2010年02月07日

「憲法」が大切にされる時代は 大歓迎

面白いものです。
自民党単独政権・自公政権の時は、憲法前文と九条改正という抽象論議と改正論議しかされてこなかった「日本国憲法」が 政策論で条文引用がなされるようになりました。

法学部出身者からすれば、解釈改憲を無理矢理「内閣法制局」にさせ、その解釈改憲をもとに作られた「治安法制」「行政法制」などの法規を 官僚の意のままに作り上げた国家体制を、野党になったとたんに「憲法の各条項にてらし適切か」と問う 自民党議員がドンキホーテのように見えます。

教育でいえば 私学助成金制度は私学経営にとっては 死活問題でしょうが、公権力の私学教育内容介入や宗教と行政の問題など、曖昧なまま「負担軽減」の名により正当化されています。

今までの憲法の条文解釈と法律・政令・条例、行政指導などの矛盾・ムリが 今吹き出しつつあります。

政権交代をして 一番良かったと思える点は、利用されるだけで遵守されていなかった「日本国憲法」が国民の一人一人に 再読や条文を改めて知る機会になったことです。

学校で、理念や権利・義務は教えられた記憶が 多くの人にあるでしょうが、その理想や国家観が 現実に適確に運用されているか、実現されているかは、政権交代で「民主党マニフェスト」が問題になるまでは、政権の恣意的解釈がまかり通っていたことを考えれば 数歩も前進です。

自民党議員が 予算委員会などで「憲法」の条文から問題をたてていくのは 国民にとって歓迎すべきことです。彼らの今までのご都合主義の解釈改憲も同時に浮き彫りになるし、憲法が国の基本法であることを 周知させてくれる今までにない展開です。

今、平和の問題で 自衛隊と軍隊を真っ正面から見つめる運動「九条の会」が全国に立ち上がっていますが、運動は長いのですが 今一つ国民に浸透しませんでした。

「九条の会」の中にも 自衛隊=軍隊で廃止、防衛力としての限定など それぞれの立場の違いはありますが、「憲法を知ることは大切なことだ」との共通認識はできつつあるように思います。

今国会の議論を通しても 「生存権」や「公権力行使」「法作成の位置づけ」「国民主権」「違憲立法審査権」「三権分立」「自衛権の行使の可否と自衛隊」など、法学部学生が悩まされる現実との乖離がやっと課題になってきたように思います。

今、私の関心は「生存権」の朝日生活保護裁判やクーラー事件や「教育裁判」「労働裁判」などにあるのですが、今日は 簡単に九条問題について書きます。

有名な第2章 「戦争放棄」です。

1項は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」

 この項は、軍事を背景とした外交ではなく 「正義と秩序を基調とする国際平和」を日本の外交方針に据えるとともに 軍事による外交解決・国際紛争は放棄するというもので、国家主権(自衛権、侵略排除)の放棄ではありません。

2項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これをみとめない」

この「前項の目的を達するため」と「交戦権」をどう解釈するかで 自衛隊が憲法違反か否かがとわれているのです。
侵略的な軍事戦力は持たないで合意できても 「交戦権はみとめない」という記述が、国家主権の侵害に対する排除権、抵抗権、防衛権までをも「放棄」したものかで議論は 棚上げのまま自衛隊員達は訓練しているのです。
驚くべきことに この問題を放置したために 自衛隊には「交戦規程」がないのです。つまり、明確な侵略行為を目の前にしても 政府の防衛命令がなく 相手より先に発砲したら 刑法の「過剰防衛」に問われる、現地指揮官の判断て「防衛反撃」しても 「刑法」に問われかねない軍隊なのです。

やっと 国会で「憲法の条文」に照らした議論がなされ始めたのですから、少なくとも今PKOで派遣されている自衛隊員の武装と反撃権(交戦権)は、認められるように 自衛隊をいびつな戦えない軍隊にした自民党議員には 海外派遣の自衛隊員の命を守る「交戦規程」の提案はすべきものと思っています。

軍隊でありながら いざ攻撃されたときは「他国軍隊の助けを借り、自分達は応戦てきない」など、自衛隊員にとっても屈辱的でしょうし 他国からみても「そんなアホな」な 解釈改憲の現状を やはり冷静に判断していくべきでしょう。

多母神前航空幕僚長の 辞職以後の著作や主張をみても 彼には「憲法」遵守義務より「軍としての現状を追認せよ」という薄っぺらい空論ばかりが目立ちます。
実際に 国防を前提に国土整備されていない日本という国が 本気で「沖縄戦」のような「国土防衛戦」ができると信じるほど程度の低い 制服自衛官は少ないと思われるのが救いです。

ちょっと九条を短くと思いつつ 「うつ患者」の拘りの強さが表れたとお許しください。
posted by 小だぬき at 10:59 | Comment(6) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小だぬきさん

参考になりました。
今後ともよろしくお願いします。



Posted by ウメバチ at 2010年02月07日 12:35
参考になったと言われ 嬉しいです。
「憲法論」がやっと 日常規範になることは喜ばしいことです。

ウメバチさんの立場は解りませんが「外国人地方参政権付与」問題も「国民主権」で論ずるつもりです。
Posted by こだぬき at 2010年02月07日 13:49
いいよ。そんな無駄なこと「論じ」なくても。それより、はやく自分の病気治しな。
てか、「9条病」は死ぬまで治らんか。
Posted by ロール・マニア at 2010年02月09日 10:55
ロール・マニアさん、病気のリハビリで治す努力のブログですが、ご好意として率直に感謝します。

九条は 自国の防衛権確立のためは避けて通れない道です。その解決なくして国土開発も国防無視のままで進むことになります。

少なくとも 道路が臨時滑走路として使える、地下街が応急待避壕に使える国にしなくては、真の独立国とはいえませんもの。
Posted by 小だぬき at 2010年02月09日 11:06
 こんにちは・・_(_^_)_です。ゴロンしてました・・無職になってしまった智太郎です。・・母の楽しく通所する(月・水・金)介護支援センターに元外務省の官僚だった男性が入所して来た時の事を母から(介護職員を通して)詳しく聞いた話:外務省で事件となった「機密費」:「外務報償費」?(>_<) 難しいですが分かりやすく聞いた話を「政治とカネ」の問題を通しながら・・・と言う主旨で記事にしました。毎度のユニーク:おもしろ画像写真では、「某介護支援センターにてピースする母」「活躍貢献する母・自分の5歳の時の写真」「日本の裏金で怪しい小沢幹事長・岡田外務相大臣」写真画像を貼りました。<m(__)m>・・どうぞ!遊びに寄って楽しく見てやって下さい。・・1言コメントと応援もよろしく頼む次第です。
Posted by 智太郎 at 2010年02月16日 18:07
智太郎さん、コメントありがとうございます。
今少し、体調が回復したらおじゃましますね。
Posted by 小だぬき at 2010年02月16日 18:59
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