2012年04月10日

生活保護者“急増”の舞台ウラ…サラリーマンの“働き損”許すな

生活保護者“急増”の舞台ウラ…サラリーマンの“働き損”許すな
2012.04.09   夕刊フジ

生活保護と一般家庭.jpg


消費税増税の前に、政府の歳出削減を求める意見は多い。

中でも、生活保護費予算が3・7兆円にまで膨れ上がった背景について、与野党が「年金や最低賃金より生活保護の受給額が高いため、生活保護に流れる」「医療費の自己負担がないため、医療費が激増している」などとモラルハザードを指摘している。

病気や障害などでやむを得ない事情がある受給者も多い。だが、「働
いたら負け」の社会になりつつあるとすれば、これを放置することは許されない。

 「東京都では、圧倒的に年金加入よりも生活保護の方が得。医療費無料など、さまざまな特典がある。

年金保険料を払わずに好き放題やって、最後は生活保護に行くというのが一番安易な道だ。(年金保険料を)払った人の方が恵まれるようにならないといけない」

 民主党の桜井充参院議員は、4日の参院予算委員会で、こう政府に詰め寄った。桜井氏が示した「特典」とは、別表の通りだ。

 生活保護受給者は、月額6万6000円を切った国民年金受給者よりも手取りが多い。介護や医療費は原則無料で、NHK受信料、住民税なども免除されている。このほか、地域ごとに上限が定められている(最大5万3700円)家賃も受け取れるうえ、光熱水費の減額や母子家庭なら加算もある。

 厚労省によれば、今年1月時点で、全国の生活保護受給者は、戦後混乱期の1951年度(月平均)の204万6646人を突破して、209万1902人で過去最高を記録した。

 2012年度予算の生活保護費予算は3兆7000億円で、同年度の税収見込みが42・3兆円だから、ほぼ約9%に上る。全国最多は、橋下徹市長の大阪市で、18人に1人が生活保護を受給している。

 世帯主が「働ける層」(15−64歳)の生活保護受給が急増しているのも大きな問題だ。リーマン・ショック前の08年8月には、この層の受給割合は9%だったが、11年3月には21%にまで急増している。

 1000万人いるという年収200万円以下の「ワーキングプア層」は、年収200万ならば月収は16万7000円ほどになる。

家賃や税金、社会保険料を支払えば、生活保護受給者に比べて可処分所得が下回るケースもある。「生活保護の方が得」となってもおかしくはない。

 自民党生活保護プロジェクトチーム座長の世耕弘成参院議員は「自民党時代は若者が申請に来ても受けなかった。

09年に民主党政権になって、これが一変した。年越し派遣村の村長・湯浅誠氏が内閣参与に入った。厚労省が通達で『窓口に来た人は、できるだけ早く認めよ』と出して、タガが外れた。09年度の生活保護費は2兆8000万円だったが、12年度は30%も増えた」と話した。

 同党の片山さつき参院議員は先月末の参院予算委員会で、生活保護受給者の中で、在日外国人への支給率や増加率が増えている実態を明らかにした。人口比で見ると、支給率は3倍以上になる。

 膨れ上がった生活保護費予算のほぼ半分、1兆8000億円超は医療費だ。
1人当たり医療費(年額)は、09年度のデータで81・5万円。国民健康保険(国保)加入者は45万円だから、1・8倍となる。

 医師でもある民主党の桜井氏はこの点を問題視して、こう追及した。

 「医療費の自己負担がないので、好き放題とは言わないが、(本当に)必要な医療だけなのか。大阪市では生活保護の人以外は看ていない病院が34ある。新薬を処方してもらったうえで、ネットで販売する貧困ビジネスもあると聞く。ここにメスを入れていかないと、相当、不公平感がある」

 厚労省保護課は夕刊フジの取材に対し、11年7−9月の段階で、国保と後期高齢者を除く、外来または入院の患者がすべて生活保護受給者だった医療機関が、全国で何と104もあることを明らかにした。

