社会が進む社会では、負けん気の強い方が「何とかして生き延びよう」という力が高くなるのは確かです。

 ですから、我が子の負けん気が強くても親御さんは気にする必要はないと思います。

 日本というのはダブルスタンダードな社会です。
今の学校では傷つく子どもを減らそうという意図から、競争が極力避けられるようになっています。
そのため学校では「競争はしなくていい」「勝ち負けは不要」などと言われて育ちますが、実際に社会に出たらそうはいきません。

 学歴による選別が行われ、社会に出た後も競争を強いられます。
そこで負ければ叱責されたり、減給されたり、リストラされることもあります。
競争なんてしなくていいと言われて育ってきたのに、実際には超競争社会。それが今の日本社会です。

 言葉は悪いですが、それは大事なペットとして育てた動物をジャングルに放つようなものと言えるでしょう。
子ども時代は絶対に傷つけないような配慮をされていた子どもが、いざ社会に出てうまくやっていけると考えるのは甘い考えなのではないでしょうか。

 子どもが大人になってからジャングルの中でもたくましく生き延びてほしいのであれば、多少は競争に慣れさせて育てたほうがいいと考えています。

■社会に出てから困るのは子ども

 それから親御さんの懸念という意味では、負けん気が強い、あるいは自信の強い子どもの場合、我が子が周りから嫌われてしまうのではないかと気にする親御さんも多いのですが、よほど極端な子でなければ、社会に出ると性格が丸くなっていくものです。

 たとえば、レベルの高い学校に入ると、自分よりも成績のいい人がたくさんいることを知って「これはまずい」と危機感を感じます。

 社会人になって現実を見れば、自分の足りなさに気づくこともあります。

 私自身もそうでしたが、社会経験を積むことによってどんどん角が取れていく人も多いです。
社会で成功して恵まれた環境にいるうちに気持ちの余裕が出てきて、性格が鷹揚(おうよう)になっていく人も少なくありません。

 その反対に、「競争なんてしなくていい」「やさしければいい」と言われ、最初から勝負することをあきらめて育った結果、社会に出てみたら、自分の希望する職に就けないし、待遇のいい企業にも入れないという現実を知って絶望し、世間や社会に対して不満を抱くようになる可能性もあるのです。

 自分に自信を持てないせいで社会でうまくやっていけないという人も、精神科医としてたくさん見てきました。

 競争なんてしなくていいと言われて育った結果、社会に出てから競争社会の厳しい現実に直面する。
それは、ある意味では不幸と言えるのではないでしょうか。

 もちろん、その子ができないのに、厳しい競争を強いて苦しい思いをさせるのはよくありません。
そのためにも、親は小さい頃から子どもの得意なことを見つけて育て、子どもに自信をつけさせる必要があるのです。

■子どもの「負けん気」は伸ばしてあげて

 とはいえ、子どもの気質というのはそれぞれに違います。

 人に負けたら悔しいという感情を素直に表に出す子と、それほど出さない子がいます。
また、表には出さないだけで悔しさを内に秘めている子もいますし、そもそもあまり悔しいと思わない子もいます。

 しかし少なくとも、家でも親が「競争なんてしなくていいよ」と言っていたら、子どもの負けん気は育ちません。
むしろ私は、子どもの負けん気のタネを見つけたら、どんどんそれを伸ばしてあげた方がいいと思っています。

 たとえば子どもが「あの子には負けたくないな」と言ったら、親は「その気持ちは大切だよ」と子どもを応援してあげて、勝ったら一緒に喜んであげる、負けたら一緒にどうして負けたのか、次はどうしたらいいかを考えればいいのです。

 近年は、日本の国際競争力の低下が問題となっていますが、子どもの頃から競争を回避させるような教育が進めば進むほど、そうした傾向が進むのも当然です。

 たとえば、2024年のIMF(国際通貨基金)による世界の1人当たり名目GDP(国内総生産)ランキングでは、日本は38位。
ついに、韓国(35位)や台湾(34位)にも抜かれ、3年連続で過去最低ランクを更新しています。

 他の先進国や新興国と違い、日本だけが数十年にわたって成長していないというのは異常な事態といえるでしょう。
成長が停滞しているどころか、現在の円相場は1ドル160円を超えています(2024年7月1日時点)が、急速に進んだ円安は日本の競争力が急激に低下していることを示しています。

■科学の世界でも競争力が低下

 科学の世界でも、日本の競争力の低下が指摘されています。

 文部科学省の「科学技術指標2023」によると、注目度の高い論文数ランキング(引用回数の多い論文数の比較調査。論文の注目度と質を表す指標として用いられている)で、2005年まで世界4位をキープしていた日本は年々順位を落とし、2023年の発表では13位になりました。

 これはデータが残っている1981年以降でもっとも低い順位であり、人口が半分の韓国(10位)より下回りました。
ちなみに、中国は日本と反対にどんどんランクを上げ、2022年からは2年連続で1位です。

 「人に勝つこと」「貪欲に学ぶこと」を良くないことと考える社会では、やはり国としての競争力も伸びていかないのも当然ではないでしょうか。

 精神分析学者のコフートが言うように、本来、子どもには人から褒められたい、認められたいという野心があります。
その野心を満たしてあげることで、子どもの健全な自信や負けん気を育てることが大事なのです。

 「人に負けたくない」という気持ちは、人間として自然な感情です。
その自然な感情を親が支え、育てることで、子どもの内面からやる気が湧き上がってきます。

 子どもの負けん気や自信を育てることは決して悪いことではないし、子どもの成長につながることなのです。


和田 秀樹 :精神科医

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2024年11月05日

「自殺行為に等しい」 レプリコンワクチン批判の研究者が反対運動の“真意”を明かす 「国民の健康よりも製薬会社の利益、という姿勢」

「自殺行為に等しい」 レプリコンワクチン批判の研究者が反対運動の“真意”を明かす 「国民の健康よりも製薬会社の利益、という姿勢」
11/4(月) デイリー新潮

「mRNAワクチン」や「組換えタンパクワクチン」に、新たに「レプリコン」が加わった新型コロナのワクチン定期接種。
目下、この新ワクチンを巡り熾烈(しれつ)な論争が繰り広げられている。
単なる“陰謀論”か、はたまた身命をなげうった警鐘か。当事者たちの主張に迫る。【前後編の前編】

 ***

 10月1日に始まった新型コロナウイルス感染症のワクチン定期接種。
インフルエンザなどと同様、重症化リスクの高い「65歳以上の高齢者」や「60歳以上の特定の基礎疾患を有する者」が対象で、接種費用も多くの自治体で有料となる。

 全額公費負担の「特例臨時接種」が今年3月末で終わり、「ワクチン論争」もようやく下火に――。
一時はそう思われたが、今度は新たに定期接種で使用される「レプリコン」というワクチンを巡って、論争が勃発することになった。

 昨年11月、世界に先駆けて日本で初めて承認されたレプリコンワクチンの「コスタイベ筋注用」。
このワクチンを販売する明治ホールディングス傘下の製薬会社「Meiji Seikaファルマ(以下、ファルマ社)」が、10月8日、ワクチンへの反対運動を展開する2団体に法的措置を講じることを明らかにしたのである。

真っ向から対立する双方の主張

 同社から「非科学的主張を繰り返す団体」として名指しされたのは「mRNAワクチン中止を求める国民連合」と「日本看護倫理学会」の2団体だ。

 この問題を取材する記者によれば、

「国民連合は医師や研究者が主体となって結成した団体で、創設者の一人で副代表も務める村上康文氏は、東京理科大学名誉教授でありゲノム創薬の専門家としても知られる人物。
また、看護倫理学会も歴史こそ古くはないものの、業界ではそれなりに知られている学会です。
彼らはいわば“科学者として”医療機関や行政にレプリコンワクチンの使用を控えるよう呼びかけたわけですが、メーカー側はそれを“科学をかたった誹謗中傷”と捉えたのです」

 現状、真っ向から対立する双方の主張をわれわれはどう解釈すればよいのか。

レプリコン特有のリスク

 まずは、反対運動の「真意」を確かめるべく、国民連合の村上氏の話に耳を傾けてみよう。

 村上氏は東京大学薬学部出身で、同大大学院の薬学系研究科博士課程修了。
米国のがん研究センターや理化学研究所などを経て東京理科大学基礎工学部教授となり、創薬科学や分子生物学、免疫医学を専門に研究を行ってきた。
 同氏が言う。

「レプリコンワクチンは、新型コロナウイルスのワクチンとして初めて実用化されたmRNAワクチンをさらに進化させたものです。
mRNAワクチンは『mRNA(メッセンジャーRNA)』を細胞に導入することで抗体の獲得を目指すものでしたが、レプリコンワクチンはそのmRNAが細胞内で自己増幅するよう設計されています。
そのため、mRNAワクチンが持っていた欠点や危険性とともに、レプリコン特有のリスクも併せ持っているのです」

一度の摂取で長期間、抗体の誘導が

 そもそもmRNAとは、その名の通り、細胞内でメッセンジャーすなわち伝令役の働きを担う物質。
彼らが“伝令”するのは細胞がタンパク質を産生する際に使う設計図である。

 新型コロナウイルスは、表面に「スパイクタンパク質」と呼ばれるトゲを有しており、そのトゲを宿主の細胞の表面に突き刺すことで細胞を乗っ取り、感染を引き起こす。
mRNAワクチンとは、一言で言えばこのスパイクタンパク質の設計図を特殊な脂質の膜でくるんだもの。
ワクチンを接種すると体内の細胞が設計図に従ってスパイクタンパク質を産生し、そのスパイクタンパク質に対する抗体が誘導されることで、感染や重症化が予防できる。

 通常、mRNAは短期間のうちに分解されてしまう。
従来のmRNAワクチンでは特殊な材料を用いることでこの分解を抑えていたが、それでも接種後の抗体量は減少する。
そのため「ブースター接種」など頻回のワクチン接種が必要だった。
しかし、mRNAが細胞内で自己増幅するレプリコンワクチンでは、一度の接種でも長期間、抗体の誘導が続くとされているのだ。

「自殺行為に等しい」

 では、そのmRNAワクチンにはどのような“リスク”が指摘されてきたのか。主要なものを挙げると、以下の3点に集約されよう。

・ワクチンを打つことで、免疫を抑制する「IgG4」という抗体が出現する

・mRNAを包む特殊な脂質の膜が、全身の器官で炎症を引き起こす

・スパイクタンパク質そのものに強い毒性がある


 村上氏によれば、
「これらはいずれも国内外の研究機関から複数の報告や論文が提出されているものです。
例えばスパイクタンパク質の毒性については、すでに200本以上の論文が確認できる。
毒性が認められる場合、本来は無毒化・弱毒化する処理が必要なはず。
それをせずにスパイクタンパク質を体内で産生するのは自殺行為に等しいでしょう」

 また、一般的に〈IgG4が誘導されればワクチン開発は失敗〉といわれるほどIgG4は厄介な抗体とされるが、

「mRNAワクチンではそれもお構いなし。
そうして免疫が抑制され、風邪をひきやすくなったり、最悪の場合、細胞のミスコピーを排除することができずがんを発症したりする可能性すらあります」(同)

「飛沫で他人にうつる懸念が」

 これらの副作用に科学的な裏付けがあるとすれば、ワクチンを忌避する人が後を絶たないのもうなずける。

 次に、レプリコン独自の危険性はどのようなものが指摘されているのか。

「mRNAが自己増幅するため、より長い期間、体内で毒性の強いスパイクタンパク質が産生され続けることになります。
また『シェディング』といって、レプリコンワクチンに由来する成分が、ワクチンを接種した人から別の人に“伝播”する可能性も指摘されている。
人間の血や唾液、母乳には細胞から排出されるエクソソームという小さな物質が含まれていますが、レプリコンを接種するとこのエクソソームの中にも自己増幅したmRNAが含まれることになる。
こうしたものを経由して、飛沫で他人にうつるのではないか、との懸念があるのです」(同)

「研究者として対話を持ちかけたのに……」

 むろん、こうした“知見”を厚生労働省や製薬会社は真っ向から否定。
それどころかメーカーが村上氏らに法的措置を通告したのは前述の通りである。

 村上氏は、
「ファルマ社の“法的措置”も余りに突然のことで、いきなり頭をこん棒でぶん殴られたかのようでした。
私たちはこれまで何度もファルマ社やレプリコンを開発したアメリカの会社に議論を呼びかけ、彼らに公開質問状も送っています。
でも、実現したのはファルマ社の顧客窓口である『くすり相談室』の方と1時間お話ができたことだけ。
しかも、その方はレプリコンワクチンについて十分な知識を有しているとは到底思えない話しぶりで、ほとんど実りはありませんでした。
研究者としてこれだけ対話を持ちかけたのに、それに対する返答はいきなりの“法的措置”。
製薬会社としての見識を疑います」

「『国民の健康よりも製薬会社の利益』という姿勢」

“法的措置”の報道後、村上氏らはファルマ社から「警告書」が届いたことを知ったというが、

「そこにわれわれの主張に対する具体的で科学的な反論が書かれていたわけでもなく、“有効性・安全性が確認されている”“厳格なプロセスに基づき厚生労働大臣が承認した”と紋切り型の主張が繰り返されているだけです。
製薬会社や厚労省が100%正しいというのであれば薬害など起こらないはずですが、現実はそうではありません。
mRNAワクチンでは、厚労省によってすでに860名を超える“接種後死亡”が認定されており、このワクチンに大きな問題があるのは明らかですから、今すぐ接種を中止して被害状況を精査すべきだと考えています。
彼らの対応からは、残念ながら『国民の健康よりも製薬会社の利益を守りたい』という姿勢しか感じ取ることができませんでした」(村上氏)

「週刊新潮」2024年10月31日号 掲載
新潮社
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日本シリーズ「3つ負けられる」で4連敗、小久保裕紀監督「発言」に嘆き 「余計なことを」「短期決戦で言ったらだめ」

日本シリーズ「3つ負けられる」で4連敗、小久保裕紀監督「発言」に嘆き 「余計なことを」「短期決戦で言ったらだめ」
11/5(火) J-CASTニュース

 プロ野球パ・リーグ覇者ソフトバンクが、DeNAとの日本シリーズに対戦成績2勝4敗で敗れ、日本一を逃した。

■2連勝からまさかの4連敗で日本シリーズ敗退
 日本シリーズは2024年10月26日にDeNAのホーム、横浜スタジアムで開幕。
ソフトバンクは初戦を5−3で取ると、第2戦は6−3で勝利し、敵地で2連勝を飾った。

ところが29日から舞台をホーム福岡に移すと、日本シリーズ2試合で11得点の打線が沈黙した。
第3戦を1−4で落とすと、第4戦は0−5、第5戦は0−7で大敗。

2試合連続完封負けでホーム3連敗を喫し、DeNAに「日本一」王手をかけられた。

 背水の陣で臨んだアウエーでの第6戦。
先発・有原航平(32)が3回につかまった。
先頭・筒香嘉智外野手(32)にソロ本塁打を浴び、その後、桑原将志外野手(31)のタイムリーで計3点を失った。

 チームは4点ビハインドの4回に2点を返すも、5回に7点を失い、流れはDeNAに大きく傾いた。
結局、ソフトバンクは5回以降得点できず2−11で大敗。
2連勝からの4連敗で日本シリーズを終えた。

「3つ負けられるなんて考える監督はおらんよ」

 試合後、インターネット上では小久保裕紀監督(53)の過去の「発言」が大きな注目を集めた。

 話題となったのは、小久保監督が初戦の試合後に発したコメントだ。

 勝利監督インタビューで小久保監督は、「チームとしても日本シリーズで繋いできた白星が13連勝になりました」との質問に、「いや、3つ負けられるのが日本シリーズなんで、あまりそこは気にせず一戦一戦やっていきます」と答えた。

 2連勝からまさかの4連敗という結果に、一部のファンは怒りの矛先を小久保監督の発言に向けた。

 Xでは「短期決戦『3つ負けられる』は言っちゃアカン」
「ホンマに余計なこと言ってるなと思ってた」
「3つ負けられるなんて考える監督はおらんよ」
「一戦必勝でとにかく目の前の試合を勝ちに行くベイスターズと全然姿勢が違った」
「3つ負けられるというのが随所に見られた采配だったなぁ」などの声が寄せられた。

 スポーツ紙の報道によると、日本シリーズ敗退が決まった試合後、小久保監督は「敗戦の責任は全て僕にある」と潔く認めたという。
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2024年11月06日

生まれつき。こっちは正義で、相手は不義と思う人たち。自分は正しくて、相手は間違っていると思う人たち。

生まれつき。こっちは正義で、相手は不義と思う人たち。自分は正しくて、相手は間違っていると思う人たち。
竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)
11/4(月) 

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日のテーマは、「こっちは正義で、相手は不義と思う人たち」です。

「自分は正しく、相手は間違っている。もしくは、自分は良くて、相手は悪い」
と思う人たちです。

私(竹内成彦)は、長きに渡って、生まれつき性格を研究しているカウンセラーなのですが、「こっちは正義で、相手は不義」と思い込みやすい性格の持ち主は、ズバリ、お母さんタイプ(エニアグラムでいうところのタイプ2)であることが多いです。

※ エニアグラムには、様々な流派があります。

 私は、1番、キャラ診断アドバイザー協会の教えを信頼しています。

「よーし、戦争するぞ! 相手国は悪いのだから…」と思うのもお母さんタイプですし、「戦争は絶対に反対だ。そうだ、デモ行進しよう!」と考えるのもお母さんタイプです。
そう、お母さんタイプは、自分は正しく、相手は間違っていると思い込みやすいタイプなのです。

しかも、お母さんタイプは、感情タイプであり、好き嫌いがハッキリしているので、「自分が好きなものはいいもの」「自分が好きなものは正しいもの」と思いこみやすい…という特徴があります。
そして、困ったことに、そんな特徴に、自分自身が気付いてないことがほとんどです。

私は、防御型の末っ子タイプなので、嫌いな人がいると、そぉーと逃げたり隠れたりすることが多いのですが、お母さんタイプは、自分の嫌いな人がいると、「自分が正義」とばかりに、相手を攻撃することが多いです。

実際、いじめっこ集団のリーダーは、ほとんどがお母さんタイプです。
そしていじめを阻止しようと頑張るのもお母さんタイプです。
両者は、やっていることが、まるっきり真逆ですが、自分のやっていることに正義を感じている…という点においては、まるっきり一緒です。

だから、お母さんタイプの子どもには、小さい時から、やっていいいこと悪いことをしっかり、しかも厳しめに、教えたほうがいいです。
「道徳観をしっかり植え付ける」こと、それがお母さんタイプの子どもを育てるコツです。

最近は、『叱らないしつけ』が流行っていて、「誰にも厳しく指導されたことがない」と言うお母さんタイプの人が世の中に増え、私はホント、困ったものだなぁと思っています。

私は、お母さんタイプとつきあうときは、いつも『攻撃されるリスク』を抱えている…と承知しているので、なるべくお母さんタイプからは、嫌われないよう気をつけています。
そして、出来る限り、好かれるような言動を取るよう心掛けています。
そして、最悪、嫌われそうになったら、極力、距離を置くよう注意しています。

今、大切なことをサラッと言いました。

1.攻撃型のお母さんタイプには、嫌われないよう仲良くすることを心掛ける。

2.攻撃型のお母さんタイプには、嫌われそうになったら、そっとバレないよう、距離を置くに限る…です。

それでも、それでもお母さんタイプから攻撃されるようでしたら、こちら側も別のお母さんタイプの人を見つけ、その人に相談し、その人から早めから自分の身を守ってもらいましょう。

そう、お母さんタイプに対抗できるのは、やっぱりお母さんタイプだけなのです。

そのためには、私たちは、日頃から、優しいお母さんタイプからは、可愛がられるよう、お利口さんでなくてはなりません。
ええ、そのあたりは、十分にエネルギーを注ぎたいところです。

ここまで、お母さんタイプから、嫌われない方法、攻撃されない方法、攻撃されたらどうするか? について語って来た私ですが、お母さんタイプから好かれることについても言及しなければなりません。

お母さんタイプから必要以上に好かれると、それはそれで厄介です。

何故なら、精神状態が後退方向にあるお母さんタイプは、人を愛する能力もスキルもないくせに、人を見ると、面倒を焼きたがる傾向、好きになった人を自分の子分にしたがる傾向があるからです。
後退方向にあるお母さんがタイプが焼く世話は、ホント、大きなお世話であることが多く、迷惑そのものです。

と、ここまでお母さんタイプを悪くばかり言ってきた印象の強い私ですが、成長方向にあるお母さんタイプは、本当に頼もしい、愛あふれる菩薩様のような存在です。
成長方向にあるお母さんタイプは、思わず拝みたくなるような、本当にありがたい存在です。

お母さんタイプが成長方向にあるか後退方向にあるかは、反省する習慣があるかどうかで決まります。
「自分にやってきたこと、自分のやろうとしていることは、本当に正しいのだろうか? 間違ってはないだろうか? 相手の迷惑になってないだろうか?」とお母さんタイプが考えられるようになったら、言うことなし、間違いなし、本当に最高です。

世の中には、人の数だけ、自分の正義があります。

あなたは、自分が正義で、相手は不義だと思ってないでしょうか?

あなたは、自分は正しく、相手は間違っていると思ってないでしょうか。

このあたりは、ホント、十分に、注意したいところです。

というわけで、今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。

心から感謝申し上げます。
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11.5米大統領選は大接戦!トランプ勝利なら日本はどうなる?「関税引き上げ」「米軍駐留経費増額」も

11.5米大統領選は大接戦!トランプ勝利なら日本はどうなる?「関税引き上げ」「米軍駐留経費増額」も
2024年11月05日 日刊ゲンダイDIGITAL

 日本時間の今夜(5日)に投票を控えた米大統領選挙。決戦前の最後の週末、民主党・ハリス候補、共和党・トランプ候補は接戦州で激しく舌戦を繰り広げた。

「トランプは2日に接戦州のひとつであるノースカロライナ州で行われた集会で民主党政権を揶揄してか、米国は『今、占領されている国』『(自身の勝利で)11月5日に解放される』と述べるにとどまらず、ハリスのことを『IQが低い』などとこき下ろしていました」(外信部記者)

 そうしたトランプに対し、ハリスは「あの人は、ますます不安定になって、復讐心に取りつかれている」「(トランプは)無制限の権力を追い求めている」などと反撃し、「両者一歩も譲らない様相だった」(前出の記者)。

 この舌戦翌日の3日、ニューヨーク・タイムズ(電子版)は激戦7州の世論調査を公表。  
両者の支持率の差は4ポイント以下と拮抗しており、「レースの行方は極めて不透明だ」と伝えている。

■トランプ政権になった場合の影響が

気になるのは日米関係への影響だ。
国際ジャーナリストの春名幹男氏は「ハリスになった場合の日米関係はこれまで通りですが、トランプになった場合、いくつかの影響が考えられる」と指摘する。

「2017年からの前政権時、トランプは議会の決定を待たずに大統領令を乱発し、それにのっとって政策を進めてきました。
特にトランプは貿易第一主義です。資本収支などは考えずに『関税を引き上げる』とすでに公言しています」

 さらに、「アメリカファースト」を掲げるトランプが当選した場合、バイデン政権時に進められてきた日本製鉄によるUSスチールの買収がご破算になる可能性も高いという。

「この買収についてバイデンは明言はせず、『選挙後に決める』と話していました。
米企業側にとってもメリットのある話ですからね。
ですが、トランプが大統領になれば、買収は白紙になるでしょう。
トランプが前政権時に日本に要求した米軍の駐留経費の増額も再び俎上に載る。
日本は『思いやり予算』として20億ドルを支払っていることになっていますが、トランプは前政権時に80億ドルを要求しています。
実際には他の駐留経費を含めると、日本は80億ドル程度を支払っているのですが、それを知らないトランプが差額を要求してくることも考えられます」(春名幹男氏)

 投票日当日には、10万人の支持者を不正監視のために動員しているとされるトランプ。日本への影響の前に選挙後の米国内での混乱も懸念されている。
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2024年11月07日

差別か、合理的な区別か? 現代社会のあいまいな境界を、“バカ差別”という言葉を入口に再考する

差別か、合理的な区別か? 現代社会のあいまいな境界を、“バカ差別”という言葉を入口に再考する
11/6(水) webマガジン mi-mollet

表立って差別をすることが許されなくなり、あらゆる格差は是正するべき、と捉えられる昨今。
しかし、いつの時代も人間は「差」に敏感で、何かと差を作り、比べたがる生き物なのかもしれません。

建前として、“してはいけない”とされるようになった差別は決して人々の意識から消えることなく、地下に潜って根を張り、むしろ昔より苛烈になっているように思えます。

たとえばルッキズム。「デブ」や「ブス」は言ってはいけないということになっても、SNS上では他人の容姿をジャッジする投稿が溢れ、ジャッジの基準もどんどん厳しくなり、ルッキズムが過激化・先鋭化しているように思います。

様々な上下差、それに対する人々の意識の変遷を考察する『消費される階級』(集英社)という本があります。
この本で取り上げるのは、例えば「男高女低神話のゆらぎ」、「まぶた差別と日韓問題」(一重二重問題)、「東大礼賛と低学歴信仰」「姫になりたい女の子と、姫として生まれた女の子」(天皇家のプリンセス問題)などです。

“頭の良い人”が人の上に立つことに異論はないが…

その中で今回取り上げるのは、「バカ差別が許される理由」という章です。
著者である酒井順子氏は、様々な差別をしてはいけないという共通認識が広まる中で、「そんな中で一つ、世界中で容認され続けている差別」として「バカ差別」を挙げています。

頭の良い人は頭の悪い人を下に見ても仕方がないし、それは当然の行為。
頭の良い人がそうではない人の上に立つことによって社会は進歩していくのだ、という感覚が世にはあります。

頭の良い人が世を動かすシステムを構築し、そうでない人はそのシステムで動かされる側、と言いましょうか。
「それは当たり前でしょう。
頭の良くない人が上に立っても困ってしまうし」と多くの人は言いましょう。
私も、首相がトンチンカンな発言をしたりする度に「バカじゃないの」などと言う訳で、トップに立つ人には、頭の良さを期待しているのです。
(『消費される階級』酒井順子著、集英社)

しかし「身長の高低」や「顔の美醜」といったものと同様に、「頭の良さ悪さ」もまた脳の力ということで肉体的資質の一つであるとするならば、脳力の高い人が脳力の低い人を支配することにも抗議の声が上がってもいいのではないか、という気がするのです。
(『消費される階級』酒井順子著、集英社)

酒井氏は、頭脳労働よりも肉体労働の方が賃金が低い傾向にも疑問を呈しています。
キャリア官僚や一部企業などは、一定レベル以上の大学出身者しかいない。
でもそれは、バカ差別とは認識されていないというのです。


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マイナ保険証のせいで「死亡事例」まで…12月から起こる「医療機関パニック」最悪のシナリオ

マイナ保険証のせいで「死亡事例」まで…12月から起こる「医療機関パニック」最悪のシナリオ
荻原 博子(経済ジャーナリスト)
11/6(水) 現代ビジネス

12月2日、約60年間、医療制度の軸としてはたらきつづけた「保険証」が廃止され、代わりに「マイナ保険証」が使われることになった。

病院の窓口で「マイナ保険証」を使っている人は7人中1人(9月現在13.87%)。
7人に6人は従来の「保険証」を使っているにもかかわらず、それをいよいよ廃止するというのは、多数意見に沿うべき民主主義国と言えるのか。

