2012年01月12日

「うん、うん」の心掛け

【私説・論説室から】
「うん、うん」の心掛け

2012年1月11日  東京新聞(大西隆)

 子どもを放射能から守ろうと活動する母親たちに取材していて、少し前に聞いた学習塾経営者の話を思い出した。

小学生の娘が世話になっているのだが、内心じくじたるものがあった。


 子どもの教育をめぐり父親と意見がかみ合わないと悩み、相談にやって来る母親が少なくないという。

そこで父親の仕事を尋ねると、たいてい学校の先生や新聞記者なのだそうだ。


 共通するのは、理屈を振りかざして相手を論破したがる性癖が強いことらしい。

「つまり」「要するに」と母親の言い分を一方的にまとめ上げ、最後に「べき論」。
で締めくくる確かにまるで社説のようだ。


 母親は自らの不安や不満に「うん、うん、頑張っているね」と耳を傾けてほしいのであって、理屈を披露してもらいたいわけではない。折に触れ、子育ては夫婦の共同作業であることを確かめたいようなのだ。


 さて、環境や給食の放射能汚染にどう対処するのか。多くの母親たちが子どもを守りたい一心で、まさに理屈の世界の住人である先生や記者、さらに役人や議員と向き合っている


 そして「科学的には心配ない」の一点張りだった相手が、母親たちが切々と訴える不安や不満を受け止めるようになってきた。

地域の子どもを共に守るという使命感や責任感を呼び起こしてほしいものだ。


 今年の抱負。「うん、うん」の父親、記者を心掛けること。 

posted by 小だぬき at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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