2025年04月05日

「期待外れ」「案内板少ない」 万博テストランの来場者から不評の声

「期待外れ」「案内板少ない」 万博テストランの来場者から不評の声
4/4(金) 毎日新聞

 2025年大阪・関西万博が13日に開幕するのを前に、万博を運営する「日本国際博覧会協会」(万博協会)は4日、会場となる大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」で実際に来場者を招いた「テストラン」(リハーサル)を始めた。
参加者からは「期待外れ」「がんばって開幕までには仕上げて」など、さまざまな感想が聞かれた。

 万博の会期は10月13日まで。国内外から2820万人の来場を見込んでいる。


 テストランは6日までの3日間で、大阪府と大阪市が無料招待した一般の参加者4万人を含め、計約9万人が参加する予定だ。万博協会は今回のテストランで、パビリオンや店舗の運営などを最終確認する。

 万博協会の高科淳副事務総長は4日、会場内で報道陣に「ついにここまで来たという気持ちだ。しっかり課題を洗い出し、本番までに万全の体制を組みたい」と語った。

 万博協会によると、テストランに参加する海外パビリオンのうち、参加国が自前で建設する「タイプA」は、全47カ国のおよそ半数の23カ国(19館)にとどまる。
開幕に向けて急ピッチで工事が進められている。

 ただ、一部のパビリオンは工事が間に合っていない。
テストランに招待された70代女性(大阪府河内長野市)は「パビリオンの多くが工事中だった。がんばって開幕までには仕上げてほしい」と話した。

 妻(69)と2人で訪れた無職男性(71)=東京都多摩市=は、いくつかパビリオンを見たが期待外れだったという。   「東京では万博が話題になっていない。無料なら良いが、お金を払ってまで2度目はない」

 今回の万博は、先端デジタル技術でストレスを感じさせない「超スマート会場」を掲げている。
の中で、40代の公務員の女性(大阪市阿倍野区)は注文を口にした。

 「地図を見るにも、パビリオンに入るにも、そのために全てスマートフォンが必要。
トイレの場所も分かりにくく、案内板をもう少し増やしてほしい」

 元万博協会整備局長で、大屋根「リング」の基本設計に携わった阿部正和さん(62)=大阪市住吉区=は夫婦で参加した。

 「バリアフリーについて障害者団体の方と膝詰めで話し、たくさん怒られた思い出もある。
当時は大変だったが、形になってうれしい。万博への批判的な意見も多いが、百聞は一見にしかず。多くの人に足を運んでほしい」【岡崎英遠、藤河匠】
posted by 小だぬき at 01:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ステルス値上げに「詐欺」「ずるい」 炎上リスク大でも、企業が踏み切らざるを得ないワケ

ステルス値上げに「詐欺」「ずるい」 炎上リスク大でも、企業が踏み切らざるを得ないワケ
4/4(金) オトナンサー

企業がステルス値上げを行う理由は?

 原材料価格や物流コストの高騰などの影響で、4月1日からビールやチーズなどの食料品、トイレットペーパーやティッシュペーパーといった日用品が値上がりしました。
日々、家計のやり繰りに悩んでいる人は多いと思います。

 ところで、チョコレートやポテトチップスなどの菓子商品の中には、価格は変わらないものの、いつの間にか内容量や数量が減った商品があります。
このように内容量や数量を減らしつつ、価格を据え置く行為は実質的には値上げに該当しますが、消費者が気付かないうちに行われることから、「ステルス値上げ」と呼ばれています。
SNS上ではステルス値上げについて、「詐欺」「ずるい」「堂々と値上げすれば良いのに」「やめてほしい」などの声が上がっています。

 ステルス値上げのように、消費者に何の告知もせずに値上げに該当する行為は問題ないのでしょうか。
消費者の印象が悪くなる可能性がある中、なぜ、企業はステルス値上げをするのでしょうか。
通常の値上げ、ステルス値上げが消費者に与える印象の違いも含め、経営コンサルタントの大庭真一郎さんが解説します。