実は、こうした暴挙に対し、自治体の現場からは「静かな反乱」が起き始めている。
12月以降はいわば「裏保険証」の活用が増えていきそうだ。

これまで自治体は、1枚のカードを「保険証」として、被保険者すべてに配ってきた。
だが「保険証」が廃止されると、「マイナ保険証」が無い人全員に「資格確認書」が、「マイナ保険証」を持っている人には「資格情報のお知らせ」が全員に配られる。

なぜ「マイナ保険証」を持つ人全員に「資格情報のお知らせ」が配られるのかと言えば、いまだに「マイナ保険証」のトラブルが絶えないからだ。

全国保険医団体連合会の調べでは、今年5月以降で「マイナ保険証」や「オンライン資格確認」のトラブル・不具合があったと答えた医療機関は7割。医療機関1万2700中8929にトラブルや不具合があった。

平正明デジタル大臣は、「マイナ保険証の取り扱いに慣れればトラブルも減る」というが、トラブルの半数以上は「資格情報が無効」「カードリーダーの接続不良・認証エラー」「該当被保険者番号がない」などという、慣れでは解消されない制度の根幹に関わるものだ。

こうしたトラブルで診療が受けられないまま帰宅した人が、心筋梗塞で亡くなるという死亡事例まで出ている

こうしたトラブル対応として、「マイナ保険証」を持つ全員に「資格情報のお知らせ」が配られ、「マイナ保険証」が使えなくても診療が受けられるようにするのだ。

ところが、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」という2種類の紙のカードを全員に出すことは、ただでさえ忙しい自治体の負担を大幅に増やすことになる。

なぜ、カードが2枚だと自治体の作業量が膨大になるのかと言えば、今まですべての人に「保険証」という1枚のカードを出せば良かったのだが、廃止後は「マイナ保険証」を持っている人と持っていない人を正確に分けなくてはいけないからだ。

この仕分けは、簡単にはではできない。

「マイナ保険証」を返納したけれど保険証登録が削除されていない人や、本人は持っているつもりでも電子証明の有効期限が切れている人、カードを紛失したまま届け出ていない人、「マイナ保険証」を申請中だがまだ手元に届いていない個々人の事情を確認しながら、その上で、「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」の2種類を分けて発送する必要がある。

もし間違って発送してしまったら、これは役所の責任になる。

ところが、財政難に加えて人手不足の自治体では、そのために人を割くことは困難。

そこで、苦肉の策として「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」の2種類を出すのをあきらめ、すべての人に「資格確認書」を配布することを決める自治体が出てきている。
しかも、「資格確認書」の有効期限が切れる前に、新しい「資格確認書」を手元に送ることを決めているところもある。

これなら、従来の「保険証」を送る手続きと変わらず、間違いなくすべての人に有効期限が切れる前にカードが手元に届くことになる。

しかも、「資格確認書」も「保険証」も書面に書いてある内容はほとんど同じなので、利用者にとっては「保険証」が廃止されても、「資格確認書」が「裏保険証」になる。

「裏保険証」の登場

すでに、経費も安くリスクも少ない「裏保険証」を出すことを決めている自治体は多い。

東京では、新宿区、世田谷区などが、被保険者全員に「資格保険証」だけを出すことをことに決めているが、他の区も、「国民健康保険証」の有効期限が切れる来年9月末までに、同様の方向で統一されてくことだろう。

京都では、久御山町、宇治田原町、笠置町などがすべての被保険者に「裏保険証」とも言える「資格確認書」を送ることを決めている。
財政が逼迫して人手がない自治体は多く、こうしたところにも「裏保険証」は広まっていくことになるはずだ。

しかも、自治体の中には、券面まで「保険証」とほぼ同じというところもある。

図は川崎市が、11月下旬に送るはずだった「資格確認書」を、誤って10月に送付したものだが、現行の「保険証」と比べてみると、違うのはタイトル(赤丸部分)だけ。

現行の保険証には「被保険者証」と書かれており、新たに発行されるものには「資格確認書」とあるが、それ以外は内容からデザインまでまったく同じ。
おそらくこれを送られた人は、「新しい保険証が来た」としか思わないだろう。

自治体にとっては、「保険証」が廃止されても「裏保険証」があれば、事務作業は楽になるが、「裏保険証」が今後どんどん増えて行くと予想される背景には、もう1つの大きな理由がある。
それは、この先「マイナ保険証の2025年問題」といわれる大きな壁が待ち受けているからだ。

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いきなり「無保険」になって全国民が大パニック…?マイナ保険証「2025年問題」のヤバすぎる全容
荻原 博子経済ジャーナリスト

前編記事『マイナ保険証のせいで「死亡事例」まで…12月から起こる「医療機関パニック」最悪のシナリオ』より続く。

マイナカードの更新に伴う「悪夢」

国は、「マイナカード」を普及させるために2020年に5000円給付の「マイナポイント第一弾」を始め、その後、2022年1月から23年9月まで「マイナポイント第二弾」で、最大2万円相当のポイントを付与した。

結果、国民の約75%が「マイナカード」をつくり、約8割が「マイナ保険証」の利用登録をした。

この時、大量の人が、カードを作るために自治体の窓口に押しかけてパニック状態になったが、マイナカードは5年ごとに自治体の窓口で更新しないと使えなくなるので、2025年から28年にかけて、また大量の人たちが役所の窓口に押しかけてくることが予想得されているからだ。

全国保険医団連合会作成の表は、「マイナカード」の電子証明書の更新時点で、カードを持っている人全員が自治体の窓口で更新した場合に、自治体が対応しなくてはならなくなる更新必要件数。
2025年度には、なんと2023年度の約12倍の人が、自治体の窓口に更新手続きのために来る可能性がある。

これは、自治体にとってまさに悪夢だろう。

そのために手続きの遅れなどのトラブルが多発することが予想されるが、その時に「裏保険証」とも言える「資格確認書」を対象者全員に配っておけば、更新で時間がかかったり、手続きミスが発生して「保険」が使えなかったりする事態は避けることができる。

更新時にはポイントはもらえないだろうから、そのまま更新しない人も大量に出てくることが予想されるが、「裏保険証」である「資格確認書」を全員に発行しておけば、最低でも「無保険」という状況は避けられる。

「裏保険証」は、自治体にとっては、コストとリスクを同時に下げる一石二鳥のツールとなるのだ。

介護施設でも混乱が
「裏保険証」とも言える「資格確認書」を、期待を込めて見守っているのは、自治体ばかりではない。

たとえば、介護施設だ。
個人情報の塊である「マイナ保険証」は厳重な管理が必要となるが、ほとんどの介護施設は、それに割く人も時間もない。

こうした施設にとっては、「保険証」が廃止されることは恐怖だったが、「裏保険証」として「資格確認書」を預かることができれば、扱いは従来の「保険証」と同じなので、手間がかからずに助かる。

すでに介護施設の中には「資格確認書」しか預からないと入居者に公言しているところもあり、10月28日から「マイナ保険証」が解除できるようになったことを期に、「マイナ保険証」の解除が入居条件の1つとなる施設も出てくることだろう。

だがここでひとつ厄介なのが「マイナ保険証」は、登録する時は簡単だが、登録を解除するのは難しいことだ。
加入している健康保険組合の窓口に行って書面で解約申込書を提出しなければならず、「マイナポータル」などで簡単に手続きではない。

しかも厚生労働省は、「マイナ保険証」の登録のシステムは作っても、解除のシステムを作っておらず、今年に入って泥縄式にシステム改修に着手している有り様だ。
自治体では、「マイナ保険証」を返納されても解除できない状況が続いていて、こうした人はかえって「資格確認書」を手に入れることができず、介護施設も困り果てた状況になっていた。

だが、「裏保険証」があれば、こうした問題は、一気に解決する。

自民党大敗の影響

「保険証」が廃止されても、これからは「保険証」という名前を持たない「裏保険証」が出てくるなどということを書いたら、せっかく自治体が知恵を絞って考え出した「裏保険証」が、政府によって潰されるのではないかと不安を抱く方もおられるだろう。

実際のところ、今回の衆議院選挙で、その心配は遠のいたと言える。
なぜなら、「保険証廃止」を強引に進めてきた自民党が、今回の衆議院選挙で大敗したからだ。

野党では日本維新の会や国民民主党は健康保険証廃止を容認しているが、公約にはマイナ保険証への対応に関する具体的な記載はない。

「立憲民主党」をはじめとするその他の野党は、「保険証廃止」には反対。
特に、野党第一党となった「立憲民主党」は、党の公約として社会保障の中に、「国民の不安払拭など一定の条件が整うまでは、現在の紙の健康保険証を存続します」と明記している。

しかも、立憲民主党の野田佳彦代表は、2024年10月27日に衆院選の開票特番『Live選挙サンデー 超速報SP』(フジテレビ系)で、「まずは紙の保険証を使えるようにする」と公言している。

しかも、「保険証廃止」に反対しているのは、野党だけではない。

岩手県議会や札幌市、静岡市などの政令指定都市も反対の決議をしていて、渋谷区をはじめとして178の自治体が、「保険証存続」のための意見書を国に提出している。
その数は、今後ますます増えそうだ(7月10日・中央社会保障推進協議会調べ/参考・自治体意見書採択状況)。

衆議院選挙で大敗した自民党にとって、来年の参議院は、天下分け目の関ヶ原。なんとしても味方を増やさなくてはならない中で、仮に「保険証」は廃止したとしても、「裏保険証」にまで圧力をかけるということはできないだろう。

ちなみに、就任直後の石破総理や林官房長官が、「保険証廃止」の延期に理解を示したのは、地元からの陳情に配慮したからにすぎないと筆者はみている。

国の無謀な計画のせいで
「デジタル化」とは本来、誰にとっても便利であるべきもののはずだ。
だが、この国がいう「デジタル化」が、いかに不便で多くの犠牲を伴ってきたかは、これまで本コラムで何度も書いてきた。

国は、医療DXの名のもとに、すべての人に「マイナ保険証」を持たせようとしただけでなく、すべての医療機関に「オンライン資格確認」を義務付けた。


そのために、多くの診療所などが休業や廃業に追い込まれ「無医村」が増えていることについても〈導入間近「マイナ保険証」で「地方都市の医療」が崩壊してしまう…現役医師が実名で怒りの告発〉で書いた。

この「オンライン資格確認の義務化」に対し、医師・歯科医師など1415人が、義務化に反対する訴訟を国に対して起こし、その判決が11月下旬に出ることになっている。

「医療活動の自由」に対しての権利侵害を争点に、オンライン資格確認の違憲・違法性、憲法を争う裁判だが、ここで国が負ける公算は大きい。

国のお花畑のような「デジタル構想」の実現に、医師も患者も自治体も振り回され、死者まで出した今回の「マイナ保険証」のドタバタ劇も、この判決と「裏保険証」の普及で、そろそろ着地点が見えてきそうだ。

ただ、残念なのは、この「マイナ保険証」の大騒ぎで、ただでさえ遅れている日本のデジタル化が、さらに10年は遅れそうなことだ。

住基カードの二の舞

ところでみなさんは、「住基カード」の大騒ぎを覚えているだろうか。

2002年3月に「住民の利便性の向上と行政の合理化」の名のもとに出された「住基カード」は、住民にはほとんどメリットがないまま1兆円をドブに捨て、多くの自治体から訴訟を受け、普及率5%という散々な状況でトラブルだけを撒き散らして消滅した。
しかも、誰も責任を取らないまま尻窄みで2015年12月に公的個人認証(電子証明書)の新規発行・更新を終了した。

多くの自治体が国を訴えた「住基ネット」の裁判から10年経ち、やっと多くの人の中から「国のデジタル化への不信感」が忘れ去られようとしている中で、再び起きたこの騒動。

結果は、「裏保険証」の普及で終わりそうだが、そのために再燃した「国のデジタル化への不信感」は、この国のデジタル化をさらに遅らせそうだ。

国際経営開発研究所(IMD)が世界64カ国・地域を対象に2017年から公表している「世界デジタル競争ランキング2023」で日本は32位。2018年には22位だった順位が年を追うごとに下がり続けている。

「マイナンバーカード」は、こうした状況を打開するためのツールのはずだった。
ところが、多くの人が「デジタルの便利さ」を実感することなく「デジタル化に対する不安やためらい」を増幅させてしまった。

特に、「マイナカード」を普及させたいがために、厚生労働省の審議会も無視し、医療の現場も知らず、独断で「保険証」廃止を決めた河野太郎元デジタル大臣とデジタル庁の罪は大きい。

けれど、住基ネットの時と同様に、誰もその責任を取らない。
日本のデジタル化は「不便」を撒きちらしただけで、海外から見たらますますガラバゴス化していくのだろう。
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2024年11月08日

アメリカ軍にとって、日本は「国境が存在しない国」だった!…日本が渡してしまった「ヤバすぎる特権」

アメリカ軍にとって、日本は「国境が存在しない国」だった!…日本が渡してしまった「ヤバすぎる特権」
矢部 宏治
11/7(木) 現代ビジネス

日本には、国民はもちろん、首相や官僚でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が存在し、社会全体の構造を歪めている。

そうした「ウラの掟」のほとんどは、アメリカ政府そのものと日本とのあいだではなく、じつは米軍と日本のエリート官僚とのあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としている。

『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』では、最高裁・検察・外務省の「裏マニュアル」を参照しながら、日米合同委員会の実態に迫り、日本の権力構造を徹底解明する。

*本記事は矢部 宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)から抜粋・再編集したものです。

研究の成果をひとことでまとめると

ここまで見てきた、「戦後日本」という国のあまりにもおかしな現実。約7年間、多くの研究者のみなさんといっしょに、その謎を解くための研究をつづけてきました。

いったいなぜ、日本はここまでおかしなことになっているのか。
そしてその背後には、どのような歴史の闇が隠されているのか……。

この間に、私が書いたり企画編集した本を刊行順に並べると、次のようになります。

『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』(矢部宏治 書籍情報社)
『戦後史の正体』(孫崎享 創元社)
『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(前泊博盛編著 矢部宏治共著 創元社)
『検証・法治国家崩壊』(吉田敏浩・新原昭治・末浪靖司共著 創元社)
『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(矢部宏治 集英社インターナショナル)
『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』(矢部宏治 小学館)
『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(矢部宏治 集英社インターナショナル)
『「日米合同委員会」の研究』(吉田敏浩 創元社)

これら8冊のすべてのエッセンスを凝縮させるかたちで、いまこの本を書いているのですが、もし誰かに、

「それらの研究の成果をひとことでまとめると、どうなりますか」
と聞かれたら、私は次のように答えます。

「旧安保条約の第1条を読んでください。そこにすべてが書かれています」

「条文」を読むおもしろさ

条文というのは読みなれていないと、かなりとっつきにくく、文中にひとつ入っているだけでも、

「うわっ、ちょっと読む気がしないな」
と思ってしまう方が多いかもしれません。

しかし、少し読み慣れてくると、それはとてもおもしろいものです。

その魅力はなんといっても、たったひとつの条文だけで、ものすごく大きな現象をスパッと明快に説明できてしまうところにあります。

あるいはそれは、数式のもつおもしろさに似ているのかもしれません。

本書の第1章と第2章では、それぞれの章の最後で、私たちが知らないうちに結ばれていた、左のようなとんでもない法律や密約についてご説明しました。

○ 米軍による日本の空の支配を正当化する「航空法の適用除外条項」(第一章)
○ 米軍の日本全土における治外法権を正当化する「日米合同委員会での密約」

(第二章)

みなさんもおそらくその内容に憤慨しながらも、これまで不可解に思われていたさまざまな現実が、すっきりと整理できることに驚かれたのではないかと思います。

そうした日米間に存在する無数の「数式」(=隠された法的取り決め)のおおもとこそ、この「旧安保条約・第1条」なのです。

「旧安保条約・第1条」
では、問題のその条文を見てみましょう。旧安保条約の第1条には次のように書かれています。

「平和条約および安保条約の効力が発生すると同時に、米軍を日本国内およびその周辺に配備する権利を、日本は認め、アメリカは受け入れる」(前半部 英文からの著者訳)

日本が独立を回復するにあたって結ばれた平和条約(=サンフランシスコ講和条約)と旧安保条約は、どちらも1951年9月に調印され、翌1952年4月に発効しました。

そのときから日本はアメリカに対して、非常に大きな軍事上の特権を与えることになったわけですが、ここで注目していただきたいのは、日本が旧安保条約のなかの、もっとも重要な「第1条」で認めたその特権とは、アメリカが米軍を、

「日本国内およびその周辺に」
「配備する権利」
だったということです。

米軍を「配備する権利」

それはいったい、どういう意味なのか。まず「配備する権利」の方から見てみましょう。

この条約で日本が認めたのは、アメリカが日本に「基地を置く権利」ではなく、「米軍を配備する権利」だと書かれています。

しかし、これは普通の条約では、絶対ありえないはずの言葉なのです。

私たち日本人はそのあたりの感覚がほとんど麻痺してしまっているのですが、世界の常識からいえば、そもそも自国のなかに外国軍が駐留しているということ自体が完全に異常な状態であって、本来ならそれだけでもう独立国とはいえません。

万一やむをえず駐留させるときでも、ギリギリまで外国軍の権利を条文でしばっておかなければ、国家としての主権が侵害されかねない。そうした非常に危険な状態だということを、そもそもよく認識しておく必要があります。

そのことは、第二次大戦以前はアメリカの本当の植民地だったフィリピンが、戦後、アメリカとどのような取り決めにもとづいて基地を提供していたかを見れば、すぐにわかるのです。

1947年に結ばれた「米比軍事基地協定」(1991年に失効)には、米軍がフィリピン国内に基地を置いていいのは次の23ヵ所であると、その場所がすべて具体的に明記されているからです。

ところが日本の場合は、特定の場所を基地として提供する取り決めではなく、どこにでも米軍を「配備」できることになっている。これを「全土基地方式」といいます。

いま初めてこの言葉を聞いた方は信じられいま初めてこの言葉を聞いた方は信じられないかもしれませんが、これはすでに沖縄を中心とした長い研究の積み重ねによって証明されている、紛れもない事実なのです。

三重構造の「安保法体系」証明されている、紛れもない事実なのです。

「はじめに」にも書いたとおり、米軍は日本の国土をどこでも基地にしたいと要求することができます。
そして日本はその要求を事実上、断れない。

そうした現状をもたらす根拠となったのが、旧安保条約時代のこの第1条なのです。

さらにはこの「軍を配備できる」という言葉には、「どこにでも基地を置くことができる」という以上の意味があって、その基地を拠点に自由に軍事行動(戦争や軍事演習)を行うことができるという意味も含んでいるのです。

この旧安保条約・第1条を根拠として、米軍が日本の国土のなかで、日本の憲法も国内法も無視して、

「自由にどこにでも基地を置き」
「自由に軍事行動をおこなう」
ことを可能にする法的なしくみが、つくられることになりました。


それが次ページの、

「旧安保条約」⇨「行政協定」⇨「日米合同委員会」
という三重構造をもつ、「安保法体系」だったのです(「行政協定」とは「旧安保条約」の下で米軍が、日本国内で持つ特権について定めた協定。1952年4月の占領終結とともに発効し、1960年の安保改定で「地位協定」に変更された)。

国境がない国、日本

さらに「旧安保条約・第1条」に書かれたもうひとつの重要なポイントは、そうしてアメリカが米軍を「配備する」ことを許された場所が、

「日本国内およびその周辺(in and about Japan)」

だったということです。

私も最初にこの条文を読んだときは、
「その周辺っていっても、国外のことまで日本が決める権利はないはずだけどな」
と不思議に思っていたのですが、第1章で見た「横田空域」について調べていくうちに、その本当の意味がわかりました。

たとえば日本の首都圏には、横田、座間、厚木、横須賀と、沖縄なみの巨大な米軍基地が、首都東京を取り囲むように四つも存在しています。

そしてそれらの基地の上空は、太平洋の洋上から「横田空域」によってすべて覆われています。

ですから米軍とその関係者は、日本政府からいっさいチェックを受けることなく、いつでも首都圏の米軍基地に降り立つことができるのです。

しかも到着後、米軍基地からフェンスの外に出て日本に「入国」するときも、日本側のチェックは一切ありません。
なので、たとえば横田基地に到着した米軍関係者が軍用ヘリを使えば、東京のど真ん中にある六本木の軍事ヘリポートまで、わずか二十数分で飛んでいくことができるのです。

つまり米軍やその関係者にとって、日本は「国境が存在しない国」ということなのです。
そして「旧安保条約・第1条」に書かれた「米軍を日本国内およびその周辺に配備する権利」とは、米軍が「日本の国境を越えて自由に軍事行動できる権利」という意味だったのです!

憲法9条が見逃しているもの

それがどれだけ異常な特権であるかに気づいたのは、2003年に勃発したイラク戦争の後、アメリカとイラクがむすんだ「イラク・アメリカ地位協定」(2008年)の条文を読んでいたときのことでした。

2003年3月にアメリカと開戦したものの、ほとんど戦闘らしい戦闘もないまま、わずか1ヵ月で全土を占領されてしまったイラク。しかしそのイラクが敗戦後のアメリカとの交渉では素晴らしい粘り腰を発揮し、アメリカが提案してきた地位協定の草案に、なんと110ヵ所もの訂正を求めていたのです。

なかでも、もっとも大きな訂正のひとつが、
「イラクに駐留する米軍が、イラクの国境を越えて周辺国を攻撃することを禁じる」

という条文を、新たに加えたことでした。

この条文を読んだとき、まさに目からウロコが落ちるような思いがしたことをいまでもはっきりと覚えています。

「驚いたなあ。イラクはこんな条文をアメリカに認めさせたのか。でも、じゃあどうして憲法9条をもつ日本には、それができなかったんだろう」と。

ほかの国の軍事協定を読んでいるとよくわかるのですが、主権国家にとって「他国の軍隊が自国の国境を越えて移動する権利」というのは、なにより厳重にコントロールしなければならないものなのです。

戦争で一方的にボロ負けしたあと、崩壊した国家のなかでそうした「主権国家としての正論」をアメリカに堂々とぶつけ、しかも了承させたイラクの外交官たちに大きな拍手を送りたいと思います。

しかし同時に私たち日本人は、深く反省もしなければなりません。

こうしたイラクの地位協定を読むと、私自身も以前はあまり抵抗がなかった、

「憲法9条にノーベル平和賞を」

などという耳触りのいい主張が、いかに現実からかけ離れたものであるかが一瞬で理解できるからです。
なにしろ、その憲法9条のもとで私たち日本人は、世界一戦争をよくする米軍に対して、

「国内に自由に基地を置く権利」と、
「そこから飛びたって、自由に国境を越えて他国を攻撃する権利」

を両方与えてしまっているのですから。

安保条約に「在日米軍」という概念はない

そしてもうひとつ。

旧安保条約・第1条が米軍に対して、「自由に基地を置く権利」だけでなく、「自由に国境を越えて他国を攻撃する権利」も与えていることがわかると、いわゆる「在日米軍」という存在についても、日本国内から見ているだけではわからないそのダイナミックな本質が浮かび上がってくるのです。

そもそも意外なことですが、「在日米軍」などという言葉や概念は、安保条約や地位協定のなかには、いっさい存在しないのです。そうした条約や協定の対象となっているのは、あくまで「日本国内にいるあいだの米軍」のことで、それは外務省自身がはっきり認めているのです(「日米地位協定の考え方 増補版」)。

簡単に説明すると、日本がこれまで安保条約や地位協定によって巨大な特権を与え続けてきたのは、

「日本の基地に駐留している米軍」
だけではなく、

「一時的に日本の基地に立ち寄った米軍」や、
「たんに日本の領空や領海を通過中の米軍」

など、すべての米軍に対してだった、ということです。

つまり、日本の防衛に1ミリも関係のない、100パーセント、アメリカの必要性だけで行動している部隊に対しても、それが日本の領土や領空内に「存在」している限り、安保条約や地位協定によって大きな特権があたえられるということです。

その事実だけから考えてみても、日米安保の本質が「日本の防衛」などではなく、あくまでも、米軍による「日本の国土の軍事利用」にあることは明らかでしょう。

さらに連載記事<なぜアメリカ軍は「日本人」だけ軽視するのか…その「衝撃的な理由」>では、コウモリや遺跡よりも日本人を軽視する在日米軍の実態について、詳しく解説します。
posted by 小だぬき at 06:42 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月09日

脳科学者が語る"老害脳"とは

脳科学者が語る「誰もが"老害"になる」悲しき必然
自分もすでに「老害脳」化が始まっていたら…?
加藤 俊徳 : 医学博士/「脳の学校」代表
2024/11/08 東洋経済オンライン

「老害」というと無茶を通そうとしたり、時代錯誤な主張をしたり、高圧的な態度を取ったりする高齢者を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかしまだ働き盛りの中高年でも、若い部下や後輩から老害と思われていないか、ちょっと心配になっている人もいるのでは。

「『老害』とは特定の年齢を過ぎると起こるというものではない」というのは、1万人以上の脳を診断した医師・加藤俊徳さん。
加藤さんの著書『老害脳 最新の脳科学でわかった「老害」になる人 ならない人』から一部を抜粋し、誰にでも起こりうる「老害」について考えていきましょう。

あなたの周りにいるやっかいな「老害」者たち

あなたの身近にこんな人はいませんか?

