2025年04月01日

「認知バイアス」には記憶をゆがめる可能性がある

あなたの記憶はどこまで信用できますか?注意が必要な「後知恵バイアス」を解説
栗山 直子 : 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院 講師
2025/03/31  東洋経済オンライン

「人が今まで生きてきた中での個人的な経験の記憶」を指す“自伝的記憶”は、書き換えられがちです。
自分についての記憶なので、間違っているわけないと思われるかもしれませんが、正確ではない部分もあります。
※『世界は認知バイアスが動かしている』から一部抜粋・編集のうえ、解説します。

事件の目撃証言は信用できない

フォルスメモリは実際には起こらなかった出来事や事実に基づかない内容を本人が本当の記憶として信じ込んでしまう現象です。
目撃証言に関するロフタスとパーマの有名な実験があります。

参加者に自動車事故の映像を見せた後、質問の仕方を変えることで、事故の様子に関する記憶がどのように変化するかを調べました。

その結果、「車が衝突したときの速度はどれくらいでしたか?」と聞かれたグループは、「車が接触したときの速度はどれくらいでしたか?」と聞かれたグループに比べて、車がより速く走っていたと答える傾向が見られました。
同じ映像を見ながら「衝突」と「接触」の言葉の違いだけで映像の記憶が全く変わってしまうのです。

1週間後に追加の実験を実施していますが、その実験結果も「衝突」と「接触」では記憶が変わる可能性を示唆しています。
実験参加者全員に「事故映像でガラスが割れるのを見ましたか?」と質問しました。
実際の映像ではガラスは割れていませんでしたが、1週間前に「接触したとき」と聞かれたグループは51人中7名が「見た」と答えました。

一方、「衝突したとき」と聞かれたグループは50人中16人が「見た」と答えました。
つまり、人間は聞かれ方によって答え方が変わったり、間違って思い込んでしまったりする可能性があります。

ですから、事故や事件の事情聴取、裁判の目撃証言など信ぴょう性が問われる状況では、聞き方や取り調べの方法を慎重に考えなければいけません。
人は自分でも気づかずに記憶を書き換えて答えてしまう傾向があるのです。
昔を思い出して、自分の経験や出来事を語る自伝的記憶があまりあてにならないといわれているのもこのバイアスによるものです。

幼少期の記憶はつくり変えられる

お伝えしたように、昔を思い出して、自分の経験や出来事を語る自伝的記憶があまりあてにならないのもフォルスメモリと無縁ではありません。
自伝的記憶とは、「人が今まで生きてきた中での個人的な経験の記憶」を指します。
そして、この自伝的記憶は書き換えられがちです。意図せずに、記憶を再構成する傾向が見られます。

大学生を対象にした実験があります(Huffrick et al.(1995))。
大学生の家族や友人に協力してもらって、幼少期の出来事の情報を収集しました。その上で大学生にインタビューを実施したところ、多くの実験参加者が本当は自分が体験していない出来事を追加して自分の経験だと説明しました。

これは、思い出話などを繰り返し思い出したり、家族から聞いたりすることによって、覚えていないものについても、「そんなことがあったなあ……」と自分が覚えている記憶と書き換えられてしまうからです。その結果、フォルスメモリを形成してしまいます。

自分についての記憶ですから、間違っているわけないと思われるかもしれませんが、自伝的記憶は正確ではない部分があります。
人は、このようにつねに記憶を書き換えてしまうリスクを抱えているのです。

「後知恵バイアス」が記憶をゆがめる

後知恵バイアスは物事が起きた後に(答えを知った後に)、「そうなると思っていた」「予測ができた」と考える心理的傾向です。

たとえば、スポーツや選挙で自身の予想と異なる結果が出た際、「予想は外れたけど、こうなる可能性があることもわかっていた」と感じたことはないでしょうか。
強がりや負け惜しみではなく、無意識にこう思ってしまうのも、後知恵バイアスの典型例です。

有名な研究としては、リチャード・ニクソン大統領の1972年の中国・ソ連外交に関するアンケート調査があります。
ニクソンの北京訪問を前に、どんな結果をもたらすかいくつかの具体的な出来事を示してその出来事が起こるかどうかについて調査参加者に予想してもらいました。
そして、ニクソン訪中の結果を知った後で再度予測を思い出してもらいました。

結果としては、事前の調査で提示していた出来事について、実際に起きたことに対して自分の予想を過大評価して「高い確率で予想していた」と、起きなかったことに対しては「もともと低い確率で予想していた」、つまり最初から起こりそうもなかったと思っていたと記憶を書き換える傾向にありました。

たとえば、訪問前に「失敗に終わる」と予想していた人が、「私は成功を信じていた」などと考え始めたのです。
人間は後から結果や知識を与えられると、知覚や記憶を無意識に変化させてしまうことがあるのです。
私たちの予測の精度は自分たちが思っている以上に悪いともいえます。

裁判の証言はあてにならない訳

後知恵バイアスは、実際に起きた事件や事故、裁判にも影響を与えることがあります。
ある川で起きた鉄砲水による水難事故をめぐる刑事裁判がありました。
争点は、鉄砲水発生の予兆である川の濁りを被告側が事前に認識し、事故を回避できる可能性があったかどうかでした。

事故前に撮影された川の写真は、濁りの有無について評価が分かれるものでした。
事故前に現場にいた関係者は写真を見て、「水は濁っていた」と証言しましたが、本当に川が濁っていたのかどうか、写真だけでは断定できる要素がありませんでした。

「鉄砲水が起きたことを知っているため、濁っているように感じているのではないか」と考えた弁護側は認知心理学の専門家に証言を依頼します。
そこで、専門家は実験を行い、影響を調べました(Yama, Akita & Kawasaki(2021))。

世界は認知バイアスが動かしている 情報社会を生きぬく武器と教養

実験参加者を2つのグループに分け、河川の写真を示しました。
水の濁りが鉄砲水の予兆であることをあらかじめ伝え、濁りの程度を評価するように求めました。
ただ、片方のグループには「実際に鉄砲水が起きた川」として写真を見せ、もう一方にはその情報を与えず、評価がどう左右されるかを検証しました。

平均値を比較したところ、鉄砲水が発生した川という結果を事前に知らされたグループの方が、より強く濁りを評価する傾向が出ました。
条件を変えた別の実験でも同様のデータが得られており、同じ写真でも、結果を知ることで濁りが強く見えることがわかりました。
典型的な後知恵バイアスであり、そうしたバイアスに基づく発言は実際の裁判でも起きる可能性を示しています。
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2025年04月02日

だから「斎藤元彦」「石丸伸二」は誕生した…「想定外の選挙結果」を次々に生んだ「SNS選挙」の本当の問題点

だから「斎藤元彦」「石丸伸二」は誕生した…「想定外の選挙結果」を次々に生んだ「SNS選挙」の本当の問題点
2025年04月01日 PRESIDENT Online

東京都知事選に出馬した石丸伸二氏や斎藤元彦兵庫県知事をめぐっては、SNSを使った選挙運動が問題視されている。
弁護士の郷原信郎さんは「インターネット選挙が解禁されて10年あまりたつが、規制が追いついていない。
このままでは、SNSの専門業者に多額のカネを落とした候補者が勝つという歪んだ状況が作られてしまう」という――。
※本稿は、郷原信郎『法が招いた政治不信 裏金・検察不祥事・SNS選挙問題の核心』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■SNSが選挙結果を動かす時代に

自民党が派閥政治資金パーティーをめぐる「裏金問題」で、国民の厳しい批判を受け、2024年4月の衆議院3補選で全敗(うち2選挙区では公認候補者を立てられず)するなど、大きく支持を落とす状況で行われた7月の東京都知事選では、元安芸高田市長の石丸伸二氏が165万票を超える大量得票で2位となり、

11月の兵庫県知事選では、県議会で不信任決議案が全会一致で可決されて失職した斎藤元彦氏が再選、さらに、名古屋市長選でも、4党相乗りの大塚耕平(おおつかこうへい)氏を破って減税日本の広沢一郎(ひろさわいちろう)氏が当選するなど、予想外の選挙結果となる事例が相次ぎ、その度にSNSが選挙に与える影響が注目された。
選挙でのSNSの活用が公選法違反の刑事事件で捜査の対象となる事例も相次いでいる。

兵庫県知事選挙をめぐっては、私と神戸学院大学教授の上脇博之氏による斎藤知事らを被告発人とする買収罪についての告発状が、神戸地方検察庁と兵庫県警察本部に受理され、稲村和美(いなむらかずみ)候補に関して大量のデマ投稿が行われたことについての虚偽事項公表罪等の告発状(被疑者不詳)が兵庫県警に受理されている。

■PR会社へのSNS運用委託は買収罪にあたる?

12月2日に提出した告発状で、斎藤知事らについて公選法違反(買収罪)の嫌疑の根拠としたのは、

(1)11月20日に、PR会社の代表取締役社長が、インターネットのブログサイトnoteに行った投稿の内容によれば、PR会社の社長として、同社の社員ともに、斎藤氏の知事選挙においてSNS広報戦略を全面的に任せられてその運用を行ったものと認められること

(2)社長のnote記事投稿の信用性が、投稿前後に斎藤氏の選対の主要メンバーであった市議会議員らのX投稿によって裏付けられていること

(3)斎藤氏に代わって行われた代理人弁護士の会見での、PR会社に対する71万5000円の支払を認めた上での「PR会社にはポスター制作等を依頼しただけでSNS運用を任せておらず、PR会社社長は斎藤氏のPR会社訪問後、個人のボランティアとして選挙に関わっていたとする説明」が不合理であり信用できないこと

の3点であった。

これらにより、代理人弁護士が支払を認めた71万5000円は、PR会社へのSNS運用という選挙運動の対価を含むものと判断したものだった。

■市民からの情報提供で捜査が加速

このような告発状を提出したことを、オンライン会見を行って公表し、告発状をネットで公表したところ、告発人の私の下に兵庫県民から様々な資料、情報が提供された。
それらを逐次、捜査機関側に提供するなどしていた。

それも早期告発受理の一因になったものと考えられるが、さらに、2025年2月7日、神戸地検と兵庫県警がPR会社の複数の関係先に対して家宅捜索を行ったことが報じられた。
告発事実についての買収の嫌疑が、強制捜査の実施が相当と考えられるほどに高まっているということだと考えられる。

昨年の一連の選挙を機に、公職選挙においてSNSが大きな影響を与えることが認識され、その実態に即して公職選挙法のルールを改めるべく、法改正に向けての議論が始められている。

公選法改正の議論を適切に進めていくためには、選挙で実際に何が起きていたのか、現行法の罰則ではどの範囲が処罰の対象になり、どのような行為が処罰の対象ではないのか、現行法と現状との間にどのように乖離(かいり)が生じているのかを把握することが重要となる。

■「インスタでの選挙戦」徳島選挙区でも問題化

兵庫県知事選挙でのSNSに関する公選法違反の告発が契機となって、他の選挙に関しても、同様の問題が表面化している。

2024年10月の衆議院議員選挙徳島2区で当選した自民党公認の山口俊一氏の陣営が選管に提出した選挙運動費用収支報告書で、SNS運用委託費として業者に150万円を支払っていたことが明らかになり、徳島新聞が、業者側の取材の結果から公選法違反の疑いがあることを報じた。

業者側も、山口氏を応援するプラカードを支援者に持ってもらって、写真撮影してインスタグラムに投稿することを企画したり、インスタライブを提案して実行したりしたことを認めており、主体的・裁量的にSNSを運用した疑いがある。

一方、山口氏の事務所では、撮影や編集を一任していたことは認める一方、「動画撮影と加工」「撮影写真のピックアップ(選択)と補正」といった業務を記した指示書を毎日、業者側に渡しており、編集された動画をチェックし、映っている人の顔を消したり、音楽を差し替えたりするよう指示をし、配信も山口事務所側が行っていたことから、裁量権は山口氏側にあったとして、公選法違反を否定している。

■「指示書」は言い訳か

毎日、候補者側から業者に対して「指示書」が出されていた事実があり、それが単に、選挙運動への対価支払についての「言い訳」にしようとしただけのものか、実質的に陣営側の主体性・裁量性で行われていたといえるのかが公選法違反の成否に関するポイントとなる。

この件については、本稿執筆の最終段階の3月3日に、私と上脇氏とで、SNS業務委託と報酬支払の当事者等を徳島地方検察庁に公選法違反で告発した。

私も上脇氏も、この件で徳島新聞からの取材を受け、公選法違反の成否についてコメントを行っているが、その取材の過程で知り得た情報から、山口陣営から業者への「指示書」は、具体性を欠き、業者側の主体性・裁量性を否定するものと言えない可能性が高いと考えられる。

■自民党本部が“抜け穴”を指導した可能性

山口陣営において本件SNS運用委託を行った背景には、自民党本部から衆院選の各公認候補者に対してSNSを積極的に活用するよう指示があり、その際、公選法違反に問われることを防止するための対策として業者側に対して業務内容の指示を行うよう指導がなされていた事実もあるようだ。

これらからすると、SNS業務委託が公選法違反に該当する可能性は十分に認識されていたと考えられ、同衆院選における他の自民党候補者にも同種の問題がある可能性がある。
これらの事情からすると、今後のSNSに関する公選法改正の議論にとっても重要だと考え、山口陣営によるSNS業務委託の問題について告発を行うことにした。

■石丸氏のライブ配信も「キャンセル料」で問題に

また、2025年2月に入り、週刊文春で、昨年の東京都知事選挙で小池百合子氏に次ぐ2位となり、SNSの活用が注目された石丸伸二氏に関して、投票日の2日前の決起集会のYouTubeチャンネルでライブ配信された映像の撮影と配信を担当した業者に対して、石丸氏側が97万7350円を「ライブ配信機材キャンセル料」の名目で支払っていたことが買収罪に該当する疑いが指摘された。

石丸氏側は、ライブ配信はキャンセルしたが、業者側がボランティアで行ったと説明している。
しかし、一応契約はキャンセルしたとしても、実際に、映像の撮影と配信が行われたのであれば、キャンセル料の支払が、その対価ではないかが問題になる。

「キャンセル料」の金額が、事前に合意されていて、ライブ配信を行っても行わなくても、契約上支払は免れないという場合でなければ、実質的にライブ配信の対価に該当し買収罪が成立する可能性がある(すでに、市民団体と上脇氏が、公選法違反で刑事告発を行っている)。

このように、選挙でのSNSの活用をめぐって、様々な事例が問題となり、それが刑事事件として捜査処分の対象となって、事例が積み重なっていくことで、SNS運用に関する公選法改正の議論が深まっていくことになる。

■選挙運動は「ボランティア」が原則

公選法は、選挙運動の自由、表現の自由の保障との関係から、選挙に関する発言や表現の内容自体に対しては基本的に寛大である一方、選挙運動に関する金銭、利益のやり取りに対しては、「選挙運動ボランティアの原則」から厳しい態度で臨んでいる。

本来、選挙運動は、候補者本人と、その候補者を支持・支援する選挙運動者によって行われるものである。
選挙運動にとって不可欠なポスター、チラシの制作等が公費負担の対象とされ、選挙カーの運転、ポスターの掲示等の機械的労務や、車上運動員(ウグイス嬢、手話通訳者)に対する所定の金額の範囲内での報酬支払が認められているが、それ以外は、選挙運動はボランティアで行うのが原則である。

判例上、買収罪との関係において、「選挙運動」は、「当選を得しめるため投票を得若しくは得しめる目的を以て、直接または間接に必要かつ有利な周旋、勧誘若しくは誘導その他諸般の行為をなすこと」とされている。

■選挙運動への報酬は買収罪に

その定義によれば、特定の候補者の当選を目的として主体的・裁量的に行う(自分の判断で主体性を持って行っている)行為はすべて「選挙運動」であり、それに対して報酬を支払えば、告示の前後を問わず、上記例外を除いて、すべて、買収罪が成立する。

選挙運動は立候補届出前に行ってはならないという「事前運動」の規制との関係では、立候補予定者等が選挙準備として行う行為は、それを行わなければ立候補すること自体が困難なので、主体的・裁量的に行う行為であっても、「事前運動」の規制の対象にはならないが、
それに対して対価を支払えば買収となる(逐条解説公職選挙法改訂版〈中〉129条〈事前運動の禁止〉)。

このように、選挙運動に対する対価の支払に対しては、現行法は極めて厳格であり、現行法上は、選挙コンサルタントやPR会社などが、有償で「業務として選挙に関わること」は、その実態が明らかになれば、大半が違法ということにならざるを得ない。

このような状況を受けての公選法の運用や立法論に関して重要となるのが、SNSを含めた選挙戦略に関わる選挙コンサルタントやPR会社に対する報酬の支払の事態である。それらのうちどの範囲が選挙運動の対価に当たり買収罪が成立するのかが問題となる。

■「業務としての選挙」の壁

投票の秘密が保障されて自由に投票できるのが選挙人の権利であるのと並んで、特定の候補者への支持を外形的に表現する選挙運動を行うことも国民の権利である。
しかし、投票や選挙運動という権利は、誰からも利益を得ることなく行うことが大前提であり、それを有償で行うことは禁止されるというのが公選法上のルールであり、特定の候補者を当選させるための選挙運動を「業務として」行うことには、公選法上、大きな制約がある。

選挙コンサルタントというのは、「候補者に適した選挙キャンペーンのプランニング、アドバイス等を行うことで有権者の支持を拡大し、当選を果たすための、合理的な選挙戦略の策定をサポートする仕事」であり、それは、まさに「業務として選挙に関与し報酬を得る」という職業である。

それが、公職選挙に立候補しようとする者自身に対する助言・指導だけではなく、候補者の当選のため、選挙陣営内部に入り込んで、選挙全般にわたって、選挙参謀的に関わるようになると、選挙運動に限りなく近くなり、報酬の支払が買収罪に当たる可能性が生じる。PR会社が公職選挙における広報戦略を担う場合も同様だ。

■「告示後はボランティア」の建前は通用するのか

選挙コンサルタントの活動に対する公選法違反の疑いが表面化したのが、2022年2月の長崎県知事選挙であり、前述したとおり24年11月の兵庫県知事選挙ではPR会社の選挙への関与が公選法違反の問題となった。

従前は、選挙コンサルタントは、「告示後は報酬を受け取れば公職選挙法違反になるので、告示前までは政治活動へのアドバイスに対する報酬」「告示後はすべてボランティア」という説明で通してきた。
しかし、活動全体がボランティアというのであればともかく、候補者の当選をめざす一連の活動を、「告示前の選挙準備活動は有償」「告示後はボランティア」と切り離せるものではない。
告示後の選挙期間中も選挙運動に直接関わることを前提に、告示前に報酬を支払ったのであれば、選挙運動者にその対価を供与したことになり、買収罪が成立する。

だからこそ、従前は、選挙コンサルタントの活動は、基本的に表に出ない形で候補者自身に対する直接の助言・指導が中心で、特に、告示後の選挙運動には直接関わらないのが鉄則だった。
証拠が残らないようにすれば、「選挙運動には当たらない“告示前の活動”に対する報酬しか受け取っていない」と主張することができるからだ。
それが、選挙を“生業(なりわい)”とする選挙コンサルタントの常識であり、身を守る術すべでもあった。

