2012年01月25日

診察室のワルツ:質問票を活用する=岡本左和子

診察室のワルツ:質問票を活用する=岡本左和子

毎日新聞 2012年1月25日 東京朝刊

数年前から、日本の医学教育にコミュニケーションを学ぶカリキュラムが組まれるようになりました。

日本より先に取り組みが始まった欧米では、医学生のカリキュラムだけでなく、研修医期間と研修医終了後1〜3年の間も、コミュニケーションのトレーニングが続きます。私は、米国の大学病院でコミュニケーション授業や評価に参加することがあります。

人のつながりには算数のような正解はなく、さまざまな意見や見解が必要となり、日本人の考えも歓迎されるようです。医療におけるコミュニケーションの重要性への認識は、ますます高まっています。


 米国でコミュニケーションを学ぶ際、難しい話をする時、患者に決断をしてもらう時、使える時間が1時間、30分、15分など、設定を変えて練習します。

ところが、日本は「3分診療」と言われるほど診察時間が短いのが現実です。このような日常診療の中で、効率的にコミュニケーションを取るにはどうしたらいいのでしょうか。


 以前、このコラムで紹介したように効果的なコミュニケーションの基本は、両者が同じ焦点を認識して話しているかを確認し、問いかけに必ず返答(フィードバック)があることです。コミュニケーションは双方向のかかわりから、つながりを作るものです。


 患者・家族ができることは、体調について、何が問題なのか、いつから始まったのかなど、気付いたことを時系列に整理し、必要な情報をメモしておくことです。


 一方、医療者は「これだけはきちんと伝えて」という内容を質問票にするのはどうでしょう。五つくらいまでの質問にし、文章が苦手な人もいますから、質問の回答に選択肢を示してチェックできるようにします。
さらにもう少し説明を書くスペースを作り、端的に書くことを促します。
患者は待ち時間に診察目的や伝えたいことを見直す機会になり、医療者は必要な情報が一目瞭然となります。


 例えば、患者が具合が悪くなったいきさつから話したい時、医療者に症状から先に問われれば、「聞いてもらっていない」という気持ちになるものです。質問票に従い話を始めれば、互いに話の焦点がぶれることも少なくなります。
(おかもと・さわこ=医療コミュニケーション研究者)

posted by 小だぬき at 09:34| Comment(0) | TrackBack(0) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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