2009年02月24日

マスコミの功罪

こたぬきI.jpg日本のマスコミ、評論家、TVなどを見ていると(誤解なきよう、小だぬきは外国語はまるでダメ)、平然と中国などの「人民裁判」(証拠に基づかず、感情で量刑が左右される)と同じことをしている 恐怖国家になってしまったのか・・・・と 思うことが多くあります。

ある事件で警察に呼ばれた人を 何の裏付け・証拠もなく「実名報道、犯人視」して、家や実家・近所の人まで取材し、「犯人」にしていく構図は、まるで「人民裁判」ではないかと思うのです。
多くの冤罪事件で 無罪になっても名誉回復がなされず、平穏な生活に戻れない責任には マスコミの垂れ流し報道では無視される。
今、本当に実名報道が必要なのか・・・・、立ち止まって検証する必要はないのだろうか・・・。

刑法では「推定無罪」の原則があるのに、起訴前から「推定有罪」に世論を誘導する今のマスコミの有り様はいかがなものか・・・・・・

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なぜ、このようなことを書くかというと、中川元財務相に対するバッシングが腑に落ちないのです。

◎彼が 要職についたのは、それなりの実力があったということでしょう。それが今では「日本の恥」「泥酔大臣」「奇行大臣」として 一挙に「政治家失格」の烙印を押される。
    
@これは 全てG7の会談終了後の出来事である点。
 
 私には、国内経済疲弊にもかかわらず、G7で多額の出資金を約束した「政府方針」を国民の眼からそらす人身御供になったとしか思えない。
 
  本来マスコミが報道しなければならないのは、中川氏の「奇行」ではなく、経済が疲弊しているのにも関わらず多額の拠出金や政府開発援助を続ける 政府の方針ではないかと思うのです。

 諸外国から「笑われる奇行」というけれど、本来は「巨大赤字の国の財務相のストレス」と擁護して「きちんと拠出金を取り決めた 我が国大臣を笑う権利は 貴国にあるのか」位の気骨ある外務省の対応が欲しかった。

A自民党・公明党の与党議員は、なんのための随行員か!!と 官僚をまず叱責すべきだし、日本国の恥と中川氏を責める資格があるかどうかも反省して欲しい。
同行したマスコミ記者達も直前まで飲食を共にした人がいるとのこと。私は どう考えても「随行官僚、マスコミ記者」の方も中川氏と同じように批難されるなら少しは納得できるのですが、今の状態は まるで手のひらを返すような報道。釈然としない。

B語学力うんぬんという人がいるが、なぜ「日本語」ではいけなくて「英語」でなければいけないのか論拠をはっきりとして欲しい。誇りあるフランス人はどの会議でも英語を話せてもフランス語を使うと以前から言われています。

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◎古くは、調布市の白バイ偽装での「3億円強奪事件」この時も不確定な似顔絵に似ているとして草◇さんが逮捕され、マスコミは私生活まで根掘り葉堀り報道しました。
その後、アリバイ証明され無実とわかっても 彼は「3億円事件の容疑者」としてのレッテルを貼られたまま 職を転々として 昨年9月末 沖縄で自殺したとのこと。

◎オウム真理教による松本サリン事件。
この時も 奥様が重い後遺症で闘病生活に入った 河野さんが 医薬外交員をしていて納屋に農薬があったというだけで 逮捕されました。無責任なマスコミは河野さんをまるで極悪人のように報道しました。
無責任な学者(母校の教授だけに許せない)が 素人でもサリン製造は可能との見解を出し 河野さん犯人説が確定しそうになったとき、地下鉄サリン事件が起き、オウム真理教による犯罪として 辛うじて無罪が証明されたのです。オウム真理教のサリン事件が数年後だったら 河野さんはどうなったか・・・、恐ろしいことです。