・他人の意見を聞き入れようともせず、一方的に意見を主張し続ける人

・SNSで自分の価値観を押しつけたコメントをする人

・「こんなものくだらない」「どうせダメだ」など、自分の知らないことや、新しいものに否定的な態度を取る人

・店員にやっかいなクレームを付けたり、突然大声でキレだす客

・飲み会で長々とお説教や昔の武勇伝を語る先輩社員

「いるいる! そんな人」と共感する方も多いのではないかと思います。
あるいは、具体的な顔が思い浮かび、嫌な記憶が蘇った方もいるかもしれません。

これらは、いわゆる「老害」行為と呼ばれるもので、主に年長者から年下相手に繰り広げられます。

理不尽に、大声で怒鳴りつける、自分の考えが絶対とばかりに押しつけてくる、他人の意見には耳を貸そうとしない……。

このような「老害」エピソードは、さまざまな場所で頻繁に発生し、日々の生活だけでなく、ときにはニュースになったり、ネットを騒がせたりしています。

このように、よく話題になる「老害」ですが、定義はあるのでしょうか? 言葉をよく目にする割には、はっきりとした答えはわかりにくいものです。

辞書で「老害」を調べると、次のように定義されています。

「年をとった人間が上層部にいすわって、元気な若い人の活動のじゃまになること」(『三省堂国語辞典』第七版)

つまり、「老害」とは、年をとった人が若い人の自由な活動を妨げることを指します。
若者の行動を阻害したり、その行動を無意味だと文句をつけ批判をしたりするのも、彼らの自由を制限する行為に当たります。

一見流行語、新造語のようにも思えますが、新聞記事などをさかのぼって調べてみると、少なくとも80年代には「老害」という言葉が全国紙に登場していたそうです。
ということは、日本社会ですでに40年以上生き残っている単語であり、また現象だと考えられます。

では、「老い」の「害」と書く「老害」とは、具体的に何歳頃からそう呼ばれるのでしょうか?
 「老害」という言葉はメディアやSNSでよく見かけますが、実際には、年齢に関する明確な定義は存在しません。当たり前ですが、これは政府や公的機関が定めたものではないからです。

したがって、「老害」とは特定の年齢を過ぎると起こるというものではありません。
たとえば大学サークルのOBやOGが現役生に口出しをするような場合、その人たちが20代であっても、相手が迷惑だと感じるならば、それは「老害」行為と見なされるでしょう。

とはいえ、一般的には日本の企業において管理職や役員となる50〜60代、さらに上の一般的に「高齢者」と呼ばれる年齢層に対して使われるケースが多いのではないでしょうか。

要するに、年上の人が自分の立場を利用して、若い人の活動の自由を妨げる行為を「老害行為」と称し、そのような行為をする人を「老害」と呼ぶのです。

組織や社会にまで影響を及ぼす「老害」

そして、「老害」は決して個人間だけでの問題ではないと言えます。
実は組織や社会全体にも大きな影響を及ぼすのです。

たとえば、職場における「老害」は、年下の社員の意欲を削ぎ、組織全体の活力を失わせる原因となります。

上司からの一方的な叱責や批判が続くと、部下は萎縮し、のびのびと働いたり、意見を言ったりすることが難しくなり、自由な発想や、新しいアイデアは生まれにくくなります。
結果として、組織は停滞し、競争力を失う危険性が高まります。

また、「老害」がまん延している組織では、たとえ内部で悪事が行われていても、誰にも問題視されずに見過ごされてしまうことがあります。
長年の慣習や暗黙のルールが優先され、内部での指摘が困難な環境では、外部からの報道で初めて問題が明るみに出ることも少なくありません。

古い体質の企業では、経営陣が問題を隠蔽し続け、最終的に大規模なスキャンダルに発展するケースもあります。不正や偽装、賄賂など、挙げ出したらキリがありません。

さらに、「老害」は社会全体の発展を妨げる要因にもなり得ます。
年功序列や古い価値観が色濃く残る環境では、新しいアイデアは浮かびにくく、改革が進みにくくなり、社会全体が停滞し、変革が進まない状況が続くことになります。

このように、「老害」は個人だけでなく、組織や社会全体に影響を及ぼす大きな問題にもつながりかねないことから、見過ごすことはできないのです。

「老害」には誰しもが陥る ─ 「老害脳」とい概念

人や組織、社会にまでさまざまな影響を及ぼすと言える「老害」ですが、脳科学の研究者としてお答えするなら、「老害」は誰にでも起きることです。決して特定の人だけに問題があるわけではなく、「よくあること」です。

「老害」をもたらすような人は、もともとそのような性格だったと考えられがちですが、実はそうではありません。
脳の働きが原因なのです。
先に述べた「老害」的な行動の数々は、多くの場合、脳機能の変化によって引き起こされていると考えられます。

私は「老害」的な特徴のある脳を「老害脳」と称しています。
ただし、「老害脳」は医学的な専門用語ではないことも付け加えておきます。

「老害」が脳によって引き起こされている以上、「老害」は誰にでも起きる可能性があります。
今は「老害」の被害者側の人であっても、加齢とともにやがては「老害脳」化し、加害者側にも十分なり得るのです。
当然、加害者側と被害者側の両方に同時になり得る時期も存在します。

「そんな! あんな風にはなりたくない」「自分は大丈夫だろうか……」と思っている方もいるかもしれません。

たとえば、最近このようなことを感じることはありませんか?

・時々、部下たちが話している話題についていけなくなった

・他人の発言にイライラしてしまうことがある

・新しいことを始めるのがおっくうになってきた

こうした兆候がある場合、実はすでに「老害脳」化が始まっているかもしれません。

もしかして気づかないうちに自分の振る舞いが、昔「あんな風にはなりたくない」と思っていた「老害」の姿そのものになっているとしたら?
よかれと思ってやったことが、実は相手から「老害」だと思われてしまっていたら?

もし仮に、自分の行動の99%に「老害」感がなくても、残りの1%で「老害」が感じられたら、それは相手に強烈な印象を残してしまうかもしれません。
そうすると、他の全ての言動も、その言動をした自分自身までも「老害」と思われてしまうのでは?

実は、私自身は医師として、生まれたばかりの赤ちゃんから、ビジネスパーソン、さらには100歳を超えた超高齢者まで、どんな年齢層の人とも気さくに話せることを特技としてきました。

しかし、決して若い人に偉ぶらないように、十分気をつけているつもりでも、知らないうちに余計なことを口走り、嫌な思いをさせてしまっているかもしれない──。
こう考え始めると、何とも悲しく、いたたまれない思いになってしまうのです。

「老害」には誰もが陥る可能性があります。年齢を重ねるうちに、知らず知らずのうちに脳の機能が変化し、なってしまうものなのです。

そう考えると、「老害」と呼ばれる人の中には、心から他人の役に立ちたいと思って行動している人もいるかもしれません。

若い人のために尽力したいと願っているのに、「老害」として忌み嫌われる存在になっている可能性があるなんて……。
それがもし自分のことだったらと思うと、たまりません。

そんなことを考えてしまいます。

脳の仕組みを理解し、「老害脳」を克服すれば、社会全体が豊かになる

「老害」の被害に苦しんでいる人と、心から人の役に立ちたいと思っているのに「老害」と見なされてしまう人(もちろん、その両方の側面をもつ人もいるでしょう)の思いを、うまく汲み取って関係を調和できないものでしょうか?

超高齢化社会の日本で「老害」が増える背景

ただでさえ、日本は超高齢化社会です。年齢に関わりなく、働きたい人ができるだけいい仕事をし、他人の役に立ちながら、充実したいい人生を送れるかどうかは、日本全体の課題と言えるでしょう。

もしも「老害」という問題が、そうした理想を阻んでいるのであれば、また「老害」が、若い世代の活動を萎縮させ、中年以降の人々の脳の老化を加速させていくだけなのだとしたら、これはぜひ、脳科学者としてなんとかしなければならないと思うのです。

また、もしかすると「老害」とは、日本における年功序列的な文化が背景にある現象なのかもしれません。

老害脳 最新の脳科学でわかった「老害」になる人 ならない人 (ディスカヴァー携書)

日本社会では、年齢や肩書きを重んじる傾向が強いために、言っていることの正しさや議論の大切さよりも、集団の秩序を重視するあまり、遠慮や忖度、そして「出る杭を打つ」行為がまん延しかねません。
ここに、「老害脳」を放置し、悪化させてしまう温床があるのかもしれません。

ただし、自分の「老害脳」化を過剰に恐れたり、一方的に他人の「老害脳」を批判したりすることはやめましょう。誰もがそのリスクを抱えているのですから。

それよりも、人が「老害」になってしまう脳の仕組みを理解し、より良いコミュニケーションと、知識や経験の共有が行われることで、みんなが協力し合い、社会が豊かになれる方法を見つけられればと思います。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表
posted by 小だぬき at 08:48 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月10日

元警視庁の捜査官が勧める9つの「家を守る防犯対策」 「狙われやすい家」の特徴は

「強盗に狙われやすい家」には共通点がある…
元警視庁捜査官が勧める「家を守る防犯対策」9選
2024年11月08日 PRESIDENT Online

関東を中心に「闇バイト」を実行役にした強盗事件が相次ぎ、横浜市のケースでは住人の75歳男性の命が奪われた。
凶悪化、先鋭化する強盗に狙われないためにはどんな対策が必要か。元警視庁捜査官で防犯アドバイザーの松丸俊彦さんに、フリーライターの一木悠造さんが取材した――。

■強盗被害に遭わないための9つの対策

まず、強盗はどこから侵入するケースが多いのか。

横浜の事件では、玄関脇の窓が開け放たれた状態になっていた。
ここのカギの部分が壊され侵入されたとみられている。松丸さんが説明する。

「トクリュウ強盗も含めて、強盗は窓を破壊して侵入するケースがもっとも多いと言われています」

「トクリュウ」とは、SNSなどのつながりで犯行に及ぶ「匿名・流動的組織犯罪グループ」のことだ。
被害の多発を受け、警視庁と神奈川、埼玉、千葉の4都県警は10月、合同捜査本部を設置し、指示役や首謀者の摘発を急いでいる。

松丸さんによれば、強盗に遭わないために9つの対策が挙げられるという。

■犯人は自分の姿が残ることを嫌う

1. インターホンをカメラ付きにする「カメラ付きのインターホンは侵入者の姿を録画でき、泥棒や強盗犯が自身の姿が映ることを嫌がって諦める可能性があるためです。

実際に、泥棒などの侵入者は住民が留守かどうかを確認してから犯行を行うことが多く、その方法として最も多いのが『インターホンで押してみる』ことであるため、カメラ付きの機器を導入することで犯罪者に狙われるリスクを減らすことが期待できます。

仮に何者かが侵入したとしても、その姿がインターホンに映っていれば映像を証拠として利用できるため、事件の早期解決につなげることも可能です。
現在、カメラが無い機器を使用している方は、ぜひ録画機能があるカメラ付きインターホンの設置を検討してみてください」

■防犯カメラは「ダミー」でも効果あり

2. 防犯カメラ(ダミーでも可)を設置する「防犯カメラを設置するだけで『防犯対策をしっかりしている家だ』と感じさせて侵入者を牽制でき、下見の段階で候補から外れる可能性が高くなります。
また、カメラ付きインターホンと同様、防犯カメラで撮影した映像は犯行の証拠になるため、事件が発生したとしても早期解決につなげられる効果もあります。

映像を記録する機能がないダミーの防犯カメラでも、見た目が本物のカメラとそっくりで、配線やLEDランプが付いている機器であれば、泥棒や強盗などの犯罪者に対して牽制する効果が期待できます。

ただし、ただ闇雲にダミーカメラを導入するだけでは牽制効果が薄いので気を付けてください。
最近では、屋外にも屋内にも利用可能な小型ドームや主に屋外で利用するバレット型などさまざまな形や大きさの商品が販売されているので、すぐに偽物だと見破られないよう、設置する場所に適したダミーカメラを選ぶようにしましょう。

ダミーカメラでもLEDライトが点滅するものや配線が付いているものは実際に稼働している印象を与えやすくなります。
さらに防犯ポスターや注意書きなどと一緒に設置するとダミーカメラでも防犯意識の高さを示すことができます。
併せてセンサーライトなどを設置するのも効果的です」

■狙われやすい窓の守りを強くする

3. 窓に補助錠を設置する「補助錠とは、防犯性を高める目的で取り付ける2つ目の錠前のことです。窓についている主錠は窓ガラスを割ってしまえば窓を開けることが可能です。そのため、主錠だけの窓は侵入しやすく時間もかかりません。

補助錠を取り付けることで窓をスライドさせないと開けられなくなり、窓ガラスを割られて主錠が開けられても侵入に時間がかかります。防犯性を高めたいなら、補助錠の取り付けを検討してみてください」

4. 窓ガラス用の防犯シート「窓に貼るフィルムで、以下に2つの特徴によって防犯性能を向上させる効果があります。

・金属バットなどの道具を使用しても簡単に侵入できない
・大きな音が出るほどの威力で強打しないと破れないまた、防犯シートを窓に貼っておくことでガラスの飛散を防げるため、破片を踏んで怪我をするリスクも防ぐことが可能です」

■侵入にかかる時間を長引かせることが重要

5. 窓に警報機を設置する「泥棒や強盗が窓から侵入しようとしたときに警報音が鳴ることで怯ませることができ、侵入にかかる時間を長くできます。
また、通行人や近隣住民に異変があったことに気づいてもらえる可能性が高まります。

ちなみに、警報機は玄関に取り付けるタイプもあるため、窓だけでなく玄関にも取り付けることでさらに防犯性を高められます」

6. 窓に面格子を取り付ける「窓ガラスを割っても面格子を取り外さないとすぐには侵入できないため、防犯対策として非常に効果的です。
空き巣などの被害に遭うリスクを避けたいと考えている方は、検討してみましょう」

7. 人感センサーライトを設置する「人感センサーライトとは、人が近づくとライトが点灯する機能を搭載したライトのことです。
薄暗い場所に人感センサーライトを設置すると、侵入者などを検知した際にライトが点灯して人目につきやすくなるため、犯罪者が近づきにくい環境を作り出すことができます。特に自宅の敷地内で薄暗い場所がある場合は導入すると効果的です」

■宅配便を装った強盗犯を防ぐためには…

8. 宅配ボックスを活用する「宅配ボックスを設置したり活用したりすることも防犯対策として効果があります。
強盗犯の中には、宅配便の配達員を装って犯行に及ぶケースがあるためです。

宅配便を利用する際に宅配ボックスへの配達を依頼しておくことで、配達員に会う手間を省けるうえに、強盗被害に遭うリスクを大幅に軽減できます」

9. セキュリティ会社と契約し、防犯性を高める「セコムやALSOKなどのセキュリティ会社と契約することも、非常に有効な防犯対策になります。
異常が発生すると警備員が駆けつけてくれるのはもちろん、警報機やセンサー機器などを設置してくれて家の防犯性も高められるためです。

また、セキュリティシステム導入の証しとして契約したホームセキュリティ会社のステッカーを配布されるため、それらを貼ることで侵入者を牽制することもできます。

ただし、セキュリティ会社との契約は高額な初期費用(一般的に20万円前後〜)が必要になる可能性があるうえに月の利用料も必要になるため、防犯対策はしたいが費用も抑えたいという方には向きません」

■プライバシーを守る塀や植木が隠れ場所に

次に、「狙われやすい家」の特徴はあるのか。戸建てに比べてマンションは安全なのだろうか。松丸さんが続ける。

「一連のトクリュウ強盗が戸建てを狙っているだけで、マンションにはマンションを狙う空き巣などがいますので、一概にどちらが安全とは言えません。

トクリュウ強盗は闇名簿である程度、家の構造や場所、家族構成、人定、資産状況を把握したうえで、下見役の情報に基づいて犯行に及んでいます。

異質なトクリュウ強盗ではなく、それ以外の強盗の標的になりやすい家の特徴には以下があります」

・無施錠のドアや窓
窓やドアが常に施錠されていない家は、侵入しやすいと見なされる。

・高い塀や植木
プライバシーを守るための塀や木々が多い家は、逆に強盗にとって隠れる場所が多いと魅力的に映る。

・照明が少ない
夜間の照明が少なく、暗がりの多い家は、強盗にとって安心して侵入できる場所となる。

・防犯カメラや警備会社のステッカーがない
防犯意識が低いと見なされ、狙われやすくなる。

・高価な車や物が外から見える
お金があると示唆され、強盗のターゲットになりやすい。

・ゴミが整理されていない

生活習慣が乱れている家は、防犯意識が低いと見られることがある。

・犬がいない
犬がいる家は防犯効果が高いとされている。

■空き巣に狙われやすいのは「午前中」
また、犯行を注意すべき時間帯や天候はあるのだろうか?

「一連のトクリュウ強盗については戸建てを深夜帯に襲う傾向がみられます。
天候と犯行との関連性は今のところ見られません。
空き巣と強盗犯は同じ時間帯に犯行に及ぶと思われがちですが、実際はそれぞれの犯罪が行われている犯行時間は異なります。

例えば、空き巣は午前8〜12時の午前中に行われるケースが多いです。
特に平日の昼間などの時間帯は、住人が留守である可能性が高いことで空き巣犯などからすると狙いやすい時間帯になるため、日中留守にする日が多い方は注意が必要です」

■強盗犯は住民が寝静まった夜を狙う

「一方で、強盗は午前0〜2時の時間帯に行われるケースが多くなっています。
その次に午前2〜4時の深夜から早朝にかけて犯行が行われるケースが多いため、就寝時でも身の安全を守れるような対策が必
要です

このように、空き巣と強盗犯はそれぞれ狙う時間帯が異なるため、防犯対策を講じる際はどの時間帯でも身の安全や資産を守れるような対策を講じる必要があります」

最後に、侵入者と対峙せざるを得ない状況になった時のための防犯グッズについて、松丸さんはこう説明する。

「家の中で空き巣と対峙した場合(特に1対1のような場合)、身近にあって即席の武器として使うことができる物を挙げます。
ただし、武器として物を使用する前に、まずは自分の身の安全を最優先し、可能ならば逃げることです。
積極的な攻撃を推奨するものではありません」

■玄関に置いてある傘が「武器」になる

・取っ手の長い懐中電灯
強い光を相手の顔に向けることで一時的に目をくらませたり、打撃用の武器としても使える。

・ゴルフクラブやバット
長さがあり、相手に距離を保ちながら打撃を与えられる。

・傘
特に長い傘は、距離を取って相手を突いたり、打撃を加えたりできる。

・椅子
距離を取りつつ相手を押し返したり、足を狙うことで動きを封じることができる。

・フライパン
重さがあるため、強力な打撃を与えることができる。

・鍋の蓋
防御用の盾として使い、相手の攻撃を防ぐのにも使用できる。

・カバンやバッグ
ある程度の大きさと重さがあれば、相手を叩くのに有効で防御にも使える。

・ベルト
バックル部分で打撃を与えたり、相手を絡め取って動きを制限できる。

・雑誌や本
丸めて即席の棍棒にすることができ、意外と強い打撃を与えることが可能。

「ただし、武器を使う際は相手を攻撃することを目的とせず、自分や家族の安全を確保するために、一時的に時間を稼いで逃げることを念頭に置きます」

凶悪化する強盗の被害者にならないためにも、今すぐに実行に移してもらいたい。

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一木 悠造(いちき・ゆうぞう)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あなたのメンタル、もう限界かも?「心が壊れる5つの前兆」とは

あなたのメンタル、もう限界かも?「心が壊れる5つの前兆」とは
2024年11月9日  MELOS -メロス- 

心が壊れるほど限界な精神状態になる前には、前兆のようなものが起きることが多いようです。

当てはまることがないかチェックしましょう。
大阪カウンセリングセンターBellflowerの町田奈穂さんが解説していきます。

前兆1.何に対しても、意欲や活気が湧かない

・今まで楽しんでいた趣味に興味がなくなる

・週の中盤〜後半になっても、仕事へのやる気が全くでない

これらは、心が壊れる前兆として特に気になるサインです。
「これまで休日は映画を楽しんでいたけれど、寝て過ごすことが多くなった」なども心が壊れる前兆である可能性が高いです。

前兆2.食欲がない、あるいは、暴飲暴食をしてしまう

長期間食べることができないも、食べすぎてしまうのもよくありません。

食欲とメンタルは、非常に複雑で複数の要素が絡み合っています。
例えば、セロトニンやドーパミンなどの脳内の神経伝達物質は、食欲と精神面に密接に関連しているため、「ショックなことがあり食欲が湧かない」「ストレスで暴食してしまう」といったことが起こると言われています。

前兆3.人に会うのが億劫になる

精神的に限界になると、人とのコミュニケーションを避ける傾向があります。
これには様々な要因が考えられますが、「自分のことでいっぱいだから、人と話す気力や体力がない」「人と話すとストレスが溜まると思い、無意識のうちに人と会うのを避ける」などのパターンが考えられます。

前兆4.眠れない

・布団に入ってもなかなか寝付けない

・そもそも眠くならない

・夜中に何度も目が覚める

・早朝に目が覚める

過度なストレスは、不安や興奮を引き起こすことがあるため、このような睡眠の乱れが起こることがあります。

前兆5.些細なことにイライラする

以前は気にならなかったことが気になるようになっている状態が理由もなく続いているのなら、心が壊れる前兆かもしれません。

また、芸能人のスキャンダルなどに対して強い怒りや悲しみを感じるなど、自分に関係ないことなのに無性に腹が立ってしまうのも危険なサインのひとつです。
posted by 小だぬき at 14:29 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月11日

このままでは国民皆保険が壊れていく…金子勝「マイナ保険証は政治献金企業が儲かる究極の寄生システム」

このままでは国民皆保険が壊れていく…金子勝「マイナ保険証は政治献金企業が儲かる究極の寄生システム」
11/10(日) プレジデントオンライン

12月2日からマイナンバーカードと健康保険証が一体化され、「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移行する。

『裏金国家 日本を覆う「2015年体制」の呪縛』(朝日新書)を上梓した経済学者の金子勝さんは「政府は、技術的にとんでもなく遅れた4桁の暗証番号で顔認証も不安定なプラスチックカードを全国民に強制しようとしている。
通常の健康保険証廃止を止め、一からやり直すべきだ」という――。

■政府のDXは決定的に間違っている

 「裏金国家」に支配された政府の産業政策が日本の産業衰退をもたらしている。

 政府の産業政策の看板とされているのはGX(グリーントランスフォーメーション)とDX(デジタルトランスフォーメーション)であるが、政府のGXとDXはともに決定的に間違っている。

 本書でこれまで述べた政府のGXが、大手電力会社の地域独占を維持し、安全性もコスト面も著しく劣る原発推進を続けるかぎり、日本のエネルギー転換はどんどん遅れていくだろう。

 本当の問題は、原発の安全性と雇用を確保しつつ、いかに高コストの原発をソフトランディングさせるかにある。
ところが、大手電力会社の地域独占と天下りが結びついた日本型オリガルヒ経済に猛進して、時代遅れで危険で高コストのガラパゴス・エネルギー体制を維持しようとする完全に間違った産業政策を実行している。
経済産業省を早急に解体しないかぎり、日本経済の衰退は止まらないだろう。

■マイナ関連事業3000億円を大企業8社が独占契約

 実はマイナンバーカード、とくにマイナ保険証を強制する政府のDXもまったく同じ構造に陥っている。
このままでは、日本のITを救いきれないほど衰退させていくだろう。

 この分野での裏金の実態は不明だが、政治献金と技術的に遅れた日本の情報産業のための救済事業との結びつきは非常に強い。

 ほぼ10年間でマイナンバー関連事業を少なくとも3000億円近く発注していると見られるが、大企業8社が共同受注などで独占的に契約している。

 自民党の政権復帰以降の9年分の政治資金収支報告書によると、8社のうち自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金していたのは、NTTデータ、凸版印刷(現TOPPANホールディングス)、日本電気、日立製作所、富士通の5社で計7億円に達するという報道も出ている。

 その中心となるJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)には総務省官僚が天下っている。

■マイナ保険証は民間ならばとうに潰れる欠陥カード

 マイナンバーカードとマイナ保険証は利便性もセキュリティもまったくないために、普及しない。
実際、マイナ保険証は総点検後もトラブルが絶えず、2024年6月のマイナ保険証の利用率はなおも9.9%と低迷している。
本来、民間だったら、とうに潰れてしまうような欠陥カードであることは明白であり、マイナ保険証の利用率がなかなか上がらないのは当然である。

 トラブルが山ほど発生し、そのいくつかが今も解消されていない。

 証明書の誤交付が起きる。公的口座取引など誤登録が多数出る。すぐに銀行が認証チェックできるはずなのに、こうしたミスが横行する。
システム自体に欠陥があるのに、地方自治体の職員や利用者のせいにする無責任が行き交う。
実際、システムの基本設計の間違いも多い。


 まず、やたら多くの紐付けをするために、なくしたり盗まれたりすると、すべての個人情報が漏れてしまう。


 ところが、デジタル庁とITに無知なデジタル大臣がアメとムチで対応する。マイナンバーカードが普及しないために、2兆円も使ったマイナポイントで国民をつったり、健康保険証を廃止して強制したりしてきた。
4桁暗証番号のプラスチックカードを認知症や高齢者や子どもや身体不自由な方々などにも配布しようとして、事実上、情報弱者を切り捨てている。

■国民皆保険が壊れていく危険性にもつながる

 当面、マイナ保険証と同時に旧来の保険証を持てといい、旧来保険証の廃止期限を1年間遅らせて毎年資格確認書を出すだけでなく、暗証番号のない顔認証マイナ保険証、スマホのマイナ保険証(これもマイナ保険証をスマホに接触させないと使えない無意味なもの)など、数種類のカードが発行される極めて非効率なものとなっている。

 結局、責任を回避するために旧来の保険証廃止を止められず、そのために事後処理がデタラメで混乱が混乱を呼んでいるのである。

 マイナ保険証は総点検を行っても、なおも欠陥は改善されな
 顔認証ができない。それを解消するために解像度を緩めて、誰でも入れてしまう。
認証システムも含めて2026年に新しいカードでやり直すので、新たなカードリーダーがまた必要になる。
しかも5年ごとに健康保険証として更新しなければならないので、国民皆保険も壊れていく危険性も出てくる。

 欠陥と無駄を重ねて政治献金企業が儲けていく究極の寄生システムになっている。

■技術的にとんでもなく遅れたプラスチックカード

 世界的にみれば、いまや生成AI、クラウド、先端的半導体GPU(映像処理できるNVIDIA製)が席巻しており、日本でもマイクロソフトやグーグルの大規模データセンターが建設されている。
日本のIT企業はまったく歯が立たないくらい後れを取っている。

 こうした事態を根本的に解決するつもりはなく、最初からスマートフォンとクラウドで対応する能力がなく、むしろ技術的にとんでもなく遅れた4桁の暗証番号で顔認証も不安定なプラスチックカードを全国民に強制しようとしているのである。

 これまで日本のIT企業は、企業ごと、病院ごと、銀行ごとに閉じたシステムを作る自社が運営するオンプレミスの方式でやってきた。
外部に閉じているので安全だと主張しながら、サーバーなどハードを売り、維持管理費用で稼ぐ方式である。
施設内の情報システムは下請けに発注して作らせるので、プログラマーの地位が著しく低くソフトの開発力で格段に劣っていた。それゆえITゼネコンと揶揄されていた。

■クラウドノウハウが欠けている日本のIT企業

 ところが、いまやアメリカや中国の巨大IT企業はクラウドを運営し、そこからアプリを提供するプラットフォーム企業へと変貌した。
そこは基本的にセキュリティが強化されたオープンなシステムで、利用者のコストは大きく削減されている。

 これまで銀行が合併したり、病院ごとにオンプレミスで作ってきたシステムを外部につなげたりすると、しばしばシステムトラブルを起こすようになっている。
これまで別々の会社がそれぞれシステムを構築し、つなぎ合わせたらバグが出てしまうのである。

 今回のマイナ保険証では、日本のIT企業はクラウドを運営するノウハウに欠けており、時代遅れになっている欠点が露呈してしまったのである。

 この間のマイナ保険証のひどい醜態を見れば、日本のIT企業の国際競争力の欠如は明らかだ。
図表1を見れば明らかなように、日本の貿易収支上のデジタル赤字はいまや約5.5兆円にまで増加している。
GAFAMには遠く及ばず、IT失敗企業群がJ-LISに集まり、自民党に政治献金を出して、国の数兆円もの税金に巣食って生き延びていこうとしているのである。

■健康保険証廃止を止めて一からやり直すべき

 必要な施策は明らかである。

 まずJLISの利益共同体を解体し、台湾のオードリー・タンのようにITの知識を持つ者をデジタル大臣につけ、公正なルールの下で新しいIT企業の参加を促すことである。

マイナ保険証については、通常の健康保険証廃止を止め、一からやり直して、クラウド上でスマホのアプリにする。
多数の紐付けを止め、一つひとつ独自のOS(オペレーティング・システム)で丁寧にプログラムを組んでいくことが必要である。

 同時に、大学予算を復活させ、情報科学と人材養成の体制を組み直していかなければならない。

 そもそも政府の医療IT化の方向性が完全に間違っている。
個人情報のプライバシー保護(自分の医療・薬情報に誰がアクセスしたかを知る権利)を考慮しつつ、中核病院、診療所、高齢者施設、訪問看護・介護、薬局などを結びつける地域の医療介護ネットワークを作り、かかりつけ医や訪問看護を軸に、在宅医療・介護をサポートする。

 そのうえで、慢性病などを持つ在宅患者にはブロードバンドを使って、独自のデバイスを用いて自身の健康データを自己管理できるようにするのである。

 真の医療DXとは、利便性があり、安心かつ医療費の効率化を促す地域医療システムの構築である。

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金子 勝(かねこ・まさる)
経済学者

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2024年11月12日

「寝ても疲れがとれない人」こそ知っておくべき“睡眠不足を改善させる5つの方法”

「寝ても疲れがとれない人」こそ知っておくべき“睡眠不足を改善させる5つの方法”
2024年11月11日 SPA!

