2012年03月19日

Dr.中川のがんの時代を暮らす:/陛下のお言葉に感動

Dr.中川のがんの時代を暮らす:/ 
陛下のお言葉に感動
毎日新聞 2012年3月18日 東京朝刊


 東日本大震災から1年となった今月11日、日本各地で追悼行事が開かれました。

心臓の冠動脈バイパス手術を2月18日に受け、1週間前に退院されたばかりの天皇陛下も、政府主催の追悼式に出席されました。


 退院後、胸にたまった水を抜く治療を受けたばかりの陛下は、テレビを通しても体調が優れないように感じました。
心臓病だけでなく、9年前に手術を受けられた前立腺がんに対するホルモン治療も続けており、骨粗しょう症も併発されている中で、ご自身の強い希望による出席だったといいます。


 このときの陛下のお言葉に、大きな感動を受けたのは、僕だけではないはずです。


 死者、行方不明者に対する哀悼はもちろん、「救助活動で命を落とした多くの方々を忘れることができない」「原発作業者などの尽力を深くねぎらいたい」という言葉には、恥ずかしながら涙を禁じ得ませんでした。


 陛下は、原発事故による避難民も気遣われ、「危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。
再びそこに安全に住むためには、放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」
と述べられました。


 適切な除染活動、風評被害の沈静化、住民と行政・専門家との対話などを進め、避難されている皆さんが、住み慣れた我が家で安心して健康に暮らせることを、陛下が願っているという思いが伝わってきました。私も、とても重要だと感じている課題です。


 今、被災地の復興を妨げる大きな問題に、岩手、宮城、福島3県で2253万トンにも達する大量のがれきがあります。これまでに処理されたがれきは3県で、6%だけです。宮城県石巻市では、市が自力で処理できる106年分のがれきが残っています。放射性物質が検出されないか、低いレベルの岩手、宮城のがれきも、受け入れる自治体がほとんどありません。


 復興に向けたさまざまな課題を解決する際、「国民皆が被災者に心を寄せ、被災地の状況が改善されていくようたゆみなく努力を続けていくよう期待しています」という陛下のお言葉を思い出したいと考えています。

(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長

posted by 小だぬき at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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