◎痴漢でっちあげ事件
この時も逮捕された男性の氏名・会社名が実名報道されました。数日後、被害にあったという女性が私人逮捕した男性と共謀の上、和解料めあての「でっちあげ」事件だったと告白したから 無実が証明されたけれども もし女性が出頭・供述しなければ・・・・・。ゾーッとする話しです。

帝銀事件、松川事件、白鳥事件などなど 確証のないまま、今でも無罪論が強い事件や「それでも僕はやっていない」で見直されるようになった「痴漢事件」、などなど 逮捕=犯人でない事例は調べれば少なからず出てきます。

マスコミ報道の皆さん、報道倫理規定があるハズです。
「裁判で有罪確定」までは「推定無罪」で論陣を張れないものだろうか・・・・。


ロス事件も警察がというより 1週刊誌が三浦氏を犯人としてシリーズで追及したため事件となったものです。

何が真実か判断するのは「裁判所」の役目です。マスコミは万が一の冤罪の可能性を念頭にいれて報道して欲しい。 そして、より権力のあるものに立ち向かって欲しい。

週刊誌が揶揄する創価学会や大企業に広告を出して貰うため、スポンサーに遠慮をして報道できない新聞・TVなどではないと信じたいものです。
posted by 小だぬき at 18:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
他人の失敗はどんな小さな事でも、揚げ足をり、糾弾しますが、自分達の失敗には平気で目を瞑るのが今のマスコミのスタンスですね
決して、謝罪しない

二言目には、「報道の自由」とか「国民が知る権利」だとか・・・

私は『国民』を多用するコメンテーター、キャスター、政治家等は信用しません
『国民』の名の下に、自分の意見を言っているに過ぎない人があまりにも多いからです

先日、オバマ大統領の支持率が6割を切ったと騒いでいた日本の放送局がありました
調査は、選挙権を持つ約1600人を対象に行われたとか・・・

一体、アメリカの人口がどれくらいだと思っているのでしょうか?!
対象になった人達の人種、性別、年齢層、支持政党等は全く触れず・・・

これなんて典型的な例だと思います

恐いのがそうやって煽られている内に、何が真実か、何が創られたものだかがわからなくなる事です

今は、とにかく、経済状況の悪化を煽り立てて、不安をかきたてています
『閉塞感が漂う』とか言っておりますが、そうしているのはマスコミ自身じゃないかと思います

又、そういうテーマを取り上げる際のキャスターやコメンテーターの嬉しそうな表情!

正に、日本における最大のモンスターは、『マスコミ』です
Posted by mani at 2009年02月26日 13:20
調査報道をするためには 各社がきちんと遊軍記者を投入して時間をかける必要がありますが、今のマスコミには無理かな・・。
自分の頭で最後は判断していくしかないのでしょぅね。
Posted by 小だぬき at 2009年02月26日 13:35
今のマスコミは,警察が書け書け!やれ!やれ!といったら,何でも書くし,バンバン報道の垂れ流しをしますよ。逆に,警察の方でこれはちょっと穏便にと言えば,当たり障りのないことしか書かないか,簡潔に事実関係を報道するだけです。これは,マスコミ界の常識です。最近の良い例が,福岡高裁宮崎支部判事のわいせつ事件。被害者に実害があった事件の割に報道が控えめですよね。実害が無かった去年の宇都宮地裁判事のストーカー事件のときは取材陣が大挙して判事を追っかけまわしてたのにね。これは,山梨県警がいいように踊らされたことに立腹して情報を垂れ流したというのが真相のようですが。
Posted by 大だぬき at 2009年03月04日 01:26
大たぬきさん、コメントありがとうございます。

「何が真実か」「何が事実」か 報道機関にはもっと慎重になって欲しいと願っています。

記者クラブ依存の体質で「警察発表」の裏付けをとるより、他者に抜かれない・特オチしないという変な競争意識のもたらす害だと思います。

新聞離れが進んでいるのも あまりにも浅い報道で
あることが原因のようですね。
Posted by 小だぬき at 2009年03月04日 08:53
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