【大掃除】「あるのが当たり前」という思い込みと一緒に捨てた“意外なもの3つ”とは
筆子:ミニマリスト
024年12月22日 ダイヤモンドオンライン
年末が近づき、慌ただしさが増すこの季節。
大掃除や年越しの準備、新年の計画など、気ぜわしい日々を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
そんな時期だからこそ、「本当に必要なもの」を見極め、暮らしの余白をつくる時間をとりたいものです。
本記事では、ミニマリスト・筆子氏の新刊『それって、必要?』(三笠書房)より、大掃除をシンプルに進めるための「捨てるスキル」や、必要以上に物を増やさないための「買わない挑戦」など、新年をすっきり過ごすためのアイデアをお届けします。
思い込みと一緒に捨てたあれこれ
さまざまな生活習慣の中には、それをするのが当然、と常識にとらわれてなんとなく続けていることがあります。
立ち止まって、考え直してみるのも生活をシンプルにするのに役立ちます。
化粧品や水切りカゴなど、私はこれまでにいろいろな物を手放してきました。
なかでも、これから紹介する三つの物は、簡単に捨てられそうだけど、常識が邪魔をしてなかなか捨てられない物かもしれません。
ですが、大事なことは「自分にとって必要かどうか」。
その視点で見極めると、家事全般がラクになり、ストレスが減ります。
日常生活で使っている物の中には、長年使っていて、それがない生活を想像できない物がたくさんあります。
しかし、自分の年齢や家族形態、生活環境が変われば、必要性を失う物は意外と多いのです。
小さくても大丈夫、バスルームがすっきり
バスタオルは10年ぐらい前に使うのをやめました。
お風呂からあがったらバスタオルで体を拭くものだと小さな頃から思い込んでいましたが、そんなことは全然ありません。
体の水気をとるために、あそこまで大きくて分厚いタオルは必要なかったのです。
お風呂あがりに体を拭くときは、フェイスタオルを使っています。1枚で充分間に合いますが、もし足りなければ、フェイスタオル2枚を頭と体で1枚ずつ使います。
バスタオルはとにかくかさばるので、使うのをやめたら、バスルームが見違えるほどスッキリしました。
バスタオルはほかの洗濯物と違って、洗濯する頻度に悩むものです。
日本ではけっこうまめに洗うと思います。
でもカナダではあまり洗わないようで、「もっと洗うべきだ」という記事を雑誌やインターネットで見かけます。
「1日1回の頻度で使ったバスタオルは3回使ったら(つまり3日で)、洗いましょう」とか「1週間に1回は洗いましょう」といった記事です。
バスタオルは分厚いから、雑菌が繁殖しやすいです。バスタオルを使わなければ、こうした問題からも解放されます。
洗濯しないのだから、長い目で見れば、水や洗剤の節約にもつながります。
干したり乾かしたりする必要もありません。
何か頭につけて洗わなければならない、は思い込み
20年ほど前から湯シャンをしています。
湯シャンとは、お湯のみで髪を洗うことです。
きっかけはたまたま読んだブログの記事でした。
それまでにも石けんや重曹、お酢などシャンプー以外のもので洗髪してみましたが、どれも一長一短で、なかなか満足のいくものに出会えませんでした。
そんなとき、お湯だけで髪を洗っている人の記事を読み、「それでもいいんだ」と目からうろこが落ちました。
「何かを頭につけて洗わなければいけない」というのは完全な思い込みだったのです。
近年、湯シャンの知名度もあがってきましたよね。でも多くの人が躊躇しています。
髪がべたつき、臭くなるという懸念があるからでしょう。
たしかに私も、湯シャンをはじめて最初のうちは髪のべたつきに悩まされました。
乾いた髪をクシでとくと、白い汚れがいっぱいつきました。
ネットでいろいろな人の体験談を読み、髪がべたつくのは、きれいに洗えていないからだとわかり、きれいに洗う方法を調べました。
湯シャンできれいに洗髪するコツは、髪というより頭皮(毛穴)をしっかり洗うこと。湯シャンをはじめて間もないときに髪がべたつくのは、毛穴の中に、これまでのシャンプーやパーマ液、毛染めの薬剤が残っているからだそうです。
また、これまでシャンプーなどの薬剤が地肌の皮脂を取っていたので、それを補うために、髪を洗うたびにたくさん皮脂が出ていました。湯シャンをはじめてもこの状態がしばらく続きます。
いまはそこまでしっかり毛穴から汚れをかきだすように洗わなくても、べたつかなくなりました。
湯シャンをはじめて髪のべたつきが取れるまでの期間は3週間.半年、あるいはもっと長期間というように、個人差があります。
いったん、薬剤を取ることができたら、あとはお湯だけでよくなりました。
湯シャンしかしていませんが、7年ぶりに行った美容院で美容師さんに「髪は健康だし、きれいに洗えてます」と言われました。別に問題はないようです。
シャンプーをしていて、かゆみがある、臭い、抜け毛がひどいというトラブルがあるときは、湯シャンにしないまでも、シャンプーの頻度を減らすといいと思います。
強い洗浄剤は正常な頭皮にある常在菌を洗い流して、雑菌を増やします。
「臭いから」という理由でシャンプーの頻度を増やすと、さらに臭くなり、ますますシャンプーする、という負のサイクルに入ってしまいます。
抜け毛が気になるときも、抜け毛を防ぐために、特別なシャンプーを使ったり、頭皮にケミカルな何かをふりかけてゴシゴシしたりすることが多いと思います。
いずれも、問題に対して何かをプラスして対処する方法です。
「原因はシャンプーなのだから、そのシャンプーをやめてみる」という発想がなかなか出てきません。
というのも、みんなシャンプーしているし、小さいときからずっとシャンプーをしているから、シャンプーをするのはあまりにもあたりまえなのです。
この固定観念をはずして、あえてマイナスの対処法を試みるのはミニマリスト的な生き方でもあります(湯シャンの詳しいやり方は、拙ブログ「湯シャンのススメ」をご覧ください)。
ベッドに寝るのをやめた
いちばん捨ててよかった、と思うのはマットレスです。
2014年の秋の引っ越しをきっかけに、ベッドに寝るのをやめました。
マットレスを手放して、床に寝るようにしたのです。
あるとき、平床寝台というものを知りました。
平らな床の上に寝ることです。床の上に寝ると、背骨や骨盤の歪みが矯正されて、より健康になる。腰痛の改善も見込める、というのです。
私には腰痛はないものの、ひどい肩こりでした。それに、長時間パソコン作業をすると、腰がこる感覚がありました。
そこで、平床寝台に興味を持ちました。
しかし、当時はベッドで寝ていたので、とりあえず、できるだけ硬いものの上で寝ようと、二つ重ねていたマットレスのより硬いほうを上にして寝てみました。
最初は違和感がありましたが、すぐに慣れ、硬いほうが快適なことに気づきました。
硬いマットレスに2年ほど寝ていましたが、引っ越しをきっかけにマットレスを処分し、今度は床に寝ることにしたのです。
フローリングの上に段ボールを敷き、その上に二つ折りにした毛布を敷いて寝ています。
床に寝はじめて、10年たちますが、いまでは、もうベッドに寝たいとは思わなくなりました。
やはり硬い床の上に寝たほうがぐっすり眠れるのです。
寝具が少なくなって、よけいな仕事がなくなったメリットもあります。
あの忌まわしいベッドメーキングをしなくてすむのです。
娘はベッドに寝ていますが、ベッドはとにかく装備が多いと感じます。
ベッドフレーム、マットレス、ベッドパッド、シーツ、掛け布団、ベッドカバー。ファブリックが多ければ多いほど、部屋のほこりが増え、清潔に保たないとアレルギーになる可能性もあります。
もう一つのメリットはどこでも眠れるようになったこと。
毛布を置ける、平らなスペースさえあれば、そこが寝室に様変わりします。
大きなベッドはスペースをとってしまいます。
布団ならしまえますが、布団の上げ下げという作業が発生するし、敷布団はそれなりの収納スペースが必要です。
敷布団を捨てたら、なんだかとても身軽になったのです。