2009年05月15日

匿名という「暴力」

豚(A型)インフルエンザに感染した 大阪の寝屋川市の高校と教師・生徒に対する批判・批難が、市や高校に多数寄せられてるとのこと。

誰が考えても、彼らや高校は被害者であるのに「感染した地域に留学、研修をすることはオカシイ!! 何を考えているのだ!!」との批判とのこと。

匿名批判が「自分では正義」と信じる「抗議電話」だけに 匿名の怖さ・恐ろしさを感じるのは私だけでしょうか?

誰が インフルエンザ感染の恐れを覚悟で海外に行くでしょうか?? 
渡航許可を出した 外務省の責任と相手国の対応に対する批判なら分かるけれど、何故 不幸にも感染してしまった生徒や教師を批判できるのでしょう・・・・・。

今、予防隔離されている方や「感染の疑い」「感染」と報道された方々は、明確に「被害者」であり、批判や批難対象ではなく、命に別状はなくよかったと労れて当然ではないでしょうか・・・・。

過去にもアフガニスタンやイランでNPOで活動されていた方が 国際的には評価されているのに、国内では批判・批難の渦に巻き込まれ、犯罪者のような扱いをされてきました。
女性が暴漢に襲われても、なぜ あんな時間に一人歩きを・・・などと 被害者が悪いみたいな報道や批難が出る国です。

本当に 人権や民主主義が蔑ろにされている国に住んでいるような暗澹たる気持ちにさせられます。

匿名の名の元に、加害者・被害者、原因と結果すら考えることなく 感情で電話やインターネットで批難・批判をする社会は 健全なものとは いえません。

私のブログのように あまり影響力のないものでも、自己責任で物事を考え 発表していかなければ、数の暴力、二次被害すら 「被害者に与える」ことを考えなければならないと思います。

また、寝屋川市の生徒・教員の方に戻りますが、彼らは 新型ウィルスから回復されたことにより免疫力を身につけ その免疫情報により新インフルエンザ対抗ワクチン開発の貴重なデーターを提供してくれた方々です。

私は、感謝されこそしても 寝屋川市や高校に寄せられたような批判・批難・抗議の対象になる方達では絶対にないと思います。

インターネット・電話の匿名性やマスコミ報道の在り方、政府発表・施策の杜撰さが産んだ犠牲者の姿に思えます。
自分の言葉で 意見公開する場合の責任の重さを痛烈に感じた「事件」です。
間違っても 犠牲者と加害者、原因と結果を取り違えた「ブログ」にならないように注意していき、自分の思考力を高めていきたいと思います。
posted by 小だぬき at 07:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはよう〜。ヾ(@⌒ー⌒@)ノおはよう

なるほどですね〜。
正しい情報を得て、正しく理解する。
って中々難しいなって思います。

私も、内心リスクを承知で、しかも教育機関が
何故、そんな所へ行くんだ。
中止する勇気が持てなかったのか

って思いました。

でも、不用意に人の不安を掻き立てるような
報道は嫌ですね。
あまり、テレビは見たくない私です。

小だぬきさんの見解にホッとします。
そんな見方があるんですね。(*^_^*)
Posted by ロッキー at 2009年05月15日 09:27
「留学、研修」派遣時期とカナダへの感染確認日が この批判者達に決定的に欠けている点だと思います。日本でもメキシコの人へのインフルエンザ感染が 政府を含め対岸の火事程度の認識でした。
WHOが危険度5に引き上げ 世界各地に感染が広がりやっと注目されたのです。
この時系列をきちんと抑えて報道してくれなければと思うのです。
世界では「英雄・国の誇り」と報道された人まで 国内では「犯罪者」のようなバッシングが起こる国です。
事実・真実・憶測・また聞きなどの区別は別にして、いつも「???」と感じたことがあれば調べたくなる小だぬきです。
違う見方もあると理解して頂いたロッキーさんに感謝です。 
Posted by 小だぬき at 2009年05月15日 11:53
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