 自民党の世耕氏は「生活保護の患者は、取りっぱぐれがないので病院にとっては最高のお客様だ。大きなモラルハザードが起きている」と指摘する。財務省の政務三役経験者も「4500億円は削れるはず」と話した。

 生活保護の「家賃補助」が、「不正受給」の温床になっているとの指摘もある。

 「貧困ビジネス」(幻冬舎新書)の著書があるエコノミスト、門倉貴史氏は「ホームレスを1カ所のアパートなどに囲い込んで生活保護を受けさせ、ピンハネするというビジネスもある。これが暴力団の資金源になっている場合もある」と話した。

 下手をすれば国を食いつぶしかねない生活保護だが、一体、どうすればいいのか。

 小宮山洋子厚労相は4日、「仕組み横断的にやる」と述べ、具体策は今後に委ねた。自民党は給付水準を10%下げたり、住宅や食事を現物支給することを次期衆院選の公約に盛り込む方針だ。

 消費税と並ぶ、大きな論点となりそうだ。

 ■生活保護 

一般的に高齢や病気などによって、生活費や医療費に困り、ほかに取りうる方法がないときに、困窮の程度に応じて各地方自治体が保護、自立に向けた援助を行う制度のこと。
本人などから申請を受けて、収入・資産・扶養の状況などを調査したうえ、国の決めた保護基準(基準額)とその世帯の収入を比較して、収入が保護基準を下回る場合に不足する分が保護費として支給される。

自治体・家族構成・年齢によって保護を受けられる基準額は違い、例えば、東京都杉並区の50代の単身世代の基準額は13万5310円となっている。
posted by 小だぬき at 15:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうです。
これは昔から問題になっています。それでも昔は「生活保護」を受けることに抵抗があったので歯止めがかかっていました。
今は損得で考える時代。何の抵抗もない。
生活保護の支給は生活費で、年金は補助費だなどと訳のわからん理論がまかり通る。
年金を生活の補助費にしている国民がいったいどれだけいるのか分かっていっているのか、呆れるばかり。
働いたものが損をする、正直者が損をする、そんなことがまかり通るのは馬鹿げている。
したっけ。
Posted by 都月満夫 at 2012年04月10日 18:06
都月さん お久しぶりです。私の障害年金も月にすると17万円弱です。生活保護の問題一般ではなく 支給者の決定段階が問題なのでしょうね。
私が現職の時も 外車に乗り 家族で海外旅行をする方が 受給者なんていうことがありました。正直者が損をする社会、勤労所得者が 馬鹿らしくかんじるようなモラルハザートは 避けなくてはなりませんね。
「やめ検」を読みました。労働審判の難しさですが、厳密にいうと着信記録の保存期間と残業と着信の因果関係が争点になります。
組合法対部にいたものからすると 裁判より自由労組加入の方が 同族会社には有効ではと思いました。短編が社会問題に挑戦するとより制度がわかりやすいと感心しました。
Posted by 小だぬき at 2012年04月10日 20:10
 本当に困っている人と、ずるしている人の見分けはむずかしいのでしょう。ただし、一般会計分社会保障費総額が総税収を上回るようになれば問題です。持続可能になりませんね。
 アメリカの研究で、理性より感情(欲望)を重視しできれば楽な安易な方法を選ぶ人は70%だそうですから、ほっておくとまずいかもしれません。
 でもこういう問題は少しづつ改善するのではなく制度が破壊的になってから思い切ってガラガラポンするほうが良いことも多いです。
Posted by 川ちゃん at 2012年04月12日 07:09
川ちゃん コメントありがとうございます。
今の社会保障の問題点が 給付にあるのか、雇用と自立を阻害する最低賃金と保育の待機児童など国の在り方の総合施策がないためか
論点・問題点を 政治家も考えて欲しいものです。
年金にしても 納付と給付のバランスに誤魔化しがあります。年金積立金の運用失敗や国民年金センターの給与や娯楽施設まで年金積立金での独立採算。
何か とれる所から取り、その資金に責任を負わずに 安易にまた負担増を求める。
もうそろそろ 国として「責任と義務、権利」を 明確にしないとダメですね。
Posted by 小だぬき at 2012年04月12日 07:36
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