医療費控除を利用しよう!市販の風邪薬も対象
2012.02.04 ZaKZaK
税金の還付で多くの人に関係があるのが「医療費控除」だろう。
年間に支払った医療費のうち10万円を超える分を課税所得から差し引く制度だ。病院での診察、治療費だけでなく、交通費や市販の薬代など対象になるものは意外と多い。こつこつと積み上げれば節税につながる可能性がある。
■生計を一に
この制度は「生計を一にする」家族や親族の医療費が対象だ。親元から離れ、仕送り生活で大学に通っている子供の医療費なども一緒に申告できる。
生命保険から出る入院給付金や、健康保険から受け取った高額療養費、出産育児一時金などは除く。控除額の上限は200万円。
所得200万円未満の人は、所得金額の5%を超えた金額が対象。夫婦共働きなど2人以上に収入がある場合、最も所得が多い人が家族分をまとめて申告するのが有利だ。所得税の税率は所得が増えるほど高くなっていくため、控除額が同じでも還付される税金は多くなるからだ。
■あくまで治療目的
申告できるのは治療目的で支払った費用。病気やけがの治療費はもちろん、通院の交通費も含まれる。ただし、原則は電車、バスなど公共交通機関。ドラッグストアなどで買った風邪薬なども申告できる。はり師、きゅう師などによる施術も治療が目的ならOKだ。
一方、人間ドックや健康診断は治療が目的ではないので、原則として対象にならない。ただ、検査で重大な病気が見つかり、引き続き治療を受けた場合には、検査費も治療費に含めることができる。健康維持や疲労回復のためのビタミン剤などは対象外だ。
高額な費用がかかる歯の矯正は、かみ合わせを治す場合など治療目的といえるケースは対象になるが、美容目的だと認められない。日本税理士会連合会は「一般的に子どもの歯の矯正は認められることが多いが、成人の場合は税務署に相談してほしい」としている。
■領収書は不可欠
申告の際は、病院などで受け取った領収書の提出が必要。健康保険組合から送られてくる「医療費のお知らせ」は領収書として認められないので気を付けよう。交通費は病院の領収書の裏面などに記入しておくといい。
タクシー代は「病状から見て急を要する場合」や、公共交通機関の利用が難しい場合にだけ認められる。タクシー代を申告する際は、なぜ必要だったかきちんと説明できるようにしておこう。
国税庁のホームページの申告書作成コーナーを利用すると、必要情報を入力すれば税金を自動計算してくれる。さらに「国税電子申告・納税システム」(e−Tax)でオンライン申告もできる。住民基本台帳カードを取得し、ICカードリーダーライターを購入する必要があるが、2011年分の申告については最高4000円の税額控除を受けられ、還付の手続きも早くなる。
2012年02月06日
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私も歯の治療、また、癌の治療費や薬代はとても高額で、申告したことがあります。
この制度、知らない方も多いようで、ネットから入る情報は大きいですね。
正規の手続きで還付、受領できるものについては ネット情報・検索は有効ですね。