■“選挙ビジネス”に法が追い付いていない

ところが、2つの知事選挙では、選挙コンサルタントやPR会社社長などが、業務としてSNSを含む選挙戦略の策定・実行に関わって候補者を当選に導いたことを公言し、それによって、公選法違反疑惑が表面化することになった。

かつては選挙のやり方は、選挙広報、法定の範囲内でのポスター、チラシ、街頭演説、選挙カーによる連呼、地縁・血縁を使った投票依頼など、限られたものでしかなかった。
そうした中で、金銭を提供して有権者に投票依頼する「投票買収」を摘発・処罰することが、選挙違反の取締りの中心だった。

インターネット選挙が解禁されて10年あまり、選挙で有権者の支持を得る手段が多様化し、その中でSNSなどの活用が特に重要な手段になるのに伴って、そのような業務を専業とする業者が活動する余地が広がり、そのためのノウハウ、スキルを持つ業者の付加価値も大きくなっていく。
それに対して有形無形に支払われる対価が大きなものになっていくのは必然だ。

そのような事態を放置すれば、専門業者に多額の報酬を支払えるかどうかで、選挙の勝敗が決することになり、公職選挙の目的を阻害することになりかねない。
「業として選挙に関わること」を野放しにすることができない理由はそこにある。

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郷原 信郎(ごうはら・のぶお)
郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士
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2025年04月03日

他人に振り回されず心の平和を取り戻す「あるがまま理論」4つのメリット

他人に振り回されず心の平和を取り戻す「あるがまま理論」4つのメリット
4/2(水) Forbes JAPAN

人が予想外の行動を取ると、しばしば苛立ちを覚えることがある。
たとえば、友人が急に自分を誘わなくなったり、大切な人が離れていったり、期待していたサポートを得られなかったりする状況だ。
そこで本能的に「なぜそうなるのか」「何とか変えられないか」と考えてしまうが、そうした思考はストレスを増やすだけだ。

世界で最も成功したポッドキャストのホストであり、ベストセラー作家としても知られるメル・ロビンスの著書『The Let Them Theory』で提唱され、題名にもなっている「あるがまま理論」は、強力な思考転換のヒントを与えてくれる。
内容はシンプルで、他人が自分らしさや望みを示したときに「気にしない・そのままにしておく」という考え方だ。
認められようと追いかけたり、関係を無理につなぎ止めたりするのではなく、「現状を受け入れ、自分に集中する」ことを勧めている。

「あるがまま」とは、相手に無関心になることではない。
相手の選択を尊重しながら、自分の平穏を優先するという意味である。
期待にしがみつく手を緩め、本当に自分に合った人生を作る余地をつくる、ということだ。

以下に、「あるがまま理論」が平穏を取り戻すうえでどのように役立つのかを示そう。

■1. 不要なストレスから解放される

他人の行動や思考、感情をコントロールしようとすると、非常に消耗する。
誰かがサポートしてくれるはず、親切に応じてくれるはず、あるいは自分の期待に沿った決断をしてくれるはずと考えることは、失望につながりやすい。
相手を常に管理したり影響を与えようとしたりすることは、精神的・感情的な負担を引き起こし、ストレスや苛立ち、さらには恨みにまで発展する。

「あるがまま理論」を受け入れることで、自分ではコントロールできないものをコントロールしようとする無駄な努力から解放される。
誰かが思い通りに行動してくれない理由を考え続ける代わりに、「人はそれぞれ自分の選択をする」という事実を受け入れるのだ。
たとえ納得がいかなくても、人にはそれぞれの理由があると認める。

たとえば、友人が以前ほど誘ってくれなくなったと感じた場合、第一の反応として「自分が何か悪いことをしたのか」と考えたり、関係を元に戻そうと必死になったりしがちである。
しかし、そうした行動は不安をさらにあおるだけだ。代わりに「あるがまま理論」を実践すれば、相手の選択は相手自身のものだと認め、自分の幸せを育むことに集中できる。
この思考転換は不安を減らし、自分がコントロールできること、つまり自分の反応や感情に意識を向けやすくする。

『Behavior Research and Therapy』誌に掲載された研究では、「ネガティブな感情を受け入れること」が「それを避けようとすること」と比べて、より良いメンタルヘルスにつながるかどうかを検証している。
研究から得られた知見は以下のとおりだ。

・受容はストレス状況下でのネガティブな感情を減少させる

普段から感情を受け入れる傾向のある人は、ネガティブな経験に直面しても圧倒されにくい。

・受容は高ストレス下におけるうつ病の発症を防ぎやすい

うつ傾向のリスクがある女性を対象とした場合、感情を受け入れる人は、大きなストレス下でもうつ症状を生じにくかった。

要するにストレスが多い状況でも、感情を受け入れることはメンタル面での健康に大きく寄与する。
ただし、これはスキルとして身に付けるのに時間がかかる場合もあり、効果は状況や個人によって異なる。
「コントロール」ではなく「受容」を選ぶことで、抵抗から回復へとシフトできる。
その結果、ストレスが減り、より穏やかな気持ちで日々を送れるようになる。

「あるがまま理論」で冷静になれる理由

■2. 衝動的に反応するのではなく、適切に対応できるようになる

あらゆる出来事にすぐに反応する必要はない。
しばしば、物事を自分の思うとおりに進めたいという衝動が、苛立ちや軽率な判断、不要なストレスを招く。
しかし、「人はそれぞれ自分の選択をする」ことを受け入れることで、感情的な荒波から自由になれる。

たとえば、友人が直前に予定をキャンセルした場合、苛立ちを覚えるかもしれないが、見方を変える余地があるかもしれない。
相手にはやむを得ない理由があったのかもしれないし、あるいは思わぬ形で一人の時間をもてるチャンスかもしれない。

受け入れる姿勢をもっていれば、「なぜこうなったのか」と恨むのではなく、自分の平穏を保ったまま状況に柔軟に対応できる。
こうした思考プロセスはマインドフルネスや自己認識を育み、起きた出来事とそれに対する自分の対応の間に「ひと呼吸置く」余裕を与える。
感情に突き動かされるのではなく、自分の健康や幸福に沿った選択をする余地が生まれるのだ。

『Cognition and Emotion』誌に掲載された研究では、「感情を抑圧する」よりも「受け入れる」ほうが、困難な感情をうまく扱ううえで効果的かどうかを調べている。
悲しい動画を見た後に感情を抑圧しようとした人々は、動画直後にはあまり悲しみを感じなかったものの、あとになって「リバウンド効果」により気分がより落ち込んだ。
逆に感情を受け入れた人は、最初は悲しみを強く感じたものの、比較的早く回復している。

この研究は、感情を抑圧することが精神エネルギーを多く消費し、フラストレーションをため込みやすくする一因になることを示している。
一方で、受け入れる姿勢を取ればその場にしっかりと向き合い、感情を変えようとして泥沼化することなく、回復を早められる可能性がある。

「あるがまま理論」の考え方を取り入れると、出来事と自分の反応の間に余白が生まれ、衝動的ではなく冷静に行動を選択できるようになる。
これは自制心を高め、感情の回復を早めることにもつながる。
長期的に見ると、自分のウェルビーイングをより良い方向へ導くだろう。

■3. 自分のエネルギーを意図的に使えるようになる

他人の行動や思考、あるいはあらゆる出来事の結末をコントロールしようとすることは、精神的にも感情的にも大きな負荷となる。
そうしたコントロール欲求から離れ、自分の選択に集中すると、本来なら苛立ちや抵抗で浪費していたエネルギーを節約できる。
この新たに生まれた余力を、自己成長や有意義な人間関係、心から楽しめることに振り向けられるのだ。

『European Journal of Social Psychology』誌に掲載された研究によると、自己調整は有限のリソースであり、あるタスクに使うと後のタスクに使える力は減少することが示されている。
感情や衝動をコントロールするには精神力が必要で、使い果たすと自己制御が難しくなるという考え方だ。

たとえば、なぜ相手が自分の望むように接してくれないのかを延々と考えるより、自分の境界線をしっかりともち、価値観に合う人間関係を選ぶことに意識を向けるほうが建設的である。
外部要因を操作しようとするよりも、自分の行動や判断に注力することで、自分にとって本当に大切なことにエネルギーを注ぎやすくなる。

「あるがまま理論」の考え方を実践すれば、コントロール不能なものに気力を消耗する代わりに、あくまで自分の選択と反応を整えることに力強化される「ある関係」とは?

■4. 人間関係が強化される

たとえ善意からであっても、人をコントロールしようとすれば摩擦や反発が生まれやすい。
人は誰しも自分の自主性を重んじるため、過度に干渉されれば窮屈さや不満、あるいは抵抗感を覚えるものだ。
しかし、人々に自分で選択する自由を認めることで、信頼と尊重に満ちた環境が育まれる。

一歩引いて相手に決定を委ねることで、その人が自分の人生を主体的に考える能力を信じていると伝わり、結果的に関係性は強化される。
また、相手もプレッシャーや防衛心を感じにくくなるため、本当に助言が欲しいときには素直に相談してくるようになり、より深く誠実なコミュニケーションが促されるだろう。

たとえば、いつも仕事の不満ばかり口にする友人がいても、「辞めるべきだ」や「こうすべきだ」と押し付けるのではなく、ただ話を聞き、相手が自分で行動に移す時期を待つほうが良い場合がある。
相手が意見を求めてきたときにだけ助言すれば、こちらが相手のプロセスを尊重していることが伝わり、より建設的な対話につながる。

『Personality and Social Psychology Bulletin』誌に掲載された研究では、「お互いがつながりを感じつつも自分らしさを保てる」関係ほど健全であり、困難を乗り越える力も高まることが明らかになっている。
安心感と独立性が両立してこそ、関係の絆はより強くなるのだ。

「あるがまま理論」の心構えをもちながらサポートすれば、相手を尊重したうえで相手に選択の自由を与えられる。そのため信頼関係が深まり、より有意義な人間関係を築ける。

■手放すことで得られるもの

「あるがまま理論」は、単に他人のことだけを扱う理論ではない。
実は自分自身のための考え方でもある。
コントロールや説得、調整に費やしていたエネルギーを回収し、それを自分の人生を整える方向へ振り向けるのだ。

コントロールしようとするのをやめると、より価値の高いものが手に入る――それは「自由」だ。
自分に合うものに集中できる自由、不確実性を穏やかに受け止められる自由、そして無理なく得られる体験を呼び込める自由だ。

次に、自分がある期待にしがみついていると感じたとき、「もし『あるがまま』にしておいたらどうなるだろう?」と自問してみるといい。
肩の荷が下り、人生が驚くほど軽やかに感じられるかもしれない。
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2025年04月05日

ステルス値上げに「詐欺」「ずるい」 炎上リスク大でも、企業が踏み切らざるを得ないワケ

ステルス値上げに「詐欺」「ずるい」 炎上リスク大でも、企業が踏み切らざるを得ないワケ
4/4(金) オトナンサー

企業がステルス値上げを行う理由は?

 原材料価格や物流コストの高騰などの影響で、4月1日からビールやチーズなどの食料品、トイレットペーパーやティッシュペーパーといった日用品が値上がりしました。
日々、家計のやり繰りに悩んでいる人は多いと思います。

 ところで、チョコレートやポテトチップスなどの菓子商品の中には、価格は変わらないものの、いつの間にか内容量や数量が減った商品があります。
このように内容量や数量を減らしつつ、価格を据え置く行為は実質的には値上げに該当しますが、消費者が気付かないうちに行われることから、「ステルス値上げ」と呼ばれています。
SNS上ではステルス値上げについて、「詐欺」「ずるい」「堂々と値上げすれば良いのに」「やめてほしい」などの声が上がっています。

 ステルス値上げのように、消費者に何の告知もせずに値上げに該当する行為は問題ないのでしょうか。
消費者の印象が悪くなる可能性がある中、なぜ、企業はステルス値上げをするのでしょうか。
通常の値上げ、ステルス値上げが消費者に与える印象の違いも含め、経営コンサルタントの大庭真一郎さんが解説します。

普通に値上げすると競争する上で不利

 そもそも、商品の価格は原材料費や人件費、物流費用など、もろもろのコストを回収した上で、メーカー側に適正な利益が生じるよう設定されています。
この場合の「適正な」というのは得られた利益の中で、今後、必要な投資や企業の体制を維持し続けるために必要な費用を賄えるという意味です。

 コストはいつも一定ではなく、世の中の環境の変化によって変動しますが、価格を変えずにいると適正な利益が得られなくなり、最悪の場合は赤字となります。
そのため、「商品の分量を少しだけ減らす」といった小さな変化で適正な利益をカバーできる場合や、将来的に以前の分量に戻せる見込みがある場合は販売価格そのものは変えず、商品の分量を減らすステルス値上げで対応するケースが多いのです。

 ネット上では、ステルス値上げについて、「詐欺」「企業イメージが下がるだけで、マイナスでは?」といった内容の意見が見受けられます。
ここからは、「通常の値上げやステルス値上げが、メーカー側の経営に与える影響」「通常の値上げ、ステルス値上げが消費者に与える印象の違い」「メーカー側が値上げの際に取るべき対応」の3点について解説します。

 普通に値上げをすると、競合他社が提供している商品との間で価格差が生じ、場合によっては価格差が拡大してしまうことがあります。
そのようなことが起きると、市場で競争する上で不利です。品質や分量に差がない場合や「このメーカーでしか販売していない」といった特別な価値がない場合は、消費者は価格の安い商品を選択することが多いからです。

 しかし、利益を確保するために分量を大幅に減らさなければならず、パッケージなども変更しなければならない場合や、分量を減らした後、将来的に以前の分量に戻すことがない場合はステルス値上げではなく、通常の値上げで対応します。

 消費者に対する事前告知のないステルス値上げをやり続けた場合、メーカーに対するイメージが悪くなることで、消費者(ファン)が離れていってしまうことが想定されます。
ステルス値上げに関する情報は口コミで拡大していくからです。

 また、ステルス値上げを行ったことを知った競合他社が動くことも考えられます。
例えば、A社がこれまで、「120グラム100円」で売っていた商品をステルス値上げにより、「100グラム100円」で販売したとします。
すると、競合他社の中には、A社のステルス値上げ前の価格である「120グラム100円」で商品を売り、A社の顧客を奪おうとする企業も出てくるかもしれません。
このようなことが生じた場合、売り上げの減少や市場でのシェア低下という形で、ステルス値上げを行ったメーカーの業績に悪い影響を及ぼします。

 なお、ステルス値上げについては、法律上で告知義務があるわけではないため、パッケージに表示された情報(商品の分量など)が正確であれば、実施しても特に法的責任を問われることはありません。

 値上げが必要な理由や、値上げ後の金額決定の根拠を明確に伝えた上での通常の値上げと消費者に一切告知をしない形でのステルス値上げとでは、ステルス値上げの方が消費者の印象が悪くなると思います。
「気付いたら、商品の分量が減っていた」ということに対して、消費者がだまされたという感情を抱いてしまうからです。

 ただ、値上げ金額が大きい場合は、通常の値上げの方が印象が悪くなることも考えられます。
「この商品に関しては、この程度の価格が妥当である」という独自の判断基準(物差し)を持っている消費者も多いからです。

 そこで、通常の値上げの場合は、値上げが必要な理由と値上げ後の金額決定の根拠を消費者に明確に伝えるべきだと思います。そうでなければ、買う側が納得できないからです。

 ステルス値上げに相当しそうなケースについても、黙って量を減らすのではなく、分量を減らした理由や分量決定の根拠、今後の見通しなどを消費者に伝えることが望ましいです。
経営戦略上の理由で明確に伝えることができない場合であっても、消費者に満足し続けてもらうために「メーカーとして、どうありたいと考えているのか」といったメッセージは伝えるべきだと思います。

 今は物があふれている時代で、品質や分量、価格が似たような商品が市場に乱立しているケースが多いです。
そのような中で、安定した売り上げを確保し続けるためには、消費者との信頼関係を築くことが最も重要です。
消費者から、信頼・信用されることが市場で勝ち残れる最大の要因であるといっても過言ではありません。

オトナンサー編集部
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「期待外れ」「案内板少ない」 万博テストランの来場者から不評の声

「期待外れ」「案内板少ない」 万博テストランの来場者から不評の声
4/4(金) 毎日新聞

 2025年大阪・関西万博が13日に開幕するのを前に、万博を運営する「日本国際博覧会協会」(万博協会)は4日、会場となる大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」で実際に来場者を招いた「テストラン」(リハーサル)を始めた。
参加者からは「期待外れ」「がんばって開幕までには仕上げて」など、さまざまな感想が聞かれた。

 万博の会期は10月13日まで。国内外から2820万人の来場を見込んでいる。


 テストランは6日までの3日間で、大阪府と大阪市が無料招待した一般の参加者4万人を含め、計約9万人が参加する予定だ。万博協会は今回のテストランで、パビリオンや店舗の運営などを最終確認する。

 万博協会の高科淳副事務総長は4日、会場内で報道陣に「ついにここまで来たという気持ちだ。しっかり課題を洗い出し、本番までに万全の体制を組みたい」と語った。

 万博協会によると、テストランに参加する海外パビリオンのうち、参加国が自前で建設する「タイプA」は、全47カ国のおよそ半数の23カ国(19館)にとどまる。
開幕に向けて急ピッチで工事が進められている。

 ただ、一部のパビリオンは工事が間に合っていない。
テストランに招待された70代女性(大阪府河内長野市)は「パビリオンの多くが工事中だった。がんばって開幕までには仕上げてほしい」と話した。

 妻(69)と2人で訪れた無職男性(71)=東京都多摩市=は、いくつかパビリオンを見たが期待外れだったという。   「東京では万博が話題になっていない。無料なら良いが、お金を払ってまで2度目はない」

 今回の万博は、先端デジタル技術でストレスを感じさせない「超スマート会場」を掲げている。
の中で、40代の公務員の女性(大阪市阿倍野区)は注文を口にした。

 「地図を見るにも、パビリオンに入るにも、そのために全てスマートフォンが必要。
トイレの場所も分かりにくく、案内板をもう少し増やしてほしい」

 元万博協会整備局長で、大屋根「リング」の基本設計に携わった阿部正和さん(62)=大阪市住吉区=は夫婦で参加した。

 「バリアフリーについて障害者団体の方と膝詰めで話し、たくさん怒られた思い出もある。
当時は大変だったが、形になってうれしい。万博への批判的な意見も多いが、百聞は一見にしかず。多くの人に足を運んでほしい」【岡崎英遠、藤河匠】
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2025年04月06日

