2012年01月18日

就職内定率 若者にもっと機会を

就職内定率 若者にもっと機会を
毎日新聞 2012年1月18日 2時30分  社説

 今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日現在)は71.9%で前年より少し上回った。とはいえ、過去2番目に低い水準だ。

「超高齢社会」に備えて政府は税と社会保障の一体改革を進めようとしているが、若年世代の雇用が縮小してはどんな社会保障制度を作っても足元から崩れていくだろう。

政府だけでなく、労使を交えた真剣な取り組みが必要だ。


 内定率とは卒業予定者で就職を希望している学生を分母にした数字だ。
今春の大学卒業予定者は約55万人。ところが、このうち就職を希望せず就職活動をしていない学生が13万人以上もいる。

昨年の最終的な内定率は91%だったが、すべての卒業生を分母にした就職率は60%に過ぎないのだ。

大学を卒業しても就職せず、大学院や海外留学の道を選んだり、定職に就かず親の収入で生活したりする人は90年代中ごろから急激に増えてきた。内定率に一喜一憂するよりも底流の動きを見据えなければならないだろう。


 グローバル競争の中で企業が人件費を抑えるため新規採用を控え、非正規労働者を増やしてきたことが原因と言われているが、それだけではない。サービス業も少子・超高齢化時代のニーズの発掘が十分にできていないのではないか。ここ数年を見ると一貫して雇用が増えているのは「医療・福祉」くらいで、デフレや内需不振を反映した雇用難の深刻さを物語っている。


 経団連は今春闘をめぐって「定期昇給の延期・凍結も含め厳しい交渉を行わざるを得ない」との見解を示している。
内需を活性化するには労働者の消費を高めなければならず、そのために賃金の上昇は不可欠と労働側は反発する。
いずれにせよ労働市場へこれから参入しようという若者のことは労使交渉の議題になりにくい。
労使には目先の利益よりも、若年層の雇用確保に向けて自らの身を削る覚悟で取り組むことも必要だ。社会の持続可能性に影が差したのでは、企業の活動も労働者の生活も脅かされるというものだ。


 安定志向が最近の学生の特徴と言われるが、新入社員が会社を選ぶ理由として会社のブランドや将来性よりも、「自分の能力が生かせるから」「仕事が面白いから」を重視する人が増えているという調査結果もある。

既存の価値にとらわれず果敢に挑戦する若い志を応援したい。
失敗しても再挑戦できる柔軟な雇用制度や慣行、生活の安心を保障する年金や医療制度を国を挙げて作っていこう。
初めから確固たる目的を持ち、即戦力となるような若者がどれだけいるだろう。現実の仕事で失敗しながら誰もが成長していくのだ。

posted by 小だぬき at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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