2012年04月11日

最初はがんばりすぎず、スロースタートで

香山リカのココロの万華鏡:
私からの「贈る言葉」 
毎日新聞 2012年04月10日 東京地方版


 新年度が始まり、新しい会社、新しい学校、そして新しい町で新生活をスタートさせた人も多いと思う。


 最近は「初対面の印象が大切」などと言われ、まず明るく「はじめまして! よろしくお願いします」と元気にあいさつするところから始めましょう、と思っている人も少なくないようだ。
自己紹介の前に、部屋で鏡を見て笑顔の練習をしている人もいるのではないだろうか。


 もちろん、初対面はどんな場合でも重要だ。
ただ、最初からあまりに自分を元気に見せたり、テンションを上げたりすると、後が続かなくなることもある。いつまでも無理をし続けることで疲れを感じ、「もうみんなに会いたくない」と逆に引きこもってしまう人もいる
 
 私も精神科医として、はじめての患者さんにどう接するか、いつも考えたり迷ったりしている。
診察室に入ってきた人に、「どうぞ、おかけください」と笑顔で声をかけるのは当然だが、あまりに元気いっぱい、「ようこそ、いらっしゃいませ!」などと言うのは場違いだ。
声が大きすぎてもかえって圧迫感を与えてしまう。かと言って、暗い表情になると患者さんはますます落ち込んでしまうだろう。


 試行錯誤の結果、最近ようやくひとつのパターンに落ち着いてきた。「お待たせしました。どうぞお座りください」というところまでは、患者さんの顔を見てなるべく明るく声をかける。
そして、患者さんが腰をかけて「こんにちは」とあいさつをしたら、あとはカルテに目を落としたりパソコンのモニターで生年月日をチェックしたりして、ちょっと視線をそらす。

そうしながら「さて、今日いらしたのは……」などとなるべくいつもの口調で話しかけると、患者さんは自分のペースで「実はですね、先生」と切り出すことができる。

この時点でもじーっと相手の顔を見続けたり、大きな声で「受診の理由を述べてください!」などとすすめたりすると、初対面の相手は緊張してしまうかもしれない。
こちらにとっては診察室は“日常”だが、患者さんにとっては“はじめての場所”なのだ。


 そう、初対面ではお互いに無理をしすぎない。真正面から視線を合わさなくても、ちょっと目をそらしたり手元のメモを見たりしてもよいのだ。

それに、たとえ初対面の印象がいまひとつでも、それから少しずつ修正していくことだっていくらでもできる。最初はがんばりすぎず、スロースタートで。

これが新生活を迎える人へ、私からの“贈る言葉”だ。

posted by 小だぬき at 06:58| Comment(2) | TrackBack(0) | うつ病について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!!で茣蓙居ます。

はい、茶々淹れ(入れ)です。

http://www.youtube.com/watch?v=AaIlvaD7GD0&ob=av2e

失礼しました。

では、また後日で茣蓙居ます。
Posted by 紋狗 悠之輔 at 2012年04月11日 19:49
こんばんは。今 うつの状態が良くなく 自分の地の文で更新できないのが 苦しいです。
その分、新聞を比較する習慣がついたのは もっけの幸いと思います。
ステキな映像ですね。ご紹介ありがとうございます。
Posted by 小だぬき at 2012年04月11日 21:05
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