日本人の生活が苦しいのは社会保険料のせい…企業の賃上げを無効化する「ステルス増税」の中身

日本人の生活が苦しいのは社会保険料のせい…企業の賃上げを無効化する「ステルス増税」の中身
2025年04月05日 10時15分PRESIDENT Online

賃上げが叫ばれても手取りはどんどん減るばかり。
いったい誰が悪いのか。新著『新・貧乏はお金持ち』を上梓した作家の橘玲さんは「この国では“頑張って働く”サラリーマンは国家に惜しみなく奪われる。
この罠から逃れるには、〈貧乏はお金持ち〉戦略しかない」という――。
(第1回/全3回)※本稿は、橘玲『新・貧乏はお金持ち』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■16年のあいだに、話は「あべこべ」に…

このたび上梓した『新・貧乏はお金持ち』は、2009年6月に講談社から刊行され、2011年3月に講談社+α文庫に収録された『貧乏はお金持ち』の内容を新しくしたものだ。

幸いなことに親本は多くの読者を得ることができたが、それでも新版にしたのには理由がある。
この16年のあいだに、話があべこべになってしまったのだ。

マイクロ法人は私の造語で、取締役一人か、役員が家族のみで構成される最小法人のことだ。
自営業者が法人化すると、「個人」と「法人」のふたつの“人格”を持つことができる。

本書は「一人なのに二人」というこの不思議について書いているが、それを税・社会保険料コストの(合法的な)軽減に利用する場合、親本刊行当時の一般的なアドバイスは、「法人を赤字にして個人で納税する」だった。
それがいまでは、「個人の所得を下げて法人で納税する」に180度変わってしまった。

■令和のいまは個人より法人で納税したほうが有利に

その理由を詳述したのが本書だが、簡単にいうと次のようなことだ。

法人側の変化としては、「日本の法人税率は世界的に高い」という批判から、30パーセントだった法人税率が2012年から18年にかけて段階的に23.2パーセントまで引き下げられた。

さらに、資本金1億円以下の法人は課税所得800万円以下の部分について22パーセントの軽減税率が適用されていたが、世界金融危機を受けて2009年に18パーセントに、次いで東日本大震災からの復興を名目に12年に特例として15パーセントまで引き下げられた。
また地方法人税も、(東京都の場合)本則は7パーセントだが、課税所得800万円以下で5.3パーセント、同400万円以下で3.5パーセントに軽減されている。

その結果、親本では「マイクロ法人の(国税と地方税を合わせた)実効税率は30パーセント」としていたのが、現在の実効税率は最低で18.5パーセントまで下がっている。

それに対して個人所得税は、課税所得に対して5パーセントから最高45パーセントの累進課税で、住民税(東京都)の所得割は定率の10パーセントだから、実効税率は15パーセントから最高55パーセントだ。

そうなると、ほとんどの場合、個人よりも法人で納税したほうが有利になるだろう。
これが「あべこべ」になった第一の理由だ。

■どこまでも上がり続ける社会保険料

もうひとつは個人の側の変化で、じつは親本では法人の役員が国民年金と国民健康保険に加入することを前提にしていた。

当時も法律上は、役員一人の法人でも社会保険に加入しなければならなかったが、これはあくまでも建て前で、どちらも公的社会保険制度なのだから、家族経営の零細法人は国民年金/国民健康保険と社会保険のどちらか有利なほうを選べばいいというのが実態だった。

人類史上未曾有の超高齢化によって日本の財政は逼迫(ひっぱく)しており、社会保険料の負担は大幅に上がっている。
本書の親本が刊行された2009年当時、厚生年金の保険料率は15.704パーセントだったが、それが現在(2025年)は18.3パーセントになっている。

同じく中小企業が加入する協会けんぽの保険料率は、40歳以上が支払う介護保険料込みで(自治体の平均で)9.39パーセントから11.6パーセントに上がった(同時に、保険料を支払う収入の上限も引き上げられ、高所得の会社員の負担が重くなっている)。

これをわかりやすくいうと、年収600万円のサラリーマン/サラリーウーマンの場合、2009年には(ボーナスをならして)月額50万円の給与に対して約6万3000円の社会保険料が天引きされていたが、それが現在は約7万5000円に増えている。この16年間で、毎月の手取りが1万2000円(年額14万4000円)も減ってしまったのだ。

あなたが給与明細を見て、「会社はベースアップしたというけれど、手取りは逆に減っているじゃないか」と疑問に思ったら、その理由は増税ではなく、社会保険料の負担増だ(会社が支払う社会保険料も同じだけ上がっているので、会社はその分、人件費を抑制しようとするだろう)。

■生活が苦しいのは「ステルス増税」のせい

消費税を上げようとすると国会で紛糾必至で、政権がいくつもつぶれるが、社会保険料率の引き上げは厚生労働省の一存でできるので、この「ステルス増税」が常態化している。
その結果、日本の社会保障制度の歪みはますます大きくなっている。

会社員が加入する社会保険と、自営業者が加入する国民年金/国民健康保険ではどちらが得なのか。
厚生年金の保険料が収入に応じて決まるのに対して、国民年金の保険料は定額(2025年時点で月額1万6980円)なので、この比較は簡単だ。

年収600万円の会社員の厚生年金保険料は、自己負担のみで年額約55万円(会社負担分を含めると約110万円)だが、国民年金なら年収にかかわらず年額20万円強だ。掛け金が少ないと将来の年金は減るが、厚生年金保険料との差額の35万円をNISAで非課税で運用したほうが老後資金はずっと大きくなるだろう。

ここまではシンプルだが、話がややこしくなるのは、国民健康保険の保険料が、社会保険の会社負担分と自己負担分の合計に見合うように引き上げられてきたことだ。

その結果、会社員が自己負担する健康保険料が年額30万円だとすると、生活水準が同じ自営業者は年額60万円の保険料を支払わなくてはならない。
そのうえ社会保険では扶養家族の健康保険は無料だが、国民健康保険は本人分のみなので、配偶者・子ども・親など扶養家族がいれば、その分の保険料を別で納めなくてはならない。

自営業者から「国民健康保険の保険料負担が重すぎる」という不満の声が上がるのはこれが理由だ。

■マイクロ法人で社会保険料のコスパを上げる

これはたしかに理不尽だが、一人二役のマイクロ法人では、自己負担だけでなく会社負担の保険料も支払わなくてはならないから、扶養家族の人数にもよるが、「国民年金は厚生年金より有利で、国民健康保険の負担額は(労使合計では)社会保険と同じ」になる。

さらに、かつては国民健康保険料の上限は60万円程度で、いったん上限に達すればそれ以上保険料は増えないから、個人の所得を大きくして法人を赤字にすることが「王道」とされていたのだ。

ところがその後、厚生労働省はできるだけ多くの労働者を社会保険に加入させるという方針を徹底するようになり、年金事務所は従業員10人以上の法人を重点調査すると同時に、マイクロ法人にも社会保険の加入義務があることを通知しはじめた。

それに加えて国民健康保険の保険料の上限が109万円(介護分を含む)に引き上げられ、その一方で法人税の税率が引き下げられたことで、「個人の所得を小さくして社会保険に加入し、法人で納税する」というまったく逆のやり方のほうがコスパ(費用対効果)がよくなったのだ(それに法律も遵守できる)。

社会保険料は収入(標準報酬月額)によって決まり、会社負担分と自己負担分を合わせて収入のおよそ30パーセントだ。
社会保険料(労使合計)は役員報酬600万円で180万円だが、300万円なら90万円と半額になる(最低額は年収75万6000円未満にしたときの年額約27万4000円)。

役員報酬を下げれば社会保険料は安くなるが、(扶養家族の保険を含む)健康保険のメリットは変わらない。

■「奇妙な世界」を賢く歩くための地図

このようにして、親本のアドバイスは16年で「あべこべ」になってしまった。
私はずっとこのことを気にしていたが、親本の担当編集者がプレジデント社に移籍し、声をかけてくださったことで、PART4「磯野家の節税 マイクロ法人と税金」の部分を全面的に書き換えて新版にすることにした。

ただし、「法人とはなにか?」という話や税・社会保障の仕組み、超低利融資が可能になる理由など、それ以外の部分はできるだけ親本の記述を活かすことにした。
このような文章はいまの自分には書けないということもあるし、日本社会の制度の歪みがほとんど変わっていないということでもある(数字は適宜、最新のものに置き換えた)。

また親本では、コラムとして会社の設立方法、法人税の申告、公的融資制度の利用方法などを具体的に記述したが、制度の細則は頻繁に変更されるし、いまではネット上に懇切丁寧な解説がたくさんあるので、すべて削ることにした(そのかわり、「副業で節税できるか?」と「補助金を受け取る」のコラムを加えた)。

2024年の衆議院議員選挙をきっかけに、「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」が注目されることになった。だがほとんどのひとは、それがなんなのかうまく理解できないだろう。それほど日本の税・社会保障制度は複雑怪奇なのだ。


本書を、そんな奇妙な世界を賢く歩くための地図として使ってもらえればうれしい。

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橘 玲(たちばな・あきら)
作家
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2025年04月07日

「入社式が最初で最後の出勤」入社2日で退職願を提出した新入社員。上司の正体がまさかの…――人気記事ベスト

「入社式が最初で最後の出勤」入社2日で退職願を提出した新入社員。上司の正体がまさかの…――人気記事ベスト
2025年04月06日 SPA!

新入社員が今年もやってきました。そこで「すぐ辞めた新入社員」の記事の中から、大反響を呼んだ記事をピックアップ!(初公開2024年4月12日 記事は取材時の状況) *  *  *

 街には初々しい新入社員があふれている。
胸を膨らませている人もいれば、緊張している新入社員もいるだろう。
入社してみて、「あれ? 想像と違う」と思うこともあるかもしれない。
それは、迎え入れる側の“先輩”も同じで、ドキドキ、ソワソワするものだ。

 そんななかで、すぐに辞めてしまう新入社員もいる。
今回は、“ある理由”から、すぐに退職に至った人のエピソードを紹介する。

◆大学時代はガールズバーでアルバイトしていた

 鈴木真紀さん(仮名・20代)は、キャンパスライフの傍ら、地方都市の繁華街にあるガールズバーでアルバイトをしていた。
気の合う友だちと出勤を合わせて週2日ほど働いていたという。

 ときを経て、大学4年生の春。いよいよ就職活動を開始することになった。

「なんとか授業とバイトを両立し、単位もギリギリ取れそうだったので、友だちと就職説明会に行きました。
そのなかで唯一気になる会社があり、パンフレットと名刺をいただいてその日は帰宅しました」

 就職のため、ガールズバーでのバイトもあと数か月で終わりを迎えようとしていたころ、鈴木さんを指名した客がいた。

「40代くらいの男性でした。私は、ガールズバーでは基本的に焼酎を飲んでいましたが、その日は指名してくれたということもあり、その男性に飲み物を選んでもらいました。『モヒートを一緒に飲みたい』と言われたので、2人で頼んだんです」

 そこで“事件”が起きる。

◆気持ち悪い男性客とまさかの再会

 鈴木さんがモヒートを飲んでいると、その男性が突然、「ライム食べないの? ビタミン摂れるのに」と言い出し、鈴木さんのグラスのなかから素手でライムを取り、食べ始めたのだ。
あまりの衝撃に固まってしまったという鈴木さん。

「その男性は食べたライムを私のグラスのなかに戻したんです。そして、『あと少し残ってるから、飲みなよ〜』と……。さすがに気持ち悪すぎて、男性のスタッフを呼びました。男性は厳重注意を受け、お店を後にしました」

 それから数か月後、鈴木さんは志望していた会社から内定をもらったとのこと。

「待ちに待った新社会人。私は希望に満ち溢れていました。
入社式では、所属先が発表されました。新入社員は各ブロックにわかれて配属先の上司が待つテーブルに向かいました」

 鈴木さんは社会人としての未来に胸を膨らませていたのだが……。

「『よろしく』と握手した上司の顔を見た瞬間、血の気が引きました。
それもそのはずです。その上司というのが、ガールズバーでライムを食べた、あの客だったんですよね」

 上司は気づいているのかわからなかったと鈴木さんは話すが、「何度か私を見ているなと感じた瞬間は、本当に気持ち悪かった」と振り返る。

◆入社して2日で退職願「入社式が最初で最後の出勤」

 その日は会社が用意したホテルに宿泊することになっていたという。
「このまま黙って仕事を始めるのか」と部屋で1人考えた結果……。

「翌朝、自分のブロックの担当マネジャーに連絡して相談しました。
正直に理由を話すと、ブロックの変更を提案してくれました。
しかし会社の仕組み上、その彼とやりとりをしなければならないケースもあるようでした。
ただ、やっぱり気まずいと思って……こんなかたちで終わらせてしまっていいのかとは思いましたけど」

 入社してから2日目、鈴木さんは退職願を書いて提出した。つまり、入社式が最初で最後の出勤日となってしまったのだ。

<取材・文/chimi86>
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2025年04月08日

富士山は「噴火スタンバイ状態」備えておきたい防災用品は?

富士山は「噴火スタンバイ状態」備えておきたい防災用品は?
2025年04月07日 女性自身

3月21日、内閣府は富士山の大規模噴火で首都圏に火山灰が降った際の影響と対策について報告書を公表。

降灰量に応じて地域の危険度を4段階に分け、住民行動の基本指針を示している。

「富士山は、もはや噴火スタンバイ状態です」
と語るのは、地球科学者で京都大学名誉教授の鎌田浩毅先生。

今回の報告書では、火山灰が2週間以上も降り続け、江戸の町に5cm、横浜に10cmの厚さとなった1707年の宝永噴火を想定しているが……。

「その噴火を最後に富士山は300年間沈黙を保っています。その間、地下ではマグマをため込んでいる。

次の大噴火では前回の5割増しのマグマが噴出し、大量の火山灰が10日以上降り注ぐことも考えられます」(鎌田先生、以下同)

2020年の政府の中央防災会議では、宝永級の噴火があった場合、東京新宿区で10cmの降灰があるとされているが、それ以上の降灰量もありえるという。

降灰による影響は甚大だ。鎌田先生がこう続ける。

「火山灰は細かいガラスのかけらです。火山灰が5mmも積もると、ぜんそくや気管支炎を患っている人は容体が悪化。2cmを超えるとほとんどの人の気管や肺に症状が出ると考えられます。

また火山灰が1cm積もっただけで1平方mあたり重さは10kgほどに。雨が降ると20kg程度と倍になり、木造住宅の屋根は持ちこたえられません。

1991年に起きたフィリピンのピナツボ火山の噴火では、直後に台風が襲い、火山灰に水の重さが加わり避難先の建物が倒壊。700人以上の死者が出ています。同様のことが首都圏で起こってもおかしくありません」

報告書でも降灰量30cm以上は、命の危険があり原則避難を求めている。

さらに降灰量が少なくてもインフラに大打撃を与える。

「降灰が3cm未満だとしても電車、バス、新幹線、飛行機はストップします。
エンジンに灰が詰まったりスリップしたりして自動車の運転もできません。
信号など電気系統が故障して、交通機関はすべて機能しません。物資が届かない状況に陥る可能性も。

また電力、ガス、水道、通信などインフラを制御しているコンピューターや精密機器に灰が入り込むと使いものにならなくなるため、すべてのライフラインが長期間にわたって止まります。緊急連絡をとりたくても
スマホが使えないという事態もありえるのです」

さらに影響は首都圏だけにとどまらない。

「東名高速道路や東海道新幹線といった東西の大動脈が分断。

また運輸や金融などのシステムにも深刻なダメージを受けますが、このシステムのホストコンピューターの大部分は首都圏にあるため、経済的な被害は日本中に及びます。

2002年に内閣府が出した富士山噴火による被害額は最大で約2兆5千億円ですが、想定外の被害も考えられ損失は一桁大きくなると考えています」

「富士山火山防災協議会」は、富士山が噴火した場合の人的被害として1万3千600人が死傷と想定しているが、10倍の10万人以上が命を落とすこともありえるのだ。

■ふだんの防災用品に加え降灰にも備えた備蓄を

死者32万人が想定されている南海トラフ地震との連動も危惧されている富士山大噴火。どうやって命を守ればいいのだろうか。

「富士山は突然噴火するのではなく、3週間から1カ月ほど前から低周波地震、有感地震、火山性微動といった『前兆現象』が次々と起こります。
この時点で避難することで噴石や泥流など直接的な災害死を防ぎます。

また水、食料、医薬品、簡易トイレといった地震などのほかの災害の備えに加え、降灰に備えた備蓄が重要です。

火山灰を吸い込んだり体に付着させたりしないための防じんマスクやゴーグル、レインコート、傘や帽子などの用意を。帰宅したら玄関先で火山灰を払って入室する必要もあります。

さらに、火山灰を家に入れないことも重要。窓を閉めることはもちろん、窓ガラスを目張りするテープを用意するのもいいでしょう」

首都圏だけでなく全国におよぶ富士山噴火の被害を最小に防ぐためにも、事前にできる限りの対策を心得ておこう。


女性自身
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“ポンコツ”マイナ保険証に医療側と製薬会社はひと安心?

“ポンコツ”マイナ保険証に医療側と製薬会社はひと安心?【医療のミカタ 医療のフシギ】
2025年04月05日 日刊ゲンダイDIGITAL

【医療のミカタ 医療のフシギ】#1

 患者さんによく聞かれます。

「マイナ保険証にした方がいいんでしょうか?」

 知りません。ただし、もし病院でちゃんと認識されなかったら大惨事です。

 このままだと「マイナ保険証」は、「大阪万博」「リニア新幹線」と同じく、「令和のプロジェクトNG」へまっしぐらだと思います。

 ところで、私は「個人番号カード(正式名称)」なら持っていますが、そのカードには「マイナンバーカード」などとは書かれていません。

 ふつう、学校の卒業証書には「卒業証書」、運転免許証には「運転免許証」と大きくはっきりと書かれています。

 どこにも「マイナンバーカード」と書かれていないのに、「個人番号カード」は「マイナンバーカード」と世間では言われているようです。ここでは「別姓」が認められているのですね。いや「通称の拡大利用」というべきでしょうか。

 デジタル・トランスフォーメーションという「お題目」のもと、なかば強制的に導入された「マイナ保険証」によって、いろいろな変革があると想像していました。

 例えば、現在、「センセイ、睡眠導入薬とシップ薬を処方してください!」と言われても、「出せる量や日数が限られていますよ」と説明すると、「じゃあ、近所の病院でも処方してもらえますから、出せるだけ出してください」という会話がかわされています。

 こんなふうに、ひとつの医療機関で処方できる日数や量が制限されている薬剤も、病院を「はしご」すれば保険診療でいくらでも処方してもらえる状況なのですが、デジタル情報でデータが1カ所で管理されれば、それはかなわなくなるものと思っていました。

 が、マイナ保険証はそういう仕組みにはなっていないようです。
実はCT検査や心電図もひとつの医療機関で保険診療で行えるのはひと月に1回だけ、となっていますが、こちらも「はしご」が可能です。

 国民の医療費がかさんで健康保険の制度がパンクする、というのであれば、「高額療養費助成制度」を「御用学者会議」に諮問して改悪するのではなく、デジタル・トランスフォーメーションで一元管理して医療行為の重複があるとすれば制限すればいいのに、と誰でも思うはずです。

 ただし、そんなことをすれば、とある職業団体は猛反対するでしょうし、つぶれる病院や製薬会社が続出するでしょう。

 でも、現行のマイナ保険証にはそんな機能は全くなく、医療側や製薬会社は安心していることでしょう。
心臓手術を受ける患者さんも、このヘボな制度にひと安心です。

「前の病院で心臓手術を受けろと医者に言われたんですが、『今この病院で心臓手術はゼッタイに受けない方がいいですよ! 命が惜しければ』って担当の看護師さんに耳打ちされたんです」(看護師さんは、いつも患者さんのミカタなんですね)──という患者さんがいます。

 受けた医療の情報が1カ所ですべて管理されることになれば、こうした患者さんの命がけの“脱出”も、元の病院にバレてしまうかも知れません。
首都圏の患者さんはたくさん病院があるので困りませんが、病院が少ない地方の患者さんは災難です。

「よそで手術を受けるんなら、もうあんたなんか一生、この病院では診ないから」

 現実にこう言われた患者さんを私はたくさん知っています。マイナ保険証が間の抜けた制度で本当に良かったです!