柔道整復師のshuheiと申します。
現在は表参道で整骨院を経営するかたわら、これまでトップアスリートやアーティストら5万人以上の施術を担当してきた経験をもとに、腰痛や肩こり、姿勢改善など多くの方にとって身近な健康に関する情報をSNSで発信しています。

◆甘く見てはいけない「睡眠不足」の恐ろしさ

 近年の研究では睡眠不足は肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などの発症リスクを高まることがわかってきています。

 しかし、日本人の睡眠時間自体も「令和元年国民健康・栄養調査」の結果によると、労働世代である20〜59歳の各世代において、睡眠時間が6時間未満の人が約35〜50%を占めており、睡眠時間が5時間未満の人に限定しても約5〜12%となっています。

 そこで、今回は簡単な改善方法を中心に質のいい睡眠を獲得するための方法をご紹介します。

◆「眠れない」にもいろいろな種類がある

 あなたの睡眠は十分でしょうか?

【入眠困難】床についてもなかなか(30分〜1時間以上)眠りにつけない

【中途覚醒】いったん眠っても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める

【早期覚醒】希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない

【睡眠障害】眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない

 上記に当てはまる場合は不眠症の場合も考えられます。
原因としては枕が合わない、暑さや騒音、明るさ、年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど悩みやイライラ、ストレス、睡眠に対するこだわりなどアルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足などさまざまな可能性があるため、自分に合う対処法を見つけましょう。

 ヒトの体内時計の周期は約25時間といわれ、地球の周期(24時間)とは約1時間のずれがあります。
このずれをうまく調節し、24時間にあわせることで体のリズムを整え、上手な睡眠をコントロールしていきます。

◆毎日の睡眠を改善するためにやるべきこと

 次に今日からすぐに取り入れることができる改善方法をお伝えします。

・これはマスト!、朝日を浴び

→朝の光は体内時計を早め、夕の光は体内時計を遅らせることがわかっているため寝るときは極力部屋を暗くしてしっかりスイッチオフして、朝起きたらカーテンを開けてたっぷり光を浴びてスイッチオンしましょう

・寝る時間起きる時間を一定にする

→ついついアニメ見すぎたり、飲みすぎたりして遅寝になったり、休みだからとだらだら寝ていると先述のとおり、体内のリズムが合わず次の日の不調に繋がりやすくなります

・睡眠ツボを押す

→おすすめのツボはわかりやすく、何かの真ん中で統一しました。
覚えやすいところばかりなので毎日押す習慣作りに役立ててください

◆失眠(しつみん) かかとの中央にあるツボ

押すのが面倒な時は床に固い突起をおいて踵をゴリゴリしちゃいましょう

◆印堂(いんどう) 眉間の中央にあるツボ

鼻のつまりや、ストレスを感じているときに押したいつぼ眉間のまんなかなので寝ながら簡単に押せます

◆膻中(だんちゅう)乳頭の中央

自律神経の乱れを整え、息苦しさ、喘息、胸の詰まり感この踵、眉間、乳頭の真ん中の三つ、覚えてみてください

◆口周りの筋肉の衰えが睡眠不足の原因にも

・口周りの筋肉を鍛える

→舌の位置が下がり口呼吸になると無呼吸症候群による睡眠障害に陥りやすいので、口周りの筋肉を動かし、睡眠改善だけでなく、顔のたるみ・しわの改善による美容効果、脳の血流をアップさせる効果など、多くの効果が得られます。
今回は顔回りのトレーニングの中でも、舌の筋肉を多く使う「あいうべ体操」をご紹介します。やり方は次のとおりです。

@「あー」と言いながら口を大きく開け

まず、「あー」と声を発するときのように、口を大きく開きます。普段よりも大きく開くよう心がけましょう。舌の根元にある舌骨筋群と、口周辺の筋肉が鍛えられ、いびきの改善だけでなく、アレルギー疾患の改善効果も期待できると言われています

A「いー」と言いながら口を大きく横に広げる

首に筋が張るくらいの強さで、口を横に広げます。口周りから首にかけての筋肉を強化する効果があり、呼吸器系の疾患予防や首のシワ改善効果があるとされています

B「うー」と言いながら口を前方に強く突き出す
口をすぼめて、しっかり前に突き出します。口を閉じるのに重要な口輪筋が鍛えられ、疲労感の軽減が期待できるとされています

C「べー」と言いながら舌を突き出し下に伸ばす

顎の先を舐めるようなイメージで、舌をできるだけ下まで伸ばします。舌そのものが鍛えられるほか、便秘改善などの効果が期待できるといわれています。

 @からCの体操を、それぞれ1秒ずつ行うのを1セットとし、1日30セット行いましょう。
一度で30セットしなくても分けてでも大丈夫なので、大きくやるのを意識してやってみてください。
乾燥する季節だと唇が裂ける可能性がおおいにあるのでリップクリームを塗りながら唇にも優しくやってみましょう。

◆呼吸を意識すると体調にも好影響

・呼吸を整える

→呼吸が浅くなると自律神経が乱れ、睡眠障害だけでなく慢性疲労や免疫低下、体重増加などさまざまな要因になりやすいので注意が必要です。

 今回はアメリカ・アリゾナ大学のアンドリュー・ワイル博士が開発した「478呼吸法」をご紹介します。やり方は次のとおりです。

@楽な姿勢・態勢を取る

A鼻で大きく息を吸いつつ、4秒数える

B息を止め、7秒数える

C口からゆっくり息を吐きつつ、8秒数える

D A〜Cを繰り返す

 簡単な方法ですがしっかり吐ききることで良質な睡眠効果を発揮します。

 以上が睡眠改善の方法になりますが、朝日浴びて、寝る時間と起きる時間をきちんと決めて、ツボ押して、顔動かして、呼吸深くするだけと思ったら意外に気軽に始められるかもって気がしてきませんか?
 1日数分の習慣があなたの睡眠を大改善する可能性を秘めているのでぜひ試してみてください。


<文/shuhei>
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2024年11月13日

人間関係を妨げる「思い込み」の正体と5つの対処法

人間関係を妨げる「思い込み」の正体と5つの対処法
11/11(月)
Forbes JAPAN
Shutterstock.com

誰もが一度は、自分が注目の的になっていて、誰もが自分の一挙一動を見ているように感じたことがあるだろう。
しかし、多くの場合、それはただの幻想に過ぎない。
この傾向は「ブルードット」効果に基づいている。
ブルードット効果とは書籍『その「決断」がすべてを解決する』(原題:The Subtle Art of Not Giving a F*ck)の著者マーク・マンソンが提唱した概念だ。
簡単に言えば、特定のもの(例えば青い点)を見ることに意識が向くと、実際には存在しない場所にもそれが見えてしまうという現象だ。

社会的な場面では、これは他人が自分をどう思っているかに過度に集中し、相手の視線やコメント、沈黙を自分への評価や感情の表れと解釈してしまうことに繋がる。
このサイクルは「スポットライト効果(自分の外見や行動、言動を他人が実際以上に意識していると思い込む認知バイアス)」によって強化され、自分が他人からどれだけ注目され、どう思われているかを過大評価してしまう。

実際には、このような習慣は人間関係に距離を生み、不正確であるか全く根拠のない思い込みを通じて経験を歪めることになる。
ここでは、ブルードット効果が私たちの社会生活に与える影響と、思い込みから離れ、より真実味のある関係を築くための5つの方法を紹介する。

■1. 思い込みを他者に投影しがちになる

ブルードット効果は、実際には存在しないかもしれない他者の評価やサインに過度に敏感になることで、社会的な交流に現れることが多い。
研究によると、私たちはしばしば自分の感情を他人に投影し、相手の思考や意図に関する認識を形成している。
たとえば、2017年にJournal of Social and Personal Relationshipsに掲載された研究では、パートナー以外の人に魅力を感じた人は、実際にはそうでない場合でも、パートナーも同じように誰か他の人に魅力を感じていると信じ込む傾向があることが示された。
この投影は不必要な緊張を生み出し、パートナーに対する怒りや否定的な行動を引き起こすことがある。

友情や職場での関係でも、他者の中立的な行動を個人的な評価として解釈してしまうことがあるが、これは多くの場合、自分自身の不安や感情を反映しているに過ぎない。

もし「彼らは私を迷惑だと思っているのではないか」とか「彼らは私のことが嫌いなのだろう」と思ったときには、一旦立ち止まり、「それを裏付ける具体的な証拠はあるだろうか」と自問してみるとよい。
ほとんどの場合、答は「ない」だろう。
事実と思い込みを区別する練習をし、多くの人が自分自身に集中していて、あなたの一挙一動を分析しているわけではないことを覚えておこう。

早合点に頼り、過度に注目されていると感じる

■2. 探求心よりも早合点に頼る傾向になる

思い込みを投影することが、自分の信念を他人に見出すことに関係しているのに対し、早合点に頼ることは、限られた情報に基づいて他人について迅速に結論を下すことにつながる。
早合点は自分の内面的な感情というよりも、さらなる状況を探求することなく表面的な解釈をしてしまう態度なのだ。

たとえば、友人が静かにしていると、「自分に腹を立てているのではないか」と考えることがある。
しかし、この反応は限られた証拠に基づいており、広い状況を考慮していないことが多い。
こうした素早い結論に頼ることで、相手の真の経験を理解する機会を逃し、より深い全体像を見落としてしまうことがある。

好奇心は思い込みに対する強力な解毒剤である。
2015年にNeuronに掲載された研究によれば、好奇心は報酬認識や意思決定などのより深い精神的プロセスを伴い、より豊かで能動的な知識の追求に繋がる
好奇心は反射的な対応を超えて、表面的な印象にとどまらず、真の探求を促進する。

次に誰かの行動を自分に関係していると結論づけそうになったときは、一旦立ち止まり、「他にどんな可能性があるだろうか?」と考えてみよう。
彼らは全く別のことに気を取られているのかもしれない。
好奇心を持ち、オープンな質問をしてみよう。
友人がよそよそしく感じられたら、「少し大人しいけど、何かあったの?」と尋ねてみることができる。
判断から好奇心へと視点を変えることで、真のつながりのための空間が生まれ、より深く、真実の理解に至ることができる。

■3. 常に注目されていると感じることが多い

自分が常に見られていると感じるとき、それはスポットライト効果によることが多い。
2000年にJournal of Personality and Social Psychologyに掲載された研究では、スポットライト効果を、他者が自分の行動、外見、言葉にどれだけ注目しているかを過大評価する傾向と説明している。
私たちは、自分の些細なミスや服装の選択が細かく見られていると想像することがあるが、実際には多くの人は自分自身の経験に集中しており、私たちのことを分析していない。

このことを理解することで、安心感を得ることができるかもしれない。
各人は自分自身の「スポットライト」の中で生活し、自分の不安や考えに集中しているのだと想像してみよう。
そして自分が感じているほど頻繁に他者の注目の的にはなっていないことを思い出すとよい。
この認識は、絶え間ない想像上の判断から解放され、より自然体で本当の自分を表現することが可能になる。

自意識的な考えが浮かんだとき(例えば、言い回しを気にしたり、服装を再考したりするとき)には、優しく自分の焦点をシフトしよう。
「本当に注目されているのか、それとも自分の心が過剰に反応しているのか?」と自問してみる。
これを練習することで、些細な心配を手放し、より真実味のあるつながりを育むことができ、他者と真に関わることが可能になる。

自己への思いやりに欠ける、現在に集中していない

■4. 自己への思いやりが欠けている

ブルードット効果は、私たちが自分自身に対して最も厳しい批評家であるときに最も強く作用する。
自分をすぐに批判することで、他人の行動を自分に対する判断や批判として解釈しがちになる。
自己への思いやり、自分自身への真の優しさを育むことは、この効果を和らげるのに役立つ。
自分に優しくなることで、他者の善意を推測しやすくなり、些細な行動を自分の価値に対する評価として解釈する可能性が低くなる。

自己への思いやりを育てるためには、大切な人に話しかけるように自分自身に語りかけてみるとよい。
友人がすぐに返信しなかったからといって、彼らが怒っていると決めつけるのではなく、「人にはそれぞれ事情があり、返信の遅れが個人的なものではないこともある」と自分に言い聞かせてみよう。
この思考法を実践することで、他者の反応に対する不安が和らぎ、よりリラックスしたポジティブな関係を楽しむことができる。

自己への思いやりが難しいと感じるなら、心理学者クリスティーナ・チウィルが提案するシンプルな2ステップのアプローチを試してみよう(2020年にPersonality and Social Psychology Bulletinに掲載された研究より)。

1. まず自身の判断を保留し、自己への思いやりに関する自分の信念を振り返ろう。ただ自分の考えに気づき、それに親しもう

2. 筋肉を鍛えるように、思いやりを日々の習慣にしよう。最初はぎこちないかもしれないが、この変化は内面と外面の両方の経験を変え、人間関係に安らぎをもたらすことができる

■5. 現在に完全に集中していない

思い込みが支配し始めると、私たちは現在(いま・ここ)から引き離され、思考との精神的な綱引きに陥る。
完全に他者と関わる代わりに、自分がどう見られているかや他者の反応を過剰に考えてしまい、それが緊張を生み出し、有意義なつながりを妨げることになる。現在に根付くことで、このパターンを和らげ、より真実味のあるつながりを築くことができる。

マインドフルネスのよく知られている利点(幸福感の向上や心理的ストレスの軽減など)に加え、2013年の研究では、マインドフルネスが感情的な反応性を減少させ、行動をよりよく調整するのに役立つことが示されている。

次の会話では、相手に耳を傾けるよう真剣に努めよう。
相手の言葉に集中し、ボディランゲージに注意し、純粋な好奇心で応答しよう。
過剰に分析することなく、その瞬間を楽しむことを自分に許そう。

これらを実践することで、心の雑音を静め、本物でリラックスした会話を楽しみ、思い込みのプレッシャーなしで他者とのつながりを楽しむことが容易になる。

Mark Travers
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2024年11月14日

総選挙で惨敗…もはや歴史的役割が終わった創価学会・公明党と共産党、必然の「衰退の末路」

総選挙で惨敗…もはや歴史的役割が終わった創価学会・公明党と共産党、必然の「衰退の末路」
島田 裕巳(宗教学者・作家)
11/13(水) 現代ビジネス

今回の衆議院議員選挙において、公明党は惨敗した。

32あった議席は24に減り、比例代表の得票数は596万票と600万票をわった。2022年の参議院議員選挙でも、比例代表では618万票だったから、今回の結果は十分に予想されたことである。

公明党が惨敗したのは、連立を組む自民党に裏金問題が生じ、逆風にさらされたからだともされるが、何よりもっとも大きな原因は、支持母体である創価学会の衰退である。

創価学会の衰退は、これからも続いていく。
したがって、選挙をやるたびに公明党は議席を減らしていくことになるはずだ。

朝日新聞の11月8日付けの社説では、「自民党との長年の連立で薄れた『清潔な政治』『大衆福祉』『平和』といった党の原点に立ち返ることなしに、退潮に歯止めはかかるまい」と述べられていたが、たとえ公明党が1964年に結党された原点に立ち返ったとしても、退潮に歯止めがかかることは考えられない。

596万票にしても、選挙において自民党と協力しているからである。
もしも自民党との協力関係がなくなれば、500万票を確保できるかどうか、それもかなり怪しい。

しかも、選挙で落選した石井啓一氏が就任したばかりの代表を辞任し、代わりに国交大臣だった斎藤鉄夫氏が就任した。
斎藤氏は72歳で、66歳の石井氏よりも年が上だ。これは、公明党にいかに人材がいないかを証明している。

創価学会にとって、今回の衆院選は、長年創価学会を率いてきた池田大作氏が昨年11月に亡くなってからはじめての国政選挙だった。
池田氏が亡くなった直後には、次の国政選挙は「弔い合戦」になり、創価学会の会員は総力を上げて選挙戦に臨むはずだと言われたが、実際にはそうはならなかった。

選挙運動期間中、『聖教新聞』や『公明新聞』では必死の訴えがなされ、とくに選挙の支援活動にSNSを活用するよう強く勧められたものの、それが功を奏することもなかった。

創価学会を押し上げた高度成長というブーム

ではなぜ、これほどまでに創価学会は衰退してしまったのだろうか。

それは、戦後の創価学会の拡大が「ブーム」だったからである。
それは創価学会についてだけ言えることではなく、戦後に拡大した新宗教全般にもあてはまることである。

創価学会は全国で会員の数を伸ばしたが、東日本では立正佼成会が、西日本ではPL教団が最大のライバルだった。
この二つの教団も戦後に巨大教団へと発展した。
現在、立正佼成会も創価学会と同様にかなり会員を減らしているが、もっとも深刻なのはPL教団である。

2020年に3代目の教祖が亡くなったものの、4代目はまだ決まっていない。
PL教団と言えば、毎年8月1日に行われる「教祖祭PL花火芸術」において、膨大な数の花火を打ち上げてきたが、コロナ禍で中止されて以降、現在になっても再開されていない。
資金難から、再開は不可能のようだ。

戦後に、創価学会をはじめとする新宗教が拡大したのは、未曾有の高度経済成長が起こったからである。

高度経済成長は、産業構造の転換をともなった。
それまでの日本の社会においては、農業を中心とした第1次産業の比重が重かったが、それが鉱工業の第2次産業やサービス業の第3次産業へと転換していった
第2・3次産業は都市を舞台にするもので、高度経済成長時代の大都市では大量の労働力を必要とした。
その供給源となったのが地方の農村部であった。

それによって、大量の労働力が地方から大都市へと移動することになった。
彼らは「金の卵」としてもてはやされたものの、年齢が一〇代と若かった上に、小卒や中卒で学歴が低かった。
彼らが就職できたのは、中小企業や零細企業、町工場や商店であった。

したがって、低賃金で生活は安定しなかった。
しかも、出てきたばかりの大都市では、地方の農村部のような地域共同体はなく、孤立せざるを得なかった。

新宗教は、そうした新たな都市下層を取り込むことで、その勢力を拡大していった。
創価学会に入会すれば、たちどころに仲間ができ、何かと支えになってくれたのである。

ブームは去り、組織は年老いた

しかも、当時の創価学会は日蓮正宗と密接な関係をもっており、創価学会に入会することは同時に日蓮正宗の檀徒になることでもあった。
日蓮正宗の総本山である大石寺には、彼らが考える究極の「御本尊」があり、それは日蓮正宗・創価学会の信仰の正しさを証明するものでもあった。

日蓮正宗の信仰は正しいと教えられた創価学会の会員は、その信仰を広めるために、相手を強く説得する「折伏」を行った。
折伏を行うには日蓮正宗の教えを学ばなければならない。
それは、十分な教育を受けてこなかった創価学会の会員の識字能力を高め、また自分たちだけが正しい信仰をもっているという自信を植えつけることにもなった。

会員たちは、その集まりである地域の座談会で、折伏の成果を発表した。
会員や『聖教新聞』の購読者を増やすことが成果で、それを発表すれば、座談会に集った他の会員たちから拍手喝采された。
それがさらに自信を与えることにつながった。池田氏も日本全国をまわり、会員を励まし続けた。

しかし、1970年代に入るころには高度経済成長は曲がり角にさしかかる。
70年の大阪万博がピークで、73年の第1次オイル・ショック以降は低成長の時代に変わる。
そうなると、大都市への人口移動も低調になり、創価学会に入会する人間は減っていった。

つまり、創価学会という組織は、1950年代半ばから70年くらいまでの時代に入会した会員が多数を占めていた。
そうした世代が高齢化し、あるいは亡くなることで、会員が減り続けるという状況が生まれたのだ。

創価学会では、その信仰を会員の子どもや孫へ伝えていくために相当な努力を重ね、ある程度は成功した。
これは、他の新宗教ではできなかったことである。
だが、信仰の熱量となると、2世や3世以降の会員では、自ら入会した1世にはどうしても劣る。
それも、創価学会の衰退に歯止めがかからない要因になっている。
実は、こうしたこと共産党にもあてはまる。
共産党もまた大都会に出てきたばかりの都市下層をターゲットにしたからである。
選挙のたびに創価学会と共産党が激しくぶつかったのも、同じ社会階層を取り込もうとしたからである。

今回の選挙で、共産党は10議席から8議席に減り、9議席のれいわ新撰組にも抜かれてしまった。
共産党が力を失ってきたのも、その理由は創価学会と共通する。どちらも、戦後のブームに乗って組織を拡大してきたが、ブームが去ったことで退潮していかざるを得ないのである。

裏金問題で巻き添えを食ったわけではない

私は、ここのところ公明党の地方選挙の結果に注目してきた。
地方選挙は4年ごとに行われるわけだが、公明党の候補者は選挙のたびに平均して10パーセント程度得票数を減らしてきている。

昨年6月、当時の岸田文雄首相が衆議院の解散に踏み切るのではないかと言われた。
ところが、自民党が行った調査で、自民党は42議席減らすという予測結果が出たために、解散が先送りされた。
その調査では、公明党は23議席にとどまると予測された。

今回の選挙結果は、そのときの予測を裏づけることになった。
自民党はそれ以上に議席を減らしたが、公明党についての予測はほぼあたっている。
これは、裏金問題に公明党が巻き込まれたことが退潮の原因でないことを示している。
裏金問題が一気に表面化したのは、それから半年後の昨年11月のことだった。

池田大作氏が亡くなった翌日の昨年11月16日に、創価学会は『創価学会教学要綱』を刊行した。
これは、創価学会の教えについて改めてまとめたものである。

そこに示された現在の創価学会の教えは、ひどく穏健なもので、かつてのように、自分たちの信仰が絶対に正しいという主張は完全に影を潜めている。
私はそれを読んで、一般の日蓮宗の方がむしろ過激なのではないかという印象さえもった。

以前なら、創価学会の会員は、神社の祭にも参加せず、鳥居さえ潜らなかった。
ところが、最近では、そうした会員は一部になり、公明党の議員も神社の祭で神輿を担いだりしている。
それは、一般の地域住民と創価学会の会員を隔てる壁がなくなったことを意味する。

都市下層として恵まれない境遇にあった創価学会の会員は、かつては自分たちだけのコミュニティーを必要とした。
しかし、創価学会の家庭に生まれた子どもも高等学校や大学に進学し、それなりの経済力を身につけるようになった。
もはや創価学会という閉鎖的な集団に閉じこもっている必要はなくなった。

創価学会の存在意義が、新たな都市下層民を社会のなかに定着させていくことにあったのだとしたら、十分にその役割を果たしたとも言える。
そうなると、日本社会にとっても、創価学会の会員にとっても、創価学会という組織は要らないものになってしまったのである。
……・・
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2024年11月15日

睡眠時間が「6時間未満」の人は要注意…脳内科医が警鐘「老害脳」を加速させる"危ない生活習慣"

睡眠時間が「6時間未満」の人は要注意…脳内科医が警鐘「老害脳」を加速させる"危ない生活習慣"
2024年11月14日 PRESIDENT Online

「老害」にならないためにどうすればいいか。
脳内科医の加藤俊徳さんは「睡眠障害は認知機能を衰えさせ、認知症の手前の状態としての「老害脳」を引き起こしかねない。予防するためには、無呼吸のない良質な8時間睡眠を取ることが重要だ」という――。
※本稿は、加藤俊徳『老害脳』(ディスカヴァー携書)の一部を再編集したものです。

■睡眠障害が「老害脳」化のリスクを高める

私たちの日常生活の中で「老害脳」化に影響を与える見逃せない要因があります。それが「睡眠」です。

まず、うつ病の人の約8割が、睡眠障害を抱えていることが明らかになっています。
そして、「老害」の被害がうつ病を引き起こすだけでなく、逆にうつ病が「老害脳」を引き起こすことも懸念しなければなりません。

これは、睡眠障害と閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)が、「老害脳」とも関係性が深い「アルツハイマー型認知症」の誘因になると考えられているためです。

睡眠障害とは、睡眠時間が短かったり、寝つけなかったり、途中で目が覚めてしまうなどのことです。
また、閉塞性睡眠時無呼吸症は、睡眠時に何らかの理由で息の通り道が狭くなってしまい、無呼吸になってしまう症状であり、睡眠障害を引き起こす代表的な疾患です。

■注意力、記憶力、実行機能が低下

一方で、アルツハイマー型認知症は、脳にβアミロイドという物質がたまることで引き起こされると言われています。
OSA患者は、夜間に断続的に酸素不足に陥ることで、髄液中のβアミロイドの値が低下し、乳酸値が増加します。
これは、記憶障害との相関性があることがわかっています。
しかし、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)という治療を受けることで、このような相関性が無くなることもわかっています。

さらに高齢者ほどOSAになりやすく、放置すると認知機能が低下します。
すると、認知症の手前である、SCD(主観的認知機能低下)患者の場合、症状がさらに悪化することも明らかになっています。

これらのことから、睡眠障害は認知機能を衰えさせ、認知症の手前の状態としての「老害脳」を引き起こしかねないことが理解できます。

中年期にはOSAがしばしば注意力や記憶力、実行機能を低下させます。そして、CPAP療法はその改善に役立つのです。

■40〜50代の日本人の約4割が睡眠不足

厚生労働省は、「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」(2024年2月)の中で、「睡眠は、こども、成人、高齢者のいずれの年代においても健康増進・維持に不可欠な休養活動である。

睡眠不足は、日中の眠気や疲労に加え、頭痛等の心身愁訴の増加、情動不安定、注意力や判断力の低下に関連する作業効率の低下・学業成績の低下等、多岐にわたる影響を及ぼし、事故等の重大な結果を招く場合もある」と指摘しています。

さらに厚生労働省の「令和元年の国民健康・栄養調査結果の概要」(2019年5月)によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の者の割合は、男性37.5%、女性40.6%であり、性・年齢階級別にみると、男性の30〜50歳代、女性の40〜50歳代では4割以上を占めており、先ほどの「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」ではこれを取り上げ、「国民一人ひとりの十分な睡眠の確保は重要な健康課題となっている」と述べています。

すなわち、日本の40〜50代の約4割が睡眠不足であり、それが「老害脳」や「認知症脳」の積極的な進行に影響を与えていると考えられます。

■睡眠時間を削ったことは最大級の失敗だった

このガイドラインでは、現状を少しでも改善させるべく「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」と目標値を設定しています。
しかし、この6時間以上は、脳と体の健康にとって、デッドラインであって、目標睡眠時間ではないのです。

国際的な睡眠時間の目標値は、7時間半から8時間台です。
平均睡眠時間が6時間を切ると、生活習慣病など、健康が明らかに脅かされることが医学的にはっきりしています。

かつて、私も「体が持てば、睡眠時間を減らしてもよい」という認識でいました。しかし、これは我が人生の大きな誤りで、最大級の失敗だと今は自覚しています。

60歳になり、1カ月間の平均睡眠時間を2時間以上のばして、現在は日々8時間以上の睡眠時間を保っています。

20代から40年間、苦闘してきた午後の眠気は、平均睡眠時間が7時間を超えても解消されませんでしたが、平均睡眠時間が8時間を超えると全く眠気の症状が消えたのです。
人生で脳の調子が一番良いときが、60歳にやってくるとは夢にも思いませんでした。

明らかに50代より60歳になってからのほうが、脳の働きがよくなり、生きている実感が強いのです。「睡眠時間は4時間で大丈夫」という誤った思考の方は絶対に改めたほうがよいでしょう。

■「良質な8時間睡眠」がとても重要

また、ノンレム睡眠で深く眠ることで、βアミロイドの排出が促進されたり、記憶の定着が促されるとされています。
最近の研究では、自己申告による睡眠時間の短さはβアミロイド値の高さと関連することが示されています。

さらに、レム睡眠中のOSAが重症であるほど、言語記憶が阻害される結果も出ています。睡眠時間が短くなると、睡眠の後半に起こりやすいレム睡眠が短くなります。質の高いレム睡眠を取ることで言語記憶が良くなることを裏づけています。

このように、無呼吸のない良質な8時間睡眠を取ることは、「老害脳」予防には重要な生活習慣になるのです。

また、私は、メラトニンという物質が「老害脳」予防の一役を担うと考えています。

メラトニンという物質には、抗老化作用があるほか、抗炎症作用、鉄キレート作用、抗酸化作用、アンジオテンシンII拮抗作用、時計遺伝子制御作用などがあると知られており、私もときどき、海外旅行中の時差ボケを改善するために愛用していますが、くずれた睡眠リズムを整え、8時間睡眠により近づけてくれます。

中年期の人が、日々忙しく働きながらも脳を若々しく保ち、自身の「老害脳」化を防いでいくには、質の高い睡眠や休養は必要不可欠なのです。

働く人の健康にも関わってきますし、組織内における「老害脳」のまん延を防ぐためにも、これらのことは、組織の人事部門や経営者なども十分に理解しておく必要があります。

■小さな会社こそ「老害」と向き合うべき

もしこの本をお読みの方が中小企業の経営者や幹部だった場合、社内において「老害」を防ぐことのメリット、あるいは放置しておくことの危険性は、大企業よりも大きいと認識していたほうがよいでしょう。

同じ「老害」加害者から、同じ状況で繰り返し継続して被害を受けている人は、格段にうつを発症しやすくなります。

産業医の一人として強調しておくのですが、この問題、実は全国のあらゆる職場で起きています。高ストレスを原因とした労働者の自殺は、警察庁の資料「令和5年中における自殺の状況」(2024年3月)によると、年間約6千人程もいるとも言われています。

■配置転換してもあまり効果がない

彼らはもともと能力も高く、大きな問題を抱えていなかったのに、ある企業、あるいは部署にたまたま巡り会ったことが残念な結果に結びついたわけです。
これからを担う若い方たちが、こんなにも苦しんでいるということをまず知っておいていただきたいと思います。

そして、私が知る限り、会社がそうした事案に直面した中でも、その対応は「何もしない」「休ませる」「配置転換する」の3タイプに分かれます。
特に、状況をある程度把握しているのに「何もしない」というのは最悪で、今後こうした無関心さに対しては、いっそう法律的な責任を問われる流れになっていくでしょう。

問題は残りの2つです。「休ませる」、つまり休職はひとまず正しい判断であることが多いのですが、中小企業の場合、「配置転換」をして加害者と被害者の引き離しができない、つまり、規模が小さいために、完全にストレスから遠ざけるような対応を人事的に取りにくいことから、せっかく一度回復しても、再び同じ状況になってしまうリスクがあるわけです。

■「老害」化の予防が会社の成長に直結する

したがって、そうした中小企業経営者、幹部社員の場合は、細かく配慮をしていく必要があります。
意思決定のプロセスや指示の系統、直接的に組む人を変えるなど、工夫をしなければ、再発を招く確率が高くなってしまいます。

お断りしておくと、大企業であれば「老害」が起こりにくいというわけでは決してありません。
ただ、大企業では比較的メンタルヘルスの維持に対して予算も人材も確保しています。

また過去に同様のケースを経験しているため、ある意味過重労働やパワハラなどと同様、「老害」の加害(と認識しているかどうかは別ですが)に対してもシステム的に、組織的に対処できる余裕とノウハウがあることが多いと考えられます。

一方で中小企業では、こうした問題が発生した場合も、余裕がないため、片手間で対処しなければならなくなります。

中小企業こそ、過重労働や各種のハラスメントを減らし、経営者や幹部の「老害」化を防ぐことが、実は成長に直結していると言えるでしょう。
シンプルに考えれば、少人数、小規模だからこそ、みんなが楽しくまとまって働ける企業は魅力的だということでもあります。

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加藤 俊徳(かとう・としのり)
脳内科医
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2024年11月16日

「不便」の中から「益」を見いだそう…それが、やりがいにつながる【科学が証明!ストレス解消法】

「不便」の中から「益」を見いだそう…それが、やりがいにつながる【科学が証明!ストレス解消法】
11/15(金) 日刊ゲンダイDIGITAL

【科学が証明!ストレス解消法】

「不便益」という考え方があります。
京都先端科学大学の川上浩司教授らによって提唱されている「不便だからこそ得られる益」があるという考え方です。

 川上教授は、セル生産方式という工業製品の組み立て手法を研究している方ですが、セル生産方式では、作業員が1台の自動車を1人で組み立てる方法を採用しています。
効率的な作業とは対極にある方法ですから、皆さんは、「そんなことをして何になるの?」と思われるかもしれません。

 しかし、セル生産方式の作業員は、この方法によってやりがいを感じ、スキルアップを実感しているといいます。
不便な手法を採用するからこそ、モチベーションの向上やスキルの向上というメリットが得られているというわけです。

 私たちは、つい効率の良さや最適解を求めがちです。
しかし、それを求めるがあまり、悩み、躊躇し、疲弊します。
であれば、「最適解でなくてもいい」というマインドを持つことができれば、もっと気持ちが楽になるはずです。

 そうした考え方の添え木となるのが、不便の中に益を見いだすことができる「不便益」という考え方です。
当初は、間違った選択だったと感じていたことも、その後の自分の行動次第では、「結果的に良い判断だった」と思うことができます。

 例えば、「友人との旅行先でレンタカーを借りたものの、カーナビが壊れていた」という出来事に遭遇したとしましょう。
そのとき、「不便過ぎてムカついた。口コミサイトで悪いレビューを付けてやる」と怒ってイライラするよりも、「あれこれみんなと道の相談をしながらドライブできて楽しかった。
こんな体験はナビが壊れていたからだ」と感じるのとでは、まったく異なります。
不便の中でも益を見いだした後者は、同じシチュエーションでも、受け取る感覚や頭の中に残る景色が変わるのです。

「不便益」は、単に過去のノスタルジーを求めるものではなく、不便さを通じて得られる新しい視点や可能性を探ることに意義があります。
シチュエーションが、「正」よりも「負」に傾いているような状況でも、その中から益を見つけることができる人は、どんな選択をしても楽しめる。
想像していたよりも道のりが遠かった険しい旅が、「苦行」になるか「珍道中」になるかは、あなた次第だということです。

 想像してください。
苦しい運動をしているときと、友人とわいわい楽しい運動をしているときを。
前者は、面白くなく疲れが一気にたまるような感覚を覚えますが、後者は疲れを忘れるくらい楽しいはずです。

 考え方も同じです。
益を見いだせない考え方は苦しく、疲労を感じます。
しかし、益を感じられるような考え方であれば、脳は好意的に働きます。
たとえ“間違った判断”だったとしても、小さな益を見つけることができれば、ズルズルと引きずられずにすみます。

 それこそが、最適解や効率を求めがちな現代社会において、自らに負荷をかけない賢い考え方と言えるのです。

(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)
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2024年11月17日

「陰謀論」にハマる人が後を絶たない根本原因

「陰謀論」にハマる人が後を絶たない根本原因
2024年11月16日 東洋経済オンライン

孤独死や陰謀論が社会問題化している。
その背後にあるのが、日本社会で深刻化する個人の孤立だ。
『週刊東洋経済』11月16日号の第1特集は「超・孤独社会」だ。
身元保証ビジネスや熟年離婚、反ワク団体など、孤独が生み出す諸問題について、実例を交えながら掘り下げていく。

   世界は影の政府ディープステートに操られている──。
こんな荒唐無稽な話が、まことしやかに語られるようになった。何が起きているのか。
陰謀論を研究してきた大阪経済大学の秦正樹准教授に聞いた。

Q 陰謀論とは何でしょうか。

ある事件や出来事について、通説とは別に、策謀や謀略によるものであると解釈する考え方だ。
普通の人は決して触れることができない秘密のたくらみによって政治的、社会的決定がなされている、と考えることをいう。

陰謀論は2010年代以降、世界各国を揺るがすようになった。
アメリカでドナルド・トランプ大統領が誕生したり、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起きたりと、大きな社会変動が起きるたびに陰謀論が生まれ、はびこる。

コロナワクチン接種が始まったときには「(マイクロソフト創業者の)ビル・ゲイツが、ワクチンにマイクロチップを埋め込んで人々の行動を捕捉しようとしている」といった陰謀論が広がった。

ソーシャルメディアで広がる陰謀論陰謀論は伝統メディアではなく、インターネット上のソーシャルメディアで広がる傾向がある。
ソーシャルメディア上だけなら実社会に大きな影響は出ないが、現実社会に悪い形で表れたのが2021年1月のアメリカ連邦議会襲撃事件だろう。
暴動を起こしたのは前年の大統領選挙を「不正選挙」と唱えるトランプの支持者たちで、その首謀者の一群は「Qアノン」と呼ばれる陰謀論を鵜呑みにしていた。

Qアノンは、2018年ごろからネット上で台頭した陰謀論の総称で、最大の特徴は「ディープステート(DS)」と呼ばれる闇の秘密結社が世界を裏で操っていると主張する点にある。
DSはバラク・オバマ元大統領やヒラリー・クリントンといった民主党の政治家やリベラル系著名人らで構成されているという。
DSメンバーには悪魔崇拝者や小児性愛者があまたおり、一般人の見えないところで幼児の人身売買に関わっているという。

Q 信じているのはごく一部の人では?

一般人にとっては荒唐無稽だが、笑って片付けるわけにもいかない。

2020年に英大手調査会社YouGovがアメリカの成人1640人を対象に実施した調査によると、先述した「マイクロチップ陰謀論」について、共和党員の44%もの人が「その説は正しい」と回答していた。

Qアノンも、2018年ごろまでは一部の強固なトランプ支持者の内輪話だったが、大統領選挙を通じ、わずか数年で全米の多くのトランプ支持者に浸透していった。

陰謀論は検証するのが難しい

Q 陰謀論はフェイクニュースとは違うのですか。

人や社会を混乱させる点では、陰謀論とフェイクニュースは共通している。
「コロナワクチンは不妊症を起こす」という情報が少なからぬ人々を不安に陥れたように。

両者の違いは「検証可能性」だと考えている。ワクチン不妊説は専門家やメディアの検証によってフェイクニュースと示された。

しかし陰謀論は、検証するのが難しい。存在するかどうかもわからない影の政府にインタビューをして記事にするのは不可能だ。

Q 日本でも陰謀論者は増えていますか。

日本では陰謀論に端を発する暴力事件は今のところ起きていない。

しかし、「在日コリアンが日本を裏で支配している」といった陰謀論は、「ネット右翼」の間で今でも繰り返されている。
「安倍晋三元首相を撃ったのは山上徹也ではない。真犯人はほかにいる」という陰謀論を主張する者も少なくない。

左派・リベラルや反米志向でも陰謀論に陥る人はいる
例えば日米地位協定の運用について日米実務家トップが協議をする日米合同委員会についての議論だ。

日米合同委員会の参加者はごく少数の「政府高官」のみであり、協議の中身は原則非公開。あるジャーナリストは同委員会について「外務省の密室で」「人知れず協議を重ね」「アメリカ軍の特権を維持するために数知れぬ秘密の合意=密約を生み出している」と指摘している。
こうした「秘密裏の政治的合意」といった触れ込みは陰謀論を生み出す格好の材料になりうるので、取扱注意のワードだ。

結論を言えば、日米合同委員会には日米間の新たな合意を決定する権限はないことが通説である。にもかかわらず「密室」「特権」「秘密の合意」といったワードによって、一般人には決して触れることができない秘密の集団のたくらみにより政治的、社会的決定がなされているような印象を与えている。

乖離を埋めるためのストーリー

Q 陰謀論はどういうとき、どういう経緯で生まれますか。

大統領選挙に敗北したトランプが「不正選挙」と主張したり、自民党に選挙で勝てない左派・リベラル勢力が、自民党はさまざまな団体や組織の傀儡(かいらい)になっていると語ったりする事例からもわかるように、陰謀論は目の前で起きている現実を是認できないときに生まれやすい。
「あるべき現実」との乖離が大きいとき、その乖離を埋めるためのストーリーとして陰謀論が生まれ、支持を得ていく。

陰謀論は演繹法的な考え方で組み立てられる。
自分の考えに沿う沿わないにかかわらず、一つひとつの事実を積み上げることで真相に迫っていく帰納法に対し、陰謀論は望ましい結論が先にあり、その結論に合うような理屈だけを抜き出して組み上げる。

「安倍元首相は闇の組織に暗殺された」という結論が最初にあり、ここに向かって「警備が不自然に薄かった」「銃創の位置に不審な点がある」「手製の銃で人を撃てるわけがない」といった、答えに合う理屈だけが組み上げられ、そうでない証拠や論理については「当局は事実を隠蔽している」と考えて、陰謀論思考はどんどん加速していく。

Q 陰謀論に陥りやすいのはどういう人?

政治や社会のあり方に強い関心を持っている人ほど陥りやすい傾向がある。
寝ても覚めてもそればかり考えているような人は黄信号だ。
とはいえ政治や社会に関心を持つことはとても重要。
日常の対面でのコミュニケーションを大切にしながら、「ほどほどに」という加減が大事だ。

Q 陰謀論を信じ込むとどんな支障がある? 離脱させる手だては?

陰謀論は、単にその人の評価を低下させるだけでなく、家族や友人など身近な人々との関係まで断ち切るケースが多々ある。
早期に離脱させてあげたいところだが、一度その沼にハマると、その思考から離脱することは難しい。
陰謀論は「思考」ではなく「信念」となるからだ。
思考は変えられるが、信念はなかなか変えられない。

対極にあるのは常識や規範

Q 陰謀論に陥らないためにできることは?

日々の仕事が順調で、家族や友人と良好な関係を構築できている人ほど陰謀論には陥りにくいという研究結果がある。

オスロ大学のビェルヴィアチョネクらの研究によれば、ノルウェー人約2000人を対象に約30年間にわたって追跡調査を行った結果、友人が少なく孤立し、中・長期的に孤独感を覚えている人ほど陰謀論を信じる傾向にあることが明らかになっている。

陰謀論の対極にあるのは、常識や規範だ。
私もかつては「ネット右翼」で、マスメディアの情報をすべて疑い、ネットの情報ばかり信じている時期があった。
しかし、親身な友人たちから「何を信じるかは自由だが、社会常識は持ってくれ」と諭され、数年かかってようやく自分のおかしさに気づけた。

今では大学で多くの学生に講義をしなければならないし、仕事上、意見の違う人ともうまくやっていかなければならない。
日常を円滑に過ごすためには、どこかで現実と折り合いをつけ、周囲とすり合わせながらやっていくしかない。
「常識」とは違う意見で社会を変えられるのは、傑出した才能を持つ人だけであることを知るべきだ。

(聞き手:野中大樹、井艸恵美)
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2024年11月18日

意外と気づかない、裕福な家庭と低所得家庭の「体験格差」は何が問題なのかという「重大な論点」

意外と気づかない、裕福な家庭と低所得家庭の「体験格差」は何が問題なのかという「重大な論点」
11/17(日) 現代ビジネス

習い事や家族旅行は贅沢?子どもたちから何が奪われているのか?
低所得家庭の子どもの約3人に1人が「体験ゼロ」、人気の水泳と音楽で生じる格差、近所のお祭りにすら格差がある……いまの日本社会にはどのような「体験格差」の現実があり、解消するために何ができるのか。
発売たちまち6刷が決まった話題書『体験格差』では、日本初の全国調査からこの社会で連鎖する「もうひとつの貧困」の実態に迫る。

*本記事は今井悠介『体験格差』から抜粋・再編集したものです。


第一部では、全国2000人以上の小学生の子どもをもつ保護者を対象に実施した調査の結果をもとにしながら、日本における子どもの「体験格差」の実態を描く。以下のような問いを立てながら、現状を見ていこう。

・親の経済状況と子どもの体験にはどのような関係があるか「お金」と体験格差


・スポーツや文化芸術など、主に放課後に行われる習い事やクラブ活動ではどのような格差が生じているか【「放課後」の体験格差


・自然体験や旅行など、主に週末や長期休みに行われるレジャーや活動ではどのような格差が生じているか【「休日」の体験格差】


・都市部と地方とでは、子どもの体験の状況にどんな違いがあるか【「地域」と体験格差


・親の子ども時代の体験のあり方と、その子どもの体験のあり方には、どんな関係があるか【「親」の体験格差


「体験」がなぜ重要なのか

そもそもの前提として、なぜ「体験」が子どもたちにとって重要なのだろうか。
言い換えれば、「体験」にはどんな価値があるのだろうか。

まず、「体験」は往々にして楽しいものだ。
海は楽しい。動物園は楽しい。サッカーは楽しい。絵を描くのは楽しい。旅行に行くのも楽しい。

もちろん、プールで泳ぐのが楽しくない子どもはいるし、ピアノの練習が楽しくない子どももいる。
すべての「体験」が、すべての子どもにとって楽しく感じられるわけではない。
だが、それぞれの子どもにとって楽しいと感じられる「体験」が、一つはきっと存在するだろう。

さらに、「体験」の価値はその時々の楽しさだけではない。
例えば、「体験」は子どもの社会情動的スキル(非認知能力)にも関係するとされている。
つまり、子どもたちへの短期的な影響(楽しさ)だけでなく、かれらの将来に対する長期的な影響もある。

だからこそ、その格差を放置しておけないわけだ。
たまたま裕福な家庭に生まれた子どもたちばかりが様々な「体験」の機会を得られ、それによって大人になってからの収入などの格差が再生産されているとすれば、とてもフェアな社会とは言えないだろう。


沖縄県で長く子ども・若者の貧困問題に取り組み、不登校状態の子どもたちを支援している金城隆一さん(NPO法人ちゅらゆい代表理事)は、様々な困難を抱える子どもたちを連れて北海道へ旅行に行ったときのことを次のように語る。

子どもたちにとって初めての旅行でした。
でも、子どもたちは北海道の現地に着いても、沖縄の地元にあるようなアニメショップやゲームセンターなど、普段の生活とまったく同じことをやりたがる。
食べ物も全国チェーンの寿司屋に行きたいと言う。
これまで色んなことを体験したことがないから、「北海道に来たらこれをやってみたい」とか、そういう選択肢がそもそも頭に思い浮かばない。
貧困とは「選択肢がない」ということです。
私は、子どもの貧困問題の中心にあるのが、体験格差だと思っています。

何かを一度もやったことがなければ、それが好きか嫌いかもわからない。
何かを一度も食べたことがなければ、それが好きか嫌いかもわからない。
どこかに一度も行ったことがなければ、その場所が好きか嫌いかもわからない。

子どもたちにとっての想像力の幅、人間にとっての選択肢の幅は、大なり小なり過去の「体験」の影響を受けている。
貧困状態にある子どもたちは、「過去にやってみたことがあること」の幅が狭くなりがちだ。
そして、そのために「将来にやってみたいと思うこと」の幅も狭まってしまいがちなのだ。

体験格差とは、今を生きる子どもたちにとっての楽しさや充実感の問題でもあり、将来の人生の広がりに関わるより長期的な問題でもある。
そのどちらも極めて重要だ。
そうであるにもかかわらず、子どもたちの「生まれ」によって「体験」の機会に格差があることは、この社会ではあたかも仕方がないことのように捉えられてきてしまったのではないか。

今井 悠介(公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン代表理事)
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2024年11月19日

アメリカによる日本の支配はなぜ続くのか?…日本が近代国家として「信じられない状況」にある理由

アメリカによる日本の支配はなぜ続くのか?…日本が近代国家として「信じられない状況」にある理由
11/16(土) 現代ビジネス

アメリカによる支配はなぜつづくのか?

第二次大戦のあと、日本と同じくアメリカとの軍事同盟のもとで主権を失っていた国々は、そのくびきから脱し、正常な主権国家への道を歩み始めている。
それにもかかわらず、日本の「戦後」だけがいつまでも続く理由とは?

累計15万部を突破したベストセラー『知ってはいけない』の著者が、「戦後日本の“最後の謎”」に挑む!

※本記事は2018年に刊行された矢部宏治『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』から抜粋・編集したものです。

外務省がアメリカとギリギリの交渉をしてくれるはず…

私は1960年(昭和35年)という昭和中期の生まれなのですが、日本が高度経済成長の真っただ中にあった子どものころ、よくこんな言葉を耳にすることがありました。

「政治三流、経済一流、官僚超一流」

つまり、自民党の政治家は汚職ばっかりしてどうしようもないが、とにかく経済はうまく回っている。
その証拠に日本は戦争で負けてから20年ちょっとで、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国になったじゃないか。

もちろんそれは町工場のオヤジから身を起こし、世界的な大企業をつくった松下(幸之助)や本田(宗一郎)といった経営者たちが偉かったからだが、もっと偉いのは官僚たちだ。
霞が関で夜遅くまで煌々と電気をつけ、安い給料で国家のために働く頭のいい彼 らのおかげで、日本はここまでのぼりつめたのだ......。

いまの若い人たちには信じられないかもしれませんが、30年くらい前まで、多くの日本人はそう思っていたのです。

ですから時代が変わり、2009年に自民党政権が崩壊して、その政治的変動のなかで外務省の「密約問題」が大きく浮上したときも、私自身のなかにそうした日本の高級官僚への信頼感というものは、まだ漠然とした形で残っていたような気がします。

なにしろ外務省といえば、財務省(旧大蔵省)と双璧をなす日本最高のエリート官庁だ。
いま大きな疑惑として報じられている日米間の「密約」も、おそらくは存在したのだろう。

けれども外務省の中枢には、そうした複雑な問題を全部わかっている本当のエリートたちがいて、国家の行方にまちがいがないよう、アメリカとそれなりにギリギリの交渉をしてくれているはずだ......。

その後、自分自身が密約問題を調べるようになってからも、まだかなり長いあいだ、
私はそう思っていたのです。

アメリカとの密約をコントロールできていない外務省

けれども残念なことに、現実はまったくそうではなかったのです。

現在、日本の外務官僚たちは、戦後アメリカとのあいだで結んできたさまざまな軍事上の密約を、歴史的に検証し、正しくコントロールすることがまったくできなくなっている。

というのも、過去半世紀以上にわたって外務省は、そうした無数の秘密の取り決めについて、その存在や効力を否定しつづけ、体系的な記録や保管、分析、継承といった作業をほとんどしてこなかったからです。

そのため、とくに2001年以降の外務省は、「日米密約」というこの国家的な大問題について、資料を破棄して隠蔽し、ただアメリカの方針に従うことしかできないという、まさに末期的な状況になっているのです(*1)。

私が「戦後史の謎」を調べるようになってから知ったさまざまな事実のなかでも、この無力化した外務省のエリート官僚たちの姿ほど、驚き、また悲しく感じられたものはありませんでした。

昨年から大きな政治スキャンダルとなっている財務省や防衛省の資料改ざん問題や隠蔽問題も、その源流が過去の外務省の日米密約問題への誤った対応にあったことは、疑いの余地がありません。

永遠にウソをつきつづけてもかまわない

あれほど国民から厚い信頼を得ていたはずの日本の高級官僚たちが、いったいなぜ、そんなことになってしまったのか。

もちろん密約は日本だけでなく、どんな国と国との交渉にも存在します。

ただ日米間の密約が異常なのは、アメリカ側はもちろんその記録をきちんと保管しつづけ、日本側が合意内容に反した場合は、すぐに訂正を求めてくる。
また国全体のシステムとしても、外交文書は作成から30年たったら基本的に機密を解除し、国立公文書館に移して公開することが法律(情報公開法:FOIA)で決まっているため(*2)、国務省(日 本でいう外務省)の官僚たちもみな、明白なウソをつくことは絶対にできない。

ところが日本の場合は、
「アメリカとの軍事上の密約については、永遠にその存在を否定してもよい。いくら国会でウソをついても、まったくかまわない」
という原則が、かなり早い時点(1960年代末)で確立してしまったようなのです。

そのため密約の定義や引き継ぎにも一定のルールがなく、結果として、ある内閣の結んだ密約が、次の内閣にはまったく引き継がれないという、近代国家としてまったく信じられない状況が起こってしまう。


(*1)「核密約文書、外務省幹部が破棄指示 元政府高官ら証言」(「朝日新聞」2009年7月10日
(*2)ただし軍関係およびCIA関係の文書や、その文書の関係国(日本など)が反対した場合は、公開されないケースも数多くあります

矢部 宏治
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2024年11月20日

《なぜ批判されるのか》今井絵理子と生稲晃子「大臣政務官の資質」と石破「だらし内閣」の限界

《なぜ批判されるのか》今井絵理子と生稲晃子「大臣政務官の資質」と石破「だらし内閣」の限界
11/17(日) 現代ビジネス

11月13日に発表された第2次石破内閣の副大臣・政務官人事を巡って、波紋が起きている。
元アイドルの今井絵理子参院議員と生稲晃子参院議員が大臣政務官に起用されたからだ。
かねて激しい批判にさらされている彼女たちはなぜ選ばれたのか。
そこには、自民党の人材不足と石破内閣の思惑が見え隠れしていた――。

詰めが甘い「だらし内閣」

11月11日の首班指名選挙で、決選投票を経て第103代首相に選出された石破茂氏。
同日、第2次石破内閣が発足したが、就任以来、石破首相の人気と期待は右肩下がり。

「まず、第1次内閣発足時の記念撮影がひどかった。
石破氏はズボンのすそがだぶつき、中谷元防衛相とともに腹部のシャツもチラ見え。
村上誠一郎総務相にいたっては、正面を見ていないように見えるなど、野暮ったい印象に映った閣僚が多かった。
そのため、ネット上では「だらし内閣」とも揶揄されていました」(全国紙政治部記者)

そうした批判を受け止めたのか、第2次石破内閣発足の記念撮影では石破首相のモーニングのボタン位置が曲がっていたとはいえ、まだマシに。
だが、「詰めの甘さ」には落胆の声も聞こえてくる。

SNSで相次ぐ辛辣な意見

「首班指名の選挙中、石破首相が目を閉じてうつむいている姿が中継されました。
隣に座る林芳正官房長官もどことなく心配げな表情を向けており、居眠り疑惑が指摘されています。
風邪薬の服用だと説明がありましたが、健康問題が原因ではないかといった憶測もされていました」(前出の政治部記者、以下「」も)

どこか不安を拭えない石破内閣がさらに顰蹙を買ったのが、13日に決定した副総裁・政務官の人事だ。

「今回の人事では外務大臣政務官に生稲晃子参院議員、内閣府兼復興大臣政務官に今井絵理子参院議員を起用したことです。
今井氏は2019年の第4次安倍第2次改造内閣に続き2回目の抜擢となります。
ただ、この人事に国民は呆れており、SNSなどでは辛辣な意見が相次いでいます」

「いわくつき」な2人の元アイドル議員の起用は、どのような意図があってのことなのか。

いわゆる「裏金議員」を起用しないことで人選が狭まった背景はあるだろう。
それ以上に、「自民党の人材不足と石破首相の人望のなさが浮き彫りとなった結果でしょう」と指摘するのは、ジャーナリストの千葉春子氏だ。

「これまで『自民党内野党』だった石破首相は、党内人脈が心もとなく、引き受け手も限られていた。世間から批判されるのがわかっていても、起用するほかなかったんです」

政務官になって300万円年収がアップ

政務官は大臣、副大臣に次ぐポスト。
衆院は当選1~2回、参院は当選1回で任命されるのが慣例。
若手議員が起用されるのは、なにも特別なことではない。

「表立って何かするワケではないので、『名前だけでも務まるポジション』と言われることも。
そういう意味では実力が足りないとしても、知名度のある若手議員を起用するポストとしてはちょうどいい。
とはいえ、元官僚だったり、専門職で経験がある若手議員であれば基礎知識もあり、官僚とも対等にやり合えます。
不勉強な議員には荷が重いでしょう」(前出の千葉氏、以下「」も)

政務官ともなれば、国会で野党から答弁を求められることもある。
その場でとんちんかんな発言すれば、「ほらみたことか」とさらなる批判にさらされる結果となる。
スキャンダルなど、もってのほか。つまり政務官の不勉強さと醜聞は石破政権の足を引っ張ることになるのだ。

「とはいえ、今井氏と生稲氏の起用は、石破内閣にとって“うまみ”もある。
二人とも故・安倍晋三元首相の後ろ盾が強かった。
これまで我が世の春を謳歌していた旧安倍派もいまや党内5番手の勢力に成り下がっている。
衰退した旧安倍派に恩を売る、という思惑もあったようです」

さらに千葉氏によると、「家族を養う彼女たちにとってはおいしい話でもある」という。

「参院の議員歳費は年間約2120万円ですが、政務官の場合、年間給与は約2424万円となり、およそ300万円アップすることになります」

300万円といえば、一般企業の大学新卒者の平均年収相当の金額だ。
どれだけ批判を受けようとも、背に腹は代えられない。
安定した収入を得るためにも、議員を辞めるわけにはいかない事情もあるようだ。

なぜ彼女はここまで批判されるのか

炎上した今井氏のポスト(Xより)

両者のうち、とりわけ批判が集まったのが今井氏だ。
2016年に初当選するも、“ハシケン”こと元神戸市議の橋本健氏との手つなぎ不倫スキャンダルを筆頭に、たびたび炎上を繰り返している。

つい最近も、衆院解散と投票を呼び掛けるX(旧Twitter)の投稿や、国会内とおぼしき室内で撮影されたイメージカット風の写真もやり玉に挙がっていたが、ここまで批判されるケースはなかなかないだろう。

現代ビジネス編集部

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2024.11.17
《研修報告書はどうなった?》大臣政務官・今井絵理子と生稲晃子への批判の根本にある、いまだ抜けない「芸能人気質」
現代ビジネス編集部

11月13日に発表された第2次石破内閣の副大臣・政務官人事を巡って、波紋が起きている。
元アイドルの今井絵理子参院議員と生稲晃子参院議員が大臣政務官に起用されたからだ。
かねて激しい批判にさらされてきた彼女たちはなぜ選ばれたのか。

前編記事『《なぜ批判されるのか》今井絵理子と生稲晃子「大臣政務官の資質」と、石破「だらし内閣」の限界』に引き続き、その理由について報じる。

いまも抜けない芸能人気質

衆参合わせて713人の国会議員の中で、国民からの風当たりが強い傾向にあるのが、元アイドルやタレント出身の代議士たちだ。
とりわけ参議院議員の今井絵理子氏と生稲晃子氏には厳しい目が向けられていた。

そんな彼女たちを大臣政務官に起用したことで、石破内閣に対して国民から厳しい声が寄せられている。

今井氏は第4次安倍第2次改造内閣でも大臣政務官を務めており、今回2度目の起用となる。

そんな今井氏の言動はこれまで炎上傾向にあり、批判も相次いでいた。

ジャーナリストの千葉春子氏はその理由ついて、次のように説明する。

「いつまでも芸能人気質が抜けないところと、勉強不足な点が彼女の問題です。

お子さんに聴覚障がいがあり、たしかに障がい児者への支援や手話推進などの取り組みは積極的に行っているようです。

日本の聴覚障がい者の手話普及率は65歳未満で25%、65歳以上になると4.3%。特に中途失聴や加齢による難聴の場合、手話を覚えることはかなり大変です。

日頃から発言時には手話を使っているようですが、今後は手話ができない聴覚障がい者のことも課題といえるでしょう」

今井氏は今年3月の参院予算委員会で、手話を交えて質疑応答したことが話題を呼んだ。
3つの質疑は手話を交えて答弁したのだが、4つ目以降からは手話はなく、それどころか口調も早く、聴覚障がい者への配慮が感じられなかった。

研修報告書はどうなった?

「手話を交えた答弁は前半の10分ほど。後半12分は手話もなく、早口でした。
真に聴覚障がい者を思うなら、まず口の形がわかるよう、ゆっくりと話すべきではないでしょうか。
今井氏はマスクを着用して、手話を使うこともありますが、それだと伝わりにくい。
せめて口元が見えるタイプのマスクを使っては?

聴覚障がいの有無にかかわらず、ゆっくり話す、答弁の内容を要約筆記し画面に映すのは、誰にとってもわかりやすいもの。
それらを取り入ればいいのに、やらない今井氏は、福祉的な観点から手話を使っているというよりも、パフォーマンスのように見えます。
そうしたところに今井氏の『不勉強』ぶりが感じられ、批判の対象となっているのかもしれません」

さらに千葉氏は、「昨年7月に訪れたベトナム、自民党女性局のフランス海外研修、この2つ成果報告書について1年以上発表されていないことも、事態を悪化させている」と指摘する。

今井氏は以前、海外研修について、自身のFacebookで次のように持論を展開していた。

《海外研修に対して、「公金を使って無駄だ」という指摘もありますが、無駄な外遊ではありません。
旅費についても党の活動ですから党からの支出と、参加者の相応の自己負担によって賄われています。

先のベトナム訪問についていえば税金を原資としたお金は1円も支出していません。
逆に、公費で旅費が賄われる委員会視察など、公務での外遊ももちろんあります。

さきの訪越、この度の訪仏はとても実りあるものでした。
これからも様々な国の方々との交流を積極的に行っていきたいと思います。また追って活動報告します!》(今井氏のFacebook2023年7月30日の投稿より抜粋)

批判を受ける根本原因

この時の海外研修について、「党の活動費や自己負担で税金は使っていない」と主張していた今井氏。
とはいえ、各政党に交付されている政党交付金も、国会議員の歳費も国民から徴収された税金で賄われている。

いくら党の委員会などの活動だとしても、国会議員として税金で海外に赴くのだから、その報告をするのが筋ではないか。
もし報告できないなら、その理由を速やかに伝えるべきだろう。

また今年5月には、体調不良で1ヵ月国会を“欠席”。これについては今井氏と交際中の”ハシケン”こと橋本健氏との喧嘩が原因だったようだと「週刊現代2024年6月8日・15日合併号」は報じている。

国会議員としての今井氏に批判が集まる理由はそれだけではない。
代議士としての資質に対しても疑問の目が向けられている。

「国会白書によると、今井氏が単独での議員立法提出はゼロ。
議員として目立った成果は出していません。
むしろ炎上で注目されることのほうが多いくらいではないでしょうか。

そもそも不倫、略奪した相手を秘書として雇い、事務所に出入りさせていることが問題ではないでしょうか。
すべてにおいて中途半端な点が、今井氏が批判される根本原因なのです」

候補者アンケートで無回答を連発した過去

もう一人、批判の渦中にいるのが、2022年7月の参院選で初当選した生稲晃子氏だ。

千葉氏は生稲氏について、「政務官として、官僚やほかの議員と議論できるほどに勉強が足りているわけではない」と指摘する。

まだ1年生議員の生稲氏だが……(生稲氏のホームページより)まだ1年生議員の生稲氏だが……(生稲氏のホームページより)

「生稲氏は乳がんを患い、その経験から議員を目指した。
そのため医療や介護、子育てなどを中心に訴えてきました。
どちらかと言えば厚労大臣政務官のほうが合っているのですが、何人もの医療関係者がいる中でそのポストを得るのは難しい。外交問題にも関心があるようですが、どれほどの知見があるのか未知数です」

生稲氏には、今井氏に負けないほど世間をあきれさせた過去がある。

「初出馬した選挙の時のことです。彼女はNHKの候補者アンケートで『無回答』を連発しました。
選挙特番などでも『不勉強』を理由に出演を拒否。
意見を述べたかと思えば、先輩議員の回答を丸パクリしたこともありました。

そのため当時は政治の勉強をしよう、という姿勢が見えませんでした。
知らないことは『知らない』と素直に答え、国民に真摯に向き合う姿勢も見れなかった。
マイナスになることを隠すような芸能人気質はこの2年でどれほど変わり、何を学んだのでしょうか」

政務官ともなれば、その発言や動向の世間の風当たりは一般議員よりもずっと強くなる。スキャンダルは命取りだ。

「特に今井氏の言動は、多少のことでもすぐに炎上します。
もしまた何か炎上すれば石破内閣はさらに窮地に追い込まれるでしょう。
そのため『スピード解任』もあり得ます。
次には先の衆院選で初当選した森下千里氏が控えていますから」

期待大の森下氏だが…

森下氏は2021年の衆院選で落選すると、宮城県石巻市に移住。
毎日のように辻立ちをしたことで「辻立ちクイーン」と呼ばれるほどになった。

地道な努力で地元からの信頼も勝ち取ってきたという。
元グラドルだったことから過去にはその不勉強ぶりも指摘されてきたが、それから数年経った現在、政治家としての期待度は森下氏のほうが上。今井氏や生稲氏に代わることは十分にある。

「今井氏も生稲氏も国民と向き合い、その声を聞き、さらに猛勉強して議員としての質を高めなければならない。芸能人気質はもう卒業です」

代議士としての仕事ぶりが国民に評価されれば、元アイドル議員たちへの見方も変わり、ひょっとすると石破内閣を救う救世主になるかもしれない。

ただ、現状ではこの呆れた人事が石破内閣の「SPEED総辞職」につながらないことを願うばかりだ。
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2024年11月21日

あいまいな問題は小さく分けて考えよう!課題解決がうまくなる「分解思考術」

あいまいな問題は小さく分けて考えよう!課題解決がうまくなる「分解思考術」
11/19(火) ライフハッカー・ジャパン

「いいリーダーになりたい」「もっと売上を上げたい」「人として成長したい」
そんな大きな志はあるのに、うまくいかないのはなぜでしょう。

その思い「小さく分けて考える」ことに実現のカギがあるようです。

今回は『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』(SB Creative)から、大きな志を叶えるための分解思考術を紹介します。

課題解決の第一歩は、曖昧なものを分解すること

「人一倍、努力しているのに報われない」「残業して誰よりも時間をかけているのに結果が出ない」。

そんな悩みを抱えている人は、本書冒頭にある「『頑張っても報われない』のは考え方から間違っている」という言葉に、ドキッとしてしまうはず。

何かに悩まされる人、成長したい人、解像度の上げ方がわからない人。
そしてやりたいことがあるけれど具体的に決められない人には、共通点があります。

課題や、目標や、未来が曖昧なのです。

曖昧なままではダメで、具体化するには曖昧なものを分解しないといけないのです。

(『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』3ページ)

「大きな課題も、小さく分解して考えれば誰でも結果が出せる」という方法、気になりますね。


「できるはずない」が「3年後には」と具体化できる

本書ではまず仕事における分解思考を紹介していますが、今回は「お金に困らず自由に仕事したい」という、かなり漠然な目標への近づき方からふれていきます。

1.「お金に困らず自由に仕事したい」の意味を分解する

困らないお金の金額も、自由さも人それぞれでとても曖昧。
そこで、まずは自分なりの「お金」と「自由」に関係する「時間」「場所」という視点で分解します。

・「お金」……年収1000万円くらいほしい

・「時間」……午前か午後のどちらかは空けたい。残業分を含めた会社員の労働時間の半分程度、月100時間労働が理想

・「場所」……世界中どこでも好きなところで働きたい

すると、年収1000万円で、月100時間労働(もしくは結果を出せばOK)、どこにいてもできる仕事がしたい、ということになります。

(『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』148ページ)

2. 年収1000万円、月100時間労働の仕事について考える

次は年収1000万円を達成する仕事について考えます。
仕事を「本業」と「副業」に分けて考えてみたり、収入の高い職種を洗い出してみたり。

「理想の状態を実現している人はどういう仕事をしているのか」「どうやって儲けているのか」も考える必要がありそうです。

3. 計画実行のロードマップを作成する

どんな働き方をするかに見当をつけたら、どんな人に話を聞くべきか、どんなスキルを身につけるべきかなどの短期的・中長期的な目標を立てて、実現までのロードマップを作成していきます。

はじめは「できるはずない」と目標に掲げるにも及ばないほど漠然とした「お金に困らず自由に仕事したい」という思いが、小さく分けて考えることで「3年で独立開業する」と具体的になり、そのための1年ごとのTO DOリストもできあがっています。

こうして計画を立てる時点で、「漠然と考えるだけの自分」からは大きく変化していることに気づくはずです。

ビジネスでも同様に考えることができます。

大きな目標は分解して、達成の手順も考えよう

「売上を上げたい」という課題に対し、悩み続ける人はただ「売上を上げたい」と漠然と考えてしまうのに対し、分解思考のできる人は、「売りたい相手と売り方を仕分けし、どこに改善点があるかを分析しよう」などと、やるべきことを見極めることができます。

「よりよい選択肢を選んで、効率的に価値の高い仕事をするのか」「頑張り続けて、目の前のことから抜けられなくなるのか」。

この差は、「分解して大切なことに取り組むクセがあるか否か」だけです。

(『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』13ページ)

本書では「今期の売上を2倍にせよ」という目標を実現されるための「分解思考」を、さまざまな手法で紹介しているほか、以下のようなケーススタディも紹介しています。

以下のように話を振られた場合、自分だったらどのように考えるかを想像してみてください。まず何から考えますか?

●「今期の売上が目標を下回っているから、あと1カ月でなんとかしてくれる?」(上司より)

●「単価は上げられないので、なんとか購入数を増やそう。どうする?」(eコマースのリーダーより)

●「目標を達成するためのスケジュールを考えよう」(eコマースのリーダーより)

●「たくさんやることがあって優先順位がつけられません。どうすれば?」(新入社員の後輩より)

●サイトのリニューアルを考えたいのだけど、どのお客さんを大事にしようか」(eコマースのリーダーより)

いつもだったら「どうしようどうしよう」と悩むばかりで解決に近づけないという人も、「あと1カ月をどう生かすか」「単価は上げられないけど、できることは」「何を優先順位すべきは…」などと、小さく考えることで目標達成へと進めるのではないでしょうか。


──2023年3月18日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

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2024年11月22日

民主主義に合わない「日本人の国民性」

民主主義に合わない「日本人の国民性」
11/21(木) Meiji.net
塚原 康博(明治大学 情報コミュニケーション学部 教授)

民主主義とは、政策や社会に関する決定にみんなで関わり合う政治体制のことです。
しかし、戦後日本は民主主義の国であるにもかかわらず、自分の気持ちや考え方が、国・自治体の政策にまったく反映されていないと感じることはないでしょうか?
 もしかすると「日本人の国民性」が影響して、日本では民主主義がうまく機能していないのかもしれません。

◇自己主張を抑制し「周りの空気」を読む国民性

私は経済学を中心にとした公共政策の研究に長年取り組んできました。
しかし、経済学の本場であるアメリカの文献から読み取れる理論や分析の手法を日本のデータに当てはめてみても、どこかチグハグな印象が受けることが多々ありました。

研究を始めた当初はデータのとりかたに問題があるのかと考えていたのですが、長く続けていくなかで、そこには「国民性」という要素が関係しているのではないかと考えるに至り、2022年には多角的な考察をまとめた『日本人と日本社会 社会規範からのアプローチ』という本を上梓しました。

グローバル化や情報化の進展もあって、世界の人々の生活様式は標準化の方向に進んでいるように捉えられがちです。
しかし、何を価値基準として重視しているかを考えてみると、やはり国によって社会規範が異なるがゆえに出現する「国民性」の違いが、その国の制度や人々の行動に影響を与えているのは事実だと思います。

たとえば、日本の現在の政治制度は議会制民主主義ですが、一言で民主主義といっても、日本社会に当てはめた場合にうまくいっていない部分があるというのは、昨今の「政治とカネ」の問題や「有権者の政治不信」をみても納得されるでしょう。

たしかに民主主義は、権威主義体制や独裁などと比べれば優秀です。
ただし、それが機能するにはいくつかの必要条件があります。
その問題意識において「日本の民主主義には何が足りないのか」という根本に立ち返って考えてみたいと思います。

まず、民主主義が機能するためには、一人ひとりが平等に政治に参加して、「自分の意見をもち、それを主張すること」が必要です。
異なる意見をもった人の間で議論が戦わされ、議論の末に意見が集約されて、政策が決定されます。

ところが日本では、この大前提がうまくいっていません。
というのも、日本人は周りに受け入れてもらうために、自己主張を抑制しがちだからです。
自己主張は、異なる意見をもつ人との対立や軋轢を生じる可能性があるので、それを避けるために「周りの空気を読む」ように育てられるからかもしれません。

自己主張を控えがちな日本では、議論を戦わせて有益な意見や政策に到達するよりも、周りとの良好な人間関係を維持することが優先されます。
つまり、日本人は自分で考えたり人と議論をすることに慣れていないのです。
そもそも自己主張ができないと、議論を通じてよりより政策をつくったり、妥協点をさぐろうとしても、最初の段階でつまずいてしまいます。

◇総花的な政策が、かえって選挙民への大きな負荷に

一方、日本には四季があり、多くの自然災害を経験してきたため、「感覚」が発達しているとよく指摘されます。
また、日本は周りの国から隔離された島国であり、狭い居住区域に密集して住んでいるため、人間関係に敏感であり、「他の人にどうみられているかが行動基準になっている」ともいわれます。

言い換えれば、自分の生活圏の人間関係が何より重要であり、それ以外では互いに迷惑をかけない相互不可侵の人間関係を構築しています。
つまり、同質性の高い狭い世界で受け入れられることで、安心・安定・安全を得ているのです。

この「同質性の高さ」は、集団行動などでは良い面を発揮しますが、そこに異質なものが入ってくると排他的になるというデメリットがあります。
自分たちと異なる意見を排除してしまうと、理想的な民主主義に必要な意見の多様性は担保できません。

また、排除までいかなくとも、人間関係で荒波を立てず、他人に見られているという圧力を優先して多数派の意見に合わせてしまう傾向もまた「日本人の国民性」です。
ゆえに議論がなかなか深まらないという弱点があります。

民主主義で全会一致にならないときには多数決が行われます。
民主主義が機能して、政策論議が活発になされ、その結果、多数の人がよいと思う意見に集約されれば、不利益を被る人が出たとしても社会を大きく変える政策が採用されることがあります。

しかしながら、日本では政治家も「日本人の国民性」を身に着けており、選挙民に対しては対立や軋轢を避け、腫れ物を扱うように対処しています。
税負担などの耳の痛い話には触れず、給付などの耳障りよい話を強調するのが典型的です。
政治公約も薄く国民全体の利益になるような総花的なものが多くなっていきます。

総花的なのは与党だけでなく野党も同じで、実は大きな枠で見ると政策にそこまで際立った違いはありません。
日本共産党においても、党の綱領では、最終的には社会主義的な変革が掲げているものの、選挙では政治的に中道の福祉国家的な政策を打ち出しています。

一方の諸外国では、成長、分配、環境などのどれか1つに力点を置いた政策を掲げた政党が存在したり、国民の特定の階層の利益を優先する政策を掲げたりする政党が存在しますが、日本政治は国民全体へ配慮する国民性をもっており、政治家はその地位にふさわしい行動が求められるために、どの政党も似たような総花的な政策を掲げがちになると考えられます。

また、政策が総花的な場合には、すべての政策の内容を理解することが難しくなり、これらの政策が果たして実行可能なのか、実行できたとして総合的な帰結がどうなるかを予想することが難しくなります。

総花的な政策についての判断は、選挙民にとって大きな負荷となるのです。
このような場合に、選挙民が選挙に行かなかったり、政策以外の事柄(スキャンダルなど)を目安に投票するのだと思われます。

◇なぜ政治に不満があっても大規模デモが起きないのか?

「国民に忖度する政治」の帰結として、負担を先送りにして、国民全体への利益供与を優先するため、政府のGDPに占める財政赤字は先進国中でも、突出した大ききに達しており、将来世代への多大な借金の先送りが危惧されています。

IMF(国際通貨基金)の「World Economic Outlook」2024年4月によると、GDPに対する一般政府の債務残高の比率は、欧米の主要先進国が概ね100%から120%であるのに対して、日本のそれは、2倍以上の250%を超えています。

負担や変化が必要な場合でも、それは大きな痛みをともなうため、国民がそれを必要であると理解していても、日本人は安心・安定・安全に大きな価値を置くので、国民レベルでそれを徹底することには拒否反応を示します。
政治家はそれを忖度し、大きな負担や変化をともなうような政策を公約にあげず、それが実行されることはありません。

他方で、日本政治では政策以前の事柄が問題となっており、民主主義において重要な政策論議が後退していると言えます。
たとえば、政治資金パーティーで得た収入の一部を政治資金収支報告書に記載せず裏金として使っていたとされる、いわゆる「裏金問題」の解決に多大な時間を要していますが、マスコミ各社の世論調査をみると、政権が示した解決案に国民はあまり納得していません。

ところが、マスコミには「不満がある」と答えているにもかかわらず、現実には政権を脅かすほどの大規模なデモが各地で起きたり、このような状況を一新するような新たな政治勢力の結集が生じているわけではないのです。
その背景にもまた、「本音と建前」を使い分ける「日本人の国民性」が反映されているように思われます。

中根千枝やルース・ベネディクトが指摘しているように、日本社会は、日本独自の上の者が下の者を配慮し、下の者が上の者を慕う「序列社会」「階層社会」であり、社会の各地位に就いた人は多少のブレはあったとしても、その地位にふさわしい役割を果たすものであり、概ね実際もそうしているという信念を日本人はもっています。

このような考え方は、政治家の地位にある人にも適用されるので、日本人の多くは、政治家が決定的におかしなことをするとまでは考えておらず、それが政治家への強すぎない反発を説明していると思われます。

◇「日本の民主主義」を改善させるためには

民主主義が「日本人の国民性」にうまく適合していないなかにあって、これから日本政治はどこへ向かうのでしょうか。

国民全体に配慮するものの、負担や変化は先送りする政策が継続されることの行く末は、政府の財政赤字や債務残高の拡大であり、やがて国債発行を通じた資金調達が困難になると予想されます。

その場合の解決策の1つは、外圧の利用です。
歴史的に日本では、国が大きく変化するときには明治維新や敗戦などの外的要因がありましたが、現代の日本政治の場合もそうなることが予想されます。
具体的には、IMFから融資を受ける条件として、痛みや変化をともなうに経済や財政の健全化政策を受け入れるということです。

ただし、これは日本で民主主義がうまく機能しないことの帰結への対応であって、日本で民主主義がうまく機能しないという根本の問題への解決策ではありません。

では、日本で民主主義が機能するためにはどうすべきか。繰り返し説明しているように、その根には「日本人の国民性」の問題がありますので、急に改善することは難しいでしょう。
周りに配慮し、自己主張を抑制しようとするので民主主義は合わず、普遍的な価値基準をもたず、もっぱら生活圏の中の人間関係の維持に注力する「日本人の国民性」は、政策論議に適合していません。

それでも、民主主義を通じて政策を決定していくしか、ほぼ選択肢はないのです。

改善策のひとつとしては、学校教育によって民主主義の基本をしっかり根付かせることです。
日本では、政治や政党の話は人の価値判断に入り込み、対立や軋轢を生む可能性があるので避けられる傾向にあり、学校教育中でも正面から取り上げられることは少ないです。
この点については、政策を政治や政党とは切り離し、純粋にその政策の意味や効果を学校教育の中で議論することを習慣づけるべきでしょう。

その際に意見の違いは、それを発する人、すなわち人間関係とは分けて考えて、純粋に政策効果のみの観点からの意見であることを認識させる必要があります。
このような教育や習慣を身につけていないと、ただ投票率を上げたとしても、よい政策が選択されるとは限りません。

また「日本人の国民性」を背景とした総花的な政策を打ち出す政治については、選挙でもっと政党(候補者)間の違いが分かりやすく示されれば、選挙民も判断しやすくなるだろうと思われます。
そして、政策の効果を知るには、専門家による政策効果の分析が不可欠です。
この分野の研究を厚くして、政策効果の判断材料となるような分析が多く存在し、選挙民がそれを利用できる状況にあることが必要です。

いずれの改善策も「日本人の国民性」がゆえに実行は容易でありません。
しかし、ここで議論したように、日本における民主主義の問題点やその帰結について考えてみることは、日本の民主主義の改善へ向けた第一歩として大きな意味をもつと私は考えます。

塚原 康博(明治大学 情報コミュニケーション学部 教授)
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2024年11月23日

共産党が「除名」「除籍」を乱発して元党員が怒りの提訴…元幹部は「党内のリーダーシップに問題があることは明らか」と指摘

共産党が「除名」「除籍」を乱発して元党員が怒りの提訴…元幹部は「党内のリーダーシップに問題があることは明らか」と指摘
11/22(金) デイリー新潮

田村智子委員長は「パワハラ根絶」を表明した

 自己批判の強制はパワハラ──。
共産・社会主義に関心のある人なら、隔世の感を覚えるだろう。
読売新聞や産経新聞などは11月13日、日本共産党から除籍された元党福岡県常任委員の神谷貴行氏が党などを相手取り、東京地裁に提訴したと報じた。
神谷氏は党員・党職員としての地位確認と、県委員会からパワハラなどの被害を受けたとして数百万円の損害賠償を求めている。

 近年の共産党は除名や除籍を“乱発”し、多くの人々を呆れさせてきた。
それでも共産党に反省している様子は見られず、それこそ自己批判が足りないのではないかと指摘したくなる。
まずはなぜ神谷氏が除籍されてしまったのか、その原点から経緯を辿ってみよう。

 共産党で要職を歴任してきた松竹伸幸氏が『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)を上梓したのは2023年1月のことだった。

 松竹氏は党改革が急務だとし、党首公選制、自衛隊合憲、日米安保堅持など現実路線の転換を訴えた。
すると共産党は翌2月、「党規約違反」と一方的に除名処分を下してしまったのだ。

