2009年01月17日

兵器オタクはいても軍事音痴の政府(追加)

おこるA.jpgソマリア沖海賊対策が迷走しています。その原因は自衛隊をシビリアンコントロールするハズの官僚・政治家が「軍事音痴」で 海上自衛隊に「海保(沿岸警備隊)」に近い任務を与えようとしているからです。各国の軍事関係者は、「日本の無知」に怒りより笑うでしょう。

ソマリア沖を航行する船舶は、1日に往路・復路で何隻になるのか、海賊対策のメドは どのような状況になったら解除になるかの前提がスッポリと抜け落ちている点です。

また、軍事音痴の政治家・官僚は、自衛隊派遣にあたって「海上警備行動」「警察官職務執行法準用」などと 屁理屈を並べていますが、これなどは「軍事音痴」の自己表明でしかありません。

また、もっとも許し難いのは、海賊の背景に対する分析がないことです。以前、東京新聞特報面でルポが載っていたのですが、ソマリア内戦をドロ沼化させたのが アメリカ軍の軍事介入であり、沿岸地帯の部族が貧困のため 始めたのが「海賊」であったこと。それが部族の青少年のあこがれの職業として「生きるがための海賊」の側面が強い、とのこと。
対処療法としての小手先の艦艇派遣より、内戦の収拾・貧困化の改善が 本来の政治家・官僚の役目だろうと思うのですが、日本は「自衛隊の方が慎重・理性的」、政治家・官僚が「軍事力をおもちゃ」にしている逆転現象が今。

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<問 題 点>Gを追加 14:00

@エスコート方式で船団を護衛艦が先導するというが、果たしてこれで護衛できるのか?   後方で複数の船が同時攻撃を受けた時、「正当防衛・緊急避難」で対処できるのか??

Aこの方式の矛盾は、船団を集団護衛しようとすればするほど、海賊にとっては「狙いやすい」獲物が増える点です。まさか政府方針が朝刊にあったような規模でというのなら初めから ムリなことです。

B交代・補給・隊員の疲労を考えると、少なくとも2個単位の護衛艦・特別警備隊・海上保安官を派遣し2交代体制を取らねば 任務は全うできません。

C寄港地や寄宿舎、食料・燃料・弾薬などの後方支援は 計画に入っているのか・・・・

D船団護衛とともに常識的には 各海軍との連携作戦の艦艇も当然必要になるが、これは「海上警備活動」の範囲を超える軍事作戦になること。

Eソマリア派遣によって、自国防衛に穴があかないか・・・・。アメリカのように沿岸警備隊=海上保安庁。外洋海軍=海上自衛隊 に本気で組織改編を指向するのか・・・・。この1点だけでも法匪(法律を自己の都合の良いようにねじ曲げ解釈する輩)と民主党の仙石議員から 内閣法制局長官の資質を衆議院予算委員会で否定された法制局長官でも「違憲」と言わざる得ないことです。

F基本的疑問ですが、「海賊」が無抵抗で護衛艦に近づき、機関砲の死角から機関室などへのロケット攻撃をする気になれば 現在の派遣条件では 撃退する前に航行不能に陥る心配がある点です。
ここまできたら、海上自衛隊は世界の笑いものになってしまいます。

Gエスコート方式の護衛艦での護衛というけれど、そもそも民間船舶を船団として編成する権限がどこにあるかという点です。また、往路・復路ともどこまでの距離の護衛になるか、集合点・解散点はどこになるかとの点も重要です。
効率よく ムダなく護衛するためには、往路の解散地点で復路の船団と合流できなければなりません。
民間船の航行調整が果たして可能なのか、どこの機関が責任をもって運行計画を民間企業に命令!!をするのか・・・・。まさか民間まかせなんてことはないですよね。
失礼ながら 国土交通省や外務省・内閣官房にその能力があるのでしょうか・・・・
通商船護衛の基本は、船舶の往路・復路を 海上自衛隊の戦力・航行能力に合わせ、ムリ・ムダなく集合させるとともに海上自衛隊の指揮下に護衛中は民間船舶が従うという前提が無ければ成り立ちません。 
実際に護衛するためには、民間企業の意向より 船舶の速やかなる自衛隊指揮下編入を集合点でしなければなりません。今のなんでも「派遣された自衛官にまかせる」では済まないのです。

ことソマリア沖を航行する「日本船籍」「日本人乗船」の船に対する 「国家統制」に近い形が必要だと麻生首相や防衛大学校を卒業しても兵器オタクにすぎない石波さん、浜田防衛相も理解されているのですね。本当に!!
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今の海賊は、映画にあるようなロマンあるものではありません。銃器・ロケットや高速艇まで購入し「生活のために必死に海賊行為せざる得ない部族」相手の「局地戦争」です。

軍事音痴の官僚・政治家・最高指揮官の首相に 海上幕僚長・統合幕僚会議議長は、隊員の生命を国土防衛外で「戦死(この派遣では戦死扱いではなく殉職)」させないよう、また航行船の完全防衛の不可能さ、隊員の後方支援体制の不備などを 意見具申して欲しい。
田母~空幕長の底の浅い論文・自己陶酔より、軍事常識上「旧大本営命令より非常識・無謀な作戦、派遣だ」と職をかけて 「隊員の生命や家族のために」無知なシビリアンと闘って欲しい。
posted by 小だぬき at 12:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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