[12/02/02 朝日デジタル]細田和孝(小児科医)
外来は相変わらず発熱して、インフルエンザを心配する患者さんであふれています。
流行し始めると、申し合わせたかのように、マスコミで取り上げられ、そういった流れが加速されているように感じます。
本来、インフルエンザが疑われるような状態なら、医療機関受診ではなく、自宅での安静が呼びかけられるべきなのですが…
前々回、前回とインフルエンザワクチンに関するネタを取り上げました。
そして、コメントをいただき、多くの方にはワクチンによる予防が重要であると同意いただけたと思っています。
しかし、やはり、ワクチン接種費用>治療にかかる窓口負担という現実がある現在、ワクチン接種を控える方がいらっしゃることもわかりました。
日々の外来を通して感じてはいましたが。
インフルエンザワクチン接種で5,000円前後の負担。一方、インフルエンザにかかってしまい、診察を受け、検査の結果、インフルエンザが陽性となり、抗インフルエンザ薬の処方を受ける。後者は小児であれば、負担はごくわずか。
確かに目先のお金だけを考えれば、後者の方がコストパフォーマンスは優れているでしょう。
お子さん、かわいくないのですか?
インフルエンザでつらい思いをして、それでもいいのですか?
これはあくまでも私見であり、偏見も含まれているかもしれませんが、ワクチン接種を受けていない方の方が、患児のつらそうな状態をなんとかしてくれという訴えが強いように感じています。
それでも、なぜ、ワクチン接種を受けないのですか?
自分の責任で接種する、しないを決断できる成人はこの際、対象に考えていません。
あなたのお子さんはあなたの無責任でつらい思いをするのですよ。
私の責任でワクチン接種は受けさせませんという親御さんを経験したことがあります。あなたの責任って何ですか?
たとえば、病気にかかり、あなたのお子さんに後遺症が残ってしまったとします。
あなたは、どうやってあなたより長生きできるであろうお子さんの責任をとるのですか?
子どもにつらい思いをしてほしくない、未来は輝かしいものであってほしいと願い、日々、外来で診察、ワクチン接種を続けています。
インフルエンザワクチンは効果がないと指導されている方、おられましたら、ご意見お待ちしております。