▽南渕明宏(なぶち・あきひろ)心臓血管外科専門医、医学博士。
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2025年04月09日

溝口勇児氏「匿名告発と週刊誌の憶測だけで人を裁く時代は、そろそろ終わりにすべき」

溝口勇児氏「匿名告発と週刊誌の憶測だけで人を裁く時代は、そろそろ終わりにすべき」
4/7(月) 日刊スポーツ

 起業家で格闘技イベントBreakingDown(ブレイキングダウン)のCOOとして知られる溝口勇児氏(40)が7日、X(旧ツイッター)を更新。著名人らの疑惑報道について私見を述べた。

 溝口氏は、J1首位に立ったFC町田ゼルビアの藤田晋社長(51)が一部で報じられた黒田剛監督(54)のパワハラ疑惑に対して超長文で反論したX投稿を引用。
「どれだけ事実を説明しても、悪者にしたい前提で記事を書く週刊誌」と書き出し、「匿名告発と週刊誌の憶測だけで人を裁く時代は、そろそろ終わりにすべき。こんなやり口がまかり通ってること自体が異常」などとつづった。

 溝口氏はこれまで、週刊誌の報道のあり方を批判する投稿を続けており、昨年4月には一部週刊誌から自身に寄せられたという質問状をXで公開し「何様なんだろう」「おれたちは理不尽には絶対に屈しないし、総力をあげて戦います」などとポスト。
3月には友人の経営者から「週刊誌に脅されている」と相談されたことを明かすとともに、「一部、録音を聞いたけど本当にくだらなくて。しかもリークした人間の話しは、前から聞いてたけど借金まみれでかなり問題あるやつだった。
こんな話を週刊誌が正義として報じようとするなら、やっぱりもう誰かが止めないといけない」などと記していた。
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2025年04月11日

「老後2000万円問題はマボロシ」「老後に必要な資金はゼロ円」私がテレビで断言したワケ

「老後2000万円問題はマボロシ」「老後に必要な資金はゼロ円」私がテレビで断言したワケ
4/10(木) ダイヤモンド・オンライン

 三田紀房の投資マンガ『インベスターZ』を題材に、経済コラムニストで元日経新聞編集委員の高井宏章が経済の仕組みをイチから解説する連載コラム「インベスターZで学ぶ経済教室」。
第176回は、巷間を賑わす「老後2000万円問題」のミスリーディングを厳しく批判する。

● 一人歩きした「乱暴な計算」

 時価総額争奪ゲームは終盤戦に入った。
主人公・財前孝史と藤田慎司は時価総額がいくらか確信が持てない中堅どころの銘柄群を集め、100兆円のゴールを目指す難題に挑む。
目標額を超えれば敗北が確定してしまう「一寸先は闇」の緊迫した局面が続く。

 手がかりが足りない状態で暫定解が求められる。ゲームとしてはタフだが、現実ではありふれた状況だろう。
十分なデータがないなかで論理的にざっくりと数字をはじき出す思考法は「フェルミ推定」として知られる。
コンサルなどの面接の定番なので就活シーズンに訓練する学生も多いようだ。

 名称はマンハッタン計画に参加した物理学者エンリコ・フェルミに由来する。
フェルミには、爆風に舞う紙切れの挙動から原爆の威力を「フェルミ推定」したというエピソードがある。

 有名な例題は「アメリカの都市シカゴにピアノの調律師は何人いるか」だろう。
シカゴの人口から世帯数とピアノの数を推定し、調律の頻度と必要な調律師の数を求める、といった流れで推論を重ねる。

 フェルミ推定的な発想は時に強力なツールとなるが、使いどころを間違えればとんでもないことになる。
最悪の例が「老後2000万円問題」だ。

 老後資金が2000万円必要という数字は、老後世帯の家計について「月々の赤字5万円×12カ月×30年」という前提ではじき出された。
単純な掛け算では1800万円となり、それを丸めて2000万円とした。この乱暴な試算が一人歩きして大きな禍根を残した。

● 老後2000万円問題の「最大の誤り」

 最大の誤りは「月々5万円の赤字」という前提だった。
金額は試算当時の「夫65歳、妻60歳の無職世帯」の支出と公的年金収入の差額だった。

 だが、高齢になるほど食費や旅行費などの支出が減って家計の赤字は縮小する。
最近の家計調査のデータによると、消費支出と可処分所得の差を65歳から100歳まで合計しても「累積赤字」は1000万円程度にすぎない。

 高齢者は無職という前提も現実離れしている。
今や60代後半でも男性の6割、女性の4割が働いている。
統計上、65歳から70歳の勤労世帯の家計は月々9万円程度の黒字となっている。子育てと住宅ローンが終わって定期収入があれば、家計は一気に楽になる。

 ちなみに「老後」に10年働けば、2000万円問題は雲散霧消する。
60歳から70歳まで、あるいは65歳から75歳まで、10年間働いて黒字を貯蓄したと仮定すると、その後100歳まで生きても老後の収支はプラスになる。

 「老後2000万円問題は幻だ」が私の持論だ。
先般、あるテレビ番組に出演した際にも「老後に必要な資金はゼロ円だ」と答えた。

 これは老後資金など用意しなくて良いという意味ではないし、生活保護受給者が増えるなどお金の不安を抱える高齢者は実際にいる。

 ただ、間違った前提に基づく数字を元に「誰もが2000万円ためないと豊かな老後が送れない」と不安を煽るのはもうやめようというメッセージとして極論を述べた。

 老後のあり方もマネープランも人それぞれであり、「平均」で語ってもほとんど意味はない。
2200兆円の個人金融資産の単純平均は1人当たり1800万円ほどになる。
平均値だけ見れば「老後2000万円問題」は解決済みとなるが、そんなわけがない。

 私の考え方の詳細はnoteの投稿「なぜ老後に必要な資金は『ゼロ円』なのか 不毛な『2000万円問題』に終止符を」をご参照願いたい。
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2025年04月12日

なぜ現代人の読解力は低下しているのか?「ちゃんと読めない・聞けない人」が急増する”7つの要因”

なぜ現代人の読解力は低下しているのか?「ちゃんと読めない・聞けない人」が急増する”7つの”
山口 拓朗 : 伝える力【話す・書く】研究所所長
2025/04/11 東洋経済オンライン

年代を問わず、日本人の「読解力」が落ちていると言われています。

文部科学省が毎年実施する全国学力・学習状況調査の令和6年度(2024年)調査では、小学6年生の国語の読解問題の平均正答率70.8%に対し、中学3年生の平均正答率は48.3%で、前年より15.7ポイントも低下しました。
これは、学年が上がるにつれて読解力の伸びが停滞、または低下している可能性を示唆するものです。

では、なぜ今、日本人の読解力は落ちているのでしょうか?『読解力は最強の知性である』より一部抜粋・編集のうえ、7つの要因を解説します。

本は読解力を養う「超実践の場」

@読書量の低下

本というのは、大量の「言葉」で構成されています。

「本を読む」とは、一つひとつの言葉や文を理解し、数万文字からなる文脈を読み解いていく行為です。

また、その本に書かれているテーマ・内容について、既存の知識(=言葉)を使いながら深く考える機会でもあります。

本は読解力を養う「超実践の場」なのです。

さらに、読書は「新しい言葉」を獲得する絶好の機会でもあります。

読解には言葉を読み解く作業が含まれるため、「新しい言葉」を獲得すればするほど、読解力は向上していきます。

ところが、文化庁の調査によると、月に1冊も本を読まない人が62.6%にのぼるとのこと。
現在、日本人の多くは本を習慣的に読んでいないのです。

読書をしなければ、大きな文脈を読み解く機会は失われ、新しい言葉の獲得も途絶えやすくなります。

読書量の低下がそのまま読解力の低下につながっているのは明らかです。

A会話量の低下

会話というのは、その場で相手の話を理解し、適切に言葉を投げ返すことで成り立つ、まさしくラリーの応酬です。

会話を通じて新しく言葉を獲得するほか、自分が持っている言葉や表現を積極的に使うことによって、読解力はもちろんのこと、言語化力全般が伸びていきます。

ですが、会話の機会が減れば、言葉のインプットとアウトプットが減るため、おのずと読解力は低下していきます。

スマホ(スマートフォン)依存、会議のオンライン化、対面での集まりの減少、テキストベースのやり取りの増加、地域コミュニティの衰退、マスク装着の普及──などの影響で、昨今、人々が直接会話をする機会が減ってきています。

家庭においても、スマホを持って(イヤホンをして)一人ひとりが自分の世界に閉じこもるような傾向が強まっています。

こうした環境の変化により、多くの人が読解力低下の危機に瀕しているのです。

Bスマホの受動的使用【思考停止】

スマホで提供されるコンテンツやサービスは、多くの場合、ユーザーに「思考させない」よう設計されています。

ユーザーを動画やゲームやアプリに没頭させることで、提供企業は利益を得ることができるからです。

また、ウェブサイトやSNSを見ていると、ユーザー一人ひとりに最適化した関連動画や関連広告が表示されます。

一見便利な「思考しなくてもよい生活」の危険

私たちは、何かを買ったり選んだりするときでさえ、自分の頭で考えていない可能性があるのです。

A地点からB地点に行く際、以前であれば、公共交通機関の時刻表、乗り換え方法などを調べ、移動中も細心の注意を払っていました(いつでも思考していました)。

しかし今では、瞬間的に移動の最短ルートや交通手段などがスマホに表示されるため、考える機会が減ってきています。

人間は思考する際、例外なく言葉を使っています。

「思考しない=言葉を使わない」です。

思考しなくてもよい生活は一見すると便利ですが、読解力という観点では危惧すべきことだらけです。

最近では、識者の間で「だらだらスマホ」や「ながらスマホ」によって脳疲労が起き、認知能力──思考力や集中力、記憶力、情報処理能力など──が低下する、いわゆる「スマホ認知症」も増えてきています。

目的なくスマホを見続けることが、読解力に悪影響を与えているのです。

C認知機能の低下

読解力と認知機能の関係は、切っても切り離せません。

認知機能とは、五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を通じて得た情報を基に、物事を認識したり、言葉を使いこなしたり、計算・学習・記憶を行ったりする機能のこと。

この機能が低いほど、現状認識が難しくなります。

認知機能が高ければ、物事を多角的に見られる(=全方位からスキャニングできる)ため、より正確に状況を読み解くことができます。

一方、認知機能が低ければ、(自分勝手な解釈を含め)ある特定の見方に限定してしまうため、正確な状況把握ができなくなってしまいます。

加齢や病気によるものを除くと、認知機能の低下には、複数の要因が絡み合っています。

スマホの長時間使用、不規則な生活や過度なストレス状態、(マルチタスクの影響などで)ひとつの物事に集中して取り組む時間の減少、(テクノロジーの発達などで)「情報を受信し→処理し→理解し→活用する」という認知プロセスを踏む機会の減少などなど。

読解力を高めることは、衰えつつある認知機能を高めることでもあるのです。

D個人が書くチャット&SNSの文章に触れる機会の増加

普段あなたがよく読んでいるのは、チャットやSNSの文章ではないでしょうか。

残念ながら、一般の人が書くチャットやSNSの文章は、言葉としてまとまりのないものが少なくありません。
略語やスラングも多く、おかしな論理や文法、真偽が不確かな情報なども散見されます。

チャットでは、雰囲気頼りの絵文字やスタンプも多用されています。
また、SNS上の文章の場合、その物事に隠れている背景や前提などが抜け落ちていることが多く、大きな文脈を読み解く機会がありません。

「なんなん、◯◯の主人公スパダリきしょ。メンブレの身には無理ゲーすぎたwww」などというつぶやきを受動的な態度で読み続けることは、読解力アップの対極にある行為とも言えます。

E世代間コミュニケーションの減少

核家族化が進む中、異なる世代とコミュニケーションを図る機会が減りました。

たとえば、お年寄りがいる家庭では、お年寄りと話す際に、相手に伝わる言葉を使おうと工夫するほか、お年寄りの話を聞くときは、その言葉を理解しようと、一所懸命に耳を傾けるでしょう。

自宅に固定電話を持つことが主流だった時代には、家族への〈電話の取り次ぎ〉もありました。
あれなども、突発的に世代を超えて人と会話をする機会だったと言えます。

もちろん、世代が違えば、興味・関心が異なるので、話題も違います。

世代を超えて行われるコミュニケーションというのは、同世代とのやり取りには登場しない言葉や情報、価値観などに触れる絶好の機会でもあるのです。

世代間のコミュニケーションが減少し、今まで日常会話の中で自然と行われてきた読解力の鍛錬の機会が減ってきているのです。

Fアウトプット不足

いくら情報(言葉や知識)をインプットしても、それをまったくアウトプットしなければ、その情報を自分のものにすることはできません。

「書く」「話す」というアウトプットによって、私たちは、その知識や学びを「使える言葉」として自分の血肉にすることができるのです。

借り物ではない「自分の言葉」でアウトプットを

自分の血肉になっていなければ、次回以降、同様の情報を読み解く際に苦戦を強いられます。

たとえば、SNS上では、流れてきた投稿を「なんとなく良さげだから」とシェアし、物事を読み解いた気になってしまっている人も大勢います。

しかし、残念ながら、それはアウトプットではなく、情報の受け売りにすぎません。

そこからは、文脈を論理的に読み解くプロセスが抜け落ちており、思考力も使われていません(思考停止しながらシェアボタンを押している状態です)。

読解力を高めたいなら、目の前の情報を咀嚼し、自分の頭でその意味や意図について考え、借り物の言葉ではなく「自分の言葉」でアウトプットすることが重要です。

山口 拓朗 伝える力【話す・書く】研究所所長
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2025年04月13日

「あきらめが早い人、遅い人のどちらがいいか」

「あきらめが早い人、遅い人のどちらがいいか」の最終結論…仕事、学業、趣味、恋愛が成就する人の共通点
2025年04月12日 PRESIDENT Online

諦めが早い人と遅い人は、どちらがいいか。禅僧の枡野俊明さんは「諦めることで心の負担が軽くなり、ストレスが少なくなる一方で、諦めずに挑戦をつづけることは、成功の可能性を最大化させる。
どちらがいいかは、仏教における『諦める』の意味を知れば、心にストンと落ちるだろう」という――。
※本稿は、枡野俊明『「し過ぎない」練習』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■諦めが早過ぎる人の多くは、自己防衛感の強い人

仕事、学業、趣味、恋愛……、何ごとにおいても諦めるのが早過ぎる人がいます。

「どうせ、やっても無理に決まっている」「失敗すると心が折れるから、早くやめておこう」「私には高嶺の花だから告白はやめよう」などと、何もしていないのに、あるいはちょっとやりかけただけで諦めてしまう人です。

諦めが早過ぎる人の多くは、自己防衛感の強い人だと思います。
失敗したり、傷ついたりするのが怖いから、「どうせ無理」と思うことで挑戦自体を避けているのです。
挑戦しなければ失敗もありませんし、自分も傷つかないということでしょう。

しかし、諦めが早過ぎることには、いろいろなマイナス面があります。

まず最初に「自分には無理だ」と思ってしまうと、自分の力を信じることが難しくなります。
「やればできるかもしれない」という気持ちを育てる機会が減ってしまい、自信がつきません。

さらに、自身の成長のチャンスを逃してしまいます。
やりつづけることで得られるであろう知識や技術が身につかないままで終わってしまいます。

■諦めることで心の負担が軽くなり、ストレスが少なくなる

当然のことですが、目標達成が遠のきます。
目標を達成するためにはたいていの場合、時間や努力が必要です。
しかし、すぐに諦めてしまう人は、目標に近づく前に努力をやめてしまいます。
勉強やダイエットでも、少しやっただけでは効果が出ないことはおわかりですね。

そして、諦めるのが早過ぎることの最大のデメリットは、周囲に「頼りにならない人」と印象づいてしまうことです。
そういうレッテルを貼られたら、頼みごとや大切な仕事を任せてもらいにくくなるでしょう。

では、諦めが早いことのプラス面を考えてみましょう。

まず、ムダな努力を避けられます。
どうしても自分に合わないことや、やる価値がないことに時間を使い過ぎないので、他のことにエネルギーを回すことができます。

また、諦めが早い人は、気持ちの切り替えが早く、柔軟で、判断が早いということです。すぐに次のことに向かうことでチャンスが得られ、新しい可能性が広がります。
他の方法や選択肢を見つけることもできるでしょう。

そして何より、諦めることで心の負担が軽くなり、ストレスが少なくなるでしょう。
無理をしないのは、心の健康にはよいことです。

■一つのことにこだわり過ぎると、大きな可能性を損なうリスク

いっぽうで、諦めが遅過ぎる人もいます。
さまざまなことに執着心の強い人だと思います。
強い意志や粘り強さは大切ですが、無理をしてつづけることで自身の気力や時間を消耗し、本当に大切なことを見失ってしまう場合もあります。

諦めが遅過ぎる人のマイナス面を考えてみましょう。

目標に向かって努力しつづけるのはよいことですが、どうしても達成できないことや、すでに意味がなくなってしまったことにこだわり過ぎると、貴重な時間やエネルギーを浪費することになりかねません。

一つのことにこだわり過ぎると、他のチャンスや新たな方向性を見いだす機会を逃し、その結果、大きな可能性を損なうリスクがあります。

また、無理に継続することで強いストレスや焦りが生まれ、精神的にも疲れ果てます。
最悪の場合は、うつ状態になるなど健康リスクも懸念されます。

諦めが遅過ぎることは周囲にも影響します。
一人のこだわりや執着に周囲が巻き込まれ、現実的な目標を逸脱して時間を浪費してしまうこともあります。
職場のチームや家族の協力関係に悪影響を及ぼすことは当然です。

もちろん、諦めが遅いことにもプラス面があります。
粘り強く努力しつづける力があり、その精神力は難しい課題や困難な状況を乗り越える武器になります。
諦めずに挑戦をつづけることは、成功の可能性を最大化させます。

そして諦めずに努力をつづけて目標を達成できたなら、大きな達成感や自己肯定感が得られるでしょう。

諦めない人といえば、真っ先に、発明王のトーマス・エジソンが思い浮かびます。

「人生に失敗した人の多くは、諦めたときに自分がどれほど成功に近づいていたか気づかなかった人たちだ」

「私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一度だけ試してみることだ」

彼は、諦めの遅さを、このようにポジティブにとらえています。

■仏教の教え「諦めるとは、明らかにすること」

さて、諦めが早い人と遅い人、どちらのほうがよいのでしょうか――。

仏教における「諦める」の意味を知れば、心にストンと落ちるかもしれません。

日常で使われる「諦める」は、「断念する」「放棄する」というネガティブな意味ですが、仏教では「諦める=明らかにする」ということですから、「真理(ものごとの真実)を知る」というポジティブな意味があります。

ものごとを冷静に見つめ、真理をはっきりと明らかにさせたうえで、真理に合わないものは捨てる――その「手放す勇気」が、ものごとを正しい方向に導いてくれるということです。

真理を明らかにすれば、諦めが早いも、諦めが遅いも、ポジティブにとらえることができます。
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枡野 俊明(ますの・しゅんみょう)
曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー
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2025年04月14日

なぜ「ジェネリック薬」は効かないのか…ついにわかった「原因」と避けたほうがいい薬の名前

なぜ「ジェネリック薬」は効かないのか…ついにわかった「原因」と避けたほうがいい薬の名前
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) によるストーリー • 1 週 • 読み終わるまで 2 分

クスリの「効き」が違う

品質の問題もさることながら、肝心のクスリの“効き”にも違がある。

もし「先発医薬品とジェネリックは同じ」だと考えているのであれば、それは大間違いだ。
たしかにクスリの成分こそ同じではあるが、製造工程や添加物などが異なるため「完全に同じクスリ」とは言えない。

銀座薬局の代表薬剤・長澤育弘氏はこう解説する。

「ジェネリック医薬品と先発医薬品とを比較する際、厚生労働省の基準では『クスリが水に溶ける速度』が指標とされています。
この溶ける速度が先発薬と比べて80〜125%以内であれば『効果は同じ』と見なされます。
逆に言うと、先発薬とジェネリックの最大の違いはこの水に溶ける速度なのですが、最大で45%もの幅があるので、その分効果も変わってきてしまいます」

さらに長澤氏はジェネリックの「データ不足」を懸念する。

先発薬であれば特許期間は20〜25年。この間にさまざまな臨床データが集まり、副作用や飲み合わせの問題も明らかになってくる。

「ジェネリック医薬品メーカーは、そうした現場のデータは一切持っていません。
また、先発薬とは異なる添加物を使っていることが多いので、ジェネリック医薬品に含まれている添加物がクスリの成分にどんな影響を与えているのかのデータもありません」(長澤氏)

先入観が効果を下げる

こうしたリスクを避けるために「出たばかりのジェネリックには要注意」と長澤氏は指摘する。

「たとえば尿酸値を改善するクスリであるフェブリクのジェネリック薬フェブキソスタットや、胃酸の分泌を抑えるネキシウムのジェネリック薬エソメプラゾールなどは'22年に発売されたばかりで臨床データが少ない。
これらのクスリを選ぶ際は慎重になったほうがいいでしょう」

成分が同じである以上、科学的には効果は同じであるはずだが、人間の先入観が邪魔をして、効果を下げてしまう場合もある。
いわゆる「プラセボ効果」というもので、「安いから効かない」「知らないメーカーだから効きが弱い」などの意識が実際に効果として出てしまうのだ。

兵庫県立ひょうごこころの医療センター精神科部長の小田陽彦氏は「もしジェネリック薬を使っていて体調がすぐれなかったり、違和感があったりすれば、直ちに医師に相談すべき」と言う。

「痛みなどの主観的な症状は、先発薬からジェネリック薬に変えることで効果が変わってしまう場合があります。クスリの名前や形が先発薬とは異なるので、違うクスリを飲んでいる感覚になるのでしょう。そういった人が先発薬に戻すと症状が改善しますから、迷わず相談することをおすすめします」

次に薬局に行った際は「ジェネリックでお出ししますか?」という問いに「先発薬でお願いします」と言ってみるのもいいだろう。

「週刊現代」2024年6月8・15日合併号より
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入場も退場も大行列 ネットつながらない 雨風をしのぐ場所ない 最寄り駅大混雑 初日から課題続々 大阪・関西万博開幕 

入場も退場も大行列 ネットつながらない 雨風をしのぐ場所ない 最寄り駅大混雑 初日から課題続々 大阪・関西万博開幕 
4/13(日) FNNプライムオンライン

大阪・関西万博が13日開幕し、人気のパビリオンには早くも長蛇の列ができた。

【吉原功兼キャスター】「午前9時、大阪・関西万博、今開幕しました!最初のお客さんがゲートを飛び出してきました」 

初日のきょう(13日)はおよそ14万人の来場者が見込まれ、朝から並んだ人たちは目当てのパビリオンに駆け足で向かった。

■55年前にも展示「月の石」

【記者リポート】「オープンから間もないのですが、アメリカパビリオンではこれだけの列が出来ています」

数時間待ちとなったアメリカパビリオン。

目玉は1970年の大阪万博でも展示された「月の石」。

【月の石を見た人】「やっぱり違いますね、地球の石とは作りが違うというか」

■インドなど5か国のパビリオンが完成間に合わず

158の国と地域が参加する大阪・関西万博ですがインドやネパールなどの5ヵ国のパビリオンはきょうまでに完成しなかっ「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマの万博。

パソナグループのパビリオンではiPS細胞から生まれた3.5センチほどの心臓が展示されています。
人の体温に近い培養液に浸すことで、ドクドクと拍動している。

【来場者】「あの心臓が体に入れれたらもっと長生きできるからいいなって思いました」

■電子マップ推奨もネットつながらず紙の地図求め長蛇の列

一方で初日に見えてきた課題も…

案内所に並んでいたのは有料の会場マップを求める人たち。

SDGsの観点から無料では配布されておらずデジタルマップを推奨されていますが、来場客の手元のスマートフォンなどで、インターネットにつながりにくい状態となっていて、アプリの地図に接続できず、案内所には紙の地図を購入したい人で長蛇の列ができた。

【来場者】「これだけの人数おったらやっぱりネットがつながりにくい。そのへんの対策はできてないから。なかなか難しい」

■「大屋根リングの下も横殴りの風でビショビショ」悪天対策に課題

またあいにくの雨となったきょうは悪天候時の対策についても課題を浮き彫りにした。

【来場者】「風がすごいじゃない、大屋根リングの下も横殴りだから完全に風吹いちゃうとビショビショ」

【海外からの来場者】「これは最悪だね。運営が本当によくない。
私たちは入るのに2時間待って、いまは出るのに1時間待たないといけない。
雨の中、食べる場所もなければ待つ場所もない」

■大阪メトロ夢洲駅は入場規制で大混雑

会場がある夢洲駅に入場制限がかかったことなどについて、博覧会協会は「初日で見えて来た課題を改善していきたい」とコメントしている。

万博は10月13日まで半年間にわたって開かれ、国内外から2820万人以上の来場者が見込まれている。

関西テレビ
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万博トイレに不満や疑問噴出 元宝塚女優「なんでこんな事をするのだろう」

万博トイレに不満や疑問噴出 元宝塚女優「なんでこんな事をするのだろう」
4/14(月) 日刊スポーツ

毬谷友子のXから

 宝塚歌劇団出身の女優毬谷友子が14日までにX(旧ツイッター)を更新。
2025年大阪・関西万博の会場に設置されたトイレに対する疑問を連投した。

 万博の各種トイレをめぐっては、これまでに様々な議論がSNS上でも展開されたが、13日に開幕すると、入り口がどこか迷うトイレも物議をかもした。

 毬谷は「どのトイレもどのトイレも問題だらけだ」と切り出すとともに、入口と出口が分けられたトイレの説明書きの画像を貼り付け「入り口と出口を別にする意味は?これ、誰もが読んで理解出来ますか?英語が読めない外国人はこれが読めますか?なんでこんな事をするのだろう」と疑問を呈した。


 続くポストでは、トイレ外観写真も貼り付け「初日にして幾つかのドアが破壊されているそうです」と言及。
「そりゃ、焦りますよね。出られなくなったら。
説明書きを読まない人には、わからない事です。
小さな子供を連れた親ごさんは、子供をトイレに入れたら、出口まで行って待たなければならないのでしょう?大変ですね」とおもんぱかった。

 また、来場者がトイレ脇の外壁に設置された蛇口で手を洗っている写真についても取り上げ、洗面台などが設けられていない様子に「もういっぱいあり過ぎて、ここまで書かなかったのですが、『トイレで手を洗う』っていうのは、『手についた雑菌やウイルスを水で流し落とす』という事ですよね。
それを、こんな風に床に垂れ流してどうするんだろう。このご時世、怖ろしく危険な事だと思います」と指摘した。
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2025年04月15日

増税路線で財政は中長期的に悪化し、穴埋めに増税すれば日本経済は壊死する可能性

増税路線で財政は中長期的に悪化し、穴埋めに増税すれば日本経済は壊死する可能性
2025年04月14日 SPA!

ロシアとウクライナの停戦をめぐるアメリカとロシアとの駆け引き、ガザ再建の問題、またアメリカによる相互関税.
この関税を日本は24%課せられ、これによって日経平均株価が急落する事態に――。

 2025年1月にトランプ大統領の就任によって、世界ではさまざまな混沌とした事態が起きている。

 トランプ政権に精通しており、最近『世界は利権で動いている』を上梓した国会議員の島田洋一氏によれば、「世界は『利権』で動いている。
それは一つの国の内部で激しいせめぎ合いを生み、国家間の闘争やテロ勢力との戦いなどにも絡んでくる。

 天然資源や漁場をめぐる『領土利権』、補助金拡大を求める『再生可能エネルギー利権』、常に増税、天下り先確保を狙う財務省に代表される『官僚利権』などと枚挙にいとまがありません」と世界の情勢の実態を端的に指摘する。

 となると、冒頭の事態は、収束するどころか、まだまだ続くということなのかもしれない。

 一方、日本経済に目を向けてみると、物価の高騰、実質賃金のマイナスなど、景気のいい話は一向に聞こえてこない。
そこで、財務省の増税路線も一因という島田氏に、日本経済がなぜこのように低迷してしまったのかについて、鋭く切り込んでもらった。

(本記事は、『世界は利権で動いている』より一部を抜粋し、再編集しています)

◆日本経済はどうすれば成長する?

――ずばり! 日本の経済成長のための方策についてはどのようなものがいいのですか?

島田洋一氏(以下、島田):
国を強靭化し、一般庶民の生活を底上げするには、経済を健全なかたちで成長させねばなりません。
そのための王道は、減税と規制改革を通じて経済を活性化させることです。

 税率を下げても、それが経済成長につながれば、財政的にも自然増収が生じます。
減税と軍備の強化は両立します。米国のレーガン政権が実証したとおりです。

 しかし、減税には財務省を裏の司令塔として大きな抵抗があります。

――財務省が所管する税金であるガソリン課税が物議を醸しだしています。
そもそもガソリン課税の実態と問題点はどのようなものなのでしょうか。

島田:
日本の場合、安倍首相後の自民党は完全に財務省のコントロール下にあります。
たとえば、ガソリン税です。
これは近年国際的に、「地球温暖化対策」といった美名のもとに提示されることが多いです。

「ガソリンを消費すると、その分炭素の排出が増えて地球に害をもたらす。
気候変動危機が進行する中、税率を上げてガソリン消費を抑えるべきだ」といった理屈で増税が正当化されます。「気候変動対策という国際的義務を果たすための増税」というわけです。

 日本の場合、ガソリンに掛かる税金は、石油石炭税、ガソリン税本則分、ガソリン税上乗せ分(旧暫定税率)、消費税から成っています。

 このうち「上乗せ分」は、法律上、全国平均でガソリン価格が3カ月連続で160円超となれば課税停止することになっていますが、停止措置を「凍結」して下げない「違法状態」を続けてきました。

加えて、ガソリン消費税は、上記の諸税を含めた「ガソリン代」全体に掛ける仕組み(税金に税金を掛ける二重課税)となっていて、そもそも税理論の基本に反しています。

 近年、ガソリン自体の価格が高騰し、ガソリン減税どころか、「課税停止」すべき上乗せ分の増税を続けている上に、消費増税までしている状態です。ふざけ切った話というほかありません。

 減税でガソリン価格を下げれば、物流コストが下がり、その分、物価全般を低下させ、間違いなく消費が活発化して経済成長につながります。
それゆえ日本保守党は、「ガソリン減税で物流コストを下げ、経済を活性化させよ」と主張してきました。

◆声を上げて戦う議員がいない与党に期待すべきでない

――先ほどの質問で、自民党は完全に財務省のコントロール下にあるとおしゃっていました。
自民党と財務省の減税に対する問題点はどこにありますか?

島田:
いまの与党自民党では、高市早苗や小林鷹之など自称保守派も含め、声を上げて闘う議員が一人もいません。
まだ自民党に期待する人がいるのが不思議です。

 財務省は体質的に、「均衡財政」を金科玉条(きんかぎょくじょう)視します。

 単年度で国庫収入と支出を一致させなければ財政破綻を招く、それゆえ、ある部分で減税措置を取るならば、同時に別の部分で増税措置を取らねばならないと主張して、あらゆる減税案を潰しに掛かります。
財務省はこのイデオロギーの使徒と言ってよいでしょう。

――一方、アメリカではトランプ政権になって、アメリカ・ファースト政策を進めています。共和党に代表される保守派の財政に対する考え方について教えてください。

島田:
いまでは減税が旗印と言える米国の保守派(共和党)も、1970年代までは、均衡財政を基本的な財政理念としていました。
国債を発行(すなわち借金)して国の事業を進めるのは財政的に不健全とされ、収支を単年度で一致させることこそ保守の姿勢だとされました。

 しかし、1980年代、ロナルド・レーガンが大統領に就任し、従来の共和党路線とは基本的に異なる立場を打ち出しました。
減税と規制緩和によって経済を活性化させれば、結果として自然増収がうまれ、財政面でもプラスが生じるという発想です。

 いまでは、静的でなく動的(ダイナミック)なこの考えが、共和党の正統路線となっています。

◆「税収第一」の制度を緩和すれば結果として財政も黒字に

――最後に再び日本経済についてお聞きします。これからの課題と警鐘を鳴らすとしたら、どのようなことなのかを教えてください。

島田:
減税で、働くほどに可処分所得が増えるとなれば当然、人々の勤労意欲は高まります。

「103万円の壁」や「130万円の壁」など働き控えを生んできた「税収第一」の制度を緩和すれば、経済活動が盛んになり、人々の消費が増え、GDP(国内総生産)が伸びます。
その結果、自然増収によって財政も黒字になります。

 財務省が抵抗するのは、組織の宿痾(しゅくあ)でいかんともしがたいとしても、経済成長を第一に考えるべき政治家がその尻馬に乗るのは言語道断であり、職務放棄というほかありません。

 増税路線を続ければ、庶民の生活が苦しくなるだけでなく、経済成長が阻害されて「自然減収」となり、財政も中長期的に悪化します。

 その穴埋めのためさらに増税となれば、日本経済は壊死します。いまの日本はまさにそうなりつつあるのです。

<構成/日刊SPA!編集部>
【島田洋一(しまだ よういち)】
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2025年04月16日

【えっ!こんな簡単なことで?】「ある言葉」を封印したら語彙力が爆上がり!誰でもすぐ始められるトレーニングとは?

【えっ!こんな簡単なことで?】「ある言葉」を封印したら語彙力が爆上がり!誰でもすぐ始められるトレーニングとは?
4/15(火) ダイヤモンド・オンライン

「三省堂 辞書を編む人が選ぶ 今年の新語2024」で「言語化」が大賞に選ばれるなど、「言語化」という言葉を耳にすることが増えた。
「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。
そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」のどれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。
本連載では、話題の書籍「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の著者・山口拓朗氏が、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

● 普段、自分がよく使っている言葉を封印するだけ

 普段よく使う言葉をあえて封印すると、語彙力が鍛えられ、表現が豊かになります。
私たちは日常的に「いい」「悪い」「かわいい」「おいしい」などの言葉を頻繁に使いますが、これらに頼りすぎると、表現の幅が狭くなりがちです。

 たとえば、「いい」という言葉を封印し、代わりに「適切」「理想的」「魅力的」「価値がある」と言い換えるだけで、言葉の具体性(=解像度)が高まります。
「悪い」も、「不十分」「問題がある」「適切ではない」などに置き換えることで、より正確にその意図が伝わります。

 ほかにも、「かわいい」を「愛らしい」「チャーミング」「キュート」に言い換えたり、「おいしい」を「風味豊か」「味わい深い」「絶品」に置き換えたりすることで、文章や会話に幅や奥行きが生まれます。

 このトレーニングを続けることで、日常の表現がより洗練され、会話や文章の説得力も増します。
置き換え言葉が出てこないときは、ウェブ検索や生成AIのサポートを受けつつ類語を確認しましょう。
言葉のバリエーションが増えれば増えるほど、「言語化する意欲」と「言葉にする喜び」が高まっていきます。

*本記事は、「『うまく言葉にできない』がなくなる 言語化大全」の著者・山口拓朗氏による書き下ろしです。
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2025年04月17日

もはや五公五民、国民負担率は5割目前!物価高と上がらぬ賃金、それでも給料の半分を召し上げられ現役世代から悲鳴

もはや五公五民、国民負担率は5割目前!物価高と上がらぬ賃金、それでも給料の半分を召し上げられ現役世代から悲鳴
4/16(水) JBpress

 「46.2%」という数字を見て、ピンと来る人はいるでしょうか。
財務省が先ごろ発表した国民負担率(2025年度の見通し)です。
この数値は「個人や企業が稼いだ所得全体に占める税金・社会保険料の負担割合」を示したもので、近年は5割に迫ろうという水準が継続。
物価高と上がらぬ賃金を背景に、「重い負担をなんとかして」という悲鳴にも似た国民の声も増すばかりです。
その「国民負担率」をやさしく解説します。

■ 一揆が起きてもおかしくない水準

 国民負担率に関する国民の感覚を代弁したかのような国会質疑が今年1月7日、参議院の代表質問で行われました。
質問者は浅田均氏(日本維新の会)。本会議場の中央に立ち、浅田氏は次のように迫りました。

 「本来は豊かな社会をつくるはずの社会保障制度が、一部の国民にとって過度な負担となり、国の活力をそいでいます。
所得に対する社会保険料と税金を合わせた負担割合を表す国民負担率は実に45%を超え、給与の半分を召し上げられている状態です。
特に現役世代が過重な負担を負っており、これが若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けない要因になっているのは明らかではないでしょうか」

 これに対して石破茂首相は、OECD(経済協力開発機構)の加盟36カ国と比較すると、それほど悪い数値ではないと説明。コロナ禍当時と比べても若干低下しているとし、問題ではないとの認識を示しました。

 しかし、国民負担率の重さこそ最優先で解決すべきだとの声は国会でも切れ目なく続いています。
最近では「五公五民」という語句を使って政府の姿勢をただすケースも増えてきました。
例えば、今年2月12日の衆議院内閣委員会で橋本慧悟氏(立憲民主党)は、こう質問しています。

 「物価上昇に賃金上昇が追いつかず、国民は手取りのアップ、使えるお金を増やす政策をまさに望んでいると考えています。働いても働いても、税金と社会保険でその収入の約半分を取られてしまって、江戸時代でいうと年貢制度、五公五民です。
収穫した米の5割を年貢として納めて、残りの5割が農民の手元に残る。
そんな状況で、物価高騰が続き、生活必需品の価格も上がって日々の生活が苦しい。これが国民の切実な声だと思います」

 江戸時代の「五公五民」は各藩に納める年貢がいかに重かったかを示す言葉で、百姓一揆の発生と紙一重のラインだったとされています。
そんな「五公五民」という語句を使って国民負担率の重さを指摘する国会質問は、令和に入って衆参合わせて21回に及んでいます。

■ そもそも国民負担率はどうやって算出? 

