2012年02月23日

今の学齢進級か学力進級か・・・

長年の現場の悩みを 大阪市長の橋下氏が「小・中学校でも落第を」と問題提起してくれました。

この問題を考える時、大切な視点は 学力不十分で義務教育を終えてしまうと 再チャレンジの機会を失うことです。

人間って不思議で「学びたい」「知りたい」という気持ちと 学齢の学年が一致しない時が多いのです。
テストで低空飛行で進級しても 友達関係や恋、ある問題が解けたことで 飛躍的に学力向上をすることも多いのです。

現場では「楽しい授業」「出来るわかる授業」などの工夫で 全員に「学齢の学力」をつけようと努力するのですが、成育歴や学習習慣などで困難な子がいるのは事実です。

中学校に進んでから 小学校に来校して「先生 算数をもう一度教えて」などといえる子は わかった・できると瞳を輝かす瞬間があるのです。
ある子は、中学から調理専門学校にいき 初めての賃金で 「先生がお世話になっています」と大量の饅頭の差し入れが 在任校にされた時など 教員としての喜びを感じた瞬間でした。

教員として 気にかかる、苦労した子が 成長をしている姿ほど 仕事を超えた生きがい、やりがいを持てるのです。

反面、基礎学力不足から 万引きなどの犯罪や荒れる高校生、数学が苦手な理工科生などの問題も生じるのです。

じゃーどうするで 「学齢か学力か」で現場は悩むのです。大器晩成などとおおらかに子供の成長を見つめられた時代では、学齢で不十分な子供でも きっかけさえあれば 好きになれれば 学力は取り返すことができるということがありました。

問題は、学力でなく学齢で卒業証書を得たために 再チャレンジを決意して「夜間中学」に入学したい、小学校に科目で籍を置きたいとおもっても 学齢以外の門戸は閉ざされてしまうのです。

この点の学齢主義での「学校」の閉鎖性を 打破して行く必要は感じます

では「学力で落第」は 子供の成長のサイクルで どの時点で 劣等感を最小にして実施できるかの研究が大切です。

卒業認定時に置くのか、低中高学年のサイクルでするのか 毎年か・・・・・、で せっかく「子供たちに学力を身につけさせたい」という善意が へたすると「学力不足=人間失格」の自己の劣等感、他人の差別感につながりかねない恐れもあるのです。

ブラックジョークではありませんが、筆記式テストで学力が図れるのかという問題です。
よく考える子ほど 文章題が苦手ということもあるのです。
以前書いた 「時計の 何分前、何分後」とか 速度計算なども信号は渋滞は・・・などと思う子もいるのです。
「道のり、距離」などもそうです。

皆さんの学校時代にも 「あの子は 運動会で輝く」「文化祭で輝く」「読書量はすごい」「ベーゴマ博士」「恐竜博士」「ポケモン博士」「ガンダム博士」など 個々に輝く子がいたはずです。

劣等感をいだかせず その子の個性を伸ばした上 学力もつける、これをどのように保障していくかを 真剣に考えていきたいものです。
posted by 小だぬき at 10:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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