2025年04月08日

“ポンコツ”マイナ保険証に医療側と製薬会社はひと安心?

“ポンコツ”マイナ保険証に医療側と製薬会社はひと安心?【医療のミカタ 医療のフシギ】
2025年04月05日 日刊ゲンダイDIGITAL

【医療のミカタ 医療のフシギ】#1

 患者さんによく聞かれます。

「マイナ保険証にした方がいいんでしょうか?」

 知りません。ただし、もし病院でちゃんと認識されなかったら大惨事です。

 このままだと「マイナ保険証」は、「大阪万博」「リニア新幹線」と同じく、「令和のプロジェクトNG」へまっしぐらだと思います。

 ところで、私は「個人番号カード(正式名称)」なら持っていますが、そのカードには「マイナンバーカード」などとは書かれていません。

 ふつう、学校の卒業証書には「卒業証書」、運転免許証には「運転免許証」と大きくはっきりと書かれています。

 どこにも「マイナンバーカード」と書かれていないのに、「個人番号カード」は「マイナンバーカード」と世間では言われているようです。ここでは「別姓」が認められているのですね。いや「通称の拡大利用」というべきでしょうか。

 デジタル・トランスフォーメーションという「お題目」のもと、なかば強制的に導入された「マイナ保険証」によって、いろいろな変革があると想像していました。

 例えば、現在、「センセイ、睡眠導入薬とシップ薬を処方してください!」と言われても、「出せる量や日数が限られていますよ」と説明すると、「じゃあ、近所の病院でも処方してもらえますから、出せるだけ出してください」という会話がかわされています。

 こんなふうに、ひとつの医療機関で処方できる日数や量が制限されている薬剤も、病院を「はしご」すれば保険診療でいくらでも処方してもらえる状況なのですが、デジタル情報でデータが1カ所で管理されれば、それはかなわなくなるものと思っていました。

 が、マイナ保険証はそういう仕組みにはなっていないようです。
実はCT検査や心電図もひとつの医療機関で保険診療で行えるのはひと月に1回だけ、となっていますが、こちらも「はしご」が可能です。

 国民の医療費がかさんで健康保険の制度がパンクする、というのであれば、「高額療養費助成制度」を「御用学者会議」に諮問して改悪するのではなく、デジタル・トランスフォーメーションで一元管理して医療行為の重複があるとすれば制限すればいいのに、と誰でも思うはずです。

 ただし、そんなことをすれば、とある職業団体は猛反対するでしょうし、つぶれる病院や製薬会社が続出するでしょう。

 でも、現行のマイナ保険証にはそんな機能は全くなく、医療側や製薬会社は安心していることでしょう。
心臓手術を受ける患者さんも、このヘボな制度にひと安心です。

「前の病院で心臓手術を受けろと医者に言われたんですが、『今この病院で心臓手術はゼッタイに受けない方がいいですよ! 命が惜しければ』って担当の看護師さんに耳打ちされたんです」(看護師さんは、いつも患者さんのミカタなんですね)──という患者さんがいます。

 受けた医療の情報が1カ所ですべて管理されることになれば、こうした患者さんの命がけの“脱出”も、元の病院にバレてしまうかも知れません。
首都圏の患者さんはたくさん病院があるので困りませんが、病院が少ない地方の患者さんは災難です。

「よそで手術を受けるんなら、もうあんたなんか一生、この病院では診ないから」

 現実にこう言われた患者さんを私はたくさん知っています。マイナ保険証が間の抜けた制度で本当に良かったです!

▽南渕明宏(なぶち・あきひろ)心臓血管外科専門医、医学博士。
posted by 小だぬき at 01:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

富士山は「噴火スタンバイ状態」備えておきたい防災用品は?

