週刊ポスト2012年3月30日号
高齢者が生活や社会に対するホンネを綴った「シルバー川柳」。
若い者には出せない渋い味わいと深〜い笑い。
込められた小さな毒さえ読む者をうならせる。
全国有料老人ホーム協会に寄せられた過去の入選作から傑作選を紹介しよう。
●万歩計半分以上探しもの
●カード増え暗証番号裏に書き
そりゃ悪用されるより自分が使えないほうが困るけど……。世の中、性善説では暮らせないことを知っているくせに、それさえも忘れるところが悟りの境地。
●つまずいたふと見た床に段差なし
●中身より字の大きさで選ぶ本
●お迎えはどこから来るのと孫が聞く
●孫たちにアドレス聞かれ番地言う
典型的なアナログ世代だ。お前たち、メールばかりじゃ本当の気持ちは伝わらないよと柔らかに教えてみる。が、孫はポカーン。
●不出来な子ふるさと捨てず親を看る
子の成績に一喜一憂する若い親には詠めない句だ。
●離れ住む子らに病む日も無事と書き