今日は 憲法記念日です。
冷静に読み返してみて 到底 この国で「憲法」の理想に向けた施策が今までなかったのではないか・・・・・、などと思います。
憲法九条と自衛隊の問題は マスコミでも取り上げられていますので、ここでは取り上げませんが、解釈改憲の典型的な事例であることは確かです。
法学部時代、この憲法と現実、具体的裁判事例などで 一番悩まされた「基本法」です。
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憲法25条
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すへての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
判例で問題になった「朝日生存権訴訟」、クーラーが贅沢だと問題になった生活保護基準、預貯金や持ち家があると受理されない「生活保護」
今の厚労省の年金杜撰記録の放置、介護保険の問題、後期高齢者医療など 数えあげるとキリがないくらいです。薬害エイズ問題や丸山ワクチンの不当不認可・・・・・
そして雇用不安・失業問題・・・。この条文だけでも 国が国民目線にたっていないのは明か。
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憲法12条
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の普段の努力によって、これを保持しなければならない」「又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」
ここの論点は、権力者(政治・行政)が 自由及び権利を侵害する怖れがあるので、国民自らの努力で保持しなければならないと言う点。現憲法の基本は、一番違憲行為をしがちな権力者の権力濫用を 厳に禁止している点に特徴があります。
濫用については、残念ながら まだまだ多く見られます。生活保護不正受給や介護施設・病院などの患者によるパワハラ・セクハラなど 私たちの中に「自由と権利」の濫用があるのも悲しい現実です。
「公共の福祉」というのも、政治家が好んで使う言葉です。本来は「支え合い・協力、共同のコミュニティ」を目指す言葉なのに 政治家が使う時は、公共工事?などでの立ち退きのゴリ押しなどに都合良く濫用されてしまいます。成田空港反対運動に関わった世代にとって、政治家達の論法の酷さに呆れるより怒りをかんじます。
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憲法19条
「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」
これも現実社会では 軽視されている条文です。
以前紹介した 共産党員ビラ入れ事件、広告や他党のビラは問題ないのに共産党のビラということで「住居不法侵入罪」に問われる事件が頻発しています。
このようなデタラメな法運用が見逃されていくと、いつの間にか「拡大して、権力判断で誰でも逮捕」できる世の中になる怖れがあります。
学校での「国旗・国歌」強制も条文違反でしょう。なぜ「国旗・国歌」なのか・・・・。本来は「校旗・校歌」ではないでしょうか・・・・。
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少なくとも 憲法第3章「国民の権利及び義務」の所は お読み頂きたいと思います。憲法全文はネット検索で手に入ります。
また、憲法にある「公務員」とは、権力・権限のある国会・内閣・高級官僚を指す言葉であることにご留意ください。
2009年05月03日
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