 議論さえ許さぬという共産党の高圧的な姿勢を朝日新聞が問題視し、社説「共産党員の除名 国民遠ざける異論封じ」を掲載。
《党のあり方を真剣に考えての問題提起を、一方的に断罪するようなやり方は、異論を許さぬ強権体質としか映るまい》と強く批判した。

 これに共産党は朝日新聞を攻撃するという暴挙に出る。
当時は党委員長だった志位和夫氏が「朝日に指図されるいわれはない」と感情的に反論。
その独善的な発言に呆れる声が続出したのは言うまでもないが、何と志位氏は当初、「産経に指図されるいわれはない」と社名を言い間違えていた。これで失笑も買ってしまう。

きっかけは松竹氏の除名問題

 それでも共産党は除名・除籍処分の乱発を続ける。
実は23年1月には、京都府内で長年、共産党活動に従事し、多くの党員から尊敬を集めていた鈴木元氏が「志位和夫委員長への手紙」(かもがわ出版)を上梓していた。
やはり鈴木氏も著書で党首公選制を主張したため、共産党は3月に除名処分を下した。

 さらに6月にはSNSで「党の閉鎖的で独善的なイメージを打ち破るには綱領を大きく変え、地道に活動するしかない」などと訴えた、兵庫県南あわじ市議だった蛭子智彦氏も除籍した。
蛭子氏は《共産党はどの党よりも民主的と信じてきました。
しかし長い時間党と過ごして信じる心がボロボロと壊れていく苦しみに今あります》と悲痛な叫びを投稿している。

 そして共産党を提訴した神谷貴行氏は、松竹氏の除名に強い疑問を持っていた。担当記者が言う。

「神谷さんは京都大学に在学中、共産党系の全学連委員長を務めました。
その後、党の専従職員として活動してきたほか、『紙屋高雪』のペンネームで漫画評論家としても知られています。
ちなみに2018年、安倍政権の“論点ずらし”を揶揄する『ご飯論法』のネーミングに関わり、その年の新語・流行語大賞に選ばれたこともあります。
そして神谷さんは松竹さんの除名問題に納得できなかったようなのです」

「自己批判」の強要

 神谷氏はサンデー毎日の取材を受け、次のように経緯を説明した(註)。
神谷氏は「松竹氏の処分を見直せ」という意見を共産党の福岡県委員会総会で表明したが、これを県委員会は否決した。

 神谷氏は自身のブログで否決に至る経緯を説明し、「自分の意見は否決されたが、党の決定には従う」と投稿した。
ところが共産党はブログの執筆が「党内での自由な発言、討論を保障した党規約の精神を踏みにじる行為」と一方的に決めつけ、今年8月に除籍を発表したのだ。

「共産党の説明に納得できる人は皆無ではないでしょうか。
党内で自由な発言が許されているのなら、ブログの投稿が問題視されるはずがありません。
むしろ4人のベテラン党員に除名や除籍を乱発するという異常事態から、党内では自由な発言が許されていないことが改めて浮き彫りになったのです」(同・記者)

 除籍に至るプロセスも極めて異常だったと神谷氏は証言している。
共産党は5人や11人という多数で1人の神谷氏を査問し、「謝れ!」などと詰問。
「自己批判」や「ブログ削除」を強要した。神谷氏が党をパワハラで提訴した原因だ。

共産党の退潮は明白

 ちなみに松竹氏も共産党を提訴している。
元参議院議員で共産党のナンバー4にあたる政策委員長を務め、2005年に離党した筆坂秀世氏は「共産党内では神谷さんの除籍を撤回してほしいという意見表明が相次いでいるそうです」と言う。

「私は神谷さんに会ったことはありませんが、人望が厚い人だと聞いています。
福岡県の党員は『神谷さんの除籍は納得できない』と大騒ぎしているそうです。
松竹さんから始まって神谷さんまで、共産党は4人を除名・除籍しました。
いずれも現場で地道な党活動を積み重ね、党員から信頼されてきたという共通点があります。
それを納得できる理由がないにもかかわらず、党から一方的に追い出したわけです。
とてもではありませんが、今の共産党はガバナンスが崩壊していると言わざるを得ません。
公党にあるまじき人事権の濫用であるのは明らかです」

 さらに筆坂氏は、松竹氏や神谷氏が一歩も退かずに撤回を求め、堂々と党を提訴したことに注目する。

「かつて共産党が勢力を維持していた時代に除籍や除名の処分が下ると、元党員は萎縮したものです。
もちろん暴力を振るわれるなどということはありませんでしたが、それでも何となく脅威を感じ、身辺に不安を感じることが珍しくなかった。
松竹さんや神谷氏が撤回を求めて訴訟を起こしたのは、もちろん2人に対する処分に問題があるからですが、共産党が落ち目になっているという点も指摘できると思います」(同・筆坂氏)

志位議長の問題点

 日本共産党中央委員会議長の変遷を見ると、野坂参三、宮本顕治、不破哲三の3氏が歴任した後、今年1月に志位氏が就任した。
筆坂氏は宮本、不破、そして志位の3氏で比較すると、リーダーシップの差が歴然としていると指摘する。

「端的に言って、宮本さんや不破さんの悪口を言う党員はいませんでした。
例えば宮本さんは毀誉褒貶が相半ばする政治家だったとはいえ、戦前の軍部独裁に公然と異を唱え、あの中曽根康弘さんが『敵ながらあっぱれ』と評したことは重要でしょう。
宮本さんも不破さんも党員が喜んでついて行きましたが、志位さんの悪口を言う党員はいっぱいいます。
選挙で負け続けていることから力量に問題があることは明らかですし、党員に対する包容力に欠けているためリーダーシップがなく、誰も付いてきません。
その結果、志位氏は除名や除籍を乱発せざるを得ないというわけです」(同・筆坂氏)

註:〔共産党〕共産党を除籍、解雇された漫画評論家 「パワハラ的に問い詰められ…一方的に排除」と訴え(サンデー毎日:9月15日号)

デイリー新潮編集部

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2024年11月24日

今日から完璧主義を卒業するたった1つの習慣

今日から完璧主義を卒業するたった1つの習慣
11/23(土) ダイヤモンド・オンライン

 同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。

その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。

稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。

その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。

その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」~田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。

本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。

今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

● 【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「2割8割の法則」である。

 【貧す人】成果を出すためには、完璧にやらなければ
【稼ぐ人】成果を出すためには、重要な2割をやらなければ

 【貧す人】は、思ったことの半分も達成できない。その原因は、はっきりしている。
 それは「完璧主義」。

 完璧主義を貫くから、目標の半分くらいしか達成できないのだ。
 だから、まずは、完璧主義を手放す。

 それができないと、継続して成果が上がらず、達成感が得られない。

● 【稼ぐ人】の思考法

 では、「完璧主義」をやめるにはどうしたらいいか?

 「2割8割」で考え、2割の重要なポイントにフォーカスする。
 すると8割の結果が得られる。
 これが「2割8割の法則」。

 2割の重要なことにフォーカスし、8割の結果が出たら、次に行けばいい。

 最初から最後まで完璧主義を貫こうとすると、今の変化の激しい時代はなかなか前に進めない。

 それより自分が理解している2割だけをやり、あとの8割は他人に教えて手伝ってもらう。

 やり抜く喜びを、自分一人で独占するのではなく、まわりと分かち合う。これが重要だ。

● さらに重要な2つのこと

 そして、もう1つ重要なポイントがある。「褒美」と「罰則」だ。

 やり抜くためには、やり抜いたときのご褒美が大切。

 「終わったらパーッと一杯やる」
「ほしかったジーンズを買っちゃおう」
 などでいい。

 ご褒美は確実なインセンティブとなり、大きなやる気につながってくる。

 ところが、これだけだと、はじめにご褒美を買ってしまう人が出てくる。

 「これは、これから頑張るためのご褒美だ」となってしまうと本末転倒だ。


 だから、ご褒美だけではダメで、「罰則」が必要。
 自分を罰することも考えてみよう。

 「できなければ腕立て伏せ100回」でもいい。

 自分なりの罰則を設けると、一生懸命やるようになる。

 このように褒美と罰則、アクセルとブレーキをうまく使い分けると、やり抜く喜びを常に感じられるようになる。

 【貧す人】は、ムダな8割に集中し、重要な2割を捨てる。
【稼ぐ人】は、重要な2割に集中し、ムダな8割は捨てる。

 そうやって、やり抜いた結果、8割の人に喜ばれるのだ。

 (本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)

神田昌典/衣田順一
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2024年11月25日

「人の脳年齢は1日眠らないだけで老化」は"真実"

「人の脳年齢は1日眠らないだけで老化」は"真実"
「神経細胞は一度死んだら戻らない」は実はウソ
西多 昌規 : 早稲田大学教授 早稲田大学睡眠研究所所長 精神科医
2024/11/24  東洋経済オンライン

睡眠不足 疲労
睡眠不足は、脳のいろいろな部分に、さまざまなダメージをもたらします

「寝ても疲れがとれない」「眠りが浅い」など、睡眠に関する悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
今はタイパ、コスパが極端に重視される時代ですが、精神科医で、早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規さんは、「人生で眠っている時間は決して無駄な時間ではない」と断言します。

本稿では、しっかり寝ることがどれほど大事なことなのかについて、西多さんの著書『眠っている間に体の中で何が起こっているか』より一部抜粋、3回にわたって紹介します。

何歳でもニューロンは新生する

赤ちゃんの睡眠時間の半分は、レム睡眠です。
成長にしたがってレム睡眠は減少し、大人では全睡眠時間の20〜25%で落ち着きます。

子どもの頃にレム睡眠が多めに出現することから、レム睡眠は脳の成長に重要なのではないかと、漠然と考えられてきました。

大人になっても脳が成長し続ければいいのですが、残念ながら脳の大きさのピークは、25歳頃です。
その後は、年齢とともに徐々に小さくなっていきます。1日に失われるニューロンは約10万個ともいわれます。

以前は、成人になったらニューロンが減っていく一方で、新しくニューロンが生まれることはないと考えられていました。
しかし現在では、大人になってもニューロンは新しく生まれてくる(神経新生)というデータも多く発表されています。

成人におけるニューロン新生は、海馬で生じます。
海馬は、記憶や学習機能をコントロールする、いわば「記憶の司令塔」のような存在で、日常の出来事や学習して覚えた情報はすべて海馬に送られ、一時的に保存されます。

この海馬でのニューロン新生に関わる興味深い現象が、レム睡眠中に行われていることがわかりました。
海馬の情報伝達は、ニューロンの樹状突起(細胞体から出ている突起)から飛び出す「樹状突起スパイン」という、棘(とげ)の形に似た部分で行われています。

情報のメッセンジャー的役割の樹状突起スパインは、レム睡眠のときだけ形成されます。
そして、樹状突起スパインを除去したり、必要な樹状突起スパインだけ残したりする、樹状突起を整理する機能も、レム睡眠中に行われていることがわかりました。

この樹状突起スパインが新しくつくられたり、逆になくなったりするのは、脳の発達や記憶の整理強化にとって大切です。
レム睡眠がこの記憶の固定プロセスに重要であることは、細胞レベルで明らかになったわけです。

睡眠不足は、脳のいろいろな部分に、さまざまなダメージをもたらします。たとえば、

・ニューロンがぎっしり詰まっている灰白質(かいはくしつ)の体積減少

・神経線維が密に通っている白質の広範囲にわたる(良くない)変化

・大脳皮質の広範囲にわたるニューロンの(よくない)変化

・脳室の拡大(=脳の萎縮)

など、ニューロンやグリア細胞を含めて、睡眠不足は、脳の細胞にはロクなことがないようです。

これらの研究は、脳MRIを研究者が多大なエネルギーを傾けて解析したものです。
MRI画像の解析なんて脳科学者にしかわからない、と思われるかもしれませんが、もしかしたらわたしたち自身が、自分の脳の老化を可視化できるようになるかもしれません。

睡眠不足で脳は老化する

「新しいものを覚えられない」「人の名前が出てこない」「とにかく話が長い」「すぐにカッとしてしまう」

これらの特徴は、悲しいかな脳の老化現象の表れです。

脳神経系のダメージを身近に感じさせる脳の老化ですが、人間の脳は一晩眠らないだけで、1〜2歳老けることが、新しい研究で明らかになりました。

チューリッヒ大学やハーバード大学など、欧米の合同研究チームは、「brainageR」という機械学習アルゴリズムを用いて、睡眠不足の人の脳MRIから「脳年齢」を推定し、同じ人の一晩中眠ったあとの脳MRIと比較しました。
ちなみにbrainageRは公開されていて、約4年先の脳年齢を正確に予測できることが確かめられています。

結果は先述した通りで、一晩眠らなかった場合は、ちゃんと睡眠をとったときと比べて、平均で1〜2歳老けていると、brainageRが推定しました。
幸いなことに、この老化現象は一晩眠ったらなくなりました(※外部配信先ではグラフを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

睡眠不足で脳年齢が老ける

この研究では一晩の睡眠不足でしたが、継続的な睡眠不足による脳年齢の変化も、そのうちデータが発表されると思われます。おそらく結果は、一晩よりももっと老化が進むことになると予測されます。

睡眠不足は「孤独」にも関係する?

これからの人間の健康には、単に平均寿命が長いだけではなく、幸福感や満足度の高い生活、いわゆるウェルビーイングが、大きな課題です。
孤独や社会的孤立は、喫煙や運動不足、飲酒よりも、死亡率やウェルビーイングに悪影響を及ぼします。

睡眠不足と孤独、社会的孤立の間には、双方向の関係があることが注目されています。

睡眠不足の人が、見知らぬ人が自分に向かって歩いてくるビデオクリップを見たときに脳スキャンをとると、人間がパーソナルスペースを侵害されたと感じたときに活性化する神経ネットワークが活性化し、強い拒否感が見られました。それだけでなく、睡眠不足は、社会的関与を促す脳活動も鈍らせてしまうという結果が出ました。

睡眠不足になると、外見からも他人から敬遠されるようにもなります。
睡眠不足によって強まる社会的孤立傾向も、脳の老化を促進している可能性大です。
その意味で、脳を若々しく保っておくことは、非常に重要です。

そのためにも、その人に合った十分な睡眠時間の確保や、あるいは睡眠時無呼吸症候群などの早期発見と治療などが、より大切になってくると思います。

[註5]人のニューロン新生については、動物実験と同程度のニューロン新生があるという説が有力であった。
しかし、近年において、人でのニューロン新生は極めて少なく、一定年齢で止まると結論する論文もあり、人間でのニューロン新生については結論がまだ出ていない。
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「3度の食事」にさえ困っているのに「生活保護」の申請が“却下”…なぜ? 制度にひそむ“落とし穴”とは【行政書士解説】

「3度の食事」にさえ困っているのに「生活保護」の申請が“却下”…なぜ? 制度にひそむ“落とし穴”とは【行政書士解説】
11/24(日)  弁護士JPニュース

生活に困窮しているのに生活保護を受けられない「理由」とは

「貧困」が深刻な社会問題としてクローズアップされるようになって久しい。
経済格差が拡大し、雇用をはじめ、社会生活のさまざまな局面で「自己責任」が強く求められるようになってきている中、誰もが、ある日突然、貧困状態に陥る可能性を抱えているといっても過言ではない。
そんな中、最大かつ最後の「命綱」として機能しているのが「生活保護」の制度である。

しかし、生活保護については本来受給すべき人が受給できていない実態も見受けられる。
また、「ナマポ」と揶揄されたり、現実にはごくわずかな「悪質な」不正受給が過剰にクローズアップされたりするなど、誤解や偏見も根強い。
本連載では、これまで全国で1万件以上の生活保護申請サポートを行ってきた特定行政書士の三木ひとみ氏に、生活保護に関する正確な知識を解説してもらう。

今回は、現実にその日の食事にも困窮するほどの経済状態に陥っているにもかかわらず「生活保護の申請」が却下されてしまうケースとその理由、申請にあたって注意すべきポイントを紹介する。
※この記事は三木ひとみ氏の著書『わたし生活保護を受けられますか』2024年改訂版(ペンコム)から一部抜粋し、構成しています。

生活に困窮しているのに申請が「却下」されてしまうケースとは

厚生労働省のHPには「生活保護の申請は国民の権利です」と明記されている

生活保護は、病気やけがなどで働けなくなったときや、高齢や障害により経済的に困窮したとき、最低限度の生活を守る最後のセーフティーネットです。
しかし、生活困窮者本人や親族が「生活保護を受けなければ生きていけない」と考えているのに、生活保護申請が却下されるケースがあります。これはなぜでしょうか。

要するに、生活保護制度が「わかりにくい」からです。

国や地方自治体のホームページなど、「絶対に正しい」はずの公的機関の公式情報や、生活保護法令や生活保護行政の運営・実施に必要な保護の基準や実施要領など、行政側の実務に必要な内容が編集された「生活保護手帳」や「問答集」を見ても、肝心なところがわかりにくくなっていることは否定できません。

ここでは、困窮しているのに「却下」「減額」、まさかの「不正受給」などということにならないように、生活保護の申請後、および、決定後に注意してほしいことを説明します。

重要なことですので、必ずお読みください。

親族等から“金銭”や“食糧支援”を受けることの「落とし穴」

よくあるケースとして、生活保護の申請後に収入も手持ちのお金もなく困ってしまい、生活保護費が出るまでは自分で何とかしなければいけないと思い、親族に頼みこんで金銭や食糧支援を受けたことが要因で、申請が却下になることがあります。

生活保護を申請した日以降に、だれかからお金を借りたりもらったりするなど、何らかの経済援助や借り入れがあれば、それは「収入」とみなされます。

申請日以後に親族を頼るなどして同居した場合には、その親族の所得や資産も審査の対象となります。

生活保護の申請後、決定が行われる前の段階で経済援助等を受け、その収入によって最低生活費が満たされれば、「最低生活が現にできている」と認定され、申請は原則として却下されます。
友人や金融機関からの「申請日以降の借り入れ」も同様です。

また、現に生活保護を受けている場合も、その収入分は基本的に、就労収入の一部控除などを除き、保護費から減額されます。

それが、たとえ親族が無理して援助したお金であろうと、友人や金融機関から借りたお金であろうと、最後のセーフティーネットである生活保護を発動しなくても、法が定める生活水準を満たしていれば、生活保護を受けることは基本的にできません。

生活保護は、最低限度の生活を送るために、家族全員の所得や資産を合算しても足りない分を手助けするための制度だからです。

再度申請すれば、生活保護を受けられるケースも

行政書士 三木ひとみ氏
これを知らないがために、無理して親族間で経済援助をしたことが裏目に出て、申請が却下されて生活保護を受けられず、その後も、一度却下になったことから「もう生活保護は受けられない」とあきらめて、更なる困窮状態に陥るといった悪循環に苦しむ人も多くいます。

類似の相談も多く、上記の原則を説明した後、すぐに申請を行い、その申請日以降に親族からの経済援助が一切ないことから、親族の経済状況にかかわらず、生活保護が受けられるようになったケースを数えきれないほど見てきました。

なお、役所によっては、そうした親族からの経済援助に目をつむるというか、申請日時点で所持金が5万円以下の場合には、保護決定が行われ保護費が支給されるまでの間、「足りない食費など親族が多少援助してもいいですよ」などと言ってくれる職員もいます。

しかし、「経済援助により最低生活が確保できている」として却下もできますし、非常に危ういので、私は行政書士としてサポートするうえでは「申請日以降にお金、食料に困ったら都度役所に連絡、相談しましょう」と助言しています。

役所の担当者による「誤った誘導」「憶測による却下」も…

役所の窓口担当者が、誤った方向へ誘導するようなケースも、残念ながらあります。

ご本人が役所に「もうお金がないので何も買えません、食べられません」と言っても、「役所もまだ審査中なので何もできないので親族や友達に頼ってください」などと申し向けるのです。

また、ある役所では、この審査期間中の支援を要請しなかった若い男性に対して、実際に経済援助などどこからも受けていなかったにもかかわらず「申請時にお金がわずかしかなかったのに、30日の審査期間中、一度も役所に助けを求めなかったのは、どこかから経済援助を受けていたに違いない」など、単なる憶測だけで却下したこともありました。

そう言われた場合、真に困窮していることを訴え、すぐに生活保護の再申請をすることをおすすめします。
食事をすることもできない状態だと役所に明確に伝えれば、必ず何らかの支援に至りますし、保護費も早く支給されやすいのが現実です。

上記のケースも、すぐに再申請をすると同時に、食糧支援、貸付金を交付してもらうことができ、無事に保護決定に至りました。

生活保護の決定までの「食費」さえない場合は

生活保護の申請をする時点で、資産も収入もほとんどなく、頼れる親族などもいないということなら、申請後から保護決定し、保護費を受け取るまでの生活については「福祉事務所」に相談してください。

「1日3食の食事を取るのにすら困っている」とはっきりとSOSの声を上げれば、食糧支援や貸付金の交付を受ける方法など、親身に相談にのってくれるはずです。

食事さえ確保できない状態なら、すぐに最寄りの役所の生活保護担当窓口に行って、「次の食事を用意するお金もありません。助けてもらえないと、食べることができません」と、はっきりと伝えてください。必ず助けてもらえます。

もしも、福祉事務所で「生活保護決定するまでは何もできない」と言われるなど心ない対応を受けた場合は、その福祉事務所がある都道府県庁に電話をして、生活保護の担当部署にはっきりと事実を訴えてください。

1日3度の食事をとることは、守られるべき権利です。

生活保護の審査期間中に病気にかかり、病院にかかりたい場合は?

審査期間中の病院への受診についての質問・相談も数多くあります。
申請日時点でお金が5万円以下しかないのに、そこから医療費を払えば食費、光熱費、携帯代を支払うお金が無くなってしまう、といったものです。
光熱費、携帯代は審査期間中の緊急支援では支給してもらえないのです。

医療を受ける権利は最低生活として守られなければいけない権利の一つです。
したがって、申請日以降に「病院に行きたいけれどお金が払えない」ことを担当者にしっかり相談すれば、対応してもらえますし、対応してもらうべきものです。

しかし、実際には、これも統一した対応マニュアルなどがないために、親切な福祉事務所とそうではない役所の対応差がかなりあります。

たとえば、同じ大阪府でも、自治体によっては「現在生活保護申請中なので医療費の窓口負担は免除してください」といった書面を病院で提示できるよう交付してくれるところもあれば、そういった措置をとってくれないところもあります。

生活保護申請をサポートする行政書士の多くは、ほぼ毎週、全国の病院とやり取りしています。
なぜかというと、生活保護申請中に病気にかかってしまった人から、「役所に相談しても、自分で病院と交渉してくださいと言われた。
病院へ行ったら、生活保護が受けられるか決まっていないのにタダで診られないと言われた」という相談が絶えないからです。

全国の地方自治体が統一した対応をしてくれるようになることを切に望みます。


三木ひとみ
特定行政書士

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2024年11月26日

「みんなが信じるウソ」が真実になる…「新聞離れ」「テレビ離れ」がもたらした"SNS選挙戦"の憂鬱

「みんなが信じるウソ」が真実になる…「新聞離れ」「テレビ離れ」がもたらした"SNS選挙戦"の憂鬱
2024年11月25日 PRESIDENT Online

■政権の形を変えた「陰の主役」

民主主義を標榜する日本と米国で今秋、政権選択の選挙が相次いで行われたが、SNSを中心にネット上で偽情報が横行し、選挙戦に深刻な影響を与える事態となった。

日本では衆院選で自民党と公明党の与党が過半数を割り込んで少数与党となり、米国では大統領選挙で共和党のトランプ前大統領が返り咲いた。いずれも政権の形が変わってしまったのである。

有権者が選んだ結果であることは間違いないが、その民意を形づくるのに、偽情報が加担した疑念はぬぐえない。
生成AI(人工知能)の普及で、偽情報はますます巧妙化し、インパクトのある偽動画も増殖している。
誤った情報に基づいて有権者が投票したのであれば、民意は適切に反映されたとはいえず、民主主義の根幹が揺らぎかねない。

当然のことながら、偽情報の蔓延を防ぐためにさまざまな手立てが講じられたが、有効な対策とはならず、偽情報は事実上野放し状態のまま、いずれの選挙戦も幕を閉じた。

奇しくも、同じ時期に行われた日米の選挙戦で「陰の主役」は偽情報だったともいわれる。

新聞やテレビの伝統的メディアの信用が低下する中、11月17日投開票の兵庫県知事選で斎藤元彦前知事が予想を覆して再選を果たしたり、今年7月の東京都知事選で石丸伸二候補が善戦したことで、選挙におけるSNSの重要性がにわかにクローズアップされている。
それだけに、ネット上に氾濫する偽情報は、厳しく排除しなくてはならない。

日米の選挙戦における偽情報の実態を検証し、喫緊の課題として民意を歪めかねない偽情報対策を考えてみたい。

■裏金問題の逆風を倍加したSNS

日本では、これまでの選挙で偽情報による混乱は、あまり目立たなかった。
かつて沖縄県知事選で、玉城デニー現知事をめぐって偽情報が出回ったことがあったが、影響は限定的だった。

だが、今回の衆院選は、様相が違った。

「石破茂首相が『裏金議員が気にいらないというのであれば、自民党に投票しなければいいのではないか』と発言した」

衆院選(10月27日投開票)で最大の焦点となった自民党の裏金問題で、就任間もない石破首相が開き直ったかのような不遜な態度を示したSNSの投稿が拡散した。
ただでさえ逆風にさらされる自民党へのダメージとなったことは明らかで、野党候補と接戦となった小選挙区では、少なからぬ打撃を被ったといわれる。

特定の候補者への攻撃も目立った。

千葉5区の自民党候補は「○○○○は二重国籍だ。中国のスパイに違いない」とバッシングを受けた。

ターゲットにされた陣営は、ネットで「事実に基づかない荒唐無稽な偽情報」と反論したが有権者に十分に伝わったとは言えず、当の候補は小選挙区で落選。
どうにか比例で復活当選を果たし議席は守ることができたが、釈然としない闘いとなった。

■短期決戦の選挙戦では反論もままならず

一方、野党の候補者を誹謗中傷するSNSも出回った。
激戦となった東京24区で、何者かが野党の候補者になりすまして「小学生への性行為を容認する」という趣旨を書き込んだ投稿の画像が流布された。

結果は、裏金問題で矢面に立って自民党を非公認となった候補が辛勝。
なりすまし被害を受けた野党候補は、かろうじて比例で復活することができた。

いずれの投稿も、後に、日本ファクトチェックセンター(JFC)の調査などにより「偽情報=誤り」と判定された。

だが、どの陣営も一様に、短期決戦の選挙戦の最中に「いちいち反論していられない」と嘆くほかはなく、なすすべはなかった。
偽情報を流して対立候補を陥れた者が有利な選挙戦を展開したとなれば、「あることないことを発信したものが勝ち」という歪んだ構図がまかり通ったのである。

衆院選は結局、自民党も公明党も大きく議席を減らし、15年ぶりの敗北を喫することになったのは周知の通りだ。

■兵庫県知事選で注目されたSNSの偽情報

ついでに言えば、先日の兵庫県知事選では、本命とみられていた稲村和美候補に対し「外国人に参政権を与えようとしている」といった偽情報や真偽不明の投稿がSNSで一気に拡散、マイナスイメージが植え付けられた。

反面、SNSを通じて「斎藤氏はパワハラをしておらず、新聞やテレビは根拠なしに報じている」という言説が拡散、若年世代を中心に斎藤前知事への支持が急速に広がり、逆転勝利につながったといわれる。

いずれも、JFCは「真実ではない」と断定した。つまり偽情報だったのである。

敗れた稲村氏は「候補者が何を信じるのか、どのような情報に基づいて投票行動を決めるのかという点で課題が残った選挙だった」と悔やまざるを得なかった。

多くの人が信じた偽情報が真実として受け取られかねない「SNS選挙戦」が展開された衝撃的な事例として記憶に残るに違いない。

■日本の比ではない米国の偽情報攻撃

一方、米国の大統領選におけるネット上の偽情報の氾濫は、質も量も日本の比ではなかった。

とりわけ、民主党候補のハリス副大統領が標的にされた。

「ハリス氏は共産主義者」を印象づけようとする偽画像が出回ったが、拡散した中心にいたのは対立する共和党のトランプ前大統領で、Xへの投稿は800万回以上も閲覧されたという。

Xのオーナーで約2億人のフォロワーを持つといわれるイーロン・マスク氏も、自らXに生成AIでつくられたとみられる同様の偽画像とともに「カマラは、初日から共産主義の独裁者になることを誓う」と投稿、トランプ氏を後押しした。
オーナーが一方の陣営に肩入れすれば、Xがプラットフォームとしての中立性を保てるはずもない。

ハリス氏が、過去にひき逃げ事故を起こしたという偽動画も流れた。
こちらは、マイクロソフトの調査などで、ロシア政府が関与するグループによって作成されたことが明らかになり、国境をまたいだ偽情報による工作が判明。
米当局も、社会の分断を狙ったロシアの介入があったことを確認した。
ウクライナ支援に消極的なトランプ氏を返り咲かせようという狙いがあることは明らかだった。

ハリス氏を陥れるような偽情報を数え上げたら、キリがない。

■「性暴力を受けた」と告発する偽動画も

副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事も、偽情報による集中砲火を浴びた。
かつての高校教師時代に生徒が「性暴力を受けた」と告発する偽動画が投稿され、500万回以上も見られたという。

もとより、トランプ氏による虚偽情報の拡散は激しく、「移民がペットを食べている」という根拠不明のデマは、移民に寛容な民主党を直撃した。

共和党陣営の攻勢に加えてロシアの介入による「偽情報攻撃」に、立候補を表明した直後に巻き起こったハリス旋風は急速にしぼみ、一転して窮地に追い込まれた。

そして、トランプ氏が圧勝でホワイトハウスに戻ることになったのである。

日米ともに、偽情報がどれほど選挙の結果に影響を与えたかを定量的に測ることは難しいが、偽情報に翻弄されたことは確かだろう。

■IT企業に「お願いベース」では実効性に限界

日本も米国も、行政が手をこまねいていたわけではない。

総務省は衆院選を前に、メタやXなどSNSを運営する5社と、チャットGPTを提供するオープンAIなどAI関連9社に、初めて選挙に関する偽情報対策を要請した。

だが、これまで偽情報対策はIT企業の自主的な対応に委ねてきただけに、強制力も罰則もなく、「お願いベース」では、どれほどの実効性が上がるか疑問視された。

政府・自民党は、1月の能登半島地震で、偽情報に振り回されて適切な救助活動ができなかった反省に立ち、ようやく重い腰を上げて、偽情報対策に乗り出したばかり。

総務省は、新たに有識者会議を立ち上げ、「違法な偽情報」への迅速な対応をIT企業に課す新しい規制策の検討に入った。
議論を急ぎ、通常国会での法案提出を目指すという。

しかしながら、これでは、とても十分とは言えそうにない。
「違法ではないが有害な偽情報」の対策は、政府による検閲につながりかねないとされ、先送りされたからだ。

■縦割りで効果的な対策は打ち出せず

また、総務省の威光は、所管するSNS事業者などIT企業に限られることにも留意しなければならない。

海外から発信された偽情報の対策は外務省、ロシアや中国の情報工作への対応は防衛省、サイバー犯罪の抑止は警察庁、と、担当官庁がバラバラで行政全体としての一体性に欠け、統合的な対策を打ち出しづらい。

偽情報は、AIを駆使して急速に高度化・巧妙化しており、タテ割り行政では、意図的に偽情報を流そうとする勢力に対抗することは容易ではないだろう。

民間の動きも活発になっている。
全国の新聞社や放送局がIT企業とともに、信頼できる情報を確立するため、ネット上の記事や情報に発信者を明示する「オリジネーター・プロファイル(OP)」と称する新しい技術の研究を進め、2025年の実用化を目指している。

また、富士通を中心にした東京大学や慶応大学、国立情報学研究所などのグループは、ネット上の情報の真偽を見抜くシステムを構築する産学共同のプロジェクトをスタートさせた。

いずれも期待は大きいが、まだ実証段階に至っておらず、成果を得るまでには時間がかかりそうだ。

■表現の自由と葛藤する米国

一方、米国も、これまでの選挙戦で偽情報による苦い体験を重ねてきたにもかかわらず、規制が進んでいるとは言えない。

大統領選前に、50州のうち約20州が、生成AIなどで作成した選挙関連の偽情報を取り締まる法律を制定した。
ただ、規制のレベルは、州によってさまざまで、違反者に罰則を定めたところもあれば、AIで生成したことを明示すれば免責されたり、偽情報そのものの流布を禁じないケースもあった。

もとより、連邦政府の法整備となると、検討段階にとどまったままだ。

というのも、合衆国憲法修正第1条で表現の自由が広く認められているからで、行政による規制には抜きがたい葛藤がある。
そのうえ、IT企業のロビー活動は猛烈を極め、全米に投網をかけるような規制は成立しにくいという事情がある。

偽情報対策の法規制は道半ばと言わざるを得ない。

■相次いでXから撤退するユーザー

こうした中、SNSを代表するXへの風当たりが日増しに強まっている。

2022年10月にXを買収したマスク氏は、表現の自由を掲げ、トランプ氏をはじめ、偽情報の投稿などで凍結されていたユーザーのアカウントを次々に復活させた。
また、インプレッション(表示回数)を稼げば収入を得られる仕組みを導入したため、センセーショナルな投稿で耳目を集めて稼ごうとする通称「インプレゾンビ」を大量に生み出した。

大統領選では公然とトランプ氏を支持し、トランプ政権で新設する「政府効率化省」のトップに収まることになった。

一連の動きをにらみ、Xから撤退するユーザーが続出している。

「有害なメディアプラットフォーム」と断罪してXへの投稿を禁止したのは、イギリスの有力紙ガーディアン。
1000万を超えるフォロワーを持つだけに、影響は大きい。スペインの主要紙バングアルディア紙は14日、Xは有害なコンテンツに満たされるようになった」と投稿を停止した。
スウェーデンの日刊紙ダーゲンス・ニュテヘルも、「Xはトランプ氏とマスク氏の政治的野望と一体化し、乱暴で過激になった」と同様の措置を発表した。

国際NGO「国境なき記者団」は、自らに関わる偽情報の拡散を放置したとしてXを告訴、「虚偽拡散の共犯であり、責任を問われる時だ」と強調した。

ほかにも、さまざまな企業や団体がXと距離を置き、情報発信の場をインスタグラムやフェイスブックに移行しつつある。

今やXは、トップが先導する「偽情報の温床」とみなされているのだ。

確かに、偽情報の蔓延を防ぐには、SNSを利用しないようにするのも一計だろう。

もっとも、良質なユーザーが消えて、残るのは悪意のある偏った投稿だらけになってしまう懸念はあるのだが……。

■偽情報対策は世界共通の課題

日米ともに、選挙戦にあたって、現状では可能な限りの偽情報対策を練ったものの、効果的な抑止力とはならなかった。
検証に時間がかかるファクトチェックも、選挙戦では有効とはいえなかった。

参考になるのは、数歩も先に進んでいる欧州だ。

欧州連合(EU)は、ネット上の違法・有害情報の削除をプラットフォーム事業者に義務づけるデジタルサービス法(DSA)を制定し、2024年2月から全面運用を開始している。

メタやXのような月間利用者数が4500万人を超える大規模事業者はじめほとんどのプラットフォーム事業者が対象で、欧州委員会が違反を認定した場合、最大で世界の売上高の6%の罰金を科すことができるという強烈な規制策だ。

偽情報対策の手本でもあり、「日本版DSA」を求める声は日増しに高まっている。

偽情報の悪影響は、選挙にとどまらず社会生活全般におよぶ。偽情報の封じ込めは、ネット社会が浸透する世界に共通する課題といっていい。

健全で安心安全な社会の確立に向けて、偽情報対策の重要性を、だれもが自分事として認識したい。

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水野 泰志(みずの・やすし)
メディア激動研究所 代表
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2024年11月27日

和田秀樹が「老後は好き勝手に生きるべき」と断言するワケ。我慢して慎ましく生きた先に“いいこと”など待っていない

和田秀樹が「老後は好き勝手に生きるべきと断言 するワケ。我慢して慎ましく生きた先に“いいこと”など待っていない
2024年11月26日 SPA!

移住、開業、趣味……各分野で老後を狂ったように充実して楽しむクレイジー老人たち。
彼らの清々しいほどに振り切った生きざまには、人生100年時代を後悔なく生きるための秘訣が隠されている?

◆「老後は好き勝手に生きるべき!」

『60歳からはやりたい放題』(扶桑社刊)の著書を持つ高齢者専門の精神科医、和田秀樹氏は、日頃から「老後は好き勝手に生きるべき!」と推奨。
「我慢しない“クレイジー老人”は長生きしますよ!」と断言する。

「現役世代は家族を養ったり、子供の教育費や住宅ローンのために、イヤな上司がいても我慢して働くわけじゃないですか。
でも、引退した高齢者には本来その必要がない。
なのに、日本にはどうしても我慢すること、耐えることが美徳とされる文化があるため、老人は慎ましく生きがち。

でも、先々は加齢で体力も落ちるし、感覚も衰えて食事も楽しくなくなる……つまり我慢した先の『後でいいこと』なんてないんですよ!
 それに我慢ってストレスのもとです。気がめいるのはもちろん、免疫力も低下するからがんや感染症になりやすくなるなど、健康リスクを抱えることになりますからね」

◆好き勝手に生きることが健康長寿の秘訣

だからこそ、好き勝手に生きることが健康長寿の秘訣。
しかし、クレイジー老人たちのように、己の欲の赴くままに本性を曝け出すことはなかなか難しいのが本音であろう。

「“他人の目”を日本人は意識しすぎている。
特に高齢者は老いてるから静かに、謙虚に……と思いがち。
でも、自宅に閉じこもって騒がず・動かずは健康的といえますか?
 心理学者のアルフレッド・アドラーは『人目の奴隷になるな』と説いています」

◆思い切った行動が幸福を呼ぶ

日本人の元来の気質も、老人たちが思うように殻を破れない要因である。
だからこそ、思い切った行動が幸福を呼ぶ。

「今回出てきたいくつものケースのように老後がクレイジーだとバカにされるかもしれないけど、楽しそうなのは見てわかるし、実際楽しいでしょう。
老人だってやりたいと思ったら酒、女、たばこをやりまくったっていい。
当たり前にそっちのほうがホルモン活性化に繫がるし、結果として長生き=素晴らしい老後にもなります」

趣味も仕事もSEXも、やりたいことは冥途の土産に全部やって、後悔なき人生を!

【高齢者専門精神科医 和田秀樹氏】

和田秀樹こころと体のクリニック院長。6000人以上の臨床経験を持つ。ベストセラー『80歳の壁』(幻冬舎文庫)ほか、著書多数


取材・文/週刊SPA!編集部
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2024年11月29日

「置き配」の窃盗がじわり増加中 被害にあえばほとんどが「泣き寝入り」で宅配ドライバーも不安視

「置き配」の窃盗がじわり増加中 被害にあえばほとんどが「泣き寝入り」で宅配ドライバーも不安視
11/28(木) AERA dot.

暴排対策としても有効な「置き配」だが、置かれた荷物を狙う窃盗がじわり増えている

「置き配」は防犯対策としても有効だ。
強盗が宅配業者を装う手口があり、警察は業者と対面することなく荷物を受け取る置き配を推奨している。
だが、置き配の荷物を狙った窃盗もじわり増えている。

*   *   *

 今年9月、近畿地方に暮らす40代の男性はインターネットの通販サイトでモバイルバッテリーを注文した。
荷物の到着日は外出予定だったので、ガスメーターボックス内への「置き配」を指定した。

帰宅後、ガスメーターボックスを開けたが荷物は見当たらない。宅配業者に問い合わせると、配達時の画像を見せられた。
そこには確かに荷物が置かれた様子が写っていた。

 ――何者かに盗まれてしまったのだ。

 男性は宅配業者に対応を求めたが、返答は「指定された場所に荷物を置いた時点で配達は完了となるため、後はお客様の責任になります」。

宅配業者から「通販サイトに相談するように」とうながされて問い合わせたものの、対応を断られた。男性は警察に盗難届を出した。被害額は約8000円。

 こんなケースもある。同10月、首都圏に住む30代の女性はフリマアプリを利用してネックレスを販売した。
荷物を発送し、しばらくするとスマホの画面に「配達済み」と表示された。

 だが、いつまで経っても購入者から受け取り評価のメッセージが届かない。

 その後、購入者から「置き配を指定したところ、盗難に遭い、商品を受け取っていない」という連絡を受けた。
女性は「受け取り評価がないと、商品取引が完了しないため、入金されないかもしれない」と困惑する。

 置き配は非接触で荷物の受け取りができることから、コロナ禍に感染症対策として注目された。
宅配業者にとっては再配達の負担を減らし、効率化が図れるというメリットもある。

 昨今、凶悪化が報じられる「強盗」対策としても有効で、「宅配業者の訪問があったときは、できる限り業者と対面することなく、非対面での受け取りを希望してください」と警視庁の担当者は話す。

 だが、ここへきて置き配の「盗難」がじわり増えている。

■保険での救済は2%未満

 国民生活センターによると、置き配された荷物の盗難の相談が増え始めたのはコロナ禍の2020年。
22年には置き配の盗難リスクについて、注意喚起を行った。現在も被害は増加傾向にあるという。

 残念ながら、置き配の窃盗犯が検挙され、商品が戻ってくることはめったにない。
ほとんどのケースは泣き寝入りだ。

 昨年度、東京都内で「置き配が盗難に遭った」という消費生活センターへのトラブル相談は368件。
今年度は上半期だけで234件と、かなり増えている。

 このうち、盗難保険の補償によってトラブルが解決したケースは昨年度で5件、今年度上半期は5件。

「盗難被害のうち2%弱しか補償されていません」と、東京都消費生活総合センター・相談課長の高村淳子さんは明かす。

 まず、置き配盗難保険自体が少ない。
大手宅配3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)のうち、置き配盗難保険を用意しているのは日本郵便だけだ。
1事故当たりの支払い限度額は1万円(送料、消費税および使用ポイント分を含む)。

 補償を受けるには被害者が盗難に遭った証拠を集め、警察に盗難届を提出しなければならない。
保険金請求フォームに盗難届の受理番号を記入する必要があるからだ。
ところが、盗難届が受理されないケースが多いのだ。

「一番の問題は、『盗難』なのか、『誤配』なのか、よくわからないことです」(高村さん)

■商品が再送されることもあるが

「置き配」では、現在、ほぼすべての宅配業者が指定された場所に荷物を置いた時点で「宅配完了メール」を荷受人に送信する。

 配達した状態の写真を添付せず、メールだけを送信する業者もある。
この場合、荷物が届いていなくても、「誤配」の可能性が生じる。
確実に荷物が配達されたことを証明できなければ、盗難届は受理されない。

 また、「置き配」で盗まれる荷物の多くは通販サイトで購入した商品だという。

 同センターは「注文した商品が届いていない」旨を通販サイトにメールするか、書面で伝え、調査を依頼することをアドバイスする。
通販サイトに相談した時点で、同じ商品を再送してくれることもある。
しかし、対応を断られれば、「まず、泣き寝入りとなってしまう」(同)。

「家電製品のような高額商品が被害に遭ってしまい、『もう置き配は使わない』と、悔やむ人もいます」(同)

 商品の配送の初期設定が「置き配」になっている通販も増えてきた。
それに気づかず、置き配された荷物を盗まれてしまったケースもある。

「指定しなければ、対面の配達ではなく、『置き配』になってしまう配送システムに怒りをぶつける人もいます」(同)

宅配ドライバーの多くが不安

 宅配ドライバーたちも置き配に不安を感じている。

 宅配ボックス大手「ナスタ」(東京都)は昨年11月、宅配ドライバー400人に置き配についてのアンケートを実施した。

 荷物を置く場所として断トツで多く利用していたのは「玄関先」で66.5%。「宅配ボックス」は28.2%、「郵便受け」は1.8%だった(複数回答)。

 荷受人から「玄関先」を指定されて荷物を置いた後、「荷物がない」というクレームを受けた経験のあるドライバーは18.3%。
玄関先に荷物を置くことを「不安だと思う」という回答は75.3%に達した。

■盗難リスクの軽減策は

 では、「置き配」荷物の盗難を防ぐにはどうすればいいのか。

 置き配された荷物を盗難から防ぐには、配達完了メールを受け取ったら、なるべく時間をおかずに荷物を回収することだとセコムの濱田宏彰研究員はいう。

 宅配業者が自宅を訪れた際、手が離せなかったため、インターホンで置き配を依頼。
数時間後に確認したら荷物がなくなっていたというケースもある。

 ヤマト運輸は置き配の日時指定が可能なサービスを「クロネコメンバーズ」「EAZY」で展開している。

「お客さまの在宅・帰宅時間に合わせてご指定いただくことで、少しでもお荷物の盗難リスクを軽減できると考えております」(ヤマト運輸)

 佐川急便も「スマートクラブ」に登録すれば同様のサービスを受けられる。

 記者も置き配のお世話になっているが、さいわい、盗難に遭ったことはない。
近隣の人たちも同様のようだ。
置き配は「善意」に支えられていると実感する。破綻せずに続いてほしい。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)
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2024年11月30日

「メディアが報じない隠された真実」は99%ウソ…「ネットで真実を知った」と言う人に決定的に欠けていること

「メディアが報じない隠された真実」は99%ウソ…「ネットで真実を知った」と言う人に決定的に欠けていること
2024年11月29日 07時15分PRESIDENT Online

陰謀論やフェイクニュースを見分けるには、どうすればいいのか。
経済コラムニストの高井宏章さんは「適切な距離感で雑多な情報を摂取しておいた方がいい。
それには新聞を読むことが効果的だ」という――。
※本稿は、高井宏章『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台』(星海社新書)の一部を再編集したものです。

■紙の新聞とSNSの違い

高井:元日本経済新聞編集委員。日経退職後、YouTubeチャンネル「高井宏章のおカネの教室」を開設。Twitter、noteでも幅広く情報を発信している。
新倉:東京大学法学部卒業後、現在は日本プロ麻雀協会に所属。
布施川:東京大学文学部在学中。学業の傍ら東大生ライターとしても活動中。

【新倉】
新聞を読み始めてから「いいな」と感じたことがあって。
SNSだと「いま炎上しているニュース」ばかりが目に飛び込んでくるんですよね。
匿名アカウントが酷いことを言って荒れているとか。そういうのばかりに時間や感情なんかのリソースを割くのは、もったいない。
でも、そんな有益とは言えないことで変な快感を得て、癖になっている人もたくさんいるでしょう。

【高井】
山ほど、いるだろうね。

【新倉】
そういう情報に接すると、脳内麻薬が出るのかな。
中毒だと感じます。
新聞から情報を得る方がずっと健全で快適でした。
少なくとも、ネットで毎日起きている、何の役にも立たない話で不愉快になるよりはずっといい。
新聞も、意外と面白いニュースが多いですからね。「うなぎ稚魚3割減」とか。

【高井】
出た、うなぎ(笑)

【布施川】
ありましたね、うなぎ!(笑)

【新倉】
うなぎの話は何度でも盛り上がるなー(笑)
 よくわからない炎上ネタなんて世界から見たら些末な問題ですし、こういう情報の方が面白いですよね。

■気になる記事があった時だけ全部読めばいい

【高井】
ネットメディアはトラフィックが命なので、人間の弱いところを突いてくる。
好奇心とか嫉妬とか怒りとか、感情を操作して、情報を追いかけたくなる意識を利用する。
たとえ時間の無駄だとわかっていても、アプリを開いてしまえば、なかなかあらがえない。

正直に言うと、日経新聞でも、電子版の見出しには、若干、その気があります。
検索で見てもらいやすいようにキーワードを盛りこむ、みたいなこともある。
紙の新聞の方が、その点かなり抑制的に作ってあるので弊害が少ない。

【新倉】
そうですね。こちらの感情を無駄に煽らないようにしていると感じました。

【高井】
だから面白くないんだ、という意見もあるかもしれないけど、感情的なリソースをもっていかれないから、読んでも疲れないんです。
最低、前文だけ読めばいいわけだから、Xのポスト1本分程度でしょ。
気になる記事があった時だけ全部読めばいい。「うなぎ」とかそうだったでしょ?

【新倉】
たしかに、「うなぎ」は気になって読んでしまった。

【高井】
仮におふたりがいい歳したビジネスパーソンだとして、その記事を読んでれば、しばらく飲み会の話題に困らないよね(笑) 「うなぎの稚魚がねぇ……」って。

【布施川】
すでにこのミーティングで「うなぎ」はメッチャこすってますよね(笑)

■実はかなりコスパがいい

【新倉】
そういえば私、「気候変動でリンゴやオレンジが作れなくなる」って記事を読んでから、何かの会話で「青森でリンゴ作れなくなるかも」って話しました!

【高井】
連続テレビ小説的には、カカオ豆の一連の物語も、よかったよねぇ(笑)

【布施川】
そうそう! 「あ、価格落ちたんだ!」ってなりました(笑)

【新倉】
布施川さんが以前、カカオ豆の不作の話で盛り上がってたの、よく覚えています(笑)

【高井】
これも30日間ずっと読んでたから面白いんですよね。「カカオ、メチャクチャ上がってる〜」から、「うわ〜! バブルはじけたぞ〜」みたいにオチが付いたから、面白い。
情報を追っていれば興味深く読めるし、「こんなことが起きてるんだよ」ってウンチクを傾けられる。

【高井】
さて、30日間読んでみて、コスパ的にはどうでしたか。

【布施川】
1カ月で6000円。それでこれだけの情報が得られるなら安い。
6000円って、マンガ10冊も買えばって金額ですよね。
僕はマンガが趣味なのでそっちもアリだと思うけど、比較しても、かなりコスパのいい6000円の使い方ではないかと思いました。

1日10分で新聞を読むとして、30日で300分。5時間分の娯楽と、世間を渡っていく常識が手に入る。アリですね。

■スマホよりタブレットの方がいい

【高井】
おおー。新倉さんは、どうですか。

【新倉】
すごく勉強になったし、紙の新聞を読むことにも慣れてきたのですが、実は来月からは電子版だけにしようかと考えています。電子版の「紙面ビューアー」の機能なら、タブレットでも紙面そのままの形で読めると知って。
紙の新聞はかさばるし、毎朝取りに行く手間もないので、こっちの方が私の生活には合っていると感じました。

【高井】
タブレットならいいかもね。
スマホだと、紙面ビューアーは読みにくいかな。
紙の新聞のメリットの一覧性が損なわれる気がします。
個人的には、画面の大きさが同じでも、PCよりもタブレットの方が紙面ビューアーは見やすいと思う。ソファに座って、だと本を読む姿勢に近くて視線が下がるからかな。

【新倉】
電子版、かなり便利ですね。
ページの切り替えも早いし、キーワードで記事を検索できるし。
物理的に破くことはできませんが、記事単位でスクラップできます。

【高井】
紙はどうしても場所ふさぎだし、紙面を破ると家族が読めなくなるとか、検索できないとか、いろいろと不便な点はありますからね。
そこは自分に合っているのはどちらか考えて選択すれば良いよね。
今、1日にどれくらいの時間かけて読んでますか。

■スマホは便利だけど恐ろしい

【新倉】
最初は1時間以上かけていましたが、いまは気楽に10〜15分くらいですね。

【高井】
それだけの時間で得られる情報量として、いわゆる「タイパ」はどう?

【新倉】
メチャクチャいいです。
無為にネットを眺める10分より、ずっと良質な時間です。
ニュートラルで根拠のある知識が増えますからね。

【高井】
スマホは便利だけど恐ろしいデバイスです。
朝起きてすぐスマホを見ちゃったら、布団のなかで10分なんてあっという間に過ぎちゃう。
スマホのアプリを開く前に、新聞を取りに行くことを習慣にすれば、エコーチェンバーから逃れられる。
だらだらスマホと情報の偏りから逃れられる点だけでも、新聞は良いツールです。

【布施川】
そうですね。

【高井】
あえて付け加えると、僕はいい歳したオトナやもっといい歳したご老人も新聞をちゃんと読んだ方がいいと思っています。
最近、リタイヤした親世代が筋の悪いYouTubeにハマって、洗脳されて陰謀論に染まるって話、聞きますよね。

そんなリスクから身を守るために、新聞って良い予防、ワクチンになるんです。
いま、スマホ中毒で一番怖いのは陰謀論の落とし穴ですよ。
わりとまともな人でも簡単にハマるから、恐ろしい。

■「メディアが報じない隠された真実」は99%デタラメ

【布施川】
陰謀論にハマっちゃうと「新聞は○○を隠蔽している!」とか言い出しそう。


【高井】新聞って、そんな大したモンじゃないですよ。サラリーマン記者がヒイヒイ言いながら作ってる、ただのテキストメディアです。慢性的にネタに困っているから、隠蔽とかしてる余裕もない。

「メディアが報じない隠された真実」なんて、九分九厘、デタラメだと思った方がいいし、「メディアの情報の方が真実」なんてことも99%ない。
取捨選択するのは自分です。
「メディアは全部ウソ」とか言い出しちゃうと洗脳から覚めるのが大変だから、適切な距離感で雑多な情報を摂取しておいた方がいい。

なーんて、かくいう僕も実は、中学2年生頃まで陰謀論にハマっていました(笑)

【一同】
 ええ⁉

■他の人と差がつけられるチャンス

【高井】
ノストラダムスの大予言とか、月刊誌『ムー』とか、真に受けてね。
でも、ある時、開高健の本を読むようになって、「俺はなんて無知なんだ!」と目が覚めた。

陰謀論って、「俺だけが真実を知っている」という全能感があって、気持ちいいんですよ。
ひとつの神話を信じればいいから、情報摂取をサボれるし。
僕は読書がきっかけで足抜けできたけど、新聞にも同じような効果があると思う。
活字を読むことに慣れるのも大きい。

【布施川】
いま僕は予備校で国語を教えています。
生徒を見ていると、かなり文章が読めなくなっていると感じます。
1時間与えても1000文字、2000文字の文章が読めない。

【高井】
逆に言えば、そこはチャンスとも言える。
少し長い文章が読めれば他の人と差がつけられる。
まず1日15分、新聞を読めばいい。

【新倉】
みんなが読まない時代だから、読むだけで差がつくんですね。

【高井】
最初はつらいかもしれないけど、すぐ慣れるから。
やはり習慣にすることが一番大事ですね。

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高井 宏章(たかい・ひろあき)
経済コラムニスト

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