2012年01月09日

男の子の育て方

男の子の育て方
2012.1.07 /2012.1.09    NEWS  ポストセブン

お母さんにとって、男の子の子育ては毎日が戦争状態ですよね。

娘の気持ちならまだ何となくわかるけれど、異性である息子の一挙一動は全く予想がつかず、どう対処していいのやらわからないお母さんも多いのではないでしょうか。

子育てにおいては、もちろんしつけも大事。しかし、教育カウンセラー諸富祥彦氏の著書『男の子の育て方』によれば、お母さんの何気ない一言が男の子を傷つけ、彼を意気地なしにしてしまうこともあるそうです。

意気地なしとはつまり肝心なところで実力が発揮できなかったり、将来好きな女性ができても自分から告白できないような状態を指します。息子がそんな情けない男になってしまうなんてお母さんにとってはゆゆしき事態ですよね!

男の子を意気地なしにする母の言葉とはずばり否定的な言葉。そこで当記事では同書を参考に、男の子に言ってはならない代表的なNGフレーズを5つお届けします。

■1. 「どうして●●できないの?」「何でそんなことするの!?」


食事中にじっとしていられなかったり、いきなり走り回ったり、息子の理解不能な行動にお母さんはつい「なぜ?」と声をあげたくなりますよね。
ところが、息子にしたってきちんとした理由があって行動しているわけではありません。ただ、自分のしたいように動いているだけ。
それなのに理由を尋ねられても、息子は困ってしまいます。ただ自分が強く責められたという思いが残るだけです。

■2. 「バカ!」「何度言ってもわからないのね」


息子が自分の言いつけを守らないと、息子を強く非難するような言い方をしてしまいがちです。
しかし、非難されて反省する子どもはいません。直接的な非難は反発を招くか、もしくは「僕はダメ人間だ」という劣等感を植え付けるかで、悪い結果しかもたらさないでしょう。

■3. 「もういいかげんにしてよ!」「いつになったらひとりでできるの!?」


いつもおもちゃを散らかしっぱなしにする息子に怒り爆発……といったシーンでのフレーズです。
しかし、お母さんが感情を爆発させても息子は混乱するばかり。なんとなく自分が悪いことをしたという認識はあっても、「なんでそんなに怒っているのだろう」という不安が先行して、「次からはきちんとしよう」という前向きな気持ちにはなれないでしょう。

■4. 「そんなにグズるのならここに置いて行くから」「いたずらをしたらバチが当たるよ」


息子が言うことを聞かないと、一種の脅しを使うお母さんがときどきいます。しかし、脅された息子としては、お母さんから意地悪をされたとしか思いません。
しかも、この手段を繰り返し用いると息子はしだいに「単なる脅しでお母さんの言うとおりにはならない」ということを学習します。そうなると、母子の信頼関係はガタガタ。最悪の場合、息子はわざと母親を困らせる行動をとるようになるでしょう。

■5. 「そんな変なことしないで」


男の子は好奇心のかたまり。その好奇心の発現が、お母さんの目には“変”としか映らないことがよくあります。たとえば、おでかけ中にいきなりしゃがみこんで虫の観察を始めたり、ガラクタや石ころなどを拾い集めようとしたり。

しかし、息子の行動を“変”の一言で片づけてしまっては、彼の成長の芽を摘んでしまいかねません。
「変なことしないで」と自分の行動を母親からいつも否定されていると、息子は「どうせ母親に叱られるから」と何事にも及び腰な無気力男に育ちます。

以上、お母さんが息子に言ってはいけないNGフレーズを5つお届けしましたがいかがでしたか?
ここで紹介した5つのフレーズは、息子の成長上好ましいものではありません。でも、息子が周囲の人に迷惑をかけたりルール違反をしたりするのを放置することもできませんよね。

そこで次回は、息子の心を傷つけない効果的な叱り方を紹介します。

男の子の効果的な叱り方


前回の記事では、息子を叱るときについ言ってしまいがちなNGフレーズを5つ紹介しました。
5つのNGフレーズはいずれも息子を否定する表現で、息子から勇気や前向きな気持ちを奪ってしまう言葉です。

では、そうした否定的な言葉の使わずに、息子にやっていいことと悪いことを伝えるにはどうすればいいのでしょうか。前回に引き続き教育カウンセラー諸富祥彦氏の著書『男の子の育て方』をもとに解説します。ポイントは以下の3つです。

■1. できるだけ主語を“私”にして伝える


前回紹介した「なんで●●できないの?」とか「バカ!」とかいったフレーズは、いずれも主語が“あなた=息子”です。こうした否定的な表現は、主語を“私”に変えるだけで随分イメージがかわります。

たとえば、「なんで片付けできないの?」ではなく「お母さん、散らかっていると落ち着かないから片付けてくれると嬉しいな」と言ってみてはどうでしょうか。

主語が“あなた”の表現では、相手は自分の言動や人格が否定されたような気になることがあります。これではお母さんの言うことを素直に聞くどころではありません。

一方、主語が“私”だと、否定されたような気になるというよりも、息子はむしろお母さんを気遣うようになるものです。

息子に対して、「こうしてほしい」「これはやめて」と伝えたい場合には、なるべく主語を“私”に置き換えるようにしましょう。

■2. 具体的に説明する


いくら注意しても息子が言うことを聞かないのは、実は息子が“お母さんがなぜ怒っているのかわかっていない”ためであることが意外に多いもの。“やってほしいこと”や“してほしくないこと”は具体的に説明するべきです。

たとえば、電車のなかで騒ぐ息子を「うるさい! 静かにしてよ」と一喝した場合、恐怖心からその場ではシュンとしたとしても、また別の機会には同じように騒いでしまうことでしょう。
この場合、落ち着いた声で「電車のなかでは疲れている人もいるから、静かに座っていようね」と話すほうが、よほど効果的です。

息子が言うことを聞かないのは反抗的な気質のためではありません。“なぜいけないのか”や“どのようにすればいいのか”を根気強く説明しましょう。

■3. ポジティブなメッセージをいれる


息子の行動を改善したい場合に、最も威力を発揮するのはポジティブなメッセージです。
つまり「●●君ならできるよね」というフレーズを加えると、息子はお母さんの信頼・期待に応えようと頑張っちゃいます。

“叱る”というのは咄嗟の出来事であることが多いので、いくら気を付けていても前回の記事で紹介したNGフレーズが口をついて出てしまうこともあるでしょう。

そこで「しまった!」と思ったら、すかさずポジティブ・メッセージを。「君はできる男なんだよ」という母親からのメッセージは息子にとって何よりも励みになります。

叱るときに限らず、日頃からポジティブ・メッセージを発するように心がけていれば、本当に厳しく叱らなければならない場合(たとえば、友達にケガを負わせたなど)でも、息子はあなたの言葉を素直に受け入れやすくなることでしょう。

いかがでしたか? 母親としてはただ息子を甘やかすのではなく、ときにはルールを教えなければならないことがあります。

そういうときは、ただ感情的に叱りつけるのではなく当記事で紹介した3つのポイントをぜひ思いだしてくださいね!

【参考】
※ 諸富祥彦(2009)『男の子の育て方』 WAVE出版
posted by 小だぬき at 15:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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