普通に値上げすると競争する上で不利

 そもそも、商品の価格は原材料費や人件費、物流費用など、もろもろのコストを回収した上で、メーカー側に適正な利益が生じるよう設定されています。
この場合の「適正な」というのは得られた利益の中で、今後、必要な投資や企業の体制を維持し続けるために必要な費用を賄えるという意味です。

 コストはいつも一定ではなく、世の中の環境の変化によって変動しますが、価格を変えずにいると適正な利益が得られなくなり、最悪の場合は赤字となります。
そのため、「商品の分量を少しだけ減らす」といった小さな変化で適正な利益をカバーできる場合や、将来的に以前の分量に戻せる見込みがある場合は販売価格そのものは変えず、商品の分量を減らすステルス値上げで対応するケースが多いのです。

 ネット上では、ステルス値上げについて、「詐欺」「企業イメージが下がるだけで、マイナスでは?」といった内容の意見が見受けられます。
ここからは、「通常の値上げやステルス値上げが、メーカー側の経営に与える影響」「通常の値上げ、ステルス値上げが消費者に与える印象の違い」「メーカー側が値上げの際に取るべき対応」の3点について解説します。

 普通に値上げをすると、競合他社が提供している商品との間で価格差が生じ、場合によっては価格差が拡大してしまうことがあります。
そのようなことが起きると、市場で競争する上で不利です。品質や分量に差がない場合や「このメーカーでしか販売していない」といった特別な価値がない場合は、消費者は価格の安い商品を選択することが多いからです。

 しかし、利益を確保するために分量を大幅に減らさなければならず、パッケージなども変更しなければならない場合や、分量を減らした後、将来的に以前の分量に戻すことがない場合はステルス値上げではなく、通常の値上げで対応します。

 消費者に対する事前告知のないステルス値上げをやり続けた場合、メーカーに対するイメージが悪くなることで、消費者(ファン)が離れていってしまうことが想定されます。
ステルス値上げに関する情報は口コミで拡大していくからです。

 また、ステルス値上げを行ったことを知った競合他社が動くことも考えられます。
例えば、A社がこれまで、「120グラム100円」で売っていた商品をステルス値上げにより、「100グラム100円」で販売したとします。
すると、競合他社の中には、A社のステルス値上げ前の価格である「120グラム100円」で商品を売り、A社の顧客を奪おうとする企業も出てくるかもしれません。
このようなことが生じた場合、売り上げの減少や市場でのシェア低下という形で、ステルス値上げを行ったメーカーの業績に悪い影響を及ぼします。

 なお、ステルス値上げについては、法律上で告知義務があるわけではないため、パッケージに表示された情報(商品の分量など)が正確であれば、実施しても特に法的責任を問われることはありません。

 値上げが必要な理由や、値上げ後の金額決定の根拠を明確に伝えた上での通常の値上げと消費者に一切告知をしない形でのステルス値上げとでは、ステルス値上げの方が消費者の印象が悪くなると思います。
「気付いたら、商品の分量が減っていた」ということに対して、消費者がだまされたという感情を抱いてしまうからです。

 ただ、値上げ金額が大きい場合は、通常の値上げの方が印象が悪くなることも考えられます。
「この商品に関しては、この程度の価格が妥当である」という独自の判断基準(物差し)を持っている消費者も多いからです。

 そこで、通常の値上げの場合は、値上げが必要な理由と値上げ後の金額決定の根拠を消費者に明確に伝えるべきだと思います。そうでなければ、買う側が納得できないからです。

 ステルス値上げに相当しそうなケースについても、黙って量を減らすのではなく、分量を減らした理由や分量決定の根拠、今後の見通しなどを消費者に伝えることが望ましいです。
経営戦略上の理由で明確に伝えることができない場合であっても、消費者に満足し続けてもらうために「メーカーとして、どうありたいと考えているのか」といったメッセージは伝えるべきだと思います。

 今は物があふれている時代で、品質や分量、価格が似たような商品が市場に乱立しているケースが多いです。
そのような中で、安定した売り上げを確保し続けるためには、消費者との信頼関係を築くことが最も重要です。
消費者から、信頼・信用されることが市場で勝ち残れる最大の要因であるといっても過言ではありません。

オトナンサー編集部
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする