2009年06月04日

足利事件、余りにも酷い・・

最高裁で無期懲役刑が確定し、17年半も受刑者として「汚名」を着せられ 再審請求のDNA鑑定で「無罪」に近い鑑定結果がでて 釈放された菅家さん。

本人も17年半の年月を拘束された怒りの会見。家族・親族の苦痛も並大抵のことではなかったことでしょう。
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<問題点と課題>

・一体 今までの裁判で何を審議し、有罪にしたのか・・・

・当時のマスコミ報道の「人民裁判」的報道をどう検証するか・・・

・粘り強く再審のために奮闘した弁護団がいなければ どうなったか・・・

・検察、弁護がわ鑑定人が 同じ結論をだしたから再審を認められたが、もし再鑑定が門前払いになっていたら・・・・
・17年半近く、精度の低いDNA鑑定を証拠とした事件が 他にはないのか・・・

・これから始まる「裁判員制度」で冤罪が防げるか・・・

・時効が成立した責任は 栃木県警と捜査検事は重く受け止めるべきでしょう。
時効が成立しても 「真犯人を特定し」調書を残す努力はすべきでしょう。
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菅家さんが「無期懲役」で獄中で再審での望みを捨てず 自暴自棄にならずにいられた精神力があったのは救いです。
よく「冤罪主張」をする受刑者は「反省が足りないと 仮釈放も認められない」といわれます。

一端逮捕され 自供調書をとられ 起訴された場合、主導権は検察側にあり 弁護人は受け身にならざる得ません。
裁判官が 法の原則である「疑わしきは 被告の利益に」「確たる証拠でのみ判断する」ことがなければ、罪刑法定主義そのものが揺らぐことになるでしょう。

今日・明日から当時の報道の問題点を検証するマスコミがあるかどうかも 問われるでしょう。もし それがなければ マスコミの取材とは何か・・・、マスコミの犯人視はなかったか・・・。
私は 誠実にマスコミが自己検証しなければならない問題だと信じます。
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逮捕=犯人とは言えない教訓だけは しっかりと胸に刻みたいと思います。

和歌山カレーヒ素事件の林真須美「死刑囚」も 状況証拠の積み上げのみでの「死刑判決」です。
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八海事件を描いた「真昼の暗黒」という映画があります。限りなく無実と信じられることを正木ひろし弁護士が立証したにも関わらず「有罪」になった事件を題材にしたものです。
映画のラストの被疑者の叫び「それでも最高裁がある」との願いは 現在でも課題として大きく残っているということでしょう。

私などの「引きこもり」に近い 療養生活を送るものが、事件に巻き込まれ「アリバイ(事件現場不在証明) を求められ」ても単身では 証明できません。
冤罪事件というのは、いつどこで 我が身に降りかかるかわからないのです。

何のための三審制か、弁護人への証拠開示や科捜研などの活用を保障しなければ、同じような悲劇は無くならないと思います。

このままでは、菅家さん・ご家族、被害幼児のご両親やご家族も「救いがありません」
なんとしても「真犯人を特定し」参考人調書だけでも とる努力はして欲しい!!

被害者家族や菅家さんには 悲しみ・無念さ・怒りの時効はないのだから・・・。
posted by 小だぬき at 20:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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