 では、国民負担率は、どのように計算されるのでしょうか。
財務省は「租税負担率と社会保障負担率を合計した」ものが、国民負担率であると説明しています。

 計算式の分母は、その当該年度の「国民所得」です。
国民所得は、個人の賃金総額と企業などの経済主体が稼ぎ出した利益の総額です。
分子は、個人が納める住民税や所得税、企業が納める法人税などの「税金」、および、労使で分け合って支払っている年金や医療、雇用、介護などの「社会保険料」で成り立っています。

 つまり、「(税金+社会保険料)÷国民所得=国民負担率」という式で計算されます。
国民負担率には「国民」という文字が入っていますが、個人ベースだけではなく、企業の所得も分母に含まれていることに注意が必要です。

 国民負担率という語句が初めて政府の公式資料に登場したのは1967年の財政制度等審議会のこと。
9p-66.7%となっていました。おおむね家計収入の4分の1程度が税金・社会保険料に回ったことになります。

■ 財政赤字分を含めると6割超

 1970年代に登場した国民負担率という指標は、国民に過度な負担をかけないためにはどうしたらいいのか、という議論の材料として使われてきました。
福祉や医療、介護などの公共サービスを維持するためには一定程度の国民負担が避けられないものの、負担が重くなり過ぎると、国民の勤労意欲が衰えてしまい、社会全体の活力が失われていくからです。

 1980年代に行政改革の方向性を示した「第2次臨時行政調査会」(第2臨調)は、受益と負担という観点からすれば、国民負担率がある程度上昇するのはやむを得ないとしつつ、その上限は40%程度とし、危機的な場合でも45%以下にとどめなければならないとの方向性を示していました。

 第2臨調を引き継ぎ、1990年代に行政改革の方針を取りまとめた「臨時行政改革推進審議会」(行革審)も、政府のムダを見直すことで徹底した行財政改革を進めるべきだとの方針を堅持。
最終答申では、21世紀に高齢化のピークを迎えても国民負担率は50%を超えてはならないとの見解をまとめました。

 しかし、前述のように国民負担率はすでに50%が目前です。
それどころか、国民負担率には含まれていない財政赤字を加味した「潜在的国民負担率」は、財務省の資料によると、すでに2011年には50%を突破して50.3%に到達。
数字はその後、上下を繰り返していますが、2020年には60%を超え、62.7%になっていました。

 日本の国民負担率はOECD加盟36カ国中22位であるとのデータを財務省は公表しています。それだけを見れば、日本はまだ大丈夫なのかもしれないと思いたくなるかもしれません。
しかし、負担に見合った公共サービスを実施できているかどうかは全くの別問題です。
しかも本格的な高齢化社会の到来は目前。「(日本の国民負担率は)必ずしも高いものではない」(石破首相)という立場が妥当かどうかも含めて、早急な対策が必要なことは間違いありません。

 フロントラインプレス

「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo! ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。
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2025年04月18日

ネガティブに幸せは来ない? 自分を卑下しやすい人の特徴5つ

ネガティブに幸せは来ない? 自分を卑下しやすい人の特徴5つ
danon
自分と他人を比べてばかりいる

「どうせ私なんて……」と、自分で自分を下げていませんか?
自信がないからといって自分を否定していると、幸せやチャンスを逃してしまうこともあるんです。

そこで今回は、自分を卑下しやすい人の特徴を5つご紹介します。自己否定から抜け出すためにも、ぜひ参考にしてくださいね。

SNSを開けば、他人のキラキラした生活が目に飛び込んできますよね。「あの人はすごいのに私は全然ダメだ」と落ち込んでしまう人は、まさに自分を卑下しやすいタイプです。

つい「どうせ私なんか」「〇〇ちゃんと比べれば……」と劣等感を募らせ、自信を失っていく。しかし、冷静に考えれば、性格や環境、関わる人は人それぞれ違いますよね。

他人との比較はキリがなく、自分を苦しめる原因になります。
比較癖がついてしまうと、自分のいいところさえ見えなくなってしまうんです。

褒められても素直に受け取れない

「今日の服似合ってるね」「いつも仕事頑張ってるね」と褒められても、「全然……」とすぐに否定してしまう。
実はこれも自分を卑下しやすい人の癖の1つなんです。

本当は嬉しいはずなのに、素直に「ありがとう」と言えない人は、自己評価が低いかも。
「どうせお世辞でしょ」と、自分自身にブレーキをかけてしまうんです。

他人からの褒め言葉まで否定していると、どんどん自信がなくなってしまいますよ!

失敗すると極端に落ち込む

誰だってミスをすることはありますよね。

中には「私は本当にダメな人間だ……」と、必要以上に自分を責めてしまう人もいます。1度落ち込むと、立ち直るのに時間がかかるタイプですね。

その背景には、完璧主義や過去のトラウマが根強くある場合も。

失敗や間違いを反省するのは悪いことではありません。
しかし、「全部自分のせい」と思い込んでしまうと、どんどん心が疲れていくだけ。

自分への許容範囲が狭くなっているんです。「反省はするけど後悔はしない」くらいの余裕を持つことも大事ですよ!

他人の評価を気にする

「変に思われたかも」「嫌われたらどうしよう」など、他人の目を気にして生きていませんか? これも、自分を卑下しやすい人の特徴の1つです。

悪い方向にぐるぐる考え込んで、マイナスな感情でいっぱいいっぱいになることも。

筆者はまさにこのタイプなので、人付き合いがあまり得意ではありません。
勝手に思い込み、勝手に落ち込んでしまうんですよね。

他人の評価を軸にしていると、自分の考えや感情がどんどん後回しに。何をするにも“誰かのため”になってしまうので、精神がすり減っていくだけなんです。

頼まれると断れない

自分を卑下しやすい人は、他人の評価を気にする故に、無理な頼みごとでも引き受けてしまいがちです。
相手と仲が悪くなるのが怖くて、自分の予定や体調を後回しにしてしまうことも。

その結果、心も体も疲れているのに、なぜか「もっと頑張らなきゃ」と自分にムチを打ち続けてしまうんです。

根本には「期待を裏切りたくない」という思いがあるんですね。
自分を犠牲にしてまで相手を優先することが、必ずしも優しさとは限りませんよ。

自分を卑下することから抜け出すためにできること3つ

他人は他人、自分は自分と切り離して考える

当然のことながら、自分と他人は違う人間です。どれだけ比べても、自分以外の人間にはなれません。

だからこそ、他人と自分を切り離して考えることが大切です。

例えば「もっと痩せてたら」「あの子みたいに可愛かったら」といった考えは、特に女性に多い悩みです。

しかし、美しさの基準は人それぞれですよね。
華奢で小柄な体型に憧れる人もいれば、鍛え上げた体に魅力を感じる人もいます。

全員に好かれる必要なんてないんです。

他人の価値観を自分の物差しにしないこと。あなたには、あなたにしかないよさがありますよ!

自分のいいところを見つける

承認欲求は誰にでもあります。
しかし、自分で自分を認められていないと、周りの評価だけが頼りになってしまうんです。

期待した反応が得られなかった場合、「やっぱり私は大したことないんだ」と落ち込むことも。

周りに認められたいのなら、まずは自分を認めることが大切です。
そのためにも、自分のいいところを見つけましょう。

自分の長所や魅力が見つかった瞬間から、自信は少しずつ育っていきますよ。

自分のよさを分かってくれる人と付き合う

自分を大切にしたいなら、“誰と一緒にいるか”もすごく大事です。
たとえ冗談でも、否定的な言葉ばかりかけてくる人と一緒にいると、自信はどんどん削られていきますよね。

否定的な人とは、なるべく距離を取るのがベスト。

自分のよさを分かってくれて、前向きな言葉をかけてくれる人を身近に置きましょう。

自分を卑下するのは今日で終わりにしよう!

今回は、自分を卑下しやすい人の特徴を5つご紹介しました。

つい自分を卑下してしまうのは、自信のなさの表れでもあります。
しかし、自己否定が癖づくと、自分の価値や幸せまで見失ってしまうことも。

自分を大切にすることは、わがままでも自己中でもありません。「私はこれでいい」と認める気持ちが、自分らしさを育てていくんです。

自分を卑下するのはやめにして、胸を張って生きていきましょう!

Written by danon
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2025年04月19日

「お金はあくまで手段」と語る僧侶に学ぶ「貯金じまい」「家計簿じまい」で心豊かに暮らす考え方

「お金はあくまで手段」と語る僧侶に学ぶ「貯金じまい」「家計簿じまい」で心豊かに暮らす考え方
4/17(木) 介護ポストセブン

 『60歳を過ぎたら面倒ごとの9割は手放す』(アスコム)を上梓した、真言宗 密蔵院住職の名取芳彦さんは、家事や片づけをうまく手放すことで、自分の時間が増えていくと話す。
60歳を過ぎたら、家事や片づけなど自分の時間を奪う習慣を減らし、より楽に楽しく生きるコツを教えてもらった。

家事が嫌だと思う理由を考えてみることから

 嫌だと思うことをしなければならないのは心が乱されてしまうもの。
家事が面倒で嫌だと感じる人に対して名取さんがすすめているのは、「私はどうして家事が嫌なのだろう」と考えることだ。
自分ばかりやっているのが納得できない、家事のせいで自分の時間が取れないなど、何が嫌なのかに気づくことができれば対策をとることができる。

「自分ばかりやっているのが悔しいのなら、家族会議を開き、家事の分担について意見を出し合ってみるといいかもしれません。
自分の時間が取れないなら、同時に二つのことをやったりして、効率性をアップさせる手もあります」

家事そのものが面倒なら、手を抜くのがおすすめ

 そもそも家事が面倒なのであれば、「どこかで手を抜いてしまいましょう」と名取さん。
隅をつつくような完璧さを求めるから面倒になっていくため、自分で「やって気持ちがいい」と思えるもの以外は手を抜いて、心の負担を軽くすることをすすめている。

「どんなことでも、やってみないとわからないことがあります。
家事を手抜きしてみたら、百点を目指さなくても問題ないことがわかるでしょう」

物を減らして片づけ自体も減らす

 長期間同じ家で暮らしていると、自然と物が増え、片づけの頻度や探し物の頻度も増えていく。
片づけの時間がもったいない、解放されたいと感じたら、「まず物を減らしましょう」と名取さん。
物が減れば、片づける手間も減っていく。

「物にあふれた暮らしは、探し物は見つからないし、片づけないと部屋は散らかる一方です。
それに費やす時間と体力にうんざりしたら、探し物をなるべくしない生活、片付けを極力しない生活をしましょう。
それによって、自由に使えるあなたの時間があちこちから生まれてきます」

「貯金じまい」で人生を楽しむ

 老後のためにもがんばって貯金をしてきた人も多いだろうが、人生を楽しく生きていくためには、貯金をいつ使うのか考えることも大切だ。
お金を使って貯金が減ることに不安を感じる場合は、財布や貯金のお金ばかりに目を向けないようにするのがいいという。

「何かを買うのは、お金と品物を等価交換しているということです。
レストランでは、おいしいお料理に舌鼓を打つ代わりにお金を払います。お金を払ってサービスを受けるのも等価交換で、結果的にどれもプラス・マイナス・ゼロ(不増不減)。“何かの代わりに払うお金”、それが代金の意味です」

お金を使って笑顔の多い日を増やす

 お金はあくまで手段であり、目的は、使ったときにはじめて達成される。手段であるお金をいくら貯めても、使わないと意味がないという名取さん。

「延々と先のばしされる“将来”のために貯金するのは、そろそろ終わりにしませんか? 他人からは無駄と思われるものでも、等価交換して、笑顔の多い日を増やしましょう」

家計簿じまいをしてどんぶり勘定でおおらかに

 しっかり貯金をしてきた人なら、家計簿をつけている人も多くいるだろうが、名取さんは家計簿じまいをすることもすすめている。
家計簿でお金の流れを可視化し、お金を管理することは大切だが、家計簿を続けてきたおかげで、身の程を知り、身の丈に合わせた暮らしができるようになっているのであれば、家計簿の役割は終わったと言えるからだ。

「昭和の時代の八百屋さんが、店内に籠をぶらさげてお金の受け渡しをしたり、平気でおまけをくれたりしていたように、これからの人生は大雑把などんぶり勘定でおおらかに生きても、お天道様はニッコリ笑って見守ってくれます」
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2025年04月21日

飛行機内はとんでもない「汚染地帯」だった─おぞましい結果に「もう飛行機には乗らない!」の悲鳴

飛行機内はとんでもない「汚染地帯」だった─おぞましい結果に「もう飛行機には乗らない!」の悲鳴
4/19(土) クーリエ・ジャポン

飛行機の座席は、見た目以上に“汚染地帯”だった──そんな衝撃の事実が明らかになった。
TikTokで人気の“汚れ調査系”クリエイター@HowDirtyIsが実施した最新の実験で、機内の座席やその周辺に驚くほどの細菌が潜んでいることが判明。
検査結果を見た人々からは「新たな恐怖が解放された」といった声も上がっている。

米「ニューヨーク・ポスト」紙によると、調査は米サウスウエスト航空の機内で実施され、座席のひじ掛け、折りたたみテーブル、窓のシェード、安全のしおりなどの表面を綿棒で採取し、実験室で検査。
その結果、ニューヨークのラガーディア空港の搭乗ゲートの椅子よりもはるかに多くの細菌が見つかった。
研究者は「長袖の着用を推奨する」と述べ、実際にひじ掛けから採取されたバクテリア入りのシャーレを見せながら警鐘を鳴らしている。

コメント欄には「もう飛行機には乗らない!」「安全のしおりが一番危険とは」といった悲鳴も寄せられている。

COURRiER Japon
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2025年04月22日

「給料は上がったのに、なぜか生活は苦しいまま」あなたの財布を襲う“見えない増税”のカラクリ

「給料は上がったのに、なぜか生活は苦しいまま」あなたの財布を襲う“見えない増税”のカラクリ
2025年04月21日 08時53分SPA!

所得は増えているのに、手取りは思ったほど増えていない……。
最大の原因は、ひっそりと縮小・廃止された所得税控除と社会保険料の引き上げだ。
さらに、今後も連発されるステルス増税の正体に迫る!

◆政府が矢継ぎ早に導入している「ステルス増税」

’24年に実施された定額減税によって、1人当たり4万円が減税された。
ところが、給与明細を見ると手取りはわずかに増えただけ……。
この違和感の正体は何なのか。
それもそのはず、全国民の所得に占める税金と社会保障費の割合を示す「国民負担率」は’22年に48.1%に到達し、以降も5割近い水準で推移。江戸時代の「四公六民」を凌ぐ重税感が日本を覆っている。

正面切って大増税に踏み切れば、内閣が吹っ飛ぶこともある。
そこで近年、政府が矢継ぎ早に導入しているのが「ステルス増税」だ。
ステルス増税とは、国民が気づきにくい形で行われる増税のこと。
「薄く、広く、こっそり」と徴収され、ボディブローのようにジワリと家計を傷めつける。こうして国民負担をひっそりと押し上げているのだ。

◆“天引き”が格好の標的に!

格好の標的にされてきたのは、サラリーマンの給料からの源泉徴収。いわゆる“天引き”だ。
給与所得者の節税対策に詳しい税理士の中山慎吾氏は、こう指摘する。

「社会保険料は激増し、所得税の控除の多くが廃止・縮小された。
控除額が減れば、当然、税金は増えるが、見えづらいのでステルス増税そのもの。
実質的に所得税を上げるこの手法は、昔から繰り返されてきました」

そこで額面年収600万円、配偶者は年収130万円のパート、子供1人の世帯をモデルケースとして、ステルス増税による負担増を試算した。

中山氏が言うように、’03年に社会保険料は72万円だったが、’24年には92万円と20万円も激増している。
さらに、所得税を引き下げる効果がある控除も、次々と縮小・廃止された。
15歳以下の子供を持つ人に適用される「年少扶養控除」、特定扶養親族(16〜18歳)分の「扶養控除の上乗せ」などが消え去った。
額面年収600万円のサラリーマンの手取りは、’03年の約503万円から現在の約474万円と、実に28万円以上も激減した。

◆ステルス増税が生まれる政治的背景は?

近年のステルス増税は従来の手法に加えて、多種多様な税目を増やしている。
その多くは “増税メガネ”とあだ名された岸田文雄政権の3年間で導入が決まった。
定額減税で所得が増えたのに、手取りが伸びていない一因だ。
ステルス増税が生まれる政治的背景を、自民党の衆議院議員時代から減税を訴えてきた安藤裕氏が説明する。

「森林保護、震災復興のためと言われたら、反対する人はそうはいない。
こうした大義名分、決して高くない税率、そして『財源がないから』の決まり文句を武器に、財務省の意向を汲んだ自民党税調が国会で法案を押し通してきた。
しかも自民党内では裏金問題で積極財政の安倍派が弱体化して、財政タカ派が台頭しつつあり、石破首相も緊縮財政路線。
好機と見た財務省が増税にひた走っているのです」

森林税や復興税のステルス性能は、サラリーマンが手にする給与明細でも発揮されている。安藤氏が続ける。

「復興税は所得税に、森林税は住民税に上乗せされて徴収されているが、給与明細には明記されません。子育て支援金も同じ道を辿るでしょう」

定額減税は、給与明細への明記が法律で義務づけられた。一方、増税は隠蔽されている。

◆真綿で首を絞めるよう少しずつ税率をアップ

すでに導入済みで、特にステルス度が高いのが雇用保険の料率アップだ。
’21年の0.3%から’23年には0.6%に引き上げられている。
1%未満で一見、痛税感はなさそうだが、額面年収600万円の場合、年間負担額は1万8000円から3万6000円に倍増した。税理士の板山翔氏も、このかすめ取りをこう分析する。

「重税感がないよう少しずつ税率を上げていくのが、ステルス増税の典型的な手法です。
また、住民税に年額1000円を上乗せしていた復興特別税が一昨年終了し、昨年4月から森林環境税に看板をつけ替えて、以前と同額を徴収している。少額の税目をいくつも乱立させ、全体の税収を積み上げたいのでしょう」

◆社会保険料はステルス増税の温床になりやすい

次に’26年4月から医療保険料に上乗せされる子育て支援金を批判するのは、税理士の脇田弥輝氏だ。

「社会保険料は天引きされるので気づきにくく、ステルス増税の温床になりやすい。
岸田首相(当時)は負担をワンコイン程度と言いましたが、段階的に引き上げられて年収600万円なら月1000円と倍になる。
婚姻や子供の有無に関係なく徴税されますが、子を持たない人に恩恵はなく、負担だけがのしかかる。“独身税”と呼ばれる由縁です」

’25年度の税制改正で最大の焦点になっているのが防衛費調達を目的とした法人税、所得税、たばこ税の増税だ。
このうち所得税は1%を上乗せされ、年1245円の負担増に繫がる。
仮に控除率が1%下がると、年間1万2000円も手取りが減る。

◆今後、大打撃となるのは…

そして今後、サラリーマンに大打撃となるのが現行非課税の通勤手当への課税だ。
通勤手当は交通費として使われ、手元に残らない。ところが、手当を所得とみなして課税しようというのだ。
仮に税率10%で通勤手当が月2万円なら、年5万円近くの損害だ。前出の板山氏が続ける。

「そもそも納税者である国民が、税制が複雑すぎて自分の税金の計算さえできないのがおかしい。
増税に気づかれないよう、あえて複雑にしていると邪推したくもなる」

’23年度の国の税収は4年連続で過去最高を記録したが、国民の懐は痛むばかりだ。


【トランス税理士法人代表 中山慎吾氏】
税理士。法人税務からサラリーマンの税金対策まで、幅広く精通する。CFP。1級ファイナンシャルプランニング技能士

【元自民党衆議院議員 安藤 裕氏】
内閣府大臣政務官などを歴任。議員連盟「日本の未来を考える勉強会」会長を務める。’12年の初当選以降、衆議院3期。税理士

【税理士 板山 翔氏】
’16年、日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。現在、京都で「小さな会社のためのオンライン税理士事務所」を標榜する

【税理士 脇田弥輝氏】
脇田弥輝税理士事務所代表。2児の子を持つ専業主婦からママ税理士へ転身。東亜大学通信制大学院法学専攻 非常勤講師も務める

取材・文/谷口伸仁
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2025年04月23日

こんな医者には絶対かかってはいけいない…和田秀樹「"なんちゃって医者"から身を守るためにできること」

こんな医者には絶対かかってはいけいない…和田秀樹「"なんちゃって医者"から身を守るためにできること」
2025年04月22日 PRESIDENT Online

日常的な医療において大切なことは何か。
老年精神科医の和田秀樹さんは「現代の日本の医療界に欠けているのは、医者が『患者さんの人生そのものに関心を持つ』姿勢だ」という――。
※本稿は、和田秀樹『患者の壁 [ベルトコンベア医療]には乗るな!』(エイチアンドアイ)の一部を再編集したものです。

■「総合診療科」をめぐる不都合な真実

「かかりつけ医は町医者のほうがいい」というのが持論ですが、昔ながらの「いつでも、誰でも、どんな病気でも」診てくれる、昔ながらの「町医者」を探すのは至難の業となってきました。

そんな「町医者」に代わって最近注目されているのが「プライマリ・ケア」です。

プライマリ・ケアとは、日常的な健康問題を臓器別ではなく総合的に診療する医療のこと。風邪や高血圧、ひざ痛、ぎっくり腰などの日常的に起こる症状全般に対応するだけでなく、検査結果や体調の急変などに幅広く対処します。

病院にもこうしたプライマリ・ケアを担う「総合診療科」が増えてきましたが、全体から見ると、まだまだ少数です。
プライマリ・ケアを担う医者を「総合診療医」と言いますが、その数は医者全体の2%程度に過ぎません。

実は、この「総合診療科」を名乗る医者にも、問題があるのです。
たとえば、大学病院で循環器内科の医者として働いていた人が、開業するときに「総合診療科」を名乗るケースがあります。
現在の日本の医師制度では、医師免許さえ持っていれば、「麻酔科」「歯科」以外の診療科であれば標榜(ひょうぼう)できる(名乗れる)のです。
子どもを一人も診たことがなくても「小児科」は名乗れますし、眼科医が「婦人科」を標榜することも可能です。

■総合診療医の“ふり”をする医者が多い

もちろん、専門でない診療科を掲げて評判が悪かったり、医療ミスが発生したりすれば病院自体が存続できなくなるので、さすがに専門外の診療科は躊躇(ちゅうちょ)するのが普通です。

かかりつけ医を探すうえでの問題点としては、昔ながらの「町医者」が減っていることだけでなく、総合診療医の“ふり”をする医者が多いことです。
総合診療科はそれほど専門性が高くないと誤解している医者が少なくないため、ほかの診療科と比べて標榜するハードルが低い傾向にあるようです。

総合診療に関する勉強・訓練をしていないにもかかわらず、「総合診療科」を名乗る医者だけが問題ではありません。名乗らないものの、開業した途端に総合診療の“ふり”をする医者が少なくないのです。

たとえば、町の開業医で内科を標榜し「往診もします、小児科もやります」と掲げているクリニックはけっこうあります。しかし、診察室に入ると「循環器内科専門医」の認定証書が貼ってあったりします。大きな病院にいたときは循環器内科医や呼吸器内科医だった医者が、総合診療について学んでいなくても、開業したとたんに総合診療ができる“ふり”をしているわけです。

■「医者の壁」を破る力とは

総合診療ができる“ふり”をする医者は、自分の専門外の治療に関してはマニュアルに頼りがちで、結果として多くの薬を処方する傾向があります。
これを「多剤併用」と言います。詳しくは本書(『患者の壁 [ベルトコンベア医療]には乗るな!』)の第三章で説明しますが、端的に言うと薬を多く処方する医者は良い医者とは言えません。

実は、こうしたことは、私の専門である精神科でも大きな問題になっています。カウンセリングをほとんどやったことがない医者が、「心療内科」を名乗ったりする事例です。

日本では、医者になればどのような診療科でも名乗れてしまいます。
そのため、クリニックによって総合診療科の質の差は大きく、“月とスッポン”以上になります。
総合診療科を名乗るのであれば、せめて1年でもいいので、総合診療科のある病院で修行なり、研修をするシステムが必要でしょう。

他方、高齢の患者さんは一昔前に比べて格段に“賢く”なっています。
たとえば、団塊の世代はITリテラシー(理解力・操作能力)が高く、70代の高齢者でも当たり前のように、スマートフォンやパソコンを使いこなします。

IT機器を駆使して、真剣に医者を選ぶ人が増えました。その知識を生かして、総合診療ができる“ふり”をする医者や、多種類の薬を処方する開業医を選ばない、というのも「医者の壁」を破る力になります。

■「在宅診療医」も選択肢の一つに

いま日本では、高齢者がすさまじい勢いで増えており、90歳以上だけで280万人を超えています(24年9月)。
要介護5の人でも65万人はいると言われています。

要介護認定を受けた患者さんたちのなかには、自分で歩いて病院に行けなかったり、車椅子を押してくれる人がいなかったりで、通院できない患者さんもいます。
そのような事情を抱える患者さんの増加に伴い、「在宅診療所」の必要性が高まっています。

在宅診療所とは病気や障害など、自宅療養中で通院が困難な患者さんに、医師や看護師が定期的に訪問する医療機関のことです。

患者さんが人生のラストステージに近づいていくなかで、信頼できる「かかりつけ医」を持ち、死ぬまでその医者に診てもらいたいというニーズは確実にあります。
特に自宅で最期を過ごしたい(在宅死)という要望が増えてきており、「在宅診療医」もかかりつけ医の選択肢の一つとして考えなければいけません。

■ケアシステム機能の地域格差

厚生労働省は2025年を目途に「地域包括ケアシステム」を構築する、と派手なアドバルーンを上げてきました。

地域包括ケアシステムとは、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的に、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるように、介護サービス、在宅診療、訪問看護、リハビリテーションなどのサービス・支援を、包括的に提供する体制のことです。

現実的には、地域包括ケアシステムは機能している地域もあれば、あまり機能していない地域もあります。

ここでも在宅診療医の質が問題になります。
在宅診療の経験やトレーニングをちゃんと積んだ医者が育っていないことが原因です。
「ここまでできて初めて在宅診療と言えるのだ」という指針がないといけないのです。

■“なんちゃって在宅診療医”の正体

現在、24時間体制で在宅診療や訪問看護が可能な体制を整えている「在宅療養支援病院」は全国に1400以上、「在宅療養支援診療所」は1万4000カ所以上登録されています(ちなみに、病院は入院ベッド数が20床以上、診療所は入院ベッド数が19床以下の医療機関のこと)。

ところが、以前対談させていただいた東京都江戸川区のしろひげ在宅診療所院長の山中(やまなか)光茂(みつしげ)医師は、「実は年間に10件も緊急往診に行っていないし、看取りも4件未満という医療機関が7割以上です。
逆に言うと残りの3割のところでも、10件の緊急往診、看取りも4件の条件を満たせば、厚労省の基準では『機能強化型』となって診療報酬が優遇される」といった指摘をされていました。
山中医師はこういった診療報酬泥棒のような在宅診療医のことを“なんちゃって在宅診療医”と呼んでいます。

現代の日本の医療に欠けていて、実は大事だと思うのは、医者が「患者さんの人生そのものに関心を持つ」ことです。
在宅診療を謳(うた)いながら、患者さんを担当する医者がコロコロ変わるのではなく、担当の医者の顔を見たら安心できるような信頼関係がすごく大事だと思うのです。

もちろん、医者も一人で診るのは大変ですから、二〜三人で手分けして患者さんに対応するのは仕方のないことです。
でも突然、今まで診てもらったことのないアルバイトの医者が夜間の往診時に現れ、表面的に対応・診察されても、患者さんは困惑するだけです。

ちなみに、良い在宅診療医を見つける方法について、山中医師は「介護職員からの評価が高い医師は、在宅診療医として良いお医者さんが多い」と言っていました。
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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
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2025年04月24日

朝食は「コンビニ」で!? 温泉旅館で“素泊まり”が急増中!

朝食は「コンビニ」で!? 温泉旅館で“素泊まり”が急増中! 売上が大幅にダウンしても客と旅館が“win-win”なワケ
2025年04月24日 17時30分ABCmagazine

ABCテレビの夕方のニュース『newsおかえり』で過去に放送された特集企画と、YouTube公式チャンネル『ABCテレビニュース』の特集動画から選りすぐりの作品をお届けする番組『newsおかえり&YouTube傑作選』。4月21日(月)は「温泉旅館で素泊まり?“泊食分離”の実態」と「“指定難病外し”を危惧 潰瘍性大腸炎」の2本を放送した。

cABCテレビ

WEB企画「温泉旅館で素泊まり?“泊食分離”の実態」(2025年4月6日配信)では、温泉旅館での宿泊スタイルに最近現れている異変を“関西の奥座敷”と呼ばれる兵庫県・有馬温泉で調査した。

温泉旅館といえば、温泉に加えて贅沢な食事も楽しめる“1泊2食付き”が定番。
しかし近ごろは、宿で食事をとらない“素泊まり”の客が増えているという。

cABCテレビ

有馬の温泉街で話を聞いたところ、旅館やホテルを素泊まりで利用している人がチラホラ。
料金が高い、外で食事をした方が温泉街の雰囲気を楽しめるなどの理由で、“食事付き”は最初から選択肢に入れていなかったと話す若者や、朝食は「コンビニで」済ませるというグループも見られた。

cABCテレビ

実際、旅館で食事をとらない客はどれほどいるのか?1956年開業の有馬の老舗旅館「古泉閣」では、2023年7月から“夕食なし・朝食付き”プランを始めたところ、これが大好評。素泊まりを含む“宿で夕食をとらない客”の割合が1年で3倍に増えた。

しかし、旅館ならではの豪華な食事が付いた宿泊プランの料金は、1泊2食付きが約3万円、朝食付きは17000円。素泊まりでは10000〜15000円ほどとなり、旅館の売り上げも減ることに。
経営が苦しくなる?と思いきや、客が宿で夕食をとらないことは旅館側にも大きなメリットがあるという。

cABCテレビ

旅館・ホテル業界は今、「人手不足」。
ギリギリの人数で仕事を回すなか、夕食の調理や配膳などにかかる人手が抑えられることで、従業員の働き方に余裕ができたり、休みを取りやすくなったりとプラスの効果が現れているというのだ。

cABCテレビ

これまでセットだった宿泊と食事のサービスを切り分けて提供する考え方は「泊食分離」と呼ばれ、旅館業界で徐々に広まっている。
あえて食事なしにすることで、人手不足でも稼働率を上げられるうえ、客が喜ぶ手頃な料金も可能に。「泊食分離」は、旅館と客にとって“win-win”なのかもしれない。


「“指定難病外し”を危惧 潰瘍性大腸炎」(『newsおかえり』2024年10月9日放送)では“ある危機”に直面する難病患者たちの声を取材した。

cABCテレビ

「潰瘍性大腸炎」は、大腸の炎症から腹痛や下痢、血便などに悩まされる病気。原因は不明で、今の医療技術で完治することはない。

広島市に住む伊藤克明さん(28)も患者のひとり。症状を抑える多くの薬を飲む生活を4年近く続けている。
薬は高額で、1回あたり5万円ほどの医療費が。だが、潰瘍性大腸炎は国が「指定難病」と認定しているため助成を受けることができ、毎月の出費は最大2万円で済んでいるとか。

助成のおかげで必要な治療を受けることができ、普通の生活を送る「寛解」を維持している伊藤さん。
だが、もしも指定難病から外されて助成がなくなると、病院に行く頻度が下がり、体調が悪化する不安があるという。

世界に数千あるといわれている難病の中で、厚生労働省が定めている指定難病は341。いずれも「患者数が一定数以下で診断基準が確立している」病気で、研究などを理由に医療費を助成している。

ところが2023年の冬、国は「指定難病の要件に合致しない状況であると判断される場合には、対象疾病の見直しについて検討する」として資料を発表。年々患者が増えている潰瘍性大腸炎は、すでに「患者数が一定数以下」という要件を満たしていない可能性があり、指定難病から外されるのではないか――と当事者たちの間で危機感が高まった。

cABCテレビ

そんななか、「指定難病外し」をテーマに大阪で講演会を開いたのは、潰瘍性大腸炎などに悩む人たちを支援する患者会「大阪IBD」。代表の布谷嘉浩さんとともに活動する共同代表・三好和也さん(50)もまた、約10年前に潰瘍性大腸炎を発症し、薬による寛解でようやく「普通の生活が送れている」という患者。三好さんら患者にとって助成は、大切な「生命線」なのだ。

cABCテレビ

発症すれば、一生向き合わなければならない潰瘍性大腸炎。前出の伊藤さんは「仕事を続け、社会に貢献していく」ためにも「(指定難病制度が)なくなってしまうと困ります」と言葉に力を込めた。
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2025年04月25日

【心療内科医直伝】五月病を防ぐ!連休中に実践すべきリフレッシュ&メンタルコントロール法

【心療内科医直伝】五月病を防ぐ!連休中に実践すべきリフレッシュ&メンタルコントロール法
<文・渋谷365メンタルクリニック 院長 森秀和>
4/24(木) 求人ボックスジャーナル

新年度が始まり、慌ただしく過ごした4月を経て、ゴールデンウィーク明けにやる気が出なくなったり、心身の不調を感じたりしてしまうーー。
いわゆる「五月病」は、誰にでも起こりうる現象です。
特に責任感が強い人はストレスをため込んでしまう傾向があるため、注意が必要です。
本記事では、五月病の原因や陥りやすい人の特徴を整理し、連休中に実践すべき具体的な予防・対策方法を、心療内科医が直伝。連休明けをすっきりとした気持ちで迎えるための秘訣を紹介します。

五月病とは?

五月病は、 新しい環境や生活リズムの変化によるストレスが蓄積し、心身のバランスを崩すことで起こります 。
一般的な用語で、医学的な診断名ではありません。
日本特有の現象とされますが、海外にも類似の症状は存在します。
例えば、欧米では冬季に日照時間の減少やホリデーシーズン後の落ち込みにより、「ウィンターブルース(winter blues)」や「1月の憂鬱(January blues)」と呼ばれる一時的な気分の低下が見られます。

五月病の原因

五月病の原因はさまざまありますが、大きく3つに分けられます。

1. 新生活のストレス

新年度が始まり、仕事や学校、部署異動などで新しい環境に適応するために多くのエネルギーを消費します。
この緊張感が続いた後、5月の連休で一気に緩み、疲れが表面化します。

2. 生活リズムの乱れ

連休中に夜更かしや昼夜逆転をしてしまうと、体内時計が乱れ、再び通常のリズムに戻すのが困難になります。

3. モチベーションの低下

新年度のスタートダッシュを終え、最初の目標達成後に「このままでいいのか?」という気持ちが芽生え、無気力感に襲われることがあります。
特に注意してほしいのが、責任感が強く、自分で抱え込みがちな方 です。
周囲に頼ることが苦手なため、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまう傾向があります。

五月病の予防と対策

五月病を予防するためには以下の6つを意識してみてください。

1. 生活リズムを整える

ゴールデンウィーク中も、なるべく普段と同じような時間に起床・就寝することを意識しましょう。
特に以下の点を守ることで、体調を崩しにくくなります。

朝起きたら日光を浴びる(体内時計の調整)
毎日3食を決まった時間に摂る
夜更かしを避け、7時間以上の睡眠を確保する

完全に同じスケジュールが難しい場合でも、極端な昼夜逆転を避け、できるだけ一定の生活リズムを維持することが大切です。本当にちょっとしたことで良いので、できる範囲で試してみましょう。
例えば、朝食はバナナ1本だけでも良いですし、起きてすぐにコップ1杯の水を飲むだけでも、朝日と水分補給によって体内時計がリセットされるため、体のリズムを整えるのに役立ちます。

2. 適度な運動を取り入れる

運動はストレス解消に非常に効果的です。
特に以下のような活動を毎日30分程度行うことで、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促され、メンタルの安定につながります。

朝の散歩(太陽の光を浴びながら歩くとより効果的) ヨガやストレッチ 軽いジョギングやサイクリング

普段運動習慣がない方は、30分程度の運動もなかなかハードルが高いかもしれません。
その場合は、5分間でも良いのでストレッチをすることから始めてみましょう。日常でできるトレーニングとしては、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うことから始めるのも効果的です。

3. バランスの良い食事を意識する

身体に良いとされる栄養素であっても、特定のものだけを摂るのではなく、バランスの取れた食事が推奨されます。
「まごわやさしい」という健康的な食事の合言葉を意識してみてはいかがでしょうか。
「まごわやさしい」は 豆、ごま、わかめ(海藻類)、野菜、魚、しいたけ(きのこ類)、いも類 の頭文字をとった略称で、昔から自然とストレス耐性を高められる食材の取り入れ方の考え方で、いわば和食の知恵です。


【ま】大豆製品:良質なたんぱく質やビタミンB群

【ご】ごま、くるみ、ナッツ系:不飽和脂肪酸、ビタミンEなど

【わ】わかめなど海藻類:食物繊維、ヨウ素、ミネラル

【や】野菜:ビタミン、ミネラル、食物繊維

【さ】魚:タンパク質、DHA/EPA

【し】しいたけなどきのこ類:ビタミンD、食物繊維

【い】いも類:炭水化物、ビタミンC、食物繊維

しかし、毎回栄養素まで把握して食べるのは難しいので、まずは「一品追加」を意識してみましょう。
例えば、いつもの食事に野菜を少し足すだけでも十分です。

また、食事に関しては、 これまで食べたことのない食材にチャレンジするのも精神的に良い刺激となります 。
例えば、行ったことのないレストランに足を運んでみる、コンビニやスーパー、自販機などで普段飲まないものを試してみるといった小さな変化が気分転換につながります。

4. リラックスできる時間を確保する

連休中は、遊びや資格勉強などの予定を詰め込みたくなる方もいると思いますが、 「タスク」と感じない程度に留めることが大切です 。
意識的に「息抜きする時間」を確保しても良いと思います。以下のようなリラックス方法を試してみましょう。

読書や映画鑑賞など 瞑想や深呼吸 自然の中で過ごす

特に、就寝前は体内時計を整え、睡眠の質を高めるためにもブルーライトを避けるリラックス方法を選ぶのがおすすめです。ゴールデンウィーク前に自分に合ったリラックス方法を見つけておきましょう。

5. 周囲とのコミュニケーションを大切にする

例えば、地方から都市に出てきた人など、新しい環境で過ごしている方は、友人が近くにおらず、連休中に孤立してしまう可能性があります。

孤立が続くと不安が募りやすいため、家族や友人と会うために帰省したり、オンラインで交流したりするのも良いでしょう。意識的に人との関わりを持つことで、気持ちが安定しやすくなります。

6. 完璧を求めすぎない

目標を立てることは大切ですが、達成できなかったからといって自分を責めないことも大事です。
連休中は、スケジュールを無理に詰め込まず、柔軟に調整できる余白を残しておきましょう。
また、 大小問わず1日1つ新しいことに挑戦する意識を持ち、できなかったことよりも「できたこと」に目を向けることを意識して過ごす と、前向きな気持ちで過ごせます。

まとめ

五月病は、新生活のストレスや生活リズムの乱れが原因で起こります。

これを防ぐためには、

〇生活リズムの維持
〇適度な運動
〇バランスの取れた食事
〇リラックスする時間の確保
〇周囲とのコミュニケーション
〇完璧を求めすぎない姿勢

これらを意識することが重要です。

ゴールデンウィークを迎える今だからこそ、意識的に予防策を取り入れ、心身ともに健康な状態を維持し、充実した毎日を過ごしましょう。
本当にちょっとしたことで良いので、ご自身が無理なくできる範囲で取り組んでみてください。

渋谷365メンタルクリニック
院⻑ 森秀和
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2025年04月27日

「すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなる」作家・荒俣宏77歳が教える"好きを仕事にする"唯一の方法

「すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなる」作家・荒俣宏77歳が教える"好きを仕事にする"唯一の方法
2025年04月26日  PRESIDENT Online

「損か得か」が常に価値判断の根拠となり、効率・効果を追求し続ける現代社会は息苦しい。
新刊『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる』が話題の作家・荒俣宏さんは「僕は“人生丸儲け”と思っている。何をやっても、どんな人に会っても、何かしら学ぶことができ、なによりとても楽しいと思えるからだ」という――。(第1回/全4回)※本稿は、荒俣宏『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■人生7勝8敗でいいじゃないか

人生は長距離レースであるが、実際は節目ふしめに決断しなければならない時期がある。
場合によっては、そういう時期が若いときに来てしまうこともある。
しかし、その決断が間違っていたかどうかの判断だけは、あわてないほうがいい。

たぶん死ぬ直前まではっきりしないし、人生の決算期になったとき振り返って、自分の一生が相撲の星取りにたとえて7勝8敗ならば、誇るべき結果を残したと思うべきだ。
星一つの負け越しは、誰かにその星を譲ったことを意味するからだ。

勝ち星を墓場まで持っていくことはできない。
せめて1勝でも、生きている後輩に譲っていくことができたら、世代をつないで種の存続を図っていく生物の一員として、かなり上出来だと思う。

死ぬまで自分がしたかったことの1つでもやり抜いていたら、その1つは誇らしい宝となる。

■「使えない木」だから「神木」になれた

中国の名著『荘子』という本に、「櫟社(れきしゃ)の散木(さんぼく)」という教訓話がある。
この故事を、わたしは国立民族博物館の初代館長であった、梅棹忠夫さんから聞いた。

で、梅棹さんが教えてくれた教訓話のポイントは、こうだ。

ある一人の棟梁(とうりょう)大工が、弟子を連れて材木を探す旅に出た。
すると、ある村で神木として尊ばれている巨木に出会った。

弟子が「この木を使おう」といったが、棟梁は反対した。
「あの木は役に立たなかったからこそ巨木になれたのだ」と。

ほかの木は建築に使いやすく、「財(ざい)あるいは材」(材木ということばもここから出ている)になる木だったから、どんどん伐られてしまった。

ところがこの木は曲がっていたりして使いにくい「散木」、つまり使えない木と判断されたので、人に伐られなかった。そのおかげで神木になれたのだよ――と。

■運命はどちらに転ぶかわからない

使える木はすぐに伐られるが、使えないと判断されて放置された散木は、巨木になるまで育って、神木と呼ばれるようになった。さて、あなたはどちらの木がいいと思うだろうか?

大器晩成ということばにも通じ、自分の個性を失わずに伸びた木は、材とはならなかったが、世間的には役に立たなくても世俗の評価を超えた神木になれる可能性があることを、教えてくれた。

そう、材にならなくても、そのおかげで神木になれる可能性があって、運命はどちらに転ぶかわからないのだ。

人材にもなり、神木にもなるという両立なんて、自己矛盾かもしれない。
それでわたしも散木をめざしたいと思い、役立った材木のみんなとは違う生き方を選ぶことにした。
その道は、いつ役に立つかまったくわからないが、そのかわり曲がりくねった神々しい木にはなれるかもしれないからだ。

まあ、それも5勝10敗の幕下程度だったけれどもね。それでもいいや。

■生きていることそれ自体で成功

さて、今の時代、人が勉強ということばでイメージするのは、「勉強という努力を重ねること」→「成功へと導かれる」というものだ。『荘子』にいう「材木」になることをめざすのだ。

そしてその具体的なゴールは、

@社会的な成功を収めること

Aお金持ちになること

B仕事や業績により社会的な評価を得ることという3つのことにほぼ収斂(しゅうれん)される。

だが、本来の勉強とは、人生を豊かで楽しいものにする血の通った営みのはずだ。
仕事も遊びも勉強になるのなら、勉強とは生きることそれ自体でなかば達成されている。

毎日ご飯を食べたりテレビを観たり仕事をしたりすることだって勉強になるような、そういうものだった。

■荒俣宏は「0点主義」

そんな勉強法をわたしは「0点主義の勉強法」と名づけることにした。
材木ではなく散木になるための勉強法というわけだ。
単なる手段や道具としての「冷たい勉強法」とは違った、なにかゆったりした大河の流れのような可能性を求める方法といえるかもしれない。

ただし、「0点主義の勉強法」では、成功をめざす材木的生き方を排除するわけではない。
結果的には、むしろ「冷たい勉強」に集中するよりも大きな成功が得られる可能性もあると思う。

なぜだろう?

まず、「冷たい勉強」は非常に多くの人が参加しているものなので、必然的に競争が激しく、よほど抜きんでないと成功をつかみ取る勝者にはなれない。
しかし、「0点主義の勉強法」では、自分がやりたい勉強をしていくので競争相手も少なく、いわば独擅場の世界を築ける。

そして、その独自の視点が定まったら、その視点から世の中を見ればいい。ここに変化の兆しが見つかるかもしれないからだ。

■あなたに「決め球」はあるか

実力は0点でも、「決め球」があれば、自分の人生はかならず開ける。

この「決め球」を見つけ、磨きあげるには、ストライクを投げるだけの練習では意味がない。
球を投げることのおもしろさに気づいて、さまざまな変化球を覚えるという別の選択肢が見つかれば、野球、いや、思考や情報を読み解く力は強化されるはずなのだ。

ついでに書いておこう。「好きなことを仕事にできるのは、特別な才能がある人だけだ」という人もいるだろうが、それは違う。
好きなことを仕事にして失敗するという、一見するとネガティブな面もあるけれど、ただ1つの覚悟があればよいのだ。

それは、失敗することに時間も経費もおしまないで楽しみにしてしまう、という覚悟だ。

もっとはっきり、失敗は金で買ってでもしろ、といいたい。
なぜなら、失敗こそは「成功」の別側面だから。

とくに若いころは、どんな失敗も安く買いたたける(重大な責任を負わされる可能性が少ない)からだ。
おそれることはない、若い時期こそは失敗体験のバーゲンセールで買い物ができる。

■人間には失敗する権利がある

おそらく、この失敗する権利はAIには与えられないと思われる。
そして、その体験が成功に結びつくためには、長い年月も必要となるだろう。
失敗体験が歳を重ねて熟成し、発酵するまでに時間がかかるせいだ。

だが、この体験の化学変化は、思考の量とスピードに特化したAI型思考では達成されないだろう。
人間が機械でなく生命であるという事実を忘れないように。

生命は時間軸の中で変化できる存在だ。

現代の進化論では、生物の進化の歴史はDNAを子孫に伝える際に発生するコピーミスにより、はじめて成立することを探りあてた。
失敗すなわち変化や差異が生じることこそが進化の原動力だった。

DNAを介する世代交代がいつも成功ばかりだったら、生命は変化することがなかったろう。
だからこそ、DNAからmRNAへの遺伝情報の受け渡しという、わざわざコピーミスが起こりやすいプロセスを創出したのではないだろうか。

そうであるなら、人が開発した脳による認識や思考のプロセスにも、オスとメスによるエラー発生装置がしこまれていたはずだ。

オスとメスが遺伝子の交換をおこなって子孫にそのコピーを受け渡すという、ほんとうに面倒くさい繁殖法を採用したのも、エラーが起きる可能性を担保するためだったと考えられるほどに。

■「アマチュア」のすすめ

ところで、好きなことは他人にいわれなくても自発的にせっせとやれるものである。
こういう好きなことを自発的にやりつづける人のことを、西洋では「amateur(アマチュア)」と呼ぶ。

学問することを心から喜び、いっさいの利益を期待せず、また自分の挙げた成果を他人とも無償で共有できる人たちだ。
いっぽう、学問することで給料を支給され、論文を書くと学位を授与され、学会の権威ともなる専門家を、プロフェッショナルと呼ぶ。

これが「アマ」と「プロ」の本来の意味だったが、日本語ではとらえ方がちょっと違う。

欧米では、どちらが社会的に尊敬されるかと考えると、「アマ」のほうだといえるからだ。
日本ならば東大の教授あたりが最高のプロだろうが、西洋で尊敬されるのは、じつは無私の精神で純粋に学問を愛するアマチュアのほうなのだ。

■「へたの横好き」は大きな勘違い

ところが日本人が持つ「アマ」のイメージは、学問でお金を取れない「へたの横好き」、つまり「しろうと」だと思われている。それは違う。

アマチュアは金を稼げないのではなく、稼ごうとしない愛好家のことであり、純粋に好きでものごとに打ちこむ人のことなのだ。

たとえば野球でも、最初は好きでやるからみんなアマチュアだが、その中から特色ある人がお金が取れる職業選手に変わっていく。
学問もまったく同じで、博士号があるかどうかが、その人の知識の正しさを絶対に保証するものではない。

だが、もちろんプロになることは悪いことではない。それになることで、好きなことの探究に時間と労力を注げるなら、それは便利なシステムといえる。

わたしたちがまずめざすのは、知のアマチュアになることであって、もっと自由に楽しく、自分の世界や可能性がどんどん広がっていく「幸福」をめざすべきだと思う。
学ぶとは、本質的に「ボランティア活動」なのだから。

■「遊び」こそアマチュアの勉強法だ

では、アマチュアをめざす「勉強」とは何なのか? 試験にパスするため? 資格を得るため? それじゃあ「仕事」だ。
勉強って、本来はおもしろいからするのではないのか?

これをもっとわかりやすくいえば、「遊び」こそがアマチュアの勉強ということになる。

今、そのようなアマチュアが存在する領域は昆虫などの生物愛好家やスポーツ、ゲームの愛好家の別名として存在している。
大人たちのことばにしたがって勉強する世界では、遊びが「人生の無駄遣い」と信じられた時代があったのだから、この両者は対立関係にすらなっているかもしれない。

成功しなければ幸せになれない。そのためには必死で勉強するしかない。
そして、努力して能力を開発すれば、成功して豊かになれる。勉強しない者よりも、勉強した者が優位になる――。
多くの若者はそう思っているはずだが、それは半分しか正しくない。
あとの半分はただの幻想、いや思いこみだと思う。

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荒俣 宏(あらまた・ひろし)
博物学者、小説家
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2025年04月28日

科学的根拠のない“大地震予言”なぜ拡散する?あいまいなものほど広がる「デマの公式」

科学的根拠のない“大地震予言”なぜ拡散する?あいまいなものほど広がる「デマの公式」
4/27(日) ABEMA TIMES

 沖縄在住の霊能力者が4月26日・午後2時58分に、東京湾北部でマグニチュード8.3、震度6以上という大規模地震が起きると「予言」した。
その被害は高層ビルが崩れ地下鉄が水に飲み込まれ、30メートルを超える巨大津波が襲来、93分後に完全な暗黒が訪れるというもの。
SNSを中心に拡散、とある家庭では小学生が自宅で防災グッズをチェックしはじめ、児童の間で素早く机の下に隠れる遊びが流行った。
動画サイトにも関連した動画が数多く並んだが、実際には予言のような地震が起きることはなかった。

 政府からは、首都直下地震については30年以内に大規模地震が起きる可能性を70%としているが、専門家からも数日〜数カ月単位で地震がいつ起きるかを予測することは不可能と言われており、今回の予言に対しても「はっきり言えば全くのデマ。
科学的根拠はない。
ただし偶然ということもあるので、絶対に起きないとは言えない」という声が出ていた。
人はなぜ、このような予言、さらにはデマに反応し、拡散してしまうのか。「ABEMA Prime」では、危機管理に詳しい専門家らとともに考えた。

■当たらなかった「426地震説」なぜ広まった?

専門家は「全くのデマ」と指摘

 今回、ネットを中心に拡散した「426地震説」。結果は、過去にいくつもあった予言と同様に当たることはなかったが、それでも26日に東京に行くのを控えようとする人も現れ、海外の一部ではメディアにも取り上げられ、日本旅行を見合わせた外国人も出たという。
噂やデマなど根拠不明情報の拡散問題に詳しい日本大学危機管理学部教授・福田充氏は「予知、予言に科学的根拠はない。その度に外れているのに、毎回みんな盛り上がるのは、祭りとしてみんな参加したい、盛り上がりたい、何かワクワクしたいという社会心理があるから」と分析。
さらに「東大の地震研究所でも『地震の予知はできない』と断言し、諦めている状況。
本当に予言が当たるなら出してほしいし、もっと早く東日本大震災や能登半島地震の前に言ってほしかったが、そんなことを言った人は誰一人いなかった」と述べた。

 過去には、世界の終末を予言するようなものも多く見られたが、それらもまた当たっていない。
ただし、この予言が広まる、さらには信じる人が出ることこそ、大きな問題につながると福田氏は指摘する。
「基本的に多いのは、やはり大災害や地震というもの。ネットでちょっと盛り上がるぐらいだと大きな社会的混乱、不安には至ってないので、そこは日本人のリテラシー、教養の高さが現れている。
ただし陰謀論やフェイクニュースみたいなものと結びつくことで、ネットではもっと深刻化していく。カルト宗教や霊感商法みたいなものとも結びつき、騙されていく人たちがどんどん不幸になる」と注意喚起した。

 今回の予言に乗じて、防災の意識を高めようという動きもあったが、これに対しても福田氏は警戒心を緩めない。
「恐怖を与えて、信じさせて、説得して操るというのはカルト宗教や霊感商法の手法。無意味に社会不安を高めるだけで、社会混乱にも結びつきやすい。
これが社会的教育に結びつく可能性もあるが、結局何も起こらなかったということになると、もう騙されるのをやめようと、次の(本当の)警報にも『釣られないぞ』と、オオカミ少年効果みたいなものが発生する」と、逆効果にすらなり得るとした。

■あいまいなものほど広まりやすい情報

噂はなぜ広がる?

 噂の広まりについては、心理学者が示した法則がある。
アメリカの心理学者であるオルポートとポストマンは「デマの心理学」という共著を1952年に出している。この2人による「噂の法則」は、噂の流布量(Rumor)≒重要度(Importance)×あいまいさ(Ambiguity)というものだ。
福田氏は「SNSの時代なので、ここで噂は拡散していくが、この法則では噂の広がり方は重要度×あいまいさと言っている。重要であるほど広がるが、あいまいで怪しければ怪しいほど広まる」と補足した。またマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究では、Twitter(現X)上で伝わるスピードは、正しい情報よりも虚偽情報の方がはるかに速いとも発表している。
福田氏は改めて「ウソだとわかっていても、絶対に本当だと思っていても広げない」とし、ウソまたは真実であるものは重要度以上は広まらないが、あいまいなものほど広まりやすい危険性を説いていた。

 なお、過去に首都直下地震は1703年12月、元禄関東地震(M8.2)から数えて、1923年9月の関東大震災(M7.9)まで、220年に8回発生。
単純計算で、27.5年に1回の割合で、大地震が起きている。
政府発表では「首都及びその周辺地域や直下で発生するマグニチュード7クラスの地震及び相模トラフ沿い等で発生するマグニチュード8クラスの海溝型地震」については、今後30年以内に70%の確率で発生するとされている。
根拠としては、過去の地震発生状況をもとに地震学で用いられる将来予測の計算式「ポアゾン分布」を用いて算出。
日本地震予知学会会長の長尾年恭氏は「数日〜数カ月前の地震予測は困難」とした上で「マグニチュード8級の地震直前に共通する現象は明らかに」なっており、「今後10年以内に数十分以内の巨大地震発生がわかる可能性が高い」としている。
(『ABEMA Prime』より)

ABEMA TIMES編集部
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする