2025年01月11日

騙されやすい人は、こんな「狂った世界線」の中にいる

騙されやすい人は、こんな「狂った世界線」の中にいる
1/10(金) ロケットニュース24

私が狂っているのか。皆が狂っているのか。日本が狂っているのか。世界が狂っているのか。地球上にいる全員が狂っているのか。そんなことを思う毎日。

とりあえずネット全体が狂ってる。
いや、私の環境が狂っているのか。

Facebook開いたら、100%の確率で、詐欺広告が出てくる。秒で名誉毀損レベルの、有名人を使った嘘ニュースの詐欺広告が、およそ3投稿ごとに表示されるのだ。

・騙されやすい人は、どんどん騙される環境になっていく
それらは、どんどんパワーアップしていく。

私は自らネット犯罪の世界に飛び込み、犯罪の仕組みや状況を把握するのを、もうかれこれ10年以上も続けているベテラン「迷惑メール評論家」でもある。

そのように詐欺などの世界に飛び込んでいくと、“ターゲティング広告” 的な作用によって、ますます詐欺広告だらけになっていく。

嘘に騙されやすい人は、次から次へと “嘘” が追ってくるような仕組みになっているのが今のインターネットである。

ふと、なんのために私はFacebookを開いているのだろうか……と思うことがある。実際の知人の投稿すら嘘に見える。

あまりにも嘘が多すぎるため、もうなんだか麻痺してきている私もいる。まるで「虚構新聞」を見ているようだ。

・どんな嘘ニュースが流れてくるのか?

ちなみに私の世界線では、

■タモリが起訴
■キムタク、有罪を認める
■石破茂首相が告発
■高市早苗が告発
■孫正義が起訴
■中居正広を日銀が提訴
■黒柳徹子を日銀が提訴
■大谷翔平を日銀が提訴
■千鳥の大悟、重体
■水卜ちゃん指名手配
■小島よしお逮捕される
■笑福亭鶴瓶が後悔
■投資家テスタさんが300万円を100億円にする極意を教える

そんなニュースが、本当に3投稿ごとに表示されている。

私が今見ている狂ったFacebookは、上記の嘘ニュースに「マジで?」と反応してしまった人(=騙されやすい人)も、同じような状況になっていることだと思われる。

なぜなら重ね重ね説明するが、上記のように、“ターゲティング広告” 的な作用によって、どんどん “似たような広告(嘘だらけの詐欺広告)が追ってくる” からだ。

つまり私が見ている世界線は、普通の人ではなかなか行き着けないであろう「騙されやすい人が見ている世界線」でもあると言える。

・相手の目的は金と個人情報

ニュースを見ると、読売新聞をはじめとした有名新聞社のニュース(のフリをした嘘サイト)であるが、結局のところ最終的には「いま4万円ほど投資すれば、あとはAIが勝手に株などを運用してくれて大金持ちになれる」という “うまい話” に行き着く。

大金持ちになるためには、4万円程度の手付金以外にも、パスポートや免許証やマイナンバー。銀行口座にクレジットカードに住所に電話番号……と、すべての個人情報を捧げなければならない。

もちろん、大金持ちになれるというのは嘘であるし、上記の芸能人を使ったニュースも嘘である。

支払った4万円なんて返ってこないし、教えてしまった個人情報は悪用されるのがオチ。
これがいわゆる “なりすまし投資詐欺” というやつである。

いずれにしても、こういう詐欺は、
“騙される人がいるから無くならない。”
のである。

もっと砕けて言えば「詐欺師が儲かり続けるから無くならない」のだ。

・一体誰が狂っているのか

以前の記事にも書いたが、こんな “なりすまし投資詐欺” に対し、昨年2024年の4月、ホリエモンこと堀江貴文氏と、zozo創設者の前澤友作氏が、自民党の合同勉強会に出席し、実情を訴えた。

「ずっとなめられている。規制しないとだまされてしまう人が出る」と堀江氏。
「シンプルにプラットフォーム規制を」と前澤氏が提言。

しかし、結局のところ何も政府は具体的な法整備をせず、上記のように政治家である石破首相や高市早苗氏まで “なりすまし投資詐欺” の題材に使われる始末。

警視庁がさかんにデータを公開していることからもわかるように、ネット犯罪の件数は年々右肩上がり。いったいどこまで増え続けるのかと不安になるが、ストップするはずがないのである。

なぜならば法整備をしない限り、日本の警察も、日本の政府も、そして日本の政治家も、日本のトップも、この詐欺師たちに何も手が出せないからである。

私が見ているFacebookの世界線は、明らかに狂っている。

だが、こんな狂った状態を放っておくリアルな世界線もまた、虚構の世界以上に狂っていると私は思う。

日本は今、まんべんなく狂っている。


執筆:迷惑メール評論家・GO羽鳥
こちらもどうぞ → 『GO羽鳥の【実録】迷惑メールシリーズ』
posted by 小だぬき at 14:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

選挙の「当選確実」はなぜ開票直後に出せるの?出口調査による予測がほぼ間違えないワケ

選挙の「当選確実」はなぜ開票直後に出せるの?出口調査による予測がほぼ間違えないワケ
堀口智之:和から株式会社代表取締役
2025年01月10日 07時30分ダイヤモンドオンライン

洋菓子店を営む30代女性・マリさん。
1年前に独立したものの、数学が苦手だった彼女はいろいろな壁にぶち当たっていた。
そこで大人向けの数学塾を経営する堀口先生に教えを請い、救いの手を求めることに。
今回は、「当確が早いのはなぜ?」「出口調査って偏ってない?」など選挙に関する疑問を「確率」を使って徹底解説!意外と知らない選挙のあれこれを数学的に考えていく。
※本稿は、堀口智之『1杯目のビールが美味しい理由を数学的に証明してみました。』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

開票が始まってすぐに当選確実が出るのはなぜ?

堀口先生
 実は、選挙も確率が応用されています。
投票所が閉じた瞬間に当確が1秒でわかることってありますよね

マリさん
 たしかに。テレビを見ていても、開票が始まったばかりにも関わらず、「当選確実」といった報道が出ることがあって、不思議に思っていました。全然開票してないですよね?

堀口先生
 あれは、出口調査をやっているんですよね。
有権者が投票所を出た直後に、「誰に投票したのか?」を匿名で尋ねます。
このデータから、全体の投票傾向を予測していくのです。
適当な人数をピックアップして、そこから全体の傾向を推定していくわけです。

マリさん
 なるほど。まさに確率っぽいですね

堀口先生
 確率っぽいというより、まさに確率そのものです(笑)。
投票するか、しないかの2択ですから、二項分布としても考えることができます。
例えば、投票した人のうち100人にアンケートをとりました。
このとき、仮にAさんという方に、50人が投票したことがわかったとします。
このとき、日本人全体でどのくらいの人が投票したのかが一発でわかってしまうのです

マリさん
 えっ!たった100人で、ですか?
投票権を持っている大人の100万分の1くらいしかアンケートとっていないのに、わかるわけがないと思ってしまいます。

堀口先生
 そうですよね。でも、わかるのです。
もう少し正確に言えば、だいたいどのくらいの人がAさんを支持しているのかがわかります。
例えば、もう一度100人にアンケートをとるとどうなると思いますか?

マリさん
 それはやはり50人くらいがまた「Aさん」と答えそうです。
でも、先ほどが50人だったからといって、今度は30人かもしれないし、もっと少なくて10人くらいしかいないかもしれませんよ?

堀口先生
 おっ!鋭いですね。
このように、何度か投票した方にアンケートをとると、回答の比率がブレます。
しかし、そのブレ方に法則が出るのです。
実は、このとき、標準偏差が5人であると計算できます。
つまり、平均から±1σ(σ標準偏差)の範囲となる45人〜55人になる確率が約68%であることがわかり、±2σの範囲となる40人〜60人になる確率がなんと約95.4%となるわけです。

「起こらない」ではダメ?
確率を言葉にするのは難しい!

マリさん
 ということは……?

堀口先生
 そう、「39人以下になる確率」と「61人以上になる確率」が合わせてだいたい4.6%くらいしかありませんから、39人以下になる確率は2.3%となるわけです。

マリさん
 では、30人以下が支持する確率はずっと低いということですか?

堀口先生
 その通りです。もっと言えば、±3σの範囲で言えば、35人〜65人となる確率が99.73……%となりますので、Aさんに投票した人が34人以下となる確率は、0.14%以下です。つまり、ほぼありえないわけです。

マリさん
 ということは、さっき私が話した30人となる確率は?

堀口先生
 ほぼありえないです。
でも、“起こらない”という確定的なものではないので「起こらない確率が極めて高い以上、ほぼ起こらないということにしておきましょう」というニュアンスにしておいた方がよいですね。

マリさん
 うーん、確率を言葉にするのは難しいですね。「起こらない」ということじゃダメなんですか?

堀口先生
 実は、その言葉、大切な気づきを与えてくれるんです。
ある科学者がワクチンの危険性についてテレビでアナウンサーに聞かれたとき、こんな発言があったと記憶しています。
「このワクチン、危険性はない、と言い切れるんですか?」この質問に対してある科学者は、「危険性はないとは言い切れないです」と答えました。
このやりとりを聞いたら、どう思いますか?

マリさん
 とても危険なものなんだ、と感じます

堀口先生
 そうですよね。
でも、確率で考えれば、1%、0.1%、0.00001%。どれも小さいけれど、0ではありません。
何か物事には必ず危険はつきものです。
例えば、滑り台だってそうですよね。滑り台の一番高いところの柵の間から子供が落ちるかもしれません。

マリさん
 たしかに。そう考えたら危険です。

堀口先生
 でも、それをやめますか?

マリさん
 やめることはしないですね。
だって、子供の遊び場がなくなりますよ。
シーソーもジャングルジムもすべて撤去になりかねません。

「出口調査=国民の意見」とは限らない
データが偏ってしまう可能性は?

堀口先生
 そういうことですね。リスクとリターンを必ず天秤にかけているんです。

マリさん
 メリットとデメリットの天秤は、日常の中でもよくありますね。

堀口先生
 さて、脱線してしまいました。
元の話に戻りましょう。
つまり何が言いたいかといえば、確率を0にすることはできないので、ある程度の許容できる確率のラインを決めてしまうことが大切です。
選挙の当選確実かどうか、という情報は間違えてはいけない情報です。
ですので、より確率が高い段階で決めたいところですね。
0.14%程度の過ちは許容することを前提に考えるのであれば、100人中50人がAさんに投票したという出口調査の結果に対して、34人以下となることはほぼありえない。
つまり、「35%以上の票は確実に得られた!」として、その選挙の当確ラインが35%の得票率なら、その時点で報道すればよいわけですね

マリさん
 なるほど。でも、少しもやっとします。

堀口先生
 どこがでしょうか?

マリさん
 私の周りでは今の政権についてそれほど批判的にとらえている人はいない印象ですが、しかし、SNS上では批判的な意見が多いです。
つまり、出口調査の結果が実際の国民の意見とは限らないわけですよね?
データが偏ってしまったらどうするんですか?

堀口先生
 実は、データが偏らないように、出口調査は2000以上の投票所で実施されていたり、出口から出てきた人に連続で聞かないようにしたりなどのルールを元に運用されています。
例えば連続で聞いてしまうと、その2人が友人だったりするわけです。
そうなると、投票結果もだいたい似たようなものになる可能性はありますよね。

マリさん
 たしかに。偏りがないように調整してくれているのですね。
いやー、勉強になります。
選挙の中で確率がこんなにも活用されていたとは。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする