2012年03月01日

安全対策、患者も参加を=岡本左和子

診察室のワルツ:/
安全対策、患者も参加を=岡本左和子
毎日新聞 2012年2月22日 東京朝刊

 1999年から2000年代初めごろ、手術する臓器や薬剤の取り違えなど、深刻な医療事故が続きました。
それらをきっかけに、医療安全への取り組みが強化されています。

「うっかり」は誰にとっても日常茶飯事で、「医療現場で起きない」と考える方が不自然です

医療にも間違いはあるという認識を持ち、対策を考えて確実に実行しなければなりません
一方、私たち患者自身も、「それは医師や看護師の責任」と考えているならば、自分を守る努力の半分を放棄していることになります。


 私が米国の病院で働いていたとき、左の腎臓を手術する患者がいました。
手術当日、看護師や麻酔科医、執刀医ら8人ほどの医療者がかかわります。担当者がそれぞれ、「今日はどこの手術ですか」「左ですか、右ですか」「執刀医は誰ですか」などの質問を患者にしていました。

手術で緊張する患者に同じ質問を繰り返す様子に、私は「患者さんがさらに不安になるのではないか。なんと気が利かないことだろう」と思いました。


 しかし、これらの質問によって、患者が治療を理解しているか、患者の取り違えがないか、医師や看護師の持つ情報に間違いがないかなどを、患者を含めて確認していたのです。
実際、このときカルテには、手術するのは「右側」と書かれていました。手術室に入る前、患者を含めて手術にかかわる全員がそろったところで、執刀医が「今日の手術は左側」と大きな声で確認し、大事には至りませんでした。
「カルテだけを確認し、間違いなく手術をしていたら」と考えるとぞっとします。


 「誰がカルテを書き間違えたのか」など「犯人捜し」は、手術の当日、その場ではまったく意味がありません。
それよりも間違ったまま手術が実施されないことが重要です。

患者と医療者がいて、初めて医療は成り立ちます。双方からの視点が生かされ、医療で起きていることの全体像を把握できます。

治療を受けるとき、患者の立場から見て、「あれ?」「ヒヤッとした」ということはなかったでしょうか。そのことを担当者に伝えたでしょうか。

患者が声を出し、参加することで医療安全対策はさらに確実になります。

(おかもと・さわこ=医療コミュニケーション研究者)

posted by 小だぬき at 15:13| Comment(2) | TrackBack(0) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は手術のとき安全確認を経験しました。
左鎖骨を骨折し手術する際、先生にマジックで左手にYES、右手にNOとかかれました。
病室から手術室にいくまでに看護士に付き添われどこを手術しますかと聞かれました。
また手術室に入るとき手術担当の看護士にどこを手術しますかと聞かれました。
そして手術台に横になってるとき、先生に○○さん左鎖骨の手術をするからね。と言われました。
始めは何度も聞くなと思いましたが、手術後にあれは安全確認だったのかと気がついて大変、安心感を感じたのを覚えています。
Posted by motoseutu at 2012年03月02日 08:44
いい手術スタッフに出会えてよかったです。
麻酔が効くまで、患者として意識が残るのでスタッフのやり取りが気になりますね。
私も胆のう摘出の時の記憶がうっすらと残っています。
集中治療室で目覚め、痛みを感じたとき 変な話ですが 生きている自分を感じたものです。
Posted by 小だぬき at 2012年03月02日 11:07
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