富士山は「噴火スタンバイ状態」備えておきたい防災用品は?
2025年04月07日 女性自身

3月21日、内閣府は富士山の大規模噴火で首都圏に火山灰が降った際の影響と対策について報告書を公表。

降灰量に応じて地域の危険度を4段階に分け、住民行動の基本指針を示している。

「富士山は、もはや噴火スタンバイ状態です」
と語るのは、地球科学者で京都大学名誉教授の鎌田浩毅先生。

今回の報告書では、火山灰が2週間以上も降り続け、江戸の町に5cm、横浜に10cmの厚さとなった1707年の宝永噴火を想定しているが……。

「その噴火を最後に富士山は300年間沈黙を保っています。その間、地下ではマグマをため込んでいる。

次の大噴火では前回の5割増しのマグマが噴出し、大量の火山灰が10日以上降り注ぐことも考えられます」(鎌田先生、以下同)

2020年の政府の中央防災会議では、宝永級の噴火があった場合、東京新宿区で10cmの降灰があるとされているが、それ以上の降灰量もありえるという。

降灰による影響は甚大だ。鎌田先生がこう続ける。

「火山灰は細かいガラスのかけらです。火山灰が5mmも積もると、ぜんそくや気管支炎を患っている人は容体が悪化。2cmを超えるとほとんどの人の気管や肺に症状が出ると考えられます。

また火山灰が1cm積もっただけで1平方mあたり重さは10kgほどに。雨が降ると20kg程度と倍になり、木造住宅の屋根は持ちこたえられません。

1991年に起きたフィリピンのピナツボ火山の噴火では、直後に台風が襲い、火山灰に水の重さが加わり避難先の建物が倒壊。700人以上の死者が出ています。同様のことが首都圏で起こってもおかしくありません」

報告書でも降灰量30cm以上は、命の危険があり原則避難を求めている。

さらに降灰量が少なくてもインフラに大打撃を与える。

「降灰が3cm未満だとしても電車、バス、新幹線、飛行機はストップします。
エンジンに灰が詰まったりスリップしたりして自動車の運転もできません。
信号など電気系統が故障して、交通機関はすべて機能しません。物資が届かない状況に陥る可能性も。

また電力、ガス、水道、通信などインフラを制御しているコンピューターや精密機器に灰が入り込むと使いものにならなくなるため、すべてのライフラインが長期間にわたって止まります。緊急連絡をとりたくても
スマホが使えないという事態もありえるのです」

さらに影響は首都圏だけにとどまらない。

「東名高速道路や東海道新幹線といった東西の大動脈が分断。

また運輸や金融などのシステムにも深刻なダメージを受けますが、このシステムのホストコンピューターの大部分は首都圏にあるため、経済的な被害は日本中に及びます。

2002年に内閣府が出した富士山噴火による被害額は最大で約2兆5千億円ですが、想定外の被害も考えられ損失は一桁大きくなると考えています」

「富士山火山防災協議会」は、富士山が噴火した場合の人的被害として1万3千600人が死傷と想定しているが、10倍の10万人以上が命を落とすこともありえるのだ。

■ふだんの防災用品に加え降灰にも備えた備蓄を

死者32万人が想定されている南海トラフ地震との連動も危惧されている富士山大噴火。どうやって命を守ればいいのだろうか。

「富士山は突然噴火するのではなく、3週間から1カ月ほど前から低周波地震、有感地震、火山性微動といった『前兆現象』が次々と起こります。
この時点で避難することで噴石や泥流など直接的な災害死を防ぎます。

また水、食料、医薬品、簡易トイレといった地震などのほかの災害の備えに加え、降灰に備えた備蓄が重要です。

火山灰を吸い込んだり体に付着させたりしないための防じんマスクやゴーグル、レインコート、傘や帽子などの用意を。帰宅したら玄関先で火山灰を払って入室する必要もあります。

さらに、火山灰を家に入れないことも重要。窓を閉めることはもちろん、窓ガラスを目張りするテープを用意するのもいいでしょう」

首都圏だけでなく全国におよぶ富士山噴火の被害を最小に防ぐためにも、事前にできる限りの対策を心得ておこう。


女性自身
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする